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技術 回転機械の製造方法、回転機械のめっき方法、及び回転機械

出願人 三菱重工業株式会社仁科工業株式会社
発明者 石橋佑典紺野勇哉渡部裕二郎安井豊明田中一成川原光聖淵上遥平仁科俊夫
出願日 2012年12月28日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2012-288536
公開日 2014年7月10日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2014-129575
状態 特許登録済
技術分野 タービンの細部・装置 化学的被覆 非容積形ポンプの構造
主要キーワード 流動流路 撹拌プロペラ 分割側 軸流式圧縮機 予熱槽 止水領域 サイドストリーム 防食対策
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年7月10日)のものです。
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図面 (11)

課題

コストを抑制しながら、簡易な手法で車室のめっき施工を可能とした回転機械の製造方法、めっき方法、及び回転機械を提供する。

解決手段

吸入口5、排出口6、上流側開口部10、下流側開口部11の複数の開口部を有して、流体を吸入、排出する遠心圧縮機の車室1を形成する車室形成工程と、車室形成工程の後に、上記開口部を通じて、車室1内へ前処理液を供給した後に該車室1から排出して該車室1の内面活性化を行う表面活性化工程と、上記表面活性化工程の後に、上記開口部を通じて、めっき液W3の車室1内への供給と車室1内からの排出を行って循環させ、車室1の内面1aのめっきを行うめっき工程S5と、めっき工程S5でめっきされた車室1によって、外周側から覆われるように、車室1に対して相対回転可能な回転体である回転軸インペラを設ける組立工程と、を備えることを特徴とする。

概要

背景

例えば、遠心圧縮機タービン等の回転機械には、回転軸羽根部等の回転体を外周側から覆う車室が設けられている。この車室の内部は作動流体に曝されるため、例えばこの作動流体が二酸化炭素である場合には、車室内面に防食対策としてめっきが施工されている。

ここで、このようなめっき施工は通常、めっき槽内のめっき液に車室を浸漬することによって行われるが、回転機械の車室は寸法に応じた大容量のめっき槽が必要になり、コストアップが避けられないのが現状である。

ところで、特許文献1には、長尺管の内部にめっき液を圧送することで、めっき槽を用いることなく長尺管の内面のめっきを施工するめっき方法が開示されている。

概要

コストを抑制しながら、簡易な手法で車室のめっき施工を可能とした回転機械の製造方法、めっき方法、及び回転機械を提供する。吸入口5、排出口6、上流側開口部10、下流側開口部11の複数の開口部を有して、流体を吸入、排出する遠心圧縮機の車室1を形成する車室形成工程と、車室形成工程の後に、上記開口部を通じて、車室1内へ前処理液を供給した後に該車室1から排出して該車室1の内面の活性化を行う表面活性化工程と、上記表面活性化工程の後に、上記開口部を通じて、めっき液W3の車室1内への供給と車室1内からの排出を行って循環させ、車室1の内面1aのめっきを行うめっき工程S5と、めっき工程S5でめっきされた車室1によって、外周側から覆われるように、車室1に対して相対回転可能な回転体である回転軸、インペラを設ける組立工程と、を備えることを特徴とする。

目的

本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、コストを抑制しながら、簡易な手法で車室のめっき施工を可能とした回転機械の製造方法、回転機械のめっき方法、及び回転機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数の開口部を有して、流体吸入、排出する回転機械の車室を形成する車室形成工程と、前記車室形成工程の後に、前記開口部を通じて、前記車室内前処理液を供給した後に該車室から排出して該車室の内面活性化を行う表面活性化工程と、前記表面活性化工程の後に、前記開口部を通じて、めっき液の前記車室内への供給と前記車室内からの排出を行って循環させ、前記車室の内面のめっきを行うめっき工程と、前記めっき工程でめっきされた前記車室によって、外周側から覆われるように、該車室に対して相対回転可能な回転体を設ける組立工程と、を備えることを特徴とする回転機械の製造方法。

請求項2

前記表面活性化工程と前記めっき工程との間に、前記開口部を通じて、前記車室内へ予熱液を供給した後に該車室から排出して、前記車室の予熱を行う予熱工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の回転機械の製造方法。

請求項3

前記予熱工程では、前記予熱液として還元剤が含有された予熱液によって予熱されることを特徴とする請求項2に記載の回転機械の製造方法。

請求項4

前記めっき工程では、前記車室内に供給された前記めっき液が撹拌手段によって撹拌されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項5

前記めっき工程では、前記複数の開口部のうちで最も大きな開口を有する該開口部が上方を向いた状態でめっきが行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項6

前記めっき工程では、前記複数の開口部のうち、めっき施工が必要な該開口部であって前記流体の吸入及び排出を行う該開口部から、前記めっき液を供給し、排出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項7

前記めっき工程では、前記複数の開口部のうちで上方に開口する開口部を上方に延長するように、該開口部の開口縁部を外周側から取り囲むカバー部材を前記車室に設けた状態でめっきが行われることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項8

前記めっき工程では、前記車室の内面と離間した状態で該車室の内部に中子が設けられて、めっきが行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項9

前記めっき工程では、前記中子として、外周面内外を連通する貫通孔が形成された中空部材を用い、該中空部材の内部に前記めっき液を供給するとともに前記貫通孔から該中空部材の外部へ噴出することを特徴とする請求項8に記載の回転機械の製造方法。

請求項10

前記めっき工程では、前記中子を移動させながらめっきが行われることを特徴とする請求項8又は9に記載の回転機械の製造方法。

請求項11

前記めっき工程では、該車室の内部を前記車室の延在方向に複数の空間に区画する仕切り板を、それぞれの前記空間に少なくとも二つの前記開口部が連通するように設けた状態でめっきが行われることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項12

前記めっき工程では、前記車室に振動付与手段によって振動を与えながらめっきが行われることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項13

前記めっき工程では、前記車室の内面をブラシによって擦りながらめっきが行われることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の回転機械の製造方法。

請求項14

請求項1から13のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする回転機械。

請求項15

複数の開口部を有して、流体を吸入、排出する回転機械の車室の内面にめっきを行う回転機械のめっき方法であって、前記開口部を通じて、前記車室内へ前処理液を供給した後に該車室から排出して該車室の内面の活性化を行う表面活性化工程と、前記表面活性化工程の後に、前記開口部を通じて、めっき液の前記車室内への供給と前記車室内からの排出を行って循環させ、前記車室の内面のめっきを行うめっき工程と、を備えることを特徴とする回転機械のめっき方法。

請求項16

請求項15に記載のめっき方法で製造されたことを特徴とする回転機械。

技術分野

0001

本発明は、回転機械の製造において行われる車室内面へのめっき施工に関する。

背景技術

0002

例えば、遠心圧縮機タービン等の回転機械には、回転軸羽根部等の回転体を外周側から覆う車室が設けられている。この車室の内部は作動流体に曝されるため、例えばこの作動流体が二酸化炭素である場合には、車室内面に防食対策としてめっきが施工されている。

0003

ここで、このようなめっき施工は通常、めっき槽内のめっき液に車室を浸漬することによって行われるが、回転機械の車室は寸法に応じた大容量のめっき槽が必要になり、コストアップが避けられないのが現状である。

0004

ところで、特許文献1には、長尺管の内部にめっき液を圧送することで、めっき槽を用いることなく長尺管の内面のめっきを施工するめっき方法が開示されている。

先行技術

0005

特開平8—319576号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1のめっき方法を用いればめっき槽が不要となり、コスト抑制につながるものの、車室は、寸法が非常に大きいことに加えて形状も複雑であることから、特許文献1の方法を回転機械の車室内面のめっき施工に適用しようとした場合には、大掛かりな装置が必要となってしまい、めっき施工は容易ではない。

0007

本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、コストを抑制しながら、簡易な手法で車室のめっき施工を可能とした回転機械の製造方法、回転機械のめっき方法、及び回転機械を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る回転機械の製造方法は、複数の開口部を有して、流体吸入、排出する回転機械の車室を形成する車室形成工程と、前記車室形成工程の後に、前記開口部を通じて、前記車室内へ前処理液を供給した後に該車室から排出して該車室の内面の活性化を行う表面活性化工程と、前記表面活性化工程の後に、前記開口部を通じて、めっき液の前記車室内への供給と前記車室内からの排出を行って循環させ、前記車室の内面のめっきを行うめっき工程と、前記めっき工程でめっきされた前記車室によって、外周側から覆われるように、該車室に対して相対回転可能な回転体を設ける組立工程と、を備えることを特徴とする。

0009

このような回転機械の製造方法によると、車室に形成された開口部から、前処理液による車室内面の活性化を行い、さらにめっき液の循環によるめっき施工を行う。車室は、流体の吸入、排出を行う開口部が複数形成されているものであるため、表面活性化工程、めっき工程では、前処理液及びめっき液の供給、排出をこれら複数の開口部をそのまま用いて行うことができる。従って、これら前処理液及びめっき液の供給、排出を行うノズル等を別途設けることなく、また車室全体を浸漬するようなめっき槽も不要としながら、車室内面のめっき施工が可能である。

0010

また、本発明に係る回転機械の製造方法は、前記表面活性化工程と前記めっき工程との間に、前記開口部を通じて、前記車室内へ予熱液を供給した後に該車室から排出して、前記車室の予熱を行う予熱工程をさらに備えていてもよい。

0011

このような予熱工程によると、車室全体を浸漬するような予熱槽を不要としながら、開口部を用いてめっき施工前の予熱を行うことができる。特に、大型かつ複雑形状を有する車室においては、めっき液循環による温度上昇では時間を要してしまい、また、めっき液が部分的に浸漬することで車室内面の温度ムラが生じてしまうことがある。このため、十分なめっき品質を得ることができないことがあるが、予熱液によってこのような問題を回避でき、めっき品質のさらなる向上を図ることができる。

0012

さらに、前記予熱工程では、前記予熱液として還元剤が含有された予熱液によって予熱されてもよい。

0013

このような還元剤を含む予熱液を用いることで、被めっき部分となる車室内面において、予熱時に酸化皮膜が発生してしまうことを防ぐことができ、即ち、車室内面の酸化防止を図ることができ、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能である。

0014

また、前記めっき工程では、前記車室内に供給された前記めっき液が撹拌手段によって撹拌されてもよい。

0015

このような撹拌手段を用いることで、大型であり、かつ複雑形状を有する車室にあっても、車室内部でのめっき液の流速をめっき施工に最適な数値とすることができ、さらに、めっき施工時に生じて車室内面に付着したガスを取り除くことで、このガス付着部分でめっき施工が妨げられてしまうことを防止できる。従って、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0016

さらに、前記めっき工程では、前記複数の開口部のうちで最も大きな開口を有する該開口部が上方を向いた状態でめっきが行われてもよい。

0017

このようにすることで、めっき施工時に生じて車室内面に付着したガスを車室外部へ排出し易くすることができ、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0018

また、前記めっき工程では、前記複数の開口部のうち、めっき施工が必要な該開口部であって前記流体の吸入及び排出を行う該開口部から、前記めっき液を供給し、排出してもよい。

0019

このようにすることで、めっき液の供給、排出を行う際に、同時にめっき施工の必要な開口部の内面をめっき施工することが可能となるため、より効率的に車室にめっき施工を行うことができる。

0020

さらに、前記めっき工程では、前記複数の開口部のうちで上方に開口する開口部を上方に延長するように、該開口部の開口縁部を外周側から取り囲むカバー部材を前記車室に設けた状態でめっきが行われてもよい。

0021

このようなカバー部材によって、車室内部に供給されためっき液の液面が上方の開口部よりも高い位置とすることができるため、開口部の開口縁部までめっき施工を行うことができ、車室内面全域に、確実にめっき施工することができるため、めっき品質のさらなる向上につながる。

0022

また、前記めっき工程では、前記車室の内面と離間した状態で該車室の内部に中子が設けられて、めっきが行われてもよい。

0023

このような中子を設けることで、車室内部の容積を低減できるので、めっき液の供給量を低減できるため、コスト抑制につながる。さらに、車室内でめっき液が循環、流動する際の流動流路が小さくなり、流れの円滑化を図ることができるため、めっき品質の向上を図ることができる。

0024

さらに、前記めっき工程では、前記中子として、外周面内外を連通する貫通孔が形成された中空部材を用い、該中空部材の内部に前記めっき液を供給するとともに前記貫通孔から該中空部材の外部へ噴出してもよい。

0025

このような中空部材の中子を用いることで、車室内でめっき液が循環、流動する際の流動流路が小さくなり、流れの円滑化を図ることができるとともに、貫通孔からめっき液を噴出することで、撹拌効果を得ることもできる。従って、車室内部でのめっき液の流速を均一化することができ、まためっき施工時に生じて車室内面に付着したガスを取り除くことが可能である。よって、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0026

また、前記めっき工程では、前記中子を移動させながらめっきが行われてもいい。

0027

このようにすることで、めっき液の撹拌効果を得ることができ、めっき液の流速の最適化、及び、ガスの除去が可能となり、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0028

さらに、前記めっき工程では、該車室の内部を前記車室の延在方向に複数の空間に区画する仕切り板を、それぞれの前記空間に少なくとも二つの前記開口部が連通するように設けた状態でめっきが行われてもよい。

0029

このようにすることで、めっき液が循環する車室内部の空間を細かく分割し、これらの空間毎にめっき液を循環させることができる。従って車室内でのめっき液の流動性を向上させることができ、めっき品質の向上が可能となる。

0030

また、前記めっき工程では、前記車室に振動付与手段によって振動を与えながらめっきが行われてもよい。

0031

このようにすることで、めっき施工時に生じて車室内面に付着したガスの滞留を防ぐことが可能であるため、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0032

また、前記めっき工程では、前記車室の内面をブラシによって擦りながらめっきが行われてもよい。

0033

このようにすることで、めっき施工時に生じて車室内面に付着したガスの滞留を防ぎ、めっき工程でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0034

さらに、本発明に係る回転機械は、上記の製造方法で製造されたことを特徴とする。

0035

このような回転機械によると、表面活性化工程、めっき工程で、前処理液及びめっき液の供給、排出をこれら複数の開口部をそのまま用いて行うことができる。従って、これら前処理液及びめっき液の供給、排出を行うノズル等を別途設けることなく、また車室全体を浸漬するようなめっき槽も不要としながら、車室内面のめっき施工が可能である。

0036

さらに、本発明に係る回転機械のめっき方法は、複数の開口部を有して、流体を吸入、排出する回転機械の車室の内面にめっきを行う回転機械のめっき方法であって、前記開口部を通じて、前記車室内へ前処理液を供給した後に該車室から排出して該車室の内面の活性化を行う表面活性化工程と、前記表面活性化工程の後に、前記開口部を通じて、めっき液の前記車室内への供給と前記車室内からの排出を行って循環させ、前記車室の内面のめっきを行うめっき工程と、を備えることを特徴とする。

0037

このような回転機械のめっき方法によると、前処理液及びめっき液の供給、排出を行うノズル等を別途設けることなく、また車室全体を浸漬するようなめっき槽も不要としながら、車室内面のめっき施工が可能である。

0038

また、本発明に係る回転機械は、上記のめっき方法によって製造されたことを特徴とする。

0039

このような回転機械によると、めっき方法によって、前処理液及びめっき液の供給、排出を行うノズル等を別途設けることなく、また車室全体を浸漬するようなめっき槽も不要としながら、車室内面のめっき施工を行って製造することができる。

発明の効果

0040

本発明の回転機械の製造方法、めっき方法、及び回転機械によると、車室に形成された開口部を利用して前処理液、めっき液を供給、排出することで、コストを抑制するとともに簡易な手法で車室のめっき施工を行うことが可能である。

図面の簡単な説明

0041

本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法で製造される遠心圧縮機を示す概略断面図である。
本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法の手順を示すフロー図である。
本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第二実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第三実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第四実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第五実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第六実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第七実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す斜視図である。
本発明の第五実施形態に係る遠心圧縮機の製造方法に関し、車室にめっきを施す様子を示す図であって、(a)は車室を内側を斜めから、(b)は車室を外側から見た図である。

実施例

0042

〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機(回転機械)100の製造方法について説明する。
本実施形態で製造される遠心圧縮機100は、流体Fを取り込んで、軸線Oに沿って流通させることで流体Fの昇圧を行う装置である。
図1に示すように、この遠心圧縮機100は、円筒状をなす車室1と、車室1によって外周側から覆われるようにして車室1との間で相対回転不能に設けられた内部車室2と、内部車室2によって外周側から覆われて、内部車室2との間で相対回転可能に設けられた回転軸(回転体)3及びインペラ(回転体)4とを備えている。

0043

回転軸3は、軸線Oを中心とした柱状をなして、軸線O方向に延在している。またインペラ4は軸線O方向に所定の間隔をあけて複数段が回転軸3に外嵌されて、回転軸3とともに軸線Oを中心に回転する。

0044

内部車室2は、回転軸3、及びインペラ4を支持する。またこの内部車室2には、不図示の流路が各インペラ4間に形成されており、この流路を介して最前段のインペラ4から最後段のインペラ4へ、段階的に流体を流通させて昇圧を行う。

0045

車室1は、軸線Oを中心として、軸線Oの一方側(図1紙面に向かって左側)の上流側開口部10及び他方側の下流側開口部11とが形成された円筒状をなし、遠心圧縮機100の外形を形成している。この車室1は、本実施形態では軸線Oの一方側の端部において、軸線Oの径方向内側に向かって環状に突出する形状をなしており、これによって下流側開口部11と比較して上流側開口部10の開口径の方が小さくなっている。
さらに、この車室1は、外周面から軸線Oの径方向外側に向かって突出するように、上流側となる軸線O方向の一方側の端部に設けられた流体Fの吸入口(開口部)5と、他方側の端部に設けられた流体Fの排出口(開口部)6とを有している。本実施形態では、この車室1は分割面を有さず、一体の筒状部材となっている。

0046

吸入口5には、車室1の内外を連通するように軸線Oの径方向に車室1を貫通する吸入流路FC1が形成されており、この吸入流路FC1は最前段のインペラ4内に連通して、外部から流体F取り込んでこのインペラ4へ流入可能としている。

0047

排出口6にも同様に、車室1の内外を連通するように軸線Oの径方向に貫通する排出流路FC2が形成されており、またこの排出流路FC2は最後段のインペラ4内に連通して、このインペラ4から外部へ流体Fを排出可能としている。

0048

次に、上記遠心圧縮機100の製造方法(めっき方法を含む)について、まず製造工程の概要について説明し、その後、各工程の詳細を説明する。
図2に示すように遠心圧縮機100の製造方法は、車室1を形成する車室形成工程S0と、車室形成工程S0の後に車室1の内面1aのめっき施工の準備を行う準備工程S1と、準備工程S1の後に車室1内に前処理液W1を供給して車室1の内面1aの活性化を行う表面活性化工程S2とを備えている。
さらに、この遠心圧縮機100の製造方法は、表面活性化工程S2の後に車室1内を洗浄する洗浄工程S3と、洗浄工程S3の後に車室1内に予熱液W2を供給して車室1の予熱を行う予熱工程S4と、予熱工程S4の後に車室1内にめっき液W3を供給して車室1の内面1aのめっきを行うめっき工程S5と、めっき工程S5の後に車室1の仕上げを行う車室仕上げ工程S6とを備えている。
そして、車室仕上げ工程S6の後に車室1に内部車室2、回転軸3、インペラ4を組み込む組立工程S7を備え、これらの工程を経て最終的な遠心圧縮機100が製造される。

0049

まず、車室形成工程S0を実行する。即ち、鋳造等、機械加工を用いて筒状の車室1を形成する。

0050

次に、準備工程S1を実行する。車室1のめっき不要部分等にマスキングを行う。その後、軸線O方向が鉛直方向に一致するように、また吸入口5が下方に配されるように車室1を載置する。この時点で、下流側開口部11が上方を向いて載置されるため、車室1における全ての開口部である吸入口5、排出口6、上流側開口部10、下流側開口部11のうちで、最大の開口部が上方を向いた状態となる。

0051

そして、準備工程S1では、さらに、上流側開口部10に蓋をして、上流側開口部10からの液体漏洩を防止する。さらに、ポンプ15及びタンク16(図3を参照)を設置して配管16aを吸入口5及び排出口6に接続する。

0052

ここで、タンク16の詳細は図示しないが、前処理液W1、予熱液W2、めっき液W3の三種の液体を各々分離して貯留可能となっており、各工程で使用される液体を別々に上記配管16aに通じて車室1内に供給し、また車室1内から排出された液体を回収するようになっている。また、各液体のpH値、濃度、温度は常時所定値となるように適宜調整される。

0053

また、この準備工程S1では、車室1の内面1aへアルカリ性溶液を吹きつけて、内面1aに対して脱脂等の処理を行う。このアルカリ性溶液としては、例えば水酸化ナトリウムケイ酸塩界面活性剤などの混合物が用いられる。そして内面1aの処理を行った後に、内面1aに水を吹きつけて水洗する。

0054

さらに、上方に開口する下流側開口部11をさらに上方に延長するように、下流側開口部11の開口縁部11aを外周側から取り囲んで、下流側開口部11の上部に液体が溜まる空間を形成する円筒状をなすカバー部材17を、車室1の上部に取り付ける。このカバー部材17は、車室1の上部に固定してもよいが、単純に車室1上部にパッキン等を介して載置するのみでもよい。

0055

次に、表面活性化工程S2を実行する。即ち、タンク16からポンプ15によって吸入口5へ前処理液W1を供給して車室1内を前処理液W1で満たす。この際、貯留された前処理液W1の液面SFがカバー部材17の内部に位置するように、もしくはカバー部材17を越えて溢れ出すように前処理液W1の供給量を決定し、下流側開口部11の上部に液面SFがくることが好ましい。その後、前処理液W1を車室1の排出口6より排出してタンク16に回収し、車室1の内面1aの酸化皮膜を除去して内面1aの活性化を行う。
前処理液W1としては例えば、室温に調整された塩酸等の酸液が用いられる。

0056

そして、表面活性化工程S2の後に、洗浄工程S3を実行する。即ち、前処理液W1によって活性化を行った車室1の内面1aに対してスプレーを用いて水洗を行う。

0057

次に、予熱工程S4を実行する。即ち、洗浄工程S3によって水洗された車室1に対して、タンク16からポンプ15によって吸入口5へ予熱液W2を供給して車室1内を予熱液W2で満たす。そして、車室1に貯留された予熱液W2の液面SFはカバー部材17の内部に位置するように、もしくはカバー部材17を越えて溢れ出すように予熱液W2の供給量を決定し下流側開口部11の上部に液面SFがくることが好ましい。その後、予熱液W2を車室1の排出口6より排出してタンク16に回収し、めっき施工前に車室1の温度を上昇させる。
予熱液W2としては例えば、90℃程度の温度に調整された還元剤を含む水溶液が用いられ、還元剤としては例えば、次亜リン酸ナトリウム等が用いられるが、その他一般的に用いられる還元剤であってもよい。
ここで、予熱工程S4の実行後に水洗を行ってもよい。

0058

次に、めっき工程S5を実行する。即ち、予熱工程S4で予熱された車室1に対して、タンク16からポンプ15によって吸入口5へめっき液W3を供給して車室1内をめっき液W3で満たす。車室1に満たされためっき液W3は、液面SFがカバー部材17の内部に位置するように、もしくはカバー部材17を越えて溢れ出すようにめっき液W3の供給量を決定する。即ち、下流側開口部11の上部に液面SFがくるようにして、車室1の最上部までがめっき液W3で満たされた状態を維持する。またこの状態で排出口6からめっき液W3を排出してタンク16に回収し、車室1内にめっき液W3が満たされた状態でめっき液W3を循環させ、車室1の内面1aのめっきを行う。
めっき液W3としては例えば、90℃程度の温度に調整された無電解ニッケルめっき液W3が用いられる。

0059

次に、車室仕上げ工程S6を実行する。即ち、まず、めっきが施された車室1の内面1aに対してスプレーを用いて水洗を行った後に乾燥させ、車室1が完成される。また場合によっては、ベーキング処理水素脆性除去)を施してもよい。

0060

最後に、組立工程S7を実行する。即ち、車室1に、内部車室2、回転軸3、インペラ4の組み付けを行い、遠心圧縮機100が製造される。

0061

このような遠心圧縮機100の製造方法においては、車室1に形成された吸入口5から前処理液W1を供給し、また排出口6から排出することで、前処理液W1によって車室1の内面1aの活性化を行い、同様に予熱液W2、めっき液W3の供給、排出をこれら吸入口5及び排出口6から行うことで、車室1の内面1aへのめっき施工を行うことができる。

0062

即ち、表面活性化工程S2、めっき工程S5では、前処理液W1、めっき液W3の供給、排出をこれら複数の開口部をそのまま用いて行うことができる。従って、これらの液体の供給、排出を行うノズル等を別途設けることなく、また車室1全体を浸漬するようなめっき槽を不要としながら、車室1の内面1aのめっき施工が可能である。

0063

ここで、特に、大型かつ複雑な形状を有する車室1においては、めっき液W3の循環による温度上昇に時間を要してしまい、また、めっき液W3が部分的に浸漬することで車室1の内面1aで温度ムラが生じてしまうことがある。このため、十分なめっき品質を得ることができないことがある。この点、めっき工程S5の前に予熱工程S4を実行することで、車室1全体を浸漬するような予熱槽を不要としながら、車室1の均一な昇温が可能となるため、めっき品質のさらなる向上を図ることができる。

0064

また、予熱工程S4では、還元剤を含む予熱液W2を用いることで、被めっき部分となる車室1内面1aにおいて、予熱時の酸化皮膜の生成を防ぐことができ、即ち、車室1の内面1aの酸化防止を図ることができ、めっき工程S5でのめっき品質のさらなる向上が可能である。

0065

さらに、車室1は、最も大きな開口部である下流側開口部11が上方を向いた状態で載置されてめっき施工が行われるため、めっき施工時に生じる車室1の内面1aに付着した水素ガスを車室1外部へ排出し易くすることができ、めっき工程S5でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0066

そして、本実施形態では、カバー部材17を上部に設け、車室1の上部に液体が溜まる空間が形成された状態で、前処理液W1、予熱液W2、めっき液W3の各液体が車室1内に供給されるため、車室1内に供給された液体の液面SFが下流側開口部11よりも高い位置となるようにでき、下流側開口部11の開口縁部11aまでめっき施工を行うことができる。従って、車室1の内面1a全域に確実にめっき施工することができるため、めっき品質のさらなる向上につながる。なお、カバー部材17の上部から溢れ出た各液体は、タンク16に回収され、再利用が図られる。

0067

また、車室1の吸入口5及び排出口6からめっき液W3を供給するため、吸入流路FC1、排出流路FC2の内面1aも同時にめっき施工することが可能となる。

0068

本実施形態の遠心圧縮機100の製造方法によると、車室1に形成された吸入口5、排出口6を利用して前処理液W1、めっき液W3を供給、排出することで、コストを抑制するとともに簡易な手法で車室1の内面1aのめっき施工を行うことが可能である。

0069

ここで、本実施形態では、前処理液W1、予熱液W2、めっき液W3は、車室1の吸入口5から供給し、排出口6から排出するようにしているが、これに限定されず、逆に排出口6から供給し、吸入口5から排出することや、上流側開口部10や下流側開口部11を用いて各液体の供給排出を行ってもよい。また、吸入口5、排出口6、上流側開口部10、下流側開口部11以外であっても、車室1に形成された他の開口部を通じて各液体の供給排出を行うことも可能である。

0070

ところで、吸入口5、排出口6の中で、特に高い耐食性が要求される開口部については、ステンレス材を用いて肉盛りを行う場合もある。このような開口部に対しては、めっき施工を行う必要はないため、複数の開口部のうちでめっきが必要な開口部から前処理液W1、予熱液W2、めっき液W3を供給し、排出することによって、車室1の内面1aのめっき施工を行うとともに、これら開口部のめっきが可能となる。よって、より効率的に車室1のめっきが可能となる。例えば、サイドストリームタイプの圧縮機では、吸入口5が二つ、排出口6が一つ設けられているため、これら吸入口5、排出口6のうちで液体の供給排出を行う開口部を適宜選択することが可能である。

0071

また、車室1の形状、大きさを考慮して、車室1の内面1aの温度ムラ発生の可能性が小さい場合には、予熱工程S4は必ずしも実行しなくともよいし、また、予熱工程S4で使用する予熱液W2に還元剤を含有させなくともよい。

0072

さらに、予熱液W2の排出が完全に完了する前に、めっき液W3の供給を開始しても構わない。

0073

また、車室1は下流側開口部11が上方を向いた状態で載置されて、各液体の供給排出が行われているが、例えば軸線O方向が水平方向となるように、即ち上流側開口部10、下流側開口部11の開口方向が水平方向となるように、車室1を載置して各液体の供給排出を実行してもよい。

0074

また、準備工程S1、洗浄工程S3、車室仕上げ工程S6で、車室1内をスプレーで水洗するが、これに代えて、表面活性化工程S2、予熱工程S4、めっき工程S5と同様に、吸入口5、排出口6、上流側開口部10、下流側開口部11を利用して水の供給、排出を行い、車室1の内面1aの水洗を行ってもよい。予熱工程S4後に水洗を行う場合も同様である。

0075

さらに、カバー部材17は必ずしも設けなくともよく、上方に開口する下流側開口部11から、各液体が溢れ出すように、各液体を供給することで、表面活性化工程S2、予熱工程S4、めっき工程S5を実行してもよい。

0076

〔第二実施形態〕

0077

次に、本発明の第二実施形態に係る遠心圧縮機100の製造方法について説明する。
なお、第一実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき工程S25が、第一実施形態とは異なっている。

0078

図4に示すように、めっき工程S25では、撹拌手段として撹拌プロペラ21が下流側開口部11から挿入された状態で車室1の内面1aのめっき施工が行われる。
ここで、この撹拌プロペラ21は、軸線O方向に延在する棒状をなす本体部22と、本体部22の径方向外側に突出するように、即ち、車室1の内面1aに向かうように一体に設けられた羽根部23と、本体部22を把持して軸線O回りに回転力を付与する電動機等の駆動部24とを有している。

0079

そして、めっき工程S25では、撹拌プロペラ21を回転させながら、めっき液W3で満たされた車室1内を撹拌しながら、めっき液W3を循環させる。

0080

本実施形態の遠心圧縮機100の製造方法によると、撹拌プロペラ21を用いることで、大型であり、かつ複雑形状を有する車室1にあっても、車室1内でのめっき液W3の流速をめっき施工に最適な数値とすることができる。

0081

さらに、めっき施工時に生じて車室1の内面1aに付着した水素ガスを取り除くことで、この水素ガスの付着部分においてめっき施工が妨げられてしまうことを防止できるため、めっき工程S5でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0082

ここで、撹拌手段として別の手段を用いることもできる。即ち、例えばめっき液W3の供給排出の流量をコントロールすることで車室1内のめっき液W3を対流させて撹拌することも可能である。具体的には、吸入口5からのめっき液W3の供給量を多くし、排出口6からの排出量を減らすことによってめっき液W3の対流を発生させることができ、撹拌プロペラ21と同様に、上述した効果を得ることができる。

0083

また、撹拌プロペラ21は、めっき工程S25だけでなく、表面活性化工程S2、予熱工程S4や、洗浄工程S3等に対しても適用可能であり、このようにすることで、めっき品質をさらに向上することができる。

0084

〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態に係る遠心圧縮機100の製造方法について説明する。
なお、第一実施形態及び第二実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき工程S35が、第一実施形態及び第二実施形態とは異なっている。

0085

図5に示すように、めっき工程S35では、円柱状をなす中子31が、車室1と同心軸上となるように、即ち、中子31の中心軸が軸線Oに一致した状態で、車室1の内面1aと離間した状態で下流側開口部11から挿入されて設けられ、車室1の内面1aへのめっき施工が行われる。

0086

本実施形態の遠心圧縮機100の製造方法によると、中子31が挿入されていることで、車室1内の容積を低減できるので、めっき液W3の供給量を低減可能となり、コスト抑制につながる。さらに、めっき液W3は、中子31と車室1の内面1aとの間で流動することとなるため、車室1内でめっき液W3が循環されて流動する際の流動流路が小さくなり、流れの円滑化を図ることができる。よって、めっき品質の向上を図ることが可能となる。

0087

さらに、中子31を車室1と同心軸上に設けたため、車室1の内面1aと中子31との間に形成された空間は、周方向にわたって軸線Oの径方向に一定の間隙を有することとなり、車室1内を流通するめっき液W3の流速の均一化を図ることができるため、めっき品質のさらなる向上が可能となる。

0088

なお、中子31は必ずしも同心軸上に設けなくともよく、少なくとも車室1内の容積を低減するように中子31を設ければ、めっき液W3の供給量低減を図ってコスト抑制が可能となる。

0089

また、この中子31を軸線O回りに回転させたり、上下動させたりすることで、中子31を撹拌手段として用いることができ、めっき施工時に車室1の内面1aに付着した水素ガスを除去して、めっき品質のさらなる向上が可能となる。

0090

さらに、中子31は、めっき工程S35だけでなく、表面活性化工程S2、予熱工程S4や、洗浄工程S3等に対しても適用可能であり、このようにすることで、めっき品質をさらに向上することができる。

0091

〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態に係る遠心圧縮機100の製造方法について説明する。
なお、第一実施形態から第三実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき工程S45が第一実施形態から第三実施形態とは異なっている。

0092

図6に示すように、第三実施形態と同様に、めっき工程S45では、円筒状をなす中子41が、車室1と同心軸上となるように、即ち、中子41の中心軸が軸線Oに一致した状態で、また、車室1の内面1aと離間した状態で下流側開口部11から挿入されて設けられ、車室1の内面1aへのめっき施工が行われる。

0093

ここで、中子41は、中空部材であって、その外周面には、中子41の内外を連通するように、複数の貫通孔41aが形成されている。さらにこの中子41はタンク16に配管41b、ポンプ42を介して接続されており、めっき施工中に中子41の内部にめっき液W3が供給される。

0094

本実施形態の遠心圧縮機100の製造方法によると、中子41を挿入し、中子41の内部にめっき液W3を供給することで、めっき液W3は、中子41と車室1の内面1aとの間で流動することとなるため、めっき液W3の流動流路が小さくなり、流れの円滑化を図ることができる。さらに、貫通孔41aから車室1の内面1aに向かってめっき液W3を噴出することができるため、車室1内での撹拌効果を得ることができる。従って、車室1内でのめっき液W3の流速の均一化を測ることができ、めっき施工時に車室1の内面1aに付着した水素ガスを取り除くことも可能である。よって、めっき工程S45でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0095

なお、中子41は必ずしも同心軸上に設けなくともよく、この中子41を軸線O回りに回転させたり、上下動させたりすることで撹拌効果のさらなる向上が可能となる。また、中子41は、めっき工程S45だけでなく、表面活性化工程S2、予熱工程S4や、洗浄工程S3等に対しても適用可能である。

0096

〔第五実施形態〕
次に、本発明の第五実施形態に係る遠心圧縮機100の製造方法について説明する。
なお、第一実施形態から第四実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき工程S55が第一実施形態から第三実施形態とは異なっている。

0097

図7に示すように、めっき工程S55では、撹拌手段としてめっき供給ホース51が下流側開口部11から挿入された状態で車室1の内面1aへのめっき施工が行われる。

0098

ここで、めっき供給ホース51は、タンク16に配管51a、ポンプ52を介して接続されて、タンク16内からめっき液W3が車室1内に供給されるようになっている。

0099

本実施形態の遠心圧縮機100の製造方法によると、めっき供給ホース51によって、吸入口5からの供給と並行してめっき液W3を供給することで、めっき施工時に車室1の内面1aに付着した水素ガスを取り除くことができ、この水素ガスの付着部分でめっき施工が妨げられてしまうことを防止できる。このため、めっき工程S55でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0100

ここで特に、車室1の形状がより複雑である場合には、車室1の内面1aと吸入流路FC1及び排出流路FC2との接続部分等、角部となる部分に止水領域が形成されることがある。この位置にめっき供給ホース51からのめっき液W3を供給することで、水素ガスの除去効果をさらに向上できる。

0101

なお、めっき供給ホース51は、めっき工程S55だけでなく、供給ホースによって各液体を供給する本実施形態同様の手法を用いて、表面活性化工程S2、予熱工程S4や、洗浄工程S3等を実行することも可能であり、このようにすることで、めっき品質をさらに向上することができる。

0102

また、本実施形態では、撹拌手段としてめっき供給ホース51を用いたが、これに代えてめっき液W3を車室1内から吸い出すめっき吸出しホースを用いることも可能である。

0103

〔第六実施形態〕
次に、本発明の第六実施形態に係る遠心圧縮機100の製造方法について説明する。
なお、第一実施形態から第五実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき工程S65が第一実施形態から第五実施形態とは異なっている。

0104

図8に示すように、めっき工程S65では、振動付与手段として載置台61を設け、この載置台61に車室1を載置した状態でめっき施工が行われる。

0105

ここで、載置台61は、例えば不図示の電動機を有し、水平方向、鉛直方向に、前後左右に振動を発生させる装置である。

0106

本実施形態の遠心回転機械の製造方法によると、車室1内にめっき液W3が貯留された状態で載置台61によって車室1に振動が付与されるため、めっき施工時に生じて車室1の内面1aに付着した水素ガスの滞留を防ぐことが可能である。従って、めっき工程S65でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0107

ここで、この振動付与手段として載置台61を用いずに、車室1を直接叩く等の手法を用いることも可能である。

0108

また、振動付与手段として、超音波を発生する超音波発生機超音波発生部)を用いて、車室1に超音波を付与することも可能である。

0109

さらに、振動付与手段は、めっき工程S65だけでなく、表面活性化工程S2、予熱工程S4や、洗浄工程S3等に対しても適用可能であり、このようにすることで、めっき品質をさらに向上することができる。

0110

〔第七実施形態〕
次に、本発明の第七実施形態に係る遠心圧縮機100の製造方法について説明する。
なお、第一実施形態から第六実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき工程S75が第一実施形態から第六実施形態とは異なっている。

0111

図9に示すように、めっき工程S75では、下流側開口部11から挿入されたブラシ71によって前記車室1の内面1aを擦りながらめっき施工が行われる。
ここで、このブラシ71は、外周面上に複数の毛が設けられて軸線O方向に延在する棒状をなしており、電動機等の駆動部74によって、上下移動される。なお、この駆動部74は軸線O回りにブラシ71を回転させるものであってもよい。

0112

本実施形態の遠心回転機械の製造方法によると、車室1内にめっき液W3が貯留された状態でブラシ71によって車室1の内面1aが擦られるため、めっき施工時に生じて車室1の内面1aに付着した水素ガスの滞留を防ぐことが可能である。従って、めっき工程7S5でのめっき品質のさらなる向上が可能となる。

0113

なお、ブラシ71は、めっき工程S75だけでなく、表面活性化工程S2、予熱工程S4や、洗浄工程S3等に対しても適用可能であり、このようにすることで、めっき品質をさらに向上することができる。

0114

〔第八実施形態〕
次に、本発明の第八実施形態に係る遠心圧縮機100Aの製造方法について説明する。
なお、第一実施形態から第七実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、めっき対象となる車室1Aが、第一実施形態から第七実施形態とは異なっており、また、めっき工程S85もこれらの実施形態とは異なっている。

0115

図7に示すように、めっき工程S85でめっき施工される車室1Aは、軸線Oを含むように二つに分割された水平分割型となっている。

0116

めっき工程S85では、軸線Oが水平方向となるように、即ち上流側開口部10、下流側開口部11の開口方向が水平方向となるように車室1Aを載置した状態で、反割れの状態でめっき施工される。この時点で、車室1Aの分割側の開口部82が上方を向いて載置されるため、車室1における全ての開口部である吸入口5A、排出口6A、上流側開口部10A、下流側開口部11A、分割側の開口部82のうちで、最大の開口部が上方を向いた状態となる。

0117

さらに、めっき工程S85では、板状をなす仕切り板81によって、車室1内を二つの空間に区画した状態でめっき施工を行う。より具体的には、吸入口5Aと排出口6Aとの間に、軸線Oに直交するように仕切り板81を設け、仕切り板81を挟んで、軸線O方向の一方側(図7(a)の紙面に向かって右側)の第一空間C1と、軸線O方向の他方側の第二空間C2とに車室1内を区画する。

0118

ここで、仕切り板81は、車室1の内面1aに、軸線Oの周方向に環状に形成された溝部1Aaに差し込まれるように設置される。この際、車室1の内面1aと仕切り板81との間は隙間があいていても問題ない。

0119

そして、めっき工程S85では、第一空間C1には上流側開口部10、及び吸入口5Aが連通し、第二空間C2には下流側開口部11、及び排出口6Aが連通している。即ち、各々の空間には、少なくとも二つの開口部が連通している。

0120

本実施形態の遠心圧縮機100Aの製造方法によると、めっき液W3が循環する車室1A内の空間を第一空間C1と、第二空間C2とに分割することができるため、空間毎にめっき液W3を流通させることができ、仕切り板81が設けられていない場合に比べて、車室1内でのめっき液W3の流動性を向上させることができ、めっき品質の向上が可能となる。

0121

なお、本実施形態では、仕切り板81は、めっき工程S85だけでなく、表面活性化工程S2、予熱工程S4、洗浄工程S3等に対しても適用可能であり、このようにすることで、めっき品質をさらに向上することができる。

0122

以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
上述の実施形態では、第一実施形態から第七実施形態については、円筒型の車室1についての説明を行ったが、これらの遠心圧縮機100の製造方法を第八実施形態で説明した水平分割型の車室1Aに対して適用してもよい。この場合、図7に示すように、車室1Aは反割れの状態で、かつ分割側の開口部82が上方を向くように載置されることが好ましい。

0123

また、第八実施形態では、水平分割型の車室1Aについて説明を行ったが、例えば、第一実施形態から第七実施形態で説明した円筒型の車室1に対して、第八実施形態の遠心圧縮機100Aの製造方法を適用してもよい。この場合、車室1は下流側開口部11又は上流側開口部10が上方を向くように載置されることが好ましい。

0124

さらに、第一実施形態から第八実施形態で説明した遠心圧縮機100(100A)の製造方法を適宜組み合わせてもよい。例えば、第二実施形態の撹拌プロペラ21に、第六実施形態の載置台61を併用してもよい。

0125

また、上述の実施形態では、遠心圧縮機100(100A)について説明を行ったが、軸流式圧縮機や、タービン等の他の回転機械にも上述の製造方法を適用可能である。

0126

1…車室 1a…内面2…内部車室3…回転軸(回転体) 4…インペラ(回転体) 5…吸入口(開口部) 6…排出口(開口部) 10…上流側開口部 11…下流側開口部 11a…開口縁部 15…ポンプ16…タンク16a…配管17…カバー部材100…遠心圧縮機(回転機械) O…軸線F…流体FC1…吸入流路FC2…排出流路S0…車室形成工程 S1…準備工程S2…表面活性化工程 S3…洗浄工程 S4…予熱工程 S5…めっき工程 S6…車室仕上げ工程 S7…組立工程SF…液面 W1…前処理液W2…予熱液 W3…めっき液S25…めっき工程 21…撹拌プロペラ(撹拌手段) 22…本体部 23…羽根部 24…駆動部 S35…めっき工程 31…中子S45…めっき工程 41…中子 41a…貫通孔41b…配管 42…ポンプ S55…めっき工程 51…めっき供給ホース(撹拌手段) 51a…配管 52…ポンプ S65…めっき工程 61…載置台(振動付与手段) S75…めっき工程 71…ブラシ 74…駆動部 1A…車室 1Aa…溝部 5A…吸入口 6A…排出口 10A…上流側開口部 11A…下流側開口部 81…仕切り板82…分割側の開口部 S85…めっき工程 C1…第一空間 C2…第二空間 100A…遠心圧縮機(回転機械)

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