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技術 中性子速度調整装置および中性子発生装置

出願人 三菱重工機械システム株式会社国立大学法人大阪大学
発明者 久利修平松下出堀池寛帆足英二村田勲土井幸子加藤逸郎
出願日 2012年12月6日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2012-267700
公開日 2014年6月26日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 2014-115122
状態 特許登録済
技術分野 放射線治療装置 その他の放射線取扱い 粒子加速器
主要キーワード 減速板 可動環 バックウォール 減速部材 速度調整装置 不活性ガスタンク クエンチタンク 略漏斗形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年6月26日)のものです。
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図面 (11)

課題

簡単な装置構成であり運用が容易な中性子エネルギーを調整すること。

解決手段

ターゲット形成装置2の中性子発生側に、複数の減速材容器11,12,13を配置し、この減速材容器11,12,13に選択的に重水を導入して中性子が通過する際に減速するようにする。減速材容器11,12,13は、配管17を介して貯蔵タンク14に接続されている。重水の導入はポンプ15により行う。熱外中性子は減速材容器11〜13を通過する際に、熱中性子に変換され、ベッドB上の患者Pに照射される。このようにすれば、多数の患者を治療する場合でも、楽にエネルギーの切換操作を行える。また、医師放射線技師でも簡単に運用できる。

概要

背景

現在、ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy; BNCT)が癌細胞を選択的に殺傷し治療できる技術として注目されている。BNCTでは、熱中性子熱外中性子を利用する必要があるため、患者中性子を生成利用できる原子炉まで出向く必要がある等の制約が多いため、病院内で中性子を発生させ得る小型の中性子発生装置が望まれている。中性子発生装置では、ベリリウムリチウムターゲット加速器加速させた陽子重陽子衝突させる。

従来の加速器としては、非特許文献1に記載のようなものが知られている。この加速器は、ECR(electron cyclotron resonance)型のイオン源と、高周波四重極線形加速器(RFQリニアック)と、ドリフトチューブ型線形加速器DTL)とを連設した構成である。この加速器では、RFQリニアックにより重陽子イオンを5MeVまで加速させ、DTLにより40MeVまで加速させる。加速した重陽子イオンのビームは、湾曲したバックウォール上に流れる液体リチウム照射され、その背後に中性子を発生させる。

概要

簡単な装置構成であり運用が容易な中性子のエネルギーを調整すること。ターゲット形成装置2の中性子発生側に、複数の減速材容器11,12,13を配置し、この減速材容器11,12,13に選択的に重水を導入して中性子が通過する際に減速するようにする。減速材容器11,12,13は、配管17を介して貯蔵タンク14に接続されている。重水の導入はポンプ15により行う。熱外中性子は減速材容器11〜13を通過する際に、熱中性子に変換され、ベッドB上の患者Pに照射される。このようにすれば、多数の患者を治療する場合でも、楽にエネルギーの切換操作を行える。また、医師放射線技師でも簡単に運用できる。

目的

BNCTでは、熱中性子や熱外中性子を利用する必要があるため、患者が中性子を生成利用できる原子炉まで出向く必要がある等の制約が多いため、病院内で中性子を発生させ得る小型の中性子発生装置が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

荷電粒子ビームベリリウムリチウム等のターゲット照射した際に、当該ターゲット背面側の中性子進行経路上に、多段に配置され且つ、液体状の減速材を導入する複数の減速材容器と、配管により前記各減速材容器と接続され、前記減速材を貯蔵する貯蔵タンクと、前記減速材を送るポンプとを備えたことを特徴とする中性子速度調整装置

請求項2

更に、前記複数の減速材容器のうち、患者側に位置する減速材容器から減速材を導入するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の中性子速度調整装置。

請求項3

荷電粒子ビームをベリリウムやリチウム等のターゲットに照射した際に当該ターゲットの背後に生じる中性子の進行経路上に多段に配置されると共に、中性子の固体の減速材から成形され又は液体状の減速材が封入された複数の減速部材と、各減速部材を移動させて前記中性子の照射経路上に選択的に出し入れする減速部材移動手段とを備えたことを特徴とする中性子速度調整装置。

請求項4

陽子ビームをターゲットに照射した際に当該ターゲットの背後に生じる中性子の進行経路上に配置された液体状の減速材を封入する減速材容器と、配管により前記各減速材容器と接続され、前記減速材を貯蔵する貯蔵タンクと、前記減速材を送るポンプと、減速材容器内の減速材の深さを取得する深度得手段と、を備えたことを特徴とする中性子速度調整装置。

請求項5

前記減速材容器は、側面壁伸縮部材で構成され且つ患者側の面が固定されていることを特徴とする請求項4に記載の中性子速度調整装置。

請求項6

上記請求項1〜5のいずれか一つの中性子速度調整装置と、陽子を発生させる陽子発生手段と、陽子を加速する加速器と、ターゲットを形成するターゲット形成手段と、を備えたことを特徴とする中性子発生装置

技術分野

0001

本発明は、中性子エネルギー切り換えることができる中性子速度調整装置および中性子発生装置に関するものである。

背景技術

0002

現在、ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy; BNCT)が癌細胞を選択的に殺傷し治療できる技術として注目されている。BNCTでは、熱中性子熱外中性子を利用する必要があるため、患者が中性子を生成利用できる原子炉まで出向く必要がある等の制約が多いため、病院内で中性子を発生させ得る小型の中性子発生装置が望まれている。中性子発生装置では、ベリリウムリチウムターゲット加速器加速させた陽子重陽子衝突させる。

0003

従来の加速器としては、非特許文献1に記載のようなものが知られている。この加速器は、ECR(electron cyclotron resonance)型のイオン源と、高周波四重極線形加速器(RFQリニアック)と、ドリフトチューブ型線形加速器DTL)とを連設した構成である。この加速器では、RFQリニアックにより重陽子イオンを5MeVまで加速させ、DTLにより40MeVまで加速させる。加速した重陽子イオンのビームは、湾曲したバックウォール上に流れる液体リチウム照射され、その背後に中性子を発生させる。

先行技術

0004

国際核融合材料照射施設(IFMIF)計画概要北大金属材料研究所,日本原子力研究所井秀樹 第11回核融合研究開発問題検討会 平成15年9月29日 第14頁

発明が解決しようとする課題

0005

熱中性子は、人体表層付近でその強度がピークを示すため、表層付近の病巣に対する治療に適している。しかし、熱中性子は、表層から深部に進むにつれて線量が減衰するため、人体外部からの照射では深部の病巣に必要な量の中性子を照射できず、手術により患部を開いて中性子照射する等の必要がある。一方、熱外中性子は、表層から深部に至る過程でエネルギーを失い、熱中性子となる。このため、表層から70mm程度までの深さの病巣に対して、人体外部から熱外中性子を照射することで治療が可能となる。しかし、熱外中性子は、ホウ素との反応性が低いため表層の治療には適さない。

0006

BNCTを用いて実際に治療を行う場合、患者により病巣の深さは様々であるため、病院内で異なるエネルギーの中性子を簡単に得られると適用範囲広がり効果的である。しかしながら、上記従来のような加速器の構成では、ベリリウムをターゲットに用いた場合、中性子のエネルギーを調整することは不可能であり、リチウムターゲットを用いた場合でも、原理的には可能であるが、工学的には非常に困難であることが知られている。この発明はかかる問題点を解決するためになされたものである。

課題を解決するための手段

0007

第1の発明に係る中性子速度調整装置は、荷電粒子ビームをベリリウムやリチウム等のターゲットに照射した際に、当該ターゲット背面側の中性子の進行経路上に、多段に配置され且つ、液体状の減速材を導入する複数の減速材容器と、配管により前記各減速材容器と接続され、前記減速材を貯蔵する貯蔵タンクと、前記減速材を送るポンプとを備えたことを特徴とする。

0008

この発明によれば、ポンプを用いて貯蔵タンクから減速材容器に減速材を導入することで、中性子が減速されて患者に照射される。また、減速材容器に減速材を導入していない状態にすれば、中性子が減速されることなく患者に照射される。更に、特定の減速材容器のみに減速材を導入すれば、それに応じて中性子が減速する。このように、貯蔵タンク内の減速材を所望の減速材容器に導入することで中性子の速度を簡単に切り換えられる。また、本発明を用いた装置の運用も容易になる。

0009

第2の発明に係る中性子速度調整装置は、上記発明において、更に、前記複数の減速材容器のうち、患者側に位置する減速材容器から減速材を導入するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。

0010

患者側の減速材容器から減速材を導入するようにすれば、減速された中性子が拡散しないうちに患部に照射できる。

0011

第3の発明に係る中性子速度調整装置は、荷電粒子ビームをベリリウムやリチウム等のターゲットに照射した際に当該ターゲットの背後に生じる中性子の進行経路上に多段に配置されると共に、中性子の固体の減速材から成形され又は液体状の減速材が封入された複数の減速部材と、各減速部材を移動させて前記中性子の照射経路上に選択的に出し入れする減速部材移動手段とを備えたことを特徴とする。

0012

この発明によれば、中性子の照射経路上に減速部材を位置させることで、中性子が減速されて患者に照射される。また、減速部材を退避させれば、中性子が減速されることなく患者に照射される。更に、特定の減速部材のみを進行経路上に位置させれば、それに応じて中性子が減速する。このように、所定数の減速部材を照射経路上に位置させることで中性子の速度を簡単に切り換えられる。また、本発明を用いた装置の運用も容易になる。

0013

第4の発明に係る中性子速度調整装置は、陽子ビームをターゲットに照射した際に当該ターゲットの背後に生じる中性子の進行経路上に配置された液体状の減速材を封入する減速材容器と、配管により前記各減速材容器と接続され、前記減速材を貯蔵する貯蔵タンクと、前記減速材を送るポンプと、減速材容器内の減速材の深さを取得する深度得手段とを備えたことを特徴とする。

0014

この発明によれば、ポンプを用いて貯蔵タンクから減速材容器に減速材を導入することで、中性子が減速されて患者に照射される。また、減速材容器に減速材を導入してない状態にすれば、中性子が減速されることなく患者に照射される。更に、深度取得手段により減速材容器に導入する減速材の深さ(厚さ)を取得することで当該減速材の深さ(厚さ)を調整すれば、それに応じて中性子が減速する。このように、貯蔵タンク内の減速材を減速材容器に所望の量導入することで中性子の速度を簡単に切り換えられる。また、本発明を用いた装置の運用も容易になる。

0015

第5の発明に係る中性子速度調整装置は、上記発明において、前記減速材容器は、側面壁伸縮部材で構成され且つ患者側の面が固定されていることを特徴とする。

0016

即ち、減速材容器の側面壁を伸縮部材で構成し、患者側の面を固定しておけば、減速材容器に導入する減速材の量が変わっても、患者と減速材の液面との距離は一定に保たれる。この距離を近接しておけば、減速した中性子を効率的に患者に照射できる。なお、前記伸縮部材は蛇腹等である。

0017

第6の発明に係る中性子発生装置は、上記いずれか一つの中性子速度調整装置と、陽子を発生させる陽子発生手段と、陽子を加速する加速器と、ターゲットを形成するターゲット形成手段と、
を備えたことを特徴とする。

図面の簡単な説明

0018

この発明の実施の形態1にかかる中性子発生装置を示す構成図である。
図1に示した中性子発生装置の動作を示す説明図である。
この発明の実施の形態2に係る中性子発生装置を示す構成図である。
図3に示した中性子発生装置の動作を示す説明図である。
この発明の実施の形態2に係る中性子発生装置の変形例を示す構成図である。
この発明の実施の形態3に係る中性子発生装置を示す構成図である。
図6に示した中性子発生装置の動作を示す説明図である。
図6に示した中性子発生装置の変形例を示す構成図である。
実施の形態1に係る中性子発生装置を縦置き型にした場合を示す構成図である。
実施の形態2に係る中性子発生装置を縦置き型にした場合を示す構成図である。

実施例

0019

(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる中性子発生装置を示す構成図である。この中性子発生装置100は、陽子を加速する加速器1と、陽子ビームを照射することで中性子を発生させるターゲット形成部2と、中性子の速度を調整する中性子速度調整装置3とから構成される。中性子速度調整装置3は、患者Pを載せるベッドBの下側に配置される。加速器1は、イオン源5と、RFQ等加速器6と、DTL等付加的加速器7とを連設した構成である。加速器1及びターゲット形成部2は、真空容器23内に設置される。

0020

ターゲット形成部2は、陽子ビームの照射領域を横切るように液体金属を平面的に噴射するノズル8と、噴射された液体金属を受けるディフューザからなる受け部9とから構成される。ターゲット形成部2は、配管を介してクエンチタンク電磁ポンプ等のポンプ、熱交換器と接続され全体として液体金属ループを構成している(いずれも図示省略)。ターゲット形成部2によりターゲットTは水平方向に形成される。液体金属は、例えば液体リチウムである。

0021

ターゲット形成部2の上部の中性子発生側には、前記中性子速度調整装置3が設けられている。この中性子速度調整装置3は、中性子の照射経路上に複数段設けられ且つ液体状の減速材が導入される減速材容器11,12,13と、減速材容器11,12,13に接続した貯蔵タンク14と、貯蔵タンク14と各減速材容器11,12,13との間に配置した複数のポンプ15と、減速材容器11,12,13に接続した不活性ガスタンク16とを備えている。前記減速材は、例えば重水軽水もしくは重水と軽水を混合したものである。当該中性子の照射経路とは、中性子が末広がりに拡散して進む際の当該経路をいう。なお、前記ポンプ15は、貯蔵タンク14の減速材を送ることができれば図中で示した位置に限定されない。また、貯蔵タンク14は、一つのタンクでも良いし、各減速材容器11,12,13に異なる種類や密度の減速材を導入する場合は、減速材容器11,12,13毎に設ける(図示省略)。

0022

減速材容器11,12,13と貯蔵タンク14及び不活性ガスタンク16とは、それぞれ配管17,18で接続されている。前記不活性ガスは、例えばアルゴンガスである。また、不活性ガスタンク16の配管18には遠隔操作バルブ19が設けられている。なお、本実施の形態1では、減速材容器11,12,13を3段積層したが、これに限定されるものではなく、減速材容器を2段又は4段以上積層しても良い。

0023

前記減速材容器11,12,13は、上方(中性子の照射方向)に向けて末広がりのように水平方向の表面積が大きくなる。これは、ターゲットTで発生した中性子が末広がりに拡散するように発生するためである。また、減速材容器11,12,13は、アルミニウム等の中性子の吸収能が低く且つ安価な材料により構成するのが好ましい。

0024

前記減速材容器11,12,13は、中性子の反射壁20内に配置されている。反射壁20は中性子の散乱能力が高い材料で構成する。例えば、主として炭素により構成する。外側には、中性子の吸収体を配置する。反射壁20は、内部が空洞の中性子吸収体からなる筐体内にホウ酸水等を封入した構造にしても良い(図示省略)。減速材容器11,12,13に接続された配管17,18は、当該配管17,18を通じて中性子がストリーミングにより外部に漏れないように反射壁20の中で折れ曲がる。なお、反射壁20の外側には図示しない中性子の遮蔽壁が設けられている。

0025

減速材容器11の上側には、主としてガンマ線遮蔽するために、鉛、ビスマス等の重金属で構成した遮蔽板21が設置されている。この遮蔽板21の表面には、6Liもしくはカドミウム(この場合には遮蔽板21の裏面に設置する)からなる薄い円環状または額縁状の中性子の絞りが形成されている。当該絞りは、例えば複数の絞り羽根部材可動状態環状配置して中央部分の開口面積を調整できるカメラの絞りのような構造とする(図示省略)。また、中性子速度調整装置3は、患者を載せるベッドBの下内部に設けられる。ベッドBの表面と最上部の減速材容器11とは、遮蔽板21を介して近接して配置する。減速された中性子を可能な限り短い距離で患者Pに到達させるためである。

0026

前記ポンプ15及び電磁バルブ19は制御部22により駆動される。制御部22は、ポンプ15を駆動する制御盤汎用コンピュータ及び所定のプログラムから構成される。各減速材容器11,12,13に対するポンプ15による減速材の出し入れは、当該制御部22により行われる。

0027

次に、この中性子発生装置100の動作について説明する。患者Pに、予め10Bを含むBPA又はBSH等のホウ素化合物を注射もしくは点滴し、10Bを癌細胞に取り込ませる。また、ターゲット形成部2によりノズル8から液体金属を噴出し、液体金属によるターゲットTを水平方向に形成する。イオン源5により発生させた陽子を加速器6及びDTL7により所定速度まで加速させ、前記ターゲットTに照射する。ターゲットTとの核反応により高速中性子が発生する。具体的には、Ep=2.5MeVでの照射により得られる高速中性子のエネルギーは、100〜600keVである。Ep=1.9MeVでは、数10keV以下である。

0028

患者Pの治療に熱中性子を用いる場合、操作員が制御部22に指令し、図2(a)に示すように、ポンプ15により貯蔵タンク14内の重水等を減速材容器11,12,13に導入する。例えば減速材容器11、12に一つの貯蔵タンク14から重水を導入し、減速材容器13には、他の貯蔵タンク14から重水と軽水との混合水又は軽水のみを導入する。減速材容器13の下方から源中性子が入射すると、各減速材容器11,12,13内の水素原子核に中性子が衝突して当該中性子が減速し、熱中性子となる。熱中性子は、遮蔽板21の絞りによりその照射範囲が制限され、ベッドB上の患者Pの患部に照射される。患者Pの患部を切除して一時的に取り出し、当該患部のみをベッドBに載せて中性子を照射することもできる。また、減速材容器13に重水と軽水との混合水又は軽水のみを導入する。、中性子の減速には軽水が望ましいが、軽水はガンマ線を発生するため、ガンマ線が患者から遠い位置で発生するように患者から遠い位置になる減速材容器13に導入する。換言すれば、重水と軽水との混合水又は軽水は、下方の減速材容器から導入するのが好ましい。

0029

患者Pの治療に熱外中性子を用いる場合、中性子が熱外中性子となるように調整する。例えば、Ep=2.5MeVの場合、操作員が制御部22に指令し、図2(a)に示すように、ポンプ15により貯蔵タンク14内の重水を減速材容器11,12,13に導入する。例えば3個の全ての減速材容器11、12,13に重水を導入する。減速材容器13の下方から源中性子が入射すると、各減速材容器11,12,13内の重水の水素原子核に中性子が衝突して当該中性子が減速し、熱外中性子となる。また、遮蔽板21の表面または裏面に取り付けられている絞りを100%絞ることで熱中性子が取り除かれるので、熱外中性子のみをベッドB上の患者Pの患部に照射できる。

0030

次に、Ep=1.9MeVの場合、操作員が制御部22に指令し、図2(b)に示すように、ポンプ15により減速材容器11,12,13内の減速材を貯蔵タンク14に戻す。また、電磁バルブ19を開き、不活性ガスを減速材容器11,12,13内に導入させる。例えば、3個全ての減速材容器11,12,13の減速材を取り出して空にする。減速材容器13の下方から入射した源中性子は、減速されることなく減速材容器11,12,13を通過する。また、遮蔽板21により不要なガンマ線が遮蔽されると共に、絞りを100%絞ることで熱中性子が取り除かれるので、ベッドB上の患者Pに熱外中性子のみが照射される。なお、高エネルギー成分が存在する場合には、減速材容器11に若干の減速材を導入し(容器内を全て減速材で満たさない状態とし)、エネルギーを調整することもできる。

0031

次に、中性子の速度を詳細に調整する場合、ユーザが制御部22に対して必要な速度を指令する。制御部22には、源中性子のエネルギー、患部の深度、及び、その深度に熱中性子を届かせるのに必要な人体表面における中性子速度との相関関係を記憶しておく。医師放射線技師が所望の深度及び源中性子のエネルギーを制御部22に入力することで、制御部22側で必要な減速量を決定し、それに応じて重水、軽水又はこれらの混合水を導入する減速材容器11,12,13の数を決める。例えば、図2(c)に示すように、減速材容器11の1つにのみ重水を導入し、他の減速材容器12,13は空にする。このとき、制御部22は、減速した中性子が患者に直ぐに到達するようにするため、最上部(患者に最も近い側)の減速材容器11から重水を導入するように制御する。

0032

また、減速材容器11,12の2個に重水を導入すれば、中性子はより減速するので、前記例よりも浅い部位に熱中性子を照射できる。

0033

以上、この発明の中性子発生装置100によれば、減速材容器11,12,13に重水、軽水又はこれらの混合水を導入することで中性子の速度をユーザが簡単に調整できるので、患部の深さが異なる場合でも、切り換え操作を楽に行える。また、医師や放射線技師でも簡単に運用できる。

0034

また、各減速材容器11,12,13に導入する重水、軽水又はこれらの混合水の量(深さ)を下記実施の形態3のように調整し、各減速材容器11,12,13の減速能力を調整するようにしても良い。このようにすれば、更に詳細に中性子の速度を調整できるようになる。なお、この場合は、各減速材容器11〜13に、下記実施の形態3に示すものと同様の液面計を設ける。

0035

また、各減速材容器11,12,13に導入する液体の組成や密度等を変えても良い。例えば、本実施の形態1では、減速材容器11及び13に重水及び軽水の混合水、又は軽水を導入する例を示したが、他の減速材容器12にも同様に重水及び軽水の混合水や軽水のみを導入するようにしても良い。配合割合を変えた混合水を複数準備してそれぞれの種類毎に貯蔵タンクに貯蔵し、必要に応じて所望の減速材容器11,12,13に導入するようにしても良い。

0036

(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係る中性子発生装置を示す構成図である。この中性子発生装置200は、図4(a)に示すように、実施の形態1と同様の加速器1及びターゲット形成部2と、中性子の速度を調整する中性子速度調整装置40とから構成される。中性子発生装置40は、患者Pを載せるベッドBの下側に配置される。加速器1及びターゲット形成部2は、真空容器23内に設置される。

0037

ターゲット形成部2の中性子発生側には前記中性子速度調整装置40が設けられている。この中性子速度調整装置40は、中性子の照射方向に減速板41が多数段配置されている。各減速板41は、ロッド44により直動アクチュエータ45に接続されている。直動アクチュエータ45は、例えば油圧シリンダーモータ式直動機構等である。

0038

直動アクチュエータ45は制御部22に接続されている。制御部22は、直動アクチュエータ45を駆動する制御盤と汎用コンピュータ及び所定のプログラムから構成される。各減速板41の出し入れは、当該制御部22により選択的に行われる。

0039

前記減速板41は、上方(中性子の照射方向)に向けて末広がりのように水平方向の表面積が大きくなるように設定する。これは、ターゲットTで発生した中性子が拡散するように発生するためである。また、減速板41は、重水素等の中性子の吸収能が低く及び減速能が高い材料により全体を構成する。このため、減速板は、重水を中空板状体に封入した構成とするのが好ましい。

0040

前記減速板41は、中性子の反射壁47内に配置されている。反射壁47は中性子の散乱能力が高い材料で構成する。例えば、主として炭素により構成する。外側には、中性子の吸収体を設置する。反射壁47は、内部が空洞の中性子吸収体からなる筐体内にホウ酸水等を封入した構造にしても良い(図示省略)。なお、反射壁20の外側には図示しない中性子の遮蔽壁が設けられている。また、反射壁47は、図4(b)に示すように、各減速板41と一体構成となり、具体的には矩形の減速板41の周囲に枠のように反射壁47が設けられる。即ち、減速板41の部分には重水が封入され、反射壁47を構成する部分は炭素により構成される。当該反射壁47は減速板41と共に出し入れ移動される。このようにすれば、減速板41を選択的に出し入れしても当該減速板41の周囲に反射壁47を配置できる。減速板41の上側には、鉛、ビスマス等の重金属で構成したガンマ線の遮蔽板21が設置されている。この遮蔽板21の表面には、6Li膜もしくはカドミウム(この場合には遮蔽板21の裏面に設置する)からなる薄い円環状または額縁状の中性子の絞りが形成されている。例えば、当該絞りは、複数の絞り羽根部材を可動環状配置して中央部分の開口面積を調整できるカメラの絞りのような構造とする。中性子速度調整装置40は、患者Pを載せるベッドBの下内部に設けられる。ベッドBの表面と最上部の減速板41とは、減速された中性子を可能な限り短い距離で患者Pに到達させるため、遮蔽板21を介して近接して配置するようにする。

0041

次に、この中性子発生装置200の動作について説明する。上記同様、患者に予め10Bを含むBPA又はBSHのホウ素化合物を静脈又は動脈に注射もしくは点滴し、10Bを癌細胞に取り込ませる。そして、ターゲット形成部2によりノズル8から液体金属を噴出し、液体金属によるターゲットTを水平方向に形成する。イオン源5により発生させた陽子を加速器6及びDTL7により所定速度まで加速させ、前記ターゲットTに照射する。ターゲットTとの核反応により高速中性子が発生する。具体的には、Ep=2.5MeVでの照射により得られる高速中性子のエネルギーは、100〜600keVである。Ep=1.9MeVでは、数10keV以下である。

0042

患者Pの治療に熱中性子を用いる場合、発生する中性子が熱中性子となるように調整する。具体的には、操作員が制御部22に指令し、図4(a)に示すように、直動アクチュエータ45により減速板41をターゲットTの上側(背後)の照射経路上に位置させる。例えば全ての減速板41を中性子の照射経路上に位置させる。前記中性子の照射経路とは、中性子が末広がりに拡散して進む際の当該経路をいう。減速板41の下方から高速中性子を照射すると、当該中性子が減速板41で減速され、熱中性子となる。熱中性子は、遮蔽板21によりその照射範囲が規制され、ベッドB上の患者Pの患部に照射される。患者Pの患部を切除して一時的に取り出し、当該患部のみをベッドBに載せて照射することもできる。

0043

また、中性子の減速量を下げる場合、アクチュエータ45により減速板41を移動させ、所定数の減速板41のみを照射経路上に位置させる。例えば図4(b)に示すように、2個の減速板41を退避位置に移動させる。この場合、減速材41及び遮蔽板21、ベッドBを駆動装置(図示省略)により下げ、ターゲット形成部2との距離を一定に保つようにする。

0044

患者Pの治療に熱外中性子を用いる場合、中性子が熱外中性子となるように調整する。例えば、Ep=2.5MeVの場合、操作員が制御部22に指令し、図4(c)に示すように、直動アクチュエータ45により所定数の減速板41を中性子の照射経路上に位置させる。この場合、減速材41及び遮蔽板21、ベッドBを駆動装置(図示省略)により下げ、ターゲット形成部2との距離を一定に保つ。減速板41の下方から源中性子が入射すると、当該中性子が減速板41で減速され、熱外中性子となる。また、遮蔽板21により不要なガンマ線が遮蔽されると共に、中性子の絞りを100%絞ることで熱中性子が取り除かれ、ベッドB上の患者Pに熱外中性子のみが照射される。

0045

また、熱外中性子を得るにあたりEp=1.9MeVとした場合、操作員が制御部22に指令し、図4(d)に示すように、直動アクチュエータ45により減速板41を中性子の照射経路から外れた退避位置に戻す。例えば、減速板41を1個残し、残り全てを退避位置に移動する。減速板41を1個用いるのは、p−Li核反応から直接熱外中性子を作るのが困難であるため、当該減速板41でエネルギーを調整する必要があるためである。また、減速材41及び遮蔽板21、ベッドBを駆動装置(図示省略)により下げ、ターゲット形成部2との距離を一定に保つ。下方から照射された源中性子は1個の減速材41により僅かに減速され、熱外中性子として照射される。また、遮蔽板21により不要なガンマ線が遮蔽されると共に、中性子絞りを100%絞ることで熱中性子が取り除かれ、ベッドB上の患者Pに熱外中性子のみが照射される。

0046

次に、中性子の速度を詳細に調整する場合、ユーザが制御部22に対して必要な速度を指令する。制御部22には、患部の深度とその深度に熱中性子を届かせるのに必要な中性子速度との相関関係を記憶しておく。医師や放射線技師が所望の深度を制御部22に入力することで、制御部22側で必要な減速量を決定し、中性子の経路上に位置させる減速板41の数を決める。このとき、減速した中性子が患者Pに直ぐに到達するようにするため、最上部(患者に最も近い側)の減速板41を最初に中性子の照射経路上に位置させるように制御する。

0047

以上、この発明の中性子発生装置200によれば、多数の減速板41を選択的に出し入れすることで簡単に中性子の速度を調整できるので、患部の深さが異なる場合でも、切換操作を容易に行える。また、医師や放射線技師でも簡単に運用できる。更に、減速板41が板状であるため取り扱いやすく、速度の切換を早くできる。また、減速板41の段数は、上記に限定されるものではない。また、減速板41は、材料組成を調整することで中性子の減速能力を変更することもできる。例えば、一つの減速材41の減速能力を、他の減速板41より高くなるように材料組成を変更しても良い。また、減速板41の厚さをそれぞれ変更することで減速能力を調整しても良い。更に、減速板41は、交換可能である。このため、異なる中性子の減速能力を有する減速板を適宜セットして用いることができる。

0048

また、図5に示すように、前記減速板41に取り付けたロッド45の先にハンドル48を取り付け、ユーザが手動で減速板41を中性子の照射経路上に出し入れするようにしても良い。この場合、上記直動アクチュエータ45は不要である。

0049

(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3に係る中性子発生装置を示す構成図である。この中性子発生装置300は、減速材容器61内に導入した重水の深さDにより中性子の減速量を調整する点に特徴があり、実施の形態1と同様の加速器1及びターゲット形成部2と、中性子の速度を調整する中性子速度調整装置60とから構成される。中性子発生装置60は、患者Pを載せるベッドBの下側に配置される。加速器1及びターゲット形成部2は、真空容器23内に設置される。

0050

ターゲット形成部2の上部の中性子発生側には前記中性子速度調整装置60が設けられている。この中性子速度調整装置60は、重水が導入される減速材容器61と、減速材容器61に接続した2つの貯蔵タンク14a,14bと、貯蔵タンク14a,14bと減速材容器61との間に配置したポンプ15とを備えている。また、減速材容器61と貯蔵タンク14a,14bとは、それぞれ配管17,18で接続されている。貯蔵タンク14aには重水が貯蔵され、貯蔵タンク14bには軽水又は軽水と重水との混合水が貯蔵される。減速材容器61は、例えば黒鉛鋼等の中性子の吸収能が低く且つ安価な材料により構成するのが好ましい。

0051

減速材容器61の側面壁は蛇腹62により構成される。患者側になる上面64は固定し、下面65は可動状態とする。また、減速材容器61の内部は隔壁により上下分割されている。重水が貯蔵される貯蔵タンク14aは、配管17により減速材容器61の上容器61aに接続され、軽水又は軽水と重水との混合水が貯蔵される貯蔵タンク14bは、配管18により減速材容器61の下容器61bに接続される。当該構成では、減速材容器61内の重水等の量に応じて蛇腹62が伸縮するので、減速材容器61内に空間が生じない。

0052

前記減速材容器61は、中性子の反射壁20内に配置されている。反射壁20は中性子の散乱能力が高い材料で構成する。例えば、炭素を含むレジンにより構成する。外側には、中性子の吸収体を設置する。内部が空洞の筐体内にホウ酸水を封入した構造にしても良い(図示省略)。減速材容器61に接続された配管17,18は、当該配管17,18を通じて中性子がストリーミングにより漏れないように反射壁20の中で折れ曲がる。なお、反射壁20、減速材容器61及びベッドBは、図示しない駆動装置により上下動する。これにより、減速材容器61の下面65に対する距離が一定に保持される。なお、反射壁20の外側には図示しない中性子の遮蔽壁が設けられている。

0053

中性子速度調整装置60は、患者Pを載せるベッドBの下内部に設けられる。前記ポンプ15は制御部22により駆動される。制御部22は、ポンプ15を駆動する制御盤と汎用コンピュータ及び所定のプログラムから構成される。減速材容器61に対するポンプ15による減速材の出し入れは、当該制御部22により行われる。

0054

次に、この中性子発生装置300の動作について説明する。患者Pには、予め10Bを含むBPA又はBSHのホウ素化合物を静脈又は動脈に注射もしくは点滴し、10Bを癌細胞に取り込ませる。ターゲット形成部2によりノズル8から液体金属を噴出し、液体金属によるターゲットTを水平方向に形成する。一方、イオン源5により発生させた陽子を加速器6及びDTL7により所定速度まで加速させ、前記ターゲットTに照射する。ターゲットTとの核反応により高速中性子が発生する。具体的には、Ep=2.5MeVでの照射により得られる高速中性子のエネルギーは、100〜600KeVである。Ep=1.9MeVでは、数10keV以下である。

0055

患者Pの治療に熱中性子を用いる場合、図7(a)に示すように、ユーザが制御部22に指令し、ポンプ15を駆動して貯蔵タンク14a内の重水を減速材容器61の上容器61aに導入すると共に貯蔵タンク14bの軽水を減速材容器61の下容器61bに導入する。重水及び軽水の導入量は貯蔵タンク14a,14bに設けた図示しない液面計により計測し、その出力信号に基づいて制御部22がポンプ15を駆動する。制御部22は、前記出力信号により減速材容器61の液面が所定値となったときポンプ15の駆動を停止する。

0056

また、減速材容器61に重水及び軽水を導入した場合、内部に空間を生じさせることなく重水及び軽水を入れた分だけ蛇腹62が伸縮し、ベッドBに対して上面64はベッドBに対して相対的に動かない。このため、減速材容器61の内部に空間が生じず、重水面と患者との距離を近接して一定に保つことができるので、減速した中性子を効率的に患者に照射できる。また、反射壁20、減速材容器51及びベッドBは、駆動装置により下面65とターゲット形成部2との間隔を一定に保つように移動する。

0057

そして、減速材容器61の下方から源中性子を照射すると、重水原子核に中性子が衝突し当該中性子が減速し、熱中性子となる。熱中性子は、遮蔽板21によりガンマ線が遮蔽されると共に、絞りにより中性子の照射範囲が規制され、ベッドB上の患者Pの患部に照射される。また、患者Pの患部を切除して一時的に取り出し、当該患部のみをベッドに載せて照射することもできる。

0058

患者Pの治療に熱外中性子を用いる場合、中性子が熱外中性子となるように調整する。例えば、Ep=2.5MeVの場合、図7(b)に示すように、操作員が制御部22に指令し、ポンプ15を駆動して貯蔵タンク14内の重水を減速材容器61の上容器61aに導入する。例えば、減速材容器61a内を重水により一定深さで満たす。この重水の量(深さ)は、必要な中性子のエネルギー量が得られるように調整する。重水の量は、貯蔵タンク14aの液面を図示しない液面計により計測し、その出力信号に基づいて制御部22がポンプ15を駆動する。貯蔵タンク14bの軽水は下容器61bに導入せず、下容器61bは空とする。

0059

また、減速材容器61に重水を導入した場合、内部に空間を生じさせることなく重水を入れた分だけ蛇腹62が伸縮し、ベッドBに対して上面64はベッドBに対して相対的に動かない。このため、内部の重水液面上に空間が生じず、重水面と患者との距離を近接して一定に保つことができるので、減速した中性子を効率的に患者に照射できる。また、反射壁20、減速材容器51及びベッドBは、駆動装置により下面65とターゲット形成部2との間隔を一定に保つように移動する。

0060

そして、減速材容器61の上容器61aの下方から源中性子を照射すると、重水原子核に中性子が衝突し当該中性子が減速し、熱外中性子となる。また、遮蔽板21の絞りを100%絞ることで熱中性子が取り除かれ、熱外中性子のみをベッドB上の患者Pの患部に照射する。

0061

次に、Ep=1.9MeVの場合、図7(c)に示すように、操作員が制御部22に指令し、ポンプ15により減速材容器61内の重水を貯蔵タンク14に戻す。このとき、上容器61aには少し重水を入れた状態とする。このときも、内部に空間を生じさせることなく重水の分だけ蛇腹62が縮み、ベッドBに対して上面64はベッドBに対して相対的に動かない。このため、内部の重水液面上に空間が生じず、重水面と患者との距離を近接して一定に保つことができるので、減速した中性子を効率的に患者に照射できる。また、反射壁20、減速材容器51及びベッドBは、駆動装置により下面65とターゲット形成部2との間隔を一定に保つように移動する。

0062

そして、減速材容器61の下方から入射した源中性子は、殆ど減速されることなく減速材容器61を通過し、熱外中性子として照射される。また、遮蔽板21により不要なガンマ線が遮蔽されると共に、中性子の絞りを100%絞ることで熱中性子が取り除かれ、ベッドB上の患者Pに熱外中性子のみが照射される。

0063

次に、中性子の速度を詳細に調整する場合、ユーザが制御部22に対して必要な速度を指令する。制御部22は、患部の深度とその深度に熱中性子を届かせるのに必要な中性子速度との相関関係を記憶しておく。医師や放射線技師が所望の深度を制御部22に入力することで、制御部22側で必要な減速量を決定し、重水の減速材容器61内での深さDを決める。重水の深さDは無段階調整が可能であるため、中性子のエネルギーを無段階に調整できる。制御部22は、ポンプ15を駆動し液面計からの出力信号によりフィードバック制御を行い、液面が所望の位置になるまで重水を導入する。

0064

以上、この発明の中性子発生装置300によれば、実施の形態1と同様の効果を有する他、中性子の速度を減速材容器61の重水等により無段階で調整できるようにしたので、医師等が細かく中性子の速度を調整できる。なお、上記実施の形態において、液面計52の出力信号をユーザが見てポンプ15を手動で操作しても良い。

0065

なお、図8に示すように、減速材容器71は末広がりの略漏斗形状としても良い。この減速材容器71は、一つの貯蔵タンク14により重水を減速材容器71に導入する形式のものである。この減速材容器71の中央に隔壁を設けて上下分割し、上側に重水、下側に軽水を導入するようにしても良い。

0066

なお、上記ターゲット形成部2は、湾曲したバックプレート上に液体金属を高速で流して液膜を形成する形式のものであっても良い。

0067

また、上記実施の形態1及び2に係る中性子発生装置では、ベッドBに患者を寝かせて治療を行う横置き型であったが、これを縦置き型にしても良い。図9は、実施の形態1に係る中性子発生装置を縦置き型にした場合を示す構成図である。この中性子発生装置150では、中性子速度調整装置3は患者Pが患部を押し当てるプレートSの裏側に配置される。中性子速度調整装置3も縦に配置される。加速器1は、中性子速度調整装置3に対して横方向に中性子を照射可能とするように配置される(図示省略)。その他の構成要素は実施の形態1と同様であるから、同一構成要素に同一符合を付しその説明を省略する。このようにすれば、患者は顔の表面等の治療をする際に、立った状態又は座った状態で治療を受けられる。

0068

図10は、実施の形態2に係る中性子発生装置を縦置き型にした場合を示す構成図である。この中性子発生装置250では、中性子速度調整装置3は患者Pが患部を押し当てるプレートSの裏側に配置される。中性子速度調整装置40も縦に配置される。なお、この図10に示す中性子発生装置は、減速板41が三段構成であるが、もっと増やしても構わない。加速器1は、中性子速度調整装置40に対して横方向に中性子を照射可能とするように配置される(図示省略)。その他の構成要素は実施の形態2と同様であるから、同一構成要素に同一符合を付しその説明を省略する。このようにすれば、患者は顔の表面等の治療をする際に、立った状態又は座った状態で治療を受けられる。

0069

100中性子発生装置
1加速器
2ターゲット形成部
3中性子速度調整装置
11,12,13減速材容器
14貯蔵タンク
15ポンプ
16 不活性ガスタンク

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