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図面 (9)

課題

膜厚が厚くしかも厚みが均一な絶縁被覆を、少ない工程で形成できるとともに、絶縁性を確保する必要がある所要の部位に厚みが均一な絶縁被覆を設けることができる絶縁被覆線材の製造方法を提供する。

解決手段

絶縁被覆層7を備える絶縁被覆線材10の製造方法であって、ディスペンサ5の吐出口から付加絶縁被覆材料17を吐出させて、線材表面所定部位に線状又は点状に塗着する塗着工程と、塗着された上記付加絶縁被覆材料を硬化させる塗膜硬化工程とを含んで構成される。

概要

背景

たとえば、電動機を構成するステータに用いるコイルは、銅等の導電性材料から形成された線材外周面絶縁被覆層を設けて形成される。従来、上記絶縁被覆層は、ワニス等の熱硬化性樹脂材料溶剤に溶解した液体を上記線材材料の外周面に塗着し、その後加熱処理することにより上記熱硬化性樹脂塗膜硬化させて形成されている。

上記線材の外周面に塗着されて絶縁被覆層を構成する上記熱硬化性樹脂材料は、上記加熱処理により一旦軟化し、その後に硬化反応が進行して硬化させられて絶縁被覆層となる。ところが、加熱処理により軟化する際に、表面張力重力の影響によって上記熱硬化性樹脂が流動する。このため、厚みが大きい塗膜を硬化させようとすると、塗着した際の厚みが一定であっても、上記厚みを維持したまま硬化させるのは困難である。このため、重力等が作用して、均一な厚みを有する絶縁被覆層を形成することができない。

特に、矩形状断面等を有する線材に所要厚み絶縁被覆を設ける場合、図8に示すように、硬化する際に角部の塗膜が隣接する辺部へ流動し、矩形断面の角部の絶縁被覆の厚みが薄くなる一方、各辺の中間部の絶縁被覆の厚みが厚くなり、矩形断面の周囲に均一な絶縁被覆を形成できないという問題がある。

従来、上記問題を回避するために、厚みの薄い塗着層を形成した後加熱して硬化させる工程を複数回繰り返すことにより、所要の厚みを有するとともに厚みが均一な絶縁被覆を形成している。

概要

膜厚が厚くしかも厚みが均一な絶縁被覆を、少ない工程で形成できるとともに、絶縁性を確保する必要がある所要の部位に厚みが均一な絶縁被覆を設けることができる絶縁被覆線材の製造方法を提供する。絶縁被覆層7を備える絶縁被覆線材10の製造方法であって、ディスペンサ5の吐出口から付加絶縁被覆材料17を吐出させて、線材表面所定部位に線状又は点状に塗着する塗着工程と、塗着された上記付加絶縁被覆材料を硬化させる塗膜硬化工程とを含んで構成される。

目的

本願発明は、上記従来の問題を解決し、膜厚が厚くしかも厚みが均一な絶縁被覆を、少ない工程で形成できるとともに、絶縁性を確保する必要がある所要の部位に絶縁被覆を設けることができる絶縁被覆線材の製造方法、絶縁被覆線材の製造装置及び絶縁被覆線材を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

絶縁被覆層を備える絶縁被覆線材の製造方法であって、ディスペンサ吐出口から液状絶縁被覆材料を吐出させて、線材表面所定部位に線状又は点状に塗着する塗着工程と、塗着された上記液状絶縁被覆材料を硬化させる塗膜硬化工程とを含む、絶縁被覆線材の製造方法。

請求項2

所定間隔で液状絶縁被覆材料を塗着するとともに、隣接して塗着された塗膜を一体に連続させて膜厚を均一化する均一化工程を含む、請求項1に記載の絶縁被覆線材の製造方法。

請求項3

隣接して塗着された上記塗膜を連続させずに硬化させる、請求項1に記載の絶縁被覆線材の製造方法。

請求項4

断面矩形状の線材を採用するとともに、上記塗着工程において、上記線材の少なくとも角部に塗膜を形成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の絶縁被覆線材の製造方法。

請求項5

上記塗着工程において、上記吐出口を、上記線材の表面から離間させて上記液状絶縁被覆材料を吐出させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の絶縁被覆線材の製造方法。

請求項6

直径が0.5〜1.0mmの吐出口から上記液状絶縁被覆材料を吐出させて、上記塗着工程が行われる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の絶縁被覆線材の製造方法。

請求項7

線材の全周に基礎絶縁被覆層を形成する基礎絶縁被覆層形成工程と、上記基礎絶縁被覆層の全域又は一部の領域に付加絶縁被覆層を形成する付加絶縁被覆層形成工程を含み、少なくとも上記付加絶縁被覆層形成工程が、ディスペンサの吐出口から液状絶縁被覆材料を吐出させて、線材表面の所定部位に線状又は点状に塗着する塗着工程と、塗着された上記液状絶縁被覆材料を硬化させる塗膜硬化工程とを含んで行われる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の絶縁被覆線材の製造方法。

請求項8

絶縁被覆層を備える絶縁被覆線材の製造装置であって、液状絶縁被覆材料を上記線材表面の所定部位に線状又は点状に塗着するディスペンサと、上記線材表面に塗着された塗膜を硬化させる硬化装置とを備える、絶縁被覆線材の製造装置。

請求項9

線材の表面の全体に基礎絶縁被覆層を形成する基礎絶縁被覆層形成装置と、上記基礎絶縁被覆層の表面の所定部位に上記塗膜を形成する付加絶縁被覆層形成装置とを備える、請求項8に記載の絶縁被覆線材の製造装置。

請求項10

断面矩形状の線材に適用される請求項8又は請求項9に記載の絶縁被覆線材の製造装置であって、上記ディスペンサは、少なくとも上記線材の角部表面に液状絶縁被覆材料を塗着するように構成されている、絶縁被覆線材の製造装置。

請求項11

上記ディスペンサの吐出口が、線材表面から離間して設けられている、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の絶縁被覆線材の製造装置。

請求項12

請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された絶縁被覆線材。

技術分野

0001

本願発明は、絶縁被覆線材の製造方法、絶縁被覆線材の製造装置及び絶縁被覆線材に関する。詳しくは、線材の所定の部位に所要の厚みの絶縁被覆層を形成することができる絶縁被覆線材の製造方法等に関する。

背景技術

0002

たとえば、電動機を構成するステータに用いるコイルは、銅等の導電性材料から形成された線材の外周面に絶縁被覆層を設けて形成される。従来、上記絶縁被覆層は、ワニス等の熱硬化性樹脂材料溶剤に溶解した液体を上記線材材料の外周面に塗着し、その後加熱処理することにより上記熱硬化性樹脂塗膜硬化させて形成されている。

0003

上記線材の外周面に塗着されて絶縁被覆層を構成する上記熱硬化性樹脂材料は、上記加熱処理により一旦軟化し、その後に硬化反応が進行して硬化させられて絶縁被覆層となる。ところが、加熱処理により軟化する際に、表面張力重力の影響によって上記熱硬化性樹脂が流動する。このため、厚みが大きい塗膜を硬化させようとすると、塗着した際の厚みが一定であっても、上記厚みを維持したまま硬化させるのは困難である。このため、重力等が作用して、均一な厚みを有する絶縁被覆層を形成することができない。

0004

特に、矩形状断面等を有する線材に所要厚み絶縁被覆を設ける場合、図8に示すように、硬化する際に角部の塗膜が隣接する辺部へ流動し、矩形断面の角部の絶縁被覆の厚みが薄くなる一方、各辺の中間部の絶縁被覆の厚みが厚くなり、矩形断面の周囲に均一な絶縁被覆を形成できないという問題がある。

0005

従来、上記問題を回避するために、厚みの薄い塗着層を形成した後加熱して硬化させる工程を複数回繰り返すことにより、所要の厚みを有するとともに厚みが均一な絶縁被覆を形成している。

先行技術

0006

特開2011−182577号

発明が解決しようとする課題

0007

たとえば、近年、電動機等のコイルを用いた機器の分野においては、出力向上及び小型化が求められている。上記要請応えるために、各コイルに大きな電流を流すとともに、大きな電圧を作用させることが考えられる。コイルは銅等の導電性を有する線材から形成される巻線を隣接して巻き回すことにより形成されるものであるため、隣接する巻線間絶縁性を確保する必要がある。このため、コイル外周面には、絶縁被覆層が所定の厚みで形成されている。

0008

ところが、上述したように、一度の塗着工程において大きな厚みの絶縁被覆を形成しようとすると、均一な厚みの絶縁被覆を形成することができず、所要の絶縁性能を確保することができない。したがって、絶縁性能が高い大きな厚みを有するとともに、均一な厚みを有する絶縁被覆を形成するには、塗着工程−硬化工程の繰り返し数が多くなり、製造コストが増加するという問題が生じる。

0009

また、電動機の出力向上及び小型化の要請に応えるためには、コイルの占積率を高める必要がある。占積率を高めるために、断面積の大きな線材材料をあらかじめ所要の形態に成形した複数のセグメントコイルコアスロットに装着し、上記スロットから延出するコイルエンド部の接続端部を溶接等することにより接続してコイルを構成する手法を採用することができる。上記セグメントコイルでは、コイル断面積を大きく設定することができるため大電流を流すことができるとともに、スロット内の占積率を大きく設定することが可能となり、電動機の出力を高めることができる。

0010

一方、上記セグメントコイルに大きな電流が流されるため、コイルエンド部において異なる相に属するセグメントコイルが近接あるいは接触して配置される場合、コイル間の電圧が大きくなって部分放電が生じやすい。占積率を低下させることなく部分放電が生じやすいコイル間の絶縁性を確保するためには、コイルエンド部の部分放電が生じやすい外周面に厚みの大きな絶縁被覆を設けるのが効果的である。ところが、上記従来の手法では、コイルの外周面の一部の領域に大きな厚みを有する絶縁被覆を形成するのは非常に困難である。また、上記特許文献に記載されているように、高粘度の絶縁被覆材料噴霧塗装する手法も提案されているが、噴霧面積塗着面積より大きくなるため、絶縁被覆材料の塗着率が低く効率的ではない。

0011

本願発明は、上記従来の問題を解決し、膜厚が厚くしかも厚みが均一な絶縁被覆を、少ない工程で形成できるとともに、絶縁性を確保する必要がある所要の部位に絶縁被覆を設けることができる絶縁被覆線材の製造方法、絶縁被覆線材の製造装置及び絶縁被覆線材を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本願の請求項1に記載した発明は、絶縁被覆層を備える絶縁被覆線材の製造方法であって、ディスペンサ吐出口から液状絶縁被覆材料を吐出させて、線材表面所定部位に線状又は点状に塗着する塗着工程と、塗着された上記液状絶縁被覆材料を硬化させる塗膜硬化工程とを含むものである。

0013

本願発明では、ディスペンサから液状絶縁被覆材料を吐出させて塗膜を形成する。ディスペンサの吐出口から液状絶縁被覆材料を吐出させることにより所要の部位に所要の厚みの絶縁被覆層を形成することができる。このため、液状絶縁被覆材料の塗着率を高めることができる。また、液状絶縁被覆材料の無駄がなくなり、製造コストを低減させることができる。さらに、吐出される上記液状絶縁被覆材料の粘度や吐出量等を調節することにより、線材の表面に精度高く、線状又は点状の塗膜を形成することができる。

0014

上記塗膜硬化工程を行う手法は特に限定されることはない。ヒータ等の加熱手段によって塗膜硬化工程を行うことができる。加熱手段を採用する場合、温風輻射熱を利用することができる。また、電子線や紫外線を利用したものを採用することもできる。上記加熱手段は、ディスペンサから液状絶縁被覆材料が吐出された直後に作用するように構成することもできるし、所定の時間が経過した後に作用するように構成することもできる。

0015

上記ディスペンサとして種々の方式のものを採用することができる。ディスペンサは、液体定量吐出装置と呼ばれるものであり、種々の手法を用いて所要の液体を吐出できるように構成される。たとえば、エアパルス等によって液体材料押し出すシリンダ方式モータ駆動で液体を押し出す容量計量方式チューブをしごいてチューブ内の液体を吐出させるチュービング方式、液体を空気圧等によって飛ばす非接触方式等を採用したものを採用することができる。

0016

液状絶縁被覆材料を線状又は点状に吐出できるものであれば、吐出口の形態も特に限定されることはない。たとえば、種々の形式ノズルニードル形態の吐出口を備えて構成されたものを採用することができる。

0017

上記吐出口の口径も特に限定されることはない。たとえば、直径が0.5〜1.0mmの上記吐出口から上記液状絶縁被覆材料を吐出させて、上記塗着工程を行うことができる。また、吐出される塗膜の厚みも特に限定されることはなく、30〜150μmの厚みの塗膜を形成できる。

0018

本願発明では、上記ディスペンサから絶縁被覆材料を線材の表面に線状又は点状に塗着する。上記線状又は点状に塗着された絶縁被覆材料を、吐出した形態のまま硬化させることもできる。この場合、各ディスペンサから吐出された各塗膜が離間した状態で硬化させることができる。たとえば、上記ディスペンサの吐出口近傍赤外線照射しながら塗着工程を行うように構成することができる。

0019

一方、線材の外周面に均一な厚みの塗膜を形成する場合、所定間隔で液状絶縁被覆材料を塗着するとともに、隣接して塗着された塗膜を一体に連続させて膜厚を均一化する均一化工程を含むように構成することができる。

0020

線状又は点状の塗膜を近接させて形成するとともに、隣接する塗膜を側方に流動させて一体化させることができる。また、上記塗膜の粘度や塗膜硬化工程における加熱温度や時間等を調節することにより、一体化させられた塗膜の厚みを均一化することができる。これにより、線材の一部の領域に、厚みが大きくかつ均一な絶縁被覆層を形成することも可能となる。

0021

上記均一化工程は、種々の手法を用いて行うことができる。たとえば、液状絶縁被覆材料としてワニス等の熱硬化性樹脂を採用した場合、加熱すると一旦軟化した後に硬化させられる。このため、上記軟化する際に上記均一化工程が行われるように構成することができる。また、線材に振動等を与えて均一化を促進することもできる。

0022

対象となる線材の種類や形態は特に限定されることはない。円形断面を有する線材のみならず、矩形断面等を有する平角線の絶縁被覆層を、均一な厚みで形成することが可能となる。平角線を採用してセグメントコイルを形成する場合、コイルエンド部において、平角線の角部が近接あるいは接触させられることが多い。このため、平角線の少なくとも角部に塗膜を形成するように構成するのが好ましい。

0023

上記構成を採用することにより、コイルエンド部の部分放電が生じやすい部分に、選択的に厚みの均一な絶縁被覆層を形成することも可能となる。このため、占積率を低下させることなく、部分放電を効果的に防止できるコイルを形成することが可能となる。また、絶縁被覆層を形成するための材料も少なくなるため、製造コストを低減させることもできる。

0024

また、セグメントコイルの絶縁被覆層を形成する場合、曲げ加工を行う前に本願発明に係る絶縁被覆層を形成することもできるし、曲げ加工した後に絶縁被覆層を形成することもできる。

0025

上記塗着工程において、上記ディスペンサの吐出口を、上記線材の表面から離間させて上記液状絶縁被覆材料を吐出させるように構成するのが好ましい。これにより、線材のよじれ等による凹凸や曲がりが存在しても、均一な絶縁被覆層を形成することができる。たとえば、吐出口を、線材表面から0.1〜5.0mm離間させて塗着工程を行うのが好ましい。

0026

本願発明に係る絶縁被覆線材の製造方法は、裸線の全周に基礎絶縁被覆層を形成するために用いることもできるし、従来の基礎絶縁被覆層が設けられた線材に適用し、上記基礎絶縁被覆層に重ねて上記付加絶縁被覆層を形成することもできる。

0027

たとえば、線材の全周に基礎絶縁被覆層を形成する基礎絶縁被覆層形成工程と、上記基礎絶縁被覆層の全域又は一部の領域に付加絶縁被覆層を形成する付加絶縁被覆層形成工程とを含み、少なくとも上記付加絶縁被覆層形成工程を、ディスペンサの吐出口から液状絶縁被覆材料を吐出させて、線材表面の所定部位に線状又は点状に塗着する塗着工程と、塗着された上記液状絶縁被覆材料を硬化させる塗膜硬化工程とを含んで行うように構成することができる。

0028

上記液状絶縁被覆材料も特に限定されることはなく、たとえば、絶縁電線の絶縁被覆層を形成する絶縁性樹脂を溶剤に溶解してなる10P以上の高粘度の樹脂ワニスを採用することができる。

0029

上記ワニスに対して上記均一化工程を行う場合、その粘度が25℃における粘度の0.1〜0.7倍となる温度に5秒以上、10分以下加熱するのが好ましい。

0030

本願発明に係る絶縁被覆層を備える絶縁被覆線材の製造装置は、液状絶縁被覆材料を上記線材表面の所定部位に線状又は点状に塗着するディスペンサと、上記線材表面に塗着された塗膜を硬化させる硬化装置とを備えて構成できる。

0031

また、本願発明に係る絶縁被覆線材の製造装置を、線材の表面の全体に基礎絶縁被覆層を形成する基礎絶縁被覆層形成装置と、上記基礎絶縁被覆層の表面の所定部位に上記塗膜を形成する付加絶縁被覆層形成装置とを連続して設けることにより構成することもできる。

0032

矩形断面を備える線材を採用する場合、上記ディスペンサは、少なくとも上記線材の角部表面に液状絶縁被覆材料を塗着するように構成するのが好ましい。

0033

上記ディスペンサの吐出口は、線材の表面から上記ディスペンサの吐出口を、上記線材の表面から0.1〜5.0mm離間させて設けるのが好ましい。これにより、線材のよじれ等による凹凸や曲がりが存在しても、均一な絶縁被覆層を形成することができる。

発明の効果

0034

厚みが大きく、所要の部位に均一な厚みの絶縁被覆層を備える線材を安価に製造することができる。

図面の簡単な説明

0035

本願発明に係る絶縁被覆線材の製造方法に用いる製造装置の一例を示す概要図である。
塗着工程を行う装置の一例を示す斜視図である。
図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
均一化工程における塗膜の状態を示す断面図である。
均一化工程が終了した後の絶縁被覆層の形態を示す断面図である。
本願発明によって製造されたセグメントコイルの一例を示す正面図である。
図6において隣接する二つのコイルの接触部位を模式的に表した断面図である。
従来の手法によって形成したコイル断面の特徴を模式的に示す断面図である。

実施例

0036

以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。なお、本実施形態は、本願発明を、図6に示すセグメントコイル10を構成するための矩形断面を有する線材1に適用したものである。

0037

図1は、本願発明に係る絶縁被覆線材の製造装置の構成の一例を示す図である。

0038

本実施形態に係る絶縁被覆線材の製造方法に用いる製造装置100は、基礎絶縁被覆層形成装置51と、付加絶縁被覆層形成装置52とを備えて構成される。

0039

上記基礎絶縁被覆層形成装置51と、付加絶縁被覆層形成装置52とは、連続して設けられており、これら装置によって基礎絶縁被覆層形成工程と、付加絶縁被覆層形成工程とを連続して行い、基礎絶縁被覆層4と付加絶縁被覆層7とが一度に形成できるように構成されている。

0040

上記基礎絶縁被覆層形成装置51は、線材1を、基礎絶縁被覆材料3を収容した槽内2に通し、線材1の表面に基礎絶縁被覆材料3を付着させた後、第1の加熱装置18によって上記基礎絶縁被覆層4を硬化させるように構成されている。上記基礎絶縁被覆層形成装置51は、既知の絶縁被覆層形成装置を利用して構成することができる。また、上記基礎絶縁被覆材料3も特に限定されることはなく、従来の絶縁被覆層を形成できる樹脂材料を採用できる。たとえば、ポリイミドポリアミドイミド等を含んだワニスや、アルミナシリカ等の無機フィラー樹脂に含んだワニスを採用できる。

0041

上記第1の加熱装置18の構成も特に限定されることはなく、従来の種々の加熱装置を採用することができる。たとえば、上記基礎絶縁被覆層4に温風を送るように構成することができる。上記第1の加熱装置18は、塗着された基礎絶縁被覆層4を、300℃以上に加熱できるように構成されている。なお、本実施形態では、付加絶縁被覆層7を形成するため、基礎絶縁被覆層4の厚みを小さく設定することもできる。また、基礎絶縁被覆層4の厚みに多少のばらつきがあっても、付加絶縁被覆層7によって補完することができる。なお、ピンホールが生じるのを防止するために、基礎絶縁被覆層4を、3層以上の塗着層を設けて構成するのが好ましい。

0042

上記基礎絶縁被覆層4の厚みも特に限定されることはなく、たとえば、厚みが5μm〜50μmの基礎絶縁被覆4を形成できる。また、上記基礎絶縁被覆材料3の粘度も特に限定されることはなく、たとえば、30℃において、10P〜200Pのものを採用できる。

0043

本実施形態では、上記基礎絶縁被覆層4が形成された線材1に対して付加絶縁被覆層7を形成する付加絶縁被覆層形成工程が行われる。

0044

上記付加絶縁被覆層形成装置52は、付加絶縁被覆層7を構成する液状の付加絶縁被覆材料17を、上記基礎絶縁被覆層4が形成された線材1の表面の所定部位に線状又は点状に塗着するディスペンサ5と、上記線材1の表面に塗着された塗膜7a〜7eを均一化する第2の加熱装置19と、均一化された塗膜7a〜7eを硬化させる第3の加熱装置20とを備えて構成される。

0045

本実施形態に係る上記ディスペンサ5は、ニードルタイプのディスペンサが採用されており、先端に設けられた針状の吐出口6から、上記付加絶縁被覆材料17が線材1の表面に吐出される。本実施形態では、直径が0.5〜1.0mmの吐出口6から上記付加絶縁被覆材料17を吐出させるように構成している。

0046

上記ディスペンサ5の構成は特に限定されることはなく、種々の形態及び方式のディスペンサを採用できる。上記ディスペンサ5には、図示しない吐出制御装置付属しており、所定量の付加絶縁被覆材料17を所定間隔(長さ)で吐出するように構成されている。また、上記吐出口6の先端を、線材1の表面から所定距離だけ離間させて、上記付加絶縁被覆材料17を吐出するように構成するのが好ましい。これにより、線材によじれや凹凸があっても、付加絶縁被覆材料17を均一に塗着させることができる。

0047

本実施形態に係る線材1は、矩形断面を有しており、図6に示す形態のセグメントコイル10を構成するために用いられる。また、図1に示す付加絶縁被覆層7が図6に示すコイルエンド部の付加絶縁被覆層11a〜11d、12a〜12dを構成する。このため、上記ディスペンサ5を制御して、上記付加絶縁被覆層7を線材1の軸方向に所定長さで形成できるように付加絶縁被覆材料17が吐出される。

0048

また、図7に示すように、本実施形態では、1のコイル10aに設けた付加絶縁被覆層11aが、コイルエンド部においてステータの径方向に隣接する他のコイル10b〜10dの基礎絶縁被覆層4と近接あるいは接触して絶縁性を高めるように構成される。このため、コイルエンド部の山形の一方の斜辺部の角部を含む長辺の所定領域に上記付加絶縁被覆層7(11a)が形成されるように構成されている。

0049

図2に示すように、上記付加絶縁被覆層7を線材1の角部を含む長辺の全域に設けるため、複数のディスペンサ5a〜5eが所定間隔を開けて配列されており、上記ディスペンサ5a〜5eから、上記線材1の長辺に所定間隔で付加絶縁被覆材料17を線状に塗着すように構成されている。

0050

図4及び図5に示すように、線材1の軸方向に平行線状に塗着された複数の塗膜7a〜7eは、塗着後に線材の横方向に広がって一体に連続するとともに、厚みが均一化される。本実施形態では、上記付加絶縁被覆材料17として熱硬化性のワニスが採用されており、第2の加熱装置19によって加熱する初期軟化現象を利用して塗膜の厚みを均一化する均一化工程が行われる。

0051

上記付加絶縁被覆層7を構成する付加絶縁被覆材料17として、上述した基礎絶縁被覆材料3より粘度が高いワニスを採用することができる。たとえば、絶縁電線の絶縁被覆層を形成する絶縁性樹脂を溶剤に溶解してなる10P以上の高粘度の樹脂ワニスを採用することができる。これにより、厚みの大きな付加絶縁被覆層を形成することができる。

0052

本実施形態に係る上記均一化工程は、上記付加絶縁被覆材料17の粘度が25℃におけるその粘度の0.1〜0.7倍となる温度(通常のワニスの場合、40〜150℃)となるように、5秒以上10分以下となるように上記線材を加熱することにより行われる。この条件は、上述した基礎絶縁被覆層形成工程における加熱条件、及び後に行われる塗膜硬化工程における加熱条件よりもはるかに低い温度で、かつ短時間加熱することにより行われる。

0053

図5に示すように、上記均一化工程を行うことにより、離間して塗着された塗膜7a〜7eが一体に連続させられるとともに、連続する塗膜の厚みが均一化され、平各線の長辺の表面に均一で所要の厚みを備える付加絶縁被覆層7が形成される。

0054

その後、第3の加熱装置20によって、塗膜硬化工程が行われる。上記塗膜硬化工程は、上記付加絶縁被覆材料17を構成する溶剤の沸点以下の温度から徐々に加熱して乾燥させ、最終的に300℃以上で1分以上加熱して塗膜を硬化させることにより行われる。この塗膜硬化工程は、上記平均化工程での加熱温度よりはるかに高温であり、また長時間の加熱が行われる。これにより、付加絶縁被覆層7が硬化させられる。

0055

なお、本実施形態では、直線状の線材1に基礎絶縁被覆層4と付加絶縁被覆層7(11a〜11d、12a〜12d)を備える絶縁被覆線材9を形成した後、この絶縁被覆線材9を所定長さに折断して曲げ加工を施し、各セグメントコイル10a〜10dを形成したが、曲げ加工を施した後に、基礎絶縁被覆層4と付加絶縁被覆層7(11a〜11d、12a〜12d)を形成することもできる。また、基礎絶縁被覆層4を形成した後に、曲げ加工を施し、その後に付加絶縁被覆層7(11a〜11d、12a〜12d)を形成することもできる。

0056

また、本実施形態に係る付加絶縁被覆層7には曲げ加工が施されないため、破断伸び率が小さい安価な絶縁性樹脂材料を採用することができる。たとえば、上記ポリイミド樹脂の他に、ポリエステルイミド樹脂ポリアミドイミド樹脂フェノール樹脂エポキシ樹脂等を採用することができる。

0057

本実施形態においては、本願発明を、矩形断面を有する線材から形成されたセグメントコイルに適用したが、線材の断面形態コイル形態は特に限定されることはなく、たとえば、連続した円形断面を備える線材から形成されたコイルに本願発明に係る絶縁被覆を形成することができる。また、コイル用線材のみならず、種々の用途に用いられる絶縁被覆線材に本願発明を適用できる。また、付加絶縁被覆層の形態や部位も実施の形態に限定されることはない。

0058

本願発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0059

膜厚が厚く、しかも厚みが均一な絶縁被覆を、少ない工程で形成できるとともに、絶縁性を確保する必要がある所要の部位に厚みが均一な絶縁被覆層を設けた絶縁被覆線材を製造できる。

0060

1線材
4絶縁被覆層(基礎絶縁被覆層)
7 絶縁被覆層(付加絶縁被覆層)
5ディスペンサ
6吐出口
9絶縁被覆線材
17 付加絶縁被覆材料(液状絶縁被覆材料)
10 絶縁被覆線材(セグメントコイル)

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