図面 (/)

技術 接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機およびテーパ角度補正方法

出願人 ファナック株式会社
発明者 西川亮高橋昭二
出願日 2013年2月19日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-030341
公開日 2014年9月4日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-159055
状態 特許登録済
技術分野 放電加工、電解加工、複合加工
主要キーワード 接触式検出器 軌跡方向 接触検出器 直線補正 垂直出し 放電熱 軌跡位置 テスト加工
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年9月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

外部での測定機を必要とせず機上で計測し自動で補正値を算出し入力する機能を実現するために、接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機を提供する。

解決手段

ワイヤ放電加工機の上ワイヤガイド取付けた接触検出器を使用し、ワークの上部の形状の任意の1点(P3)および、テーパ部の任意の高さで2点(P1,P2)を測定し、形状精度とテーパ角度を算出し、算出したデータを基に上,下ワイヤガイドによる上,下ワイヤガイド支持位置を算出し、算出した上,下ワイヤガイド支持位置を用いてワークの放電加工を実行する。これにより、テーパ角度や形状精度を測定する測定機を必要とせず、ワイヤ支持位置補正演算する工数が削減でき、テーパ加工加工精度が向上する。

概要

背景

ワイヤ電極を支持する上,下ワイヤガイドワイヤ支持位置をワイヤ電極の短絡検出を利用して治具などで測定し、支持位置を制御装置に設定し、ワークのテーパ加工を行う。ワイヤ電極の角度の補正を行う技術が特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1に開示される技術は、実際に加工を行わず、専用の冶具を使用して、ワイヤ電極の接触によりテーパ角度の補正を行う。特許文献2に開示される技術は、ワイヤ電極の垂直出しを自動的に行うものである。

概要

外部での測定機を必要とせず機上で計測し自動で補正値を算出し入力する機能を実現するために、接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機を提供する。ワイヤ放電加工機の上ワイヤガイドに取付けた接触検出器を使用し、ワークの上部の形状の任意の1点(P3)および、テーパ部の任意の高さで2点(P1,P2)を測定し、形状精度とテーパ角度を算出し、算出したデータを基に上,下ワイヤガイドによる上,下ワイヤガイド支持位置を算出し、算出した上,下ワイヤガイド支持位置を用いてワークの放電加工を実行する。これにより、テーパ角度や形状精度を測定する測定機を必要とせず、ワイヤ支持位置の補正を演算する工数が削減でき、テーパ加工の加工精度が向上する。

目的

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ワイヤ放電加工機の外部の測定機を必要とせず、機上で計測し自動で補正値を算出し入力する機能を実現するために、接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤ電極とを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ電極を所定の角度に傾斜させるワイヤガイド移動手段と、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器と、前記テーブルに取り付けられ、テーパ加工されたワークに対してテーパ部の任意の高さの2点を前記接触検出器により測定して得られた位置から前記テーパ部のテーパ角度を算出する手段と、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度と、前記接触検出器により測定して得られたワーク上面の位置と加工誤差がない場合のテーパ部とワーク上面が交差する位置とに基づいて、目標のテーパ角度および目標の形状寸法となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出する手段、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機。

請求項2

ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤとを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機において、前記ワイヤを所定の角度に傾斜させるワイヤガイド移動手段と、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器と、前記テーブルに取り付けられ、テーパ加工されたワークに対してテーパ部の任意の高さの2点を前記接触検出器により測定して得られた位置から前記テーパ部の角度を算出する手段と、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度、該1点の位置の高さにおける加工誤差がない場合のテーパ部の位置とに基づいて、目標のテーパ角度および目標の形状となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出する手段、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機。

請求項3

所定のテーパ角度毎に前記測定を行い、前記所定のテーパ角度毎に前記上,下ワイヤガイドのワイヤ支持位置を予め記憶した記憶手段を有し、テーパ加工指令がなされたとき、該記憶手段に記憶された上,下ワイヤガイドのワイヤ支持位置に従って上,下ワイヤガイドを移動させることを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれか一つに記載のワイヤ放電加工機。

請求項4

加工されたワークのテーパ部毎に前記測定を行い、各テーパ部の上,下ワイヤガイドのワイヤ支持位置を算出することを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれか一つに記載のワイヤ放電加工機。

請求項5

ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤとを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機のワイヤ支持位置の算出方法において、加工プログラムに従ってテーパ加工を行うステップと、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器によりテーパ部の任意の2点を前記接触検出器により測定するステップと、該測定して得られた位置から前記テーパ部の角度を算出するステップと、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度と、加工誤差がない場合のテーパ部とワーク上面が交差する位置とから目標のテーパ角度および目標の形状となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出するステップ、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機によるワイヤ支持位置の算出方法。

請求項6

ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤとを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機のワイヤ支持位置の算出方法において、加工プログラムに従ってテーパ加工を行うステップと、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器によりテーパ部の任意の2点を前記接触検器により測定するステップと、該測定して得られた位置から前記テーパ部の角度を算出するステップと、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度、該1点の位置の高さにおける加工誤差がない場合のテーパ部の位置とに基づいて、目標のテーパ角度および目標の形状となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出するステップ、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機によるワイヤ支持位置の算出方法。

技術分野

0001

本発明は、接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機に関する。

背景技術

0002

ワイヤ電極を支持する上,下ワイヤガイドワイヤ支持位置をワイヤ電極の短絡検出を利用して治具などで測定し、支持位置を制御装置に設定し、ワークのテーパ加工を行う。ワイヤ電極の角度の補正を行う技術が特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1に開示される技術は、実際に加工を行わず、専用の冶具を使用して、ワイヤ電極の接触によりテーパ角度の補正を行う。特許文献2に開示される技術は、ワイヤ電極の垂直出しを自動的に行うものである。

先行技術

0003

特開2000−24839号公報
特開平11−320266号公報

発明が解決しようとする課題

0004

実際にワークの放電加工を行うと放電熱によりワイヤ電極のたわみが増加し、テーパ角度に誤差が生じて加工精度が悪化する。特許文献1に開示される技術では、放電加工による影響が考慮されていなく、放電加工した加工物の加工精度が悪化する。さらに、ワイヤ放電加工機の機上でのワーク測定ではないので、追加工や連続の仕上げ加工に対応できない。また、特許文献2に開示される技術は、ワイヤ電極の角度の補正のみで、角度の補正と寸法の補正を行うテーパ加工に使用することはできない。

0005

上述したように従来の方法では、加工前にワイヤ電極の支持位置を治具で測定して、測定データを制御装置に設定してテーパ加工を行う。そして、テーパ加工後に加工物を工具顕微鏡や3次元測定機などの測定機で測定し、誤差から補正値演算し制御装置に補正値を入力して、再加工を行っている。

0006

したがって、従来技術は、ワイヤ放電加工機から独立した測定機が必要であることと、補正値を数式に従って演算しなければならない煩わしさある。また、加工機上から加工ワークを取り外して所要の測定を行い、再度、加工機に加工ワークを取付けても、前回の取付け位置と位置ずれが生じる。そのため、測定後の修正加工などの再加工が非常に困難である。

0007

そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ワイヤ放電加工機の外部の測定機を必要とせず、機上で計測し自動で補正値を算出し入力する機能を実現するために、接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本願の請求項1に係る発明は、ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤ電極とを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ電極を所定の角度に傾斜させるワイヤガイド移動手段と、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器と、前記テーブルに取り付けられ、テーパ加工されたワークに対してテーパ部の任意の高さの2点を前記接触検出器により測定して得られた位置から前記テーパ部のテーパ角度を算出する手段と、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度と、前記接触検出器により測定して得られたワーク上面の位置と加工誤差がない場合のテーパ部とワーク上面が交差する位置とに基づいて、目標のテーパ角度および目標の形状寸法となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出する手段、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機である。

0009

請求項2に係る発明は、ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤとを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機において、前記ワイヤを所定の角度に傾斜させるワイヤガイド移動手段と、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器と、前記テーブルに取り付けられ、テーパ加工されたワークに対してテーパ部の任意の高さの2点を前記接触検出器により測定して得られた位置から前記テーパ部の角度を算出する手段と、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度、該1点の位置の高さにおける加工誤差がない場合のテーパ部の位置とに基づいて、目標のテーパ角度および目標の形状となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出する手段、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機である。

0010

請求項3に係る発明は、所定のテーパ角度毎に前記測定を行い、前記所定のテーパ角度毎に前記上,下ワイヤガイドのワイヤ支持位置を予め記憶した記憶手段を有し、テーパ加工指令がなされたとき、該記憶手段に記憶された上,下ワイヤガイドのワイヤ支持位置に従って上,下ワイヤガイドを移動させることを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれか一つに記載のワイヤ放電加工機である。
請求項4に係る発明は、加工されたワークのテーパ部毎に前記測定を行い、各テーパ部の上,下ワイヤガイドのワイヤ支持位置を算出することを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれか一つに記載のワイヤ放電加工機である。

0011

請求項5に係る発明は、ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤとを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機のワイヤ支持位置の算出方法において、加工プログラムに従ってテーパ加工を行うステップと、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器によりテーパ部の任意の2点を前記接触検出器により測定するステップと、該測定して得られた位置から前記テーパ部の角度を算出するステップと、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度と、加工誤差がない場合のテーパ部とワーク上面が交差する位置とから目標のテーパ角度および目標の形状となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出するステップ、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機によるワイヤ支持位置の算出方法である。

0012

請求項6に係る発明は、ワークが載置されたテーブルと上ワイヤガイドと下ワイヤガイドの間に張架されたワイヤとを相対移動させて加工を行うワイヤ放電加工機のワイヤ支持位置の算出方法において、加工プログラムに従ってテーパ加工を行うステップと、前記上ワイヤガイドに設けられた接触検出器によりテーパ部の任意の2点を前記接触検器により測定するステップと、該測定して得られた位置から前記テーパ部の角度を算出するステップと、前記測定した2点のうちの何れか1点の位置と、前記算出したテーパ角度、該1点の位置の高さにおける加工誤差がない場合のテーパ部の位置とに基づいて、目標のテーパ角度および目標の形状となる前記上,下ワイヤガイドによるワイヤ支持位置を算出するステップ、とを有することを特徴とするワイヤ放電加工機によるワイヤ支持位置の算出方法である。

発明の効果

0013

本発明により、ワイヤ放電加工機の外部の測定機を必要とせず、機上で計測し自動で補正値を算出し入力する機能を実現するために、接触検出器を使用したテーパ角度補正機能を有するワイヤ放電加工機を提供できる。

図面の簡単な説明

0014

ワイヤ放電加工機を説明する図である。
任意のテーパ角度と寸法を補正する場合を説明する図である。
テーパ部の測定位置の高さを基に下ワイヤガイドの正確なワイヤ支持位置を求める方法を説明する図である。
テーパ面とXY平面とに垂直な平面による断面を示す図である。
ワーク上面の高さを基に下ワイヤガイドの正確なワイヤ支持位置を求める方法を説明する図である。
上ワイヤガイドの正確なワイヤ支持位置を求める方法を説明する図である。
ワイヤ放電加工および補正のフローを説明する図である。
加工プログラム上に予め決められた位置に複数のテーパ加工がある場合の補正を説明する図である。

実施例

0015

以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は本発明に係るワイヤ放電加工機の実施形態の構成図である。
ワイヤ放電加工機2はワイヤ電極21と、被加工物である工作物との間に放電を発生させることで工作物の加工を行う機械である。ワイヤ放電加工機2は、ベッド10上に、X軸モータ22の駆動によってX軸方向に移動するX軸サドル11を備え、X軸サドル11の上に、Y軸モータ23の駆動によってY軸方向に移動するY軸テーブル12を備える。Y軸テーブル12上には内部に工作物を載置する工作物取付け台(図示せず)を備えた加工槽27が固定されている。

0016

コラム13はベッド10に垂直に立てられる。コラム13はその上部にV軸サドル15を備える。V軸サドル15はV軸モータ25が駆動することによってV軸方向に移動する。V軸方向はY軸方向と同じである。V軸サドル15にはU軸サドル16が取り付けられている。U軸サドル16はU軸モータ24の駆動によってU軸方向に移動する。U軸方向はX軸方向と同じ方向である。U軸サドル16にはZ軸スライダ17が取り付けられている。Z軸スライダ17はZ軸モータ26の駆動によってZ軸方向に移動する。

0017

Z軸スライダ17には上ワイヤガイド28が取り付けられている。上ワイヤガイド28は加工液噴出する上ノズル18を備え、工作物の上部でワイヤ電極21を支持する。コラム13の側面部にはアーム14が水平に取り付けられる。アーム14の先端には下ワイヤガイド29が配置されている。下ワイヤガイド29は、加工液を噴出する下ノズル19を備え、Y軸テーブル12に固定された加工槽27に備わった工作物取付け台に載置される工作物の下方に位置し、工作物の下部でワイヤ電極21を支持する。なお、上,下ワイヤガイド28,29は従来公知の構造と同じであって、それぞれの内部に、上ダイスガイド,下ダイスガイド(図示せず)を備えており、上,下ダイスガイドによってワイヤ電極21が実質的に支持される。

0018

X軸モータ22,Y軸モータ23,Z軸モータ26,U軸モータ24,V軸モータ25はそれぞれ、制御装置50と動力信号線51によって接続されており、各軸モータは図示しないアンプを備えた制御装置50から動力(電力)が供給されると共に、制御装置50との間で各種信号の授受を行う。制御装置50はワイヤ放電加工機を全体的に制御する装置であり、図示しない演算装置表示装置、各種信号の入出力用インタフェース、アンプを備えており、さらに、各種データを記憶する記憶装置を備えている。なお、図1では、X軸およびU軸は紙面に垂直な方向、Y軸およびV軸は紙面の左右方向、Z軸は紙面の上下方向である。

0019

上述したワイヤ放電加工機2の構成は従来公知のものである。本発明では、後述する接触検出器を使用したテーパ角度と加工形状の補正を行う手段(具体的にはプログラム)を制御装置50のメモリに格納している。

0020

以下、本発明に係るテーパ角度と加工形状を補正する補正方法を説明する。
図2は任意のテーパ角度と寸法を補正する場合を説明する図である。あるテーパ部において、P1は第1のテーパ部測定位置、P2は第2のテーパ部測定位置、P3はワーク上面の測定位置(ワーク高さ測定位置)を表す。また、他のテーパ部において、P1’は第1のテーパ部測定位置、P2’は第2のテーパ部測定位置、P3’はワーク上面の測定位置を表す。符号31は加工中のワイヤ電極の、符号32はワイヤ電極の軌跡方向に垂直な面とテーパ部の交線を意味する。

0021

加工の目標とする加工形状に対するテーパ部のテーパ角度のずれと形状寸法のずれを下記のようにして補正する。
(1)任意の大きさのテーパ角度と加工形状を補正する場合は、図2に示されるように異なる複数のテーパ角度を有するテスト形状の加工を行い、テーパ加工した部分に対して各テーパ部でワイヤ電極の軌跡に垂直な方向の任意の2点とワーク3上面の1点を接触検出器20で測定を行い、測定する一点と同じ高さの目標の位置のデータを予め数値制御装置に入力し、数値制御装置上で演算して、上,下ワイヤガイド28,29のワイヤ支持位置を補正し、目標とするテーパ角度および形状寸法になるよう補正する。任意の2点とワーク3上面の1点の組として図2では、(P1,P2,P3)、(P1’,P2’,P3’)が図示されている。なお、ワーク上面の測定は後述する<ワーク高さから求める場合>に行われる。

0022

まず、下ワイヤガイド29の正確なワイヤ支持位置uの算出方法を説明する。算出方法は下記の2つの方法がある。
測定点高さから求める場合>
図3図4を用いて説明する。この場合、図3に示されるP1,P2の2つの位置が接触式検出器を用いて測定される。
補正の計算方法図3のように各位置(各位置のデータ)を設定した場合、ワーク置き台4に載置され加工したワーク3のテーパ部の傾きα、下ワイヤガイド29の正確な下ワイヤガイド支持位置u、上ワイヤガイド28の正確な上ワイヤガイド支持位置vは以下の式で表される。なお、正確な下ワイヤガイド支持位置uと正確な上ワイヤガイド支持位置vとは、V軸とU軸を意味するものではない。

0023

まず、テーパ部の傾きα(傾斜角)を求める方法を、図4を用いて説明する。図4はテーパ面とXY平面とに垂直な平面による断面を示す図である。なお、図4においてテーパ面はX軸に平行な方向を含む面に限定されず任意の向きの面として示されている。ワイヤ放電加工を行ったときのワイヤ電極の傾斜勾配は加工物の傾斜に転写されるので、測定した2点から傾斜角αを求める。なお、数3式〜数12式に現れるθ、a、bを説明する。θはプログラム上で指令されるテーパ角度である。aは加工時の下ワイヤガイド29のワイヤ支持位置である。bは加工時の上ワイヤガイド28のワイヤ支持位置である。これらのθ、a、bは、制御装置50が加工プログラムを実行する際に、加工プログラムを解析することで得られるデータであって、新たに測定するものではない。

0024

0025

数1式を変形すると、

0026

0027

そして、図3に示されるように、高さz1上のXY平面でのワイヤ電極垂直位置からの目標位置までの距離Lはtanθおよびtanαと測定位置と目標値の誤差Sを使用した場合、それぞれ、Lは数3式、Sは数4式で求められる。なお、数4式で用いられる位置P4(x4,y4,z1)は、測定位置P1に対応して予め制御装置50のメモリに記憶しておくデータである。

0028

0029

0030

数3式を変形し数5式に示されるようにuを求める。

0031

0032

数5式に数4式を代入して変形し数6式に示されるようにuを求める。

0033

0034

ここで、数6式を補足して説明する。x4、y4は、接触式検出器を用いて実際に測定する座標のデータではなく、ワーク高さz1での目標の座標値として設定されるものである。なお、数8式で用いられる位置P5(x5,y5,z3)は、測定位置P1に対応して予め制御装置50のメモリに記憶しておくデータである。
<ワーク高さから求める場合>
図5を用いて説明する。この場合、図5に示されるP1,P2,P3の3つの位置が接触式検出器を用いて測定される。高さz3上のXY平面でのワイヤ電極垂直位置からの目標位置までの距離Lはtanθおよびtanαと測定位置と目標値の誤差Sを使用した場合それぞれ次のように表される。

0035

0036

Sはワーク高さでの目標位置、測定位置1およびtanαから数8式のように表される。

0037

0038

uは数7式を変形し数9式により求められる。

0039

0040

数9式に数8式を代入し数10式によりuを求める。

0041

0042

ここで、数10式を補足して説明する。x5、y5は、接触式検出器を用いて実際に測定する座標のデータではなく、ワーク高さz1での目標の座標値として設定されるものである。

0043

次に、正確な上ワイヤガイド支持位置vの算出方法を説明する。

0044

<vの求め方>
図6に示されるように、ワイヤ電極の傾けた位置の量Lはtanαとtanθを使用すると数11式で表される。

0045

0046

数11式を変形しvを数12式により求める。

0047

0048

上述した方法により求めた正確な上,下ワイヤガイド支持位置を用いて以後加工を行う。この一連の手順は図7に示すフローチャートの処理で表される。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA01]ワークにテーパ部を含む放電加工を行う。
●[ステップSA02]テーパ部のワイヤ電極の軌跡方向に垂直でワーク上の任意の2点の位置(第1テーパ部測定位置P1、第2テーパ部測定位置P2)を測定する。
●[ステップSA03]ステップSA02で測定した2点の位置のデータを基にテーパ部のテーパ角度を計算する。
●[ステップSA04]目標位置がワークの高さに対応するかまたは測定位置の高さの位置に対応するか判断し、ワークの高さに対応する場合にはステップSA05へ移行し、目標位置が測定位置の高さに対応する場合にはステップSA07へ移行する。
●[ステップSA05]ワーク高さ測定位置P3を測定する。
●[ステップSA06]数10式により下ワイヤガイドの正確な下ワイヤ支持位置を計算し、ステップSA08へ移行する。
●[ステップSA07]数6式により下ワイヤガイドの正確な下ワイヤ支持位置を計算し、ステップSA08へ移行する。
●[ステップSA08]数l2式により上ワイヤガイドの正確な上ワイヤ支持位置を計算する。
●[ステップSA09]正確な上,下ワイヤ支持位置を適用する。具体的には、加工プログラムに従ってワイヤ電極をワークに対して相対的に移動させる場合、各ステップで算出した上,下ワイヤ支持位置となるように補正して相対的に移動させる。
●[ステップSA10]次の加工を実行する。

0049

なお、加工および測定していないテーパ角度においては、測定した角度間の値で直線補正直線近似)した各ガイドの保持支点位置の値を使用する。またワイヤ電極の支持位置はワイヤ電極を傾ける角度だけでなく傾けるU,V軸方向によっても補正値が変わるため、各角度だけでなく、各U,V軸方向にも合わせて補正値を持つことにより更に高精度に支持位置の補正を行うことができる。
(2)図8のように加工プログラム上に予め決められた位置に複数のテーパ加工を行う場合は、まず、テスト加工を行いプログラム上のテーパ部毎に測定し補正演算を行う。本番加工を行う場合は、テーパ部毎に補正した値を入力して加工する。
(3)前記(2)のように別ワークに加工せずに、本番加工用ワークで、実際の加工形状より、加工プログラム経路オフセットをかけて、目標より少なめに加工を行い、各テーパ部を測定し補正演算を行い、その後実際の加工形状で加工してもよい。
(4)複数回の仕上げ加工があるテーパ加工の場合、前記(1),(2)のようなテスト加工を行わなくてもよく、各回の加工終了後にプログラム上の各テーパ部を測定し補正演算を行い、次の仕上げ加工に各テーパ部で各補正値を使用して加工する。
(5)前記(2),(3),(4)で測定結果、目標とする形状寸法に対して、加工の残し側にずれがある場合は、補正した結果をもとに再度追加工を行い、目標の形状寸法となるように、再度加工する。

0050

本発明は、上述したように、テーパ形状を測定するための高価な光学顕微鏡や3次元測定機設備が不要である。テーパ角度を測定するために加工機上からワークを取り外し、測定機にワークを段取りする手間、および、再び加工機にワークを段取りするときのワークの位置ずれがない。また、測定後に連続して仕上げ加工もしくは、寸法公差に収めるための追加工が可能になる。また、自動で測定加工と補正値を求める演算を行うため、大幅な工数削減ができ、自動で高精度なテーパ加工が可能になる。

0051

2ワイヤ放電加工機

3 ワーク
4 ワーク置き台

10ベッド
11 X軸サドル
12 Y軸テーブル
13コラム
14アーム
15 V軸サドル
16 U軸サドル
17 Z軸スライダ
18 上ノズル
19 下ノズル
20接触検出器
21ワイヤ電極
22 X軸モータ
23 Y軸モータ
24 U軸モータ
25 V軸モータ
26 Z軸モータ
27加工槽

28 上ワイヤガイド
28a 加工時の上ワイヤ支持位置
28u 正確な上ワイヤ支持位置

29 下ワイヤガイド
29a 加工時の下ワイヤ支持位置
29u 正確な下ワイヤ支持位置

50制御装置
51動力・信号線

100 Z軸方向基準位置
102 ワイヤ電極の垂直位置
104 加工を行ったワイヤ電極の軌跡位置
106目標の寸法になるワイヤ電極の軌跡
108 ワイヤ電極を傾けたときの上ワイヤガイドの位置(UV軸の移動量)

P1 第1テーパ部測定位置
P2 第2テーパ部測定位置
P3 ワーク高さ測定位置
P4 第1テーパ部測定位置の高さでの目標の位置
P5 ワーク高さ頂点部での目標の位置

a 加工時の下ワイヤガイドのワイヤ支持位置
u 正確な下ワイヤガイドのワイヤ支持位置
b 加工時の上ワイヤガイドのワイヤ支持位置
v 正確な上ワイヤガイドのワイヤ支持位置
θプログラムにより指令されたテーパ角度
α 加工したワークのテーパ角度

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • ファナック株式会社の「 ワイヤ放電加工機およびワイヤ放電加工方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】加工対象物を再加工する際に加工プログラムを必要としないワイヤ放電加工機およびワイヤ放電加工方法を提供する。【解決手段】加工対象物Wの加工面Sに沿ってワイヤ電極12を相対移動させつつ加工面Sとワ... 詳細

  • ファナック株式会社の「 ワイヤ放電加工機および自動結線方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】ワイヤ電極の自動結線が成功する確率を向上する。【解決手段】ワイヤ放電加工機10は、ワイヤ電極14を支持する上下ワイヤガイド16と、加工対象物Wの加工中におけるワイヤ電極14の断線を検出する断線... 詳細

  • 株式会社メックインターナショナルの「 曲孔放電加工装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】 簡単な構造を有する曲孔放電加工装置を提案する。【解決手段】 軸方向に沿ってスライドする主軸を備える型彫放電加工装置に取り付けられて使用される曲孔放電加工装置を提案する。この曲孔放電加工装... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ