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技術 画像処理装置、印刷処理装置および画像処理方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 星加博之
出願日 2013年1月29日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-014617
公開日 2014年8月14日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-146187
状態 拒絶査定
技術分野 プリンティングのための記録情報の処理 タイプライター等へのデジタル出力 画像処理
主要キーワード 割り算処理 切り上げ処理 サーマルヘッドコントローラ 印刷釦 端数処理 諧調値 縮小拡大処理 切り捨て処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年8月14日)のものです。
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図面 (9)

課題

画像データのハードウエア処理における丸め誤差蓄積を抑制する。

解決手段

入力された第1の画像データに対し第1の処理を施して第2の画像データを生成する第1の処理手段(S203)と、第2の画像データに対し第2の処理を施して第3の画像データを生成する第2の処理手段(S205)とを有する画像処理装置であって、第1の画像データから第3の画像データを生成する過程において、第1の画像データから第3の画像データまでのいずれかに対して、画像データの諧調を2N回(Nは自然数反転させる諧調反転手段(S204,S206)を有する。

概要

背景

デジタルカメラプリンタなどにおいては、それらのデバイスで扱う画像データに対して様々な画像処理がおこなわれる。例えば、画像に含まれるノイズを除去することを目的とするフィルタリング処理や、画像の解像度を変更する縮小拡大処理等がある。

また、それらの処理を施す方法として、一般的に中央演算処理装置と画像データが格納されているメモリを介して処理を行うソフトウェア処理と、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)等の専用ハードウェアに入力して処理をおこなうハードウェア処理の2つに分類される。

ソフトウェア処理は、処理内容汎用的な命令で構成されているプログラミング言語記述をおこない、そのプログラミング言語に従って中央演算処理装置が画像データを処理するため、処理内容の修正が容易であるが、後述するハードウェア処理に比べて処理速度は遅いという問題がある。一方、ハードウェア処理は、処理内容を物理的に構成するため、処理内容の修正が困難であるが、前述のソフトウェア処理と比較して処理速度が速い。また、ハードウェア処理にて扱える画像データの1画素あたりのビット数には経済的な制限が生じるため、演算処理過程において小数点が扱えないことがある。そのため、割り算処理においては小数点以下が切り捨てられることが多く、ハードウェアの設計をおこなう際には演算誤差の扱いには注意する必要がある。

前述の演算誤差には様々な種類があるが、特に問題となるのは、切り捨て処理等の端数処理を行った際に生じる丸め誤差である。例えば、処理する画像データの色空間がJFIF規格で定義されているYCbCrであり、その画像データを各種演算処理で小数点以下が最少0、最大1だけ切り捨てられるハードウェア処理に入力されたとする。このとき、処理後の画像データは切り捨て処理により丸め誤差が生じるため、YCbCrのそれぞれの画素の成分が0に向けて最大1の誤差を生じることになる。

ハードウェアの演算により生じる丸め誤差量の発生確率が画面全体で均一であるとすると、画像データ全体で生じる丸め誤差の平均値は0.5となる。人間の視覚特性局所的な変化量よりも平均的な変化量に敏感であるため、前記のような丸め誤差の生じるハードウェアの処理前後を見比べると、処理後の画像データが処理前に比べて緑被りしたように見えてしまう。

また、丸め誤差は蓄積するため、前記のような誤差が生じる処理を複数回おこなうと、処理した回数分だけ緑被りするため画像データへの影響も大きくなる。

ここで、丸め誤差が生じるハードウェア処理の一例として、図2(a)と図3Aを用いて説明をおこなう。

図2(a)は丸め誤差の生じるハードウェア処理のシーケンス例を示しており、入力した画像に対して縮小処理拡大処理を連続しておこなうことにより、入力画像ボケ画像を生成するための処理である。なお、この処理で用いられる入力画像の形式はJFIF規格のYCbCrであるものとする。

まず、ステップS201では入力画像に対して縮小処理をおこなう。このときの画像データの流れを示したものが図3A(a−1)〜(a−3)であり、画像A1から画像A3へ1/2の縮小処理を行っている。ここで、図中のA1[x,y]は水平、垂直の位置x,yでのYCbCr値を示しており、画像A1の水平方向のピクセル数をw、垂直方向のピクセル数をhとすると、それぞれ0≦x<w , 0≦y<hの値を取る。

図3Aの(a−1)から(a−2)への処理では、画像A1[x,y]から画像A2[s,y]への水平方向の縮小処理を式(1)にもとづいておこなう。

ここで、A2real[s,y]はA1[x,y]を水平方向に1/2に縮小した場合に得られるYCbCr値の実数値であり、sは位置xに対応する縮小後の位置を示しており、0≦s<w/2の値を取る。

しかしながら、ハードウェアの扱える1画素あたりのビット数は一般的に経済的な理由により制限されているため、小数点を扱えないことがある。本例で使用するハードウェアが8bit(0〜255)しか扱えず、割り算で生じる小数点が切り捨てされるものとすると、式(1)は床関数を利用して式(2)のように表すことができる。

ここで、床関数は実数xに対してx以下の最大の整数を返す、切り捨て処理をおこなう関数である。

このとき発生する丸め誤差量ΔA2[s,y]は式(3)となる。

mod(x,y)はxのyに対するモジュロ演算であり、xをyで割った際に生じる余りを示している。

続いて、図3Aの(a−2)から(a−3)への処理では画像A2[s,y]から画像A3[s,k]への垂直方向の縮小処理を式(4)にもとづいておこなう。

ここで、A3[s,k]はA2[s,y]を垂直方向に1/2に縮小した場合に得られるYCbCr値であり、kは位置yに対応する縮小後の位置を示しており、0≦y<h/2の値を取る。

発生する丸め誤差量ΔA3[s,k]は式(5)となる。

上より、図3Aの(a−1)から(a−3)への縮小処理にてピクセルA3[s,k]を算出するに当たり、生じる丸め誤差は式(6)となる。

ここで、ΔA2[s,k],ΔA3[s,k]は式(3)、式(5)より0.5または0の値を取りうるので、ΔA[s,k]は1、0.5、0の何れかの値を取りうる。

一連の縮小処理によって生じる、画像全体における丸め誤差量の平均値は式(7)となる。

ここで、画像全体でのΔA2[s,y]とΔA3[s,k]のとりうる値(0.5、0)の出現率が、画像全体で同等であるとすると式(8)となる。

続くステップS202では拡大処理が行われる。このときの画像データを示したものが図3A(a−3)〜(b−3)であり、縮小画像A3から拡大画像B3へ2倍拡大処理をおこなう際の画像データの流れについて示している。

図3Aの(a−3)から(b−2)への処理では、画像A3[s,k]から画像B2[s,y]への垂直方向の拡大処理を式(9)にもとづいておこなう。

ここでy’は位置kに対応する拡大後の位置を示しており、0≦y’<hの値を取る。

このとき発生する丸め誤差量ΔB2[s,y’]は式(10)となる。

つづいて、図3Aの(b−2)から(b−3)への処理では画像B2[s,y’]から画像‘B3[x’,y’]への水平方向の拡大処理を式(11)にもとづいておこなう。

発生する丸め誤差量ΔB3[x’,y’]は式(12)

となり、画像全体における丸め誤差の平均値は、式(7)から(8)への導出時と同じ考え方を用いることにより式(13)となる。

以上により、一連のハードウェア処理で生じる画像全体における丸め誤差の平均値は式(14)

となり、画像全体がハードウェア処理の前に比べて平均してYCbCr値が1.0ほど緑被りが生じることを意味している。

これらの丸め誤差の問題に対して、従来ではハードウェアに四捨五入などの端数処理を施すことによって丸め誤差の発生を発生する提案がなされている。例えば、特許文献1では、丸め演算処理が行われる前に、丸め処理によって発生する誤差を考慮して事前に、画像データに対して加算処理をおこなうことにより丸め誤差の発生を抑制している。

概要

画像データのハードウエア処理における丸め誤差の蓄積を抑制する。 入力された第1の画像データに対し第1の処理を施して第2の画像データを生成する第1の処理手段(S203)と、第2の画像データに対し第2の処理を施して第3の画像データを生成する第2の処理手段(S205)とを有する画像処理装置であって、第1の画像データから第3の画像データを生成する過程において、第1の画像データから第3の画像データまでのいずれかに対して、画像データの諧調を2N回(Nは自然数反転させる諧調反転手段(S204,S206)を有する。

目的

本発明の目的は、画像データのハードウエア処理における丸め誤差の蓄積を抑制することができる画像処理装置、印刷処理装置および画像処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力された第1の画像データに対し第1の処理を施して第2の画像データを生成する第1の処理手段と、前記第2の画像データに対し第2の処理を施して第3の画像データを生成する第2の処理手段とを有する画像処理装置であって、前記第1の画像データから前記第3の画像データを生成する過程において、前記第1の画像データから前記第3の画像データまでのいずれかに対して、画像データの諧調を2N回(Nは自然数反転させる諧調反転手段を有することを特徴とする画像処理装置。

請求項2

前記諧調反転手段は、最大諧調値から画像データの諧調値を減算することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。

請求項3

前記諧調反転手段は、前記画像データの論理演算における否定処理をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。

請求項4

前記諧調反転手段は、前記第2の処理手段による第2の処理の前後に画像データの諧調反転をおこなうことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。

請求項5

前記第1の処理手段による第1の処理は縮小処理であり、前記第2の処理手段による第2の処理は拡大処理であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。

請求項6

前記第1の処理手段による第1の処理および前記第2の処理手段による第2の処理はフィルタリング処理であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。

請求項7

請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置を具備した印刷処理装置であって、生成されたプレビュー用画像データによりプレビュー用画像を表示する画像表示手段と、生成された印刷用画像データにより画像を印刷処理する印刷処理手段とを有し、前記画像処理装置の諧調反転手段は、前記プレビュー用画像データが生成される際には、諧調反転をおこなわず、前記印刷用画像データが生成される際には、諧調反転をおこなうことを特徴とする印刷処理装置。

請求項8

入力された第1の画像データに対し第1の処理を施して第2の画像データを生成する第1の処理ステップと、前記第2の画像データに対し第2の処理を施して第3の画像データを生成する第2の処理ステップとを有する画像処理方法であって、前記第1の画像データから前記第3の画像データを生成する過程において、前記第1の画像データから前記第3の画像データまでのいずれかに対して、画像データの諧調を2N回(Nは自然数)反転させる諧調反転ステップを有することを特徴とする画像処理方法。

技術分野

0001

本発明は、画像印刷に好適な画像処理装置印刷処理装置及び画像処理方法に関するものである。

背景技術

0002

デジタルカメラプリンタなどにおいては、それらのデバイスで扱う画像データに対して様々な画像処理がおこなわれる。例えば、画像に含まれるノイズを除去することを目的とするフィルタリング処理や、画像の解像度を変更する縮小拡大処理等がある。

0003

また、それらの処理を施す方法として、一般的に中央演算処理装置と画像データが格納されているメモリを介して処理を行うソフトウェア処理と、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)等の専用ハードウェアに入力して処理をおこなうハードウェア処理の2つに分類される。

0004

ソフトウェア処理は、処理内容汎用的な命令で構成されているプログラミング言語記述をおこない、そのプログラミング言語に従って中央演算処理装置が画像データを処理するため、処理内容の修正が容易であるが、後述するハードウェア処理に比べて処理速度は遅いという問題がある。一方、ハードウェア処理は、処理内容を物理的に構成するため、処理内容の修正が困難であるが、前述のソフトウェア処理と比較して処理速度が速い。また、ハードウェア処理にて扱える画像データの1画素あたりのビット数には経済的な制限が生じるため、演算処理過程において小数点が扱えないことがある。そのため、割り算処理においては小数点以下が切り捨てられることが多く、ハードウェアの設計をおこなう際には演算誤差の扱いには注意する必要がある。

0005

前述の演算誤差には様々な種類があるが、特に問題となるのは、切り捨て処理等の端数処理を行った際に生じる丸め誤差である。例えば、処理する画像データの色空間がJFIF規格で定義されているYCbCrであり、その画像データを各種演算処理で小数点以下が最少0、最大1だけ切り捨てられるハードウェア処理に入力されたとする。このとき、処理後の画像データは切り捨て処理により丸め誤差が生じるため、YCbCrのそれぞれの画素の成分が0に向けて最大1の誤差を生じることになる。

0006

ハードウェアの演算により生じる丸め誤差量の発生確率が画面全体で均一であるとすると、画像データ全体で生じる丸め誤差の平均値は0.5となる。人間の視覚特性局所的な変化量よりも平均的な変化量に敏感であるため、前記のような丸め誤差の生じるハードウェアの処理前後を見比べると、処理後の画像データが処理前に比べて緑被りしたように見えてしまう。

0007

また、丸め誤差は蓄積するため、前記のような誤差が生じる処理を複数回おこなうと、処理した回数分だけ緑被りするため画像データへの影響も大きくなる。

0008

ここで、丸め誤差が生じるハードウェア処理の一例として、図2(a)と図3Aを用いて説明をおこなう。

0009

図2(a)は丸め誤差の生じるハードウェア処理のシーケンス例を示しており、入力した画像に対して縮小処理拡大処理を連続しておこなうことにより、入力画像ボケ画像を生成するための処理である。なお、この処理で用いられる入力画像の形式はJFIF規格のYCbCrであるものとする。

0010

まず、ステップS201では入力画像に対して縮小処理をおこなう。このときの画像データの流れを示したものが図3A(a−1)〜(a−3)であり、画像A1から画像A3へ1/2の縮小処理を行っている。ここで、図中のA1[x,y]は水平、垂直の位置x,yでのYCbCr値を示しており、画像A1の水平方向のピクセル数をw、垂直方向のピクセル数をhとすると、それぞれ0≦x<w , 0≦y<hの値を取る。

0011

図3Aの(a−1)から(a−2)への処理では、画像A1[x,y]から画像A2[s,y]への水平方向の縮小処理を式(1)にもとづいておこなう。

0012

0013

ここで、A2real[s,y]はA1[x,y]を水平方向に1/2に縮小した場合に得られるYCbCr値の実数値であり、sは位置xに対応する縮小後の位置を示しており、0≦s<w/2の値を取る。

0014

しかしながら、ハードウェアの扱える1画素あたりのビット数は一般的に経済的な理由により制限されているため、小数点を扱えないことがある。本例で使用するハードウェアが8bit(0〜255)しか扱えず、割り算で生じる小数点が切り捨てされるものとすると、式(1)は床関数を利用して式(2)のように表すことができる。

0015

0016

ここで、床関数は実数xに対してx以下の最大の整数を返す、切り捨て処理をおこなう関数である。

0017

このとき発生する丸め誤差量ΔA2[s,y]は式(3)となる。

0018

0019

mod(x,y)はxのyに対するモジュロ演算であり、xをyで割った際に生じる余りを示している。

0020

続いて、図3Aの(a−2)から(a−3)への処理では画像A2[s,y]から画像A3[s,k]への垂直方向の縮小処理を式(4)にもとづいておこなう。

0021

0022

ここで、A3[s,k]はA2[s,y]を垂直方向に1/2に縮小した場合に得られるYCbCr値であり、kは位置yに対応する縮小後の位置を示しており、0≦y<h/2の値を取る。

0023

発生する丸め誤差量ΔA3[s,k]は式(5)となる。

0024

0025

上より図3Aの(a−1)から(a−3)への縮小処理にてピクセルA3[s,k]を算出するに当たり、生じる丸め誤差は式(6)となる。

0026

0027

ここで、ΔA2[s,k],ΔA3[s,k]は式(3)、式(5)より0.5または0の値を取りうるので、ΔA[s,k]は1、0.5、0の何れかの値を取りうる。

0028

一連の縮小処理によって生じる、画像全体における丸め誤差量の平均値は式(7)となる。

0029

0030

ここで、画像全体でのΔA2[s,y]とΔA3[s,k]のとりうる値(0.5、0)の出現率が、画像全体で同等であるとすると式(8)となる。

0031

0032

続くステップS202では拡大処理が行われる。このときの画像データを示したものが図3A(a−3)〜(b−3)であり、縮小画像A3から拡大画像B3へ2倍拡大処理をおこなう際の画像データの流れについて示している。

0033

図3Aの(a−3)から(b−2)への処理では、画像A3[s,k]から画像B2[s,y]への垂直方向の拡大処理を式(9)にもとづいておこなう。

0034

0035

ここでy’は位置kに対応する拡大後の位置を示しており、0≦y’<hの値を取る。

0036

このとき発生する丸め誤差量ΔB2[s,y’]は式(10)となる。

0037

0038

つづいて、図3Aの(b−2)から(b−3)への処理では画像B2[s,y’]から画像‘B3[x’,y’]への水平方向の拡大処理を式(11)にもとづいておこなう。

0039

0040

発生する丸め誤差量ΔB3[x’,y’]は式(12)

0041

0042

となり、画像全体における丸め誤差の平均値は、式(7)から(8)への導出時と同じ考え方を用いることにより式(13)となる。

0043

0044

以上により、一連のハードウェア処理で生じる画像全体における丸め誤差の平均値は式(14)

0045

0046

となり、画像全体がハードウェア処理の前に比べて平均してYCbCr値が1.0ほど緑被りが生じることを意味している。

0047

これらの丸め誤差の問題に対して、従来ではハードウェアに四捨五入などの端数処理を施すことによって丸め誤差の発生を発生する提案がなされている。例えば、特許文献1では、丸め演算処理が行われる前に、丸め処理によって発生する誤差を考慮して事前に、画像データに対して加算処理をおこなうことにより丸め誤差の発生を抑制している。

先行技術

0048

特開平6−60178号公報

発明が解決しようとする課題

0049

しかしながら、上記特許文献1のように誤差を考慮した加算処理をおこなうためには、割り算処理の直前におこなう必要があり、ハードウェアに予め組み込まれている必要があった。

0050

そのため、既存の割り算時に四捨五入が行われないハードウェアを利用するためには、ハードウェアの修正が必要となり、経済的な負担が生じるため、現実的ではなかった。

0051

(発明の目的)
本発明の目的は、画像データのハードウエア処理における丸め誤差の蓄積を抑制することができる画像処理装置、印刷処理装置および画像処理方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0052

上記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、入力された第1の画像データに対し第1の処理を施して第2の画像データを生成する第1の処理手段と、前記第2の画像データに対し第2の処理を施して第3の画像データを生成する第2の処理手段とを有する画像処理装置であって、前記第1の画像データから前記第3の画像データを生成する過程において、前記第1の画像データから前記第3の画像データまでのいずれかに対して、画像データの諧調を2N回(Nは自然数反転させる諧調反転手段を有することを特徴とするものである。

発明の効果

0053

本発明によれば、画像データのハードウエア処理における丸め誤差の蓄積を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0054

本発明の実施例1である画像処理装置を具備した印刷処理装置の構成を示すブロック図である。
従来処理と実施例1の画像処理を対比して示すフローチャートである。
実施例1の画像処理の一部を示す図である。
実施例1の残りの画像処理を示す図である。
本発明の実施例2の画像処理を示すフローチャートである。
実施例2の画像処理の一部を示す図である。
実施例2の残りの画像処理を示す図である。
本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。

0055

本発明を実施するための形態は、以下の実施例1ないし3に記載される通りである。

0056

図1〜図5を参照して、本発明の実施例1である画像処理装置について述べる。なお、説明する実施例1は本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0057

システム構成の説明>
以下に、昇華型プリンタの印刷処理装置の構成を示した図1を参照して、本発明の実施例1である画像処理装置を具備する印刷処理装置の構成について述べる。

0058

101が各種メモリーカードをセットするカードリーダであって、メモリーカードに記録されたJpeg画像を読み出すことができる。102が不揮発性メモリ(以下ROMという)であって、プリンタを制御するプログラム等が格納されている。103がプリンタ全体を制御するシステム制御部であって、ROM102に収められているプログラムに沿ってプリンタ全体の制御をおこなう。104が揮発性メモリ(以下RAMという)であって、カードリーダ101から読み出した画像データの保持などを行う。また、後述する画像表示部108に表示するための表示用画像データ格納領域(VRAM)も設けられている。

0059

105が画像処理部であって、カードリーダ101から読み出したJpeg画像の伸張処理がおこなわれる。尚、本実施例1では、伸張処理はJpeg形式からYCbCr形式への変換とする。また、画像処理部105には、後述する、拡大処理と縮小処理をおこなう拡大縮小処理部110、入力された画像の諧調を反転する諧調反転部111、入力された画像に対してフィルタ処理をおこなうフィルタ処理部112、画像の回転処理をおこなう回転処理部113のハードウェア回路が設けられている。

0060

106が印刷画像生成部である。本実施例1での印刷処理システム昇華型の熱転写記録方式で、インクシートと用紙が一体になったインクカートリッジを採用する。インクシートは、印刷媒体印画領域を覆って、そのサイズとほぼ等しいサイズでイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インク層オーバーコート(OC)層が並べて設けられたものである。各1層ずつ熱転写しては、用紙を記録開始位置に戻し、用紙上に、順次重ねて転写される。そのため、印刷画像生成部106では、画像処理部105で生成された画像データをYCbCr形式からYMC形式への印刷データへの変換をおこなう。

0061

107が印刷処理部であり、サーマルヘッドコントローラからサーマルヘッドにデータを転送することにより用紙に順次熱転写しては用紙を記録開始位置に戻し、全色の印刷を行う。

0062

108が画像表示部であって、印画画像の選択を行うことができる。109がUI操作部であって、画像表示部108に表示されたメニュー画面などを操作する上下左右釦等や印刷釦等、選択された画像の印刷プレビュー画面を表示されるためのプレビューボタンが備わっている。

0063

拡大縮小処理部110のうちの縮小処理(第1の処理)をおこなう部分が第1の処理手段を構成し、拡大縮小処理部110のうちの拡大処理(第2の処理)をおこなう部分が第2の処理手段を構成する。

0064

<動作説明>
続いて、図2(b)、図3A図3Bを参照して実施例1の動作について説明をおこなう。図2(b)は図1の画像処理部105にておこなわれる各種画像処理のうちの一つのボケ画像の生成処理を示したフローである。ここでは、カードリーダ101に差し込まれたメモリーカード内の任意の画像が、画像処理部105によってYCbCrデータ伸長されてから処理が始まるものとする。なお、この処理は図2(a)で用いた丸め誤差の生じるハードウェアを用いても、丸め誤差の蓄積を抑制することが可能となる処理である。

0065

まず、ステップS203では入力された画像の縮小処理(第1の処理)を図1の拡大縮小処理部110にておこなう。このときの画像データの流れを示したものが図3Aの(a−1)から(a−3)である。入力された画像データ(A1)が第1の画像データに相当し、縮小された画像データ(A3)が第2の画像データに相当する。これらの一連の処理で生じる丸め誤差量の平均値は、式(1)〜式(8)より式(15)となる。

0066

0067

続くステップS204では、処理する画像データの諧調の反転処理図1の諧調反転部111を用いておこなう。諧調の反転方法としては、いくつかの方法が考えられるが、ここでは式(16)のように最大諧調値から、各々の諧調値を減算することにより、諧調の反転をおこない、画像A3から画像C1(図3B)に変換をおこなう。なお、諧調の反転は、画像データの論理演算における否定処理であってもよい。

0068

0069

続くステップS205では画像C1の拡大処理(第2の処理)を図1の拡大縮小処理部110にておこなう。この時の処理方法を示したのが図3Bの(c−1)〜(c−3)である。拡大された画像データ(C3)が第3の画像データに相当する。

0070

図3Bの(c−1)から(c−2)への処理では、画像C1[x,y]から画像C2[s,y‘]への垂直方向の拡大処理を式(17)にもとづいておこなう。

0071

0072

この時生じる丸め誤差ΔC2[s,y‘]は

0073

0074

となる。

0075

ここで、床関数floor(x)の性質として任意の実数x対して、天井関数との間に式(19)のような関係がある。

0076

0077

ここで、ceiling(x)とは実数xに対してx以上の最大の整数を返す関数であり、一般的に切り上げ処理と呼ばれている。

0078

この性質を利用することにより、式(17)は

0079

0080

と変換することができる。最後の返還式は式(9)を用いている。

0081

つづいて、図3Bの(c−2)から(c−3)への処理では画像C2[s,y’]から画像C3[x’,y’]への水平方向の拡大処理を式(21)にもとづいておこなう。

0082

0083

同様に、切り捨てられる丸め誤差ΔA3[s,k]は、式(22)となる。

0084

0085

これらの一連の拡大処理で生じる丸め誤差の平均値は式(18)と式(21)を用いて、式(7)から(8)への導出時と同じ考え方を用いることにより

0086

0087

となる。

0088

続くステップ206では、式(24)に基づいて再び諧調の反転処理をおこない処理を終える。

0089

0090

式(24)は、ステップS205でおこなわれる拡大処理における除算処理が、切り上げ処理として処理されること等しいことを意味している。

0091

また、一連の縮小処理と拡大処理で生じる画像全体における丸め誤差量の平均値は、式(15)と式(23)より

0092

0093

となる。

0094

以上により、拡大処理の前後で諧調の反転処理をおこなって、床関数と天井関数の関係を用いることにより、ハードウェア処理の端数処理を反対方向にすることが可能となり、結果として丸め誤差の蓄積を抑制することが可能となる。

0095

なお、諧調反転部111は、画像データ(A1)から画像データ(C3)を生成する過程において、画像データ(A1)、画像データ(A3)、画像データ(C3)のいずれかに対して、画像データの諧調を2N回(Nは自然数)反転させることができるものである(実施例1の場合にはN=1)。

0096

また、本実施例1では縮小処理、拡大処理に1次補完処理を用いたが、これに限らず、例えば2次補完やN次補完(Nは自然数)を用いてもよい。

0097

続いて、図4図5A図5Bを参照して本発明の実施例2の動作について説明をおこなう。本発明の実施例2である画像処理装置を具備する印刷処理装置の構成は図1と同様である。

0098

図4は、水平方向のみのフィルタリング処理を設けたハードウェアを用いて、画像を回転させることにより水平垂直の両方向に対してフィルタリング処理を行うものである。ここで利用するハードウェア処理は実施例1と同様に、演算時の1画素あたりのビット数が8bit(0〜255)でしか扱えず、割り算で生じる小数点が切り捨てされるものとする。本実施例2では、実施例1と同様に、2回目のフィルタリング処理の前後で諧調の反転処理を行うことにより、丸め誤差の蓄積が抑制される処理である。

0099

本実施例2では、フィルタ処理部112が第1の処理手段および第2の処理手段を構成する。まず、ステップS401では図1のフィルタ処理部112にて、入力された画像データに対して水平方向にフィルタリング処理をおこなう。このときの画像データの流れを示したものが図5Aの(a−1)〜(a−2)である。ここで、図中のD1[x,y]は水平、垂直の位置x,yでのYCbCr値を示しており、画像D1の水平方向のピクセル数をw、垂直方向のピクセル数をhとすると、それぞれ0≦x<w,0≦y<hの値を取る。

0100

フィルタリング後の値D2[x,y]は式(26)にもとづいて計算される。

0101

0102

ここで、このとき生じる丸め誤差ΔD2[x,y]は式(27)

0103

0104

となり、画像全体で生じる丸め誤差の平均値は式(28)

0105

0106

となる。式(27)がとりうる値は0〜0.75であるが、画像全体での取りうる値の出現率が同等であるとすると式(29)のように考えることができる。

0107

0108

続く、ステップS402では、図1の回転処理部113にて画像の90度回転処理が式(30)にもとづいてがおこなわれ、ステップS403へ進む。

0109

0110

このときの、画像データの流れを示したものが図5Aの(a−2)から(a−3)である。

0111

ステップS403では諧調の反転処理が式(31)にもとづいて行われ、画像データは図5Aの(a−3)から図5Bの(b−1)へと進む。

0112

0113

つづくステップS404では、水平方向のフィルタリング処理が再びおこなわれる。

0114

ここでフィルタリング方向は水平であるが、ステップS402で90度回転されているため、元の画像に対しては垂直方向のフィルタリング処理となる。フィルタリング処理の結果得られるYCbCr値を示したものが式(32)である。

0115

0116

このとき生じる丸め誤差は式(33)となり、

0117

0118

画像全体で生じる丸め誤差の平均値は式(29)と同様の考え方により、式(34)となる。

0119

0120

続くステップS405では、式(35)にもとづいて—90度回転がおこなわれる。

0121

0122

続くステップS406では、諧調の反転処理が式(36)にもとづいておこなわれ、処理を終える。

0123

0124

式(36)は、ステップS404でおこなわれるフィルタリング処理における除算処理が、切り上げ処理として処理されることと等しいことを意味している。

0125

また、一連のフィルタリング処理で生じる画像全体における丸め誤差量の平均値は、式(29)と式(34)より式(37)となる。

0126

0127

以上により、2回目のフィルタリング処理の前後で諧調の反転処理をおこなって、床関数と天井関数の関係を用いることによりハードウェア処理の端数処理を反対方向にすることが可能となり、結果として丸め誤差の蓄積を抑制することが可能となる。

0128

また、本実施例2ではフィルタリング処理の例として処理をおこなう注目画素の重みを周辺の1画素に対して2とした、ローパスフィルタ処理を用いたが、これに限らず、他の重み係数を利用したフィルタリング処理や周辺画素がN画素(Nは自然数)でもよい。

0129

続いて、図6を参照して本発明の実施例3の動作について説明をおこなう。本発明の実施例3である画像処理装置を具備する印刷処理装置の構成は図1と同様である。

0130

本実施例3では、実施例1で説明したボケ画像処理について、生成されたプレビュー用画像データによりプレビュー用画像として画像表示部108に表示する際には、図2(a)の「丸め誤差が蓄積される処理」を用いて、印刷用画像データを作成する際には、図2(b)の「丸め誤差の蓄積が抑制される処理」を持ちいる処理フローである。これにより、「丸め誤差が蓄積される処理」に比べて演算が多く、処理時間が遅くなる「丸め誤差の蓄積が抑制される処理」の短所を補うことが可能となる。

0131

まずステップS601では、ユーザがUI操作部109を使用し、メモリーカード内に保存されたJpeg画像から印刷をおこなう画像データの候補画像の選択をおこない、ステップS602へと進む。ステップS602では、ステップS601で選択された画像データをカードリーダ101から読み出す処理をおこない、ステップS603へと進む。

0132

ステップS603では、ユーザがUI操作部109に設けられているプレビューボタンが押されたか判断を行い、押された場合はステップS604へと進み、そうでない場合はステップS601へと戻る。

0133

続くステップS604では、画像表示部108に表示するためのプレビュー用画像の生成をおこなう。ここでは、画像表示部108の解像度が640x480のVGAサイズであるとし、ステップS601で選択されたJpeg画像の伸長処理と拡大縮小処理を画像処理部105にておこない、図1のRAM104に一時的に保存をおこなう。

0134

続くステップS605では、ステップS604で生成されたプレビュー用画像について、図2(a)に示してある「丸め誤差が蓄積されるボケ画像処理」(諧調反転をおこなわない処理)を施し、図1のRAM104内にあるVRAM領域に処理結果を保存することにより、画像表示部108にプレビュー用画像を表示し、ステップS606へと進む。ステップS606では、ユーザが印刷ボタンを押したか判断をおこない、押されていた場合はステップS607へと進み、そうでない場合はステップS601へと戻る。

0135

ステップS607では、ステップS606にて確定された印刷対象画像の伸長処理をおこない、Jpeg画像からYCbCrデータへの変換処理を画像処理部105にておこない、YCbCrデータを図1のRAM104に格納する。

0136

続くステップS608では、RAM104に格納されたYCbCrデータに対して、図2(b)に示した「丸め誤差の蓄積が抑制されるボケ画像処理」(諧調反転をおこなう処理)をおこない、つづくステップS609へと進む。ステップS609では、先ほど生成されたボケ画像処理された画像データをYCbCr形式からYMC形式への印刷用画像データへの変換を印刷画像生成部106にておこなう。続くステップS610では、ステップS609で生成された印刷用画像データを印刷処理部107がサーマルヘッドへ転送することにより印刷を行い、処理を終える。

実施例

0137

以上により、処理速度が最大限優先されるプレビュー処理では、処理は速いが、丸め誤差が蓄積される処理を用いて、画質が優先される印刷データ作成処理では、丸め誤差の蓄積が抑制される処理を用いることにより、各々の処理の短所を補うことが可能となる。

0138

103システム制御部
105画像処理部
106印刷画像生成部
107印刷処理部
108画像表示部
110拡大縮小処理部
111諧調反転部
112フィルタ処理部

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