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技術 透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法

出願人 東レ・ダウコーニング株式会社ダウシリコーンズコーポレーション
発明者 サージクラウツ田村誠基堀誠司
出願日 2012年12月28日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2012-288072
公開日 2014年7月10日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2014-129476
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 化粧料 高分子物質の処理方法 けい素重合体
主要キーワード pH計 非極性有機化合物 損失係数tanδ コーティング効果 シリコーン系成分 pH測定 品質保証期限 損失剪断弾性率
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課題

外観が透明乃至半透明の液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供すること。

解決手段

液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に水を添加する水添加工程を含む、液状の透明乃至半透明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法。

概要

背景

架橋構造及びポリエーテル基を有する液状オルガノポリシロキサンとして、少なくとも2つのオルガノポリシロキサンポリオキシアルキレン分子を、内部加水分解性結合を含まない橋かけ化合物によって架橋したオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレンが開示されており、乳化剤として有用であると報告されている(特許文献1)。この材料に関しては多くの応用研究がなされており、非極性液体中の極性液体エマルションに関わる技術(特許文献2)、油性のべたつきのないワセリン含有エマルションに関わる技術(特許文献3)、ヘアコンディショニング組成物に関わる技術(特許文献4)、消泡組成物シリコーン消泡剤組成物に関わる技術(特許文献5、6)等も報告されている。

他の、架橋構造及びポリエーテル基を有する液状オルガノポリシロキサンとして、特定のアルキレンオキサイド誘導体と特定のシリコーン誘導体と特定のイソシアナート化合物とを反応せしめた生成物(特許文献7)や、炭素原子2〜10個を有するアルキレン基を両端に有し、該基の自由原子価コポリマーケイ素原子の一つに更に結合しているポリエーテルにより架橋された、ポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー(特許文献8)、一般式Y[−CnH2n−(R2SiO)m−Ap−R2Si−G]x の構成要素を有する分岐鎖ポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー(特許文献9)、1分子当たり少なくとも1個のSi−H基を有するオルガノポリシロキサンを、ヒドロシリル化による付加可能な実質的に線状の化合物と反応させた後、1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機化合物と更に反応させることによって製造可能なポリシロキサンコポリマー(特許文献10)、活性水素含有変性シリコーンと架橋剤との架橋反応体を含有してなり、架橋反応体の粘度(25℃)が500〜100,000,000mPa・sであることを特徴とする界面活性剤(特許文献11)等が、工業用消泡剤として優れていると報告されている。

また、T単位を含み、そしてランダム結合したオルガノポリシロキサン単位及び直鎖状ポリエーテル単位からなり、その際にオルガノポリシロキサン及びポリエーテル単位が Si−O−C又はSi−C結合を介して結合したポリシロキサン−ポリエーテルベース共重合体も開示されており、ラッカー塗料添加剤として改善された特性を有することが報告されている(特許文献12)。

一方、架橋部を有しないグリセリン変性シリコーンについては、特許文献13〜26により報告がされており、それらの化粧料への応用検討も数多くなされてきたが、構造設計に自由度が低く、利用範囲が広がらないという課題があった。これらの多価アルコール変性シリコーンは、通常は反応性不飽和基を有する多価アルコール誘導体オルガノハイドロジェンシロキサンに付加させることによって製造されるが、多くの場合、残存する多価アルコール誘導体と反応生成物である多価アルコール変性シリコーンとの相溶性が低く、外観白濁不均一であり、製造後短時間のうちに相分離を生ずるためである。

この他にも、オルガノハイドロジェンシロキサンとこれら多価アルコール誘導体との相溶性が本質的に低いため、多価アルコール変性シリコーンの分子量が概ね5000を超えると溶媒を使用しても付加反応が完結せず、目的物の製造が困難となる場合が多いという問題があった。また、分子量が3000程度であっても未反応物が徐々に分離・沈降してくるためそれを取り除く作業が必要となり、生産効率という観点からも問題があった。 (特許文献13、21、24)

なお、多価アルコール誘導体として水酸基を保護した形の化合物を使用した場合でも、反応終了後には脱保護が必要なため、上記相分離の問題は避けられない。また、この方法では脱保護のために酸処理条件を過酷にせざるを得ず、シリコーン主鎖の切断が生じる結果、所望の生成物を再現性よく得ることができないという問題もあった。(特許文献17)

特許文献22では、ヒドロキシ基カルボキシ基アミノ基、イミノ基メルカプト基及びエポキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を有するシリコーンに、酸性又は塩基性触媒の存在下、2 ,3−エポキシ1−プロパノールを添加/グラフト重合させて得られる分岐ポリグリセロール変性シリコーン製法が提案されている。しかし、この方法ではグラフト重合中にシロキサン主鎖が切断されるうえ、共重合体として性質の異なる2種類以上の成分が生成しやすく、品質面や精製工程等の点で課題が多い。

これらの問題に対して、精密ろ過吸着剤処理を繰り返すことにより、濁りや相分離の原因でもある残存多価アルコール誘導体の量を低減させ、反応生成物である多価アルコール変性シリコーン組成物の透明性を改善しようとする試みがある。しかし、これらの不純物は、主成分である多価アルコール変性シリコーンが液状を呈する温度領域で通常は液状であるため、濾過助剤カートリッジフィルター等を利用した固液分離の手法が合理的でない上、実際にほとんど有効ではない。このため、まず親水性の大きな溶媒で不純物の大部分を抽出除去したのち、活性炭等の吸着剤を用いた濾過工程により残存する液状不純物を主成分である多価アルコール変性シリコーンから更に取り除く作業が必要となる(或いは、逆に親油性の溶媒で主成分を抽出する)。ところが、通常は抽出工程での相分離に時間がかかるうえ、きれいな分離にはならない。これは廃棄物の増大と収率及び生産性の低下をもたらす。また、多価アルコール変性シリコーンの構造によっては系全体が乳化状態となり分離が不可能といったケースも多く、工業生産という観点で汎用性が無いことから、この問題は解決されぬまま今日に至っていた。

最近では、特許文献23において新規なオルガノポリシロキサン・グリセリン誘導体交互共重合体が提案されており、未反応原料による白濁等の問題がなく高分子量ポリグリセリン変性シリコーンが得られるとされている。しかし、この化合物はその化学構造から分かるとおり親水基部分が主鎖に組み込まれている。このため、ポリエーテル変性シリコーン等従来から汎用されている親水性シリコーンとは性質が全く異なり、化粧品等繊細な処方に安定に配合するためには相当な技術が必要であり、利用分野が限られるといった問題がある。

そこで、本出願人らは、製造が容易であり製造後に相分離や未反応原料の沈降等がほとんど起こらず、化学的に安定で実用性に優れた、親水性基を有する新規オルガノポリシロキサン及びその製造方法を特許文献27において開示し、特に化粧料分野に好適に用いられる界面活性剤、粉体処理剤表面処理剤として当該オルガノポリシロキサンを使用することを提案した。

特許文献27に開示された技術で製造した、親水性基を有する新規オルガノポリシロキサンは、均一で安定な組成物であったが、その多くは乳白色の不透明な外観を有していたため、使用者によっては単純にその見栄えを問題視する場合があった。また、外観の不透明性は主成分と不純物との相溶性の低さを暗示するとの推測から、製品品質保証期限内は問題無いとしてもそれ以上の時間が経過した後の潜在的な相分離の可能性について、懸念を抱く使用者もあった。これらの点において、本出願人が、過去に提案した親水性基を有する新規オルガノポリシロキサン及びその製法は、未だ改善の余地を残していた(特許文献27)。

一方、グリセリン誘導体基及び架橋部を有し、その架橋部がSi−C結合によりオルガノポリシロキサン部と有機部とを連結していることを特徴とする、液状オルガノポリシロキサンはこれまで開示されておらず、化粧料又は外用剤への応用についても知られていなかった。更には、ケイ素原子に結合したグリセリン誘導体基を有し、且つ、架橋部に炭素ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状オルガノポリシロキサン又は組成物の透明性改善の手法についても知られていなかった。

概要

外観が透明乃至半透明の液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供すること。液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に水を添加する水添加工程を含む、液状の透明乃至半透明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法。なし

目的

本発明は、外観が透明乃至半透明の液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供する

効果

実績

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請求項1

液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に水を添加する水添加工程を含む、透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法。

請求項2

前記水添加工程において、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物100質量部に対して0.1〜10質量部の水を添加する、請求項1記載の製造方法。

請求項3

前記水添加工程において、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物及び前記水を混合して均質化する、請求項1又は2記載の製造方法。

請求項4

前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の、750nmにおける光透過率光路長10mm)が50%以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。

請求項5

前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンが、(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)1分子中に1以上の反応性不飽和基を有するグリセリン誘導体基含有有機化合物、並びに(C)(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物、及び、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物からなる群から選択される1種類以上の有機化合物を反応させることにより得られる{但し、前記(C)成分がグリセリン誘導体基含有有機基を含有する場合には前記(B)成分の使用は任意である}、ケイ素原子に結合したグリセリン誘導体基含有有機基を有し、且つ、架橋部にSi−C結合を含む架橋構造を有する有機変性シリコーンである、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。

請求項6

前記水添加工程前及び/又は後に、及び/又は前記水添加工程と同時に、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に液状油剤を添加する液状油剤添加工程を更に含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。

請求項7

前記液状油剤が前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーンと親和性を有する、請求項6記載の製造方法。

請求項8

前記液状油剤添加工程において、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物100質量部に対して5〜1000質量部の液状油剤を添加する、請求項6又は7記載の製造方法。

請求項9

前記液状油剤添加工程において、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物及び前記液状油剤を混合して均質化する、請求項6乃至8のいずれかに記載の製造方法。

請求項10

前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物が、酸性水溶液によって処理されており、該酸性水溶液の処理によって発生した臭気物質及び水が加熱又は減圧することにより取り除かれている、請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法。

請求項11

請求項1乃至10のいずれかに記載の製造方法により得られた、透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物。

請求項12

請求項11記載の透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を含む、外用剤若しくは化粧料、又は、工業用材料

技術分野

0001

本発明は、透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法に関する。更に、本発明は、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンの、外用剤化粧料、各種工業用材料への使用に関する。

背景技術

0002

架橋構造及びポリエーテル基を有する液状オルガノポリシロキサンとして、少なくとも2つのオルガノポリシロキサンポリオキシアルキレン分子を、内部加水分解性結合を含まない橋かけ化合物によって架橋したオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレンが開示されており、乳化剤として有用であると報告されている(特許文献1)。この材料に関しては多くの応用研究がなされており、非極性液体中の極性液体エマルションに関わる技術(特許文献2)、油性のべたつきのないワセリン含有エマルションに関わる技術(特許文献3)、ヘアコンディショニング組成物に関わる技術(特許文献4)、消泡組成物シリコーン消泡剤組成物に関わる技術(特許文献5、6)等も報告されている。

0003

他の、架橋構造及びポリエーテル基を有する液状オルガノポリシロキサンとして、特定のアルキレンオキサイド誘導体と特定のシリコーン誘導体と特定のイソシアナート化合物とを反応せしめた生成物(特許文献7)や、炭素原子2〜10個を有するアルキレン基を両端に有し、該基の自由原子価コポリマーケイ素原子の一つに更に結合しているポリエーテルにより架橋された、ポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー(特許文献8)、一般式Y[−CnH2n−(R2SiO)m−Ap−R2Si−G]x の構成要素を有する分岐鎖ポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー(特許文献9)、1分子当たり少なくとも1個のSi−H基を有するオルガノポリシロキサンを、ヒドロシリル化による付加可能な実質的に線状の化合物と反応させた後、1分子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機化合物と更に反応させることによって製造可能なポリシロキサンコポリマー(特許文献10)、活性水素含有変性シリコーンと架橋剤との架橋反応体を含有してなり、架橋反応体の粘度(25℃)が500〜100,000,000mPa・sであることを特徴とする界面活性剤(特許文献11)等が、工業用消泡剤として優れていると報告されている。

0004

また、T単位を含み、そしてランダム結合したオルガノポリシロキサン単位及び直鎖状ポリエーテル単位からなり、その際にオルガノポリシロキサン及びポリエーテル単位が Si−O−C又はSi−C結合を介して結合したポリシロキサン−ポリエーテルベース共重合体も開示されており、ラッカー塗料添加剤として改善された特性を有することが報告されている(特許文献12)。

0005

一方、架橋部を有しないグリセリン変性シリコーンについては、特許文献13〜26により報告がされており、それらの化粧料への応用検討も数多くなされてきたが、構造設計に自由度が低く、利用範囲が広がらないという課題があった。これらの多価アルコール変性シリコーンは、通常は反応性不飽和基を有する多価アルコール誘導体オルガノハイドロジェンシロキサンに付加させることによって製造されるが、多くの場合、残存する多価アルコール誘導体と反応生成物である多価アルコール変性シリコーンとの相溶性が低く、外観白濁不均一であり、製造後短時間のうちに相分離を生ずるためである。

0006

この他にも、オルガノハイドロジェンシロキサンとこれら多価アルコール誘導体との相溶性が本質的に低いため、多価アルコール変性シリコーンの分子量が概ね5000を超えると溶媒を使用しても付加反応が完結せず、目的物の製造が困難となる場合が多いという問題があった。また、分子量が3000程度であっても未反応物が徐々に分離・沈降してくるためそれを取り除く作業が必要となり、生産効率という観点からも問題があった。 (特許文献13、21、24)

0007

なお、多価アルコール誘導体として水酸基を保護した形の化合物を使用した場合でも、反応終了後には脱保護が必要なため、上記相分離の問題は避けられない。また、この方法では脱保護のために酸処理条件を過酷にせざるを得ず、シリコーン主鎖の切断が生じる結果、所望の生成物を再現性よく得ることができないという問題もあった。(特許文献17)

0008

特許文献22では、ヒドロキシ基カルボキシ基アミノ基、イミノ基メルカプト基及びエポキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を有するシリコーンに、酸性又は塩基性触媒の存在下、2 ,3−エポキシ1−プロパノールを添加/グラフト重合させて得られる分岐ポリグリセロール変性シリコーン製法が提案されている。しかし、この方法ではグラフト重合中にシロキサン主鎖が切断されるうえ、共重合体として性質の異なる2種類以上の成分が生成しやすく、品質面や精製工程等の点で課題が多い。

0009

これらの問題に対して、精密ろ過吸着剤処理を繰り返すことにより、濁りや相分離の原因でもある残存多価アルコール誘導体の量を低減させ、反応生成物である多価アルコール変性シリコーン組成物の透明性を改善しようとする試みがある。しかし、これらの不純物は、主成分である多価アルコール変性シリコーンが液状を呈する温度領域で通常は液状であるため、濾過助剤カートリッジフィルター等を利用した固液分離の手法が合理的でない上、実際にほとんど有効ではない。このため、まず親水性の大きな溶媒で不純物の大部分を抽出除去したのち、活性炭等の吸着剤を用いた濾過工程により残存する液状不純物を主成分である多価アルコール変性シリコーンから更に取り除く作業が必要となる(或いは、逆に親油性の溶媒で主成分を抽出する)。ところが、通常は抽出工程での相分離に時間がかかるうえ、きれいな分離にはならない。これは廃棄物の増大と収率及び生産性の低下をもたらす。また、多価アルコール変性シリコーンの構造によっては系全体が乳化状態となり分離が不可能といったケースも多く、工業生産という観点で汎用性が無いことから、この問題は解決されぬまま今日に至っていた。

0010

最近では、特許文献23において新規なオルガノポリシロキサン・グリセリン誘導体交互共重合体が提案されており、未反応原料による白濁等の問題がなく高分子量ポリグリセリン変性シリコーンが得られるとされている。しかし、この化合物はその化学構造から分かるとおり親水基部分が主鎖に組み込まれている。このため、ポリエーテル変性シリコーン等従来から汎用されている親水性シリコーンとは性質が全く異なり、化粧品等繊細な処方に安定に配合するためには相当な技術が必要であり、利用分野が限られるといった問題がある。

0011

そこで、本出願人らは、製造が容易であり製造後に相分離や未反応原料の沈降等がほとんど起こらず、化学的に安定で実用性に優れた、親水性基を有する新規オルガノポリシロキサン及びその製造方法を特許文献27において開示し、特に化粧料分野に好適に用いられる界面活性剤、粉体処理剤表面処理剤として当該オルガノポリシロキサンを使用することを提案した。

0012

特許文献27に開示された技術で製造した、親水性基を有する新規オルガノポリシロキサンは、均一で安定な組成物であったが、その多くは乳白色の不透明な外観を有していたため、使用者によっては単純にその見栄えを問題視する場合があった。また、外観の不透明性は主成分と不純物との相溶性の低さを暗示するとの推測から、製品品質保証期限内は問題無いとしてもそれ以上の時間が経過した後の潜在的な相分離の可能性について、懸念を抱く使用者もあった。これらの点において、本出願人が、過去に提案した親水性基を有する新規オルガノポリシロキサン及びその製法は、未だ改善の余地を残していた(特許文献27)。

0013

一方、グリセリン誘導体基及び架橋部を有し、その架橋部がSi−C結合によりオルガノポリシロキサン部と有機部とを連結していることを特徴とする、液状オルガノポリシロキサンはこれまで開示されておらず、化粧料又は外用剤への応用についても知られていなかった。更には、ケイ素原子に結合したグリセリン誘導体基を有し、且つ、架橋部に炭素ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状オルガノポリシロキサン又は組成物の透明性改善の手法についても知られていなかった。

先行技術

0014

米国特許第4853474号
米国特許第5136068号
米国特許第5387417号
欧州特許第0381318号
特開平8−000908号公報
特開平7−185212号公報
特開昭63−248410号公報
特開2001−115390号公報
特開2004−174495号公報
特表2008−542010号公報
特開2009−262080号公報
特開平7−292119号公報
特公昭62-34039号公報(特開昭57−149290号公報)
特許2583412号公報(特開昭62−195389号公報)
米国特許第4689383号
米国特許第4908228号
特公平06−089147号公報(特許1956013号公報)
特許2613124号公報(特開平4−188795号公報)
特許2844453号公報(特開平2−228958号公報)
特許3389311号公報(特開平7−238170号公報)
特許3976226号公報(特開2002−179798号公報)
特許4485134号公報(特開2004−339244号公報)
特許5037782号公報(特開2005−042097号公報)
特許4357909号公報(特開2005−089494号公報)
特開2005−344076号公報
特開2006−218472号公報
国際公開特許WO2011/049248号公報
国際公開特許 WO2011/049247号公報
国際公開特許 WO2011/049246号公報
特開2012−046507号公報

発明が解決しようとする課題

0015

本発明は、外観が透明乃至半透明の液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供することを目的とする。特に、本発明は、透明性が高く、また、透明性が温度環境によらず安定である液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供することを目的とする。

0016

また、本発明は、製造が容易であり、廃棄物が少なく、収率や生産性にも優れ、製造後に相分離や未反応原料の沈降等が全く起こらず、化学的に安定で実用性に優れたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを含み、外観が透明乃至半透明の、安定な、液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供することを、その目的とする。

0017

そして、本発明は、そのような方法で製造された透明乃至半透明の液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを、外用剤若しくは化粧料、又は、各種工業用材料に使用することをもその目的とする。

課題を解決するための手段

0018

本発明の目的は、液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に水を添加する水添加工程を含む、透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法によって達成される。

0019

前記前記水添加工程においては、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物100質量部に対して0.1〜10質量部の水を添加することができる。

0020

前記水添加工程においては、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物及び前記水を混合して均質化することが好ましい。

0021

前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の可視光透過率は70%以上であることが好ましく、750nmにおける光透過率光路長10mm)が50%以上であることが特に好ましい。

0022

前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)1分子中に1以上の反応性不飽和基を有するグリセリン誘導体基含有有機化合物、並びに
(C)(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物、及び、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物からなる群から選択される1種類以上の有機化合物を反応させることにより得られる{但し、前記(C)成分がグリセリン誘導体基含有有機基を含有する場合には前記(B)成分の使用は任意である}、ケイ素原子に結合したグリセリン誘導体基含有有機基を有し、且つ、架橋部にSi−C結合を含む架橋構造を有する有機変性シリコーンであることができる。

0023

本発明の製造方法は、前記水添加工程の前及び/又は後に、及び/又は前記水添加工程と同時に、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に液状油剤を添加する液状油剤添加工程を更に含むことができる。

0024

前記液状油剤は前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーンと親和性を有することが好ましい。

0025

前記液状油剤添加工程においては、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物100質量部に対して5〜1000質量部の液状油剤を添加することができる。

0026

前記液状油剤添加工程においては、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物及び前記液状油剤を混合して均質化することが好ましい。

0027

本発明では、前記グリセリン誘導体変性架橋得シリコーン又はその組成物が、酸性水溶液によって処理されており、該酸性水溶液の処理によって発生した臭気物質及び水が加熱又は減圧することにより取り除かれていることが好ましい。

0028

本発明は、本発明の製造方法により得られた、透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物にも関する。

0029

そして、本発明の目的は、本発明の製造方法により得られた、透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を含む、外用剤若しくは化粧料、又は、工業用材料によっても達成される。

発明の効果

0030

本発明の製造方法は、外観が透明乃至半透明の液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供することができる。特に、本発明により得られる液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、透明性が高く、また、当該透明性が温度環境によらず安定である。

0031

また、本発明は、製造が容易であり、廃棄物が少なく、収率や生産性にも優れ、製造後に相分離や未反応原料の沈降等が全く起こらず、化学的に安定で実用性に優れたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを含み、外観が透明乃至半透明の、安定な、液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を提供することができる。

0032

また、本発明の製造方法により得られた透明乃至半透明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、外用剤若しくは化粧料に好適に使用することができ、更に、各種工業用材料にも幅広く使用することができる。

0033

特に、本発明により得られる液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、粘度が温度環境によらず安定であるので、取り扱い性に優れており、また、これを配合した外用剤又は化粧料の粘度を安定化することができる。

実施例

0034

本発明の第1の態様は、液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に水を添加する水添加工程を含む、液状の透明乃至半透明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法である。

0035

以下、本発明の第1の態様について詳細に説明する。

0036

本発明を適用できるグリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、架橋構造及びグリセリン誘導体を有するシリコーン化合物であって、液状のものであり、好ましくは少なくとも100℃で液体である。そして、この条件を満たすものであればその化学構造等に制限は無い。

0037

本発明に係る液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、炭素−ケイ素結合を含む架橋部を備える架橋構造を有し、該架橋構造はポリシロキサン鎖をも含む。ここで、架橋部はグリセリン誘導体基との結合部位とは異なり、後述する各反応成分に由来するオルガノポリシロキサン鎖、鎖状有機分子鎖或いはこれらの組み合わせからなる鎖状、環状又は分岐鎖状分子間に、架橋構造を形成している部分(架橋点)であることが好ましい。本発明にかかる液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーンはポリシロキサン鎖等の分子がゆるやかに架橋した構造を有する。より具体的には、本発明にかかる液状オルガノポリシロキサンは、少なくとも100℃において液状である程度に架橋密度が低いために、室温(25℃)〜少なくとも100℃に加温することで液状であり、他の油剤や溶媒に対して混和性溶解性がある点において、架橋密度の高い三次元架橋性オルガノポリシロキサン或いはゴムシロキサンとはその性状、特性が異なるものである。

0038

本発明において「液状」又は「液体」であるとは、所定の容器内のオルガノポリシロキサンの液面を水平とした後、当該容器を傾斜させ、1時間後、好ましくは30分後、より好ましくは10分後に、当該液面が再度水平となりうることを意味する。ここで、「水平」とは、重力の作用方向に対して直角に交差する平面を形成することを意味する。前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、少なくとも100℃において液体であることが好ましいが、100℃以下〜室温の範囲でも液状を呈することがより好ましい。具体的には、好ましくは80℃においても液体であり、より好ましくは40℃においても液体であり、更により好ましくは室温(25℃)においても液体である。なお、100℃以上で液状であるものは当然であるが、室温(25℃)以下の温度において流動性を呈さない半ゲル状或いは軟質固形状であっても、例えば、100℃に加温すれば液状を呈するグリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの範囲内に包含される。

0039

本発明に係る液状グリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、剪断周波数10Hzにおける損失係数tanδが1以上であることが好ましい。損失係数貯蔵剪断弾性率(G')と損失剪断弾性率(G'')の比(G''/G')であり、測定対象が変形する際にどの程度のエネルギーを吸収するかを示している。損失係数tanδは動的粘弾性測定装置で測定することができる。一般に、tanδの値が大きい程エネルギーを吸収して熱等に変換する能力が高く、したがって、反発性が小さい。

0040

剪断周波数10Hzにおける損失係数tanδが1以上である前記オルガノポリシロキサンは、反発性が小さく、一般的なゴムのような弾性体としての機能を発揮しない。分子構造の点からいえば、これは、一般的なシリコーンゴムに比べて前記オルガノポリシロキサンの架橋の程度がかなり低いことを意味している。なお、水のような非架橋液体はトルクがかからないので、剪断周波数10Hzにおける損失係数は測定できない。

0041

前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、ケイ素原子に結合したグリセリン誘導体基を有する。グリセリン誘導体基は、本発明にかかる液状オルガノポリシロキサンの親水性部位を構成する。グリセリン誘導体変性基の構造は、グリセリン誘導体部位を有する限りその構造は限定されるものではないが、二価有機基を介してグリセリン誘導体残基がケイ素原子に結合することが好ましい。

0042

ここで、グリセリン誘導体残基は、(ポリグリセリン構造を有する親水基であり、モノグリセリンジグリセリントリグリセリンテトラグリセリン及び5量体以上のポリグリセリン構造を有する親水基である。また、その末端水酸基の一部がアルキル基により封鎖されていても良い。更に、(ポリ)グリセリン構造は、直鎖状でも分岐状でもよく、樹状に分岐した構造であってもよい。

0043

このようなグリセリン誘導体基は、二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、かつ下記構造式(3—3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を含有してなるグリセリン誘導体基含有有機基であることが好ましい。ただし、Qを構成する親水性単位が下記構造式(3−6)のみからなることは無い。












(rは1〜6の範囲の数)

0044

式(3−3)〜(3−5)中、Wは水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基であり、水素原子であることが好ましい。特に、Wが水素原子である場合、空気下酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので環境適合性が高いという利点がある。

0045

上記構造式(3−3)〜(3−5)で示される親水性単位は、主としてグリセリンを含む多価アルコール類ポリグリセリン類ポリグリセロール類ともいう)、ポリグリシジルエーテル類又はこれらの末端水酸基を部分的に炭化水素基により封鎖した化合物から選択される親水性化合物から誘導される親水性基に含まれる親水性単位である。なお、本発明に係るグリセリン誘導体基は、更に、上記構造式(3−6)で示されるオキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン単位オキシプロピレン単位)からなる親水性構造(ポリエーテル構造)を任意で含む親水基であっても良い。ただし、化粧料又は外用剤の処方全体としてPEG−FREE処方(=ポリオキシエチレン(PEG)構造を有する化合物を含有しない処方)を実現する場合には、2以上のオキシアルキレン単位からなるオキシアルキレン構造を分子中に有しないことが好ましい。

0046

グリセリン誘導体基は、例えばモノグリセリン変性基やジグリセリン変性基のような分岐構造を有しない親水性基であってもよいが、ポリグリセロール基又はポリグリシジルエーテル基のように、当該官能基中の一部に分岐構造を有する親水性基であってもよい。

0047

より詳細には、グリセリン誘導体基は、二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、上記構造式(3—3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位が直鎖状に結合してなる親水性セグメント{ただし、グリセリン誘導体基を構成する親水性単位が前記構造式(3−6)のみからなることは無い}であってもよい。同様に、グリセリン誘導体基は二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、かつ上記構造式(3—3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を2以上含有してなり、かつ下記構造式(3−7)〜(3−9)で表される基から選択される分岐単位を有する親水性セグメントでもよい。

0048

0049

上記構造式(3−7)〜(3−9)の2つの酸素原子には、各々独立に、上記一般式(3−3)〜(3−6)で表される親水性単位から選択される、少なくとも1種以上の親水性単位が結合する。当該親水性単位は、更に、構造式(3−7)〜(3−9)で表される基から選択される分岐単位に結合してもよく、親水性単位が多階層に分岐してなる樹状のポリエーテル構造、ポリグリセロール構造又はポリグリシジルエーテル構造を形成していても良い。一例として、構造式(3−7)で示される一つの分岐単位及び構造式(3−9)で示される二つの分岐単位を有し、樹状に分岐してなる親水基Qの構造を以下に示すが、樹状のポリグリセロール構造がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。

0050

(式中、mは0〜50の範囲の数であるが、全てのmが0となることはない。)

0051

二価以上の連結基は、グリセリン誘導体基に含まれる、ケイ素原子への結合部位であって、その構造は特に限定されるものではないが、エチレン基プロピレン基ブチレン基、ヘキシレン基等のアルキレン基;エチレンフェニレン基プロピレンフェニレン基等のアルキレンフェニレン基、エチレンベンジレン基等のアルキレンアラルキレン基;エチレノキシフェニレン基、プロピレノキシフェニレン基等のアルキレノキシフェニレン基;メチレノキシベンジレン基、エチレノキシベンジレン基、プロピレノキシベンジレン基等のアルキレノキシベンジレン基、更には以下に示される基が例示される。なお、二価以上の連結基中のエーテル結合は、0〜3個までが好ましく、0又は1個がより好ましい。

0052

0053

グリセリン誘導体基は、より好適には、下記構造式(4−1)〜(4−4)で示される親水性基であり、これらは一般に、ポリグリセリン系の化合物から誘導されてなる親水性基である。

0054

式(4−1)〜(4−4)において、R9は(p+1)価の有機基であり、pは1以上3以下の数である。かかるR9として、前記の二価以上の連結基と同一の基を例示することができる。

0055

特に好適には、pは1であり、好適なR9として下記一般式で示される2価の有機基から選択される基が例示できる。



(式中、R12は、各々独立に、置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、アルケニレン基又は炭素数6〜22のアリーレン基である。)

0056

X1は各々独立に、下記一般式(3−3−1)〜(3−5−1)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位であり、mは1〜5の範囲の数であり、特に好適には1〜4である。

0057

X2は、Qが含有しても良い任意の(ポリ)オキシエチレン単位でありqは0〜100の範囲の数である。qは0〜50の範囲の数であることが好ましく、0〜30であることが好ましい。なお、X2が(ポリ)オキシエチレン単位と共に(ポリ)オキシプロピレン単位及び/又は(ポリ)オキシブチレン単位を含むこともできる。この場合、X2は式:−(C2H4O)t1(C3H6O)t2(C4H8O)t3−で示される単位(式中、t1、t2及びt3は、0≦t1≦100、0≦t2≦100、及び、0≦t3≦50の数であり、好ましくは0≦t1≦50、0≦t2≦50、及び、0≦t3≦30の数であり、より好ましくは0≦t1≦30、0≦t2≦30、及び、0≦t3≦10の数である)で示される(ポリ)オキシアルキレン単位としてQに含まれることもできる。ただし、化粧料又は外用剤の処方全体としてPEG−FREE処方を実現する場合には、オキシアルキレン単位の繰り返し数平均値が2以上のオキシアルキレン構造を分子中に有しないことが好ましい。

0058

ここで、X1及びX2の結合の形式は、ブロック状であってもランダム状であってもよい。すなわち、グリセリン誘導体基は、上記一般式(3−3−1)〜(3−5−1)で表される親水性単位がブロック状に結合してなる親水性セグメントと、ポリオキシアルキレン単位からなる親水性セグメントが結合してなる親水性基であってもよく、これらを構成する単位がランダムに結合してなる親水性基であってもよい。例えば、−(X2)m1−X1−(X2)m2−X1−のような結合形式が例示できる。

0059

R10は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アシル基及びグリシジル基からなる群から選択される基である。

0060

本発明に係るグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの油剤成分に対する増粘効果・ゲル化能の点、及び乳化・分散安定性等の界面活性能の点から、好適なグリセリン誘導体基は、下記構造式(4−1−1)で表される(ポリ)グリセリンから誘導されてなる親水性基である。

0061

式中、R9’は2価の有機基であり、前記同様の基が例示できる。X1,及びR10は前記同様の基であり、mは1〜5の範囲の数である。

0062

本発明に係るグリセリン誘導体変性架橋シリコーンにおいて、油剤成分に対する増粘効果及びゲル化能、界面活性剤(乳化剤)、保湿剤、各種処理剤粉体分散剤又は表面処理剤)としての使用、特に粉体処理剤としての使用及び化粧料原料としての使用の観点から、グリセリン誘導体基は、(ポリ)グリセリン系化合物から誘導されてなる親水性基であり、(ポリ)グリセリンから誘導されてなる親水性基であることが最も好ましい。具体的には、(ポリ)グリセリンモノアリルエーテル,(ポリ)グリセリルオイゲノールであって、モノグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン又はテトラグリセリン構造を有する(ポリ)グリセリン系化合物から誘導されてなる親水性基が好適である。

0063

なお、本発明に係る液状オルガノポリシロキサンにおいて、油剤に対する親和性及びPEG−FREE処方を実現可能な優れた乳化特性、及び優れた粉体分散特性の見地からは、グリセリン誘導体基は、ジグリセリン誘導体基であることが特に好ましい。

0064

特に好適なグリセリン誘導体基は、前記構造式(4−1−1)におけるグリセリン単位の繰り返し数mが平均して1.1〜2.9の範囲にあり、好適には繰り返し数の平均値が1.5〜2.4の範囲であり、より好適には、1.8〜2.2の範囲であり、最も好適には平均2である。このとき、式中、R9’は2価の有機基であり、前記同様の基が例示できる。X1,及びR10も前記同様の基である。親水性単位の繰り返し数の平均値が前期範囲にあると、乳化粒子径が細かく、幅広い油剤系に対して長期間に亘って安定な油中水型エマルション組成物を得ることができる利点がある。

0065

グリセリン単位の繰り返し数は、平均値であってよく、グリセリン単位の繰り返し数が2であるジグリセリン誘導体基が、他のグリセリン誘導体基に対して、全体の25質量%を超える量であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。最も好ましいものは、ジグリセリン誘導体基の純度が98質量%を超える純品である。また、PEG−FREE処方を目的とする場合、同官能基中にオキシアルキレン単位の繰り返し数の平均値が2以上のオキシアルキレン構造を有しないことが必要である。

0066

ジグリセリン誘導体基は、より好適には、下記構造式(5):
−R−O−Xm−H (5)
で表わされるジグリセリン誘導体基である。
式中、Rは二価有機基であり、上記の2価の連結基と同様の基が例示される。好適には、Rはオキシアルキレン単位の繰り返し数の平均値が2以上のオキシアルキレン構造を含有しない2価の連結基である。Xは前記の構造式(3−3—1)〜(3−5−1)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上のグリセリン単位である。mはグリセリン単位の繰り返し数であり、平均して1.5〜2.4の範囲の数である。なお、各グリセリン単位の繰り返し数の好適範囲は、前記同様である。

0067

最も好適には、ジグリセリン誘導体基は、下記一般式(5−1)



(式中、R5はオキシアルキレン単位の繰り返し数の平均値が2以上のオキシアルキレン構造を有しない二価有機基を表す)、又は、下記一般式(5−2)



(式中、R5は上記のとおりである)で表わされるジグリセリン誘導体基である。

0068

本発明に係る液状オルガノポリシロキサンにおいて、ジグリセリン誘導体基は、ジグリセリンモノアリルエーテルジグリセリルオイゲノールから誘導されてなる親水性基が好適である。

0069

前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(B)1分子中に1以上の反応性不飽和基を有するグリセリン誘導体基含有有機化合物、並びに
(C)(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物、及び、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物からなる群から選択される1種類以上の有機化合物{但し、前記(C)成分がグリセリン誘導体基含有有機基を含有する場合は前記(B)成分の使用は任意である}
を反応させることにより得ることができる。

0070

(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子水素原子を有する限り、特に限定されるものではないが、1分子中に平均で1個より多くの、好ましくは1.01〜100、より好ましくは1.1〜50、更により好ましくは1.2〜25の、特に好ましくは1.3〜10のケイ素原子結合水素原子を有するものが好ましく、直鎖状、分岐状又は網状のオルガノポリシロキサンを使用することができる。オルガノハイドロジェンポリシロキサン上のケイ素原子結合水素原子の位置についても制限はなく、主鎖上、又は、末端のいずれに位置してもかまわない。(A)成分としては1種類のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用してもよく、2種類以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用してもよい。

0071

(A)成分としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサンメチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサンジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体が例示される。

0072

前記(A)成分は、平均組成式(1):

R1eHfSiO(4−e−f)/2 (1)

(式中、R1は、互いに独立して、一価有機基を表し、1.0≦e≦3.0、及び、0.001≦f≦1.5である)で表されるものが好ましい。

0073

(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は限定されず、直鎖状、一部分岐状を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、樹枝状が例示され、好ましくは直鎖状である。またその分子量は特に限定されず、低分子量体から高分子量体まで使用できる。具体的には、数平均分子量が100〜100万の範囲であることが好ましく、300〜50万の範囲がより好ましい。

0074

このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記構造式
(i)R13SiO(R12SiO)v(R1SiHO)wSiR13
(ii)HR12SiO(R12SiO)v(R1SiHO)zSiR13
(iii)HR12SiO(R12SiO)v(R1SiHO)zSiR12H
(式中、R1は上記のとおりであり、vは0又は正の整数であり、wは正の整数であり、zは0又は正の整数である)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが例示される。これらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(i)側鎖のみ、(ii)側鎖又は分子鎖の片末端、(iii)側鎖又は分子鎖の両末端にケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。

0075

一価有機基は、特に限定されるものではないが、以下の(D1)〜(D10)
(D1)炭素原子数1〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基
(D2)−R2O(AO)zR3 (式中、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を表し、R2は炭素原子数3〜5の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R3は水素原子、炭素原子数1〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基、又は、炭素原子数2〜24の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアシル基を表し、z=1〜100である)で表されるポリオキシアルキレン基
(D3)炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基
(D4)水酸基、
(D5)−R31−COOR32(式中、R31は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R32は炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるエステル基
(D6)−R33−OCOR34 (式中、R33は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R34は炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるエステル基
(D7) L1
ここで、L1はi=1のときの下記一般式(3);



(式中、
R12は、炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表し、
R13は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、
Zは二価有機基を表し、
iはLiで示されるシリルアルキル基の階層を表し、該シリルアルキル基の繰り返し数である階層数がkのとき1〜kの整数であり、階層数kは1〜10の整数であり、Li+1はiがk未満のときは該シリルアルキル基であり、i=kのときはR13であり、hiは0〜3の範囲の数である)で表される、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基、
(D8)下記一般式(4)



(式中、R14は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数1〜30の一価炭化水素基、水酸基又は水素原子であり、R14のうち少なくとも一つは前記一価炭化水素基である。tは2〜10の範囲の数であり、rは1〜100の範囲の数である)で表される、鎖状ポリシロキサン構造で置換されたアルキル基、
(D9)下記一般式(5)



(式中、R15は、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の二価炭化水素基を表す)で表される、エポキシ基、
(D10)下記一般式(6)



(式中、R16は、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の二価炭化水素基を表し、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基を表す)で表される、脂環式エポキシ基
から選ばれることが好ましい。

0076

(D1)、(D2)、(D5)〜(D8)及び(D10)における、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基ビニル基アリル基ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基ベンジル基等のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。一価炭化水素基は、アルケニル基以外の基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。

0077

(D2)、(D5)、(D6)、(D9)及び(D10)における、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基としては、以下のものが挙げられる。炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基としては、例えば、メチレン基ジメチレン基トリメチレン基テトラメチレン基ペンタメチレン基ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基オクタメチレン基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン基アリレン基ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素原子数2〜30のアルケニレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素原子数6〜30のアリーレン基;ジメチレンフェニレン基等の炭素原子数7〜30のアルキレンアリーレン基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。二価炭化水素基は、炭素原子数1〜30のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数3〜5のアルキレン基がより好ましい。

0078

(D3)における、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基としては、メトキシ基エトキシ基イソプロポキシ基、ブトキシ基等低級アルコキシ基や、ラウリルアルコキシ基、ミリスチルアルコキシ基、パルミチルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、ベへニルアルコキシ基等高級アルコキシ基等が例示される。

0079

(D7)における炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基のうち、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチルエチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル等の直鎖状、分岐状或いは環状のアルキル基が挙げられる。

0080

一般式(3)において、i=kのとき、R4はメチル基又はフェニル基であることが好ましい。特に、i=kのときはメチル基であることが好ましい。

0081

階層数kは、工業的には1〜3の整数であることが好適であり、より好適には、1又は2である。各階層数において、L1で示される基は以下のように表される。式中、R12、R13及びZは前記と同様の基である。

0082

階層数k=1である場合、L1は下記一般式(3−1)で表される。

0083

階層数k=2である場合、L1は下記一般式(3−2)で表される。

0084

階層数k=3である場合、L1は下記一般式(3−3)で表される。

0085

階層数が1〜3の場合における一般式(3−1)〜(3−3)で示される構造において、h1、h2及びh3は各々独立に0〜3の範囲の数である。これらのhiは特に0〜1の範囲の数であることが好ましく、hiが0であることが特に好ましい。

0086

一般式(3)及び(3−1)〜(3−3)において、Zは、各々独立に、二価有機基であり、具体的には、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基、アクリロキシ基メタクリロキシ基等の不飽和炭化水素基を末端に有する官能基を付加反応させることにより形成される二価の有機基が挙げられるが、シロキサンデンドロン構造を有するシリルアルキル基の導入法に応じて、これらの官能基に限らず、適宜選択することができる。好ましくは、Zは、各々独立に、下記一般式:



で示される二価の有機基から選ばれる基である。特に、L1におけるZは、好適には、ケイ素結合水素原子と、アルケニル基の反応により導入される一般式−R19−で示される2価の有機基である。同様に、Zはケイ素結合水素原子と、不飽和カルボン酸エステル基との反応により導入される−R19−COO−R20−で示される2価の有機基が好適である。一方、階層数kが2以上であり、L2〜LkであるLiで示されるシリルアルキル基において、Zは炭素原子数2〜10のアルキレン基または−R19−COO−R20−で示される2価の有機基であることが好ましく、エチレン基,プロピレン基,メチルエチレン基又はヘキシレン基、−CH2C(CH3)COO−C3H6−から選択される基であることが特に好ましい。

0087

上記一般式中、R19は、各々独立に、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐鎖状の、炭素原子数2〜22のアルキレン基若しくはアルケニレン基、又は、炭素原子数6〜22のアリーレン基を表す。より具体的には、R19はエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の直鎖状アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基等の分岐状アルキレン基が例示され、R20は、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基又はヘキシレン基から選択される基であることが好ましい。

0088

上記一般式中、R20は、下記式で示される二価の有機基から選択される基である。

0089

(B)反応性不飽和基を有するグリセリン誘導体基含有有機化合物は、反応性不飽和基及びグリセリン誘導体基含有有機基をそれぞれ1分子中に1以上有する限り、特に限定されるものではないが、好適には、分子鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するグリセリン誘導体、より好ましくはモノ−又はジ−又はトリ−又はテトラ−グリセリン誘導体である。これらは、例えば、アリルモノグリセロールモノグリセリンモノアリルエーテル)、アリルジグリセロール(ジグリセリンモノアリルエーテル)トリグリセリンモノアリルエーテル、トリグリセリンジアリルエーテル、テトラグリセリンモノアリルエーテル等の分子鎖末端にアルケニル基等の反応性官能基を有するグリセリン誘導体であり、公知の方法により合成することができる。

0090

(C)成分としての(C1)1分子中に平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する有機化合物としては、1分子中に平均で1個より多くの、好ましくは1.01〜10、より好ましくは1.2〜8、更により好ましくは1.5〜6の、特に好ましくは2.0〜4.5の反応性不飽和基、好ましくは炭素−炭素二重結合、を有する限り構造上の制限はなく、直鎖状、分岐状又は網状の、有機化合物を使用することができる。有機化合物としては、オルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素又は不飽和ポリエーテル化合物が好ましい。有機化合物、好ましくはオルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素又は不飽和ポリエーテル化合物、上の反応性不飽和基の位置についても制限はなく、主鎖上、又は、末端のいずれに位置してもかまわない。但し、架橋密度コントロールの容易さの点からは、一分子中に2つの不飽和基を有し、たとえばそれらが両末端に位置する高純度の化合物を用いることが好ましい。

0091

反応性不飽和基は不飽和脂肪族炭化水素基中に存在することが好ましい。不飽和脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数2〜30のものが好ましく、2〜20のものがより好ましい。炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル、2−ブテニル基、ペンテニル基ヘキセニル基等の直鎖又は分岐状のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;シクロペンテニルエチル基、シクロヘキセニルエチル基、シクロヘキセニルプロピル基等のシクロアルケニルアルキル基;及び、エチニル基プロパルギル基等のアルキニル基が挙げられる。アルケニル基が好ましく、ビニル基及びヘキセニル基が特に好ましい。

0092

(C1)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、反応性不飽和基を含む不飽和脂肪族炭化水素基はケイ素原子に結合することが好ましい。また、(C1)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、不飽和脂肪族炭化水素以外のケイ素原子に結合する基は、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、反応性官能基を有する一価有機基とすることができる。

0093

置換若しくは非置換の一価炭化水素基は、典型的には、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数1〜30、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜4の一価の飽和炭化水素基、炭素原子数6〜30、より好ましくは炭素原子数6〜12の一価の芳香族炭化水素基である。なお、(C1)成分は、一価有機基として水酸基やメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。

0094

炭素原子数1〜30の一価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖又は分岐状のアルキル基、並びに、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。

0095

炭素原子数6〜30の一価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基メシチル基等のアリール基が挙げられる。フェニル基が好ましい。なお、本明細書において芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素のみからなる基以外に、芳香族炭化水素と脂肪族飽和炭化水素複合した基をも含む。芳香族炭化水素と飽和炭化水素が複合した基の例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。

0096

上記の一価炭化水素基上の水素原子は、1以上の置換基によって置換されていてもよく、当該置換基は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子塩素原子臭素原子及びヨウ素原子)、水酸基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、及び、イソシアネート基からなる群から選択される。上記置換基を少なくとも1つ有する一価飽和若しくは芳香族炭化水素基が好ましい。具体的には、3,3,3−トリフロロプロピル基、3—クロロプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、10−カルボキシデシル基、3−イソシアネートプロピル基等を挙げることができる。

0097

反応性官能基を有する一価有機基としては、例えば、水酸基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、及び、イソシアネート基からなる群から選択される反応性官能基を有する一価飽和若しくは芳香族炭化水素基が挙げられる。一価有機基に存在する反応性官能基は1つであっても、複数であってもよい。好ましいR1は、上記の反応性官能性基を少なくとも1つ有する一価飽和若しくは芳香族炭化水素基である。反応性官能基としては、具体的には、3−ヒドロキシプロピル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−メルカプトプロピル基、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、2−グリドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、アミノプロピル基、N−メチルアミノプロピル基、N−ブチルアミノプロピル基、N,N−ジブチルアミノプロピル基、3−(2−アミノエトキシ)プロピル基、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル基、3−カルボキシプロピル基、10−カルボキシデシル基、3−イソシアネートプロピル基等を挙げることができる。

0098

(C1)成分としては、直鎖状若しくは分岐状のポリシロキサンが好ましい。直鎖状の(C1)成分としては、ジオルガノシロキサン単位及びトリオルガノシロキシ単位を含む重合体であることが好ましく、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、これらの重合体のメチル基の一部がエチル基、プロピル基等のメチル基以外のアルキル基や3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で置換された重合体、及び、これらの重合体の2種以上の混合物が例示され、特に、分子鎖両末端のみに不飽和脂肪族炭化水素基、特にアルケニル基を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。

0099

分枝鎖状の(C1)成分としては、特に、ジオルガノシロキサン単位、オルガノシルセスキオキサン単位、及びトリオルガノシロキシ単位を含む重合体であることが好ましい。これらの単位中のケイ素原子結合有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の一価炭化水素基が好ましく、極少量の水酸基、更にはメトキシ基等のアルコキシ基を有していてもよいが、この重合体中の少なくとも2個のケイ素原子結合有機基は不飽和脂肪族炭化水素基、特にアルケニル基であることが必要である。また、これらの単位の比率は限定されないが、この重合体において、ジオルガノシロキサン単位が80.00〜99.65モル%の範囲内の量であり、オルガノシルセスキオキサン単位が0.10〜10.00モル%の範囲内の量であり、及び残りのモル%がトリオルガノシロキシ単位であることが好ましい。

0100

(C1)成分としては、例えば、平均組成式(2−5):

R8pR18qSiO(4−p−q)/2 (2−5)

(式中、R8は、互いに独立してもよいがR18とは異なる一価有機基を表し、
R18は、互いに独立して、炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基を表し、1.0≦p≦2.5、及び、0.001≦q≦1.5である)で表される不飽和基含有シリコーン化合物が挙げられる。炭素原子数2〜30の一価の不飽和脂肪族炭化水素基は既述のとおりである。

0101

平均組成式(2−5)において、R8である一価有機基は特に限定されるものではないが、以下の(E1)〜(E6):
(E1)炭素原子数1〜60の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基(但し、脂肪族不飽和基を有する炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を除く)
(E2)水酸基
(E3)−R31−COOR32 (式中、R31及びR32は上記の通りである)で表されるエステル基
(E4)−R33−OCOR34 (式中、R33及びR34は上記の通りである)で表されるエステル基
(E5)−R21−NR22COR23 (式中、R21は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R22は水素原子又は炭素原子数1〜20の置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表し、R23は炭素原子数1〜30の置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるアミド基
(E6)−R24−CONR25R26 (式中、R24は炭素原子数2〜20の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の二価炭化水素基を表し、R25及びR26は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基を表す)で表されるアミド基
から選ばれるものが好ましい。置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基又は二価炭化水素基の定義、種類等は既述のとおりである。

0102

一方、(C1)成分は、不飽和脂肪族炭化水素であってもよい。不飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、各種の、ジエン、ジインエンイン等の2以上の反応性不飽和基を有するものが挙げられる。架橋の点ではジエン、ジイン、及び エンインが好ましい。ジエン、ジイン、及び、エンインは、少なくとも2つの反応性不飽和基が分子内で1以上、好ましくは2以上、の単結合によって隔てられた構造を有する化合物群である。これらの不飽和脂肪族炭化水素基は分子鎖末端に存在してもよく、分子鎖途中にペンダント基として存在してもよい。

0103

(C1)成分としての不飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素原子数2〜30のα,ω−不飽和アルケン及びアルキンが挙げられる。(C1)成分としては、例えば、一般式(2−1):

CH2=CH(CH2)xCH=CH2 (2−1)

(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−ジエン、一般式(2−2):

CH≡C(CH2)xC≡CH (2−2)

(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−ジイン、 一般式(2−3):

CH2=CH(CH2)xC≡CH (2−3)

(式中、1≦x≦20である)で表されるα,ω−エン−インが挙げられる。

0104

(C1)成分としての不飽和ポリエーテル化合物としては、例えば、α,ω−不飽和ポリエーテルが挙げられる。(C1)成分としては、例えば、一般式(2−4):

CmH2m−1O(CnH2nO)yCmH2m−1 (2−4)

(式中、2≦m≦20、2≦n≦4、yはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位の繰返し数合計値であり、1≦y≦180である)で表されるビスアルケニルポリエーテル化合物が挙げられる。

0105

(C1)成分としての不飽和脂肪族炭化水素としては、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,19−エイコサジエン、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジイン1−ヘキセン−5−イン等が挙げられる。

0106

(C1)成分は単独で使用することもできるし、構造の異なる2種以上の成分を併用することも可能である。すなわち、(C1)成分は、1種類以上のオルガノポリシロキサン及び1種類以上の不飽和脂肪族炭化水素の混合物であってもよい。したがって、ここでの「平均で1より大きい数の反応性不飽和基を有する」とは、2種以上のオルガノポリシロキサン及び/又は不飽和脂肪族炭化水素を使用した場合には、平均して、1分子当たり1個より多くの反応性不飽和基を有するという意味である。

0107

(C)成分としての(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物としては、1分子中に合計で2以上の、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜7、更により好ましくは2〜5の、特に好ましくは2〜4の反応性不飽和基及びエポキシ基を有する限り構造上の制限はなく、直鎖状、分岐状又は網状の、有機化合物を使用することができる。有機化合物としては、オルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素が好ましい。有機化合物、好ましくはオルガノポリシロキサン又は不飽和脂肪族炭化水素、上の反応性不飽和基の位置についても制限はなく、主鎖上、又は、末端のいずれに位置してもかまわない。但し、架橋密度コントロールの容易さの点からは、一分子中の不飽和基とエポキシ基の合計が2である、高純度の化合物を用いることが好ましい。

0108

反応性不飽和基は不飽和脂肪族炭化水素基中に存在することが好ましい。不飽和脂肪族炭化水素基としては既述したものを挙げることができる。

0109

(C2)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、反応性不飽和基を含む不飽和脂肪族炭化水素基及び/又はエポキシ基含有有機基はケイ素原子に結合することが好ましい。また、(C2)成分がオルガノポリシロキサンである場合は、不飽和脂肪族炭化水素又はエポキシ基含有有機基以外のケイ素原子に結合する基は、既述の、置換若しくは非置換の一価炭化水素基、又は、反応性官能基を有する一価有機基とすることができる。

0110

(C2)成分としては、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ基含有不飽和脂肪族炭化水素が好ましい。不飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、既述した、不飽和脂肪族炭化水素基を有する化合物が挙げられる。一価不飽和脂肪族炭化水素基を有する化合物が好ましい。

0111

(C2)成分としては、例えば、一般式(2−6):



(式中、R4は、1つの反応性不飽和基を有しており、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を表す)で表される不飽和エポキシ化合物、一般式(2−7):



(式中、R5は、1つの反応性不飽和基を有しており、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の、炭素原子数2〜20の一価炭化水素基を表し、
R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、又は、置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基を表す)で表される、不飽和基含有脂環式エポキシ化合物が挙げられる。上記一般式における反応性不飽和基、及び、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基の定義、種類等は既述のとおりである。

0112

(C2)成分としてのエポキシ基含有不飽和脂肪族炭化水素としては、具体的には、アリルグリシジルエーテルメタリルグリシジルエーテル、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキシド、1,4−ジメチルシクロヘキセンオキシド、4−ビニルシクロヘキセンオキシドビニルノルボルネンモノオキシドジシクロペンタジエンモノオキシド、ブタジエンモノオキシド、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセン、2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−7−オクテンが例示される。これらの中でも、4−ビニルシクロヘキセンオキシドが好ましい。

0113

(C2)成分は単独で使用することもできるし、構造の異なる2種以上の成分を併用することも可能である。

0114

前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを製造するための反応は、反応溶媒の存在下又は不存在下、公知の方法に従って行うことができる。本発明における不飽和基とSi-H基との反応はヒドロシリル化反応である。また、(C2)1分子中に1以上の反応性不飽和基及び1以上のエポキシ基を有する有機化合物エポキシドを利用して架橋を行う場合には、不飽和基とSi-H基との反応による結合と、エポキシ基同士の自己開環重合SiH基白金触媒の存在下で生じるカチオン性重合反応)によるエーテル結合生成の両方が起こり、架橋が形成される。この反応を促進するため、紫外線高エネルギー線照射や一般的なカチオン重合用触媒を更に追加することもできる。

0115

反応溶媒としては、非反応性であれば特に限定されるものではないが、エタノールイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤トルエンキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤ジオキサン、THF等のエーテル系溶剤n−ヘキサンシクロヘキサン、n−ヘプタンシクロヘプタンメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤四塩化炭素等の塩素化炭化水素系の有機溶剤を挙げることができる。後述する油剤を反応溶媒として使用してもよい。反応溶媒として油剤を用いた場合、架橋反応後に、ケイ素原子に結合したグリセリン誘導体基含有有機基を有し、且つ、架橋部に炭素−ケイ素結合を含む架橋構造を有する液状のグリセリン誘導体変性シリコーン及び油剤からなる組成物を直接得ることができる。

0116

ヒドロシリル化反応は、触媒の不存在下で行ってもよいが、触媒の存在下に行うことにより低温で、短時間に反応が進行するので好ましい。ヒドロシリル化反応触媒としては、例えば、白金ルテニウムロジウムパラジウムオスミウムイリジウム等の化合物を挙げることができ、その触媒活性が高いことから白金化合物が特に有効である。白金化合物の例としては、塩化白金酸金属白金アルミナシリカカーボンブラック等の坦体に金属白金を坦持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフイン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金アルコラート触媒等の白金錯体を挙げることができる。触媒の使用量は、白金触媒を使用する場合、金属白金として0.5〜1000ppm程度である。

0117

ヒドロシリル化反応の反応温度としては、通常30〜150℃であり、反応時間は、通常10分間〜24時間、好ましくは1〜10時間である。

0118

ヒドロシリル化反応又はエポキシ基のカチオン性重合反応により、(A)成分は(C)成分によって架橋され、(A)成分由来のポリシロキサン鎖が(C)成分由来の炭素−ケイ素結合を含む架橋部によって連結される。また、(A)成分は(B)成分由来のグリセリン誘導体基含有有機基を備える。このようにして、本発明に係る架橋構造を有するグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを得ることができる。

0119

なお、本発明に係る架橋構造を有するグリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、本質的に、(C)成分由来の炭素−ケイ素結合を含む架橋部により連結されてなる構造を有するものであるが、一部にSi-O-C結合による架橋部を有していてもよい。当該構造は、(A)〜(C)成分にシラノール基、アルコキシ基等の縮合反応可能な官能基を有する場合に、ポリシロキサン鎖間に形成されうる他、架橋条件がシビアである場合に、(B)成分由来のグリセリン誘導体基中の水酸基が(A)のSi-H基と一部反応して、副次的に形成されうるためである。

0120

本発明に係る架橋構造を有するグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの製造にあたっては、(A)成分と(B)成分の反応後に、(C)成分を(A)成分と更に反応させてもよいし、(A)成分と(C)成分の反応後に(B)成分を(A)成分と更に反応させてもよい。

0121

(A)成分と(B)成分の反応後に、(C)成分を(A)成分と更に反応させる場合、(C)成分の反応性不飽和基と反応する(A)成分の1分子当たりのケイ素原子結合水素原子数の平均値は1.0以上が好ましい。すなわち、架橋部を構成し、(C)成分中の反応性不飽和基と反応する、(A)成分中の1分子あたりのケイ素原子結合水素原子の数は、平均して、1.0以上であり、0.2〜1.5の範囲であることが好ましく、0.6〜1.3の範囲が特に好ましい。

0122

本発明に係る架橋構造を有するグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの製造にあたっては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加えて、(Q)1分子中に1つの反応性不飽和基を有する有機化合物(但し、成分(C2)を除く)を更に反応させてもよい。1種類の(Q)成分を使用してもよく、2種類以上の(Q)成分を使用してもよい。前記反応は、好ましくはヒドロシリル化反応触媒の存在下に、逐次的に実施することができる。なお、(Q)成分における反応性不飽和基の定義、種類等は既述のとおりである。

0123

例えば、(A)成分と(B)成分との反応後に(C)成分を(A)成分と更に反応させる場合は、(A)成分と(B)成分との反応前に(Q)成分を(A)成分と反応させるか、(A)成分と(B)成分との反応後に(Q)成分を(A)成分と反応させるか、又は、(C)の反応後に更に(Q)成分を(A)成分と反応させてもよい。

0124

例えば、(A)成分と(C)成分との反応後に(B)成分を(A)成分と更に反応させる場合は、(A)成分と(C)成分との反応前に(Q)成分を(A)成分と反応させるか、(A)成分と(C)成分との反応後に(Q)成分を(A)成分と反応させるか、又は、(B)の反応後に更に(Q)成分を(A)成分と反応させてもよい。

0125

(Q)成分としては、例えば、(Q1)反応性不飽和基を1分子中に1つ有するシロキサンデンドロン化合物、(Q2)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物又は反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサン等が挙げられる。

0126

(Q1)反応性不飽和基を1分子中に1つ有するシロキサンデンドロン化合物としては、下記一般式(3’):



{式中、
R12及びR13は上記のとおりであり、RDは水素原子又はメチル基であり、
Z´は二価有機基を表し、
h1は0〜3の範囲の数であり、
L´1は、R13、又は、j=1のときの下記一般式(3’’):



(式中、R12及びR13は上記のとおりであり、
Zは二価有機基を表し、
jはLjで示されるシリルアルキル基の階層を表し、該シリルアルキル基の繰り返し数である階層数がk´のとき1〜k´の整数であり、階層数k´は1〜9の整数であり、Lj+1はjがk´未満のときは該シリルアルキル基であり、j=k´のときはR13である。hjは0〜3の範囲の数である)で表されるシリルアルキル基を表す}で表される分子鎖末端に1個の炭素−炭素二重結合を有するシロキサンデンドロン構造を有する化合物が好ましい。一般式(3’)及び(3”)における二価有機基は既述のとおりである。

0127

(Q2)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物又は反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式:



{式中、R’は反応性不飽和基であり、
R2’は炭素原子数7〜58の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基
で表されるモノ不飽和炭化水素化合物、又は
下記一般式(2−1);



(式中、R11及びrは前記のとおりであり、t’は0〜8の範囲の数である)で表される鎖状のオルガノシロキサン基を表す)}で表されるモノ不飽和鎖状シロキサン化合物が好ましい。

0128

(Q2)反応性不飽和基を1分子中に1つ有する炭化水素化合物としては、炭素原子数9〜30のモノ不飽和炭化水素が好ましく、1−アルケンがより好ましい。1−アルケンとしては、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等が例示される。反応性不飽和基を1分子中に1つ有する鎖状オルガノポリシロキサンとしては、片末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン、片末端ビニル基封鎖メチルフェニルポリシロキサン等が例示される。

0129

[水添加工程]
本発明に係る透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法は、液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に水を添加する水添加工程を含む。

0130

前記水添加工程における水の添加量は特に限定されるものではないが、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部の水を添加することができる。後述する混合均質化後の当該組成物の光透過率が最大値ピーク値)を示す量が好ましい。最適な水の添加量の近傍では、当該組成物が液状を呈する温度において、当該組成物の外観は透明乃至半透明の均一液状となり、当該組成物の安定性も最良となる。

0131

本発明の製造方法に使用される水は、人体に有害な成分を含有せず、清浄であればよく、水道水精製水ミネラルウォーター海洋深層水等が例示される。水添加後組成物全体の0.09〜9重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.4〜3重量%の範囲が添加された水であることができる。

0132

前記水添加工程においては、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物及び前記水を混合して均質化することが好ましい。

0133

混合均質化は、機械力を用いた混合により行うことが好ましく、例えばパドルミキサープロペラ撹拌機撹拌羽根を備えた反応器や容器内で行うことができ、必要に応じて乳化機混練機等も利用できる。また、混合均質化は必ずしも常温下で行う必要は無く、組成や流動性等に応じて温度を加減できる。通常は0〜70℃付近までの範囲内で行うことが好ましい。なお、本発明に係るグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を得るための前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物と後述する液状油剤との混合均質化に関しても同様である。

0134

前記水添加工程後の前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の可視光透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更により好ましい。前記水添加工程前の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の可視光透過率は50%未満であることが好ましく、25%未満がより好ましく、5%未満が更により好ましい。可視光としては、360〜830nmの波長の光が好適であるが、400〜760nmの波長の光がより好ましい。例えば、750nmの波長光を使用することができる。また、透過率測定は1〜30mmの光路長が好適であるが、5〜20mmの光路長がより好ましい。例えば、10mmの光路長にて行うことができる。本発明により得られた前記水添加工程後の前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性シリコーン組成物は、特に、波長750nmの光を用いて、光路長10mmで測定される光透過率が50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更により好ましい。かかるグリセリン誘導体変性シリコーン組成物は、目視により、透明乃至半透明であり、実質的に透明な外観を呈する。

0135

前記水添加工程後の前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物におけるグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの含有率は特には限定されるものではないが、組成物の全重量を基準として、50〜99.99重量%が好ましく、70〜99.9重量%が好ましく、90〜99重量%がより好ましい。

0136

[液状油剤添加工程]
本発明の製造方法では、前記水添加工程前及び/又は後に、及び/又は前記水添加工程と同時に、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物に液状油剤を添加する液状油剤添加工程を更に含むことができる。ここで、「液状」とは既述のとおりの意味である。

0137

前記液状油剤は前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーンと親和性を有することが好ましい。好適には、5〜100℃で液状であるシリコーンオイル非極性有機化合物又は低極性〜高極性有機化合物から選択される1以上の油剤であり、非極性有機化合物及び低極性〜高極性有機化合物としては、炭化水素油及び脂肪酸エステル油及び液状脂肪酸トリグリセライドが好ましい。これらは、特に化粧料の基材として広く用いられている成分であるが、これらの油剤には、公知の植物性油脂類、動物性油脂類、高級アルコール類、脂肪酸トリグリセライド人工皮脂フッ素系油から選択される1種類又は2種類以上を併用しても良い。本発明のグリセリン誘導体により変性されたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを含む組成物は、これらの非シリコーン系油剤に対しても優れた相溶性・分散性を示すので、炭化水素油及び脂肪酸エステル油を安定に化粧料に配合でき、これらの非シリコーン系油剤による保湿特性をも活かすことができる。したがって、前記グリセリン誘導体により変性されたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを含む組成物は、これら非シリコーン系油剤の化粧料中における配合安定性を改善することができる。

0138

また、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油をシリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経時安定性を損なわないという利点がある。更に、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油とシリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分(炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油)を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができるので、保湿成分の肌上の保湿効果が向上する。したがって、非シリコーン系油剤(炭化水素油、脂肪酸エステル油等)のみを含む化粧料に比して、非シリコーン系油剤と共にシリコーンオイルを含む化粧料は、より滑らかでしっとりした感触を付与することができるという利点がある。

0139

これらの油剤は、出願人らが上記の特許文献27(国際公開特許WO2011/049248号公報)の段落0130〜0135、段落0206等に開示したものと共通である。なお、フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテルパーフルオロデカリンパーフルオロオクタン等が挙げられる。

0140

前記液状油剤添加工程における液状油剤の添加量は特に限定されるものではないが、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物100質量部に対して5〜1000質量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜200重量部の液状油剤を添加することができる。

0141

前記液状油剤添加工程においては、前記液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物及び前記液状油剤を、上記のとおり、混合して均質化することが好ましい。

0142

本発明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、従来のポリエーテル変性シリコーン等とは異なり、空気中の酸素により酸化されて変質する傾向が本質的に少なく安定である。したがって、酸化劣化を防止するためフェノール類ヒドロキノン類ベンゾキノン類芳香族アミン類、又はビタミン類等の酸化防止剤を入れ、酸化安定性を増加させる操作は必須ではない。しかしながら、このような酸化防止剤、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、ビタミンE等を添加すると更に安定性が向上する。このとき、使用する酸化防止剤の添加量は、その重量(質量)において、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンに対し10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppmとなる範囲である。

0143

前記液状油剤添加工程後の前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の可視光透過率は50%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更により好ましい。可視光としては、360〜830nmの波長の光が好適であるが、400〜760nmの波長の光がより好ましい。例えば、750nmの波長光を使用することができる。また、透過率測定は1〜30mmの光路長が好適であるが、5〜20mmの光路長がより好ましい。例えば、10mmの光路長にて行うことができる。特に、波長750nmの光を用いて、光路長10mmで測定される光透過率が50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更により好ましい。

0144

前記液状油剤添加工程後の前記透明乃至半透明の液状のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物におけるグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの含有率は特には限定されるものではないが、組成物の全重量を基準として、10〜99重量%が好ましく、40〜95重量%が好ましく、80〜90重量%がより好ましい。

0145

(グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物の酸処理及び臭気低減
本発明の製造方法において、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物(混合物)が、酸性水溶液によって処理されており、当該酸性水溶液の処理によって発生した臭気物質及び水が、加熱又は減圧により取り除かれている場合は、より高品質のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はその組成物を得ることができる。

0146

前記酸性水溶液に含まれる酸性物質については任意に選択可能であるが、25℃で固体であり、水溶性であり、かつ、50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液の25℃におけるpHが4以下であることを特徴とする1種類以上の酸性無機塩を用いるのが最適である。

0147

また、前記酸性水溶液による処理は、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンがヒドロシリル化反応により合成された場合に最も好適に実施することができる。したがって、ここでは、グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はそれを含む混合物の酸処理及び臭気低減方法として、ヒドロシリル化反応により合成されたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンの場合を例として説明する。

0148

好適には、酸処理は、
(ax)分子鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するグリセリン誘導体、及び
(bx)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
をヒドロシリル化反応させることにより、グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はそれを主成分として含む反応混合物を合成する工程〔V〕;及び
上記合成工程〔V〕と共に、又は、上記合成工程〔V〕の後に、
グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はそれを主成分として含む反応混合物を、
(cx)25℃で固体であり、水溶性であり、かつ、50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液の25℃におけるpHが4以下である、1種類以上の酸性無機塩の存在下で処理する工程〔W〕
を含む。また、前記酸性無機塩を用いた処理工程は臭気原因物質の発生を伴うため、工程〔W〕の後に、加熱又は減圧することにより、臭気原因物質を除去する工程を含むことが、臭気低減の実効の観点からより好ましい。

0149

一例として、工程〔V〕において、(ax)(ポリ)グリセリンモノアリルエーテル等のグリセリン誘導体、(bx)前記構造式(1−1A)で示される直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用し、成分(bx)中の珪素結合水素原子に対して、成分(ax)の物質量が過剰となる量で上記のヒドロシリル化反応を行った場合、構造式(1−1)で示されるグリセリン誘導体変性架橋シリコーンが合成され、該グリセリン誘導体変性架橋シリコーン及び未反応の成分(ax)を含有する、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物の粗製品が得られる。

0150

工程(W)は、特定の酸性無機塩を用いて該粗製品の加水分解処理を行うことにより、ポリシロキサンの主鎖を構成するケイ素酸素結合や側鎖部分の炭素−酸素結合の切断がほとんど起こらず、該組成物を高いレベルで低臭化し、経時における臭気の発生を有効に抑制するための工程である。

0151

前記工程(W)は、具体的には、加水分解により、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物の粗製品から、臭気原因物質を除去する工程であり、(cx)25℃で固体であり、水溶性であり、かつ、50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液の25℃におけるpHが4以下であることを特徴とする1種類以上の酸性無機塩の存在下で処理を行うことを特徴とする。なお、本発明におけるpHの値は、室温(25℃)下、試料水溶液ガラス電極を用いたpH計を用いて測定したpH値であり、本願におけるpH測定には、具体的には、東亜電波工業株式会社製「HM−10P」を用いた。

0152

成分(cx)である酸性無機塩としては、25℃で固体であり、水溶性であり、かつ、50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液のpHが4以下であることが必要であり、より好適にはpHが3.5以下であることが好ましく、2.0以下であることが特に好ましい。かかる水溶性の酸性無機塩を用いて該組成物の加水分解処理を行うことにより、C−O結合やSi−O結合の切断をほとんど生じることなく、該組成物を高いレベルで低臭化し、経時での着臭を有効に抑制することができる。

0153

酸性無機塩は例えば、二価以上の無機酸の少なくとも一価の水素原子が塩基により中和された酸性無機塩を用いることが出来る。二価以上の無機酸としては例えば、硫酸亜硫酸等が挙げられる。塩基としては、アルカリ金属アンモニア等が挙げられる。

0154

成分(cx)はより具体的には、硫酸水素イオン(HSO4−)又は亜硫酸水素イオン(HSO3−)及び1価の陽イオン(M+)からなる1種以上の酸性無機塩であることが好適であり、1価の陽イオン(M+)として、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンが例示される。特に好適には、ナトリウムイオンカリウムイオン及びアンモニウムイオンからなる群から選択される1種類以上の1価の陽イオンが好ましい。また、これらの酸性無機塩は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組合せて使用してもよい。更に、これらの酸性無機塩は室温(25℃)で固体であるため、処理後にろ過により容易に除去することができる。また水溶性であるため、製造後の洗浄工程においても水で容易に洗い流すことができる。

0155

一方、上記の(cx)成分の条件を満たさない酢酸塩リン酸塩等による加水分解処理では、加水分解後の該組成物を十分に低臭化することができない。一方、塩酸等の強酸による加水分解処理や硫酸ジルコニア等の公知の固体酸による加水分解処理では、一定の低臭化は実現できるが、加水分解時に該組成物のC−O結合やSi−O結合の切断が生じやすい。

0156

成分(cx)である酸性無機塩としては、硫酸水素リチウム硫酸水素ナトリウム硫酸水素カリウム、硫酸水素ルビジウム硫酸水素セシウム硫酸水素アンモニウム亜硫酸水素ナトリウム又は、これらの水和物が具体的に例示される。かかる酸性無機塩50gをイオン交換水1Lに溶解させたときの水溶液のpHは下表に示す通りである。低臭化という技術的効果から、pHが2.0以下の水溶性の酸性無機塩として、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム及び硫酸水素アンモニウムからなる群から選択される1種以上の酸性無機塩の使用がもっとも好適である。

0157

前記の酸性無機塩存在下の処理は、例えば、(1)ヒドロシリル化反応により合成されたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物の反応系(例えば、フラスコ等の反応容器)中に、上記の酸性無機塩を添加して、撹拌する分解処理、(2)酸性無機塩と水若しくは酸性無機塩と水と親水性溶媒を添加して、撹拌する加水分解処理等を意味する。酸性無機塩を用いた処理工程は、水及び/又は親水性媒体の存在下に行うことが好ましい。

0158

特に、前記工程〔V〕の後、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物の粗製品を含む反応系中に、少なくとも酸性無機塩と水とを添加して、場合により相溶性を改善し処理効率を高める目的で更に他の親水性溶媒を追加して、更に機械力を用いて撹拌する加水分解処理が好ましい。加水分解処理は任意の温度、処理時間を選択して行うことができ、0〜200℃、より好ましくは50〜100℃の温度条件で、0.1〜24時間、より好ましくは0.5〜10時間程度の反応時間で行うことが好ましい。酸性無機塩の使用量は処理装置及び処理時間に応じて適宜選択することができるが、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物に対して50〜10,000ppmの範囲が好ましく、100〜5,000ppmの範囲がより好ましい。

0159

前記酸処理後に、臭気の原因物質である低沸分プロピオンアルデヒド等)を除去するストリッピング工程を含むことが好ましい。また、ストリッピング後に、再び酸性無機塩存在下の処理を行うことでより多くのプロペニルエーテル基含有グリセリン誘導体等を加水分解することができ、臭気原因物質であるプロピオンアルデヒド等を除去することができる。このとき、酸性無機塩が残存しているので、新たに酸性無機塩を追加する必要はなく、水に代表される親水性溶媒のみを添加すればよいという利点がある。すなわち、上記の工程〔W〕及びストリッピング工程は、低臭化の程度を高める目的等で2回以上繰り返し行うことができる。

0160

なお、ストリッピング工程によって留去される「低沸物」には、臭気の原因物質であるプロピオンアルデヒドのほか、ヒドロシリル化反応(工程〔V〕)に使用した反応溶媒、低臭化処理工程で使用した水、その他の親水性溶媒等が含まれる。

0161

ストリッピング工程(低沸物の留去)は、工程〔W〕の前工程として、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物の粗製品に対して実施してもよいし、工程〔W〕の後工程として、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物に対して実施してもよい。また、工程〔W〕の前工程及び後工程としてそれぞれ実施することもできる。好適には、上記の工程〔W〕に次いで、加水分解反応により生成した臭気原因物質であるプロピオンアルデヒドを除去する目的で行うことが好ましい。

0162

除去方法としては、常圧下或いは減圧下でのストリッピングが好ましく、120℃以下で行うことが好ましい。効率よくストリッピングするためには、減圧下で行うか、例えば窒素ガスのような不活性ガス注入下で行うことが好ましい。低沸物の留去操作の一例を具体的に示せば、低沸物が含まれているグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物の粗製品を、還流冷却管窒素挿入口等を備えたフラスコに仕込み、窒素ガスを供給しながら内部を減圧して昇温し、圧力と温度を一定に保持することにより軽質物を留去させる。ここに減圧条件としては、0.1〜10.0KPaとされ、加熱温度としては40〜120℃とされ、処理時間としては10分間〜24時間とすることが一般的である。

0163

更に、前記酸処理工程後に、塩基性物質によってグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物を中和処理してもよい。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化カルシウム水酸化バリウムアンモニア水炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、各種アミン類塩基性アミノ酸等の有機塩基等を挙げることができる。塩基性物質の量はグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物を含む反応系を中和する量が好ましいが、必要に応じて、弱酸性又は弱アルカリ性となるよう添加量を加減することもできる。

0164

なお、前記酸処理工程後に得られたグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物に対して、更に、100ppm〜50000ppmに相当する量のアルカリ性緩衝剤を添加してもよい。前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物は、中和や濾過工程を経ても微量の酸が局所的に溶存している場合がある。アルカリ性緩衝剤を添加しておくことにより、当該グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを配合した化粧料等の液性アルカリ側に保たれるため、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンの不純物に由来する着臭発生のリスクを減らすことができる。有用なアルカリ性緩衝剤は、強塩基弱酸の組み合わせからなるアルカリ性緩衝剤であれば特に制限されるものではないが、リン酸ナトリウム,リン酸3カリウムクエン酸3ナトリウム,酢酸ナトリウム等のアルカリ性緩衝剤が例示される。なお、これらのアルカリ性緩衝剤は、グリセリン誘導体変性架橋シリコーン、ないしはそれを主成分として含む混合物からなる化粧料原料等に添加しても良く、その他の化粧料原料や水を含むグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物や化粧料の調製段階や配合後の組成物に添加しても良い。これにより、経時での処方中の着臭を、更に有効に抑制することができる。

0165

前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーン又はそれを主成分として含む混合物に対して、工程〔W〕にかかる酸性無機塩存在下の処理の前工程又は後工程として、水素添加処理を行うこともできる。水素添加反応による無臭化処理は、上記の工程〔W〕にかかる酸性無機塩存在下の処理後に、水素添加反応による処理を行ってもよいし、一方、水素添加反応による処理を行った後に、上記の工程〔W〕にかかる酸性無機塩存在下に処理してもよい。ただし、水素添加処理は、一般的には製品製造時のコスト増につながる場合がある。

0166

本発明の第2の態様は、本発明の製造方法により得られたグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を含む外用剤若しくは化粧料又は工業用材料である。

0167

<外用剤・化粧料>

0168

本発明の製造方法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、外用剤又は化粧料に好適に配合することができ、本発明の外用剤又は化粧料を構成することができる。また、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を含む外用剤及び化粧料用原料を製造し、外用剤又は化粧料に配合することもできる。

0169

特に、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、透明性が高く、透明性が温度環境によらず安定であるので、透明又は半透明な外観が求められる外用剤又は化粧料に好適に配合することができる。また、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の粘度は温度環境によらず安定であるので、取り扱い性に優れており、また、これを配合した外用剤又は化粧料の粘度を安定化することができる。しかも、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は低臭性であり、処方中や経時による着臭もほとんどない。しかも、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンの主鎖を構成し得るケイ素−酸素結合及び側鎖を構成し得る炭素−酸素結合がほとんど切断されないという利点がある。したがって、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は人体に使用される外用剤及び化粧料の原料として好適に利用することができる。

0170

外用剤又は化粧料用の原料中に占める、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の割合は、原料の全重量(質量)を基準にして、10〜100重量(質量)%が好ましく、20〜100重量(質量)%がより好ましく、30〜100重量(質量)%が更により好ましい。外用剤又は化粧料に配合される原料の割合は特に限定されるものではないが、例えば、外用剤又は化粧料の全重量(質量)を基準にして、0.1〜40重量(質量)%、好ましくは1〜30重量(質量)%、より好ましくは2〜20重量(質量)%、更により好ましくは3〜10重量(質量)%の範囲とすることができる。

0171

本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、その構造及び所有する官能基の種類に応じて、特許文献27(国際公開特許WO2011/049248号公報)、特許文献28(国際公開特許 WO2011/049247号公報)及び特許文献30(特開2012−046507号公報)に記載された共変性オルガノポリシロキサン、又は、特許文献29(国際公開特許 WO2011/049246号公報)に記載された新規オルガノポリシロキサン共重合体と共通の用途に適用することが可能である。また、本発明の製造方法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、任意の化粧料原料成分との組み合わせ、外用剤、特に化粧料の剤形、種類及び処方例においても、特許文献27、特許文献28及び特許文献30に記載された共変性オルガノポリシロキサン、又は、特許文献29に記載された新規オルガノポリシロキサン共重合体と同様に使用でき、各種化粧料等に配合することができる。

0172

本発明に係る外用剤は、化粧料又は医薬として人体に適用される組成物であれば、特にその制限はない。本発明の化粧料は、具体的な製品としては、皮膚洗浄剤製品、スキンケア製品メイクアップ製品制汗剤製品、紫外線防御製品等の皮膚用化粧品毛髪用洗浄剤製品、整髪料製品、毛髪用着色料製品、養毛料製品、ヘアリンス製品、ヘアコンディショナー製品、ヘアトリートメント製品等の頭髪用化粧品浴用化粧品が例示される。本発明の医薬は、発毛剤育毛剤鎮痛剤殺菌剤抗炎症剤清涼剤皮膚老化防止剤が例示されるが、これらに限定されない。

0173

外用剤は人体の皮膚、爪、毛髪等に適用されるものであり、例えば、医薬有効成分を配合して各種疾患の治療に使用することができる。化粧料も人体の皮膚、爪、毛髪等に適用されるものであるが、美容目的で使用されるものである。外用剤又は化粧料としては、制汗剤、皮膚洗浄剤、皮膚外用剤若しくは皮膚化粧料、又は、毛髪洗浄剤、毛髪外用剤又は毛髪化粧料が好ましい。

0174

本発明に係る制汗剤、皮膚洗浄剤、皮膚外用剤又は皮膚化粧料は、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を含有しており、その形態は特に限定されないが、溶液状、乳液状、クリーム状、固形状、半固形状ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状ムース状油中水型或いは水中油型乳化組成物エマルジョン組成物)のいずれであってもよい。具体的には、本発明に係る皮膚外用剤又は皮膚化粧料等として、化粧水、乳液、クリーム、日焼け止め乳液日焼け止めクリームハンドクリームクレンジングマッサージ料洗浄剤、制汗剤、脱臭剤等の基礎化粧品ファンデーションメークアップ下地頬紅口紅アイシャドーアイライナーマスカラネールエナメル等のメーキャップ化粧品等が例示される。

0175

同様に、本発明に係る毛髪洗浄剤、毛髪外用剤又は毛髪化粧料は、本発明の製造方法で得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を含有しており、様々な形態で使用できる。例えば、それらをアルコール類炭化水素類揮発性環状シリコーン類等に溶解又は分散させて用いてもよいし、更には乳化剤を用いて水に分散させてエマルジョンの形態で用いることもできる。また、プロパンブタントリクロルモノフルオロメタンジクロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン炭酸ガス、窒素ガス等の噴射剤を併用してスプレーとして用いることもできる。この他の形態としては、乳液状、クリーム状、固形状、半固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状等が例示される。これらの様々な形態でシャンプー剤リンス剤コンディショニング剤、セットロション剤、ヘアスプレー剤パーマネントウエーブ剤、ムース剤、染毛剤等として使用できる。

0176

その他の本発明に係る化粧料又は外用剤組成物の種類、形態及び容器は、特許文献27の段落0230〜0233等に開示されたものと共通である。

0177

本発明の外用剤又は化粧料は、本発明の効果を妨げない範囲で通常の外用剤又は化粧料に使用される成分、水、粉体又は着色剤、アルコール類、水溶性高分子皮膜形成剤、油剤、油溶性ゲル化剤有機変性粘土鉱物、界面活性剤、樹脂紫外線吸収剤塩類、保湿剤、防腐剤抗菌剤香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤細胞賦活剤肌荒れ改善剤血行促進剤皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類核酸ホルモン包接化合物等、生理活性物質、医薬有効成分、香料を添加することができ、これらは特に限定されるものではない。

0178

本発明に係る化粧料又は外用剤に用いることのできる水は、人体に有害な成分を含有せず、清浄であればよく、水道水、精製水、ミネラルウォーター、海洋深層水等が例示される。

0179

(油剤)
本発明に係る化粧料又は外用剤に用いることのできる油剤は、好適には、5〜100℃で液状であるシリコーンオイル、非極性有機化合物又は低極性〜高極性有機化合物から選択される1以上の油剤であり、非極性有機化合物及び低極性〜高極性有機化合物としては、炭化水素油及び脂肪酸エステル油及び液状脂肪酸トリグリセライドが好ましい。これらは、特に化粧料の基材として広く用いられている成分であるが、これらの油剤には、公知の植物性油脂類、動物性油脂類、高級アルコール類、脂肪酸トリグリセライド、人工皮脂、フッ素系油から選択される1種類又は2種類以上を併用しても良い。

0180

また、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油をシリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経時安定性を損なわないという利点がある。更に、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油とシリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分(炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油)を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができるので、保湿成分の肌上の保湿効果が向上する。したがって、非シリコーン系油剤(炭化水素油、脂肪酸エステル油等)のみを含む化粧料に比して、非シリコーン系油剤と共にシリコーンオイルを含む化粧料は、より滑らかでしっとりした感触を付与することができるという利点がある。

0181

これらの油剤は、特許文献27の段落0130〜0135、段落0206等に開示されたものと共通である。なお、フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。

0182

(粉体又は着色剤)
本発明に係る化粧料又は外用剤に用いることのできる粉体又は着色剤は、化粧料の成分として一般に使用されるものであり、白色及び着色顔料、並びに、体質顔料を含む。白色及び着色顔料は化粧料の着色等に使用され、一方、体質顔料は、化粧料の感触改良等に使用される。本発明における「粉体」としては、化粧料に通常使用される白色及び着色顔料、並びに、体質顔料を特に制限なく使用することができる。本発明において、1種類又は2種類以上の粉体を配合することが好ましい。粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、紡錘状状等)、粒子径煙霧状、微粒子顔料級等)、及び、粒子構造多孔質、無孔質等)は何ら限定されるものではないが、平均一次粒子径が1nm〜100μmの範囲にあることが好ましい。特に、これらの粉体又は着色剤を顔料として配合する場合、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体有機顔料粉体、樹脂粉体から選択される1種類又は2種類以上を配合することが好ましい。

0183

粉体としては、例えば、無機粉体有機粉体、界面活性剤金属塩粉体金属石鹸)、有色顔料パール顔料金属粉末顔料等が挙げられ、これらを複合化したものを使用することができる。更に、これらの表面に撥水化処理を行ったものを挙げることができる。

0184

これらの具体例は、特許文献27の段落0150〜0152等に開示された粉体又は着色剤と共通である。

0185

例示された粉体のうち、シリコーンエラストマー粉体について特に説明する。シリコーンエラストマー粉体は、主としてジオルガノシロキシ単位(D単位)からなる直鎖状ジオルガノポリシロキサン架橋物であり、側鎖若しくは末端に珪素結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと側鎖若しくは末端にアルケニル基等の不飽和炭化水素基を有するジオルガノポリシロキサンを、ヒドロシリル化反応触媒下で架橋反応させることによって好適に得ることができる。シリコーンエラストマー粉体は、T単位及びQ単位からなるシリコーン樹脂粉体に比して、柔らかく、弾力があり、また、吸油性に優れるため、肌上の油脂を吸収し、化粧崩れを防ぐことができる。そして、前記本発明の製法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物により表面処理を行うと、処理効率がよく均質な処理が可能であるため、シリコーンエラストマー粉体のスエード調の感触を減じることなく、当該グリセリン誘導体変性架橋シリコーンの種類に応じた特有の効果や感触を付与することができる。更に、シリコーンエラストマー粉体と共に前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物を化粧料に配合する場合は、化粧料全体における当該粉体の分散安定性が改善され、経時的に安定な化粧料を得ることができる。

0186

シリコーンエラストマー粉体は、球状、扁平状、不定形状等種々の形状を取りうる。シリコーンエラストマー粉体は油分散体の形態であってもよい。本発明の化粧料には、粒子形状を有するシリコーンエラストマー粉体であり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、且つ、一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉体を好適に配合することができる。シリコーンエラストマー粉体を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下のものが好ましく、65以下のものがより好ましい。

0187

かかるシリコーンエラストマー粉体のうち、特にシリコーンエラストマー球状粉体の具体例は、特許文献27の段落0168に開示されたものと共通であり、同段落0150〜0152にも例示される通り、撥水化等各種表面処理を行ったシリコーンエラストマー粉体でもよい。

0188

本発明の化粧料又は外用剤には、更に、その他の界面活性剤を配合することができる。これらの界面活性剤は、皮膚や髪の洗浄成分或いは油剤の乳化剤として機能する成分であり、化粧料の種類及び機能に応じて所望のものを選択しうる。より具体的には、他の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤ノニオン性界面活性剤両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選択することができるが、特に、シリコーン系のノニオン性界面活性剤を併用することが好ましい。

0189

これらの界面活性剤は、特許文献27の段落0162,0163,0195〜0201等に開示されたものと共通である。本発明の製法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、分子内に極性基非極性基とを有するため、分散剤としての機能を有する。このため、ノニオン性界面活性剤と併用した場合に、ノニオン性界面活性剤の安定性を向上させる助剤として機能して、製剤全体としての安定性を改善できる場合がある。特に、本発明の製法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、各種変性シリコーンとの相溶性・親和性が改善されているため、ポリオキシアルキレン変性シリコーンポリグリセリル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、糖変性シリコーン糖アルコール変性シリコーンと併用することが可能であり、これらのシリコーン系のノニオン性界面活性剤は、アルキル分岐直鎖シリコーン分岐、シロキサンデンドリマー分岐等が親水基と同時に必要に応じ施されていているものも好適に用いることができる。

0190

本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の多価アルコール及び/又は低級一価アルコールを用いることができる。これらのアルコール類は、特許文献27の段落0159,0160等に開示されたものと共通である。

0191

本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の無機塩類及び/又は有機酸塩を用いることができる。これらの塩類は、出願人らが特許文献27の段落0161等に開示されたものと共通である。

0192

本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、架橋性オルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体シリコーン樹脂アクリルシリコーンデンドリマーコポリマー、シリコーン生ゴムポリアミド変性シリコーンアルキル変性シリコーンワックスアルキル変性シリコーンレジンワックスからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。これらのシリコーン系成分は、特許文献27の段落0162〜0194等に開示されたものと共通である。

0193

本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の水溶性高分子を用いることができる。これらの水溶性高分子は、特許文献27の段落0201等に開示されたものと共通である。

0194

本発明の化粧料又は外用剤には、その目的に応じて、1種又は2種以上の紫外線防御成分を用いることができる。これらの紫外線防御成分は、特許文献27の段落0202〜0204等に開示された有機系及び無機系の紫外線防御成分と共通であるが、特に、好適に使用できる紫外線防御成分は、微粒子酸化チタン微粒子酸化亜鉛パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び2,4,6-トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニルアニリノ]1,3,5−トリアジン」{INCI:オクチルトリアゾン}、2,4−ビス{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン {INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、商品名:登録商標チノソルブS}等のトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの紫外線防御成分は、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系の紫外線防御成分を併用することが好ましく、UV−Aに対応した紫外線防御成分とUV−Bに対応した紫外線防御成分を併用することが更に好ましい。

0195

本発明の化粧料又は外用剤において、前記グリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物と紫外線防御成分を併用することにより、化粧料全体の感触及び保存安定性を改善しつつ、紫外線防御成分を化粧料中に安定に分散させることができるので、化粧料に優れた紫外線防御機能を付与することができる。

0196

本発明の化粧料又は外用剤には、上記の各成分の他に、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、防菌防腐剤、生理活性成分、美肌用成分、pH調整剤、酸化防止剤、溶媒、キレート剤、保湿成分、香料等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。これらの化粧品用任意成分は、特許文献27の段落0207,0208,0220〜0228等に開示されたものと共通である。

0197

また、本発明に係る化粧料又は外用剤が制汗剤である場合、或いは、その目的に応じて、制汗活性成分デオドラント剤を配合することができる。これらの制汗成分デオドラント成分は、特許文献27の段落0209〜0219等に開示されたものと共通である。同様に、本発明に係る化粧料又は外用剤が制汗剤組成物である場合、各種制汗剤組成物の調製、用法等については、特許文献27の段落0234〜0275等に開示されたものと共通である。

0198

本発明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物の製造方法は、安価且つ簡便であり、廃棄物が少なく、収率又は生産性にも優れ、商業的規模での生産にも無理なく対応可能である。また、本発明の製造方法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、製造後の相分離や未反応原料の沈降等が起こるリスクが極めて小さい。特に、本発明の製造方法により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーンは、使用する温度環境によらず透明性の高い外観及び一定の粘度が維持されるため、不透明な外観に由来する不都合がなく、しかも、取り扱い性に優れている。したがって、本発明は、従来のグリセリン変性シリコーンが有してきた根本的課題を解決したものである。

0199

したがって、本発明のグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、医薬品等の外用剤又は化粧料のみならず、一般工業用途に幅広く使用することが可能であり、グリセリン誘導体変性架橋シリコーンが本来有する界面活性能、乳化・分散効果表面処理効果吸着効果コーティング効果、保湿・水分保持効果、柔軟化効果摩擦低減効果潤滑効果浸透能可溶化・相溶化能、保護効果粘着効果、増粘乃至粘度調整効果、或いは、これら効果の持続性等を、上記各種用途で享受することができる。

0200

具体的には、本発明により得られるグリセリン誘導体変性架橋シリコーン組成物は、外用剤、医薬品又は化粧料用の原料として好適に使用できるほか、例えば、繊維処理剤耐熱耐侯電気特性に優れたワニス塗料添加剤コーティング剤プライマー粘着剤、各種のウレタン発泡材用のポリオール主剤整泡剤改質剤離型剤剥離剤、消泡剤、グリースオイルコンパウンド絶縁艶出し/撥水/熱媒冷媒潤滑用等のオイル、ゴムや樹脂用の改質剤や添加剤や表面処理剤、シランカップリング剤用の配合物や改質剤や前駆体、建築ライニング用のコーティング材シーリング材光ファイバー電線用保護剤潤滑剤やバッファー剤電子電気部品等の一般工業用材料の原料としても好適に使用できる。

0201

以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。

0202

なお、以下の実施例、比較例においては「液状オルガノポリシロキサンNo.Xの製造」等と便宜的に記述しているが、得られた生成物は、主成分の他に少量の未反応原料等をも含有する混合物の形態となっている。試料の粘度は、25℃における粘度(mPa.s)の値であり、E型回転粘度計により測定した。また、得られた各試料の光透過率は以下に述べる方法で、室温(25℃)において測定した。
[光透過率]
光透過率計[島津製作所製,UV−265FW]を用いて、波長750nm、セル厚10mmにおける光透過率(%)を測定した。なお、対照としては精製水を使用した。

0203

下記組成式において、Meはメチル(−CH3)基を表し、Me3SiO基(又は、Me3Si基)を「M」、Me2SiO基を「D」、MeHSiO基を「DH」と表記し、M及びD中のメチル基をいずれかの置換基によって変性した単位を「MR」及び「DR」と表記する。また、製造例中、IPAはイソプロピルアルコールを示す。

0204

[製造例1]
<液状オルガノポリシロキサンNo.1の合成>
テップ1:反応器に平均組成式MD42.9DH6.7M で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン44.1g、ヘキサデセン(αオレフィン純度=91.7%)12.1gを仕込み、窒素流通下攪拌しながら75℃まで加温した。白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のIPA溶液(Pt濃度0.45重量%)を0.10ml添加し、75〜90℃で1時間反応を行なった。

0205

ステップ2:反応液にジグリセリンモノアリルエーテル4.5g、天然ビタミンEを0.01g、IPAを60g添加し、75℃で上記の白金触媒溶液を0.10ml追加投入した。70−80℃で2.5時間反応を行ない、反応液を採取してアルカリ分解ガス発生法(残存したSi−H基をKOHのエタノール/水溶液によって分解し、発生した水素ガス体積から反応率を計算する)により確認したところ、反応率は予定どおりであった。平均組成式MD42.9DR*114.2DR*211.75DH0.75Mで表される中間体が生成していた。

0206

ステップ3:反応液にViM130.3DVi2MViで表されるメチルビニルポリシロキサン39.1gを仕込み、反応系を減圧下で100℃まで加熱してIPAを溜去した。なお、この架橋反応時のVi/Si−Hモル比は4/3(1.33)であった。その後、トルエン100gを添加し、更に上記の白金触媒溶液を0.23ml追加投入して85〜110℃で5.5時間の加熱攪拌を行ったところ、Si−H基がほぼ完全に消費され、反応が完結した。

0207

ステップ4:反応器の内容物に対し、硫酸水素ナトリウム一水和物0.015gを精製水1.5gに溶かした水溶液を仕込み、窒素流通下で攪拌しながら70〜80℃で20分間の酸処理を行った。その後、70℃で減圧し、還流ヘッド部に溜まった水を2方コックの調節によって系外に排出(トルエンは抜かないようにする)し、水分が消失したところで復圧した(酸処理1回目)。次いで、水1.5gを反応器に添加して同様に処理及び水抜きを行い、水分が消失したところで復圧した(酸処理2回目)。再度同じ操作を繰り返した(酸処理3回目)。

0208

ステップ5:反応器の内容物に対し、重曹0.01gを精製水1gに溶解した水溶液を添加し、窒素流通下で攪拌しながら60〜70℃で30分間の中和処理を行った。その後、還流ヘッドの2方コックを全溜出に切り替え、100−110℃で減圧し、水・トルエンその他低沸分の溜出が止まってから1時間加熱減圧状態を維持し、系内の水滴が消失した後に復圧することにより、架橋構造及びグリセリン誘導体基を有する液状オルガノポリシロキサンを主成分として含む反応混合物98.6gを、粘稠な灰褐色不透明均一液体として得た。

0209

ここで、R*11及びR*21は下記のとおりである。
R*11= −C16H33
R*21= —C3H6O−X {Xはジグリセリン部で、(C3H6O2)n−H,n=2.0}
Vi=−CH=CH2

0210

[比較例1]
<液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む比較用組成物RE−1>
製造例1で得られた粘稠な灰褐色不透明均一液体(グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物)を、そのまま試料として用いた。

0211

[比較例2]
<液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む比較用組成物RE−2の調製>
製造例1で得られた粘稠な灰褐色不透明均一液体(グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物)12.04gを35mlガラス瓶に採取し、FZ−3196(東レ・ダウコーニング社製、カプリリルメチコン)12.04g(製造例1で得られた反応混合物に対して100重量%相当)を添加した。振り混ぜて、更にステンレス製スパチュラで約3分間、全体をよくかき混ぜて均質化を試みたところ、灰褐色不透明濁り液体が得られた。

0212

[実施例1]
<液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む実施例組成物1の調製>
製造例1で得られた粘稠な灰褐色不透明均一液体(グリセリン誘導体変性架橋シリコーンを主成分として含む反応混合物)24.0127gを35mlガラス瓶に採取し、イオン交換水0.3090g(当該反応混合物に対して1.29重量%相当)を添加した。ステンレス製スパチュラで全体をよくかき混ぜて均質化を試みたところ、この微量の水混合により一気に増粘してシリコーンガム状に変化し、手動でのスパチュラによる攪拌が困難(高粘度)となった。しかも、驚いたことに、外観の濁りが大幅に低減し、半透明化していた。そこで、相溶化効果を促進する目的で、ガラス瓶に栓をしてサンプルを50℃恒温槽中に20分間静置することにより加温し、流動性が出た状態で取り出して5分間スパチュラによる混合攪拌を行ない、全体をよく触れ合わせた。その後、泡消しのために再度 50℃恒温槽中に30分間静置したところ、驚いたことに殆ど完全に透明な、淡褐色均一液体(非常に粘稠〜ガム状)が生成しているのを見出した。

0213

[実施例2]
<液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む実施例組成物2の調製>
製造例1で得られた粘稠な灰褐色不透明均一液体12.0625gを35mlガラス瓶に採取し、FZ−3196(東レ・ダウコーニング社製、カプリリルメチコン)12.0625g(当該反応混合物に対して100重量%相当)を添加した。振り混ぜて、更にステンレス製スパチュラで約3分間、全体をよくかき混ぜて均質化したのち、更にイオン交換水0.1807g(当該反応混合物に対して1.27重量%相当)を添加した。ステンレス製スパチュラで全体をよくかき混ぜて均質化したのち、ガラス瓶に栓をしてサンプルを50℃恒温槽中に10分間静置することにより加温し、低粘度化した状態で取り出して5分間スパチュラによる混合攪拌を行ない、全体をよく触れ合わせた。再度50℃恒温槽中に10分間静置+取り出して同様に5分間の混合攪拌を行った後、泡消しのために50℃恒温槽中に30分間静置したところ、驚いたことに半透明〜透明の淡褐色均一液体(粘稠)が生成しているのを見出した。

0214

上記の方法で調製された、本発明に係る、架橋構造及びグリセリン誘導体基を有する液状オルガノポリシロキサンを主成分として含有する安定化された組成物である、「液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む実施例組成物1,2」、比較例に係る「液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む比較用組成物RE−1〜RE−2」の内容を、以下の表1及び2に示す。

0215

注*1)主成分である、架橋構造及びグリセリン誘導体基を有する液状オルガノポリシロキサンの化学構造にかかわる情報を、架橋反応前の2成分の平均組成式により示す。

0216

表中、官能基の構造及びその分類は、以下の通りである。
<グリセリン誘導体基:R*2>
R*21= —C3H6O−X {Xはジグリセリン部で、(C3H6O2)n−H,n=2.0}
<その他の有機基:R*1>
R*11= −C16H33
<ビニル基:Vi>
Vi=−CH=CH2

0217

注*2)架橋構造及びグリセリン誘導体基を有する液状オルガノポリシロキサンを主成分として含む反応混合物の、試料中の濃度(重量%)を示す。
注*3)試料の室温における光透過率T%(波長750nm、セル厚10mm)を示す。
注*4)試料の25℃における粘度(mPa.s)の値であり、E型回転粘度計により測定した数値を示す。

0218

安定性試験1]
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の試料各12gを35mlガラス瓶に入れて密栓した。これらを50℃恒温槽中に入れて1ヶ月間静置した。その後、50℃における試料外観を観察した後、恒温槽から取り出して室温に戻し、各試料の外観を観察し、光透過率及び粘度の測定を行った。結果を表3に示す。

0219

注*5)試料の室温における光透過率T%(波長750nm、セル厚10mm)を示す。
注*6)粘度の初期値からの変化率%を示す。
注*7)若干の相分離があったため、スパチュラにより攪拌し均質化後、測定を行った。なお、分離した上相下相の親和性が良好かつ流動特性も近かったため、軽い撹拌で容易に半透明〜透明のほぼ均一液体に回復した。

0220

[安定性試験2]
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の試料各12gを35mlガラス瓶に入れて密栓した。これらを−5℃冷蔵庫中に入れて1ヶ月間静置した。その後、−5℃における試料外観を観察した後、冷蔵庫から取り出して室温に戻し、各試料の外観を観察し、光透過率及び粘度の測定を行った。結果を表4に示す。

0221

注*5)試料の室温における光透過率T%(波長750nm、セル厚10mm)を示す。
注*6)粘度の初期値からの変化率%を示す。

0222

以上の結果より、実施例の試料は比較例の試料よりも、外観上の透明性と均質性という点で遥かに優れており、高温でも低温でもその優位性は変わらないことが確認された。

0223

また、実施例の試料の粘度は、高温及び低温の履歴を経た後でも±5%未満の変動範囲内に安定しており、実用上の問題がないことも確認できた。

0224

以下、本発明に係る化粧料及び外用剤についてその処方例を示して説明するが、本発明に係る化粧料及び外用剤はこれらの処方例に記載の種類、組成に限定されるものではない。

0225

[先願に既に開示された処方]
本発明に係るグリセリン誘導体変性架橋シリコーンを含む安定化された組成物は、様々な外用剤、化粧料に用いることができる。その具体的な処方例としては、例えば、特許文献27(国際公開特許WO2011/049248号公報)に記載された各種化粧料・外用剤の処方例1〜43中のシリコーン化合物No.1〜No.16に相当する成分及び/又は各種ポリエーテル変性シリコーンを、本発明に係る、架橋構造及びグリセリン誘導体基を有する液状オルガノポリシロキサンを主成分として含有する安定化された組成物(液状オルガノポリシロキサンNo.1を含む実施例組成物1〜2)で置き換えたものが挙げられる。

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