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技術 マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置

出願人 株式会社ニューフレアテクノロジー
発明者 松本裕史吉川良一飯島智浩小笠原宗博井上英郎
出願日 2013年6月13日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2013-124435
公開日 2014年6月19日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-112639
状態 特許登録済
技術分野 電子ビーム露光 荷電粒子線装置 ホトレジスト感材への露光・位置合せ
主要キーワード 各通過孔 共通ビーム オフオン ON出力 時間配列 論理積演算器 加算演算器 量子化単位
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

目的

回路設置スペースの制限を緩和すると同時に照射量制御の精度を向上させることが可能な描画方法を提供することを目的とする。

構成

本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、ショット毎に、荷電粒子ビームによるマルチビームの各ビーム照射時間を予め設定された桁数2進数の値に変換する工程と、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた桁数回の照射に分割して、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、を備えたことを特徴とする。

概要

背景

半導体デバイス微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、ウェハ等へ電子線を使って描画することが行われている。

例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビーム照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される(例えば、特許文献1参照)。

ここで、マルチビーム描画では、高精度の描画を行うに際して、試料上の各々の位置に指定された照射量を与えるために、個々のビームの照射量を照射時間により個別に制御する。かかる各ビームの照射量を高精度に制御するためには、ビームのON/OFFを行うブランキング制御を高速で行う必要がある。従来、マルチビーム方式の描画装置では、マルチビームの各ブランキング電極を配置したブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載していた。そして、各ビームに対して独立に制御していた。例えば、全ビームの制御回路にビームONのトリガ信号を送る。各ビームの制御回路はトリガ信号によりビームON電圧電極印加すると同時に、照射時間をカウンタによりカウントし、照射時間が終了するとビームOFF電圧を印加していた。かかる制御には、例えば、10ビット制御信号で制御していた。しかし、ブランキングプレート上での回路を設置するスペース使用可能な電流量に制限があるため、制御信号の情報量に対して簡単な回路にせざるを得ず、高速高精度な動作が可能なブランキング回路を内蔵することが困難であった。さらに、ブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載することで、マルチビームのピッチを狭めることへの制限にもなっていた。一方、回路を設置するスペースを確保するため、各ビームの制御回路をブランキングプレートの外に配置し、配線で接続する場合、配線が長くなるためクロストークが増加し描画精度劣化してしまうといった問題があった。

概要

回路設置スペースの制限を緩和すると同時に照射量制御の精度を向上させることが可能な描画方法を提供することを目的とする。本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、ショット毎に、荷電粒子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間を予め設定された桁数2進数の値に変換する工程と、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた桁数回の照射に分割して、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、を備えたことを特徴とする。

目的

本発明は、上述した問題点を克服し、回路設置スペースの制限を維持しながら照射量制御の精度を向上させることが可能な描画装置および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

荷電粒子ビームによるマルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う工程と、ビーム毎に、前記複数回の照射の各回の照射について、前記個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、前記マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う工程と、を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法

請求項2

ショット毎に、荷電粒子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間を予め設定された桁数2進数の値に変換する工程と、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた前記桁数回の照射に分割して、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法。

請求項3

当該ビームを試料に照射する際、内部工程として、前記マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構を用いて、ビーム毎に、前記桁数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う工程と、ビーム毎に、前記桁数回の照射の各回の照射について、前記個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、前記マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構を用いて当該桁の照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う工程と、を有することを特徴とする請求項2記載のマルチ荷電粒子ビーム描画方法。

請求項4

前記桁数回の照射について、照射時間が長い桁と短い桁とをグループ化して、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように複数のグループを設定し、グループ毎に順にビームの照射が行われることを特徴とする請求項2又は3記載のマルチ荷電粒子ビーム描画方法。

請求項5

荷電粒子ビームの照射を受けてマルチビームを形成する複数の開口部が形成されたアパーチャ部材と、前記マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構と、前記マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構と、前記共通ブランキング機構が照射時間を規定するように前記共通ブランキング機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置

請求項6

荷電粒子ビームによるマルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御信号を出力する複数の第1のロジック回路を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用の第1のロジック回路によりビームの第1のON/OFF制御信号を出力する工程と、ビーム毎に、前記複数回の照射の各回の照射について、前記第1のロジック回路によりビームの第1のON/OFF制御信号の切り替えが行われた後、前記マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御信号を出力する第2のロジック回路を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにビームの第2のON/OFF制御信号を出力する工程と、前記第1のON/OFF制御信号と前記第2のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う工程と、を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法。

請求項7

荷電粒子ビームの照射を受けてマルチビームを形成する複数の開口部が形成されたアパーチャ部材と、前記マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームの第1のON/OFF制御信号を出力する第1のロジック回路と、前記マルチビーム全体に対して一括してビームの第2のON/OFF制御信号を出力する第2のロジック回路と、前記第1のON/OFF制御信号と前記第2のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるように個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構と、を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置。

請求項8

各値がそれぞれ1つ前の値までの合計に1を加算した値以下となる、予め設定された項数の数列を用いて、ショット毎に、前記数列の各項の値を選択/非選択することによって選択された値の合計が荷電粒子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間になるようにそれぞれ照射時間配列データを生成する工程と、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、前記項数の数列の各値に相当する照射時間として各項を組み合わせた前記項数回の照射に分割して、前記照射時間配列データに基づいて、選択された各項の値にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法。

請求項9

前記項数回の照射について、前記数列の各項の値のうち、複数の値の組み合わせで構成される複数のグループを設定し、グループ毎に順にビームの照射が行われることを特徴とする請求項8記載のマルチ荷電粒子ビーム描画方法。

技術分野

0001

本発明は、マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置係り、例えば、マルチビーム描画におけるブランキング手法に関する。

背景技術

0002

半導体デバイス微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、ウェハ等へ電子線を使って描画することが行われている。

0003

例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビーム照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される(例えば、特許文献1参照)。

0004

ここで、マルチビーム描画では、高精度の描画を行うに際して、試料上の各々の位置に指定された照射量を与えるために、個々のビームの照射量を照射時間により個別に制御する。かかる各ビームの照射量を高精度に制御するためには、ビームのON/OFFを行うブランキング制御を高速で行う必要がある。従来、マルチビーム方式の描画装置では、マルチビームの各ブランキング電極を配置したブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載していた。そして、各ビームに対して独立に制御していた。例えば、全ビームの制御回路にビームONのトリガ信号を送る。各ビームの制御回路はトリガ信号によりビームON電圧電極印加すると同時に、照射時間をカウンタによりカウントし、照射時間が終了するとビームOFF電圧を印加していた。かかる制御には、例えば、10ビット制御信号で制御していた。しかし、ブランキングプレート上での回路を設置するスペース使用可能な電流量に制限があるため、制御信号の情報量に対して簡単な回路にせざるを得ず、高速高精度な動作が可能なブランキング回路を内蔵することが困難であった。さらに、ブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載することで、マルチビームのピッチを狭めることへの制限にもなっていた。一方、回路を設置するスペースを確保するため、各ビームの制御回路をブランキングプレートの外に配置し、配線で接続する場合、配線が長くなるためクロストークが増加し描画精度劣化してしまうといった問題があった。

先行技術

0005

特開2006−261342号公報

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、回路設置スペースの制限を維持しながら照射量制御の精度を向上させることが可能な描画装置および方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームによるマルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う工程と、
ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う工程と、
を備えたことを特徴とする。

0008

本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
ショット毎に、荷電粒子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間を予め設定された桁数2進数の値に変換する工程と、
各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた桁数回の照射に分割して、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、
を備えたことを特徴とする。

0009

また、当該ビームを試料に照射する際、内部工程として、
マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構を用いて、ビーム毎に、桁数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う工程と、
ビーム毎に、桁数回の照射の各回の照射について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構を用いて当該桁の照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う工程と、
を有すると好適である。

0010

また、桁数回の照射について、照射時間が長い桁と短い桁とをグループ化して、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように複数のグループを設定し、グループ毎に順にビームの照射が行われるように構成すると好適である。

0011

また、本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームの照射を受けてマルチビームを形成する複数の開口部が形成されたアパーチャ部材と、
マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構と、
マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構と、
前記共通ブランキング機構が照射時間を規定するように前記共通ブランキング機構を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。

0012

本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームによるマルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御信号を出力する複数の第1のロジック回路を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用の第1のロジック回路によりビームの第1のON/OFF制御信号を出力する工程と、
ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、第1のロジック回路によりビームの第1のON/OFF制御信号の切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御信号を出力する第2のロジック回路を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにビームの第2のON/OFF制御信号を出力する工程と、
第1のON/OFF制御信号と第2のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う工程と、
を備えたことを特徴とする。

0013

また、本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームの照射を受けてマルチビームを形成する複数の開口部が形成されたアパーチャ部材と、
マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームの第1のON/OFF制御信号を出力する第1のロジック回路と、
マルチビーム全体に対して一括してビームの第2のON/OFF制御信号を出力する第2のロジック回路と、
第1のON/OFF制御信号と第2のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるように個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構と、
を備えたことを特徴とする。

0014

また、本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
各値がそれぞれ1つ前の値までの合計に1を加算した値以下となる、予め設定された項数の数列を用いて、ショット毎に、数列の各項の値を選択/非選択することによって選択された値の合計が荷電粒子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間になるようにそれぞれ照射時間配列データを生成する工程と、
各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、上述した項数の数列の各値に相当する照射時間として各項を組み合わせたかかる項数回の照射に分割して、照射時間配列データに基づいて、選択された各項の値にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、
を備えたことを特徴とする。

0015

また、かかる項数回の照射について、前記数列の各項の値のうち、複数の値の組み合わせで構成される複数のグループを設定し、グループ毎に順にビームの照射が行われると好適である。

発明の効果

0016

本発明の一態様によれば、回路設置スペースの制限を維持しながら照射量制御の精度を向上できる。

図面の簡単な説明

0017

実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。
実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。
実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す上面概念図である。
実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。
実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。
実施の形態1における照射時間配列データの一部の一例を示す図である。
実施の形態1における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。
実施の形態1におけるブランキング動作を説明するための概念図である。
実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。
実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。
実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。
実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。
実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。
実施の形態2における露光待ち時間を比較例と比較したタイムチャート図である。
実施の形態3における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。
実施の形態3における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。
実施の形態4におけるロジック回路とブランキングプレート204との配置状況を説明するための概念図である。
実施の形態5における描画装置の構成を示す概念図である。
実施の形態5における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。
実施の形態6における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。

実施例

0018

以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。

0019

実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、アパーチャ部材203、ブランキングプレート204、縮小レンズ205、偏向器212、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板シリコンウェハ)等が含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用ミラー210が配置される。

0020

制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ロジック回路132、ステージ位置測定部139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ステージ位置測定部139及び記憶装置140,142は、図示しないバスを介して互いに接続されている。記憶装置140(記憶部)には、描画データが外部から入力され、格納されている。

0021

制御計算機110内には、面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、描画制御部72、及び転送処理部68が配置されている。面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、描画制御部72、及び転送処理部68といった各機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、描画制御部72、及び転送処理部68に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。

0022

ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。

0023

図2は、実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。図2(a)において、アパーチャ部材203には、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチマトリクス状に形成されている。図2(a)では、例えば、512×8列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状矩形で形成される。或いは、同じ外径円形であっても構わない。ここでは、y方向の各列について、x方向にAからHまでの8つの穴22がそれぞれ形成される例が示されている。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2(a)のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。図2(b)に示すように、例えば、縦方向(y方向)1段目の列と、2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)2段目の列と、3段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。

0024

図3は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。
図4は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す上面概念図である。
ブランキングプレート204には、アパーチャ部材203の各穴22の配置位置に合わせて通過孔が形成され、各通過孔には、対となる2つの電極24,26の組(ブランカーブランキング偏向器)が、それぞれ配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の一方(例えば、電極24)には、電圧を印加するアンプ46がそれぞれ配置される。そして、各ビーム用のアンプ46には、それぞれ独立にロジック回路41が配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の他方(例えば、電極26)は、接地される。各通過孔を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立にかかる対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。このように、複数のブランカーが、アパーチャ部材203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。

0025

図5は、実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図5において、描画装置100本体内のブランキングプレート204に配置された個別ブランキング制御用の各ロジック回路41には、シフトレジスタ40、レジスタ42、及びAND演算器44(論理積演算器)が配置される。なお、AND演算器44は、レジスタ動作に問題が生じた場合などに、個別ブランキングをすべて強制的にOFFするために使用されるが、実施の形態1では省略しても構わない。実施の形態1では、従来、例えば、10ビットの制御信号によって制御されていた各ビーム用の個別ブランキング制御を、1ビットの制御信号によって制御する。すなわち、シフトレジスタ40、レジスタ42、及びAND演算器44には、1ビットの制御信号が入出力される。制御信号の情報量が少ないことにより、制御回路の設置面積を小さくできる。言い換えれば、設置スペースが狭いブランキングプレート204上にロジック回路を配置する場合でも、より小さいビームピッチでより多くのビームを配置できる。これはブランキングプレートを透過する電流量を増加させ、すなわち描画スループットを向上することができる。

0026

また、共通ブランキング用の偏向器212には、アンプが配置され、ロジック回路132には、レジスタ50、及びカウンタ52(ショット時間制御部の一例)が配置される。こちらは、同時に複数の異なる制御を行うわけではなく、ON/OFF制御を行う1回路で済むため、高速に応答させるための回路を配置する場合でも設置スペース,回路の使用電流の制限の問題が生じない。よってこのアンプはブランキングアパーチャ上に実現できるアンプよりも格段に高速で動作する。このアンプは例えば、10ビットの制御信号によって制御する。すなわち、レジスタ50、及びカウンタ52には、例えば10ビットの制御信号が入出力される。

0027

実施の形態1では、上述した個別ブランキング制御用の各ロジック回路41によるビームON/OFF制御と、マルチビーム全体を一括してブランキング制御する共通ブランキング制御用のロジック回路132によるビームON/OFF制御との両方を用いて、各ビームのブランキング制御を行う。

0028

図6は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図6において、パターン面積密度算出工程(S102)と、ショット時間(照射時間)T算出工程(S104)と、階調値N算出工程(S106)と、2進数変換工程(S108)と、照射時間配列データ出力工程(S110)と、対象桁のデータ転送工程(S112)と、対象桁の照射時間による描画工程(S114)と、判定工程(S120)と、桁変更工程(S122)と、判定工程(S124)と、いう一連の工程を実施する。対象桁の照射時間による描画工程(S114)は、その内部工程として、個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)と、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)という一連の工程を実施する。

0029

パターン面積密度算出工程(S102)として、面積密度算出部60は、記憶装置140から描画データを読み出し、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域メッシュ状に仮想分割された複数のメッシュ領域のメッシュ領域毎にその内部に配置されるパターンの面積密度を算出する。例えば、まず、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を所定の幅で短冊上のストライプ領域に分割する。そして、各ストライプ領域を上述した複数のメッシュ領域に仮想分割する。メッシュ領域のサイズは、例えば、ビームサイズ、或いは、それ以下のサイズであると好適である。例えば、10nm程度のサイズにすると好適である。面積密度算出部60は、例えば、ストライプ領域毎に記憶装置140から対応する描画データを読み出し、描画データ内に定義された複数の図形パターンをメッシュ領域に割り当てる。そして、メッシュ領域毎に配置される図形パターンの面積密度を算出すればよい。

0030

ショット時間(照射時間)T算出工程(S104)として、照射時間算出部62は、所定のサイズのメッシュ領域毎に、1ショットあたりの電子ビームの照射時間T(ショット時間、或いは露光時間ともいう。以下、同じ)を算出する。多重描画を行う場合には、各階層における1ショットあたりの電子ビームの照射時間Tを算出すればよい。基準となる照射時間Tは、算出されたパターンの面積密度に比例して求めると好適である。また、最終的に算出される照射時間Tは、図示しない近接効果かぶり効果、ローディング効果等の寸法変動を引き起こす現象に対する寸法変動分を照射量によって補正した補正後の照射量に相当する時間にすると好適である。照射時間Tを定義する複数のメッシュ領域とパターンの面積密度を定義した複数のメッシュ領域とは同一サイズであってもよいし、異なるサイズで構成されても構わない。異なるサイズで構成されている場合には、線形補間等によって面積密度を補間した後、各照射時間Tを求めればよい。メッシュ領域毎の照射時間Tは、照射時間マップに定義され、照射時間マップが例えば記憶装置142に格納される。

0031

階調値N算出工程(S106)として、階調値算出部64は、照射時間マップに定義されたメッシュ領域毎の照射時間Tを所定の量子化単位Δを用いて定義する際の整数の階調値Nを算出する。照射時間Tは、次の式(1)で定義される。

0032

0033

よって、階調値Nは、照射時間Tを量子化単位Δで割った整数の値として定義される。量子化単位Δは、様々に設定可能であるが、例えば、1ns(ナノ秒)等で定義できる。量子化単位Δは、例えば1〜10nsの値を用いると好適である。Δは、カウンタで制御する場合のクロック周期等、制御上の量子化単位を意味する。

0034

2進数変換工程(S108)として、ビット変換部66は、ショット毎に、マルチビームの各ビームの照射時間(ここでは、階調値N)を予め設定された桁数nの2進数の値に変換する。例えば、N=50であれば、50=21+24+25なので、例えば、10桁の2進数の値に変換すると”0000110010”となる。例えば、N=500であれば、同様に、”0111110100”となる。例えば、N=700であれば、同様に、”1010111100”となる。例えば、N=1023であれば、同様に、”1111111111”となる。各ビームの照射時間は、ショット毎に、各ビームが照射することになるメッシュ領域に定義された照射時間が相当する。これにより、照射時間Tは、次の式(2)で定義される。

0035

0036

akは、階調値Nを2進数で定義した場合の各桁の値(1又は0)を示す。桁数nは、2桁以上であればよいが、好ましくは4桁以上、より好ましくは8桁以上が好適である。

0037

実施の形態1では、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた桁数n回の照射に分割する。言い換えれば、1ショットを、Δa020、Δa121、・・・Δak2k、・・・Δan−12n−1、の各照射時間の複数の照射ステップに分割する。桁数n=10とする場合、1ショットは、10回の照射ステップに分割される。

0038

例えば、桁数n=10とする場合、N=700であれば、10桁目(10ビット目)の照射時間がΔ×512となる。9桁目(9ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。8桁目(8ビット目)の照射時間がΔ×128となる。7桁目(7ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。6桁目(6ビット目)の照射時間がΔ×32となる。5桁目(5ビット目)の照射時間がΔ×16となる。4桁目(4ビット目)の照射時間がΔ×8となる。3桁目(3ビット目)の照射時間がΔ×4となる。2桁目(2ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。1桁目(1ビット目)の照射時間がΔ×0=0、となる。

0039

そして、例えば桁数の大きい方から順に照射する場合、例えばΔ=1nsとすれば、1回目の照射ステップが512ns(ビームON)の照射となる。2回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。3回目の照射ステップが128ns(ビームON)の照射となる。4回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。5回目の照射ステップが32ns(ビームON)の照射となる。6回目の照射ステップが16ns(ビームON)の照射となる。7回目の照射ステップが8ns(ビームON)の照射となる。8回目の照射ステップが4ns(ビームON)の照射となる。9回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。10回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。

0040

以上のように、実施の形態1では、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた桁数n回の照射に分割する。そして、後述するように、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料101に照射する。

0041

照射時間配列データ出力工程(S110)として、転送処理部68は、各ビームのショット毎に、2進数データに変換された照射時間配列データを偏向制御回路130に出力する。

0042

対象桁のデータ転送工程(S112)として、偏向制御回路130は、ショット毎に、各ビーム用のロジック回路41に照射時間配列データを出力する。また、これと同期して、偏向制御回路130は、共通ブランキング用のロジック回路132に各照射ステップのタイミングデータを出力する。

0043

図7は、実施の形態1における照射時間配列データの一部の一例を示す図である。図7では、マルチビームを構成するビームの内、例えばビーム1〜5についての所定のショットの照射時間配列データの一部を示している。図7の例では、ビーム1〜5について、kビット目(k桁目)の照射ステップからk−3ビット目(k−3桁目)の照射ステップまでの照射時間配列データを示している。図7の例では、ビーム1について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”1101”を示す。ビーム2について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”1100”を示す。ビーム3について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”0110”を示す。ビーム4について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”0111”を示す。ビーム5について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”1011”を示す。

0044

実施の形態1では、図5に示したように、ロジック回路41にシフトレジスタ40を用いているので、データ転送の際、偏向制御回路130は、同じビット(同じ桁数)のデータをビームの配列順(或いは識別番号順)にブランキングプレート204の各ロジック回路41にデータ転送する。また、同期用のクロック信号(CLK1)、データ読み出し用リード信号(read)、及びゲート信号BLK)を出力する。図7の例では、例えば、ビーム1〜5のkビット目(k桁目)のデータとして、後のビーム側から”10011”の各1ビットデータを転送する。各ビームのシフトレジスタ40は、クロック信号(CLK1)に従って、上位側から順にデータを次のシフトレジスタ40に転送する。例えば、ビーム1〜5のkビット目(k桁目)のデータは、5回のクロック信号によって、ビーム1のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム2のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム3のシフトレジスタ40には1ビットデータである”0”が格納される。ビーム4のシフトレジスタ40には1ビットデータである”0”が格納される。ビーム5のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。

0045

次に、各ビームのレジスタ42が、リード信号(read)を入力すると、各ビームのレジスタ42が、シフトレジスタ40からそれぞれのビームのkビット目(k桁目)のデータを読み込む。図7の例では、kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム1のレジスタ42には1ビットデータである”1”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム2のレジスタ42には1ビットデータである”1”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム3のレジスタ42には1ビットデータである”0”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム4のレジスタ42には1ビットデータである”0”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム5のレジスタ42には1ビットデータである”1”が格納される。各ビームの個別レジスタ42は、kビット目(k桁目)のデータを入力すると、そのデータに従って、ON/OFF信号をAND演算器44に出力する。kビット目(k桁目)のデータが”1”であればON信号を、”0”であればOFF信号を出力すればよい。そして、AND演算器44では、BLK信号がON信号であって、レジスタ42の信号がONであれば、アンプ46にON信号を出力し、アンプ46は、ON電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。それ以外では、AND演算器44は、アンプ46にOFF信号を出力し、アンプ46は、OFF電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。

0046

そして、かかるkビット目(k桁目)のデータが処理されている間に、偏向制御回路130は、次のk−1ビット目(k−1桁目)のデータをビームの配列順(或いは識別番号順)にブランキングプレート204の各ロジック回路41にデータ転送する。図7の例では、例えば、ビーム1〜5のk−1ビット目(k−1桁目)のデータとして、後のビーム側から”01111”の各1ビットデータを転送する。各ビームのシフトレジスタ40は、クロック信号(CLK1)に従って、上位側から順にデータを次のシフトレジスタ40に転送する。例えば、ビーム1〜5のk−1ビット目(k−1桁目)のデータは、5回のクロック信号によって、ビーム1のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム2のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム3のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム4のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム5のシフトレジスタ40には1ビットデータである”0”が格納される。そして、k−1ビット目(k−1桁目)のリード信号によって、各ビームのレジスタ42が、シフトレジスタ40からそれぞれのビームのk−1ビット目(k−1桁目)のデータを読み込めばよい。以下、同様に、1ビット目(1桁目)のデータ処理まで進めればよい。

0047

ここで、図5に示したAND演算器44については、省略しても構わない。但し、ロジック回路41内の各素子のいずれかが故障して、ビームOFFにできない状態に陥った場合などに、AND演算器44を配置することでビームをOFFに制御できる点で効果的である。また、図5では、シフトレジスタを直列にした1ビットのデータ転送経路を用いているが、複数の並列転送経路を設けることで、転送の高速化を図ることも効果的である。

0048

対象桁の照射時間による描画工程(S114)として、各ビームのショット毎に、複数の照射ステップに分割した照射のうち、対象桁(例えばkビット目(k桁目))の照射時間の描画を実施する。

0049

図8は、実施の形態1における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。図8では、例えば、マルチビームを構成する複数のビームのうち、1つのビーム(ビーム1)について示している。ビーム1のkビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射時間配列データは、図7の例では、”1101”で示される。まず、kビット目(k桁目)のリード信号の入力によって、個別レジスタ42(個別レジスタ1)は、格納されているkビット目(k桁目)のデータに従ってON/OFF信号を出力する。図8では、ON出力となる。実施の形態1では、1ビット信号なので、個別レジスタ42は、次のk−1ビット目(k−1桁目)のデータが読み込まれるまで、データ出力が維持されることになる。

0050

kビット目(k桁目)のデータがONデータであるので、個別アンプ46(個別アンプ1)はON電圧を出力し、ビーム1用のブランキング電極24にON電圧を印加する。一方、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。共通ブランキング機構では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。例えば、Δ=1nsとすれば、1回目の照射ステップ(例えば10桁目(10ビット目))の照射時間がΔ×512=512nsとなる。2回目の照射ステップ(例えば9桁目(9ビット目))の照射時間がΔ×256=256nsとなる。3回目の照射ステップ(例えば8桁目(8ビット目))の照射時間がΔ×128=128nsとなる。以下、同様に、各桁目(各ビット目)の照射時間だけONとなる。ロジック回路132内では、レジスタ50に各照射ステップのタイミングデータが入力されると、レジスタ50がk桁目(kビット目)のONデータを出力すると、カウンタ52がk桁目(kビット目)の照射時間をカウントし、かかる照射時間の経過時にOFFとなるように制御される。

0051

また、共通ブランキング機構では、個別ブランキング機構のON/OFF切り替えに対して、アンプ46の電圧安定時間(セトリング時間)S1/S2を経過した後にON/OFF切り替えを行う。図8の例では、個別アンプ1がONになった後、OFFからONに切り替え時の個別アンプ1のセトリング時間S1を経過後に、共通アンプがONになる。これにより、個別アンプ1の立ち上がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。そして、共通アンプはk桁目(kビット目)の照射時間の経過時にOFFとなる。その結果、実際のビームは、個別アンプと共通アンプが共にONであった場合に、ビームONとなり、試料101に照射される。よって、共通アンプのON時間が実際のビームの照射時間になるように制御される。換言すれば、共通ブランキング機構が照射時間を規定することになる。すなわち、カウンタ52(照射時間制御部)によって、共通アンプ及び偏向器212が照射時間を規定するように制御される。一方、個別アンプ1がOFFの時に共通アンプがONになる場合には、個別アンプ1がOFFになった後、ONからOFFに切り替え時の個別アンプ1のセトリング時間S2を経過後に、共通アンプがONになる。これにより、個別アンプ1の立ち下がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。また、図8に記載したように、個別アンプ動作は共通アンプがOFFした後に開始することにすれば、不安定な動作が排除でき確実なビーム照射が実施できる。

0052

以上のように、個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)として、複数の個別ブランキング機構(ブランキングプレート204等)により、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行い、ビーム毎に、k桁目(kビット目)の照射ステップ(照射)について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う。図8の例では、k−1桁目(k−1ビット目)の照射ステップがビームOFFではないので、ONからOFF切り替えを行っていないが、例えば、k−1桁目(k−1ビット目)の照射ステップがビームOFFであれば、ONからOFF切り替えを行うことは言うまでもない。

0053

そして、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)として、ビーム毎に、k桁目(kビット目)の照射ステップ(照射)について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、共通ブランキング機構(ロジック回路132、及び偏向器212等)を用いてマルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行い、k桁目(kビット目)の照射ステップ(照射)に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。

0054

上述したように、ブランキングプレート204では回路の設置面積や使用電流に制限があるため、簡易アンプ回路になってしまう。そのため、個別アンプのセトリング時間を短くするにも制限がある。これに対して、共通ブランキング機構では、鏡筒の外に十分な大きさ、使用電流、回路規模の高精度なアンプ回路を搭載可能である。よって、共通アンプのセトリング時間を短くできる。そこで、実施の形態1では、個別ブランキング機構でビームONにした後(或いは対象桁目のリード信号出力後)、セトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにすることで、ブランキングプレート上の個別アンプの電圧不安定時間やクロストークを含むノイズ成分を排除でき、かつ、高精度な照射時間でブランキング動作を行うことができる。

0055

判定工程(S120)として、描画制御部72は、照射時間配列データについて全桁のデータの転送が完了したかどうかを判定する。完了していない場合には、桁変更工程(S122)に進む。完了した場合には、判定工程(S124)に進む。

0056

桁変更工程(S122)として、描画制御部72は、対象ビット(桁)を変更する。例えば、k桁目(kビット目)からk−1桁目(k−1ビット目)に対象桁を変更する。そして、対象桁のデータ転送工程(S112)に戻る。そして、k−1桁目(k−1ビット目)の処理について、対象桁のデータ転送工程(S112)から桁変更工程(S122)までを実施する。そして、判定工程(S120)において照射時間配列データについて全桁のデータの処理が完了するまで、同様に、繰り返す。

0057

図8の例では、k桁目(kビット目)の照射ステップ用のビームON時間が経過後に、k−1桁目(k−1ビット目)のリード信号がレジスタ42に入力される。ビーム1についてレジスタ42では、k−1桁目(k−1ビット目)のデータが”1”なので、引き続きON出力となる。よって、個別アンプ1出力のONとなり、ON電圧が個別ブランキング用の電極24に印加される。そして、同様に、個別アンプ1のセトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにする。そして、k−1桁目(k−1ビット目)の照射時間経過後に共通ブランキング機構でビームOFFにする。

0058

次に、k−1桁目(k−1ビット目)の照射ステップ用のビームON時間が経過後に、k−2桁目(k−2ビット目)のリード信号がレジスタ42に入力される。ビーム1についてレジスタ42では、k−2桁目(k−2ビット目)のデータが”0”なので、OFF出力に切り替わる。よって、個別アンプ1出力がOFFとなり、OFF電圧が個別ブランキング用の電極24に印加される。そして、同様に、個別アンプ1のセトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにする。しかし、個別アンプ1出力のOFFなので、ビーム1は結果としてビームOFFとなる。そして、k−2桁目(k−2ビット目)の照射時間経過後に共通ブランキング機構でOFFにする。

0059

次に、k−2桁目(k−2ビット目)の照射ステップ用のビームON時間が経過後に、k−3桁目(k−3ビット目)のリード信号がレジスタ42に入力される。ビーム1についてレジスタ42では、k−3桁目(k−3ビット目)のデータが”1”なので、ON出力に切り替わる。よって、個別アンプ1出力のONとなり、ON電圧が個別ブランキング用の電極24に印加される。そして、同様に、個別アンプ1のセトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにする。今度は、個別アンプ1出力はONなので、ビーム1は結果としてビームONとなる。そして、k−3桁目(k−3ビット目)の照射時間経過後に共通ブランキング機構でOFFにする。

0060

以上のように、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構を用いて、ビーム毎に、桁数回の照射(桁数回の照射ステップ)の各回の照射について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う。そして、同時に、ビーム毎に、桁数回の照射(桁数回の照射ステップ)の各回の照射について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構を用いて当該桁の照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。かかる個別ブランキング機構と共通ブランキング機構の切り替え動作によって、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料101に照射する。

0061

電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直にアパーチャ部材203全体を照明する。アパーチャ部材203には、矩形の複数の穴(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかるアパーチャ部材203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングプレート204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。

0062

図9は、実施の形態1におけるブランキング動作を説明するための概念図である。ブランキングプレート204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ部材206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ部材206(ブランキングアパーチャ部材)の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、偏向器212(共通ブランキング機構)によって、偏向されなければ、図1に示すように制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFと共通ブランキング機構のON/OFFとの組み合わせによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ部材206は、個別ブランキング機構或いは共通ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材206を通過したビームにより1回分のショットをさらに分割した照射ステップのビームが形成される。制限アパーチャ部材206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率パターン像となり、偏向器208によって、制限アパーチャ部材206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向にまとめて偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。また、例えばXYステージ105が連続移動している時、ビームの照射位置がXYステージ105の移動に追従するように偏向器208によって制御される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的にはアパーチャ部材203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。描画装置100は、ショットビームを連続して順に照射していくラスタースキャン方式で描画動作を行い、所望のパターンを描画する際、パターンに応じて必要なビームがブランキング制御によりビームONに制御される。

0063

判定工程(S124)として、描画制御部72は、全ショットが終了したかどうかを判定する。そして、全ショットが終了していれば終了し、まだ全ショットが終了していない場合には階調値N算出工程(S106)に戻り、全ショットが終了するまで、階調値N算出工程(S106)から判定工程(S124)を繰り返す。

0064

図10は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図10に示すように、試料101の描画領域30は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。かかる各ストライプ領域32は、描画単位領域となる。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は所定の速度で例えば連続移動させる。第1番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域32の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域34が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、−x方向にむかって同様に描画を行う。第3番目のストライプ領域32では、x方向に向かって描画し、第4番目のストライプ領域32では、−x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域32を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、アパーチャ部材203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、各穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。

0065

図11は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。図11の例では、例えば、x,y方向に4×4のマルチビームを用いてストライプ内を描画する例を示している。図11の例では、例えば、y方向にマルチビーム全体の照射領域の約2倍の幅でストライプ領域を分割した場合を示している。そして、x方向或いはy方向に1メッシュずつ照射位置をずらしながら4回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する場合を示している。まず、ストライプ領域の上側の領域について描画する。図11(a)では、1回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)で照射したメッシュ領域を示している。次に、図11(b)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、2回目のショット(複数の照射ステップの合計)を行う。次に、図11(c)に示すように、x方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、3回目のショット(複数の照射ステップの合計)を行う。

0066

図12は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。図12では、図11の続きを示している。次に、図12(d)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。かかる4回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する。次に、ストライプ領域の下側の領域について描画する。図12(e)に示すように、ストライプ領域の下側の領域について、1回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、2回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、x方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、3回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。以上の動作により、ストライプ領域のうち、マルチビームの照射領域の1列目の描画が終了する。そして、図12(f)に示すように、x方向に移動して、マルチビームの照射領域の2列目について、同様に、描画を行えばよい。以上の動作を繰り返し行うことで、ストライプ領域全体を描画できる。

0067

図13は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。図13の例では、例えば、x,y方向に4×4のマルチビームを用いてストライプ内を描画する例を示している。図13の例では、各ビーム間の距離を離して、例えば、y方向にマルチビーム全体の照射領域と同等、或いは若干広い幅でストライプ領域を分割した場合を示している。そして、x方向或いはy方向に1メッシュずつ照射位置をずらしながら16回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する場合を示している。図13(a)では、1回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)で照射したメッシュ領域を示している。次に、次に、図13(b)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらしながら、2,3,4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行う。次に、図13(c)に示すように、x方向にまだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらし、5回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらしながら、6,7,8回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行う。

0068

図14は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。図14では、図13の続きを示している。図14(d)に示すように、図13で説明した動作と同様に、繰り返し、残りの9〜16回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行えばよい。図13,14の例では、例えば、多重描画(多重度=2)を行う場合を示している。かかる場合には、マルチビーム全体の照射領域の約1/2のサイズだけx方向に移動し、図14(e)に示すように、多重描画2層目の1回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。以下、図13(b)及び図13(c)で説明したように、順次、多重描画2層目の2〜8回目の各ショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行い、図14(f)に示すように、図13(b)及び図13(c)で説明した動作と同様に、繰り返し、残りの9〜16回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行えばよい。

0069

以上のように、実施の形態1によれば、回路設置スペースの制限を維持しながら照射時間制御の精度、ひいては照射量制御の精度を向上できる。また、個別ブランキング機構のロジック回路41が1ビットのデータ量なので、消費電力も抑制できる。

0070

実施の形態2.
実施の形態1では、量子化単位Δ(共通ブランキング機構のカウンタ周期)を一意に設定する場合を示したが、これに限るものではない。実施の形態2では、量子化単位Δを可変に設定する場合について説明する。実施の形態2における装置構成は、図1と同様である。また、実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図6と同様である。また、以下、特に説明する点以外が内容は、実施の形態1と同様である。

0071

図15は、実施の形態2における露光待ち時間を比較したタイムチャート図である。図15(a)では、1ショットをn回の照射ステップに分割した場合の各照射ステップでの各ビームのビーム照射の有無の一例を示している。ショットをn回の照射ステップに分割する場合、1ショットあたりの照射時間は、最大(2n−1)Δとなる。図15(a)では、例えば、n=10である場合を一例として示している。かかる場合、1ショットあたりの照射時間は、最大1023Δとなる。そして、図15(a)では、1ショットあたりの照射時間を、照射時間が長い方から順に記載すると、512Δ、256Δ、128Δ、64Δ、32Δ、16Δ、8Δ、4Δ、2Δ、及び、1Δの計10回の照射ステップに分割している。また、図15(a)では、128Δ未満の短い照射時間の照射ステップについては記載を省略している。図15(a)において、ビーム1は、照射時間が128Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)、照射時間が256Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、そして照射時間が512Δの照射ステップではON(ビーム照射有)であることを示している。ビーム2は、照射時間が128Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、照射時間が256Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、そして照射時間が512Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)であることを示している。ビーム3は、照射時間が128Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)、照射時間が256Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、そして照射時間が512Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)であることを示している。ビーム4は、照射時間が128Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、照射時間が256Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、そして照射時間が512Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)であることを示している。ビーム5は、照射時間が128Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)、照射時間が256Δの照射ステップではON(ビーム照射有)、そして照射時間が512Δの照射ステップではOFF(ビーム照射無)であることを示している。

0072

図15(b)では、図15(a)で示した各ビームの1ショットあたりの全体照射時間の一例を示している。図15(b)では、比較例として、量子化単位Δを一意に設定する場合を示している。また、図15(a)で示した各ビームは、128Δ未満の短い照射時間の照射ステップについてはいずれもOFF(ビーム照射無)である場合について示している。かかる場合、図15(b)に示すように、ビーム1は、1ショットあたりの全体照射時間が、例えば、768Δとなる。ビーム2は、1ショットあたりの全体照射時間が、例えば、384Δとなる。ビーム3は、1ショットあたりの全体照射時間が、例えば、256Δとなる。ビーム4は、1ショットあたりの全体照射時間が、例えば、384Δとなる。ビーム5は、1ショットあたりの全体照射時間が、例えば、256Δとなる。一方、上述したように、1ショットあたりの照射時間は、最大1023Δとなる。各ビームの1ショットあたりの全体照射時間が最大照射時間よりも短い場合、図15(b)に示すように、待ち時間が発生することになる。そこで、実施の形態2では、かかる待ち時間を短縮するべく、量子化単位Δを可変にする。

0073

図15(c)に示すように、全ショット中のマルチビームの全ビームの1ショットあたりの全体照射時間が最大となるビームの1ショットあたりの全体照射時間に1ショットあたりの照射時間の最大値が一致するように、量子化単位Δを設定する。図15(b)の例では、ビーム1の1ショットあたりの全体照射時間が768Δとなり、最大である。よって、1ショットあたりの最大照射時間768Δが、1023Δ1となるように量子化単位Δ1を設定する。これにより、各ショットの繰り返し周期インターバル)を縮めることができる。

0074

図15(d)では、最大照射時間768Δが、1023Δ1として、改めて1ショットを10回の照射ステップに分割した場合の各照射ステップでの各ビームのビーム照射の有無の一例を示している。また、図15(d)では、128Δ未満の短い照射時間の照射ステップについては記載を省略している。図15(d)において、ビーム1は、繰返し周期の基準となるビームなので、すべての照射ステップにおいてON(ビーム照射有)となる。ビーム2,4は、384Δなので換算すると約512Δ1となる。よって、照射時間が512Δ1の照射ステップでON(ビーム照射有)となり、残りの照射ステップではOFF(ビーム照射無)となる。ビーム3,5は、256Δなので換算すると341Δ1となる。よって、照射時間が256Δ1,64Δ1,16Δ1,4Δ1,1Δ1の照射ステップでON(ビーム照射有)となり、残りの照射ステップではOFF(ビーム照射無)となる。

0075

図15(e)では、ショット毎に、マルチビームの全ビームの1ショットあたりの全体照射時間が最大となるビームの1ショットあたりの全体照射時間に1ショットあたりの照射時間の最大値が一致するように、量子化単位Δを設定する。図15(e)の例では、1ショット目のビーム1の1ショットあたりの全体照射時間が768Δとなり、最大である。よって、1ショットあたりの最大照射時間768Δが、1023Δ1となるように量子化単位Δ1を設定する。これにより、1ショット目の繰り返し周期(インターバル)を縮めることができる。また、2ショット目のビーム2の1ショットあたりの全体照射時間が640Δとなり、最大である。よって、1ショットあたりの最大照射時間640Δが、1023Δ2となるように量子化単位Δ2を設定する。これにより、2ショット目の繰り返し周期(インターバル)を縮めることができる。以下、同様に、ショット毎にΔ3、Δ4、・・・を設定していけばよい。

0076

以上のように、量子化単位Δを可変にする。これにより、待ち時間を抑制できる。よって、描画時間を短縮できる。図15の例では、例えば、n=10である場合を一例として示したが、nの値がその他の場合であっても同様に適用可能である。

0077

以上のように、実施の形態2によれば、照射ステップを実行する際の待ち時間を低減或いは抑制できる。

0078

実施の形態3.
上述した各実施の形態では、n回の照射ステップ用のデータを例えば大きい順にデータ転送する場合を説明したが、これに限るものでない。実施の形態3では、複数の照射ステップ用のデータを組み合わせて転送する場合について説明する。実施の形態3における装置構成は、図1と同様である。また、実施の形態3における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図6と同様である。また、以下、特に説明する点以外が内容は、実施の形態1或いは実施の形態2と同様である。

0079

各ビームのk−1ビット目(k−1桁目)のON/OFFデータの転送をkビット目(k桁目)の照射ステップと並列に行うことで、データ転送の時間を照射ステップの照射時間内に含めることができる。しかし、kが小さくなってくると、照射ステップの照射時間が短くなるので、k−1ビット目(k−1桁目)のON/OFFデータの転送を照射ステップの照射時間内に含めることが困難になってくる。そこで、実施の形態3では、照射時間が長い桁と短い桁とをグループ化する。これにより、次のグループのデータ転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めることができる。グループ化は、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように複数のグループを設定すると好適である。例えば、n桁目(nビット目)と1桁目(1ビット目)とのグループ、n−1桁目(n−1ビット目)と2桁目(2ビット目)とのグループ、n−2桁目(n−2ビット目)と3桁目(3ビット目)とのグループ、・・・といったようにグループ化すると好適である。

0080

図16は、実施の形態3における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図16において、描画装置100本体内のブランキングプレート204に配置された個別ブランキング制御用の各ロジック回路41に、さらに、セレクタ48が追加された点、および各ビーム用の個別ブランキング制御を、例えば2ビットの制御信号によって制御する点、以外は図5と同様である。ここでは、例えば、2つの照射ステップを組み合わせて1つのグループに設定する場合を示している。そのため、グループ内の各照射ステップ用に1ビットずつ制御信号として使用する。よって、グループ毎に2ビットの制御信号を用いる。制御信号を2ビットとしてもビームオフオン用の制御回路は、10ビットで照射量制御を行う回路に比べロジック回路自体を圧倒的に小さくできる。よって、(共通ブランキング機構の使用で)ブランキング制御の応答性を向上させながら(ブランキングアパーチャ上の回路の)設置面積を小さくできる。言い換えれば、設置スペースが狭いブランキングプレート204上にロジック回路を配置する場合でも、より小さいビームピッチを実現しつつ、照射量制御の精度を向上できる。

0081

図17は、実施の形態3における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。図17では、例えば、マルチビームを構成する複数のビームのうち、1つのビーム(ビーム1)について示している。ここでは、例えば、ビーム1のnビット目(n桁目)と1ビット目(1桁目)のグループからn−1ビット目(n−1桁目)と2ビット目(2桁目)のグループまでの照射ステップについて示している。照射時間配列データは、例えば、nビット目(n桁目)が”1”、1ビット目(1桁目)が”1”、n−1ビット目(n−1桁目)が”0”、2ビット目(1桁目)が”1”の場合を示している。

0082

まず、nビット目(n桁目)と1ビット目(1桁目)のグループのリード信号の入力によって、個別レジスタ42(個別レジスタ信号1(n桁目)及び個別レジスタ信号2(1桁目))は、格納されているnビット目(n桁目)と1ビット目(1桁目)のデータに従ってON/OFF信号を並列に(パラレル転送信号として)出力する。実施の形態3では、2ビット信号なので、信号を選択して切り替える必要がある。
図17では、まず、セレクタ48で個別レジスタ信号1のデータが選択され、nビット目(n桁目)のON信号が個別アンプに出力される。次に、個別レジスタ42の出力は、セレクタ48の切り替えによって個別レジスタ2のデータが選択され、nビット目(n桁目)の出力から1ビット目(1桁目)の出力に切り替える。以下、照射ステップ毎にこの切り替えを順次繰り返す。

0083

nビット目(k桁目)のデータがONデータであるので、個別アンプ46(個別アンプ1)はON電圧を出力し、ビーム1用のブランキング電極24にON電圧を印加する。一方、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。共通ブランキング機構では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。例えば、Δ=1nsとすれば、1回目の照射ステップ(例えば10桁目(10ビット目))の照射時間がΔ×512=512nsとなる。2回目の照射ステップ(例えば1桁目(1ビット目))の照射時間がΔ×1=1nsとなる。3回目の照射ステップ(例えば9桁目(9ビット目))の照射時間がΔ×256=256nsとなる。4回目の照射ステップ(例えば2桁目(2ビット目))の照射時間がΔ×2=2nsとなる。以下、同様に、各グループの桁目(各ビット目)の照射時間だけONとなる。ロジック回路132内では、レジスタ50に各照射ステップのタイミングデータが入力されると、レジスタ50がk桁目(kビット目)のONデータを出力し、カウンタ52がk桁目(kビット目)の照射時間をカウントし、かかる照射時間の経過時にOFFとなるように制御される。以下、グループ毎に順にビームの照射が行われる。

0084

以上のように、実施の形態3によれば、データ転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めることができる。

0085

なお、上記の実施の形態3では、2ビット並列のシフトレジスタを用いた転送経路を用いる場合を説明したが、十分な転送速度が得られれば1ビットのシリアル転送を用いても構わない。転送経路の設計は、当該技術者が適宜選択すればよい。また、2個のデータの切り替えをセレクタを用いて切り替える構成としているが、セレクタを用いずに順にシフトレジスタで転送されるように構成しても効果的である。

0086

また、上記の実施の形態3では、2個の照射ステップをグループ化した場合の形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、3個の照射ステップをグループ化した場合には、データ転送時間と照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計時間がより均一化できる。さらに、グループ化する照射ステップを増やすとより均一化が可能である。例えば、照射ステップを2進数の各桁とした場合、グループ化する照射ステップを3個あるいは4個にすると十分な均一化効果が得られる。ただし、個数を増やすとその分必要なレジスタが増加し、その結果回路面積も増加することになるので、何個の照射ステップをグループ化するかは要求に合わせて適宜選択されると良い。
具体的な実施形態は上述の内容に限定されるものではなく、グループデータの転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めるようにするという本発明の骨子に従って種々の実施形態が選択できる。

0087

実施の形態4.
上述した各実施の形態では、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41をブランキングプレート204上に配置したが、外部に設置してもよい。実施の形態4では、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41をブランキングプレート204の外部に配置する場合について説明する。実施の形態4における装置構成は、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41をブランキングプレート204の外部に配置する点以外は図1と同様である。また、実施の形態4における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図6と同様である。また、以下、特に説明する点以外が内容は、実施の形態1〜3のいずれかと同様である。

0088

図18は、実施の形態4におけるロジック回路とブランキングプレート204との配置状況を説明するための概念図である。実施の形態4では、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41と各アンプ46は、描画部150の外部に配置されたロジック回路134内に配置される。そして、個別ブランキング制御用の各電極24には配線によって接続される。かかる構成では、配線が長くなるので、クロストークとセトリング時間が増大することになる。しかし、実施の形態4では、上述したように、個別ブランキング機構でON/OFF切り替えをした後に、電圧安定を待って、共通ブランキング機構でON/OFF切り替えを行うため、かかるクロストークとセトリング時間が増大してもこれらの影響を受けずに照射時間を高精度に制御できる。

0089

実施の形態5.
上述した各実施の形態では、個別ブランキング制御用のブランキングプレート204と共通ブランキング用の偏向器212とを用いて、ビーム毎に、1ショットを分割した複数回の照射の各回の照射ステップについてブランキング制御をおこなったが、これに限るものではない。実施の形態5では、共通ブランキング用の偏向器212を用いずに個別ブランキング制御用のブランキングプレート204を用いてビーム毎に、1ショットを分割した複数回の照射の各回の照射ステップについてブランキング制御をおこなう構成について説明する。

0090

図19は、実施の形態5における描画装置の構成を示す概念図である。図19において、偏向器212が無くなった点、ロジック回路132の出力がブランキングプレート204に接続される点、以外は、図1と同様である。また、実施の形態5における描画方法の要部工程は、図6と同様である。以下、特に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。

0091

図20は、実施の形態5における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図20において、偏向器212が無くなった点、AND演算器44(論理積回路)に偏向制御回路130からの信号の代わりにロジック回路132の出力信号が入力される点、以外の内容は図5と同様である。

0092

個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)として、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御信号を出力するシフトレジスタ40と個別レジスタ42を有する複数のロジック回路(第1のロジック回路)を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用のロジック回路(第1のロジック回路)によりビームのON/OFF制御信号(第1のON/OFF制御信号)を出力する。具体的には、上述したように、各ビームの個別レジスタ42は、kビット目(k桁目)のデータを入力すると、そのデータに従って、ON/OFF信号をAND演算器44に出力する。kビット目(k桁目)のデータが”1”であればON信号を、”0”であればOFF信号を出力すればよい。

0093

そして、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)として、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、個別ブランキング用のロジック回路によりビームのON/OFF制御信号の切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御信号を出力するロジック回路132(第2のロジック回路)を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにビームのON/OFF制御信号(第2のON/OFF制御信号)を出力する。具体的には、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。ロジック回路132は、かかるON/OFF制御信号をAND演算器44に出力する。ロジック回路132では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。

0094

そして、ブランキング制御工程として、AND演算器44は、個別ビーム用のON/OFF制御信号と共通ビーム用のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。AND演算器44は、個別ビーム用と共通ビーム用のON/OFF制御信号が共にON制御信号である場合に、アンプ46にON信号を出力し、アンプ46は、ON電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。それ以外では、AND演算器44は、アンプ46にOFF信号を出力し、アンプ46は、OFF電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。このように、個別ブランキング偏向器の電極24(個別ブランキング機構)は、個別ビーム用と共通ビーム用のON/OFF制御信号が共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるように個別にビームのON/OFF制御を行う。

0095

なお、個別ブランキング回路はブランキングプレートの広い範囲に配置されるため、回路による遅延、あるいは、配線長による遅延などにより、個別ブランキング回路の動作にはどうしても時間的なずれが生じるが、このような応答速度のずれによる個別ブランキング回路の動作が収まったところで、共通ブランキングからビームON信号を供給するようにすれば、個別の回路の遅延等による不安定なビーム照射が避けられる。

0096

以上のように、共通ブランキング用の偏向器212を用いずに個別ブランキング制御用のブランキングプレート204を用いても実施の形態1と同様、回路設置スペースの制限を維持することができる。また、個別ブランキング用のロジック回路41が1ビットのデータ量なので、消費電力も抑制できる。また、共通ブランキング用の偏向器212が省略できるメリットもある。

0097

なお、本実施形態において、共通ブランキング用のロジック回路132は独立に製作されても良いが、ブランキングプレートの周辺部分に設置して一体構造集積回路として製作することも可能である。ブランキングプレートの周辺部分に設置すれば、個別ブランキング回路への配線長が短くでき、正確なタイミング制御が容易になるという利点がある。

0098

なお、上述した例では、個別ブランキング用のロジック回路41が1ビットのデータ量の場合を示したが、これに限るものではなく、実施の形態5の構成は、実施の形態3のように2ビットのデータ量の場合についても適用できる。また、実施の形態5の構成は、その他の実施の形態においても適用できる。

0099

実施の形態6.
上述した各実施の形態では、照射ステップの分割の仕方を2進数の各桁に合わせるという例を示したが、分割の仕方はそれに限定されるものではなく、2進数の各桁とする以外にも、種々の異なる時間あるいは同じ時間の組み合わせで照射ステップの分割が可能である。実施の形態6では、種々の異なる時間あるいは同じ時間の組み合わせで照射ステップの分割を行う場合について説明する。装置構成は、図1或いは図19と同様である。

0100

図21は、実施の形態6における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図21において、2進数変換工程(S108)の代わりに、照射時間配列データ生成工程(S109)を実施する点以外は、図6と同様である。

0101

また、以下、特に説明する点以外の内容は上述したいずれかの実施の形態と同様である。

0102

最大照射時間Tmaxまでの任意の照射時間を表すことができる分割照射時間の組み合わせ(X0Δ、X1Δ、X2Δ、・・・、Xm−1Δ)(以下、Δを省略して、単に組合せ数列(X0、X1、X2、・・・、Xm−1)と記載する)は、以下の条件で選択することができる。

0103

まず、1桁目(k=0)の分割照射時間をX0=1として、
k桁目の分割照射時間をXk≦{Σ(Xi)}+1,(i=0〜k−1)とした分割照射時間で組み合わせることができる。ただし、Xkは1以上の整数とする。ここで、{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)は、括弧内のXiをX0からXk−1までを加算したもの(X0+X1+...+Xk−2+Xk−1)を意味する。ここでは、以下、同様の表記で説明する。

0104

上記の条件では、例えば、まず、X0=1なので、X1は1または2のどちらかとなる。X1=2とした場合には、X2は1〜4のどれかとなる。ここで例えば、X2を3とした場合には、組み合わせ数列(X0,X2,X3)=(1,2,3)は、どの桁を選択するか(加算するかしないか)によって、0〜6までの任意の時間設定が可能となる。

0105

さらに、Xkの場合を考えると、まず、X0からXk−1までの組み合わせ数列(X0,・・・,Xk−1)では、0からΔ・{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)までの任意の時間の設定が可能となる。これに、Xkを追加した組み合わせ数列(X0,・・・,Xk−1,Xk)は、Xkを非選択とすれば元の0から{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)までの任意の照射時間が設定でき、また、Xkを選択した組み合わせでは、XkからXk+{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)までの任意の時間が設定できることになる。

0106

ここで、このXkを選択または非選択とした場合の設定可能領域を、非選択時の最大値+1を選択時の最小値(すなわち、Xk={Σ(Xi)}+1、(i=0〜k−1))とすれば、合わせた連続的な設定領域となり、組み合わせ数列(X0,・・・,Xk−1,Xk)の分割時間組み合わせは0からXk+{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)まで、すなわち、0から{Σ(Xi)},(i=0〜k)までの任意の時間が設定できることになる。

0107

また、ここで、Xk<{Σ(Xi)}+1、(i=0〜k−1)とした場合には、Xkを選択または非選択とした場合の設定可能範囲がオーバラップする(Xkを選択/非選択の双方で設定可能な照射時間が存在する)が、そのような選択も可能となる。

0108

さらに、最大照射時間Tmax≦Δ・{Σ(Xi)},(i=0〜m−1)となる、すなわち、最大照射時間Tmaxまで設定可能となるようにXkの項数(桁数)をm項(桁)まで増やせば、組み合せ数列(X0、X1、X2、...、Xm−1)は、0からTmaxまでの任意の時間が設定可能な分割時間の組み合わせとなる。

0109

ここで、各ショットの照射時間TはXiの組み合わせで表現され、
T=Δ・{Σ(ai・Xi)},(i=0〜m−1)となる。

0110

ここで、aiは選択/非選択に対応して1または0で表現される。そのため、aiの数列(a0,a1,a2,a3,・・・,am−1)は擬似的に2進数と同様に0/1の並びで表現すると処理上都合が良い。

0111

また、ここで、特に、Xk={Σ(Xi)}+1,(i=0〜k−1)とすると、2進数の各桁としたXk(Xk=2k)が上記条件を満たすことになり、必要桁数mが最少で表現できることになる。

0112

上記の条件を満たす他の一例として、例えば、同じ時間の照射ステップを組み合わせた場合の例として、Δ=1nsでN=700とした場合に、256ns(ビームON)、256ns(ビームON)、256ns(ビームOFF)、64ns(ビームON)、64ns(ビームON)、64ns(ビームOFF)、16ns(ビームON)、16ns(ビームON)、16ns(ビームON)、4ns(ビームON)、4ns(ビームON)、4ns(ビームON)、1ns(ビームOFF)、1ns(ビームOFF)、1ns(ビームOFF)、という照射ステップの組み合わせで照射を行うことにしても同様に実施できる。この場合は、15回の照射ステップで照射が実施される。このような照射ステップの分割の仕方は2進数の各桁とした場合に比べて照射ステップ数が増加してスループットが低下する可能性があるが、その一方で、同じ時間の繰り返しにすることで制御回路の設計がし易くなるというメリットもある。照射ステップの分割の仕方は、2進数の各桁に合わせることにすれば照射ステップ数が最少で済むというメリットがあるが、上述の他にも種々の組み合わせで分割が可能である。どのような組み合わせにするかは要求に従って選択されればよい。

0113

照射時間配列データ生成工程(S109)として、ビット変換部66は、各値がそれぞれ1つ前の値までの合計に1を加算した値以下となる、予め設定された項数の数列を用いて、ショット毎に、前記数列の各項の値を選択/非選択することによって選択された値の合計が電子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間(ここでは、階調値N)になるようにそれぞれ照射時間配列データを生成する。照射時間配列データは、例えば、選択時に「1」、非選択時に「0」で識別される。例えば、上述した、15項の組み合わせ数列(1,1,1,4,4,4,16,16,16,64,64,64,256,256,256)を用いて、Δ=1nsでN=700を定義した場合に、1(非選択=0),1(非選択=0),1(非選択=0),4(選択=1),4(選択=1),4(選択=1),16(選択=1),16(選択=1),16(選択=1),64(非選択=0),64(選択=1),64(選択=1),256(非選択=0),256(選択=1),256(選択=1)となる。例えば、例えば数値(照射時間)の大きい方(長い方)から順に照射する場合、N=700の照射時間配列データは”110110111111000”で定義できる。ここでは、一例として数値の大きい方から並べたが、元々の数列の順に沿って、小さい方から”000111111011011”と定義してもよい。照射時間配列データの各桁(項)が示す照射時間は、予め設定された数列の各項の値が相関されていることは言うまでもない。

0114

以上のように、各ショットは、2進数の各桁の値に限らず、その他の数列値の照射時間の組み合わせによる複数の照射ステップに分割されてもよい。

0115

対象桁の照射時間による描画工程(S114)として、各ビームのショット毎に、複数の照射ステップに分割した照射のうち、対象桁(例えばkビット目(k桁目))の照射時間の描画を実施する。このように、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、かかる項数の数列の各値に相当する照射時間として各項を組み合わせた数列の項数回の照射に分割して、照射時間配列データに基づいて、選択された各項の値にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する。

0116

また、実施の形態3で説明したように、複数の照射ステップ用のデータを組み合わせて転送する構成にしても好適である。言い換えれば、かかる数列の項数回の照射について、数列の各項の値のうち、複数の値の組み合わせで構成される複数のグループを設定し、グループ毎に順にビームの照射が行われるようにすると好適である。これにより、次のグループのデータ転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めることができる。グループ化は、実施の形態3と同様、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように複数のグループを設定すると好適である。例えば、n桁目(nビット目)と1桁目(1ビット目)とのグループ、n−1桁目(n−1ビット目)と2桁目(2ビット目)とのグループ、n−2桁目(n−2ビット目)と3桁目(3ビット目)とのグループ、・・・といったようにグループ化すると好適である。

0117

以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。

0118

上記の実施の形態の説明では、制限アパーチャ部材206の位置を電子鏡筒内で偏向器208の上流部に配置する構成で説明したが、これに限らず、制限アパーチャ部材206を偏向器208の下流部や、例えば、多段偏向器を用いるような場合は偏向器の間に設ける構成でも実施することができる。そのような構成とした場合、偏向器208でビームを偏向した際にはアパーチャ部材によりブロックされるビーム電流量は十分小さく、一方でブランキング偏向を行った時には軌道が大きくずれて十分にビームがブロック出来るように、アパーチャ部材206位置で、ブランキング偏向によるビーム軌道のずれ量が偏向器によるビーム軌道のずれ量に対して大きくなるように設計されれば良い。電子鏡筒の構成は上記の実施の形態に限定されるものではなく、適宜選択されれば良い。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。

0119

その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビーム描画装置及び方法は、本発明の範囲に包含される。

0120

20マルチビーム
22 穴
24,26電極
30 描画領域
32ストライプ領域
34照射領域
40シフトレジスタ
41ロジック回路
42レジスタ
44加算演算器
46アンプ
48セレクタ
50 レジスタ
52カウンタ
60面積密度算出部
62 照射時間算出部
64階調値算出部
66ビット変換部
68転送処理部
72 描画制御部
100描画装置
101,340試料
102電子鏡筒
103描画室
105 XYステージ
110制御計算機
112メモリ
130偏向制御回路
132 ロジック回路
139ステージ位置測定部
140,142記憶装置
150 描画部
160 制御部
200電子ビーム
201電子銃
202照明レンズ
203アパーチャ部材
204ブランキングプレート
205縮小レンズ
206制限アパーチャ部材
207対物レンズ
208偏向器
210ミラー
212 偏向器

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