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技術 車軸駆動装置

出願人 株式会社神崎高級工機製作所
発明者 岡西俊明
出願日 2013年1月11日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2013-003504
公開日 2014年7月24日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2014-133507
状態 未査定
技術分野 収穫機本体(6)(機枠、駆動) 非転向輪,付随車の操向,その他の操向 摩擦伝動装置
主要キーワード 機械式リンク ギア伝達機構 反転ギア 切替ギア 傾倒角 動力伝達ロス 差動駆動 右側面視
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重要な関連分野

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図面 (6)

課題

従来より、コンバイン等の車軸駆動装置では、走行駆動用の第一無段変速装置旋回駆動用の第二無段変速装置のいずれにも高価な油圧式無段変速装置を用いたため、装置コストが増加する、という問題があった。

解決手段

旋回駆動用の第二無段変速装置は、エンジン27によって回転駆動される入力軸59と、該入力軸59に支持される駆動側回転ディスク67・68と、前記入力軸59に直交配置される出力軸71・72と、該出力軸71・72に支持される従動側回転ディスク69・70とを備え、前記駆動側回転ディスク67・68のディスク周縁67a・68aを従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aに摩擦係合させ、該摩擦係合部の相対位置をシフトフォーク75R・75Lで変化させることにより、旋回変速動力を出力軸71・72から取り出す摩擦変速装置32とした。

概要

背景

従来より、クローラ式走行装置によって走行するコンバイン等の作業車両車軸駆動装置では、左右の車軸毎に油圧式無段変速装置を設けて車軸を別々に駆動する際の直進走行性旋回操作性を改善すべく、機体の走行速度を変更するための走行駆動用の油圧式無段変速装置と、機体の進行方向を変更するための旋回駆動用の油圧式無段変速装置とを備えた車軸駆動装置に関する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。

該技術では、左右の車軸間遊星歯車機構等を使った差動装置を備え、該差動装置に前記走行駆動用の油圧式無段変速装置からの走行変速動力を伝達した上で、前記旋回駆動用の油圧式無段変速装置からの旋回変速動力を、左右の車軸のそれぞれに互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、安定した直進走行性と旋回操作性を得るようにしている。

概要

従来より、コンバイン等の車軸駆動装置では、走行駆動用の第一無段変速装置と旋回駆動用の第二無段変速装置のいずれにも高価な油圧式無段変速装置を用いたため、装置コストが増加する、という問題があった。旋回駆動用の第二無段変速装置は、エンジン27によって回転駆動される入力軸59と、該入力軸59に支持される駆動側回転ディスク67・68と、前記入力軸59に直交配置される出力軸71・72と、該出力軸71・72に支持される従動側回転ディスク69・70とを備え、前記駆動側回転ディスク67・68のディスク周縁67a・68aを従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aに摩擦係合させ、該摩擦係合部の相対位置をシフトフォーク75R・75Lで変化させることにより、旋回変速動力を出力軸71・72から取り出す摩擦変速装置32とした。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

走行駆動用の第一無段変速装置旋回駆動用の第二無段変速装置、及び左右の車軸間差動装置を備え、前記第一無段変速装置・第二無段変速装置の各変速手段をそれぞれ走行操作具旋回操作具連動連係し、該走行操作具を操作して第一無段変速装置からの走行変速動力を差動装置に伝達すると共に、前記旋回操作具を操作して第二無段変速装置からの旋回変速動力を左右の車軸のそれぞれに互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、該車軸を駆動する車軸駆動装置において、前記第二無段変速装置は、駆動源によって回転駆動される入力軸と、該入力軸に支持される駆動側回転ディスクと、前記入力軸に直交配置される出力軸と、該出力軸に支持される従動側回転ディスクとを備え、前記駆動側回転ディスクと従動側回転ディスクのうちの一方の周縁部を他方のディスク面に摩擦係合させ、該摩擦係合部の相対位置を前記変速手段で変化させることにより、前記旋回変速動力を出力軸から取り出す摩擦変速装置としたことを特徴とする車軸駆動装置。

請求項2

前記従動側回転ディスクは、前記入力軸を挟んで両側に二枚配置すると共に、一方の従動側回転ディスクの出力軸からの正転動力と、他方の従動側回転ディスクの出力軸から出力されて前記正転動力と反対方向に回転する逆転動力とのうちのいずれかを選択して、前記旋回変速動力として取り出す正逆切替クラッチを設け、該正逆切替クラッチの切替手段は、前記第一無段変速装置の変速手段と一緒に、前記走行操作具に連動連係させることを特徴とする請求項1に記載の車軸駆動装置。

請求項3

前記従動側回転ディスクは、前記入力軸を挟んで両側に二枚配置すると共に、該従動側回転ディスク間に前記駆動側回転ディスクを配置して入力軸に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持し、該駆動側回転ディスクの周縁部を前記従動側回転ディスクのディスク面に摩擦係合させながら、該駆動側回転ディスクを前記変速手段によって入力軸上を摺動移動させることを特徴とする請求項1に記載の車軸駆動装置。

技術分野

0001

本発明は、走行駆動用の第一無段変速装置旋回駆動用の第二無段変速装置、及び左右の車軸間差動装置を備え、前記第一無段変速装置・第二無段変速装置の各変速手段をそれぞれ走行操作具旋回操作具連動連係し、該走行操作具によって第一無段変速装置からの走行変速動力を差動装置に伝達すると共に、前記旋回操作具によって第二無段変速装置からの旋回変速動力を左右の車軸へそれぞれ互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、該車軸を駆動する車軸駆動装置に関し、特に、前記第二無段変速装置の構成に関する。

背景技術

0002

従来より、クローラ式走行装置によって走行するコンバイン等の作業車両の車軸駆動装置では、左右の車軸毎に油圧式無段変速装置を設けて車軸を別々に駆動する際の直進走行性旋回操作性を改善すべく、機体の走行速度を変更するための走行駆動用の油圧式無段変速装置と、機体の進行方向を変更するための旋回駆動用の油圧式無段変速装置とを備えた車軸駆動装置に関する技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。

0003

該技術では、左右の車軸間に遊星歯車機構等を使った差動装置を備え、該差動装置に前記走行駆動用の油圧式無段変速装置からの走行変速動力を伝達した上で、前記旋回駆動用の油圧式無段変速装置からの旋回変速動力を、左右の車軸のそれぞれに互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、安定した直進走行性と旋回操作性を得るようにしている。

先行技術

0004

特開2000−168381号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、前述のような車軸駆動装置では、高価な油圧式無段変速装置を、走行駆動用と旋回駆動用に少なくとも2台は必要であり、装置コストが増加する、という問題があった。
更に、このような複数の油圧式無段変速装置を作動させるには、複雑な油圧回路が必要であり、該油圧回路形成のために部品が増加すると共に、該部品の配置に大きな空間が占有され、部品コストの増加、車軸駆動装置の大型化を招く、という問題があった。
加えて、旋回変速動力を左右の車軸に伝達する必要のない直進走行時には、旋回駆動用の油圧式無段変速装置は中立状態に設定されるが、旋回開始時に即時起動できるように、その油圧回路内には常時圧油を満たしておく必要があり、エネルギー損失が大きくて燃費が悪くなる、という問題があった。
更に、前記油圧式無段変速装置の中立状態は変速領域中の一点に限定されるため、該中立状態に設定保持するのが難しく、変速操作性に劣る、という問題があった。

課題を解決するための手段

0006

本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、走行駆動用の第一無段変速装置、旋回駆動用の第二無段変速装置、及び左右の車軸間の差動装置を備え、前記第一無段変速装置・第二無段変速装置の各変速手段をそれぞれ走行操作具・旋回操作具に連動連係し、該走行操作具を操作して第一無段変速装置からの走行変速動力を差動装置に伝達すると共に、前記旋回操作具を操作して第二無段変速装置からの旋回変速動力を左右の車軸のそれぞれに互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、該車軸を駆動する車軸駆動装置において、前記第二無段変速装置は、駆動源によって回転駆動される入力軸と、該入力軸に支持される駆動側回転ディスクと、前記入力軸に直交配置される出力軸と、該出力軸に支持される従動側回転ディスクとを備え、前記駆動側回転ディスクと従動側回転ディスクのうちの一方の周縁部を他方のディスク面に摩擦係合させ、該摩擦係合部の相対位置を前記変速手段で変化させることにより、前記旋回変速動力を出力軸から取り出す摩擦変速装置としたものである。
請求項2においては、前記従動側回転ディスクは、前記入力軸を挟んで両側に二枚配置すると共に、一方の従動側回転ディスクの出力軸からの正転動力と、他方の従動側回転ディスクの出力軸から出力されて前記正転動力と反対方向に回転する逆転動力とのうちのいずれかを選択して、前記旋回変速動力として取り出す正逆切替クラッチを設け、該正逆切替クラッチの切替手段は、前記第一無段変速装置の変速手段と一緒に、前記走行操作具に連動連係させるものである。
請求項3においては、前記従動側回転ディスクは、前記入力軸を挟んで両側に二枚配置すると共に、該従動側回転ディスク間に前記駆動側回転ディスクを配置して入力軸に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持し、該駆動側回転ディスクの周縁部を前記従動側回転ディスクのディスク面に摩擦係合させながら、該駆動側回転ディスクを前記変速手段によって入力軸上を摺動移動させるものである。

発明の効果

0007

本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1により、油圧式無段変速装置に代えて、入力軸、駆動側回転ディスク、出力軸、及び従動側回転ディスク等の通常の機械部品だけから成る安価な摩擦変速装置を、旋回駆動用の第二無段変速装置として用いることができ、車軸駆動装置に使用する油圧式無段変速装置の台数を減らし、装置コストを低減できる。更に、該摩擦変速装置には、複雑な油圧回路が不要であり、該油圧回路形成のための部品や、該部品の配置空間も省略して、部品コストの低減、車軸駆動装置の小型化を図ることができる。加えて、旋回変速動力を左右の車軸に伝達する必要のない直進走行時には、前記駆動側回転ディスクと従動側回転ディスクのうちの一方の周縁部を他方のディスク面から離間して中立状態に設定しており、旋回開始時には前記周縁部をディスク面に接触させるだけで済み、油圧回路内に常時圧油を満たしておく等の必要がなく、エネルギー損失が小さくて済み、燃費を向上させることができる。そして、周縁部とディスク面間の離間距離を調整する等して中立範囲を容易に拡大することができ、変速操作性の向上も図ることができる。
請求項2により、前記第一無段変速装置からの走行変速動力の回転方向に応じて、前記第二無段変速装置から旋回変速動力として正転動力か逆転動力のいずれかを取り出すことができる。例えば、正転動力で前進しながら旋回操作具を右に切り、左の車軸に正転動力を伝達しつつ、右の車軸にはその逆方向の逆転動力を伝達すると、左の車軸には回転数加算される一方、右の車軸からは回転数が減算され、両車軸間の回転数差から、前進しながらの右旋回が可能となるが、更に、旋回操作具は右に切ったまま逆転動力で後進させると、左の車軸に逆転動力を伝達しつつ右の車軸には正転動力を伝達することができ、左の車軸には回転数が加算される一方、右の車軸からは回転数が減算され、両車軸間の回転数差から、後進しながらの右旋回も可能となる。左旋回についても同様であって、これにより、前進時にも後進時にも旋回操作具の操作方向に合わせて旋回することができ、特に、旋回操作具がハンドルの場合には、自動車と同じ感覚での運転が可能となり、走行操作性を大きく向上させることができる。
請求項3により、従来のように、駆動側回転ディスクのディスク面に従動側回転ディスクの周縁部を摩擦係合させながら、該従動側回転ディスクが摺動移動する場合は、該従動側回転ディスクの周縁部は、1箇所で駆動側回転ディスクのディスク面に接触するのに対し、前記駆動側回転ディスクの周縁部は、二枚の従動側回転ディスクの各ディスク面で両側から挟持するようにして、2箇所で確実に保持することができ、摩擦係合部における摩擦力を増加させて、摩擦変速装置における動力伝達ロスを著しく軽減することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明に係わる車軸駆動装置を搭載したコンバインの全体構成を示す側面図である。
同じく平面図である。
車軸駆動装置の動力伝達構成を示すスケルトンの背面図である。
旋回変速動力の変速伝達経路の動力伝達構成を示すスケルトンの背面図である。
別形態の車軸駆動装置の動力伝達構成を示すスケルトンの背面図である。

実施例

0009

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、図1の矢印fで示す方向を作業車両であるコンバイン1の前方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等はこの前方向を基準とするものである。

0010

まず、本発明に関わる車軸駆動装置28を搭載したコンバイン1の全体構成について、図1図2により説明する。
該コンバイン1においては、トラックフレーム3の左右にクローラ式走行装置4L・4Rが支持されると共に、該トラックフレーム3には機台5が架設され、機体前後には、刈取部6と脱穀部7が設けられる。

0011

このうちの刈取部6は、刈刃8及び穀稈搬送機構9等を備えると共に、刈取フレーム14を介して油圧シリンダ13により昇降できるようにしている。前記脱穀部7には、フィードチェーン10が左側に張架され、該フィードチェーン10の右側方には扱胴11と処理胴12が内蔵されると共に、その後方には、排藁チェーン15の終端を望ませる排藁処理部16が配置され、脱穀後の排藁を後方に排出するようにしている。

0012

該排藁処理部16の側方には、前記脱穀部7からの穀粒揚穀筒17を介して搬入する穀物タンク18が設けられ、該穀物タンク18の上方には、左右上下に回動可能な排出オーガ19が配設されており、前記刈取部6で刈り取られて脱穀部7にて処理された穀粒が、穀物タンク18内に貯留された後、前記排出オーガ19を介して機外搬出されるようにしている。

0013

また、前記刈取部6と穀物タンク18との間には、運転部20が設けられ、該運転部20においては、前方のハンドルポスト21に丸型のステアリングハンドル22が支架され、該ステアリングハンドル22の後方に、運転席23が配置される。そして、該運転席23の側部には、変速レバー24等が並設されている。

0014

更に、運転部20の下方で前記左右のクローラ式走行装置4L・4Rの間に、エンジン27と、該エンジン27からの動力を変速して前記左右のクローラ式走行装置4L・4Rを駆動する、本発明に関わる車軸駆動装置28とが配設されている。

0015

次に、該車軸駆動装置28の動力伝達構成について、図3により説明する。
該車軸駆動装置28は、左右の車軸25L・25Rを収納するアクスルケース30L・30Rを、トランスミッション2のミッションケース29底部の左右両側面に装着して成り、該ミッションケース29内には、本発明に係わる旋回駆動用の摩擦変速装置32と前記車軸25L・25Rを差動駆動する差動装置47とが収容されると共に、該ミッションケース29の上部外側面には、装置ケース31が装着され、該装置ケース31内に、走行駆動用の油圧式無段変速装置26が収容されている。

0016

このうちの油圧式無段変速装置26においては、閉回路33によって互いに流体接続された可変容積型油圧ポンプ34と固定容積型の油圧モータ35とが、前記装置ケース31内に並設され、該油圧ポンプ34・油圧モータ35では、それぞれ、ポンプ軸36・モータ軸37が左右方向に延設される。

0017

そして、前記油圧ポンプ34には可動斜板34aが設けられ、該可動斜板34aは、ワイヤケーブル等のリンク機構49を介して、前記変速レバー24と連動連係されており、該変速レバー24を傾倒操作して可動斜板34aの斜板角を変更すると、前記油圧ポンプ34から閉回路33を介して油圧モータ35を流れる圧油の吐出量吐出方向が変化し、ポンプ軸36に入力された動力が無段階に変速されてモータ軸37から出力されるようにしている。

0018

更に、前記ポンプ軸36の外端は、前記装置ケース31を貫通して外方に突出し、その突出端には入力プーリ41が嵌着され、該入力プーリ41と、前記エンジン27の出力軸38の先端に嵌着された出力プーリ39との間には、ベルト40が巻回されており、該ベルト40によるベルト伝動によって、前記エンジン27からのエンジン動力がポンプ軸36に入力される。

0019

一方、前記ポンプ軸36の内端は、前記ミッションケース29の上部右側面を貫通して該ミッションケース29内に突入し、該突入端にポンプギア42が固設されており、該ポンプギア42は、ギア伝達機構等による動力伝達経路45を介して、前記摩擦変速装置32への入力ギア44に接続されている。

0020

更に、前記モータ軸37の内端も、同様にして、前記ミッションケース29の上部右側面を貫通して該ミッションケース29内に突入し、該突入端にモータギア43が固設されており、該モータギア43は、動力伝達経路46を介して、前記差動装置47のセンタギア48に接続されている。

0021

これにより、エンジン27からのエンジン動力が、前記出力軸38から、出力プーリ39、ベルト40、入力プーリ41、ポンプ軸36、動力伝達経路45を介して、前記摩擦変速装置32への入力ギア44に装置駆動力としてそのまま伝達される。

0022

一方、前記ポンプ軸36に入力されたエンジン動力は、前記変速レバー24の傾倒操作によって無段階に変速されてモータ軸37から出力された後、該変速動力は、前記モータ軸37から、モータギア43、動力伝達経路46を介して、前記差動装置47のセンタギア48に走行変速動力として伝達される。

0023

また、前記差動装置47は、左右の遊星ギア機構56・57を有し、該遊星ギア機構56・57は、前記車軸25L・25Rの間で同一軸心上に配置された駆動軸58に刻設される左右のサンギア96・97と、該サンギア96・97の外周で噛合する複数のプラネタリギア60・60・・・と、リングギア61・62に一体構成され前記プラネタリギア60・60・・・に噛合するインターナルギア63・64と、前記車軸25L・25Rに固設され前記プラネタリギア60・60・・・を枢支するキャリア65・66とから構成される。

0024

前記プラネタリギア60・60・・・は、車軸25L・25Rから放射状に均等配置されて左右のキャリア65・66にそれぞれ回転自在に軸支され、該キャリア65・66は、サンギア96・97を挟んで左右に配置されると共に、前記インターナルギア63・64は、駆動軸58と同一軸心上に配置された上で、それぞれ、車軸25L・25Rの内端部に回転自在に軸支されている。

0025

そして、前記サンギア96・97は、左右の遊星ギア機構56・57に共通のサンギアとして、共通の駆動軸58に一体的に刻設されると共に、サンギア96・97の中間部に前記センタギア48が係止されており、前記油圧式無段変速装置26からの変速動力が走行変速動力として前記センタギア48からサンギア96・97に伝達される。

0026

また、前記摩擦変速装置32の動力伝達下流側には、摩擦変速装置32から出力される正転動力と逆転動力のうちのいずれかを選択する正逆切替クラッチ53、該正逆切替クラッチ53からの回転動力を互いに逆方向の回転動力として伝達する正逆回転付与機構54が順に配置されており、これら摩擦変速装置32、正逆切替クラッチ53、及び正逆回転付与機構54によって、摩擦変速装置32の入力ギア44に伝達された前記装置駆動力が変速されてからリングギア61・62に旋回変速動力として伝達されるまでの変速伝達経路55が構成される。

0027

次に、該変速伝達経路55について、図3図4により説明する。
上流の摩擦変速装置32は、前記入力ギア44を上端に固設して前記エンジン27からのエンジン動力によって回転駆動される入力軸59、上下方向に延びる該入力軸59上に相対回転不能かつ上下方向摺動可能にスプライン結合される上下の駆動側回転ディスク67・68、前記入力軸59を挟んで左右に直交配置される左右の出力軸71・72、該出力軸71・72上にそれぞれ相対回転不能かつ左右方向摺動可能にスプライン結合される左右の従動側回転ディスク69・70、前記出力軸71・72の外端に固設される左右の出力ギア85・86等から構成され、このうちの入力軸59、出力軸71・72のいずれも、前記摩擦変速装置32を収容する装置ケース73に回動可能に支持されている。

0028

そして、前記従動側回転ディスク69・70の各ディスク内面69a・70aに、前記駆動側回転ディスク67・68のディスク周縁67a・68aが接触されると共に、前記従動側回転ディスク69・70の各ディスク外面69b・70bと装置ケース73内面との間のいずれにも、前記出力軸71・72に巻回されるバネ部材74が圧縮状態介装されている。

0029

これにより、左の従動側回転ディスク69のディスク内面69aと、右の従動側回転ディスク70のディスク内面70aのいずれも、前記バネ部材74の弾性力によって、駆動側回転ディスク67・68のディスク周縁67a・68aに向けて常時付勢されており、該ディスク周縁67a・68aは、前記ディスク内面69a・70aで両側から挟持するようにして、2箇所で確実に保持されており、ディスク内面69a・70aとディスク周縁67a・68aとの接触部分(以下、「摩擦係合部」とする)における摩擦力を増加させるようにしている。

0030

更に、前記従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aには、その回転中心部に、内方に向かって突出する規制凸部69c・70cが形成されており、上の駆動側回転ディスク67は、規制凸部69c・70cの上部と当接し、位置78よりも下方には下降できないように設定し、下の駆動側回転ディスク68は、規制凸部69c・70cの下部と当接し、位置79よりも上方には上昇できないように設定している。そして、このうちの位置78は、ステアリングハンドル22を右に最大に切った位置81に対応し、位置79は、ステアリングハンドル22を左に最大に切った位置82に対応している。

0031

一方、前記駆動側回転ディスク67・68の摺動ボス部67b・68bには、その外周に溝状のシフト凹部67c・68cが形成され、該シフト凹部67c・68cには、シフトフォーク75R・75Lのフォーク状の先部が係合され、該シフトフォーク75R・75Lの基部75Ra・75Laは、図示せぬシフト軸上に摺動可能に外嵌固定されている。そして、該基部75Ra・75Laのいずれも、ベルクランク、ワイヤケーブル等を使った機械式リンクや、電動モータ等を使った電動式リンク等のリンク機構76を介して、前記ステアリングハンドル22と連動連係されている。

0032

更に、前記駆動側回転ディスク67・68の摺動ボス部67b・68bと装置ケース73内面との間には、前記入力軸59に巻回されるバネ部材106が介装されており、前記シフトフォーク75R・75Lが作動していない初期状態では、バネ部材106により、上の駆動側回転ディスク67は、従動側回転ディスク69・70の上端よりも上方において、駆動側回転ディスク67のディスク周縁67aが従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aから離間して全く接触しない位置77Rに設定され、中立状態Nとなる。

0033

同様に、下の駆動側回転ディスク68も、バネ部材106により、従動側回転ディスク69・70の下端よりも下方において、駆動側回転ディスク68のディスク周縁68aが従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aから離間して全く接触しない位置77Lに設定され、中立状態Nとなる。そして、両駆動側回転ディスク67・68がともに中立状態Nの場合に、左右の従動側回転ディスク69・70が回転せず、左右の出力軸71・72から変速動力が出力されなくなり、これは、基準部22aを位置80に合わせて前記ステアリングハンドル22を前方に向けた直進状態Sに対応する。

0034

このような構成において、前記ステアリングハンドル22を回動操作すると、前記リンク機構76を介してシフトフォーク75R・75Lが上下動され、該シフトフォーク75R・75Lによって前記駆動側回転ディスク67・68が、スプライン結合された入力軸59上を軸心方向上下摺動されて、前記摩擦係合部の相対位置が変更される。

0035

例えば、ステアリングハンドル22を右に切って前記基準部22aを位置80から位置81まで右回転すると、前記シフトフォーク75Rにより、上の駆動側回転ディスク67のみが、バネ部材106の弾性力に抗して位置77Rから下降し、ディスク内面69a・70aの上の外周端に接触して、駆動側回転ディスク67から従動側回転ディスク69・70への動力伝達が開始され、その後、摩擦係合部が位置78に向かって下降していく。

0036

その間、駆動側回転ディスク67の回転数が一定であるにもかかわらず、従動側回転ディスク69・70の回転中心部から摩擦係合部までの半径は減少していき、該摩擦係合部における従動側回転ディスク69・70の被接触部分の円周長が減少するため、該従動側回転ディスク69・70の回転数は無段階で増加していく。そして、位置78に達すると、従動側回転ディスク69・70の回転数は最大になると共に、ステアリングハンドル22は右旋回状態Rで最大に切った位置81まで回動される。なお、このような右旋回状態Rの間は、下の駆動側回転ディスク68は、バネ部材106により位置77Lに設定されて中立状態Nとなり、前述の如く、従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aとは全く接触しない。

0037

逆に、ステアリングハンドル22を左に切って前記基準部22aを位置80から位置82まで左回転すると、前記シフトフォーク75Lにより、下の駆動側回転ディスク68のみが、バネ部材106の弾性力に抗して位置77Lから上昇し、ディスク内面69a・70aの下の外周端に接触して、駆動側回転ディスク68から従動側回転ディスク69・70への動力伝達が開始され、その後、摩擦係合部が位置79に向かって上昇していく。

0038

この場合も、駆動側回転ディスク68の回転数が一定であるにもかかわらず、従動側回転ディスク69・70の回転中心部から摩擦係合部までの半径は減少していき、該摩擦係合部における従動側回転ディスク69・70の被接触部分の円周長が減少するため、該従動側回転ディスク69・70の回転数は無段階で増加していく。そして、位置79に達すると、従動側回転ディスク69・70の回転数は最大になると共に、ステアリングハンドル22は左旋回状態Lで最大に切った位置82まで回動される。なお、このような左旋回状態Lの間も、上の駆動側回転ディスク67は、バネ部材106により位置77Rに設定されて中立状態Nとなり、前述の如く、従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aとは全く接触しない。

0039

すなわち、駆動側回転ディスク67・68のディスク周縁67a・68aを、従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aに摩擦係合させ、該摩擦係合部を、ステアリングハンドル22の回動角の増加とともに、前記ディスク内面69a・70aの外周端から回転中心部に向かって移動させるので、ステアリングハンドル22の回動角の増加とともに、従動側回転ディスク69・70の回転数を増加させ、これにより、後述の如く、左右の車軸25L・25Rに伝達される互いに逆方向の回転動力を増加し、両車軸25L・25R間の回転数差を大きくして、旋回角を増加させることができ、ステアリングハンドル22の回動角とコンバイン1の旋回角との増減を一致させ、通常の運転感覚での旋回操作を可能としている。

0040

なお、前記右旋回状態R・左旋回状態Lのいずれにおいても、ステアリングハンドル22から手を離して旋回操作を中止すると、駆動側回転ディスク67・68が、バネ部材106の弾性力により位置77R・77Lに戻って中立状態Nに復帰すると共に、ステアリングハンドル22が、位置80に戻って直進状態Sに復帰するようにしている。

0041

また、このような摩擦変速装置32の下流側にある前記正逆切替クラッチ53は、前記出力軸71・72に平行にミッションケース29内に横架される変速軸87、該変速軸87の左半部に相対回転可能に嵌設される左右の切替ギア88・89、及び該切替ギア88・89の間に相対回転不能かつ左右方向摺動可能にスプライン結合されるクラッチスライダ90等から構成されると共に、該クラッチスライダ90を左右摺動させて前記切替ギア88・89のいずれか一方と係合させ、係合した方の切替ギアを前記変速軸87に連動連結できるようにしている。

0042

該クラッチスライダ90にも、その外周に溝状のシフト凹部90aが形成され、該シフト凹部90aには、シフトフォーク91のフォーク状の先部が係合され、該シフトフォーク91の基部91aは、図示せぬシフト軸上に摺動可能に外嵌固定される。そして、該基部91aは、ベルクランク、ワイヤケーブル等のリンク機構92を介して、前記油圧式無段変速装置26の可動斜板34aと一緒に、前記変速レバー24に連動連係されている。

0043

更に、前記切替ギア88・89は、それぞれ、前記出力ギア85・86に常時噛合されており、前記右旋回状態Rまたは左旋回状態Lで摩擦変速装置32から出力される変速動力が、切替ギア88・89に常時伝達されるようにしている。

0044

このような構成において、前記変速レバー24を傾倒操作すると、前記リンク機構92を介してシフトフォーク91が左右動され、該シフトフォーク91によって前記クラッチスライダ90が、スプライン結合された変速軸87上を軸心方向に左右摺動される。

0045

該クラッチスライダ90は、位置93では切替ギア88・89のいずれとも係合せず、前記摩擦変速装置32からの変速動力が変速軸87に伝達されない中立状態N1となる。そして、該中立状態N1は、前記変速レバー24を位置50に合わせて斜板角をゼロとした中立状態N2に対応している。

0046

そして、該変速レバー24が、前記位置50から前進状態Fで最速の位置51までにある場合は、前記クラッチスライダ90が、前記シフトフォーク91によって位置94で切替ギア89と係合し、前記摩擦変速装置32からの変速動力が、切替ギア89からクラッチスライダ90を介して変速軸87に伝達される。

0047

逆に、前記変速レバー24が、前記位置50から後進状態Bで最速の位置52までにある場合は、前記クラッチスライダ90が、前記シフトフォーク91によって位置95で切替ギア88と係合し、前記摩擦変速装置32からの変速動力が、前記切替ギア88からクラッチスライダ90を介して変速軸87に伝達される。

0048

また、更に下流側の前記正逆回転付与機構54は、前記変速軸87の右半部に左右に固設された伝達ギア98・99と、該伝達ギア99に噛合すると共に前記リングギア62にも噛合する反転ギア100等から構成される。そして、前記伝達ギア98はリングギア61に噛合されている。

0049

これにより、前記変速軸87に伝達された動力は左右二系統分岐され、左側のリングギア61と右側のリングギア62には、回転方向が互いに逆方向の回転動力が旋回変速動力として伝達される。

0050

次に、以上のような動力伝達構成を用いた直進・旋回等について、図3乃至図5により説明する。
図3図4に示すように、前記エンジン27が駆動された状態では、ポンプ軸36が常時駆動されるため、該ポンプ軸36に前記ポンプギア42、動力伝達経路45、入力ギア44を介して接続される前記摩擦変速装置32も常時駆動されている。

0051

しかし、前記ステアリングハンドル22が直進状態Sでは、前述の如く、両駆動側回転ディスク67・68がともに中立状態Nにあって、左右の出力軸71・72からは変速動力が出力されないため、旋回変速動力は差動装置47に入力されない。

0052

この直進状態Sにおいて前記変速レバー24を傾倒操作すると、前記油圧式無段変速装置26の油圧ポンプ34の可動斜板34aがリンク機構49を介して回動され、斜板角が変更されて油圧モータ35が駆動する。すると、モータ軸37より、モータギア43、動力伝達経路46、センタギア48、差動装置47を介して、左右の車軸25L・25Rが同一回転数で駆動され、前方または後方へコンバイン1を直進走行させることができる。

0053

この直進状態Sからステアリングハンドル22を回動操作すると、前述の如く、駆動側回転ディスク67・68のいずれか一方が、リンク機構76を介して上下動され、その摩擦係合部がディスク内面69a・70aの外周端から回転中心部に向かって移動し、従動側回転ディスク69・70を互いに逆方向に回転させる。

0054

例えば、右側面視時計回りの回転を正転図4中では+印)、反時計回りの回転を逆転図4中では−印)とし、摩擦変速装置32の入力ギア44には、平面視で反時計回りの一定の回転動力が常時伝達されると共に、変速レバー24の傾倒操作による前進状態Fでセンタギア48が正転して前進するとした場合、ステアリングハンドル22を右に切ると、摩擦変速装置32における摩擦係合部は、前述の如く、ディスク内面69a・70aの上の外周端と位置78との間を移動するため、左の従動側回転ディスク69は逆転する一方、右の従動側回転ディスク70は正転する。

0055

すると、正逆切替クラッチ53において、前記従動側回転ディスク69の出力ギア85に噛合する左の切替ギア88は正転し、前記従動側回転ディスク69の出力ギア86に噛合する右の切替ギア89は逆転する。ここで、前述の如く前進状態Fではクラッチスライダ90は切替ギア89に係合するため、逆転動力がクラッチスライダ90を介して変速軸87に伝達される。

0056

このため、正逆回転付与機構54の左右の伝達ギア98・99はいずれも逆転し、該左の伝達ギア98に噛合する左のリングギア61は正転し、前記右の伝達ギア99と噛合する反転ギア100に噛合する右のリングギア62は逆転する。

0057

すると、正転動力によって左のインターナルギア63も正転し、その回転数は、センタギア48と一体のサンギア96によって正転している左側のプラネタリギア60・60・・・、キャリア65を介して、左の車軸25Lの回転数に加算される。一方、逆転動力によって右のインターナルギア64は逆転し、その回転数は、センタギア48と一体のサンギア97によって正転している右側のプラネタリギア60・60・・・、キャリア66を介して、右の車軸25Rの回転数から減算される。

0058

これにより、前進時に、左右の車軸25L・25Rの駆動状態を維持しつつ、左の車軸25Lの回転数を右の車軸25Rの回転数よりも多くすることができ、その回転数差から右旋回が可能となる。

0059

また、ステアリングハンドル22を右に切ったままで、変速レバー24の傾倒操作による後進状態Bでセンタギア48を逆転して後進させると、前述の如く後進状態Bではクラッチスライダ90は切替ギア88に係合するため、正転動力がクラッチスライダ90を介して変速軸87に伝達される。

0060

このため、正逆回転付与機構54の左右の伝達ギア98・99はいずれも正転し、該左の伝達ギア98に噛合する左のリングギア61は逆転し、前記右の伝達ギア99と噛合する反転ギア100に噛合する右のリングギア62は正転する。

0061

すると、逆転動力によって左のインターナルギア63も逆転し、その回転数は、センタギア48と一体のサンギア96によって逆転している左側のプラネタリギア60・60・・・、キャリア65を介して、左の車軸25Lの回転数に加算される。一方、正転動力によって右のインターナルギア64は正転し、その回転数は、センタギア48と一体のサンギア97によって逆転している右側のプラネタリギア60・60・・・、キャリア66を介して、右の車軸25Rの回転数から減算される。

0062

これにより、後進時にも、左右の車軸25L・25Rの駆動状態を維持しつつ、左の車軸25Lの回転数を右の車軸25Rの回転数よりも多くすることができ、その回転数差から右旋回が可能となる。前進しながらの左旋回、後進しながらの左旋回についても同様である。

0063

すなわち、以上のように、走行駆動用の第一無段変速装置である油圧式無段変速装置26、旋回駆動用の第二無段変速装置、及び左右の車軸25L・25R間の差動装置47を備え、前記油圧式無段変速装置26・第二無段変速装置の可動斜板34a・変速手段をそれぞれ走行操作具である変速レバー24、旋回操作具であるステアリングハンドル22に連動連係し、該変速レバー24を操作して油圧式無段変速装置26からの走行変速動力を差動装置47に伝達すると共に、前記ステアリングハンドル22を操作して第二無段変速装置からの旋回変速動力を左右の車軸25L・25Rのそれぞれに互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、該車軸25L・25Rを駆動する車軸駆動装置28において、前記第二無段変速装置は、駆動源であるエンジン27によって回転駆動される入力軸59と、該入力軸59に支持される駆動側回転ディスク67・68と、前記入力軸59に直交配置される出力軸71・72と、該出力軸71・72に支持される従動側回転ディスク69・70とを備え、前記駆動側回転ディスク67・68と従動側回転ディスク69・70のうちの一方の周縁部であるディスク周縁67a・68aを他方のディスク面であるディスク内面69a・70aに摩擦係合させ、該摩擦係合部の相対位置を前記変速手段であるシフトフォーク75R・75Lで変化させることにより、前記旋回変速動力を出力軸71・72から取り出す摩擦変速装置32としたので、油圧式無段変速装置に代えて、入力軸59、駆動側回転ディスク67・68、出力軸71・72、及び従動側回転ディスク69・70等の通常の機械部品だけから成る安価な摩擦変速装置32を、旋回駆動用の第二無段変速装置として用いることができ、車軸駆動装置28に使用する油圧式無段変速装置の台数を減らし、装置コストを低減できる。更に、該摩擦変速装置32には、複雑な油圧回路が不要であり、該油圧回路形成のための部品や、該部品の配置空間も省略して、部品コストの低減、車軸駆動装置28の小型化を図ることができる。加えて、旋回変速動力を左右の車軸25L・25Rに伝達する必要のない直進走行時には、前記駆動側回転ディスク67・68と従動側回転ディスク69・70のうちの一方の周縁部である駆動側回転ディスク67のディスク周縁67aを、他方のディスク面である従動側回転ディスク69・70のディスク内面69a・70aから離間して中立状態Nに設定しており、旋回開始時には前記ディスク周縁67aをディスク内面69a・70aに接触させるだけで済み、油圧回路内に常時圧油を満たしておく等の必要がなく、エネルギー損失が小さくて済み、燃費を向上させることができる。そして、ディスク周縁67aとディスク内面69a・70a間の離間距離を調整する等して中立範囲を容易に拡大することができ、変速操作性の向上も図ることができる。

0064

更に、前記従動側回転ディスク69・70は、前記入力軸59を挟んで両側に二枚配置すると共に、一方の従動側回転ディスク70の出力軸72からの正転動力と、他方の従動側回転ディスク69の出力軸71から出力されて前記正転動力と反対方向に回転する逆転動力とのうちのいずれかを選択して、前記旋回変速動力として取り出す正逆切替クラッチ53を設け、該正逆切替クラッチ53の切替手段であるシフトフォーク91は、前記第一無段変速装置である油圧式無段変速装置26の変速手段である可動斜板34aと一緒に、前記走行操作具である変速レバー24に連動連係させるので、前記油圧式無段変速装置26からの走行変速動力の回転方向に応じて、前記摩擦変速装置32から旋回変速動力として正転動力か逆転動力のいずれかを取り出すことができる。例えば、正転動力で前進しながら旋回操作具であるステアリングハンドル22を右に切り、左の車軸25Lに正転動力を伝達しつつ、右の車軸25Rにはその逆方向の逆転動力を伝達すると、左の車軸25Lには回転数が加算される一方、右の車軸25Rからは回転数が減算され、両車軸25L・25R間の回転数差から、前進しながらの右旋回が可能となるが、更に、ステアリングハンドル22は右に切ったまま逆転動力で後進させると、左の車軸25Lに逆転動力を伝達しつつ右の車軸25Rには正転動力を伝達することができ、左の車軸25Lには回転数が加算される一方、右の車軸25Rからは回転数が減算され、両車軸25L・25R間の回転数差から、後進しながらの右旋回も可能となる。左旋回についても同様であって、これにより、前進時にも後進時にもステアリングハンドル22の操作方向に合わせて旋回することができ、特に、旋回操作具がこのようなステアリングハンドル22の場合には、自動車と同じ感覚での運転が可能となり、走行操作性を大きく向上させることができる。

0065

加えて、前記従動側回転ディスク69・70は、前記入力軸59を挟んで両側に二枚配置すると共に、該従動側回転ディスク69・70間に前記駆動側回転ディスク67・68を配置して入力軸59に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持し、該駆動側回転ディスク67・68の周縁部であるディスク周縁67a・68aを前記従動側回転ディスク69・70のディスク面であるディスク内面69a・70aに摩擦係合させながら、該駆動側回転ディスク67・68を変速手段であるシフトフォーク75R・75Lによって入力軸59上を摺動移動させるので、従来のように、駆動側回転ディスクのディスク面に従動側回転ディスクの周縁部を摩擦係合させながら、該従動側回転ディスクが摺動移動する場合は、該従動側回転ディスクの周縁部は、1箇所で駆動側回転ディスクのディスク面に接触するのに対し、前記駆動側回転ディスク67・68のディスク周縁67a・68aは、二枚の従動側回転ディスク69・70の各ディスク内面69a・70aで両側から挟持するようにして、2箇所で確実に保持することができ、摩擦係合部における摩擦力を増加させて、摩擦変速装置32における動力伝達ロスを著しく軽減することができる。

0066

また、図5に示す車軸駆動装置28Aのように、前記正逆切替クラッチ53におけるクラッチスライダ90を油圧シリンダ101によって駆動可能とし、該油圧シリンダ101を、電磁弁102を介してコントローラ103に接続すると共に、該コントローラ103を、前記油圧式無段変速装置26における油圧ポンプ34の前後進ポートに設けた圧力センサ104・105と接続するようにしてもよい。

0067

このような構成において、前記変速レバー24の傾倒操作によって可動斜板34aの斜板角を変更すると、前進状態Fと後進状態Bにより閉回路33内の圧油の流れの向きが変わり、それに伴う圧力変化が前記圧力センサ104・105によって検知されて油圧信号としてコントローラ103に送信される。

0068

すると、該コントローラ103では、前記油圧信号に基づき、コンバイン1が前進状態F・後進状態Bのいずれかにあるかが判断され、前後進信号として前記電磁弁102に送信されて油圧シリンダ101が駆動する。そして、該油圧シリンダ101のロッド101aが伸縮動作し、前記クラッチスライダ90が、前進状態Fでは位置94に移動して切替ギア89と係合し、後進状態Bでは位置95に移動して切替ギア88と係合する。

0069

すなわち、正逆切替クラッチ53のクラッチ切替を、油圧式無段変速装置26内の圧油の圧力変化に基づいて自動的に行う構成とするので、該クラッチ切替を、前記クラッチスライダ90に機械的なシフトフォーク91・リンク機構92を介して連動連係される変速レバー24を使って行う場合と比べ、該変速レバー24の操作力が小さくて済み、変速操作性を更に向上させることができる。

0070

なお、油圧式無段変速装置26に、このような圧力センサ104・105を設けるかわりに、前記変速レバー24に、レバー部の位置や傾倒角を検知可能な位置センサ角度センサを設け、これらのセンサ類を前記コントローラ103に接続するようにしてもよい。これによっても、正逆切替クラッチ53のクラッチ切替を、変速レバー24の傾倒状態に基づいて自動的に行うことができる。

0071

本発明は、走行駆動用の第一無段変速装置、旋回駆動用の第二無段変速装置、及び左右の車軸間の差動装置を備え、前記第一無段変速装置・第二無段変速装置の各変速手段をそれぞれ走行操作具・旋回操作具に連動連係し、該走行操作具を操作して第一無段変速装置からの走行変速動力を差動装置に伝達すると共に、前記旋回操作具を操作して第二無段変速装置からの旋回変速動力を左右の車軸のそれぞれに互いに逆方向の回転動力として伝達することにより、該車軸を駆動する、全ての車軸駆動装置に適用することができる。

0072

22ステアリングハンドル(旋回操作具)
24変速レバー(走行操作具)
25L・25R車軸
26油圧式無段変速装置(第一無段変速装置)
27エンジン(駆動源)
28車軸駆動装置
32摩擦変速装置(第二無段変速装置)
34a可動斜板(変速手段)
47差動装置
53 正逆切替クラッチ
59入力軸
67・68駆動側回転ディスク
67a・68aディスク周縁(周縁部)
69・70従動側回転ディスク
69a・70aディスク内面(ディスク面)
71・72出力軸
75R・75Lシフトフォーク(変速手段)
91 シフトフォーク(切替手段)

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