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図面 (6)

課題

非晶質炭素材料によって形成される凹凸パターン層基材との密着性を向上させる。

解決手段

一実施形態に係る構造体は、導電体又は半導体よりなる基材と、基材上に形成されSi、Ti、Cr、及び、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素材料によって形成された中間層と、中間層上に炭素、又は、炭素と水素からなる非晶質炭素材料によって形成され凹凸パターンを有するパターン層とを備え、印刷版転写用金型鋳型等の多様な用途に用いられる。

概要

背景

近年、この種の構造体として、SiやSiO2基板プラズマドライエッチィングで造形したナノインプリント金型が広く普及し始めている。こうした金型においては、例えば、Si基板上にSiO2絶縁膜を形成した後、このSiO2絶縁膜をフッ素系ガス(CHF3等)等をプラズマ化してドライエッチィングすることにより凹凸パターンを形成している。このように形成された凹凸パターンを有する型は、凹凸パターンを転写材転写するための金型や、鋳造用鋳型などの用途に用いられる。

こうした金型として、非晶質炭素材料を用いたナノインプリント用の金型も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この金型では、Al2O3基板上に非晶質炭素材料からなる被エッチィング層を形成し、この被エッチィング層上に形成した薄膜パターンマスクとして酸素ガスを用いたドライエッチィングを行うことにより、複数のナノ凸パターンを有する成型転写面が形成される。

概要

非晶質炭素材料によって形成される凹凸パターン層基材との密着性を向上させる。 一実施形態に係る構造体は、導電体又は半導体よりなる基材と、基材上に形成されSi、Ti、Cr、及び、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素材料によって形成された中間層と、中間層上に炭素、又は、炭素と水素からなる非晶質炭素材料によって形成され凹凸パターンを有するパターン層とを備え、印刷版転写用金型や鋳型等の多様な用途に用いられる。

目的

本発明の様々な実施形態は、非晶質炭素材料によって形成される凹凸パターン層と基材との密着性を向上させることを目的の一つとする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

表面に凹凸パターンを有する構造体であって、導電体又は半導体によって形成された基材と、前記基材上に非晶質炭素材料を用いて形成され、前記凹凸パターンを構成する凸部と凹部とを有するパターン層と、を備える構造体。

請求項2

前記パターン層は、前記凸部の前記基材に対して垂直方向の面が、物理的な切断及び他の相手材との接触を伴うことなく形成されている請求項1記載の構造体。

請求項3

前記凹部は底面方向にテーパ形状を有する請求項1又は2記載の構造体。

請求項4

前記パターン層は、前記基材上に非晶質炭素膜を形成すると共に当該非晶質炭素膜上に前記凹凸パターンに対応するマスキングパターンを形成し、当該非晶質炭素膜に対して当該基材に所定の電圧印加した状態で酸素を含むエッチィングガスを用いたプラズマドライエッチィングを行うことにより、前記凸部と前記テーパ形状を有する凹部とが形成されてなる請求項3記載の構造体。

請求項5

前記基材と前記パターン層との間に、Si、Ti、Cr、及び、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素材料を用いて形成された中間層を備える請求項1ないし4いずれか記載の構造体。

請求項6

前記パターン層は、前記凹部の底面において当該パターン層の下層露出している請求項1ないし5いずれか記載の構造体。

請求項7

前記パターン層は、Si、Ti、Cr、及び、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素材料を用いて形成される請求項1ないし6いずれか記載の構造体。

請求項8

前記パターン層は、非晶質炭素材料を用いて形成された第1の層と、当該第1の層上に形成されSi、Ti、Cr、及び、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素材料を用いて形成された第2の層とにより形成される請求項1ないし6いずれか記載の構造体。

請求項9

前記基材は、板状又は円筒状の基材を含む請求項1ないし8いずれか記載の構造体。

請求項10

前記基材は、板状の基材であり、前記パターン層側の反対側の面の少なくとも一部に非晶質炭素膜が形成されている請求項9記載の構造体。

請求項11

請求項1ないし10いずれか記載の構造体を備え、グラビア印刷凹版印刷、及び、凸版印刷の何れかに用いられる印刷版

請求項12

請求項1ないし10いずれか記載の構造体を備える金型

請求項13

表面に凹凸パターンを有する構造体の製造方法であって、(a)導電体又は半導体によって形成された基材を準備する工程と、(b)前記基材上に非晶質炭素膜を形成する工程と、(c)前記非晶質炭素膜上に前記凹凸パターンに対応するマスキングパターンを形成する工程と、(d)前記非晶質炭素膜に対して前記基材に所定の電圧を印加した状態で酸素を含むエッチィングガスを用いたプラズマドライエッチィングを行うことにより、前記凹凸パターンを構成する凸部とテーパ形状を有する凹部とを形成する工程と、を備える構造体の製造方法。

請求項14

(e)前記凹凸パターンを構成する凸部とテーパ形状を有する凹部とを形成後、前記マスキングパターンを除去する工程を備える請求項13記載の構造体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、構造体及びその製造方法に関し、詳しくは、表面に凹凸パターンを有する構造体及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、この種の構造体として、SiやSiO2基板プラズマドライエッチィングで造形したナノインプリント金型が広く普及し始めている。こうした金型においては、例えば、Si基板上にSiO2絶縁膜を形成した後、このSiO2絶縁膜をフッ素系ガス(CHF3等)等をプラズマ化してドライエッチィングすることにより凹凸パターンを形成している。このように形成された凹凸パターンを有する型は、凹凸パターンを転写材転写するための金型や、鋳造用鋳型などの用途に用いられる。

0003

こうした金型として、非晶質炭素材料を用いたナノインプリント用の金型も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この金型では、Al2O3基板上に非晶質炭素材料からなる被エッチィング層を形成し、この被エッチィング層上に形成した薄膜パターンマスクとして酸素ガスを用いたドライエッチィングを行うことにより、複数のナノ凸パターンを有する成型転写面が形成される。

先行技術

0004

特開2011−34648号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、こうした金型は、基材絶縁性金属酸化物(Al2O3)であることに起因する問題が生じ得る。Siや金属元素などを含有せず、炭素、又は、水素と炭素からなる通常の非晶質炭素膜は、酸素によるドライプラズマエッチィングを行い易いが、反面、内部応力が大きく、とりわけ絶縁性の金属酸化物との良好な密着性を得ることが難しいことで知られている。例えば、高アスペクト比凹凸を有する金型が必要とされ、基材上に厚膜(例えば2〜3μm以上)で通常の非晶質炭素膜を形成する場合には、非晶質炭素膜の圧縮残留応力及び基材への密着不足プラズマプロセスにおける加熱と冷却のヒートサイクル等の影響で、この非晶質炭素膜が基材から容易に剥離してしまう恐れがある。

0006

本発明の様々な実施形態は、非晶質炭素材料によって形成される凹凸パターン層と基材との密着性を向上させることを目的の一つとする。本発明の様々な実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一実施形態に係る構造体は、表面に凹凸パターンを有する構造体であって、導電体又は半導体によって形成された基材と、前記基材上に非晶質炭素材料を用いて形成され、前記凹凸パターンを構成する凸部と凹部とを有するパターン層と、を備える。

0008

こうした本発明の一実施形態に係る構造体において、前記凹部は底面方向にテーパ形状を有するものとすることもできる。この態様の本発明の一実施形態に係る構造体において、前記パターン層は、前記基材上に非晶質炭素膜を形成すると共に当該非晶質炭素膜上に前記凹凸パターンに対応するマスキングパターンを形成し、当該非晶質炭素膜に対して当該基材に所定の電圧印加した状態で酸素を含むエッチィングガスを用いたプラズマドライエッチィングを行うことにより、前記凸部と前記テーパ形状を有する凹部とが形成されてなる態様とすることもできる。

0009

こうした本発明の一実施形態に係る構造体において、前記基材と前記パターン層との間に、Si、Ti、Cr、及び、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素材料を用いて形成された中間層を備える態様とすることもできる。

0010

本発明の一実施形態に係る構造体の製造方法は、表面に凹凸パターンを有する構造体の製造方法であって、導電体又は半導体によって形成された基材を準備する工程と、前記基材上に非晶質炭素膜を形成する工程と、前記非晶質炭素膜上に前記凹凸パターンに対応するマスキングパターンを形成する工程と、前記非晶質炭素膜に対して前記基材に所定の電圧を印加した状態で酸素を含むエッチィングガスを用いたプラズマドライエッチィングを行うことにより、前記凹凸パターンを構成する凸部とテーパ形状を有する凹部とを形成する工程と、を備える。

発明の効果

0011

本発明の様々な実施形態によって、非晶質炭素材料によって形成される凹凸パターン層と基材との密着性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施形態に係る構造体の断面を模式的に表す模式図。
本発明の一実施形態に係る構造体の製造方法を説明する説明図。
非晶質炭素膜による凹凸パターンを形成した実施例1の基材の写真
実施例1の非晶質炭素膜による凹凸パターンのプロファイル測定結果
実施例2の非晶質炭素膜による凹凸パターンのプロファイル測定結果。

0013

本発明の様々な実施形態について添付図面を参照して説明する。これらの図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の参照符号を付し、その同一又は類似の構成要素についての詳細な説明は適宜省略する。

0014

図1は、本発明の一実施形態に係る構造体10の断面を模式的に表す模式図である。一実施形態における構造体10は、図示するように、基材12と、基材12上に形成され後述するSi、及び/又は金属元素を含有する非晶質炭素膜からなる中間層14と、中間層14上に炭素、又は、炭素と水素からなる非晶質炭素膜によって形成され凹凸パターンを有するパターン層16とを備え、印刷版転写用金型や鋳型等の多様な用途に用いられる。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る構造体10の構成を模式的に表すものであり、その寸法は必ずしも正確に図示されていない点に留意されたい。

0015

一実施形態における基材12は、導電体又は半導体よりなる基材で形成される。導電体の基材としては、例えば、鉄、アルミニウムチタニウムタングステンニッケル、スズ、銅、金、銀、白金等の金属、又は、チタニウム合金銅合金アルミニウム合金ステンレス合金タングステン合金インコネルインバー、Ni−Co等の様々な合金、又は、炭素繊維グラフェン、CNTグラファイト等の炭素素材、等を挙げることができるがこれらに限定されない。半導体の基材としては、IV属半導体と言われるSi、Ge、各種化合物半導体等を挙げることができるがこれらに限定されない。また上述した様々な材料の複合材料又は積層材料等とすることもできる。また、基材12は、板状の部材であってもよいし、円筒状の部材等、3次元的な立体構造物であってもよい。さらに基材12は電鋳法などで形成されたものであっても良い。このように、基材12を導電体又は半導体よりなる基材で形成することにより、一実施形態における構造体10の製造に用いる様々なプラズマプロセスにおいて、基材12に直接電圧を印加することが可能となる。

0016

なお、一実施形態における基材12は金属等の導電体又は半導体よりなるが、基材に直接、必要な電圧を印加できれば良いから、基材12の表層に、他の導電性薄膜を形成することも可能である。例えば、金属等と比較して導電性の悪いSi基板上にAgなど導電性の高い膜を形成する場合などである。さらに、例えば、絶縁物であるガラス基板セラミクス基板等にITO導電膜やTi蒸着膜、Cr蒸着膜、W蒸着膜、Au蒸着膜、Agロウ付け膜、さらには無電解Niメッキ被膜、無電解Cuメッキ被膜、無電解Auメッキ被膜等の各種湿式メッキ法による被膜又はこれらの複合メッキ被膜などの導電性膜を形成し、このITO膜やTi蒸着膜、Cr蒸着膜、W蒸着膜、Au膜、Ag膜等の導電膜を一実施形態における基材12として形成することも可能である。同様に、ゴム樹脂等のクッション性の良い基材の表層に、CuやTi、Crなどの導電性金属薄膜を形成し、この導電性金属薄膜を一実施形態における基材12として形成することも可能である。さらには前述した電圧の印加やプラズマ電界の形成、プラズマの安定生成を妨げない範囲で基材12の表層に絶縁皮膜を薄膜で形成することも可能である。例えば、後述する中間層14を構成する非晶質炭素膜の炭素が基材12に拡散することを防止するための拡散防止層硬度の傾斜中間層として、TiC、TiN、AlN、TiAlNなどのセラミクス皮膜や、SiOx、TiOxなどの薄膜を基材12の表層に形成する場合、さらには、構造体10が使用される際、構造体10が外部と接触する際の衝撃緩和ダンパー)層として、ゴムや樹脂など比較的柔らかくクッション性のある層を基材12上に薄膜で形成する場合などである。

0017

一実施形態における基材12を金属等からなる導電体とすることにより、硬い非晶質炭素膜より成るパターン層を有する構造体10に対して、金属延性じん性を付与することが可能となり、基材12がガラスや金属酸化物など硬く、脆く、延伸性に乏しい材質より成る場合と比較して、構造体10の耐久性を向上させることができる。さらには、非晶質炭素膜自体の導電性が低いため、一実施形態における基材12を金属等からなる導電体とすることにより、構造体10に発生する静電気をより効率的に除電することが可能となり、構造体10に蓄積された静電気による構造体10への被成型物の貼りつきや、被成型物の破壊等を防止することが可能となる。この静電気の除電は、一例として、グラビア印刷版など、インクかき取り用の樹脂製のドクターブレード等と構造体10が、摩擦摺動を繰り返す用途、用法などにおいて非常に重要な機能となる。

0018

例えば、通常のSi基板などに凹凸パターンを形成するためにプラズマドライエッチィングを行う場合、エッチィング力の大きいRF電源によるスパッタリング方式が必要となり、直流方式によるプラズマエッチィング法が使用されることは一般的でない。また、基材12がAl2O3のような絶縁物である場合、直流プラズマCVD法におけるプラズマ発生源となる電界を、この絶縁基材に電圧を印加して形成することができない。さらに、金型等を構成する基材12は、一定の構造強度剛性を得るための最低限の厚さを有する必要がある。仮に基材12が薄い絶縁物基材から成り、この基材の裏面に導電性の補助電極などを張り合わせた場合は、この補助電極に電圧を印加することで補助電極と反対側の絶縁基材の表層に弱い電界を形成しプラズマを生成することも不可能ではないが、この場合、絶縁性の基材12が一定の構造強度や剛性を得ることが困難となる場合がある。さらに絶縁性の基材12の構造強度や剛性を得るために基材12の厚さを厚くした場合、基材12の表層に電界を形成しプラズマを生成すること自体が困難となり、さらに絶縁性の基材12が電気的なチャージアップを引き起こし易く、激しいプラズマ異常放電アーキングなど)で、基材の表層に穴が開く等の基材損傷が発生し易いとともに、低い電圧の印加時点から始まる異常放電により、所定の必要電圧の印加が不可能になり、成膜装置電源回路にも大きな負担が発生するなど様々な問題が発生し得る。
本発明の一実施形態において、基材12を導電体や半導体とし、構造体10のパターン層16の被エッチィング層を炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜とし、且つ、酸素ガスを含むエッチィングガスにてプラズマエッチィングを行うことにより、基材12の構造強度や剛性を得るため、その他用途に応じた最適な基材12の厚さを任意に選択する場合においても、さらには、基材12の構造強度を得るためのリブの挿入など、部分的に基材を厚くした基材12を用いる場合においても、基材12自体に直接マイナスの電圧を印加しその周囲にプラズマ電界を形成するような公知のセルフバイアス式のプラズマCVDプロセスにおいてパターン層16を基材12に形成することができるようになる。そして、こうしたセルフバイアス式のプラズマCVDプロセス、特に、セルフバイアス式のプラズマCVD法にてエッチィングを行うことにより、非晶質炭素膜の凹凸パターンにおいてテーパ形状の凹部を形成することができ、中間密着層として使用されるSi、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜を、同時にエッチィングストッパ層として活用する等のメリットを享受できる。

0019

また、グラビア印刷版や各種凹版凸版など、基材12が円筒形シリンダ等の立体構造物であって、この基材表層に凹凸パターンを形成する場合、従来のPVD方式、RFプラズマCVD、ECRプラズマプロセスなどにおいては、基材12の表層を漏れなく均一にプラズマ源に向けるために基材を回転させる機構自転又は公転させる機構)、又は、基材を回転させない場合には基材12全体を漏れなくプラズマ源で取り囲む高価で複雑な装置が必要になり、さらに、上述した回転機構を用いたとしても、曲面を有するグラビア印刷版等の基材表層各部へのエッチィングプラズマの入射角を均一とすることは困難である。一方、本発明の一実施形態における構造体10の製造方法のように、円筒形の基材12を導電体、または半導体とし、この基材12に電圧を印加するセルフバイアス式CVDプラズマプロセスを利用することで、プラズマを立体形状基材の表層に沿った形で比較的均一に生成することができ、基材12を回転させる機構や、プラズマ源で基材12全体を取り囲む装置を必要とせずに均一なエッチィングを実現することができる。

0020

一実施形態における中間層14は、Si、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜である。Siを含有する非晶質炭素膜は、例えば、Siを予め含有する炭化水素系ガスである、テトラメチルシランメチルシランジメチルシラントリメチルシランジメトキシジオメチルシラン、及びテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの原料ガス、さらにはこうしたSiを予め含有するガスにさらにアセチレンなどの炭化水素系のガスを混合した混合ガスを用いてプラズマCVD法により形成される。Tiを含有する非晶質炭素膜は、例えば、チタンイソプロポキシドチタンクロライドなどのTiを含む原料ガスにアセチレンなどの炭化水素系のガスを混合した混合ガスを用いてプラズマCVD法により形成される。Crを含有する非晶質炭素膜は、例えば、クロムアセチルアセテートなどのCrを含む原料ガスにアセチレンなどの炭化水素系のガスを混合した混合ガスを用いてプラズマCVD法により形成される。Wを含有する非晶質炭素膜は、例えば、タングステンフルオライドなどのWを含む原料ガスにアセチレンなどの炭化水素系のガスを混合した混合ガスを用いてプラズマCVD法により形成される。

0021

中間層14は基材12との密着層として機能し、その膜厚は、特に限定されないが、例えば、数nm〜200nm程度の膜厚以下の薄膜として形成される。さらに、中間層14は、直流式のプラズマCVDプロセスにおいて、酸素ガスをエッチィングガスとしてプラズマエッチィングを行う場合、非常にエッチィングされにくいため、パターン層16を形成する際のエッチィングストッパ層としても機能する。特に、酸素エッチィングを効率的に行うために、酸素ガスにArなどのスパッタリングガスを一定量混合して酸素プラズマエッチィングを行う場合であっても、中間層14は直流式のプラズマCVDプロセスにおいてエッチィングストッパ層として機能する。
この中間層14からなるエッチィングストッパ層は、基材12をエッチィングから保護する機能も有する。例えば、Arガスと酸素ガスの混合ガスにて効率的にプラズマドライエッチィングを行う場合において、Arガスなどにエッチィングされ易い、CrやCu、または、このCrを含有するステンレス鋼などからなる基板12をArエッチィングから保護することが可能となる。
さらに、この中間層14からなるエッチィングストッパ層は、基材12上に残留し、構造体10が使用される際の使用環境雰囲気からの基材12の保護(例えば腐食防止など)や、被成型物との摩擦による基材12の摩滅や変形の抑制、さらには削られた基材12組成物汚染源化防止層とすることも可能である。以上のように、凹部18の全面が摺動性軟質金属凝着防止性に優れ、且つ耐摩耗性耐食性を有する非晶質炭素膜にて構成されるため、凹凸パターンの形状精度維持や、構造体10からの被成型物の離型性など、構造体10の「型」(金型)としての機能が向上する。

0022

また、中間層14は、前述した拡散防止層としても機能する。即ち、基材12上に直接パターン層16を形成すると、パターン層16の非晶質炭素膜を構成する炭素は、Fe、Ni、Co、又はこうした元素の合金素材(例えばステンレス鋼)等との反応性に乏しく、炭素がこうした元素中に経時的に拡散し易い(例えば、Fe中には炭素が大量に拡散する)。従って、一実施形態における構造体10において、基材12をFe、Ni、Co、又はこうした元素の合金素材にて形成する場合、Si、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜からなる中間層14を拡散防止層として設けることが有効である。

0023

一実施形態におけるパターン層16は、図1に示すように、表面に突出する凸部17と、凸部17の間(側壁部分)に形成され底面方向にテーパ形状となる凹部18とを有し、凸部17と凹部18とによって凹凸パターンを形成する。パターン層16は、後述するように、炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜をエッチィングすることにより形成される。炭素からなる非晶質炭素膜は、例えば炭素ターゲットを配したプラズマスパッタリング法により形成することができ、又、水素と炭素からなる非晶質炭素膜は、例えば、アセチレン、エチレンメタン等の炭化水素ガスを原料ガスとして用いてプラズマCVD法により形成することができる。図1の例では、中間層14が凹部18の底面に露出している(凹部18の底面が中間層14で形成されている)が、エッチィングの際に中間層14を露出させることなく非晶質炭素膜を残存させて、非晶質炭素膜により凹部18の底面を形成してもよい。

0024

こうして構成された構造体10は、基材12が導電体又は半導体によって形成されているので、基材がAl2O3等の絶縁性の金属酸化物によって形成されている場合と比較して、非晶質炭素膜である中間層14との密着性が良好となる。さらに、中間層14は、非晶質炭素膜にSi、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有させているので、通常の炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜と比較して、基材12との密着性がより良好となる。

0025

また、構造体10は、パターン層16の凹部18が底面方向にテーパ形状となっている。従って、この構造体10を用いて転写成型する場合には、構造体10の凹凸パターンに充填され、計量や造形された被成型物が離型時にアンカークサビ)とならず、構造体10のテーパ形状に沿って大きな物理的な抵抗応力)を発生することなくスムースに離型するため、基材12と基材12上に形成される非晶質炭素膜との間に剥離を誘引する応力(非晶質炭素膜を基材から引き剥がす方向に働く力)の発生を抑制し、非晶質炭素膜の基
材12に対する密着性を向上させることができる。
このように、非晶質炭素膜よりなるパターン層16の凹部18を底面方向にテーパ形状とすることで、非晶質炭素膜パターン層16の基材12からの剥離や、構造体10が金型として使用される際の外部からの圧縮応力がパターン層16の逆テーパ部の根元部等に集中して、非晶質炭素膜からなる凹凸パターンが破壊される事態を防止しつつ、非晶質炭素膜の本来有する低い摩擦係数由来する離型性(摺動性)、軟質金属凝着防止性など、金型素材としての優れた機能を十分に引き出して活用することができるようになる。
さらに、この構造体10を用いて転写成型する場合には、被成型物の凸部がテーパ形状となり、被成型物にインクなどを塗布する場合、インクの充填性剥離性、さらには清掃時等における残留異物視認性を向上させることができる。

0026

一実施形態における構造体10において、構造体10の反りを抑制するために、基材12の裏面(中間層14が形成される面の反対側の面)にも、非晶質炭素膜を形成するものとしてもよい。即ち、中間層14及びパターン層16を比較的広い面積で厚く形成すると、特に基材12が薄く剛性に乏しい場合には、非晶質炭素膜の圧縮残留応力によって基材12の表側の面(中間層14が形成される面)が凸に反ってしまう場合がある。こうした変形は、後のフォトリソグラフィー等によるパターンニング精度凹凸パターン面平滑精度劣化させる恐れがある。そこで、中間層14の厚さやパターン層16における非晶質炭素膜の残留パターン、残留量に応じて、基材12の裏面にも非晶質炭素膜を形成することによって、こうした基材12の反りを抑制することができる。基材12の裏面に形成する非晶質炭素膜は、裏面全体に形成してもよいし、パターン層16における非晶質炭素膜の残留パターンに応じた部分に形成してもよい。
このように基材12の裏面を含めた両面に非晶質炭素からなる被エッチィング層を形成する場合において、セルフバイアス式のプラズマCVD法を使用し、基材12に電圧を印加し、基材12を包み込むように電界を生じさせ、基材12の周囲に導入した炭化水素系のガスをプラズマ化して基材12の両面表層に同時に同程度の膜厚や残留応力などの物性で堆積させることで、基材12の両面に同時に非晶質炭素膜からなる被エッチィング層を形成することができ、基材12の反り発生の抑制や、工程の合理化を行うことができる。
さらには、非晶質炭素膜を基材12の両面に形成した後、凹凸パターンを形成する側の面(パターン面)の非晶質炭素膜の最終残留量や位置(応力の状態)を予め確認し、この最終残留量や位置に合わせて凹凸パターンを形成しない側の面(裏面)において非晶質炭素膜がエッチィングされず残るように、酸素プラズマエッチィングの前に板状、その他のマスキングを行い、故意に裏面側に非晶質炭素膜を残留させることもできる。
こうした基材12の反りの抑制によって、相手材に繰り返し押し当てて使用するスタンパー等の成型金型としての用途に構造体10を使用する場合において、構造体10(基材12)の繰り返し変形を未然に抑制することができ、凹凸パターンを形成する側の面(パターン面)に形成した非晶質炭素膜の基材12からの剥離等を抑制することができる。

0027

こうした基材12の両面への非晶質炭素膜の形成、及び、後の凹凸パターンの形成は、導電体又は半導体よりなる基材12にセルフバイアス式のプラズマCVDプロセスにて電圧を直接印加した状態で非晶質炭素膜の形成、及び、後のプラズマドライエッチィングを行うことにより、比較的容易に行うことができる。一方、基材12が絶縁体よりなる場合には、基材12に電圧を直接印加することができないから、基材12の片面を電圧印加用ジグに張り合わせる必要があり、または、RFプラズマプロセス、ECRプラズマプロセスを使用して片面をプラズマ生成側に向けて配置して非晶質炭素膜を形成することになるから、基材12の両面に同時に非晶質炭素膜を形成するのは難しく、又は、複雑な機構を備える高価な成膜装置が必要になる。

0028

次に、本発明の一実施形態に係る構造体10の製造方法について説明する。図2は、一実施形態における構造体10の製造方法の各工程を説明する説明図である。構造体10の製造方法では、まず、基材12を準備する(図2A)。前述したように、基材12の材料としては、様々な導電体又は様々な半導体を用いることができる。なお、この段階で、基材12に電圧を直接印加して基材12の表面に対して不活性ガス(例えばAr等)からなるプラズマイオン高加速度衝突させることによって基材12の表面改質を行い、絶縁物の剥離や清掃、活性化などを行うものとしてもよい。こうすれば、基材12と中間層14との密着性をより向上させることができる。

0029

次に、基材12上に中間層14を形成する(図2B)。前述したように、中間層14は、Si、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜である。こうした非晶質炭素膜は、前述したように、例えば、プラズマCVD法により形成される。

0030

そして、中間層14上に炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜16aを形成する(図2C)。こうした非晶質炭素膜16aは、前述したように、例えば、プラズマCVD法により形成することができる。なお、本発明の一実施形態において、非晶質炭素膜16aは、直流酸素プラズマによるドライエッチィングを効率良く行うため、炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜にて構成される。炭素、又は、水素と炭素のみからなる非晶質炭素膜は、硬く、摩擦係数が低く、例えば中間層14に使用するようなSiや金属元素を含有した非晶質炭素膜に比べて軟質金属の凝着防止性が高い。また、水素と炭素からなる非晶質炭素を薄膜で形成した際は3%前後の延伸性を有し、他の硬質セラミクス膜に比べて高い延性やじん性を有し、金型として応力を受けながら使用される構造体10の長寿命化に貢献する。さらに、水素と炭素からなる非晶質炭素をプラズマCVD法にて形成することで、スパッタリングなどのPVD法に比べ、ドロップレットの少ない非常に平滑な非晶質炭素膜面を形成することが可能となる。
また、本発明の一実施形態において、例えば、非晶質炭素膜の表層に官能基を形成したり、電気的な特性を付与するため、非晶質炭素膜16aに酸素、窒素フッ素などの電子吸引性の元素を予め含有させたり、或いは摺動性を向上させるため予めイオウ(S)などを含有させたり、さらには非晶質炭素膜のエネルギーバンドギャップを制御すための不純物元素としてホウ素(B)や砒素(As)などを予め含有させることも、直流方式の酸素プラズマによるドライエッチィングを大きく妨げない範囲で可能である。
さらに、本発明の他の実施形態として、炭素、又は、水素と炭素のみからなる非晶質炭素膜中に、例えばその導電性や硬度を制御する等の目的で、金属元素や金属酸化物などを少量加えることも可能ではあるが、金属元素や金属酸化物を加える場合、酸素のみによるドライエッチィングが困難となる場合もある。従って、エッチィングガスとして、金属元素や金属酸化物をスパッタリング可能なAr等の不活性ガスを酸素に混合したガスを用いる必要が生じ、又は、こうした酸素やAr等の混合ガスでのエッチィング(スパッタリング)を交互に行う必要が生じる場合がある。このように、非晶質炭素膜中に金属元素や金属酸化物等の添加を行う場合、及び、その他の各種元素等を添加する場合において、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その添加量や添加する金属等の添加元素の種類を調整する必要がある。

0031

続いて、非晶質炭素膜16a上にマスキングパターン19を形成する(図2D)。このマスキングパターン19は、用途に応じた凹凸パターンの凸パターンに対応する部分に形成される。マスキングパターン19は、例えば、非晶質炭素膜16a上の全面にフォトレジストを形成したのち、用途に応じた凹凸パターンの凸パターン状に露光する公知のフォトリソグラフィ法などを用いて形成することができる。なお、非晶質炭素膜16aは紫外線領域の電磁波(光)の散乱を防止する機能があるため、フォトリソグラフィ法に紫外線領域の露光光を使用する場合には、マスキングパターン19の描画精度を向上させることもできる。
ここで、非晶質炭素膜16a上に形成されるマスキングパターン19を形成する方法は、上述したフォトリソグラフィー法のみに限定されない。例えば、公知のスクリーン印刷フレキソ印刷インクジェット印刷凸版印刷凹版印刷、凸版オフセット印刷凸版反転オフセット印刷凹版オフセット印刷等の各種の印刷法を用いてレジストやインクによるマスキングパターンを形成することができる。また、非晶質炭素膜16aとの必要な密着が確保できれば、予め所望のパターンが形成された箔や板、金網などを非晶質炭素膜16a上に配置してマスクとして用いることも可能であり、さらに、形成するパターンに対して精度や再現性などが要求されない場合には、マジックインク、スプレー塗布刷毛塗り等で模様(マスク)を形成することも可能である。

0032

次に、非晶質炭素膜16aに対してエッチィングを行う(図2E)。一実施形態においては、基材12に所定の直流電圧(例えば、直流パルスプラズマ方式で−4kV)を印加した状態で、酸素プラズマを用いたプラズマドライエッチィングを行う。こうしたプラズマドライエッチィングによって、非晶質炭素膜16aのうち、マスキングパターン19が存在する部分のみが残存し、マスキングパターン19が存在しない部分は酸素プラズマとの化学反応によって除去される。ここで、基材12に電圧を印加することによって基材12にセルフバイアス電界が形成されるため、凹部の底面付近は酸素プラズマドライエッチィングがされ難い遮蔽環境となる。この結果、図示するように、凹部の底面付近の非晶質炭素膜16aが残存し、凹部が底面方向にテーパ形状となる。こうしたテーパ形状は、マスキングパターン19自体の厚さを含めたエッチィングの深さ方向へのアスペクト比や特に直流パルスプラズマ方式の場合はパルス幅パルス周波数、その他プラズマ条件によって決定され、例えば一定のプラズマ条件において、アスペクト比が大きくなる(深くなる)と、凹部底面中心付近がエッチィングされ、凹部底面の周囲部はエッチィングされ難くなるため、テーパ角度の緩い、先端がより丸まったテーパ形状になる。従って、被エッチィング層である非晶質炭素膜16a及マスキングパターン19の厚みを調整することによって、凹部のテーパ形状を制御することが可能となる。さらには、非晶質炭素膜16a及びマスキングパターン19の厚みを調整することによって、中間層14が露出しないようにエッチィングすることも可能となる。なお、非晶質炭素膜16aに形成されるテーパ形状は、その角度や、非晶質炭素膜16aの壁面におけるテーパの始まる位置、凹凸パターンの凹部におけるテーパのせり出し量などについて特に限定されるものではなく、構造体10の各種各様な用途、用法に合わせて適宜選択することができる。

0033

ここで、被エッチィング層である非晶質炭素膜16aをエッチィングする際には酸素ガスが使用されるため、例えば、プラズマによってイオン化された酸素が、非晶質炭素膜を構成する炭素成分および水素成分のそれぞれと反応する。その後、非晶質炭素膜はCOやCO2などの炭素系ガス、および水となって除去排出されるため、スミア(エッチィング残渣)の発生しない精度の良いエッチィングが可能となり、デスミアも不要となる。また、酸素ガスにArなどの不活性ガスであってエッチィングレートの高いガスを混合してプラズマ化し、エッチィングを行ってもかまわない。
一実施形態における構造体10は、前述したように、非晶質炭素膜16aとこの非晶質炭素膜16aのエッチィング保護マスク材料であるマスキングパターン19との境界が酸素プラズマによる反応で除去されるため、境界部でバリなどが発生し難い。さらに、凸部17における基材12に対して垂直方向縦方向)の面は、非晶質炭素膜自体が酸素プラズマエッチィングされることによって形成される面であり、他の相手材との接触を伴わずに形成される面(端面)でもあるため、平滑で比較的均一な面状態とすることができる。例えば、基材上に予め感光性の樹脂レジスト層マスキング層)などをベタで(一様に)全面形成した後、このレジスト層の所望の部分をフォトリソグラフィー法で除去し、所望の部分のみ基材を露出させ、この基材を露出させた部分に(他の残った樹脂レジスト部分等を含んで)非晶質炭素膜を一括形成し、後に、樹脂レジスト層を(その上に形成された非晶質炭素膜も一緒に)除去して非晶質炭素膜の凹凸パターンを形成する方法もある。しかし、この場合、不要となる樹脂レジスト層上に形成された非晶質炭素膜と、必要部分である非晶質炭素膜(樹脂レジスト層が予め除去された所望の基材上のパターン部に形成された非晶質炭素膜)は一面の厚みを有する膜として連続しており、後に上述したレジスト層を除去する際に、基材に残留させる非晶質炭素膜(所望のパターン部)と、不要となり除去されるレジスト層上の非晶質炭素膜との切断境界部分で、非晶質炭素膜の物理的な破壊切断による非平滑な凹凸を伴う破断面非直線的に引き裂かれるようなバリが発生し、非晶質炭素膜から成るパターンの直線性、形状精度、基材に残留する凸部断面(端面)の平滑性、密着性などをを損なうケースが多い。さらに、この方法を適用する場合、除去される樹脂レジスト層上の非晶質炭素膜との切断境界部分において表面の平滑性等の変動及び相違が発生し易い。

0034

さらに、一実施形態において、基材12の表層に非晶質炭素膜を形成する際、非晶質炭素膜中に埃などの有機物からなる異物が取り込まれることがある。一実施形態における構造体10は酸素プラズマにて非晶質炭素膜をエッチィングしているので、例えば非晶質炭素膜を除去する部分と非晶質炭素膜が残留する部分を跨るように取り込まれた異物についても、酸素プラズマエッチィングにより、パターンに沿ってアッシング除去することが可能となる。
なお、一実施形態における酸素プラズマエッチィングは、酸素によって、高精細温和条件下、高効率及び効果的に、非晶質炭素膜の不要部分(パターン部以外の部分等)を除去することを目的にしている。従って、例えば、一実施形態の構造体10において、凹凸パターン部のテーパ形状が必ずしも必要ない場合等は、公知の真空環境下での酸素プラズマエッチィングプロセスのみでなく、酸素ガスプラズマによる大気圧プラズマ準大気圧プラズマ方式等の、常圧下での簡便な酸素エッチィングを用いることもできる。さらに、凹凸パターン部の形状精度等に対する要求が高くない場合には、必ずしもプラズマプロセスでの酸素エッチィングに限定されることも無く、例えば、炭素のみ、または水素と炭素とから成る非晶質炭素膜を、オゾンなどの活性酸素により分解除去したり、部分加熱による酸化反応で除去したりすることも可能である。このように、構造体10の用途、用法、それに応じて要求される凹凸パターンの精度、エッチィング除去される非晶質炭素膜の厚み、基材の材質や状況等の様々な要求を考慮して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適当な酸素によるエッチィングプロセスを採用することができる。

0035

また、一実施形態においては、前述したように、Si、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜からなる中間層14は、エッチィングのストッパ層としても機能する。即ち、こうしたSi又は金属元素を含有する非晶質炭素膜は、炭素、又は、水素と炭素からなる通常の非晶質炭素膜と比較して、特にDC電源にてプラズマを発生させるプラズマドライエッチィング法においては、生成される酸素ガス又は酸素ガスとArなどの不活性ガスからなるエッチィングガスによるプラズマドライエッチィングがされにくい。従って、基材12上の各部において非晶質炭素膜16aのエッチィングスピードにばらつきが生じる場合であっても、中間層14がエッチィングのストッパ層として機能し、基材12上の各部において非晶質炭素膜16aに形成される凹部の形状(深さ)を均一化することが可能となる。

0036

さらに、直流パルス方式のプラズマプロセスを採用することで、形成する凹部パターンにおいて、パルス周波数やパルス幅を調整することでプラズマによるホローカソード現象の発生を抑制することが可能となり、エッチィング時において、凹部の上部内壁周辺、及び底部中央部のみがより多くエッチィングされてしまうことを防止することができる。

0037

なお、一実施形態において、中間層14をエッチィングストッパ層として機能させた後、例えば、RF電源等を用いた強力なプラズマを発生させるプラズマドライエッチィング法に切り替えて、中間層14を除去してしまうことも可能である。また、前述したSiやTiなどの金属元素を含有する非晶質炭素膜からなる中間層14が酸素エッチィングにより酸化され露出している面は、水酸基やその他様々な官能基が生成されており、優れたカップリング剤脱水縮合反応による共有結合にて固定化される、又は水素結合により結合する材料よりなる薄膜)の固定層とすることもでき、例えば、フッ素含有カップリング剤を固定して撥水性撥油性を付与し、金型としての離型性や防汚性を向上することも併せて可能となる。

0038

このように、一実施形態における構造体10の製造方法では、比較的容易に、凹部18が底面方向にテーパ形状となるパターン層16を形成することができる。即ち、DC電源を用いて導電体又は半導体からなる基材12にバイアスを印加した状態で、比較的安全なガスである酸素ガスを用いてプラズマドライエッチィングを行うことによって、凹部18をテーパ形状とすることができる。例えば、RF電源を用いたプラズマドライエッチィングで等方性エッチィングと異方性エッチィングを交互に繰り返す方法や、集束イオンビーム(FIB)を用いたエッチィングによって凹部18を一筆書き状にテーパ形状とする方法と比較して、より容易に簡易設備で凹部18をテーパ形状とすることができる。
また、例えば、基材上に予め感光性の樹脂レジスト層(マスキング層)などをベタで(一様に)全面形成した後、このレジスト層の所望の部分をフォトリソグラフィー法で除去し、所望の部分のみ基材を露出させ、この基材を露出させた部分に(他の残った樹脂レジスト部分等を含んで)非晶質炭素膜を一括形成し、後に、樹脂レジスト層を(その上に形成された非晶質炭素膜も一緒に)除去して非晶質炭素膜の凹凸パターンを形成する上述した方法では、樹脂レジストによるパターンの断面は、一般的に基材底面に対して略垂直になるため、このパターン部に形成される非晶質炭素膜によって形成される凹凸パターンの凹部をテーパ形状にすることは容易ではない。

0039

図2戻り、非晶質炭素膜16aに対してエッチィングを行うと、次に、マスキングパターン19を取り除くことによってパターン層16を形成し(図2F)、一実施形態における構造体10が製造される。マスキングパターン19が、一般に入手しやすいフォトレジスト等の樹脂等からなる場合には、フォトレジストはアルカリ浴等からなるエッチィング薬液にて溶解除去することができる。この際、Al2O3等の耐アルカリ性の弱い絶縁基材を使用した場合には、基材自体が損傷を受けてしまうことになるが、一実施形態においては導電体又は半導体よりなる基材12を用いており、特に耐アルカリ性の強いステンレス鋼やTi等を用いることにより、耐薬品性を向上させることができる。
さらに、マスキングパターン19がインク等で形成されている場合は、このインク等を溶解可能な薬液(例えば、アルコール溶剤)中に浸漬させて、インク等を溶解させてしまえば良い。また、マスキングパターン19が、予め所望のパターンが形成された箔や板、金網等である場合には、この箔や板、金網等を物理的に取り外せば良い。さらに、必要に応じてフォトレジストなどの樹脂で形成されたマスキングパターン19を、クッション層等として残留させることも可能である。

0040

こうした方法で製造される構造体10において、基材12がAl2O3などの絶縁基材の場合には、非晶質炭素膜(中間層14やパターン層16)をプラズマプロセスで形成すると、プラス帯電した炭素イオンの堆積量が増えるに従い、絶縁基材や非晶質炭素膜が電気的にチャージアップ(帯電)を起こしやすくなり、チャージアップに起因するプラズマアーキング等で非晶質炭素膜、並びに基材12を破壊してしまう場合がある。さらに、マスキングパターン19がフォトレジストなどの樹脂等からなる場合は、マスキングパターン19自体もチャージアップを起こし、マスキングパターン19の破壊や変形も発生し易くなる。こうしたマスキングパターン19の破壊や変形は、構造体10のパターン層16を変形させてしまうことに繋がり、構造体10の金型、鋳型としての品質劣化を招く。一実施形態における構造体10は、基材12が導電体又は半導体により形成され、直流パルス方式のセルフバイアス型プラズマプロセスを採用することができる。この場合、基材12に対して間欠的に電圧を印加することでプラズマを間欠状態とし、基材12などに蓄積された電荷を間欠的に導電体や半導体である基材12を通じて除去(ディスチャージ)しながらプラズマプロセスを実行することで前述したチャージアップを抑制し、よって、非晶質炭素膜やマスキングパターン19の破壊や変形を抑制することができる。

0041

また、こうした方法で製造される構造体10において、パターン層16は酸素雰囲気でエッチィングされることにより形成されるから、パターン層16に残存する非晶質炭素膜や中間層14の露出面は、極度酸化状態となっており、また、電子吸引性を有する酸素が含有された非晶質炭素膜表層は様々なカルボニル基等の官能基が生成され、親水性を示すように変質し、官能基に吸着されやすい物質物体との親和性が増長している。よってこのままの状態で構造体10を金型として用いると、被転写体の充填や離型に悪影響を及ぼす場合も考えられる。一実施形態の構造体10において、これを回避するために、パターン層16を形成後、水素等を含むプラズマ処理や酸電解等のウェット法により構造体10やパターン層16の還元処理を行うこともできるさらに、こうした構造体10の表層に形成された酸化層等を、例えばArなどのスパッタリング、その他の方法で除去してしまうことも可能である。

0042

以上説明した本発明の一実施形態に係る構造体10によれば、導電体又は半導体によって形成された基材12を用いるので、非晶質炭素膜である中間層14と基材12との密着性を良好とすることができる。また、パターン層16の凹部18が底面方向にテーパ形状を有するから、構造体10からの被成型物の離型性を向上させ、基材12と非晶質炭素膜である中間層14との密着性を良好とすることと同時に、構造体10の転写性能等に悪影響を及ぼしにくい。さらに、基材12とパターン層16との間にSi、Ti、Cr、及びWの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜からなる中間層14を形成する場合、基材12との密着性をより良好とすることができ、また、中間層14をエッチィングストッパ層として機能させることによってパターン層16の凹部18の形状をより均一にすることができる。

0043

一実施形態における構造体10では、基材12とパターン層16との間に中間層14を形成したが、基材12との密着性は若干劣るものの、中間層14を形成せず、基材12上にパターン層16を直接形成するものとしても構わない。この態様であっても、基材12を絶縁基材で形成する場合と比較すると、パターン層16と基材12との密着性を良好とすることができる。さらに、パターン層16を、Si、Ti、Cr、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜をエッチィングして形成するものとしてもよい。この場合、Si、Ti、Cr、Wの内少なくとも1つの元素を含有する非晶質炭素膜は、DC電源を用いたプラズマドライエッチィング法ではエッチィングされ難いので、RF電源等を用いたプラズマドライエッチィング法にてエッチィングすればよい。さらに、中間層14を、パターン層16の途中に介在させてもよい。即ち、基材12上に炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜を形成し、この非晶質炭素膜上に中間層14を形成し、さらにこの中間層14上に炭素、又は、水素と炭素からなる非晶質炭素膜を形成してもよい。こうすれば、中間層14をエッチィングストッパ層として機能させ、非晶質炭素膜16aに形成される凹部の形状(深さ)を簡便に均一化することが可能となる。

0044

一実施形態における構造体10では、マスキングパターン19を形成した非晶質炭素膜16aをエッチィングすることによりパターン層16を形成したが、例えば、非晶質炭素膜16a上に更にSiを含有する非晶質炭素膜を形成し、こうした複合層を被エッチィング層としてもよい。こうすれば、被エッチィング層を、通常の非晶質炭素膜と比較して絶縁性、耐食性の高い層とすることができる。

0045

なお、一実施形態における構造体10の完成後、形成された凹凸パターンの表層を含めてさらに、他の皮膜を形成して使用することも可能である。例えば、非晶質炭素膜よりさらに硬度の高いcBN層などを形成し、構造体10の耐摩耗性をより一層向上させる場合、撥水性や撥水撥油性コーティング剤を塗布して離型性や防汚性を向上させる場合、さらには二硫化モリブデンなどのグリスや油成分などからなる皮膜を形成して離型性を向上させる場合などが考えられる。また、ゴム層樹脂層などの軟質層を構造体10の表層に形成し、接触物との衝撃緩和層ダンパー層)とすることも可能である。例えば一実施形態における非晶質炭素膜16aのエッチィングを行う時点でマスキングパターンとして利用したマスキングパターン19を最終的に取り除くことなく残存させ、前述したダンパー層として再利用する場合などもその一例である。

0046

以下に述べる方法により、本発明の一実施形態における構造体が、基材と凹凸パターン層との密着性を向上させること、及び、本発明の一実施形態における構造体の製造方法によってテーパ形状の凹部を有する凹凸パターンが形成されることを確認した。

0047

ステンレス鋼製(SUS304)の四角い板、200mm×200mm、厚み0.5mmのものを基材基板として準備し、イソプロピルアルコールで満たした超音波洗浄槽で10分間洗浄後、乾燥させた。基材基板の片面(凹凸パターンを形成しない面)の中央部に四角形で10mm×10mmのステンレス薄板粘着テープ(住友スリエム株式会社製Scotchポリイミドテープ5413)にて貼り付け、基材を被覆した。このステンレス薄板によるマスキングは、マスキングした部分については以下のArガスプラズマクリーニング、及び、Siを含有する非晶質炭素膜(密着層、上述した実施形態における中間層14に相当する。)の形成を行わない場合における、基材基板と非晶質炭素膜との密着性を確認するために行っている。なお、ステンレス鋼基材は、Al2O3基材等と比較すると、非晶質炭素膜の構成元素である炭素と炭化物を形成し易いCrを含むため非晶質炭素膜との密着性が良好である。また、マスキングした部分についてステンレス鋼基材へのArプラズマクリーニングも行わない理由は、Al2O3基材など絶縁基板基材は、自己バイアス電圧を印加し加速されたAr活性種によるプラズマクリーニングが行いにくいためであり、Al2O3基材など絶縁基板基材と類似の状況とするためである。

0048

次に、高圧DCパルスプラズマCVD装置マイナス電圧印加可能電極に、前述した基材基板の両面に(全体を包むように)プラズマが形成されるように基材基板を取り付けた。まず、真空反応容器を1×10-3Paまで真空排気し、Arガスを30SCCMの流量で導入し、ガス圧2Paにて基材のArプラズマクリーニングを5分間行った。Arガスを排気した後、テトラメチルシランガスを流量30SCCM、ガス圧2Paで導入し、Siを含有する非晶質炭素膜層(密着層)を厚み概ね10nmで形成した。続いてテトラメチルシランガスを排気し、アセチレンガスを流量30SCCM、ガス圧2Paで導入し、印加電圧−3kVpにて水素と炭素からなる非晶質炭素膜層を基材基板面の中央部にて約500nmの膜厚となるように形成した。なお、高圧DCパルスのパルス周波数は10kHz、パルス幅10μsにて全てのプラズマプロセスを行った。

0049

基材を冷却した後、一旦真空容器を常圧に戻し、基材中央部に粘着テープ(住友スリーエム株式会社製Scotchポリイミドテープ5413)にて貼り付けた前述したステンレス薄板を取り外した。その後、再度、基材基板を真空装置に同様にセットした後、真空反応容器を1×10-3Paまで真空排気し、Arガスを30SCCMの流量で導入し、ガス圧2Pa、パルス周波数10kHz、パルス幅10μs、にてArプラズマクリーニングを5分間行った。Arガスを排気した後、アセチレンガスを流量30SCCM、ガス圧2Paで導入し、印加電圧−3kVpにて水素と炭素からなる非晶質炭素膜層を基材基板面の中央部にさらに厚み約1400nmで形成した。従って、ステンレス鋼基材基板面の中央部において、最初に形成した非晶質炭素膜と合わせると、概ね1.9μmの膜厚となっている。

0050

基材を冷却した後、真空ブレイクを行い基材基板を取り出して室温で1昼夜保管した。この時点で前述したステンレス薄板を取り外した10mm×10mmの部分の非晶質炭素膜が、マスキング(ステンレス薄板と粘着テープ)と全く同じ形状で基材から剥離していることが確認できた。前述のとおり、マスキング部分においては、非晶質炭素膜と比較的密着性の良いCrを含むステンレス鋼基材においても非晶質炭素膜の剥離が発生しており、Al2O3基材など絶縁基材においては非晶質炭素膜が一層剥離し易いことが容易に推定できる。

0051

次に、基材基板のもう一方の面(全面に非晶質炭素膜が形成されている面)に公知の方法で、概ね380μm×100μmのパターンが50μmスペースで縦一列に配置されたパターン列と、このパターン列から概ね100μmのスペースを空けて、300μm×100μmのパターンが100μmスペースで縦一列に配置されたパターン列とが交互の縦列となった厚さ概ね25μmの絶縁性の公知のフォトレジストパターンエリア100mm×100mmを、パターン部が描画形成されるフォトレジスト部となるように、基材基板の片面(10mm×10mmのステンレス薄板にてマスキングを行っていない側の面)の中央部に形成した。
なお、プラチナ(Pt)等の導電性の薄膜(厚さが数十nm〜数百nm)をマスキングパターン層として使用せず、絶縁性の公知のフォトレジストをマスキングパターン層として使用するのは、次の理由による。即ち、プラチナ等の導電性のマスキングパターン層とすると、プラズマプロセスにおいてステンレス鋼製の金属基材基板に印加されるバイアス電圧が、金属基材基板の上層に形成された絶縁性ではあるが膜厚の薄い非晶質炭素膜(被エッチィング層)を絶縁破壊して導電性のマスキングパターン層に達し得る。そして、このマスキングパターン層に印加されるバイアス電圧によって、マスキングパターン層においてもプラズマ電界が形成され、更にマスキングパターン層におけるパターン開口部のエッジ部にプラズマ電界が集中し易いから、プラズマ電界が集中するエッジ部の直下付近の非晶質炭素膜が、パターン開口部の寸法と比較して広くエッチィングされてしまう(即ち、凹凸パターンの凹部が底面方向にテーパー形状とならず、逆テーパー形状となってしまう)おそれがあるためである。

0052

次に、高圧DCパルスプラズマCVD装置のマイナスの電圧を印加可能な電極に基材基板の両面(全体を包むように)にプラズマが形成されるように取り付けた。まず、真空反応容器を1×10-3Paまで真空排気し、酸素ガスを70SCCM、アルゴンガスを40SCCMの流量で混合し、ガス圧を3Paに調整した。パルス周波数10kHz、パルス幅10μsにて印加電圧—3.5kVpにて酸素ガスによるドライエッチィングを行った。その後、Ar、及び酸素ガスを排気し、水素プラズマにて還元処理を行った。その後、非晶質炭素膜から成る凸型パターンの上部のレジストを公知の方法で剥離した。基材上に形成された非晶質炭素膜からなる凸型パターン(実施例1)の写真を図3に示す。写真上、黒く見える(濃い)部分がパターン形成された非晶質炭素膜部分であり他の部分がステンレス鋼製の基材である。

0053

380μm×100μmのパターンが50μmスペースで縦一列に配置されたパターン列の一部のパターン(実施例1)のレーザ顕微鏡によるプロファイル測定の結果を図4に示す。なお、測定は、以下の条件で行っている。
測定機器:VK-9510(キーエンス社製)、RUN MODE:カラー深度
上方に凸の形で残存している非晶質炭素膜の凸パターンの底部(裾部)は、上方部に比べて概ね2μmの幅で外側に大きくなっており、凸パターンが底部で一回り大きく残っている(即ち、凹部が底面方向にテーパ形状となっている)ことが確認できた。

実施例

0054

次に、上述した実施例1と同様の条件にて、実施例1と同様の概ね380μm×100μmのパターンが50μmスペースで縦一列に配置された非晶質炭素膜のパターン列等を作成した(実施例2)。実施例1との違いは、マスキングパターン層(エッチィングストッパ層)として、厚さ概ね25μmの絶縁性の公知のフォトレジストパターンに代えて、トリメチルシランガスを公知の方法でプラズマ化して厚さ概ね150nmの絶縁性のSiを含む非晶質炭素膜(上述した実施形態における中間層14に相当するもの)をマスキングパターン化して形成した点である。このように、実施例1のフォトレジストパターンと比較して非常に薄く、絶縁性のSiを含む非晶質炭素膜をマスクとして酸素エッチィングを行うことによって、非晶質炭素膜のパターン列を作成した。実施例2におけるパターン列の一部のパターンのレーザ顕微鏡によるプロファイル測定の結果を図5に示す。図示するように、実施例2においては、上方に凸の形で残存している非晶質炭素膜の凸パターンの断面が底部に対して略垂直であること(即ち、凹部が底面方向にテーパ形状となっていないこと)が確認できた。
なお、実施例2の概ね380μm×100μmの非晶質炭素膜のパターン(最終形成パターン)における輪郭部の直線性が悪く、例えば、右上角部において欠け部が発生しているのは(図5を参照)、次の理由による。実施例2においては、全面に非晶質炭素膜が形成されている基板面に実施例1と同様の厚さ概ね25μmの絶縁性の公知のフォトレジストパターンを、上述した絶縁性のSiを含む非晶質炭素膜がマスクパターンとして残るように、ネガパターンで作成し、その後、上述した厚さ概ね150nmの絶縁性のSiを含む非晶質炭素膜を全面(フォトレジスト上及び開口部の非晶質炭素膜上)に形成した。その後、フォトレジストを除去してSiを含む非晶質炭素膜から成るマスクパターンを形成する工程(フォトレジスト除去工程)において、一面の膜として連続するSiを含む非晶質炭素膜が、開口部(パターンのエッジ部)付近において物理的に引き裂かれるように破断し、こうした状態のSiを含む非晶質炭素膜からなるマスクパターンを、最終形成パターンを形成する際の酸素ドライエッチィングのマスクとして使用したことに起因している。

0055

10構造体
12基材
14 中間層
16パターン層
16a非晶質炭素膜
17 凸部
18 凹部
19 マスキングパターン

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