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技術 エレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 高橋巧富樫香介大内享武井健三郎
出願日 2013年2月7日 (8年3ヶ月経過) 出願番号 2013-022141
公開日 2014年8月25日 (6年8ヶ月経過) 公開番号 2014-151999
状態 特許登録済
技術分野 エレベータの種類及び形式 エレベーターの保守安全及び検査装置
主要キーワード フリッカ点灯 振れ止 運転休止状態 閾値設定ステップ 最大瞬間風速 復帰ステップ ロープ類 風力係数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

屋外に設置する強風管制運転において強風がエレベータに与える影響を考慮しつつ、最適な管制運転を行うことが可能なエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法を提供する。

解決手段

風速計と、エレベータを昇降させるロープに対する荷重と定期的に取得される風速データとに基づいて、エレベータの昇降路に設けられた昇降路機器へのロープの引っ掛かりが生じる振れ量を求める振れ量算出部と、エレベータをガイドレールに沿ってガイドするガイドローラに対する荷重と風速データとに基づいて、ガイドレールへのエレベータの干渉が生じる変位量を求める変位量算出部と、風速計が、振れ量算出部が算出した振れ量、または変位量算出部が算出した変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合に、風速値を、エレベータを強風時管制運転に移行させるための閾値として定める制御部と、を備える。

概要

背景

エレベータ屋外に設置する場合、エレベータの運転が風に影響されることが懸念される。例えば、ロープ類昇降路内の機器類に引っ掛かるといった不具合が発生することがある。通常、これらによる乗客閉じ込めや各種機器類の損傷を防止するため、強風管制運転を設置する。従来エレベータ運転制御としては、特許文献1に記載のように建物の上部に風速計を設置し、所定値を超える風速計測された場合にエレベータを減速運転させたり、乗客を降ろした後にエレベータの運転を停止するなどの強風管制運転が実施されている。

概要

屋外に設置する強風管制運転において強風がエレベータに与える影響を考慮しつつ、最適な管制運転を行うことが可能なエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法を提供する。風速計と、エレベータを昇降させるロープに対する荷重と定期的に取得される風速データとに基づいて、エレベータの昇降路に設けられた昇降路機器へのロープの引っ掛かりが生じる振れ量を求める振れ量算出部と、エレベータをガイドレールに沿ってガイドするガイドローラに対する荷重と風速データとに基づいて、ガイドレールへのエレベータの干渉が生じる変位量を求める変位量算出部と、風速計が、振れ量算出部が算出した振れ量、または変位量算出部が算出した変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合に、風速値を、エレベータを強風時管制運転に移行させるための閾値として定める制御部と、を備える。

目的

本発明の目的は、屋外に設置する強風管制運転において強風がエレベータに与える影響を考慮しつつ、最適な管制運転を行うことが可能なエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

風速計と、エレベータ昇降させるロープに対する荷重と定期的に取得される風速データとに基づいて、前記エレベータの昇降路に設けられた昇降路機器への前記ロープの引っ掛かりが生じる振れ量を求める振れ量算出部と、前記エレベータをガイドレールに沿ってガイドするガイドローラに対する荷重と前記風速データとに基づいて、前記ガイドレールへの前記エレベータの干渉が生じる変位量を求める変位量算出部と、前記風速計が、前記振れ量算出部が算出した前記振れ量、または前記変位量算出部が算出した前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合に、前記風速値を、前記エレベータを強風管制運転移行させるための閾値として定める制御部と、を備えることを特徴とするエレベータシステム

請求項2

前記制御部は、前記風速計が前記振れ量または前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知しない場合であっても、所定の大きさ以上の強風を検知した場合、前記エレベータを一旦強風時管制運転に移行させ、さらに前記風速計が前記閾値を越える風速値を検知しない時間が所定時間経過した場合に、前記閾値を越える風速の強風が発生する可能性が低いと判断し、前記エレベータを平常運転復帰させる、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。

請求項3

前記制御部は、前記風速計が前記振れ量または前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合、前記エレベータを強風時管制運転に移行させた後、運転休止状態に移行させる、ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータシステム。

請求項4

前記制御部は、定期的に取得された前記風速データの中から前記閾値を越える風速が発生している時刻と、次に前記閾値を越える風速が発生している時刻との間隔を求めることにより、前記所定時間を算出する、ことを特徴とする請求項2または3に記載のエレベータシステム。

請求項5

風速計を備えたエレベータシステムにおいて行われるエレベータの運転制御方法であって、エレベータを昇降させるロープに対する荷重と定期的に取得される風速データとに基づいて、前記エレベータの昇降路に設けられた昇降路機器への前記ロープの引っ掛かりが生じる振れ量を求める振れ量算出ステップと、前記エレベータをガイドレールに沿ってガイドするガイドローラに対する荷重と前記風速データとに基づいて、前記ガイドレールへの前記エレベータの干渉が生じる変位量を求める変位量算出ステップと、前記風速計が、前記振れ量算出ステップにおいて算出した前記振れ量、または前記変位量算出ステップにおいて算出した前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合に、前記風速値を、前記エレベータを強風時管制運転に移行させるための閾値として定める閾値設定ステップと、前記風速計が前記振れ量または前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知したか否かを判定し、前記風速値を検知しない場合であっても、所定の大きさ以上の強風を検知した場合、前記エレベータを一旦強風時管制運転に移行させる管制運転移行ステップと、前記風速計が前記閾値を越える風速値を検知しない時間が所定時間経過した場合に、前記閾値を越える風速の強風が発生する可能性が低いと判断し、前記エレベータを平常運転に復帰させる平常運転復帰ステップと、を含むことを特徴とするエレベータの運転制御方法。

技術分野

0001

本発明は、強風によるエレベータへの影響を考慮した運転制御を行うエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法に関するものである。

背景技術

0002

エレベータを屋外に設置する場合、エレベータの運転が風に影響されることが懸念される。例えば、ロープ類昇降路内の機器類に引っ掛かるといった不具合が発生することがある。通常、これらによる乗客閉じ込めや各種機器類の損傷を防止するため、強風管制運転を設置する。従来エレベータ運転制御としては、特許文献1に記載のように建物の上部に風速計を設置し、所定値を超える風速計測された場合にエレベータを減速運転させたり、乗客を降ろした後にエレベータの運転を停止するなどの強風管制運転が実施されている。

先行技術

0003

特開2008−137800号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した特許文献1に記載されたような従来の強風管制運転では、強風がエレベータに与える影響を把握できず、その影響を過大評価することでエレベータの運転効率が低下するという課題があった。

0005

本発明の目的は、屋外に設置する強風管制運転において強風がエレベータに与える影響を考慮しつつ、最適な管制運転を行うことが可能なエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるエレベータシステムは、風速計と、エレベータを昇降させるロープに対する荷重と定期的に取得される風速データとに基づいて、前記エレベータの昇降路に設けられた昇降路機器への前記ロープの引っ掛かりが生じる振れ量を求める振れ量算出部と、前記エレベータをガイドレールに沿ってガイドするガイドローラに対する荷重と前記風速データとに基づいて、前記ガイドレールへの前記エレベータの干渉が生じる変位量を求める変位量算出部と、前記風速計が、前記振れ量算出部が算出した前記振れ量、または前記変位量算出部が算出した前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合に、前記風速値を、前記エレベータを強風時管制運転に移行させるための閾値として定める制御部と、を備えることを特徴とする。

0007

また、本発明にかかるエレベータの運転制御方法は、風速計を備えたエレベータシステムにおいて行われるエレベータの運転制御方法であって、エレベータを昇降させるロープに対する荷重と定期的に取得される風速データとに基づいて、前記エレベータの昇降路に設けられた昇降路機器への前記ロープの引っ掛かりが生じる振れ量を求める振れ量算出ステップと、前記エレベータをガイドレールに沿ってガイドするガイドローラに対する荷重と前記風速データとに基づいて、前記ガイドレールへの前記エレベータの干渉が生じる変位量を求める変位量算出ステップと、前記風速計が、前記振れ量算出部が算出した前記振れ量、または前記変位量算出部が算出した前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知した場合に、前記風速値を、前記エレベータを強風時管制運転に移行させるための閾値として定める閾値設定ステップと、前記風速計が前記振れ量または前記変位量のいずれかを生じさせる風速値を検知したか否かを判定し、前記風速値を検知しない場合であっても、所定の大きさ以上の強風を検知した場合、前記エレベータを一旦強風時管制運転に移行させる管制運転移行ステップと、前記風速計が前記閾値を越える風速値を検知しない時間が所定時間経過した場合に、前記閾値を越える風速の強風が発生する可能性が低いと判断し、前記エレベータを平常運転復帰させる平常運転復帰ステップと、を含むことを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、屋外に設置する強風管制運転において強風がエレベータに与える影響を考慮しつつ、最適な管制運転を行うことが可能なエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

本実施の形態にかかるエレベータシステムの概略を示す図である。
主ロープの振れにおける長尺物の引っ掛かりを検討するための説明図である。
ガバナロープ振れにおける長尺物の引っ掛かりを検討するための説明図である。
風圧によるかご変位時の干渉(かご変位量δx)を検討するための説明図である。
風圧によるかご変位時の干渉(かご変位量δy)を検討するための説明図である。
判断テーブルの例を示す図である。
最大瞬間風速と時間の関係図を示す。
本実施の形態にかかるエレベータシステムで行われる運転制御方法の処理手順を示すフローチャートである。

実施例

0010

以下、添付図面を参照して、本発明にかかるエレベータシステムおよびエレベータの運転制御方法の実施の形態を詳細に説明する。

0011

図1は、本実施の形態にかかるエレベータシステムの概略を示す図である。図1に示すように、本実施の形態におけるエレベータシステムは、建物1の最上階付近に設置された風速計2と、建物1の昇降路頂部機械室に設けられた巻上機3と、巻上機3によって巻き上げられ、一端がかご5に取り付けられ、他端がカウンターウェイト6に取り付けられた主ロープ4と、主ロープ4の一端側に設けられたかご5と、その他端側に設けられたカウンターウェイト6と、機械室頂部に設けられたガバナ7と、このガバナ7に巻回されたガバナロープ8とを有して構成されている。図1に示したように、主ロープ4およびガバナロープ8は屋外に設置されており、直接、風にさらされる状況下にある。また、上述したエレベータシステムは、管理室に設置されたコンピュータ100の制御部によって以下に示す各計算を実行し、エレベータを制御している。

0012

次に、強風がエレベータに与える影響の検討方法について示す。強風がエレベータに影響を与える懸案事項としては、長尺物の引っ掛かり、風圧によるかご変位時の干渉が考えられる。長尺物の引っ掛かりとしては、主ロープ4の振れ、ガバナロープ8の振れが挙げられる。ここで、コンピュータ100の制御部は、ロープの振れ量を式(1)により求める。この式(1)は、例えば、抛物線理論による主索張力計算により導かれる。
f = {1/2 (w × L1) + P} × L / 4H × 1000 ・・・(1)
f : ロープ振れ量[mm]
w :分布荷重[N/m]
L : 水平径間長[m]
L1 :建屋において囲いを有しない部分の高さ[m]
P :集中荷重[N]
H : ロープの水平張力[N]

0013

なお、分布荷重は、風圧力Pwとロープ径φから算出されるが、例えば、以下の式(2)により求めることができる。
w = Pw × φ ・・・(2)
Pw:風圧力[N/m2]
φ:ロープ径[m]

0014

また、主ロープ4の振れにおける長尺物の引っ掛かりの検討は、図2に示すように、コンピュータ100の制御部が、式(1)にて算出したロープ振れ量fと、主ロープと最も近い昇降路機器10との距離14(r1)とを比較することによって行う。この距離14を把握することにより、主ロープの振れによる引っかかりの範囲を把握することができる。

0015

また、ガバナロープ8の振れにおける長尺物の引っ掛かりの検討は、コンピュータ100の制御部が、図3に示すように式(1)より算出したロープ振れ量f(ガバナロープ振れ量19)と、ガバナロープ8と最も近い昇降路機器10との距離15(r2)とを比較することによって行う。なお、コンピュータ100の制御部は、ガバナロープ振れ量19を、ガバナロープ振れ止め11間(図3に示す例では2つのガバナロープ振れ止め11の間)における振れ量にて評価する。コンピュータ100の制御部が、この距離15を把握することにより、ガバナロープの振れによる引っかかりの範囲を把握することができる。

0016

また、風圧によるかご変位時の干渉防止としては、かご5に設けられたかご側外れ止め12(図4)および非常止め13(図5)等の止め部材と、ガイドレール9との干渉が挙げられる。ここで、かごの変位は、コンピュータ100の制御部が、式(2)より求める。
δx,y = Fx,y / k × 1000 ・・・(2)
δx,y :ガイドローラのRG方向(x),前後方向(y)変位[mm]
Fx,y :ガイドローラのRG方向(x),前後方向(y)反力[N]
k :ばね定数[N/mm]
風速によるガイドローラ反力Fx,Fy[N]
Fx = (S1 × Pw ) / 2
Fy = (S2 × Pw ) / 4
S1 :かごの面積(側面)[m2]
S2 :かごの面積(背面)[m2]
Pw :風圧力[N/m2]

0017

図4に示すように、コンピュータ100の制御部は、式(2)より算出したかご変位量δxと外れ止め12とガイドレール9との間の距離を許容値16として設定出来るか否かを評価する。また、図5に示すように、コンピュータ100の制御部は、式(2)より算出したかご変位量δyと非常止め13とガイドレール9との間の距離を許容値17として出来るか否かを評価する。

0018

ここで、前述の検討結果をまとめた例を図6に示す。なお、以下では、コンピュータ100の制御部は、上述した各ロープや止め部材が、かご5やガイドレール9に干渉するか否かを判断するための基準となる風速値を用いているが、この風速値は、上述した各式で用いられている風圧力と風速との関係から、風力係数等を用いて従来から知られている種々の手法により導くことができる。

0019

図6は、各ロープの振れ量および止め部材の変位量と、これらの振れ量や変位量によって各ロープがかご5に干渉したり、止め部材がガイドレール9に干渉するか否かを判断するための閾値となる風速との関係を示すテーブル(判断テーブル)の例を示す図である。図6に示す判断テーブルでは、風速V1m/s(例えば、風速20m/s)までは、長尺物(例えば、ガバナロープ8)の引っ掛かりおよび風圧によるかご変位時の干渉は無いことがわかる。このため、コンピュータ100の制御部は、安全にかご5を最寄り階に停止させる。図6では、ガバナロープ8についてのみ示しているが、コンピュータ100の制御部は、もちろん主ロープ4についても同様に評価することができる。

0020

一方、風速V2m/sよりも大きい場合では、かご側外れ止め12または非常止め13がガイドレール9に干渉する可能性があることがわかる。このため、コンピュータ100の制御部は、エレベータを自動復帰せず、スピーカによる音声ディスプレイによる表示画面等を介して保守員による点検が必要である旨を報知する。そして、コンピュータ100の制御部は、保守員による点検後、手動復帰とさせる風速の設定値をV2m/sとすれば良いと判断する。

0021

より具体的には、コンピュータ100の制御部は、上述した式(1)で求めたロープ振れ量fが、主ロープ4と最も近い昇降路機器10との距離(あるいはガバナロープ8と最も近い昇降路機器10との距離)よりも大きくなる境界点の風速値を求め、その風速値を閾値(例えば、風速V1m/s)として設定する。そして、コンピュータ100の制御部は、後述するように、気象庁や外部のサイト等から取得した風速データと、求めた閾値とを比較し、主ロープ4と最も近い昇降路機器10との距離(あるいはガバナロープ8と最も近い昇降路機器10との距離)よりも大きいと判定した場合には、主ロープ4またはガバナロープ8の昇降路機器10による引っ掛かりが発生しうると判断する。

0022

また、コンピュータ100の制御部は、上述した式(2)で求めたかご変位量δx,yが、上述した許容値よりも大きくなる境界点となる風速値を求め、その風速値を閾値(例えば、風速V2m/s)として設定する。そして、コンピュータ100の制御部は、後述するように、気象庁や外部のサイト等から取得した風速データと、求めた閾値とを比較し、かご変位量δx,yが、あらかじめ定められた許容値よりも大きいと判定した場合には、かご5によるガイドレール9への干渉が発生しうると判断する。

0023

このように、コンピュータ100の制御部は、風速データを用いて上述した閾値を求めているので、実際にそのような風速が発生した場合には、上述した引っ掛かりや干渉を生じさせることがないように事前に判断し、適切にエレベータの動作を制御することができる。

0024

次に強風の特徴について検討する。図7に、最大瞬間風速と時間の関係図を示す。なお、本関係図は、コンピュータ100の制御部が気象庁測定の風速データを分析したものである。また風速データは、例えば、気象庁や外部のサイト等に記憶され、エレベータが設置されている地点の風速に関するデータであり、過去の実績値予測値を含んでいる。コンピュータ100の制御部は、これらのサイトにアクセスして風速データを定期的に取得し、本データを参照することより、例えば、取得した出風速データが、上述した閾値(例えば、風速V1m/s)である風速20m/s超えの時間間隔18を求める。図7では、10分未満の間に、風速20m/sを越えるような強風が発生する確率が非常に高いことがわかる。従って、コンピュータ100の制御部は、風速計2が風速20m/s超えの強風を検知しない時間が10分以上継続しているか否かを判定し、風速計2がそのような強風を検知しない時間が10分以上継続していないと判定した場合、通常運転に復帰可能と判断する。このように、コンピュータ100の制御部が定期的に風速データを取得して上述した時間間隔を求めているので、気象状態に応じてエレベータの復帰間隔を設定することができる。

0025

続いて、本実施の形態におけるエレベータシステムで行われる運転制御方法の処理手順について説明する。図8は、上述したエレベータシステムで行われる運転制御方法の処理手順を示すフローチャートである。以下では、風速20m/sが上述した閾値(風速V1m/s)として設定され、風速25m/sが上述した閾値(風速V2m/s)として設定され、エレベータが平常運転されている場合について説明している。

0026

図8に示すように、まず、コンピュータ100の制御部は、強風が発生している状態で、風速計2が上述した閾値を越える風速(例えば、閾値V1m/sに対応する風速20m/s)を越える強風を検知したか(風速データを取得したか)否かを判定する(ステップS801)。コンピュータ100の制御部は、風速計2がそのような強風を検知していないと判定した場合(ステップS801;No)、図6に示したように、主ロープ4やガバナロープ8による引っ掛かりやかご側外れ止め12または非常止め13によるガイドレール9への干渉を生じさせることがないと判断し、エレベータの平常運転を続行させる。なお、風速の検知が所定の時間(例えば、1秒)未満である場合には、コンピュータ100の制御部は、その強風は、例えば、ビル風による突風によるものであり、上述した閾値を越えるような強風が発生していることによるものではないと判断し、同様にエレベータの平常運転を続行させる。

0027

一方、コンピュータ100の制御部は、風速計2がそのような強風を検知したと判定した場合(ステップS801;Yes)、さらに風速計2が上述した閾値を越える風速(例えば、閾値V2m/sに対応する風速25m/s)を越える強風を検知したか(風速データを取得したか)否かを判定する(ステップS802)。そして、コンピュータ100の制御部は、コンピュータ100の制御部は、風速計2がそのような強風を検知したと判定した場合(ステップS802;Yes)、図6に示したように、少なくともかご側外れ止め12または非常止め13によるガイドレール9への干渉を生じさせる可能性がある(または干渉を生じさせた)と判断し、かご内に設けられた表示部の表示灯点灯させ、スピーカ等により管制運転に移行する旨の案内を報知する(ステップS814)。

0028

その後、コンピュータ100の制御部は、フロアからの全ての呼びをキャンセルするとともに、エレベータを最寄り避難階に戻るように制御し(ステップ815)、かごを避難階に着床させる(ステップS816)。そして、コンピュータ100の制御部は、扉が開けられたことを検知すると、かご内の天井照明消灯するとともに、かご内の表示部に設けられた「開」ボタンフリッカ点灯させる(ステップS817)。

0029

そして、コンピュータ100の制御部は、かご内で「開」ボタンの押下を検知しない状態で一定時間(例えば、15秒)が経過すると扉を閉じ、「開」ボタンが押下された場合には、扉を開状態にし(ステップS818〜S820)、エレベータを運転休止状態に移行させる。その後、コンピュータ100の制御部は、保守員による点検で異常がないと判断された後、手動で平常運転への復帰操作受け付け、エレベータを平常運転させることとなる。このように、保守員による点検後に手動で平常運転への復帰操作を行うので、確実に安全なエレベータの運行を行うことができる。

0030

ステップS802において、コンピュータ100の制御部は、コンピュータ100の制御部は、例えば、風速計2が閾値V2m/sに対応する風速25m/sを越える強風を検知していないと判定した場合(ステップS802;No)、この時点では風速計2が閾値V1m/sに対応する風速20m/sを越える強風を検知しており、上述した閾値V2m/sに対応する風速25m/sを越える強風を検知する可能性があると判断し、ステップS814〜S820までの処理と同様の処理を行って(ステップS803〜S809)、エレベータを強風運転モードに移行させる(ステップS810)。強風運転モードとは、一旦エレベータを運転休止にするものの、強風がなくなった場合に、保守員による点検を行うことなく、自動的に平常運転に移行させるためのモードである。

0031

コンピュータ100の制御部は、ステップS810において、一旦エレベータを運転休止状態にした後、ステップS801において風速計2が検知した風速20m/sを越える強風が検知されなくなったか否かを判定し(ステップS811)、未だそのような強風が検知されていると判定した場合(ステップS811;No)、ステップS810に戻って、エレベータの運転休止を継続させる。

0032

一方、コンピュータ100の制御部は、風速20m/sを越える強風が検知されなくなったと判定した場合(ステップS811;Yes)、さらに、通常運転への復帰が可能か否かを判断するために、図7に示したように、その状態で10分以上経過したか否かを判定する(ステップS812)。そして、コンピュータ100の制御部は、風速20m/sを越える強風が検知されなくなってから10分以上経過していないと判定した場合(ステップS812;No)、ステップS810に戻って、エレベータの運転休止を継続させる。

0033

一方、コンピュータ100の制御部は、風速20m/sを越える強風が検知されなくなってから10分以上経過したと判定した場合(ステップS812;Yes)、再び風速20m/sを越える強風が発生する確率が低いと判断し、かご内に設けられた表示部の表示灯および「開」ボタンを消灯させ、再び天井照明を点灯させ(ステップS813)、エレベータを平常運転に移行させる。

0034

このように、本実施の形態におけるエレベータシステムは、各ロープの振れ量および止め部材の変位量と、これらの振れ量や変位量によって各ロープがかご5に干渉したり、止め部材がガイドレール9に干渉するか否かを判断するための閾値となる風速との関係を求め、そのような干渉を生じさせる可能性のある風速の強風が発生した場合には、エレベータを一旦運転休止状態に移行させ、そのような強風が検知されなくなってから一定時間が経過した場合には、再び強風が発生して上述した干渉を生じさせることはないと判断し、エレベータを自動的に平常運転に移行させる一方、上述した干渉を生じさせる風速の強風が発生した場合には、エレベータを運転休止状態に移行させ、保守員による点検で異常がないと判断された後、手動で平常運転への復帰操作を受け付け、エレベータを平常運転させるので、屋外に設置する強風管制運転において強風がエレベータに与える影響を考慮しつつ、最適な管制運転を行うことができる。すなわち、強風がエレベータに与える影響を求め、屋外に設置する風速計の閾値を最適に設定し、強風の特徴を検討し、エレベータを停止してから、復帰するまでの待機時間を最適にすることができ、適切に強風時の管制運転を実施することができる。

0035

また、エレベータを屋外に設置する場合、エレベータの運転が風に影響されることが懸念され、例えば、ロープ類が昇降路内の機器類に引っ掛かるといった不具合が発生することがある。これらによる乗客の閉じ込めや各種機器類の損傷を防止するため、強風管制運転を行うが、従来のエレベータ運転制御としては、建物の上部に風速計を設置し、所定値を超える風速が計測された場合にエレベータを減速運転し、乗客を降ろした後にエレベータの運転を停止するなどの強風管制運転が実施されている。しかし、従来の強風管制運転では、強風がエレベータに与える影響を把握できず、その影響を過大評価することでエレベータの運転効率が低下するという課題があったが、本実施の形態におけるエレベータは、上述した制御を行うことにより、最適な強風管制運転を実施することができ、これにより、エレベータの運転効率を向上させ、保守員の負担を減らすことができる。

0036

本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、例えば、ガバナロープが設置されていないエレベータでは、コンピュータ100の制御部は、主ロープのみによる引っ掛かりの検討を行い、この場合には連結されている場合に比べて振れ量が大きくなることが多いため、その振れ量を求めた値よりもやや大きくする等、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えたり、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

0037

1:建物、2:風速計、3:巻上機、4:主ロープ、5:かご、6:カウンターウェイト、7:ガバナ、8:ガバナロープ、9:ガイドレール、10:昇降路内機器、11:ガバナ振れ止め、12:かご側外れ止め、13:非常止め、14:主ロープと最も近い昇降路機器との距離、15:ガバナロープと最も近い昇降路機器との距離、16:外れ止めとガイドレールとの許容値、17:非常止めとガイドレールとの許容値、18:風速20m/s超えの時間間隔、19:ガバナロープ振れ量。

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