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技術 誘導加熱コイル

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 渡邉範明桑村博志武中和彦
出願日 2013年1月11日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-003390
公開日 2014年7月24日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2014-135226
状態 特許登録済
技術分野 誘導加熱調理器 誘導加熱一般
主要キーワード 遷移位置 コイル線同士 コイル導線間 集合線 ターン目 高周波抵抗 コイル導線 自己融着
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年7月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

誘導加熱コイルにおいて、巻き乱れをなくし、隣接するターン間の電位差を下げ絶縁体を削減しコストを抑制すること。

解決手段

導体の周囲に絶縁層を設けた素線撚り合わせた集合線6の周囲に絶縁体7を設けたコイル導線1と、コイル導線1を保持するコイルベース2とを備え、コイルベース2には径が異なる少なくとも一部に切り欠き部を有する複数の同心円状の突起部3を設け、前記コイル導線は前記コイルベースの突起部の間に挿入し軸方向に同心円状に複数段径方向複数列巻回し、列を遷移する際は切り欠き部において行い、軸方向に巻く際は必ず下から上へ積み上げる構成とした。

概要

背景

従来、この種の誘導加熱コイル加熱コイル)は、導体の周囲に絶縁層を設けた素線撚り合わせた集合線コイル導線として渦巻状に複数回巻回して形成しているが、近年、銅やアルミニウムといった非磁性かつ透磁率が低い金属も加熱できるものが望まれており、その手段として、加熱コイルに流れる電流周波数を高くし、加熱コイルのターン数を増やすことが知られている。そのため加熱コイルは、表皮効果近接効果による高周波抵抗の増大を低減するために直径約0.05mm程度の素線を数百から数千本撚り合わせた集合線をコイル導線として用いて40ターン程度巻回して形成される。また、加熱コイルには約4500Vの電圧印加されるため、隣接するターン間の耐電圧性能を確保するために集合線の周囲には絶縁体を設けている。さらに、誘導加熱調理器などに使用されるため、小型化が求められ、限られたスペースに40ターン程度巻くためにコイル導線を隣接させて軸方向に複数段、かつ径方向複数列巻き付け自己融着により固着させる構成としている(例えば、特許文献1参照)。

図6は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱コイルの断面図を示し、図6(a)は、列毎に段数を変えて巻いた時の誘導加熱コイルの断面図を示す。図6(a)に示すように、コイル導線30は、素線を撚り合わせた集合線31の周囲に絶縁体32を設けた構成としており、コイル導線30を3段、2段、3段と交互に隣接して巻回し加熱コイル29を形成する構成としている。

概要

誘導加熱コイルにおいて、巻き乱れをなくし、隣接するターン間の電位差を下げ、絶縁体を削減しコストを抑制すること。導体の周囲に絶縁層を設けた素線を撚り合わせた集合線6の周囲に絶縁体7を設けたコイル導線1と、コイル導線1を保持するコイルベース2とを備え、コイルベース2には径が異なる少なくとも一部に切り欠き部を有する複数の同心円状の突起部3を設け、前記コイル導線は前記コイルベースの突起部の間に挿入し軸方向に同心円状に複数段、径方向に複数列巻回し、列を遷移する際は切り欠き部において行い、軸方向に巻く際は必ず下から上へ積み上げる構成とした。

目的

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、巻き乱れをなくし、かつ隣接するターン間の電位差を下げ、安価で、信頼性に優れた誘導加熱コイルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

導体の周囲に絶縁層を設けた素線撚り合わせて集合線とし、前記集合線の周囲に絶縁体を設けたコイル導線と、前記コイル導線を保持するコイルベースと、を備え、前記コイルベースは、互いに径が異なる同心円状に形成され、かつ、円周方向の少なくとも一カ所に切り欠き部が形成された突起部を有し、前記コイル導線は、前記コイルベースの突起部の間に挿入されて軸方向に複数段径方向複数列巻回され、軸方向に巻く際は、巻いていく上下方向の向きが隣り合う列で同じになるように巻かれ、前記切り欠き部において列が遷移する、誘導加熱コイル

請求項2

前記コイル導線を、経方向巻回しない列を少なくとも1列設けて巻回した請求項1に記載の誘導加熱コイル。

請求項3

前記コイル導線を、少なくとも1つの列において軸方向の段数を変えて巻回した請求項1または2に記載の誘導加熱コイル。

請求項4

前記コイルベースに設けた複数の同心円状の突起部に切り欠き部を複数設け、径方向への遷移位置を変えて巻回した請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱コイル。

技術分野

0001

本発明は、誘導加熱調理器などに使用される誘導加熱コイルに関するものである。

背景技術

0002

従来、この種の誘導加熱コイル(加熱コイル)は、導体の周囲に絶縁層を設けた素線撚り合わせた集合線コイル導線として渦巻状に複数回巻回して形成しているが、近年、銅やアルミニウムといった非磁性かつ透磁率が低い金属も加熱できるものが望まれており、その手段として、加熱コイルに流れる電流周波数を高くし、加熱コイルのターン数を増やすことが知られている。そのため加熱コイルは、表皮効果近接効果による高周波抵抗の増大を低減するために直径約0.05mm程度の素線を数百から数千本撚り合わせた集合線をコイル導線として用いて40ターン程度巻回して形成される。また、加熱コイルには約4500Vの電圧印加されるため、隣接するターン間の耐電圧性能を確保するために集合線の周囲には絶縁体を設けている。さらに、誘導加熱調理器などに使用されるため、小型化が求められ、限られたスペースに40ターン程度巻くためにコイル導線を隣接させて軸方向に複数段、かつ径方向複数列巻き付け自己融着により固着させる構成としている(例えば、特許文献1参照)。

0003

図6は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱コイルの断面図を示し、図6(a)は、列毎に段数を変えて巻いた時の誘導加熱コイルの断面図を示す。図6(a)に示すように、コイル導線30は、素線を撚り合わせた集合線31の周囲に絶縁体32を設けた構成としており、コイル導線30を3段、2段、3段と交互に隣接して巻回し加熱コイル29を形成する構成としている。

先行技術

0004

特開2003−197362号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、前記従来の構成では、コイル導線を隣接させて巻くため、例えば1列目を下から上に向かって複数段巻き、2列目も下から上に向かって巻く場合、列を遷移する際に1列目の上から2列目の下に向かって斜め下にコイル線が巻かれ、2列目の2段目以降はその斜め下に向かって巻かれた部分を横切って乗り越えて巻くことになり、クロス部が生じ、クロス部で径方向に膨らみが生じる。このようにして繰り返し同じように複数列巻いて形成された加熱コイルは、クロス部において真円度乱れ加熱性能が悪化するという課題を有していた。

0006

また、例えば図6(b)の矢印で示すように1列目を下から上に向かって3段巻き、2列目を上から下に向かって3段巻き、3列目を下から上に向かって3段巻き、と繰り返し巻いた場合は、クロス部が生じることはなく真円度は乱れ難いが、隣接するコイル導線間の最大ターン数差(ここでは1ターン目のコイル導線33と6ターン目のコイル導線35、あるいは4ターン目のコイル導線34と9ターン目のコイル導線36の差が最大で5ターン)は、隣接する列で同じ方向に向かって巻く場合に比べて大きくなるため、そのターン間同士にかかる電位差は大きくなる。そして、隣接するコイル導線間の最大ターン数差は段数が増えれば増えるほどこの電位差が大きくなる。これはすなわち、加熱コイルの耐電圧性能を確保することが必須となり、このためコイル導線の周囲に設けた絶縁体の厚みを大きくしたり、絶縁性能の高い材料を用いたりする必要があった。しかしながら、この
ためには組立工数が増加するとともにコストが大きいという課題を有していた。

0007

また、コイル導線を隣接して巻くため、巻き乱れが生じやすく、巻き乱れた状態で巻かれた加熱コイルは想定以上に電位差が大きくなる箇所が発生する可能性があるため、耐電圧に対する信頼性が低下するという課題も有していた。

0008

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、巻き乱れをなくし、かつ隣接するターン間の電位差を下げ、安価で、信頼性に優れた誘導加熱コイルを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱コイルは、導体の周囲に絶縁層を設けた素線を撚り合わせて集合線とし、前記集合線の周囲に絶縁体を設けたコイル導線と、コイル導線を保持するコイルベースと、を備え、前記コイルベースは、互いに径が異なる同心円状に形成され、かつ、円周方向の少なくとも一カ所に切り欠き部が形成された突起部を有し、前記コイル導線は、前記コイルベースの突起部の間に挿入されて軸方向に複数段、径方向に複数列巻回され、軸方向に巻く際は、巻いていく上下方向の向きが隣り合う列で同じになるように巻かれ、前記切り欠き部において列が遷移する構成としたものである。

0010

これによって、コイル導線はコイルベースに設けた突起部の間に挿入して巻回するため、巻き乱れが生じることなく容易に巻くことができる。

0011

また、隣り合う列で軸方向において同方向に巻回して巻く際に生じるクロス部は、コイルベースの突起部に設けた切り欠き部に配置されるため、突起部の径方向の厚み分で、クロス部に生じる膨らみを低減することができ、隣り合う列で軸方向において下から上へと同方向に巻回しても真円度が乱れることなく巻くことができる。さらに、このように隣り合う列で軸方向に同方向で巻いた加熱コイルは、隣接するコイル導線間の最大ターン数差が、隣り合う列毎に上下方向を反転して複数段巻いた場合に比べて小さくなり、隣接するターン間の電位差を下げることができ、コイル導線の周囲に設けた絶縁体の厚みを減らすことが可能となり、その分のコストが削減できる。

0012

また、コイル導線はコイルベースの突起部に挿入されるため自己融着によるコイル導線同士の固定の必要性がなく、融着層を削減することができ、それにかかる加工工数や材料代を削減できる。

0013

また、加熱コイルの列毎に、コイルベースに設けた突起部の径方向の厚み分の間隔が生じるため、近接効果を抑制でき、加熱コイルの高周波抵抗を低減することができ、加熱性能を向上させることができる。

発明の効果

0014

本発明の誘導加熱コイルは、巻き乱れをなくし、かつ隣接するターン数差を減らすことで隣接するターン間の電位差を下げることができ、絶縁体の厚みを低減でき、安価に生産することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施の形態1における誘導加熱コイルの分解斜視図
本発明の実施の形態1における誘導加熱コイルの平面図
本発明の実施の形態1における誘導加熱コイルの断面図
本発明の実施の形態2における誘導加熱コイルの断面図
本発明の実施の形態3における誘導加熱コイルの断面図
特許文献1に記載の従来の誘導加熱コイルの断面図

実施例

0016

第1の発明は、導体の周囲に絶縁層を設けた素線を撚り合わせて集合線とし、前記集合線の周囲に絶縁体を設けたコイル導線と、コイル導線を保持するコイルベースと、を備え、前記コイルベースは、互いに径が異なる同心円状に形成され、かつ、円周方向の少なくとも一カ所に切り欠き部が形成された突起部を有し、コイル導線は、コイルベースの突起部の間に挿入されて軸方向に複数段、径方向に複数列巻回され、軸方向に巻く際は、巻いていく上下方向の向きが隣り合う列で同じになるように巻かれ、前記切り欠き部において列が遷移する、構成としたより、コイル導線はコイルベースに設けた突起部の間に挿入して巻回するため、巻き乱れが生じることなく容易に巻くことができる。

0017

また、隣り合う列で軸方向において同方向に巻回して巻く際に生じるクロス部は、コイルベースの突起部に設けた切り欠き部に配置されるため、突起部の径方向の厚み分で、クロス部に生じる膨らみを低減することができ、隣り合う列で軸方向において下から上へと同方向に巻回しても真円度が乱れることなく巻くことができる。

0018

さらに、全ての列において軸方向に同方向で巻いた加熱コイルは、隣接するコイル導線間の最大ターン数差が、隣り合う列毎に上下方向を反転して複数段巻いた場合に比べて小さくなる。従って、隣接するターン間の電位差を下げることができ、コイル導線の周囲に設けた絶縁体の厚みを減らすことが可能となる。これにより、絶縁体を構成する部材を削減できる。

0019

また、コイル導線はコイルベースの突起部に挿入されるため自己融着等によるコイル導線同士の固定の必要性がなく、融着層を削減することも可能である。これにより、コイル線同士を自己融着させるための加工工数や材料代を大幅に削減できる。

0020

また、加熱コイルの列毎に、コイルベースに設けた突起部の径方向の厚み分の間隔が生じるため、近接効果を抑制でき、加熱コイルの高周波抵抗を低減することができ、加熱性能を向上させることができる。

0021

第2の発明は、特に、第1の発明において、コイル導線を、経方向に巻回しない列を少なくとも1列設けて巻回したことにより、コイルベースを共用して加熱コイルの特性を自在にかえることができる。つまり、巻回しない列においては発生する磁束が減るため、加熱コイル全体の磁束密度分布を変えることができ、加熱分布の調整が容易に行うことができる。

0022

また、巻回しない列には加熱コイルを冷却するための冷却風を流すことができ、かつ巻回しない列の隣りの列に巻かれたコイル導線においては放熱しやすくなるため、冷却性能を向上することができる。

0023

また、巻回しない列を利用して、温度検知素子などを配置することができるため、安全性を向上させることができる。

0024

第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、コイル導線を、少なくとも1つの列において軸方向の段数を変えて巻回したことにより、コイルベースを共用して加熱コイルの特性を自在にかえることができる。つまり、段数によって被加熱物までの距離が変わるため、距離によって被加熱物に向かう磁束密度が変化し、加熱分布を容易に調整でき均一化を容易に行うことができる。

0025

また、段数を減らす列を設けることにより、加熱コイルの内部まで冷却でき、かつ段数の少ない列の隣りの列に巻かれたコイル導線においては放熱しやすくなるため、冷却性能を向上することができる。

0026

第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、コイルベースに設けた複数の同心円状の突起部に切り欠き部を複数設け、径方向への遷移位置を変えて巻回したことにより、同心円状において1ターン以下、例えば2/3ターンや1/2ターン、を巻くことが可能となり、コイルベースを共用して加熱コイルの特性を自在にかえることができる。つまり、ターン数を自在に調整し、加熱分布の均一化や冷却性能の向上を容易に行うことができる。

0027

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

0028

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱コイルの分解斜視図、図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱コイルの平面図、図3は、本発明の実施の形態1における誘導加熱コイルの断面図を示すものである。

0029

図1〜3において、コイル導線1は導体の周囲に絶縁層を設けた素線を撚り合わせた集合線6の周囲に絶縁体7を設けて構成されたものであり、一般的な透磁率が高い鉄系のの他に、銅やアルミといった透磁率が低い鍋の加熱にも適した構成としている。

0030

透磁率の低い鍋を加熱する場合、70〜100kHzの高周波電流を流さなければならないが、周波数が高いほど表皮効果により素線の表面付近だけに電流が流れコイル導線1の高周波抵抗が著しく増加し、コイルのロスが大きくなり、発熱も高くなる。その対策としてコイル導線1の表面積を大きくする必要があるため、素線は直径約0.05mmのものを用いて数千本程度撚り合わせた集合線6でコイル導線1を構成している。

0031

また、銅鍋アルミ鍋を加熱する際には、加熱コイル10には約4500Vの電圧が印加されるため、隣接するターン間の耐電圧性能を確保するために集合線6の周囲には絶縁体7を設けている。

0032

コイル導線1は、樹脂製のコイルベース2に設けられた径が異なる少なくとも一部に切り欠き部4を有する複数の同心円状の突起部3の間に挿入して巻く構成とし、軸方向に同心円状に4段、径方向に9列、合計が36ターンで加熱コイル10を構成している。

0033

また、列を遷移する際は切り欠き部4において行い、図2で示すように、本実施の形態では複数設けた切り欠き部4の内、列毎に周回方向にずらして遷移させ、軸方向に巻く際は図3の矢印で示すように必ず下から上へ積み上げて巻く構成とした。 以上のような構成にしたことによって、コイル導線1はコイルベース2に設けた突起部3の間に挿入して巻回するため、巻き乱れが生じることなく容易に巻くことができる。

0034

また、隣り合う列で軸方向において同方向に巻回して巻く際に生じるクロス部5は、コイルベース2の突起部3に設けた切り欠き部4に配置されるため、突起部3の径方向の厚み分で、クロス部5に生じる膨らみを低減することができ、隣り合う列で軸方向において下から上へと同方向に巻回しても真円度が乱れることなく巻くことができる。

0035

さらに、全ての列で軸方向に同方向で巻いた加熱コイル10は、隣接するコイル導線間
の最大ターン数差が、隣り合う列毎に上下方向を反転して4段巻いた場合に比べて小さくなり、隣接するターン間の電位差を下げることができ、コイル導線1の周囲に設けた絶縁体7の厚みを減らすことが可能となり、その分のコストが削減できる。

0036

最大ターン数差は、図3においては、1ターン目のコイル導線8と5ターン目のコイル導線9のように径方向水平に隣り合うターン間が最大となりその差は4ターンとなる。しかし、前述したように隣り合う列毎に上下方向を反転して4段巻いた場合は、1ターン目のコイル導線を同じとした時、5ターン目のコイル導線9の位置に8ターン目のコイル導線が巻かれるため、そのターン間差は7ターンとなる。これは同方向に巻き上げた場合に比べ3ターンも多くなる。ここで、36ターン巻かれた加熱コイル10にかかる電圧を約4500Vとした場合、1ターン間の電位差は125Vとなる。したがって、隣接するターン間差が4ターンの場合は必要耐電圧が500V、7ターンの場合は必要耐電圧875Vとり、コイル導線1の周囲に設けた絶縁体7の厚みを減らすことが可能となり、その分のコストが削減できる。

0037

また、コイル導線1はコイルベース2の突起部3に挿入されるため自己融着によるコイル導線1同士の固定の必要性がなく、融着層を削減することができ、それにかかる加工工数や材料代を削減することができる。突起部3の間隔をコイル導線1の外径より小さくすると、外れにくくなるので良い。

0038

また、加熱コイル10の列毎に、コイルベース2に設けた突起部3の径方向の厚み分の間隔が生じるため、近接効果を抑制でき、加熱コイルの高周波抵抗を低減することができ、加熱性能を向上させることができる。

0039

また、本実施の形態では加熱コイル10の段数、列数、ターン数などはいくらでもよく、段数とターン数が同じであれば、隣接するターン間の電位差を低減することができるし、段数が多いほど低減率は高くなる。

0040

また、本実施の形態では、コイルベース2上に直接加熱コイル10を巻きつけていくようにしたが、治具等で先に巻いておき、その後コイルベース2に固定するようにしても良い。この場合も、加熱コイル10の巻いていく上下方向の向きが隣り合う列で同じようにしておけば良い。

0041

(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における誘導加熱コイルの断面図を示すものである。

0042

尚、本実施の基本構成は実施の形態1と同じであるため、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付与し、その説明は省略する。

0043

図4において、コイル導線1を、経方向に巻回しない列11を少なくとも1列設けて巻回し、加熱コイル10を形成する構成としたことにより、コイルベース2を共用して加熱コイル10の特性を自在にかえることができる。つまり、巻回しない列11においては発生する磁束が減るため、加熱コイル10全体の磁束密度の分布を変えることができ、加熱分布の調整を容易に行うことができる。

0044

また、巻回しない列11には加熱コイル10を冷却するための冷却風を流すことができ、かつ巻回しない列11の隣りの列に巻かれたコイル導線1においては放熱しやすくなるため、冷却性能を向上することができる。

0045

また、巻回しない列11を利用して、温度検知素子などを配置することができるため、
安全性を向上させることができる。

0046

本実施例では、加熱コイル10の内側から2列目を巻回しない列11としているが、本発明ではこの限りではなく、どこに巻回しない列11を設けても良いし、複数列並べてもうけても良い。

0047

(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における誘導加熱コイルの断面図を示すものである。

0048

尚、本実施の基本構成は実施の形態1と同じであるため、異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ要素には同じ符号を付与し、その説明は省略する。

0049

図5において、コイル導線1を、1列目は4段、2列目は2段、3列目は3段、4列目は4段という具合に、少なくとも1つの列において軸方向の段数を変えて巻回し、加熱コイル10を形成する構成にしたことにより、コイルベース2を共用して加熱コイル10の特性を自在にかえることができる。つまり、段数によって被加熱物までの距離、例えば、コイル導線1の直径を約3.0mmとすると、2列目では1列目に比べ6.0mm、3列目では1列目に比べ3.0mm遠くなるため、距離によって被加熱物に向かう磁束密度が変化し、加熱分布を容易に調整でき均一化を容易に行うことができる。

0050

また、段数を減らす列を設けることにより、加熱コイル10の内部まで冷却でき、かつ段数の少ない列の隣りの列のコイル導線1、図5においては、1列目の3段目と4段目、3列目の3段目、4列目の4段目が放熱しやすくなるため、冷却性能を向上することができる。

0051

以上のように、本発明にかかる誘導加熱コイルは、巻き乱れをなくし、かつ隣接するターン数差を減らすことで隣接するターン間の電位差を下げることができ、絶縁体の厚みを低減することで安価に生産できるものであり、家庭用や業務用に関わらず、様々な誘導加熱調理器の用途に有効である。

0052

1、30コイル導線
2コイルベース
3突起部
4切り欠き部
5クロス部
6、31集合線
7、32絶縁体
8、33 1ターン目のコイル導線
9 5ターン目のコイル導線
10、29加熱コイル(誘導加熱コイル)
11巻回しない列
34 4ターン目のコイル導線
35 6ターン目のコイル導線
36 9ターン目のコイル導線

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