図面 (/)

技術 飛散防止型ガラス建材

出願人 有限会社ナック技研
発明者 岡賢太郎菊地哲松岡俊夫
出願日 2012年12月13日 (7年6ヶ月経過) 出願番号 2012-272132
公開日 2014年6月30日 (6年0ヶ月経過) 公開番号 2014-118306
状態 特許登録済
技術分野 建築環境 ガラスの接着
主要キーワード アルミニウム製金属板 オリフィス流量 一般財 裏打ち板 耐加重性 樹脂製中間膜 接着ワニス 取付け対象
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年6月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

軽量で高い耐久性耐熱性耐衝撃性を有する飛散防止ガラス建材を提供する。

解決手段

ガラス基板2の裏面2bに金属板3(金属箔金属フィルム金属膜を含む)の塗装又は印刷が施された加工面3aを密着させて飛散防止型ガラス建材1とする。好ましくは,ガラス基板2を強化ガラスとする。ガラス基板2の裏面2bはエンボス仕上げとすることが望ましい。更に好ましくは,ガラス基板2の表面2aを光拡散反射面とする。金属板3は,例えばアルミニウム製又はマグネシウム製とする。

概要

背景

最近の建築物構造物では,透光性が必要とされる窓や仕切り板としてガラスを用いるだけでなく,従来は陶磁器セメント合成樹脂等の建材が用いられてきた不透光性外装材内装材壁材天井材等としてガラス製の建材(以下,ガラス建材という)を用いる要望がある。ガラス建材は,陶磁器製セメント製の建材に比して,表面に汚れが付着しても簡単な清掃作業で容易に除去できるイージーメンテナンス性,任意の大きさ・形状を選択できる成形自由性等の利点を有している。また,合成樹脂製の建材に比して高い耐久性耐熱性を有しており,例えば太陽光に晒される過酷な環境においても初期仕様を長期間維持できる利点を有している。更に,ガラス質表面光沢によって従来の建材では得られない特有意匠性外観性を作り出すことができる利点も有している。

例えば,地下空間トンネル構造物の内装材は,過酷な環境で長期間供用できる耐久性が求められるため,従来はセメント製パネル陶磁器製タイル金属製パネル等の建材が用いられてきた(非特許文献1参照)。しかし,他方で地下空間等の内装材は,照明効果を向上させるため,適宜に表面を清掃等して光の反射率輝度)を高く維持する必要がある。この点で従来のセメント製パネルは,供用後徐々に表面の凹凸に付着した汚れが落ちにくくなり,十年程度経過すると大規模取り替えが必要となることがあった。また,従来の陶磁器製タイルは,長期的な洗浄回復性がある点で優れているが,成形できる大きさ・形状に制限があるため施工面経済面から最適の大きさ・形状とすることが難しかった。これらの点から,イージーメンテナンス性,成形自由性を有するガラス建材が注目され,新しい内装材として研究開発が進められている。また,同様に過酷な環境下で長期間供用される建築物の外装材・外壁材内壁材・内装材,地下鉄ホーム対向壁の壁材等としても,このような特徴を有するガラス建材の利用が期待される。ただし,従来のガラス建材は厚さにもよるが接触事故飛石等の衝撃が加わると破損しやすく,破損するとガラス片が周囲に飛散して二次的事故を招くおそれがある。

従来から,破損した際のガラス建材の飛散を防止する対策として,図3(A)に示すように,ガラス基板22と裏打ち板23との組み合わせ(合わせガラス等)によりガラス建材21を構成し,両板の間に樹脂製中間膜24(例えばポリビニルブチラールPVB)系樹脂エチレンビニルアセテートEVA)系樹脂等)を積層して高圧下で付着させ,その樹脂製中間膜24によりガラス片の飛散を防止する方法が開発されている(特許文献1〜3参照)。また,図3(B)に示すように,裏打ち板を省略し,ガラス基板22の表面又は裏面に飛散防止用樹脂製フィルム25(例えばポリオレフィン系樹脂ポリエステル系樹脂塩化ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アクリル系樹脂等)を接着剤で貼り付けることによりガラス建材21を構成し,その樹脂製フィルム21によりガラス片の飛散を防止する方法も開発されている(特許文献4〜6参照)

概要

軽量で高い耐久性・耐熱性・耐衝撃性を有する飛散防止型ガラス建材を提供する。ガラス基板2の裏面2bに金属板3(金属箔金属フィルム金属膜を含む)の塗装又は印刷が施された加工面3aを密着させて飛散防止型ガラス建材1とする。好ましくは,ガラス基板2を強化ガラスとする。ガラス基板2の裏面2bはエンボス仕上げとすることが望ましい。更に好ましくは,ガラス基板2の表面2aを光拡散反射面とする。金属板3は,例えばアルミニウム製又はマグネシウム製とする。

目的

本発明の目的は,軽量で高い耐久性・耐熱性・耐衝撃性を有する飛散防止型ガラス建材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ガラス基板の裏面に密着する塗装又は印刷が施された加工面を有する金属板を備えたことを特徴とする飛散防止ガラス建材

請求項2

請求項1のガラス建材において,前記ガラス基板を強化ガラスとしてなる飛散防止型ガラス建材。

請求項3

請求項1又は2のガラス建材において,前記ガラス基板の裏面にエンボス仕上げを施してなる飛散防止型ガラス建材。

請求項4

請求項1から3の何れかのガラス建材において,前記ガラス基板の表面に光拡散反射加工を施してなる飛散防止型ガラス建材。

請求項5

請求項1から4の何れかのガラス建材において,前記金属板をアルミニウム製又はマグネシウム製としてなる飛散防止型ガラス建材。

請求項6

請求項1から5の何れかのガラス建材において,前記金属板の厚さを0.1〜0.5mmとしてなる飛散防止型ガラス建材。

請求項7

請求項1から6の何れかのガラス建材において,前記金属板の加工面と反対側面に取付け部を一体成型又は溶接してなる飛散防止型ガラス建材。

請求項8

請求項1から7の何れかのガラス建材において,前記ガラス基板の裏面と金属板の加工面とを4N/25mm幅以上の粘着力接着してなる飛散防止型ガラス建材。

請求項9

請求項8のガラス建材において,前記ガラス基板の裏面と金属板の加工面とを硬化時に透明となる接着剤により密着させてなる飛散防止型ガラス建材。

請求項10

請求項8又は9のガラス建材において,前記ガラス基板の裏面と金属板の加工面とを光硬化性接着剤により密着させてなる飛散防止型ガラス建材。

技術分野

0001

本発明は飛散防止ガラス建材に関し,とくに建築物構造物外装材内装材壁材天井材等として用いる不透光性の飛散防止型ガラス建材に関する。

背景技術

0002

最近の建築物・構造物では,透光性が必要とされる窓や仕切り板としてガラスを用いるだけでなく,従来は陶磁器セメント合成樹脂等の建材が用いられてきた不透光性の外装材,内装材,壁材,天井材等としてガラス製の建材(以下,ガラス建材という)を用いる要望がある。ガラス建材は,陶磁器製セメント製の建材に比して,表面に汚れが付着しても簡単な清掃作業で容易に除去できるイージーメンテナンス性,任意の大きさ・形状を選択できる成形自由性等の利点を有している。また,合成樹脂製の建材に比して高い耐久性耐熱性を有しており,例えば太陽光に晒される過酷な環境においても初期仕様を長期間維持できる利点を有している。更に,ガラス質表面光沢によって従来の建材では得られない特有意匠性外観性を作り出すことができる利点も有している。

0003

例えば,地下空間トンネル構造物の内装材は,過酷な環境で長期間供用できる耐久性が求められるため,従来はセメント製パネル陶磁器製タイル金属製パネル等の建材が用いられてきた(非特許文献1参照)。しかし,他方で地下空間等の内装材は,照明効果を向上させるため,適宜に表面を清掃等して光の反射率輝度)を高く維持する必要がある。この点で従来のセメント製パネルは,供用後徐々に表面の凹凸に付着した汚れが落ちにくくなり,十年程度経過すると大規模取り替えが必要となることがあった。また,従来の陶磁器製タイルは,長期的な洗浄回復性がある点で優れているが,成形できる大きさ・形状に制限があるため施工面経済面から最適の大きさ・形状とすることが難しかった。これらの点から,イージーメンテナンス性,成形自由性を有するガラス建材が注目され,新しい内装材として研究開発が進められている。また,同様に過酷な環境下で長期間供用される建築物の外装材・外壁材内壁材・内装材,地下鉄ホーム対向壁の壁材等としても,このような特徴を有するガラス建材の利用が期待される。ただし,従来のガラス建材は厚さにもよるが接触事故飛石等の衝撃が加わると破損しやすく,破損するとガラス片が周囲に飛散して二次的事故を招くおそれがある。

0004

従来から,破損した際のガラス建材の飛散を防止する対策として,図3(A)に示すように,ガラス基板22と裏打ち板23との組み合わせ(合わせガラス等)によりガラス建材21を構成し,両板の間に樹脂製中間膜24(例えばポリビニルブチラールPVB)系樹脂エチレンビニルアセテートEVA)系樹脂等)を積層して高圧下で付着させ,その樹脂製中間膜24によりガラス片の飛散を防止する方法が開発されている(特許文献1〜3参照)。また,図3(B)に示すように,裏打ち板を省略し,ガラス基板22の表面又は裏面に飛散防止用樹脂製フィルム25(例えばポリオレフィン系樹脂ポリエステル系樹脂塩化ビニル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アクリル系樹脂等)を接着剤で貼り付けることによりガラス建材21を構成し,その樹脂製フィルム21によりガラス片の飛散を防止する方法も開発されている(特許文献4〜6参照)

0005

特開平9−088223号公報
特開2009−151331号公報
特表2012−504512号公報
特開2000−079660号公報
特開2011−001393号公報
特開平09−176337号公報

先行技術

0006

東日本高速道路株式会社ほか「設計要領第三集トンネル内装工」平成24年7月,インターネット<http://www.e−nexco.co.jp/bids/info/technical_standards/pdfs/10.pdf>
日本工業規格建築用ボード類の曲げ及び衝撃試験方法」JIS−A−1408
土橋常登ほか「内装材料における不燃性試験及び発熱性試験の比較」一般財団法人日建築総合研究所機関紙GBRC,Vol.29,No.1,2004年1月,インターネット<http://www.gbrc.or.jp/contents/documents/GBRC/GBRC115_585.pdf>

発明が解決しようとする課題

0007

しかし,図3(A)のようにガラス基板22と裏打ち板23との間に樹脂製中間膜24を積層する方法は,2枚の板を用いるので重量が大きくなり,施工作業が煩雑になる問題点がある。例えば,ガラス建材の厚さが8mm(3mm+5mm)程度になると,大きさにもよるが15〜30kg程度にもなり,作業員単独で持ち運びできない重量になると施工作業にクレーン等が必要となる。裏打ち板23を軽量の合成樹脂製とすることでガラス建材21の軽量化を図ることも考えられるが,劣化しやすい合成樹脂を組み合わせたガラス建材21は耐久性・耐熱性が求められる環境下で使用することができなくなる。建築物・構造物の建設時だけでなく維持管理上の取り替え等も考慮すると,耐久性があって頻繁に取り替える必要がなく,しかも取り替えに際して軽量で施工しやすいガラス建材とすることが求められる。

0008

これに対し,図3(B)のようにガラス基板22の表面に樹脂製フィルム25を貼り付ける方法によれば,ガラス建材21の軽量化を図ることができる。しかし,この方法は樹脂フィルム25が露出しているため,耐久性・耐熱性が求められる環境下で使用するガラス建材21とするには難点がある。また,露出した樹脂フィルム25は大きな衝撃が加わると傷ついて破断するおそれがあり,長期にわたる供用中に気付かないまま樹脂フィルム25が傷ついて飛散防止効果が損なわれるおそれもある。例えば上述した地下空間の内装材や建築物の外装材等とするためには,単にガラス片の飛散を防止できるだけでは足りず,過酷な環境下でも長期にわたり飛散防止機能を維持できる耐衝撃性を有するガラス建材とすることが必要である。

0009

そこで本発明の目的は,軽量で高い耐久性・耐熱性・耐衝撃性を有する飛散防止型ガラス建材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

図1の実施例を参照するに,本発明による飛散防止型ガラス建材1は,ガラス基板2の裏面2bに密着する塗装又は印刷が施された加工面3aを有する金属板金属箔金属フィルム金属膜を含む。以下,同じ)3を備えたものである。好ましい実施例では,ガラス基板2を強化ガラスとする。ガラス基板2の裏面2bはエンボス仕上げとすることが望ましい。更に好ましい実施例では,ガラス基板2の表面2aに光拡散反射加工を施す。

0011

金属板3の材質は,例えばアルミニウム製又はマグネシウム製とすることができる。好ましい実施例では,金属板3の厚さを0.1〜0.5mmとする。金属板3の加工面と反対側面3bには,取付け部5を一体成型又は溶接することができる。

0012

望ましくは,ガラス基板2の裏面2bと金属板3の加工面3aとを4N/25mm幅以上の粘着力接着する。好ましい実施例では,ガラス基板2の裏面2bと金属板3の加工面3aとを硬化時に透明となる接着剤4により密着させる。更に好ましい実施例では,ガラス基板2の裏面2bと金属板3の加工面3aとを光硬化性接着剤4により密着させることができる。

発明の効果

0013

本発明による飛散防止型ガラス建材1は,ガラス基板2の裏面2bと金属板3の塗装又は印刷が施された加工面3aとを密着させるので,軽量で高い耐久性・耐熱性・耐衝撃性を有するものとすることができる。

図面の簡単な説明

0014

以下,添付図面を参照して本発明を実施するための形態及び実施例を説明する。
本発明による飛散防止型ガラス建材の一実施例の説明図である。
本発明による飛散防止型ガラス建材の耐熱性を確認する実験装置の説明図である。
従来のガラス建材の飛散防止方法の説明図である。

実施例

0015

図1は,地下空間の内装材,建築物の外装材等に適用できる本発明の飛散防止型ガラス建材1の一実施例を示す。図示例のガラス建材1は,例えば縦横60cm×60cm程度の大きさ・形状のガラス基板2と,同じ大きさ・形状で片側の加工面3aに塗装又は印刷が施された金属板3と,両者を密着させる接着剤4とで構成されており,ガラス基板2の裏面2bに金属板3の加工面3aを密着させて一体化することによりガラス基板2の破損時のガラス片の飛散を防止したものである。金属板3の加工面3aと反対側を取付け対象への取付け面3bとし,加工面3aが透かし出るガラス基板2の表面2aを表側に向けて取り付ける。以下,図1を参照して本発明を説明するが,本発明のガラス建材1は,建築物・構造物の外装材,内装材,壁材,天井材といった様々な用途に適用可能であり,大きさ・形状も用途に応じて任意に選択することができる。

0016

図示例のガラス基板2は,通常のフロートガラス(透明ガラス)とすることができる。従来のガラス建材は,不透光性の要求を満たすために樹脂製中間膜24を着色した合わせガラス(図3(A)参照)又は塗料焼き付けカラーガラス(図3(B)参照)を用いていたが,本発明のガラス建材1は,通常のフロートガラスに金属板3を密着させることで不透光性とすることができるので,ガラス基板2は着色されていなくても足りる。ガラス基板2を通常のフロートガラスとすることで,ガラス建材1の製造コストを低く抑えることができる。

0017

ただし,ガラス基板2を要望に応じて型板ガラス網入りガラス,透光性の色ガラス等とすることも可能である。例えば,ガラス基板2を裏面2bに細かな凸部を形成するエンボス仕上げが施された型板ガラスとすることにより,ガラス基板2と金属板3との接触面積を広げて両者の接着強さを大きくすることができる。また,ガラス建材1を太陽光や車のライト反射するような環境下で用いる場合は,ガラス建材1で正反射鏡面反射)した光が人の生活や自動車安全運転に悪影響(光害)を及ぼさないように,ガラス基板2の表面2aに光拡散反射加工を施すこと,具体的には光の反射を抑えるコーティング等が施された低反射ガラスとし,或いは細かな型模様や凹凸を付けて正反射を防止した型枠ガラス等とすることができる。

0018

好ましくは,ガラス基板2を,熱処理により耐圧強度を高めた強化ガラス製とする。本発明のガラス建材1は,強度を有する金属板3を積層することができるので,ガラス基板2が通常のフロートガラス製であっても必要な耐加重性,耐衝撃性を確保できるが,強化ガラス製とすることによりガラス基板2を薄くし,ガラス建材1の軽量化を図ることができる。また,大きな衝撃によりガラス基板2が破損した場合に,飛散しないもののガラス片が比較的大きな鋭利な形状に割れるので,触ると怪我をする危険性がある。これに対し,強化ガラスは破損時に粉々に砕けるので,ガラス基板2を強化ガラス製とすることにより,破損時にガラス片の飛散防止に加えて触っても安全な形状とすることができる。

0019

図示例の金属板3は,ガラス建材1に必要な耐久性・耐熱性・耐衝撃性を与える金属箔,金属フィルム,金属膜としてもよいが,好ましくは厚さ0.1〜0.5mmとし,望ましくは0.2〜0.4mmとする。ガラス建材1に必要な強度が確保できる範囲において,できるだけ薄い金属板3を用いることにより,本発明のガラス建材1を軽量で施工しやすいものとすることができる。金属板3をステンレス製又は銅製とすることも可能であるが,好ましくは金属板3を比重の小さいアルミニウム製又はマグネシウム製とすることによりガラス建材1の更なる軽量化を図る。本発明者の実験的知見によれば,従来の合わせガラス(強化ガラス+裏打ちガラス)を用いたガラス建材に比して,強化ガラスに厚さ0.3mm程度のアルミニウム製の金属板3を密着させることにより,同程度の耐圧強度(耐衝撃性)を有しつつ重量1/2程度の軽量なガラス建材1とすることができる。

0020

金属板3の加工面3aには所要の塗装又は印刷を施し,その加工面3aをガラス基板2の裏面2bから表面2aに透かし出すことにより,多様な色彩及びデザイン・装飾のガラス建材1とすることができる。例えば,所要の色彩を加工面3aに塗装することにより,従来のカラーガラスと同様の外見を有するガラス建材1とすることができる。また,加工面3aに従来のカラーガラスでは実現が難しかった模様(例えば木目模様等)を印刷することにより,新たな外見を有するガラス建材1とすることもできる。更に,従来のカラーガラスは複雑な模様等を表現する場合に塗料を何度も重ねて焼き付ける必要があり,多品種少量生産することは不経済であったが,金属板3の加工面3aは1枚ずつ塗装又は印刷することができるので,本発明のガラス建材1は合理的なコストで多品種少量生産することが可能である。しかも,従来のカラーガラスは主に内装材向けであるのに対し,加工面3aがガラス基板2で保護された本発明のガラス建材1は屋外の外装材として用いることも可能である。

0021

また,金属板3の加工面と反対側の取付け面3bには,必要に応じて取付け部5を一体成型又は溶接することできる。本発明のガラス建材1は適当な接着剤を用いて取付け対象に圧着して直張り可能であるが,例えば図示例のように金属板3の取付け面3bに周囲へ張り出す取付け部5を設け,その取付け部5にボルト孔を設けることによりアンカーボルト等で直張りすることが可能となる。ガラス基板2にボルト孔を穿孔することは難しいが,金属板3を密着させた本発明のガラス建材1は,ガラス基板2にボルト孔を穿孔することなくアンカーボルトによる直張りが可能である。必要に応じて,金属板3の取付け面3bの全体に凹凸を設けて取付け対象との接触面積を広げることも有効である。また,取付け対象の漏水等によって金属板3の取付け面3bが腐食するおそれのあるときは,必要に応じて取付け面3bに防食さび止め)塗装をすることも有効である。更に,ガラス建材1を取付け対象に浮かし張りするような場合には,金属板3の取付け面3に予め取付け金具その他の取付け部5を一体成型又は溶接しておくことにより,取付け具5を現場で取り付ける工法に比して施工作業の効率化を図ることができる。

0022

接着剤4は,ガラス基板2の裏面2bと金属板3の加工面3aとを必要な接着強さで密着させるが,好ましくは両者を4N/25mm幅以上,望ましくは5N/25mm幅以上,更に望ましくは6N/25mm幅以上の粘着力で接着する。従来からガラスの飛散防止用フィルム図2(B)参照)は4N/25mm幅以上の粘着力で貼り付けているが(JIS−A−5759),本発明者は実験により,ガラス基板2と金属板3とを接着する場合も,両者を4N/25mm幅以上の粘着力で接着すればガラス建材1の破損時にガラス片が金属板3から飛散することを確実に防止できることを確認することができた。

0023

好ましくは,金属板3の加工面3aに施した塗装又は印刷がガラス基板2の表面2aにそのまま透かし出されるように,硬化時に透明(例えば透光率が90%以上)となる接着剤4を用いる。また,ガラス建材1を製造するためにガラス基板2と金属板3とを押圧しながら密着させる必要があり,硬化速度が遅いと押圧する時間が長くなって製造工程が煩雑になるので,できるだけ硬化時間の短い接着剤4とすることが望ましい。例えば,接着剤4を赤外線又は紫外線照射することで迅速に硬化する光硬化性接着剤とし,ガラス基板2と金属板3とを押圧しながら赤外線又は紫外線を照射して迅速に硬化させることにより,製造工程の簡単化を図ることができる。

0024

[実験例1]
本発明のガラス建材1の性能を確認するため,図1に示すガラス建材1を試作して実験を行った。本実験では,ガラス基板2として60cm×60cmの大きさで裏面2bにエンボス加工が施された透明強化ガラス(旭硝子株式会社製の熱処理高透過型板ガラスSolite3.2ミリ(品番:3SWE33))と,同じ大きさで加工面3aが白色に塗装された厚さ0.3mmのアルミニウム製金属板3とを用い,ガラス基板2の裏面2bと金属板3の加工面3aとにそれぞれ紫外線硬化性の接着剤4(東洋インキ製造株式会社製の接着ワニスFD0901−KY)を塗布して所要圧力で押圧し,紫外線を照射しながら硬化させた。ガラス基板2と金属板3との接着強度は,接着剤4の塗布量又は紫外線の照射量により更に大きくすることも可能であるが,粘着力が4N/25mm幅となるように調整した。また,実験で用いた接着剤4は硬化時に透光率90%以上の透明となるので,紫外線を照射しながら硬化させることにより,加工面3aの白色塗装がガラス基板2の表面2aにそのまま透かし出されるガラス建材1を作成することができた。

0025

先ず,作製したガラス建材1の耐衝撃性を確認するため,非特許文献2の衝撃試験方法に沿って,堅固な床の上に水平に置いた80cm×80cmの砂の上にガラス建材1を水平に載置して支持し(試験体支持方法記号S1),約530gの球形おもり(おもり記号W2−500)をガラス建材1の中央部鉛直上方70cmから自然落下させ,ガラス建材1の破壊状況等を観察したところ,亀裂,剥離貫通孔,割れ,ガラス片の剥離は何れも検出できなかった。この実験結果から,本発明のガラス基板1は,接触事故や飛石等の衝撃が加わる環境下でも長期間維持できる耐衝撃性を有していることを確認することができた。

0026

[実験例2]
続いて,作製したガラス建材1の耐熱性(不燃性)を確認するため,非特許文献3に記載されたコーンカロリーメータ試験(ISO5660−1)に沿って,ガラス建材1の発熱量を測定した。本実験では,図2に示すように,ロードセル31上に載置したガラス建材1にスパーク点火器33で点火し,コーン電気ヒータ32により一定の輻射熱放射した状態で,ガラス建材1の燃焼により消費された酸素減少量から酸素消費法に基づき発熱量及び発熱速度を求め,同時に燃焼中のガラス建材1の状況を観察した。

0027

コーンカロリーメータ試験において不燃性を確認するためには,(1)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること,(2)加熱開始後20分間,防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び孔が発生しないこと,(3)加熱開始後20分間,最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないことの3点を満たす必要があるところ,本発明のガラス建材1は(1)加熱開始後20分間の総発熱量が0.4MJ/m2であり,(2)その間に亀裂及び孔は観察されず,(3)その間の最高発熱速度は1.5kW/m2であった。この実験結果から,本発明のガラス基板1は,火災発達に直接寄与するような燃焼性がなく,不燃性であることを確認することができた。

0028

以上説明したように,本発明の飛散防止型ガラス建材1によれば,従来のガラス建材に比べて,以下の利点が得られる。
(イ)薄くても必要な強度を有する金属板3をガラス基板2に密着させてガラス建材1とすることにより,従来の合わせガラス等に比して軽量で施工しやすい飛散防止型ガラス建材1とすることができ,比重の小さい金属板3を選択することで一層の軽量化を図ることもできる。
(ロ)強度のある金属板3を積層することにより,衝突・衝撃が加わるような環境下でも初期仕様を長期間維持できる耐衝撃性のガラス建材1とすることができ,ガラス基板2を強化ガラス製とすることで更に耐衝撃性を高めることができる。
(ハ)また,耐熱性のある金属板3との密着によってガラス片の飛散を防止することにより,従来の樹脂製中間膜や樹脂製フィルムに用いる飛散防止方法に比してガラス建材1の耐熱性を高めることができ,実質上不燃性のガラス建材1とすることが可能である。

0029

(ニ)通常のフロートガラスに金属板3を密着させることで不透光性のガラス建材1とすることができるので,カラーガラスを用いて不透光性の要求を満たしていた従来のガラス建材に比して製造コストを低く抑えることができる。
(ホ)従来のカラーガラスは少量ずつ製造すると不合理・不経済であったが,金属板3の加工面3aは少量ずつ塗装又は印刷することができるので,金属板3の加工面3aをガラス基板2の表面2aに透かし出すガラス建材1とすることにより,多品種のガラス建材1を少量ずつ合理的なコストで製造することが可能となる。
(ヘ)ガラス基板2の表面に半透明・低反射・凹凸感等の加工・デザイン・装飾を施すことが可能であり,ガラス基板2の表面と金属板3の加工面3aの塗装又は印刷との複合効果により,ガラス建材1の意匠多様化を図ることができる。

0030

こうして本発明の目的である「軽量で高い耐久性・耐熱性・耐衝撃性を有する飛散防止型ガラス建材」の提供が達成できる。

0031

1…飛散防止型ガラス建材2…ガラス基板
2a…基板表面 2b…基板裏面
3…金属板3a…加工面
3b…取付け面(反対側面) 4…接着剤
21…飛散防止型ガラス建材 22…ガラス基板
23…裏打ち板24…樹脂製中間膜
25…樹脂フィルム
31…ロードセル32…コーン電気ヒータ
33…スパーク点火器 34…排気フード
35…レーザー煙濃度測定器36…排気ブロア
37…オリフィス流量測定器 38…排煙処理装置
39…ガスサンプリング装置40…ガス分析装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ