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課題

微細パターンドーズを分散させてシュリンク低減などを防止するため、任意の方向にのみ高倍率な画像を取得すると、平面座標軸におけるもう一方の方向への偏向による偏向収差顕在化する。

解決手段

偏向器強度比回転角組み合わせ条件を複数変化させて、縦横画素サイズが異なる画像を取得し、前記画像における画素サイズの大きい方向のおける変化量に基づいて、強度比及び回転角を決める。本発明を用いることで、Y方向に視野を引き伸ばしつつ、X方向に高精度に計測を行う際の偏向収差を低減することが可能となる。

概要

背景

半導体微細回路の作製においては、ArFエキシマレーザーなどの光源を用いて、マスクに描画されたパターン形状試料表面に塗布された感光性樹脂レジスト)に転写することにより、微細パターンを形成する。これをリソグラフィ工程と呼ぶ。リソグラフィ工程において形成されたレジストパターン寸法管理のための計測(測長)には、走査型電子顕微鏡(SEM)が一般的に用いられている。SEMとは、電子源から放出された電子線を、磁場あるいは電場によって形成される電子レンズにより試料表面上に集束させ、その電子線を磁場あるいは電場によって偏向することで試料表面上を走査させ、電子線の照射によって試料から放出される二次電子を検出する装置である。二次電子放出量が試料表面の構造に依存するため、照射位置ごとの二次電子放出量を画像として表示することで、試料構造や材料を反映したコントラストが得られる。このような画像をSEM画像と呼ぶ。電子線は、ナノメートル程度まで小さく集束させることができるので、SEMを用いることで、ナノメートル程度の寸法変動を計測することができ、微細パターンの寸法管理が可能となっている。

しかし、SEMを用いて微細レジストパターンを観察すると、電子線の照射によりレジストが収縮シュリンク)するという問題がある。レジストがシュリンクするため、SEM画像におけるパターン寸法はSEM観察前の寸法より小さくなる。そのため、測長した値に誤差が発生する。シュリンクを低減する手法として、特許文献1に、電子線照射を行う際、試料の物性に基づいて決定される照射密度を上回らないように、走査線間隔を設定する方法が開示されている。

また、SEMを用いて試料表面における走査範囲視野)が数10ミクロン以上となるような観察を行うと、電子線の偏向に起因する収差偏向収差)が大きく発生し、視野の端で大きな画像ぼけ画像歪みが発生する問題がある。以上のような画像ぼけや画像歪みを低減する手法として、特許文献2には、2段の偏向器を用い、それぞれの偏向器で発生する偏向磁界の強度と方向を所定の値に設定する方法が開示されている。また、特許文献3には、2段の偏向器の偏向感度偏向方向とを、視野の大きさに連動せしめて制御する方法が開示されている。

また、特許文献4には、走査位置に応じて焦点や非点を調整することで、偏向収差のうちの像面湾曲収差非点収差補正して画像ぼけを低減する方法が開示されている。しかし、通常のSEMに搭載されている、磁場を利用した補正器やその制御回路応答速度は電場を利用した調整方法よりも遅く、高速補正条件の変化を実現できない。すなわち、高速な焦点補正や非点の制御を必要としない、偏向収差低減方法が必要である。

概要

微細パターンのドーズを分散させてシュリンク低減などを防止するため、任意の方向にのみ高倍率な画像を取得すると、平面座標軸におけるもう一方の方向への偏向による偏向収差が顕在化する。偏向器の強度比回転角組み合わせ条件を複数変化させて、縦横画素サイズが異なる画像を取得し、前記画像における画素サイズの大きい方向のおける変化量に基づいて、強度比及び回転角を決める。本発明を用いることで、Y方向に視野を引き伸ばしつつ、X方向に高精度に計測を行う際の偏向収差を低減することが可能となる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

試料を設置する試料ステージと前記試料へ荷電粒子線走査させる走査光学系と、前記荷電粒子線を偏向させる第1偏向器及び第2偏向器と、前記試料から放出された電子に基づき、第1の方向よりも第2の方向の画素サイズが大きい画像を取得する画像取得部と、前記第1偏向器及び第2偏向器における、偏向の強度比及び回転角組合せの条件を変化させた複数の前記画像を保存する画像保存部と、前記保存された複数の前記画像における前記第2の方向の変化量に基づき、前記第1偏向器及び第2偏向器に対し、前記偏向の強度比及び回転角の組合せを定める評価部とを有することを特徴とする荷電粒子線装置

請求項2

請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記画像取得部にて取得される画像はラインパターンであり、前記第2の方向は前記ラインパターンが延在する方向であることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項3

請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記画像取得部にて取得される画像はラインパターンであり、前記第2の方向の変化量は前記ラインパターンの寸法計測値であることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項4

請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記画像取得部にて取得される画像はラインパターンであり、前記評価部は、前記画像の中心部における前記ラインパターンの寸法計測値と前記画像の端部における前記ラインパターンの寸法計測値との差に基づき前記評価をすることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項5

請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記画像取得部にて取得される画像はラインパターンであり、前記評価部は、2枚の前記画像の中心部における前記ラインパターンの位置ずれ量と前記2枚の前記画像の端部における前記ラインパターンの位置ずれ量との差に基づき前記評価をすることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項6

請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記画像取得部にて取得される画像はラインパターンであり、前記評価部は、前記画像の中心部における前記ラインパターンの位置と前記画像の端部における前記ラインパターンの位置との差に基づき前記評価をすることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項7

請求項1に記載の荷電粒子線装置において、前記評価の値があらかじめ定めた許容範囲にない場合、許容範囲にないことを表示させる制御演算部を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項8

試料を設置する試料ステージと、前記試料へ荷電粒子線を走査させる走査光学系と、前記走査光学系における収差補正する収差補正手段と、前記荷電粒子線を偏向させる偏向器と、前記試料から放出された電子に基づき、第1の方向よりも第2の方向の画素サイズが大きい画像を取得する画像取得部と、前記取得された前記第2の方向の偏向量に基いて、前記収差補正手段により収差を補正させる量を算出する制御演算部とを有することを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項9

請求項8に記載の荷電粒子線装置において、前記収差補正手段が、焦点位置変更手段、非点補正手段、偏向色収差手段のいずれか、またはその組み合わせであることを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項10

請求項8に記載の荷電粒子線装置において、前記収差補正手段は、前記第1の方向に走査を行った後に、走査線の開始位置を移動する偏向動作連動して収差補正を行うことを特徴とする荷電粒子線装置。

請求項11

請求項10に記載の荷電粒子線装置において、前記偏向動作の回数より前記収差補正の動作の回数の方が少ないことを特徴とする荷電粒子線装置。

技術分野

0001

本発明は荷電粒子線を用いて半導体検査する荷電粒子線装置に関する。

背景技術

0002

半導体微細回路の作製においては、ArFエキシマレーザーなどの光源を用いて、マスクに描画されたパターン形状試料表面に塗布された感光性樹脂レジスト)に転写することにより、微細パターンを形成する。これをリソグラフィ工程と呼ぶ。リソグラフィ工程において形成されたレジストパターン寸法管理のための計測(測長)には、走査型電子顕微鏡(SEM)が一般的に用いられている。SEMとは、電子源から放出された電子線を、磁場あるいは電場によって形成される電子レンズにより試料表面上に集束させ、その電子線を磁場あるいは電場によって偏向することで試料表面上を走査させ、電子線の照射によって試料から放出される二次電子を検出する装置である。二次電子放出量が試料表面の構造に依存するため、照射位置ごとの二次電子放出量を画像として表示することで、試料構造や材料を反映したコントラストが得られる。このような画像をSEM画像と呼ぶ。電子線は、ナノメートル程度まで小さく集束させることができるので、SEMを用いることで、ナノメートル程度の寸法変動を計測することができ、微細パターンの寸法管理が可能となっている。

0003

しかし、SEMを用いて微細レジストパターンを観察すると、電子線の照射によりレジストが収縮シュリンク)するという問題がある。レジストがシュリンクするため、SEM画像におけるパターン寸法はSEM観察前の寸法より小さくなる。そのため、測長した値に誤差が発生する。シュリンクを低減する手法として、特許文献1に、電子線照射を行う際、試料の物性に基づいて決定される照射密度を上回らないように、走査線間隔を設定する方法が開示されている。

0004

また、SEMを用いて試料表面における走査範囲視野)が数10ミクロン以上となるような観察を行うと、電子線の偏向に起因する収差偏向収差)が大きく発生し、視野の端で大きな画像ぼけ画像歪みが発生する問題がある。以上のような画像ぼけや画像歪みを低減する手法として、特許文献2には、2段の偏向器を用い、それぞれの偏向器で発生する偏向磁界の強度と方向を所定の値に設定する方法が開示されている。また、特許文献3には、2段の偏向器の偏向感度偏向方向とを、視野の大きさに連動せしめて制御する方法が開示されている。

0005

また、特許文献4には、走査位置に応じて焦点や非点を調整することで、偏向収差のうちの像面湾曲収差非点収差補正して画像ぼけを低減する方法が開示されている。しかし、通常のSEMに搭載されている、磁場を利用した補正器やその制御回路応答速度は電場を利用した調整方法よりも遅く、高速補正条件の変化を実現できない。すなわち、高速な焦点補正や非点の制御を必要としない、偏向収差低減方法が必要である。

先行技術

0006

WO2003−021186号
特開平9−167587号
特開平3−173053号
特開2006−173035号

発明が解決しようとする課題

0007

近年、半導体回路パターン微細化が進んだ結果、許容される測長誤差が小さくなっており、許容されるシュリンクの量も小さくなっている。そのため、最先端のパターンにおける測長誤差の許容値満足するためには、Y方向の画素サイズ(SEM画像を構成する1画素に対応する試料上のサイズ)を例えば数10ナノメートル以上に広げて電子線照射密度を低減しシュリンクを抑制する必要がある。その結果、Y方向の視野は10ミクロン以上とする必要がある。一方で、測長を行う方向であるX方向には1ナノメートル程度の精度で観察を行う必要があるため、X方向の画素サイズは1ナノメール程度の大きさである必要がある。

0008

しかし、X方向での高倍観察を行いつつ、Y方向への視野の大きさを(例えば10ミクロン以上に)広げると、偏向収差による画像ぼけや画像歪みが顕在化する。つまり、視野中心部と比較して電子線の偏向量が大きい視野の端部で画像ぼけや画像歪みが生じる。画像ぼけが生じると測長結果が変化するため、画像ぼけは測長誤差の要因となる。さらに、画像ぼけが極端に大きい場合にはパターンの輪郭判別できなくなり、測長自体が出来なくなることもある。

0009

このような問題を解消するためには、偏向収差を低減する必要がある。図26は、偏向収差量の偏向量依存性を模式的に示したものである。偏向量の絶対値が大きくなるほど、偏向収差量は大きくなる。曲線2601は偏向収差量が大きい場合、曲線2602は偏向収差量が最小の場合である。特許文献2、3には、X方向へのnmオーダーの計測と、Y方向への大きな偏向量とを両立させるような偏向収差を評価する方法について具体的な記述は無い。また、偏向収差を評価する方法は、20ナノメートル以上の大きさに代表される低倍観察を用いる方法であり、本願のように特定方向へ高倍観察を行うときに生じる画像ぼけや画像歪みは考慮されていない。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を鑑み、本願に係る荷電粒子線装置は、試料を設置する試料ステージと前記試料へ荷電粒子線を走査させる走査光学系と、前記荷電粒子線を偏向させる第1偏向器及び第2偏向器と、前記試料から放出された電子に基づき、第1の方向よりも第2の方向の画素サイズが大きい画像を取得する画像取得部と、前記第1偏向器及び第2偏向器における、偏向の強度比及び回転角組合せの条件を変化させた複数の前記画像を保存する画像保存部と、前記保存された複数の前記画像における前記第2の方向の変化量に基づき、前記第1偏向器及び第2偏向器に対し、前記偏向の強度比及び回転角の組合せを定める評価部とを有することを特徴とする。

0011

また、本願に係る他の荷電粒子線装置は、試料を設置する試料ステージと、前記試料へ荷電粒子線を走査させる走査光学系と、前記走査光学系における収差を補正する収差補正手段と、前記荷電粒子線を偏向させる偏向器と、前記試料から放出された電子に基づき、第1の方向よりも第2の方向の画素サイズが大きい画像を取得する画像取得部と、前記取得された前記第2の方向の偏向量に基いて、前記収差補正手段により収差を補正させる量を算出する制御演算部とを有することを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明を用いることで、ラインパターンの効率的な計測を実現できる。

図面の簡単な説明

0013

レジストラインパターンの模式図
レジストラインパターンおよび電子線の走査位置の模式図
実施例1にかかわるSEMの概略構成全体図
実施例1にかかわるフローチャート
実施例1にかかわる表示の一例
長値のY位置依存性
実施例1にかかわる偏向収差の評価結果の表示の一例
強度比および回転角と計測された評価値の表
実施例1にかかわる偏向収差の計測結果の表示の一例
実施例1にかかわる偏向収差の計測結果の表示の一例
実施例2にかかわるフローチャート
軸ずれ量のY位置依存性
実施例2にかかわる偏向収差の評価結果の表示の一例
実施例3にかかわるフローチャート
パターン位置のY位置依存性
実施例3にかかわる偏向収差の評価結果の表示の一例
実施例4にかかわるフローチャート
実施例4にかかわる視野の模式図
実施例5にかかわるSEMの概略構成全体図
実施例5にかかわるフローチャート
実施例5にかかわる表示の一例
実施例5にかかわる表示の一例
実施例5にかかわる表示の一例
実施例6にかかわるSEMの概略構成全体図
偏向制御信号焦点制御信号修正量の関係
偏向制御信号と焦点制御信号修正量の関係の表
実施例7にかかわるSEMの概略構成全体図
補正条件を指定するGUI表示
偏向収差の偏向量依存性の模式図
軸ずれ量の算出方法の説明図

0014

本発明は荷電粒子線を走査して画像を取得する装置であれば、任意の形態で実施できるが、以降では、SEMを例にとって説明する。また、以降で記述する演算手段や制御手段は、それぞれ個別に記述するが、複数の手段を単一のプロセッサあるいは複数のプロセッサにより実現してもよい。

0015

また、本発明はシュリンクだけでなく、次に挙げる要因にも効果を発揮する。

0016

すなわち、近年、半導体微細回路の作製工程においてウィグリングと呼ばれるラインパターンのうねりが問題となっている。ウィグリングのY方向の周期は数10ナノメールから数100ナノメートル程度であり、これを効率よくSEMで計測するためには、Y方向の視野を10ミクロン以上に広げる必要がある。一方で、レジストパターンの観察時と同じく、測長を行う方向であるX方向の画素サイズは1ナノメール程度の大きさである必要がある。よって、画像歪みが生じると、ウィグリング計測におおけるパターンの本来のうねりに加えて、画像歪みによる見た目のパターンのうねりが生じるため、正確にウィグリングを計測できなくなる。さらに、電子線の照射がウィグリングの要因となっている可能性がある。このウィグリングの問題に対してもシュリンクと同様に、Y方向の視野を大きく広げて電子線照射密度を低減することが効果的である。

0017

また、別の要因として、電子線照射による試料帯電の問題がある。近年、半導体微細回路の作製工程において、導電性の低い絶縁体材料が多用されるようになっている。絶縁体に電子線を照射すると、試料に帯電が生じ、一次電子線軌道や二次電子放出量に影響を与え、正しくSEM画像を取得できない問題がある。また、帯電による試料内部の電場により試料の一部が絶縁破壊したり、クーロン力により試料のパターン形状が変形したりして、デバイスの性能を劣化させる可能性がある。これに対し、Y方向の視野を大きく広げれば広げえるほど電子線照射密度が低減することができ、帯電を低減できる。

0018

以上のように、シュリンク、ウィグリング、帯電といった試料ダメージの少ない高精度計測や、ウィグリングなどの長周期の現象を効率的に計測するために、Y方向の視野サイズを10ミクロン以上に広げつつ、X方向にナノメートル程度の高精細な測長を行う必要が出てきている。

0019

上記の課題を解決するための第1の方法の実施形態の一例として、X方向の画素サイズよりY方向の画素サイズが大きい(すなわち、X方向よりもY方向の倍率が低い)SEM画像を利用して、偏向収差による画像ぼけを高精度に計測し、最適な二段偏向器の強度比と回転角を設定するSEMを説明する。本実施例では、偏向収差によってラインパターンの測長値が変化することを利用し、画像内の測長値の変化量から、偏向収差の大きさを評価する。

0020

図2は、本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図である。電子銃制御部211によって制御された電子銃201から発せられた一次電子線207は、ステージ205の上に置かれた試料209の表面に収束して照射される。一次電子線の焦点の調整は、対物レンズ制御部214によって対物レンズ204に印加される電流量を制御することにより、またはリターディング制御部215によってステージ205に印加されるリターディング電圧を制御することにより行う。

0021

一次電子線207の照射によって試料表面から発生する二次電子208は、検出器206によって検出される。二段偏向器制御部212によって上段偏向器202および下段偏向器203に印加される電流を制御することで、一次電子線207を試料表面上で走査させることができる。二段偏向器制御部212には上下段設定保存部213が備わっており、上段偏向器202および下段偏向器203の二段の偏向器の強度比と回転角が上段設定保存部213に保存されている設定値となるよう、これらの偏向器の電流を制御する。

0022

装置全体の制御を行う制御演算装置221は、予め登録されている動作手順などを表した制御プログラムを処理するプロセッサを含み、各制御部へ制御信号を送信する。また、検出器206にも接続されており、二次電子の強度の信号を検出信号として受信する。また、二段偏向器制御部212へ送信する制御信号と検出器206より受信する検出信号とに基づいてSEM画像を生成し画像保存部223に保存する。あるいは、生成されたSEM画像を表示装置231に表示させることもできる。また、画像保存部223に保存された画像を用いて偏向収差の評価値を算出する偏向収差評価部222を備えている。また、複数の、強度比と回転角の組み合わせ条件と、その条件における偏向収差の評価値を保存する探索条件保存部224を備えている。

0023

なお、本実施例では、上段偏向器202および下段偏向器203が、電流によって生じる磁場によって一次電子線207を偏向させる電磁偏向器である場合について記述するが、そのいずれか、あるいは両方が電場によって一次電子線207を偏向させる静電偏向器であっても良い。また、対物レンズ以外の静電レンズあるいは電磁レンズ、一次電子線207の非点収差の補正を行う非点補正器、上段偏向器202と下段偏向器203以外の一次電子線207を偏向させる偏向器については図2では省略したが、これらが含まれていても良い。また、その他の電子線に作用する構成要素が含まれていても良い。また、検出器206が検出する電子は、二次電子のみならず、反射電子や、試料表面から発生した二次電子や反射電子がSEMの構成要素(たとえば対物レンズなど)に入射し、その結果発生した電子(いわゆる3次電子)であっても良い。

0024

図3は、本実施例にかかわるフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。

0025

テップS300にて、上段偏向器202と下段偏向器203の二段の偏向器の強度比と回転角の設定値の組み合わせ条件の最適条件を探索する範囲として、複数の組み合わせ条件を探索条件保存部224に保存する。保存する条件は、あらかじめ定めた基準条件と近い強度比と回転角の値を持つ複数の条件である。基準条件としては、このフローチャート実施前に、装置にてこのフローチャート実施以前に使用されていた強度比と回転角の組み合わせ条件、つまり上下段設定保存部213に保存されている条件であっても良いし、表示装置231に図4のような基準条件の入力を促す表示を示し、操作者に入力させた決定した条件であっても良いし、電子光学系の計算によって求めた値でも良い。以上のような参照可能な条件がない場合には、強度比1、回転角180°を基準条件としても良い。なお、あらかじめ探索条件保存部224に探査を行う条件が記録されている場合には、このステップを省略しても良い。

0026

ステップS301にて、制御演算装置221を用いて、探索条件保存部225に保存された組み合わせ条件のうちの一つを読み出して、上段偏向器202と下段偏向器203の二段の偏向器の強度比と回転角の設定値として、上下段設定保存部213に記録する。

0027

ステップS302では、制御演算装置221を用いて二段偏向器制御部212に制御信号を送信し、上段偏向器202と下段偏向器203により一次電子線207を偏向させることで、試料表面上を走査させながら、検出器206により二次電子を検出し、検出信号を用いて図1Aに示したようなライン形状のパターンのSEM画像データを生成し、画像保存部223に保存する。この際、二段偏向器制御部212は、上下段設定保存部213に保存された強度比および回転角にもとづいて、上段偏向器202と下段偏向器203を制御する。また、生成されるSEM画像のY方向の画素サイズがX方向の画素サイズよりも大きくなるよう制御信号を送信する。なお、SEM画像を取得する視野に複数のラインパターンが含まれていてもよい。

0028

ステップS303では、偏向収差評価部222を用いて、画像保存部223に保存された画像を読み出し、ラインパターンの寸法のY位置依存性を計測する。あるY位置でのパターン寸法を計測する際には、そのY位置における画像輝度のX位置依存性(輝度プロファイル)を求め、輝度プロファイルからパターン寸法を計測する。寸法計測の方法は、閾値法などSEM画像の輝度プロファイルからパターンの寸法を計測方法であれば任意の方法でよい。また、輝度プロファイルのS/Nを向上するため、計測を行うY位置近傍の輝度プロファイルの平均をとって、これを用いて測長を行っても良い。また、画像内に複数のラインパターンが含まれる場合には、それらの寸法を計測して平均化した値を用いても良い。

0029

ステップS302にて保存されたSEM画像は、Y方向の視野がX方向の視野より大きいため、視野の上下端に近づくほど画像取得の際の一次電子線の偏向量がX方向の偏向量よりも相対的に大きくなる。図26に示したように偏向量の大きくなるに従って、偏向収差が大きくなる。偏向収差が大きくなると、偏向収差に起因する画像ぼけによってラインパターンの測長値が変化するので、測長値のY位置依存性は図5に示すような曲線となる。曲線501は偏向収差が大きい場合、曲線502は小さい場合を示す。

0030

したがって、これらの曲線の曲率を求めることで、偏向収差の程度を定量的に評価することができる。具体的には、得られた測長値のY位置依存性に対し、二次近似を行って二次の係数を求め、これを偏向収差の評価値として探索条件保存部224に保存する。さらに、このSEM画像ではX方向の画素サイズが小さく、わずかなパターン寸法に違いも高精度に検出することができる。したがって、このステップにおける方法により、偏向収差量のわずかな変化も高精度に検出することができる。必要であれば、図6に示したように、画像保存部223に保存されたSEM画像、パターン寸法のY位置依存性、および評価値を示す表示を表示装置231に表示させることで、操作者に偏向収差の計測結果を知らしめても良い。

0031

なお、評価値を求める方法としては、測長値のY方向に対する変化の程度を定量化する手法ではあれば、任意の方法を用いてよい。例えば、単純に、画像中心での測長値と、画像上端での測長値あるいは画像下端での測長値あるいはそれらの平均値、との差を評価値としても良いし、測長値のY位置依存性における最小値最大値の差を用いても良い。

0032

あるいは、別の方法として、測長値のY位置依存性の二次の係数を求めるのではなく、単純にある視野中心ではない一定のY位置503における測長値504や測長値504を評価値として算出しても良い。上述の方法は、測長条件や要求される精度に応じて定められる。

0033

得られた評価値を保存する探索条件保存部224には、ステップS300で保存された強度比と回転角とあわせて、図7に示すようなデータが保存されることになる。

0034

ステップS304では、探索条件保存部224に保存された強度比と回転角の組み合わせ条件の全条件について評価値の算出が終了したかどうかを判定する。終了していない場合は、ステップS301に戻り、次の強度比と回転角の組み合わせ条件に設定する。終了した場合は、ステップS305に進む。なお、このステップにおいて、図7に示すような表形式の表示、あるいは、図8に示すようなマッピング形式の表示、あるいは図9に示すような等高線形式の表示を、表示装置231に表示させ、操作者に計測結果を知らしめても良い。

0035

ステップS305では、制御演算装置221を用いて探索条件保存部224に保存された強度比と回転角の組み合わせ条件のなかで、評価値が最小となる条件を選択し、これを上下段設定保存部213に保存する。あるいは、評価値の強度比、回転角依存性に対してフィッティングを行い、フィッティング関数から評価値が最小となる強度比、回転角の条件を求めて、上下段設定保存部213に保存してもよい。このフィッティングを用いる方法により、探索条件保存部224に保存された離散的な条件の評価結果を用い、その間を補完して最適な条件を求めることができる。

0036

ステップS306では、制御演算装置221を用いて二段偏向器制御部212に制御信号を送信し、上段偏向器202と下段偏向器203により一次電子線207を偏向させることで、試料表面上を走査させながら、検出器206により二次電子を検出し、検出信号を用いて測長を行いたいパターンのSEM画像データを生成し、画像保存部223に保存する。この際、二段偏向器制御部212は、ステップS305にて上下段設定保存部213に保存された条件に基づいて、上段偏向器202と下段偏向器203を制御する。生成されるSEM画像の画素サイズは、測長の目的に応じて任意に設定すれば良い。例えば、測長時のレジストパターンのシュリンク低減や、ラインパターンのウィグリングの効率的な計測が目的の場合には、SEM画像のY方向の画素サイズがX方向の画素サイズよりも大きくなるよう制御信号を送信する。このような画像を取得する場合、視野がY方向に大きく延びることとなり、偏向収差に影響による画像ぼけが顕在化するリスクがあるが、上下段設定保存部213に保存されている強度比と回転角の条件では偏向収差が小さくなるため、画像ぼけが低減されたSEM画像を得ることができる。

0037

ステップS307では、制御演算装置221を用い、ステップS306にて画像保存部223に保存された画像を読み出し、測長を行う。

0038

以上のフローチャートでは、Y方向の画素サイズをX方向の画素サイズよりも大きくする場合を例にとって説明したが、逆にX方向の画素サイズがY方向の画素サイズよりも大きい場合にも、同様の方法により偏向収差による画像ぼけを高精度に計測し、強度比と回転角の最適条件を見出すことが可能である。

0039

なお、本フローチャートでは、最適な強度比と回転角とを決定し、それらの条件を装置に設定してSEM画像を取得し、測長を行うフローチャートであるが、そのうちの一部を実施しても良い。たとえば、S305まで、つまり、最適な強度比と回転角の条件を上下段設定保存部213に保存するまでを実施しても良い。これにより、以降の画像取得時には、保存された設定を読み出すことで偏向収差による画像ぼけの小さいSEM画像を取得することが可能となる。

0040

上記の方法を用いることにより、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。また、多くの電子光学系で、偏向収差による画像ぼけが小さい強度比と回転角の条件は、偏向収差による画像歪みが小さい条件とほぼ一致するため、偏向収差による画像歪みも抑制することができる。これにより、SEM画像取得する際の試料ダメージ低減や、ウィグリングなどの長周期の現象の効率的な計測を実現することができる。この方法は、画像取得の際に偏向信号オフセットをのせる必要がなく偏向信号の振幅ゲインをかえるだけで実現でき、制御を簡便なものとすることができる。

0041

上記の課題を解決するための第1の方法の実施形態の別の一例として、X方向の画素サイズよりY方向の画素サイズが大きいSEM画像を利用して、偏向に伴う軸ずれを高精度に計測することで、最適な二段偏向器の強度比と回転角を設定するSEMを説明する。

0042

ここで、軸ずれとは、焦点位置を一定量変化させた際の一次電子線の照射位置の変化量のことである。焦点位置を変化させる手段が異なれば軸ずれ量も異なり、例えば、焦点位置を変化させる手段がリターディング電圧の場合には、リターディング中心からの軸ずれ量と呼ぶ。

0043

通常、一次電子線を偏向させない場合は、軸ずれが発生しないように一次電子線の軌道が調整されている。しかし、一般に、一次電子線を偏向させた場合には、偏向量に応じて軸ずれが発生する。二段偏向器により偏向させる場合には、軸ずれ量は、二段偏向器の強度比と回転角に依存する。

0044

一部の電子光学系においては、偏向収差による画像ぼけや画像歪みが最小となる二段偏向器の強度比と回転角の条件は、偏向にともなうリターディング中心からの軸ずれ量が最小となる条件とほぼ一致する。したがって、計測した偏向に伴う軸ずれ量を偏向収差の評価値とし、評価値が最小となる二段偏向器の強度比と回転角を求め、その条件を設定することで、偏向収差による画像ぼけや画像歪みを低減できる。ここでは、前記のような電子光学系に対する実施例を記述するが、偏向収差による画像ぼけや画像歪みが最小となる条件が、他の焦点位置変化手段で計測される軸ずれ量が最小となる条件とほぼ一致する電子光学系に対しては、それに応じた焦点位置変化手段を用いることで、同様な方法が適用可能である。

0045

本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図は、後述する部分を除き図2と同様である。

0046

図10は、本実施例にかかわるフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。

0047

ステップS1000からS1002は、ステップS300からS302と同様である。

0048

ステップS1003では、制御演算装置221を用いてリターディング制御部212に制御信号を送信し、ステージ205に印加するリターディング電圧を変化させて焦点位置を変化させた後、ステップS1002と同様な動作を行い、SEM画像データを生成し、画像保存部223に保存する。

0049

ステップS1004では、偏向収差評価部222を用いて画像保存部223に保存された2枚のSEM画像を読み出し、図11に示すような、軸ずれ量のY位置依存性を計測する。プロット1101は偏向収差が大きい場合の軸ずれ量、プロット1102は偏向収差が小さい場合の軸ずれ量である。軸ずれ量は、2枚の画像の同じY位置における輝度プロファイルを比較してX方向へのシフト量を算出することにより、計測できる。シフト量の算出方法としては、正規化相関法を用いても良いし、それぞれのプロファイルにおけるピーク位置を求めてその位置の違いをシフト量とする算出方法を用いても良い。これらに限らず、2つの輝度プロファイルからパターン位置のシフト量を算出する方法であれば任意の方法でよい。また、輝度プロファイルのS/Nを向上するため、計測を行うY位置近傍の輝度プロファイルの平均をとって、これを用いてシフト量を算出しても良い。

0050

また、軸ずれ量を求める方法として、2枚のSEM画像を用いる代わりに、焦点位置の異なる3枚以上のSEM画像を用いて、それらの画像の同じY位置におけるパターン位置と、それらの焦点位置との関係を線形近似して、その一次の係数を軸ずれ量としても良い。つまり、図27に示したような、パターン位置と焦点位置の関係2701を3枚以上のSEM画像から求め、その近似直線2702の傾きを軸ずれ量とする方法である。3枚以上の画像を用いることで、軸ずれ量の計測精度を向上されることが出来る。

0051

得られた軸ずれ量のY位置依存性に対し、線形近似を行って一次の係数を求め、これを評価値として探索条件保存部224に保存する。ステップS1002、及びS1003にて保存されたSEM画像は、Y方向の視野がX方向の視野より大きいため、視野の上下端に近づくほど画像取得の際の一次電子線の偏向量が大きくなり、偏向に伴う軸ずれ量が大きくなる。一方、このSEM画像ではX方向の画素サイズが小さく、わずかな軸ずれも高精度に検出することができる。必要であれば、図12に示したように、画像保存部223に保存された2枚のSEM画像、軸ずれ量のY位置依存性、および評価値を示す表示を表示装置231に表示させることで、操作者に計測結果を知らしめても良い。

0052

あるいは、別の方法として、測長値のY位置依存性の一次の係数を求めるのではなく、単純にある視野中心ではない一定のY位置1103における軸ずれ量1104や軸ずれ量1105を評価値として算出しても良い。

0053

得られた評価値を保存する探索条件保存部224には、実施例1におけるステップS303と同様に、ステップS1000で保存された強度比と回転角とあわせて、図7に示すようなデータが保存されることになる。なお、評価値を求める方法としては、軸ずれ量のY方向に対する変化の程度を定量化する手法ではあれば、任意の方法を用いてよい。例えば、単純に、画像中心での軸ずれ量と、画像上端での軸ずれ量あるいは画像下端での軸ずれ量あるいはそれらの平均値、との差を評価値としても良いし、軸ずれ量のY位置依存性における最小値と最大値の差を用いても良い。

0054

ステップS1005からS1008は、ステップS304からS307と同様である。

0055

以上のフローチャートでは、Y方向の画素サイズをX方向の画素サイズよりも大きくする場合を例にとって説明したが、逆にX方向の画素サイズがY方向の画素サイズよりも大きい場合にも、同様の方法により偏向に伴う軸ずれを高精度に計測し、強度比と回転角の最適条件を見出すことが可能である。

0056

なお、本フローチャートでは、最適な強度比と回転角とを決定し、それらの条件を装置に設定してSEM画像を取得し、測長を行うフローチャートであるが、そのうちの一部を実施しても良い。たとえば、S1006まで、つまり、最適な強度比と回転角の条件を上下段設定保存部213に保存するまでを実施しても良い。これにより、以降の画像取得時には、保存された設定を読み出すことで偏向収差による画像ぼけや画像歪みの小さいSEM画像を取得することが可能となる。

0057

上記の方法を用いることにより、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけや画像歪みを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。特に、本実施例の方法はSEM画像取得する際の試料ダメージ低減や、ウィグリングなどの長周期の現象の効率的な計測を実現することに効果を発揮する。

0058

上記の課題を解決するための第1の方法の実施形態の別の一例として、X方向の画素サイズよりY方向の画素サイズが大きいSEM画像を利用して、偏向収差による画像歪みを高精度に計測することで、最適な二段偏向器の強度比と回転角を設定するSEMを説明する。

0059

本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図は、後述する部分を除き図2と同様である。

0060

図13は、本実施例にかかわるフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。

0061

ステップS1300からS1302は、ステップS300からS302と同様である。

0062

ステップS1303では、偏向収差評価部222を用いて、画像保存部223に保存された画像を読み出し、図14に示すような、ラインパターン位置のY位置依存性を計測する。プロット1401は偏向収差が大きい場合のパターン位置のY位置依存性、プロット1402は偏向収差が小さい場合のパターン位置のY位置依存性である。あるY位置でのパターン寸法を計測する際には、そのY位置における画像輝度のX位置依存性(輝度プロファイル)を求め、輝度プロファイルからパターン位置を計測する。パターン位置の計測方法は、閾値法などSEM画像の輝度プロファイルからパターンの位置を計測方法であれば任意の方法でよい。また、輝度プロファイルのS/Nを向上するため、計測を行うY位置近傍の輝度プロファイルの平均をとって、これを用いてパターン位置の計測を行っても良い。また、画像内に複数のラインパターンが含まれる場合には、それらの位置を計測して平均化した値を用いても良い。

0063

得られたパターン位置のY位置依存性に対し、3次近似を行って3次の係数を求め、これを偏向収差の評価値として探索条件保存部224に保存する。ステップS1302にて保存されたSEM画像は、Y方向の視野がX方向の視野より大きいため、視野の上下端に近づくほど画像取得の際の一次電子線の偏向量が大きくなり、偏向収差が大きくなる。偏向収差に起因する画像歪みによって、ラインパターンの位置が偏向量の3乗に比例して変化するので、パターン位置のY位置依存性から偏向収差の程度を定量的に評価することができる。さらに、このSEM画像ではX方向の画素サイズが小さく、わずかなパターン位置の違いも高精度に検出することができる。したがって、このステップにおける方法により、偏向収差量のわずかな変化も高精度に検出することができる。必要であれば、図15に示したように、画像保存部223に保存されたSEM画像、パターン位置のY位置依存性、および評価値を示す表示を表示装置231に表示させることで、操作者に計測結果を知らしめても良い。

0064

あるいは、別の方法として、測長値のY位置依存性の3次の係数を求めるのではなく、単純にある視野中心ではない一定のY位置1403におけるパターン位置1404やパターン位置1405を評価値として算出しても良い。

0065

得られた評価値を保存する探索条件保存部224には、実施例1におけるステップS303と同様に、ステップS1300で保存された強度比と回転角とあわせて、図7に示すようなデータが保存されることになる。なお、評価値を求める方法としては、パターン位置のY方向に対する変化の程度を定量化する手法ではあれば、任意の方法を用いてよい。

0066

ステップS1304からS1307は、ステップS304からS307と同様である。

0067

以上のフローチャートでは、Y方向の画素サイズをX方向の画素サイズよりも大きくする場合を例にとって説明したが、逆にX方向の画素サイズがY方向の画素サイズよりも大きい場合にも、同様の方法により偏向収差による画像歪みに計測し、強度比と回転角の最適条件を見出すことが可能である。

0068

なお、本フローチャートでは、最適な強度比と回転角とを決定し、それらの条件を装置に設定してSEM画像を取得し、測長を行うフローチャートであるが、そのうちの一部を実施しても良い。たとえば、S1305まで、つまり、最適な強度比と回転角の条件を上下段設定保存部213に保存するまでを実施しても良い。これにより、以降の画像取得時には、保存された設定を読み出すことで偏向収差による画像歪みの小さいSEM画像を取得することが可能となる。

0069

上記の方法を用いることにより、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像歪みを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。特に、本実施例の方法は、画像歪みの低減に最も効果的である。これにより、ウィグリングなどの長周期の現象の効率的で高精度な計測を実現することができる。また、多くの電子光学系で、偏向収差による画像歪みが小さい強度比と回転角の条件は、偏向収差による画像ぼけが小さい条件とほぼ一致するため、偏向収差による画像ぼけも抑制することができる。これにより、SEM画像取得する際の試料ダメージ低減しつつ、高精度な計測を実現することができる。

0070

上記の課題を解決するための第2の方法の実施形態の一例として、偏向量にオフセットをのせた状態で取得したSEM画像を利用して、偏向収差による画像ぼけを高精度に計測し、最適な二段偏向器の強度比と回転角を設定するSEMを説明する。

0071

本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図は、後述する部分を除き図2と同様である。

0072

図16は、本実施例にかかわるフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。

0073

ステップS1600およびS1601は、ステップS300およびS301と同様である。

0074

ステップS1602では、制御演算装置221を用いて二段偏向器制御部212に制御信号を送信し、上段偏向器202と下段偏向器203により一次電子線207を偏向させることで、試料表面上を走査させながら、検出器206により二次電子を検出し、SEM画像データを生成し、画像保存部223に保存する。この際、二段偏向器制御部212は、上下段設定保存部213に保存された強度比および回転角にもとづいて、上段偏向器202と下段偏向器203を制御する。また、視野の中心における偏向量が0ではなく、たとえば数ミクロン程度と大きくなるように、上段偏向器202と下段偏向器203に印加する電流にオフセットをのせるよう制御する。

0075

つまり、図17に示したように、通常の視野の中心における偏向量が0となるような視野1701ではなく、視野1702を走査させる。図17では、視野の中心をY方向に大きく移動させるよう電流にオフセットをのせた場合を例として示したが、視野の中心の移動方向は任意である。画素サイズはX方向Y方向ともナノメートル程度と小さくなるよう制御する。これにより、大きく偏向しつつ、小さい画素サイズでSEM画像を取得することができる。また、視野1703のように、X方向とY方向の大きさが異なる視野の画像を取得し、その画像の一部を用いることで、視野1702を走査して得られた画像と同等の画像を得ても良い。なお、SEM画像を取得するパターンは、ラインパターンである必要がなく、任意のパターンでよい。ただし、高精度に偏向収差による画像ぼけを計測するためには、数ナノメートル程度の微細な構造をもつパターンが望ましい。

0076

ステップS1603では、偏向収差評価部222を用いて、画像保存部223に保存された画像を読み出して分解能を計測し、これを偏向収差の評価値とする。SEM画像の分解能計測には、CG法やDR法など、SEM画像全体の画像ぼけを定量化する方法であれば任意の方法を用いればよい。あるいは、パターンがラインパターンである場合には、ラインパターンの測長値は分解能と相関するので、測長値を分解能計測値としてもよい。この画像は、視野の全域において大きく偏向して取得されており、偏向収差による画像ぼけが生じている。したがって、画像の分解能を計測することで、偏向収差による画像ぼけの程度を定量化することができる。また、画素サイズは、ナノメートル程度と小さいため、高精度に偏向収差による画像ぼけを計測できる。また、この方法は、任意の試料に対して実施できる利点がある。

0077

ステップS1604からS1607は、ステップS304からS307と同様である。

0078

上記の方法を用いることにより、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。これにより、SEM画像取得する際の試料ダメージ低減や、ウィグリングなどの長周期の現象の効率的な計測を実現することができる。

0079

なお、本フローチャートでは、最適な強度比と回転角とを決定し、それらの条件を装置に設定してSEM画像を取得し、測長を行うフローチャートであるが、そのうちの一部を実施しても良い。たとえば、S1605まで、つまり、最適な強度比と回転角の条件を上下段設定保存部213に保存するまでを実施しても良い。これにより、以降の画像取得時には、保存された設定を読み出すことで偏向収差による画像ぼけの小さいSEM画像を取得することが可能となる。

0080

上記の課題を解決するための第1の方法、および第2の方法の実施形態の別の一例として、偏向収差による画像ぼけ、偏向に伴う軸ずれ、偏向収差による画像歪みなどを高精度に計測することで、装置の状態をモニタするSEMを説明する。

0081

図18は本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図であり、装置全体の制御を行う制御演算装置221には、偏向収差評価部222によって求めた偏向収差の評価値を一時的に保存する評価値保存部225と、偏向収差が許容範囲にあるかどうかを判定する偏向収差判定部226とが備わっている。図18に示したその他の構成要素については、後述する部分を除き図2と同様である。

0082

なお、対物レンズ以外の静電レンズあるいは電磁レンズ、一次電子線207の非点収差の補正を行う非点補正器、上段偏向器202と下段偏向器203以外の一次電子線207を偏向させる偏向器、その他の電子線に作用する構成要素が含まれていても良い。

0083

図19は、本実施例にかかわるフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って説明する。

0084

ステップS1901は、ステップS302と同様である。

0085

ステップS1902は、偏向収差評価部222を用いて、画像保存部223に保存された画像を読み出して求めた評価値を、探索条件保存部224ではなく、評価値保存部225に保存する。これを除けば、ステップS303と同様である。

0086

ステップS1903では、偏向収差判定部226を用いて、ステップS1902にて評価値保存部225に保存した評価値を読み出し、あらかじめ定めた許容範囲内にあるかどうかを判定する。許容範囲にある場合は、ステップS1904に進む。許容範囲にない場合は、ステップS1905に進む。

0087

ステップS1904では、偏向収差の影響が許容される範囲内であり、二段の偏向器の強度比と回転角が十分調整されていることを示す図20Aのような表示を、表示装置231に表示させる。なお、必要の無い場合は、このステップを省略し、そのままフローチャートを終了しても良い。

0088

ステップS1905では、偏向収差の影響が許容される範囲を超えていることを示す図20Bのような表示を、表示装置231に表示させ、操作者の注意喚起する。あるいは、図20Cのように、操作者に二段の偏向器の強度比と回転角の調整を行うよう促す表示を表示させ、操作者の入力により、実施例1から4に記載したいずれかの方法により、強度比と回転角の調整を実行するようにしても良い。さらには、このような表示を表示させること無く、自動で、実施例1から4に記載したいずれか方法により、強度比と回転角の調整を実行しても良い。

0089

なお、ここでは、実施例1に記載の方法で偏向収差の評価値を求める場合について記述したが、ステップS1902のかわりにS1003およびS1004を実行して実施例2に記載の方法で偏向収差の評価値を求めても良いし、
ステップS1902のかわりにS1303を実行して実施例3に記載の方法で偏向収差の評価値を求めても良いし、ステップS1901およびS1902のかわりにS1602およびS1603を実行して実施例4に記載の方法で偏向収差の評価値を求めても良い。なお、いずれの場合にも、偏向収差評価部222を用いて求めた評価値を、探索条件保存部224ではなく、評価値保存部225に保存する。

0090

上記の方法を用いることにより、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけが大きい状態にあることを検知することができる。この方法を定期的に実施することで、常に装置の状態を最適に維持することができる。

0091

上記の課題を解決するための第3の方法の実施形態の一例として、Y方向の偏向量に応じて焦点や非点もしくは偏向色収差を調整することで、偏向に伴う収差(像面湾曲収差や非点収差もしくは偏向色収差)を低減し、視野の上下端の画像ぼけを低減するSEMを説明する。

0092

図21は本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図であり、一次電子線207を偏向させる偏向器241と、一次電子線207の偏向収差を補正する収差補正器242(本実施例では非点補正器)を備えている。偏向器241は偏向器制御部251により制御され、非点補正器242は非点補正器制御部252により制御される。なお、偏向器241は、1段の構成であっても良いし、図2の上段偏向器202と下段偏向器203のような二段の構成であっても良い。さらに、これ以外に偏向器を備えていても良い。装置全体の制御を行う制御演算装置221には、Y方向の偏向量に応じた動的補正量を算出する動的補正量演算部227が備わっている。図21に示したその他の構成要素については、後述する部分を除き図2と同様である。なお、対物レンズ以外の静電レンズあるいは電磁レンズ、偏向器252以外の一次電子線207を偏向させる偏向器、その他の電子線に作用する構成要素が含まれていても良い。

0093

以下で、動的補正量演算部227の動作について説明する。

0094

動的補正量演算部227は、制御演算装置221が偏向器制御部251に送信する偏向制御信号に基づいて、制御演算装置221が対物レンズ制御部214に送信する焦点制御信号に修正を加える。すなわち、ここでは対物レンズを収差補正器としても用いていることになる。図22は、偏向制御信号と焦点制御信号修正量の例である。これは、走査線の方向がX方向である場合の例であり、X方向の偏向制御信号は高速に変化している一方で、Y方向の偏向制御信号の変化はX方向の偏向制御信号の変化に比べて低周波数である。Y方向の偏向制御信号に見られるステップ一段が、走査線1本に対応する。焦点制御信号修正量は図22に示したように、走査線毎に変化させる。上記の方法により、像面湾曲収差を低減できる。

0095

従来の方法では、X方向の偏向制御信号にも応じて変化させなくてはならず高速な制御が必要であったが、この方法は低速な制御で実現できる。この方法では、X方向の偏向に起因する像面湾曲収差は低減できないが、Y方向にのみ大きく偏向してSEM画像を取得する場合にはX方向の偏向に起因する像面湾曲収差は無視できる程度であり、十分像面湾曲収差を低減できる。焦点制御信号修正量は、あらかじめ定めた図23のような表を参照して決定してもよいし、あらかじめ定めた焦点制御信号修正量とY方向の偏向制御信号との関係式から算出しても良い。また、ここでは焦点制御信号修正量を走査線毎に変化させる場合について、すなわち画素サイズが小さいX方向にライン走査を行い、画素サイズが大きいY方向に走査線の開始位置を移動する偏向動作毎に収差補正を行う、述べたが、他の連動方法を用いても良い。例えば複数の走査線毎に変化させるような、走査線の開始位置を移動する偏向動作の回数より収差補正動作の回数の方が少ない低速な制御で像面湾曲収差を低減することができるようにしても良い。

0096

上記の方法を用いることにより、高速な焦点制御を必要とせずに像面湾曲収差を低減することができ、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。

0097

なお、ここでは、対物レンズ制御部214に送信する焦点制御信号に修正を加えて像面湾曲収差を低減する場合を例にとって説明したが、そのかわりに、収差補正器としてリターディング電極を用いる場合は、リターディング制御部215に送信する電圧制御信号に修正を加えても良いし、その他の焦点を制御する手段がある場合にはその手段を制御する制御信号に修正を加えても良い。

0098

また、あるいは像面湾曲収差の低減ではなく、制御演算装置221が非点補正器制御部252に送信する非点制御信号や、他の非点を制御する手段がある場合にはその手段を制御する制御信号に修正を加えて、非点収差を低減してもよい。

0099

さらには、像面湾曲収差と非点収差の両方を低減しても良い。これにより、高速な焦点と非点の制御を必要とせずに、像面湾曲収差と非点収差の両方を低減することができ、Y方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。この方法を用いる場合には、他の実施例で得られた最適な条件においてもわずかに残る偏向収差についても低減することができ、さらに偏向収差の小さい状態を実現できる利点がある。

0100

上記の課題を解決するための第3の方法の実施形態の別の一例として、偏向色収差補正の例を示す。図24は本実施例にかかわるSEMの概略構成全体図であり、図21と異なるのは収差補正器262が偏向色収差、非点収差、像面湾曲の全ての収差を補正できるように構成されていることにある。具体的にはオフセット電圧非点補正電圧重畳が可能な8極静電偏向器263とそれを取り巻くように配置された電磁偏向器264からなる。このため、オフセット電圧の制御により焦点補正を、静電偏向電磁偏向を逆方向に行うことで偏向色収差を補正することが出来る。偏向色収差も偏向に伴い発生する収差であり、像面湾曲や非点収差同様に偏向に伴う分解の劣化の原因となる。

0101

本実施例でもY方向の偏向制御信号に従って、収差補正器制御部252を制御する。ここでは補正をする走査線の間隔を不等間隔とした。具体的には偏向長に伴い急激に増加する像面湾曲を制度よく補正するために偏向量の大きなY方向の両端に近づくほど補正の頻度を高めた。

0102

図25に本実施例における表示装置の画面を示す。本実施例でも補正する収差の種類は選択が可能である。画面の上段は補正する収差の種類を選択するものでONかOFFで選択するようになっている。この図では像面湾曲を補正するための焦点補正と偏向色収差補正が選択されている。また、収差を補正するタイミングの選択も可能であり、画面の下段に示すように走査線の数(すなわち走査線の開始位置を偏向により異動する回数)に対して同じ数毎に補正する場合は等間隔を、異なる数で補正する場合は不等間隔を選択することになる。

0103

更にその際の走査線の本数を指定できる。不等間隔の場合は表示している本数を基準に、Y方向の両端に行くほど間隔が狭まることになる。図では不等間隔で基準が5本の走査線が指定されていることが分かる。このように本実施例では補正のタイミングを変えることが可能である。

実施例

0104

以上によりY方向の視野サイズを大きく広げた際の、視野の上下端における偏向収差による画像ぼけを抑制し、X方向に高精細な測長を行うことが可能となる。

0105

101…ラインパターン、102…走査線、103…走査線間隔、104…視野、201…電子銃、202…上段偏向器、203…下段偏向器、204…対物レンズ、205…ステージ、206…検出器、207…一次電子線、208…二次電子、209…試料、211…電子銃制御部、212…二段偏向器制御部、213…上下段設定保存部、214…対物レンズ制御部、215…リターディング制御部、221…制御演算装置、222…偏向収差評価部、223…画像保存部、224…探索条件保存部、225…評価値保存部、226…偏向収差判定部、227…動的補正量演算部、231…表示装置、251…偏向器制御部、252…収差補正制御部、252…収差補正制御部、262…収差補正器、263…電磁偏向器、264…8極静電偏向器、501…測長値のY位置依存性、502…測長値のY位置依存性、503…評価値を求める際に利用するY位置、504…測長値、505…測長値、1101…軸ずれ量のY位置依存性、1102…軸ずれ量のY位置依存性、1103…評価値を求める際に利用するY位置、1104…軸ずれ量、1105…軸ずれ量、1401…パターン位置のY位置依存性、1402…パターン位置のY位置依存性、1403…評価値を求める際に利用するY位置、1404…パターン位置、1405…パターン位置、1701…偏向オフセットなしの視野、1702…偏向オフセットありの視野、2601…偏向収差量の偏向量依存性、2602…偏向収差量の偏向量依存性、2701…1枚のSEM画像から評価したあるY位置におけるパターン位置、2702…パターン位置の焦点位置依存性の近似直線

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