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技術 JNKシグナル伝達経路に対する、細胞透過性のペプチド性阻害剤の種々の、疾病を治療するための使用

出願人 ザイジェンインフラメイションリミテッド
発明者 ボニー,クリストフ
出願日 2014年2月19日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2014-029875
公開日 2014年6月19日 (6年2ヶ月経過) 公開番号 2014-111646
状態 特許登録済
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 四分区間 スルフォン酸塩基 インタラクティブ画像 絶対測定値 プロスペクト 形態基準 ジイソシアン酸塩 周辺空間
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図面 (20)

課題

JNK阻害剤ペプチドによって治癒することが可能なさらなる疾患を特定し、新規のJNK阻害剤ペプチドおよびその誘導体を、上述の各疾患、およびJNKシグナル伝達に強く関連することがまだ知られていない、または既に知られている疾患の治療のために、使用すること。

解決手段

JNKシグナル伝達に強く関連する種々な疾患または障害を治療するための、プロテインキナーゼ阻害剤、特に、プロテインキナーゼc−Junアミノ末端キナーゼ阻害剤JNK阻害剤配列キメラペプチド、または、これをコードする核酸、およびこれを含有する薬剤組成物を使用する。上記疾患または障害は、自己免疫疾患心疾患癌疾患糖尿病1型または2型糖尿病を含む)、炎症性疾患脱毛症円形脱毛症を含む)、の疾患、神経疾患または神経変性疾患肝臓の疾患、脊椎の疾患、子宮の疾患、ウイルス感染症、および鬱病から選択される。

概要

背景

c−Junアミノ末端キナーゼ(JNK)は、マイトジェン活性蛋白質MAP)キナーゼのストレス活性化されたグループの1つの成分である。このキナーゼは、細胞増殖および細胞分化の制御、より一般的にいうと細胞環境刺激に対する応答に、関連している。JNKシグナル伝達経路は、環境ストレスに反応して、且つ、幾つかのクラスの、細胞の表面にあるレセプター関与によって、活性化される。細胞の表面にあるこれらのレセプターには、サイトカインレセプターセルペンチンレセプター、およびレセプターチロシンキナーゼが含まれ得る。哺乳類細胞では、JNKは、発癌性形質転換、および環境ストレスへの適応反応を媒介するといった生物過程に関連している。JNKはまた、免疫細胞成熟および分化を含む免疫応答の調節に関連していると共に、免疫システムによって破壊のために識別された細胞におけるプログラムされた細胞死を引き起こすことに関連している。この一意の特性は、薬理学介入発展させるための有力な標的をシグナル伝達するJNKを形成する。

幾つかの神経障害のうち、JNKシグナル伝達は、特に、虚血性脳卒中およびパーキンソン病だけでなく、以下に説明するさらなる疾患に関連している。さらに、マイトジェン−活性化プロテインキナーゼ(MAPK)p38alphaは、JNK−cJun−経路中和することによって細胞増殖に負の制御をすることが示された。従って、マイトジェン−活性化プロテインキナーゼ(MAPK)p38alphaは、正常および癌細胞の増殖の抑制においてアクティブであると考えられ、さらに、JNKを癌疾患に関連付けることを示している(例えば、Hui et al., Nature Genetics, Vol 39, No. 6, (2007年6月)を参照)。

c−JunN−末端キナーゼ(JNK)が、脊髄神経ライゲーション(SNL)によって発生する神経障害性の痛みに関係があることも示されている。ここで、SNLは、JNK、特にJNK1のゆっくり且つ持続する活性化を誘発するが、p38マイトジェン−活性化プロテインキナーゼの活性化は、SNLの後の脊髄小膠細胞において見出され、21日間でほとんど基礎レベルまで低下した(Zhuang et al., The Journal of Neuroscience, 2006年3月29日, 26(13):3551-3560))。

従って、JNKシグナル伝達経路を阻害または妨害すること、特に、JNKシグナル伝達経路の阻害剤を設けることは、JNKシグナル伝達に強く関連する障害を治す有効な手段であると考えられる。しかし、現在のところ、幾つかのJNKシグナル伝達経路の阻害剤だけが知られている。

従来技術において既に知られているJNKシグナル伝達経路の阻害剤は、特に、例えば、上流側のキナーゼ阻害剤(例えば、CEP−1347)は、例えばプロテインキナーゼのATP結合部位競合することによって、キナーゼ活性を直接引き起こすJNKの小さな化学的阻害剤(SP600125およびAS601245)、および、JNKとその基質(D−JNKIおよびI−JIP)との間の相互作用ペプチド性阻害剤を含む(例えば、Kuan et al., Current Drug Targets -CNS& Neurological Disorders, 2005年2月, vol. 4, no. 1, pp. 63-67(5)を参照)。

上流側のキナーゼ阻害剤CEP−1347(KT7515)とは、混合系統キナーゼファミリー半合成の阻害剤である。CEP−1347(KT7515)は、栄養の供与を停止した後の主要な胚培養および分化されたPC12細胞において、並びに、1−メチル−4−フェニルテトラヒドロピリジンで処理されたマウスにおいて、c−Junアミノ末端キナーゼ(JNK)の活性化を阻害する量のニューロン生存を促進する。さらに、CEP−1347(KT7515)が、培養されたニワトリ胚後根神経節交感神経繊毛、および運動ニューロン長期生存を促進することが可能である(例えば、Borasio et al., Neuroreport. 9(7) 1435-1439(1998年5月11日)を参照)。

この小さな化学的JNK阻害剤SP600125は、c−Junリン酸化の量を低減し、ドーパミン作動性ニューロンアポトーシスから保護し、C57BL/6NマウスにおけるMPTP−誘発されたPDのドーパミンの量を部分的に回復させることが分かっている(Wang et al., Neurosci Res. 2004年2月; 48(2); 195-202)。これらの結果は、JNK経路が、インビボのMPTPの神経毒性作用の主な媒介体であることをさらに示しており、JNK活性を阻害することは、PDを治療するための新規且つ効果的な方法を示し得る。

小さな化学的JNK阻害剤のさらなる実施例は、上述のJNK−阻害剤AS601245である。AS601245は、JNKシグナル伝達経路を阻害し、脳虚血後の細胞生存を促進する。インビボでは、AS601245は、広範囲一過性虚血アレチネズミモデルにおいて、海馬CA1神経の遅延された損失に対する著しい保護を提供した。この作用は、JNK阻害によって、従ってc−Jun発現およびリン酸化によって、媒介される(例えば、Carboni et al., J Pharmacol Exp Ther. 2004 Jul; 310(1)25-32. Epub 2004年2月26日を参照)。

JNKシグナル伝達経路の阻害剤の第3のクラスは、上述のように、JNKとその基質との間の相互作用のペプチド性阻害剤を示している。このようなJNK阻害剤ペプチドの構造の開始点として、自然発生したJNK蛋白質の配列アラインメントを用いてもよい。典型的には、これらの蛋白質は、JNK結合ドメインJBD)を含み、IB1またはIB2といった種々なインスリン結合(IB)蛋白質において生じる。このような典型的な配列アラインメントの結果は、例えば、IB1[配列番号13]、IB2[配列番号14]、c−Jun[配列番号15]、およびATF2[配列番号16](例えば、図1A〜1Cを参照)のJNK結合ドメイン間の配列アラインメントである。このようなアラインメントによって、部分的に保存された8つのアミノ酸配列(例えば、図1A)が明らかにされる。IB1のJBDとIB2のJBDとの間の比較により、これら2つの配列間で高度に保存された、2つのブロックの、7つおよび3つのアミノ酸が明らかになる。

このようなアラインメントに基づいて構成された配列は、例えば、WO01/27268号公報またはWO2007/031280号公報に開示されている。WO2007/031280号公報およびWO01/27268号公報は、小さな細胞透過性融合ペプチドを開示している。このペプチドは、HIVTAT蛋白質の基本的なトラフィッキング配列由来するいわゆるTAT細胞浸透配列と、IB1の最小20個のアミノ酸の阻害配列とを含む。どちらの成分も、互いに共有結合されている。

WO2007/031280号公報およびWO01/27268号公報の両方に開示された、MAPK−JNKシグナル伝達経路の典型的な(且つ現在のところ唯一の)阻害剤は、例えば、L−JNKI1(Lアミノ酸から構成されるJNK−阻害剤ペプチド)、またはプロテアーゼ耐性D−JNKI1ペプチド(非ネイティブDアミノ酸から構成されるJNK−阻害剤ペプチド)である。これらのJNK−阻害剤(JNKI)ペプチドは、JNK(JNK1、JNK2、およびJNK3)に特異的である。

上述のこれらの小さな化合物阻害剤に反して、WO2007/031280号公報またはWO01/27268号公報の阻害剤配列、例えば、JNKI1は、むしろ、JNKとその基質との間の相互作用を阻害する。融合ペプチドは、その、TATに由来するトラフィッキング配列によって、細胞の中に効率よく輸送される。トラフィッキング成分によって得られるこの新規の特性によって、融合ペプチドは、細胞の中に能動的に輸送され、該細胞において、これら融合ペプチドは、蛋白質が分解されるまで、有効に維持される。

概要

JNK阻害剤ペプチドによって治癒することが可能なさらなる疾患を特定し、新規のJNK阻害剤ペプチドおよびその誘導体を、上述の各疾患、およびJNKシグナル伝達に強く関連することがまだ知られていない、または既に知られている疾患の治療のために、使用すること。JNKシグナル伝達に強く関連する種々な疾患または障害を治療するための、プロテインキナーゼ阻害剤、特に、プロテインキナーゼc−Junアミノ末端キナーゼの阻害剤、JNK阻害剤配列キメラペプチド、または、これをコードする核酸、およびこれを含有する薬剤組成物を使用する。上記疾患または障害は、自己免疫疾患心疾患、癌疾患、糖尿病1型または2型糖尿病を含む)、炎症性疾患脱毛症円形脱毛症を含む)、の疾患、神経疾患または神経変性疾患肝臓の疾患、脊椎の疾患、子宮の疾患、ウイルス感染症、および鬱病から選択される。なし

目的

本発明の一目的は、JNK阻害剤ペプチドによって治癒することが可能なさらなる疾患を特定することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

150個よりも短い長さのアミノ酸を含むJNK阻害剤配列の、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害治療するための薬剤組成物を調製するための使用であって、被験体における上記JNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、自己免疫疾患心疾患癌疾患糖尿病1型または2型糖尿病を含む)、炎症性疾患脱毛症円形脱毛症を含む)、の疾患、神経疾患または神経変性疾患肝臓の疾患、脊椎の疾患、子宮の疾患、ウイルス感染症、およびうつ病から選択される、使用。

請求項2

請求項1に係る使用であって、上記自己免疫疾患は、狼瘡紅斑性狼瘡シェーグレン症候群を含む自己免疫疾患から選択される、使用。

請求項3

請求項1または2に係る使用であって、上記心疾患は、心臓疾患および冠状動脈性心臓病動脈硬化症脳溢血、(腎動脈高血圧腹大動脈拡張、並びに心筋梗塞症から選択される、使用。

請求項4

請求項1または2に係る使用であって、上記癌疾患は、カポジ肉腫急性骨髄性白血病赤白血病を含む)、黒色腫悪性黒色腫結腸癌リンパ腫肉腫芽球腫腎臓癌胃腸腫瘍神経膠腫前立腺腫瘍膀胱癌直腸腫瘍、胃癌咽頭癌膵臓癌肝臓癌乳癌(=乳腺癌)、子宮癌子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘパトーム、逆ウイルス誘発性腫瘍(例えば、パピローマウイルス誘発性悪性腫瘍(例えば子宮頸癌))、腺癌ヘルペスウイルス誘発性腫瘍(例えば、バーキットリンパ腫EBV−誘発性B細胞リンパ腫)、B型肝炎−誘発性腫瘍(肝細胞癌)、HTLV−1−誘発性リンパ腫およびHTLV−2−誘発性リンパ腫、聴神経神経鞘腫、肺悪性腫瘍(=肺癌気管支悪性腫瘍)、小細胞肺癌咽喉癌、肛門癌、膠芽腫直腸癌星状細胞腫脳腫瘍網膜芽細胞腫基底細胞腫脳転移髄芽腫癌、睾丸癌、甲状腺癌ホジキン症候群髄膜腫、シュネーベルガー病、下垂体部腫瘍、菌状息肉腫カルチノイド、神経鞘腫、細胞癌、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎臓癌、胸腺腫子宮体癌骨肉腫非ホジキンリンパ腫尿道癌、CUP症候群、頭頸部腫瘍乏枝神経膠外陰癌、腸癌、結腸癌、食道癌(=咽頭癌)、いぼ状態(wart conditions)、小腸腫瘍、頭蓋咽頭腫卵巣悪性腫瘍、軟部組織腫瘍、卵巣癌(=卵巣悪性腫瘍)、膵臓悪性腫瘍(=膵臓癌)、子宮内膜癌、肝転移陰茎癌、舌癌胆のうがん白血病形質細胞腫眼瞼腫瘍前立腺癌(=前立腺腫瘍)などから、または、インフルエンザマラリアSARS、黄熱病AIDS、ライム病リーシュマニア症炭疽病髄膜炎から選択される感染症から、選択される、使用。

請求項5

請求項1または2に係る使用であって、上記炎症性疾患は、肺の炎症若しくは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む肺疾患、または、繊維組織の形成が含まれ、嚢胞性維症を含む、組織の炎症である肺腺維症、髄膜炎、移植拒絶反応から選択される、使用。

請求項6

請求項1または2に係る使用であって、上記肺の疾患は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息を含む、呼吸器系に関連する慢性病、慢性閉塞性肺疾患COPD)、肺炎、および肺腺維症を含む、肺の炎症または肺疾患から選択される、使用。

請求項7

請求項1または2に係る使用であって、上記神経疾患または神経変性疾患は、アルツハイマー病パーキンソン病筋萎縮性側索硬化症ALS)、筋失調症癲癇視神経疾患緑内障を含む)、目の感染、多発性硬化症、髄膜炎、神経系によって引き起こされる神経細胞疾患または神経系の疾患または病気軸索切断といった軸索の「切断」または中断を含む)、苦痛(特に神経障害性の痛み)、ウイルス性脳障害から選択される、使用。

請求項8

請求項1または2に係る使用であって、上記肝臓の疾患は、肝炎、肝臓中毒症から選択される、使用。

請求項9

請求項1または2に係る使用であって、上記脊椎の疾患は、椎間板ヘルニアから選択される、使用。

請求項10

請求項1または2に係る使用であって、上記子宮の疾患は、子宮内膜症から選択される、使用。

請求項11

請求項1または2に係る使用であって、上記ウイルス(感染)症は、HSV、カポジ肉腫、尖圭コンジローム伝染性軟属腫デング熱三日熱エボラウイルス風邪、初髄膜脳炎ESME)、帯状疱疹、肝炎、単純ヘルペスI型、単純ヘルペスII型ヘルペススターインフルエンザウイルス日本脳炎ラッサ熱マーブルグウイルス、麻疹口蹄疫単球増加症おたふくかぜノーウォークウイルス感染症、パイファー腺熱天然痘小児麻痺脊髄性小児麻痺)、仮性クループ伝染性紅斑狂犬病いぼ西ナイル熱水痘サイトメガロウイルス(CMV)、オルソポックス天然痘ウイルス、オルソポックスアラストリム・ウイルス、パラポックスオヴィス・ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、ヘルペスBウイルス水痘帯状疱疹ウイルス仮性狂犬病ウイルス、ヒト巨大細胞ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、エプスタイン−バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス8、B型肝炎ウイルスチクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ルビウイルス、C型肝炎ウイルス、GBウイルスC、西ナイルウイルスデング熱ウイルス黄熱病ウイルス跳躍病ウイルスセントルイス脳炎ウイルスB型日本脳炎ウイルス、ポワッサンウイルス、FSMEウイルス、SARS−関連性コロナウイルスヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスOc43、トロウイルス、ヒトT細胞リンパ好性ウイルスI型、ヒトT細胞リンパ好性ウイルスII型、HIV(AIDS)(すなわちヒト免疫不全ウイルス1型またはヒト免疫不全ウイルス2型)、ラッサ熱ウイルスリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスタカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス、ボルナ病ウイルス、ブニヤムウェラウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、サンチョウバエ熱ウイルス、トスカナウイルス、クリミア−コンゴ出血熱ウイルス、ハザラウイルス、ハサンウイルス、ハンタンウイルス、ソウルウイルス、プロスペクトヒルウイルス、プーマラウイルス、ドブラバ−ベルグラードウイルス、ツラウイルス、シンノンブレウイルス、ヴィクトリアマーブルグウイルス、ザイールエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、アイボリーコーストエボラウイルス、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、パラインフルエンザウイルス麻疹ウイルスおたふくかぜウイルス呼吸器合胞体ウイルスヒトメタニューモウイルス水疱性口内炎インディアナウイルス、狂犬病ウイルス、モコラウイルス、ドウベンハーゲウイルス、ヨーロッパコウモリリッサウイルス1+2、オーストラリアコウモリリッサウイルス、アデノウイルスA−F、ヒトパピローマウイルス疣贅ウイルス6、疣贅ウイルス11、ポリオーマウイルスアデノ随伴ウイルス2、ロタウイルス、またはオルビウイルス水疱瘡(水痘帯状疱疹ウイルスを含む)、またはマラリアウイルスから選択されるか、または、該ウイルスによって引き起こされる、使用。

請求項12

請求項1または2に係る使用であって、上記うつ病は、大鬱病、大鬱病、単極性鬱病、臨床的鬱病、鬱病、双極性障害躁鬱病から選択される、使用。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に係るJNK阻害剤配列の使用であって、上記JNK阻害剤配列は、5〜150個、より好ましくは10〜100個、さらにより好ましくは10〜75個、および最も好ましくは10〜50個の範囲のアミノ酸残基を含む、使用。

請求項14

請求項1〜13のいずれか1項に係るJNK阻害剤配列の使用であって、上記JNK阻害剤配列は、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)に結合する、使用。

請求項15

請求項1〜14のいずれか1項に係るJNK阻害剤配列の使用であって、上記JNK阻害剤配列は、上記JNK阻害剤配列が、JNKを発現する細胞内に存在するときに、少なくとも1つのJNK標的転写因子活性化を阻害する、使用。

請求項16

請求項1〜15のいずれか1項に係るJNK阻害剤配列の使用であって、上記JNK標的転写因子は、c−Jun、ATF2、およびElklから構成される群から選択される、使用。

請求項17

請求項1〜16のいずれか1項に係るJNK阻害剤配列の使用であって、上記JNK阻害剤配列は、JNKを発現する細胞内に存在するときに、JNK効果を変更する、使用。

請求項18

請求項1〜17のいずれか1項に係る使用であって、上記JNK阻害剤配列は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、またはこれらの組み合わせから構成されており、好ましくは、少なくとも1または2個、好ましくは少なくとも3、4、または5個、より好ましくは少なくとも6、7、8、または9個、およびさらにより好ましくは少なくとも10個またはそれ以上の、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸を含み、上記D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸は、上記JNK阻害剤配列において、ブロック状、非ブロック状、またはこれらの形状が交互になった状態で配置されている、使用。

請求項19

請求項1〜18のいずれか1項に係る使用であって、上記JNK阻害剤配列は、配列番号102、103、104、または105に記載の配列のいずれかによって規定される、またはコードされる、ヒトまたはラットIB1配列の、断片、改変体、または、上記断片の改変体を含む、使用。

請求項20

請求項1〜19のいずれか1項に係る使用であって、上記JNK阻害剤配列は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の少なくとも1つのアミノ酸配列、または、その断片、誘導体、若しくは改変体を含むか、またはこれから構成されている、使用。

請求項21

共有結合によって連結された、少なくとも1つの第1のドメインおよび少なくとも1つの第2のドメインを含むキメラペプチドであって、上記第1のドメインは、トラフィッキング配列を含み、上記第2のドメインは、請求項1〜20のいずれかにおいて規定されたJNK阻害剤配列を含む、キメラペプチドの、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するための使用であって、被験体における、上記JNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、請求項1〜13のいずれか1項に規定されている、使用。

請求項22

請求項21に係る、キメラペプチドの使用であって、上記キメラペプチドは、L−アミノ酸、D−アミノ酸、またはこれらの組み合わせから構成され、好ましくは、少なくとも1または2個、好ましくは少なくとも3、4または5個、より好ましくは少なくとも6、7、8、または9個、およびさらにより好ましくは少なくとも10個またはそれ以上の、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸を含み、上記D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸は、上記キメラペプチドにおいて、ブロック状、非ブロック状、またはこれらの形状が交互になった状態で配置されている、使用。

請求項23

請求項21または22に係る、キメラペプチドの使用であって、上記トラフィッキング配列は、ヒト免疫不全ウイルスTATポリペプチドのアミノ酸配列を含む、使用。

請求項24

請求項21〜23のいずれか1項に係る、キメラペプチドの使用であって、上記トラフィッキング配列は、配列番号5、6、7、8、21、または22のアミノ酸配列から構成されているか、またはこれを含む、使用。

請求項25

請求項21〜24のいずれか1項に係る、キメラペプチドの使用であって、上記トラフィッキング配列は、上記ペプチド細胞取り込みを増大させる、使用。

請求項26

請求項21〜25のいずれか1項に係る、キメラペプチドの使用であって、上記トラフィッキング配列は、上記ペプチドの核局在化を導く、使用。

請求項27

請求項21〜26のいずれか1項に係る、キメラペプチドの使用であって、上記キメラペプチドは、配列番号9〜12および23〜32のいずれかに記載のアミノ酸配列、またはその断片、若しくは改変体から構成されているか、またはこれを含む、使用。

請求項28

請求項21〜26のいずれか1項に係る、キメラペプチドの使用であって、上記キメラペプチドは、配列番号9または11のアミノ酸配列から構成されるか、またはこれを含む、使用。

請求項29

請求項1〜20のいずれか1項において規定されたJNK阻害剤配列または請求項21〜28のいずれか1項において規定されたキメラペプチドをコードする、単離された核酸の、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するための使用であって、被験体における上記JNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、請求項1〜13のいずれか1項に従って規定されている、使用。

請求項30

請求項29において規定された核酸を含むベクターの、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するための使用であって、被験体における上記JNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、請求項1〜13のいずれか1項に従って規定されている、使用。

請求項31

請求項30において規定されたベクターを含む細胞の、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するための使用であって、被験体における上記JNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、請求項1〜13のいずれか1項に従って規定されている、使用。

請求項32

被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するための、請求項1〜20のいずれか1項に係るJNK阻害剤配列に免疫特異的に結合する抗体の使用、または、請求項21〜28のいずれか1項に係るキメラペプチドに免疫特異的に結合する抗体の使用であって、被験体における上記JNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、請求項1〜13のいずれか1項に従って規定されている、使用。

請求項33

請求項1〜32のいずれか1項に係る使用であって、上記薬剤組成物は、非経口経路静脈内経路、筋肉内経路、皮下経路、皮内経路、経皮経路を含む)、経腸経路(経口経路、直腸経路を含む)、局所経路経鼻経路、内経路を含む)、および、他の経路(表皮送達またはパッチ送達)から構成される群から選択された1つの投与経路によって投与される、使用。

請求項34

請求項1〜33のいずれか1項に係る使用であって、上記JNK阻害剤配列および上記キメラペプチドの少なくとも一方の投与量(kg体重当たり)は、10mmol/kgまで、好ましくは1mmol/kgまで、より好ましくは100μmol/kgまで、さらにより好ましくは10μmol/kgまで、さらにより好ましくは1μmol/kgまで、さらにより好ましくは100nmol/kgまで、最も好ましくは50nmol/kgまでの範囲内である、使用。

請求項35

請求項1〜34のいずれか1項に係る使用であって、上記JNK阻害剤配列および上記キメラペプチドの少なくとも一方の投与量は、約1pmol/kg〜約1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.01mmol/kg、約50pmol/kg〜約1μmol/kg、約100pmol/kg〜約500nmol/kg、約200pmol/kg〜約300nmol/kg、約300pmol/kg〜約100nmol/kg、約500pmol/kg〜約50nmol/kg、約750pmol/kg〜約30nmol/kg、約250pmol/kg〜約5nmol/kg、約1nmol/kg〜約10nmol/kg、またはこれらの値のうちの任意の2つの値の組み合わせである、使用。

技術分野

0001

本発明は、プロテインキナーゼ阻害剤の使用に関し、より詳細には、プロテインキナーゼc−Junアミノ末端キナーゼ阻害剤JNK阻害剤配列キメラペプチド、または、これをコードする核酸、およびこれを含有する薬剤組成物の、JNKシグナル伝達に強く関連する種々な疾患または障害治療するための使用に関する。これらの疾患または障害は、自己免疫疾患心疾患癌疾患糖尿病1型または2型の糖尿病を含む)、炎症性疾患脱毛症円形脱毛症を含む)、の疾患、神経疾患または神経変性疾患肝臓の疾患、脊椎の疾患、子宮の疾患、ウイルス感染症、およびうつ病から選択される。

背景技術

0002

c−Junアミノ末端キナーゼ(JNK)は、マイトジェン活性蛋白質MAP)キナーゼのストレス活性化されたグループの1つの成分である。このキナーゼは、細胞増殖および細胞分化の制御、より一般的にいうと細胞環境刺激に対する応答に、関連している。JNKシグナル伝達経路は、環境ストレスに反応して、且つ、幾つかのクラスの、細胞の表面にあるレセプター関与によって、活性化される。細胞の表面にあるこれらのレセプターには、サイトカインレセプターセルペンチンレセプター、およびレセプターチロシンキナーゼが含まれ得る。哺乳類細胞では、JNKは、発癌性形質転換、および環境ストレスへの適応反応を媒介するといった生物過程に関連している。JNKはまた、免疫細胞成熟および分化を含む免疫応答の調節に関連していると共に、免疫システムによって破壊のために識別された細胞におけるプログラムされた細胞死を引き起こすことに関連している。この一意の特性は、薬理学介入発展させるための有力な標的をシグナル伝達するJNKを形成する。

0003

幾つかの神経障害のうち、JNKシグナル伝達は、特に、虚血性脳卒中およびパーキンソン病だけでなく、以下に説明するさらなる疾患に関連している。さらに、マイトジェン−活性化プロテインキナーゼ(MAPK)p38alphaは、JNK−cJun−経路中和することによって細胞増殖に負の制御をすることが示された。従って、マイトジェン−活性化プロテインキナーゼ(MAPK)p38alphaは、正常および癌細胞の増殖の抑制においてアクティブであると考えられ、さらに、JNKを癌疾患に関連付けることを示している(例えば、Hui et al., Nature Genetics, Vol 39, No. 6, (2007年6月)を参照)。

0004

c−JunN−末端キナーゼ(JNK)が、脊髄神経ライゲーション(SNL)によって発生する神経障害性の痛みに関係があることも示されている。ここで、SNLは、JNK、特にJNK1のゆっくり且つ持続する活性化を誘発するが、p38マイトジェン−活性化プロテインキナーゼの活性化は、SNLの後の脊髄小膠細胞において見出され、21日間でほとんど基礎レベルまで低下した(Zhuang et al., The Journal of Neuroscience, 2006年3月29日, 26(13):3551-3560))。

0005

従って、JNKシグナル伝達経路を阻害または妨害すること、特に、JNKシグナル伝達経路の阻害剤を設けることは、JNKシグナル伝達に強く関連する障害を治す有効な手段であると考えられる。しかし、現在のところ、幾つかのJNKシグナル伝達経路の阻害剤だけが知られている。

0006

従来技術において既に知られているJNKシグナル伝達経路の阻害剤は、特に、例えば、上流側のキナーゼ阻害剤(例えば、CEP−1347)は、例えばプロテインキナーゼのATP結合部位競合することによって、キナーゼ活性を直接引き起こすJNKの小さな化学的阻害剤(SP600125およびAS601245)、および、JNKとその基質(D−JNKIおよびI−JIP)との間の相互作用ペプチド性阻害剤を含む(例えば、Kuan et al., Current Drug Targets -CNS& Neurological Disorders, 2005年2月, vol. 4, no. 1, pp. 63-67(5)を参照)。

0007

上流側のキナーゼ阻害剤CEP−1347(KT7515)とは、混合系統キナーゼファミリー半合成の阻害剤である。CEP−1347(KT7515)は、栄養の供与を停止した後の主要な胚培養および分化されたPC12細胞において、並びに、1−メチル−4−フェニルテトラヒドロピリジンで処理されたマウスにおいて、c−Junアミノ末端キナーゼ(JNK)の活性化を阻害する量のニューロン生存を促進する。さらに、CEP−1347(KT7515)が、培養されたニワトリ胚後根神経節交感神経繊毛、および運動ニューロン長期生存を促進することが可能である(例えば、Borasio et al., Neuroreport. 9(7) 1435-1439(1998年5月11日)を参照)。

0008

この小さな化学的JNK阻害剤SP600125は、c−Junリン酸化の量を低減し、ドーパミン作動性ニューロンアポトーシスから保護し、C57BL/6NマウスにおけるMPTP−誘発されたPDのドーパミンの量を部分的に回復させることが分かっている(Wang et al., Neurosci Res. 2004年2月; 48(2); 195-202)。これらの結果は、JNK経路が、インビボのMPTPの神経毒性作用の主な媒介体であることをさらに示しており、JNK活性を阻害することは、PDを治療するための新規且つ効果的な方法を示し得る。

0009

小さな化学的JNK阻害剤のさらなる実施例は、上述のJNK−阻害剤AS601245である。AS601245は、JNKシグナル伝達経路を阻害し、脳虚血後の細胞生存を促進する。インビボでは、AS601245は、広範囲一過性虚血アレチネズミモデルにおいて、海馬CA1神経の遅延された損失に対する著しい保護を提供した。この作用は、JNK阻害によって、従ってc−Jun発現およびリン酸化によって、媒介される(例えば、Carboni et al., J Pharmacol Exp Ther. 2004 Jul; 310(1)25-32. Epub 2004年2月26日を参照)。

0010

JNKシグナル伝達経路の阻害剤の第3のクラスは、上述のように、JNKとその基質との間の相互作用のペプチド性阻害剤を示している。このようなJNK阻害剤ペプチドの構造の開始点として、自然発生したJNK蛋白質の配列アラインメントを用いてもよい。典型的には、これらの蛋白質は、JNK結合ドメインJBD)を含み、IB1またはIB2といった種々なインスリン結合(IB)蛋白質において生じる。このような典型的な配列アラインメントの結果は、例えば、IB1[配列番号13]、IB2[配列番号14]、c−Jun[配列番号15]、およびATF2[配列番号16](例えば、図1A〜1Cを参照)のJNK結合ドメイン間の配列アラインメントである。このようなアラインメントによって、部分的に保存された8つのアミノ酸配列(例えば、図1A)が明らかにされる。IB1のJBDとIB2のJBDとの間の比較により、これら2つの配列間で高度に保存された、2つのブロックの、7つおよび3つのアミノ酸が明らかになる。

0011

このようなアラインメントに基づいて構成された配列は、例えば、WO01/27268号公報またはWO2007/031280号公報に開示されている。WO2007/031280号公報およびWO01/27268号公報は、小さな細胞透過性融合ペプチドを開示している。このペプチドは、HIVTAT蛋白質の基本的なトラフィッキング配列由来するいわゆるTAT細胞浸透配列と、IB1の最小20個のアミノ酸の阻害配列とを含む。どちらの成分も、互いに共有結合されている。

0012

WO2007/031280号公報およびWO01/27268号公報の両方に開示された、MAPK−JNKシグナル伝達経路の典型的な(且つ現在のところ唯一の)阻害剤は、例えば、L−JNKI1(Lアミノ酸から構成されるJNK−阻害剤ペプチド)、またはプロテアーゼ耐性D−JNKI1ペプチド(非ネイティブDアミノ酸から構成されるJNK−阻害剤ペプチド)である。これらのJNK−阻害剤(JNKI)ペプチドは、JNK(JNK1、JNK2、およびJNK3)に特異的である。

0013

上述のこれらの小さな化合物阻害剤に反して、WO2007/031280号公報またはWO01/27268号公報の阻害剤配列、例えば、JNKI1は、むしろ、JNKとその基質との間の相互作用を阻害する。融合ペプチドは、その、TATに由来するトラフィッキング配列によって、細胞の中に効率よく輸送される。トラフィッキング成分によって得られるこの新規の特性によって、融合ペプチドは、細胞の中に能動的に輸送され、該細胞において、これら融合ペプチドは、蛋白質が分解されるまで、有効に維持される。

0014

WO01/27268号公報
WO2007/031280号公報

先行技術

0015

Hui et al., Nature Genetics, Vol 39, No. 6, (2007年6月)
Zhuang et al., The Journal of Neuroscience, 2006年3月29日, 26(13):3551-3560)
Kuan et al., Current Drug Targets -CNS& Neurological Disorders, 2005年2月, vol. 4, no. 1, pp. 63-67(5)
Borasio et al., Neuroreport. 9(7) 1435-1439(1998年5月11日)
Wang et al., Neurosci Res. 2004年2月; 48(2); 195-202
Carboni et al., J Pharmacol Exp Ther. 2004 Jul; 310(1)25-32. Epub (2004年2月26日)

発明が解決しようとする課題

0016

しかし、WO2007/031280号公報またはWO01/27268号公報に係るペプチドは、限られた数の疾患、特に非−悪性の疾患または免疫学的に関連する細胞増殖性疾患といった疾患において有効であることが示されただけである。

0017

従って、本発明の一目的は、JNK阻害剤ペプチドによって治癒することが可能なさらなる疾患を特定することにある。本発明の他の一目的は、新規のJNK阻害剤ペプチドおよびその誘導体(の使用)を、上述の各疾患、およびJNKシグナル伝達に強く関連することがまだ知られていない、または既に知られている疾患の治療のために、提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

この目的は、好ましくは本明細書において規定される、典型的には150個よりも短い長さのアミノ酸を含むJNK阻害剤配列を、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する種々な疾患を治療するための薬剤組成物を調製するために使用することによって、解決される。ここで、被験体におけるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害は、自己免疫疾患、心疾患、癌疾患、糖尿病(1型または2型の糖尿病を含む)、炎症性疾患、脱毛症(円形脱毛症を含む)、肺の疾患、神経疾患または神経変性疾患、肝臓の疾患、脊椎の疾患、子宮の疾患、ウイルス感染症、およびうつ病から選択されることが好ましいが、これらに限定されない。

0019

好ましい一実施形態によれば、自己免疫疾患は、狼瘡紅斑性狼瘡、およびシェーグレン症候群を含む(しかし、これらに限定されない)自己免疫疾患から選択される。

0020

好ましいさらなる一実施形態によれば、心疾患は、心臓病および冠状動脈性心臓病動脈硬化症脳溢血、(腎動脈高血圧といった)腹大動脈拡張、並びに心筋梗塞症から選択される。

0021

他の好ましい一実施形態によれば、癌疾患は、カポジ肉腫急性骨髄性白血病赤白血病を含む)、黒色腫悪性黒色腫結腸癌リンパ腫肉腫芽球腫腎臓癌胃腸腫瘍神経膠腫前立腺腫瘍膀胱癌直腸腫瘍、胃癌咽頭癌膵臓癌肝臓癌乳癌(=乳腺癌)、子宮癌子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘパトーム、逆ウイルス誘発性腫瘍(例えば、パピローマウイルス誘発性悪性腫瘍(子宮頸癌))、腺癌ヘルペスウイルス誘発性腫瘍(例えば、バーキットリンパ腫EBV−誘発性B細胞リンパ腫)、B型肝炎−誘発性腫瘍(肝細胞癌)、HTLV−1誘発性リンパ腫およびHTLV−2誘発性リンパ腫、聴神経神経鞘腫、肺悪性腫瘍(=肺癌気管支悪性腫瘍)、小細胞肺癌咽喉癌、肛門癌、膠芽腫直腸癌星状細胞腫脳腫瘍網膜芽細胞腫基底細胞腫脳転移髄芽腫癌、睾丸癌、甲状腺癌ホジキン症候群髄膜腫、シュネーベルガー病、下垂体部腫瘍、菌状息肉腫カルチノイド、神経鞘腫、細胞癌、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎臓癌、胸腺腫子宮体癌骨肉腫非ホジキンリンパ腫尿道癌、CUP症候群、頭頸部腫瘍乏枝神経膠外陰癌、腸癌、結腸癌、食道癌(=咽頭癌)、いぼ状態(wart conditions)、小腸腫瘍、頭蓋咽頭腫卵巣悪性腫瘍、軟部組織腫瘍、卵巣癌(=卵巣悪性腫瘍)、膵臓悪性腫瘍(=膵臓癌)、子宮内膜癌、肝転移陰茎癌、舌癌胆のうがん白血病形質細胞腫眼瞼腫瘍前立腺癌(=前立腺腫瘍)などから、または(インフルエンザマラリアSARS、黄熱病AIDS、ライム病リーシュマニア症炭疽病、および髄膜炎から選択される)感染症から選択される。

0022

好ましいさらなる一実施形態によれば、炎症性疾患は、肺の炎症若しくは肺疾患急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む)、または、(繊維組織の形成が含まれるが、これに限定されない)組織の炎症である肺維症(嚢胞性腺維症を含む)、髄膜炎、および、移植拒絶反応から選択される。

0023

他の好ましい一実施形態によれば、肺の疾患は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、呼吸器系に関連する慢性病(喘息を含む)、慢性閉塞性肺疾患COPD)、肺炎、および肺腺維症を含むが、これらに限定されない、肺の炎症または肺疾患から選択される。

0024

好ましい一実施形態によれば、神経疾患または神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症ALS)、筋失調症癲癇視神経疾患緑内障を含む)、目の感染、多発性硬化症、髄膜炎、神経系によって引き起こされる神経細胞疾患または神経系の疾患または障害(軸索切断といった軸索の「切断」または中断を含む)、苦痛(特に神経障害性の痛み)、脳梗塞(虚血性脳卒中を含む)、および、ウイルス性脳障害から選択されるが、これらに限定されない。

0025

好ましいさらなる一実施形態によれば、肝臓の疾患は、肝炎および肝臓中毒症から選択されるが、これらに限定されない。

0026

他の好ましい一実施形態によれば、脊椎の疾患は、椎間板ヘルニアから選択されるが、これらに限定されない。

0027

好ましい一実施形態によれば、子宮の疾患は、子宮内膜症から選択されるが、これらに限定されない。

0028

好ましいさらなる一実施形態によれば、ウイルス(感染)症は、HSV、カポジ肉腫、尖圭コンジローム伝染性軟属腫デング熱三日熱エボラウイルス風邪、初髄膜脳炎ESME)、帯状疱疹、肝炎、単純ヘルペスI型、単純ヘルペスII型ヘルペススターインフルエンザウイルス日本脳炎ラッサ熱マーブルグウイルス、麻疹口蹄疫単球増加症おたふくかぜノーウォークウイルス感染症、パイファー腺熱天然痘小児麻痺脊髄性小児麻痺)、仮性クループ伝染性紅斑狂犬病いぼ西ナイル熱水痘サイトメガロウイルス(CMV)、オルソポックス天然痘ウイルス、オルソポックスアラストリム・ウイルス、パラポックスオヴィス・ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、ヘルペスBウイルス水疱瘡ゾスターウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ヒト巨大細胞ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、エプスタイン−バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス8、B型肝炎ウイルスチクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ルビウイルス、C型肝炎ウイルス、GBウイルスC、西ナイルウイルスデング熱ウイルス黄熱病ウイルス跳躍病ウイルスセントルイス脳炎ウイルスB型日本脳炎ウイルス、ポワッサンウイルス、FSMEウイルス、SARS−関連性コロナウイルスヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスOc43、トロウイルス、ヒトT細胞リンパ好性ウイルスI型、ヒトT細胞リンパ好性ウイルスII型、HIV(AIDS)(すなわち、ヒト免疫不全ウイルス1型若しくはヒト免疫不全ウイルス2型)、ラッサ熱ウイルスリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスタカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス、ボルナ病ウイルス、ブニヤムウェラウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、サンチョウバエ熱ウイルス、トスカナウイルス、クリミア−コンゴ出血熱ウイルス、ハザラウイルス、ハサンウイルス、ハンタンウイルス、ソウルウイルス、プロスペクトヒルウイルス、プーマラウイルス、ドブラバ-ベルグラードウイルス、ツラウイルス、シンノンブレウイルス、ヴィクトリアマーブルグウイルス、ザイールエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、アイボリーコーストエボラウイルス、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、パラインフルエンザウイルス麻疹ウイルスおたふくかぜウイルス呼吸器合胞体ウイルスヒトメタニューモウイルス水疱性口内炎インディアナウイルス、狂犬病ウイルス、モコラウイルス、ドウベンハーゲウイルス、ヨーロッパコウモリリッサウイルス1+2、オーストラリアコウモリリッサウイルス、アデノウイルスA−F、ヒトパピローマウイルス疣贅ウイルス6、疣贅ウイルス11、ポリオーマウイルスアデノ随伴ウイルス2、ロタウイルス、またはオルビウイルス、水疱瘡(水痘帯状疱疹ウイルスを含む)、および、マラリアウイルスから選択されるがこれらに限定されないウイルスから選択されるか、または、該ウイルスによって引き起こされる。

0029

他の好ましい一実施形態によれば、鬱病は、大うつ病としても知られる大鬱病性障害単極性鬱病、臨床的鬱病、または単純鬱病、双極性障害躁鬱病から選択されるが、これらに限定されない。

0030

当該技術分野において公知のJNK阻害剤配列は、限られた数の疾患にしか有用性を提供しないので、本明細書において規定されるJNK阻害剤配列が、上述のJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するために使用可能であると共に該治療に適していることは、驚くべき結果であった。JNK阻害剤配列は、概して、当該技術分野において公知であったが、このことは、明白でもなかったし、従来技術によって示唆されるものでもなかった。

0031

典型的に、上記で規定されたJNK阻害剤配列は、ヒトまたはラットIB1配列に由来し、好ましくは、配列番号102(ラットからのIB1cDNA配列およびその予測されるアミノ酸配列を示す)、配列番号103(rIB1遺伝子−スプライス供与体エキソンイントロン境界によってコードされたラットからのIB1蛋白質配列を示す)、配列番号104(ホモサピエンスからのIB1蛋白質配列を示す)、または、配列番号105(ホモサピエンスからのIB1 cDNA配列を示す)に記載の配列のうちのいずれかによって規定された、またはコードされたアミノ酸配列に由来し、より好ましくは、配列番号104(ホモサピエンスのIB1蛋白質配列を示す)、または、配列番号105(ホモサピエンスのIB1 cDNA配列を示す)に記載の配列のうちのいずれかによって規定された、またはコードされたアミノ酸配列、または、これらの任意の断片または改変体に由来していてよい。換言すると、JNK阻害剤配列は、ヒト若しくはラットIB1配列の断片、改変体、または、このような断片の改変体を含む。ヒトまたはラットIB配列は、それぞれ、配列番号102、配列番号103、配列番号104、または配列番号105に記載の配列によって規定またはコードされる。

0032

好ましくは、本明細書において用いられるJNK阻害剤配列は、全部で、150個よりも短い長さのアミノ酸残基、好ましくは、5〜150個の範囲の長さのアミノ酸残基、より好ましくは10〜100個の範囲のアミノ酸残基、さらにより好ましくは10〜75個の範囲の長さのアミノ酸残基、および最も好ましくは10〜50個の範囲の長さのアミノ酸残基、例えば、10〜30個、10〜20個、または、10〜15個の長さのアミノ酸残基を含む。

0033

より好ましくは、このようなJNK阻害剤配列および上述の範囲は、上述の配列のうちのいずれかから、さらにより好ましくは、配列番号104に従って規定された、または配列番号105によってコードされたアミノ酸配列から選択され、さらにより好ましくは、配列番号105のヌクレオチド420と980の間の範囲において、または、配列番号104のアミノ酸105と291との間の範囲において、および最も好ましくは、配列番号105のヌクレオチド561と647との間の範囲において、または配列番号104のアミノ酸152と180との間の範囲において、選択され得る。

0034

具体的な一実施形態によれば、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、典型的には、JNKを結合し、および/または、少なくとも1つのJNK活性化された転写因子、例えば、c−JunまたはATF2(例えば、各配列番号15および16を参照)、またはElk1の活性化を阻害する。

0035

同様に、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、好ましくは、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100のいずれか1つに記載の少なくとも1つのアミノ酸配列、または、その断片、誘導体、若しくは改変体を含むか、または、これから構成される。

0036

より好ましくは、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のアミノ酸配列、またはそのその改変体、断片、または誘導体の、1、2、3、4、またはそれ以上のコピーを含んでいてよい。1つ以上のコピーが存在するならば、本明細書において使用される、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のこれらのアミノ酸配列、またはその改変体、断片、若しくは誘導体は、何らかのリンカー配列無しに、または1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸を含むリンカー配列を介さずに、直接互いに連鎖されている。

0037

リンカー配列を形成するアミノ酸は、好ましくは、アミノ酸残基としてのグリシンまたはプロリンから選択されている。より好ましくは、本明細書において使用される、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のこれらのアミノ酸配列、または、その断片、改変体、若しくは誘導体は、2つ、3つ、またはそれ以上のプロリン残基ヒンジによって互いに分離され得る。

0038

本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、または、これらの組み合わせから構成されていてよい。好ましくは、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、少なくとも1または2個、好ましくは少なくとも3、4または5個、より好ましくは少なくとも6、7、8、または9個、およびさらにより好ましくは、少なくとも10個またはそれ以上の、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸を含み、ここで、D−アミノ酸および/またはアミノ酸L−アミノ酸は、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列において、ブロック状、非ブロック状、またはこれらの形状が交互になった状態で、配置されていてよい。

0039

好ましい一実施形態によれば、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、L−アミノ酸だけから構成されていてよい。本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、その後、配列番号1または3に記載の、少なくとも1つの「ネイティブJNK阻害剤配列」を含むか、またはこれから構成されていてよい。これに関して、「ネイティブ」または「ネイティブJNK阻害剤配列」という用語は、本明細書において使用されるように全体がL−アミノ酸から構成された、配列番号1または3のいずれかに記載の変換されていないJNK阻害剤配列を指す。

0040

従って、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、少なくとも1つの(ネイティブ)アミノ酸配列NH2−Xnb−Xna−RPTTLXLXXXXXXXQD−Xnb−COOH(L−IBジェネリック(s))[配列番号3]、および/または、IB1XRPTTLXLXXXXXXXQDS/TX(L−IB(ジェネリック))[配列番号19]のJNK結合ドメイン(JBD)を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0041

これに関して、各Xは、典型的には、好ましくは任意の(ネイティブ)アミノ酸残基から選択されたアミノ酸残基を示す。Xnaは、典型的には、好ましくは、セリンまたはトレオニンを除く任意のアミノ酸残基から選択された1つのアミノ酸残基を示す。ここで、n(Xの繰り返しの数)は、0または1である。

0042

さらに、各Xnbは、任意のアミノ酸残基から選択されていてよく、ここでn(Xの繰り返しの数)は、0〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜30、またはそれ以上であってよく、Xnaのn(Xの繰り返しの数)が0であると仮定すると、Xnbは、好ましくは、そのC末端においてセリンまたはトレオニンを含まず、この位置においてセリンまたはトレオニンを回避する。好ましくは、Xnbは、配列番号1または3に由来するペプチド残基の連続したストレッチを示す。

0043

XnaおよびXnbは、Dアミノ酸またはLアミノ酸を示す。さらに、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、IB1 DTYRPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(L−IB1)[配列番号17]のJNK結合ドメインを含む群から選択される少なくとも1つの(ネイティブ)アミノ酸配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。より好ましくは、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列はさらに、少なくとも1つの(ネイティブ)アミノ酸配列NH2−RPKRPTTLNLFPQVPRSQD−COOH(L−IB1(s))[配列番号1]を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0044

さらに、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、IB1L−IB1(s1)(NH2−TLNLFPQVPRSQD−COOH,配列番号33);L−IB1(s2)(NH2−TTLNLFPQVPRSQ−COOH,配列番号34);L−IB1(s3)(NH2−PTTLNLFPQVPRS−COOH,配列番号35);L−IB1(s4)(NH2−RPTTLNLFPQVPR−COOH,配列番号36);L−IB1(s5)(NH2−KRPTTLNLFPQVP−COOH,配列番号37);L−IB1(s6)(NH2−PKRPTTLNLFPQV−COOH,配列番号38);L−IB1(s7)(NH2−RPKRPTTLNLFPQ−COOH,配列番号39);L−IB1(s8)(NH2−LNLFPQVPRSQD−COOH,配列番号40);L−IB1(s9)(NH2−TLNLFPQVPRSQ−COOH,配列番号41);L−IB1(s10)(NH2−TTLNLFPQVPRS−COOH,配列番号42);L−IB1(s11)(NH2−PTTLNLFPQVPR−COOH,配列番号43);L−IB1(s12)(NH2−RPTTLNLFPQVP−COOH,配列番号44);L−IB1(s13)(NH2−KRPTTLNLFPQV−COOH,配列番号45);L−IB1(s14)(NH2−PKRPTTLNLFPQ−COOH,配列番号46);L−IB1(s15)(NH2−RPKRPTTLNLFP−COOH,配列番号47);L−IB1(s16)(NH2−NLFPQVPRSQD−COOH,配列番号48);L−IB1(s17)(NH2−LNLFPQVPRSQ−COOH,配列番号
49);L−IB1(s18)(NH2−TLNLFPQVPRS−COOH,配列番号50);L−IB1(s19)(NH2−TTLNLFPQVPR−COOH,配列番号51);L−IB1(s20)(NH2−PTTLNLFPQVP−COOH,配列番号52);L−IB1(s21)(NH2−RPTTLNLFPQV−COOH,配列番号53);L−IB1(s22)(NH2−KRPTTLNLFPQ−COOH,配列番号54);L−IB1(s23)(NH2−PKRPTTLNLFP−COOH,配列番号55);L−IB1(s24)(NH2−RPKRPTTLNLF−COOH,配列番号56);L−IB1(s25)(NH2−LFPQVPRSQD−COOH,配列番号57);L−IB1(s26)(NH2−NLFPQVPRSQ−COOH,配列番号58);L−IB1(s27)(NH2−LNLFPQVPRS−COOH,配列番号59);L−IB1(s28)(NH2−TLNLFPQVPR−COOH,配列番号60);L−IB1(s29)(NH2−TTLNLFPQVP−COOH,配列番号61);L−IB1(s30)(NH2−PTTLNLFPQV−COOH,配列番号62);L−IB1(s31)(NH2−RPTTLNLFPQ−COOH,配列番号63);L−IB1(s32)(NH2−KRPTTLNLFP−COOH,配列番号64);L−IB1(s33)(NH2−PKRPTTLNLF−COOH,配列番号65);およびL−IB1(s34)(NH2−RPKRPTTLNL−COOH,配列番号66)のJNK結合ドメインを含む群から選択される少なくとも1つの(ネイティブ)アミノ酸配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0045

さらに、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、IB1PGTGCGDTYRPKRPTTLNLFPQVPRSQDT(IB1−ロング)[配列番号13]の(ロング)JNK結合ドメイン(JBD)と、IB2IPSPSVEEPHKHRPTTLRLTTLGAQDS(IB2−ロング)[配列番号14]の(ロング)JNK結合ドメインと、c−JunGAYGYSNPKILKQSMTLNLADPVGNLKPH(c−Jun)[配列番号15]のJNK結合ドメインと、ATF2 TNEDHLAVHKHKHEMTLKFGPARNDSVIV(ATF2)[配列番号16]のJNK結合ドメインとを含む群から選択される少なくとも1つの(ネイティブ)アミノ酸配列を含むか、またはこれから構成されていてよい(例えば、図1A〜1Cを参照)。

0046

これに関して、部分的に保存された8つのアミノ酸配列(例えば図1Aを参照)が、アラインメントによって明らかにされ、IB1のJBDとIB2のJBDとをさらに比較することによって、これら2つの配列間で高度に保存された、2つのブロックの、7つおよび3つのアミノ酸が明らかにされる。

0047

他の好ましい一実施形態によれば、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、部分的に、上記で規定されたD−アミノ酸から構成される、または全くこれのみから構成されていてよい。より好ましくは、D−アミノ酸から構成されるこれらのJNK阻害剤配列は、上述の(ネイティブ)JNK阻害剤配列の非ネイティブDレトロインベルソ配列である。「レトロ−インベルソ配列」という用語は、配列の方向が逆であり各アミノ酸残基の対掌性反転された、直線状のペプチド配列異性体(例えば、Jameson et al., Nature, 368,744-746 (1994); Brady et al., Nature, 368, 692-693 (1994)を参照)を指す。

0048

D−鏡像異性体逆合成とを組み合わせることの利点は、各アミド結合内のカルボニル基の位置とアミノ基の位置とが交換され、各アルファ炭素内の側鎖基の位置が維持される点である。他に特別な記載がない限り、本発明に従って使用される所定の任意のL−アミノ酸配列またはペプチドは、対応するネイティブL−アミノ酸配列またはペプチドに、逆の配列またはペプチドを合成することによって、Dレトロ−インベルソ配列またはペプチドに変換可能であると推測される。

0049

本明細書において使用されると共に上記で規定されたDレトロ−インベルソ配列は、種々な有用な特性を有している。例えば、本明細書において使用されるDレトロ−インベルソ配列は、本明細書において使用されるL−アミノ酸配列と同じ程度、効率良く細胞の中に侵入する。その一方で、本明細書において使用されるDレトロ−インベルソ配列は、当該L−アミノ酸配列よりも安定している。

0050

従って、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、アミノ酸配列NH2−Xnb−DQXXXXXXXLXLTTPR−Xna−Xnb−COOH(D−IB1ジェネリック(s))[配列番号4]および/またはXS/TDQXXXXXXXLXLTTPRX(D−IB(ジェネリック))[配列番号20]に記載の、少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0051

これに関して用いられるように、X、Xna、およびXnbは、上記で規定された通りであり(好ましくは、Dアミノ酸を示す)、Xnbは、好ましくは配列番号2または4に由来する残基の連続したストレッチを示す。さらに、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、IB1 TDQSRPVQPFLNLTTPRKPRYTD(D−IB1)[配列番号18]のJNK結合ドメイン(JBD)を含むアミノ酸配列に記載の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0052

より好ましくは、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、アミノ酸配列NH2−DQSRPVQPFLNLTTPRKPR−COOH(D−IB1(s))[配列番号2]に記載の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0053

さらに、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、IB1 D−IB1(s1)(NH2−QPFLNLTTPRKPR−COOH,配列番号67);D−IB1(s2)(NH2−VQPFLNLTTPRKP−COOH,配列番号68);D−IB1(s3)(NH2−PVQPFLNLTTPRK−COOH,配列番号69);D−IB1(s4)(NH2−RPVQPFLNLTTPR−COOH,配列番号70);D−IB1(s5)(NH2−SRPVQPFLNLTTP−COOH,配列番号71);D−IB1(s6)(NH2−QSRPVQPFLNLTT−COOH,配列番号72);D−IB1(s7)(NH2−DQSRPVQPFLNLT−COOH,配列番号73);D−IB1(s8)(NH2−PFLNLTTPRKPR−COOH,配列番号74);D−IB1(s9)(NH2−QPFLNLTTPRKP−COOH,配列番号75);D−IB1(s10)(NH2−VQPFLNLTTPRK−COOH,配列番号76);D−IB1(s11)(NH2−PVQPFLNLTTPR−COOH,配列番号77);D−IB1(s12)(NH2−RPVQPFLNLTTP−COOH,配列番号78);D−IB1(s13)(NH2−SRPVQPFLNLTT−COOH,配列番号79);D−IB1(s14)(NH2−QSRPVQPFLNLT−COOH,配列番号80);D−IB1(s15)(NH2−DQSRPVQPFLNL−COOH,配列番号81);D−IB1(s16)(NH2−FLNLTTPRKPR−COOH,配列番号82);D−IB1(s17)(NH2−PFLNLTTPRKP−COOH,配列番号83);D−IB1(s18)(NH2−QPFLNLTTPRK−COOH,配列番号84);D−IB1(s19)(NH2−VQPFLNLTTPR−COOH,配列番号85);D−IB1(s20)(NH2−PVQPFLNLTTP−COOH,配列番号86);D−IB1(s21)(NH2−RPVQPFLNLTT−COOH,配列番号87);D−IB1(s22)(NH2−SRPVQPFLNLT−COOH,配列番号88);D−IB1(s23)(NH2−QSRPVQPFLNL−COOH,配列番号89);D−IB1(s24)(NH2−DQSRPVQPFLN−COOH,配列番
号90);D−IB1(s25)(NH2−DQSRPVQPFL−COOH,配列番号91);D−IB1(s26)(NH2−QSRPVQPFLN−COOH,配列番号92);D−IB1(s27)(NH2−SRPVQPFLNL−COOH,配列番号93);D−IB1(s28)(NH2−RPVQPFLNLT−COOH,配列番号94);D−IB1(s29)(NH2−PVQPFLNLTT−COOH,配列番号95);D−IB1(s30)(NH2−VQPFLNLTTP−COOH,配列番号96);D−IB1(s31)(NH2−QPFLNLTTPR−COOH,配列番号97);D−IB1(s32)(NH2−PFLNLTTPRK−COOH,配列番号98);D−IB1(s33)(NH2−FLNLTTPRKP−COOH,配列番号99);および、D−IB1(s34)(NH2−LNLTTPRKPR−COOH,配列番号100)のJNK結合ドメイン(JBD)を含むアミノ酸配列に記載の少なくとも1つのDレトロ−インベルソ配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0054

本明細書において使用される、上記で開示されたJNK阻害剤配列は、表1(配列番号1〜4、13〜20、および33〜100)に示されている。この表は、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列の名前およびその配列識別番号、その長さ、並びにアミノ酸配列を示している。さらに、表1は、例えば、配列番号1、2、5、6、9、および11、並びに、配列番号3、4、7、8、10、および12の、配列とその各一般式とを示す図である。表1はさらに、キメラ配列である配列番号9〜12および23〜32(以下を参照)、L−IB1配列である配列番号33〜66、並びに、D−IB1配列である配列番号67〜100を開示している。

0055

0056

0057

0058

0059

0060

0061

他の好ましい一実施形態によれば、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、上記で規定された、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のネイティブまたは非ネイティブアミノ酸配列の、少なくとも1つの改変体、断片、および/または、誘導体を含むか、またはこれから構成される。好ましくは、これらの改変体、断片、および/または、誘導体は、本明細書において使用される、上記で開示されたネイティブまたは非ネイティブのJNK阻害剤配列、特に、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のネイティブまたは非ネイティブアミノ酸配列の生物活性、すなわち、JNKを結合する、および/または、少なくとも1つのJNK活性化された転写因子(例えばc−Jun、ATF2、またはElk1)の活性化を阻害する生物活性を保持する。

0062

機能性は、種々な試験によって、例えば、ペプチドをその標的分子に結合させる試験、または、生物理学的方法(例えば、分光法コンピュータモデリング法、構造解析法など)によって、試験され得る。特に、上記で規定された、JNK阻害剤配列、またはその改変体、断片、および/または、誘導体は、親水性分析(例えば、Hopp and Woods, 1981. Proc Natl Acad Sci USA 78 3824-3828を参照)によって分析され得る。

0063

この親水性分析を利用して、ペプチドの疎水性領域および親水性領域を特定し、これによって、例えば結合実験または抗体合成といった実験的操作のための、基板の構成を支援することが可能である。

0064

第2の構造解析法を行って、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列、または、その改変体、断片、および/または、誘導体の、特定の構造モチーフを示す領域を特定してもよい(例えば、Chou and Fasman, 1974, Biochem 13 222-223を参照)。操作、翻訳二次構造予測、親水性プロファイルおよび疎水性プロファイル、オープンリーディングフレーム予測およびプロッティング、並びに、配列相同性の決定は、当該技術分野において入手可能なコンピュータソフトウェアプログラムを用いて行うことが可能である。

0065

他の、例えば、X線結晶学(例えば、Engstrom, 1974. Biochem Exp Biol 11 7-13を参照)、質量分析法、およびガスクロマトグラフィー法(例えば、METHODS IN PROTEIN SCIENCE, 1997, J. Wiley and Sons, New York, NY参照)、およびコンピュータモデリング法(例えば、Fletterick and Zoller, eds., 1986. Computer Graphics and Molecular Modeling, In CURRENTCOMMUNICATIONS IN MOLECULAR BIOLOGY, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYを参照)を含む構造解析法を用いてもよい。

0066

従って、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の少なくとも1つの改変体を含むか、またはこれから構成されていてよい。本発明の意味するところによれば、「配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の改変体」とは、好ましくは、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の配列のいずれかに由来する配列である。

0067

ここで、改変体は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のアミノ酸配列のアミノ酸変換を含む。このような変換は、典型的には、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載のアミノ酸の1〜20個、好ましくは1〜10個、およびより好ましくは、1〜5個の置換、付加、および/または、削除を含む。この場合、この改変体は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の配列のいずれかと、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%、またはさらに99%の配列同一性を示す。

0068

上記に規定されていると共に本明細書において使用されるような、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の改変体が、特定のアミノ酸を置換することによって得られるならば、このような置換は、好ましくは、保存的アミノ酸置換を含む。

0069

保存的アミノ酸の置換には、基内の類似アミノ酸残基が含まれ得る。この類似アミノ酸残基は、十分に相似した物理化学的特性を有しているため、基内の成分間を置換しても分子の生物活性は保存される(例えば、Grantham, R. (1974), Science 185, 862-864参照)。

0070

上記で規定された配列において、アミノ酸を挿入および/または除去することが可能であり、この際に、特に、挿入および/または除去が、わずかな数の、例えば20個よりも少ない、および好ましくは10個よりも少ないアミノ酸だけを含むならば、その機能を変更せずに、挿入および/または除去することが可能であり、機能的活性に重要なアミノ酸は、除去または置換しないことは、当業者には明らかである。

0071

さらに、本明細書において使用される改変体においては、ホスホリラーゼ、好ましくはキナーゼの機能を発現可能なアミノ酸の位置において、さらなるトレオニンを導く置換を回避して、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列、または本明細書において使用されるキメラペプチドの、不活性をインビボまたはインビトロにおいて回避する必要がある。

0072

好ましくは、同じグループに分類され、典型的には、保存的アミノ酸の置換によって交換可能である類似アミノ酸残基を、表2に規定する。

0073

0074

本明細書において使用される配列番号1〜4、13〜20、および33〜100の改変体の特別な形態は、本明細書において使用される配列番号11〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の断片である。この断片は、典型的には、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100と比べて、少なくとも1つの削除によって変換されている。好ましくは、1つの断片は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100のいずれかの少なくとも4つの連続したアミノ酸を含み、その長さは、典型的には、これらの配列のいずれかからのエピトープを特異的に認識するために十分な長さである。

0075

さらにより好ましくは、この断片は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100のうちのいずれかのアミノ酸であって、4〜18個、4〜15個、または最も好ましくは4〜10個の連続したアミノ酸を含む。ここで、下限範囲は、4、または、5、6、7、8、9、または、10個である。アミノ酸の削除は、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100の任意の位置において、好ましくはN−末端またはC−末端において、生じ得る。

0076

さらに、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の断片は、上述のように、本明細書において使用される配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の配列のいずれかと、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%、またはさらに99%の配列同一性を共有する配列として規定され得る。

0077

本明細書において使用されるJNK阻害剤配列は、上記で規定された、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の少なくとも1つの誘導体をさらに含む、またはこれから構成され得る。

0078

これに関して、「配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の(ネイティブまたは非ネイティブ)アミノ酸配列の誘導体」とは、好ましくは、配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の配列のいずれかに由来するアミノ酸配列であり、ここで、誘導体は、(非自然アミノ酸を形成する)少なくとも1つの修飾されたL−またはD−アミノ酸、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、およびさらにより好ましくは1〜5個の修飾されたL−またはD−アミノ酸を含む。改変体または断片の誘導体も、本発明の範囲である。

0079

これに関して、「修飾されたアミノ酸」とは、例えば、種々な生物において異なるグリコシル化によって、リン酸化によって、または特異的アミノ酸を標識化することによって変換された、任意のアミノ酸であってよい。このようなラベルは、典型的には、次の(i)〜(vi)から構成されるラベルの群から選択される。
(i)放射性ラベル、すなわち、放射性リン酸化、または硫黄水素炭素窒素などによる放射性ラベル、
(ii)着色された色素(例えば、ジゴキシゲニン(digoxygenin)など)、
(iii)蛍光基(例えば、フルオレセインなど)、
(iv)化学発光基
(v)固相における固定化のための基(例えば、Hisタグ、ビオチン、strepタグ、flagタグ、抗体、抗原など)、および、
(vi)上記(i)〜(v)に記載したラベルのうちの2つ以上のラベルの組み合わせ。

0080

これに関して、本発明の照会アミノ酸配列と少なくとも、例えば95%の「配列同一性を共有する」配列を有するアミノ酸配列とは、対象となるアミノ酸配列が、照会アミノ酸配列の100アミノ酸当たり5つ未満のアミノ酸の変換を含むことを除いて、照会配列と等しいことを意味することを意図するものである。換言すると、照会アミノ酸配列と少なくとも95%同一である配列を有するアミノ酸配列を得るためには、対象となる配列のアミノ酸残基の5%(100個のうちの5個)未満に、別のアミノ酸が挿入若しくは置換されているか、または対象となる配列のアミノ酸残基の5%(100個のうちの5個)未満が削除されていてもよい。

0081

正確に対応してない配列では、第1の配列の「%同一性」は、第2の配列に対して決定され得る。概して、比較されるこれら2つの配列は、配列間の最大相関性を提供するために、位置合わせされている。これは、1つまたは両方の配列に、「間隔」を挿入して、アラインメントの程度を強化することを含む。その後、%同一性は、特に同一または類似の長さの配列に適した、比較される各配列の全長にわたって(いわゆるグローバルアラインメント)決定されるか、または、一意の長さにより適した、かなり短い、一定の長さにわたって(いわゆるローカルアラインメント)決定される。

0082

特に本明細書において使用される、2つ以上の配列の同一性および相同性を比較する方法は、当該技術において公知である。すなわち、例えば、ウィスコンシン配列分析パッケージバージョン9.1において入手可能なプログラム(Devereux et al., 1984, Nucleic AcidsRes. 12, 387-395)である、例えば、プログラムBESTFITおよびGAPを用いて、2つのポリヌクレオチド間の%同一性、および、2つのポリペプチド配列間の%同一性および%相同性を決定することが可能である。

0083

BESTFITは、(Smith and Waterman (1981), J. Mol. Biol. 147, 195-197)の「局所的相同性」アルゴリズムを用い、2つの配列間の単一の最も類似した領域を発見するものである。配列間の同一性および/または類似性を算出するための他のプログラムも、当該技術では公知である。例えば、NCBIのホームページであるワールドワイドウェブサイト(ncbi.nlm.nih.gov)を介してアクセス可能なプログラム(Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol. 215, 403-410)のBLASTファミリー、および、FASTA(Pearson (1990), MethodsEnzymol. 183, 63-98; Pearson and Lipman (1988), Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A 85, 2444-2448)である。

0084

本発明に従って用いられると共に上記で規定されたJNK−阻害剤配列は、当該技術分野において公知の方法、例えば、化学合成法によって、または以下に説明する遺伝子工学法によって、得られる、または生成され得る。例えば、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列の一部に相当する、該JNK阻害剤配列の所望の領域を含むペプチド、または、所望の活性をインビトロまたはインビボで媒介するペプチドは、ペプチドシンセサイザを使用することによって合成可能である。

0085

本発明に従って用いられると共に上記で規定されたJNK阻害剤配列はまた、本発明に従って用いられると共に上記で規定されたJNK阻害剤配列が、細胞の中に効率良く輸送されることを可能にするトラフィッキング配列によって修飾され得る。このような修飾されたJNK阻害剤配列は、好ましくは、キメラ配列として提供および使用される。

0086

従って、第2の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの第1のドメインおよび少なくとも1つの第2のドメインを含むキメラペプチドを、被験体における、上記で規定されたJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するために使用することを提供する。ここで、キメラペプチドの第1のドメインは、トラフィッキング配列を含むが、キメラペプチドの第2のドメインは、上記で規定されたJNK阻害剤配列、好ましくは配列番号1〜4、13〜20、および33〜100に記載の配列のいずれかのJNK阻害剤配列、またはその誘導体若しくは断片を含む。

0087

典型的には、本発明に従って用いられるキメラペプチドは、少なくとも25個の長さのアミノ酸残基、例えば、25〜250個の長さのアミノ酸残基、より好ましくは、25〜200個の長さのアミノ酸残基、さらにより好ましくは25〜150個の長さのアミノ酸残基、25〜100個の長さのアミノ酸残基、および最も好ましくは25〜50個の長さのアミノ酸残基を有している。

0088

本明細書において使用されるキメラペプチドは、第1のドメインとして、好ましくは、トラフィッキング配列を含む。トラフィッキング配列は、典型的には、(該トラフィッキング配列が存在する)ペプチドを所望の細胞目的地に方向付けるアミノ酸の任意の配列から選択されている。

0089

従って、本明細書において使用されるようなトラフィッキング配列は、典型的には、ペプチドを、形質膜を横切って、例えば、細胞の外側から形質膜を通って、細胞質の中まで方向付ける。選択的または追加的に、トラフィッキング配列は、ペプチドを、細胞内の所望の位置、例えば、核、リボソーム小胞体ER)、リソソーム、またはペルオキシソームに方向付けることも可能である。これは、例えば、2つの成分(例えば、細胞透過性のための成分と、核の位置のための成分と)を混合することによって、または、例えば、細胞膜を輸送する特性、および標的とされた、例えば核内輸送を行う特性を有する、単一の成分によって行うことが可能である。

0090

トラフィッキング配列は、さらに、細胞質成分または細胞の他の任意の成分若しくは区画(例えば、小胞体、ミトコンドリアゴルジ装置(gloom apparatus)、リゾソーマル小胞)を結合することが可能な他の成分を有していてよい。従って、例えば、第1のドメインのトラフィッキング配列および第2のドメインのJNK阻害剤配列は、細胞質、または、細胞の他の任意の区画に局在化され得る。これによって、取り込み時に、細胞におけるキメラペプチドの局在性を決定することが可能である。

0091

好ましくは、トラフィッキング配列(本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる)は、5〜150個の長さのアミノ酸配列、より好ましくは、5〜100個、および最も好ましくは5〜50個、5〜30個、またはさらに5〜15個の長さのアミノ酸を有している。

0092

より好ましくは、(本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる)トラフィッキング配列は、第1のドメイン内に、連続したアミノ酸配列ストレッチとして生じることも可能である。あるいは、第1のドメイン内のトラフィッキング配列は、2つ以上の断片に分裂されていてもよい。この場合、これらの断片の全ては、トラフィッキング配列全体と類似しており、トラフィッキング配列自体が上記で開示されたような担体特性を保持しているならば、1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸によって互いに分離されていてよい。

0093

トラフィッキング配列の断片を分離させるこれらのアミノ酸は、例えば、トラフィッキング配列とは異なるアミノ酸配列から選択されていてよい。あるいは、第1のドメインは、1つ以上の成分から構成されるトラフィッキング配列を含んでいてよく、各成分は、それぞれ、第2のドメインのカーゴJNK阻害剤配列を、例えば、特定の細胞の区画に輸送する機能を有している。

0094

上記で規定されたトラフィッキング配列は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、またはこれらの組み合わせから構成されていてよい。好ましくは、(本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる)トラフィッキング配列は、少なくとも1または2個、好ましくは少なくとも3、4または5個、より好ましくは少なくとも6、7、8、または9個、およびさらにより好ましくは少なくとも10個またはそれ以上の、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸を含んでいてよい。ここで、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸は、JNKトラフィッキング配列内に、ブロック状、非ブロック状、または、これらが交互になった状態で配置されていてよい。

0095

他の一実施形態によれば、本明細書において使用されるキメラペプチドのトラフィッキング配列は、L−アミノ酸のみから構成されていてよい。より好ましくは、本明細書において使用されるキメラペプチドのトラフィッキング配列は、上述の、少なくとも1つの「ネイティブ」トラフィッキング配列を含むか、またはこれから構成されている。これに関して、「ネイティブ」という用語は、全体的にL−アミノ酸から構成された変換されていないトラフィッキング配列を指す。

0096

他の一実施形態によれば、本明細書において使用されるキメラペプチドのトラフィッキング配列は、D−アミノ酸のみから構成されていてよい。より好ましくは、本明細書において使用されるキメラペプチドのトラフィッキング配列は、上記で示された配列のDレトロ−インベルソペプチドを含んでいてよい。

0097

本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメインのトラフィッキング配列は、自然発生的な源から得られるか、または、遺伝子工学技術または化学合成法(例えば、Sambrook, J., Fritsch, E. F., Maniatis, T. (1989) Molecular cloning A laboratory manual. 2nd edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.を参照)を用いて生成可能である。

0098

第1のドメインのトラフィッキング配列には、例えば、天然蛋白質、例えばTAT蛋白質(例えば米国特許第5,804,604号および第5,674,980号に記載されている。これらの文献を、引用することによって本願に援用する)、VP22(WO第97/05265号;Elliott and O'Hare, Cell 88 223-233 (1997) に記載されている)、非−ウイルス蛋白質(Jackson et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 10691-10695 (1992))を含むソースを用いてもよい。

0099

トラフィッキング配列は、アンテナディア(例えば、アンテナぺディア担体配列)に由来するか、または基本ペプチド(例えば、5〜15個の長さのアミノ酸、好ましくは10〜12個の長さのアミノ酸を有すると共に、少なくとも80%、より好ましくは、85%、またはさらに90%の基本アミノ酸に由来する。

0100

上記基本アミノ酸は、例えばアルギニンリジン、および/または、ヒスチジンを含むペプチドである)。さらに、トラフィッキング配列として用いられる1つの天然蛋白質の改変体、改変体、断片、および誘導体を以下に開示する。改変体、断片、および誘導体に関しては、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列について記載した規定を参照されたい。これに応じて、改変体、断片、および誘導体は、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列について上記したように規定される。特に、トラフィッキング配列では、改変体または断片または誘導体は、上記で規定されたトラフィッキング配列として用いられる1つの天然蛋白質と、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%、またはさらに99%の配列同一性を共有する配列として規定され得る。

0101

本明細書において使用されるキメラペプチドの好ましい一実施形態では、第1のドメインのトラフィッキング配列は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1TAT蛋白質に由来する配列、特に、TAT蛋白質を構成する86アミノ酸のうちの幾つかまたは全てを含むか、またはこれから構成されている。

0102

(本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる)トラフィッキング配列では、TAT蛋白質の機能的に有効な断片を形成する、すなわち、細胞内への侵入および取り込みを媒介する領域を含むTATペプチドを形成する、全長TAT蛋白質の部分配列が用いられ得る。このような配列がTAT蛋白質の機能的に効果的な断片であるかどうかについては、公知の技術(例えば、Franked et al., Proc. Natl. Acad. Sci, USA 86 7397-7401 (1989)を参照)を用いて決定可能である。

0103

従って、本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメインにおけるトラフィッキング配列は、TAT蛋白質配列の機能的に有効な断片または一部に由来していてよい。この機能的に有効な断片または一部は、86個よりも少ないアミノ酸を含み、細胞内への取り込み、および任意により、細胞核内への取り込みを示す。より好ましくは、担体として用いられ、キメラペプチドを、細胞膜を横切って浸透させることを媒介する、TATの部分配列(断片)は、全長TATの基本領域(アミノ酸48〜57個、または49〜57個)を含むように意図されている。

0104

より好ましい一実施形態によれば、(本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる)トラフィッキング配列は、TAT残基48〜57または49〜57、および最も好ましくはジェネリックTAT配列NH2−Xnb−RKKRRQRRR−Xnb−COOH(L−ジェネリック−TAT(s))[配列番号7]、および/または、XXXXRKKRRQ RRRXXXX(L−ジェネリック−TAT)[配列番号21]を含むアミノ酸配列を含むか、またはこれから構成されていてよい。

0105

ここで、XまたはXnbは、上記で規定された通りである。さらに、配列番号8の残基「Xnb」の数は、示されている数に制限されず、上述のように変動し得る。あるいは、本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれるトラフィッキング配列は、アミノ酸配列NH2−GRKKRRQRRR−COOH(L−TAT)[配列番号5]を含むペプチドを含むか、またはこれから構成され得る。

0106

他のより好ましい一実施形態によれば、(本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる)トラフィッキング配列は、上記に示された配列のDレトロ−インベルソペプチドを含むことが可能であり、すなわち、配列NH2−Xnb−RRRQRRKKR−Xnb−COOH(D−ジェネリック−TAT(s))[配列番号8]、および/または、XXXXRRRQRRKKRXXXX(D−ジェネリック−TAT)[配列番号22]を有するジェネリックTAT配列のDレトロ−インベルソ配列を含むことが可能である。ここでも、Xnbは上記で規定された通りである(好ましくはDアミノ酸を示す)。さらに、配列番号8内の残基「Xnb」の数は、示されている数に制限されず、上述のように変動し得る。最も好ましくは、本明細書において使用されるトラフィッキング配列は、Dレトロ−インベルソ配列NH2−RRRQRRKKRG−COOH(D−TAT)[配列番号6]を含んでいてよい。

0107

他の一実施形態によれば、本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれるトラフィッキング配列は、上記で規定されたトラフィッキング配列の改変体を含むか、またはこれから構成されていてよい。「トラフィッキング配列の改変体」は、好ましくは、上記で規定されたトラフィッキング配列に由来する配列であり、ここで改変体は、上記で規定されたトラフィッキング配列内に存在する少なくとも1つのアミノ酸の修飾を含む。修飾の例には、付加、(断片を導く)(内部)削除、および/または、置換が含まれる。このような修飾は、アミノ酸の、典型的には1〜20個、好ましくは1〜10個、およびより好ましくは1〜5個の、置換、付加、および/または、削除を含む。さらに、改変体は、好ましくは、上記で規定されたトラフィッキング配列、より好ましくは配列番号5〜8、または21〜22のいずれかと、少なくとも約30%、50%、70%、80%、90%、95%、98%、またはさらに99%の配列相同性を示す。

0108

好ましくは、本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれる、このようなトラフィッキング配列の修飾は、安定性が増大された、または、低減されたトラフィッキング配列を導く。あるいは、トラフィッキング配列の改変体は、本明細書において使用されるキメラペプチドの細胞内の局在化を調節するように設計されていてよい。

0109

外因的に付加される場合、上記で規定されたこのような改変体は、典型的には、トラフィッキング配列の細胞の中に侵入すむという性能が保持されるように(すなわち、トラフィッキング配列の改変体の細胞内への取り込みは、トラフィッキング配列として用いられるネイティブ蛋白質の取り込みとほぼ類似するように)設計されている。

0110

例えば、核局在化にとって重要であると考えられていた基本領域の変換(例えば、Dangand Lee, J. Biol. Chem. 264 18019-18023 (1989); Hauber et al., J. Virol. 63 1181-1187 (1989) ; et al., J. Virol. 63 1-8 (1989)を参照)は、結果的に、トラフィッキング配列の、従って本明細書において使用されるキメラペプチドの成分としてのJNK阻害剤配列の、細胞質位置または部分的な細胞質位置を生じさせ得る。これに加えて、例えばコレステロールまたは他の脂質成分をトラフィッキング配列に連結させて、膜可溶性が高いトラフィッキング配列を生成することによって、さらなる修飾を改変体内に導入することも可能である。

0111

本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメイン内に含まれるトラフィッキング配列の、上記に開示した改変体のいずれかは、典型的には当業者に公知の技術を用いて生成可能である(例えば、Sambrook, J., Fritsch, E. F., Maniatis, T. (1989) Molecular cloning A laboratory manual. 2nd edition. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.を参照)。

0112

第2のドメインとして、本明細書において使用されるキメラペプチドは、典型的には、上記で規定されたJNK阻害剤配列のいずれかから選択されたJNK阻害剤配列(これらのJNK阻害剤配列の改変体、断片、および/または、誘導体を含む)を含む。

0113

両方のドメイン、すなわち、本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメインおよび第2のドメインは、機能ユニットを形成するように連結され得る。第1のドメインと第2のドメインとを連結する、当該技術分野において公知の任意の方法を用いてもよい。

0114

一実施形態によれば、本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメインおよび第2のドメインは、共有結合によって連結されていることが好ましい。本明細書において規定される共有結合は、例えば、上記で規定されたキメラペプチドを、融合蛋白質として発現することによって得られるペプチド結合であってよい。ここに記載される融合蛋白質は、以下に説明する標準的な組み換えDNA技術と同様の方法、または該技術から容易に適合可能な方法で、形成および使用可能である。しかしながら、両方のドメインは、側鎖を介して連結されていてもよいし、または、化学的リンカー成分によって連結されていてもよい。

0115

本明細書において使用されるキメラペプチドの第1のドメインおよび/または第2のドメインは、該キメラペプチド内の1つ以上のコピーにおいて生じ得る。両方のドメインが単一のコピーで存在するならば、第1のドメインは、第2のドメインのN−末端またはC−末端のいずれかに連結されていてよい。多数のコピーで存在するならば、第1のドメインおよび第2のドメインは、可能な任意の順番に配置されていてよい。

0116

例えば、第1のドメインは、本明細書において使用されるキメラペプチド内に、多数のコピーの数で、例えば、2、3、またはそれ以上のコピーで、存在していてよい、これらのコピーは、連続する数で配置されていることが好ましい。その後、第2のドメインは、第1のドメインを含む配列のN−末端またはC末端において生じる単一のコピーで存在していてよい。

0117

あるいは、第2のドメインが、多数のコピーの数で、例えば、2、3、またはそれ以上のコピーで存在しており、第1のドメインが、単一のコピーで存在していてもよい。これらの両方の選択肢によれば、第1のドメインおよび第2のドメインは、連続した配置における任意の位置をとることが可能である。

0118

典型的な構成を以下に示す。例えば、第1のドメイン‐第1のドメイン‐第1のドメイン‐第2のドメイン、第1のドメイン‐第1のドメイン‐第2のドメイン‐第1のドメイン、第1のドメイン‐第2のドメイン‐第1のドメイン‐第1のドメイン、または、例えば、第2のドメイン‐第1のドメイン‐第1のドメイン‐第1のドメイン。これらの例は説明のためであって、本発明の範囲がこれらの例に限定されるものではないことを、当業者は明確に理解できよう。従って、コピーおよび構成の数は、当初に規定したものとは変化し得る。

0119

好ましくは、第1のドメインおよび第2のドメインは、何らかのリンカー無しに互いに直接連結されていてもよい。あるいは、これらは、1〜10、好ましくは1〜5のアミノ酸を含むリンカー配列を介して互いに連結されていてもよい。リンカー配列を形成するアミノ酸は、アミノ酸残基としてのグリシンまたはプロリンから選択されていることが好ましい。より好ましくは、第1のドメインおよび第2のドメインは、第1のドメインと第2のドメインとの間の2つ、3つ、またはそれ以上のプロリン残基のヒンジによって互いに分離されていてよい。

0120

本明細書において使用される、上記で規定された少なくとも1つの第1のドメインおよび少なくとも1つの第2のドメインを含むキメラペプチドは、L−アミノ酸、D−アミノ酸、またはこれら両方の組み合わせから構成されていてよい。ここでは、各ドメイン(および用いられるリンカー)は、L−アミノ酸、D−アミノ酸、またはこれら両方の組み合わせ(例えば、D−TATとL−IB1との組み合わせ、または、L−TATとD−IB1との組み合わせなど)から構成されていてよい。

0121

好ましくは、本明細書において使用されるキメラペプチドは、少なくとも1または2個、好ましくは少なくとも3、4、または5個、より好ましくは少なくとも6、7、8、または9個、およびさらにより好ましくは少なくとも10個またはそれ以上の、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸を含んでいてよい。ここで、D−アミノ酸および/またはL−アミノ酸は、本明細書において使用されるキメラペプチド内に、ブロック状、非ブロック状、またはこれらの形状が交互になった状態で配置されていてよい。

0122

具体的な一実施形態によれば、本明細書において使用されるキメラペプチドは、ジェネリックL−TAT−IBペプチドNH2−Xnb−RKKRRQRRR−Xnb−Xna−RPTTLXLXXXXXXXQD−Xnb−COOH(L−TAT−IB(ジェネリック)(s))[配列番号10]に記載のL−アミノ酸キメラペプチドを含むか、またはこれから構成されており、ここで、X、Xna、およびXnbは、好ましくは、上記で規定された通りである。

0123

より好ましくは、本明細書において使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸キメラペプチドNH2−GRKKRRQRRRPPRPKRPTTLNLFPQVPRSQD−COOH(L−TAT−IB1(s))[配列番号9]を含むか、またはこれから構成される。選択的または追加的に、本明細書において使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸キメラペプチド配列GRKKRRQRRRPPDTYRPKRPTTLNLFPQVP RSQDT(L−TAT−IB1)[配列番号23]、または、XXXXXXXRKK RRQRRRXXXX XXXXRPTTLX LXXXXXXXQD S/TX(L−TAT−IBジェネリック)[配列番号24]を含むか、またはこれから構成されており、ここでも、Xは、好ましくは上記で規定された通りである。

0124

あるいは、本明細書において使用されるキメラペプチドは、L−アミノ酸キメラペプチド配列RKKRRQRRRPPRPKRPTTLNLFPQVPRSQD(L−TAT−IB1(s1))[配列番号27]、GRKKRRQRRRXncRPKRPTTLNLFPQVPRSQD(L−TAT−IB1(s2))[配列番号28]、または、RKKRRQRRRXncRPKRPTTLNLFPQVPRSQD(L−TAT−IB1(s3))[配列番号29]を含むか、またはこれから構成される。

0125

これに関して、各Xは、典型的には、上記で規定されたアミノ酸残基を示し、より好ましくは、Xncは、ペプチド残基の連続したストレッチを示し(各Xは、互いに無関係に、グリシンまたはプロリンから選択されている)、例えば、単調なグリシンストレッチ、または単調なプロリンストレッチを示す。ここで、n(Xncの繰り返しの数)は、典型的には、0〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜30、またはそれ以上、好ましくは0〜5または5〜10である。Xncは、Dアミノ酸またはLアミノ酸を示す。

0126

他の具体的な一実施形態によれば、本明細書において使用されるキメラペプチドは、上記で開示されたL−アミノ酸キメラペプチドのD−アミノ酸キメラペプチドを含むか、またはこれから構成される。本発明に記載の典型的なDレトロ−インベルソキメラペプチドは、例えば、ジェネリックD−TAT−IBペプチドNH2−Xnb−DQXXXXXXXLXLTTPR−Xna−Xnb−RRRQRRKKR−Xnb−COOH(D−TAT−IB(ジェネリック)(s))[配列番号12]である。ここで、X、Xna、およびXnbは、好ましくは、上記で規定された通りである(好ましくは、Dアミノ酸を示す)。

0127

より好ましくは、本明細書において使用されるキメラペプチドは、TAT−IB1ペプチドNH2−DQSRPVQPFLNLTTPRKPRPPRRRQRRKKRG−COOH(D−TAT−IB1(s))[配列番号11]に記載のD−アミノ酸キメラペプチドを含むか、またはこれから構成される。選択的または追加的に、本明細書において使用されるキメラペプチドは、D−アミノ酸キメラペプチド配列TDQSRPVQPFLNLTTPRKPRYTDPPRRRQRRKKRG(D−TAT−IB1)[配列番号25]、または、XT/SDQXXXXXXXLXLTTPRXXXXXXXXRRRQRRKKRXXXXXXX(D−TAT−IBジェネリック)[配列番号26]を含むか、またはこれから構成されるか(ここでも、Xは、好ましくは、上記で規定された通りである)、または、本明細書において使用されるキメラペプチドは、D−アミノ酸キメラペプチド配列DQSRPVQPFLNLTTPRKPRPPRRRQRRKKR(D−TAT−IB1(s1))[配列番号30]、DQSRPVQPFLNLTTPRKPRXncRRRQRRKKRG(D−TAT−IB1(s2))[配列番号31]、または、DQSRPVQPFLNLTTPRKPRXncRRRQRRKKR(D−TAT−IB1(s3))[配列番号32]を含むか、またはこれから構成される。Xncは、上記で規定された通りであってよい。

0128

上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインおよび第2のドメインは、当該技術において公知の好適な方法で行われる化学的または生化学的結合によって、互いに連結され得る。この化学的または生化学的結合の例には、第1のドメインと第2のドメインとの間にペプチド結合を形成すること、例えば第1のドメインおよび第2のドメインを、融合蛋白質として発現すること、または、例えば上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋させることが挙げられる。

0129

上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを化学的に架橋させるために適した公知の多くの方法は、非特異的であり、すなわち、これらの方法は、結合点を、輸送ポリペプチドまたはカーゴ高分子上の任意の特定の部位に方向付けない。結果として、非特異的な架橋剤は、機能的部位に作用する、または、活性部位立体的遮断して、複合蛋白質を生物学的に不活性にする。したがって、第1のドメインと第2のドメインとをさらに特異的に結合することが可能な、このような架橋法を用いることが好ましい。

0130

これに関して、結合特異性を増大させる1つの方法は、架橋される第1のドメインおよび第2のドメインのいずれかまたは両方に、1回または数回だけ存在する官能基に、直接化学的に結合させることである。例えば、チオール基を含有する唯一の蛋白質アミノ酸であるシステインは、多くの蛋白質において数回だけ生じる。

0131

また、例えば、ポリペプチドが、リジン残基を含まない場合、第一級アミンに特異的な架橋剤は、このポリペプチドのアミノ末端にとって選択的であろう。結合特異性を増大させるためにこの方法の使用を成功させるには、ポリペプチドが、分子の生物活性を損なうことなく変更させることが可能な分子の領域において、好適な程度の稀な且つ反応性残基を有していることが求められる。

0132

システイン残基は、システイン残基が架橋反応に関与すると生物活性を妨げる傾向があるポリペプチド配列の一部に生じた場合には、置き換えてもよい。システイン残基を置き換える場合、典型的には、ポリペプチドの折り畳みに結果として生じる変化を最小化することが望ましい。

0133

ポリペプチドの折り畳みにおける変化は、この置き換えがシステインに化学的且つ立体的に類似している場合に、最小化される。こういった理由のため、システインの代替としては、セリンが好ましい。以下の実施例において示すように、システイン残基を、架橋のために、ポリペプチドのアミノ酸配列の中に導入する。システイン残基の導入には、アミノ末端若しくはカルボキシ末端における導入、または、アミノ末端若しくはカルボキシ末端の近傍への導入が好ましい。従来の方法は、このようなアミノ酸配列修飾の場合に利用可能であり、ここで、対象となるポリペプチドは、組換えDNA化学合成または発現によって、生成される。

0134

本明細書において使用される、上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとの結合は、カップリング剤または接合剤によって行うことも可能である。利用可能な分子間架橋剤が幾つか存在する(例えば、Means and Feeney,CHAMICAL MODIFICATION OF PROTEINS, Holden-Day, 1974, pp. 39-43を参照)。これらの分子間架橋剤には、例えば、N−サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオプロピオン酸塩(SPDP)またはN,N’−(1,3−フェニレンビスマレイミド(これらは両方ともスルフヒドリル基に特異的であり、不可逆リンケージを形成する)や、N,N’−エチレンビス−(ヨードアセトアミド)または他の、6〜11の(スルフヒドリル基に比較的特異的である)炭素メチレンブリッジを有する架橋剤、および、(アミノ基およびチロシン基を有する不可逆リンケージを形成する)1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンが挙げられる。

0135

このために利用可能な他の架橋剤には、アミノ基およびフェノール基を有する不可逆性クロスリンケージを形成するp,p’−ジフルオロ−m,m’−ジニトロジフェニルスルホン)、(アミノ基に特異的な)アジイミド酸ジメチル、(主にアミノ基と反応する)フェノール−1,4ジスルホニル塩素ヘキサメチレンジイソシアン酸塩、若しくはジイソチオシアン酸塩、または、(主にアミノ基と反応する)アゾフェニル−p−ジイソシアン酸塩、(幾つかの種々な側鎖と反応する)グルタルアルデヒド、および(チロシンおよびヒスチジンと主に反応する)ジスジアゾベンジジン(disdiazobenzidine)が含まれる。

0136

上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋させるために用いられる架橋剤は、ホモ二機能性であってよく、すなわち、同じ反応をする2つの官能基を有している。好ましいホモ二機能性架橋剤は、ビスマレイミドヘキサン(「BMH」)である。BMHは、マイルドな条件(pH6.5〜7.7)下でスルフヒドリル含有化合物と特異的に反応する2つのマレイミド官能基を含有する。これらの2つのマレイミド基は、炭化水素鎖によって接続されている。従って、BMHは、システイン残基を含むポリペプチドを不可逆架橋させるために有効である。

0137

上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋させるために用いられる架橋剤はまた、ヘテロ二機能性であってもよい。ヘテロ二機能性架橋剤は、2つの異なる官能基、例えば、アミン反応基およびチオール−反応基を有している。これらの官能基は、遊離アミンを有する蛋白質と、チオールを有する蛋白質とを架橋させる。

0138

ヘテロ二機能性架橋剤の例には、サクシニミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(「SMCC」)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシニミドエステル(「MBS」)、および、MBSに類似した拡大された鎖であるスクシニミド4−(p−マレイミドフェニル)酪酸塩(「SMPB」)が挙げられる。これらのクロスリンカーのサクシニミジル基は、第一級アミンと反応し、チオール−反応マレイミドは、システイン残基のチオールとの共有結合を形成する。

0139

上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋させるために好適な架橋剤は、水溶性が低い場合が多い。従って、その水溶性を改善するために、スルフォン酸塩基といった親水性の成分が架橋剤に添加される。これに関して、水溶性を改善するために改変された架橋剤の例は、スルフォン基−MBSおよびスルフォン基−SMCCであり、これらを、本発明に従って用いてもよい。

0140

同様に、多くの架橋剤は、基本的には、細胞条件下では開裂不可能な接合を実現する。しかし、上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを架橋させることに特に適した幾つかの架橋剤は、細胞状態下で開裂させることが可能な、ジスルフィ供与体どの共有結合を含む。例えば、トラウト試薬(Traut's reagent)、ジチオビス(サクシニミジルプロピオン酸塩)(「DSP」)、および、N−サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸塩(「SPDP」)が、公知の開裂可能なクロスリンカーである。開裂可能な架橋剤の使用は、カーゴ成分標的細胞内に運搬した後に、輸送ポリペプチドから分離させることを可能にする。直接的なジスルフィドリンケージも利用可能である。

0141

上記で説明した架橋剤を含む多くの架橋剤が、市販されている。これらの使用のための詳細な取扱説明書は、これらの業者から容易に入手可能である。蛋白質架橋および接合調製に関して一般的に参照されるのは、「Wong, CHEMISTRY OF PROTEIN CONJUGATION AND CROSSLINKING,CRCPress (1991)」である。

0142

上記で規定されたキメラペプチドの第1のドメインと第2のドメインとを化学的に架橋させることは、スペーサーアームの使用を含む。スペーサーアームは、分子内たわみ性を提供するか、または、接合された成分間の分子内距離を調節し、これによって、生物活性を保持することを促進し得る。スペーサーアームは、スペーサーアミノ酸、例えば、プロリンを含むポリペプチド成分の形をしていて良い。あるいは、スペーサーアームが、例えば「長鎖SPDP」内の、架橋剤の一部であってよい(Pierce Chem. Co., Rockford,IL., cat. No. 21651 H)。

0143

さらに、上記で開示された1つのキメラペプチドの改変体、断片、または誘導体をここで、用いてもよい。断片および改変体に関しては、一般に、JNK阻害剤配列に関して記載した規定が参照される。

0144

特に、本発明の意味するところでは、「キメラペプチドの改変体」とは、好ましくは、配列番号9〜12および23〜32に記載の配列のいずれかに由来する配列である。ここで、キメラ改変体は、本明細書において使用される、配列番号9〜12および23〜32に記載のキメラペプチドのアミノ酸変換を含む。このような変換は、典型的には、配列番号9〜12および23〜32に記載のアミノ酸の、1〜20個、好ましくは1〜10個、およびより好ましくは1〜5個の置換、付加、および/または、(断片を導く)削除を含む。

0145

ここで、本明細書において使用される、変換されたキメラペプチドは、配列番号9〜12および23〜32に記載の配列と、少なくとも約30%、50%、70%、80%、または95%、98%、またはさらに99%の配列同一性を示す。好ましくは、これらの改変体は、本明細書において使用されるキメラペプチドに含まれる第1のドメインおよび第2のドメインの生物活性を保持する。

0146

すなわち、上記で開示された第1のドメインのトラフィッキング活性と、第2のドメインの、JNKを結合するため、および/または、少なくとも1つのJNK活性化された転写因子の活性化を阻害するための活性とを保持する。

0147

従って、本明細書において使用されるキメラペプチドはまた、上記で開示されたキメラペプチドの断片、特に、配列番号9〜12および23〜32のいずれかに記載のキメラペプチド配列の断片を含む。従って、本発明の意味するところにおいて、「キメラペプチドの断片」とは、好ましくは、配列番号9〜12および23〜32に記載の配列のいずれかに由来する配列である。ここで、断片は、配列番号9〜12および23〜32のいずれかの少なくとも4つの連続したアミノ酸を含む。この断片は、好ましくは、これらの配列のいずれかからのエピトープを特異的に認識することを十分に可能にすると共に、当該配列を細胞、核、またはさらなる所望の位置の中まで十分に輸送する程度の長さを含む。

0148

さらにより好ましくは、断片は、配列番号9〜12および23〜32のいずれかの、4〜18個、4〜15個、または最も好ましくは4〜10個の連続したアミノ酸を含む。本明細書において使用されるキメラペプチドの断片はさらに、配列番号99〜12および23〜32のいずれかに記載の任意の配列と、少なくとも約30%、50%、70%、80%、または95%、98%、またはさらに99%の配列同一性を共有する配列と規定され得る。

0149

最終的に、本明細書において使用されるキメラペプチドはまた、上記で開示されたキメラペプチドの誘導体、特に、配列番号9〜12および23〜32のいずれかに記載のキメラペプチド配列の誘導体を含む。

0150

本発明はさらに、上記で規定されたJNK阻害剤配列、上記で規定されたキメラペプチド、またはそれらの断片、改変体、若しくは誘導体をコードする核酸配列の、被験体における、上記に規定されたJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するための使用に関する。

0151

本明細書において使用されるJNK阻害剤配列をコードする好ましい好適な核酸は、典型的には、ヒトIB1核酸(GenBankアクセッション番号(AF074091)、ラットIB1核酸(GenBankアクセッション番号AF108959)、若しくはヒトIB2(GenBankアクセッション番号AF218778)から、または、上記で規定された配列のうちのいずれかをコードする任意の核酸配列、すなわち、配列番号1〜26に記載の任意の配列から、選択される。

0152

本明細書において使用されるJNK阻害剤配列をコードする核酸、または本明細書において使用されるキメラペプチドをコードする核酸は、当該技術分野において公知の任意の方法によって(例えば、配列の3’−末端および5’−末端にハイブリダイゼーション可能な合成プライマーを用いたPCR増幅によって、および/または、所定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチド配列を用いて、cDNAまたはゲノムライブラリーからクローン作成することによって)、得られる。

0153

さらに、本明細書には、ストリンジェントな条件において、上記で規定された(ネイティブ)JNK阻害剤配列またはキメラペプチドのための適切な鎖コーディングハイブリダイズする核酸配列も開示される。好ましくは、このような核酸配列は、特異的なハイブリダイゼーションを十分に可能にする長さを有する、少なくとも6つの(連続した)核酸を含む。より好ましくは、このような核酸配列は、6〜38、さらにより好ましくは6〜30、および最も好ましくは6〜20または6〜10の(連続した)核酸を含む。

0154

「ストリンジェントな条件」とは、配列に依存しており、異なる環境では異なることになる。該して、ストリンジェントな条件は、所定のイオン強度およびpHにおける、特異的配列の熱融点(TM)よりも約5℃低く選択されていてよい。TMは、標的配列の50%が、完全に適合する試料にハイブリダイズする温度(所定のイオン強度およびpH下)である。典型的には、ストリンジェントな条件は、塩の濃度がpH7において少なくとも約0.02モルであり、温度が少なくとも約60℃である条件である。他の因子が、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー(特に、塩基組成、および相補鎖のサイズを含む)、有機溶媒の存在、および塩基不適合の範囲に影響を与え得るので、任意のパラメータ絶対測定値よりも、パラメータの組み合わせがより重要である。

0155

「高ストリンジェンシー条件」とは、次のステップを含んでいてよい。例えば、ステップ1では、DNAを含むフィルターを、6×SSC、50mMのトリス−HCl(pH7.5)、1mMのEDTA、0.02%のPVP、0.02%のフィコール、0.02%のBSA、および500μg/mlの変性されたサケ精子DNAから構成される緩衝剤中で、65℃で8時間から一晩にわたって前処理する。ステップ2では、上述の事前ハイブリダイゼーション混合物に、100mg/mlの変性されたサケの精子DNAおよび5〜20×106cpmの32P−標識プローブを加えたものにおいて、フィルターを65℃で48時間ハイブリダイズする。

0156

ステップ3では、2×SSC、0.01%のPVP、0.01%のフィコール、および0.01%のBSAを含む溶液において、フィルターを37℃で1時間洗浄する。この後、0.1×SSCにおける洗浄を、50℃で45分間行う。ステップ4では、フィルターを、オートラジオグラフィー曝す。高ストリンジェンシーの、使用可能な他の条件は、当該技術分野において公知である(例えば、Ausubel et al., (eds.), 1993, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, NY; and Kriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, a Laboratory Manual, Stockton Press, NYを参照)。

0157

「中程度のストリンジェンシー条件」とは、次のステップを含んでいてよい。ステップ1では、DNAを含むフィルターを、6×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%のSDS、および100mg/mlの変性されたサケ精子DNAを含む溶液中で、55℃で6時間前処理する。ステップ2では、同じ溶液に、5〜20×106cpm32P−標識プローブを加えたものにおいて、フィルターを55℃で18〜20時間ハイブリダイズする。

0158

ステップ3では、2×SSC、0.1%のSDSを含む溶液において、フィルターを37℃で1時間洗浄し、その後、1×SSCおよび0.1%のSDSを含む溶液において60℃で30分間洗浄することを、2回行う。ステップ4では、フィルターをドライブロッティングして、オートラジオグラフィーに曝す。中程度のストリンジェンシーの、使用可能な他の条件は、当該技術分野において公知である(例えば、「Ausubel et al., (eds.), 1993, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, NY; and Kriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, a Laboratory Manual, Stockton Press, NY」を参照)。

0159

最後に、「低ストリンジェンシー条件」には、次のステップを含むことが可能である。ステップ1では、DNAを含むフィルターを、35%のホルムアミド、5×SSC、50mMのトリス−HCl(pH7.5)、5mMのEDTA、0.1%のPVP、0.1%のフィコール、1%のBSA、および500μg/mlの変性されたサケ精子DNAを含む溶液において、40℃で6時間前処理する。ステップ2では、同じ溶液に、0.02%のPVP、0.02%のフィコール、0.2%のBSA、100μg/mlのサケ精子DNA、10%(wt/vol)の硫酸デキストラン、および5〜20×106cpm32P−標識プローブを加えたものにおいて、フィルターを40℃で18〜20時間ハイブリダイズする。

0160

ステップ3では、フィルターを、2×SSC、25mMのトリス−HCl(pH7.4)、5mMのEDTA、および0.1%のSDSを含む溶液において、55℃で1.5時間洗浄する。この洗浄溶液を、新鮮な溶液と置き換え、60℃においてさらに1.5時間培養する。ステップ4では、フィルターをドライブロッティングして、オートラジオグラフィーに曝す。必要に応じて、フィルターを65〜68℃で3回洗浄して、フィルムに再び曝す。低ストリンジェンシーの、使用可能な他の条件は、当該技術分野において公知である(例えば、異種間ハイブリダイゼーションに用いられるような条件)。例えば「Ausubel et al., (eds.), 1993, CURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley andSons, NY; and Kriegler, 1990, Gene Transfer and Expression, A LABORATORYMANUAL, Stockton Press, NY」を参照されたい。

0161

上記で規定された本発明に係る核酸配列を用いて、ペプチドを発現させることが可能である。すなわち、上記で規定された本発明に係る核酸配列を用いて、分析、特徴づけ、または治療上の使用のために本明細書において使用されるJNK阻害剤配列または本明細書において使用されるキメラペプチドを、(本明細書において使用される)対応するペプチドが(組織分化若しくは発生の構成的または特別な段階、または疾患状態において)好ましくは発現される組織用のマーカーとして発現させることが可能である。これらの核酸の他の使用には、例えば、核酸のゲル電気泳動ベースの分析における分子量マーカーとしての使用が含まれる。

0162

本発明のさらなる一実施形態によれば、上記で規定された、1つ以上のJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチドの組み換え型に発現させるという上述の目的のために、発現ベクターを用いてもよい。「発現ベクター」という用語は、本明細書では、二本鎖または一本鎖である、環状または線形のDNAまたはRNAを示すために用いられる。発現ベクターはさらに、宿主細胞または単細胞または多細胞宿主生物内に移転される、上記で規定された少なくとも1つの核酸を含む。本明細書において使用される発現ベクターは、好ましくは、本明細書において使用されるJNK阻害剤配列またはその断片若しくは改変体、あるいは、本明細書において使用されるキメラペプチド、または、その断片若しくは改変体をコードする、上記で規定された核酸を含む。

0163

さらに、本発明に係る発現ベクターは、好ましくは、種々な調整要素を含む、発現を支援するための適切な要素を有している。これらの種々な調整要素の例には、ウイルス源、細菌源、植物源哺乳類の源、および、宿主細胞内に挿入されたポリヌクレオチドの発現を始動する他の真核細胞の源からのエンハンサープロモーターが挙げられる。これらの要素の例には、インスレータ、境界素子(boundary elements)、LCR(例えば、Blackwood and Kadonaga (1998), Science 281, 61-63によって記載されている)、または、マトリクススカフォード結合領域(例えば、Li, Harju and Peterson, (1999), TrendsGenet. 15, 403-408によって記載されている)などが挙げられる。

0164

幾つかの実施形態では、調整要素は、異種要素である(すなわち、ネイティブ遺伝子プロモーターではない)。あるいは、遺伝子および/または該遺伝子に挟まれた領域のネイティブプロモーターによって、必要な転写信号および翻訳信号が、供給されてもよい。

0165

「プロモーター」という用語は、本明細書における使用では、DNAの領域であって、上記で規定された1つ以上の核酸配列の転写を制御するように機能すると共に、DNA−依存性のRNA−ポリメラーゼの結合部位の存在、および、プロモーターの機能を調整するために相互作用する他のDNA配列の存在によって、構造的に特定される領域を指す。機能的な発現を促進するプロモーターの断片は、プロモーターとしての活性を保持する、短縮された、または、省略されたプロモーター配列である。プロモーター活性は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ(例えば、Wood, de Wet, Dewji, and DeLuca, (1984), Biochem Biophys. Res. Commun. 124, 592-596; Seliger and McElroy, (1960), Arch. Biochem. Biophys. 88, 136-141)、または市販のPromega(登録商標)によって測定可能である)。

0166

ここに規定された発現ベクターにおいて使用される「エンハンサー領域」とは、典型的には、1つ以上の遺伝子の転写を増加させるように機能する、DNAの領域を指す。より詳細に言うと、「エンハンサー」という用語は、本明細書における使用では、遺伝子の発現を、その位置および方向に無関係に、発現される遺伝子に対して、促進、増大、改善、または、向上させるDNA調整要素であり、1つ以上のプロモーターの発現を促進、増大、改善、または、向上させることであり得る。

0167

ここに規定される発現ベクターにおいて使用されるプロモーター/エンハンサー配列は、植物、動物昆虫、または、菌類の調整配列を利用していてよい。例えば、酵母および他の菌類(例えば、GAL4プロモーター、アルコール脱水素酵素プロモーター、ホスホグリセロールキナーゼプロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター)からの、プロモーター/エンハンサー要素を用いてもよい。選択的または追加的に、これらは、動物の転写調節領域を含んでいてよい。

0168

動物の転写調節領域の例には、(i)膵臓ベータ細胞の内部において活性のインスリン遺伝子制御領域(例えば、Hanahan, et al., 1985. Nature 315 115-122を参照)、(ii)リンパ球様細胞の内部において活性の免疫グロブリン遺伝子制御領域(例えば、Grosschedl, et al., 1984,細胞38 647-658を参照)、(iii)肝臓の内部において活性のア
ルブミン遺伝子制御領域(例えば、Pinckert, et al., 1987. Genes and Dev 1 268-276
を参照)、(iv)脳希突起膠細胞の内部において活性のミエリン塩基性蛋白質遺伝子制御領域(例えば、Readhead, et al., 1987, Cell 48 703-712を参照)、および、(v)視床下部の内部において活性の性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(例えば、Mason, et al., 1986, Science 234 1372-1378を参照)が挙げられる。

0169

さらに、本明細書において規定される発現ベクターは、増幅マーカーを含んでいてよい。この増幅マーカーは、例えば、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、多剤耐性遺伝子(MDR)、オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)、およびN−(ホスホンアセチル)−L−アスパラギン酸塩耐性CAD)から成る群から選択され得る。

0170

本発明に適した典型的な発現ベクターまたはその誘導体には、特に、例えば、ヒトまたは動物のウイルス(例えば、ワクシニアウイルスまたはアデノウイルス)、昆虫ウイルス(例えばバキュロウイルス)、酵母ベクターバクテリオファージベクター(例えば、ラムダファージ)、プラスミドベクター、およびコスミドベクターが含まれる。

0171

本発明はさらに、上記で規定された核酸の配列をコーディングするペプチドを発現することが可能な、種々な宿主ベクター系を利用してよい。これらの宿主ベクター系には、(i)ワクシニアウイルス、アデノウイルスなどに感染した哺乳類細胞系、(ii)バキュロウイルスなどに感染した昆虫細胞系、(iii)酵母ベクターを含有する酵母、または(iv)バクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNAで形質転換されたバクテリアが含まれるが、これらに限定されない。利用される宿主ベクター系に応じて、多数の好適な転写要素および翻訳要素のうちの任意の1つを用いてよい。

0172

このような宿主ベクター系に適した宿主細胞株であって、対象となる挿入された配列の発現を調節する宿主細胞株、または、該配列が特定の所望の方法でコードした、発現されたペプチドを変更若しくは処理する宿主細胞株が、選択されることが好ましい。さらに、特定のプロモーターからの発現は、選択された宿主株において、特定の誘発因子の存在下で強化され、従って、遺伝子工学により生産されたペプチドの発現の制御を促進することが可能である。

0173

さらに、種々な宿主細胞は、発現されたペプチドの翻訳処理およびポスト翻訳処理、並びに修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化など)の特性および特別のメカニズムを有している。従って、外来ペプチドの所望の修飾および処理を確実に行うために、適切な細胞株または宿主系が選択され得る。例えば、バクテリア系内のペプチド発現を用いて、グリコシル化されていないコアペプチドを生成することが可能である。その一方で、哺乳類細胞の内部における発現は、異種のペプチドの「ネイティブ」グリコシル化を確実に行う。

0174

本発明は、さらに、上述のJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチドに対する抗体を、本明細書において規定されるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を治療するための薬剤組成物を調製するために使用することを提供する。さらに、本発明に係るJNK阻害剤配列に特異的、またはこのような阻害剤配列を含むキメラペプチドに特異的な抗体を生成するために有効な手段が記載され、この目的のために用いられる。

0175

本発明によれば、本明細書において規定された、JNK阻害剤配列および/またはキメラペプチド、並びに、その断片、改変体、または誘導体を、これらのペプチド成分免疫特異的に結合させる抗体を生成するイムノゲンとして利用してもよい。このような抗体には、例えば、ポリクローナルモノクローナル、キメラ、一本鎖、Fab断片、およびFab発現ライブラリーが含まれる。具体的な一実施形態では、本発明は、上記で規定された、キメラペプチドまたはJNK阻害剤配列に対する抗体を提供する。これらの抗体の製造には、当該技術分野で公知の種々な方法を用いてよい。

0176

一例として、上記で規定されたキメラペプチドまたはJNK阻害剤配列を注射することによって、種々な宿主動物に、ポリクローナル抗体を生成するための免疫性を与えることが可能である。この際に、免疫応答を向上させるために、種々な補佐剤を用いることが可能である。

0177

補佐剤には、フロインドアジュバント(完全および不完全)、鉱物ゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、表面活性剤(例えば、リゾレシチンプルロニックポリオールポリアニオン、ペプチド、油乳濁液ジニトロフェノールなど)、CpG、ポリマー、プルロニック、および、ヒト補佐剤(例えばカルメットゲラン菌およびコリネバクテリウムパルヴム)が含まれるが、これらに限定されない。

0178

上記で規定されたメラペプチドまたはJNK阻害剤配列に対するモノクローナル抗体の調製には、連続細胞株培養によって抗体分子の生成を提供する、任意の技術を利用してよい。このような技術には、ハイブリドーマ技術(Kohler and Milstein, 1975. Nature 256 495-497を参照)、トリオーマ技術、ヒトB−細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor, et al., 1983, Immunol Today 4 72を参照)、および、ヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBVハイブリドーマ技術(Cole, et al., 1985. In Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照)が含まれるが、これらに限定されない。

0179

ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実施において利用可能であり、ヒトハイブリドーマの使用によって(Cote, et al., 1983. Proc Natl Acad Sci USA 80 2026-2030を参照)、または、ヒトB−細胞をエプスタイン-バーウイルスによってインビトロで形質転換することによって(Cole, et al.,1985. In Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy (Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照))生成可能である。

0180

本発明によれば、本明細書において規定されたJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチドに特異的な一本鎖抗体を生成するための技術を採用してもよい(例えば、米国特許第4,946,778号を参照)。さらに、Fab発現ライブラリーを構成するための方法(例えば、Huse et al., 1989. Science 246 1275-1281を参照)を採用して、これらのJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチドにとって所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速且つ効率のよい識別を可能にすることもできる。

0181

非−ヒト抗体を当該技術分野において公知の技術によって、「ヒト化」してもよい(例えば、米国特許第5,225,539号を参照)。本明細書において規定されるJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチドに対してイディオタイプを含有する抗体断片を、当該技術分野において公知の技術によって生成してもよい。

0182

この抗体断片の例には、(i)抗体分子をペプシン消化することによって生成されるF(ab’)2断片、(ii)F(ab’)2断片のジスルフィドブリッジを減少させることによって生成されるFab断片、(iii)抗体分子をパパインおよび還元剤で処理することによって生成されるFab断片、および、(iv)Fv断片が挙げられる。

0183

本発明の一実施形態では、抗体をスクリーニングするために用いられる方法であって、所望の特異性を有する方法には、酵素免疫測定吸着法(ELISA)、および他の、当該技術分野において公知の免疫媒介性技術が含まれるが、これらに限定されない。

0184

具体的な一実施形態では、本明細書において規定されるJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチド(例えば、典型的には5〜20個、好ましくは8〜18個、および最も好ましくは8〜11個のアミノ酸の長さを含むその断片)の特定のエピトープに対して特異的な抗体の選択は、このようなエピトープを有する、本明細書において規定されるJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチドの断片に結合させるハイブリドーマの生成によって促進される。上記で規定されたエピトープに特異的なこれらの抗体も、本明細書において提供される。

0185

ここで規定される抗体を、JNK阻害剤配列(および/または、これに対応して、上記で規定されたキメラペプチド)の局在化および/または数量化に関する当該技術分野で公知の方法において、用いてもよい。これは、例えば、適切な生理学的試料内のペプチドの量を測定するため、診断方法における使用のため、または、ペプチドを造影するための使用のためである。

0186

本発明に従って規定される、JNK阻害剤配列、キメラペプチド、核酸、ベクター、宿主細胞、および/または、抗体は、本明細書において規定される疾患のうちのいずれかの予防または治療のため、特に、本明細書において規定されるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害の予防または治療のために適用され得る薬剤組成物に製剤可能である。

0187

典型的には、このような本発明に従って用いられる薬剤組成物は、次の有効成分を1つ含む。すなわち、(i)任意の1つ以上の、上記で規定されたJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチド、および/または、その改変体、断片、若しくは誘導体、特に、配列番号1〜4および13〜20および33〜100の配列のうちのいずれかに記載のJNK阻害剤配列、および/または、配列番号9〜12および23〜32の配列のいずれかに記載のキメラペプチド、および/または、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100の配列のいずれかに記載のJNK阻害剤配列であって、配列番号5〜8および21〜22のいずれかに記載のトラフィッキング配列、または上記の規定の範囲内のその改変体若しくは断片を含むJNK阻害剤配列、および/または、(ii)上記で規定されたJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチド、および/または、その改変体若しくは断片をコードする核酸、および/または、(iii)上記で規定された、JNK阻害剤配列および/またはキメラペプチド、および/または、その改変体、断片、若しくは誘導体を任意で1つ以上含む細胞、および/または、(iv)上記で規定されたJNK阻害剤配列および/またはキメラペプチド、および/または、その改変体若しくは断片をコードする、ベクター、および/または、核酸でトランスフェクトされた細胞、を含む。

0188

好ましい一実施形態によれば、このような、本発明に従って使用される薬剤組成物は、典型的には、安全且つ有効な量の、上記で規定された成分を含む。この成分は、好ましくは、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100の配列のいずれかに記載の少なくとも1つのJNK阻害剤配列、および/または、配列番号9〜12および23〜32の配列のいずれかに記載の少なくとも1つのキメラペプチド、および/または、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100の配列のいずれかに記載の少なくとも1つのJNK阻害剤配列であって、配列番号5〜8および21〜22のいずれかに記載のトラフィッキング配列、または上記の規定の範囲内のその改変体若しくは断片を含むJNK阻害剤配列、または、これをコードする少なくとも1つの核酸、または、上記で規定された、少なくとも1つのベクター、宿主細胞、若しくは抗体の成分である。

0189

本発明の発明者は、本明細書においてそれぞれ規定されるJNK−阻害剤配列およびキメラペプチドが、本発明の疾患に関連する細胞内への特に良好な取り込み率を示すことを、さらに発見した。従って、被験体に投与される薬剤組成物内の、各JNK−阻害剤配列およびキメラペプチドの量は、非常に低い投与量である(これに限定されない)。このため、投与量は、当該技術分野において公知のペプチド薬剤、例えばDTS−108(Florence Meyer-Losic et al., Clin Cancer Res., 2008, 2145-53)よりも大幅に低い。これは、例えば、潜在的な副作用の低減、および、費用の低減といった、幾つかの有利な面を有している。

0190

好ましくは、この投与量(kg体重当たり)は、10mmol/kg未満、好ましくは1mmol/kg未満、より好ましくは100μmol/kg未満、さらにより好ましくは10μmol/kg未満、さらにより好ましくは1μmol/kg未満、さらにより好ましくは100nmol/kg未満、最も好ましくは50nmol/kg未満の範囲内である。

0191

従って、この投与量の範囲は、好ましくは、約1pmol/kg〜約1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.1mmol/kg、約10pmol/kg〜約0.01mmol/kg、約50pmol/kg〜約1μmol/kg、約100pmol/kg〜約500nmol/kg、約200pmol/kg〜約300nmol/kg、約300pmol/kg〜約100nmol/kg、約500pmol/kg〜約50nmol/kg、約750pmol/kg〜約30nmol/kg、約250pmol/kg〜約5nmol/kg、約1nmol/kg〜約10nmol/kg、またはこれらの値のうちの任意の2つの値の組み合わせであってよい。

0192

これに関して、上述の薬剤組成物を用いる場合の、治療の処方、例えば投薬量の決定などは、典型的には、一般開業医や他の医師責任の範囲内にあり、典型的には、治療される疾患、個々の患者の状態、送達の部位、投与方法、および、開業医に公知の他の要因が考慮される。上述の技術および説明は、例えば、「REMINGTON'SPHARMACEUTICAL SCIENCES, 16th edition, Osol, A. (ed), 1980」に見出すことが可能である。

0193

従って、本発明に従って使用される、上記で規定された薬剤組成物の成分の「安全且つ有効な量」とは、これらの各または全ての成分の、本明細書において規定されるJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害の良好な緩和を誘発するのに十分な量を意味する。しかし、同時に、「安全且つ有効な量」は、深刻な副作用を回避するために十分に少ない量であり、すなわち、利点と危険との間の実用的な関係を許可する量である。

0194

これらの限度の決定は、典型的には、実用的な医学的判断の範囲内にある。このような成分の「安全且つ有効な量」は、治療される特定の病状、治療される患者の年齢および健康状態、病状の重篤度、治療の期間、用いられる特定の薬学的に許容され得る担体に伴う治療法性質、および、担当する医師の知識および経験の範囲内である類似の要因に関連して変動する。本発明に係る薬剤組成物は、本発明に従って、ヒト医学目的およびまた獣医目的に用いることが可能である。

0195

本発明に従って用いられる薬剤組成物は、さらに、これらの成分のうちの1つに加えて、(適合性の)薬学的に許容され得る担体、賦形剤、緩衝剤、安定剤、または、当業者に公知の他の材料を含む。

0196

これに関して、「(適合性の)薬学的に許容され得る担体」という表現は、好ましくは、液体または非液体ベース組成物を含む。「適合性の」という用語は、本明細書において使用される薬剤組成物の構成物質が、上記で規定された薬学的に有効な成分、および他の成分と混合されることが可能であり、この際に、通常の使用条件下で薬学的有効性を実質的に低減する相互作用が生じないことを意味している。薬学的に許容され得る担体は、治療されるヒトへの投与に適したようにするには、当然ながら、純度が十分に高く、且つ、毒性が十分に低くなければならない。

0197

本明細書において使用される薬剤組成物が、液体の形で提供されるならば、薬学的に許容され得る担体は典型的には、1つ以上の(適合性の)薬学的に許容され得る液体担体を含む。この組成物は、(適合性の)薬学的に許容され得る液体担体として、例えば、パイロジェンフリー水等張食塩水または緩衝化(水)溶液(例えばリン酸塩クエン酸塩など、緩衝化溶液、植物油(例えば、ラッカセイ油綿実油胡麻油、オリーブ油トウモロコシ油、およびシオブローマからの油))、ポリオール(例えば、ポリプロピレングリコールグリセロールソルビトールマンニトール、およびポリエチレングリコール)、アルギン酸などを含んでいてよい。特に、本明細書において使用される薬剤組成物を注射する場合、緩衝剤、好ましくは水性緩衝液を用いてもよい。

0198

本明細書において使用される薬剤組成物が固形に提供されるならば、薬学的に許容され得る担体は、典型的には、1つ以上の(適合性の)薬学的に許容され得る固形の担体を含む。この組成物は、(適合性の)薬学的に許容され得る固形の担体として、例えば、1つ以上の適合性の固形を含んでもよいし、または、液体の充填剤若しくは希釈剤若しくはカプセルに包まれた化合物を用いてもよい。このカプセルに包まれた化合物は、ヒトへの投与に適している。

0199

このような(適合性の)薬学的に許容され得る固形の担体の幾つかの例は、例えば、糖質(例えば、ラクトースグルコース、およびサッカロース)、でんぷん(例えば、コーンスターチまたはジャガイモでんぷん)、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムエチルセルロース酢酸セルロース)、粉状のトラガカントモルトゼラチン獣脂固体滑沢剤(glidant)(例えば、ステアリン酸ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウムなどが挙げられる。

0200

(適合性の)薬学的に許容され得る担体または他の材料の正確な特性は、投与経路に依存している。従って、(適合性の)薬学的に許容され得る担体の選択は、原則的に、本発明に従って用いられる薬剤組成物が投与される方法によって決定される。本発明に従って用いられる薬剤組成物は、例えば、全身的に投与され得る。投与経路には、例えば、(例えば注射を介した)非経口経路(例えば静脈内経路、筋肉内経路、皮下経路、皮内経路、または、経皮経路など)、経腸経路(例えば、経口または直腸経路など)、局所用経路(例えば経鼻、または鼻腔内経路など)、または他の経路(例えば表皮経路、またはパッチ送達)が含まれる。

0201

用いられる薬剤組成物の好適な量を、動物モデルを用いた一般的な実験によって決定することが可能である。このようなモデルには、うさぎ、ひつじ、マウス、ラット、イヌ、および非ヒト霊長類モデルが含まれるが、これらに限定されることを意図するものではない。

0202

注射のための好ましい単位投与量の形態は、殺菌水溶液、生理食塩水、またはこれらの混合物が含まれる。このような溶液のpHは、約7.4に調節されている必要がある。注射のための好適な担体には、ヒドロゲル、制御された放出または遅延された放出のための装置、ポリ乳酸、およびコラーゲンマトリクスが含まれる。

0203

局所的に適用するために好適な薬学的に許容され得る担体には、ローションクリーム、ゲルなどにおける使用に適した担体が含まれる。化合物が、経口的に投与されるならば、錠剤、カプセルなどが、好ましい単位剤形である。経口投与に使用可能な、単位投剤形の調製のための薬学的に許容され得る担体は、従来技術において公知である。この担体の選択は、味、費用、および貯蔵性などの二次的な検討条件によって決定される。この選択は、本発明の目的には重要ではなく、当業者が容易に選択することが可能である。

0204

経口投与用の薬剤組成物は、錠剤、カプセル、粉末、または液体状であってよい。錠剤は、上記で規定された固形の担体、例えばゼラチン、および、任意により補佐剤を含んでいてよい。経口投与用の液状薬剤組成物は、一般的には、上記で規定された液体担体、例えば水、石油、および、動物油若しくは植物油、鉱物油、または、合成油を含んでいてよい。生理食塩水溶液デキストロース若しくは他の糖類溶液、またはグリコール(例えば、エチレングリコールプロピレングリコール、またはポリエチレングリコール)が含まれていてもよい。

0205

静脈内、皮膚若しくは皮下注射、または、苦痛を有する部位への注射の場合、有効成分は、非経口的に受容可能な水溶液の形をしており、この水溶液は、パイロジェンフリーであると共に、好適なpH、等張性、および安定度を有している。当業者は、好適な溶液を、例えば、等張性ビヒクル(例えば生食注射、リンガー液乳酸加リンガー液)を用いて、調製可能である。

0206

必要に応じて、保存剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤、および/または、他の添加物が含まれていてもよい。個体に供給されるものが、ポリペプチド、ペプチドであろうと、本発明に係る薬学的に有効な他の化合物である核酸分子であろうと、投与は、好ましくは「予防的に有効な量」、または、「治療的に有効な量」(場合によっては)である。この量は、個体に対する有効性を示すために十分な量である。投与される実際の量、および、投与の速度および時間的経過は、治療されるものの性質および重篤度によって決定される。

0207

本明細書において規定される疾患の予防および/または治療には、典型的には、上記で規定された薬剤組成物の投与が含まれる。「調節」という用語は、上述の疾患のいずれかが過剰に発現した時に、JNKの発現を抑制することを含む。「調節」という用語はまた、例えば、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100の配列のいずれかに記載の少なくとも1つのJNK阻害剤配列、および/または、配列番号9〜12および23〜32の配列のいずれかに記載の少なくとも1つのキメラペプチド、および/または、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100のいずれかの配列に記載の少なくとも1つのJNK阻害剤配列であって、配列番号5〜8および21〜22のいずれかに記載のトラフィッキング配列、または上記の規定に範囲内におけるその改変体若しくは断片を含むJNK阻害剤配列を、自然なc−jun、ATF2、およびNFAT4結合部位の競合阻害剤として細胞内で用いることによって、上述の疾患のいずれかにおいて、c−jun、ATF2、またはNFAT4のリン酸化を抑制することを含む。

0208

「調節」という用語は、また、c−jun、ATF2、またはNFAT4、およびそれらの関連するパートナーから構成される(これらに限定されない)転写因子のヘテロ−複合体およびホモ−複合体の抑制を含む。関連するパートナーの例には、c−jun、AFT2、およびc−fosから構成されるAP−1複合体が挙げられる。

0209

上記で規定されたJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害が、JNK過剰発現と関連付けられる場合、このような抑制力のあるJNK阻害剤配列を、細胞内に導入することが可能である。この場合、「調節」は、例えば、IBペプチド特異的抗体の使用により、IB−ペプチドがJNKに結合することを阻止して、これによって、IB−関連ペプチドによるJNK阻害を回避することによって、JNK発現を増加させることを含む。

0210

被験体を、上記で開示された薬剤組成物で予防および/または治療することは、典型的には、一定の(「治療的に有効な」)量の上記薬剤組成物を被験体に投与する(インビボ)ことによって実現され得る。ここで、被験体とは、例えば任意の、哺乳類、例えば、ヒト、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコウシウマ、またはであってよい。「治療的に有効な」という用語は、上記で規定されたJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を十分に改善する、薬剤組成物の有効成分の量を指す。

0211

従って、上記で規定されたような任意のペプチド、例えば、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100のいずれかの配列に記載の少なくとも1つのJNK阻害剤配列、および/または、配列番号9〜12および23〜32のいずれかの配列に記載の少なくとも1つのキメラペプチド、および/または、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100のいずれかの配列に記載の少なくとも1つのJNK阻害剤配列であって、配列番号5〜8および21〜22に記載のトラフィッキング配列、または上述の規定の範囲内のその改変体若しくは断片を含むJNK阻害剤配列を、本発明の具体的な一実施形態において用いて、上記で規定されたJNKシグナル伝達に強く関連する疾患または障害を、例えば、活性化されたJNKシグナル経路を調節することにより、治療することが可能である。

0212

しかしながら、上記で規定されたペプチドは、また、核酸によってコードされていてよく、その後、例えば遺伝子療法における使用のために、本発明に係る薬剤組成物の一部を形成することが可能である。ここで、遺伝子療法とは、上記で規定された特異的な核酸を、例えば上記で規定された薬剤組成物を用いて、被験体に投与することによって行われる療法を指す。ここで、核酸は、L−アミノ酸だけを含む。本発明の本実施形態では、核酸は、コードされたペプチドを生成し、該コードされたペプチドは、その後、疾患または障害を調節する機能によって、治療効果を発揮するように機能する。本発明の実施においては、当該技術分野において利用可能な遺伝子療法に関する任意の方法(例えば、Goldspiel, et al., 1993. Clin Pharm 12 488-505を参照)を用いてよい。

0213

好ましい一実施形態では、遺伝子療法に用いられる、上記で規定された核酸は、好適な宿主内の、上記で規定された任意の1つ以上のIB−関連ペプチドをコードすると共に発現する発現ベクターの一部である。上記で規定された任意の1つ以上のIB−関連ペプチドとは、すなわち、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100のいずれかの配列に記載のJNK阻害剤配列、および/または、配列番号9〜12および23〜32のいずれかの配列に記載のキメラペプチド、および/または、配列番号1〜4、および13〜20、および33〜100のいずれかの配列に記載のJNK阻害剤配列であって、配列番号5〜8および21〜22のいずれかに記載のトラフィッキング配列、または上述の規定の範囲内のその改変体若しくは断片を含むJNK阻害剤配列である。具体的な一実施形態では、このような発現ベクターは、JNK阻害剤配列のコーディング領域に動作可能に連結されたプロモーターを有している。このプロモーターは、上述のように、例えば、誘導的または構成的、および、任意により組織特異的であると規定され得る。

0214

具体的な一実施形態では、上記で規定されたような核酸分子が、遺伝子療法に用いられる。ここでは、上記で規定された核酸分子のコーディング配列(およびその、任意の他の所望の配列)が、ゲノム内の所望の部位において相同組み換えを促進し、これらの核酸の染色体内発現を提供する領域によって挟まれている(例えば、Koller and Smithies, 1989. Proc Natl Acad Sci USA 86 8932-8935を参照)。

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