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技術 エレベータ装置及びそのロープ揺れ抑制方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 福井大樹渡辺誠治中澤大輔ムハシーン・ベノスマン
出願日 2013年2月14日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-027002
公開日 2014年8月28日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-156298
状態 特許登録済
技術分野 エレベーターの保守安全及び検査装置 エレベーターの昇降案内装置及びロープ類 エレベータ制御
主要キーワード 懸架体 張力機構 OFFセンサ 非接触変位センサ ピーク閾値 振幅閾値 単一周期 ロープ振動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年8月28日)のものです。
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図面 (12)

課題

本発明は、ロープ横振動をより効果的に抑制することを目的とするものである。

解決手段

演算制御装置14は、ロープ横振動センサ12,13からの検出信号に応じて駆動装置11を制御する。また、演算制御装置14は、第1の駆動指令と第2の駆動指令とを含む複数の駆動指令を選択的に駆動装置11に出力する。第1の駆動指令は、ロープ(主ロープ6又はコンペンロープ9)の横振動の位相情報によらず、ロープに張力を与える指令である。また、第2の駆動指令は、ロープの横振動の位相情報に基づいて、横振動を減衰させるための張力変動をロープに与える指令である。

概要

背景

近年、高層建物では、長周期地震動又は強風によって低周期揺れが継続することが知られている。そして、このような高層建物に設置されたエレベータ装置では、主ロープ調速機ロープ、及びコンペンロープ等のロープが、建物揺れ共振して大きく揺れ、昇降路機器に接触し損傷したり引っ掛かったりする事象が発生している。このような状態のままエレベータ装置を運行すると、機器が破損して、乗客閉じ込めが発生したり、復旧までに長時間を要したりするという事態が生じる恐れがある。

このため、従来のエレベータ装置では、コンペンロープの横振動横揺れ)が予め設定された限度を超えた場合、又は建物の揺れが所定の基準を超えた場合に、張力機構によってコンペンロープの張力が選択的に変更され、共振状態が回避される(例えば、特許文献1参照)。

しかし、単にロープの張力を増加させる方法では、張力を増加させることによって逆にロープの固有振動数が建物の固有振動数と接近し、ロープの横振動が大きくなることがあるという問題があった。

また、従来の他のエレベータ装置では、ロープに与える張力をかごの位置に応じて変化される(例えば、特許文献2参照)。

しかし、この方法では、ロープの固有振動数と建物の固有振動数とが接近する領域を小さくすることはできても、ロープと建物とが共振する領域をなくすことはできないため、依然としてロープ共振により機器損傷及びロープの絡まりなどが発生する可能性があった。また、このようにロープの固有振動数を変えてロープの横振動を抑えるためには、比較的大きな張力増減をさせなければならず、容量の大きな張力機構が必要になるという問題もあった。

これに対して、従来のさらに他のエレベータ装置では、ロープの横振動の位相情報を用いて、ロープに張力変動を与えることで、通常よりも大きな減衰効果を得ることができ、建物の固有振動数に接近した場合及び一致した場合の両方において、ロープの横振動を低減することができる(例えば、特許文献3参照)。

概要

本発明は、ロープの横振動をより効果的に抑制することを目的とするものである。演算制御装置14は、ロープ横振動センサ12,13からの検出信号に応じて駆動装置11を制御する。また、演算制御装置14は、第1の駆動指令と第2の駆動指令とを含む複数の駆動指令を選択的に駆動装置11に出力する。第1の駆動指令は、ロープ(主ロープ6又はコンペンロープ9)の横振動の位相情報によらず、ロープに張力を与える指令である。また、第2の駆動指令は、ロープの横振動の位相情報に基づいて、横振動を減衰させるための張力変動をロープに与える指令である。

目的

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ロープの横振動をより効果的に抑制することができるエレベータ装置及びそのロープ揺れ抑制方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

横振動を抑制するための張力ロープに与える駆動装置、及び前記ロープの横振動情報を入力として前記駆動装置を制御する演算制御装置を備え、前記演算制御装置は、前記ロープの横振動の位相情報によらず前記ロープに張力を与える第1の駆動指令と、前記位相情報に基づいて横振動を減衰させるための張力変動を前記ロープに与える第2の駆動指令とを含む複数の駆動指令を選択的に前記駆動装置に出力するエレベータ装置

請求項2

前記演算制御装置は、前記ロープの横振動の振幅が予め設定された振幅閾値よりも小さいときに前記第1の駆動指令を前記駆動装置に出力し、振幅が前記振幅閾値以上になると前記第2の駆動指令を前記駆動装置に出力する請求項1記載のエレベータ装置。

請求項3

2本以上の前記ロープが並べて配置されており、前記演算制御装置は、前記ロープの横振動が同期しているかどうかを判定し、非同期であれば前記第1の駆動指令を前記駆動装置に出力し、同期していれば前記第2の駆動指令を前記駆動装置に出力する請求項1記載のエレベータ装置。

請求項4

前記ロープの横振動情報は、前記ロープの横振動に応じて出力されるON/OFF信号であり、前記演算制御装置は、前記ロープの横振動を検出したことを示す信号の時間差に基づいて、前記ロープの横振動が同期しているかどうかを判定する請求項3記載のエレベータ装置。

請求項5

前記ロープ横振動情報は、前記ロープの横振動を連続的に測定した信号であり、前記演算制御装置は、前記ロープの横振動の最大振幅間の時間と、最大振幅と最小振幅との時間差とに基づいて、前記ロープの横振動が同期しているかどうかを判定する請求項3記載のエレベータ装置。

請求項6

前記ロープ横振動情報は、前記ロープの横振動を連続的に測定した信号であり、前記演算制御装置は、前記ロープの横振動波形周波数応答演算し、ピークの高さに基づいて、前記ロープの横振動が同期しているかどうかを判定する請求項3記載のエレベータ装置。

請求項7

前記演算制御装置は、建物揺れセンサからの信号を入力とし、予め設定された建物揺れ閾値以上の建物揺れが検出されたときに前記第1の駆動指令を前記駆動装置に出力し、前記ロープの横振動の振幅が予め設定された振幅閾値以上になると前記第2の駆動指令を前記駆動装置に出力する請求項1記載のエレベータ装置。

請求項8

駆動装置によりロープに張力を与えることで前記ロープの横振動を抑制するエレベータ装置のロープ揺れ抑制方法であって、前記ロープの横振動の振幅が予め設定された振幅閾値よりも小さいときには、前記ロープの横振動の位相情報によらず前記ロープに張力を与え、振幅が前記振幅閾値以上になると、前記位相情報に基づいて、横振動を減衰させるための張力変動を前記ロープに与えるエレベータ装置のロープ揺れ抑制方法。

請求項9

並べて配置された複数本のロープに駆動装置により張力を与えることで前記ロープの横振動を抑制するエレベータ装置のロープ揺れ抑制方法であって、前記ロープの横振動が同期しているかどうかを判定し、非同期であれば、前記ロープの横振動の位相情報によらず前記ロープに張力を与え、同期していれば、前記位相情報に基づいて、横振動を減衰させるための張力変動を前記ロープに与えるエレベータ装置のロープ揺れ抑制方法。

請求項10

駆動装置によりロープに張力を与えることで前記ロープの横振動を抑制するエレベータ装置のロープ揺れ抑制方法であって、予め設定された建物揺れ閾値以上の建物の揺れが検出されたときに、前記ロープの横振動の位相情報によらず前記ロープに張力を与え、前記ロープの横振動の振幅が予め設定された振幅閾値以上になると、前記位相情報に基づいて、横振動を減衰させるための張力変動を前記ロープに与えるエレベータ装置のロープ揺れ抑制方法。

技術分野

0001

この発明は、例えば地震強風などで生じる建物揺れによって、ロープ横振動が発生した場合に、そのロープの張力を適切に制御することによってロープの横振動を抑制するエレベータ装置及びそのロープ揺れ抑制方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、高層建物では、長周期地震動又は強風によって低周期の揺れが継続することが知られている。そして、このような高層建物に設置されたエレベータ装置では、主ロープ調速機ロープ、及びコンペンロープ等のロープが、建物揺れ共振して大きく揺れ、昇降路機器に接触し損傷したり引っ掛かったりする事象が発生している。このような状態のままエレベータ装置を運行すると、機器が破損して、乗客閉じ込めが発生したり、復旧までに長時間を要したりするという事態が生じる恐れがある。

0003

このため、従来のエレベータ装置では、コンペンロープの横振動(横揺れ)が予め設定された限度を超えた場合、又は建物の揺れが所定の基準を超えた場合に、張力機構によってコンペンロープの張力が選択的に変更され、共振状態が回避される(例えば、特許文献1参照)。

0004

しかし、単にロープの張力を増加させる方法では、張力を増加させることによって逆にロープの固有振動数が建物の固有振動数と接近し、ロープの横振動が大きくなることがあるという問題があった。

0005

また、従来の他のエレベータ装置では、ロープに与える張力をかごの位置に応じて変化される(例えば、特許文献2参照)。

0006

しかし、この方法では、ロープの固有振動数と建物の固有振動数とが接近する領域を小さくすることはできても、ロープと建物とが共振する領域をなくすことはできないため、依然としてロープ共振により機器損傷及びロープの絡まりなどが発生する可能性があった。また、このようにロープの固有振動数を変えてロープの横振動を抑えるためには、比較的大きな張力増減をさせなければならず、容量の大きな張力機構が必要になるという問題もあった。

0007

これに対して、従来のさらに他のエレベータ装置では、ロープの横振動の位相情報を用いて、ロープに張力変動を与えることで、通常よりも大きな減衰効果を得ることができ、建物の固有振動数に接近した場合及び一致した場合の両方において、ロープの横振動を低減することができる(例えば、特許文献3参照)。

先行技術

0008

特開平10−279224号公報
特開2003−104656号公報
国際公開第2010/013597

発明が解決しようとする課題

0009

通常のエレベータ装置では、かごを吊り下げるために複数本の主ロープが用いられており、これらの主ロープの張力は互いに微小に異なっている。このように、並べて配置されたロープの張力が互いに異なっている場合、特にロープの横振動が成長過程にある段階で、ロープがそれぞれ異なる位相で横振動する。

0010

このため、位相情報を用いてロープに張力変動を与える従来のロープ揺れ抑制方法では、ロープの横振動の成長過程で位相情報が正確に取得できず、ロープの揺れを十分に抑制することができないという問題があった。

0011

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ロープの横振動をより効果的に抑制することができるエレベータ装置及びそのロープ揺れ抑制方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

この発明に係るエレベータ装置は、横振動を抑制するための張力をロープに与える駆動装置、及びロープの横振動情報を入力として駆動装置を制御する演算制御装置を備え、演算制御装置は、ロープの横振動の位相情報によらずロープに張力を与える第1の駆動指令と、位相情報に基づいて横振動を減衰させるための張力変動をロープに与える第2の駆動指令とを含む複数の駆動指令を選択的に駆動装置に出力する。

発明の効果

0013

この発明のエレベータ装置は、演算制御装置が、ロープの横振動の位相情報によらずロープに張力を与える第1の駆動指令と、位相情報に基づいて横振動を減衰させるための張力変動をロープに与える第2の駆動指令とを含む複数の駆動指令を選択的に駆動装置に出力するので、ロープの横振動の過程に応じて、ロープの横振動をより効果的に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0014

この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。
図1のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。
図1の主ロープ又はコンペンロープの横振動の時間変化の一例、及び演算制御装置による駆動指令の時間変化の一例を示すグラフである。
図1の第1のロープ横振動センサの第1の例を示す平面図である。
図1の第1のロープ横振動センサの第2の例を示す平面図である。
図4の第1のロープ横振動センサからの検出信号の第1の例を示すグラフである。
図4の第1のロープ横振動センサからの検出信号の第2の例を示すグラフである。
図1の第1のロープ横振動センサの第3の例を示す平面図である。
図8の第1のロープ横振動センサからの検出信号の一例を示すグラフである。
図8の第1のロープ横振動センサからの検出信号により求めた主ロープの横振動波形周波数応答を示すグラフである。
この発明の実施の形態2によるエレベータ装置の要部を示すブロック図である。

実施例

0015

以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2には、巻上機3が設置されている。巻上機3は、駆動シーブ4と、駆動シーブ4を回転させる巻上機モータ(図示せず)と、駆動シーブ4の回転を制動する巻上機ブレーキ(図示せず)とを有している。巻上機3の近傍には、そらせ車5が設けられている。

0016

駆動シーブ4及びそらせ車5には、複数本(図1では1本のみ示す)の主ロープ(懸架体)6が巻き掛けられている。主ロープ6は、互いに間隔をおいて並べて配置されている。主ロープ6の第1の端部には、かご7が接続されている。主ロープ6の第2の端部には、釣合おもり8が接続されている。かご7及び釣合おもり8は、主ロープ6により1:1ローピングで昇降路1内に吊り下げられており、巻上機3により昇降される。

0017

昇降路1内には、かご7の昇降を案内する一対のかごガイドレール(図示せず)と、釣合おもり8の昇降を案内する一対の釣合おもりガイドレール(図示せず)とが設置されている。かご7及び釣合おもり8の間には、複数本(図1では1本のみ示す)のコンペンロープ9が吊り下げられている。コンペンロープ9は、互いに間隔をおいて並べて配置されている。

0018

昇降路1の底部には、コンペンロープ9が巻き掛けられた張り車10が設けられている。張り車10には、張り車10を上下方向へ変位させることにより主ロープ6及びコンペンロープ9の張力を調整する駆動装置(外力付加装置)11が設けられている。駆動装置11としては、例えば油圧ジャッキ又は電動モータ等が用いられている。また、駆動装置11は、主ロープ6及びコンペンロープ9に横振動が生じた際に、横振動を抑制するための張力を主ロープ6及びコンペンロープ9に与える。

0019

昇降路1内の上部には、主ロープ6の横振動を検出する第1のロープ横振動センサ12が設置されている。昇降路1内の下部には、コンペンロープ9の横振動を検出する第2のロープ横振動センサ13が設置されている。ロープ横振動センサ12,13としては、非接触変位センサが用いられている。

0020

ロープ横振動センサ12,13からの検出信号(横振動情報)は、演算制御装置14に入力される。演算制御装置14は、ロープ横振動センサ12,13からの検出信号に応じて駆動装置11を制御する。

0021

また、演算制御装置14は、ロープ(主ロープ6又はコンペンロープ9)の横振動の状態に応じて、異なる制御方法で駆動装置11を制御する。即ち、演算制御装置14は、第1の駆動指令と第2の駆動指令とを含む複数の駆動指令を選択的に駆動装置11に出力する。第1の駆動指令は、ロープの横振動の位相情報によらず、ロープに張力を与える指令である。また、第2の駆動指令は、ロープの横振動の位相情報に基づいて、横振動を減衰させるための張力変動をロープに与える指令である。

0022

さらに、第2の駆動指令は、例えば、ロープの横振動の変位と、変位もしくは速度の少なくとも1つ以上を乗じたもので構成される関数係数倍(例えば、ロープの横振動の変位と速度とを乗じたものの係数倍、又はロープの横振動の変位の自乗の係数倍)である。

0023

図2図1のエレベータ装置の要部を示すブロック図である。演算制御装置14は、ロープ振動演算部15、制御方法切替部16、駆動指令演算部17及び駆動制御部18を有している。ロープ振動演算部15は、ロープ横振動センサ12,13からの検出信号に基づいて、主ロープ6及びコンペンロープ9の横振動を演算する。

0024

制御方法切替部16は、主ロープ6及びコンペンロープ9の振動状態に応じて、駆動装置11に出力する駆動指令を切り替える。駆動指令演算部17は、制御方法切替部16で選択された駆動指令を演算する。駆動制御部18は、駆動指令演算部17で求められた駆動指令に基づいて駆動装置11を制御する。このような演算制御装置14の機能は、例えばマイクロコンピュータにより実現することができる。

0025

ここで、制御方法切替部16は、ロープ(主ロープ6又はコンペンロープ9)の横振動の振幅が予め設定された第1の振幅閾値以上で第2の振幅閾値(第1の振幅閾値<第2の振幅閾値)よりも小さいときには、横振動の成長過程であり、ロープがばらばらに振動していると判断し、第1の駆動指令を選択する。そして、振幅が第2の振幅閾値以上になると、全てのロープが同期して振動していると判断し、第2の駆動指令を選択する。

0026

図3図1の主ロープ6又はコンペンロープ9の横振動の時間変化の一例、及び演算制御装置14による駆動指令の時間変化の一例を示すグラフである。この例では、ロープの振幅が第1の振幅閾値Yaに達すると、第1の駆動指令が駆動装置11に出力され、ロープに一定張力が付加される。そして、ロープの振幅が第2の振幅閾値Ybに達すると、位相情報を用いた第2の駆動指令が駆動装置11に出力され、横振動を減衰させるための張力変動がロープに与えられる。

0027

このようなエレベータ装置では、演算制御装置14が、ロープの横振動の位相情報によらない第1の駆動指令と、位相情報を用いた第2の駆動指令とを駆動装置11に選択的に出力するので、ロープの横振動の過程に応じて、ロープの横振動をより効果的に抑制することができる。

0028

図4図1の第1のロープ横振動センサ12の第1の例を示す平面図である。この例では、第1のロープ横振動センサ12は、検出光20を投光する投光器21と、検出光20を受光する受光器22とを有している。投光器21及び受光器22は、真上から見てかご7の幅方向(図のY軸方向)の両側に配置されている。検出光20は、かご7の幅方向に平行かつ水平に投光されている。

0029

かご7の前後方向(図のX軸方向)への主ロープ6の横振動の振幅が予め設定された振幅閾値に達すると、検出光20が遮断される。即ち、この例では、主ロープ6の横振動に応じて断続的なON/OFF信号が出力される。上記のように2つの振幅閾値を設定する場合には、主ロープ6から検出光20までの距離が異なるように、2組の投光器21及び受光器22が配置される。

0030

図5図1の第1のロープ横振動センサ12の第2の例を示す平面図である。第2の例では、かご7の幅方向への主ロープ6の横振動を検出するように、真上から見てかご7の前後方向の両側に2個の投光器21と2個の受光器22とが配置されている。複数の主ロープ6が横並びで配置されている場合、それぞれの主ロープ6と第1のロープ横振動センサ12との距離が異なるため、主ロープ6の横振動振幅によっては全ての主ロープ6の横振動状態を検出することができない。しかし、両端に配置された第1のロープ横振動センサ12により主ロープ6を検出することで、検出できる主ロープ6の本数を増やすことができる。

0031

これにより、主ロープ6の横振動情報量を増やすことができ、複数の主ロープ6の振動状態を精度良く判定することができる。

0032

ここでは、両端に配置された主ロープ6に対して第1のロープ横振動センサ12を配置する例を示したが、一端に配置された主ロープ6に対してのみ第1のロープ横振動センサ12を配置してもよい。また、中央付近に配置された主ロープ6に対しても第1のロープ横振動センサ12を配置することで、第1のロープ横振動センサ12を増やし、横振動情報量をさらに増やすような構成としてもよい。

0033

図5のような場合も、2つの振幅閾値を設定する場合には、4組の投光器21及び受光器22を配置すればよい。また、図4及び図5を組み合わせることで、かご7の幅方向及び前後方向の両方への横振動を検出することができる。また、第2のロープ横振動センサ13も第1のロープ横振動センサ12と同様に構成することができる。

0034

図6図4の第1のロープ横振動センサ12からの検出信号の第1の例を示すグラフ、図7図4の第1のロープ横振動センサ12からの検出信号の第2の例を示すグラフである。主ロープ6により検出光20が遮断されたとき、検出信号がL1に立ち上がる。即ち、主ロープ6の横振動情報は、主ロープ6の横振動に応じて出力されるON/OFF信号である。

0035

第1のロープ横振動センサ12として、図4に示したような単純なON/OFFセンサを用いた場合、個々の主ロープ6の横振動が同期していないと、図6に示すように、横振動を検出したことを示す信号の出力タイミングがばらばらで出力間隔時間差t1と周期の相関がなくなる。

0036

これに対して、全ての主ロープ6の横振動が同期していると、図7に示すように、センサ出力が固まりで現れ、次の出力までの時間差t2が周期に相当する。従って、横振動を検出したことを示す信号の時間差によって主ロープ6の横振動の同期を判定し、駆動指令を切り替えることもできる。

0037

図8図1の第1のロープ横振動センサ12の第3の例を示す平面図である。第3の例では、第1のロープ横振動センサ12としてレーザセンサが用いられている。この場合、第1のロープ横振動センサ12は、所定の幅のレーザ光をかご7の幅方向に平行かつ水平に出射する。このような第1のロープ横振動センサ12によれば、主ロープ6の横振動を連続的に測定することができる。

0038

また、両端に配置された主ロープ6に向けてかご7の前後方向に平行なレーザ光を出射する一対のレーザセンサと組み合わせることで、かご7の幅方向及び前後方向の両方への横振動を連続的に測定することができる。また、第2のロープ横振動センサ13も第1のロープ横振動センサ12と同様に構成することができる。

0039

図9図8の第1のロープ横振動センサ12からの検出信号の一例を示すグラフである。横振動情報が主ロープ6の横振動を連続的に測定した信号である場合、全ての主ロープ6の横振動が同期していると、センサ出力がほぼ1つの波形(正弦波)として測定される。この場合、最大振幅間の時間t3が1周期となり、最大振幅と最小振幅との時間差t4はその半分となる。

0040

一方、個々の主ロープ6の横振動が同期していないと、波形が位相の異なる主ロープ6の最大振幅に追従するので、全体としての波形が歪んだものとなる。この場合、最大振幅と最小振幅との時間差t5は、t4とずれた値となるため、この値から同期、非同期を判定し、駆動指令を切り替えることもできる。

0041

図10図8の第1のロープ横振動センサ12からの検出信号により求めた主ロープ6の横振動波形の周波数応答を示すグラフである。図8に示したように、主ロープ6の横振動を連続で測定する場合、主ロープ6の横振動波形の周波数応答を演算し、ピークの高さから同期、非同期を判定してもよい。

0042

即ち、全ての主ロープ6の横振動が同期していると、単一周期に近い特性となるため、周波数faで高いピークを示す。このため、ピーク値が予め設定されたピーク閾値Daよりも高い場合は、全ての主ロープ6の横振動が同期していると判定することができる。周波数faは、事前に計算した値であっても、上記の時間t3から決定した値であってもよい。

0043

一方、個々の主ロープ6の横振動が同期していないと、周波数特性が広い帯域を持つことになるため、非同期と判定することができる。

0044

上記のような同期判定の結果に基づいて第1の駆動指令と第2の駆動指令とを切り替えても、ロープの横振動の過程に応じて、ロープの横振動をより効果的に抑制することができる。

0045

実施の形態2.
次に、図11はこの発明の実施の形態2によるエレベータ装置の要部を示すブロック図である。演算制御装置14は、少なくとも1つの建物揺れセンサ19からの信号を入力とし、予め設定された建物揺れ閾値以上の建物の揺れが検出されたときに、第1の駆動指令を駆動装置11に出力する。また、演算制御装置14は、ロープ(主ロープ6又はコンペンロープ9)の横振動の振幅が予め設定された振幅閾値以上になると第2の駆動指令を駆動装置11に出力する。他の構成は、実施の形態1と同様である。

0046

このように、ロープの横振動情報だけでなく、建物揺れの情報を加えて、第1の駆動指令と第2の駆動指令とを切り替えても、ロープの横振動をより効果的に抑制することができる。

0047

なお、ロープ横振動センサの数や位置は上記の例に限定されるものではなく、例えば昇降路の中間でかご側と釣合おもり側とに配置してもよい。
また、第1の駆動指令は、一定張力を付加する指令に限定されるものではなく、例えば最大振幅等の振動情報、又はかごの位置情報などに応じて付加する張力を変化させてもよい。
さらに、ロープは、断面円形の通常のロープであっても、断面が偏平形状のロープ、即ちベルトであってもよい。
さらにまた、この発明は、例えば調速機ロープなど、主ロープ及びコンペンロープ以外のロープにも適用できる。また、かごから吊り下げられている電力供給用制御ケーブルにもこの発明を適用できる。即ち、制御ケーブルもこの発明におけるロープに含まれる。
また、図1では1:1ローピングのエレベータ装置を示したが、ローピング方式は特に限定されず、例えば2:1ローピングであってもよい。
さらに、機器のレイアウト図1に限定されるものではなく、例えば巻上機の個数及び位置は特に限定されない。
さらにまた、この発明は、機械室レスエレベータダブルデッキエレベータ、及びワンシャフトマルチカー方式のエレベータなど、あらゆるタイプのエレベータ装置に適用できる。

0048

6主ロープ、9コンペンロープ、11駆動装置、12 第1のロープ横振動センサ、13 第2のロープ横振動センサ、14演算制御装置、19建物揺れセンサ。

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  • 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の「 エレベーター乗場ドア装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】乗場階に対してかごが設定位置にあるか否かを作業者が容易に知ることができるエレベーター乗場ドア装置を得る。【解決手段】乗場ドア102が施錠される施錠位置と乗場ドア102が解錠される解錠位置との間... 詳細

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