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技術 ポリアリーレンスルフィド組成物

出願人 東ソー株式会社
発明者 宗藤俊彦田中真司
出願日 2012年12月21日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2012-279643
公開日 2014年7月3日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-122291
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 短冊状板 液性エポキシ接着剤 硫化水素ナトリウム水溶液 ポテンシオメーター 小型スイッチ 接着代 ナイフスイッチ OA機器部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年7月3日)のものです。
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課題

電気電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に有用な、寸法精度に優れると同時に、エポキシ樹脂金属部材等との接着強度にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供する。

解決手段

ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、少なくとも、エステル基として、炭素数1〜12のアルキル基分岐状アルキル基環状アルキル基のいずれかを独立に有するフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂5〜150重量部を含んでなるポリアリーレンスルフィド組成物。

概要

背景

ポリアリーレンスルフィドは、耐熱性耐薬品性などに優れた特性を示す樹脂であり、その優れた特性を生かし、電気電子機器部材自動車機器部材およびOA機器部材等に幅広く使用されている。そして、これら用途における技術進歩はめざましいものであり、これらを構成する原材料には常に従来品を上回る性能を要求され、その対応としてポリアリーレンスルフィドと様々な樹脂材料との組成物が提案されている。

ポリアリーレンスルフィドの寸法精度を向上するものとしてポリアリーレンスルフィドと非晶性樹脂であるポリアリーレンエーテルとの組成物(例えば特許文献1参照。)が提案され、また、特許文献1に提案の組成物をさらに改良したものとして、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリイソシアネート及び無機固体からなり、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物を含有しない組成物、オリゴマー抽出量が1重量%以下、揮発分が1000ppm以下の架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂ポリフェニレンエーテル無機充填剤からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献2,3参照。)。

さらに、熱安定性溶融流動性機械的強度あるいは成形性を損なうことなく、エポキシ樹脂などとの接着性を改良したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物として、ポリフェニレンスルフィド樹脂オレフィン系共重合体カルボン酸アマイドワックスからなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)、(a)ポリアリーレンスルフィド、(b)共重合ポリエステル、(c)オレフィン系共重合体を配合する樹脂組成物(例えば特許文献5参照。)、(a)ポリアリーレンスルフィド、(b)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(c)オキサゾリン基含有非晶性ポリマーからなる樹脂組成物(例えば特許文献6参照。)等が提案されている。

また、透明性に優れ、光学材料にも優れたものとして、例えばフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂(例えば特許文献7参照。)、フマル酸ジエステル残基単位とオキセタニル基を有する(メタアクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなるフマル酸ジエステル系樹脂(例えば特許文献8参照。)、フマル酸ジイソプロピルフマル酸ジシクロヘキシルからなる単独重合体(例えば特許文献9参照。)、等が提案されている。

概要

電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に有用な、寸法精度に優れると同時に、エポキシ樹脂、金属部材等との接着強度にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供する。ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、少なくとも、エステル基として、炭素数1〜12のアルキル基分岐状アルキル基環状アルキル基のいずれかを独立に有するフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂5〜150重量部を含んでなるポリアリーレンスルフィド組成物。なし

目的

本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性を損なうことなく、寸法精度に優れると同時にエポキシ樹脂、金属部材等との接着強度が高いポリアリーレンスルフィド組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、少なくとも、下記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂5〜150重量部を含んでなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物。(ここで、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基分岐状アルキル基環状アルキル基を示す。)

請求項2

フマル酸ジエステル系樹脂が、上記一般式(1)で示されるフマル酸ジエステル残基単位と下記一般式(2)で示されるオキセタニル基を有する(メタアクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で示されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなるフマル酸ジエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。(ここで、R3は水素メチル基、R4は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、n=1または2を示す。)(ここで、R5は水素、メチル基、R6は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基を示す。)

請求項3

ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し、さらに充填剤10〜150重量部を含んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。

請求項4

ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し、さらにカルナバワックスポリプロピレンワックスポリエチレンワックスカルボン酸アマイド系ワックスからなる群より選択される離型剤0.05〜5重量部を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド組成物。

技術分野

0001

本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性耐薬品性などを損なうことなく、寸法精度に優れると同時に、エポキシ樹脂金属部材等との接着強度にも優れ、電気電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。

背景技術

0002

ポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性などに優れた特性を示す樹脂であり、その優れた特性を生かし、電気・電子機器部材自動車機器部材およびOA機器部材等に幅広く使用されている。そして、これら用途における技術進歩はめざましいものであり、これらを構成する原材料には常に従来品を上回る性能を要求され、その対応としてポリアリーレンスルフィドと様々な樹脂材料との組成物が提案されている。

0003

ポリアリーレンスルフィドの寸法精度を向上するものとしてポリアリーレンスルフィドと非晶性樹脂であるポリアリーレンエーテルとの組成物(例えば特許文献1参照。)が提案され、また、特許文献1に提案の組成物をさらに改良したものとして、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリイソシアネート及び無機固体からなり、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸無水物を含有しない組成物、オリゴマー抽出量が1重量%以下、揮発分が1000ppm以下の架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂ポリフェニレンエーテル無機充填剤からなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献2,3参照。)。

0004

さらに、熱安定性溶融流動性機械的強度あるいは成形性を損なうことなく、エポキシ樹脂などとの接着性を改良したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物として、ポリフェニレンスルフィド樹脂オレフィン系共重合体カルボン酸アマイドワックスからなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)、(a)ポリアリーレンスルフィド、(b)共重合ポリエステル、(c)オレフィン系共重合体を配合する樹脂組成物(例えば特許文献5参照。)、(a)ポリアリーレンスルフィド、(b)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(c)オキサゾリン基含有非晶性ポリマーからなる樹脂組成物(例えば特許文献6参照。)等が提案されている。

0005

また、透明性に優れ、光学材料にも優れたものとして、例えばフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂(例えば特許文献7参照。)、フマル酸ジエステル残基単位とオキセタニル基を有する(メタアクリル酸エステル残基単位及び/又はテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位よりなるフマル酸ジエステル系樹脂(例えば特許文献8参照。)、フマル酸ジイソプロピルフマル酸ジシクロヘキシルからなる単独重合体(例えば特許文献9参照。)、等が提案されている。

先行技術

0006

特公昭56−034032号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開平05−194699号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開2005−264124号公報(例えば特許請求の範囲参照)
特開平09−003326号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開平11−228828号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開2000−103964号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開2006−162748号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開2006−193616号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特公平05−040281号公報(例えば特許請求の範囲参照。)

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、特許文献1に提案された樹脂組成物においては、特にポリフェニレンエーテルとポリフェニレンスルフィドとの親和性に課題があり、機械的特性等にまだ課題を有するものであった。また、特許文献2,3に提案された樹脂組成物においては、その機械的特性等については改良されたものではあったが、成形加工性発生ガス環境負荷等にまだ課題が見られるものであった。

0008

さらに、特許文献4〜6に提案された樹脂組成物は、機械的特性、接着性等の改善効果は見られるものの、耐熱性、耐溶剤性熱老化性等に課題が見られるものであった。

0009

また、特許文献7〜9に提案された樹脂は、透明性に優れ、光学フィルム等としての適正が述べられているものではあるが、他樹脂材料との混合物、その特性に関してはなんら検討のなされていないものである。

0010

そこで、本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性を損なうことなく、寸法精度に優れると同時にエポキシ樹脂、金属部材等との接着強度が高いポリアリーレンスルフィド組成物を提供することを目的とし、さらに詳しくは、電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィドにフマル酸ジエステル系重合体を含んでなるポリアリーレンスルフィド組成物とすることで、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性を損なうことなく、寸法精度に優れると同時にエポキシ樹脂、金属部材等との接着強度が高い組成物となりうることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0012

即ち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、少なくとも、下記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂5〜150重量部を含んでなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。

0013

(ここで、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基分岐状アルキル基環状アルキル基を示す。)
以下、本発明に関し詳細に説明する。

0014

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、少なくとも、上記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるフマル酸ジエステル系樹脂5〜150重量部を含んでなるものである。

0015

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリアリーレンスルフィドとしては、ポリアリーレンスルフィドと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、その中でも、得られるポリアリーレンスルフィド組成物が機械的強度、靭性耐衝撃性ウェルド強度、成形加工性に優れたものとなることから測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターで測定した溶融粘度が100〜30000ポイズであるポリアリーレンスルフィドが好ましく、特に200〜20000ポイズであるものが好ましい。

0016

該ポリアリーレンスルフィドとしては、その構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましい。

0017

そして、他の構成成分としては、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位ジフニレスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位等を挙げることができ、その中でも接着性、靭性、耐衝撃性、ウェルド強度、機械的強度のバランスに優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからポリ(p−フェニレンスルフィド)が好ましい。

0018

該ポリアリーレンスルフィドの製造方法としては、特に制限はなく、一般的にポリアリーレンスルフィドの製造方法として知られている方法により製造すればよく、例えば重合溶媒中で、アルカリ金属硫化物ジハロ芳香族化合物とを反応する方法により製造することが可能である。アルカリ金属硫化物としては、例えば硫化リチウム硫化ナトリウム硫化カリウム硫化ルビジウム、硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは水和物の形で使用しても差し支えない。また、これらアルカリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基とを反応させることによって得られるが、ジハロ芳香族化合物の重合系内への添加に先立ってその場で調製されても、また系外で調製されたものを用いても差し支えない。また、ジハロ芳香族化合物としては、例えばp−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニル等が挙げられる。また、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物との仕込み比は、アルカリ金属硫化物/ジハロ芳香族化合物=1/0.9〜1.1(モル比)の範囲とすることが好ましい。

0019

重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、特に非プロトン性高温でのアルカリに対して安定な有機アミドが好ましい溶媒である。該有機アミドとしては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル2−ピロリドンN−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンジメチルスルホキシドスルホランテトラメチル尿素及びその混合物、等が挙げられる。また、該重合溶媒は、重合によって生成するポリマーに対し150〜3500重量%で用いることが好ましく、特に250〜1500重量%となる範囲で使用することが好ましい。重合は200〜300℃、特に220〜280℃にて0.5〜30時間、特に1〜15時間攪拌下にて行うことが好ましい。

0020

さらに、ポリアリーレンスルフィドは、直鎖状のものであっても、酸素存在下高温で処理し、架橋したものであっても、トリハロ以上のポリハロ化合物を少量添加して若干の架橋または分岐構造を導入したものであっても、窒素等の非酸化性不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。中でも該ポリアリーレンスルフィドとして、得られるポリアリーレンスルフィド組成物が、特にエポキシ樹脂等との接着性、靭性、耐衝撃性、ウェルド強度、のバランスに優れたものとなることから、アリーレンスルフィド単位あたり0.05〜5モル%に相当する官能基を有する官能基含有ポリアリーレンスルフィド及び/又は直鎖状ポリアリーレンスルフィドであることが好ましい。

0021

該官能基含有ポリアリーレンスルフィドとしては、例えばアミノ基含有ポリアリーレンスルフィドカルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド、チオール基含有ポリアリーレンスルフィド、水酸基含有ポリアリーレンスルフィド等を挙げることができ、その中でも入手の容易さよりアミノ基含有ポリアリーレンスルフィドであることが好ましい。

0022

該官能基含有ポリアリーレンスルフィドは、例えばアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させる際に、官能基含有芳香族ハロゲン化合物共存させ重合を行う方法により製造することが可能である。

0023

該官能基含有芳香族ハロゲン化合物としては、アミノ基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、3,5−ジアミノクロロベンゼン、2−アミノ−4−クロロトルエン、2−アミノ−6−クロロトルエン、4−アミノ−2−クロロトルエン、3−クロロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジブロモアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロアニリン、3,5−ジアミノクロロベンゼンが好ましい。カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロ安息香酸、2,6−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸、2,5−ジブロモ安息香酸、2,6−ジブロモ安息香酸、3,5−ジブロモ安息香酸、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロ安息香酸が好ましい。チオール基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロチオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、3,5−ジクロロチオフェノール、2,5−ジブロモチオフェノール、2,6−ジブロモチオフェノール、3,5−ジブロモチオフェノール、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロチオフェノールが好ましい。水酸基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,5−ジブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロフェノールが好ましい。

0024

一方、該直鎖状ポリアリーレンスルフィドとしては、直鎖状ポリアリーレンスルフィドと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、例えば特公昭52−12240号公報に記載の方法により製造することが可能である。

0025

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するフマル酸ジエステル系樹脂は、上記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるものである。そして、該フマル酸ジエステル系樹脂としては、上記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなり、ゲル・パーミエイションクロマトグラフィーにより求めた標準ポリスチレン換算の数平均分子量が10000以上、特に30000〜5000000のものであることが好ましい。ここで、フマル酸ジエステル系樹脂が該フマル酸ジエステル残基単位50モル%未満からなるものである場合、得られる組成物は、耐熱性、寸法精度、接着性に劣るものとなる。

0026

該フマル酸ジエステル残基単位中のR1、R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基であり、フッ素塩素等のハロゲンエーテル基エステル基若しくはアミノ基で置換されていても良く、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基エチル基プロピル基ブチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜12の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜12の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でも耐熱性、機械的特性、寸法精度に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからイソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。ここで、R1、R2が炭素数12より大きい直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基の場合、得られる組成物は、耐熱性、機械特性の低下したものとなる。上記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位としては、具体的には、例えばフマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジプロピル残基、フマル酸ジブチル残基、フマル酸ジヘキシル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジ−s−ペンチル残基、フマル酸ジ−t−ペンチル残基、フマル酸ジ−s−ヘキシル残基、フマル酸ジ−t−ヘキシル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられ、その中でもフマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピル残基が好ましい。

0027

また、該フマル酸ジエステル系樹脂は、上記一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上からなるものであり、実質的には一般式(1)に示されるフマル酸ジエステル残基単位50モル%以上、他の単量体からなる残基単位50モル%未満からなり、その中でも耐熱性、機械的特性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることからフマル酸ジエステル残基単位が70モル%以上であることが好ましく、特に80モル%以上であることが好ましい。

0028

前記他の単量体からなる残基単位としては、例えばスチレン残基α−メチルスチレン残基等のスチレン類残基;アクリル酸残基アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基等のアクリル酸エステル類残基;メタクリル酸残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基等のメタクリル酸エステル類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基等のビニルエステル類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;エチレン残基、プロピレン残基等のオレフィン類残基;等の1種又は2種以上を挙げることができる。

0029

そして、その中でも、特にポリアリーレンスルフィド組成物とした際に、相溶性に優れ、接着性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、下記一般式(2)で示されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で示されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位であることが好ましい。

0030

(ここで、R3は水素、メチル基、R4は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、n=1または2を示す。)

0031

(ここで、R5は水素、メチル基、R6は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基を示す。)
上記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は上記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位における、一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位中のR3は水素、メチル基であり、R4は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基であり、nは1または2である。R4における炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。

0032

そして、具体的な一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位としては、例えばアクリル酸−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル残基、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル残基等が挙げられる。

0033

また、上記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位のR5は水素、メチル基であり、R6は水素、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基である。R6における炭素数1〜4の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。

0034

そして、具体的な一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位としては、例えばアクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、アクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル残基等が挙げられる。

0035

そして、これら(メタ)アクリル酸エステル残基単位の中でも、特に耐熱性、機械強度。寸法精度、接着性に優れたポリアリーレンスルフィド組成物が得られることからアクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基が特に好ましく用いられる。

0036

本発明で用いるフマル酸ジエステル系樹脂の製造方法としては、該フマル酸ジエステル系樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよく、例えばフマル酸ジエステル類の単量体をラジカル重合する方法、あるいはフマル酸ジエステル類と共重合可能な単量体とをラジカル共重合する方法により製造することができる。この際のフマル酸ジエステル類としては、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−s−ブチル、フマル酸ジ−t−ブチル、フマル酸ジ−s−ペンチル、フマル酸ジ−t−ペンチル、フマル酸ジ−s−ヘキシル、フマル酸ジ−t−ヘキシル、フマル酸ジシクロプロピル、フマル酸ジシクロペンチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が挙げられ、フマル酸ジエステル類と共重合可能な単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;等の1種又は2種以上を挙げることができる。

0037

そして、上記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位を誘導するオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル、アクリル酸−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル、アクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−メチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−プロピル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−n−ブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−イソプロピル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−イソブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−sec−ブチル−3−オキセタニルエチル、メタクリル酸−3−tert−ブチル−3−オキセタニルエチル等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチルが好ましい。

0038

上記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位を誘導するテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル、アクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−メチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−エチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−プロピルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−n−ブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−イソプロピルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−イソブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−sec−ブチルテトラヒドロフルフリル、メタクリル酸−2−tert−ブチルテトラヒドロフルフリル等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルが好ましい。

0039

ラジカル重合あるいはラジカル共重合を行う際には、公知の重合法にて行うことができ、例えば塊状重合法溶液重合法懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。

0040

ラジカル重合あるいはラジカル共重合を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイドラウリルパーオキサイドオクタノイルパーオキサイドアセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、パーブチルピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。

0041

ラジカル重合あるいはラジカル共重合を行う際に使用可能な溶媒としては、特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒メタノールエタノールプロピルアルコールブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサンテトラヒドロフランアセトンメチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル等が挙げられ、これらの混合溶媒も用いることができる。

0042

ラジカル重合あるいはラジカル共重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。

0043

そして、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド100重量部に対して、少なくとも、該フマル酸ジエステル系樹脂5〜150重量部を含んでなるものである。ここで、フマル酸ジエステル系樹脂が5重量部未満である場合、得られる組成物は、寸法精度、接着性に劣るものとなる。一方、フマル酸ジエステル系樹脂が150重量部を越える場合、得られる組成物は耐熱性に劣るものとなる。

0044

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、一般的な樹脂組成物に配合されている充填材を配合してなるものであってもよく、該充填材としては、繊維状充填材として、例えばガラス繊維炭素繊維チタン酸カリウムウィスカ酸化亜鉛ウィスカ硼酸アルミニウムウィスカアラミド繊維アルミナ繊維炭化珪素繊維アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維等が例示でき、その中でも、特に機械的強度に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ガラス繊維、炭素繊維が好ましい。また、非繊維状充填材としては、例えばワラストナイトゼオライトセリサイトカオリンマイカクレーパイロフィライトベントナイトタルクアルミナシリケート等の珪酸塩酸化アルミニウム酸化珪素酸化マグネシウム酸化ジルコニウム酸化チタン酸化亜鉛酸化鉄等の酸化物炭酸カルシウム炭酸マグネシウムドロマイト等の炭酸塩硫酸カルシウム硫酸バリウム等の硫酸塩;窒化珪素窒化硼素窒化アルミニウム等の窒化物ガラスフレークガラスビーズ等;金属ケイ素を例示でき、その中でも、特に寸法安定性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、マイカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ガラスビーズが好ましい。また、該充填材は、該ポリアリーレンスルフィド組成物の機械的強度が高いものとなることから、イソシアネート系化合物シラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤エポキシ化合物等で表面処理したものであっても良い。

0045

該充填材の配合量は、特に機械的強度、寸法精度に優れたポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し10〜150重量部であることが好ましい。

0046

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、成形品とする際の金型離型性外観を改良するために離型剤を配合してなることが好ましい。該離型剤としては、例えばカルナバワックスポリプロピレンワックスポリエチレンワックスカルボン酸アマイド系ワックス等が挙げられる。該カルナバワックスとしては、一般的な市販品を用いることができ、例えば(商品名)精製カルナバ1号粉(日興ファインプロダクツ製)等を挙げることができる。また、該カルボン酸アマイド系ワックスとは、高級脂肪族モノカルボン酸多塩基酸及びジアミンからなる重縮合物でありこの範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばステアリン酸セバシン酸エチレンジアミンからなる重縮合物である、(商品名)ライトアマイドWH−255(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。

0047

該離型剤の配合量は、特に成形加工時に金型汚染等の問題を引き起こす可能性が低く、金型離型性、成形品の外観に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ポリアリーレンスルフィド100重量部に対し0.05〜5重量部であることが好ましい。

0048

さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、従来公知の熱安定剤酸化防止剤紫外線吸収剤結晶核剤発泡剤金型腐食防止剤難燃剤難燃助剤染料顔料等の着色剤帯電防止剤等の添加剤を1種以上併用しても良い。

0049

さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂フェノール樹脂ポリイミドシリコン樹脂ポリオレフィンポリエステルポリアミドポリフェニレンオキサイドポリカーボネートポリスルホンポリエーテルイミドポリエーテルスルホンポリエーテルケトンポリエーテルエーテルケトン等の1種以上を混合して使用することができる。

0050

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物の製造方法としては、従来使用されている加熱溶融混練方法を用いることができる。例えば単軸または二軸押出機ニーダーミルブラベンダー等による加熱溶融混練方法が挙げられ、特に混練能力に優れた二軸押出機による溶融混練方法が好ましい。また、この際の混練温度は特に限定されるものではなく、通常280〜400℃の中から任意に選ぶことが出来る。また、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、射出成形機押出成形機トランスファー成形機圧縮成形機等を用いて任意の形状に成形することができる。

0051

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、発電機、電動機、変圧器変流器電圧調整器整流器インバーター継電器電力接点開閉器遮断機ナイフスイッチ、他極ロッド電気部品キャビネットソケット抵抗器リレーケースなどの電気機器部品用途に特に適している他、センサーLEDランプコネクター小型スイッチコイルボビンコンデンサーバリコンケース光ピックアップ発振子、各種端子板、変成器プラグプリント基板チューナースピーカーマイクロフォンヘッドフォン小型モーター磁気ヘッドベースパワーモジュール半導体液晶FDキャリッジ、FDDシャーシハードディスクドライブ部品(ハードディスクドライブハブ、アクチュエーターハードディスク基板など)、DVD部品(光ピックアップなど)、モーターブラッシュホルダーパラボラアンテナコンピューター関連部品などに代表される電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロンヘアードライヤー炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品オーディオレーザーディスク登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具モーター部品ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品;顕微鏡双眼鏡カメラ時計などに代表される光学機器精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース排気ガスバルブなどの各種バルブ燃料関係・排気系・吸気系各種パイプエアーインテークノズルスノーケルインテークマニホールド燃料ポンプエンジン冷却水ジョイントキャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー排気ガスセンサー冷却水センサー、油温センサーブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサークランクシャフトポジションセンサーエアーフローメーターブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラータービンベインワイパーモーター関係部品デュトリビューター、スタータースイッチスターターリレートランスミッションワイヤーハーネスウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイルヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板ステップモーターローターランプソケットランプリフレクターランプハウジングブレーキピストンソレノイドボビンエンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などの各種用途に用いることができる。

発明の効果

0052

本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性などを損なうことなく、寸法精度に優れると同時に、エポキシ樹脂、金属部材等との接着強度にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供するものであり、該ポリアリーレンスルフィド組成物は、特に電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に有用なものである。

0053

次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例になんら制限されものではない。

0054

実施例及び比較例において、ポリアリーレンスルフィド、フマル酸ジエステル系樹脂、充填剤、離型剤として以下のものを用いた。

0055

<ポリアリーレンスルフィド>
アミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(1)と記す。):溶融粘度1600ポイズ、フェニレンスルフィド単位当たりのアミノ基含有量0.1モル%。
直鎖状ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(1)と記す。):溶融粘度350ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(2)と記す。):溶融粘度3000ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(3)と記す。):溶融粘度3000ポイズ。

0056

<フマル酸ジエステル系樹脂>
フマル酸ジイソプロピル単独重合体(以下、単にフマル酸ジエステル系樹脂(1)と記す。);数平均分子量60000。
フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸メチル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(2)と記す。);数平均分子量65000、フマル酸ジイソプロピル残基単位82モル%、アクリル酸メチル残基単位18モル%。
フマル酸ジイソプロピル−酢酸ビニル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(3)と記す。);数平均分子量87000、フマル酸ジイソプロピル残基単位74モル%、酢酸ビニル残基単位26モル%。
フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(4)と記す。);数平均分子量81000、フマル酸ジイソプロピル残基単位86モル%、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位14モル%。
フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(5)と記す。);数平均分子量47000、フマル酸ジイソプロピル残基単位96モル%、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位4モル%。
フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸テトラヒドロフルフリル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(6)と記す。);数平均分子量40000、フマル酸ジイソプロピル残基単位95モル%、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位5モル%。
フマル酸ジイソプロピル−アクリル酸テトラヒドロフルフリル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(7)と記す。);数平均分子量50000、フマル酸ジイソプロピル残基単位64モル%、アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位36モル%。
フマル酸ジイソプロピル−メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(8)と記す。);数平均分子量120000、フマル酸ジイソプロピル残基単位80モル%、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位20モル%。
フマル酸ジイソプロピル−メタクリル酸テトラヒドロフルフリル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(9)と記す。);数平均分子量50000、フマル酸ジイソプロピル残基単位90モル%、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位10モル%。

0057

<離型剤>
カルナバワックス;日興ファインプロダクツ製、(商品名)精製カルナバ1号粉末
カルボン酸アマイド系ワックス;共栄社化学(株)製、(商品名)ライトアマイドWH−255;ステアリン酸、セバシン酸、エチレンジアミンの重縮合物。

0058

<充填剤>
ガラス繊維;エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製、(商品名)RES03−TP91;繊維径9μm、繊維長3mm。
炭酸カルシウム;白石工業(株)製、(商品名)ホワイトンP−30;平均粒子径4.3μm。

0059

<合成例1(PPS(1)の合成)>
攪拌機装備する50リットルオートクレーブに、フレーク硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)6214g及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み窒素気流攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7278g、3,5−ジクロロアニリン11.7g、N−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が400ポイズのアミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。これを、さらに酸素雰囲気下250℃で2時間硬化を行いアミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(1)と記す。)を得た。

0060

得られたPPS(1)の溶融粘度は1600ポイズであり、フェニレンスルフィド単位あたりのアミノ基含有量は0.1モル%であった。

0061

<合成例2(PPS(2)の合成)>
攪拌機を装備する50リットルチタン製オートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン10773g、47%硫化水素ナトリウム水溶液5607g及び48%水酸化ナトリウム水溶液3807gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、4533gの水を溜出させた。この系を170℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン7060gとN−メチル−2−ピロリドン5943gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて1時間重合し、続けて250℃まで昇温し、250℃にて2時間重合した。更に、250℃で水1503gを圧入し、再度255℃まで昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリー固液分離した。ポリマーをN−メチル−2−ピロリドン、アセトン及び水で順次洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、PPS(2)を得た。

0062

得られたPPS(2)は直鎖状のものであり、その溶融粘度は350ポイズであった。

0063

<合成例3(PPS(3)の合成)>
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)6214g及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7160g、N−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が280ポイズのポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。これを、さらに酸素雰囲気下250℃で4時間硬化を行いPPS(3)を得た。

0064

得られたPPS(3)の溶融粘度は、3000ポイズであった。

0065

合成例1〜3により得られたポリアリーレンスルフィドの評価・測定方法を以下に示す。

0066

〜アミノ基含有量の測定〜
赤外線吸収スペクトル測定装置により、1900cm−1の吸収(ベンゼン環のC−H面外偏角振動)と、3387cm−1の吸収(アミノ基のN−H伸縮振動)を測定し、該吸収比よりアミノ基含有量を得た。なお、その際の検量線はベンゼンとアニリンの混合物より作成した。

0067

〜溶融粘度測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、商品名CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。

0068

<合成例4(フマル酸ジエステル系樹脂(1)の製造)>
3リットルオートクレーブ中に、部分ケン化ポリビニルアルコール3.68g、蒸留水1800g、フマル酸ジイソプロピル300g、重合開始剤として、パーブチルピバレート0.35gを仕込み、重合温度55℃、重合時間50時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行なった。得られた粒子濾過後、メタノールで十分洗浄し、80℃で一晩乾燥してフマル酸ジイソプロピル単独重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(1)と記す。)を得た。得られたフマル酸ジエステル系樹脂(1)の数平均分子量は60000であった。

0069

<合成例5(フマル酸ジエステル系樹脂(2)の製造)>
3リットルオートクレーブ中に、部分ケン化ポリビニルアルコール3.68g、蒸留水1800g、フマル酸ジイソプロピル267g、アクリル酸メチル13g、重合開始剤として、パーブチルピバレート0.4gを仕込み、重合温度55℃、重合時間24時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行なった。得られた粒子を濾過後、メタノールで十分洗浄し、80℃で一晩乾燥してフマル酸ジイソプロピル−アクリル酸メチル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(2)と記す。)を得た。得られたフマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は65000であり、その組成は、フマル酸ジイソプロピル残基単位82モル%、アクリル酸メチル残基単位18モル%であった。

0070

<合成例6(フマル酸ジエステル系樹脂(3)の製造)>
3リットルオートクレーブ中に、部分ケン化ポリビニルアルコール3.68g、蒸留水1800g、フマル酸ジイソプロピル240g、酢酸ビニル35g、重合開始剤として、パーブチルピバレート0.4gを仕込み、重合温度60℃、重合時間28時間の条件にて懸濁ラジカル重合反応を行なった。得られた粒子を濾過後、メタノールで十分洗浄し、80℃で一晩乾燥してフマル酸ジイソプロピル−酢酸ビニル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(3)と記す。)を得た。得られたフマル酸ジエステル系樹脂(3)の数平均分子量は87000であり、その組成は、フマル酸ジイソプロピル残基単位74モル%、酢酸ビニル残基単位26モル%であった。

0071

<合成例7(フマル酸ジエステル系樹脂(4)の製造)>
攪拌機、冷却管窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル122g(0.609モル)、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル18g(0.106モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:53%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=86/14(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(4)と記す。)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂(4)の数平均分子量は81000であった。

0072

<合成例8(フマル酸ジエステル系樹脂(5)の製造)>
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(分子量2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル137.5g(0.687モル)、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル2.5g(0.015モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:82%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=96/4(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(5)と記す。)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂(5)の数平均分子量は47000であった。

0073

<合成例9(フマル酸ジエステル系樹脂(6)の製造)>
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル134g(0.669モル)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル6g(0.038モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート1.1g(0.006モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:60%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位=95/5(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(6)と記す。)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂(6)の数平均分子量は40000であった。

0074

<合成例10(フマル酸ジエステル系樹脂(7)の製造)>
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル103g(0.514モル)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル37g(0.212モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:65%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位=64/36(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(7)と記す。)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂(7)の数平均分子量は50000であった。

0075

<合成例11(フマル酸ジエステル系樹脂(8)の製造)>
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル115g(0.574モル)、メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル25g(0.136モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:55%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/メタクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=80/20(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(8)と記す。)であった。なお、フマル酸ジエステル共重合体の数平均分子量は120000であった。

0076

<合成例12(フマル酸ジエステル系樹脂(9)の製造)>
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ポリビニルアルコール(重合度2,000、けん化度80%)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル130g(0.649モル)、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル10g(0.059モル)および重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、550rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。共重合反応の終了後、フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することにより共重合体を得た(収率:60%)。1H−NMR測定により、得られた共重合体は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/メタクリル酸テトラヒドロフルフリル残基単位=90/10(モル%)であるフマル酸ジエステル共重合体(以下、フマル酸ジエステル系樹脂(9)と記す。)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は50000であった。

0077

実施例及び比較例で用いた評価・測定方法を以下に示す。

0078

曲げ強度の測定〜
射出成形により長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.2mmの試験片を作製し、該試験片を用いて、ASTMD−790 Method−1(三点曲げ法)に準じ、曲げ強度を測定した。測定装置(島津製作所製、(商品名)AG−5000B)を用い、支点間距離50mm、測定速度1.5mm/分の試験条件で行った。

0079

線膨張係数の測定〜
射出成形により長さ70mm、幅70mm、厚み2mmの平板を作製し、該平板より、樹脂の流動方向(MD)及び樹脂の流動方向に直角な方向(TD)に、それぞれ幅5mm、長さ15mmの短冊状板切り出し、これを線膨張係数測定の試験片とした。次に該試験片を測定装置(アルバック社製、(商品名)DL7000)に装着し、30〜200℃の範囲で、2℃/分の昇温条件のもと、線膨張係数を測定した。さらに、線膨張係数の異方性を評価するために、線膨張係数の(MD)/(TD)比率を算出し、該値が100%に近いほど異方性は小さく、逆に0%に近い、又は100%を大きく越える場合は、異方性が大きい、と判断した。

0080

〜接着強度の測定〜
射出成形機(住友重機械工業(株)製、商品名SE−75S)によって、ASTMD638 1号ダンベル試験片を作製した。試験片をダンベル平行部中心で2つに切断し、二液性エポキシ接着剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名XNR5002及びXNH5002)にて、接着面積1.27cm2(試験片幅1.27cm、接着代1.0cm)、厚さ0.1mmで接着し、100℃×1hr続いて150℃×3hrでエポキシ接着剤を硬化させた。硬化した試験片を引張試験機((株)島津製作所製、商品名オートグラフAG−5000B)で5mm/分で引張り破断強度を測定した。破断強度を接着面積で除して、接着強度とした。また、接着破壊の形態を次の3つに分類した。
凝集破壊);接着強度が高く、接着剤で破壊。
母材(破壊);接着強度が中で、ポリアリーレンスルフィド組成物の試験片が破壊。
界面(破壊);接着強度が低く、ポリアリーレンスルフィド組成物の試験片と接着剤との界面で破壊。

0081

引張強度の測定〜
射出成形によりASTMD−638の1号試験片を作製し、該試験片を用いて、ASTM D−638に準じ、引張強度及び引張伸びを測定した。測定装置(島津製作所製、(商品名)オートグラフAG−5000B)を用い、チャック間距離110mm、測定速度5mm/分の試験条件で行った。引張強度が高いほど機械的強度に優れると判断した。

0082

実施例1
PPS(1)100重量部に対し、フマル酸ジエステル系樹脂(5)40重量部、カルナバワックス0.2重量部の割合で配合して、290℃に加熱した二軸押出機(東機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパー投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を作製した。

0083

該ポリアリーレンスルフィド組成物を、290℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入し、接着強度、熱老化後の接着強度、引張強度、引張伸びを測定するための試験片、シャルピー衝撃強度を測定するための試験片をそれぞれ成形した。これら試験片を用い、接着強度、曲げ強度、引張強度、線膨張係数をそれぞれ評価した。これらの結果を表1に示す。

0084

得られたポリアリーレンスルフィド組成物は、接着強度が高く、接着破壊の形態は凝集破壊であった。また、機械的強度、寸法安定性に優れていた。

0085

実施例2〜9
PPS((1)、(2)、(3))、フマル酸ジエステル系樹脂((1)〜(9))、充填材(ガラス繊維、炭酸カルシウム)、離型剤(カルナバワックス、カルボン酸アマイド系ワックス)を表1に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表1に示す。

0086

得られた全てのポリアリーレンスルフィド組成物は、接着強度が高く、接着破壊の形態は凝集破壊であった。また、機械的強度、寸法安定性に優れていた。

0087

比較例1〜5
PPS((1)、(2))、フマル酸ジエステル系樹脂((1)、(5))、充填剤(ガラス繊維)、離型剤(カルナバワックス)を表2に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表2に示す。

0088

0089

本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性などを損なうことなく、寸法精度に優れると同時に、エポキシ樹脂、金属部材等との接着強度にも優れるものであり、特に電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に有用なものである。

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