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技術 遠心機用ロータおよび遠心機

出願人 工機ホールディングス株式会社
発明者 小村崇人
出願日 2013年1月24日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-011364
公開日 2014年8月7日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2014-140817
状態 特許登録済
技術分野 遠心分離機
主要キーワード 芯出し穴 通常形状 シャフトヘッド 胴体部内 通常形態 工具挿入孔 軽量プラスチック リフト駆動装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年8月7日)のものです。
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図面 (11)

課題

ロータ高速度で回転させてもロータの振動発生を防止し、効率的に遠心処理を行うことができる。

解決手段

遠心機用のロータ20は、ロータボディ49と上側の第一のロータカバー51と下側の第二のロータカバー52とを備えたロータ外殻50を有し、ロータ外殻50のそれぞれのロータカバー51,52には、コア54の胴体部56に設けられた嵌合孔64,66に嵌合する突起部63,65が設けられている。嵌合孔64,66の底面に設けられた円錐形状の芯出し穴75,77に当接する尖端部76,79が突起部63,65に設けられている。ロータ20が高速度で回転して嵌合孔64,66が径方向外方弾性変形すると、尖端部76,79と芯出し穴75,77とによりコア54とロータボディ49の回転中心軸同軸状態に保持される。

概要

背景

液体または液体と固体の混合物等を試料とし、これに遠心力を加えて沈殿分離、精製および濃縮等の遠心処理を行うために、遠心分離機つまり遠心機が使用されている。この遠心機を用いると、通常の重力場では沈降しないか、または沈降しにくい粒子を含む試料から粒子を分離することができ、ウイルス菌体等を分離対象とすることができる。ウイルスや菌体は、薬品ワクチン等を製造する場合には欠かせない原料であり、これらの製造過程においては、原料を分離精製する設備として連続遠心機が広く使用されている。

連続遠心機は、例えば、特許文献1に記載されるように、チャンバー容器内の分離室に配置されて高速回転するロータを有しており、ロータの上下両端には回転軸つまりシャフトが設けられている。それぞれのシャフトは内部に貫通孔が形成された中空軸となっており、上下のシャフトとロータには試料が流れるラインが形成される。

ロータは上下のシャフトにより支持されており、上側のシャフトつまりアッパーシャフト電動モータに連結され、ロータはアッパーシャフトにより回転駆動される。下側のシャフトつまりロアシャフトは、芯出しと回転振動を軽減するために、滑り軸受ダンパにより外周面が回転可能に支持されている。ロアシャフトは下部軸受部により支持され、アッパーシャフトは上部軸受部により支持されている。下部シール部には下部配管が接続される下部接続ブロックが組み込まれ、上部シール部には上部配管が接続される上部接続ブロックが組み込まれている。下部接続ブロックとロアシャフトの端部との間と、上部接続ブロックとアッパーシャフトの端部との間には、それぞれメカニカルシールが設けられている。これにより、ロータが高速で回転している間も、メカニカルシールにより試料の漏出が防止され、ロアシャフトから試料を連続的に供給し、処理後の上清液をアッパーシャフトから外部に排出することができる。

ロータは、円筒形状のロータボディと、この両端部に取り付けられるロータカバーとにより構成されるロータ外殻を有し、ロータ外殻の内部にはコア着脱自在に組み込まれる。コアは、外周面が円形胴体部と、その径方向外方に突出して軸方向に延びる複数のフィンとを有し、フィンの先端面はロータボディの内周面に接触する。ロータボディの内周面とコアの外周面との間には、フィンにより仕切られる複数の扇形分離空間が形成される。コアの形態には、胴体部が中実となった中実型と、胴体部が中空構造となった中空型とがあり、中空型のコアの両端部は端壁により閉塞される。中実型のコアは軽量プラスチック切削加工して製作され、中空型はチタン合金等の金属により製造される。さらに、コアには、通常形状とは他に、通常より胴体部の外径を小さくしてフィンの径方向突出長さを長くし、分離空間の容積を大きくした大容量形態がある。

概要

ロータを高速度で回転させてもロータの振動発生を防止し、効率的に遠心処理を行うことができる。遠心機用のロータ20は、ロータボディ49と上側の第一のロータカバー51と下側の第二のロータカバー52とを備えたロータ外殻50を有し、ロータ外殻50のそれぞれのロータカバー51,52には、コア54の胴体部56に設けられた嵌合孔64,66に嵌合する突起部63,65が設けられている。嵌合孔64,66の底面に設けられた円錐形状の芯出し穴75,77に当接する尖端部76,79が突起部63,65に設けられている。ロータ20が高速度で回転して嵌合孔64,66が径方向外方に弾性変形すると、尖端部76,79と芯出し穴75,77とによりコア54とロータボディ49の回転中心軸同軸状態に保持される。

目的

本発明の目的は、ロータを高速度で回転させてもロータの振動発生を防止し、効率的に遠心処理を行うことができるようにすることにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

円筒形状のロータボディ、および該ロータボディの端部に取り付けられる第一のロータカバーおよび第二のロータカバーを備えたロータ外殻と、外周面円形胴体部、および該胴体部の前記外周面から径方向外方に突出して分離空間を形成する複数のフィンを備えたコアとを有し、前記分離空間に試料注入しながら試料を遠心処理する遠心機用ロータであって、前記第一のロータカバーの内面に設けられた第一の突起部が嵌合する第一の嵌合孔を第一の端部に設けるとともに、前記第一の嵌合孔に設けられた円錐形状の芯出し穴に当接する円錐形状の第一の尖端部を前記第一の突起部に設け、前記第二のロータカバーの内面に設けられた第二の突起部が嵌合する第二の嵌合孔を前記胴体部の第二の端部に設けるとともに、前記第二の嵌合孔に設けられた円錐形状の芯出し穴に当接する円錐形状の第二の尖端部を前記第二の突起部に設けた、遠心機用ロータ。

請求項2

前記第一の尖端部と前記第二の尖端部の少なくもといずれか一方を軸方向に移動自在に前記ロータカバーに装着し、軸方向に移動自在の前記尖端部に胴体部に向かう方向の押し付け力を加える付勢部材を該ロータカバーに設けた、請求項1記載の遠心機用ロータ。

請求項3

前記第一の尖端部を軸方向に移動自在に前記第一のロータカバーに装着し、前記第二の尖端部を軸方向に移動自在に前記第二のロータカバーに装着し、前記第一の尖端部に前記胴体部に向かう方向の押し付け力を加える第一の付勢部材を前記第一のロータカバーに設け、前記第二の尖端部に前記胴体部に向かう方向の押し付け力を加える第二の付勢部材を前記第二のロータカバーに設けた、請求項1または2記載の遠心機用ロータ。

請求項4

前記第二の尖端部を前記第二の突起部に一体に設け、前記第一の尖端部を軸方向に移動自在に前記第一のロータカバーに装着し、前記第一の尖端部に前記胴体部に向かう方向の押し付け力を加える付勢部材を前記第一のロータカバーに設けた、請求項1または2記載の遠心機用ロータ。

請求項5

前記胴体部は内部に中空孔が形成された中空型である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遠心機用ロータ。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の遠心機用ロータと、該遠心機用ロータを収容するチャンバーと、前記遠心機用ロータを前記チャンバー内で回転駆動する駆動手段と、前記遠心機用ロータの回転中に前記遠心機用ロータに試料を供給および排出する試料給排部と、を有する遠心機

技術分野

0001

本発明は、液体等を試料とし、これを遠心力により沈殿分離濃縮等の遠心処理を行う遠心用ロータおよび遠心機に関する。

背景技術

0002

液体または液体と固体の混合物等を試料とし、これに遠心力を加えて沈殿分離、精製および濃縮等の遠心処理を行うために、遠心分離機つまり遠心機が使用されている。この遠心機を用いると、通常の重力場では沈降しないか、または沈降しにくい粒子を含む試料から粒子を分離することができ、ウイルス菌体等を分離対象とすることができる。ウイルスや菌体は、薬品ワクチン等を製造する場合には欠かせない原料であり、これらの製造過程においては、原料を分離精製する設備として連続遠心機が広く使用されている。

0003

連続遠心機は、例えば、特許文献1に記載されるように、チャンバー容器内の分離室に配置されて高速回転するロータを有しており、ロータの上下両端には回転軸つまりシャフトが設けられている。それぞれのシャフトは内部に貫通孔が形成された中空軸となっており、上下のシャフトとロータには試料が流れるラインが形成される。

0004

ロータは上下のシャフトにより支持されており、上側のシャフトつまりアッパーシャフト電動モータに連結され、ロータはアッパーシャフトにより回転駆動される。下側のシャフトつまりロアシャフトは、芯出しと回転振動を軽減するために、滑り軸受ダンパにより外周面が回転可能に支持されている。ロアシャフトは下部軸受部により支持され、アッパーシャフトは上部軸受部により支持されている。下部シール部には下部配管が接続される下部接続ブロックが組み込まれ、上部シール部には上部配管が接続される上部接続ブロックが組み込まれている。下部接続ブロックとロアシャフトの端部との間と、上部接続ブロックとアッパーシャフトの端部との間には、それぞれメカニカルシールが設けられている。これにより、ロータが高速で回転している間も、メカニカルシールにより試料の漏出が防止され、ロアシャフトから試料を連続的に供給し、処理後の上清液をアッパーシャフトから外部に排出することができる。

0005

ロータは、円筒形状のロータボディと、この両端部に取り付けられるロータカバーとにより構成されるロータ外殻を有し、ロータ外殻の内部にはコア着脱自在に組み込まれる。コアは、外周面が円形胴体部と、その径方向外方に突出して軸方向に延びる複数のフィンとを有し、フィンの先端面はロータボディの内周面に接触する。ロータボディの内周面とコアの外周面との間には、フィンにより仕切られる複数の扇形分離空間が形成される。コアの形態には、胴体部が中実となった中実型と、胴体部が中空構造となった中空型とがあり、中空型のコアの両端部は端壁により閉塞される。中実型のコアは軽量プラスチック切削加工して製作され、中空型はチタン合金等の金属により製造される。さらに、コアには、通常形状とは他に、通常より胴体部の外径を小さくしてフィンの径方向突出長さを長くし、分離空間の容積を大きくした大容量形態がある。

先行技術

0006

特開2006−247610号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、コアの上端部に設けられる上側のロータカバーにはアッパーシャフトに連結されるシャフト連結部が設けられ、下側のロータカバーにはロアシャフトに連結されるシャフト連結部が設けられている。コアをそれぞれのロータカバーに固定するために、コアの両端部には相互に同軸となって嵌合孔が形成され、それぞれのロータカバーには嵌合孔に嵌合される突起部がシャフト連結部と同軸となって設けられている。それぞれのロータカバーはコアに対し着脱自在となっているが、ロータボディとコアの回転中心軸が同心となるようにするため、突起部と嵌合孔との間の隙間をできるだけ小さく加工する必要がある。この隙間が大きくなると、コアがロータボディの回転中心軸に対して偏心することになり、隙間が小さ過ぎると、ロータカバーとコアとの組立作業性が悪くなるので、手間とコストをかけて芯出し調整を行う必要がある。

0008

しかしながら、30,000rpmを超える回転速度でロータを回転させると、コアが遠心力により径が大きくなるように変形し、嵌合孔の内周面と突起部の外周面との間の隙間が増加することになる。隙間が増加すると、コアの不釣り合い量によりコアの回転中心軸が径方向に移動して突起部の回転中心軸とコアの回転中心軸との間に偏心量が発生する。ロータ全体へ影響するアンバランスは偏心量とコアの質量の積によって決まるため、微小な変形でも大きなアンバランスになってしまい、ロータ回転時に振動が大きくなる。

0009

上述のように、樹脂製の中実型のコアを使用した場合には、材質である樹脂の比重がロータ内に充填される試料と同程度、もしくはわずかに比重が小さいため、隙間が大きくなっても、遠心力によりコアにかかる液圧によって、コアは径方向にはあまり移動せず(図10(B)参照)、ロータ全体でのアンバランス量は大きくは変化しない。しかしながら、金属製の中空型の大容量形態のコアは、胴体部内部の空洞部が小さく、コア全体での比重が試料より重くなるため、コア自体にわずかなアンバランスがあると、そのアンバランスによってコアが径方向に移動し(図10(C)参照)、ロータとしては大きなアンバランスになってしまい、ロータ回転時に振動が大きくなることがある。回転時に振動が大きくなると、ロータの回転系物理的な損傷を与える可能性がある。さらに、アッパーシャフトとロアシャフトの端部に設けられたメカニカルシールでの液洩れ発生の可能性がある。振動が大きくなるのを防ぐためには、ロータの回転速度に制限を設けて運転する方法があるが、ロータの回転速度を低下させると、遠心処理に必要な時間を長くしなければならず、金属製の中空型の大容量のコアを用いた遠心処理においても、中実型のコアと同じ回転速度で安定した遠心処理を可能とすることが求められている。

0010

本発明の目的は、ロータを高速度で回転させてもロータの振動発生を防止し、効率的に遠心処理を行うことができるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0011

この遠心機用ロータは、円筒形状のロータボディ、および該ロータボディの端部に取り付けられる第一のロータカバーおよび第二のロータカバーを備えたロータ外殻と、外周面が円形の胴体部、および該胴体部の前記外周面から径方向外方に突出して分離空間を形成する複数のフィンを備えたコアとを有し、前記分離空間に試料を注入しながら試料を遠心処理する遠心機用ロータであって、前記第一のロータカバーの内面に設けられた第一の突起部が嵌合する第一の嵌合孔を第一の端部に設けるとともに、前記第一の嵌合孔に設けられた円錐形状の芯出し穴に当接する円錐形状の第一の尖端部を前記第一の突起部に設け、前記第二のロータカバーの内面に設けられた第二の突起部が嵌合する第二の嵌合孔を前記胴体部の第二の端部に設けるとともに、前記第二の嵌合孔に設けられた円錐形状の芯出し穴に当接する円錐形状の第二の尖端部を前記第二の突起部に設けた。

0012

本発明の遠心機用ロータは、前記第一の尖端部と前記第二の尖端部の少なくもといずれか一方を軸方向に移動自在に前記ロータカバーに装着し、軸方向に移動自在の前記尖端部に胴体部に向かう方向の押し付け力を加える付勢部材を該ロータカバーに設けた。本発明の遠心機用ロータは、前記第一の尖端部を軸方向に移動自在に前記第一のロータカバーに装着し、前記第二の尖端部を軸方向に移動自在に前記第二のロータカバーに装着し、前記第一の尖端部に前記胴体部に向かう方向の押し付け力を加える第一の付勢部材を前記第一のロータカバーに設け、前記第二の尖端部に前記胴体部に向かう方向の押し付け力を加える第二の付勢部材を前記第二のロータカバーに設けた。本発明の遠心機用ロータは、前記第二の尖端部を前記第二の突起部に一体に設け、前記第一の尖端部を軸方向に移動自在に前記第一のロータカバーに装着し、前記第一の尖端部に前記胴体部に向かう方向の押し付け力を加える付勢部材を前記第一のロータカバーに設けた。本発明の遠心機用ロータは、前記胴体部は内部に中空孔が形成された中空型である。

0013

本発明の遠心機は、上述した遠心機用ロータと、該遠心機用ロータを収容するチャンバーと、前記遠心機用ロータを前記チャンバー内で回転駆動する駆動手段と、前記遠心機用ロータの回転中に前記遠心機用ロータに試料を供給および排出する試料給排部とを有する。

発明の効果

0014

遠心機用ロータは、ロータボディの上下端部に設けられる上側のロータカバーと下側のロータカバーとを有し、下側のロータカバーの内面に設けられた突起部が嵌合する下側の嵌合孔がコアの胴体部に設けられ、下側の嵌合孔の底面に設けられた円錐形状の下側の芯出し穴に当接する円錐形状の下側の尖端部が下側の突起部に設けられ、上側のロータカバーの内面に設けられた突起部が嵌合する上側の嵌合孔がコアの胴体部に設けられ、上側の嵌合孔の底面に設けられた円錐形状の上側の芯出し穴に当接する円錐形状の上側の尖端部が上側の突起部に設けられている。したがって、ロータの回転数低速回転のときには、突起部と嵌合孔との嵌合によりコアの回転中心軸が設定され、ロータが高速回転となったときには、それぞれの尖端部と芯出し穴とによりコアの回転中心軸がロータボディの回転中心軸に位置決めされる。これにより、金属製の中空型の大容量のコアを用いて遠心処理を行う場合に、ロータを高速度で回転させても、ロータの振動発生が防止され、効率的に試料を遠心処理することができる。

図面の簡単な説明

0015

遠心機の全体を示す斜視図である。
ロータが組み込まれた遠心機のチャンバーを示す縦断面図である。
図2に示された上部シール部の断面図である。
図2に示された下部シール部の断面図である。
ロータの上部と下部とを示す一部省略拡大断面図である。
(A)〜(D)はそれぞれロータのコアを示す横断面図である。
下側のロータカバーの突起部とコアの嵌合孔を示す断面図である。
上側のロータカバーの突起部とコアの嵌合孔を示す断面図である。
比較例として示す従来のロータの上部と下部とを示す一部省略拡大断面図である。
(A)〜(C)は、図9に示した従来のロータカバーの突起部とコアの嵌合孔とが嵌合孔の弾性変形により偏心する状態を示す断面図である。

実施例

0016

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す遠心機10は、ワクチン製造工程等に使用される連続超遠心分離機であり、分離ユニット11と制御ユニット12とを有している。分離ユニット11はベース13とこの上に固定される円筒形状の容器からなるチャンバー14とを有し、ベース13は複数のボルト15aにより床面に固定され、チャンバー14は複数のボルト15bにより垂直状態となってベース13に固定される。

0017

ベース13に隣接してリフト16が配置され、このリフト16にはアーム17が水平方向を向いて装着されており、アーム17はリフト16により上下方向に移動自在となっている。アーム17の先端部は、基端部に対して水平方向に移動自在に装着されている。アーム17の先端部には、チャンバー14の内部に出し入れ自在に収容される遠心機用ロータつまりロータ20が装着されるようになっており、ロータ20をチャンバー14の内部に挿入した状態のもとで、チャンバー14の上端部を閉塞するアッパープレート21がアーム17の先端部に取り付けられている。アッパープレート21には電動モータ等からなる駆動部22がロータ20の駆動手段として設けられ、この駆動部22の中心部には、上側のシャフトであるアッパーシャフト23が組み込まれている。アッパーシャフト23は内部に試料通過孔が形成された中空シャフトであり、ロータ20に連結される。アッパーシャフト23は駆動部22の内部に設けられた図示しない上部軸受により回転自在に支持されており、駆動部22によりアッパーシャフト23は回転駆動される。アッパーシャフト23の先端部にはロータ20にねじ結合されるナット25が装着されている。

0018

図1に示されるように、ロータ20の下端部には下側回転軸としてのロアシャフト26が装着されており、ロアシャフト26は内部に試料通過孔が形成された中空シャフトであり、ロータ20にねじ結合されるナット27によりロータ20に取り付けられる。図2に示されるように、ロータ20がチャンバー14の内部の遠心室28に装着されると、ロアシャフト26はベース13に設けられた図示しない下部軸受に支持され、ロータ20はアッパーシャフト23により駆動部22により吊り下げられた状態となる。下部シール部31には下部配管32が接続され、上部シール部24には上部配管33が接続される。下部配管32と上部配管33は、ロータ20に試料を連続的に供給および排出する試料給排部となっている。

0019

ロータ20を収容するチャンバー14には、ロータ20の周囲を隙間を介して覆うように円筒形状のエバポレータ34が設けられている。エバポレータ34はコイル状に巻き付けられた銅配管により構成されており、内部には冷媒ガス循環供給される。このエバポレータ34によりチャンバー14の内部の遠心室28を冷却することができる。エバポレータ34の外側には円筒形状のプロテクタ35が配置される。プロテクタ35は、ロータ20が回転中に何らかの原因で破壊されることがあった場合でも、ロータ20の破片や試料が外部に飛び出すことなく、チャンバー14の内部に留めておくために設けられており、プロテクタ35は防護壁役割を果たす。

0020

ロータ20は、通常運転時には高速で回転駆動されるため、大気との風損摩擦熱による発熱を抑える目的で遠心分離中は遠心室28を減圧された状態に保つ。遠心室28の内部を減圧された状態にするために、チャンバー14の胴体には遠心室28の空気を排出する図示しない排気口が設けられており、排気口は排気ホースを介して外部の真空ポンプに接続される。

0021

図1に示されるように、制御ユニット12は配線配管群36より分離ユニット11に接続されており、制御ユニット12には、エバポレータ34に冷媒ガスを供給するための冷凍機、遠心室28を減圧するための図示しない真空ポンプが設けられている。さらに、制御ユニット12には、アーム17を上下動するためのリフト駆動装置、ロータ20を駆動制御するための制御部等が設けられている。制御ユニット12の上部には、遠心処理の条件等を入力したり、運転状況を表示するための操作パネル37が設けられている。制御部は、図示しないマイクロコンピュータ記憶装置を含む電子回路により構成されており、ロータ20の回転制御のみならず、遠心機全体の制御を行う。

0022

図3に示されるように、上部シール部24には上部接続ブロック41aが装着され、上部配管33は上部接続ブロック41aに接続される。上部シール部24内にはアッパーシャフト23の先端に取り付けられたシャフトヘッド42が配置され、上部接続ブロック41aに装着されたシールホルダ43aにはシャフトヘッド42の上端面に接触するメカニカルシール44aが装着され、このメカニカルシール44aによりシャフトヘッド42の上端面からの試料の洩れが防止される。シャフトヘッド42を囲むように、上部シール部24にはリップシール45aが装着され、外部から供給される潤滑油の洩れが防止される。

0023

図4に示されるように、下部シール部31にはロアシャフト26の下端部のシャフトヘッド46が取り付けられ、下部接続ブロック41bに装着されたシールホルダ43bには、シャフトヘッド46の下端面に接触するメカニカルシール44bが装着され、このメカニカルシール44bによりシャフトヘッド46の下端面からの試料の洩れが防止される。シャフトヘッド46を囲むように、下部シール部31にはリップシール45bが装着され、外部から供給される潤滑油の洩れが防止される。

0024

図2および図5に示されるように、ロータ20は円筒形状のロータボディ49を有し、このロータボディ49の両端部には第一のロータカバーとしての上側のロータカバー51と、第二のロータカバーとしての下側のロータカバー52とがねじ込み式で着脱自在に取り付けられる。ロータボディ49と両方のロータカバー51,52によりロータ外殻50が構成される。上側のロータカバー51とロータボディ49との間はOリング53aによりシールされ、下側のロータカバー52とロータボディ49との間はOリング53bによりシールされる。ロータボディ49の内部には、コア54が着脱自在に組み込まれ、ロータ20の下端面と下側のロータカバー52の内面に設けられたピン孔には、コアピン55が取り付けられ、コア54はコアピン55によりロータボディ49に対して回転することなく固定される。

0025

図6(A)〜(D)はそれぞれ種類が異なるコア54を示す横断面図である。コア54は、外周面が円形の胴体部56と、その径方向外方に突出して軸方向に延びる複数のフィン57とを有し、フィン57の先端面はロータボディ49の内周面に接触する。ロータボディ49の内周面とコアの外周面との間には、フィン57により仕切られる複数の扇形の分離空間58が形成される。

0026

図6(A),(B)に示すコア54は、胴体部56が中実となった中実型であり、中実型のコア54は軽量プラスチックを切削加工して製作され、中空型は例えばチタン合金等の金属により製造される。図6(C),(D)は、それぞれ胴体部56が中空構造となった中空型であり、胴体部56の内部には空洞部つまり中空孔56aが設けられており、中空孔56aは胴体部56の両端部に取り付けられる端壁部材により閉塞される。図6(C)に示されるコア54は、胴体部56の外径が図6(A)の中実型のコアとほぼ同一となっており、フィン57の径方向突出高さが中実型とほぼ同一となった通常形態である。図6(B),(D)は、それぞれ中実型と中空型の胴体部56の外径を小さくしてフィン57の径方向の突出長さを長くし、分離空間58の容積を大きくした大容量形態である。

0027

図6(C),(D)に示される中空型のコア54は、チタン合金等の金属製であり、樹脂製の中実型よりも強度上、有利である他、腐食性に優れており、種々の洗浄剤滅菌液に耐えることができるので、蒸気殺菌(SIP)や定置殺菌つまりCIP(Cleaning in Place)を行いたいという要望を満たすことができる。一方、ワクチンや医療品に使用する原料(試料)を精製する医療品生産用の連続遠心機としては、一度の遠心処理量を多くできれば生産性が高められるため有利となる。ロータ内に形成される扇形の分離空間58の断面積が大きいほど遠心処理できる試料の容量を多くできるため、医療品を精製するための遠心機のロータとしては、図6(D)に示される大容量形態の使用が望まれている。

0028

図5は、図6(D)に示されたコア54がロータ外殻50の内部に組み込まれたロータ20を示す。コア54の両端部には端壁部材59a,59bが取り付けられ、中空孔56aは端壁部材59a,59bにより閉塞されており、それぞれの端壁部材59a,59bはコア54の胴体部56の上下の端部を構成している。

0029

図5に示されるように、上側のロータカバー51の外面には、ロータボディ49の中心軸と同軸にシャフト連結部61が設けられており、このシャフト連結部61には、図2に示されるように、アッパーシャフト23の先端に設けられたナット25がねじ結合される。同様に、下側のロータカバー52の外面には、シャフト連結部61と同軸にシャフト連結部62が設けられており、このシャフト連結部62には、図2に示されるように、ロアシャフト26に設けられたナット27がねじ結合される。ロータカバー51の内面には、シャフト連結部61と同軸に上側の突起部63が第一の突起部として設けられており、この突起部63はコア54の胴体部56の上端部の端壁部材59aに設けられた上側の第一の嵌合孔64に嵌合される。同様に、ロータカバー52の内面には、シャフト連結部62と同軸に下側の突起部65が第二の突起部として設けられており、この突起部65はコア54の胴体部56の下端部の端壁部材59bに設けられた下側の第二の嵌合孔66に嵌合される。

0030

コア54の上側の端面には放射方向に複数のガイド溝67が、図5において破線で示されるように、設けられており、ガイド溝67によりそれぞれの分離空間58は連通孔72に連通される。コア54の下側の端面には放射方向に複数のガイド溝68が設けられており、ガイド溝68によりそれぞれの分離空間58は連通孔74に連通される。図5に示されるように、シャフト連結部61には貫通孔71が設けられており、この貫通孔71は連通孔72によりガイド溝67に連通し、貫通孔71は連通孔72、ガイド溝67を介して分離空間58に連通する。同様に、シャフト連結部62には貫通孔73が設けられており、この貫通孔73は連通孔74によりガイド溝68に連通し、貫通孔73は連通孔74、ガイド溝68を介して分離空間58に連通する。

0031

図5および図7に示されるように、下側の嵌合孔66の底面には円錐形状の下側の芯出し穴75が設けられており、突起部65の尖端には芯出し穴75に当接する円錐形状の尖端部76が突起部65に一体に設けられている。図5および図8に示されるように、上側の嵌合孔64の底面には円錐形状の上側の芯出し穴77が設けられている。上側の突起部63には収容孔78が設けられており、この収容孔78には芯出し穴77に当接する円錐形状の尖端部79を有する芯出し80が軸方向に移動自在に装着されている。収容孔78の内面と芯出し駒80の外面との間にはOリング81が配置されている。芯出し駒80の内部にはばね室82が設けられ、ばね室82には、尖端部79に対して胴体部56に向かう方向の押し付け力を加えるための付勢部材としての圧縮コイルばね83が組み込まれている。

0032

上下両方の芯出し穴75,77の円錐面の角度は、同一の角度に設定されている。これにより、コア54をロータボディ49に組み付ける際には、両端部のいずれを上下端部とすることができ、ロータ20の組立作業性を高めることができる。芯出し駒80は収容孔78内に挿入することにより、収容孔78内に組み込まれ、Oリング81と芯出し駒80との摩擦により芯出し駒80の抜けが防止される。芯出し駒80を収容孔78から取り外すために、尖端部79には工具挿入孔84が設けられている。

0033

図2に示されるように、ロータ20がチャンバー14内に挿入された状態のもとで、駆動部22内の電動モータによりアッパーシャフト23が回転駆動され、ロータ20およびロアシャフト26は電動モータにより高速回転される。遠心処理される試料は、下部配管32からロアシャフト26の試料通過孔に注入され、ロアシャフト26から図5に示される貫通孔73に流入する。貫通孔73に流入した試料は、連通孔74により複数のガイド溝68に分配されてロータ20の内部の分離空間58に導入される。導入された試料は、高遠心力場へ移動されて沈殿上清とに分離される。上清は、図5に示されるガイド溝67に案内されて連通孔72により貫通孔71に案内される。貫通孔71を通過した上清はアッパーシャフト23の試料通過孔から排出されて上部配管33へ排出される。このように、下部配管32から試料を連続的に供給することにより、試料を遠心処理することができる。下部配管32と上部配管33は、試料をロータ20に供給および排出する試料給排部となっている。

0034

上側と下側のそれぞれの突起部63,65には円錐形状の芯出し穴75,77に当接する円錐形状の尖端部76,79が設けられているので、ロータ20の高速回転により嵌合孔64,66の内径が拡大するように変形しても、尖端部76,79の調心機能により突起部63,65の中心軸は常に嵌合孔64,66の中心軸に一致した状態となり、両方の中心軸が偏心することが防止される。このように、ロータ回転時に両方の中心軸の偏心発生が防止されると、ロータ20の振動発生を防止することができる。

0035

特に、図6(D)に示されるように、大容量形態のコア54は、中空孔56aの内径が小さく、フィン57の径方向長さが長くなっており、体積における中空部分の占める割合が、図6(C)に示したコアよりも小さく、コア全体の比重が試料よりも重くなる。このため、コアの中心軸と突起部63,65の中心軸との間に僅かでも偏心が発生すると、回転のアンバランスが発生し、振動発生の原因となるが、図5に示されるように、コア54に調心機能を持たせることにより、振動発生を防止しつつ試料を大量に遠心処理することができる。

0036

図6(A),(B)に示した中実型のコアは胴体部56が樹脂製であり、その比重が試料と同程度であるため、偏心が発生してもロータ全体でのアンバランス量は大きく変化しない。また、図6(C)に示した中空型のコアは胴体部56には中空孔56aが設けられており、コア54は金属製であるが、全体の体積における中空部分の占める割合が大きいため、コア全体としての比重は樹脂製の中実型とほぼ同じであり、偏心が発生してもロータ全体でのアンバランス量は大きく変化しない。ただし、これらのタイプのロータについても、同様に調心機能を持たせるようにしても良い。

0037

上側のロータカバー51に設けられた尖端部79は突起部63に軸方向に移動自在に装着され、尖端部79には胴体部56に向かう方向の付勢力が加えられているので、コア54の全長寸法に、加工誤差によるばらつきが存在しても、圧縮コイルばね83により加工誤差を吸収することができ、両方の尖端部76,79は所定の押し付けで調心機能を果たすことができる。また、中空型のコアは内部に中空孔56aが設けられており、試料により浮き上がる方向の浮力を受けても、尖端部76,79が芯出し穴75,77に当接するので、調心機能により偏心発生が防止される。

0038

図5に示される尖端部76は下部のロータカバー52に一体に設けられているが、尖端部76を尖端部79と同様に突起部65に軸方向に往復動自在に装着し、尖端部76にばねによる付勢力を加えるようにしても良い。その場合には、両方の尖端部76,79が軸方向に移動自在の形態となる。さらに、尖端部79を突起部63と一体形の構造とし、尖端部76を軸方向に移動自在に形態とすると、図5に示した形態とは上下が逆転された形態となる。

0039

図9は比較例として従来のロータ20aを示す一部切欠き断面図であり、図9においては図5に示された部材と共通する部材には同一の符号が付されている。図9に示すロータ20aにおいては、上側のロータカバー51の突起部63には尖端部が設けられておらず、下側のロータカバー52の突起部65にも尖端部が設けられていない。このため、ロータ20aの回転停止時には、図10(A)に示すように、ロータカバー51の中心軸O1とコア54の中心軸O2が一致した状態となっている。しかし、ロータ20aが、例えば、30,000rpmを超える程度まで高速回転すると、図10(B)に示されるように、嵌合孔64の内径が大きくなるようにコア54の端部が弾性変形することになり、突起部63の外周面と嵌合孔64の内周面との間に隙間Lが増加する。隙間Lが発生すると、図10(C)に示されるように、金属製コアの場合、コア54が持っている不釣り合い量によりロータカバー51の中心軸O1とコア54の中心軸O2との間に偏心Eが発生する。図10はロータカバー51とコア54とを示すが、ロータカバー52とコア54についても、同様の偏心Eが発生する。

0040

回転系全体に影響するアンバランスは偏心Eとコア54の質量との積によって決まるため、微小な変形でも大きなアンバランスになってしまい、回転途中でロータ20aの振動が大きくなる。振動が大きくなると、図3に示したシャフトヘッド42がメカニカルシール44aに対して径方向にずれるとともに、図4に示したシャフトヘッド46もメカニカルシール44bに対して径方向にずれることになり、試料が上部シール部24、下部シール部31内に漏出することが想定される。

0041

これに対し、図2および図5に示すように、それぞれの突起部63,65に芯出し穴75,77に当接する尖端部76,79を設けると、低速回転域では突起部63,65と嵌合孔64,66との嵌合により中心軸の芯出しが達成され、高速回転域では尖端部76,79の調心機能により中心軸の芯出しが達成される。

0042

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。

0043

10…遠心機、11…分離ユニット、12…制御ユニット、13…ベース、14…チャンバー、15a,15b…ボルト、16…リフト、17…アーム、20…ロータ、21…アッパープレート、22…駆動部、23…アッパーシャフト、24…上部シール部、25,27…ナット、26…ロアシャフト、28…遠心室、31…下部シール部、32…下部配管、33…上部配管、34…エバポレータ、35…プロテクタ、37…操作パネル、41a…上部接続ブロック、41b…下部接続ブロック、42…シャフトヘッド、43a,43b…シールホルダ、44a,44b…メカニカルシール、45a,45b…リップシール、46…シャフトヘッド、49…ロータボディ、50…ロータ外殻、51…上側のロータカバー、52…下側のロータカバー、53a,53b…Oリング、54…コア、55…コアピン、56…胴体部、56a…中空孔、57…フィン、58…分離空間、59a,59b…端壁部材、61…シャフト連結部、62…シャフト連結部、63…突起部、64…嵌合孔、65…突起部、66…嵌合孔、67…ガイド溝、68…ガイド溝、71…貫通孔、72…連通孔、73…貫通孔、74…連通孔、75…芯出し穴、76…尖端部、77…芯出し穴、78…収容孔、79…尖端部、80…芯出し駒、81…Oリング、82…ばね室、83…圧縮コイルばね、84…工具挿入孔。

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