図面 (/)

技術 温度測定装置

出願人 株式会社東芝
発明者 内井敏之森正
出願日 2013年2月4日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-019295
公開日 2014年8月21日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-149263
状態 特許登録済
技術分野 放射温度計
主要キーワード 過度現象 温度測定領域 温度測定範囲 信号ノイズ比 特定波長帯 原子線 電力用ガス遮断器 取付口
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年8月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

測定対象物放射スペクトルを用いて精度よく温度を測定する温度測定装置を提供する。

解決手段

温度測定装置20は、採光手段3と、抽出手段7と、光強度算出手段と、温度測定手段とを有する。採光手段は、測定対象物の放射スペクトルを採光する。抽出手段は、前記採光手段が採光した放射スペクトルから、原子線スペクトル波長を持つ光と、原子線スペクトルのない波長領域中の波長を持つ光と、を抽出する。光強度算出手段は、前記抽出手段が抽出した各光の強度を算出する。温度測定手段は、前記光強度算出手段が算出した各光の強度に基づいて前記測定対象物の温度を算出する。

概要

背景

高速過度現象の一つであるプラズマの温度を測定するため、プラズマが発する光を測定して温度を算出する方法が考えられている。従来、プラズマが発する2つの原子線スペクトルの強度を選択的に同時に検知し、それらの強度比から温度を算出する方法が考えられる。しかしながら、プラズマの放射スペクトルが原子線スペクトルと共に連続光成分を含むため、この方法は、連続光成分が増加すると測定精度が低下するという課題がある。

概要

測定対象物の放射スペクトルを用いて精度よく温度を測定する温度測定装置を提供する。温度測定装置20は、採光手段3と、抽出手段7と、光強度算出手段と、温度測定手段とを有する。採光手段は、測定対象物の放射スペクトルを採光する。抽出手段は、前記採光手段が採光した放射スペクトルから、原子線スペクトルの波長を持つ光と、原子線スペクトルのない波長領域中の波長を持つ光と、を抽出する。光強度算出手段は、前記抽出手段が抽出した各光の強度を算出する。温度測定手段は、前記光強度算出手段が算出した各光の強度に基づいて前記測定対象物の温度を算出する。

目的

Takeuchi, et al,「Temperature and Metal Vapor Near the Cathode in Copper Breaking Arcs According to Spectroscopic Measurement」,IEEE Transactions on Plasma Science,Vol. 28, No. 3, pp. 991-999, 2000






上記の課題を解決するため、測定対象物の放射スペクトルを用いて精度よく温度を測定する温度測定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

測定対象物放射スペクトルを用いて温度を測定する温度測定装置において、測定対象物の放射スペクトルを採光する採光手段と、前記採光手段が採光した放射スペクトルから、原子線スペクトル波長を持つ光と、原子線スペクトルのない波長領域中の波長を持つ光と、を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した各光の強度を算出する光強度算出手段と、前記光強度算出手段が算出した各光の強度に基づいて前記測定対象物の温度を算出する温度測定手段と、を備える温度測定装置。

請求項2

前記抽出手段は、原子線スペクトルの波長を持つ2つの光と、原子線スペクトルのない波長領域中の波長を持つ少なくとも1つの光と、を抽出し、温度測定手段は、前記抽出手段が抽出した原子線スペクトルの波長を持つ前記2つの光の強度と、前記抽出手段が抽出した原子線スペクトルのない波長領域中の波長を持つ前記少なくとも1つの光の強度とに基づいて、前記測定対象物が発する原子線スペクトル対の強度比を算出する光強度比算出手段と、前記光強度比算出手段が算出した原子線スペクトル対の強度比に基づいて、前記測定対象物の温度を算出する温度算出手段と、を備える前記請求項1に記載の温度測定装置。

請求項3

前記抽出手段は、原子線スペクトルの波長を持つ3つ以上の光を抽出し、前記光強度比算出手段は、前記測定対象物が発する原子線スペクトル対の強度比を2つ以上算出し、前記温度算出手段は、前記光強度比算出手段が強度比の算出に用いた原子線スペクトル対の適正温度測定領域に基づいて前記光強度比算出手段が算出した2つ以上の前記強度比から温度を算出するために使用される強度比を決定し、決定された強度比から測定対象物の温度を算出する、前記請求項2に記載の温度測定装置。

請求項4

前記温度算出手段は、前記測定対象物の温度を適正温度測定領域に含む原子線スペクトル対の強度比を前記測定対象物の温度を算出するための強度比とする、前記請求項3に記載の温度測定装置。

請求項5

前記光強度比算出手段は、原子線スペクトルの波長を持つ2つの光の強度から原子線スペクトルのない波長領域中の光の強度をそれぞれ減算した2つの値の比を算出することで原子線スペクトルの強度比を算出する、前記請求項2乃至4の何れか1項に記載の温度測定装置。

請求項6

前記測定対象物は、銅を含む電極を用いた、六フッ化硫黄を含むガス中点弧したアークプラズマであって、原子線スペクトルの前記波長は、493nm,500nm,502nm,504nm,507nm,511nm,515nm,518nm,522nm,540nm,548nm,553nm,561nm,565nm,567nm,571nm,579nm,586nm,625nm,636nm,642nm,657nm,658nm,677nm,688nm,684nm,686nm,689nm,691nm,705nm,714nm,721nm,732nm,734nm,741nm,743nm,744nm,749nm,750nm,755nm,757nm,776nm,781nmのいずれかの波長である、前記請求項1乃至5の何れか1項に記載の温度測定装置。

請求項7

前記測定対象物は、銅を含む電極を用いた、二酸化炭素を含むガス中で点呼したアークプラズマであって、原子線スペクトルの前記波長は、493nm,502nm,504nm,507nm,511nm,515nm,522nm,561nm,579nm,741nm,743nmのいずれかの波長である、前記請求項1乃至5の何れか1項に記載の温度測定装置。

請求項8

前記採光手段が前記測定対象物の放射スペクトルを採光する範囲を限定する採光限定手段をさらに備える、前記請求項1乃至7の何れか1項に記載の温度測定装置。

請求項9

前記採光限定手段は、上下を開口する筒型であって、内側表面を鏡面的に加工され、側面に前記採光手段に固定されるための取付口を備え、前記採光手段は、前記取付口に接続することで前記採光限定手段を固定し、前記採光限定手段の内部へ流入した測定対象物の放射スペクトルを採光する、前記請求項8に記載の温度測定装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、温度測定装置に関する。

背景技術

0002

高速過度現象の一つであるプラズマの温度を測定するため、プラズマが発する光を測定して温度を算出する方法が考えられている。従来、プラズマが発する2つの原子線スペクトルの強度を選択的に同時に検知し、それらの強度比から温度を算出する方法が考えられる。しかしながら、プラズマの放射スペクトルが原子線スペクトルと共に連続光成分を含むため、この方法は、連続光成分が増加すると測定精度が低下するという課題がある。

先行技術

0003

Takeuchi, et al,「Temperature and Metal Vapor Near the Cathode in Copper Breaking Arcs According to Spectroscopic Measurement」,IEEE Transactions on Plasma Science,Vol. 28, No. 3, pp. 991-999, 2000

発明が解決しようとする課題

0004

上記の課題を解決するため、測定対象物の放射スペクトルを用いて精度よく温度を測定する温度測定装置を提供する。

課題を解決するための手段

0005

実施形態によれば、温度測定装置は、採光手段と、抽出手段と、光強度算出手段と、温度測定手段とを有する。採光手段は、測定対象物の放射スペクトルを採光する。抽出手段は、前記採光手段が採光した放射スペクトルから、原子線スペクトルの波長を持つ光と、原子線スペクトルのない波長領域中の波長を持つ光と、を抽出する。光強度算出手段は、前記抽出手段が抽出した各光の強度を算出する。温度測定手段は、前記光強度算出手段が算出した各光の強度に基づいて前記測定対象物の温度を算出する。

図面の簡単な説明

0006

図1は、第1実施形態に係る温度測定装置の構成例を概略的に示す図である。
図2は、プラズマの放射スペクトルの例を示す図である。
図3は、第2実施形態に係る温度想定装置の構成例を概略的に示す図である。
図4は、原子線スペクトル対の強度比と温度の関係を示す図である。
図5は、第3実施形態に係る温度測定装置の構成例を概略的に示す図である。

実施例

0007

(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
第1実施形態に係る温度測定装置は、測定対象物の放射スペクトルを用いて、測定対象物の温度を測定する。即ち、温度測定装置は、測定対象物の放射スペクトルの中から2つの原子線スペクトルと原子線スペクトルの波長以外の波長を持つ光成分とを選択的に検知し、それぞれの強度から測定対象物の温度を測定する。

0008

温度測定装置は、放射スペクトルの中から原子線スペクトルの2つの波長(λa及びλb)を持つ光成分の強度(IA及びIB)を測定する。さらに、温度測定装置は、放射スペクトルの中から原子線スペクトルの波長以外の波長(λc)を持つ光成分の強度(IC)を測定する。温度測定装置は、波長λaを持つ光成分の強度IA、波長λbを持つ光成分の強度IB、及び、波長λcを持つ光成分の強度ICから測定対象物の温度を算出する。

0009

図1は、第1実施形態に係る温度測定装置20の構成例を概略的に示す図である。
図1に示すように、温度測定装置20は、測定対象物2を格納する個体容器1、個体容器1内の測定対象物の放射スペクトルを採光する入光部3、入光部3を固定保持するアダプタ4、入光部3が採光する放射スペクトルを伝送する伝送部5、入光部3が採光する放射スペクトルの光量を調整する光量調節部6、光量調節部6が光量を調整した放射スペクトルから特定の波長を持つスペクトルの強度を検出する特定波長強度検出部10、特定波長強度検出部10が検出した各スペクトルの強度から原子線スペクトルの強度比を算出する光強度比算出部11、及び温度算出部15を備える。

0010

特定波長強度検出部10は、光量調節部6が光量を調節した放射スペクトルから特定の波長を持つ光を選択抽出する波長選択部7、波長選択部7が抽出した光の強度に応じて電圧を出力するディテクタ8a〜8c、各ディテクタ8a〜8cが出力する電圧から光の強度を計算する較正部9a〜9cを備える。波長選択部7は、内部の温度を一定に調節する温度調節部12の内部に設置される。

0011

個体容器1は、内部に測定対象物2を格納する空間を有する。個体容器1が有する空間は、測定対象物2に応じた大きさ及び形状である。たとえば、個体容器1は、円柱状、矩形状などの容器であるが、個体容器1の形状は、特定の形状に限定されるものではない。
個体容器1は、測定対象物2が発生させる衝撃又は熱などに耐える強度を持つ。たとえば、個体容器1は、金属などで形成されるが、個体容器1を構成する物質は、特定の物質に限定されるものではない。
たとえば、個体容器1は、電力用ガス遮断器、又は、エンジンシリンダなどの他の用途に用いられているものであってもよい。また、個体容器1は、測定対象物2を測定するための容器であってもよい。

0012

個体容器1の内側表面は、少なくとも入光部3の視野範囲に入る部分について鏡面的に加工されている。即ち、入光部3は、個体容器1が発する光としては、鏡面加工されている内側表面が発する光のみを採光する。鏡面加工された物質は温度変化に応じた光を出しにくい。したがって、個体容器1の内側表面のうち入光部3の視野範囲に入る部分は、温度変化によって光を出しにくい。そのため、入光部3は、個体容器1が温度変化によって発する光を採光することなく、測定対象物2の放射スペクトルを採光することができる。

0013

個体容器1の一部には、アダプタ4を設置するための内部へ貫通する穴が設けられる。穴の位置は、測定対象物2の放射スペクトルを採光し易いように測定対象物2の近傍であるが、特定の位置に限定されるものではない。

0014

測定対象物2は、温度測定装置20が温度を測定する対象物である。測定対象物2は、短時間(たとえば、数ミリ秒から数μ秒)の間に急激な温度変化を起こす現象(過度現象)などである。たとえば、測定対象物2は、爆発燃焼、プラズマ又は化学反応などである。しかし、測定対象物2は、過度現象に限定されるものではなく、特定の物質又は現象に限定されるものではない。

0015

入光部3は、先端から測定対象物2の放射スペクトルを採光する。また、入光部3は、採光された放射スペクトルを伝送路5を通じて光量調整部6へ供給する。入光部3は、アダプタ4に保持される。入光部3は、個体容器1内へ突出して設置されてもよいし、アダプタ4内に埋没され個体容器1内へ突出されなくともよい。また、入光部3の測定対象物2に対面する表層部は、測定対象物2が発生させる衝撃又は熱などに耐える強度を持つ。入光部3の測定対象物2に対面する表層部は、耐熱ガラス又は強化ガラスなどで形成される。

0016

また、入光部3は、内部に焦点距離13を持つレンズを有する。このレンズによって、入光部3は、入光部3から焦点距離13離れた部分の光を採光することができる。即ち、入光部3は、入光部3から焦点距離13離れた測定対象物2の部分(測定箇所)が発生する放射スペクトルを採光できる。その結果、温度測定装置20は、測定対象物2の当該測定箇所の温度を測定することができる。また、レンズは、焦点距離13を任意に変更できるものであってもよい。この場合、温度測定装置20は、容易に温度を測定する箇所を変更することができる。

0017

アダプタ4は、入光部3を固定保持する。アダプタ4は、個体容器1に設けられた穴を埋めるように、個体容器1に設置される。また、アダプタ4は、伝送路5の一端を固定保持する。伝送路5及び入光部3を固定保持することによって、アダプタ4は、入光部3と伝送路5とを光学的に接続する。

0018

伝送路5は、入光部3が採光した放射スペクトルを光量調節部6へ伝送する。また、伝送路5は、光量調整部6が光量を調節した放射スペクトルを波長選択部7へ伝送する。また、伝送路5は、波長選択部7が供給する光をディテクタ8a、8b、8cへ伝送する。伝送路5は、光を伝送路5の一端から他端まで伝送する機能を有する。たとえば、伝送路5は、光ファイバなどである。

0019

光量調整部6は、入光部3が供給する放射スペクトルの光量を適切な光量へ調節する。即ち、光量調整部6は、入光部3が供給する放射スペクトルの光量をディテクタ8a〜8cが検出可能な光量へ調節する。具体的には、光量調整部6は、放射スペクトルの全ての光成分を均等な割合で減少させる。たとえば、入光部3が供給する放射スペクトルの光量がディテクタ8が検知できる光量を上回っている場合、ディテクタ8が検知する各原子線スペクトルの強度に差が生じず、温度測定装置20は、測定対象物2の温度を算出できない。この場合、光量調整部6は、ディテクタ8が検知できる光量へ放射スペクトルの光量を減少させる。また、光量調整部6が放射スペクトルの光量を減少させすぎると、放射スペクトルの信号ノイズ比が悪化する。光量調整部6は、放射スペクトルの光量を、ディテクタ8が検知可能な光量であってかつ信号ノイズ比が悪化しない程度に、調整する。
また、光量調整部6は、光量を調節された放射スペクトルを伝送路5を通じて波長選択部7へ供給する。

0020

波長選択部7は、光量調整部6が供給する放射スペクトルの中から特定の波長を持つ光のみを抽出する。実施形態において、波長選択部7は、原子線スペクトルの2つの波長λa及びλbを持つ光と、原子線スペクトルのない波長領域中の1つの波長λcを持つ光とを抽出する。
λa、λb及びλcは、測定対象物2に応じて決定されるが、特定の波長に限定されるものではない。

0021

たとえば、測定対象物2が、銅を含む電極を用いた、六フッ化硫黄SF6)を含むガス中点弧したアークプラズマである場合、λa及びλbは、493nm,500nm,502nm,504nm,507nm,511nm,515nm,518nm,522nm,540nm,548nm,553nm,561nm,565nm,567nm,571nm,579nm,586nm,625nm,636nm,642nm,657nm,658nm,677nm,688nm,684nm,686nm,689nm,691nm,705nm,714nm,721nm,732nm,734nm,741nm,743nm,744nm,749nm,750nm,755nm,757nm,776nm,781nmのいずれかの波長であってもよい。この場合、λcは、上記に記載される波長以外の波長を設定される。

0022

また、測定対象物2が、銅を含む電極を用いた、二酸化炭素(CO2)を含むガス中で点呼したアークプラズマである場合、λa及びλbは、493nm,502nm,504nm,507nm,511nm,515nm,522nm,561nm,579nm,741nm,743nmのいずれかの波長であってもよい。この場合、λcは、上記に記載される波長以外の波長を設定される。

0023

たとえば、波長選択部7は、回折格子又はプリズムなどで放射スペクトルを分光し、特定波長の光のみを光ファイバなどで拾う構造であってもよい。また、波長選択部7は、放射スペクトルをビームスプリッタ分枝し、狭波長帯干渉フィルタで特定の波長を持つ光のみを通過させる構造であってもよい。波長選択部7が前述した波長群から抽出する光の波長を選択する場合、干渉フィルタの透過波長バンド幅は、3nm程度であればよい。波長選択部7が、特定の波長を持つ光のみを抽出する方法及び構造は、特定の構成に限定されるものではない。

0024

波長選択部7は、抽出された光を伝送路5を通じて各ディテクタ8へ供給する。ここでは、波長選択部7は、波長λaを持つ光をディテクタ8aへ、波長λbを持つ光をディテクタ8bへ、波長λcを持つ光をディテクタ8cへ供給する。

0025

波長選択部7は、温度調節部12の内部に設置される。温度調節部12は、内部の温度を一定に保つ機能を有する。温度調節部12は、波長選択部7の温度を一定の温度に保つ。波長選択部7は、通常分光器又は特定波長帯のみを通過させる干渉フィルタなどを用いる。これらの部品の温度特定は、温度変化に対して敏感である。そのため、温度調整部12は、波長選択部7の温度を一定に保つことによって、波長選択部7の精度が温度変化によって低下することを防止する。

0026

ディテクタ8(8a、8b、8c)は、波長選択部7が抽出した光を電圧に変換する。ディテクタ8は、短時間(数ミリ秒〜数μ秒)に生じる現象が発生する光を電圧に変換するため、数μ秒程度の応答速度で電圧を生じる。たとえば、ディテクタ8は、フォトダイオード又は光電子倍増管などである。また、ディテクタ8は、特定の波長を持つ光ごとに独立して設置される。したがって、各ディテクタ8は、同時に特定の波長を持つ各光を電圧に変換することができる。

0027

ディテクタ8は、電気的に較正部9に接続される。ディテクタ8は、発生した電圧を較正部9へ供給する。ここでは、ディテクタ8aは、較正部9aへ電圧を供給し、ディテクタ8bは、較正部9bへ電圧を供給し、ディテクタ8cは、較正部9cへ電圧を供給する。

0028

較正部9(9a、9b、9c)は、ディテクタ8が供給する電圧から波長選択部7がディテクタ8へ供給した光の強度を算出する。ディテクタ8は、供給される光の強度に対してリニアな電圧を出力しない。通常、ディテクタ8に供給される光の強度が強くなると、光の強度に対する出力電圧比率が減少する。即ち、ディテクタ8に供給される光の強度が強くなると、ディテクタ8の光を電圧に変化する効率が低下する。較正部8は、ディテクタ8の特性に基づいて、ディテクタ8が供給する電圧から、波長選択部7がディテクタ8へ供給した光の強度を算出する。較正部8は、計算回路であってもよいし、PCなどであってもよい。

0029

較正部9は、電気的に光強度算出部11へ接続される。較正部9は、算出された光の強度を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9aは、λaの波長を持つ光の強度(IA)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9bは、λbの波長を持つ光の強度(IB)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9cは、λcの波長を持つ光の強度(IC)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。

0030

光強度比算出部11は、較正部9から供給される光の強度を示す情報に基づいて、2つの原子線スペクトルの強度比を算出する。以下、算出手順について説明する。
測定対象物2の放射スペクトルは、原子線スペクトルと共にノイズである連続光成分を含む。図2は、測定対象物2の放射スペクトルの例を示す図である。図2に示すように、原子線スペクトル(線スペクトル)は、連続光成分に乗るように形成されている。したがって、光強度比算出部11は、単に原子線スペクトルの波長を持つ光の強度を利用して原子線スペクトルの強度比を算出しようとすると、連続光成分によって正確な原子線スペクトルの強度比を算出できない。

0031

光強度比算出部11は、連続光成分の強度を除去して原子線スペクトルの強度比を算出する。具体的には、光強度比算出部11は、原子線スペクトルの波長を持つ光の強度から、連続光成分の強度を減算して、測定対象物2の測定箇所が発する原子線スペクトルの強度を算出する。ここで、波長λcを持つ光は、原子線スペクトルのない波長領域の光であるので、波長λcを持つ光の強度は、連続光成分の強度である。したがって、光強度比算出部11は、光強度比算出部11は、原子線スペクトルの波長λa及び波長λbを持つ光の強度から波長λcを持つ光の強度を減算することで、測定対象物2が発する原子線スペクトルの強度を算出する。光強度比算出部11は、算出された原子線スペクトルの強度から、測定対象物2の測定箇所が発する原子線スペクトルの強度比を算出する。

0032

実施形態において、較正部9aは、波長λaを持つ光の強度(IA)を算出して、算出された強度を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9aが供給する情報が示す強度は、測定対象物2が発する原子線スペクトルに連続光成分が加わった状態の強度である。

0033

また、較正部9cは、波長λcを持つ光の強度(IC)を算出して、算出された強度を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。λcは原子線スペクトルの波長ではないので、較正部9aが供給する情報が示す強度は、連続光成分の強度である。

0034

したがって、光強度比算出部11は、IAからICを減算することで、測定対象物2が発する波長λaの原子線スペクトル強度(In)を得ることができる。同様に、光強度比算出部11は、IBからICを減算することで、測定対象物2が発する波長λbの原子線スペクトル強度(Im)を得ることができる。よって、光強度比算出部11は、以下の式によって、原子線スペクトルの強度比(In/Im)を算出することができる。
In/Im=(IA−IC)/(IB−IC)
光強度比算出部11は、計算回路であってもよいし、PCなどであってもよい。
光強度比算出部11は、温度算出部15に電気的に接続される。光強度比算出部11は、算出された原子線スペクトルの強度比を示す情報を温度算出部15へ送信する。

0035

温度算出部15は、光強度比算出部11が送信する原子線スペクトルの強度比を示す情報に基づいて測定対象物2の測定箇所の温度を算出する。温度算出部15は、以下の式によって、温度を算出することができる(非特許文献1参照)。

0036

ここで、
k:ボルツマン定数8.62×10−5(eV K−1)
Em,En:各原子線スペクトルに対応する励起エネルギーベル(eV)
gm,gn:各原子線スペクトルに対応する統計重率
Am,An:各原子線スペクトルに対応する遷移確立(s−1)
である。各値は、いずれも予め決定される定数である。しがたって、温度算出部15は、原子線スペクトルの強度比(In/Im)を式(1)に代入することで、測定対象物2の測定箇所の温度を算出することができる。

0037

温度算出部15は、PCなどであってもよい。また、温度算出部15は、算出された温度を表示する表示部などを備えてもよい。温度算出部15は、算出された温度を示す情報を他の装置へ送信する送信部などを備えてもよい。

0038

なお、光強度比算出部11及び温度算出部15は、1つのPCであってもよい。また、較正部9、光強度比算出部11及び温度算出部15は、1つのPCであってもよい。各部の構成は、特定の構成に限定されるものではない。

0039

次に、温度測定装置20の動作例について説明する。
まず、個体容器1内において測定対象物2が発生する。たとえば、温度測定装置20の利用者は、個体容器1内において測定対象物2であるプラズマ、爆発、又は化学反応などを発生させる。

0040

測定対象物2が発生すると、入光部3は、入光部3から焦点距離13離れた測定箇所の測定対象物2が放射する放射スペクトルを採光する。測定箇所の測定対象物2が放射する放射スペクトルを採光すると、入光部3は、採光された放射スペクトルを伝送路5を通じて光量調整部6へ供給する。

0041

光量調整部6は、伝送路5を通じて入光部3が供給する放射スペクトルを供給される。放射スペクトルを供給されると、光量調整部6は、供給された放射スペクトルの光量を調節する。放射スペクトルの光量を調節すると、光量調整部6は、光量を調節された放射スペクトルを伝送路5を通じて波長選択部7へ供給する。

0042

波長選択部7は、伝送路5を通じて光量調整部6が供給する放射スペクトルを供給される。放射スペクトルを供給されると、波長選択部7は、供給された放射スペクトルの中から波長λa、λb及びλcを持つ光成分を抽出する。波長λa、λb及びλcを持つ光成分を抽出すると、波長選択部7は、伝送路5を通じて、波長λa、λb及びλcを持つ光をそれぞれディテクタ8a、8b及び8cへ供給する。

0043

ディテクタ8a、8b及び8cは、伝送路5を通じて、それぞれ波長λa、λb及びλcを持つ光を供給される。ディテクタ8a、8b及び8cは、それぞれ供給された光を電圧に変換する。供給された光を電圧に変換すると、ディテクタ8a、8b及び8cは、発生した電圧をそれぞれ較正部9a、9b及び9cへ供給する。

0044

較正部9a、9b及び9cは、ディテクタ8a、8b及び8cが光から変換した電圧をそれぞれ供給される。電圧を供給されると、較正部9a、9b及び9cは、供給された電圧に基づいてそれぞれディテクタ8a、8b及び8cに供給された光の強度を算出する。光の強度を算出すると、較正部9a、9b及び9cは、それぞれ波長λa、λb及びλcを持つ光の強度を示す情報を光強度比算出部11へ送信する。

0045

光強度比算出部11は、波長λa、λb及びλcを持つ光の強度を示す情報を受信する。各情報を受信すると、光強度比算出部11は、各情報に基づいて測定対象物2の測定箇所が放射する原子線スペクトルの強度比を算出する。原子線スペクトルの強度比を算出すると、光強度比算出部11は、算出された原子線スペクトルの強度比を示す情報を温度算出部15へ送信する。

0046

温度算出部15は、光強度算出部11が算出した原子線スペクトルの強度比を示す情報を受信する。原子線スペクトルの強度比を示す情報を受信すると、温度算出部15は、式(1)に従って測定箇所の温度を算出する。測定箇所の温度を算出すると、温度算出部15は、測定箇所の温度を示す情報を外部へ提供する。たとえば、温度算出部15が表示部を備える場合、温度算出部15は、表示部へ測定箇所の温度を表示する。また、温度算出部15が送信部を備える場合、温度算出部15は、送信部を通じて他の装置へ測定箇所の温度を示す情報を送信する。

0047

温度算出部15が測定箇所の温度を示す情報を外部へ提供すると、温度測定装置20は、温度測定動作を終了する。

0048

なお、温度測定装置20は、原子線スペクトルのない波長領域から2つの波長λc及び波長λdを持つ光の強度を測定してもよい。たとえば、波長λcが波長λaに近接し、波長λdは波長λbに近接する。この場合、波長λcを持つ光は、波長λaを持つ光の近傍の連続光成分である。したがって、λcを持つ光の強度は、波長λaを持つ光の連続光成分の強度に近い。温度測定装置20は、波長λaを持つ光の強度から波長λcを持つ光の強度を減算することで、より正確に測定対象物2の測定箇所が発する波長λaを持つ原子線スペクトルの強度を算出することができる。同様に、温度測定装置20は、波長λbを持つ光の強度から波長λdの強度を減算することで、より正確に測定対象物2の測定箇所が発する波長λbを持つ原子線スペクトルの強度を算出することができる。

0049

また、温度測定装置20は、波長λaの周辺の連続光成分の強度を複数点について測定し、波長λaを持つ連続光成分の強度を推測してもよい。同様に、温度測定装置20は、波長λbの周辺の連続光成分の強度を複数点について測定し、波長λbを持つ連続光成分の強度を推測してもよい。温度測定装置20が強度を測定する連続光成分のポイントの数は、特定の数に限定されるものではない。

0050

以上のように構成される温度測定装置は、原子線スペクトルの波長を持つ連続光成分を除去し、測定対象物の測定箇所が発する原子線スペクトルの強度を正確に測定することができる。これによって、温度測定装置は、測定対象物の測定箇所が発する原子線スペクトルの強度比を正確に算出することができ、その結果、測定対象物の測定箇所の温度を正確に算出することができる。

0051

(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る温度測定装置は、測定対象物2が発する3つ以上の原子線スペクトルの強度と原子線スペクトルの波長以外の波長を持つ光成分の強度とに基づいて測定対象物2の温度を測定する点で、第1実施形態に係る温度測定装置20と異なる。したがって、その他の点については詳細な説明を省略する。

0052

温度測定装置は、2つ以上の原子線スペクトル対の強度比に基づいて測定対象物2の温度を算出する。第2実施形態において、温度測定装置は、銅の2つの原子線スペクトル(スペクトル対)から強度比を算出し、フッ素の2つの原子線スペクトルから強度比を算出する。温度測定装置は、銅の原子線スペクトル対の強度比、及び、フッ素の原子線スペクトル対の強度比から測定対象物2の温度を算出する。以下、詳細に説明する。

0053

図3は、第2実施形態に係る温度測定装置30の構成例を概略的に示す図である。
図3に示されるように、温度測定装置30は、さらにディテクタ8d及び8eと較正部9d及び9eを備える。ディテクタ8d及び8eは、伝送路5を通じて波長選択部7と光学的に接続される。較正部9d及び9eは、ディテクタ8d及び8eとそれぞれ電気的に接続される。また、較正部9d及び9eは、光強度比算出部11に電気的に接続される。

0054

波長選択部7は、3つ以上の原子線スペクトルの波長を持つ光と、原子線スペクトルのない波長領域中の1つの波長を持つ光とを抽出する。第2実施形態において、波長選択部7は、銅(Cu)の2つの原子線スペクトルの波長λa及び波長λb、フッ素(F)の2つの原子線スペクトルの波長λc及び波長λd、及び原子線スペクトルのない波長領域中の1つの波長λeを持つ光を抽出する。

0055

波長選択部7は、抽出された波長λa〜波長λeを持つ光を、それぞれディテクタ8a〜8eへ供給する。ディテクタ8a〜8eは、供給された光を電圧へ変換する。供給された光を電圧へ変換すると、ディテクタ8a〜8eは、供給された光を変換した電圧をそれぞれ較正部9a〜9eへ供給する。較正部9a〜9eは、供給された電圧から、波長選択部7がディテクタ8へ供給した光の強度を算出する。

0056

較正部9aは、λaの波長を持つ光の強度(IA)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9bは、λbの波長を持つ光の強度(IB)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9cは、λcの波長を持つ光の強度(IC)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9dは、λdの波長を持つ光の強度(ID)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。較正部9eは、λeの波長を持つ光の強度(IE)を示す情報を光強度比算出部11へ供給する。

0057

光強度比算出部11は、波長λa〜λeを持つ光の強度(IA〜IE)を示す情報を受信する。各情報を供給されると、光強度比算出部11は、銅の原子線スペクトル対の強度比、及び、フッ素の原子線スペクトル対の強度比を算出する。以下、算出手順について説明する。

0058

光強度比算出部11は、測定対象物2の測定箇所が発する原子線スペクトルの強度を算出する。第1実施形態と同様に、光強度比算出部11は、IAからIEを減算することで、測定対象物2が発する波長λaの原子線スペクトル強度(Icn)を得ることができる。同様に、光強度比算出部11は、IBからIEを減算することで、測定対象物2が発する波長λbの原子線スペクトル強度(Icm)を得ることができる。よって、光強度比算出部11は、以下の式によって、銅の原子線スペクトル対の強度比(Icn/Icm)を算出することができる。
Icn/Icm=(IA−IE)/(IB−IE)
同様に、光強度比算出部11は、以下の式によって、フッ素の原子線スペクトル対の強度比(Ifn/Ifm)を算出することができる。
Ifn/Ifm=(IC−IE)/(ID−IE)
銅の原子線スペクトル対の強度比及びフッ素の原子線スペクトル対の強度比を算出すると、光強度比算出部11は、銅の原子線スペクトル対の強度比を示す情報、及び、フッ素の原子線スペクトル対の強度比を示す情報を温度算出部15へ送信する。

0059

温度算出部15は、各情報を受信する。各情報を受信すると、温度算出部15は、銅の原子線スペクトル対の強度比及びフッ素の原子線スペクトル対の強度比に基づいて測定対象物2の測定箇所の温度を算出する。以下、温度算出部15が温度を算出する手順について説明する。

0060

まず、温度算出部15は、温度の算出に使用する原子線スペクトル対の強度比を決定する。即ち、温度算出部15は、温度の算出に最も適した原子線スペクトル対の強度比を決定する。

0061

図4は、理論値に基づく銅の原子線スペクトルの強度比と温度との関係及びフッ素の原子線スペクトルの強度比と温度との関係を示す図である。
図4に示されるように、銅の原子線スペクトルの強度比と温度との関係を示す曲線の特性と、フッ素の原子線スペクトルの強度比と温度との関係を示す曲線の特性とは、大きく異なる。

0062

温度測定装置30が測定しようとする温度領域において、算出される温度の変化が原子線スペクトル対の強度比の変化に対して、過度に大きい、又は過度に小さい場合には、温度測定装置30は、精度のよく温度を算出できない。たとえば、算出される温度の変化が原子線スペクトル対の強度比の変化に対して過度に大きい場合、原子線スペクトル対の強度比にわずかなノイズが発生しても、温度測定装置30は、正確に温度を算出することができない。また、算出される温度の変化が原子線スペクトル対の強度比の変化に対して過度に小さい場合、温度測定装置30は、原子線スペクトル対の強度比を高い値(たとえば、10以上)まで正確に測定しなければならず、正確な温度を算出することは困難である。

0063

したがって、算出される温度の変化が原子線スペクトル対の強度比の変化に対して一定の範囲内となるような温度領域(適正温度測定範囲)が、その原子線スペクトル対の強度比を用いた場合に精度よく温度を測定できる温度領域である。適正温度測定領域は、測定に要求される制度又は測定条件などにより決定される。たとえば、適正温度測定範囲は、以下の式を満たす温度領域をいう。

0064

ここで、In>Imを満たす。

0065

図4に示すように、銅の原子線スペクトル対の強度比と温度との関係において、式(2)を満たす範囲は、概ね6000K〜10000Kである。また、フッ素の原子線スペクトル対の強度比と温度との関係において、式(2)を満たす範囲は、概ね2000K〜4000Kである。したがって、測定対象物2の測定箇所の温度が概ね2000K〜4000Kである場合には、温度測定装置30は、フッ素の原子線スペクトル対の強度比を用いて温度を算出する。また、測定対象物2の測定箇所の温度が概ね6000K〜10000Kである場合には、温度測定装置30は、銅の原子線スペクトル対の強度比を用いて温度を算出する。

0066

温度算出部15は、式(1)を用いて、銅の原子線スペクトル対の強度比及びフッ素の原子線スペクトル対の強度比に基づいて、測定対象物2の測定箇所の温度をそれぞれ算出する。測定対象物2の測定箇所の温度をそれぞれ算出すると、温度算出部15は、算出された温度が適正温度測定範囲内にある原子線スペクトル対の強度比を、温度算出に用いる原子線スペクトル対の強度比と決定する。即ち、温度算出部15は、原子線スペクトルの強度比から算出された温度が当該原子線スペクトルの適正温度測定範囲内である場合に、当該原子線スペクトルの強度比を、温度算出に用いる原子線スペクトル対の強度比と決定する。たとえば、温度算出部15が銅の原子線スペクトル対の強度比から測定箇所の温度を7000K(即ち、銅の原子線スペクトル対の適正温度測定範囲内)と算出した場合、温度算出部15は、銅の原子線スペクトル対の強度比を温度算出に用いる原子線スペクトル対の強度比であると決定する。

0067

温度算出に使用する原子線スペクトル対の強度比と決定すると、温度算出部15は、当該原子線スペクトル対の強度比から算出される温度を測定対象物2の測定箇所の温度と決定する。測定対象物2の測定箇所の温度を決定すると、温度算出部15は、測定箇所の温度を示す情報を外部へ提供する。測定箇所の温度を示す情報を外部へ提供すると、温度測定装置30は、温度測定動作を終了する。

0068

なお、第1実施形態と同様に、温度測定装置30は、原子線スペクトルのない波長領域内の複数のポイントにおいて光の強度を測定し、測定された強度から測定対象物2の測定箇所が放射する原子線スペクトルの強度を算出してもよい。

0069

以上のように構成される温度測定装置は、適正温度測定範囲の異なる複数個の原子線スペクトル対の強度比を測定対象物の温度に応じて切り替えることができる。これによって、温度測定装置は、温度の測定範囲に応じた原子線スペクトル対の強度比を選択でき、より精度よく測定対象物の温度を測定できる。また、温度測定装置は、測定可能な温度領域を拡大することができる。

0070

(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態に係る温度測定装置は、入光部3の先端にカバーが設置される点で第1実施形態に係る温度測定装置と異なる。したがって、その他の点については詳細な説明を省略する。

0071

図5は、第3実施形態に係る温度測定装置40の構成例を概略的に示す図である。
図5に示されるように、温度測定装置40は、入光部3の先端に設置されるカバー14を備える。

0072

カバー14は、入光部3が測定対象物2の測定箇所の放射スペクトルのみを採光するために設置される。カバー14は、焦点距離13より遠方の測定対象物2又は個体容器1などが発する光が入光部3へ照射されることを防止する。これにより、入光部3は、測定対象物2の測定箇所の放射スペクトルをより明瞭に採光することができる。

0073

カバー14は、筒状であって、カバー14の上下は、開口されている。カバー14が上下に開口されていることにより、測定対象物2は、カバー14内部へ滑らかに流入することができる。これによって、カバー14は、測定対象物2の流れを乱すことを極力防止することができる。

0074

カバー14は、側面に入光部3に設置されるための穴を備える。カバー14に設けられる穴は、カバー14の側面を貫通する。入光部3の先端は、カバー14に設けられた穴に固定される。これにより、入光部3は、カバー14内部の光を採光することができる。なお、入光部3の先端は、カバー14内部へ突出してもよいし、しなくともよい。

0075

カバー14の直径は、入光部3に設置されるレンズの焦点距離13よりもわずかに大きい。これにより、入光部3は、カバー14内部において焦点距離13離れた測定箇所の放射スペクトルを採光することができる。また、カバー14は、入光部3が焦点距離13より遠方の測定対象物2が発する光を採光することを防止する。

0076

カバー14の内部は、鏡面的に加工されている。鏡面加工された物質は温度変化に応じた光を出しにくい。したがって、カバー14は、温度変化に応じた光を出しにくい。そのため、入光部3は、カバー14が温度変化によって発する光を採光することなく、測定箇所の放射スペクトルを採光することができる。

0077

カバー14は、測定対象物2が発生させる衝撃又は熱などに耐える強度を持つ。たとえば、カバー14は、金属などで形成されるが、カバー14を構成する物質は、特定の物質に限定されるものではない。

0078

個体容器1内に測定対象物2が生じると、測定対象物2は、カバー14内部へ滑らかに流入する。入光部3は、カバー14内部において測定対象物2の測定箇所の放射スペクトルを採光する。以下の温度算出手順は、第1実施形態と同様である。

0079

なお、第3実施形態は、第2実施形態の特徴も備えてもよい。
また、カバー14は、筒状でなくともよい。カバー14の形状は、入光部3が採光する光を測定対象物2の測定箇所が発する放射スペクトルに限定する形状であればよく、特定の形状に限定されるものではない。

0080

以上のように構成される温度測定装置は、測定対象物の測定箇所の放射スペクトルをより明瞭に採光することができる。したがって、温度測定装置は、より正確に測定対象物の測定箇所の温度を算出することができる。また、温度測定装置は、測定対象物の流れを極力乱すことなく測定対象物の測定箇所の温度を算出することができる。

0081

1…個体容器、2…測定対象物、3…入光部(採光手段)、7…波長選択部(抽出手段)、8a〜8e…ディテクタ、9a〜9e…較正部、11…光強度比算出部、14…カバー(採光限定手段)、15…温度算出部、20、30及び40…温度測定装置。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • コニカミノルタ株式会社の「 ガス検知システム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】雨や雪から生じた水蒸気を監視対象のガスと区別することができるガス検知システムを提供する。ガス検知システム100は、赤外カメラ21と、赤外カメラ21によって撮影した画像がガスか否かを判... 詳細

  • オムロン株式会社の「 温度異常検出装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】小型でかつ広範囲の温度異常を検出可能な温度異常検出装置を提供すること。【解決手段】温度異常検出装置が、機器の相互に異なる検出領域の温度をそれぞれ検出可能な複数の赤外線温度センサと、複数の赤外線... 詳細

  • 株式会社ミクニの「 赤外線検出ユニット及び加熱調理装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】赤外線検出ユニットにおいて、組付け作業の簡素化、部品の集約化、小型化、赤外線による検出が正常に行える状態か否かの判定ができるようにする。【解決手段】開口部1aに方向付けされる透光窓30を有する... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ