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技術 難燃性共重合ポリエステル組成物、難燃性ポリエステル成形品および難燃性ポリエステル繊維

出願人 帝人株式会社
発明者 戸賀崎潤一
出願日 2013年2月1日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-018521
公開日 2014年8月21日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-148620
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 ポリエステル、ポリカーボネート 合成繊維
主要キーワード ヒドロキシアルキルエステル基 ハロゲン原子含有化合物 産業製品 減圧口 試験成形 金属元素含有量 圧縮プレス 共重合ポリエステルポリマー
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課題

本発明の目的は、共重合性難燃性リン化合物の難燃性を向上させ、優れた難燃性を有し、燃焼時に有害なガスを発生するリン化合物の量を低減でき、乾燥時の取り扱いが容易で、溶融成形性の優れた難燃性共重合ポリエステル組成物ポリエステル成形品ポリエステル繊維を提供することである。

解決手段

共重合性リン化合物および金属化合物を含む共重合ポリエステル組成物によって達成される。

概要

背景

ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートおよびポリテトラメチレンテレフタレートは、その機械的、物理的および化学的性能が優れているため、繊維、フィルムまたはその他の成形物に広く利用されている。

ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに繊維、フィルム、その他の成形品として広く用いられているが、燃焼性が「可燃性」に分類され、空気中で燃焼する。このため従来からポリエステルの難燃性を高める方法が種々開発されている。例えばポリエチレンテレフタレートを主とするポリエステル繊維ついて説明すると、その難燃性を高める方法として、難燃性化合物の(1)後加工法、(2)ブレンド法、(3)共重合法の3つの方法を挙げることが出来る。

(1)の後加工法は糸や織編物を処理する方法であり、ハロゲン系難燃剤浴中法またはパディング法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法(例えば、特許文献1参照。)や、地球環境保全に対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない難燃加工技術としてリン系難燃剤を浴中法またはパディング法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。(2)のブレンド法は難燃剤をポリエステルの製造段階もしくは紡糸段階でポリマー練り込む方法であるが、難燃性化合物のポリエステルに対する親和性が低く、ポリエステルの溶融成形工程においてブリードアウトするなどの欠点を有する。(3)の共重合法としては、リンを含む共重合性モノマー(難燃剤)をポリエステルの製造段階で反応系に添加してポリエステルにランダムに共重合する方法が実用化されており、このようなモノマーとしてはカルボキシホスフィン酸系化合物(例えば、特許文献3参照。)やフォスファフェナンスレン系化合物(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。

(3)の共重合法によって高い難燃性能のポリエステルを製造するには、ハロゲン原子含有共重性化合物高濃度化することが必要となり、共重合量の増加によってポリエステル本来の強度・伸度タフネスヤング率といった機械物性の低下を引き起こす。また共重合量の増加に伴い、融点の低下、結晶性の低下、ガラス転移温度の低下が生じ、ポリエステルを溶融成形する前の乾燥工程に置いて、ポリエステルチップ同士が融着するなど、工程不調を引き起こしていた。

近年は難燃性に優れたポリエステル、ポリエステル組成物を提供する動向だけでなく、ハロゲン原子含有化合物の使用を控える動向が表れている。また今後、広く使用されていたるン化合物についても使用を控える傾向が表れるのではないかとの見解がある。今後、リン化合物の含有を低減することが難燃性ポリエステルニーズとして求められている。

他方、リン化合物以外の難燃剤として、各種金属水酸化物が知られている。例えば、水酸化アルミニウム水酸化マグネシウムに代表される化合物群が存在する。ポリオレフィンなど高分子の難燃剤としてこれらの化合物が実用化されているのは公知の事実である。しかし、これら金属水酸化物は、一般に塩基性であり、ポリエステルを加水分解し、劣化させる化合物である。特に、ポリエステルを溶融成形する温度域において、金属水酸化物が分解し、水分が発生する。発生した水分とポリエステルは加水分解反応を起こすため、ポリエステルの溶融成形に適さず、実用上は適用できない化合物であった。

さらに言えば、これら金属水酸化物は、難燃性を付与するために、十数wt%以上添加することが必要であり、難燃性ポリエステルを、多様な成形品に加工するには不向きである。特に極細成形される繊維化合物や、薄膜に成形されるフィルムのような工業製品にとっては、成形性を著しく低下させる。製糸においては断糸や工程不調を発生させ、フィルム成形においては断膜・工程不調・表面荒れの原因となる重大な欠点があった。

概要

本発明の目的は、共重合性の難燃性リン化合物の難燃性を向上させ、優れた難燃性を有し、燃焼時に有害なガスを発生するリン化合物の量を低減でき、乾燥時の取り扱いが容易で、溶融成形性の優れた難燃性共重合ポリエステル組成物ポリエステル成形品、ポリエステル繊維を提供することである。共重合性リン化合物および金属化合物を含む共重合ポリエステル組成物によって達成される。なし

目的

近年は難燃性に優れたポリエステル、ポリエステル組成物を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

主たる繰り返し単位が、エチレンテレフタレートエチレン−2,6−ナフタレートトリメチレンテレフタレートトリメチレン−2,6−ナフタレート、テトラメチレンテレフタレートまたはテトラメチレン−2,6−ナフタレートから選ばれる繰り返し単位であるポリエステルであり、下記一般式(I)で表される共重合性リン化合物A、および下記一般式(II)で表される共重合性リン化合物Bよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の共重合性リン化合物が、前記ポリエステルの構成成分として共重合され、更に下記一般式(III)で表される金属化合物から選ばれる少なくとも1種類の金属化合物Cが含有されている共重合ポリエステル組成物。[上記式中、nは1から2の自然数を示す。R1は炭素数2〜6の炭化水素基を示す。R2は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を示す。複数存在するR2は互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。Y1はエステル形成官能基を示す。][上記式中、R3は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。lは0または1の数字を示す。mは1または2の数字を示す。R4は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。Y2はエステル形成官能基を示す。m=2の場合におけるR4およびY2は互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。]M+Z1q(X−Z2)r・・・(III)[上記式中、Mは、リチウムナトリウムカリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウムチタンマンガンコバルト亜鉛アンチモンゲルマニウムアルミニウムジルコニウム、スズを示す。Z1は金属陽イオンの価数を示す。Xは、酢酸イオン炭酸イオン炭酸水素イオン酸素イオン水素化物イオン(H−)、アルコラートイオンハロゲン化物イオンアセチルアセトネートイオン、エチルアセチルアセテートイオンホスフェートイオンを示す。Z2は陰イオンの価数を示す。qとrは、Z1×q=Z2×rの数式を満たすような、数字の組み合わせを示す。]0.2wt%≦P≦1.2wt%・・・(1)[上記数式中、Pは共重合ポリエステル組成物中に含まれるリン原子濃度を示す。]0.1wt%≦K≦2.0wt%・・・(2)[上記数式中、Kはポリエステル組成物中に含まれる上記式(III)で表された金属化合物Cに係るリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびスズの金属元素の共重合ポリエステル組成物中の合計濃度を示す。]

請求項2

前記共重合性リン化合物Aが、下記一般式(IV)、(V)および(VI)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のリン化合物であることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル組成物。[上記式(VI)中、nはリン化合物の繰り返し単位の重合度nを示す。]

請求項3

前記共重合性リン化合物Bが、下記一般式(VII)で示されるリン化合物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル組成物。

請求項4

前記金属化合物Cが、酢酸マンガンおよび酢酸亜鉛よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル組成物。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル組成物を溶融成形して、得られるポリエステル成形品

請求項6

請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル組成物を溶融紡糸して、得られるポリエステル繊維

技術分野

0001

本発明は難燃性共重合ポリエステル組成物等に関する。さらに詳しくは、共重合性リン化合物および金属化合物を含有し、高い難燃性を有し、乾燥時における取扱い性の容易な難燃性共重合ポリエステル組成物に関する。さらには、各種産業製品利用可能な難燃性ポリエステル成形品難燃性ポリエステル繊維に関する。

背景技術

0002

ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートおよびポリテトラメチレンテレフタレートは、その機械的、物理的および化学的性能が優れているため、繊維、フィルムまたはその他の成形物に広く利用されている。

0003

ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに繊維、フィルム、その他の成形品として広く用いられているが、燃焼性が「可燃性」に分類され、空気中で燃焼する。このため従来からポリエステルの難燃性を高める方法が種々開発されている。例えばポリエチレンテレフタレートを主とするポリエステル繊維ついて説明すると、その難燃性を高める方法として、難燃性化合物の(1)後加工法、(2)ブレンド法、(3)共重合法の3つの方法を挙げることが出来る。

0004

(1)の後加工法は糸や織編物を処理する方法であり、ハロゲン系難燃剤浴中法またはパディング法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法(例えば、特許文献1参照。)や、地球環境保全に対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない難燃加工技術としてリン系難燃剤を浴中法またはパディング法により繊維に吸尽もしくは付着させる方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。(2)のブレンド法は難燃剤をポリエステルの製造段階もしくは紡糸段階でポリマー練り込む方法であるが、難燃性化合物のポリエステルに対する親和性が低く、ポリエステルの溶融成形工程においてブリードアウトするなどの欠点を有する。(3)の共重合法としては、リンを含む共重合性のモノマー(難燃剤)をポリエステルの製造段階で反応系に添加してポリエステルにランダムに共重合する方法が実用化されており、このようなモノマーとしてはカルボキシホスフィン酸系化合物(例えば、特許文献3参照。)やフォスファフェナンスレン系化合物(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。

0005

(3)の共重合法によって高い難燃性能のポリエステルを製造するには、ハロゲン原子含有共重性化合物高濃度化することが必要となり、共重合量の増加によってポリエステル本来の強度・伸度タフネスヤング率といった機械物性の低下を引き起こす。また共重合量の増加に伴い、融点の低下、結晶性の低下、ガラス転移温度の低下が生じ、ポリエステルを溶融成形する前の乾燥工程に置いて、ポリエステルチップ同士が融着するなど、工程不調を引き起こしていた。

0006

近年は難燃性に優れたポリエステル、ポリエステル組成物を提供する動向だけでなく、ハロゲン原子含有化合物の使用を控える動向が表れている。また今後、広く使用されていたるン化合物についても使用を控える傾向が表れるのではないかとの見解がある。今後、リン化合物の含有を低減することが難燃性ポリエステルのニーズとして求められている。

0007

他方、リン化合物以外の難燃剤として、各種金属水酸化物が知られている。例えば、水酸化アルミニウム水酸化マグネシウムに代表される化合物群が存在する。ポリオレフィンなど高分子の難燃剤としてこれらの化合物が実用化されているのは公知の事実である。しかし、これら金属水酸化物は、一般に塩基性であり、ポリエステルを加水分解し、劣化させる化合物である。特に、ポリエステルを溶融成形する温度域において、金属水酸化物が分解し、水分が発生する。発生した水分とポリエステルは加水分解反応を起こすため、ポリエステルの溶融成形に適さず、実用上は適用できない化合物であった。

0008

さらに言えば、これら金属水酸化物は、難燃性を付与するために、十数wt%以上添加することが必要であり、難燃性ポリエステルを、多様な成形品に加工するには不向きである。特に極細成形される繊維化合物や、薄膜に成形されるフィルムのような工業製品にとっては、成形性を著しく低下させる。製糸においては断糸や工程不調を発生させ、フィルム成形においては断膜・工程不調・表面荒れの原因となる重大な欠点があった。

先行技術

0009

特開昭62−057985号公報
特開2001−011775号公報
特公昭53−013479号公報
特公昭55−041610号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上記背景に鑑みなされたもので、その目的は、高い難燃性を有し、乾燥工程で成形品同士の融着が起こりにくく取り扱いが良好で、リン化合物の共重合・配合のみによる難燃性付与ポリエステルと対比して燃焼時に有害なガスを発生させるリン化合物の量を低減可能な難燃性共重合ポリエステル組成物および難燃性ポリエステル成形品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者は、上記目的を達成すべく、各種化合物を鋭意検討した結果、共重合性リン化合物および金属化合物の組み合わせを見出すに至った。該共重合性リン化合物および特定量の金属化合物を含有させてなる共重合ポリエステル組成物によって、驚くべきことに、高い難燃性を有しつつ、乾燥工程における取扱性を改善できることを見出した。これにより、良好な機械的物性耐熱性を有する難燃性共重合ポリエステル組成物が得られ、本発明の目的が達成できること見出した。 すなわち本発明は、主たる繰り返し単位が、エチレンテレフタレートエチレン−2,6−ナフタレートトリメチレンテレフタレートトリメチレン−2,6−ナフタレート、テトラメチレンテレフタレートまたはテトラメチレン−2,6−ナフタレートから選ばれる繰り返し単位であるポリエステルであり、下記一般式(I)で表される共重合性リン化合物A、および下記一般式(II)で表される共重合性リン化合物Bよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の共重合性リン化合物が、前記ポリエステルの構成成分として共重合され、更に下記一般式(III)で表される金属化合物から選ばれる少なくとも1種類の金属化合物Cが含有されている共重合ポリエステル組成物であり、この発明により上記課題を解決することができる。

0012

0013

[上記式中、nは1から2の自然数を示す。R1は炭素数2〜6の炭化水素基を示す。R2は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を示す。複数存在するR2は互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。Y1はエステル形成官能基を示す。]

0014

0015

[上記式中、R3は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。lは0または1の数字を示す。mは1または2の数字を示す。R4は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。Y2はエステル形成官能基を示す。m=2の場合におけるR4およびY2は互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。]

0016

M+Z1q(X−Z2)r ・・・(III)
[上記式中、Mは、リチウムナトリウムカリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウムチタンマンガンコバルト亜鉛アンチモンゲルマニウムアルミニウムジルコニウム、スズを示す。Z1は金属陽イオンの価数を示す。Xは、酢酸イオン炭酸イオン炭酸水素イオン酸素イオン水素化物イオン(H−)、アルコラートイオンハロゲン化物イオンアセチルアセトネートイオン、エチルアセチルアセテートイオンホスフェートイオンを示す。Z2は陰イオンの価数を示す。qとrは、Z1×q=Z2×rの数式を満たすような、数字の組み合わせを示す。]
0.2wt%≦P≦1.2wt% ・・・(1)
[上記数式中、Pは共重合ポリエステル組成物中に含まれるリン原子濃度を示す。]
0.1wt%≦K≦2.0wt% ・・・(2)
[上記数式中、Kは共重合ポリエステル組成物中に含まれる上記式(III)で表された金属化合物Cに係るリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびスズの金属元素の共重合ポリエステル組成物中の合計濃度を示す。]

発明の効果

0017

本発明によれば、優れた難燃性を有する難燃性共重合ポリエステル組成物を得ることができる。また、繊維、フィルム、その他の成形品などの成形加工する際に、乾燥工程で成形品同士の融着が起こりにくく取り扱いが良好且つ容易に取り扱うことができる。更に、リン化合物の共重合・配合のみにより難燃性を付与した(共重合)ポリエステル(組成物)と対比して燃焼時に有害なガスを発生させるリン化合物の含有量を低減させた難燃性共重合ポリエステル組成物および難燃性ポリエステル成形品を提供することが可能になる。最後に、本発明の共重合ポリエステル組成物を溶融紡糸して製造したポリエステル繊維は、高い難燃性を有するため、カーテンインテリア椅子張りなどのホームリビングテキスタイル用途、衣料用途産業用途などで好適に用いることができる。特に、産業用途・クッション材の内部素材などに活用することが可能である。

0018

以下本発明を詳しく説明する。
本発明のポリエステルポリマーとしては、汎用的なポリエステルポリマーが用いられる。中でもポリエステルの主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、トリメチレンテレフタレート、トリメチレン−2,6−ナフタレート、テトラメチレンテレフタレートおよびテトラメチレン−2,6−ナフタレートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位であるポリエステルであることが必要である。とりわけ物性に優れ、大量生産に適し、妥当コストで市場に提供することができる点を考慮すると、ポリエステルポリマーを構成する主たる酸成分がテレフタル酸ジオール成分がエチレングリコールであることを特徴とするポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。

0019

ポリエステルの主たる繰返し単位としては、ポリエステルを構成する全ての繰り返し単位において、上記の列挙した6種の繰り返し単位が80モル%以上含有されていることが好ましい。特に90モル%以上がこれらの繰り返し単位を含むポリエステルであることが好ましい。またポリエステルポリマー中に20モル%以下、好ましくは10モル%以下の量であれば、上記の繰り返し単位を構成するジカルボン酸成分、ジオール以外の適当な第3成分を含む共重合体であっても差し支えない。

0020

その適当な第3成分としては、(a)2個のエステル形成官能基を有する化合物、例えば、シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカンジカルボン酸マレイン酸フマル酸ダイマー酸である脂肪族ジカルボン酸シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、テトラメチルシクロブタンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸デカンジカルボン酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸である脂環族ジカルボン酸フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸である芳香族ジカルボン酸ジフェニルエーテルジカルボン酸ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、3、5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属土類金属塩、3、5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸の4級アンモニウム塩、3、5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸の4級ホスホニウム塩である芳香族基を含むその他のジカルボン酸;グリコール酸p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸ヒドロキシナフタレンカルボン酸、2−ヒドロキシエトキシナフタレンカルボン酸であるヒドロキシカルボン酸;1,2−プロピレングリコールジエチレングリコールペンタメチレングリコールヘキサメチレングリコールネオペンチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールビスフェノールA、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニルプロパン、2,2−ビス(4−ω−ヒドロキシエトキシエトキシフェニル)プロパン、p,p′—ジフェノキシスルホン−1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレングリコール、p−フェニレンビスジメチルシクロヘキサン)などのジヒドロキシ化合物、あるいはその機能的誘導体;前記カルボン酸類ヒドロキシカルボン酸類ヒドロキシ化合物類またはその機能的誘導体から誘導される高重合度化合物などや、(b)1個のエステル形成官能基を有する化合物、例えば、安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジルヒドロキシ安息香酸メトキシポリアルキレングリコールなどが挙げられる。さらに(c)3個以上のエステル形成官能基を有する化合物、例えば、グリセリンペンタエリスリトールトリメチロールプロパントリカルバリル酸トリメシン酸トリメリット酸なども、重縮合体が実質的に線状である範囲内で使用可能である。ここでダイマー酸とは、オレイン酸リノール酸などの炭素数が10〜25個の不飽和モノカルボン酸ディールスアルダー反応もしくは他の反応により2量化され、一分子内に炭素炭素二重結合を有する炭素原子から炭素鎖分岐している構造、飽和脂肪族環または不飽和脂肪族環を有するジカルボン酸であることが好ましい。ここで、機能的誘導体とはエステル形成性誘導体とも言い、ジカルボン酸の炭素数1〜6までのジアルキルエステル、ジカルボン酸のジフェニルエステルジカルボン酸ジハライド化合物、ジヒドロキシ化合物のジアセチルエステル化合物、ジヒドロキシ化合物のジプロピオン酸エステル化合物を表す。

0021

<共重合性リン化合物Aについて>
共重合ポリエステル組成物の発明に係る共重合ポリエステル組成物は、下記一般式(I)で表される共重合性リン化合物A、および下記一般式(II)で表される共重合性リン化合物Bよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の共重合性リン化合物を、ポリエステルの構成成分として共重合されていることが必要である。

0022

0023

[上記式中、nは1から2の自然数を示す。R1は炭素数2〜6の炭化水素基を示す。R2は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を示す。複数存在するR2は互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。Y1はエステル形成官能基を示す。]

0024

0025

[上記式中、R3は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。lは0または1の数字を示す。mは1または2の数字を示す。R4は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。Y2はエステル形成官能基を示す。m=2の場合におけるR4およびY2は互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。]

0026

Y1あるいはY2、のエステル形成官能基とは、エステル基を形成可能な官能基を含む有機基であり、ヒドロキシ基カルボキシル基酸無水物基、カルボキシル基の炭素数1〜6までのアルキルエステル基、カルボキシル基の炭素数1〜6までのヒドロキシアルキルエステル基、カルボン酸のフェニルエステル基、カルボン酸ハライド基、ヒドロキシ基のアセチルエステル基、ヒドロキシ基のプロピオン酸エステル基を含む炭素数2以上の有機基を表す。なおエステル形成官能基は共重合されることから1分子あたり2個以上有している必要があるが、その2個以上のエステル形成官能基は同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。このようなエステル形成官能基を有する化合物して好ましくは、一般式(VIII)で示される酸ハロゲン化物の官能基、一般式(IX)で示される酸無水物の官能基、一般式(X)で示されるエステルの官能基、一般式(XI)で示されるカルボキシル基、−OHで示される水酸基を挙げることができる。

0027

[上記式中、Xは、フッ素塩素臭素ヨウ素を示す。]

0028

[上記式中、R6は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。]

0029

[上記式中、R7は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。]

0030

0031

一般式(X)の具体例としては、メチルエステルの官能基、エチルエステルの官能基、n−プロピルエステルの官能基、イソプロピルエステルの官能基、エチレングリコールのモノエステルの官能基、一般式(XII)で示されるフェニルエステルの官能基を挙げることが出来きる。これら官能基は、ポリエステルを製造する上で、エステル交換反応において、反応性を有するため、好ましく使用される。中でも、反応系から沸点差を利用し、除去しやすいメチルエステルの官能基、エチレングリコールエステルの官能基を好ましく例示できる。

0032

0033

このような共重合性リン化合物Aとしては、好ましくは下記一般式(IV)、(V)および(VI)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のリン化合物であることが好ましく例示することが出来る。

0034

[上記式(VI)中、nはリン化合物の繰り返し単位の重合度nを示す。]

0035

すなわち、上記式(IV)、(V)はそれぞれ、10−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド)−2−メチルブタンジカルボン酸、10−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド)−2−メチル−ブタンジカルボン酸ビス(2−ヒドロキシエチル)エステルを表している。上記式(VI)は上記(IV)化合物とエチレングリコールのn量体を表している。よって上記式(VI)中では明示されていないが、上記式(VI)で表される化合物のエステル形成官能基は、好ましくはヒドロキシ基とカルボキシル基である。これらの共重合性リン化合物Aを用いる場合としては、1種類であっても、複数を組み合わせることもできる。

0036

<共重合性リン化合物Bについて>
上記式(II)で表される共重合性リン化合物Bを構成する各官能基として、上記式(II)中において、R3は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。具体的には、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、フェニル基を挙げることができる。R4は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。具体的には、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−n−プロピレン基、1,2−イソプロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基を挙げることができる。lは0または1の数字を示す。mは1または2の数字を示す。Y2はエステル形成官能基を示し、具体的には、上記式(I)におけるY1基と同じ種類の官能基を列挙することができる。好ましくは、カルボキシル基、ヒドロキシル基カルボキシメチル基カルボキシエチル基カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシヘキシル基、カルボキシフェニル基である。また、m=2の場合におけるR4およびY2はそれぞれ互いに同一の官能基であっても異なる官能基であっても良い。

0037

上記一般式(II)で表される共重合性リン化合物Bとしては具体的には下記式(VII)で表される共重合性リン化合物、すなわち2−カルボキシエチル−2−ヒドロキシエトキシ(メチル)ホスフィン酸(2−カルボキシエチル−2−ヒドロキシエチル(メチル)ホスフィン酸)を例示することが出来る。これらの共重合性リン化合物Bを用いる場合としては、(VII)で表される化合物その他の共重合性リン化合物Bで表される共重合リン化合物の1種類であっても、その他の複数の共重合性リン化合物Bを組み合わせることもできる。

0038

0039

<共重合性リン化合物の量>
共重合性リン化合物Aおよび/又は共重合性リン化合物Bの共重合の量としては、下記数式(1)を満たすリン濃度となるような範囲である。
0.2wt%≦P≦1.2wt% ・・・(1)
[上記数式中、Pは、共重合ポリエステル組成物中に含まれるリン原子濃度を示す。]

0040

リン原子濃度が0.2wt%未満の場合、得られるポリエステルの難燃性が低い場合があり好ましくない。リン原子濃度が1.2wt%を超える場合、得られる難燃性共重合ポリエステル組成物の機械的物性が劣る、乾燥工程において融着を発生させる等の問題が発生する可能性が有るため、好ましくない。リン濃度の範囲としては0.25wt%以上1.1wt%以下が好ましく、さらに好ましくは0.28wt%以上0.8wt%以下である。

0041

<共重合ポリエステル組成物の製造における共重合性リン化合物の添加時期
ここで共重合ポリエステル組成物の製造時における共重合性リン化合物A、又は共重合性リン化合物Bの添加時期としては特に限定はない。エステル交換反応の開始前から重縮合反応が終了する任意の段階で添加することができ、あるいは直接エステル化反応の開始前から重縮合反応が終了する任意の段階で添加することができる。共重合性リン化合物が一般式(X)で示されるエステル基をエステル形成官能基として有する化合物の場合は、エステル交換反応の開始前に添加すると、前記共重合性リン化合物と共重合ポリエステルの他の原料との反応性を向上することができるため、好ましい。共重合性リン化合物が一般式(X)で示されるカルボン酸である場合、エステル交換反応の終了後、直接エステル化反応の開始前、直接エステル化反応の反応後に添加することで、当該反応性を向上できるため、好ましい。共重合ポリエステル組成物の製造方法全般については、後述する。

0042

<金属化合物Cについて>
共重合ポリエステル組成物の発明においては、下記一般式(III)で示される金属塩Cを含有することが必要である。
M+Z1q(X−Z2)r ・・・(III)
[上記式中、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、スズを示す。Z1は金属陽イオンの価数を示す。Xは、酢酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、酸素イオン、水素化物イオン(H−)、アルコラートイオン、ハロゲン化物イオン、アセチルアセトネートイオン、エチルアセチルアセテートイオン、ホスフェートイオンを示す。Z2は陰イオンの価数を示す。qとrは、Z1×q=Z2×rの数式を満たすような、数字の組み合わせを示す。]

0043

このような化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、スズ化合物酸化物酢酸塩カルボン酸塩水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、アルコラート、アセチルアセトネート、エチルアセチルアセテート炭酸塩硫酸塩、リン酸等を挙げることができる。ここで、背景技術の酸に明示した様に、共重合ポリエステル組成物の発明においては各種金属元素の水酸化物を選択せず、上記のような金属化合物群を選択することにより、本発明の課題を解決することができているのである。また当業者であれば、上記のように、Z1,Z2、q、rが示されていたならば、カチオン種アニオン種の価数のバランスを取るためには、Z1×q=Z2×rの数式を満たす必要があることは自明であろう。

0044

各種金属イオンを検討した結果、金属種としては、マンガン、亜鉛、コバルト、アンチモンがポリエステルとの親和性が高く、成形工程への悪影響が少ないという観点で好ましい。また、陰イオンについては、ポリエステルとの親和性の高く、成形工程への悪影響が少ないという観点から酢酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ホスフェートイオンが好ましい。特に酢酸イオンが好ましい。すなわち、これらの化合物の中で金属化合物が酢酸ストロンチウム酢酸バリウム酢酸チタン、酢酸マンガン酢酸亜鉛酢酸コバルト酢酸アンチモン、酢酸ゲルマニウム、酢酸アルミニウム酢酸ジルコニウムまたは酢酸スズを用いる場合が共重合ポリエステル組成物に難燃性が付与され十分な機械強度を発揮できる程度に共重合ポリエステル組成物の固有粘度を上昇させることができ、また共重合ポリエステル組成物とその成形品の製造工程のうちの乾燥工程において、融着が認められない場合があり、好ましい。

0045

<金属化合物Cの含有量について>
金属化合物Cの含有量としては、下記数式(2)の範囲である。
0.1wt%≦K≦2.0wt% ・・・(2)
[上記数式中、Kはポリエステル中に含まれる上記式(III)で表された金属化合物Cに係るリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびスズの金属元素の共重合ポリエステル組成物中の合計濃度を示す。]

0046

金属化合物Cの含有量が0.1wt%未満の場合、得られるポリエステルの難燃性が低くなり好ましくない。また低い難燃性を補うため、多量の共重合性リン化合物Aまたは共重合性リン化合物Bの添加、共重合が必要となり、共重合ポリエステル組成物の製造工程における乾燥工程での融着を引き起こすため好ましくない。含有量が2.0wt%を超える場合、多量の金属化合物がポリエステルを分解する触媒として機能するため、好ましくない。金属化合物Cの含有量としては、0.2wt%以上1.5wt%以下が好ましく、0.4wt%以上、1.1wt%以下がさらに好ましい。

0047

<共重合ポリエステル組成物の製造方法>
例えば、共重合ポリエステル組成物の発明で用いられる共重合ポリエステルポリマーとしては、前述のテレフタル酸あるいはナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはその機能的誘導体をエステル交換触媒又はエステル化触媒の存在下で、適当な反応条件の下に重縮合することができる。また、ポリエステルの重縮合完結前に、適当な1種または2種以上の上記の第3成分を添加すれば、共重合ポリエステルが製造される。その他、共重合ポリエステル組成物の発明に使用するポリエステルの製造方法は、上記の共重合性リン化合物A,共重合性リン化合物Bの添加時期を除き、通常知られている製造方法が用いられる。すなわち、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートの場合には、まずテレフタル酸の如きジカルボン酸成分とエチレングリコールの如きジヒドロキシ化合物成分とを直接エステル化反応させる方法により、ジカルボン酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を製造する。またはテレフタル酸ジメチルのごとき、ジカルボン酸成分とエチレングリコールの如きジオール成分とエステル交換触媒の存在下をエステル交換反応させる方法により、ジカルボン酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を製造する。次いでこの低重合体を重縮合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって、目的とするポリエステルが製造される。

0048

<エステル交換触媒について>
共重合ポリエステルを反応させる際のエステル交換触媒については、特に限定されるものではなく、従来公知のエステル交換触媒を用いることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アルミニウム化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えば各金属化合物の酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。またエステル交換触媒として、ポリエステル樹脂の発明に用いる金属化合物Cを触媒として用いることも可能である。

0049

<重縮合触媒について>
重縮合触媒については、特に限定されるものではないが、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、スズ化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えばアンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、スズの酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。また重合触媒として、ポリエステル樹脂の発明に用いる金属化合物Cを触媒として用いることも可能である。重合活性が高く、また入手容易である点からアンチモン化合物チタン化合物またはゲルマニウム化合物が好ましく用いられる。

0050

<ポリエステルの固有粘度>
ポリエステル樹脂の発明のポリエステルの固有粘度(溶媒オルトクロロフェノール測定温度:35℃)は特に限定はないが、0.3〜1.5dL/gの範囲にあることが好ましい。該固有粘度が0.3dL/g未満の場合、得られるポリエステル繊維の機械的特性が不十分となり、1.5dL/gを超える場合、溶融成形性が低下する為好ましくない、ポリエステルの固有粘度は0.6〜1.3dL/gの範囲が更に好ましい。また、金属化合物Cを高濃度に含有する難燃性マスターチップを製造しておき、別に準備した難燃剤を含有しない共重合ポリエステルに混練することで、難燃性共重合ポリエステル組成物を得ることも可能である。

0051

<その他>
共重合ポリエステル組成物の発明に係る共重合ポリエステル組成物は、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、リン化合物系安定剤、ラジカル捕捉剤酸化防止剤固相重合促進剤、整色剤蛍光増白剤抗菌剤紫外線吸収剤光安定剤熱安定剤遮光剤、難燃剤又は艶消剤等を含んでいてもよい。

0052

また共重合ポリエステル組成物の発明に係る共重合ポリエステル組成物は溶融成形して、フィルム、成型品、繊維などのポリエステル成形品を得ることができる。ポリエステル成形品の発明に係るポリエステル成形品を溶融成形により製造する時の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の方法が用いられる。ポリエステル繊維に係る発明のポリエステル繊維を溶融紡糸により製造する時の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の溶融紡糸方法が用いられる。例えば乾燥した共重合ポリエステル組成物を270℃〜300℃の範囲で溶融紡糸して製造することが好ましく、溶融紡糸の速度は400〜9000m/分で紡糸することができ、必要によって延伸工程などを経て繊維の強度を十分なものに高めることが可能である。また紡糸時に使用する口金の形状についても特に制限は無く、円形異形中実または中空などのいずれも採用することが出来る。更にポリエステル繊維の発明に係るポリエステル繊維は風合を高める為に、アルカリ減量処理も好ましく実施される。

0053

本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(ア)固有粘度:
共重合ポリエステル組成物チップを100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。
(イ)共重合ポリエステル組成物中のポリエステルの構成
共重合ポリエステル組成物中のポリエステルの各成分の共重合率は、共重合ポリエステル組成物のサンプルを適切な溶媒に溶解させ、日本電子製JEOLA−600を用いて600MHzの1H−NMRスペクトルを測定し算出した。
(ウ)共重合ポリエステル組成物中の金属元素含有量リン元素含有量
共重合ポリエステル組成物中の金属元素量・リン元素含有量は粒状の共重合ポリエステル組成物サンプルをスチール板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形体を作成した。この試験成形体を使って蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)を用いて求めた。
(エ)LOI値
共重合ポリエステル組成物を紡糸・延伸して得たポリエステル糸を用い、JIS L 1091 E−3号に従い、LOI値を測定した。LOI値が26以上の場合、一般に難燃性高分子材料として認められている。

0054

[実施例1]
・共重合ポリエステル組成物チップの製造
テレフタル酸ジメチル194.2質量部とエチレングリコール124.2質量部(DMT対比200mol%)との混合物に、金属化合物Cとして酢酸マンガン・4水和物0.966質量部(最終共重合ポリエステル組成物に対して0.5wt%)をSUS製容器仕込んだ。常圧下で140℃から245℃に昇温しながらエステル交換反応させ、エステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物リン酸トリメチル0.560(DMT対比400mmol%)、三酸化二アンチモン0.116質量部(DMT対比40mmol%)を加え、次いで化学式(V)で示される共重合リン化合物4.07質量部(最終共重合ポリエステル組成物量に対して、リン濃度が0.30質量%)を添加し、撹拌装置窒素導入口減圧口および蒸留装置を備えた反応容器に移した。反応容器内温を285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空で重縮合反応を行い、固有粘度0.64dL/gである共重合ポリエステル組成物を得た。さらに常法に従いチップ化した。
・ポリエステル筒網サンプルの製造
ポリエステルチップサンプルを窒素気流下160℃で6時間乾燥後、紡糸温度290℃、口金孔径0.27mm、ホール数24の条件で溶融紡糸・延伸し、84dtex(24fil)のポリエステル繊維を得た。得られたポリエステル繊維を常法により、筒編み機で筒網試験片を作成後し、試験片の燃焼試験を実施した。LOI値は27.3であった。結果を表1に示した。

0055

[実施例2〜3,比較例1〜2、4〜5]
実施例1において、共重合リン化合物の種類・量、金属化合物Cの量を表1記載に変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。比較例1、2と実施例1、2を比較すると、難燃性を示すLOIは同等の値であるが、多量のリンを必要とすることが分かる。

0056

[比較例3]
実施例1において、共重合リン化合物の種類・量、金属化合物Cの量を表1記載に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、リン濃度=3.0wt%のチップを得た。ついで、難燃性評価のため、ポリエステルチップサンプルを窒素気流下160℃で6時間乾燥したが、ポリエステルチップ同士が融着し、製糸不能であった。結果を表1に示した。

実施例

0057

0058

本発明によれば、高い難燃性を有する共重合ポリエステル組成物を得ることが可能となる。その結果、その後の種々の成形により、フィルム、ハウジング・容器などの工業製品、カーテン、インテリア、椅子張りなどのホーム・リビングテキスタイル用途の製品、衣料用途・産業用途の製品などで好適に用いることができる。特に、産業用途・クッション材の内部素材などに活用することが可能である。

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