図面 (/)

技術 波長可変レーザ素子の制御方法および波長可変レーザ装置

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 黒部立郎屋冨祖良貴池永賀彦向原智一
出願日 2014年6月4日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2014-116301
公開日 2014年8月28日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2014-158058
状態 特許登録済
技術分野 半導体レーザ
主要キーワード 消費電量 飽和光出力 強度範囲 波長可変レーザ装置 DBR 飽和特性 透過波長特性 DFB
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年8月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

消費電力を低くできる波長可変レーザ素子制御方法および波長可変レーザ装置を提供すること。

解決手段

出力すべきレーザ光波長に応じて、複数の半導体レーザ素子から駆動すべき半導体レーザ素子を選択する選択工程と、選択した半導体レーザ素子を出力すべきレーザ光の波長に応じた所定の温度に調整するとともに、選択した半導体レーザ素子に所定の温度に応じた電流値駆動電流を供給してレーザ光を出力させる駆動工程と、出力されたレーザ光を半導体光増幅器増幅する増幅工程とを含み、増幅されたレーザ光の強度は、選択した半導体レーザ素子の駆動電流に対して温度に依存した飽和特性を有し、駆動工程における所定の電流値は、増幅されたレーザ光の光強度が所定の温度における飽和光出力強度となる電流値よりも低い電流値であることを特徴とする波長可変レーザ素子の制御方法。

概要

背景

従来、たとえばDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)光通信用波長可変光源として、集積型の波長可変レーザ素子が開示されている(たとえば特許文献1、2、非特許文献1〜3参照)。特許文献1に開示される波長可変レーザ素子は、互いにレーザ発振波長が異なる複数の分布帰還型(Distributed Feedback:DFB)の半導体レーザ素子と、多モード干渉型(Multi Mode Interferometer:MMI)の光合流器と、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)を一つの基板上に集積したものである。

この波長可変レーザ素子は、複数のDFBレーザ素子から選択した1つのDFBレーザ素子を駆動し、このDFBレーザ素子が出力したレーザ光を光合流器にて半導体光増幅器に結合し、所望の光強度に増幅して出力するように構成されている。ここで、各DFBレーザ素子のレーザ発振波長は、DFBレーザ素子の温度調整によってたとえば3nm〜4nm程度変化させることができる。また、各DFBレーザ素子のレーザ発振波長の波長間隔は、この温度調整によって変化する程度の間隔に設定されている。したがって、この波長可変レーザは、駆動するDFBレーザ素子の選択と、駆動するDFBレーザの温度調整によって、連続的かつ広い波長範囲において所望の波長のレーザ光を出力できる。

概要

消費電力を低くできる波長可変レーザ素子の制御方法および波長可変レーザ装置を提供すること。出力すべきレーザ光の波長に応じて、複数の半導体レーザ素子から駆動すべき半導体レーザ素子を選択する選択工程と、選択した半導体レーザ素子を出力すべきレーザ光の波長に応じた所定の温度に調整するとともに、選択した半導体レーザ素子に所定の温度に応じた電流値駆動電流を供給してレーザ光を出力させる駆動工程と、出力されたレーザ光を半導体光増幅器で増幅する増幅工程とを含み、増幅されたレーザ光の強度は、選択した半導体レーザ素子の駆動電流に対して温度に依存した飽和特性を有し、駆動工程における所定の電流値は、増幅されたレーザ光の光強度が所定の温度における飽和光出力強度となる電流値よりも低い電流値であることを特徴とする波長可変レーザ素子の制御方法。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を低くできる波長可変レーザ素子の制御方法および波長可変レーザ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

温度調整によってレーザ発振波長を変化させることができる複数の半導体レーザ素子と、前記複数の半導体レーザ素子から入力されるレーザ光増幅する半導体光増幅器とを備える波長可変レーザ素子制御方法であって、出力すべきレーザ光の波長に応じて、前記複数の半導体レーザ素子から駆動すべき半導体レーザ素子を選択する選択工程と、前記選択した半導体レーザ素子を前記出力すべきレーザ光の波長に応じた所定の温度に調整するとともに、前記選択した半導体レーザ素子に、前記所定の温度に応じた電流値駆動電流を供給してレーザ光を出力させる駆動工程と、出力された前記レーザ光を前記半導体光増幅器で増幅する増幅工程と、を含み、前記増幅されたレーザ光の強度は、前記選択した半導体レーザ素子の駆動電流に対して温度に依存した飽和特性を有し、前記駆動工程における前記所定の電流値は、前記増幅されたレーザ光の光強度が前記所定の温度における飽和光出力強度となる電流値よりも低い電流値であることを特徴とする波長可変レーザ素子の制御方法。

請求項2

前記所定の温度および前記所定の電流値は、前記半導体レーザ素子を制御する制御装置に記憶されたテーブルに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の波長可変レーザ素子の制御方法。

請求項3

前記所定の温度が低いほど前記所定の電流値が小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の波長可変レーザ素子の制御方法。

請求項4

前記所定の電流値は、前記増幅されたレーザ光の光強度が前記所定の温度における飽和光出力強度となる電流値よりも低く、該飽和光出力強度の−3dBとなる電流値以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の波長可変レーザ素子の制御方法。

請求項5

温度調整によってレーザ発振波長を変化させることができる複数の半導体レーザ素子と、前記複数の半導体レーザ素子から入力されるレーザ光を増幅する半導体光増幅器と、出力すべきレーザ光の波長に応じて、前記複数の半導体レーザ素子から駆動すべき半導体レーザ素子を選択し、前記選択した半導体レーザ素子を出力すべきレーザ光の波長に応じて所定の温度に調整するとともに、前記選択した半導体レーザ素子に前記所定の温度に応じた電流値の駆動電流を供給してレーザ光を出力させる制御装置と、を備え、前記半導体光増幅器で増幅されたレーザ光の強度は、前記選択した半導体レーザ素子の駆動電流に対して温度に依存した飽和特性を有し、前記駆動電流の前記所定の電流値は、前記増幅されたレーザ光の光強度が前記所定の温度における飽和光出力強度となる電流値よりも低い電流値である、ことを特徴とする波長可変レーザ装置

請求項6

前記所定の温度および前記所定の電流値は、前記制御装置に記憶されたテーブルに基づいて決定されることを特徴とする請求項5に記載の波長可変レーザ装置。

請求項7

前記所定の電流値は、前記増幅されたレーザ光の光強度が、前記所定の温度における飽和光出力強度となる電流値よりも低く、該飽和光出力強度の−3dBとなる電流値以上である請求項5または6に記載の波長可変レーザ装置。

技術分野

0001

本発明は、波長可変レーザ素子制御方法および波長可変レーザ装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、たとえばDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)光通信用波長可変光源として、集積型の波長可変レーザ素子が開示されている(たとえば特許文献1、2、非特許文献1〜3参照)。特許文献1に開示される波長可変レーザ素子は、互いにレーザ発振波長が異なる複数の分布帰還型(Distributed Feedback:DFB)の半導体レーザ素子と、多モード干渉型(Multi Mode Interferometer:MMI)の光合流器と、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)を一つの基板上に集積したものである。

0003

この波長可変レーザ素子は、複数のDFBレーザ素子から選択した1つのDFBレーザ素子を駆動し、このDFBレーザ素子が出力したレーザ光を光合流器にて半導体光増幅器に結合し、所望の光強度に増幅して出力するように構成されている。ここで、各DFBレーザ素子のレーザ発振波長は、DFBレーザ素子の温度調整によってたとえば3nm〜4nm程度変化させることができる。また、各DFBレーザ素子のレーザ発振波長の波長間隔は、この温度調整によって変化する程度の間隔に設定されている。したがって、この波長可変レーザは、駆動するDFBレーザ素子の選択と、駆動するDFBレーザの温度調整によって、連続的かつ広い波長範囲において所望の波長のレーザ光を出力できる。

0004

特開2005−317695号公報
特開2008−103766号公報

先行技術

0005

M. Bouda et al., Proc., OFC 2000, TuL1, 178.
H. Oohashi et al., Tech. Dig., IPRM‘ 2001, Nara, FBI-2, 575.
K. Kudo et al.,IEEE Phohtonics Technology Letters, 12(2000),242.

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、DWDM光通信システム内で使用される波長可変レーザ素子の増加にともない、システム全体での消費電力を低減するために、より消費電力が低い波長可変レーザ素子が求められている。

0007

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力を低くできる波長可変レーザ素子の制御方法および波長可変レーザ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る波長可変レーザ素子の制御方法は、温度調整によってレーザ発振波長を変化させることができる複数の半導体レーザ素子と、前記複数の半導体レーザ素子から入力されるレーザ光を増幅する半導体光増幅器とを備える波長可変レーザ素子の制御方法であって、出力すべきレーザ光の波長に応じて、前記複数の半導体レーザ素子から駆動すべき半導体レーザ素子を選択するとともに該選択した半導体レーザ素子を所定の温度に調整する調整工程と、前記選択した半導体レーザ素子に、前記所定の温度に応じた電流値駆動電流を供給する電流供給工程と、を含むことを特徴とする。

0009

また、本発明に係る波長可変レーザ素子の制御方法は、上記の発明において、前記電流供給工程において、前記半導体光増幅器の光出力強度が、前記選択した半導体レーザ素子の駆動電流に対して飽和特性を有し、かつ飽和光出力強度から所定の強度範囲内になるように、前記選択した半導体レーザ素子に供給する駆動電流を制御することを特徴とする。

0010

また、本発明に係る波長可変レーザ装置は、温度調整によってレーザ発振波長を変化させることができる複数の半導体レーザ素子と、前記複数の半導体レーザ素子から入力されるレーザ光を増幅する半導体光増幅器と、出力すべきレーザ光の波長に応じて前記複数の半導体レーザ素子から選択した半導体レーザ素子を所定の温度に調整するとともに、該選択した半導体レーザ素子に該所定の温度に応じた電流値の駆動電流を供給する制御装置と、を備えることを特徴とする。

0011

また、本発明に係る波長可変レーザ装置は、上記の発明において、前記制御装置は、前記半導体光増幅器の光出力強度が、前記選択した半導体レーザ素子の駆動電流に対して飽和特性を有し、かつ飽和光出力強度から所定の強度範囲内になるように、前記選択した半導体レーザ素子の駆動電流を制御することを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明によれば、消費電力を低くできる波長可変レーザ素子の制御方法および波長可変レーザ装置を実現できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0013

図1は、実施の形態に係る波長可変レーザ装置の模式的な構成図である。
図2は、図1に示す波長可変レーザ素子の模式的な構成図である。
図3は、DFBレーザ素子の駆動電流と半導体光増幅器の光出力強度との関係を説明する図である。
図4は、DFBレーザ素子の駆動電流の設定を説明する図である。
図5は、2つのDFBレーザ素子の波長、温度、および駆動電流の設定の一例を示す図である。
図6は、図5に示す2つのDFBレーザ素子の波長と、温度および駆動電流との関係を示す図である。
図7は、実施例および比較例の波長可変レーザ装置の消費電力を示す図である。

実施例

0014

以下に、図面を参照して本発明に係る波長可変レーザ素子の制御方法および波長可変レーザ装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0015

(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る波長可変レーザ装置の模式的な構成図である。図1に示すように、この波長可変レーザ装置100は、筐体1に収容されたペルチェ素子2と、ペルチェ素子2上に載置されたペルチェ素子3と、ペルチェ素子3上にサブマウント4を介して載置された波長可変レーザ素子5およびサーミスタ6と、ペルチェ素子3上に載置されたコリメータレンズ7と、ペルチェ素子2上に載置されたビームスプリッタ8、フォトダイオード9、エタロンフィルタ10、およびフォトダイオード11と、筐体1の突出部に収容された光アイソレータ12、集光レンズ13、および光ファイバ14と、制御装置15とを備えている。

0016

波長可変レーザ素子5は、所定の波長のレーザ光Lを出力する。サーミスタ6は、波長可変レーザ素子5の近傍に配置されており、波長可変レーザ素子5の温度をモニタするために使用される。コリメータレンズ7は、波長可変レーザ素子5が出力したレーザ光Lを平行光にする。ビームスプリッタ8は、レーザ光Lの大部分(たとえば90%以上)を透過しつつ、一部の光を反射光RLとして反射する。フォトダイオード9は、反射光RLの光路の一部を遮るように配置されており、反射光RLの一部を受光し、その受光量に応じた電流を出力する。エタロンフィルタ10は、波長に対して周期的に変化する透過波長特性を有しており、フォトダイオード9により遮られなかった反射光RLをその波長に応じた透過率で透過する。フォトダイオード11は、エタロンフィルタ10が透過した反射光RLを受光し、その受光量に応じた電流を出力する。なお、フォトダイオード9はレーザ光Lの強度をモニタするために使用される。また、エタロンフィルタ10とフォトダイオード11はレーザ光Lの波長をモニタするために使用される。

0017

また、光アイソレータ12は、ビームスプリッタ8を透過したレーザ光Lを透過しつつ、光ファイバ14側から波長可変レーザ素子5へ戻る光を遮断する。集光レンズ13は、光アイソレータ12を透過したレーザ光Lを光ファイバ14に結合させる。

0018

ペルチェ素子2は、波長可変レーザ素子5を冷却するとともに、エタロンフィルタ10の温度を調整するために使用される。ペルチェ素子3は、波長可変レーザ素子5の温度調整のために使用される。また、制御装置15は、サーミスタ6の電気抵抗値を測定し、フォトダイオード9、11からの電流を受付けるとともに、ペルチェ素子2、3、および波長可変レーザ素子5に駆動電流を供給する。

0019

つぎに、波長可変レーザ素子5について具体的に説明する。図2は、図1に示す波長可変レーザ素子5の模式的な構成図である。図2に示すように、波長可変レーザ素子5は、同一基板上に集積した、複数のDFBレーザ素子51と、複数のDFBレーザ素子51に接続した複数の光導波路52と、複数の光導波路52に接続した、たとえばMMI型である光合流器53と、光合流器53に接続した光導波路54と、光導波路54に接続した半導体光増幅器55と、半導体光増幅器55に接続した曲げ導波路56とを備えている。なお、制御装置15は、複数のDFBレーザ素子51および半導体光増幅器55のそれぞれに駆動電流を供給する。

0020

複数のDFBレーザ素子51は、例えば12個のDFBレーザ素子51aから構成されている。また、各DFBレーザ素子51aは、同一温度において互いに異なるレーザ発振波長を有するが、温度を調整することによってそのレーザ発振波長を変化させることができる。

0021

具体的には、各DFBレーザ素子51aは、例えば3nm〜4nm程度の範囲内でレーザ発振波長を変化させることができる。また、各DFBレーザ素子51aのレーザ発振波長は、同一温度において3nm〜4nm程度の間隔で並ぶように設計されている。これによって、波長可変レーザ素子5は、DFBレーザ素子51aが12個の場合に、たとえば1526nmから1563nmの広い波長可変範囲を実現することができる。

0022

つぎに、図1、2を用いて、本実施の形態に係る波長可変レーザ装置100の動作および波長可変レーザ素子5の制御方法について説明する。

0023

はじめに、出力すべきレーザ光Lの波長および光強度に応じて、複数のDFBレーザ素子51から、駆動すべきDFBレーザ素子51aを選択し、選択したDFBレーザ素子51aの温度および駆動電流、ならびに半導体光増幅器55の駆動電流を決定する。なお、この選択および決定は、たとえば、外部からの指令に基づき、制御装置15に記憶された各DFBレーザ素子51aおよび半導体光増幅器55の温度と駆動電流との関係を示すテーブルに基づいて実行することができる。

0024

つぎに、制御装置15は、決定したDFBレーザ素子51aの温度および駆動電流、ならびに半導体光増幅器55の駆動電流に基づき、ペルチェ素子2、3に駆動電流を供給して選択したDFBレーザ素子51aの温度を調整するとともに、選択したDFBレーザ素子51aおよび半導体光増幅器55に駆動電流を供給する。駆動電流を供給したDFBレーザ素子51aは、所望の波長のレーザ光Lを出力する。

0025

複数の光導波路52のうち、選択したDFBレーザ素子51aに接続した光導波路は、レーザ光Lを光合流器53に導波する。光合流器53は、レーザ光Lを、光導波路54を介して半導体光増幅器55に導波する。半導体光増幅器55は、入力されたレーザ光Lを増幅し、曲げ導波路56に出力する。曲げ導波路56は、増幅されたレーザ光Lを、出射端面に対し約7度だけ傾斜させて出力する。なお、レーザ光Lの出射端面に対する傾斜角度は、6〜12度の範囲に調整することが望ましい。これにより、レーザ光Lのうち、出射端面での反射によって複数のDFBレーザ素子51側へ戻る光の量を減少させることができる。

0026

波長可変レーザ素子5が出力したレーザ光Lは、コリメータレンズ7、ビームスプリッタ8、光アイソレータ12、集光レンズ13を順次通過して光ファイバ14に結合し、波長可変レーザ装置100の外部に出力される。

0027

なお、制御装置15は、サーミスタ6によりモニタした波長可変レーザ素子5の温度、およびフォトダイオード9、11およびエタロンフィルタ10によりモニタしたレーザ光Lの光強度および波長に基づいて、ペルチェ素子2、3、選択したDFBレーザ素子51a、および半導体光増幅器55の駆動電流を調整することによって、レーザ光Lの光強度および波長が一定になるようにフィードバック制御する。

0028

ここで、従来の波長可変レーザ装置では、選択したDFBレーザ素子に、その温度にかかわらず一定の駆動電流を供給していた。これに対して、本実施の形態に係る波長可変レーザ装置100では、制御装置15は、選択したDFBレーザ素子51aに、温度に応じた電流値の駆動電流を供給する。これによって、波長可変レーザ装置100は、従来の波長可変レーザ装置よりも消費電力が低くなる。

0029

以下、具体的に説明する。図3は、DFBレーザ素子の駆動電流と半導体光増幅器の光出力強度との関係を説明する図であり、図3(a)は、DFBレーザ素子51aの温度が10℃の場合を示し、図3(b)は、DFBレーザ素子51aの温度が50℃の場合を示している。なお、半導体光増幅器55の駆動電流は一定とする。

0030

図3(a)、(b)に示すように、DFBレーザ素子51aの駆動電流が増加するにつれて、DFBレーザ素子51aが出力して半導体光増幅器55に入力するレーザ光の強度が増加するので、半導体光増幅器55の光出力強度も増加する。ここで、半導体光増幅器55は、入力される光強度に対して利得飽和特性を有する。そのため、半導体光増幅器55の光出力強度も、図3(a)、(b)の曲線が示すように、DFBレーザ素子51aの駆動電流に対して飽和特性を有する。なお、飽和特性を有するとは、半導体光増幅器55の光出力強度が、DFBレーザ素子51aの駆動電流に対して比例せず、光出力強度が飽和する特性を有していることを意味する。

0031

ただし、DFBレーザ素子51aは、温度が低い方が発光効率が高いため、駆動電流が同じでも、温度が低い方が出力するレーザ光の光強度が高くなる。したがって、図3(a)、(b)において、温度が10℃の場合の方が、50℃の場合より小さい電流値で、光出力強度が飽和し始めることからもわかるように、DFBレーザ素子51aの温度が低い方が、半導体光増幅器55の光出力強度の飽和特性が顕著になる。

0032

ここで、図3(a)、(b)において、DFBレーザ素子51aの温度が10℃の場合の半導体光増幅器55の飽和光出力強度をPm1、光出力強度が略Pm1となるときのDFBレーザ素子51aの駆動電流をIm1、Pm1よりも2dBだけ低い光出力強度をPs1、そのときのDFBレーザ素子51aの駆動電流をIs1とする。同様に、DFBレーザ素子の温度が50℃の場合の半導体光増幅器55の飽和光出力強度をPm2、光出力強度が略Pm2となるときのDFBレーザ素子51aの駆動電流をIm2、Pm2よりも2dBだけ低い光出力強度をPs2、そのときのDFBレーザ素子51aの駆動電流をIs2とする。上述したように、DFBレーザ素子51aの温度が低い方が、より小さい電流値で半導体光増幅器55の光出力強度が飽和し始めるため、Im1<Im2、かつIs1<Is2である。

0033

上述したように、従来の波長可変レーザ装置では、選択したDFBレーザ素子に、その温度にかかわらず、一定の駆動電流、たとえば図3(a)、(b)に示すように、Is1やIs2よりも大きい電流であるIld2を供給していた。

0034

これに対して、本実施の形態に係る波長可変レーザ装置100では、選択したDFBレーザ素子51aに、温度に応じた電流値の駆動電流を供給する。具体的には、選択したDFBレーザ素子51aの温度が50℃の場合は駆動電流Ild2を供給するが、温度が10℃の場合には、Ild2よりも小さくIs1よりも大きい駆動電流Ild1を供給する。

0035

上述したように、DFBレーザ素子51aの温度が低い方が、飽和特性が顕著であるため、DFBレーザ素子51aの温度が低い場合は、駆動電流を小さくしても半導体光増幅器55の光出力強度の低下量がより小さい。本実施の形態に係る波長可変レーザ装置100では、この特性を利用して、DFBレーザ素子51aの温度が低い場合には、DFBレーザ素子51aに供給する駆動電流を小さくするように制御することによって、DFBレーザ素子51aの余分な電力消費を削減して消費電量を低くしている。これによって、波長可変レーザ装置100全体としての消費電力を低くしているのである。

0036

DFBレーザ素子51aの駆動電流の設定についてより具体的に説明する。図4は、DFBレーザ素子の駆動電流の設定を説明する図である。図4に示すように、半導体光増幅器55の光出力強度をPとすると、Pは、DFBレーザ素子51aの温度Tld、半導体光増幅器55の駆動電流Isoa、DFBレーザ素子51aの駆動電流Ildをパラメータとして、P=f(Tld、Isoa、Ild)なる関数で表される。

0037

図4において、半導体光増幅器55の飽和光出力強度をPm、光出力強度が略PmとなるときのDFBレーザ素子の駆動電流をImax、Pmよりもα[dB]だけ低い光出力強度をPs、そのときのDFBレーザ素子51aの駆動電流をIminとすると、光出力強度がPmからPsの範囲に相当する駆動電流であるIminからImaxの範囲が、適切なDFBレーザ素子51aの駆動電流の範囲である。

0038

なお、P=f(Tld、Isoa、Ild)は、Tld、Isoaを一定として、Ildを変化させながら、半導体光増幅器55の光出力強度を測定し、図4に示す飽和特性を有する光出力強度の曲線を求めることによって決定できる。そして、各DFBレーザ素子51aに対して、様々な値のTld、IsoaについてP=f(Tld、Isoa、Ild)を求め、これを用いてIminおよびImaxを求める。これによって、使用条件に応じた適切な駆動電流の範囲を求めることができる。

0039

なお、上記のα[dB]の値としては、本実施の形態では2dBとしているが、半導体光増幅器55が飽和特性を有する範囲の値であれば特に限定されず、たとえば3dBでもよい。

0040

つぎに、温度および駆動電流の設定についてより具体的に説明する。図5は、2つのDFBレーザ素子の波長、温度Tld、および駆動電流Ildの設定の一例を示す図である。また、図6は、図5に示す2つのDFBレーザ素子の波長と、温度Tldおよび駆動電流Ildの関係を示す図である。なお、図5、6では、レーザ発振波長が隣接する2つのDFBレーザ素子であるDFB1、DFB2について示している。

0041

図5、6に示す例では、DFB1は、温度Tldを11.77℃から46.38℃まで変化させることによって、そのレーザ発振波長を1526.05nmから1529.553nmまで変化させることができる。また、DFB2は、温度Tldを15.56℃から46.57℃まで変化させることによって、そのレーザ発振波長を1529.944nmから1533.073nmまで変化させることができる。したがって、この2つのDFB1、DFB2を使用することによって、波長可変レーザ素子の波長可変範囲を、1526.05nmから1533.073nmまで連続的に変化させることができる。

0042

また、図5、6に示す例では、DFB1、DFB2の駆動電流Ildについては、半導体光増幅器の光出力強度が、駆動電流Isoaにより定まる飽和光出力強度から−2dBだけ低い値となるように設定している。さらに、DFB1、DFB2の温度Tldに応じて駆動電流Ildを設定しており、具体的には、温度Tldが低い場合は駆動電流Ildを小さく設定している。これによって、DFBレーザ素子の余分な電力消費を削減できるので、低消費電力の波長可変レーザ装置を実現することができる。

0043

(実施例、比較例)
本発明の実施例として、図1、2に示す実施の形態と同様の構成であり、12個のDFBレーザ素子を備えて1526nmから1563nmの波長可変範囲を有する波長可変レーザ装置のサンプルを20台用意した。そして、外部温度75℃のもとで、波長可変レーザ装置が出力するレーザ光の光出力強度を20mWに設定し、レーザ光の波長を1526nmから1563nmまで変化させて動作させ、動作時の消費電流を測定した。なお、レーザ光の波長を1526nmから1563nmとするために、動作させるDFBレーザ素子を切り換えるとともに、温度を10℃から50℃の範囲で調整した。また、DFBレーザ素子の駆動電流については、実施の形態の制御方法に従い、調整した温度における半導体増幅器の光出力強度がその飽和光出力強度から−2dBだけ低い値となるように、100mAから200mAの範囲で調整した。

0044

一方、比較例として、実施例で用いた20台の波長可変レーザ装置を、実施例と同様に、外部温度75℃のもとで、波長可変レーザ装置が出力するレーザ光の光出力強度を20mWに設定し、レーザ光の波長を1526nmから1563nmまで変化させて動作させ、動作時の消費電流を測定した。ただし、実施例とは異なり、DFBレーザ素子の駆動電流については、いずれのDFBレーザ素子を動作させる場合も、温度によらず一定の150mAを供給した。

0045

図7は、実施例および比較例の波長可変レーザ装置の消費電力を示す図である。なお、図7では、レーザ光の波長を1526nmから1563nmまで変化させた場合の平均の最悪値を示している。図7に示すように、いずれのサンプルについても、実施例の場合は比較例の場合と比較して0.5W程度低い消費電力が実現された。

0046

なお、上記実施の形態では、半導体レーザ素子としてDFBレーザ素子を用いているが、分布ブラッグ反射型(Distributed Bragg Reflector:DBR)の半導体レーザ素子を用いてもよい。また、半導体レーザ素子の数も特に限定されず、波長可変レーザ装置において実現したい波長可変範囲と、温度調整により実現できる半導体レーザ素子の波長可変範囲とに応じて適宜設定することができる。

0047

1筐体
2、3ペルチェ素子
4サブマウント
5波長可変レーザ素子
6サーミスタ
7コリメータレンズ
8ビームスプリッタ
9、11フォトダイオード
10エタロンフィルタ
12光アイソレータ
13集光レンズ
14光ファイバ
15制御装置
51 複数のDFBレーザ素子
51a DFBレーザ素子
52、54光導波路
53光合流器
55半導体光増幅器
56曲げ導波路
100波長可変レーザ装置
L レーザ光

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 住友電気工業株式会社の「 光モジュール」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】コントラストを向上させることが可能な光モジュールを提供する。【解決手段】光モジュール1は、レーザダイオード81,82,83と、レーザダイオード81,82,83から出射された光を反射する反射領域... 詳細

  • コニカミノルタ株式会社の「 画像形成装置および出力補正プログラム」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】熱クロストークの影響度を低減することが可能な画像形成装置および出力補正プログラムを提供する。【解決手段】画像形成装置は、複数の光源を用いて画像を形成する画像形成部と、複数の光源のうち、1つ以上... 詳細

  • 日亜化学工業株式会社の「 合成装置又は発光装置」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】 複数の発光装置を用いて効果的に光を合成する。【解決手段】 合成装置は、互いに偏光方向の異なる第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子を有する第1発光装置及び第2発光装置と、第1発光装置... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ