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課題

充分な量の浸漬媒体が使用時間全体に渡って自動供給される液浸対物レンズを提供する。

解決手段

試料ミクロ的検査を行う液浸対物レンズであって、浸漬媒体特に浸漬液7を、試料または試料スライドガラスと前記対物レンズ外側レンズ3との間の領域内に供給する供給装置6を有し、供給装置6はキャップ8を含み、キャップ8が対物レンズ本体4を取り囲み、外側レンズ3の領域に開口し、且つ外側レンズ3に対して隙間9を形成し、浸漬液7を受け入れスペースがキャップ8内に形成され、浸漬液7が隙間9を通って流出する対物レンズにおいて、供給装置6は、キャップ8内に設けられ浸漬液7を連続的に供給するための少なくとも1つのコネクタを備え、キャップ8と前記レンズとの間に形成される隙間9は回転対称状の隙間又は環状隙間として構成される。

概要

背景

その種の液浸対物レンズは、実用的用途で既に長い間知られている。かかる対物レンズの基本思想は、いわゆる対物レンズの開口角を最適に活用することで、画質が光強度や解像度において改善される点にある。光を使って得られる解析すべき情報を最適に有効活用するためには、組織標本プレパラート)と対物レンズとの間の光学遷移(optical transition)を改善する浸漬液を使用するのが最も一般的である。浸漬液は対物レンズの総屈折率を増大させ、ひいては浸漬液の屈折率と開口角の半角正弦とから計算される対物レンズの開口数を増大させる。

浸漬液は、その屈折率が試料スライドガラスレンズに使われるガラス近似している液体である。顕微鏡対物レンズ(以後単に“対物レンズ”と呼ぶ)の入口側あるいは出口側レンズと試料スライドガラスとのエアギャップがそのような浸漬液で満たされていると、対物レンズの開口角が増大する。その結果、光強度が増大し、更に対物レンズの解像度が増加する。

液体としては、例えば水、油(オイル)、グリセロールなどの浸漬媒体を使用するのが好ましい。水中のバクテリア成長を抑えるために、例えばカフェインのような添加物を液体に加えることもできる。界面活性剤も用いられる。浸漬ガスの使用も可能である。浸漬ガスを用いる場合は、対物レンズと対物スライドガラスまたは試料との間に、浸漬ガスが適切な温度と流量で連続的に流される。

浸漬媒体の屈折率に応じて、通常ガラスで製造される対物レンズ及び対物レンズ架台キャリア)の屈折率にたいしてほぼ完璧な光学適応が達成される。そのような「完璧な」適応により、通常試料スライドガラスの部分で屈折及び/又は全反射によって生じる光の損失がほぼ完全に防がれるか、あるいは大幅に軽減される。実際には、「液浸対物レンズ」と呼ばれる使用すべき対物レンズは、特定の浸漬液を使用することで最適化される。つまり、液浸対物レンズは浸漬液の種類により、油(オイル)を浸漬媒体として用いた油浸対物レンズ、水を浸漬媒体として用い、例えば生体細胞など水を含んだ組織標本を検査するための水浸対物レンズ、及び対応する組織標本の包埋媒体に類似したグリセロールを浸漬媒体として用いたグリセロール浸漬対物レンズが区別される。

浸漬液は通常複数のグループに組み合わされており、特に、異なる液体を混合することによって浸漬媒体の光学的屈折率が変化し、従って調整可能なことで注目に値する異なる混合物として組み合わされている。

浸漬液が使用される際は、対物レンズもしくは外側レンズと組織標本もしくは試料スライドガラスとの間にその浸漬液を施し、両構成部分相互の光学的適応を達成することが重要である。浸漬液は通常、実際の実験直前に試料スライドガラスに対し、及び/又は対物レンズに対して施される。

浸漬液は通常、ピペット使い手操作で対物レンズや試料スライドガラス上に施される。しかし手操作で行うことは、高解像度顕微鏡の場合、対物レンズの焦点が対物レンズに非常に近接しており、例えば相互間の距離は0.2 mmであるため困難である。すなわち、高解像度の顕微鏡の場合、対物レンズと試料スライドガラスとの間隔はわずかミリメータの数分の一であるため、ピペットを使ってそのような狭い隙間に外側から浸漬液を導入するのは容易なことではない。その代わりには、浸漬液を導入する前に対物レンズを試料スライドガラスから離し、その後再び試料スライドガラスの位置に戻すように移動しなければならない。この移動は例えば、対物レンズを旋回させたり、上下動させることで実現される。この点が、浸漬液の導入作業を特に面倒にしている。

対物レンズが試料スライドガラス上を自動的に走査スキャン)され、多数の試料を自動的に短時間で検査可能にしている自動化された顕微鏡では、さらに別の難題が発生する。試料スライドガラスが対物レンズに対して移動された時に、液浸膜が剥れ、顕微鏡動作がそれにより乱されてしまうことがある。また自動顕微鏡は、例えば生体細胞などの試料の画像を長時間にわたって取得するのにも利用される。その場合には、浸漬媒体が部分的に蒸発するため、時々補充する必要がある。この補充を手操作で行うのは、同じく面倒なことである。

しかし、自動化された高性能の顕微鏡で浸漬液を使用することは、浸漬媒体の使用は面倒ではあるが、それによって改善された画質、特に高光強度と高解像度達成可能なため特に好都合である。

既存技術の文献としては、遮蔽要素を有する液浸対物レンズを別個に開示しているDE 202 05 080 U1が純粋に例示として挙げられる。その文献の開示内容をより詳しく述べると、対物レンズと試料との間の領域に、ベロー状ふいご状)の密封リングが配置されている。密封リングは、少量の浸漬液を受け取り、その浸漬液を光(ビーム)路に係わる領域に保持する役目を果たす。遮蔽要素は、浸漬液を必要な地点に保ち、浸漬液の蒸発及び「消費」を最小限に抑える役目を果たす。

WO 02/093232 A2
も、参照文献として挙げられる。この文献も同じく、液浸対物レンズの使用について開示している。このケースでは、試料スライドガラスの外側表面と対物レンズの出口側レンズとの間の領域へ浸漬媒体を自動供給するために、供給(送出)装置が設けられる。具体的には、供給装置は対物レンズに接続された供給用チューブを備え、この供給用チューブが該当領域へ精度よく浸漬液を搬送する。このためのトラッキング系(システム)は非常に大きなスペース占有し、且つ供給用チューブは出口側レンズと試料あるいは試料スライドガラスとの間の領域にまで延びる必要がある。つまり、この周知の装置は設計が複雑になるばかりでなく、特に自動動作の関連から複数の対物レンズを選択できるようにした場合、物理的サイズが著しく増大するため、その有効活用はとりわけ難しくなる。

より具体的には、供給装置は対物レンズの側面に沿って装着された供給用チューブを含み、そのチューブによって浸漬液が対物レンズの中心近辺へと供給される。供給用チューブの出口開口から、浸漬液は毛細管の力により、対物レンズと試料スライドガラスの間の隙間に引き出される。

充分な浸漬液が常に存在する状態を確保するため、上記周知の装置では浸漬液が連続して過剰に供給され 過剰の浸漬液が対物レンズのヘッドに設けられた排水チャネルに集められ、そこから吸引器吸引される。

特に自動的な顕微鏡検査の場合、使用される対物レンズを素早く交換することによって、種々の分解能に適応可能であれば有利である。その場合、対物レンズの交換は手動又は自動でなし得る。浸漬液の連続的な自動供給と同時に、液浸対物レンズを自動交換することは、上記のいずれのシステムでも不可能である。

更に、実際の使用においては、異なる浸漬媒体間、例えば油と水など異なる浸漬液間で交換を行うことがしばしば必要となる。そのため、一つの浸漬液から他の浸漬液に交換する際には、それまで使用していた特定の浸漬液を、対物レンズ及び試料スライドガラスからできるだけ完全に取り除く必要がある。この除去は従来、唯一手操作でのみ可能であった。浸漬液は通常手操作か、あるいは複雑な操作系を用いて施される。これにはかなりな時間が必要とされ, また浸漬液を供給あるいは導入するプロセスは精密ではない。特に一部の浸漬媒体は有毒であるため、常に汚染リスクも伴う。かかる理由からも、手操作で浸漬媒体を扱うことは避けるべきことである。

先に述べたように、実用上周知なシステムは、顕微鏡検査における実際の活用において非常に限られた範囲でのみ適している。そのようなシステムでは、質を落とすような如何なる不都合も無いよう常に注意が払われねばならない。対物レンズと試料スライドガラスとの間の隙間に対する補充用取り付け具の設置が適切でないと、対物レンズに装着された補充系が、対物レンズに対して作用するトルクを常時発生させる。複数の液浸対物レンズが対物レンズタレットで配置されている場合、対物レンズタレットの回転が上記のような補充系で妨害される。上記の欠点は全て、特に自動動作においてはどれも許容されるものではない。

浸漬液が使われる場合には、試料スライドガラスの端のレンズ、即ち対物レンズの出口側レンズが試料スライドガラスに最も接近しているような種類の対物レンズが好まれる。表面張力がそこで発生し、外側レンズと試料との間の領域に浸漬媒体を導入するのに毛細管力が活用される。例えば、係わる構成部品や構成要素の表面張力、特に浸漬液の表面張力、及び試料スライドガラスの表面と出口側レンズの表面とに対する浸漬液の界面張力など、多数の境界条件に依存するにしても表面張力を活用することは有利である。浸漬液で充分に湿っているべき表面が著しく汚染されている場合、例えば試料スライドガラス上に指紋があったり、あるいは外皮で覆われた浸漬油が試料スライドガラス及び/又は出口側レンズ上に残留していると、必要な毛細管力がその効果を発揮しないことが考えられる。出口側レンズと試料スライドガラスとの間の隙間が不完全に浸漬油で湿潤しているのみである場合も、同様のリスクが存在する。関連した光学的作用面が部分的にのみ浸漬油で湿潤している場合は、得られる顕微鏡画像の質が劣化する。

画質を劣化させる別の要因は、試料スライドガラスと対物レンズとの間で発生する気泡である。そのような気泡は毛細管力を低下させ、光学的表面を浸漬液で完全に湿潤することが出来なくなる。浸漬液を隙間に供給するのに充填チューブを用いることで、小さい気泡の生成が促進される。このリスクは特に、空気の巻き込み(エントレインメント)によるある種の噴霧化効果を生じる高い流量時に存在する。

そのような方式の液浸対物レンズがUS 3,202,049から周知であり、その液浸対物レンズには、試料あるいは試料スライドガラスと対物レンズの外側レンズ(出口側レンズ)との間の領域に浸漬液を供給するための特定装置が設けられている。この装置はキャップを含み、キャップが対物レンズ本体を取り囲み、外側レンズの領域に開口しており、更に対物レンズ本体側にある雄ネジに対し雌ネジで取り付けられている。そのキャップは外側レンズに対して隙間を形成し、キャップの内側に浸漬液を受けるための小さいリザーバ貯留器)が形成される。浸漬液はそのリザーバから隙間を通って表面に流出可能である。

キャップを設けることは、その他の周知のシステムと比較し、物理的に極めて小型で、対物レンズ本体の周囲に回転対称的に配置できる。つまりキャップは、そこで得られる容量に基づき、液浸対物レンズの動作のためそこに保持すべき浸漬液の貯留場所を有する。

周知のシステムでは、引力やキャップの手動回転を利用して、キャップと対物レンズとで形成された環状隙間から浸漬液を流出させる。そのような液浸対物レンズは、もっぱら従来の方式で、特に対物レンズが検査している試料を「見下ろす」状態で用いる必要がある。周知の重力依存型液浸対物レンズは、上下逆になった顕微鏡検査、つまり対物レンズが下から試料スライドガラスまたは試料を「見上げる」ような顕微鏡検査では使用できない。特に自動動作中に、放出すべき浸漬液の量を手動で連続的に調整することは不可能なので、周知の液浸対物レンズは、複数の液浸対物レンズを自動で使用する場合には適していない。更に周知の液浸対物レンズには、浸漬液が定常的に流出するため、多量の油が組織標本または試料スライドガラス上に溜まるという欠点がある。油が使用される場合には、定常的な蒸発のため外皮の形成(encrusation)が避けられない。

概要

充分な量の浸漬媒体が使用時間全体に渡って自動供給される液浸対物レンズを提供する。試料のミクロ的検査を行う液浸対物レンズであって、浸漬媒体特に浸漬液7を、試料または試料スライドガラスと前記対物レンズの外側レンズ3との間の領域内に供給する供給装置6を有し、供給装置6はキャップ8を含み、キャップ8が対物レンズ本体4を取り囲み、外側レンズ3の領域に開口し、且つ外側レンズ3に対して隙間9を形成し、浸漬液7を受け入れるスペースがキャップ8内に形成され、浸漬液7が隙間9を通って流出する対物レンズにおいて、供給装置6は、キャップ8内に設けられ浸漬液7を連続的に供給するための少なくとも1つのコネクタを備え、キャップ8と前記レンズとの間に形成される隙間9は回転対称状の隙間又は環状隙間として構成される。

目的

本発明の目的の、充分な量の浸漬媒体が使用時間全体にわたって供給され、自動動作中使用を可能とするように、一つには液浸対物レンズを構成し改良すること、もう一つには冒頭に述べたような装置及び方法を構成し改良することである

効果

実績

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請求項1

試料ミクロ的検査を行う液浸対物レンズであって、浸漬媒体特に浸漬液(7)を、試料または試料スライドガラス(1)と前記対物レンズ外側レンズ(3)との間の領域内に供給する供給装置(6)を有し、供給装置(6)はキャップ(8)を含み、キャップ(8)が対物レンズ本体(4)を取り囲み、外側レンズ(3)の領域に開口し、且つ外側レンズ(3)に対して隙間(9)を形成し、浸漬液(7)を受け入れスペース(12)がキャップ(8)内に形成され、浸漬液(7)が隙間(9)を通って流出する対物レンズにおいて、供給装置(6)は、キャップ(8)内に設けられ浸漬液(9)を連続的に供給するための少なくとも1つのコネクタ(10)を備え、キャップ(8)と前記レンズとの間に形成される隙間(9)は回転対称状の隙間又は環状隙間としてとして構成されることを特徴とする対物レンズ。

請求項2

浸漬液(7)を搬送するため、キャップ(8)及び/又は対物レンズ本体(4)内に複数のチャネル(23)が凹状に形成されている請求の範囲第1項に記載の対物レンズ。

請求項3

キャップ(8)は対物レンズ本体(4)の、断面積が比較的広い前面領域密封状態で装着される請求の範囲第1または2項に記載の対物レンズ。

請求項4

キャップ(8)は接続領域(11)で対物レンズ本体(4)に対し装着される請求の範囲第1から3項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項5

キャップ(8)は接続領域(11)で対物レンズ本体(4)に対しスリップ嵌めされる請求の範囲第4項に記載の対物レンズ。

請求項6

キャップ(8)は接続領域(11)で対物レンズ本体(4)に対し接着結合される請求の範囲第4項に記載の対物レンズ。

請求項7

キャップ(8)は接続領域(11)で対物レンズ本体(4)に対しネジ装着される請求の範囲第4項に記載の対物レンズ。

請求項8

隙間(9)はキャップ(8)を位置決めすることによって調整可能である請求の範囲第1から7項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項9

隙間(9)は浸漬液(7)の粘性及び表面張力適応して調整可能である請求の範囲第8項に記載の対物レンズ。

請求項10

隙間(9)は、圧力を加えない状態で浸漬液(7)が隙間(9)から流出しないように調整可能である請求の範囲第1から9項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項11

接続領域(11)は固体リングとして構成される前記請求の範囲のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項12

接続領域(11)は、対物レンズ本体(4)と直接接触する内壁(13)を有する環状チャネル(12)として構成される前記請求の範囲の第4から11項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項13

キャップ(8)は前記対物レンズもしくは対物レンズ本体(4)の外形にほぼ適応している請求の範囲第1から12項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項14

同じ浸漬液(7)もしくは異なる浸漬液(7)を導入及び/又は放出するため、2つのコネクタ(10)がキャップ(8)に設けられている請求の範囲第1から13項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項15

1つまたは複数のコネクタ(10)が、供給ライン特にホースを介して、浸漬液(7)を収容するリザーバ(21)に接続されている請求の範囲第1から15項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項16

1つまたは複数のコネクタ(10)が、供給ライン特にホースを介して、洗浄浄化液を収容するリザーバに接続されている請求の範囲第1から15項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項17

1つまたは複数のリザーバ(21)が再充填可能及び/又は交換可能である請求の範囲第17又は16項に記載の対物レンズ。

請求項18

浸漬液(7)及び/又は洗浄/浄化液を搬送するため、少なくとも1台のポンプ、好ましくは計量ポンプが設けられている請求の範囲第1から17項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項19

浸漬液(7)及び/又は洗浄/浄化液を加熱するため、加熱装置が設けられている請求の範囲第1から18項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項20

1つまたは複数のコネクタ(10)が、供給ライン特にホースを介して、浸漬液(7)及び/又は洗浄/浄化液を受け入れる収容容器に接続されている請求の範囲第1から19項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項21

キャップ(8)を備えた複数の対物レンズが、回転対称状に構成されるのが好ましい対物レンズタレット(14)に配置されている請求の範囲第1から20項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項22

前記対物レンズは対物レンズタレット(14)に、コネクタ(10)が内側を向くようにネジ止めされる請求の範囲第21項に記載の対物レンズ。

請求項23

前記複数の対物レンズの各々に少なくとも1つのリザーバ(21)が付設されている請求の範囲第21又は22項に記載の対物レンズ。

請求項24

対物レンズタレット(14)は、浸漬液(7)及び/又は洗浄/浄化液を利用可能とする少なくとも1つのリザーバ(37)、及び/又は浸漬液(7)及び/又は洗浄/浄化液を受け入れる収容容器を担持している請求の範囲第21又は22項に記載の対物レンズ。

請求項25

対物レンズタレット(14)は、流体搬送用の少なくとも1台のポンプ、好ましくはマイクロポンプを担持している請求の範囲第21から24項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項26

対物レンズタレット(14)は、浸漬液(7)及び/又は洗浄/浄化液を計量するための制御系(20)を担持している請求の範囲第21から25項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項27

制御系(20)はプロセス全体を制御するマイクロコントローラを含む請求の範囲第26項に記載の対物レンズ。

請求項28

対物レンズタレット(14)には、制御信号送受信し、センサ(24、36)に問い合わせを行って、1台または複数台のポンプの制御を行う電子系が付設されている請求の範囲第21から27項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項29

リザーバ(21)内の充填レベルがセンサ(36)によって検出可能である請求の範囲第21から28項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項30

各対物レンズにおける浸漬液(7)の現在量がセンサによって検出可能である請求の範囲第21から29項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項31

複数の弁、好ましくはマイクロ弁が、各対物レンズへの個別供給のために設けられている請求の範囲第21から30項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項32

対物レンズタレット(14)はエネルギー供給系を備えている請求の範囲第21から31項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項33

対物レンズタレット(14)に付設された複数のモジュールは、好ましくはハウジング内で機能グループにまとめられている請求の範囲第21から32項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項34

2つの対物レンズが動作用に同時に選択可能で、浸漬液(7)を供給可能である請求の範囲第1から33項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項35

浸漬液(7)の供給あるいは存在時に、使用中の前記対物レンズが試料あるいは試料スライドガラス(1)に対してゆっくりまたは迅速に移動可能である請求の範囲第1から34項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項36

音響波によって浸漬液(7)に作用を及ぼすことが可能である請求の範囲第1から35項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項37

液浸膜領域(28)における液浸膜の状態を検出するのに適したセンサ装置(32、34、36、38、40、42)、及び浸漬液の供給をセンサ装置(32、34、36、38、40、42)による検出の結果に応じて制御もしくは調整する手段が設けられている請求の範囲第1から36項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項38

センサ装置(32、34、36、38、40、42)は、浸漬液の電気伝導度に基づいて液浸膜の状態を検出する請求の範囲第37項に記載の対物レンズ。

請求項39

前記制御手段は、前記液浸膜の厚さ方向に直角な方向における導電度が下側しきい値より下がると浸漬液の供給を許可し、前記導電度が上側のしきい値を超えると浸漬液の供給を終了させる請求の範囲第38項に記載の対物レンズ。

請求項40

センサ装置(32、34、36、38、40、42)は、交流電磁場内における誘導的及び/又は容量的影響に基づいて液浸膜の状態を検出する請求の範囲第37から39項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項41

前記センサ装置は浸漬液の温度を測定する装置を含む請求の範囲第37から40項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項42

前記キャップはプレート(26)を含み、前記液浸膜領域はプレート(26)の切り抜き部(28)によって形成されている請求の範囲第37から41項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項43

プレート(26)は非導電性の材料、特にプラスチックセラミック、もしくはテフロン登録商標)からなる請求の範囲第42項に記載の対物レンズ。

請求項44

プレート(26)は回路基板材、特にガラス繊維織布及びエポキシ樹脂からなる請求の範囲第37から42項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項45

前記センサ装置は、プレート(26)上の各層として形成される電極(32、34)及び/又は電気引出し線(36、38)を含む請求の範囲第42から44項のいずれか1項に記載の対物レンズ。

請求項46

前記各層は硬質金層被覆された銅層を含む請求の範囲第45項に記載の対物レンズ。

請求項47

顕微鏡対物レンズ(10)のレンズ(20)と試料スライドガラスとの間に浸漬液の液浸膜を形成する方法であって、キャップとして構成されるのが好ましい対物レンズ装着要素(26)に形成される液浸膜領域(28)に前記浸漬液が送り込まれ、液浸膜領域(28)における液浸膜の状態がセンサ装置(33、34、36、38、40、42)によって検出され、更なる浸漬液の供給がセンサ装置(32、34、36、38、40、42)による検出の結果に応じて調整もしくは制御されることを特徴とする方法であって、前記請求の範囲第1から46項のいずれか1項に記載の装置が用いられる方法。

請求項48

前記リザーバ(21)のフレキシブル弾性を有する外側ケーシングに外部から作用する加圧装置(35)が設けられることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ。

請求項49

キャップ(8)を備えた複数の対物レンズが、回転対称状に構成されるのが好ましい対物レンズタレット(14)に配置されており、前記リザーバ(21)のフレキシブルな弾性を有する外側ケーシングに外部から作用する加圧装置(35)が前記対物レンズタレット(14)上に設けられることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ。

技術分野

0001

本発明は試料標本)のミクロ的検査用液浸(浸漬)対物レンズに関するもので、浸漬媒体特に浸漬液を、試料または試料スライドガラスと対物レンズの外側レンズとの間の領域内に供給する供給装置を有し、供給装置はキャップを含み、キャップが対物レンズ本体を取り囲み、外側レンズの領域に開口し、且つ外側レンズに対して隙間を形成し、浸漬液を受け入れスペースがキャップ内に形成され、浸漬液が前記隙間を通って流出する対物レンズに関する。

0002

本発明は更に、顕微鏡対物レンズレンズと試料スライドガラスとの間に浸漬液の液浸膜(フィルム)を形成する装置及び方法にも関する。

背景技術

0003

その種の液浸対物レンズは、実用的用途で既に長い間知られている。かかる対物レンズの基本思想は、いわゆる対物レンズの開口角を最適に活用することで、画質が光強度や解像度において改善される点にある。光を使って得られる解析すべき情報を最適に有効活用するためには、組織標本プレパラート)と対物レンズとの間の光学遷移(optical transition)を改善する浸漬液を使用するのが最も一般的である。浸漬液は対物レンズの総屈折率を増大させ、ひいては浸漬液の屈折率と開口角の半角正弦とから計算される対物レンズの開口数を増大させる。

0004

浸漬液は、その屈折率が試料スライドガラスやレンズに使われるガラス近似している液体である。顕微鏡対物レンズ(以後単に“対物レンズ”と呼ぶ)の入口側あるいは出口側レンズと試料スライドガラスとのエアギャップがそのような浸漬液で満たされていると、対物レンズの開口角が増大する。その結果、光強度が増大し、更に対物レンズの解像度が増加する。

0005

液体としては、例えば水、油(オイル)、グリセロールなどの浸漬媒体を使用するのが好ましい。水中のバクテリア成長を抑えるために、例えばカフェインのような添加物を液体に加えることもできる。界面活性剤も用いられる。浸漬ガスの使用も可能である。浸漬ガスを用いる場合は、対物レンズと対物スライドガラスまたは試料との間に、浸漬ガスが適切な温度と流量で連続的に流される。

0006

浸漬媒体の屈折率に応じて、通常ガラスで製造される対物レンズ及び対物レンズ架台キャリア)の屈折率にたいしてほぼ完璧な光学適応が達成される。そのような「完璧な」適応により、通常試料スライドガラスの部分で屈折及び/又は全反射によって生じる光の損失がほぼ完全に防がれるか、あるいは大幅に軽減される。実際には、「液浸対物レンズ」と呼ばれる使用すべき対物レンズは、特定の浸漬液を使用することで最適化される。つまり、液浸対物レンズは浸漬液の種類により、油(オイル)を浸漬媒体として用いた油浸対物レンズ、水を浸漬媒体として用い、例えば生体細胞など水を含んだ組織標本を検査するための水浸対物レンズ、及び対応する組織標本の包埋媒体に類似したグリセロールを浸漬媒体として用いたグリセロール浸漬対物レンズが区別される。

0007

浸漬液は通常複数のグループに組み合わされており、特に、異なる液体を混合することによって浸漬媒体の光学的屈折率が変化し、従って調整可能なことで注目に値する異なる混合物として組み合わされている。

0008

浸漬液が使用される際は、対物レンズもしくは外側レンズと組織標本もしくは試料スライドガラスとの間にその浸漬液を施し、両構成部分相互の光学的適応を達成することが重要である。浸漬液は通常、実際の実験直前に試料スライドガラスに対し、及び/又は対物レンズに対して施される。

0009

浸漬液は通常、ピペット使い手操作で対物レンズや試料スライドガラス上に施される。しかし手操作で行うことは、高解像度顕微鏡の場合、対物レンズの焦点が対物レンズに非常に近接しており、例えば相互間の距離は0.2 mmであるため困難である。すなわち、高解像度の顕微鏡の場合、対物レンズと試料スライドガラスとの間隔はわずかミリメータの数分の一であるため、ピペットを使ってそのような狭い隙間に外側から浸漬液を導入するのは容易なことではない。その代わりには、浸漬液を導入する前に対物レンズを試料スライドガラスから離し、その後再び試料スライドガラスの位置に戻すように移動しなければならない。この移動は例えば、対物レンズを旋回させたり、上下動させることで実現される。この点が、浸漬液の導入作業を特に面倒にしている。

0010

対物レンズが試料スライドガラス上を自動的に走査スキャン)され、多数の試料を自動的に短時間で検査可能にしている自動化された顕微鏡では、さらに別の難題が発生する。試料スライドガラスが対物レンズに対して移動された時に、液浸膜が剥れ、顕微鏡動作がそれにより乱されてしまうことがある。また自動顕微鏡は、例えば生体細胞などの試料の画像を長時間にわたって取得するのにも利用される。その場合には、浸漬媒体が部分的に蒸発するため、時々補充する必要がある。この補充を手操作で行うのは、同じく面倒なことである。

0011

しかし、自動化された高性能の顕微鏡で浸漬液を使用することは、浸漬媒体の使用は面倒ではあるが、それによって改善された画質、特に高光強度と高解像度達成可能なため特に好都合である。

0012

既存技術の文献としては、遮蔽要素を有する液浸対物レンズを別個に開示しているDE 202 05 080 U1が純粋に例示として挙げられる。その文献の開示内容をより詳しく述べると、対物レンズと試料との間の領域に、ベロー状ふいご状)の密封リングが配置されている。密封リングは、少量の浸漬液を受け取り、その浸漬液を光(ビーム)路に係わる領域に保持する役目を果たす。遮蔽要素は、浸漬液を必要な地点に保ち、浸漬液の蒸発及び「消費」を最小限に抑える役目を果たす。

0013

WO 02/093232 A2
も、参照文献として挙げられる。この文献も同じく、液浸対物レンズの使用について開示している。このケースでは、試料スライドガラスの外側表面と対物レンズの出口側レンズとの間の領域へ浸漬媒体を自動供給するために、供給(送出)装置が設けられる。具体的には、供給装置は対物レンズに接続された供給用チューブを備え、この供給用チューブが該当領域へ精度よく浸漬液を搬送する。このためのトラッキング系(システム)は非常に大きなスペースを占有し、且つ供給用チューブは出口側レンズと試料あるいは試料スライドガラスとの間の領域にまで延びる必要がある。つまり、この周知の装置は設計が複雑になるばかりでなく、特に自動動作の関連から複数の対物レンズを選択できるようにした場合、物理的サイズが著しく増大するため、その有効活用はとりわけ難しくなる。

0014

より具体的には、供給装置は対物レンズの側面に沿って装着された供給用チューブを含み、そのチューブによって浸漬液が対物レンズの中心近辺へと供給される。供給用チューブの出口開口から、浸漬液は毛細管の力により、対物レンズと試料スライドガラスの間の隙間に引き出される。

0015

充分な浸漬液が常に存在する状態を確保するため、上記周知の装置では浸漬液が連続して過剰に供給され 過剰の浸漬液が対物レンズのヘッドに設けられた排水チャネルに集められ、そこから吸引器吸引される。

0016

特に自動的な顕微鏡検査の場合、使用される対物レンズを素早く交換することによって、種々の分解能に適応可能であれば有利である。その場合、対物レンズの交換は手動又は自動でなし得る。浸漬液の連続的な自動供給と同時に、液浸対物レンズを自動交換することは、上記のいずれのシステムでも不可能である。

0017

更に、実際の使用においては、異なる浸漬媒体間、例えば油と水など異なる浸漬液間で交換を行うことがしばしば必要となる。そのため、一つの浸漬液から他の浸漬液に交換する際には、それまで使用していた特定の浸漬液を、対物レンズ及び試料スライドガラスからできるだけ完全に取り除く必要がある。この除去は従来、唯一手操作でのみ可能であった。浸漬液は通常手操作か、あるいは複雑な操作系を用いて施される。これにはかなりな時間が必要とされ, また浸漬液を供給あるいは導入するプロセスは精密ではない。特に一部の浸漬媒体は有毒であるため、常に汚染リスクも伴う。かかる理由からも、手操作で浸漬媒体を扱うことは避けるべきことである。

0018

先に述べたように、実用上周知なシステムは、顕微鏡検査における実際の活用において非常に限られた範囲でのみ適している。そのようなシステムでは、質を落とすような如何なる不都合も無いよう常に注意が払われねばならない。対物レンズと試料スライドガラスとの間の隙間に対する補充用取り付け具の設置が適切でないと、対物レンズに装着された補充系が、対物レンズに対して作用するトルクを常時発生させる。複数の液浸対物レンズが対物レンズタレットで配置されている場合、対物レンズタレットの回転が上記のような補充系で妨害される。上記の欠点は全て、特に自動動作においてはどれも許容されるものではない。

0019

浸漬液が使われる場合には、試料スライドガラスの端のレンズ、即ち対物レンズの出口側レンズが試料スライドガラスに最も接近しているような種類の対物レンズが好まれる。表面張力がそこで発生し、外側レンズと試料との間の領域に浸漬媒体を導入するのに毛細管力が活用される。例えば、係わる構成部品や構成要素の表面張力、特に浸漬液の表面張力、及び試料スライドガラスの表面と出口側レンズの表面とに対する浸漬液の界面張力など、多数の境界条件に依存するにしても表面張力を活用することは有利である。浸漬液で充分に湿っているべき表面が著しく汚染されている場合、例えば試料スライドガラス上に指紋があったり、あるいは外皮で覆われた浸漬油が試料スライドガラス及び/又は出口側レンズ上に残留していると、必要な毛細管力がその効果を発揮しないことが考えられる。出口側レンズと試料スライドガラスとの間の隙間が不完全に浸漬油で湿潤しているのみである場合も、同様のリスクが存在する。関連した光学的作用面が部分的にのみ浸漬油で湿潤している場合は、得られる顕微鏡画像の質が劣化する。

0020

画質を劣化させる別の要因は、試料スライドガラスと対物レンズとの間で発生する気泡である。そのような気泡は毛細管力を低下させ、光学的表面を浸漬液で完全に湿潤することが出来なくなる。浸漬液を隙間に供給するのに充填チューブを用いることで、小さい気泡の生成が促進される。このリスクは特に、空気の巻き込み(エントレインメント)によるある種の噴霧化効果を生じる高い流量時に存在する。

0021

そのような方式の液浸対物レンズがUS 3,202,049から周知であり、その液浸対物レンズには、試料あるいは試料スライドガラスと対物レンズの外側レンズ(出口側レンズ)との間の領域に浸漬液を供給するための特定装置が設けられている。この装置はキャップを含み、キャップが対物レンズ本体を取り囲み、外側レンズの領域に開口しており、更に対物レンズ本体側にある雄ネジに対し雌ネジで取り付けられている。そのキャップは外側レンズに対して隙間を形成し、キャップの内側に浸漬液を受けるための小さいリザーバ貯留器)が形成される。浸漬液はそのリザーバから隙間を通って表面に流出可能である。

0022

キャップを設けることは、その他の周知のシステムと比較し、物理的に極めて小型で、対物レンズ本体の周囲に回転対称的に配置できる。つまりキャップは、そこで得られる容量に基づき、液浸対物レンズの動作のためそこに保持すべき浸漬液の貯留場所を有する。

0023

周知のシステムでは、引力やキャップの手動回転を利用して、キャップと対物レンズとで形成された環状隙間から浸漬液を流出させる。そのような液浸対物レンズは、もっぱら従来の方式で、特に対物レンズが検査している試料を「見下ろす」状態で用いる必要がある。周知の重力依存型液浸対物レンズは、上下逆になった顕微鏡検査、つまり対物レンズが下から試料スライドガラスまたは試料を「見上げる」ような顕微鏡検査では使用できない。特に自動動作中に、放出すべき浸漬液の量を手動で連続的に調整することは不可能なので、周知の液浸対物レンズは、複数の液浸対物レンズを自動で使用する場合には適していない。更に周知の液浸対物レンズには、浸漬液が定常的に流出するため、多量の油が組織標本または試料スライドガラス上に溜まるという欠点がある。油が使用される場合には、定常的な蒸発のため外皮の形成(encrusation)が避けられない。

発明が解決しようとする課題

0024

従って本発明の目的の、充分な量の浸漬媒体が使用時間全体にわたって供給され、自動動作中使用を可能とするように、一つには液浸対物レンズを構成し改良すること、もう一つには冒頭に述べたような装置及び方法を構成し改良することである。これに関連した目的は、顕微鏡対物レンズと試料架台(キャリア)が相互に比較的速く移動される場合、及び/又は長時間の検査が試料に対して行われる場合であっても、顕微鏡対物レンズと試料スライドガラスとの間に、液浸膜が自動的に信頼性をもって形成されるのを保証することである。

課題を解決するための手段

0025

本発明による液浸対物レンズは、上記の目的を請求の範囲第1項に記載の特徴によって達成する。請求の範囲第1項によれば、かかる液浸対物レンズは、供給装置が、キャップ内に設けられ浸漬液を連続的に供給するための少なくとも1つのコネクタを備えることを特徴とする。本発明による方法に関しては、連携した請求範囲第47項の特徴により、前記の目的が達成される。

実施例

0026

本発明による対物レンズ関しては、対物レンズの周囲に少なくとも小型の貯留部を浸漬液に対し設けることによって、周知の液浸対物レンズにおける物理的なサイズに関する問題を改善できることが分かる。この貯留部は、対物レンズボディー周辺において少なくとも対物レンズの試料側領域に延出するキャップの内側に形成される。キャップと対物レンズ本体との間に位置した小型の貯留部に、浸漬媒体あるいは浸漬液が本発明に基づく方法で連続的に供給される。その目的のために、供給装置はキャップ内に設けられた少なくとも一つのコネクタを含み、このコネクタを介して浸漬液の連続的な供給が行われる。

0027

浸漬媒体は連続的に供給されるため、キャップの内壁と対物レンズ本体の外壁との間のスペースのサイズを最小化し、液浸対物レンズに必要なスペースをできだけ小さくすることが可能となる。すなわちコネクタを介して連続的な浸漬液の供給が行われることになるため、キャップ下側に形成される容積の最小化が可能となる。これに応じて、一定の過圧がキャップの下側に生成され、浸漬液を前記隙間を通して放出させる。従って、本発明による液浸対物レンズは、逆配置の顕微鏡、特に試料あるいは試料スライドガラスの下側に対物レンズが配置され、対物レンズが下方から試料スライドガラスまたは試料を「見る」ような顕微鏡の使用にも適している。US3,202,049による場合と同様に、重力への依存は本発明による液浸対物レンズにも存在しない。

0028

試料あるいは試料スライドガラスと対物レンズの外側レンズとの間の領域に浸漬媒体を一様に供給するためには、キャップとレンズとの間に形成される隙間が回転対称形状の隙間として構成されるのが好ましい。具体的には、前記隙間は環状隙間として構成可能である。これにより、出口側レンズの周囲領域に対する一様な浸漬媒体の供給が保証される。

0029

浸漬媒体を搬送するには、キャップ及び/又は対物レンズ本体にチャネル(溝)を凹状の形成することも考えられる。そのようなチャネルを設けることで、特に毛細管力を利用した浸漬液の輸送を促進可能である。

0030

キャップは、対物レンズ本体の前方領域に比較的広い横断面で、少なくともほぼ密封状態で取り付けられる。これに関連して、キャップの取り付けは比較的広い前部または上部の対物レンズネック部の領域において実施し、対物レンズと試料スライドガラスとの接触時に押し込まれる下方の比較的狭い対物レンズネック部が、一種の安全バッファーとして妨害なく連続的な供給を可能とすることが重要である。

0031

具体的には、キャップは対物レンズ本体上の接続領域に取り付けられる。その接続領域は、キャップの一体的な構成要素である。キャップが対物レンズに対して固定接続され、その際回転対称状であれば好ましい。この点は、キャップをその接続領域において、確動(positively)及び/又は摩擦方式で対物レンズ本体にスリップ嵌めすることによって達成できる。同様にキャップをその接続領域で、対物レンズ本体に接着結合することも考えられる。キャップをその接続領域を介して、対物レンズ本体にネジ装着するのが特に好ましい。ネジ装着の場合には、前記隙間を規定するために、ネジを用いて調整を行うことができ、後付の場合も含め、出口側レンズに対するキャップの正確な位置決めが可能である。原則的には、キャップの位置決めで隙間が調整され、この調整は通常工場で行われる。ネジ接続の使用は、使用者による調整の可能性を保証する。

0032

前記隙間を調整する目的は、特定の浸漬液の粘性や表面張力に適応するためである。これに関連して、特定の浸漬液がもともと有する特性に合わせ、対物レンズを調整ひいては設定することが考えられる。上記のようにユーザ側で調整可能であることは、異なる浸漬媒体への適応を可能にする。いかなる場合でも、圧力が加わらなければ浸漬液は隙間流出せず、浸漬液の不必要な蒸発、特にエッジ領域における外皮の形成が効果的に避けられるか、もしくは少なくとも著しく低減されるように、隙間は調整されるべきであるか、あるいはそのように調整されたものになるべきである。

0033

対物レンズ本体への接続のための接続領域は、キャップと一体の構成要素である固体リングとして具現化される。この構成により、対物レンズへの特に安定した接続が得られる。

0034

特に有利な方策として、対物レンズ本体に直接接触する内壁を持つ円周環状のチャネルとして接続領域を具体化可能である。その様な構成の場合、接続は出口側レンズの反対側に位置するキャップの(後方)側で、対応するコネクタ取り付け具を装着可能な環状チャネルを介して実施できる。その結果、物理的サイズが最小化される。

0035

特に、キャップは対物レンズもしくは対物レンズ本体の輪郭にほぼ適応されることから、必要な全体の設置スペースの最小化が可能である。キャップには継続して浸漬液が供給されるので、浸漬液用にキャップ内に形成されるスペースは出来るだけ小さく保てる。浸漬媒体が連続的にキャップの外側から供給されることにより、円周環状のチャンネルで結局は充分である。

0036

上述したように、浸漬媒体の導入及び/又は放出用の少なくとも一つのコネクタがキャップに設けられる。特に有利な方策としては、同一又は異なる浸漬媒体の導入及び/又は放出用に2個のコネクタを1つのキャップに設け、例えば異なる浸漬液を交互に供給可能とする。また、浸漬媒体を一方のコネクタから導入する同時に、不要になった浸漬媒体を他方のコネクタから抜き出すことが考えられる。特に過剰な浸漬媒体をキャップ内のチャネルから、好ましくは環状の出口かから取り除くため、圧縮空気を一方のあるいは他方のコネクタ(どちらかを選択可能)から吹き込むことも考えられる。

0037

同じく前述したように、一つのあるいは複数のコネクタは、キャップのうち外側レンズと反対側を向いている側に設けることができる。一つのあるいは複数のコネクタをキャップ内の側方(側面)に設けることも可能である。ここで肝心なのは、全体の配置が実施され、設置スペースが得られることである。

0038

特に有利な方策として、複数のコネクタはコネクタ取り付け具の形で具体化される。これらコネクタ取り付け具は、供給ライン特にホースを介して、浸漬液を収容するリザーバ(貯留器)に接続される。また複数のコネクタの一つは、同様に供給路特にホースを介して、洗浄浄化液を収容するリザーバに接続可能である。特に、顕微鏡検査の自動的な動作だけでなく、その後の自動的な浄化も行うために、キャップには必要に応じ、あるときは浸漬液を、別のときは洗浄/浄化液を供給できれば更に有利である。

0039

浸漬液及び該当する場合には洗浄/浄化液を収容するリザーバは、例えば再充填可能あるいは交換可能なカートリッジの方式で、再充填可能及び/又は全体に交換可能である。リザーバは、対物レンズに対して直接接してあるいはその他の形で配置することが考えられる。リザーバと各コネクタ取り付け具との間のホース接続に基づき、対物レンズから離れてリザーバを取り付けることも同様に可能である。

0040

浸漬液及び/又は洗浄/浄化液を搬送するために、少なくとも1つのポンプが設けられる。特に有利な方策において、そのポンプは計量ポンプである。ポンプの作動によって浸漬液が環状隙間から流出するように、ポンプはリザーバ内、及び/又はホース供給路内、及び/又はキャップ内に少なくともわずかな過圧を与えることができる。

0041

さらに有利な方策として、浸漬液及び/又は洗浄/浄化液を加熱するために加熱装置が設けられる。浸漬液については、その粘性と表面張力を温度によって変更し、これらの特性において最適な適応が得られるようにすることができる。洗浄/浄化液の温度制御は、浄化プロセスの観点からも好ましい。

0042

さらに有利な方策として、単一あるいは複数のコネクタが、供給路特にホースを介して、浸漬液及び/又は洗浄/浄化液を受け入れる収集容器に接続される。もはや不要になった浸漬液ばかりでなく、洗浄/浄化液もその収集容器に引き込み可能である。この特徴も、顕微鏡検査の自動動作の観点から好ましい。

0043

特に有利な方策においては、それぞれキャップを備えた複数の対物レンズが、1つのアセンブリ組体)に組み合わせられる。このアセンブリは対物レンズタレット(旋回台)として、好ましくは回転対称状に具体化可能である。これに関連して、複数のコネクタがそれぞれの配置と配列に従い内向きとなるように、複数の対物レンズは対物レンズタレットにネジ止めされるべきである。

0044

対物レンズタレットにおける対物レンズの配置としては、それぞれの対物レンズに浸漬液用及び/又は洗浄/浄化液用の少なくとも1つのリザーバを付設することが考えられる。中央の1つのリザーバとすることも考えられる。この場合には、対物レンズタレットに、浸漬液及び/又は洗浄/浄化液を使用可能とする少なくとも1つのリザーバ、及び/又は浸漬液及び/又は洗浄/浄化液を受け入れる収集容器を保持する。このような単一あるいは複数のリザーバは、対物レンズタレット内、上または上方に配置してもよいし、もしくは対物レンズタレット内部に組み込んでもよい。

0045

従って、流体を搬送するために、好ましくはマイクロポンプからなる少なくとも1台のポンプが対物レンズタレット上または内に配置され、その結果対物レンズが自動的に動作可能となる。

0046

上記の点は、浸漬液及び/又は洗浄/浄化液を計量する制御系の配置についても当てはまる。制御系は、対物レンズタレットのほぼ中央でその上方、上または内に配置し得る。対物レンズに異なる媒体を供給するプロセス全体及び/又は所望の対物レンズの交換シーケンスを制御するマイクロコントローラを、制御系に含めることも同様に考えられる。

0047

さらに、マイクロコントローラは外部の制御信号を受信し、また各方法ステップの完了を参照して、対応する信号を外部機器に送信することも考えられる。同じく、プロセス全体を制御するために、外部の電子制御インタフェースを設けてもよい。

0048

さらに有利な方策として、制御信号を送信及び受信する電子系で、各センサに問い合わせを行い、一台あるいは複数台のポンプを制御する電子系が対物レンズタレットに付設される。また、各リザーバ内の充填レベルが、それぞれのセンサによって検出可能である。特に好ましくは、各対物レンズにおける浸漬液の現在量を、一組のセンサで直接検出することも同様に考えられる。この検出は具体的には、測定変量となる誘電体(浸漬媒体)の変化を測定する容量型センサによって行える。

0049

特定の対物レンズに対する個別の供給のため、好ましくはマイクロ弁からなる弁がさらに設けられる。これらの弁はそれぞれの供給ラインを備えてもよいし、あるいはそれぞれのキャップに直接付設も可能である。

0050

さらに有利な方策として、対物レンズタレットはそれ自体のエネルギー供給系を含み、このエネルギー供給系は再充電式バッテリーあるいは通常バッテリーとし得る。また、エネルギー供給系に顕微鏡への電源ケーブルを含めることも考えられ、この場合電気接続ワイパー接点を介して行われるのが好ましい。

0051

対物レンズタレットに付設されるあるいは付設可能な上記の各種モジュール機能ユニットは、一体的な機能グループ、特にハウジング内に配置される1つの機能グループにまとめることができ、このグループが対物レンズタレット上に、好ましくは各対物レンズ間の中央に装着あるいは配置される。

0052

特に4Pi(4π共焦点)顕微鏡に関連して用いる場合には、2つの対物レンズを同時に動作用に選択でき、浸漬液も供給可能であれば有利である。この点からも、本発明による対物レンズの応用範囲は、特定の配置に関連して極めて拡張可能である。

0053

対物レンズの外側レンズと試料スライドガラスまたは試料との間の領域における状況に応じ、浸漬液を導入するのに更なる措置が必要な場合もある。手動動作時には、その目的のため、特に浸漬液を介在領域内へすべり込ませるために、対物レンズが試料スライドガラスに対して移動される。自動動作時においては、使用中の対物レンズを試料または試料スライドガラスに対して、浸漬液の供給あるいは存在に応じ、ゆっくりあるいは素早く移動可能であれば有利である。かかる移動は、浸漬液による湿潤を促進する。また、各構成部品間における湿潤を促進するために、浸漬液を音響波によって作用させることも考えられる。

0054

浄化の目的上、自動動作を促進するために、さらに別の措置を講じることもできる。つまり、チャネル、及び/又は対物レンズと試料スライドガラスまたは試料との間の領域に、圧縮空気を吹き込む措置も行える。同様にコネクタ取り付け具及び供給路についても、圧縮空気を吹き込み、それによって浄化可能である。その結果、異なる浸漬媒体の交互使用が可能となる。吹き込みに必要な圧縮空気は、圧力容器好ましくは圧縮空気カートリッジを介して、あるいは圧縮空気発生器を介して得られる。尚この点に関連して、浄化に用いる媒体は必ずしも圧縮空気である必要はなく、例えば不活性ガスなど、どんな種類の気体も代わりに使用できる。特定の物質拘束または中和する気体の使用も考えられる。

0055

レンズつまり顕微鏡対物レンズと試料スライドガラスとの間に浸漬液の液浸膜を形成する装置に関しては、当該装置が、液浸膜を形成すべき液浸膜領域画成する対物レンズ装着要素と、液浸膜領域における液浸膜の状態を検出するのに適したセンサ装置と、浸漬液を液浸膜領域に供給する供給装置と、及びセンサ装置による検出の結果に応じて浸漬液の供給を制御もしくは調整する手段とを有することによって基本の目的が達成される。またその基本の目的は、対応する方法によっても達成される。

0056

浸漬液が供給チューブを介して対物レンズの近傍地点に供給され、充分な液漬膜が顕微鏡対物レンズと試料スライドガラスとの間に毛細管力によって形成されることに実質上重きが置かれている前述した既存の技術と異なり、本発明の装置は、液浸膜を形成すべき液浸膜領域を画成する対物レンズ装着要素を含む。この液浸膜領域における液浸膜の状態が、センサ装置によって検出される。ここで液浸膜の「状態」とは、液浸膜の複数の詳細な特質を意味するものではない。むしろ重要なのは、液浸顕微鏡検査の目的上充分な液浸膜が液浸膜領域に存在するかどうかを確かめられることである。例えば、センサ装置を用いて、液浸膜領域における液浸膜が薄くなりつつあること、もしくは剥がれ始めていることが確認されば、追加の浸漬液の供給を制御または調整手段によって許可可能である。

0057

試料スライドガラスと対物レンズとの間の液浸膜は液浸膜領域に限定されず、例えば毛細管力の結果、液浸膜領域を越えて延出することもある。但し、液浸膜の状態がセンサ装置によってチェックされる領域は、液浸膜領域である。液浸膜領域は対物レンズ装着要素内に形成されるため、例示の実施形態を参照して詳しく後述するように、対物レンズ装着要素はさらに、対物レンズに対して試料が移動される際、液浸膜の巻き込み(エントレインメント)を助けるという別の効果も有している。

0058

有利な実施形態において、対物レンズ装着要素は、顕微鏡対物レンズに装着されるのに適したアダプタとして具体化される。この種のアダプタは、現時点では浸漬液を用いずに動作が行われていたり、あるいは浸漬液が手操作で施される既存の顕微鏡にも容易に後付け可能である。

0059

有利な実施形態において、センサ装置は、浸漬液の電気伝導度に基づいて液浸膜の状態を検出する。例えば電気伝導度は、液浸膜領域を横切り、液浸膜の厚さ方向に対して直角な方向に測定可能である。液浸膜の厚さが局部的に減少すると、この減少は伝導度の減少によって検出できる。有利な改良形態においては、液浸膜の厚さ方向と直角な方向における液浸膜の導電度が下側のしきい値より下がると、制御または調整手段が浸漬液の供給を許可し、上記導電度が上側のしきい値を超えると、浸漬液の供給を終了する。

0060

但し上記の実施形態は、導電性の液浸膜を想定している。本発明者らは、いわゆる脱イオン化水の導電度が上述したような検出を行うのに充分であることを確認した。しかし、純水やその他非導電性の浸漬液を使用すべき場合には、液浸膜のその他の特質にセンサ装置が応答しなければならない。代替の実施形態においては、例えば、交流電磁場内における浸漬液の誘導的及び/又は容量的影響に基づいて、センサ装置が液浸膜の状態を検出可能である。

0061

有利な改良形態において、センサ装置は更に、浸漬液の温度を測定する装置を含む。温度により、センサ装置の測定値較正または基準調整可能である。例えば、液体の導電度はその温度の関数である。つまり、液浸膜の状態を測定された導電度からより高い信頼度で求められるようにするためには、温度を検知し、測定結果に対する温度に関連した影響を補正あるいは検出することも有利である。

0062

特に有利な改良形態においては、対物レンズ装着要素がプレートを含み、液浸膜領域がプレートの切り抜き部によって形成される。プレートは対物レンズに装着されているため、例えば試料の走査時あるいはいわゆる「スクリーニング」時におけるように、試料スライドガラスが対物レンズに対して移動された際にも、液浸膜はプレートの切り抜き部、従って対物レンズの領域内に保持される。このことは、液浸膜が対物レンズと試料スライドガラスとの間に毛細管力だけで保持される実施形態と比べ、顕著な改良点である。

0063

プレートは、非導電性の材料、特にプラスチックセラミック、もしくはテフロン登録商標)からなるのが好ましい。回路基板材、特にガラス繊維織布及びエポキシ樹脂からなるプレートがとりわけ有利である。このような回路基板材は大量生産品であるため、経済的に入手できる。さらに、センサ装置の電極及び/又は引き出し線を、回路基板上に通常の方式で容易に形成可能である。

0064

有利な改良形態において、供給装置は、プレートに形成され且つ切り抜き部と連通するチャネルを含む。チャネルはプレートの溝によって形成され、この溝は別のプレートによって覆われる。チャネルをプレート内組み入れることで非常にフラットな形状となり、この形状は、対物レンズと試料スライドガラスとの間の間隔を極めて小さく維持しなければならない高性能顕微鏡にとって、特に有利である。

0065

有利な改良形態においては、浸漬液を液浸膜領域から除去できるように、供給装置の搬送方向が可逆である。この点は例えば、過剰の浸漬液が供給されたことがセンサ装置で確認された場合に、浸漬液を吸引するのに有利である。これに加えてあるいは代わりに、浸漬液による顕微鏡の汚染を防ぐため、対物レンズを試料スライドガラスから取り外す前に浸漬液の大部分を引き出すように搬送方向を可逆にしてもよい。

0066

本発明の教示を有利に適用及び改良する方法は、各種存在する。その目的のためには、一方において請求の範囲第1項以下の各請求項、他方において本発明の好ましい例示の実施形態の図面を参照した以下の説明を参照のこと。以下、本発明の好ましい例示の実施形態の図面を参照した説明と共に、一般的に好ましい実施形態及び教示の改良についても説明する。図面は下記の通りである。

図面の簡単な説明

0067

図1は、本発明による液浸対物レンズの第1の例示実施形態を、逆の配置状態で示す概略断面図;
図2は、図1の主要部の部分拡大図
図3は、本発明による2つの挿入された液浸対物レンズを有する対物レンズタレット(旋回台)の概略平面図;
図4は、図3の主要部の概略平面図で、中央に配置された制御系(システム)及び貯留器系(リザーバシステム)が補足してある;
図5aは、本発明による液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略断面図;
図5bは、図5aの主要部の概略平面図;
図6aは、本発明による液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略断面図;
図6bは、図6aの主要部の概略平面図;
図7aは、本発明による液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略断面図;
図7bは、図7aの主要部の概略平面図;
図8aは、本発明による液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略断面図;
図8bは、図8aの主要部の概略平面図;
図9aは、本発明による液浸対物レンズと、さらにエレクトロニクス系、ポンプ、及びリザーバを一体状の機能グループとして有する対物レンズタレットの概略平面図;
図9bは、図9aの主要部の概略平面図;
図10aは、本発明による液浸対物レンズと、さらにエレクトロニクス系、ポンプ、及びリザーバを一体状の機能グループとして有する対物レンズタレットの別の例示実施形態の概略平面図;
図10bは、図10aの主要部の幾分詳細な概略図で、供給及び制御用の機能グループを備えた液浸対物レンズの1つだけを示す;
図10cは、図10aの主要部の概略平面図;
図11aは、関連の機能グループを備えた液浸対物レンズの例示実施形態の概略図;
図11bは、関連の機能グループを備えた液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略図;
図11cは、関連の機能グループを備えた液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略図;
図12は、追加の外部制御ユニットを有する、本発明による液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略図;
図13は、追加の外部制御ユニットを有する液浸対物レンズの別の例示実施形態の概略図で、外部制御ユニットを制御するPCが設けられている場合を示す;
図14aは、本発明による液浸対物レンズとの関連において、気泡の形成を減じると同時に、対物レンズと試料(標本)との間の隙間を浸漬液で湿潤させる方法の実施を示す概略図;
図14bは、本発明による液浸対物レンズとの関連において、気泡の形成を減じると同時に、対物レンズと試料(標本)との間の隙間を浸漬液で湿潤させる方法の実施を示す概略図;
図14cは、本発明による液浸対物レンズとの関連において、気泡の形成を減じると同時に、対物レンズと試料(標本)との間の隙間を浸漬液で湿潤させる方法の実施を示す概略図;
図15は、本発明の改良による、液浸膜(フィルム)を構成する装置が装着された顕微鏡対物レンズの概略平面図;
図16は、図15に示した顕微鏡対物レンズ及び装置の部分側断面図;及び、図17は、図16の主要部の拡大詳細図である。

0068

図1は、試料をミクロ的検査するための、本発明による液浸対物レンズの第1の例示実施形態を示すが、簡単化のため試料に関しては、試料スライドガラス(載物ガラス)1だけが示してある。例えば、蛍光顕微鏡検査明視野顕微鏡検査、暗視野顕微鏡検査、位相差顕微鏡検査などでは、それぞれに対応した対物レンズが用いられる。対物レンズと組織標本または試料スライドガラス1との間における光学遷移を改善するため、浸漬媒体が用いられる。

0069

図1は対物レンズの概略図で、複数の内側レンズ2が内部に単純化して示してある。外側レンズ3が、試料スライドガラス1に対向して位置する。外側レンズ3は、「出口側レンズ」とも呼ばれる。レンズ2、3は対物レンズ本体4内に配置されている。

0070

また図1から、対物レンズは下方の相対的に狭い対物レンズネック部5を含み、対物レンズネック部5は試料スライドガラス1との接触時の安全バッファ緩衝部)として作用する。これら対物レンズの2つの領域は、少なくともわずかに相互内にスライド可能である。

0071

供給装置6が、試料スライドガラス1と外側レンズ3との間の領域内に浸漬液7を供給する。対物レンズ7はキャップ8を含み、キャップ8は対物レンズ本体4を取り囲み、外側レンズ3の領域に開口している。キャップ8は外側レンズ3に対して隙間9を形成し、隙間9はここに示す例示の実施形態では環状隙間として具体化される。浸漬液7は、隙間9を通りキャップ8から流出する。

0072

本発明によれば、供給装置6はキャップ8内に設けられた少なくとも1つのコネクタ10を含み、コネクタ10は具体的には、ホース接続用のコネクタ取り付け具として実施される。

0073

図1はさらに、キャップ8が接続領域11を有し、接続領域11それ自体が浸漬液7の供給用及びリザーバとして作用する環状チャネル12を形成することを示している。キャップ8の内壁13は、対物レンズ本体4に対し直接当接する。本明細書で選択した例示の実施形態において、キャップ8は対物レンズ本体4に対し接続領域11で圧力嵌めされ、熱収縮されるのが好ましい。ここでの反復説明を避けるため、さらに別の可能な装着方式については、本明細書の一般的な説明部分を参照のこと。

0074

図2は、図1の主要部を部分拡大図として示す。また図2には、環状隙間9の領域における表面張力と界面張力の影響で、浸漬液7と試料スライドガラス1との間に一種の内部斜面(ベベル)が形成されることが示してある。

0075

図2はさらに、環状隙間9あるいはその隙間幅がキャップ8の位置決めによって調整可能であり、浸漬液7の表面張力と周囲(外側レンズ3のガラス及びキャップ8の金属)の界面張力との間で平衡が成り立ちポンプ圧の加わってない状態における浸漬液の流出は少なくともほぼ防止されるように調整可能であることを示している。

0076

図3は、本発明による液浸対物レンズの使用に関する、つまり対物レンズタレット14の配置における特定の例示実施形態を示す。かかる配置は、顕微鏡検査においては複数の対物レンズがよく用いられる点を考慮したものである。複数の異なる対物レンズの使用は、例えば異なる分解能を得るのに役立つ。対物レンズ間切り換えを可能とするため、複数の対物レンズ(ここでは液浸対物レンズ)が対物レンズタレット14に配置される。対物レンズタレット14は、回転対称状に構成されている。

0077

図3は更に、対物レンズタレット14が、対物レンズタレット14用の回転中心点として作用する中心孔を備えることを示している。対物レンズタレット14の回転方向は、矢印16で示してある。対物レンズの切り換えが所望されると、対物レンズタレット14が回転される。

0078

図3は更に、対物レンズ挿入用の合計6個の収容部(レセプタクル)17が対物レンズタレット14に設けられていることを示している。2つの液浸対物レンズ18が挿入され、これらの液浸対物レンズ18は供給装置6の構成要素として対応するキャップ8を備えている。また図3から、キャップ8は浸漬液7導入用のコネクタ取り付け具10を備えることも明らかである。

0079

図3で選択した平面図は対物レンズの外側レンズ3を示しており、外側レンズ3は浸漬液7によって取り囲まれている。液浸対物レンズ18は各々キャップ8を備え、キャップ8に設けられた(図3には示してない)雄ネジにより、収容部17の対応する雌ネジにネジ込み可能である。浸漬液7の供給及び引出用コネクタ取り付け具10は、それらコネクタ取り付け具が対物レンズタレット14の内側領域内へ突き出るように配置されている。この配置により、内側を向いたコネクタが可能となる。

0080

図4図3の対物レンズタレットを示す概略平面図で、機能ユニット19が対物レンズタレット14の内部に配置されている。各液浸対物レンズ18はそれぞれコネクタ取り付け具10を介して機能ユニット19に接続され、機能ユニット19は特に制御系(システム)20及び浸漬液7用のリザーバ21を含む。接続はホース接続部22を介して行われる。

0081

本明細書の一般的な説明部分ですでに述べたように、機能ユニット19は、例えば再充電式バッテリー、通常バッテリーなどのエネルギー供給系と、対応するワイパー接点を有する顕微鏡へのコネクタケーブルとを含み得る。同じく機能ユニット19は、浸漬液を搬送する小型ポンプの制御を行う電子系も含む。

0082

含まれる電子系は、問い合わせに応じセンサから供給されて浸漬液の搬送を行わせる制御信号を送信及び受信する。

0083

少なくとも1台のマイクロポンプが、少なくとも1種類の浸漬液を搬送する役割を果たす。複数のマイクロ弁が、浸漬液を供給すべき対物レンズの個々の選択を行う。浸漬液用のリザーバ室はできるだけ小さく構成され、交換及び/又は再充填可能である。キャップはコネクタ取り付け具を含めて構成され、充分な量の浸漬液がコネクタ取り付け具を介してキャップひいては液浸対物レンズに供給可能である。

0084

前述した機能ユニット19は特に、プロセス全体を制御するためのマイクロコントローラを付設可能な制御系20を含む。外部制御、つまり外部の電子インタフェースを介した制御も可能である。また、半自律的なマイクロコントローラに実装された機能ユニット19に外部制御コマンドを追加することもできる。

0085

対物レンズに対するいずれか望ましい浸漬液の供給及び引き出しは、外部制御系によって制御可能である。また、浸漬液を同期的に、すなわち2つの自由に選択可能な対物レンズに対して、供給及び汲み出しすることも考えられる。この点は特に、4Pi構成の場合に重要である。

0086

現時点の状態に関する定期的な問い合わせは、例えばリザーバ21内の充填レベルに関する問い合わせとして行われる。対物レンズ内に存在する浸漬媒体の現在量も、センサを介して問い合わせ可能である。

0087

制御系はさらに、好ましくは例えばブルーツース(Bluetooth)、WLANなどの無線で、またはケーブルを介して、機能ユニット19と交信する通信インタフェースを含む。

0088

浸漬液の手動による供給及び引き出しも考えられる。外部の制御系はさらに、所望に応じソフトウェアひいてはPCへの接続用の一般的なプログラミングインタフェース(GPI)も含み得る。また制御系は、任意の所望のユーザ入力が可能なように、例えばタッチスクリーンなど、ハードウェアインタフェースへの接続用の一般的なプログラミングインタフェース(GPI)も含む。

0089

システム(系)全体は、ソフトウェアまたは手動で制御可能である。ソフトウェア制御の場合には、対物レンズの選択、所定量の浸漬液の追加、所定量の浸漬液の汲み出し、及び蒸発する一定量の浸漬液を補給するためのタイマー設定を行うため、特定の制御インタフェースがユーザ入力用に設けられる。プロセス選択に関しては、通例対物レンズの変更時に、浸漬液を介して自動調整が行われる。さらに、浸漬液における気泡の形成を減少し且つ湿潤を促進するため、顕微鏡の試料台ステージ)と対物レンズとの間で特定の移動、特に円移動を行うための手段も講じられる。

0090

図5a及び5bは、液浸対物レンズの別の例示実施形態を示し、この実施形態では、キャップ8が固体材料からなる接続領域11を含む。キャップ8は全体が金属製で、金属製であることは温度制御式の環境(climate)チャンバとの組み合わせの点から有利である。有利な理由は、キャップ8が環境チャンバの温度を極めて迅速に吸収し、温度が熱伝導によってキャップ8内部に存在する浸漬液7に伝わるからである。従って、浸漬液7の温度を一定に保持できる。

0091

図5aに示すように、対物レンズ本体4に対して、対応するミル(ひき臼)状あるいはその他の形状のキャップ8がスリップ嵌めされている。対物レンズ本体4は、キャップ8を保持あるいは受け入れる役割を果たす。図5aに示した実施形態によれば、両レンズ2,3の光学的構成はキャップ8の存在によって障害ばかりか変更も生じないため、既存の対物レンズまたは対応する対物レンズ本体4に対して、対応するキャップ8を後付け、つまり後の時点で取り付けることもできる。

0092

キャップ8は対物レンズ本体4の外面に対し密封状態で当接するので、キャップ8と対物レンズ本体4との間で機械的且つ光学的に固定された接続が得られる。浸漬液7を含む小さい環状空所キャビティ)もしくは環状チャネル12が、対物レンズ本体4とキャップ8との間に形成される。

0093

比較的多量の浸漬液7がコネクタ10を介して環状チャネル12内に搬入され、その結果浸漬液7が環状隙間9に向かって運ばれる。環状隙間9は、外側レンズ3の周囲に同心円状に延びている。浸漬液7は環状隙間9を通って流出し、外側レンズ3と試料スライドガラス(図5aには不図示)との間の領域を満たす。

0094

コネクタ取り付け具10を介して吸引が生じるかあるいは負圧が加わると、浸漬液はリザーバ(図5aには不図示)に向かって引き戻される。このように、制御され且つ定められた方式で、浸漬液は加圧によって外側レンズ3の領域に搬入可能であり、また負圧によってその領域から除去または引き出し可能である。

0095

環状隙間9のサイズは、対物レンズにおける界面張力と浸漬液の表面張力によって浸漬液の意図しない流出を防止可能となるように寸法決めされる。従って浸漬液は、加圧または吸引を用い、制御された方式で補給または引き出しが行われる。

0096

図5bは、図5aの主要部を平面図として示す。

0097

図6a及び6bに示した例示の実施形態においては、キャップ8上にリザーバ21が設けられ、リザーバ21は嵌め込み式スリップオンタンクとして構成されている。リザーバ21はコネクタ取り付け具10に直接装着されるため、ホース接続は必要ない。リザーバ21は、フレキシブル外側ケーシングを備えるのが好ましい。外側ケーシングに内向きの圧力を加えることで、浸漬液7が環状隙間9を通り外側に押し出される。リザーバ21のフレキシブルな外側ケーシングに加える圧力を解除すると、外側ケーシングの弾性によって浸漬液が引き戻される。

0098

図7a及び7bに示した例示の実施形態においては、人間の皮膚における汗腺の機能が近似的に援用されている。すなわち、浸漬液7は細いオリフィス23を通ってリザーバ21から外側レンズ3の近傍へと搬出され、そこで小さい「ビーズ」として現れる。従って、上記において環状隙間9として構成された出口はオリフィス23全体からなり、これらのオリフィスが浸漬液7を外側レンズ3の周囲の領域内に搬入する。「ビーズ」のサイズは加圧及び吸引によって可変であり、より多いまたはより少ない量の浸漬液7を供給または汲み出し可能である。

0099

図7a及び7bに対応する装置は、供給または放出される非常にわずかな量だけの浸漬液7が取り扱われるので、システムが高精度に制御可能になるという利点を有する。加えて、浸漬液7はビーズとして押し出されるため、蒸発表面積が通常の環状隙間9の場合と比べて小さい。そのために、キャップ8内の貯留部(リザーバ)あるいは環状チャネル12が容易に乾かなくなり、この点においても有利である。この利点は特に、浸漬液が水である場合、及び高い周囲温度で動作する場合に当てはまる。

0100

図8a及び8bは、本発明による液浸対物レンズの別の例示実施形態を示しており、ここでは、外側レンズ3にできるだけ接近して配置されるべきセンサ24が設けられている。センサ24は、ケーブル接続25を介してコネクタ装置26に接続されている。コネクタ装置26から、外部の測定電子系(図8a及び8bには不図示)を介して、センサ状態を問い合わせ可能である。

0101

センサ24はフォトセル光電池)として具体化されるのが好ましく、この種のセンサは、ガラス表面(つまり試料スライドガラス1)が浸漬液7で適切に湿潤している場合、ガラス表面における光の反射が減少する現象を利用している。浸漬液7が存在しない場合、浸漬液7が存在する場合よりも大きい比率散乱光が見込まれるため、浸漬液7がセンサ24と試料スライドガラス1との間の領域に到達すると、測定信号がそれに応じて減少する。

0102

別の種類のセンサとしては、特に浸漬液として水が使われる場合、電気伝導度を測定するセンサが使用可能である。油(オイル)を用いる場合、導電度が低レベルとなり、それに応じて導電度の変化も小さくなることが見込まれる。この場合には、浸漬油の誘電定数を利用し、容量の変化によって浸漬液による湿潤度を測定する容量センサが使える。

0103

図9a及び9bは、本発明による液浸対物レンズ18の、対物レンズタレット14内または上における配置を示している。機能ユニット19が、対物レンズタレット14の中央に設けられている。機能ユニット19は、制御系20及び浸漬液7用のリザーバ21を含む。

0104

対物レンズタレット14は具体的には、使用時に、回転対称状の対物レンズタレット14の外周に配置される複数の液浸対物レンズ18を収容する役割を果たす。回転対称状であることが、複数の液浸対物レンズ18間での切り換えを可能とする。この点は本発明によれば、自動的に作動される複数の液浸対物レンズ18間における切り換えを可能とするために利用される。同じことが、対物レンズタレット14の中央における機能ユニット19の配置に関しても当てはまり、機能ユニット19も断面が円形で回転対称状であるハウジング内に対応して収納される。

0105

機能ユニット19に含まれる制御系20の特性が、例えばシステムの遠隔制御、特に浸漬液の制御された供給及び除去における遠隔制御を可能とする。対物レンズタレットを用いる別の利点は、その技術を既存の顕微鏡に後付けできることである。ここで後付けとは、浸漬媒体を供給するキャップを個々の対物レンズに取り付けることと、対物レンズタレットに対応する液浸対物レンズ18を装備することである。

0106

図10a−10cも、本発明による液浸対物レンズ18の配置を示している。図10bは、そこに含まれる機能ユニット19と制御系20の概略的な構成を示している。

0107

対物レンズタレット14上に配置された各液浸対物レンズ18は、剛性あるいはフレキシブルな配線27を介して中央制御系20に接続され、その制御によって浸漬液7を供給可能である。さらに別の必要な各種のアセンブリ(組体)が機能ユニット19内に設けられ、浸漬液の制御された供給及び除去という目標が達成可能になることを保証する。それらのアセンブリは、図10bに概略的に示してある。

0108

アセンブリ28及び29は、ポンプ、弁などを含み得る搬送系として理解されるべきものである。これらのアセンブリ28及び29により、必要量の浸漬液がリザーバからそれぞれの液浸対物レンズ18に搬送される。通信インタフェースを表す特定のモジュール20が、搬送される浸漬液の量をモニターし且つ搬送方向をモニターする外部制御ユニットを用いるために設けられている。この通信インタフェースは、無線で動作するのが好ましい。別のモジュール31は、中央制御系20によるポンプ及び弁の実際の制御を扱う。制御系20は通信を扱うモジュール30を介して対応する命令を受信し、また対応する命令を、結果レポートなどの形で、外部の制御ユニットに送信する(外部の制御ユニットが設けられている場合)。完全に内部だけでの制御も可能である。いずれにせよ、制御を行うモジュール31と、通信を行うモジュール30と、外部の制御系との間で、上記のように制御ループが形成される。

0109

複数の液浸対物レンズ18は、それぞれ対応するコネクタライン管路)、好ましくはフレキシブルで可逆的に接続されたコネクタラインを経て搬送系32でまとめられ、搬送系32において、浸漬液を搬送する各供給ラインが対応する接点取り付け具あるいはコネクタ取り付け具10に接続されている。接点取り付け具33は、機能ユニット19内または機能ユニット19上、もしくは制御系20内に設けられたコネクタ取り付け具である。

0110

図11a、11b及び11cは、各種の機能ユニット19を有する別の例示実施形態を示している。

0111

図11aに示した例示実施形態においては、対物レンズを取り囲む各キャップ8がそれぞれの外側ケーシングに、タンクとして嵌め込まれるリザーバ21を備えている。リザーバ21に収容された浸漬液は、フレキシブルな外側ケーシングに圧力が加わると圧縮され、このように加わる圧力によってキャップ内にポンプ送入可能である。リザーバ21のフレキシブルな外側ケーシングに外部から作用する加圧装置35が、圧力の自動的印加のため設けられている。フレキシブルな外側ケーシングに加わる圧力が解除されると、リザーバ21のフレキシブルな外側ケーシングの弾性が吸引力を与える結果、浸漬媒体が再びポンプ汲み出しされる。加圧装置35はそれに応じて制御される。

0112

この制御は具体的には、機能ユニット19または制御系20内において、内部に含まれた搬送系32が加圧装置35の延出可能な加圧プランジャに作用し、加圧プランジャがリザーバ21のフレキシブルな外側ケーシングに圧力を加えるように配置されている。これにより浸漬液がキャップ内に輸送され、さらに出口に向かって押される。加圧プランジャを延出及び後退させることにより、つまり加圧装置35を作動させることにより、リザーバ21のフレキシブルな外側ケーシングの弾性を利用して生成される圧力及び吸引を浸漬液に作用可能である。上記のような構成においては、浸漬液と実際の搬送系32との間に完全な分離が存在するため、汚染物が外部から、例えば搬送系32から浸漬液内に混入することがない。

0113

センサ36は、定期的な間隔で浸漬液7の充填レベルを判定する。

0114

図11bに示した例示実施形態においても、センサ24が設けられており、このセンサ24は光検出器、容量型センサ、あるいは導電型センサとして具体化可能である。センサ24は、対物レンズまたは外側レンズが浸漬媒体によって湿潤されている度合いを検出する。光センサを用いる場合は、適切な浸漬媒体を用いると、試料スライドガラスで反射される光の量が減少する事実が利用される。光センサは反射光の量を測定するので、測定された光強度の減少は、(例えば対物レンズが試料スライドガラスから離れ過ぎており)対物レンズと対向する位置に反射表面が存在しないこと、あるいは対物レンズと試料スライドガラスとの間に浸漬媒体が導入されていないことを意味する。上記の最初に述べた離れ過ぎの場合には、その他の測定原理も実施可能である。例えば、試料スライドガラスから対物レンズまでの距離を近似的に測定することもできる。この場合の測定は、非接触型の間隔(クリアランス)センサを用いて行える。第2の場合については、光強度の減少が、浸漬媒体が通過して試料スライドガラスのガラス表面による反射光の量を減少させたことを意味する点が利用される。

0115

センサ24の制御ライン34は、特にシステム全体が容易に浄化可能なように、キャップ8の内部を通って外側に導かれるのが好ましい。制御ライン34は、コネクタ装置26として機能する、できるだけ小さく構成された挿入接点に終端する。センサ24は、例えばケーブル接続25を介し、コネクタ装置26を経て電子制御ユニット30に接続され、そこでセンサデータの評価が行われる。その評価に基づいて加圧装置35が作動または解除され、浸漬液の送り込みまたは引き戻しが行われる。

0116

図11cに示した例示実施形態においては、機能ユニット19が嵌め込み式タンク39を追加的に備え、各タンク39はそれぞれ内部の収容ユニット40に挿入されている。

0117

図12に示した例示実施形態においては、外部制御系41が設けられている。この制御系41は、機能ユニット19に付設された中央制御ユニットをモニターする役割を果たす。外部制御系41は、機能ユニット19及びその内部に設けられた制御系20に、適切に構成された交信層(レイヤー)42,43を介して接続され、これら交信層はデータライン44または対応する無線によって相互に接続されている。例えば、WLAN,ブルーツース(Bluetooth)、無線プロトコルなど、データ転送用規格化されたあらゆる方法が使用可能である。無線制御は、コネクタケーブルによる障害が全く存在せず、従ってケーブルのねじれも生じないため、対物レンズタレット14の制限のない回転を可能とする。通信インタフェースは特に、ウェブ(Web)サイトを介した、とりわけブラウザを用いるイントラネットを介した制御を可能とするウェブ(Web)インタフェースを含む。外部のユーザにも、システム状態を適切に通知可能である。

0118

全ての制御及び調整用タスクは、外部制御系41内で特定の制御面プレーン)45によって処理可能である一方、エネルギーはその目的用の層(レイヤー)を介して利用可能である。このように実施されるモジュラー方式の構成により、機能ユニット19またはその内部の中央制御系20及び外部制御系41において、ファームウェア層の使用が可能となる。ファームウェアは各ケースにおいて、対応する通信層42、43及び/又は制御面47,45上に個別に存在する。分離されているため、ファームウェアの各更新は通信層に個別に送り込まれ、各ユニット相互作用を保証可能である。つまり、対応する通信層42、43の同時更新が可能である。

0119

通信層32、43に接続され各種機能の制御をPCを用いて可能とするソフトウェア用制御インタフェースに加え、手動制御も可能である。この目的のため、画面キーボード、及び/又はタッチ画面を含む入力装置の形で、外部ユーザ端子48が設けられている。ユーザ端子48は、外部制御系41内の制御インタフェースに接続されている。最も単純なケースにおいて、外部ユーザ端子48は、浸漬液の制御を可能とし、例えばLEDを介して対応するフィードバックを与える一連キーとして具体化可能である。ユーザ入力を受け取り、システム状態のデータを処理された形で出力するタッチ画面を設けるのが好ましい。外部制御系41内の制御インタフェースは汎用構成であるため、原理的には例えばPDAなど、既存のハードウェアをシステムに接続可能である。

0120

図13図12拡張型で、PC49が接続されたシステムを示している。PC49はデータライン50、無線インタフェース、またはウェブ(Web)インタフェースを介して外部制御系41に接続されている。反復を避けるため、その他の構成については図12を参照した説明を参照のこと。

0121

図14は、画質を低下させる気泡の浸漬液7内における形成を、本明細書中の一般的な説明部分の記載に基づいて確実に防止可能な特別のソフトウェア援助法の実施を示している。本発明の方法によれば、対物レンズと試料好ましくは試料スライドガラスとの間に形成される隙間に一様な浸漬湿潤を与える手段が設けられる。

0122

図14aの図示例では、試料スライドガラス1と対物レンズ本体4または外側レンズ(図14aには不図示)との間に浸漬液が位置する。気泡は浸漬液7が流出する際浸漬液7内で容易に形成されるため、対物レンズまたは対物レンズ本体4は特に好ましくはX、Y及びZ方向に、すなわちポンプの場合と類似した動きが浸漬液に加わるように移動可能である。その移動の目的は、浸漬液内に含まれている気泡に圧力を加え、気泡が脱ガス可能なようにすることにある。またその目的のため、対物レンズ本体4がZ方向に上下に移動される。この上下移動図14bに示した動きシーケンスから明らかであり、図14b中矢印51、52で示してある.

0123

接着力のため、比較的小さいZ移動を行っている限り、液浸膜(フィルム)は離脱しない。液浸膜は離脱する代わりに伸長及び圧縮され、浸漬液中のガスをエッジに向かって移動させるポンピング移動を生じ、その結果脱ガスを行うことができる。

0124

さらに、例えば試料スライドガラス台を用いて、対物レンズ本体4をX及びY方向に移動可能である。その移動によって、液浸膜が正しく塗り広げられる。図14c中の参照符号54は、試料台がそれに従って移動するジグザグ状の試料台の移動経路を示している。浸漬液の接着力が、外側レンズと試料スライドガラス間の領域において浸漬媒体の一様な分布をもたらす。

0125

図15は顕微鏡対物レンズ10の平面図で、液浸膜を形成するための装置12がその上に装着されている。図16は対物レンズ10と装置12の側面図であり、図16には、装置12の(図面上)右半分が図15のA−A線に沿った断面図として示してあり、図17は図2中の円によって強調された部分の拡大図である。

0126

図16から最も分かり易いように、対物レンズ10は対物レンズ本体14と対物レンズヘッド16を含み、対物レンズヘッド16上に装置12が装着されている。対物レンズヘッド16は内側円錐状面18を有し、内側円錐状面18の中央に、対物レンズ10の入口側または出口側レンズとなる対物レンズ20が設けられている。対物レンズヘッド16の環状水平面22が、内側円錐状面18の半径方向外側に隣接している。水平面22は、外側円錐状面24によって取り囲まれている。

0127

装置12はプレート26を含み、プレート26に切り抜き部28が形成されている。装置12が各図に示すように対物レンズ10上に装着されると、内側円錐状面18がプレートの切り抜き部28を通って突出する。プレート26の切り抜き部28が、以下詳しく説明する液浸膜を形成する。

0128

プレート26はリング30に接続され、装置12が対物レンズ10に装着されたとき、リング10は対物レンズヘッド16を取り囲む。

0129

図示の例示実施形態において、プレート26は、ガラス繊維織布とエポキシ樹脂からなりFR4またはFR5とも称される、市販の通常の回路基板材で構成されている。プレート26の表面上に電極32及び34が設けられ、切り抜き部28のエッジに沿って配置されている。

0130

電極32、34と引出し線36,38は、プレート26を構成している回路基板材上に通常のエッチング技術を用いて形成され、従って極めて容易且つ経済的に製造可能である。電極32、34と引出し線36,38は銅層からなるのが好ましく、銅層はさらに別の硬質金層被覆される。

0131

特に図15及び図17から明らかなように、チャネル44がプレート26内に形成され、チャネル44は一端が切り抜き部28に、他端がホース46に連通している。チャネル44は、プレート26にフライス削りされた溝によって形成されている。プレート26の厚さは、溝のどちらの側も幾分薄くなっている。この厚さが薄い領域に別の薄いプレート48がセットされ、プレート48はプレート26の表面と面一で、チャネル44をその頂部で閉じるように溝を覆っている。図16においてプレート48は分かり易いように、側面図を48’及び平面図を48”でそれぞれ示してある。

0132

図示の実施形態において、装置12は、市販されている通常の複数の対物レンズに対して装着可能なアダプタとして構成されている。また図示の実施形態において、プレート26の下面はリング30の外側エッジ接着固定され、装置つまりアダプタ12が、リング30によって対物レンズ10の対物レンズヘッド16に取り付けられる。

0133

装置12の動作を以下説明する。例えば脱イオン化水である浸漬液が配管ポンプ(図示せず)により、ホース46及びプレート26のチャネル44を介して、プレート26の切り抜き部28内に供給される。これにより、切り抜き部28は浸漬液で満たされる。顕微鏡の動作中、顕微鏡を用いて検査すべき試料を含む試料スライドガラス(図示せず)が、レンズ20と対向して、すなわち図16及び図17に示すように対物レンズヘッド16の上方に配置されている。対物レンズ10の焦点はレンズ20の上方0.2mmに配置され、動作中試料スライドガラス(図15−17に図示せず)も、同様に非常に短い距離に配置される。接着力の結果、切り抜き部28内に導入された浸漬液がレンズ20と試料スライドガラス(不図示)との間の隙間を満たす。言い換えれば、レンズ20(及びレンズ20を取り囲む内側円錐状面18の一部)と試料スライドガラス(不図示)との間に液浸膜が形成される。

0134

試料スライドガラス(不図示)は、例えば複数の試料を自動的に走査(スキャン)できるように、動作中対物レンズ10に対して移動可能である。その際、両者の相対的な移動に拘わらず、切り抜き部28がレンズ20の領域において液浸膜を保持するのを助ける。それでも相対的な移動により、液浸膜の一部はレンズ20の直近位置から失われる。また浸漬液は、例えば生体細胞に対して行われる検査など、長時間の検査中に乾き切ってしまうこともある。

0135

充分な浸漬液が常に存在することを保証するため、図示の実施形態では、電圧特に交流電圧が電極32と34間に印加され、電極32と34間における液浸膜つまり切り抜き部28内の液浸膜の導電性を、電子系(ここでは詳しく説明しない)を用いて測定する。液浸膜は切り抜き部28に限られることなく、毛細管力の作用の結果切り抜き部28を超えても形成されるようになされねばならない。尚、切り抜き部28全体が液浸膜で常時完全に満たされている必要はない。いずれにせよ切り抜き部28は、液浸膜の形成が意図されており且つ液浸膜の状態が上述の導電度測定によってそこでモニターされる液浸膜領域を形成する。

0136

切り抜き部28内の液浸膜が薄くなったりあるいは剥がれ始めると、電極32、34間の抵抗が上昇すること、もしくは液浸膜領域における液浸膜の導電性が減少することによって、その状態が検出される。液浸膜の導電度が下側のしきい値より下がると、直ちに信号が配管ポンプ(不図示)に送られ、それに応じて配管ポンプがホース46及びチャネル44を介して、追加の浸漬液をプレート26の切り抜き部28に供給する。この浸漬液の供給は、電極32と34間における液浸膜の導電度が上側のしきい値を超えたら直ちに終了される。あるいはこれに代えて、スイッチオン後は、導電度に関する上側のしきい値をモニターしないで、充分な追加量の浸漬液を供給するのに適切な一定量の時間だけ配管ポンプが常に浸漬液を送り込むように、配管ポンプを制御してもよい。

0137

液浸膜の導電度を求めるための電極32、34、引出し線36,38及び電子系は、液浸膜の状態を検出するのに適した上述のセンサ装置の一実施形態を形成する。浸漬液が非導電性の場合には、代替実施例として、交流電圧を印加することにより、交流場を電極32、34に発生させてもよい。この場合には、電極32、34が発信器回路に接続可能なキャパシタコンデンサ)の各「極板(プレート)」として作用する。誘電性の浸漬媒体では、キャパシタの容量つまり発信器回路の共鳴周波数が、液浸膜の厚さの関数として変化する。従って、液浸膜の状態をその容量における影響に基づいて検出できる。

0138

別の実施形態において、充分な液浸膜の存在は、熱量(カロリー測定法を用いてチェック可能である。この方法では、センサを取り囲む媒体の熱伝導度における差を利用する。この目的でセンサとして用いられるのは、例えばPTCまたはNTC抵抗器などの温度依存性抵抗器で、これが液浸膜領域内に配置される。センサが加熱するように、電流がセンサに印加される。センサは、液浸膜内にあって浸漬液で冷却されているかどうかに応じて加熱の程度が異なる結果、センサの抵抗値がその程度に応じて変化する。従って、充分な液浸膜が存在するかどうかを、センサの抵抗値を検知することにより検出可能である。

0139

有利な改良形態では、浸漬液がチャネル44とホース46を介し切り抜き部28から吸引できるように、配管ポンプ(不図示)のポンピング方向を反転可能である。この点は特に、例えば対物レンズを変更したりまたは新しい試料を検査するため、対物レンズ10を試料スライドガラス(不図示)から遠ざける場合に、(もはや必要のない)浸漬液が顕微鏡を汚染するのを防げるため有利である。

0140

以上好ましい例示の実施形態を図面及び明細書において詳しく提示し説明してきたが、この開示は単に例示に過ぎず、発明を限定するものではない。

0141

尚、好ましい例示の実施形態だけを図示し説明したものであり、現時点及び将来において請求の範囲で限定された範囲内に含まれる変形及び変更は全て保護の対象となることに留意されたい。

0142

反復を避けるため、本発明による装置の更なる有利な実施形態に関しては、本明細書の一般的な説明部分及び添付の請求の範囲の記載を参照のこと。

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