図面 (/)

技術 超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 新垣匠
出願日 2013年2月4日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2013-019183
公開日 2014年8月21日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-147620
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 据置タイプ 二次高調波成分 カード型メモリー 広帯域送受信 振幅パルス 非変調信号 基本波帯域 振幅ゼロ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年8月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

対象物が動く場合であっても、時間分解能を低下させずに、アーティファクト偽像ノイズ)の少ない画像を生成することができる超音波測定装置超音波画像装置及び超音波測定方法等の提供。

解決手段

超音波測定装置100は、対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行う送信処理部110と、送信した超音波に対する超音波エコー受信処理を行う受信処理部120と、受信処理部120からの受信信号に対して処理を行う処理部130と、を含む。そして、処理部130は、受信信号から第1の分離信号と、第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する。

概要

背景

検体である人体の内部を検査するために用いる装置として、対象物に向けて超音波出射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信する超音波測定装置が注目されている。さらに、超音波測定装置は、内臓脂肪の測定や血流量の測定など、被検体の表層画像診断にも応用されている。

このような超音波測定装置を用いて画像診断を行う場合には、超音波エコー画像処理高分解能化を図る必要があり、例えばハーモニックイメージング(ハーモニックイメージング法)などが利用されている。

ここで、ハーモニックイメージングにおいては、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する必要があるが、そのためのハーモニック成分抽出方法としては、フィルター法や、特許文献1等に記載される位相反転法がある。

概要

対象物が動く場合であっても、時間分解能を低下させずに、アーティファクト偽像ノイズ)の少ない画像を生成することができる超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法等の提供。 超音波測定装置100は、対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行う送信処理部110と、送信した超音波に対する超音波エコーの受信処理を行う受信処理部120と、受信処理部120からの受信信号に対して処理を行う処理部130と、を含む。そして、処理部130は、受信信号から第1の分離信号と、第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する。

目的

本発明の幾つかの態様によれば、対象物が動く場合であっても、時間分解能を低下させずに、アーティファクト(偽像ノイズ)の少ない画像を生成することができる超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行う送信処理部と、送信した前記超音波に対する超音波エコー受信処理を行う受信処理部と、前記受信処理部からの受信信号に対して処理を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記受信信号から第1の分離信号と、前記第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、前記超音波エコーのハーモニック成分を抽出することを特徴とする超音波測定装置

請求項2

請求項1において、前記処理部は、前記受信信号の振幅ゼロ点を検出し、検出結果に基づいて前記第1の分離信号と前記第2の分離信号とを生成することを特徴とする超音波測定装置。

請求項3

請求項1において、前記送信処理部は、前記対象物に対して1.5波の超音波を送信し、前記処理部は、前記受信信号において振幅がゼロになる第1のゼロ点、第2のゼロ点、第3のゼロ点及び第4のゼロ点を検出し、前記第1のゼロ点、前記第2のゼロ点及び前記第3のゼロ点の検出結果に基づいて前記第1の分離信号を生成し、前記第2のゼロ点、前記第3のゼロ点及び前記第4のゼロ点の検出結果に基づいて前記第2の分離信号を生成し、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との前記加算処理又は前記減算処理を行って、前記超音波エコーの前記ハーモニック成分を抽出することを特徴とする超音波測定装置。

請求項4

請求項1において、前記送信処理部は、前記対象物に対して1波の超音波を送信し、前記処理部は、前記受信信号において振幅がゼロになる第1のゼロ点、第2のゼロ点及び第3のゼロ点を検出し、前記第1のゼロ点と前記第2のゼロ点の検出結果に基づいて、第1の信号を生成し、前記第2のゼロ点と前記第3のゼロ点の検出結果に基づいて、第2の信号を生成し、前記第1の信号と前記第2の信号とに基づいて前記第2の分離信号を生成し、元の前記受信信号である前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との前記加算処理又は前記減算処理を行って、前記超音波エコーの前記ハーモニック成分を抽出することを特徴とする超音波測定装置。

請求項5

請求項4において、前記処理部は、前記第1の信号と前記第2の信号の波形入れ替え処理を行い、前記入替え処理後の波形の結合処理を行うことにより、前記第2の分離信号を生成することを特徴とする超音波測定装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記処理部は、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との前記減算処理を行って、前記減算処理後の信号に対してフィルター処理を行い、前記超音波エコーの三次以上のハーモニック成分を抽出することを特徴とする超音波測定装置。

請求項7

請求項1乃至6に記載の超音波測定装置と、前記超音波エコーの前記ハーモニック成分に基づいて生成された表示用画像データを表示する表示部と、を含むことを特徴とする超音波画像装置

請求項8

対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行い、送信した前記超音波に対する超音波エコーの受信処理を行い、前記受信信号から第1の分離信号と、前記第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、前記超音波エコーのハーモニック成分を抽出することを特徴とする超音波測定方法

技術分野

0001

本発明は、超音波測定装置超音波画像装置及び超音波測定方法等に関係する。

背景技術

0002

検体である人体の内部を検査するために用いる装置として、対象物に向けて超音波出射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信する超音波測定装置が注目されている。さらに、超音波測定装置は、内臓脂肪の測定や血流量の測定など、被検体の表層画像診断にも応用されている。

0003

このような超音波測定装置を用いて画像診断を行う場合には、超音波エコー画像処理高分解能化を図る必要があり、例えばハーモニックイメージング(ハーモニックイメージング法)などが利用されている。

0004

ここで、ハーモニックイメージングにおいては、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する必要があるが、そのためのハーモニック成分抽出方法としては、フィルター法や、特許文献1等に記載される位相反転法がある。

先行技術

0005

特開2004−113818号公報

発明が解決しようとする課題

0006

位相反転法では、1つの超音波走査線における画像データを得るために、2度の超音波送信パルスを送信する必要がある。そのため、一定の間隔で超音波送信パルスを送る場合には、通常のBモード走査と比較し、時間分解能が低下するという問題点がある。

0007

また、心臓に代表される臓器動きが存在する実際の生体に対して上記の位相反転法を用いた場合には、臓器の動きの影響により、超音波の受信波における基本波が消え残り、生成される画像上にモーションアーチファクトを生じさせることがある。

0008

本発明の幾つかの態様によれば、対象物が動く場合であっても、時間分解能を低下させずに、アーティファクト偽像ノイズ)の少ない画像を生成することができる超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法等を提供することができる。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様は、対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行う送信処理部と、送信した前記超音波に対する超音波エコーの受信処理を行う受信処理部と、前記受信処理部からの受信信号に対して処理を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記受信信号から第1の分離信号と、前記第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、前記超音波エコーのハーモニック成分を抽出する超音波測定装置に関係する。

0010

本発明の一態様では、1波以上の超音波を1回送信し、受信した受信波から互いに位相が180度異なる二つの分離信号を生成する。そして、新たに生成した第1の分離信号と第2の分離信号とを用いて位相反転法により、ハーモニック成分の抽出処理を行う。

0011

これにより、対象物が動く場合であっても、高分解能で、アーティファクト(偽像ノイズ)の少ない高品質な画像を生成することができる。

0012

また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記受信信号の振幅ゼロ点を検出し、検出結果に基づいて前記第1の分離信号と前記第2の分離信号とを生成してもよい。

0013

これにより、例えば任意の振幅ゼロ点を開始タイミングとし、他の振幅ゼロ点を終了タイミングとする分離信号を生成すること等が可能になる。

0014

また、本発明の一態様では、前記送信処理部は、前記対象物に対して1.5波の超音波を送信し、前記処理部は、前記受信信号において振幅がゼロになる第1のゼロ点、第2のゼロ点、第3のゼロ点及び第4のゼロ点を検出し、前記第1のゼロ点、前記第2のゼロ点及び前記第3のゼロ点の検出結果に基づいて前記第1の分離信号を生成し、前記第2のゼロ点、前記第3のゼロ点及び前記第4のゼロ点の検出結果に基づいて前記第2の分離信号を生成し、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との前記加算処理又は前記減算処理を行って、前記超音波エコーの前記ハーモニック成分を抽出してもよい。

0015

これにより、互いに位相が180度異なる1波の分離信号を2つ生成して、ハーモニック成分を抽出すること等が可能になる。

0016

また、本発明の一態様では、前記送信処理部は、前記対象物に対して1波の超音波を送信し、前記処理部は、前記受信信号において振幅がゼロになる第1のゼロ点、第2のゼロ点及び第3のゼロ点を検出し、前記第1のゼロ点と前記第2のゼロ点の検出結果に基づいて、第1の信号を生成し、前記第2のゼロ点と前記第3のゼロ点の検出結果に基づいて、第2の信号を生成し、前記第1の信号と前記第2の信号とに基づいて前記第2の分離信号を生成し、元の前記受信信号である前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との前記加算処理又は前記減算処理を行って、前記超音波エコーの前記ハーモニック成分を抽出してもよい。

0017

これにより、送信する超音波を1波にすることが可能になり、より距離分解能を向上させること等が可能になる。

0018

また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の信号と前記第2の信号の波形入れ替え処理を行い、前記入替え処理後の波形の結合処理を行うことにより、前記第2の分離信号を生成してもよい。

0019

これにより、送信した1波の超音波に対する受信信号から、互いに位相が180度異なる第1の分離信号と第2の分離信号とを生成すること等が可能になる。

0020

また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との前記減算処理を行って、前記減算処理後の信号に対してフィルター処理を行い、前記超音波エコーの三次以上のハーモニック成分を抽出してもよい。

0021

これにより、超音波エコーの三次以上の奇数次のハーモニック成分を用いて、表示用画像データを生成すること等が可能になる。

0022

また、本発明の他の態様では、超音波測定装置と、前記超音波エコーの前記ハーモニック成分に基づいて生成された表示用画像データを表示する表示部と、を含む超音波画像装置に関係する。

0023

また、本発明の他の態様では、対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行い、送信した前記超音波に対する超音波エコーの受信処理を行い、前記受信信号から第1の分離信号と、前記第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、前記第1の分離信号と前記第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、前記超音波エコーのハーモニック成分を抽出する超音波測定方法に関係する。

図面の簡単な説明

0024

フィルター法の説明図。
位相反転法の説明図。
対象物が動く場合に位相反転法を用いて高調波抽出を行った場合の説明図。
本実施形態のシステム構成例。
本実施形態の超音波画像装置の詳細なシステム構成例。
図6(A)〜図6(C)は超音波測定装置の具体的な機器構成の一例。
本実施形態の高調波抽出方法の説明図。
本実施形態の処理の流れを説明するフローチャート
本実施形態の高調波抽出処理の流れを説明するフローチャート。
送信する超音波が1波である場合の高調波抽出方法の説明図。
送信する超音波が1波である場合の高調波抽出処理の流れを説明するフローチャート。
図12(A)〜図12(C)は、超音波トランスデューサー素子の構成例。
超音波トランスデューサーデバイスの構成例。
図14(A)、図14(B)は、各チャンネルに対応して設けられる超音波トランスデューサー素子群の構成例。

実施例

0025

以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態の概要を説明し、次に本実施形態のシステム構成例について説明する。そして、本実施形態の手法について具体例を交えつつ詳細に説明し、次に、フローチャートを用いて本実施形態の処理の流れと変形例について説明する。そして、超音波トランスデューサー素子及び超音波トランスデューサーデバイスの構成例について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。

0026

1.概要
被検体である人体の内部を検査するために用いる装置として、対象物に向けて超音波を出射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信する超音波測定装置が知られている。さらに、超音波測定装置の応用例としては、内臓脂肪の測定や血流量の測定など、被検体の表層の画像診断を行うポケット型超音波ビューアなどがあり、ヘルスケア分野への展開が期待されている。

0027

上記のように、超音波測定装置を用いて画像診断を行う場合には、超音波エコーの画像処理の高分解能化を図る必要がある。そして、高分解能化を実現する為の画像処理技術としては、ハーモニックイメージング(ハーモニックイメージング法)がある。

0028

ハーモニックイメージングとは、後述するハーモニック成分を映像化する手法のことをいう。ここで、媒質中伝搬する超音波(粗密波)の速度は、音圧の高い部分は速く、低い部分では遅くなるという性質がある。したがって、単純な正弦波であっても伝搬過程で徐々に歪みが生じて波形が変化し、基本波には含まれなかった基本周波数整数倍高調波成分(これをハーモニック成分又は非線形成分とも言う)が含まれるようになる。このような非線形効果は、超音波の音圧に2乗に比例して大きくなり、また伝搬距離に比例して蓄積する。

0029

そして、ハーモニックイメージングは、超音波が組織を伝搬する時に組織自身から発生するハーモニック成分を映像化するティッシュハーモニックイメージングと、超音波造形剤の微小気泡共振崩壊する時に発生するハーモニック成分を映像化する造影ハーモニックイメージングの二つに大別される。本実施形態では、ティッシュハーモニックイメージングを用いる。

0030

また、ハーモニックイメージングには2つの利点がある。まず、ハーモニック成分の振幅は送信超音波の振幅の2乗に比例するという特徴があることから、ハーモニック成分の振幅は、音圧の高い送信ビーム中央では強いが、ビーム中央から端になるほど急激に弱くなる。これにより、ハーモニックイメージングでは、非線形効果の生じる範囲はビーム中央に制限され、結果的に他の手法に比べて方位分解能が向上する。これが第1の利点である。

0031

また、超音波画像に乗る主なノイズとしては、多重反射によるノイズとサイドローブによるノイズがある。ここで、反射した超音波エコーは音圧が低く、ハーモニック成分自体が発生しない。そのため、多重反射によるノイズが低減される。さらに、サイドローブは音圧が低く、サイドローブでもハーモニック成分自体が発生しない。そのため、サイドローブによるノイズも低減される。このように、ハーモニックイメージングでは、多重反射によるノイズもサイドローブによるノイズも低減することができる。これが第2の利点である。

0032

ここで、ハーモニックイメージングにおいては、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する必要があるが、そのためのハーモニック成分抽出方法としては、フィルター法と位相反転法とがある。

0033

まず、フィルター法とは、周波数フィルターハイパスフィルター)により基本波成分二次高調波成分とを分離し、二次高調波成分だけを抽出し、映像化する手法である。例えば、フィルター法を説明する図として、基本波帯域中心周波数がf0であり、二次高調波帯域の中心周波数が2f0である受信信号を、縦軸信号強度横軸周波数とした図1グラフに示す。実際には図1に示すように、受信する基本波成分と二次高調波成分は、ある帯域幅を有しているため、基本波成分と二次高調波成分とは重複し、両者を分離できなくなり、画像劣化要因となる。この重複を少なくするためには、パルス幅を長くする必要性がある。しかし、パルス幅が長くなると距離分解能が低下する。

0034

一方で、位相反転法は、フィルター法の欠点を改善するために開発された手法である。この手法は、同一方向に続けて2回の超音波の送信を行う。図2に示すように、2回目送信波は、1回目の送信波に対して位相が180度異なるという特徴がある。そして、生体や造影剤から反射して戻ってくる受信波は、その非線形伝播特性によりハーモニック成分を含むため、歪んだ波形となる。この2回の受信波の間には、送信波を1回目と2回目で反転させているために基本波成分は反転しているが、ハーモニック成分は反転していないという関係がある。つまり、この2回の送信波に対する2回の受信波は、基本波成分は互いに位相反転しているが、二次高調波成分は同相となる。結果として、2回の受信波を加算すると、基本波成分は除去され、二次高調波成分は振幅が2倍になって残るため、二次高調波成分のみを映像化することが可能となる。また、送受信法も広帯域送受信が可能なため、フィルター法の欠点である距離分解能の低下も改善することができる。

0035

以上のように、ハーモニック成分抽出方法としては、フィルター法よりも位相反転法の方が優れているとも思われる。しかし、位相反転法では、1つの超音波走査線における画像データを得るために、2度の超音波送信パルスを送信する必要がある。そのため、一定の間隔で超音波送信パルスを送る場合、通常のBモード走査と比較して、2倍の計測時間を必要とし、時間分解能が低下する、すなわちフレームレートが1/2になるという問題点がある。

0036

また、心臓に代表される臓器の動きが存在する実際の生体に対して位相反転法を用いた場合には、臓器の動きの影響により、1回目と2回目の受信波間の各部分に変位が生じ、その結果として基本波が消え残り、画像上にモーションアーチファクトを生じさせることがある。具体例を図3に示す。対象物に動きがある場合には、2回目の送信波に対する受信処理においては、1回目と比較して、対象物の位置の変位に応じたΔt時間のずれを含む受信波を受信することになる。その結果、1回目の受信波と2回目の受信波を加算しても、基本波は打ち消し合わずに残留し、一方で、二次高調波は振幅が増幅されず、元の波形が崩れてしまう。その結果、得られる画像にノイズが乗ってしまう。

0037

これらの問題点の原因は、超音波を2回送信する必要があることである。

0038

よって、本実施形態の超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法等では、1波以上の超音波を1回送信し、受信した受信波から互いに位相が180度異なる二つの分離信号を生成する。そして、新たに生成した第1の分離信号と第2の分離信号とを用いて位相反転法により、ハーモニック成分の抽出処理を行う。これにより、対象物が動く場合であっても、時間分解能を低下させずに、アーティファクト(偽像ノイズ)の少ない高品質な画像を生成することができる。

0039

2.システム構成例
次に、本実施形態の超音波測定装置の構成例を図4に示す。超音波測定装置100は、送信処理部110と、受信処理部120と、処理部130とを含む。

0040

さらに、本実施形態の超音波画像装置の具体的な構成例を図5に示す。超音波画像装置は、超音波測定装置100と、超音波プローブ200と、表示部300と、を含む。また、図5に示す超音波測定装置100は、送信処理部110と、受信処理部120と、処理部130と、送受信切替スイッチ140と、DSC(Digital Scan Convertor)150と、制御回路160とを含む。

0041

なお、超音波測定装置100及びこれを含む超音波画像装置は、図4及び図5の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。また、本実施形態の超音波測定装置100及びこれを含む超音波画像装置の一部又は全部の機能は、通信により接続されたサーバーにより実現されてもよい。

0042

次に各部で行われる処理について説明する。

0043

超音波プローブ200は、超音波トランスデューサーデバイスを含む。

0044

そして、超音波トランスデューサーデバイスは、走査面に沿って対象物をスキャンしながら、対象物に対して超音波ビームを送信すると共に、超音波ビームによる超音波エコーを受信する。圧電素子を用いるタイプを例にとれば、超音波トランスデューサーデバイスは、複数の超音波トランスデューサー素子(超音波素子アレイ)と、複数の開口がアレイ状に配置された基板とを有する。そして、超音波トランスデューサー素子としては、薄手の圧電素子と金属板振動膜)を貼り合わせたモノモルフユニモルフ)構造を用いたものを用いる。超音波トランスデューサー素子(振動素子)は、電気的な振動機械的な振動に変換するものであるが、この場合には、圧電素子が面内で伸び縮みすると貼り合わせた金属板(振動膜)の寸法はそのままであるため反りが生じる。

0045

また、超音波トランスデューサーデバイスでは、近隣に配置された数個の超音波トランスデューサー素子で一つのチャンネルを構成し、1回に複数のチャンネルを駆動しながら、超音波ビームを順次移動させるものであってもよい。

0046

なお、超音波トランスデューサーデバイスとしては、圧電素子(薄膜圧電素子)を用いるタイプのトランスデューサーを採用できるが、本実施形態はこれに限定されない。例えばc‐MUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの容量性素子を用いるタイプのトランスデューサーを採用してもよいし、バルクタイプのトランスデューサーを採用してもよい。超音波トランスデューサー素子及び超音波トランスデューサーデバイスのさらに詳細な説明については、後述する。

0047

次に、送信処理部110は、対象物に対して超音波を送信する処理を行う。また、例えば図5に示す送信処理部110は、送信パルス発生器111と、送信遅延回路113とを含む。

0048

具体的に、送信パルス発生器111は、送信パルス電圧印加させ、超音波プローブ200を駆動させる。

0049

また、送信遅延回路113は、送波ビームフォーカシングする。そのために、送信遅延回路113は、送信パルス電圧の印加タイミングに関して、チャンネル間で時間差を与え、複数の振動素子から発生した超音波を集束させる。このように、遅延時間を変化させることにより、焦点距離を任意に変化させることが可能である。

0050

また、送受信切替スイッチ140は、超音波の送受信の切り替え処理を行う。送受信切替スイッチ140は、送信時の振幅パルス受信回路に入力されないように保護し、受信時の信号を受信回路に通す。

0051

一方で、受信処理部120は、送信した超音波に対する超音波エコーの受信処理を行う。また、例えば図5に示す受信処理部120は、受信遅延回路121と、フィルター回路123と、メモリ125とを含む。

0052

受信遅延回路121は、受波ビームをフォーカシングする。ある反射体からの反射波は球面上に広がるため、受信遅延回路121は、各振動子に到達する時間が同じになるように遅延時間を与え、遅延時間を考慮して反射波を加算する。

0053

そして、フィルター回路123は、受信信号に対して帯域通過フィルターによりフィルター処理を行い、雑音を除去する。

0054

また、メモリ125は、フィルター回路123から出力された受信信号を記憶するもので、その機能はRAM等のメモリやHDDなどにより実現できる。

0055

また、処理部130は、受信処理部120からの受信信号に対して処理を行う。例えば図5に示す処理部130は、ハーモニック処理部131と、検波処理部133と、対数変換処理部135と、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部137と、STC(Sensitivity Time Control)139とを含む。

0056

具体的に、ハーモニック処理部131は、後に詳述するハーモニック成分の抽出処理を行う。

0057

そして、検波処理部133は、絶対値(整流)処理後に、低域通過フィルターをかけて、非変調信号を抽出する。

0058

さらに、対数変換処理部135は、Log圧縮を行い、受信信号の信号強度の最大部分最小部分を同時に確認しやすいように、表現形式を変換する。

0059

そして、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部137は、信号強度及び関心領域を調整する。具体的に、ゲイン調整処理では、Log圧縮後の入力信号に対して、直流成分を加える。また、ダイナミックレンジ調整処理では、Log圧縮後の入力信号に対して、任意の数を乗算する。

0060

また、STC139は、深さに応じて増幅度(明るさ)を補正し、画面全体で一様な明るさの画像を取得する。

0061

なお、処理部130の機能は、各種プロセッサー(CPU等)、ASICゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。

0062

そして、DSC150は、Bモード画像データに走査変換処理を行う。例えば、DSC150は、バイリニアなどの補間処理により、ライン信号画像信号に変換する。

0063

また、制御回路160は、送信パルス発生器111と、送信遅延回路113と、受信遅延回路121と、送受信切替スイッチ140と、ハーモニック処理部131の制御を行う。

0064

また、表示部300は、超音波エコーのハーモニック成分に基づいて生成された表示用画像データを表示する。表示部300は、例えば液晶ディスプレイ有機ELディスプレイ電子ペーパーなどにより実現できる。

0065

ここで、本実施形態の超音波測定装置(広義には電子機器)の具体的な機器構成の例を図6(A)〜図6(C)に示す。図6(A)はハンディタイプの超音波測定装置100の例であり、図6(B)は据置タイプの超音波測定装置100の例である。図6(C)は超音波プローブ200が本体に内蔵された一体型の超音波測定装置100の例である。

0066

図6(A)、図6(B)の超音波測定装置100は、超音波プローブ200と超音波測定装置本体101(広義には電子機器本体)を含み、超音波プローブ200と超音波測定装置本体101はケーブル210により接続される。超音波プローブ200の先端部分には、プローブヘッド220が設けられており、超音波測定装置本体101には、画像を表示する表示部300が設けられている。図6(C)では、表示部300を有する超音波測定装置100に超音波プローブ220が内蔵されている。図6(C)の場合、超音波測定装置100は、例えばスマートフォンなどの汎用携帯情報端末により実現できる。

0067

3.本実施形態の手法
次に、本実施形態の手法について説明する。

0068

以上の本実施形態の超音波測定装置100は、対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行う送信処理部110と、送信した超音波に対する超音波エコーの受信処理を行う受信処理部120と、受信処理部120からの受信信号に対して処理を行う処理部130と、を含む。そして、処理部130は、受信信号から第1の分離信号と、第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成し、第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する。

0069

図7を用いて具体的に説明する。まず、本実施形態では、送信処理部110は、対象物に対して1波以上の超音波を送信する処理を行う。

0070

ここで、1波以上の超音波とは、1周期以上の期間、続けて送信される超音波のことをいう。例えば、図7には、1.5波の送信波TXPが出射されている様子を示す。

0071

そして、受信処理部120は、超音波エコーの受信処理により、受信信号を出力する。図7の例では、1.5波の送信波TXPに対して1.5波の受信波RXPを受信している。

0072

また、受信処理とは、例えば受信遅延回路121による受波ビーム(超音波エコー)のフォーカシング処理や、フィルター回路123によるフィルター処理などのことを言う。そして、受信信号とは、このような受信処理を行った後に得られる信号のことを言う。

0073

さらに、処理部130は、受信信号から第1の分離信号と、第1の分離信号とは位相が180度異なる第2の分離信号とを生成する。

0074

ここで、第1の分離信号とは、受信信号の一部又は全ての部分を含む信号である。一方、第2の分離信号とは、第1の分離信号とは位相が180度異なる信号であって、受信信号の一部又は全ての部分を含む信号である。

0075

図7の例では、受信波RXPから、基本波BS1と二次高調波(ハーモニック成分)HM1とを含む第1の分離信号と、基本波BS2と二次高調波HM2とを含む第2の分離信号とを生成している。なお、第1の分離信号と第2の分離信号を生成する際には、位相をずらすために、受信信号から分離した分離信号の受信時間(受信開始時刻から受信終了時刻までの時間)を揃えることに留意する。例えば図7では、元の受信信号の0.5周期経過時点(タイミングT2)から1.5周期経過時点(タイミングT4)までの信号を第2の分離信号として分離するが、あくまで第2の分離信号は、第1の分離信号と同じタイミングT1〜T3の間に受信したものとみなす。このようにみなさなければ、元の受信信号から分離した信号の位相は、元の受信信号と必ず同相になってしまうためである。

0076

そして、処理部130は、第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、超音波エコーのハーモニック成分を抽出する。

0077

図7の例においては、ハーモニック成分として二次高調波を抽出するため、第1の受信信号と第2の受信信号との加算処理を行い、図2と同様に基本波が相殺されて消え去り、二次高調波DPが抽出される。なお、二次高調波DPの振幅の大きさは、元の二次高調波HM1やHM2の振幅の大きさの二倍になっている。

0078

以上の処理を行うことにより、例えば臓器のように対象物が動く場合であっても、超音波の受信波における基本波を打ち消して、高調波のみを抽出することができる。また、超音波を1波しか出射しないために、フィルター法に比べてもフレームレートが低下することもない。よって、対象物が動く場合であっても、時間分解能を低下させずに、アーティファクト(偽像ノイズ)の少ない高品質な画像を生成することができる。

0079

また、処理部130は、受信信号の振幅ゼロ点を検出し、検出結果に基づいて第1の分離信号と第2の分離信号とを生成してもよい。

0080

これにより、例えば任意の振幅ゼロ点を開始タイミングとし、他の振幅ゼロ点を終了タイミングとする分離信号を生成すること等が可能になる。

0081

次に、前述した図7の例で行った処理をまとめる。まず、送信処理部110は、対象物に対して1.5波の超音波を送信してもよい。そして、処理部130は、受信信号において振幅がゼロになる第1のゼロ点、第2のゼロ点、第3のゼロ点及び第4のゼロ点を検出し、第1のゼロ点、第2のゼロ点及び第3のゼロ点の検出結果に基づいて第1の分離信号を生成し、第2のゼロ点、第3のゼロ点及び第4のゼロ点の検出結果に基づいて第2の分離信号を生成し、第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、超音波エコーのハーモニック成分を抽出してもよい。

0082

例えば、図7の例では、第1のゼロ点はタイミングT1であり、第2のゼロ点はタイミングT2であり、第3のゼロ点はタイミングT3であり、第4のゼロ点はタイミングT4である。そして、前述したように、第1のゼロ点(T1)〜第3のゼロ点(T3)までの信号を第1の分離信号として分離して生成し、第2のゼロ点(T2)〜第4のゼロ点(T4)までの信号を第2の分離信号として分離して生成する。

0083

これにより、互いに位相が180度異なる1波の分離信号を2つ生成して、ハーモニック成分を抽出すること等が可能になる。

0084

また、三次以上のハーモニック成分を抽出する場合には、第1の受信信号と第2の受信信号との減算処理を行う。しかし、減算処理を行った場合には、基本波は打ち消されないため、減算処理後の信号に対してフィルター処理を行い、基本波と三次以上の高調波を分離する必要がある。

0085

すなわち、処理部130は、第1の分離信号と第2の分離信号との減算処理を行って、減算処理後の信号に対してフィルター処理を行い、超音波エコーの三次以上のハーモニック成分を抽出してもよい。なお、この際には、三次以上の奇数次の高調波が抽出される。

0086

これにより、超音波エコーの三次以上の奇数次のハーモニック成分を用いて、表示用画像データを生成すること等が可能になる。

0087

4.処理の流れ
以下では、図8のフローチャートを用いて、本実施形態の処理の流れについて説明する。

0088

まず、走査線番号nの初期値を1に設定する(S101)。

0089

次に、送信パルス発生器111が、パルス電圧を生成する(S102)。

0090

そして、送信遅延回路113が送信フォーカス制御を行い(S103)、超音波プローブ200が、生成されたパルス電圧に対応する超音波ビームを対象物に対して出射する(S104)。さらに、超音波プローブ200は、出射した超音波ビームが対象物に反射し、返ってきた超音波エコーを受信する(S104)。

0091

これに対して、受信遅延回路121は受信フォーカス制御を行い(S105)、フィルター回路123が、受信フォーカス制御後の受信信号に対してBPF(バンドパスフィルター)処理を行い(S106)、BPF処理後の受信信号をメモリ125に保存する(S107)。

0092

そして、全ての走査線についてステップS102〜S107の処理を行ったか否かを判断する(S108)。具体的には、現在の走査線番号nが全走査線数Nよりも小さいか否かを判定する。

0093

全ての走査線についてステップS102〜S107の処理を行っていないと判断した場合、すなわち、現在の走査線番号nが全走査線数Nよりも小さいと判定した場合には、現在の走査線番号nに1を加算して(S109)、再度ステップS102〜S108の処理を行う。

0094

一方で、ステップS108において、全ての走査線についてステップS102〜S107の処理を行ったと判断した場合、すなわち、現在の走査線番号nが全走査線数Nと等しいと判定した場合には、ハーモニック処理部131が高調波(ハーモニック成分)の抽出処理を行う(S110)。

0095

ここで、本実施形態における高調波(ハーモニック成分)の抽出処理の流れを図9のフローチャートに示す。

0096

まず、受信した受信信号の振幅が0になる時間(時刻、点)を検出する(S201)。次に、振幅が0となる点に基づいて受信信号から、第1の分離信号と、第1の分離信号と位相が180度異なる第2の分離信号とを生成する(S202)。そして、位相反転法を用いて、第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理を行って(S203)、基本波を相殺して高調波を抽出する。

0097

そして、検波処理部133が、抽出した高調波に対して、絶対値(整流)処理後に、低域通過フィルターをかけて、非変調信号を抽出し(S111)、対数変換処理部135が、対数変換処理を行う(S112)。

0098

そして、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部137が、信号強度及び関心領域を調整し(S113)、STC139が、深さに応じて増幅度(明るさ)を補正する(S114)。

0099

さらに、DSC150が、走査変換処理を行って、Bモード画像データ(表示用画像データ)を生成し(S115)、表示部300が生成された表示用画像データを表示し(S116)、処理を終了する。

0100

5.変形例
本実施形態では、前述したように1波以上の超音波を送信する。

0101

ここで、送信処理部110は、対象物に対して1波の超音波を送信してもよい。そして、処理部130は、受信信号において振幅がゼロになる第1のゼロ点、第2のゼロ点及び第3のゼロ点を検出し、第1のゼロ点と第2のゼロ点の検出結果に基づいて、第1の信号を生成し、第2のゼロ点と第3のゼロ点の検出結果に基づいて、第2の信号を生成し、第1の信号と第2の信号とに基づいて第2の分離信号を生成し、元の受信信号である第1の分離信号と第2の分離信号との加算処理又は減算処理を行って、超音波エコーのハーモニック成分を抽出してもよい。

0102

これにより、送信する超音波を1波にすることが可能になり、より距離分解能を向上させること等が可能になる。

0103

また、処理部130は、第1の信号と第2の信号の波形の入れ替え処理を行い、入れ替え処理後の波形の結合処理を行うことにより、第2の分離信号を生成してもよい。

0104

これにより、送信した1波の超音波に対する受信信号から、互いに位相が180度異なる第1の分離信号と第2の分離信号とを生成すること等が可能になる。

0105

ここで、図10図11のフローチャートを用いて具体例を説明する。なお、以下の処理は、図8のフローチャートのステップS110における高調波抽出処理に相当する。

0106

まず、図10に示すように1波の送信波TXPを送信し、受信波RXP1を受信する。

0107

次に、受信波RXP1のゼロ点の検出処理を行い、第1のゼロ点TA、第2のゼロ点TB及び第3のゼロ点TCを検出する(S301)。そして、受信波RXP1の全体を第1の分離信号とする(S302)。

0108

また、第1のゼロ点TAから第2のゼロ点TBまでの信号を第1の信号P1として生成し(S303)、第2のゼロ点TBから第3のゼロ点TCまでの信号を第2の信号P2として生成する(S304)。

0109

さらに、第1の信号P1と第2の信号P2の波形の入れ替え処理を行う(S305)。具体的には、第1の信号P1と第2の信号P2の受信時間の入れ替えを行う。そして、波形入れ替え後の第2の信号P2と第1の信号P1の結合処理を行い、第1の分離信号と位相又は振幅が180度異なる第2の分離信号RXP2を生成する(S306)。

0110

そして、図7を用いて前述した例と同様に、第1の分離信号RXP1と第2の分離信号RXP2との加算処理又は減算処理を行って、高調波DPを抽出し(S307)、処理を終了する。

0111

なお、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置等は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置等が実現される。具体的には、情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリーカード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。

0112

6.超音波トランスデューサー素子
図12(A)〜図12(C)に、超音波トランスデューサーデバイスの超音波トランスデューサー素子10の構成例を示す。この超音波トランスデューサー素子10は、振動膜(メンブレン支持部材)50と圧電素子部とを有する。圧電素子部は、第1電極層(下部電極)21、圧電体層圧電体膜)30、第2電極層(上部電極)22を有する。

0113

図12(A)は、基板(シリコン基板)60に形成された超音波トランスデューサー素子10の、素子形成面側の基板60に垂直な方向から見た平面図である。図12(B)は、図12(A)のA−A’に沿った断面を示す断面図である。図12(C)は、図12(A)のB−B’に沿った断面を示す断面図である。

0114

第1電極層21は、振動膜50の上層に例えば金属薄膜で形成される。この第1電極層21は、図12(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。

0115

圧電体層30は、例えばPZTジルコン酸チタン酸鉛薄膜により形成され、第1電極層21の少なくとも一部を覆うように設けられる。なお、圧電体層30の材料は、PZTに限定されるものではなく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)などを用いてもよい。

0116

第2電極層22は、例えば金属薄膜で形成され、圧電体層30の少なくとも一部を覆うように設けられる。この第2電極層22は、図12(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。

0117

振動膜(メンブレン)50は、例えばSiO2薄膜とZrO2薄膜との2層構造により開口40を塞ぐように設けられる。この振動膜50は、圧電体層30及び第1、第2電極層21、22を支持すると共に、圧電体層30の伸縮に従って振動し、超音波を発生させることができる。

0118

開口40は、基板60(シリコン基板)の裏面(素子が形成されない面)側から反応性イオンエッチングRIE)等によりエッチングすることで形成される。この開口40の開口部45のサイズによって超音波の共振周波数が決定され、その超音波は圧電体層30側(図12(A)において紙面奥から手前方向)に放射される。

0119

超音波トランスデューサー素子10の下部電極(第1電極)は、第1電極層21により形成され、上部電極(第2電極)は、第2電極層22により形成される。具体的には、第1電極層21のうちの圧電体層30に覆われた部分が下部電極を形成し、第2電極層22のうちの圧電体層30を覆う部分が上部電極を形成する。即ち、圧電体層30は、下部電極と上部電極に挟まれて設けられる。

0120

7.超音波トランスデューサーデバイス
図13に、超音波トランスデューサーデバイス(素子チップ)の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイスは、複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64、駆動電極線DL1〜DL64(広義には第1〜第nの駆動電極線。nは2以上の整数)、コモン電極線CL1〜CL8(広義には第1〜第mのコモン電極線。mは2以上の整数)を含む。なお、駆動電極線の本数(n)やコモン電極線の本数(m)は、図13に示す本数には限定されない。

0121

複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64は、第2の方向D2(スキャン方向)に沿って64列に配置される。UG1〜UG64の各超音波トランスデューサー素子群は、第1の方向D1(スライス方向)に沿って配置される複数の超音波トランスデューサー素子を有する。

0122

図14(A)に、超音波トランスデューサー素子群UG(UG1〜UG64)の例を示す。図14(A)では、超音波トランスデューサー素子群UGは第1〜第4の素子列により構成される。第1の素子列は、第1の方向D1に沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE11〜UE18により構成され、第2の素子列は、第1の方向D1に沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE21〜UE28により構成される。第3の素子列(UE31〜UE38)、第4の素子列(UE41〜UE48)も同様である。これらの第1〜第4の素子列には、駆動電極線DL(DL1〜DL64)が共通接続される。また、第1〜第4の素子列の超音波トランスデューサー素子にはコモン電極線CL1〜CL8が接続される。

0123

そして図14(A)の超音波トランスデューサー素子群UGが、超音波トランスデューサーデバイスの1チャンネルを構成する。即ち、駆動電極線DLが1チャンネルの駆動電極線に相当し、送信回路からの1チャンネルの送信信号は駆動電極線DLに入力される。また駆動電極線DLからの1チャンネルの受信信号は駆動電極線DLから出力される。なお、1チャンネルを構成する素子列数は図14(A)のような4列には限定されず、4列よりも少なくてもよいし、4列よりも多くてもよい。例えば図14(B)に示すように、素子列数は1列であってもよい。

0124

図13に示すように、駆動電極線DL1〜DL64(第1〜第nの駆動電極線)は、第1の方向D1に沿って配線される。駆動電極線DL1〜DL64のうちの第j(jは1≦j≦nである整数)の駆動電極線DLj(第jのチャンネル)は、第jの超音波トランスデューサー素子群UGjの超音波トランスデューサー素子が有する第1の電極(例えば下部電極)に接続される。

0125

超音波を出射する送信期間には、送信信号VT1〜VT64が駆動電極線DL1〜DL64を介して超音波トランスデューサー素子に供給される。また、超音波エコー信号を受信する受信期間には、超音波トランスデューサー素子からの受信信号VR1〜VR64が駆動電極線DL1〜DL64を介して出力される。

0126

コモン電極線CL1〜CL8(第1〜第mのコモン電極線)は、第2の方向D2に沿って配線される。超音波トランスデューサー素子が有する第2の電極は、コモン電極線CL1〜CL8のうちのいずれかに接続される。具体的には、例えば図13に示すように、コモン電極線CL1〜CL8のうちの第i(iは1≦i≦mである整数)のコモン電極線CLiは、第i行に配置される超音波トランスデューサー素子が有する第2の電極(例えば上部電極)に接続される。

0127

コモン電極線CL1〜CL8には、コモン電圧VCOMが供給される。このコモン電圧VCOMは一定の直流電圧であればよく、0V、即ちグランド電位接地電位)でなくてもよい。

0128

そして送信期間では、送信信号電圧とコモン電圧との差の電圧が超音波トランスデューサー素子に印加され、所定の周波数の超音波が放射される。

0129

なお、超音波トランスデューサー素子の配置は、図13に示すマトリックス配置に限定されず、いわゆる千鳥配置等であってもよい。

0130

また図14(A)〜図14(B)では、1つの超音波トランスデューサー素子が送信素子及び受信素子の両方に兼用される場合について示したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば送信素子用の超音波トランスデューサー素子、受信素子用の超音波トランスデューサー素子を別々に設けて、アレイ状に配置してもよい。

0131

以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。

0132

100超音波測定装置、110送信処理部、111送信パルス発生器、
113送信遅延回路、120受信処理部、121受信遅延回路、
123フィルター回路、125メモリ、130 処理部、
131ハーモニック処理部、133検波処理部、135対数変換処理部、
137ゲイン・ダイナミックレンジ調整部、139STC、
140送受信切替スイッチ、150DSC、160制御回路、
200超音波プローブ、300 表示部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ