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技術 灯具制御システムおよび制御装置

出願人 株式会社小糸製作所
発明者 小松元弘佐々木勝
出願日 2012年12月11日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2012-270695
公開日 2014年6月26日 (6年6ヶ月経過) 公開番号 2014-113964
状態 特許登録済
技術分野 車両の外部照明装置、信号
主要キーワード 横カット 切替速度 バルブ光源 非照明領域 右前照灯 左前照灯 照射モード DCモーター
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年6月26日)のものです。
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図面 (8)

課題

前方車両検出精度が低下するような状況下において、非照明領域が正確に形成されないことによる不具合を抑制する。

解決手段

車両の前方を走行する前方車両Fが検出されると、当該前方車両Fが非照明領域S内に位置するように配光が制御される。検出の信頼度所定値を下回る場合に、非照明領域Sを拡大するように配光が制御される。

概要

背景

この種のシステムとして、ロービームおよびハイビーム照射可能な前照灯と、ハイビームの一部を遮光することにより非照明領域を形成する非照明領域形成部と、カメラ撮像した車両前方の画像に基づいて前方を走行する車両(先行車または対向車)を検出する検出部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。検出された前方車両が非照明領域内に位置するように非照明領域形成部が制御されることにより、当該前方車両に与えるグレアが抑制される。一方、非照明領域の周囲へのハイビーム照射は維持されるため、周囲の視認性は確保される。

概要

前方車両の検出精度が低下するような状況下において、非照明領域が正確に形成されないことによる不具合を抑制する。車両の前方を走行する前方車両Fが検出されると、当該前方車両Fが非照明領域S内に位置するように配光が制御される。検出の信頼度所定値を下回る場合に、非照明領域Sを拡大するように配光が制御される。

目的

本発明は、前方車両の検出精度が低下するような状況下において、非照明領域が正確に形成されないことによる不具合を抑制しうる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、車両の前方を走行する前方車両を検出する検出部と、前記第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部と、前記検出部により検出された前方車両が前記非照明領域に含まれるように、前記非照明領域形成部を制御する配光制御部と、前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、形成される前記非照明領域を拡大するように前記非照明領域形成部を制御する、灯具制御システム

請求項2

前記配光制御部は、前記非照明領域の境界線と前方車両の間隔を広げるように前記非照明領域形成部を制御する、請求項1に記載の灯具制御システム。

請求項3

前記配光制御部は、前記第2照明領域の全体を非照明領域とするように前記非照明領域形成部を制御する、請求項1に記載の灯具制御システム。

請求項4

車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、車両の前方を走行する前方車両を検出する検出部と、前記第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部と、前記検出部により検出された前方車両が前記非照明領域に含まれるように、前記非照明領域形成部を制御する配光制御部と、前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、前記非照明領域の形成速度が低下するように、前記非照明領域形成部を制御する、灯具制御システム。

請求項5

車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、当該第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部とを制御する制御装置であって、車両の前方を走行する前方車両を検出する信号を取得する信号取得部と、前記信号に基づいて、前方車両が非照明領域に含まれるように、非照明領域形成部を制御する信号を出力する配光制御部と、前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、形成される前記非照明領域を拡大するように前記非照明領域形成部を制御する信号を出力する、制御装置。

請求項6

車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、当該第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部とを制御する制御装置であって、車両の前方を走行する前方車両を検出する信号を取得する信号取得部と、前記信号に基づいて、前方車両が非照明領域に含まれるように、非照明領域形成部を制御する信号を出力する配光制御部と、前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、前記非照明領域の形成速度が低下するように、前記非照明領域形成部を制御する信号を出力する、制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の前方を照明する灯具配光を制御するシステムおよび制御装置に関する。

背景技術

0002

この種のシステムとして、ロービームおよびハイビーム照射可能な前照灯と、ハイビームの一部を遮光することにより非照明領域を形成する非照明領域形成部と、カメラ撮像した車両前方の画像に基づいて前方を走行する車両(先行車または対向車)を検出する検出部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。検出された前方車両が非照明領域内に位置するように非照明領域形成部が制御されることにより、当該前方車両に与えるグレアが抑制される。一方、非照明領域の周囲へのハイビーム照射は維持されるため、周囲の視認性は確保される。

先行技術

0003

特開2010−140661号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、車両の走行環境等によっては、カメラによる前方車両の検出精度が十分でなくなることがある。不十分な精度の検出結果に基づいて非照明領域の形成が適切に行なわれない場合、前方車両にグレアを与えてしまうことがありうる。また不要な非照明領域が形成されてしまった場合、運転者に違和感を与えたり、意図しない視線誘導をもたらしたりすることがありうる。

0005

よって本発明は、前方車両の検出精度が低下するような状況下において、非照明領域が正確に形成されないことによる不具合を抑制しうる技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第1の態様は、灯具制御システムであって、
車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、
車両の前方を走行する前方車両を検出する検出部と、
前記第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部と、
前記検出部により検出された前方車両が前記非照明領域に含まれるように、前記非照明領域形成部を制御する配光制御部と、
前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、
前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、形成される前記非照明領域を拡大するように前記非照明領域形成部を制御する。

0007

上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第2の態様は、車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、当該第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部とを制御する制御装置であって、
車両の前方を走行する前方車両を検出する信号を取得する信号取得部と、
前記信号に基づいて、前方車両が非照明領域に含まれるように、非照明領域形成部を制御する信号を出力する配光制御部と、
前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、
前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、形成される前記非照明領域を拡大するように前記非照明領域形成部を制御する信号を出力する。

0008

このような構成によれば、非照明領域の前方車両に対する余裕度増し、非照明領域の形成位置が正確でなくとも前方車両にグレアを与える可能性を低下させることができる。例えば、前記配光制御部は、前記非照明領域の境界線と前方車両の間隔を広げるように前記非照明領域形成部を制御する構成としてもよい。

0009

前記第2照明領域の全体を非照明領域とするように前記非照明領域形成部を制御する構成としてもよい。この場合、第2照明領域への配光により前方車両にグレアを与える可能性を皆無とすることができる。一方、第1照明領域への配光は為されているため、必要最低限の前方視認性は確保される。

0010

上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第3の態様は、灯具制御システムであって、
車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、
車両の前方を走行する前方車両を検出する検出部と、
前記第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部と、
前記検出部により検出された前方車両が前記非照明領域に含まれるように、前記非照明領域形成部を制御する配光制御部と、
前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、
前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、前記非照明領域の形成速度が低下するように、前記非照明領域形成部を制御する。

0011

上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第4の態様は、車両の前方の第1領域に第1照明領域を形成し、当該第1領域の上方を含む第2領域に第2照明領域を形成する灯具と、当該第2照明領域の少なくとも一部に非照明領域を形成する非照明領域形成部とを制御する制御装置であって、
車両の前方を走行する前方車両を検出する信号を取得する信号取得部と、
前記信号に基づいて、前方車両が非照明領域に含まれるように、非照明領域形成部を制御する信号を出力する配光制御部と、
前記検出部の信頼度を特定する信頼度特定部とを備え、
前記配光制御部は、前記信頼度が所定値を下回る場合に、前記非照明領域の形成速度が低下するように、前記非照明領域形成部を制御する信号を出力する。

0012

このような構成によれば、精度の低い前方車両の検出結果に基づいて不要な非照明領域が形成されることがあっても、配光の変化速度が遅いために運転者に与える違和感を抑制することができる。また意図しない運転者の視線誘導の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の一実施形態に係る制御システムを模式的に示す図である。
制御システムを構成する前照灯の内部構成を模式的に示す縦断面図である。
前照灯に搭載されるシェード機構の構成を示す正面図である。
制御システムにより形成される配光パターンの例を模式的に示す図である。
制御システムにより実行される配光切替処理の一例を説明する図である。
制御システムにより実行される配光切替処理の別例を説明する図である。
制御システムにより実行される配光切替選択処理を説明する図である。

実施例

0014

添付の図面を参照しつつ本発明について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。

0015

図1は、本発明の一実施形態に係る制御システム1が搭載された車両2の全体構成を模式的に示している。本発明の灯具制御システムとしての制御システム1は、統合制御部3、右前照灯5R、左前照灯5L、車輪速センサ6、操舵角センサ7、およびカメラ8を備えている。

0016

統合制御部3は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納プログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM等を備え、車両2における様々な制御を実行する。

0017

車輪速センサ6は、車両2に組み付けられる左右の前輪および後輪の4つの車輪の各々に対応して設けられている。車輪速センサ6の各々は、統合制御部3と通信可能に接続されており、車輪の回転速度に応じた信号を統合制御部3に出力する。統合制御部3は、車輪速センサ6から入力された信号を利用して車両2の速度を算出する。

0018

操舵角センサ7は、ステアリングホイールに設けられて統合制御部3と通信可能に接続されている。操舵角センサ7は、運転手によるステアリングホイールの操舵回転角に対応した操舵角パルス信号を統合制御部3に出力する。統合制御部3は、操舵角センサ7から入力された信号を利用して車両2の進行方向を算出する。

0019

カメラ8は、例えばCCD(Charged Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を備え、車両2の左右方向中央部に配置されている。より具体的には、ルームミラーの裏面に配置されて前方を向き、車両前方の画像を撮影する。カメラ8は統合制御部3と通信可能に接続されており、取得した画像データを統合制御部3に送信する。

0020

右前照灯5Rは車両2の前部右寄りに配置され、左前照灯5Lは車両2の前部左寄りに配置される。以降の説明においては、必要に応じて右前照灯5Rと左前照灯5Lを「前照灯5」と総称する。

0021

図2は、右前照灯5Rの内部構造を示す概略断面図である。左前照灯5Lの構造は右前照灯5Rと同等であるため、図示および詳細な説明を省略する。

0022

前照灯5は、車両2の前方を照明するための灯具である。前照灯5は、ハウジング212と、当該ハウジング212に装着されて灯室216を区画形成する透光カバー214とを備えている。灯室216には、光を車両前方方向に照射する灯具ユニット10が収納されている。

0023

灯具ユニット10は、基台11、ハイビーム光源12、ロービーム光源13、ハイビームリフレクタ14、ロービームリフレクタ15、投影レンズ16、シェード機構20、およびスイブル機構30を備えている。

0024

ハイビーム光源12は発光面が下向きに基台11に取り付けられ、ハイビーム光源12からの光は、ハイビーム光源12と対向するように基台11に取り付けられたハイビームリフレクタ14により車両前方に反射される。また、ロービーム光源13は発光面が上を向いた状態で基台11に取り付けられる。

0025

ロービーム光源13からの光は、ロービーム光源13と対向するように基台11に取り付けられたロービームリフレクタ15により車両前方に反射される。また、これらハイビームリフレクタ14及びロービームリフレクタ15からの反射光は、凸レンズからなる投影レンズ16を介して灯具の光軸Axに沿って車両前方に投射される。

0026

本実施形態においては、ハイビーム光源12及びロービーム光源13を発光ダイオードLED)で構成している。また、ハイビームリフレクタ14及びロービームリフレクタ15は、楕円反射面である。

0027

投影レンズ16の後方焦点F近傍には、ハイビーム光源12及びロービーム光源13の光の一部を遮光可能なシェード機構20が設けられている。シェード機構20としては、例えば図3に示す機構を採用することができる。

0028

シェード機構20は、フレーム21と、DCモーター等のアクチュエータに接続された一対のギアユニット22a、22bと、各ギアユニット22a、22bと噛み合ってフレーム21に回転可能に取り付けられた一対の遮光部材23a、23bと、フレーム21より上方に設けられた固定遮光板24とを備えている。

0029

フレーム21と固定遮光板24との間にはスリットSが形成されており、ハイビーム光源12及びロービーム光源13からの光はスリットSを通過して投影レンズ16に入射される。遮光部材23a、23bの遮光部はスリットSに進入するように回動され、ハイビーム光源12及びロービーム光源13からの光の一部を遮光可能とされている。

0030

図2に示すように、灯具ユニット10の下面には、灯具ユニット10の光軸を左右に回動させるスイブル機構30が設けられている。スイブル機構30は、スイブルアクチュエータ31を備え、その回転軸が灯具ユニット10の基台11の下部に設けられた回転軸受31aに固定されている。スイブルアクチュエータ31は、統合制御部3によって制御され、曲路走行時等に灯具ユニット10の光軸Axを左右に旋回させることにより、車両2の正面以外の領域にも光を照射し、視認性を向上させることができる。

0031

図4の(a)〜(e)は、本発明の灯具としての前照灯5により形成可能な配光パターンを模式的に示す図であり、車両2の前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されたパターンを示している。

0032

図4の(b)〜(e)に示すように、ロービーム光源13からの光は横カットオフラインCLの下方(本発明の第1照明領域)を照明し、ハイビーム光源12からの光は横カットオフラインCLの上方を含む領域(本発明の第2照明領域)を照明するように構成されている。統合制御部3は、シェード機構20の遮光部材23a、23bの位置を制御することにより、ハイビーム光源12とロービーム光源13から出射される光をどのように遮光するかを制御する。

0033

これにより前照灯5は、車両2の前方の照明可能領域の全てを照明領域とするハイビーム照射モード、横カットオフラインCLより上方かつ左側カットオフラインLCLの右側の領域を非照明領域とする左側照射モード、横カットオフラインCLより上方かつ右側カットオフラインRCLの左側の領域を非照明領域とする右側照射モード、および横カットオフラインCLより上方の領域を非照明領域とするロービーム照射モードのいずれかを選択可能とされている。

0034

図4の(a)は、ロービームパターンLPを示している。この配光パターンによって横カットオフラインCLよりも下方のみが照射され、市街地走行時等に前方車両や歩行者にグレアを与えないようにしている。この配光パターンは、左右の灯具ユニット10のシェード機構20をロービーム照射モードに設定し、ロービーム光源13のみを点灯し、ハイビーム光源12を消灯することにより形成される。

0035

図4の(b)は、ハイビームパターンHPを示している。この配光パターンによって、ロービームパターンLPにより照明される領域の上方を含む領域が照明され、運転者の前方視界が最大とされる。この配光パターンは、左右の灯具ユニット10のシェード機構20をハイビーム照射モードに設定し、ハイビーム光源12及びロービーム光源13を点灯することにより形成される。

0036

図4の(c)は、左側ハイビームパターンLHPを示している。この配光パターンは、自車線側に先行車や歩行者が存在せず、対向車線側に対向車や歩行者が存在する場合に適しており、運転者の前方視認性を向上させつつ、対向車や対向車線の歩行者にグレアを与えないように配慮したものである。

0037

左側ハイビームパターンLHPは、左前照灯5Lで形成する配光パターンLHと、右前照灯5Rで形成する配光パターンRLとを合成することにより形成される。配光パターンLHは、左前照灯5Lのシェード機構20を左側照射モードに設定し、ハイビーム光源12及びロービーム光源13を点灯することにより形成される。配光パターンRLは、右前照灯5Rのシェード機構20をロービーム照射モードに設定し、ロービーム光源13を点灯することにより形成される。

0038

図4の(d)は、右側ハイビームパターンRHPを示している。この配光パターンは、自車線側に先行車や歩行者が存在し、対向車線側に対向車や歩行者が存在しない場合に適しており、運転者の前方視認性を向上させつつ、先行車や自車線の歩行者にグレアを与えないように配慮したものである。

0039

右側ハイビームパターンRHPは、右前照灯5Rで形成する配光パターンRHと、左前照灯5Lで形成する配光パターンLLとを合成することにより形成される。配光パターンRHは、右前照灯5Rのシェード機構20を右側照射モードに設定し、ハイビーム光源12及びロービーム光源13を点灯することにより形成される。配光パターンLLは、左前照灯5Lのシェード機構20をロービーム照射モードに設定し、ロービーム光源13を点灯することにより形成される。

0040

図4の(e)は、スプリットパターンSPを示している。この配光パターンは、自車線側および対向車線側に前方車両や歩行者が検出された場合において、当該前方車両や歩行者に与えるグレアを抑制しつつ、運転者の視認性を高めるためのものである。

0041

スプリットパターンSPは、左前照灯5Lで形成する配光パターンLHと、右前照灯5Rで形成する配光パターンRHとを合成することにより形成される。配光パターンLHの左側カットオフラインLCLとハイビーム配光パターンRHの右側カットオフラインRCLとの間に非照明領域が形成される。統合制御部3がスイブル機構30を制御することにより、左右両側の灯具ユニット10の光軸Axを左右方向に旋回させ、検出された前方車両や歩行者が非照明領域内に位置するように、左側カットオフラインLCLと右側カットオフラインRCLの位置が調節される。

0042

統合制御部3は、カメラ8が取得した画像に基づいて、車両2の前方を走行する前方車両を検出する。「前方車両」は、自車線の前方を走行する先行車と、対向車線を走行する対向車の双方を含む意味である。すなわち統合制御部3とカメラ8は、本発明の検出部として機能する。

0043

統合制御部3は、前方車両が検出されると、図4の(e)に示すスプリットパターンSPを形成する。そのために統合制御部3は、図4の(d)に示す配光パターンRHを形成する。具体的には、右前照灯5Rのシェード機構20を制御することにより、右側カットオフラインRCLの左側を含む非照明領域を右前照灯5Rの照明領域内に形成する。また統合制御部3は、図4の(c)に示す配光パターンLHを形成する。具体的には、左前照灯5Lのシェード機構20を制御することにより、左側カットオフラインLCLの右側を含む非照明領域を左前照灯5Lの照明領域内に形成する。

0044

そして統合制御部3は、上記のように形成した配光パターンRHと配光パターンLHとを合成することにより、スプリットパターンSPを形成する。このときカメラ8を通じて検出された前方車両の位置、車輪速センサ6が検出した車両2の速度、および操舵角センサ7が検出した車両2の進行方向に基づき、形成すべき非照明領域の位置および範囲を決定する。

0045

具体的には、図5に示すように、検出された前方車両Fが右側カットオフラインRCLと左側カットオフラインLCLの間に位置するように、非照明領域Sの位置が定められる。そして前方車両Fの右端と右側カットオフラインRCLの間隔が所定値MRとなるように、かつ前方車両Fの左端と左側カットオフラインLCLの間隔が所定値MLとなるように、非照明領域Sの範囲が定められる。

0046

すなわち本発明の非照明領域形成部としてのシェード機構20およびスイブル機構30により、前照灯5による照明領域内に非照明領域が形成される。そして本発明の配光制御部としての統合制御部3は、決定された非照明領域の位置および範囲に基づいて、スイブル機構30を制御する信号を出力する。

0047

ところで本実施形態の統合制御部3は、上記検出部すなわちカメラ8と統合制御部3による前方車両Fの検出機能の信頼度を特定する、本発明における信頼度特定部としての機能を有している。

0048

前方車両Fの検出精度は、車両2の走行環境によって変化する。例えば、晴天時よりも降雨時の方が検出精度が低下する傾向にある。カメラ8が取得する画像において、前方の視認性が低下するためである。また夜間走行においては、郊外よりも市街地の方が検出精度が低下する傾向にある。光源の存在を頼りに前方車両を特定する場合、郊外よりも市街地の方が光源が多く、いずれの光源が前方車両のものなのかを特定しにくくなるためである。また走行環境が同一でも、カメラ8本来の性能により検出精度は相対的に変化する。

0049

不十分な精度の検出結果に基づいて非照明領域Sの形成が適切に行なわれない場合、例えば図5において右側カットオフラインRCLの位置が前方車両Fに重なるように定められた場合、前方車両Fにグレアを与えてしまう。また不要な非照明領域Sが形成されてしまった場合、運転者に違和感を与えたり、意図しない視線誘導をもたらしたりする。

0050

そこで本実施形態に係る統合制御部3は、カメラ8の性能等の既知の情報、および図示しないナビゲーションシステムやセンサ等から取得される走行環境の情報に基づき、検出精度すなわち検出機能の信頼度をスコア化して特定する。そして統合制御部3は、特定された信頼度のスコアが所定値を下回る場合に、所定値以上である場合よりも形成される非照明領域Sを拡大する制御を行なう。

0051

そのような制御の第1の例として、統合制御部3は、ハイビームパターンHPからスプリットパターンSPへ切り替えるに際し、非照明領域Sの境界線としての右側カットオフラインRCLおよび左側カットオフラインLCLと前方車両Fの両側端との間隔が、それぞれ通常時よりも広いMR+ΔMR、ML+ΔMLとなるように決定する。そして統合制御部3は、当該広げられた間隔をもってスプリットパターンSPが形成されるように、スイブル機構30を制御する信号を出力する。

0052

これにより非照明領域Sの前方車両Fに対する余裕度が増し、非照明領域Sの形成位置が正確でなくとも前方車両Fにグレアを与える可能性を低下させることができる。

0053

またそのような制御の第2の例として、統合制御部3は、ハイビームパターンHPからスプリットパターンSPへの切替を行なわず、ロービームパターンLPに配光を切り替える制御を行なう。換言すると、統合制御部3は、ハイビーム光源12により照明可能な領域(本発明の第2照明領域)の全体を非照明領域とするように、シェード機構20を制御する信号を出力する。

0054

これによりハイビーム光源12により形成される配光パターンが前方車両Fにグレアを与える可能性を皆無とすることができる。一方、ロービームパターンLPは形成されることから、必要最低限の前方視認性は確保される。検出の信頼度が著しく低い状況下で有効な制御である。

0055

さらにそのような制御の第3の例として、統合制御部3は、上記のように特定された信頼度のスコアが所定値を下回る場合に、ハイビームパターンHPからスプリットパターンSPへの配光切替速度を低下させる制御を行なう。

0056

図6を参照しつつ、当該制御について説明する。本例は、時刻t1においてハイビームパターンHPを形成して走行中の車両2の前方に前方車両Fが形成された場合を示している。通常時において統合制御部3は、図中に実線で示すように、時刻t2において非照明領域Sの形成が完了する速度で動作するように、シェード機構20およびスイブル機構30を制御する信号を出力する。

0057

一方、信頼度のスコアが所定値を下回る場合に統合制御部3は、図中に一点鎖線で示すように、時刻t3において非照明領域Sの形成が完了する速度で動作するように、シェード機構20およびスイブル機構30を制御する信号を出力する。すなわち通常時よりも長い時間をかけて(低い速度で)非照明領域Sが形成されるように制御が行なわれる。

0058

これにより、精度の低い前方車両Fの検出結果に基づいて不要な非照明領域Sが形成されることがあっても、配光の変化速度が遅いために運転者に与える違和感を抑制することができる。また意図しない運転者の視線誘導の発生を抑制することができる。換言すると、上記の時間(t3−t1)は、運転者が配光変化に対して違和感を感じない程度の時間として予め定められる。

0059

本実施形態においては、信頼度を2つの指標に分け、各指標についてのスコアの組合せにより、通常制御と上記3つの制御のいずれかが選択的に行なわれるように構成されている。2つの指標とは、検出された対象物が前方車両Fであることの確実度、および検出された対象物の位置精度である。

0060

図7を参照しつつ、この選択処理がどのようにして行なわれるかについて説明する。確実度の「高い」「低い」は、それぞれ確実度を示すスコアが所定値以上である場合、所定値未満である場合に対応する。位置精度の「高い」「低い」は、それぞれ確実度を示すスコアが所定値以上である場合、所定値未満である場合に対応する。

0061

例えば降雨時や夜間の市街地走行時などにおいて確実度のスコアは低下する傾向にある。また曲路走行時などにおいて位置精度のスコアは低下する傾向にある。さらにカメラ8本来の性能がこれらの条件と関わることにより、スコアは上下する。

0062

ハイビームパターンHPを形成して走行中に前方車両Fが検出され、諸条件を考慮して特定される確実度と位置精度のスコアが、それぞれ所定値以上である場合、統合制御部3は通常制御を選択し、図4の(e)を参照して説明したスプリットパターンSPの形成を行なう。

0063

確実度のスコアが所定値以上でありながら、位置精度のスコアが所定値未満である場合、統合制御部3は、拡大された間隔MR+ΔMR、ML+ΔMLをもって非照明領域Sを形成する制御を選択する。

0064

確実度のスコアが所定値未満であり、位置精度のスコアが所定値以上である場合、統合制御部3は、非照明領域Sの形成速度を低下させる制御を選択する。

0065

確実度と位置精度のスコアがともに所定値未満の場合、統合制御部3は、スプリットパターンSPの形成を行なわずにハイビームパターンHPからロービームパターンLPの形成を行なう制御を選択する。

0066

信頼度に係るスコアのリアルタイムな変化に応じて、統合制御部3は、当初選択された制御から別の制御へと遷移を行なうことができる。例えば通常のスプリットパターンSPを形成する制御を行なっている状態において、位置精度に係るスコアが所定値を下回った場合には、スイブル機構30を制御して前方車両Fの左右端と左右のカットオフラインRCL、LCLとの間隔を拡大する。また位置精度に係るスコアと確実度の係るスコアがともに所定値を下回った場合には、シェード機構20を制御してロービームパターンLPへの切替を行なう。

0067

上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。

0068

統合制御部3は、必ずしも上記した3種の制御の全てを実行可能に構成されていることを要しない。拡大された間隔MR+ΔMR、ML+ΔMLをもって非照明領域Sを形成する制御、スプリットパターンSPの形成を行なわずにハイビームパターンHPからロービームパターンLPの形成を行なう制御、および非照明領域Sの形成速度を低下させる制御の少なくとも1つが実行可能とされている構成としてもよい。

0069

図4に示した各配光パターンを得るための手段は、上記に示したシェード20およびスイブル機構30の構成に限られない。適宜の周知機構を採用しうる。

0070

前照灯5のハイビーム光源12とロービーム光源13は、LEDに限定されるものではない。レーザダイオード有機EL素子等の半導体発光素子を用いてもよく、ハロゲンランプやHID(High Intensity Discharge)ランプなど周知のバルブ光源を用いてもよい。またハイビーム光源12とロービーム光源13は、必ずしも同一の灯具ユニット内に配置されることを要しない。

0071

また少なくともハイビーム光源12は、複数の半導体発光素子を配列したアレイ光源を用いることができる。この場合、個々の半導体発光素子に対応する複数の部分領域により照明可能領域が形成され、個々の半導体発光素子の点消灯を制御することにより当該照明可能領域内に照明領域と非照明領域が形成される。このようなアレイ光源を用い、検出した先行車が非照明領域に含まれるように半導体発光素子の点消灯を行なう、いわゆる電子スイブル制御にも本発明を適用することができる。

0072

この場合、点灯された半導体発光素子に対応する照明領域と消灯された半導体発光素子に対応する非照明領域の境界に左右のカットオフラインRCL、LCLが形成される。したがって拡大された間隔MR+ΔMR、ML+ΔMLをもって非照明領域Sを形成する場合は、当該拡大された間隔に対応するように、消灯される半導体発光素子を定めればよい。ロービームパターンLPへの切替を行なう場合には、全ての半導体発光素子を消灯すればよい。非照明領域Sの形成速度を低下させるには、非照明領域Sの形成に関与する半導体発光素子の光度を低速で低下させて消灯状態に至るようにすればよい。

0073

前方車両Fを検出するための手段は、カメラ4に限られず、レーダセンサ等を用いてもよい。また車車間通信路車間通信を用いて前方車両Fの検出や、走行環境に係る情報の取得を行なう構成としてもよい。

0074

以上の説明における前方車両Fの「左端」および「右端」という表現は、車体の端縁や左右のテールランプ等、前方車両の左右端部を特徴づけることのできる、あらゆる対象を含みうる意味で用いている。

0075

統合制御部3により実現される、本発明の検出部、信頼度特定部、および配光制御部としての機能の少なくとも一部は、前照灯ユニット5内に配置された図示しない灯具制御モジュールにより分担される構成としてもよい。

0076

1:制御システム、2:車両、3:統合制御部、5:前照灯、8:カメラ、20:シェード機構、30:スイブル機構、F:前方車両、HP:ハイビームパターン、LP:ロービームパターン、SP:スプリットパターン、S:非照明領域、LCL:左側カットオフライン、RCL:右側カットオフライン、CL:横カットオフライン、ML:左側カットオフラインと前方車両の左端部との間隔、MR:右側カットオフラインと前方車両の右端部との間隔

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