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技術 内燃機関の排気浄化システム

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 吉田泰祐
出願日 2013年1月22日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2013-009156
公開日 2014年8月7日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2014-141890
状態 未査定
技術分野 内燃機関の複合的制御 排気の固体成分の処理
主要キーワード 保証距離 判別距離 オイルセンサ 基準流量 アッシュ量 PMセンサ 基準量 総走行距離
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

本発明は、内燃機関排気浄化システムにおいて、フィルタにPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することを目的とする。

解決手段

本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、内燃機関の排気通路に設けられ排気中の粒子状物質捕集するフィルタを備え、前記フィルタが初期状態にある時から前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも増大するアッシュ量増大制御を実行する。

概要

背景

内燃機関排気通路には、排気に含まれる粒子状物質(以下、PMと称する)を捕集するためのフィルタが設けられる場合がある。フィルタには、捕集されたPMが徐々に堆積する。フィルタにおけるPM堆積量が増加すると、該フィルタより上流側の排気圧力が上昇する。そのため、内燃機関での圧力損失が増大する。

また、PMには、未燃燃料成分等の他に、内燃機関の潤滑油由来金属化合物からなるアッシュが含まれている。

特許文献1には、フィルタにおけるPM堆積量が閾値を超える度に、PMを燃焼させるためにフィルタを所定温度熱処理する粒子状物質処理工程と、所定温度よりも高い温度でフィルタを熱処理してフィルタに捕集されているアッシュをシュリンクさせるアッシュ処理工程とを備えるアッシュ処理方法が開示されている。

概要

本発明は、内燃機関の排気浄化システムにおいて、フィルタにPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することを目的とする。本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、内燃機関の排気通路に設けられ排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、前記フィルタが初期状態にある時から前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも増大するアッシュ量増大制御を実行する。

目的

本発明は、内燃機関の排気浄化システムにおいて、フィルタにPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

内燃機関排気通路に設けられ排気中の粒子状物質捕集するフィルタを備え、前記フィルタが初期状態にある時から前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも増大するアッシュ量増大制御を実行する内燃機関の排気浄化システム

請求項2

前記アッシュ量増大制御が、内燃機関の筒内負圧を大きくする制御であって、前記フィルタにおける粒子状物質の堆積量が所定PM堆積量より少ないときは前記アッシュ量増大制御の実行を禁止する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。

請求項3

前記所定アッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量であって、前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が、前記第一所定アッシュ堆積量より多く且つアッシュ堆積量の許容範囲の上限値より少ない第二所定アッシュ堆積量以上となった場合、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が前記基準量よりも少なくなるアッシュ量低減制御を実行する請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システム。

請求項4

前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が前記第二所定アッシュ堆積量以上であるか否かを、内燃機関を搭載した車両の総走行距離が所定判別距離に達した時に判別する請求項3に記載の内燃機関の排気浄化システム。

請求項5

前記アッシュ量低減制御が、内燃機関の筒内負圧を小さくする制御であって、前記フィルタにおける粒子状物質の堆積量が所定PM堆積量より少ないときは前記アッシュ量低減制御の実行を禁止する請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化システム。

請求項6

前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が前記所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、前記フィルタに流入する排気の流量を基準流量よりも低減させる排気流量低減制御を実行する請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化システム。

請求項7

前記フィルタの温度を上昇させることで、前記フィルタに堆積したアッシュ以外の粒子状物質を酸化させて除去するフィルタ再生処理を実行するフィルタ再生処理実行部をさらに備え、前記アッシュ量増大制御の実行開始の時点から、該アッシュ量増大制御の実行終了後に実行される前記フィルタ再生処理の実行終了までの間、前記排気流量低減制御を実行する請求項6に記載の内燃機関の排気浄化システム。

請求項8

前記内燃機関がガソリンエンジンである請求項1から7に記載の内燃機関の排気浄化システム。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関排気浄化システムに関する。

背景技術

0002

内燃機関の排気通路には、排気に含まれる粒子状物質(以下、PMと称する)を捕集するためのフィルタが設けられる場合がある。フィルタには、捕集されたPMが徐々に堆積する。フィルタにおけるPM堆積量が増加すると、該フィルタより上流側の排気圧力が上昇する。そのため、内燃機関での圧力損失が増大する。

0003

また、PMには、未燃燃料成分等の他に、内燃機関の潤滑油由来金属化合物からなるアッシュが含まれている。

0004

特許文献1には、フィルタにおけるPM堆積量が閾値を超える度に、PMを燃焼させるためにフィルタを所定温度熱処理する粒子状物質処理工程と、所定温度よりも高い温度でフィルタを熱処理してフィルタに捕集されているアッシュをシュリンクさせるアッシュ処理工程とを備えるアッシュ処理方法が開示されている。

先行技術

0005

特開2010−229927

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、内燃機関の排気浄化システムにおいて、フィルタにPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、
内燃機関の排気通路に設けられ排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、
前記フィルタが初期状態にある時から前記フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも増大するアッシュ量増大制御を実行する。

0008

フィルタにおいて、PMは、該フィルタの隔壁に形成された細孔内およびフィルタの隔壁の表面に堆積する。以下、フィルタの隔壁に形成された細孔内にPMが堆積することを内部堆積と称し、フィルタの隔壁の表面上にPMが堆積することを表層堆積と称する。

0009

ここで、PMの内部堆積の方が、表層堆積に比べて圧力損失に与える影響が大きい。即ち、同一量のPMが内部堆積した場合と表層堆積した場合との圧力損失を比較した場合、内部堆積した場合の方が圧力損失がより大きくなる。

0010

本発明においては、フィルタが初期状態にある時から該フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも増大するアッシュ量増大制御が実行される。ここで、基準量とは、アッシュ量増大制御が実行されずに内燃機関が通常運転された場合に、該内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量のことである。

0011

アッシュ量増大制御が実行されると、フィルタに流入するアッシュの量が増加する。フィルタに流入したアッシュはある程度内部堆積もするが、その流入量が増加されることでアッシュの表層堆積が促進される。そのため、フィルタが初期状態にある時からアッシュ量増大制御が実行されると、フィルタの隔壁の表面上にアッシュの堆積層が形成される。

0012

フィルタの隔壁の表面上にアッシュの堆積層が形成されると、それ以降はPMが隔壁の細孔内に入り込み難くなる。そのため、PMの内部堆積が促進され難くなる。従って、本発明によれば、フィルタにPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することができる。

0013

ただし、アッシュはアッシュ以外のPMに比べて融点が高いため、一旦堆積すると除去され難い。そのため、本発明においては、アッシュの過堆積を抑制すべく、アッシュ量増大制御を実行する時期は、フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達するまでの間とする。ここで、所定アッシュ堆積量とは、フィルタの隔壁の表面上にある程度のアッシュの堆積層が形成されたと判断できる堆積量であって、実験等に基づいて予め定められた値である。

0014

本発明において、アッシュ量増大制御は、内燃機関の筒内負圧を大きくする制御であってもよい。内燃機関の筒内負圧が大きくなると、ボア壁面ピストン外周面との間を通って気筒内に引き込まれる潤滑油の量が増加する。その結果、アッシュの生成量が増加するため、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量も増加する。

0015

ただし、アッシュ量増大制御がこのような制御である場合、該アッシュ量増大制御を実行すると潤滑油の消費量が増加する。また、フィルタにおけるPM堆積量が非常に少ない状態では、アッシュがフィルタの隔壁に形成された細孔をすり抜け易い。そのため、このような状態の時にアッシュ量増大制御を実行しても、アッシュの堆積層は形成され難い。

0016

そこで、本発明においては、フィルタにおけるPM堆積量が所定PM堆積量より少ないときはアッシュ量増大制御の実行を禁止してもよい。ここで、所定PM堆積量とは、アッシュがフィルタの隔壁に形成された細孔をすり抜けることが抑制される程度のPM堆積量であって、実験等に基づいて予め定められた値である。

0017

これによれば、フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量に達していない場合であっても、アッシュの堆積層が形成され難いときは、アッシュ量増大制御の実行が禁止される。従って、アッシュ量増大制御の実行に伴う潤滑油の消費量の増加を抑制することができる。

0018

本発明において、前記所定アッシュ堆積量を第一所定アッシュ堆積量とすると、フィルタにおけるアッシュ堆積量が、該第一所定アッシュ堆積量より多く且つアッシュ堆積量の許容範囲の上限値より少ない第二所定アッシュ堆積量以上となった場合、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量が前記基準量よりも少なくなるアッシュ量低減制御を実行してもよい。

0019

フィルタにおけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達すると、それ以降はアッシュ量増大制御は行われない。しかしながら、フィルタにおけるアッシュ堆積量はその後も徐々に増加する。そして、上記によれば、フィルタにおけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値より少ない第二所定アッシュ堆積量に達するとアッシュ量低減制御が実行される。アッシュ量低減制御が実行されると、フィルタに流入するアッシュの量が減少する。従って、アッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達する前に、アッシュ堆積量の増加速度を低減させることができる。そのため、フィルタにおけるアッシュの過堆積を抑制すること
ができる。

0020

また、フィルタにおけるアッシュ堆積量が第二所定アッシュ堆積量以上であるか否かを判別する時期を、内燃機関を搭載した車両の総走行距離が所定判別距離に達した時としてもよい。この場合、第二所定アッシュ堆積量は所定判別距離に応じて設定される。

0021

本発明において、アッシュ量低減制御は、内燃機関の筒内負圧を小さくする制御であってもよい。内燃機関の筒内負圧が小さくなると、ボア壁面とピストンの外周面との間を通って気筒内に引き込まれる潤滑油の量が減少する。その結果、アッシュの生成量が減少するため、内燃機関から排出される排気に含まれるアッシュの量も減少する。

0022

ただし、アッシュ量低減制御がこのような制御である場合、該アッシュ量低減制御を実行するとエンジンブレーキの効果が小さくなる(即ち、エンジンブレーキの効きが弱くなる)。そこで、本発明においては、フィルタにおけるPM堆積量が所定PM堆積量より少ないときはアッシュ量低減制御の実行を禁止してもよい。ここで、所定PM堆積量とは、上述した所定PM堆積量と同様、アッシュがフィルタの隔壁に形成された細孔をすり抜けることが抑制される程度のPM堆積量であって、実験等に基づいて予め定められた値である。

0023

これによれば、フィルタにおけるアッシュ堆積量が第二所定アッシュ堆積量以上であっても、アッシュ堆積量が増加し難いときは、アッシュ量低減制御の実行が禁止される。従って、エンジンブレーキの効果が小さくなる時期の発生頻度を抑制することができる。

0024

また、フィルタに流入する排気の流量が多い場合、フィルタの上流部分よりもその下流部分にアッシュがより堆積し易くなる。そこで、本発明においては、フィルタにおけるアッシュ堆積量が所定アッシュ堆積量(第一所定アッシュ堆積量)に達するまでの間に、フィルタに流入する排気の流量を基準流量よりも低減させる排気流量低減制御を実行してもよい。ここで、基準流量とは、排気流量低減制御が実行されずに内燃機関が通常運転された場合に、フィルタに流入する排気の流量のことである。

0025

これによれば、アッシュ量増大制御を実行することで増大したフィルタ内のアッシュが、該フィルタの下流部分に集中して堆積することを抑制することができる。そのため、フィルタの上流側部分から下流側部分にかけて、フィルタの隔壁の表面上にアッシュの堆積層をより均一に形成することができる。アッシュによるフィルタ閉塞リスクを考慮すると、アッシュ堆積量は少ない程良く、フィルタの隔壁の表面上にアッシュの堆積層をより均一に形成することにより、PMの内部堆積をより効果的に抑制することができる。

0026

ここで、内燃機関においては排気流量低減制御を長期間継続して実行することが困難な場合がある。また、フィルタの温度を上昇させることで、フィルタに堆積したアッシュ以外のPMを酸化させて除去するフィルタ再生処理が実行されている時は、フィルタが高温となるため、アッシュが凝集して安定した状態となり易い。

0027

そこで、本発明に係る排気浄化システムがフィルタ再生処理を実行するフィルタ再生処理実行部をさらに備えている場合は、排気流量低減制御の実行期間を、アッシュ量増大制御の実行開始の時点から、該アッシュ量増大制御の実行終了後に実行されるフィルタ再生処理の実行終了までの間としてもよい。これによれば、フィルタに流入したアッシュが凝集するタイミング、即ちアッシュの堆積層が安定して形成され易いタイミングでフィルタに流入する排気の流量が低減される。従って、フィルタの隔壁の表面上にアッシュの堆積層をより均一に形成することが可能となる。

0028

本発明に係る内燃機関は、ガソリンエンジンであってもよい。ガソリンエンジンは、排気に含まれるPM全体の量はディーゼルエンジンに比べて少ないが、PMに含まれるアッシュの割合はディーゼルエンジンに比べて高い。そのため、本発明に係る内燃機関がガソリンエンジンである場合、上述した各制御を実行した際の効果をより好適に得ることができる。

発明の効果

0029

本発明によれば、フィルタにPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0030

実施例1に係る内燃機関の吸排気系概略構成を示す図である。
フィルタにおけるPM堆積量と圧力損失との関係を示す図である。
実施例1に係るアッシュ量増大制御のフローを示すフローチャートである。
実施例2に係るアッシュ量増大制御のフローを示すフローチャートである。
実施例3に係るアッシュ量低減制御のフローを示すフローチャートである。
車両の総走行距離に対するフィルタにおけるアッシュ堆積量の推移を示す図である。
実施例4に係るアッシュ量低減制御のフローを示すフローチャートである。
アッシュ量増大制御を実行することでフィルタの隔壁の表面上に形成されるアッシュの堆積層の状態を示す図である。図8(a)は、排気流量低減制御を実行していない場合のアッシュの堆積層の状態を示しており、図8(b)は、実施例5に係る排気流量低減制御を実行した場合のアッシュの堆積層の状態を示している。

実施例

0031

以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

0032

<実施例1>
[内燃機関の吸排気系の概略構成]
ここでは、本発明を、車両駆動用のガソリンエンジンの排気浄化システムに適用した場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、ディーゼルエンジン等の排気浄化システムにも適用することができる。

0033

図1は、本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は車両駆動用のガソリンエンジンである。内燃機関1には、吸気通路2及び排気通路3が接続されている。

0034

吸気通路2には、エアフローメータ4、スロットル弁5、及び吸気圧センサ16が設けられている。エアフローメータ4は内燃機関1の吸入空気量を検出する。スロットル弁5は、吸気通路2の流路断面積を変更することで、該吸気通路2を流通する吸気の流量を調節する。吸気圧センサ16は、スロットル弁5よりも下流側の吸気通路2内の圧力を検出する。

0035

排気通路3には、排気中のPMを捕集するフィルタ6が設けられている。フィルタ6は、多孔質材からなる隔壁によって区画され該フィルタ6の軸方向に延びる複数のセルを有するウォールフロー型のフィルタである。フィルタ6より上流側の排気通路3には、前段触媒として酸化触媒7が設けられている。尚、前段触媒は、酸化触媒に限られるものではなく、酸化機能を有する触媒(例えば、吸蔵還元型NOx触媒)であればよい。酸化触媒
7より上流側の排気通路3には燃料添加弁8が設けられている。燃料添加弁8は排気中に燃料を添加する。

0036

また、排気通路3には差圧センサ13及び排気温度センサ14が設けられている。差圧センサ13は、フィルタ6より上流側の排気圧力とフィルタ6より下流側の排気圧力との差(以下、前後差圧と称する)を検出する。排気温度センサ14は、フィルタ6より下流側の排気通路3に設けられており、排気の温度を検出する。

0037

内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU)10が併設されている。ECU10には、エアフローメータ4、吸気圧センサ16、差圧センサ13、及び排気温度センサ14等の各センサ電気的に接続されている。さらに、ECU10には、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12、及びオイルセンサ15が電気的に接続されている。クランク角センサ11は、内燃機関1のクランク角を検出する。アクセル開度センサ12は、内燃機関1が搭載された車両のアクセル開度センサを検出する。オイルセンサ15は、内燃機関1のオイルパンにおける潤滑油の残量を検出する。そして、各センサの出力信号がECU10に入力される。ECU10は、クランク角センサ11の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度導出することができる。また、ECU10は、アクセル開度センサ12の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出することができる。

0038

さらに、ECU10には、スロットル弁5及び燃料添加弁8が電気的に接続されている。そして、ECU10によって、これらの装置の動作が制御される。

0039

[フィルタ再生処理]
例えば、ECU10は、燃料添加弁8から燃料を添加することでフィルタ再生処理を実行する。フィルタ6には、該フィルタ6に捕集されたPMが徐々に堆積する。フィルタ再生処理は、このフィルタ6に堆積したPMを除去するための制御である。

0040

燃料添加弁8から燃料が添加されると、該燃料が酸化触媒7に供給される。酸化触媒7に供給された燃料は該酸化触媒7によって酸化し、それによって酸化熱が生じる。この酸化熱によってフィルタ6に流入する排気の温度が上昇し、それによってフィルタ6が昇温する。その結果、フィルタ6に堆積したPMが酸化され除去される。

0041

フィルタ再生処理では、燃料添加弁8からの燃料添加量を調節することで、フィルタ6の温度を所定の目標温度に制御する。この目標温度は、PMの酸化が促進される温度であって且つフィルタ6の破損及び溶損を抑制することが可能な温度であり、実験等に基づいて予め定められている。尚、フィルタ6の温度は排気温度センサ14の検出値に基づいて推定することができる。

0042

ただし、PMに含まれるアッシュは他のPMに比べて融点が高いため、フィルタ再生処理を実行しても除去され難い。そのため、フィルタ6に一旦堆積したアッシュは堆積したままとなる。

0043

尚、本実施例においては、ECU10は、差圧センサ13によって検出されるフィルタ6の前後差圧に基づいてフィルタ6におけるPM堆積量を推定する。フィルタ6におけるPM堆積量が増加すると、フィルタ6の前後差圧が大きくなる。そのため、フィルタ6の前後差圧に基づいてフィルタ6におけるPM堆積量を推定することができる。また、内燃機関1の運転状態に基づいてフィルタ6に流入するPM量を推定し、該PM流入量を積算することでフィルタ6におけるPM堆積量を推定することもできる。また、フィルタ6より下流側の排気通路3に排気中のPMを検出するPMセンサを設け、該PMセンサの検出
値を用いてフィルタ6におけるPM堆積量を推定することもできる。そして、前回のフィルタ再生処理の実行終了後、PM堆積量の推定値がフィルタ再生処理の実行開始の閾値以上となった時にフィルタ再生処理を再度実行する。

0044

[アッシュ量増大制御]
上記のようなフィルタ再生処理が実行されていない間においては、フィルタ6におけるPM堆積量は徐々に増加する。フィルタ6におけるPM堆積量が増加すると、該フィルタ6より上流側の排気圧力が上昇する。そのため、内燃機関1での圧力損失が増大する。

0045

図2は、フィルタにおけるPM堆積量と圧力損失との関係を示す図である。図2において、横軸はフィルタにおけるPM堆積量を表しており、縦軸は圧力損失を表している。また、図2において、実線は、従来の両者の関係を示しており、破線は、後述するような本実施例に係るアッシュ量増大制御を実行した場合の両者の関係を示している。

0046

フィルタにおけるPMの堆積には、フィルタの隔壁に形成された細孔内に堆積する内部堆積と、フィルタの隔壁の表面に堆積する表層堆積とがある。そして、図2における実線で示すように、PMの内部堆積の方が、表層堆積に比べて圧力損失に与える影響が大きい。即ち、同一量のPMが内部堆積した場合と表層堆積した場合との圧力損失を比較した場合、内部堆積した場合の方が圧力損失がより大きくなる。そのため、PMの内部堆積の増加を抑制すれば、圧力損失の増加を抑制することができる。

0047

そこで、本実施例では、フィルタ6におけるPMの内部堆積の増加を抑制すべく、フィルタ6が初期状態(即ち、フィルタ6が車両に取り付けられた当初の状態であって、PM堆積量が略の状態)にある時から該フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達するまでの間に、内燃機関1から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも増大するアッシュ量増大制御を実行する。

0048

ここで、基準量とは、アッシュ量増大制御が実行されずに内燃機関1が通常運転された場合に、該内燃機関1から排出される排気に含まれるアッシュの量のことである。尚、この基準量は、通常運転としては内燃機関から排出されるアッシュの量が最大になる運転状態で内燃機関1が運転された場合のアッシュの量であってもよい。

0049

アッシュ量増大制御が実行されると、フィルタ6に流入するアッシュの量が増加する。フィルタ6に流入したアッシュはある程度内部堆積もするが、その流入量が増加されることでフィルタ6におけるアッシュの表層堆積が促進される。そのため、フィルタ6が初期状態にある時からアッシュ量増大制御が実行されると、PMの内部堆積量が比較的少ないうちにフィルタ6の隔壁の表面上にアッシュの堆積層が形成される。

0050

フィルタ6の隔壁の表面上にアッシュの堆積層が形成されると、それ以降はPMが隔壁の細孔内に入り込み難くなる。そのため、PMの内部堆積が促進され難くなり、PM堆積のほとんどが表層堆積となる。その結果、図2における破線で示すように、フィルタ6にPMが堆積することによる圧力損失の増加を抑制することが可能となる。

0051

ただし、上述したように、アッシュは一旦フィルタ6に堆積すると除去することが困難である。従って、アッシュ量増大制御を実行し過ぎると、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値にまで達する時期が過剰に早くなる。

0052

そこで、本実施例においては、アッシュ量増大制御を実行する期間を、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達するまでとする。ここで、第一所定アッシュ堆積量とは、フィルタ6の隔壁の表面上にある程度のアッシュの堆積層が形成され
たと判断できる堆積量であって、実験等に基づいて予め定められた値である。このように、アッシュ量増大制御を実行する期間を制限することで、アッシュの過堆積を抑制することができる。

0053

図3は、本実施例に係るアッシュ量増大制御のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU10に予め記憶されており、ECU10によって繰り返し実行される。

0054

本フローでは、先ずステップS101において、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが算出される。フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashは、例えば、フィルタ再生処理の実行が終了した時点のフィルタ前後差圧に基づいて算出することができる。フィルタ再生処理の実行が終了した時点では、フィルタ6からはアッシュ以外のPMが除去されており、フィルタ6にほぼアッシュのみが堆積した状態となっている。従って、この時点のフィルタ前後差圧に基づいてフィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashを推定することができる。

0055

また、アッシュは、内燃機関1の潤滑油が気筒内での燃焼に供されることによって生成されるものである。従って、内燃機関1から排出されるアッシュの積算量が増加するにつれて、内燃機関1のオイルパンにおける潤滑油の残量が減少する。そのため、オイルセンサ15によって検出される潤滑油の残量に基づいてフィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashを推定することもできる。

0056

次に、ステップS102において、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第一所定アッシュ堆積量Qash1より少ないか否かが判別される。ステップS102において否定判定された場合、即ち、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第一所定アッシュ堆積量Qash1以上となっている場合は、本フローの実行が終了される。

0057

一方、ステップS102において肯定判定された場合、次にステップS103において、アッシュ量増大制御が実行される。本実施例に係るアッシュ量増大制御とは、具体的には、内燃機関1の筒内負圧を大きくする制御である。例えば、本実施例においては、内燃機関1における燃料噴射を停止する所謂フューエルカット制御の実行中にスロットル弁5の開度を小さくすることで、内燃機関1の吸気行程時の筒内負圧を大きくし、これによってアッシュ量増大制御を実現する。尚、フューエルカット制御の実行中に、スロットル弁5に代えて、アイドルスピードコントロールバルブISCバルブ)の開度を小さくすることで、内燃機関1の筒内負圧を大きくしてもよい。

0058

内燃機関1の筒内負圧が大きくなると、ボア壁面とピストンの外周面との間を通って気筒内に引き込まれる潤滑油の量が増加する。これにより、気筒内での燃焼に供される潤滑油の量が増加する。その結果、アッシュの生成量が増加するため、内燃機関1から排出される排気に含まれるアッシュの量が増大される。

0059

上記の場合、アッシュ量増大制御は、実際には、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第一所定アッシュ堆積量Qash1より少ないときのフューエルカット制御の実行中に実行されることになる。そして、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第一所定アッシュ堆積量Qash1以上となると、アッシュ量増大制御の実行が禁止される。

0060

<実施例2>
[アッシュ量増大制御]
本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。以下、本実施例に係るアッシュ量増大制御について実施例1と異なる点を主に説明する。

0061

本実施例に係るアッシュ量増大制御も、実施例1と同様、内燃機関1の筒内負圧を大きくし、それによって、気筒内での燃焼に供される潤滑油の量を増加させる制御である。この場合、アッシュ量増大制御を実行すると潤滑油の消費量が増加することになる。

0062

そこで、本実施例においては、潤滑油の消費量を抑制すべく、アッシュ量増大制御の実行条件をより制限する。具体的には、フィルタ6におけるPM堆積量が所定PM堆積量より少ないときはアッシュ量増大制御の実行を禁止する。

0063

フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第一所定アッシュ堆積量Qash1より少ないときにおいても、フィルタ6におけるPM堆積量がフィルタ再生処理の実行開始の閾値以上となった場合、フィルタ再生処理が実行される。フィルタ再生処理が実行されると、フィルタ6からアッシュ以外のPMがほとんど除去された状態となる。

0064

ここで、フィルタ6におけるPM堆積量が非常に少ない状態では、フィルタ6に流入したアッシュがフィルタ6の隔壁に形成された細孔をすり抜け易い。そのため、このような状態の時にアッシュ量増大制御を実行しても、フィルタ6の隔壁の表面上にアッシュの堆積層は形成され難い。

0065

そこで、本実施例においては、上述したように、フィルタ6におけるPM堆積量が所定PM堆積量より少ないときはアッシュ量増大制御の実行を禁止する。ここで、所定PM堆積量とは、アッシュがフィルタ6の隔壁に形成された細孔をすり抜けることが抑制される程度のPM堆積量であって、実験等に基づいて予め定められた値である。尚、この所定PM堆積量は、当然のことながら、フィルタ再生処理の実行開始の閾値よりも小さい値である。

0066

これによれば、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達していない場合であっても、アッシュの堆積層が形成され難いときは、アッシュ量増大制御の実行が禁止される。つまり、アッシュの堆積層が形成され易いときにのみアッシュ量増大制御が実行される。従って、アッシュ量増大制御の実行に伴う潤滑油の消費量の増加を抑制することができる。

0067

図4は、本実施例に係るアッシュ量増大制御のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU10に予め記憶されており、ECU10によって繰り返し実行される。尚、本フローは、図3に示すフローチャートにステップS202が追加されたものである。そのため、ステップS202での処理についてのみ説明し、その他のステップでの処理についての説明は省略する。

0068

本フローでは、ステップS102において肯定判定された場合、次にステップS202において、フィルタ6におけるPM堆積量Qpmが所定PM堆積量Qpm0以上であるか否かが判別される。尚、フィルタ6におけるPM堆積量Qpmは、上述したように、フィルタ6の前後差圧等に基づいて推定される。

0069

そして、ステップS202において否定判定された場合、即ち、フィルタ6におけるPM堆積量Qpmが所定PM堆積量Qpm0より少ない場合は、本フローの実行が終了される。つまり、アッシュ量増大制御の実行が禁止される。一方、ステップS202において肯定判定された場合、次にステップS103においてアッシュ量増大制御が実行される。

0070

<実施例3>
本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施
例においても、実施例1又は2と同様に、アッシュ量増大制御が実行される。

0071

[アッシュ量低減制御]
フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達すると、それ以降はアッシュ量増大制御は行われない。しかしながら、フィルタ6におけるアッシュ堆積量はその後も徐々に増加する。また、アッシュ量増大制御が実行された場合、アッシュ量増大制御が実行されない場合に比べて、車両の総走行距離がより短い段階で、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達する。そのため、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達した時点以降において、内燃機関1がアッシュの排出量が多い運転状態で通常運転された場合に、車両の総走行距離が保証距離に達する以前にフィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達する可能性が高くなる。

0072

そこで、本実施例では、このようなアッシュの過堆積を抑制すべく、車両の総走行距離が所定判別距離に達した時にフィルタ6におけるアッシュ堆積量が第二所定アッシュ堆積量以上となっていた場合、内燃機関1から排出される排気に含まれるアッシュの量が基準量よりも少なくなるアッシュ量低減制御を実行する。

0073

ここで、第二所定アッシュ堆積量とは、第一所定アッシュ堆積量より多く且つアッシュ堆積量の許容範囲の上限値より少ない量である。また、所定判別距離は、車両の保証走行距離よりも短い距離である。第二所定アッシュ堆積量は所定判別距離に応じて定められた値である。つまり、車両の総走行距離が所定判別距離に達した時にフィルタ6におけるアッシュ堆積量が第二所定アッシュ堆積量であると、その後、アッシュの内燃機関1からの排出量が最大となる運転状態で内燃機関1が通常運転された場合、車両の総走行距離が保証距離となった時点でフィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値となる。このような所定判別距離及び第二所定アッシュ堆積量は、実験等に基づいて求めることができ、ECU10に予め記憶されている。

0074

アッシュ量低減制御が実行されると、フィルタ6に流入するアッシュの量が減少する。従って、本実施例によれば、アッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達する前に、アッシュ堆積量の増加速度を低減させることができる。そのため、フィルタ6におけるアッシュの過堆積を抑制することができる。つまり、車両の総走行距離が保証距離に達する以前にフィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達することを抑制することができる。

0075

図5は、本実施例に係るアッシュ量低減制御のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU10に予め記憶されており、ECU10によって繰り返し実行される。

0076

本フローでは、先ずステップS301において、内燃機関1を搭載した車両の総走行距離Dvが所定判別距離Dv0に達したか否かが判別される。ステップS301において否定判定された場合、即ち、車両の総走行距離Dvが所定判別距離Dv0に達していない場合、本フローの実行が一旦終了される。

0077

一方、ステップS301において肯定判定された場合、次にステップS302において、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが算出される。ここでのアッシュ堆積量の算出方法は、図3に示すフローチャートのステップS101における算出方法と同様である。

0078

次に、ステップS303において、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第二所定アッシュ堆積量Qash2以上であるか否かが判別される。ステップS303におい
て否定判定された場合、即ち、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第二所定アッシュ堆積量Qash2より少ない場合は、本フローの実行が終了される。

0079

一方、ステップS303において肯定判定された場合、次にステップS304において、アッシュ量低減制御が実行される。本実施例に係るアッシュ量低減制御とは、具体的には、内燃機関1の筒内負圧を小さくする制御である。例えば、本実施例においては、フューエルカット制御の実行中にスロットル弁5の開度を大きくすることで、内燃機関1の吸気行程時の筒内負圧を小さくし、これによってアッシュ量低減制御を実現する。尚、フューエルカット制御の実行中に、スロットル弁5に代えて、ISCバルブの開度を大きくすることで、内燃機関1の筒内負圧を小さくしてもよい。

0080

内燃機関1の筒内負圧が小さくなると、ボア壁面とピストンの外周面との間を通って気筒内に引き込まれる潤滑油の量が減少する。これにより、気筒内での燃焼に供される潤滑油の量が減少する。その結果、アッシュの生成量が減少するため、内燃機関1から排出される排気に含まれるアッシュの量が低減される。

0081

上記の場合、アッシュ量低減制御は、実際には、フィルタ6におけるアッシュ堆積量Qashが第二所定アッシュ堆積量Qash2以上のときのフューエルカット制御の実行中に実行されることになる。

0082

図6は、車両の総走行距離に対するフィルタ6におけるアッシュ堆積量の推移を示す図である。図6において、横軸は車両の総走行距離を表しており、縦軸はフィルタ6におけるアッシュ堆積量を表している。また、図6において、一点鎖線は、フィルタ6が初期状態の時からアッシュの排出量が最大となる運転状態で内燃機関1が継続して通常運転された場合のフィルタ6におけるアッシュ堆積量の推移を示している。この場合、図6に示すように、車両の総走行距離が保証距離に達した時点で、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値となる。

0083

本実施例では、フィルタ6が初期状態の時から、即ち、車両の総走行距離が零の時点から、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量Qash1に達するまでの間にアッシュ量増大制御が実行される。そして、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一アッシュ所定堆積量Qash1に達した時点以降は、アッシュ量増大制御は行われず、内燃機関1が通常運転される。

0084

ここで、図6において、L1は、アッシュ量増大制御の実行期間の終了後にアッシュの排出量が比較的少ない運転状態で内燃機関1が通常運転された場合のフィルタ6におけるアッシュ堆積量の推移を示している。一方、L2は、アッシュ量増大制御の実行期間の終了後にアッシュの排出量が最大となる運転状態で内燃機関1が通常運転された場合のフィルタ6におけるアッシュ堆積量の推移を示している。

0085

フィルタ6におけるアッシュ堆積量がL1で示すように推移した場合、車両の総走行距離が保証距離に達した時点でもアッシュ堆積量は許容範囲の上限値には達しない。一方、フィルタ6におけるアッシュ堆積量がL2で示すように推移した場合、車両の総走行距離が保証距離に達する以前にアッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達してしまう。この場合、車両の総走行距離が所定判別距離Dv0に達した時点でのフィルタ6におけるアッシュ堆積量が第二所定アッシュ堆積量Qash2以上となっている。

0086

そのため、本実施例では、この場合、車両の総走行距離が所定判別距離Dv0に達した時点からアッシュ量低減制御が実行される。図6におけるL3が、このアッシュ量低減制御を実行した場合のフィルタ6におけるアッシュ堆積量の推移を示している。このL3に
示すように、アッシュ量低減制御が実行されることで、フィルタ6におけるアッシュ堆積量の増加速度が小さくなる。その結果、車両の走行距離が保証距離に達する以前にフィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達することが抑制される。

0087

尚、本実施例においては、アッシュ量低減制御の実行を開始してから、車両の総走行距離とフィルタ6におけるアッシュ堆積量とが図6における一点鎖線上に表される値に達した時にアッシュ量低減制御の実行を停止してもよい。車両の総走行距離とフィルタ6におけるアッシュ堆積量とが図6における一点鎖線上に表される値に達すれば、その後、アッシュの排出量が最大となる運転状態で内燃機関1が通常運転された場合であっても、車両の総走行距離が保証距離に達する以前にフィルタ6におけるアッシュ堆積量が許容範囲の上限値に達することが抑制される。

0088

また、車両の総走行距離に関わらず、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量より多く且つ許容範囲の上限値より少ない所定のアッシュ堆積量に達したときにアッシュ量低減制御を実行することで、アッシュの過堆積を抑制してもよい。

0089

<実施例4>
本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例においても、実施例1又は2と同様に、アッシュ量増大制御が実行される。以下、本実施例に係るアッシュ量低減制御について実施例3と異なる点を主に説明する。

0090

[アッシュ量低減制御]
本実施例に係るアッシュ量低減制御も、実施例3と同様、内燃機関1の筒内負圧を小さくし、それによって、気筒内での燃焼に供される潤滑油の量を減少させる制御である。この場合、アッシュ量低減制御を実行するとエンジンブレーキの効果が小さくなる(即ち、エンジンブレーキの効きが弱くなる)。

0091

そこで、本実施例においては、エンジンブレーキの効果が小さくなる時期の発生頻度を抑制すべく、アッシュ量低減制御の実行条件をより制限する。具体的には、フィルタ6におけるPM堆積量が所定PM堆積量より少ないときはアッシュ量低減制御の実行を禁止する。ここで、所定PM堆積量とは、実施例2に係る所定PM堆積量と同様、アッシュがフィルタ6の隔壁に形成された細孔をすり抜けることが抑制される程度のPM堆積量である。

0092

これによれば、車両の総走行距離が所定判別距離に達した時点でフィルタ6におけるアッシュ堆積量が第二所定アッシュ堆積量以上であっても、アッシュ堆積量が増加し難いときは、アッシュ量低減制御の実行が禁止される。つまり、図6に示すようなアッシュ量低減制御の実行期間中において、アッシュの堆積層が形成され易いときにのみアッシュ量低減制御が実行される。従って、エンジンブレーキの効果が小さくなる時期の発生頻度を抑制することができる。

0093

図7は、本実施例に係るアッシュ量低減制御のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU10に予め記憶されており、ECU10によって繰り返し実行される。尚、本フローは、図5に示すフローチャートにステップS404が追加されたものである。そのため、ステップS404での処理についてのみ説明し、その他のステップでの処理についての説明は省略する。

0094

本フローでは、ステップS303において肯定判定された場合、次にステップS404において、フィルタ6におけるPM堆積量Qpmが所定PM堆積量Qpm0以上であるか否かが判別される。尚、ここでも、フィルタ6におけるPM堆積量Qpmは、上述したよ
うに、フィルタ6の前後差圧等に基づいて推定される。

0095

そして、ステップS404において否定判定された場合、即ち、フィルタ6におけるPM堆積量Qpmが所定PM堆積量Qpm0より少ない場合は、ステップS404の処理が再度実行される。つまり、アッシュ量低減制御の実行が禁止される。一方、ステップS404において肯定判定された場合、次にステップS304においてアッシュ量低減制御が実行される。

0096

<実施例5>
本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例においても、実施例1又は2と同様に、アッシュ量増大制御が実行される。

0097

[排気流量低減制御]
フィルタ6に流入する排気の流量が多い場合、フィルタ6に流入したアッシュが該フィルタ6の上流部分に留まらずにその下流部分に流れ込み易くなる。そのため、フィルタ6の上流部分よりもその下流部分にアッシュがより堆積し易くなる。従って、アッシュ量増大制御を実行することでフィルタ6の隔壁の表面上に形成されるアッシュの堆積層が不均一になり易い。

0098

また、フィルタ再生処理の実行中はフィルタ6が高温となるため、アッシュが凝集して安定した状態となり易い。そこで、本実施例においては、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達するまでの間において、フィルタ6に流入する排気の流量を基準流量よりも低減させる排気流量低減制御を実行する。そして、このときに排気流量低減制御の実行期間を、上述したようにフューエルカット制御の実行中に実行されるアッシュ量増大制御の実行開始の時点から、該アッシュ量増大制御の実行終了後に実行されるフィルタ再生処理の実行終了までの間とする。

0099

ここで、基準流量とは、排気流量低減制御が実行されずに内燃機関1が通常運転された場合に、フィルタ6に流入する排気の流量のことである。

0100

これによれば、アッシュ量増大制御を実行することで増大したフィルタ6内のアッシュが、該フィルタ6の下流部分に集中して堆積することを抑制することができる。また、フィルタ6に流入したアッシュが凝集するタイミング、即ちアッシュの堆積層が安定して形成され易いタイミングでフィルタ6に流入する排気の流量が低減される。

0101

図8は、アッシュ量増大制御を実行することでフィルタの隔壁の表面上に形成されるアッシュの堆積層の状態を示す図である。図8(a)は、排気流量低減制御を実行していない場合のアッシュの堆積層の状態を示しており、図8(b)は、本実施例に係る排気流量低減制御を実行した場合のアッシュの堆積層の状態を示している。

0102

図8(b)に示すように、上記のような排気流量低減制御を実行することで、フィルタ6の上流側部分から下流側部分にかけて、該フィルタ6の隔壁の表面上にアッシュの堆積層をより均一に形成することが可能となる。これにより、フィルタ6の上流側部分においても、PMの内部堆積の増加をより抑制することができる。従って、本実施例によれば、PMの内部堆積をより効果的に抑制することができる。

0103

尚、排気流量低減制御の実行期間は必ずしも上記の期間に限られるものではない。例えば、フィルタ6におけるアッシュ堆積量が第一所定アッシュ堆積量に達するまでの間、継続的に排気流量低減制御を実行してもよい。

0104

1・・・内燃機関
2・・・吸気通路
3・・・排気通路
4・・・エアフローメータ
5・・・スロットル弁
6・・・パティキュレートフィルタ
7・・・酸化触媒
8・・・燃料添加弁
10・・ECU
13・・差圧センサ
14・・排気温度センサ
15・・オイルセンサ
16・・吸気圧センサ

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