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技術 吸収補助シートおよびそれを有する吸収体

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 八重澤貴志
出願日 2012年12月21日 (7年6ヶ月経過) 出願番号 2012-280203
公開日 2014年7月3日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2014-121489
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 不織物 吸収性物品とその支持具
主要キーワード エアードライヤ コンベアオーブン オシボリ 合成繊維シート フォーミング機 ロータリードラム カーディングマシン 吸収対象
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年7月3日)のものです。
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図面 (5)

課題

優れた吸収性能生分解性とを有する吸収補助シートおよび吸収体を提供。

解決手段

吸水性または低粘度の液体への吸液性を有する吸液性シート上に重ねて、該吸液性シートでは吸収困難な高粘度の液体を保持して吸液性シートを補助する吸収補助シートであって、繊維(x1)及び繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下を含有する原料繊維で構成されるエアレイドウェブ熱処理した坪量が50g/m2以上の少なくとも一層の不織布からなり、かつ、見掛け密度が0.015g/cm3以上0.045g/cm3以下であることを特徴とする吸収補助シート。繊維(x1):ポリブチレンサクシネート等から選ばれる樹脂(A)からなる熱融着性繊維。繊維(x2):ポリ乳酸等から選ばれる樹脂(B)と前記樹脂(A)からなる熱融着性繊維。

概要

背景

液体を吸収、保持する吸収体は、様々な用途に用いられている。例えば体液用、排泄物用食品ドリップ用、油吸収用オシボリ用、廃インク用、化粧料用液体芳香剤忌避剤などの揮散体等の吸収性物品の多くは、その構造中にシート状の吸収体を備えている。吸収シートとしては、例えばパルプ繊維親水性樹脂繊維で構成される不織布、親水性樹脂シート等が用いられている。
吸収シートには、吸収した液体、特に水分を保持する保液性が要求される。しかし、保液性の高い吸収シートは、液体を透過させず自らに保持する性質を有するため、液体の吸収速度が遅い傾向があり、吸収シート表面の液体残存量は通常高くなる。吸収シート表面に液体が残存していると、吸収対象物が吸収性物品外に漏れたり、該吸収性物品と接触した部分が汚れる等の原因となる。そこで、吸収性物品においては、吸収シートの上に、吸収シートよりも透過性の高い吸収補助シートを配置することが行われている。このような吸収性物品の吸収補助シートと接した液体は、迅速に吸収補助シートを透過して表面下移行し、その後、吸収体に吸収される。この方法は、吸収対象物が尿などの低粘度の液体である場合は有効である。しかし、吸収対象物が高粘度の液体や固形分を含むもの、例えば粥状食品クリーム状化粧料軟便泥状便などの排泄物は、吸収補助シート上に残存しやすい。

吸収体や吸収性物品の吸収性をより向上させるため、種々の検討がなされている。例えば特許文献1には、粘度、濃度の高いインクに対しても、浸透拡散が円滑に行えるインク吸収体として、天然セルロース繊維主体に形成した乾式不織布ウェブまたはマットからなる基材層の少なくとも片面に、特定の密度と厚さを有するバルキー合成繊維シート層を積層したものが記載されている。特許文献2には、吸収体製品着用者から排出された液体を吸収体本体の表面に分配する分配ユニットを備える吸収体製品が記載されている。特許文献3には、軟便を速やかに肌から遠ざけるとともに、軟便を肌から遠い位置に確実に収容保持できる吸収性物品として、排泄物を透過する表面シートと、排泄物を透過する透過シートと、排泄物を保持する綿状パルプを含む吸収要素とを順に備えたものが記載されている。特許文献4には、尿等の面方向への拡散性に優れるとともに、尿等を速やかに吸収できる吸収性物品として、液透過性の吸収補助シートと液不透過性バックシートと、これらの間に設けられた特定構造吸収性積層体を有するものが記載されている。

近年、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に、生分解性が要求されるようになっている。特に、大量の水と接したときに分解する水解性を有するものは、そのまま水洗トイレット等に流して廃棄できる利点を有することから、種々検討されている。 例えば特許文献5には、水解性が良好で、液の吸収性と防漏性に優れた吸収物品として、肌側表面に現れる液透過性の表面シートと、着衣側表面に現れる水解性の裏面シートとを有し、前記表面シートとして特定の水解性不織布を用いたものが記載されている。

概要

優れた吸収性能と生分解性とを有する吸収補助シートおよび吸収体を提供。吸水性または低粘度の液体への吸液性を有する吸液性シート上に重ねて、該吸液性シートでは吸収困難な高粘度の液体を保持して吸液性シートを補助する吸収補助シートであって、繊維(x1)及び繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下を含有する原料繊維で構成されるエアレイドウェブ熱処理した坪量が50g/m2以上の少なくとも一層の不織布からなり、かつ、見掛け密度が0.015g/cm3以上0.045g/cm3以下であることを特徴とする吸収補助シート。繊維(x1):ポリブチレンサクシネート等から選ばれる樹脂(A)からなる熱融着性繊維。繊維(x2):ポリ乳酸等から選ばれる樹脂(B)と前記樹脂(A)からなる熱融着性繊維。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた吸収性能と生分解性とを有する吸収補助シートおよび吸収体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

吸水性または低粘度の液体への吸液性を有する吸液性シート上に重ねて、該吸液性シートでは吸収困難な高粘度の液体を保持して吸液性シートを補助する吸収補助シートであって、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下を含有する原料繊維で構成されるエアレイドウェブ熱処理した坪量が50g/m2以上の少なくとも一層の不織布からなり、かつ、見掛け密度が0.015g/cm3以上0.045g/cm3以下であることを特徴とする吸収補助シート。繊維(x1):ポリブチレンサクシネートポリヒドロキシブチレートヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトンブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。繊維(x2):ポリ乳酸ポリヒドロキシブチレートポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と、前記樹脂(A)とからなる熱融着性繊維。

請求項2

前記吸収補助シートの厚みの内、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が0.03g/cm3以上であり、反対面側半分の見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さい請求項1に記載の吸収補助シート。

請求項3

前記吸収補助シートの厚みの内、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が、裏面側半分の見掛け密度よりも小さい請求項1に記載の吸収補助シート。

請求項4

前記原料繊維が、さらに、前記樹脂(B)からなる高融点繊維(Y)を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸収補助シート。

請求項5

前記原料繊維が、さらに、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した潜在捲縮性複合繊維(Z)を含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸収補助シート。

請求項6

前記原料繊維が、さらに、ポリビニルアルコール樹脂繊維を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸収補助シート。

請求項7

前記原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下であり、ポリビニルアルコール樹脂繊維の含有量が、前記熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の吸収補助シート。

請求項8

吸収補助シートの厚みが3mm以上40mm以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の吸収補助シート。

請求項9

セルロース繊維の含有量が5質量%以上98質量%以下の原料繊維で構成されるエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる吸収層上に、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の吸収補助シートを積層した吸収体

技術分野

0001

本発明は、吸収補助シートおよびそれを有する吸収体に関する。

背景技術

0002

液体を吸収、保持する吸収体は、様々な用途に用いられている。例えば体液用、排泄物用食品ドリップ用、油吸収用オシボリ用、廃インク用、化粧料用液体芳香剤忌避剤などの揮散体等の吸収性物品の多くは、その構造中にシート状の吸収体を備えている。吸収シートとしては、例えばパルプ繊維親水性樹脂繊維で構成される不織布、親水性樹脂シート等が用いられている。
吸収シートには、吸収した液体、特に水分を保持する保液性が要求される。しかし、保液性の高い吸収シートは、液体を透過させず自らに保持する性質を有するため、液体の吸収速度が遅い傾向があり、吸収シート表面の液体残存量は通常高くなる。吸収シート表面に液体が残存していると、吸収対象物が吸収性物品外に漏れたり、該吸収性物品と接触した部分が汚れる等の原因となる。そこで、吸収性物品においては、吸収シートの上に、吸収シートよりも透過性の高い吸収補助シートを配置することが行われている。このような吸収性物品の吸収補助シートと接した液体は、迅速に吸収補助シートを透過して表面下移行し、その後、吸収体に吸収される。この方法は、吸収対象物が尿などの低粘度の液体である場合は有効である。しかし、吸収対象物が高粘度の液体や固形分を含むもの、例えば粥状食品クリーム状化粧料軟便泥状便などの排泄物は、吸収補助シート上に残存しやすい。

0003

吸収体や吸収性物品の吸収性をより向上させるため、種々の検討がなされている。例えば特許文献1には、粘度、濃度の高いインクに対しても、浸透拡散が円滑に行えるインク吸収体として、天然セルロース繊維主体に形成した乾式不織布ウェブまたはマットからなる基材層の少なくとも片面に、特定の密度と厚さを有するバルキー合成繊維シート層を積層したものが記載されている。特許文献2には、吸収体製品着用者から排出された液体を吸収体本体の表面に分配する分配ユニットを備える吸収体製品が記載されている。特許文献3には、軟便を速やかに肌から遠ざけるとともに、軟便を肌から遠い位置に確実に収容保持できる吸収性物品として、排泄物を透過する表面シートと、排泄物を透過する透過シートと、排泄物を保持する綿状パルプを含む吸収要素とを順に備えたものが記載されている。特許文献4には、尿等の面方向への拡散性に優れるとともに、尿等を速やかに吸収できる吸収性物品として、液透過性の吸収補助シートと液不透過性バックシートと、これらの間に設けられた特定構造吸収性積層体を有するものが記載されている。

0004

近年、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に、生分解性が要求されるようになっている。特に、大量の水と接したときに分解する水解性を有するものは、そのまま水洗トイレット等に流して廃棄できる利点を有することから、種々検討されている。 例えば特許文献5には、水解性が良好で、液の吸収性と防漏性に優れた吸収物品として、肌側表面に現れる液透過性の表面シートと、着衣側表面に現れる水解性の裏面シートとを有し、前記表面シートとして特定の水解性不織布を用いたものが記載されている。

先行技術

0005

特開2000−135797号公報
特開2002−238946号公報
特開2007−097643号公報
特開2012−24206号公報
特開2004−344443号公報

発明が解決しようとする課題

0006

吸収対象物が高粘度である場合、例えば高粘度の液体や固形分を含むものである場合、吸収性能の向上には、高粘度の吸収対象物を迅速に透過し、表面下に吸収し得る透過性と、吸収した吸収対象物に含まれる液体を充分に保持し得る保液性を共に向上させることが必要になる。また、吸収対象物の逆戻りを抑制し、吸収体の表面に高粘度の吸収対象物が残留しない様に、吸収体には吸収対象物に接触する側の面に吸収補助シートを設けることにより、速やかに吸収体内部に高粘度の吸収対象物を取り込む事が必要である。
しかし、従来の吸収体や吸収性物品は、この特性を充分に満足するものとはいえない。特に、生分解性の吸収体や吸収性物品、なかでも水解性の吸収体や吸収性物品の場合、使用し得る原料が限定されており、吸水性能向上のために適用し得る技術も限定される。
したがって、高粘度の吸収対象物であっても迅速に吸収し且つ保持し得る優れた吸収性能と、水解性の吸収体や吸収性物品として使用可能な優れた生分解性とを両立させ得る技術が求められる。

0007

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた吸収性能と生分解性とを有する吸収補助シートおよび吸収体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]
吸水性または低粘度の液体への吸液性を有する吸液性シート上に重ねて、該吸液性シートでは吸収困難な高粘度の液体を保持して吸液性シートを補助する吸液補助シートであって、
下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下を含有する原料繊維で構成されるエアレイドウェブ熱処理した坪量が50g/m2以上の少なくとも一層の不織布からなり、かつ見掛け密度が0.015g/cm3以上0.045g/cm3以下であることを特徴とする吸収補助シート。

繊維(x1):ポリブチレンサクシネートポリヒドロキシブチレートヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトンブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸ポリヒドロキシブチレートポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と、前記樹脂(A)とからなる熱融着性繊維。

0009

[2]
前記吸収補助シートの厚みの内、液体に接触する表面側半分の見掛け密度が0.03g/cm3以上であり、反対面側半分の見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さい[1]に記載の吸収補助シート。
[3]
前記吸収補助シートの厚みの内、液体に接触する表面側半分の見掛け密度が、裏面側半分の見掛け密度よりも小さい[1]に記載の吸収補助シート。
[4]
前記原料繊維が、さらに、前記樹脂(B)からなる高融点繊維(Y)を含有する[1] 乃至[3]のいずれかに記載の吸収補助シート。
[5]
前記原料繊維が、さらに、下記樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した潜在捲縮性複合繊維(Z)を含有する[1]乃至[4]のいずれかに記載の吸収補助シート。

0010

[6]
前記原料繊維が、さらに、ポリビニルアルコール樹脂繊維を含有する[1] 乃至[5]のいずれかに記載の吸収補助シート。
[7]
前記原料繊維中の、前記熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下であり、ポリビニルアルコール樹脂繊維の含有量が、前記熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上である[1] 乃至[6]のいずれかに記載の吸収補助シート。
[8]
吸収補助シートの厚みが3mm以上40mm以下である[1] 乃至[7]のいずれかに記載の吸収補助シート。
[9]
セルロース繊維の含有量が5質量%以上98質量%以下の原料繊維で構成されるエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる吸収層上に、[1]乃至[8]のいずれかに記載の吸収補助シートを積層した吸収体。

発明の効果

0011

本発明によれば、優れた高粘度吸収性能と生分解性とを有する吸収補助シート及び吸収体を提供できる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の第一の実施形態に係る吸収補助シート10の構成を説明する概略縦断面図である。
本発明の第二の実施形態に係る吸収補助シート20の構成を説明する概略縦断面図である。
本発明の第三の実施形態に係る吸収補助シート30の構成を説明する概略縦断面図である。
本発明の第四の実施形態に係る吸収体40の構成を説明する概略縦断面図である。

0013

以下、本発明について、添付の図面を参照し、実施形態例を示して説明する。

0014

<第一の実施形態>
図1は、本発明の第一の実施形態の吸収補助シート10の構成を説明する概略縦断面図である。
吸収補助シート10は、熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下を含有する原料繊維で構成されたエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる。
吸収補助シート10は、吸水性または低粘度の液体への吸液性を有する吸液性シート上に重ねて、該吸液性シートでは吸収困難な高粘度の吸収対象物の液体を保持して吸液性シートを補助することが出来る。 吸収対象物が吸収補助シート10の表面にまず接触するように用いられる。

0015

不織布の製造方法としては、原料繊維からシート状のウェブを形成するウェブ形成工程と、得られたウェブ中の原料繊維を結合させる繊維結合工程とを経る方法が一般的である。 「エアレイドウェブを熱処理した不織布」とは、ウェブ形成工程でエアレイド法によりウェブ(エアレイドウェブ)を形成し、繊維結合工程でサーマルボンド法により原料繊維を結合したものである。エアレイド法とは、空気流を利用して原料繊維を3次元的にランダムに積層させてウェブを形成する方法である。サーマルボンド法は、ウェブに対して熱処理を行ってウェブ中の熱融着性成分(本実施形態においては樹脂(A))を溶融させて原料繊維間に結合を形成させる方法である。エアレイド法とサーマルボンド法を組み合わせることによって、他の方法と比べて、吸収性能に優れた不織布が得られる。
例えば、ウェブの形成方法として、ローラーカード機カーディングマシン)を用い、繊維塊機械的に梳り、繊維長の長い原料繊維によりシート状のウェブを形成するカーディング法がある。カーディング法はエアレイド法と同じ乾式法であるが、得られる不織布は、同じ密度、厚みであっても、エアレイドウェブから形成された不織布の方が、吸収性能に優れ、高粘度の吸収対象物であっても、迅速に吸収し且つ保持し得る。
これは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維長の短い原料繊維を積層させるウェブの形成方法であるため、得られたエアレイドウェブ中では、原料繊維が3次元的にランダムに配向する。このようなウェブに対し、サーマルボンド法を適用することで、得られるエアレイドウェブ中に、高粘度の吸収対象物の吸収、保持に適した空隙が多く形成されるものと考えられる。一方、例えばウェブをカーディング法で形成した場合、得られたカードウェブ中では、繊維がほぼ2次元に配向するため、空隙が少なくなると考えられる。

0016

上述の様に、エアレイド法とサーマルボンド法とを組み合わせた不織布は、見掛け密度が小さく空隙が多いものを得ることが出来、原料繊維間の空隙が大きく、高粘度の吸収対象物であっても迅速に透過し、表面下に吸収し得る優れた透過性を有しており、低粘度の吸収対象物はそのまま下に透過させて下に配置した吸収層、若しくは吸収シートに吸収させることが出来る吸収補助シートとしての使用に適している。 本実施形態においては、見掛け密度が0.015g/cm3以上0.045g/cm3以下の範囲に調節された坪量50g/m2以上のエアレイド不織布である。 また、熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下を含有する原料繊維で構成された本発明の吸収補助シートは、保形性に優れ、例えば吸収対象物の自重による厚みの減少といった型崩れが生じにくい。 そのため、本発明のように特に見掛け密度が小さいエアレイド法とサーマルボンド法とを組み合わせた不織布においても、厚みの減少等による吸収対象物の透過・吸収能力の低下が生じにくい。 即ち、以上のような特徴を併せ持つことにより、本発明の不織布は優れた吸収補助シートとして機能する。
さらに、本発明の吸収補助シートは水解性を有している。また、本発明の原料繊維は生分解性を有する材料(樹脂(A)、樹脂(B))で構成されている繊維を一定量以上含んでいる。そのため本発明の吸収補助シートは生分解性に優れる。そのため、吸収補助シート10は、使用後、そのまま水洗トイレットに流したり土に埋めたりする等の簡単な方法で廃棄でき、土に埋めて廃棄しても短い期間で分解する。

0017

{吸収補助シート10}
吸収補助シート10は、下記の原料繊維で構成されるエアレイドウェブに由来する。
原料繊維は、下記繊維(x1)及び下記繊維(x2)から選ばれる少なくとも1種の熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上50質量%以下である。なお、各含有量は、原料繊維の総量(100質量%)に対する割合である。
繊維(x1):ポリブチレンサクシネート、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種の樹脂(A)からなる熱融着性繊維。
繊維(x2):ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)と、前記樹脂(A)とからなる熱融着性繊維。

0018

樹脂(A)は、比較的融点が低い樹脂であり、サーマルボンド法による繊維結合工程にて熱融着性成分として機能する。そのため、樹脂(A)を含有する熱融着性繊維(X)は、吸収補助シート10の保形性の向上に寄与する。
吸収補助シート10は、上述のとおりエアレイド法により形成されるため嵩高い。原料繊維中に熱融着性繊維(X)を2質量%以上含有させると、形成されるエアレイドウェブ内の原料繊維間の結着点が充分に存在し、保形性が向上する。また、親水性の高い繊維を多くは含まないことで、吸収補助シート10おける含水率保水率)が低くなる。そのため形成される吸収補助シート10は、嵩高く、低密度で、且つ型崩れしにくいものとなり、高粘度の吸収対象物に対して優れた透過性を発揮する。

0019

ただし吸収補助シート10の原料繊維として熱融着性繊維(X)のみを用いた場合、透過性には優れるが、水解性が得られない。吸収補助シートの原料繊維中の熱融着繊維(X)の含有量が50質量%以下であれば、水解性が得られる。
水解性の観点から、吸収補助シート10の原料繊維は、熱融着性繊維(X)に加えて、さらに、前記樹脂(B)からなる高融点繊維(Y)を含有することが好ましい。これにより、相対的に熱融着性繊維(X)の比率が低くなり、吸収補助シート10内における原料繊維同士の結着点が少なくなるため、吸収補助シート10の水解性が向上する。
水解性の観点から、吸収補助シート10の原料繊維は、熱融着性繊維(X)に加えて、または熱融着性繊維(X)および高融点繊維(Y)に加えて、さらに、ポリビニルアルコール樹脂繊維(以下、PVA繊維という。)を含有することが好ましい。水溶性の繊維であるPVA繊維を組み合わせることで、多量の水と接したときに、PVA繊維が溶解することで吸収補助シート10内における原料繊維間の結着点が減少し、吸収補助シート10が分解(水解)する。また、土に埋める等の処理を行ったときにも分解しやすくなるなど生分解性が向上する。

0020

[熱融着性繊維(X)]
熱融着性繊維(X)としての繊維(x1)、繊維(x2)はそれぞれ、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
ここで「熱融着性繊維」とは、繊維群をなす原料繊維の少なくとも一部が、熱融着性成分であるため、熱処理による熱融着が可能とされた原料繊維のことをいう。
繊維(x1)、繊維(x2)はいずれも樹脂(A)を熱融着性成分とするものである。
繊維(x1)は、樹脂(A)からなり、熱処理によりその一部または全部が溶融し、溶融した部分が原料繊維の表面同士を融着するバインダーとして作用する。
繊維(x2)は、樹脂(A)と樹脂(B)とからなるもので、熱処理により、樹脂(A)で構成される部分(例えば芯鞘構造の部分)の一部または全部が溶融し、溶融した部分がバインダーとして作用する。

0021

樹脂(A)は、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)及びポリエチレンサクシネートから選ばれる少なくとも1種である。樹脂(A)は、生分解性に優れるとともに、サーマルボンド法による繊維結合工程で融着するのに適した60〜165℃の融点を有する。樹脂(A)の融点は、100〜165℃であることが好ましい。
樹脂(B)は、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種である。樹脂(B)は、生分解性に優れるとともに、サーマルボンド法による繊維結合工程で溶融せず繊維形態を維持するのに適した170℃以上の融点を有する。樹脂(B)の融点は、170〜250℃であることが好ましい。
なお、本明細書において、樹脂の融点は、微量融点測定法DSC走査熱量計)など
により測定される値である。

0022

繊維(x1)としては、樹脂(A)からなるものであれば特に限定されず、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
繊維(x1)を構成する樹脂(A)は1種でも2種以上でもよい。
繊維(x1)を構成する樹脂(A)が2種以上である場合、繊維(x1)は、2種以上の樹脂(A)の混合物からなるものであってもよく、2種以上の樹脂(A)を複合化した複合合成繊維であってもよい。複合合成繊維としては、例えば、異なる2種の樹脂(A)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。芯鞘型構造は、同芯芯鞘型構造でもよく、偏芯芯鞘型構造でもよい。

0023

繊維(x2)としては、樹脂(A)と樹脂(B)からなり、繊維表面の少なくとも一部が樹脂(A)で構成されるものであれば特に限定されず、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
繊維(x2)を構成する樹脂(A)、樹脂(B)はそれぞれ1種でも2種以上でもよい。
繊維(x2)としては、例えば、樹脂(A)と樹脂(B)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。芯鞘型構造の場合、樹脂(A)が鞘部分を構成し、樹脂(B)が芯部分を構成する。芯鞘型構造は、同芯芯鞘型構造でもよく、偏芯芯鞘型構造でもよい。
繊維(x2)における樹脂(A)と樹脂(B)との質量比(例えば芯鞘型構造における芯鞘複合比)は、樹脂(A)/樹脂(B)=2/8〜8/2が好ましく、4/6〜6/4がより好ましい。

0024

繊維(x2)は、潜在捲縮合成繊維であってもよい。
潜在捲縮合成繊維は、熱により捲縮(クリンプカールスパイラル)が顕在化する合成繊維である。エアレイドウェブに対して熱処理した際に捲縮が顕在化することで、より嵩高くなる。
繊維(x2)として用いられる潜在捲縮合成繊維としては、例えば、樹脂(A)と樹脂(B)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、偏芯芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。
潜在捲縮合成繊維は、あらかじめ緩やかな捲縮を有しているものでもよいし、有していないものでもよい。

0025

原料繊維において、熱融着性繊維(X)(繊維(x1)、繊維(x2))の繊維長は、2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。このような繊維長であると、エアレイドウェブを形成する際に、これらの繊維が3次元的にランダムに積層し、その結果、第一領域1が、嵩高く、高粘度の吸収対象物に対しても優れた透過性を発現するものとなりやすい。また、型崩れもしにくくなる。一方、繊維長がこの範囲の下限値未満では、吸収補助シートにおいて繊維が密になり、透過性が低下するおそれがある。また、吸収補助シートに肌に触れる場合に、肌触りが硬くなる、ゴワゴワ感が生じるなどの懸念がある。

0026

熱融着性繊維(X)の繊維径は、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。このような繊維径であると、吸収補助シートが、嵩高く、高粘度の吸収対象物に対しても優れた透過性を発現するものとなりやすい。また、肌触りにも優れる。一方、繊維径がこの範囲の下限値未満では、肌触りは良好になるが、空隙のサイズが小さくなり、高粘度の吸収対象物を吸収する際の抵抗が大きくなるなどして、透過性に劣る傾向がある。繊維径がこの範囲の上限値を超えると、繊維自体が剛直になるためにチクチク感が増し、肌触りが悪くなる傾向にある。

0027

なお、本明細書において、原料繊維の繊維長は、任意に選択した50本以上の繊維をサンプルとし、これらについて電子顕微鏡観察により測定した長さの平均値である。
原料繊維の繊維径は、単位「dtex(デシテックス)」で表す。1dtexとは、長さ10000mで1gの重さの糸の太さである。

0028

熱融着性繊維(X)としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。例えば繊維(x1)と繊維(x2)とを併用してもよく、繊維(x1)として2種以上を併用してもよく、繊維(x2)として2種以上を併用してもよい。

0029

熱融着性繊維(X)は、上記の中でも、繊維(x2)を含有することが好ましい。樹脂(B)は、樹脂(A)よりも融点が高い樹脂であり、サーマルボンド法における通常の熱処理温度では溶融しない。樹脂(B)を含む繊維(x2)の熱融着性繊維(X)における比率が高いほど、得られる吸収補助シートの嵩が高くなりやすく、高粘度の吸収対象物の透過性に優れる傾向にある。
繊維(x2)として潜在捲縮合成繊維を用いると、さらに嵩が高く、高粘度の吸収対象物の吸収性に優れる傾向にあり好ましい。

0030

第一の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の割合は、2質量%以上50質量%以下である。熱融着性繊維(X)の割合が2質量%以上であることにより、保形性が充分に向上し、優れた透過性が発揮される。50質量%以下であることにより水解性、生分解性が良好となる。
原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量は、保形性、透過性の観点では、5質量%以上が好ましく、水解性、生分解性の観点では、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
ただし、原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量を10質量%以上とする場合は、充分な水解性を得るためには、さらに、原料繊維にPVA繊維を含有させることが好ましい。
これらを考慮すると、原料繊維がPVA繊維を含まない場合は、原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量は、2質量%以上10質量%以下がより好ましく、5質量%以上8質量%以下が特に好ましい。
原料繊維がPVA繊維を含む場合は、原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量は、2質量%以上50質量%以下の範囲内であれば特に限定されないが、10質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下が特に好ましい。
原料繊維中の熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下である場合、原料繊維中のPVA繊維の含有量は、熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上であることが好ましく、100〜200質量%であることがより好ましい。

0031

[高融点繊維(Y)]
高融点繊維(Y)は、前記樹脂(B)からなる繊維である。
高融点繊維(Y)としては、樹脂(B)からなるものであれば特に限定されず、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
高融点繊維(Y)を構成する樹脂(B)は1種でも2種以上でもよい。
高融点繊維(Y)を構成する樹脂(B)が2種以上である場合、高融点繊維(Y)は、2種以上の樹脂(B)の混合物からなるものであってもよく、2種以上の樹脂(B)を複合化した複合合成繊維であってもよい。複合合成繊維としては、例えば、異なる2種の樹脂(B)を複合化させて得られるサイドバイサイド型構造の合成繊維、芯鞘型構造の合成繊維などが挙げられる。芯鞘型構造は、同芯芯鞘型構造でもよく、偏芯芯鞘型構造でもよい。
高融点繊維(Y)の繊維長は、熱融着性繊維(X)と同様、2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。
高融点繊維(Y)の繊維径は、熱融着性繊維(X)と同様、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。
高融点繊維(Y)としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
第一の原料繊維中の高融点繊維(Y)の割合は、0〜93質量%が好ましく、0〜90質量%がより好ましく、40〜88質量%がさらに好ましい。

0032

[中空部を有した潜在捲縮性繊維(Z)]
原料繊維中にはポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した複合繊維も含有される。 この複合繊維は中空部を有しているために、第一のウェブの坪量を低減できるとともに、クッション性が付与され、結果的に、本発明の吸収補助シートの剛性を低減することができる。 さらに、該複合繊維は熱により捲縮(クリンプ、カール、スパイラル)が顕在化する潜在捲縮合成繊維である。エアレイドウェブに対して熱処理した際に捲縮が顕在化することで、本発明の吸収補助シートはより嵩高くなる。 該複合繊維の平均繊度はとしては、5〜50dtexの範囲のものを使用する事が出来る。 該複合繊維の平均繊度が5dtex未満であると形成される吸収補助シートを構成する繊維間の空隙が小さくなり、吸収対象の液体が速やかにウェブ中を透過しにくく、吸収シートの表面に吸収対象物が残留しない様に、吸収面側から見た吸収対象物の拡散面積を小さくすることが出来ないため好ましくない。 一方、50dtexを越えると、吸収補助シート表面に粗い繊維が含有されるため感触が劣り好ましくない。
原料繊維中に含有される、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸及び酢酸セルロースから選ばれる少なくとも1種の樹脂(B)からなり、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexの潜在捲縮性繊維の量は0.15質量%以上95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上90質量%以下である。 0.15質量%未満であると、嵩高性付与に充分な効果が認められなくなることから好ましくなく、95質量%を越えると吸収補助シート中の繊維間の接着点が少ないために十分な接着性を得られず、シートとして形態が保てなくなるため好ましくない。
本発明に用いられる中空部を有した潜在捲縮性繊維(Z)としては、熱収縮性の異なる樹脂(B)が、例えば、サイドバイサイド型に配置された中空の複合繊維を挙げることができる。 特に、分子量の異なるポリ乳酸樹脂をサイドバイサイド型に配し、かつ中空部を有した平均繊度が5〜50dtexの複合繊維を好ましく使用することが出来る。

0033

[PVA繊維]
PVA繊維は、多量の水と接したときに溶解するものであれば特に限定されず、市販のものを使用できる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
PVA繊維を構成するポリビニルアルコール樹脂としては、生分解プラスチックJIS規格K6950(ISO14851)を満たすものが望ましい。
PVA繊維の繊維長は、熱融着性繊維(X)と同様、2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。
PVA繊維の繊維径は、熱融着性繊維(X)と同様、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。

0034

原料繊維中のPVA繊維の含有量は、2質量%以上95質量%以下であることが好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%がさらに好ましい。PVA繊維の割合が2質量%以上であることにより、水解性、生分解性が良好となる。95質量%以下であることにより透過性が良好となる。

0035

原料繊維中の前記熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下である場合は、原料繊維中のPVA繊維の含有量は、上述のように、熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上であることが好ましく、100〜200質量%であることがより好ましい。

0036

[任意の原料繊維]
原料繊維は、前記熱融着性繊維(X)、前記高融点繊維(Y)及びPVA樹脂繊維以外の他の繊維を含有してもよい。
該他の繊維として、吸収補助シートの生分解性を損なわないものであればよく、例えば、セルロース系繊維パルプレーヨンキュプラコットンなど)、天然繊維等が挙げられる。ただしセルロース繊維は、含有量が多すぎると、吸収補助シートの透過性を損なうおそれがある。そのため、原料繊維中のセルロース繊維の割合は、5質量%未満であり、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。

0037

原料繊維としては、熱融着性繊維(X)を5質量%以上50質量%以下含有するものであればよいが、さらに、高融点繊維(Y)およびPVA繊維のいずれか一方または両方を含有するものが好ましい。
なかでも、水解性に優れた吸収補助シートが得られる点で、下記の原料繊維(I−1)または(I−2)であることが好ましい。
原料繊維(I−1):高融点繊維(Y)とPVA繊維との合計量が80質量%以上(好ましくは90質量%以上)であり、熱融着性繊維(X)の含有量が2質量%以上20質量%以下(さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下)である原料繊維。
原料繊維(I−2):熱融着性繊維(X)の含有量が10質量%以上50質量%以下であり、PVA繊維の含有量が、熱融着性繊維(X)の含有量に対して50質量%以上(好ましくは100質量%以上)である原料繊維。
原料繊維(I−1)、(I−2)はそれぞれ、高融点繊維(Y)と、PVA繊維と、熱融着性繊維(X)との合計量が100質量%であることが特に好ましい。

0038

吸収補助シートは、上記の原料繊維のみから構成されるものであってもよく、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、原料繊維以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、吸収補助シートにおける添加剤として公知の添加剤を特に制限することなく用いることができ、例えば機能性粉体機能性繊維機能性液体等が挙げられる。
機能性粉体、機能性繊維としては、消臭機能抗菌機能抗ウイルス機能、抗アレルゲン機能防カビ機能芳香機能、機能性液体 等のいずれか1種以上の機能を有するものが好ましく、例えばゼオライト活性炭キチンキトサンホタテ貝殻酸化チタン二酸化チタン酸化マグネシウム植物抽出物キノコ抽出物カテキンフラボノールシクロデキストリンコラーゲン繊維酸化鉄クエン酸ジンクピリチオンヒノキチオールユーカリエキス等が挙げられる。

0039

本発明の吸収補助シートは、坪量が50g/m2以上である。本発明の吸収補助シートは、目的とする高粘度の吸収対象物の量に応じて、重ね合わせて一つの吸収補助シートとする事も出来るため、坪量の上限は特に限定されるものではないが、人体等に装着使用する場合などの取扱い性から1200g/m2以下であることが好ましく、100〜1000g/m2であることがより好ましい。200〜800g/m2であることがさらに好ましい。吸収補助シートの坪量が上記範囲の下限値以上であると、高粘度の吸収対象物を保持し、吸収補助シートとして機能する。吸収補助シートの坪量が上記範囲の上限値以下であると、吸収補助シートの着用感や取扱性、生産性が良好である。

0040

本発明の吸収補助シートは、見掛け密度が0.015〜0.045g/cm3であり、0.02〜0.045g/cm3であることがより好ましい。密度が上記範囲の上限値を超えると、空隙が少なく、あるいは空隙のサイズが小さすぎて、高粘度の吸収対象物の透過性が不充分となるおそれがある。また、使用感も悪くなる。密度が上記範囲の下限値未満であると、吸収補助シート中の空隙が多くなりすぎたり、空隙のサイズが大きくなりすぎたりして、高粘度の吸収対象物の液体、もしくは半固体の自重で吸収補助シートが潰れて吸収性を著しく低下させることがあり、吸収対象物を仮に一旦吸収したとしても保持しにくく、逆戻りが生じるおそれがある。

0041

吸収補助シート10の厚みは、3〜40mmであることが好ましく、6〜30mmであることがより好ましく、8〜20mmであることがさらに好ましい。 吸収補助シート10の厚みが小さい場合には、高粘度の吸収対象物を十分に保持する容量が得られない場合があり、厚みが40mmよりも大きくなると吸収補助シートとしての取り扱い性や、人体に装着する場合には装着感が悪くなるなどの問題がある。吸収補助シート10は、より薄い不織布を積層して上記の厚みにすることができる。また、その場合、吸収補助シートを構成する各不織布は、必ずしも互いに接着されて一体である必要はない。また、吸収補助シートは、少なくとも吸収層を含む吸収体の表面に重ねて使用することができるが、その場合も該吸収体と吸収補助シート10とは、必ずしも互いに接着されて一体である必要はない。

0042

なお、本明細書において、不織布の厚さは、吸収体の断面を観察し、スケールを当てて測定された、吸収補助シート、吸収層および吸収体全体の厚さである。断面各層の厚さの合計は吸収体の全体の厚さに等しい。不織布の見掛け密度は、上記の様に測定した各層の厚さと、各層の坪量(単位面積当たりの質量)から計算により求めた。

0043

{吸収補助シート10の製造}
吸収補助シート10は、例えば、メッシュ無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させてウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程(繊維結合工程)と、を有する製造方法により製造できる。

0044

エアレイド方式のウェブ形成装置は、一般的に、原料繊維を空気中で均一に混合するための吸気流吐出するノズルと、メッシュ状無端ベルトの下側に配置されたサクションボックスを備えており、吸気流が、メッシュ状無端ベルトを通過してサクションボックスに吸引されるようになっている。このウェブ形成装置に原料繊維を供給すると、吸気流により原料繊維が混合されつつメッシュ状無端ベルト上に落下し、メッシュ状無端ベルト上に繰り出された透気性キャリアシート上に堆積し、エアレイドウェブが形成される。
透気性キャリアシートとしては、吸気流が通過可能で、かつエアレイドウェブを保持できるものであれば特に限定されない。

0045

原料繊維としては、前記で挙げたものを用いる。
原料繊維を構成する繊維の種類と配合量等を調整することで、形成される吸収補助シート10の性能を調整できる。
例えば、吸収補助シートを形成する原材料繊維として、潜在捲縮合成繊維や高融点繊維(Y)を高配合する、あるいは熱融着性繊維(X)の繊維径を太くすることで、形成される吸収補助シート10内における原料繊維間の結着点は減少し、空隙が大きくなるため、風合い、肌触りに優れた吸収補助シートが得られる。また、熱融着性繊維(x2)における樹脂(A)と樹脂(B)との質量比(例えば芯鞘型構造における芯鞘複合比)を下げることでも同様の効果が得られる。
逆に、熱融着性繊維(X)を高配合する、あるいは繊維径を細くすることで、吸収補助シートの保型性が向上し、高粘度の液体、もしくは半固体の吸収対象物の通過性に優れる吸収補助シートを得ることができる。

0046

形成されたエアレイドウェブの熱処理は、一般的なサーマルボンド法により実施でき、例えば、エアレイドウェブを加熱炉に導入する方法、エアレイドウェブを熱風処理する方法等が挙げられる。
熱風処理としては、ウェブが、周面に通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアードライヤを通過することにより熱処理される方法(熱風循環ロータリードラム方式)や、ウェブが、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤを通過することにより熱処理される方法(熱風循環コンベアオーブン方式)などが挙げられる。
なお、熱風処理によるサーマルボンド法は、エアスルー法あるいはスルーエア法などと呼称されることがある。
熱処理温度は、エアレイドウェブに含まれる樹脂(A)(熱融着性繊維(X)に含まれる樹脂(A))の融点以上であればよい。樹脂(A)の融点以上の温度に加熱すると、樹脂(A)が溶融し、溶融した樹脂(A)を介して繊維同士が結合する。ただし原料繊維として繊維(x2)や高融点繊維(Y)を含む場合は、それらの繊維に含まれる樹脂(B)の融点未満の温度とする。
エアレイドウェブが潜在捲縮合成繊維を含む場合、繊維結合工程での熱処理は、該潜在捲縮合成繊維の捲縮を顕在化させるための熱処理を兼ねてもよい。
また、繊維結合工程の前後に、潜在捲縮合成繊維の捲縮を顕在化させるための熱処理を行う工程を別途設けてもよい。

0047

繊維結合工程の後、形成された不織布の密度を微調整する目的などで、熱プレス処理を行ってもよい。その場合のプレス圧は、例えば5kg/cm2以下、好ましくは1kg/cm2以下の低圧とされ、繊維同士を結合させる繊維結合工程として一般に行われる熱プレス処理よりも小さい圧力で行われる。

0048

上記のようにして得られた不織布から透気性キャリアシートを剥離することで、吸収補助シート10が得られる。
なお、透気性キャリアシートは、剥離せずそのまま残してもよい。剥離せずにそのまま残す場合は、透気性キャリアシートとして、生分解性を有するものを用いることが好ましい。このようなシートとしては、例えばティッシュペーパーが挙げられる。

0049

<第二の実施形態>
図2は、本発明の第二の実施形態の吸収補助シート20の構成を説明する概略縦断面図である。なお、以下に記載する実施形態において、上述した第一の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
吸収補助シート20は、吸収補助シートの厚みの内、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が0.03g/cm3以上であり、反対面側半分の見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さい以外は、吸収補助シート10と同様の構成である。
吸収補助シート20は、見掛け密度が0.03g/cm3以上の表面にまず吸収対象物が接触するように用いられる。
本実施形態においては、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が0.03g/cm3以上であり、反対面側半分の見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さいことによって、吸収対象物を速やかに下層にある見掛け密度の小さい反対面側に透過するとともに、見掛け密度が0.03g/cm3以上の保形成に優れた表面側によって、吸収対象物が表面側に逆流する液戻り(ウェットバック)を効果的に防止することが可能である。
吸収補助シート20に使用される原料繊維としては、前記吸収補助シート10に用いたものと同様の原料繊維を使用することができる。 吸収補助シート20を構成する不織布の見掛け密度は、原料繊維の配合や製造条件によって調節することができ、原料繊維の繊維長を短くしたり、繊維径のちいさい原料繊維を使用することで構成される不織布の嵩だかさは低下し見掛け密度を大きくすることができ、逆に、捲縮性の原料繊維、特に潜在捲縮性の原料繊維を用いたり、中空の原料繊維を用いることによって見掛け密度を小さくすることができる。 また、不織布製造時に繊維結合工程の跡に使用される熱プレス処理によっても見掛け密度を調節することができる。 吸収対象物に接触する表面側よりも、反対面側の見掛け密度を小さくする方法としては、エアレイド方式のウェブ形成時に、見掛け密度が高く出来るような配合の原料繊維と、見掛け密度が低く出来るような配合の原料繊維とを用いて、異なる原料繊維が順次積層したウェブを形成する方法や、見掛け密度が0.03g/cm3以上の不織布をそれよりも密度の小さい不織布層の表面に積層する方法を用いることができる。エアレイド方式のウェブ形成時に、供給される原料繊維を切り替えて行う方法の場合には、段階的に原料繊維を切り替えることもできるが、連続的に傾斜した配合の原料繊維を供給して嵩密度が連続して傾斜した構成にすることもできる。

0050

{吸収補助シート20の製造}
吸収補助シート20は、例えば、メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させてウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程(繊維結合工程)と、を有する製造方法により製造できる。 ウェブ形成工程及び繊維結合工程は、それぞれ、前記吸収補助シート10の製造方法で説明したウェブ形成工程及び繊維結合工程と同様に実施できる。
繊維結合工程の後、形成された不織布の密度を微調整する目的などで、熱プレス処理を行ってもよい。その場合のプレス圧は、例えば5kg/cm2以下、好ましくは1kg/cm2以下の低圧とされ、繊維同士を結合させる繊維結合工程として一般に行われる熱プレス処理よりも小さい圧力で行われる。
また、前記ウェブ形成工程において、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、低い見掛け密度用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて低い見掛け密度のウェブを形成し、続いて、高い見掛け密度用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて高い見掛け密度のウェブを形成することにより、表面側に見掛け密度の高い領域を有し反対面側に見掛け密度の低い領域を有したエアレイドウェブ得る事が出来る。 このエアレイドウェブを加熱することにより該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合し、表面側と反対面側の見掛け密度の異なる吸収補助シートを得る事が出来る。
なお、ここでは原料繊維として、低い見掛け密度用の原料繊維を供給し、続いて高い見掛け密度用の原料繊維を供給する例を示したが、逆に、まず高い見掛け密度用の原料繊維を供給し、続いて低い見掛け密度用の原料繊維を供給してもよい。これを反転して、表面側のほうが見掛け密度の高い吸収補助シート20とする事が出来る。
ただし、高い見掛け密度用の原料繊維を先に供給する方が好ましい。通常、吸収対象物の保液性を持たせる高い見掛け密度用の原料繊維の方が、坪量が高く、吸収対象物を透過させる原料繊維のほうが見掛け密度が低い。そのため、高い見掛け密度用の原料繊維を先に供給する方が、高い見掛け密度用の原料繊維と低いい見掛け密度用の原料繊維とが混ざりにくく、高い見掛け密度の領域、低い見掛け密度用の領域それぞれの機能が充分に発揮されやすい。

0051

吸収補助シート20は、より薄い不織布を積層して上記の厚みにすることによっても得ることができる。 その場合、吸収補助シートを構成する各不織布は、必ずしも互いに接着されている必要はない。吸収対象物に接触する表面側半分の不織布として見掛け密度が0.03g/cm3以上の不織布を用い、反対面側半分の不織布として見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さい不織布を用いてこれらを積層することにより形成する方法は、上記のような熱プレス処理の条件によって予め見掛け密度の調節された複数の不織布を積層して行うことが出来、積層数を調節することにより目的とする高粘度の吸収対象物の量に合わせた設計が可能である点で好ましい方法である。 吸収補助シートは、少なくとも吸収層を含む吸収体の表面に重ねて使用することもできるが、その場合も該吸収体と吸収補助シート20とは、必ずしも互いに接着されて一体である必要はない。
<第三の実施形態>
図3は、本発明の第三の実施形態の吸収補助シート30の構成を説明する概略縦断面図である。なお、以下に記載する実施形態において、上述した第一あるいは第二の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
吸収補助シート30は、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が、裏面側半分の見掛け密度よりも小さい以外は、吸収補助シート20と同様の構成である。
吸収補助シート30は、見掛け密度の小さいほうの表面にまず吸収対象物が接触するように用いられる。
本実施形態においては、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が反対面側半分の見掛け密度よりも小さいことによって、吸収補助シート30の最表面に吸収対象物が残留せず、吸収補助シートに接触したものに再び転移することを防止することが出来る。 吸収補助シート30に使用される原料繊維としては、前記吸収補助シート10に用いたものと同様の原料繊維を使用することができる。

0052

{吸収補助シート30の製造}
吸収補助シート30は、例えば、メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させてウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程(繊維結合工程)と、を有する製造方法により製造できる。 ウェブ形成工程及び繊維結合工程は、それぞれ、前記吸収補助シート10の製造方法で説明したウェブ形成工程及び繊維結合工程と同様に実施できる。
繊維結合工程の後、形成された不織布の密度を微調整する目的などで、熱プレス処理を行ってもよい。その場合のプレス圧は、例えば5kg/cm2以下、好ましくは1kg/cm2以下の低圧とされ、繊維同士を結合させる繊維結合工程として一般に行われる熱プレス処理よりも小さい圧力で行われる。
また、前記ウェブ形成工程において、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、高い見掛け密度用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて高い見掛け密度のウェブを形成し、続いて、低い見掛け密度用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて低い見掛け密度のウェブを形成することにより、表面側に見掛け密度の低い領域を有し、反対面側に見掛け密度の高い領域を有したエアレイドウェブ得る事が出来る。 このエアレイドウェブを加熱することにより該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合し、表面側と反対面側の見掛け密度の異なる吸収補助シートを得る事が出来る。
なお、ここでは原料繊維として、高い見掛け密度用の原料繊維を供給し、続いて低い見掛け密度用の原料繊維を供給する例を示したが、逆に、まず高い見掛け密度用の原料繊維を供給し、続いて低い見掛け密度用の原料繊維を供給してもよい。これを反転して、表面側のほうが見掛け密度の低い吸収補助シート30とする事が出来る。
高い見掛け密度用の原料繊維を先に供給する方が好ましい。通常、吸収対象物の保液性を持たせる高い見掛け密度用の原料繊維の方が、坪量が高く、吸収対象物を透過させる原料繊維のほうが見掛け密度が低い。そのため、高い見掛け密度用の原料繊維を先に供給する方が、高い見掛け密度用の原料繊維と低いい見掛け密度用の原料繊維とが混ざりにくく、高い見掛け密度の領域、低い見掛け密度用の領域それぞれの機能が充分に発揮されやすい。

0053

吸収補助シート30は、より薄い不織布を積層して上記の厚みにすることによっても得ることができる。 その場合、吸収補助シートを構成する各不織布は、必ずしも互いに接着されている必要はない。吸収対象物に接触する表面側半分の不織布として見掛け密度の小さい不織布を用い、反対面側半分の不織布として見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より大きい不織布を用いて、これらを積層することにより形成する方法は、上記のような熱プレス処理の条件によって予め見掛け密度の調節された複数の不織布を積層して行うことが出来、積層数を調節することにより目的とする高粘度の吸収対象物の量に合わせた設計が可能である点で好ましい方法である。 吸収補助シートは、少なくとも吸収層を含む吸収体の表面に重ねて使用することもできるが、その場合も該吸収体と吸収補助シート30とは、必ずしも互いに接着されている必要はない。
<第四の実施形態>
図4は、本発明の第四の実施形態の吸収体40の構成を説明する概略縦断面図である。なお、以下に記載する実施形態において、上述した第一乃至第三の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
吸収体40は、吸収補助シートの厚みの内、吸収対象物に接触する表面側半分の見掛け密度が0.03g/cm3以上であり、反対面側半分の見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さい吸収補助シート20をセルロース繊維の含有量が5質量%以上98質量%以下である原料繊維で構成されるエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる吸収層21上に積層した吸収体である。 セルロース繊維の含有量が5質量%以上98質量%以下である原料繊維で構成されるエアレイドウェブを熱処理した不織布からなる吸収層上に、上記本発明の吸収補助シートを積層した本発明の吸収体の一例であり、本発明の吸収体において吸収層21に積層するのは、上記吸収補助シート10、20、30の何れであってもよい。
本実施形態においては、吸水性または低粘度の液体への吸液性を有する吸液性シート21上に吸収補助シート20を重ねて、吸収層21では吸収困難な高粘度の吸収対象物を保持して吸収層21を補助することが出来る様に、吸収補助シート20の表面に吸収対象物がまず接触するように、吸収層21の表面に積層して用いられる。また、前述のように、吸収補助シート20は、吸収対象物を速やかに下層にある見掛け密度の小さい反対面側に透過するとともに、見掛け密度が0.03g/cm3以上の保形成に優れた表面側によって、吸収対象物が表面側に逆流する液戻り(ウェットバック)を効果的に防止することが可能である。

0054

{吸収層21}
吸収層21の原料繊維は、セルロース繊維の含有量が5質量%以上98質量%以下である。なお、該含有量は、吸収層21の原料繊維の総量(100質量%)に対する割合である。

0055

吸収層21のウェブは、上述のとおりエアレイド法により形成されるため嵩高い。また、セルロース繊維を含むことで、吸収層21内の原料繊維間の空隙が小さくなり、吸液性が向上する。セルロース繊維は親水性繊維であることから、特に吸水性が高くなる。
また、セルロース繊維を含むことで、吸収層21内における原料繊維間の結着点が過剰にならず、多量の水と接したときに吸収層21が分解(水解)する。また、土に埋める等の処理を行ったときにも分解しやすくなるなど生分解性が向上する。

0056

吸収層21の原料繊維は、さらに、熱融着性繊維(X)を含有することが好ましい。
この場合、吸収層21の原料繊維中の、セルロース繊維の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、熱融着性繊維(X)の含有量が5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、セルロース繊維の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、熱融着性繊維(X)の含有量が5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
上述のとおり、熱融着性繊維(X)における樹脂(A)は、比較的融点が低い樹脂であり、サーマルボンド法による繊維結合工程にて熱融着性成分として機能する。そのため、吸収層21の原料繊維中に熱融着性繊維(X)を5質量%以上含有させると、形成される吸収層21内における原料繊維間の結着点が充分に存在し、保形性が向上する。保形性が向上することで、吸収層21での液体吸収量飽和状態になった場合でも液体自重による厚み減少は小さく、かつ吸収層21に外部から力が加わったときに厚みが減少しにくい。そのため厚みの減少によって、吸液可能な液体量が低下することを抑制できる。これらが相乗的に作用することで保液性が向上すると考えられる。
熱融着性繊維(X)を含有させても、その含有量が15質量%以下であれば、優れた生分解性を維持できる。

0057

[セルロース繊維]
セルロース繊維としては、従来、吸収体に用いられている各種セルロース繊維が使用できる。セルロース繊維の材質としては、例えばパルプ、レーヨン、コットン、キュプラ等が挙げられる。
セルロース繊維としては繊維長、異物、生産性、原料価格などの点で、パルプ繊維が好ましい。
パルプ繊維としては、木材パルプ針葉樹広葉樹)、ラグパルプ、リンターパルプリネンパルプ、三椏雁皮パルプなどの非木材パルプ古紙パルプなどの原料パルプから得られたものが例示できる。また、原料パルプとしては、機械パルプ(GP、RGP、TMPなど。)、化学パルプ亜硫酸パルプクラフトパルプなど。)のいずれも使用できる。これらのなかでは、供給量品質の安定性コストなどの点から、クラフトパルプが好ましい。
パルプ繊維の繊維長は、4mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
パルプ繊維としては、通常の木材パルプ等が使用できるが、低密度の不織布とするため、及び熱可塑性合成樹脂繊維との混綿のし易さのため等から、長さ平均加重で求められるコースネスが0.1mg/mから0.3mg/m、好ましくは0.12mg/m〜0.2
5mg/mのものが好適に使用される。

0058

セルロース繊維としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
吸収層21の原料繊維中のセルロース繊維の割合は、5質量%以上98質量%以下であり、50質量%以上95質量%以下が好ましい。セルロース繊維の割合が5質量%以上であることにより、生分解性、水解性が充分に向上する。98質量%以下であることにより保液性が向上する。

0059

[熱融着性繊維(X)]
熱融着性繊維(X)における繊維(x1)、繊維(x2)としてはそれぞれ前記と同様のものが挙げられる。
吸収層21の原料繊維に含まれる熱融着性繊維(X)と吸収補助シート20の原料繊維に含まれる熱融着性繊維(X)は同じでも異なってもよい。
吸収層21の原料繊維において、熱融着性繊維(X)(繊維(x1)、繊維(x2))の繊維長は2〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。このような繊維長であると、エアレイドウェブを形成する際に、これらの繊維が3次元的にランダムに積層し、その結果、吸収層21が、嵩高く、優れた保液性を発現するものとなりやすい。また、型崩れもしにくくなる。一方、繊維長がこの範囲の下限値未満では、吸収層21において繊維が密になり、吸収性が低下するおそれがある。
熱融着性繊維(X)の繊維径は、0.5〜74dtexが好ましく、0.8〜35dtexがより好ましく、1.0〜20dtexがさらに好ましい。このような繊維径であると、吸収層21が、嵩高く、優れた保液性を発現するものとなりやすい。また、型崩れもしにくくなる。一方、繊維径がこの範囲の下限値未満では、液体を吸収する際の抵抗が大きくなるなどして吸収性に劣る傾向がある。繊維径がこの範囲の上限値を超えると、繊維自体が剛直になるためにチクチク感が増し、肌触りが悪くなる傾向にある。

0060

熱融着性繊維(X)としては1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
吸収層21の原料繊維中の熱融着性繊維(X)の割合は、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
吸収層21の原料繊維中の熱融着性繊維(X)とセルロース繊維の合計の割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。該合計の割合が50質量%以上であることにより、保液性、水解性、生分解性が良好となる。該割合の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。任意に配合される他の繊維を考慮して適宜設定できる。

0061

[任意の原料繊維]
吸収層21の原料繊維は、前記熱融着性繊維(X)及びセルロース繊維以外の他の繊維を含有してもよい。
該他の繊維として、吸収層21の生分解性を損なわないものであればよく、例えば、前記高融点繊維(Y)、PVA繊維等が挙げられる。高融点繊維(Y)、PVA繊維はそれぞれ前記と同じものが挙げられる。
高融点繊維(Y)を含有する場合、吸収層21の原料繊維中の高融点繊維(Y)の含有量は、3質量%以上48質量%以下が好ましい。

0062

吸収層21の原料繊維としては、セルロース繊維を5質量%以上98質量%以下含有するものであればよいが、さらに、熱融着性繊維(X)を含有するものが好ましい。
なかでも、吸水後のシートの保形性と保水性に優れる点で、セルロース繊維5質量%以上95質量%以下と、熱融着性繊維(X)5質量%以上15質量%以下とを含有するものが好ましく、セルロース繊維5質量%以上95質量%以下と、熱融着性繊維(X)5質量%以上15質量%以下と、高融点繊維(Y)0質量%以上48質量%以下とからなるものがより好ましい。

0063

吸収層21は、上記第一の原料繊維のみから構成されるものであってもよく、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、吸収層21の原料繊維以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、吸収シートにおける添加剤として公知の添加剤を特に制限することなく用いることができ、例えば機能性粉体、機能性繊維、機能性液体等が挙げられる。
機能性粉体としては、消臭機能、抗菌機能、抗ウイルス機能、抗アレルゲン機能、防カビ機能、芳香機能、機能性液体 等のいずれか1種以上の機能を有するものが好ましく、例えばゼオライト、活性炭、キチン、キトサン、ホタテ貝殻、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、植物抽出物、キノコ抽出物、カテキン、フラボノール、シクロデキストリン、コラーゲン繊維、酸化鉄、クエン酸、ジンクピリチオン、ヒノキチオール、ユーカリエキス等が挙げられる。

0064

吸収層21は、坪量が30〜1000g/m2であることが好ましく、40〜700g/m2であることがより好ましく、50〜500g/m2であることがさらに好ましい。吸収層21の坪量が上記範囲の下限値以上であると、液体を保持する能力に優れる。吸収層21の坪量が上記範囲の上限値以下であると、吸収体40の着用感や取扱性、吸収層21の生産性が良好である。

0065

吸収層21は、密度が0.01〜0.1g/cm3であることが好ましく、0.01〜0.08g/cm3であることがより好ましく、0.02〜0.06g/cm3であることがさらに好ましい。密度が上記範囲の上限値を超えると、空隙が少なく、あるいは空隙のサイズが小さすぎて、吸収速度が遅くなるおそれがある。密度が上記範囲の下限値未満であると、吸収層21中の空隙が多くなりすぎたり、空隙のサイズが大きくなりすぎたりして、吸収層21での液体吸収量が飽和状態になった場合、液体自重による厚み減少が大きくなり、かつ吸収層21に外部から力が加わったときに厚みが減少しやすいため、吸液可能な液体量が低下するおそれがある。液体を仮に一旦吸収したとしても保持しにくく、逆戻りが生じるおそれがある。

0066

{吸収体40の製造}
吸収層21は、例えば、メッシュ状無端ベルト上に透気性キャリアシートを配置し、該透気性キャリアシート上に、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させてウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程(ウェブ形成工程)と、得られたエアレイドウェブを加熱することにより、該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合する工程(繊維結合工程)と、を有する製造方法により製造できる。
あるいは、ウェブ形成工程において、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、吸収層21の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて吸収層21のウェブを形成し、続いて、吸収補助シート20用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて吸収補助シート20のウェブを形成することによりエアレイドウェブを得る工程を行うことにより、吸収層21上に吸収補助シート20が積層された吸収体40を一度に製造することも出来る。

0067

ウェブ形成工程及び繊維結合工程は、それぞれ、前記吸収シート10の製造方法で説明したウェブ形成工程及び繊維結合工程と同様に実施できる。 繊維結合工程の後、形成された不織布の密度を微調整する目的などで、熱プレス処理を行ってもよい。その場合のプレス圧は、例えば5kg/cm2以下、好ましくは1kg/cm2以下の低圧とされ、繊維同士を結合させる繊維結合工程として一般に行われる熱プレス処理よりも小さい圧力で行われる。
また、前記ウェブ形成工程において、エアレイド方式のウェブ形成装置にて、低い見掛け密度用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて低い見掛け密度のウェブを形成し、続いて、高い見掛け密度用の原料繊維を空気中で混合しつつ堆積させて高い見掛け密度のウェブを形成することにより、表面側に見掛け密度の高い領域を有し反対面側に見掛け密度の低い領域を有したエアレイドウェブ得る事が出来る。 このエアレイドウェブを加熱することにより該エアレイドウェブに含まれる繊維を結合し、表面側と反対面側の見掛け密度の異なる吸収補助シートを得る事が出来る。
なお、ここでは原料繊維として、低い見掛け密度用の原料繊維を供給し、続いて高い見掛け密度用の原料繊維を供給する例を示したが、逆に、まず高い見掛け密度用の原料繊維を供給し、続いて低い見掛け密度用の原料繊維を供給してもよい。これを反転して、表面側のほうが見掛け密度の低い吸収補助シート20とする事が出来る。
ただし、高い見掛け密度用の原料繊維を先に供給する方が好ましい。通常、吸収対象物の保液性を持たせる高い見掛け密度用の原料繊維の方が、坪量が高く、吸収対象物を透過させる原料繊維のほうが見掛け密度が低い。そのため、高い見掛け密度用の原料繊維を先に供給する方が、高い見掛け密度用の原料繊維と低いい見掛け密度用の原料繊維とが混ざりにくく、高い見掛け密度の領域、低い見掛け密度用の領域それぞれの機能が充分に発揮されやすい。

0068

吸収補助シート20は、より薄い不織布を積層して上記の厚みにすることによっても得ることができる。 その場合、吸収補助シートを構成する各不織布は、必ずしも互いに接着されている必要はない。吸収対象物に接触する表面側半分の不織布として見掛け密度が0.03g/cm3以上の不織布を用い、反対面側半分の不織布として見掛け密度が表面側半分の見掛け密度より小さい不織布を用いてこれらを積層することにより形成する方法は、上記のような熱プレス処理の条件によって予め見掛け密度の調節された複数の不織布を積層して行うことが出来、積層数を調節することにより目的とする高粘度の吸収対象物の量に合わせた設計が可能である点で好ましい方法である。 吸収補助シート20は、吸収層21の表面に積層されているが、吸収層21と吸収補助シート20とも必ずしも互いに接着されている必要はない。

0069

吸収層21上に吸収補助シートを積層あるいは複数の不織布を積層して吸収補助シート20を形成する方法としては、熱融着することにより接着作用を発揮する接着物質(例えば樹脂(A)の粉体など)を用い、これにより吸収層21と吸収補助シート20とを接着あるいは吸収補助シート20を形成する複数の不織布を接着する方法(接着剤の使用量は、例えば3〜15g/m2。)がある。この場合、吸収層21と吸収補助シート20あるいは吸収補助シート20を形成する複数の不織布の周縁部だけを接着してもよい。あるいは接着物質を使用せず、吸収層21に含まれる熱融着性繊維(X)の熱融着性を利用して、これらの全面または周縁部のみを熱融着により接合してもよい。さらには、透過性を有する不織布を袋状に形成し、その中に吸収層21を挿入する方法、吸収層21を挿入した該袋状の不織布の周縁部を折り返す方法などで、これらを接着せずに一体化してもよい。

0070

また、吸収補助シート20の製造方法として、上述のように、接着物質を使用したり、熱融着性を利用したり、あるいは、接着せずに一体化する方法を採用したりして吸収層21に吸収補助シート20を積層する方法のほか、例えば、吸収層21を製造しつつ、その少なくとも一方の面に吸収補助シート20を設ける方法も挙げられる。
また、吸収補助シート20を構成するウェブが、繊維の種類や組成、繊維長、繊維径のいずれかが異なる複数種の原料繊維を順次堆積させたものであってもよい。同様に、吸収層21を構成するウェブが、繊維の種類や組成、繊維長、繊維径のいずれかが異なる複数種の吸収層用原料繊維を順次堆積させたものであってもよい。
たとえば、原料繊維中の熱融着性繊維(X)の比率を低くすると、保形性、透過性は低下するが、風合い、肌触りが良くなる傾向がある。そのため、吸収補助シート20の外側(吸収体40の表面となる側)を構成する原料繊維中の熱融着性繊維(X)の比率を低め(例えば5〜10質量%)にし、吸収補助シート20の内側(吸収層21側)を構成する原料繊維中の熱融着性繊維(X)の比率を高め(例えば20〜50質量%)にすると、外側表面の風合いや肌触りが良く、かつ保形性、透過性の良好な吸収補助シート20が得られる。

0071

本発明の吸収補助シートは、吸収体の表面に配置されて、高粘度の吸収対象物であっても、迅速に透過し、表面下に吸収し得る透過性を有し、従来の吸収体では吸収困難であった高粘度の吸収対象物をその内部の空隙に保持し、吸収体の機能を補助する。 この吸収補助シートを有する本発明の吸収体は、吸収した吸収対象物に含まれる液体を充分に保持し得る保液性とを兼ね備えている。
また、本発明の吸収補助シート及び吸収体は、水解性を有しており、廃棄しやすい利点もある。例えば使用後、水洗トイレット等にそのまま廃棄できる。また、生分解性を有するため、土に埋めて廃棄できる。
したがって、本発明の吸収補助シート及び吸収体は、水や有機溶剤、インク、油、それらに他の成分が溶解した溶液ゲル、それらと固形分とが混在するものなど、多様な吸収対象物に適用でき、既存の種々の吸収性物品として、又は吸収性物品の吸収補助シート(吸収対象物が接する面を構成するシート)として有用である。
本発明の吸収補助シートは、吸収層の表面よりも先に吸収対象物と接触するように用いられる。

0072

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の各例で使用した原料繊維は以下のとおりである。
[熱融着性繊維]
PBSPLA3.3dt:ポリブチレンサクシネート(PBS)を鞘、ポリ乳酸(PLA)を芯とする同芯芯鞘型構造の合成繊維(繊維径3.3dtex、繊維長5mm、芯鞘複合比=6/4)。ダイワボウポリテック製NBF(KK)PL(6/4) 3.3dt
PBS/PLA17dt:PBSを鞘、PLAを芯とする偏芯芯鞘型構造の合成繊維(繊維径17dtex、繊維長5mm、芯鞘複合比=6/4)。ダイワボウポリテック製NBF(KK)PLV(6/4) 17dt。

0073

[中空を有した潜在捲縮性繊維]
PLA/PLA17dt:PLA/PLAをサイドバイサイド型に配し、かつ中空部を有する構造の合成繊維(繊度17dtex、繊維長5mm)。日本エステル(株)製HP8F 17.T5mm
[PVA繊維]
PVA2.2dt:PVA繊維(繊維径2.2dtex、繊維長6mm)。(株)クラレ製WN2×6。
[セルロース繊維]
パルプ:針葉樹クラフト漂白パルプ

0074

試験例1>
図1に示す吸収補助シート10と同様の構成の吸収補助シートが吸収層上に積層された吸収体(試料1−1〜11)を以下の手順で製造した。
コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上にティッシュペーパーを繰り出しつつ、エアレイド法のウェブフォーミング機に、パルプおよび熱融着性繊維PBS/PLA3.3dtを、表1の吸収層欄に示す質量比で、吸収層の坪量が表1に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、ティッシュペーパー上に吸収層のウェブを形成した。引き続き、熱融着性繊維PBS/PLA17dt、中空を有した潜在捲縮性繊維PLA/PLA17dtおよびPVA繊維を、吸収補助シートの坪量が表1に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、吸収層ウェブ上に吸収補助シートウェブを形成してエアレイドウェブを得た。
次いで、このエアレイドウェブを、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤ(熱風循環コンベアオーブン)を通過させて熱風処理して不織布(吸収体)とした。熱風処理温度(熱風循環コンベアオーブン温度)は、145℃とした。その後、吸収層からティッシュペーパーを剥がし取り、表1に示す吸収補助シート層と吸収層からなる試料1−1〜10の吸収体を得た。

0075

<試験例2>
図2、および3に示す吸収補助シート20および30と同様の構成の吸収補助シート(試料2−1〜6)を以下の手順で製造した。
コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上にティッシュペーパーを繰り出しつつ、エアレイド法のウェブフォーミング機に、熱融着性繊維PBS/PLA17dt、中空を有した潜在捲縮性繊維PLA/PLA17dtおよびPVA繊維を、表2に示す質量比で、吸収補助シートの坪量が表2に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、吸収補助シート用ウェブを形成してエアレイドウェブを得た。
次いで、このエアレイドウェブを、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤ(熱風循環コンベアオーブン)を通過させて熱風処理して吸収補助シート用不織布とした。熱風処理温度(熱風循環コンベアオーブン温度)は、145℃とした。その後、吸収補助シート用不織布からティッシュペーパーを剥がし取り、吸収補助シート用不織布を得た。この吸収補助シート用不織布を表2に示すように、単層または組み合わせて積層し、表2に示す試料2−1〜11の吸収補助シートとした。

0076

<試験例3>
図4に示す吸収補助シート40と同様の構成の吸収体(試料3−1〜4)を以下の手順で製造した。
コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上にティッシュペーパーを繰り出しつつ、エアレイド法のウェブフォーミング機に、パルプおよび熱融着性繊維PBS/PLA3.3dtを、表3に示す質量比で、坪量が表3に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、ティッシュペーパー上に吸収層用のエアレイドウェブを得た。
次いで、このエアレイドウェブを、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤ(熱風循環コンベアオーブン)を通過させて熱風処理して不織布(吸収体)とした。熱風処理温度(熱風循環コンベアオーブン温度)は、145℃とした。その後、吸収層からティッシュペーパーを剥がし取り、吸収層用不織布を得た。
また、コンベアに装着されて走行するメッシュ状無端ベルト上にティッシュペーパーを繰り出しつつ、エアレイド法のウェブフォーミング機に、熱融着性繊維PBS/PLA17dt、中空を有した潜在捲縮性繊維PLA/PLA17dtおよびPVA繊維を、表3に示す質量比で、坪量が表3に示す値となるように供給し、空気中で均一に混合しつつメッシュ状無端ベルト上に吸気流とともに下降させて落下堆積させることにより、ティッシュペーパー上に吸収補助シート用のエアレイドウェブを得た。
次いで、このエアレイドウェブを、熱風をウェブに貫通させることのできるボックスタイプドライヤ(熱風循環コンベアオーブン)を通過させて熱風処理して不織布(吸収体)とした。熱風処理温度(熱風循環コンベアオーブン温度)は、145℃とした。その後、吸収層からティッシュペーパーを剥がし取り、吸収補助シート用不織布を得た。
この吸収層用不織布および吸収補助シート用不織布を表3に示すように組み合わせて積層し、試料3−1〜5の吸収体とした。

0077

得られた吸収体および吸収補助シートのトータルの坪量(g/m2)を表1〜3に示す。
また、吸収シートのトータルの厚さ(mm)、吸収補助シート層、吸収層それぞれの厚さ(mm)を以下の手順で測定した。吸収補助シート層、吸収層それぞれの厚さと坪量から、各層の密度(g/cm3)を算出した。結果を表1〜3に示す。
また、各例の吸収体および吸収補助シートについて、吸収性を評価するため、以下の手順で水平吸水量(g/m2)および液戻り防止性を測定した。また、各例の吸収体および吸収補助シートについて、高粘度液体の吸収性を評価するため、以下の手順で高粘度液体吸収時間および高粘度液体吸収性を評価した。各例のまた、下記手順によって各吸収体および吸収補助シートの水解性を評価した。結果を表1〜3に示す。

0078

<吸収層および吸収補助シート各層の厚さの測定>
吸収体試料または吸収補助シート試料の断面を観察し、スケールを当てて吸収補助シート層、吸収層および吸収体全体の厚さを測定した。断面各層の厚さの合計は吸収体全体の厚さに等しい。

0079

<水平吸水量の測定>
10×10cmの試料を0.9%生理食塩水に10分間浸漬し、1分間網上げ後に吸水量を測定した。
[水平吸水量(g/m2)]=(吸水、網上げ後サンプル質量(g)−吸水前サンプル質量(g))×100

0080

<高粘度液体吸収時間の評価>
(1)10×10cmの試料に、幅2×長5.5×高2cmの容器に15mlの高粘度液体を入れて被せ、高粘度液体を試料表面に均一に転移する。
(2)容器を取り除き、その上に塩ビ板を載せを載せて30kg/m2の荷重を加えて1分間置く。
(3)塩ビ板と錘を取り除き、吸収補助シート又は吸収体表面から粘性液体残留による光沢が消失し吸収されるまでの時間を高粘度液体吸収時間(分)とした。
高粘度液体:ベントナイトグリセリン、水および高分子増粘剤により粘度500mPa・sに調整した水溶液
<高粘度液体吸収性の評価>
(1) 10×10cmの試料を水平な面に固定する。
(2)シリンジに2mlの高粘度液体を入れ、試料中央の表面に滴下する。高粘度液体として、ベントナイト、グリセリン、水および高分子増粘剤により粘度500mPa・sに調整した水溶液を用いた。
(3) 表面を撥水処理した直径100mmのローラを、滴下した液の上でゆっくりと(1回転/秒)転がす。 ローラの荷重(線圧)は7g/cmとする。
(3) 試料面で拡がった高粘度液体の幅(a)と長さ(b)を測定し、拡散した液体の面積を計算する(楕円とした場合、面積=π×a×b/4)。
(4) 高粘度液体の拡散が8cm2未満のものを◎、12cm2未満のものを○、高粘度液体の拡散が16cm2未満のものを△、高粘度液体の拡散が16cm2以上になったものを×として高粘度液体吸収性を評価した。
<吸収体の液戻り防止性の評価>
(1) 10×10cmの吸収体試料を水平な面に固定する。
(2) シリンジに20mlの生理的食塩水を入れ、試料中央の表面に滴下する。
(3) 試料上にろ紙(定性用No.2)を被せ、その上から表面を撥水処理した直径100mmのローラを、滴下した液の上でゆっくりと(1回転/秒)転がす。 ローラの荷重(線圧)は5g/cmとする。
(4) ろ紙を観察し、液戻りで濡れていないものを◎、液戻りで濡れている部分はあるが、生理的食塩水を吸収した吸収体面積の25%未満のものを○、50%未満のものを△、吸収体面積の50%以上に当たるろ紙が液戻りで濡れていたものを×として液戻り防止性を評価した。
なお、吸収補助シートのみの液戻り防止性評価は、試験例3に示した吸収層用不織布で、坪量103g/m2、厚さ4mmとしたものを吸収補助シート試料と同じ大きさに断裁したものを吸収層として、その上に吸収補助シート試料を積層し、吸収体試料と同様に評価を行った。
<水解性の評価>
3×3cmのサンプル、および水300mlを入れた300mlビーカーマグネティックスターラーに載せ、直径35mm、厚さ12mmの円盤状回転子を用いて、回転数800rpmで3分攪拌し、攪拌前後のサンプルの崩壊状態を確認した(JIS P 4501トイレットペーパーほぐれやすさ試験方法参考)。
サンプルが崩壊してほぼ水解しているものを◎、ほとんど崩壊して原型を留めていないものを○、崩壊しているが、わずかに形状が残存しているものを△、一部崩壊しているものの、原型が残存しているものを×として評価した。

0081

0082

実施例

0083

上記結果に示すとおり、本発明実施例の吸収補助シートおよびそれを有する吸収体は、優れた水解性を有し、且つ高粘度液体吸収時間も短い優れた吸収シートであった。
一方、比較例の吸収層のみの吸収体では高粘度液体を吸収することが出来ず、比較例の吸収補助を有する吸収体も高粘度液体吸収時間が長く、高粘度液体に対する吸収性が劣っていた。

0084

10、20、30…吸収補助シート、21…吸収層、40…吸収体

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