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技術 無線通信システム

出願人 株式会社日立国際電気
発明者 北島光彦糸賀智広内藤昌志佐藤文明
出願日 2013年11月27日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2013-244936
公開日 2014年7月17日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2014-132263
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部 送受信機 移動無線通信システム
主要キーワード 位相制御状態 RF同軸ケーブル 切替パルス 追尾速度 測定局 レベル強度 距離測定方式 遅延時間測定用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

半二重通信において正確に距離測定を行い、通信を同期させる無線通信システムを提供する。

解決手段

無線通信システムの無線通信装置1、2は、半二重通信において、無線通信装置1、2間のデータの送受信遅延時間からの距離測定を行う。無線通信装置1の無線送受信部10の測距部120は、シンボル切替点パルスを含む半二重の短時間変調信号を送信する。無線通信装置2のクロック調整部15は、受信した短時間変調信号のシンボル切替点パルスでクロックを同期させる。また、無線通信装置2の測距部120は、同期されたクロックにて固定遅延待機し、ユニークワード折り返し送信する。無線通信装置1の位相制御部20は、折り返し送信されたユニークワードを受信して、送信から受信までのクロックをカウントし、このカウント値から固定遅延を減算し、無線通信装置1、2間の距離を算出する。

概要

背景

従来から、デジタル無線通信においては、各無線局との間で、電波送受信により距離を測定する方式(以下、「測距」という。)が用いられている。

図9を参照して、従来の一般的な全二重無線通信系無線通信システムYについて説明する。
無線通信システムYは、無線通信装置3と無線通信装置4を含んでいる。ここでは、無線通信装置3と無線通信装置4は同様の構成のデジタル無線送受信機である例を示す。
全二重の無線通信系では、互いに干渉しない間隔での周波数を2波以上用いて通信が可能である。つまり、無線通信装置3を測定局、無線通信装置4を被測定局とすると、双方とも全二重通信ができ、送信しながら受信が可能である。
このため、無線通信装置3(測定局)と無線通信装置4(被測定局)とは、同時に送受信しながら伝播遅延時間を測定することで、測距を行うことが可能である。すなわち、測定局及び被測定局は、送信された信号を受信しながらそのまま返送できるため、被測定局で時間ずれがおきない。そのため、正確な測距ができる。

次に、図10を参照して、無線通信システムYの無線通信装置3と無線通信装置4による従来の全二重の無線通信系による測距方式についてより詳しく説明する。
まず、測距において、測定局である無線通信装置3は、ユニークワード(Unique Word。以下「UW」と記す。)を送信する。UWは、例えば、基準バースト(Reference Burst、RB)の、例えば、相関検出により検出可能な識別符号符号列である。無線通信装置3は、UWの送信と合わせて、クロック数等の計数スタート(計数ST)する。つまり、無線通信装置3は、例えば、UWを送信した時刻を、測距の時間的な基準位置とする。
被測定局である無線通信装置4は、無線通信装置3から送信されたUWを受信して、UWを検出する。このUWの受信は、無線通信装置3と無線通信装置4の無線系での距離に比例した電波遅延時間だけ遅れる。そして、無線通信装置4は、受信したUWを、そのまま折り返し無線通信装置3に送信する。
無線通信装置3は、無線通信装置4から折り返し送信されたUWを受信し、UWを検出する。このUWの受信も、上述の電波遅延時間と同じ無線系の距離に応じた遅延時間だけ遅れることになる。無線通信装置3は、折り返し送信されたUWを検出すると、測定局での計数をストップ(計数SP)する。無線通信装置3は、この検出されたUWの基準位置の計数SPと、無線通信装置3で送信したUWの基準位置の計数STとの間のクロック数等の計数値である、カウント値DTを取得する。このカウント値DTは電波の一往復時間であり、被測定局である無線通信装置4からの送信の固定遅延があればこれを加えて、無線通信装置3と無線通信装置4との間の距離を測定可能である。ここで重要なことは送信、受信が同時に可能なので送信から受信、受信から送信の切り替えに時間の連続性が保持されることである。
このように、全二重通信では、UWの送信から戻りのUWの受信までの伝播遅延時間から測距を行う方式又は同様の方式を用いることができ、簡単に距離を測定できる。

このような従来の測距を行う通信方法として特許文献1乃至3を挙げることができる(以下、従来技術1乃至3とする。)。

概要

半二重通信において正確に距離測定を行い、通信を同期させる無線通信システムを提供する。無線通信システムの無線通信装置1、2は、半二重通信において、無線通信装置1、2間のデータの送受信の遅延時間からの距離測定を行う。無線通信装置1の無線送受信部10の測距部120は、シンボル切替点パルスを含む半二重の短時間変調信号を送信する。無線通信装置2のクロック調整部15は、受信した短時間変調信号のシンボル切替点パルスでクロックを同期させる。また、無線通信装置2の測距部120は、同期されたクロックにて固定遅延待機し、ユニークワードを折り返し送信する。無線通信装置1の位相制御部20は、折り返し送信されたユニークワードを受信して、送信から受信までのクロックをカウントし、このカウント値から固定遅延を減算し、無線通信装置1、2間の距離を算出する。

目的

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

半二重通信において、無線通信装置からのデータの送受信遅延時間からの距離測定を行う無線通信システムにおいて、距離測定を行う前記無線通信装置を測定局、距離測定の相手の前記無線通信装置を被測定局とし、前記測定局において、シンボルの長さを示すシンボル切替点パルスで短時間変調信号を生成して送信する変調信号生成送信手段と、前記測定局と前記被測定局とにおいて、受信した前記短時間変調信号から前記シンボル切替点パルスを抽出する復調手段と、前記シンボル切替点パルスを用いてクロック位相を前記測定局と同期及び保持させるクロック同期手段と、前記測定局において、時刻情報を含むユニークワードを送信する測定局ユニークワード送信手段と、前記測定局と前記被測定局とにおいて、受信した信号から前記ユニークワードを検出するユニークワード検出手段と、前記被測定局において、同期された前記クロックによる固定遅延の後に、前記ユニークワードを折り返し送信する被測定局ユニークワード送信手段と、前記測定局において、前記ユニークワードの送信から、前記被測定局から送信されたユニークワードの受信までの間、測定用のクロックのカウントを行い、カウント数から前記ユニークワードの前記固定遅延を減算し、前期測定局と前期被測定局との距離を算出する距離算出手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。

請求項2

前記クロック同期手段は、前記短時間変調信号の品質を判定し、該品質が適当でない場合、又は受信信号がなくなった場合、前記クロックの位相を保持状態にするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。

請求項3

前記クロック同期手段は、前記クロックの位相のずれを符号付多値に変換する符号付多値変換手段と、前記符号付多値を累積加算する累積加算手段と、累積加算された前記符号付多値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値の符号を判定する符号判定手段と、判定された前記符号により前記クロックの位相のずれの制御の方向の切り換えを行い、前記平均値の大きさにより変化させる前記クロックの分周の位置又はパルスを切り換える符号制御切換手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。

技術分野

0001

本発明は、無線通信システム係り、特にデジタル無線半二重通信において他の補助手段を用いず測距を行う無線通信システムに関する。

背景技術

0002

従来から、デジタル無線通信においては、各無線局との間で、電波送受信により距離を測定する方式(以下、「測距」という。)が用いられている。

0003

図9を参照して、従来の一般的な全二重無線通信系の無線通信システムYについて説明する。
無線通信システムYは、無線通信装置3と無線通信装置4を含んでいる。ここでは、無線通信装置3と無線通信装置4は同様の構成のデジタル無線送受信機である例を示す。
全二重の無線通信系では、互いに干渉しない間隔での周波数を2波以上用いて通信が可能である。つまり、無線通信装置3を測定局、無線通信装置4を被測定局とすると、双方とも全二重通信ができ、送信しながら受信が可能である。
このため、無線通信装置3(測定局)と無線通信装置4(被測定局)とは、同時に送受信しながら伝播遅延時間を測定することで、測距を行うことが可能である。すなわち、測定局及び被測定局は、送信された信号を受信しながらそのまま返送できるため、被測定局で時間ずれがおきない。そのため、正確な測距ができる。

0004

次に、図10を参照して、無線通信システムYの無線通信装置3と無線通信装置4による従来の全二重の無線通信系による測距方式についてより詳しく説明する。
まず、測距において、測定局である無線通信装置3は、ユニークワード(Unique Word。以下「UW」と記す。)を送信する。UWは、例えば、基準バースト(Reference Burst、RB)の、例えば、相関検出により検出可能な識別符号符号列である。無線通信装置3は、UWの送信と合わせて、クロック数等の計数スタート(計数ST)する。つまり、無線通信装置3は、例えば、UWを送信した時刻を、測距の時間的な基準位置とする。
被測定局である無線通信装置4は、無線通信装置3から送信されたUWを受信して、UWを検出する。このUWの受信は、無線通信装置3と無線通信装置4の無線系での距離に比例した電波遅延時間だけ遅れる。そして、無線通信装置4は、受信したUWを、そのまま折り返し無線通信装置3に送信する。
無線通信装置3は、無線通信装置4から折り返し送信されたUWを受信し、UWを検出する。このUWの受信も、上述の電波遅延時間と同じ無線系の距離に応じた遅延時間だけ遅れることになる。無線通信装置3は、折り返し送信されたUWを検出すると、測定局での計数をストップ(計数SP)する。無線通信装置3は、この検出されたUWの基準位置の計数SPと、無線通信装置3で送信したUWの基準位置の計数STとの間のクロック数等の計数値である、カウント値DTを取得する。このカウント値DTは電波の一往復時間であり、被測定局である無線通信装置4からの送信の固定遅延があればこれを加えて、無線通信装置3と無線通信装置4との間の距離を測定可能である。ここで重要なことは送信、受信が同時に可能なので送信から受信、受信から送信の切り替えに時間の連続性が保持されることである。
このように、全二重通信では、UWの送信から戻りのUWの受信までの伝播遅延時間から測距を行う方式又は同様の方式を用いることができ、簡単に距離を測定できる。

0005

このような従来の測距を行う通信方法として特許文献1乃至3を挙げることができる(以下、従来技術1乃至3とする。)。

先行技術

0006

特開平7−226976号公報
特開平5−308344号公報
特開平10−234072号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ここで、測距における測定局から被測定局までの遅延時間測定には、被測定局の受信解除から送信までの固定遅延時間、送信タイミング、送信時間等の正確さが必要である。つまり、被測定局のUW受信完了からUWを送信するまでの時間が正確でないと、電波の折り返しによる遅延時間を正確に測定できない。
ここで、従来の無線通信システムYのような従来の全二重の無線通信系では、送信しながら受信又は受信しながら送信することが同時にできるため、測定局の送信クロック系と被測定局との受信クロックの同期、並びに被測定局内の受信クロックに対する送信クロックの同期が容易に実現できる。つまり、全二重の無線通信系では、被測定局では、測定局からの基準バーストのような基準信号を常に受信して、クロック追従動作を行いながら送信が可能である。全二重の無線通信系では、又簡単には、同期自体を行わない方式として被測定局で、受信した高周波信号又はベースバンド信号を、そのまま測定局に送信することで、伝播遅延時間を測定できる。
しかしながら、従来の半二重の無線通信系では、同一の周波数帯を用いるため、測定局と被測定局で同時に両方で通信を行うことができない。このため、PLL等により受信信号を基準信号として位相制御をする場合、半二重通信系では、受信から送信完了までは基準信号がなくなり、精密な位相保持ができなかった。
これらの理由により、従来技術1乃至3のような従来の半二重通信系では、上述の固定遅延のような遅延時間に同期ずれによる誤差が含まれるため、正確な伝播遅延時間の測定ができず、測距も正確にできないという問題があった。

0008

本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の無線通信システムは、半二重通信において、無線通信装置からのデータの送受信の遅延時間からの距離測定を行う無線通信システムにおいて、距離測定を行う前記無線通信装置を測定局、距離測定の相手の前記無線通信装置を被測定局とし、
前記測定局において、シンボルの長さを示すシンボル切替点パルスで短時間変調信号を生成して送信する変調信号生成送信手段と、前記測定局と前記被測定局とにおいて、受信した前記短時間変調信号から前記シンボル切替点パルスを抽出する復調手段と、前記シンボル切替点パルスを用いてクロックの位相を前記測定局と同期及び保持させるクロック同期手段と、前記測定局において、時刻情報を含むユニークワードを送信する測定局ユニークワード送信手段と、前記測定局と前記被測定局とにおいて、受信した信号から前記ユニークワードを検出するユニークワード検出手段と、前記被測定局において、同期された前記クロックによる固定遅延の後に、前記ユニークワードを折り返し送信する被測定局ユニークワード送信手段と、前記測定局において、前記ユニークワードの送信から、前記被測定局から送信されたユニークワードの受信までの間、測定用のクロックのカウントを行い、カウント数から前記ユニークワードの前記固定遅延を減算し、前期測定局と前期被測定局との距離を算出する距離算出手段とを備えることを特徴とする。
本発明の無線通信システムは、前記クロック同期手段は、前記短時間変調信号の品質を判定し、該品質が適当でない場合、又は受信信号がなくなった場合、前記クロックの位相を保持状態にするよう制御することを特徴とする。
本発明の無線通信システムは、前記クロック同期手段は、前記クロックの位相のずれを符号付多値に変換する符号付多値変換手段と、前記符号付多値を累積加算する累積加算手段と、累積加算された前記符号付多値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値の符号を判定する符号判定手段と、判定された前記符号により前記クロックの位相のずれの制御の方向の切り換えを行い、前記平均値の大きさにより変化させる前記クロックの分周の位置又はパルスを切り換える符号制御切換手段とを備えることを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、半二重の無線通信系において、被測定局でシンボル切替点パルスによるクロックの位相保持を行った上で、固定遅延を含めたユニークワードを折り返し送信することで、伝播遅延時間の測定による正確な測距を行う無線通信装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の実施の形態に係る無線通信システムXのシステム構成図である。
本発明の実施の形態に係る無線通信装置1又は2の制御構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る無線通信装置1又は2のクロック調整部15の制御構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る無線通信装置1又は2の位相制御部20の制御構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係る位相制御距離測定処理フローチャートである。
本発明の実施の形態に係る位相保持追尾制御処理を説明する図である。
本発明の実施の形態に係る距離測定方式概念図である。
本発明の実施の形態に係る出力位相保持制御処理の詳細を示すフローチャートである。
従来の全二重通信の無線ステムYのシステム構成図である。
従来の無線システムYによる距離測定方式の概念図である。

実施例

0012

<第1の実施の形態>
〔無線通信システムXの構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る無線通信システムXの構成例について説明する。本実施形態の無線通信システムXは、例えば、同様の構成の無線通信装置1及び無線通信装置2を含む。
本実施形態の無線通信システムXは、従来の無線通信システムY(図7)と同様に、データの送受信の際に、電波遅延時間を利用し、送受信間の距離を測定する測距を行う。
しかしながら、本実施形態の無線通信システムXは、無線通信装置1及び無線通信装置2が同時に送受信できない半二重通信のデジタル無線システムである。このため、無線通信装置1、2は、測距の前に、測定局からの変調信号から抽出したシンボル切替点パルス(以下、「切替パルス」という。)を含む信号を基に被測定局でクロックの位相の追従動作を行い、位相が同期した状態を保持する。この上で、測定局からUWを送信し、被測定局で受信した後、同期されたクロックにて正確な固定遅延の時間待機した後、UWを折り返し送信する。この折り返しのUWを受信した測定局では、クロックのカウントを行うことで伝播遅延時間を測定し、これを基に測距を行う。
なお、以下では、無線通信装置1が測定局であり、無線通信装置2が被測定局である例について示すが、これに限られない。つまり、無線通信装置1、2においては、切替パルスやUWを送信した方が測定局となり、受信した方が被測定局となるため、どちらからでも測距を行うことが可能である。

0013

〔無線通信装置1、2の構成〕
次に、図2を参照して、本発明の実施の形態に係る無線通信装置1又は無線通信装置2の構成例を示す。
同様の構成である無線通信装置1又は無線通信装置2は、無線送受信部10(無線送信手段、無線受信手段)、クロック調整部15(クロック同期手段)、RF部50(無線系)、電気電波信号を送受信するRF同軸ケーブル60、及びアンテナ70等を備えて構成される。

0014

無線送受信部10は、デジタル無線のチャネルフレーム送受信等の処理を行うための制御演算手段を備えたハードウェア資源である。無線送受信部10は、DSP、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPP(General Purpose Processor)等の制御演算手段と、レジスタ、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶手段を備えている。記憶手段には、データやプログラム等を記憶している。
また、無線送受信部10は、RF部50で送受信した変調信号であるベースバンド信号等を受信信号としてクロック調整部15へ送信する。
また、無線送受信部10は、UW送受信による測距に関連する部位として、測距部120(距離算出手段、変調信号生成送信手段、復調手段、測定局ユニークワード送信手段、
ユニークワード検出手段、被測定局ユニークワード送信手段)、及びカウンタ130を備えている。

0015

クロック調整部15は、無線送受信部10からのベースバンド信号等の受信信号を基にクロックの位相制御を行う部位である。
クロック調整部15の詳細については後述する。
なお、無線送受信部10及びクロック調整部15は、一体的に構成してもよい。

0016

RF部50は、送信増幅受信増幅ベースバンドから高周波信号への変換及びその逆変換、A/D、D/Aコンバータ等を備えた無線(Radio Frequency)の電気/電波信号の送受信に係る部位である。

0017

(無線送受信部10の構成)
ここで、無線送受信部10の測距に係る各部位について詳しく説明する。
測距部120は、送信の場合はUWを変調し、受信の場合はUWの復調を行う部位である。
測距部120は、測定局の場合、送信状態の際に、測距を行う際にUWを送信する。このUWは、自己相関の高い符号を使用する。測距部120は、UWの送信の際、カウンタ130をスタートさせて、クロックをカウントする。
また、測距部120は被測定局において、受信状態で、無線送受信部10から取得されたベースバンド信号等の受信信号を用いて、自己相関等の所定方式によりUW等を検出する。また、UWは、測定局、被測定局の応答制御を行うためにも使用可能な制御コードとすることで、通信途中でも、必要な時に測距動作が可能である。

0018

測距部120は、UWの送信と受信の基準位置間を、基準クロックでカウンタ130により計数STでカウントをスタートし、計数SPまで計数(カウント)する。この上で、
測距部120は、計数SPから計数STまでの間のクロック等のカウント数を、カウント値DTとして記憶する。ここで、計数STは、測定局のUW送信のスタートの際の時刻の基準位置を示す。また、計数SPは、被測定局から折り返し送信されたUWの受信が完了した際に、クロックのカウントをストップした際の時刻の基準位置を示す。
測距部120は、カウント値DTから、後述する予め送信局と被送信局との間で設定された固定遅延を減算して伝播遅延時間を算出し、この伝播遅延時間と光速とから測定局と被測定局の間の距離を算出する。

0019

カウンタ130は、測距において測定局と被測定局の距離を算出するための遅延時間測定用のカウンタである。カウンタ130は、高安定発信器25から分配されたクロック数等を計測する。

0020

〔クロック調整部15の構成〕
ここで、図3を参照して、クロック調整部15の各部位について詳しく説明する。クロック調整部15は、構成部位として、位相制御部20(クロック同期手段)、高安定発信器25(クロック供給手段)、受信クロック部30(受信系クロック)、送信クロック部40(送信系クロック)を備えている。

0021

位相制御部20は、主に被測定局において、高安定発信器25及び無線送受信部10の受信信号を基に、測定局のクロックとの同期を行う。この際、位相制御部20は、受信信号から、信号内に常時含まれるシンボルの区切りを示す信号である切替パルスを抽出し、クロックの位相追尾と位相保持とを行う。
位相制御部20の詳細な構成についても後述する。

0022

高安定発信器25は、安定し正確なベース(基準)クロックを無線送受信部10や位相制御部20へ供給する部位である。高安定発信器25は、通常の温度補償付き水晶発振器の他に、高安定温度補償水晶発振器恒温槽制御水発振器(Oven Controlled Crystal Oscillator、OCXO)、ルビジウム発振器(Rubidium Oscillator)等を用いて構成してもよい。
高安定発信器25が供給する基準クロックは、無線送受信部10や位相制御部20へ供給され、カウンタ130(図2)によるクロックの計数、クロックの位相のずれの算出等に用いられる。

0023

受信クロック部30は、位相制御部20の出力を基に、位相制御された受信信号用の受信系のクロックを各部に供給する回路等の部位である。
送信クロック部40は、位相制御部20の出力を基に、位相制御された送信信号用の送信系のクロックを供給する回路等の部位である。

0024

〔位相制御部20の構成〕
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態に係る無線通信装置1の位相制御部20の詳細構成について説明する。
位相制御部20は、分周器210、211、212、切替パルス抽出部220(切替パルス抽出手段)、品質判定部221(信号品質判定手段)、ゲート225、符号付多値変換部230(符号付多値変換手段)、累積加算部240(累積加算手段)、平均値算出部250(平均値算出手段)、符号判定部260(符号判定手段)、符号制御切換部270(符号制御切換手段)、制御位置切換器部280(制御位置切換手段)、タイミング発生部290(タイミング発生手段)等を備えている。

0025

分周器210、211、212は、高安定発信器25の基準クロックを所定の割合で周波数変換する分周回路である。
分周器211、212は、ここでは、例えば1/2分周回路を直列に接続したカウンタを用いる。また、下記で示すように、分周器211は制御位置切換器部280により分周位置を制御される。
分周器210は、高安定発信器25の基準クロックを、所定の周波数に分周する分周回路である。
分周器211は、分周器210から分周されたクロックを入力し、更に分周する分周回路である。分周器211は、適切な段数で順次1/2分周され、従属接続されるように構成される。
分周器212は、分周器211から分周されたクロックを入力し、更に分周する分周回路である。分周器212も、分周器211と同様に適切な段数で構成される。

0026

切替パルス抽出部220は、無線送受信部10から取得したベースバンド信号等の受信信号から、送信側のクロックを示す切替パルスを抽出し、生成する。

0027

品質判定部221は、無線送受信部10から取得したベースバンド信号等の受信信号の品質を判定し、判定結果によりゲート225を制御する部位である。
品質判定部221は、受信信号のレベル強度、S/N比等、又は変調信号に含まれるパイロット信号若しくはプリアンブル信号の検出結果等を基に、受信信号の品質を算出する。品質判定部221は、受信信号の品質が適当でない、すなわち受信信号の品質が所定の閾値に満たない場合、又は受信信号の品質が適当であっても既にクロックの位相が同期状態である場合、又は切替パルスが抽出できない場合には、符号制御切換部270の判定信号に基づいてゲート225からの出力を禁止し、クロックを保持する保持状態に遷移させる。
これに対して、品質判定部221は、受信信号の品質が適当である、すなわち受信信号の品質が所定の閾値を満たす場合には、切替パルス抽出部220の切替パルスをゲート225から符号付多値変換部230へ出力するよう制御する。

0028

ゲート225は、品質判定部221の制御により、切替パルス抽出部220からの切替パルスを出力又は停止(禁止)する部位である。
ゲート225は、クロックの位相を制御する場合には、切替パルス抽出部220で抽出した切替パルスを符号付多値変換部230に出力する。
ゲート225は、これに対して、クロックの位相が保持される場合には、切替パルスの出力を停止する。

0029

符号付多値変換部230は、切替パルス抽出部220から出力された切替パルスと、分周器212の分周出力サンプリングし、各ビット重み付けすることにより、クロックの位相のずれの大きさ、方向(+、−)、同期状態(0)を符号付多値量に変換して、出力する部位である。
符号付多値変換部230は、分周器212の各分周出力を入力として、組み合わせ回路を使用し、切替パルスが、どの位相位置にいるのかを進み(+)、遅れ(−)、同期状態(0)の位置と大きさとを、符号付多値に変換する。
つまり、この符号付多値量は、送受信間のクロックの位相のずれの大きさと進み遅れを示す値となる。
以下、この符号付多値をP(n)として示す。

0030

累積加算部240は、符号付多値変換部230から出力された符号付多値を、符号付又はゼロである所定のサンプル値Nで累積加算する部位である。
すなわち、累積加算部240は、適当な所定回数だけ加算された累積加算値ΣP(n)=P(N)を算出する。ここで、n=1〜Nである。

0031

平均値算出部250は、P(N)の平均値、P(N)/Nを算出する部位である。P(N)の平均値を、以下、平均値Pとする。

0032

符号判定部260は、平均値Pの符号を算出する部位である。算出結果は、位相ずれの方向を示し、+、−、0の値となる。

0033

符号制御切換部270は、符号判定部260の出力を入力として、クロックの制御を行う。符号制御切換部270は、例えば、「+」の場合、クロックを進める追加用パルスを発生させる、すなわち位相をプラスするような制御を行う。また、符号制御切換部270は、例えば、「−」の場合は、クロック削除用パルスを発生させる、すなわち位相を遅らせるような制御を行う。また、符号制御切換部270は例えば、「0」の場合は同期しているとして、追加用/削除用パルスを発生させず、いわゆる「何もしない」状態となる。その結果、クロックを保持する制御を行うことになる。

0034

制御位置切換器部280は、符号制御切換部270の制御に従って、分周器211を制御する部位である。制御位置切換器部280は、符号制御切換部270の「+」の際の追加用パルス、又は「−」の際の削除用パルスにより、平均値Pの位置に相当する分周の制御位置を切り換える。つまり、制御位置切換器部280は、追加用パルスの場合は従属接続された1/2分周回路の段間にパルスを追加し、削除の場合はパルスを削除する。なお制御位置切換器部280は、「0」の場合は、何もしない。このため、分周器の段間は、そのまま接続された状態になる。
また、制御位置切換器部280は、位相の制御位置は固定して、追加、削除するパルスの数を変更してもよい。
このような構成により、精度の高い位相の保持、制御が可能となる。特に、保持状態においては、精度の悪い基準位置が含まれる品質の悪い信号で制御を禁止する制御と、「0」の位置による保持とを組み合わせ、高安定発信器25の精度や送受信された信号の品質に適合した位相保持を行うことができる。

0035

タイミング発生部290は、分周器212からのクロックを用いて受信クロック部30及び送信クロック部40へ指示する各種タイミング信号を発生させる回路等である。
タイミング発生部290のタイミング信号は、受信クロック部30及び送信クロック部40にそれぞれ供給される。

0036

〔本発明の実施の形態に係る位相制御距離測定処理〕
次に、図5図8を参照して、本発明の実施の形態に係る無線通信システムXによる位相制御距離測定処理について説明する。
本実施形態の無線通信システムXは、半二重の無線通信系であるため、測距において、測定局である無線通信装置1、及び被測定局である無線通信装置2は、受信しながら送信することができない。
このため、本実施形態の位相制御距離測定処理では、測定局と被測定局間の基準となるクロックの保持を正確に行った上で測距を行う。
具体的に、まず、無線通信装置1は、UWを含む信号でも構わない変調信号を送信する。無線通信装置2は、変調信号から切替パルスを抽出し無線通信装置1に同期をとる。その後は無線通信装置が送信を完了し、同期をとる基準がなくなるので、無線通信装置2は図4で説明したように、同期保持状態に遷移する。
そして、測距する場合は先の変調信号の中にUWを挿入する。無線通信装置2は、UWを検出すると、先の同期保持されたクロックを基に固定遅延の間待って、UWを折り返し送信する。
この固定遅延としては、ガードタイム等を含み、送信での処理時間を含めた送受信の遅延時間を無線通信装置1及び無線通信装置2で予め設定して用いる。無線通信装置2のUWの送信変調信号は、先の保持されたクロックを基に生成し、送信するので受信状態から送信状態に遷移する間も位相状態保証される。
これにより、半二重通信において、被測定局の固定遅延を含めた送信時刻の精度を上げることができ、測定局と被測定局との距離測定を正確に行うことができる。
以下で、この位相制御距離測定処理の詳細について、図5のフローチャートを基に、詳細に説明する。

0037

まず、ステップS101では、測定局である無線通信装置1の無線送受信部10は、無線通信システムXの変調波送信処理を行う。
すなわち、測定局、被測定局間のクロックの同期を行うため、プリアンブル等の変調信号を、短時間変調信号として送信する(タイミングT101)。
この変調信号は、切替パルスの成分を含んだもので、プリアンブルに限らず、通常の信号に、常に含まれるものである。

0038

次に、ステップS201にて、被測定局である無線通信装置2の位相制御部20は、受信状態にて、受信信号から切替パルスを抽出し、位相追尾保持制御処理を行う。
図6を参照して説明すると、位相制御部20は、被測定局の受信クロック部30の位相を、測定局である無線通信装置1に合わせる、すなわち同期を引き込む処理を行う。
つまり、位相制御部20は、受信した半二重の短時間変調信号から切替パルスを抽出して、これを基に位相追尾を行い、クロックの位相を測定局と同期させる。この際、位相制御部20は、抽出した切替パルスの品質が悪い場合、又は受信が終了した場合は、クロックの同期を保持する。

0039

測距を行う場合、ステップS102において、測定局である無線通信装置1の無線送信部10は、測距部120で生成したUWを使用し、UW変調送信処理を行う。
図7は、測定局と被測定局の送信及び受信状態を示す。本実施形態の半二重通信系による測距方式では、無線通信装置1及び無線通信装置2は半二重の通信装置のため、送信及び受信はどちらか一方しかできない。
このため、まずは無線通信装置1が送信状態の際に、無線送受信部10は、UWの送信を行う(タイミングT102)。
また、無線送受信部10の測距部120は、伝播遅延時間測定用のカウンタ130を起動させる。これが、送信のスタートの基準位置である計数STとなる。
本実施形態の無線通信システムXは、UWに自己相関の高い符号を使用し、受信時刻に相当するが絶対時刻ではない時間的な位置を正確に検出可能にする。
UWの送信完了後には、無線通信装置1の無線送受信部10は、受信状態となる。
なお、UWには、上記の検出に支障がない方法で時刻情報、被測定局からの自動応答制御信号等を含めてもよい。

0040

次に、ステップS202にて、被測定局である無線通信装置2の無線送受信部10の測距部120は、UW検出処理を行う。
無線通信装置2は受信状態となっているため、無線通信装置1が送信したUWを無線通信装置2の無線送受信部10で受信する。測距部120は、UWを検出する。

0041

次に、ステップS203にて、無線通信装置2の無線送受信部10は、固定遅延後UW送信処理を行う。
無線通信装置2の無線送受信部10は、同期が保持されたクロックを使用し、クロックの整数倍の固定遅延だけ待って、UWを無線通信装置1へ送信する。つまり、無線送受信部10は、UWの受信から設定された固定遅延を、同期されたクロックを使用して待機しその後、折り返しUWを送信する(タイミングT103)。
ここで、半二重通信においては受信への干渉が起きるため、固定遅延として、受信状態から送信状態への切り換えの時間にガードタイム等を含む送信に必要な時間を予め無線通信装置1と無線通信装置2との間で設定して用いる。

0042

ここで、ステップS103にて、受信状態となっている無線通信装置1の無線送受信部10の測距部120は、UW検出距離計算処理を行う。
まず、無線通信装置1の測距部120は、無線通信装置2からの信号を受信し、UW検出を行う。測距部120は、UWが検出されたら、カウンタ130を停止させる。これがストップの基準位置である計数SPとなる。
測距部120は、この計数SPから計数STまでのクロックの計数値等であるカウント値DTを取得する。このカウント値DTには固定遅延が含まれる。この固定遅延は、上述のようにクロックが同期されているため、正確な値となる。このため測距部120は、固定遅延をカウント値DTから減算するだけで、無線通信装置1と無線通信装置2とでのUWの送受信による伝播遅延時間を正確に算出する。測距部120は、この正確な伝播遅延時間により、無線通信装置1及び無線通信装置2の間の距離を正確に算出する。
このように、測定局のクロックに被測定局が同期された状態で、正確な固定遅延後にUWを受信することで、半二重通信であっても精度よく距離の測定を行うことができる。
以上により、本発明の実施の形態に係る位相制御距離測定処理を終了する。

0043

なお、UWを検出したら自動的に応答して測距を行うことも可能である。
測定局及び被測定局は、固定遅延等の設定値をお互いに送受信して、自動的に設定することができる。

0044

(出力位相保持制御処理の詳細)
ここで、図8を参照して、出力位相保持制御処理の詳細をステップ毎に説明する。
まず、ステップS211において、無線通信装置1の位相制御部20の品質判定部221は、受信品質算出処理を行う。
品質判定部221は、無線送受信部10から取得したベースバンド信号等の受信信号から、例えば、受信信号の強度やS/N比等の受信品質に関する値を算出する。

0045

次に、ステップS212において、品質判定部221は、信号の品質が適当か否かを判定する。品質判定部221は、上述のステップS211において算出された受信品質に関する値が所定の閾値以上の場合は、受信信号の品質が良好であるとして、Yesと判定する。品質判定部221は、それ以外の場合、つまり所定の閾値未満の場合は受信信号の品質が悪い状態であるとしてNoと判定する。また、品質判定部221は、受信信号がなくなった場合にも、Noと判定する。
Yesの場合、品質判定部221は、処理をステップS213に進める。
Noの場合、品質判定部221は、ゲート225をオフにすることで切替パルスの出力を禁止する。これにより、被測定局は、その時点の位相のまま、クロックを保持する。この状態のクロックの精度は、高安定発信器25の精度そのものとなる。

0046

ステップS213において、受信信号の品質が適当である場合は、クロックの位相制御状態になり、符号付多値変換部230から制御位置切換器部280は、位相遅れ、進み、
その他の算出処理を行う。
まず、切替パルス抽出部220は、無線送受信部10から取得したベースバンド信号等の受信信号から、位相の状態をサンプリングする切替パルスを抽出して生成する。
符号付多値変換部230は、この切替パルスをラッチパルスとして分周器212の各段の値をラッチし、自局のクロックとの位相のずれの大きさと進み遅れを+、−、0の符号付きの値、P(n)として出力する。
累積加算部240は、所定のサンプル数であるN回、P(n)を累積加算し、ΣP(n)(n=1〜N)を算出し、この値をP(N)とする。
平均値算出部250は、P(N)の平均値であるP(N)/Nを算出し、この値を平均値Pとする。
符号判定部260は、平均値Pの符号を算出する。出力は、+、−、又は0の出力値となる。
符号制御切換部270は、符号判定部260からの出力が「+」だった場合は追加用パルス、「−」だった場合は削除用パルスを出力する。
制御位置切換器部280は、平均値Pにより分周の位置を切り換えるか、又は追加用パルス又は削除用パルス数を変更することにより、分周器211の出力には、位相のずれたクロックが出力される。

0047

次に、ステップS214において、位相制御及びタイミング発生処理を行う。ここでは先の分周器211の出力を用いて、分周器212、及びタイミング発生部290は、位相のずれたクロック(同期のとれたクロック)出力を基に送信や受信に必要なタイミングを発生する。
まず、上述したように、高安定発信器25のクロックの出力は、分周器210で所定の周波数に分周されており、この出力が次段の分周器211に入力される。
分周器211は、制御位置切換器部280の出力信号により分周位置を切り換えてパルスの追加又は削除を行う。その結果として、位相の制御されたクロックを分周器212に出力する。
分周器212は、位相の制御が行われたクロックを更に分周して、タイミング発生部290へ出力し、本実施形態の無線通信システムXの送信、受信に必要なタイミング信号を発生させる。また、分周器212の各出力は、位相ずれを量子化するため、符号付多値変換部230へ出力する。
タイミング発生部290は、位相同期されたクロックを基に発生させしたタイミング信号を、受信クロック部30又は送信クロック部40に出力する。
以上により、本発明の実施の形態に係る出力位相保持制御処理を終了する。

0048

以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、上述したように半二重通信で測距を行うため、測定局、被測定局では送受信が同時にできない。よって、被測定局は、受信が完了した後、送信を行う必要がある。この際、測定局も送信中は被測定局の信号を受信できない。
このため、被測定局によるUWの受信完了から、折り返しUWを送信するまでの時間が正確でないと、折り返し送信による固定遅延は正確にならない。
この固定遅延を正確にするためには、被測定局のクロックの位相の保持が大変重要である。この送受信間の位相制御にPLL(Phase−locked loop)等を使用すると、基準信号がなくなる状態となり、正確なクロックの保持ができない。つまり、半二重通信系の場合、受信信号が基準信号となるが、被測定局の受信から送信完了まで、同期を保持するための基準信号がなくなると、クロックの位相保持が困難となる。
これに対して、本実施形態の無線通信システムXは、測定局から被測定局までの遅延時間測定において、被測定局の受信状態の解除から送信状態までの固定遅延時間、送信タイミング、送信時間の正確さ等を担保することができる。
これにより、本実施形態の無線通信システムXは、半二重通信で、電波の遅延時間を利用し、システムの性能に合った正確な測距を行うことができる。

0049

また、本実施形態の無線通信システムXは、常に安定状態にある高安定発信器25を使用し、そのクロックの出力をお互いの位相ずれの大きさと方向に基づいて制御するため、
位相同期の追尾速度が早くなる。
また、本実施形態の無線通信システムXは、受信品質を判定して、通常の通信中でも位相保持状態を制御するため、測距のためのトレーニング時間を必要とせず、使い勝手がよくなる。
また、本実施形態の無線通信システムXは、受信信号がなくなった時、受信信号の品質が悪い場合、並びに既に同期状態の場合に、クロックの位相保持状態に遷移するよう制御する。このため、回線品質劣化による、ジッターによる、又は同期ずれ等による測距精度の低下を防止することができる。
また、本実施形態の無線通信システムXは、受信信号の品質判定で受信信号がなくなった状態の検出において、切替パルスの抽出に必要な信号のレベル、システムの制御に必要な同期パターン、パイロット信号等を使用する。これにより、特にクロック同期のための情報伝送を必要とせず、通信帯域を有効に利用することができる。
また、本実施形態の無線通信システムXは、測定局、被測定局に使用するUWをお互いに検出した際に、自動的に応答することができる。したがって、通常の情報通信中でも、
自動的に測距動作を行うことができ、特に情報通信を中断することなく、測距が可能となる。

0050

以上の実施態様の特徴をまとめると、次のようになる。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、半二重のデジタル無線通信で情報の授受を行いながら、データの往復の遅延時間からの距離を求め、距離測定を行う局を測定局、その相手局を被測定局とし、測定局から安定した基準クロックを基に、ユニークワードを送信し、遅延時間測定用のカウンタを起動させ、被測定局では、受信したユニークワードを検出することにより、測距が可能となる。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、被測定局は、測定局からの信号がなくなった後は、自局のクロックの位相を保持状態に制御し、当該クロックを基にした固定遅延後に、ユニークワード折り返し送信することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、測定局は被測定局からユニークワードを検出し、前記カウンタを停止させてカウンタ値を算出し、該カウンタ値から固定遅延を差し引いた計数値を算出し、当該計数値を電波の往復時間として、測定局及び被測定局の間の距離を算出することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、基準クロックとして正確な発信を行う高安定発信器を使用してクロックを供給し、受信信号がなくなった場合、受信信号の品質が低下した場合は、前記クロックの位相が保持状態とすることにより、高安定発信器の安定度を使用することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、位相ずれ状態を、大きさ、方向、同期状態の符号付多値量に変換し、所定回数だけ累積加算して平均値を算出し、位相制御の大きさは分周位置を切り換え、位相ずれの方向は+、−、0の制御の切り換えを行って位相制御を行うことを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、特定の方法によらないシンボル切替点パルスの抽出、信号の品質判定、信号の有/無の結果で位相保持又は制御を切り換え、
安定した位相制御を行うことを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、クロック同期にはシンボルレート基本波を使用し、信号の品質判定にはパイロット信号のレベル、位相揺らぎの大小を使用し、信号の有/無にはプリアンブル、ポストアンブル等を共用することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムXは、測定局、被測定局に使用するユニークワードの使用は、測定局のユニークワード検出に被測定局のユニークワードが応答する制御を用い、情報の授受の最中でも必要時に測距を行うことを特徴とする。

0051

なお、本発明の実施の形態に係る無線通信装置は、すべての半二重通信に用いることができる。

0052

なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。

0053

1、2、3、4無線通信装置
10無線送受信部
15クロック調整部
20位相制御部
25高安定発信器
30受信クロック部
40送信クロック部
50 RF部
60RF同軸ケーブル
70アンテナ
120 測距部
130カウンタ
210、211、212分周器
220切替パルス抽出部
221品質判定部
225ゲート
230 符号付多値変換部
240累積加算部
250平均値算出部
260符号判定部
270符号制御切換部
280制御位置切換器部
290タイミング発生部
X、Y 無線通信システム

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