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技術 焼結原料造粒物の乾燥方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 樫村茂大山浩一八ヶ代健一長田淳治
出願日 2013年1月16日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-005558
公開日 2014年7月28日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-136817
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製 固体の乾燥
主要キーワード 比重選鉱 固形バインダー 金属製網 試験用ふるい 凝結材 水分変化 造粒水 成分調整用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

乾燥による造粒物強度向上効果を維持しつつ、造粒物表面からの粉化を抑制し、乾燥後の粉率を低減することが可能な焼結原料造粒物の乾燥方法を提供する。

解決手段

鉄鋼製造に用いる焼結原料に、生石灰及び消石灰のいずれか1又は2からなるバインダーを加えて造粒し、造粒物を流動層式乾燥機で乾燥するに際し、流動層式乾燥機の出側における造粒物の温度を50℃以上80℃以下にし、かつ造粒物の水分量を外掛けで1質量%以上4質量%以下にする。

概要

背景

焼結原料鉄鉱石からなる粉鉱石であり、必要に応じて成分調整する副原料凝結材を配合し、この粉鉱石に水とバインダーを混合して造粒処理した後、焼結機パレット装入して焼結鉱を製造している。ここで、造粒処理した造粒物の強度は、良好な品質を備えた焼結鉱を製造するために重要であり、従来から種々の強度向上方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、造粒処理した造粒物(ペレット)の乾燥温度を40〜250℃にし、造粒性及び強度を従来よりも向上させる造粒物の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、ガス温度が150〜400℃となるように流動層を形成して造粒物を乾燥し、造粒物同士の衝突による崩壊を防止する方法が記載されている。
このように、上記した特許文献1、2のいずれも、造粒物の乾燥時の温度を高めることで、造粒物の強度を向上させている。

概要

乾燥による造粒物の強度向上効果を維持しつつ、造粒物表面からの粉化を抑制し、乾燥後の粉率を低減することが可能な焼結原料造粒物の乾燥方法を提供する。鉄鋼製造に用いる焼結原料に、生石灰及び消石灰のいずれか1又は2からなるバインダーを加えて造粒し、造粒物を流動層式乾燥機で乾燥するに際し、流動層式乾燥機の出側における造粒物の温度を50℃以上80℃以下にし、かつ造粒物の水分量を外掛けで1質量%以上4質量%以下にする。

目的

本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、乾燥による造粒物の強度向上効果を維持しつつ、造粒物表面からの粉化を抑制し、乾燥後の粉率を低減することが可能な焼結原料造粒物の乾燥方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

鉄鋼製造に用いる焼結原料に、生石灰及び消石灰のいずれか1又は2からなるバインダーを加えて造粒し、該造粒物流動層式乾燥機で乾燥するに際し、前記流動層式乾燥機の出側における前記造粒物の温度を50℃以上80℃以下にし、かつ前記造粒物の水分量を外掛けで1質量%以上4質量%以下にすることを特徴とする焼結原料造粒物の乾燥方法

請求項2

請求項1記載の焼結原料造粒物の乾燥方法において、前記焼結原料に、鉄鉱石として500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度である微粉原料を用いることを特徴とする焼結原料造粒物の乾燥方法。

請求項3

請求項1又は2記載の焼結原料造粒物の乾燥方法において、前記造粒物の水分量の下限を、更に、外掛けで2質量%にすることを特徴とする焼結原料造粒物の乾燥方法。

技術分野

0001

本発明は、焼結原料造粒して製造した造粒物乾燥方法に関する。

背景技術

0002

焼結原料は鉄鉱石からなる粉鉱石であり、必要に応じて成分調整する副原料凝結材を配合し、この粉鉱石に水とバインダーを混合して造粒処理した後、焼結機パレット装入して焼結鉱を製造している。ここで、造粒処理した造粒物の強度は、良好な品質を備えた焼結鉱を製造するために重要であり、従来から種々の強度向上方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、造粒処理した造粒物(ペレット)の乾燥温度を40〜250℃にし、造粒性及び強度を従来よりも向上させる造粒物の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、ガス温度が150〜400℃となるように流動層を形成して造粒物を乾燥し、造粒物同士の衝突による崩壊を防止する方法が記載されている。
このように、上記した特許文献1、2のいずれも、造粒物の乾燥時の温度を高めることで、造粒物の強度を向上させている。

先行技術

0003

特許第4786441号公報
特開2007−138245号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、前記従来の方法には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1に記載の方法は、造粒物の乾燥温度を40〜250℃としているため、乾燥温度が250℃に近づくに伴って造粒物が高温となり、造粒物表面の急激な乾燥によって造粒物が粉化する。このため、造粒物の強度が向上する一方、粉率が増加するため、焼結機(パレット内)での通気阻害し、焼結生産性が低下する。
また、特許文献2に記載の方法は、造粒物同士の衝突による崩壊を抑制するために、ガス温度を150〜400℃としているので、造粒物の崩壊は抑制されるものの、上記した特許文献1と同様、造粒物表面の急激な乾燥により、造粒物表面からの粉化を抑制することができない。

0005

このように、従来の方法においては、造粒物の強度は発現するものの、急激な乾燥によって造粒物の表層部が剥離し、微粉が発生する。つまり、高強度の造粒物により焼結機での通気は増大する一方、発生した微粉により焼結機での通気が阻害されるため、結果として、焼結機での通気性改善効果が減少する。
なお、今後は、粉鉱石の劣質化に伴って、焼結原料中の微粉量が増加することも予想され、特に、鉄品位を上げる目的で、粉砕処理選鉱処理された粉鉱石の増加が予想される。この粉鉱石は、他の鉱石と比較して微粉の比率が高い鉱石であり、また、造粒に有効な微粒子含有率が低い難造粒性の粉鉱石(即ち、微粉原料)であるため、上記した問題が更に顕著になる。

0006

本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、乾燥による造粒物の強度向上効果を維持しつつ、造粒物表面からの粉化を抑制し、乾燥後の粉率を低減することが可能な焼結原料造粒物の乾燥方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記目的に沿う本発明に係る焼結原料造粒物の乾燥方法は、鉄鋼製造に用いる焼結原料に、生石灰及び消石灰のいずれか1又は2からなるバインダーを加えて造粒し、該造粒物を流動層式乾燥機で乾燥するに際し、前記流動層式乾燥機の出側における前記造粒物の温度を50℃以上80℃以下にし、かつ前記造粒物の水分量を外掛けで1質量%以上4質量%以下にする。

0008

本発明に係る焼結原料造粒物の乾燥方法において、前記焼結原料に、鉄鉱石として500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度である微粉原料を用いることが、本発明の効果がより顕著になる観点から好ましい。

0009

本発明に係る焼結原料造粒物の乾燥方法において、前記造粒物の水分量の下限を、更に、外掛けで2質量%にすることが好ましい。

発明の効果

0010

本発明に係る焼結原料造粒物の乾燥方法は、流動層式乾燥機の出側における造粒物の温度を80℃以下にするので、造粒物表面からの急激な水分蒸発を抑制、更には防止できるため、造粒物の表層部(表面)の微細クラック発生に伴う剥離による微粉の増加を抑制できる。また、流動層式乾燥機の出側における造粒物の温度を50℃以上にするので、流動層式乾燥機での造粒物の乾燥時間の長期化が避けられるため、造粒物同士の接触(衝突)による微粉の増加を抑制できる。更に、流動層式乾燥機の出側における造粒物の水分量を1〜4質量%にするので、造粒物の水分量を適度に維持しながら、焼結原料の造粒物として必要な強度を発現可能な状態まで、造粒物を乾燥できる。
従って、造粒物の強度発現(崩壊防止)と粉化抑制を同時に達成することができる。

0011

また、焼結原料に、鉄鉱石として500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度である微粉原料を用いる場合、他の粒度構成の鉄鉱石を焼結原料として用いる場合と比較して、微粉の低減効果が高く、本発明の効果がより顕著になる。上記した粒度構成の微粉原料は、微粉比率が高いため、造粒物の表層部の剥離により微粉が発生し易く、クラックの発生抑制による微粉低減効果が、他の粒度構成の鉄鉱石と比較して高いと考えられる。

0012

更に、造粒物の水分量の下限を、外掛けで2質量%にする場合、下限を1質量%とした造粒物と比較して、造粒物の粉率を低位で安定させることができる。これは、乾燥中の造粒物の表面水分バラツキがあるため、造粒物の水分量を下げれば下げるほど、表面が乾燥した造粒物が増加することに起因すると考えられる。

図面の簡単な説明

0013

造粒物の乾燥後の水分量と崩壊率との関係を示すグラフである。
造粒物の温度と乾燥後の粉率との関係を示すグラフである。
種々の原料を使用して製造した造粒物の温度と乾燥後の粉率との関係を示すグラフである。
造粒物の乾燥後の水分量と粉率との関係を示すグラフである。

実施例

0014

続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明に想到した経緯について説明する。
はじめに、生石灰や消石灰による鉄鉱石からなる粉鉱石(以下、焼結原料ともいう)の造粒メカニズムについて説明する。
生石灰は、混練や造粒中に水と接触することで一部が吸湿消化消石灰化)して微粒化し、水と共に粉鉱石に均一に混ざり易くなるものであると考えられる。なお、生石灰としては、CaOが例えば84質量%以上のものが多用されている。
ここで、生成した消石灰の一部については、水に溶解することでも、粉鉱石に均一に混ざり易くなる。
なお、粉鉱石に、生石灰の代わりに、又は生石灰と共に、消石灰を添加する場合も同様であり、一部の消石灰が水に溶解して、粉鉱石中に均一に混ざり易くなる。

0015

生石灰の消化で生成する消石灰や、水の蒸発等によって再晶出する消石灰は、粒径が10μmアンダーの微粒子であり、更にはサブミクロンオーダーの微粒子も多く含まれており、固体架橋によって上記粉鉱石の造粒性向上や造粒物の強度向上に大きく寄与する。
従って、極力多くの生石灰を消化させること、生成する消石灰の粒径を小さくすること、極力多くの消石灰を造粒水に溶解させること、等で、造粒に寄与する消石灰を多量に生成させて、この生成する消石灰を粉鉱石全体に分散させ(マクロに分散させ)、粉鉱石の粒子表面に極力付着させる(ミクロに分散させる)こと、が重要となる。
上記したことから、粉鉱石のうち、特に難造粒性を有する微粉原料と、その他の原料(例えば、造粒が容易な易造粒性原料)を混合する場合は、難造粒性の微粉原料に対して、粒径を小さくする処理を施した生石灰や消石灰の添加や、その添加量を多くすること等も重要となる。

0016

なお、炭酸カルシウム分子式:CaCO3)は、生石灰や消石灰と同様にCaOを含み、そのCaO含有率が56質量%程度のものであり、石灰石あるいは単に石灰と称される場合がある。しかし、炭酸カルシウムは、化学的に安定な物質であって、吸湿による消化や水への溶解は起こりにくい。
従って、上記した生石灰や消石灰に、炭酸カルシウムは含まれない。
以上のことから、粉鉱石に対して炭酸カルシウムを添加した場合、造粒性の改善が小さいのに対し、粉鉱石に対して生石灰や消石灰を添加した場合は、造粒性が著しく改善することを、本発明者らは初めて発見した。
これは、生石灰が水と接触することにより微粒化し、更に生成した消石灰(添加した消石灰)の一部が水に溶解することで、粉鉱石に均一に混ざり易くなり、固体架橋によって粉鉱石の造粒性向上や造粒物の強度向上に大きく寄与したためと考えられる。

0017

続いて、本発明が造粒の対象とする粉鉱石の特徴について説明する。
造粒対象は、粉鉱石であれば特に限定されるものではないが、粉鉱石のうち、500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度である微粉原料であれば、本発明の効果がより顕著になる。
上記した微粉原料は、篩目10μmアンダーの粒子(微粒子)が5質量%以下と極めて少なく、500μmアンダーの粒子が50質量%以上と非常に多い、難造粒性を示す原料である。この微粉原料が通常の鉄鉱石と異なる点は、10μmアンダーの微粒子が極めて少ない点であり、例えば、鉄鉱石の粉砕処理と水による比重選鉱処理を繰り返すことで、この特徴が得られることがわかった。

0018

なお、500μmアンダーの粒子の質量%の測定に際しては、微粉原料(2kg)を、150℃で1時間乾燥した後、0.5mm(500μm)の篩目(JIS Z8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に拠る)で分級し、篩下の質量%を求めた。また、10μmアンダーの微粒子の質量%の測定に際しては、上記乾燥後の微粉原料を対象に、レーザー回折散乱法測定機器(日機装株式会社製MICROTRAC(登録商標MT3300型、測定範囲:0.02〜1400μm)を用いた。
ここで、鉄鉱石として少なくとも1種又は複数種の粉鉱石(微粉原料の場合を含む)を含むものが焼結原料であり、この焼結原料に、副原料(成分調整用原料)や凝結材(例えば、コークス粉石炭粉等)が含まれるか否かは任意であり、本実施の形態での焼結原料とは、生石灰と消石灰(バインダー)を含まないものをさす。なお、焼結原料に副原料や凝結材が含まれる場合、焼結原料中の副原料と凝結材の合計量が質量比で30質量%以下程度(焼結原料中の鉄鉱石量:例えば、焼結原料の70〜100質量%程度)となるように、鉄鉱石に副原料と凝結材を添加する場合があるが、焼結原料の造粒性や造粒物の強度は、これらの添加量では改善しにくい。

0019

上記した粒度構成、即ち10μmオーバーかつ500μmアンダー程度に概ね揃った微粉原料を造粒すると、隣接する原料粒子の間に空間が形成される。
しかし、上記したように、微粉原料中には、この空間を充填する10μmアンダーの微粒子が極めて少ないため、微粉原料は空間を内包したまま造粒され、造粒物の強度が極めて低くなる。このため、たとえセルロース等の粘着質のバインダーを用いて微粉原料を造粒し、隣接する微粉原料の粒子同士を粘着できたとしても、造粒物内部には空間が残留するため、造粒物の強度を向上しにくい。
上記状況において、粉鉱石、特に難造粒性を示す微粉原料の造粒に用いるバインダーには、10μmアンダーの微粒子を供給でき、上記した空間を充填できるものが好ましいことに想到した。

0020

なお、固形バインダーには、ベントナイトや炭酸カルシウム等があるが、通常の混練処理程度では、粉鉱石へ固形バインダーを均一分散させるのが難しいことが判明した。
これは、上記したように、例えば、微粉原料の粒径が10μmオーバーかつ500μmアンダー程度の大きさに概ね揃っており、一般には広範囲粒度分布を持つことで混練による原料の混合が進むため、粒子が微粒化せず溶解もしないベントナイトや炭酸カルシウム等を添加しても分散が進まないものと考えられ、この観点からも、別の手段で10μmアンダーの微粒子を添加することが好ましいと考えられた。
以上のことから、本発明者らは、粉鉱石、特に500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度である微粉原料を用いる焼結原料を造粒するに際し、混練や造粒を容易化するバインダーとして、生石灰と消石灰に想到した。なお、焼結パレットに入れる焼結原料は混練を行わない場合もある。

0021

上記したように、粉鉱石、特に難造粒性を有する微粉原料に、生石灰や消石灰からなるバインダーを加えて造粒した造粒物は、更に流動層式乾燥機で乾燥する。この流動層式乾燥機とは、造粒物をガス熱風等)で流動化させて乾燥する従来公知の装置(例えば、特開2007−138245号公報参照)であり、バッチ式連続式のいずれでもよい。
しかし、造粒物を流動層式乾燥機で乾燥するに際しては、造粒物の急激な温度上昇が乾燥後の粉率に影響することを、本発明者らは種々の実験により初めて明らかにした。
詳細には、乾燥後の粉化率は、乾燥中(乾燥後)の造粒物の表面水分によって決まる。また、この乾燥中の造粒物の表面水分は、造粒後の造粒物の温度に影響する。
そこで、本発明者らは、造粒物の温度を規定することで、造粒物の強度発現と粉化抑制を両立することに想到した。

0022

即ち、鉄鋼製造に用いる粉鉱石(以下、焼結原料ともいう)に、生石灰及び消石灰のいずれか1又は2からなるバインダーを加えて造粒し、この造粒物を流動層式乾燥機(以下、単に乾燥機ともいう)で乾燥するに際し、流動層式乾燥機の出側における造粒物の温度を50℃以上80℃以下にし、かつ造粒物の水分量を外掛けで1質量%以上4質量%以下にする。特に、500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度の粉鉱石(鉄鉱石)である微粉原料(難造粒性微粉原料)を造粒する場合に、本発明の効果がより顕著になる。なお、造粒物は、従来公知の造粒機で造粒したものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、核粒子の周囲に微粉を付着させた擬似粒子や、直径3〜10mm程度のセミペレット等がある。
以下、詳しく説明する。

0023

まず、造粒物の水分が造粒物の強度発現に及ぼす影響について、図1を参照しながら説明する。
試験は、500μmアンダーが50質量%かつ10μmアンダーが5質量%の粒度である微粉原料(難造粒性微粉原料)に、生石灰(バインダー)を外掛けで2質量%添加し、これを万能ミキサー自転する撹拌羽根の軸を公転させる竪型ミキサー:撹拌機)で撹拌した後、ドラムミキサー(造粒機)で造粒処理して、平均粒径質量基準メジアン径)が3〜10mmの造粒物を製造することで行った。そして、この製造した造粒物のうち、粒径が4.75〜6.8mm(篩目4.75mmオーバー、かつ、篩目6.8mmアンダー)の造粒物を選択し、これを以下の試験で使用した。

0024

ここで、造粒物製造時の詳細条件は、水分:9質量%で一定(通常は、7〜12質量%程度)、撹拌:周速2.0m/秒、処理時間90秒、造粒:周速1.0m/秒、処理時間60秒、である。
なお、造粒物の水分量(質量%)は、製造した造粒物(2kg)の水分がなくなる(0質量%となる)まで150℃で乾燥し、蒸発した水分の質量(乾燥前後の造粒物の質量差)を、乾燥後の造粒物の質量で除すこと(乾燥状態の造粒物に対する外掛け)で求めた。
また、周速は、万能ミキサーとドラムミキサーにおいて、回転するもの(羽根ドラム等)で、一番速い部分の速度を意味する。

0025

上記した造粒物の乾燥は、流動層式乾燥機を用いて行った。詳細には、乾燥後の造粒物の温度が40〜100℃となるように、乾燥ガスの温度を調整すると共に、乾燥後の水分量が目標の水分量となるように、乾燥時間を調整した。
そして、水分量を1〜6質量%に調整した篩目4.75mmオーバー(以下、+5mmとも記す)の各造粒物(乾燥時に発生した篩目4.75mmアンダーの分を取り除いた造粒物)を、1.5mの高さ位置からコンクリート製の床に5回落下させ、いによって4.75mmオーバー(+5mm)の残存率を求めた。なお、残存率(質量%)は、落下後の4.75mmオーバー(篩上)の造粒物の質量を、落下させた全造粒物の質量で除すことで求めた。つまり、4.75mmオーバーの残存率が高いほど、造粒物が崩壊しにくいことを意味し、造粒物の強度が高いことを示している。

0026

図1から、造粒物の強度は、乾燥後の造粒物の水分により変化し、造粒物の水分が4質量%以下の条件で、高い値(残存率:90質量%以上)を示すことがわかった。
なお、この傾向は、上記した難造粒性微粉原料を除いた焼結原料である易造粒性原料、即ち、500μmアンダーが50質量%未満かつ10μmアンダーが5質量%以下の粒度を有する原料、500μmアンダーが50質量%以上かつ10μmアンダーが5質量%超の粒度を有する原料、500μmアンダーが50質量%未満かつ10μmアンダーが5質量%超の粒度を有する原料を使用した場合でも、同様であった。また、生石灰の代わりに、又は生石灰と共に、消石灰を添加した場合も同様の傾向であった。
以上のことから、流動層式乾燥機の出側(直後)における造粒物の水分量を、外掛けで4質量%(好ましくは3.7質量%、更に好ましくは3.5質量%)以下とした。

0027

次に、流動層式乾燥機の出側(直後)での造粒物の温度が、造粒物の粉率に及ぼす影響について、図2を参照しながら説明する。
試験は、前記した方法で製造した粒径が4.75〜6.8mmの造粒物を、流動層式乾燥機で乾燥させ、乾燥後の造粒物の温度が40〜100℃となるように、乾燥ガスの温度を調整すると共に、乾燥後の水分量が1質量%となるように、乾燥時間を調整した。
なお、流動層式乾燥機においては、乾燥中の造粒物の温度を、乾燥機の出側の温度で代表させることができるので、乾燥機の出側での造粒物の温度を、乾燥温度の指標として、図2横軸に用いた。

0028

また、図2縦軸に示す乾燥後粉率0.5mmアンダー(−0.5mm)とは、乾燥機で乾燥した後の造粒物(2kg)を、0.5mmの篩目で分級して篩上と篩下に分け、この各グループについて質量比(焼結原料の全質量に対する当該グループに属する焼結原料の質量%)を求める(JIS Z8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」)ことで得られる0.5mm以下(篩下)の割合である(以下、同様)。
図2から、乾燥後の造粒物の粉率は、乾燥後の造粒物の温度変化により変動し、造粒物の温度が50℃以上80℃以下の範囲で、低い粉率(9.5質量%以下)を示すことがわかった。

0029

なお、造粒物の温度が50℃未満の場合は、乾燥時の温度が低過ぎて、乾燥機での乾燥時間が長時間となるため、乾燥機内での造粒物同士の接触(衝突)時間が増加し、粉率が増加した。また、造粒物の温度が80℃超の場合は、乾燥時の温度が高過ぎて、乾燥機での造粒物の乾燥が急激に行われ、造粒物の表層部(表面)に微細なクラックが生じ、粉率が増加した。
上記した傾向は、前記した易造粒性原料を使用した場合でも、また、生石灰の代わりに、又は生石灰と共に、消石灰を添加した場合でも、同様であった。
以上のことから、流動層式乾燥機の出側(直後)における造粒物の温度を、50℃以上80℃以下(好ましくは、下限を55℃、上限を75℃)とした。

0030

続いて、造粒物の製造に用いる原料の種類(粒度構成)が、造粒物の粉率に及ぼす影響を、図3を参照しながら説明する。なお、図3の横軸の造粒物温度と縦軸の乾燥後粉率0.5mmアンダーは、それぞれ前記した図2の横軸の造粒物温度と縦軸の乾燥後粉率0.5mmアンダーと同じ指標である。
試験は、種々の粒度構成の原料を用い、前記した方法で製造した粒径が4.75〜6.8mmの造粒物を、流動層式乾燥機で乾燥させ、乾燥後の造粒物の温度が70℃又は100℃となるように、乾燥ガスの温度を調整すると共に、乾燥後の水分量が1質量%となるように、乾燥時間を調整した。
ここで、使用した原料の粒度構成を、表1に示す。

0031

0032

図3から、原料として、易造粒性原料1、2(◆印、◇印)を使用した場合よりも、難造粒性微粉原料1、2(○印、●印)を使用した場合の方が、乾燥後の造粒物の温度を100℃から70℃へ低下させた際の粉率の低下幅が大きく、前記した造粒物の温度を規定した効果が大きくなることがわかった。これは、難造粒性微粉原料1、2は含まれる微粉量が、易造粒性原料1、2中に含まれる微粉量と比較して多く、造粒物の乾燥時のクラック発生による微粉発生が多いため、その抑制による粉率の低減効果が大きくなることに起因すると考えられる。
上記した傾向は、生石灰の代わりに、又は生石灰と共に、消石灰を添加した場合でも、同様であった。

0033

以上のことから、難造粒性微粉原料に対する効果が顕著であるため、焼結原料に、鉄鉱石として500μmアンダーが50質量%(更には60質量%)以上かつ10μmアンダーが5質量%(更には4質量%)以下の粒度である微粉原料を用いることが、本発明の効果がより顕著に得られることから好ましい。
なお、500μmアンダーの上限値を規定していないのは100質量%でもよく、また10μmアンダーの下限値を規定していないのは0質量%でもよいためである。

0034

最後に、造粒物の水分が造粒物の粉率に及ぼす影響について、図4を参照しながら説明する。なお、図4の横軸の乾燥後水分は、前記した図1の横軸の乾燥後水分と同じ指標であり、また、図4の縦軸の乾燥後粉率0.5mmアンダーは、前記した図2図3の縦軸の乾燥後粉率0.5mmアンダーと同じ指標である。
試験は、前記した方法で、500μmアンダーが50質量%かつ10μmアンダーが5質量%の粒度である微粉原料を用いて製造した粒径が4.75〜6.8mmの造粒物を、流動層式乾燥機で乾燥させ、乾燥後の造粒物の温度が70℃となるように、乾燥ガスの温度を調整すると共に、乾燥後の水分量が0.5〜4質量%となるように、乾燥時間を調整した。

0035

図4から、乾燥後の造粒物の粉率は、乾燥後の造粒物の水分変化により変動し、0.5質量%の条件で最も高い粉率となり、1〜4質量%の範囲で低い粉率(9質量%以下)を示すことがわかった。特に、造粒物の水分量が2質量%以上の範囲においては、粉率が低い値(8質量%以下)で安定した。
これは、造粒物の水分量が1質量%の場合、造粒物の表面が乾燥し易いため、造粒物が粉化し易くなることによると考えられる。
上記した傾向は、前記した易造粒性原料を使用した場合でも、また、生石灰の代わりに、又は生石灰と共に、消石灰を添加した場合でも、同様であった。
以上のことから、流動層式乾燥機の出側(直後)における造粒物の水分量を、外掛けで1質量%以上、好ましくは2質量%以上とした。

0036

上記した方法で乾燥させた造粒物を、焼結パレットに装入することで、焼結鉱を製造できる。
以上のことから、本発明の焼結原料造粒物の乾燥方法を用いることで、乾燥による造粒物の強度向上効果を維持しつつ、造粒物表面からの粉化を抑制し、乾燥後の粉率を低減できることを確認できた。

0037

以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の焼結原料造粒物の乾燥方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。

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