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技術 中質印刷用紙及びその製造方法

出願人 北越コーポレーション株式会社
発明者 田村篤萬谷修坂牧克之
出願日 2012年12月3日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2012-264278
公開日 2014年6月12日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2014-109081
状態 特許登録済
技術分野 紙(4)
主要キーワード クランピング圧力 階級分け 曲げ剛さ 接触エリア MA値 エアリーク ワイヤー式 ポリアクリルアミド系紙力増強剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

本発明の目的は、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙を供給することである。

解決手段

パルプを主成分とする中質印刷用紙において、前記パルプの40〜100質量%をフリーネス80〜400ccである針葉樹機械パルプとし、嵩高剤を含み、ポリビニルアルコールが用紙の少なくとも一方の面に片面あたり固形分換算で0.08〜1.5g/m2塗布され、透気抵抗度が10秒以上であり、かつ密度を0.40〜0.50g/cm3とする。

概要

背景

昨今、紙製品に求められる重要な品質の一つとして嵩高性が挙げられる。近年の環境保護気運の高まりにともない、森林資源から製造される製紙用パルプをできるだけ有効に活用することが重要になっている。そこで、紙の厚さを維持しつつ軽量化した紙製品がユーザーから求められている。

従来、紙の比容を高くする方法の一つとして、嵩高のパルプの使用がある。製紙用パルプとしては、一般に木材パルプ汎用されるが、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、又はサーモメカニカルパルプ等のような機械パルプの方が繊維は剛直であり、紙の低密度化には効果的であることが知られている。しかし、広葉樹原料とした場合、比容が所望するレベルまで上がらず、また針葉樹を原料とした場合比容は向上するものの平滑度が低下しやすく印刷時のインキ着肉性が劣る問題があった。

機械パルプのうち針葉樹サーモメカニカルパルプは、比較的繊維長が長く、また剛度が高いことから、これをパルプ原料として抄造した紙は地合が悪くなったり、平滑度が低下したり、オフセット印刷時のイン着肉が不良になるという問題があった。そして、針葉樹のサーモメカニカルパルプを原料として抄造した紙は、剛度が高いことから、オフセット印刷時の作業性の1つである折り適性が低下したり、印刷・製本した書籍のめくりやすさが不良となる問題があり、印刷用紙の曲げ剛さを低下させる、いわゆる柔軟性の向上が課題となっていた。また機械パルプを高配合すると紙表面の強度が低下し、印刷時に紙剥けやブランケット紙粉などが堆積するパイリングが発生し支障をきたす。

広葉樹機械パルプと嵩高剤を使用した原紙に澱粉を塗布してなる嵩高中質印刷用紙の提案がある(特許文献1参照)。前述の如く広葉樹を原料とした機械パルプでは比容が上がらず、また単純で澱粉を塗布しただけでは耐刷力は上がらず、塗布する方法の違いにより全く効果が出ない場合も有る。また、嵩高剤はその成分より比容を上げるだけでなく副作用も大きく異なるため、特に原紙に薬剤塗布を施す場合はその使用を限定する必要がある。

紙の高比容化の手法として嵩高剤の使用によることも知られている。公知の嵩高剤として、例えば、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤(特許文献2参照)、非イオン性界面活性剤(特許文献3参照)、多価アルコール脂肪酸エステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献4参照)が知られており、これらの紙用嵩高剤を板紙に応用した技術も開示されている(特許文献5参照)。このうち非界面活性剤系の嵩高剤として、特定構造カチオン性化合物アミン、アミンの酸塩及び両性化合物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含有する紙用嵩高剤が開示されている(特許文献6参照)。また、脂肪酸ポリアミドポリアミン型の嵩高剤もある。

概要

本発明の目的は、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙を供給することである。パルプを主成分とする中質印刷用紙において、前記パルプの40〜100質量%をフリーネス80〜400ccである針葉樹機械パルプとし、嵩高剤を含み、ポリビニルアルコールが用紙の少なくとも一方の面に片面あたり固形分換算で0.08〜1.5g/m2塗布され、透気抵抗度が10秒以上であり、かつ密度を0.40〜0.50g/cm3とする。なし

目的

本発明の課題は、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

パルプを主成分とする中質印刷用紙であって、前記パルプの40〜100質量%がフリーネス80〜400ccである針葉樹機械パルプであり、嵩高剤を含んでおり、ポリビニルアルコールが用紙の少なくとも一方の面に片面あたり固形分換算で0.08〜1.05g/m2塗布されており、透気抵抗度が10秒以上であり、かつ密度が0.40〜0.50g/cm3であることを特徴とする中質印刷用紙。

請求項2

前記嵩高剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又は非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の中質印刷用紙。

請求項3

全パルプの絶乾重量に対する嵩高剤の添加率が、固形分で0.2〜1.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中質印刷用紙。

請求項4

前記ポリビニルアルコールを転写塗工機を用いて塗布することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の中質印刷用紙の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

昨今、紙製品に求められる重要な品質の一つとして嵩高性が挙げられる。近年の環境保護気運の高まりにともない、森林資源から製造される製紙用パルプをできるだけ有効に活用することが重要になっている。そこで、紙の厚さを維持しつつ軽量化した紙製品がユーザーから求められている。

0003

従来、紙の比容を高くする方法の一つとして、嵩高のパルプの使用がある。製紙用パルプとしては、一般に木材パルプ汎用されるが、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、又はサーモメカニカルパルプ等のような機械パルプの方が繊維は剛直であり、紙の低密度化には効果的であることが知られている。しかし、広葉樹原料とした場合、比容が所望するレベルまで上がらず、また針葉樹を原料とした場合比容は向上するものの平滑度が低下しやすく印刷時のインキ着肉性が劣る問題があった。

0004

機械パルプのうち針葉樹サーモメカニカルパルプは、比較的繊維長が長く、また剛度が高いことから、これをパルプ原料として抄造した紙は地合が悪くなったり、平滑度が低下したり、オフセット印刷時のイン着肉が不良になるという問題があった。そして、針葉樹のサーモメカニカルパルプを原料として抄造した紙は、剛度が高いことから、オフセット印刷時の作業性の1つである折り適性が低下したり、印刷・製本した書籍のめくりやすさが不良となる問題があり、印刷用紙の曲げ剛さを低下させる、いわゆる柔軟性の向上が課題となっていた。また機械パルプを高配合すると紙表面の強度が低下し、印刷時に紙剥けやブランケット紙粉などが堆積するパイリングが発生し支障をきたす。

0005

広葉樹機械パルプと嵩高剤を使用した原紙に澱粉を塗布してなる嵩高中質印刷用紙の提案がある(特許文献1参照)。前述の如く広葉樹を原料とした機械パルプでは比容が上がらず、また単純で澱粉を塗布しただけでは耐刷力は上がらず、塗布する方法の違いにより全く効果が出ない場合も有る。また、嵩高剤はその成分より比容を上げるだけでなく副作用も大きく異なるため、特に原紙に薬剤塗布を施す場合はその使用を限定する必要がある。

0006

紙の高比容化の手法として嵩高剤の使用によることも知られている。公知の嵩高剤として、例えば、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤(特許文献2参照)、非イオン性界面活性剤(特許文献3参照)、多価アルコール脂肪酸エステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献4参照)が知られており、これらの紙用嵩高剤を板紙に応用した技術も開示されている(特許文献5参照)。このうち非界面活性剤系の嵩高剤として、特定構造カチオン性化合物アミン、アミンの酸塩及び両性化合物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含有する紙用嵩高剤が開示されている(特許文献6参照)。また、脂肪酸ポリアミドポリアミン型の嵩高剤もある。

先行技術

0007

特開2005−163253公報
国際公開98/03730公報
特開平11−200283公報
特開平11−350380公報
特開2000−282398公報
特開平11−269799公報

発明が解決しようとする課題

0008

これら公知の嵩高剤の使用による比容の向上を試みても限界があり、更なる高比容化が要望されている。このような背景から、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙の開発が要望されていた。

0009

本発明の課題は、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、前記課題について鋭意研究を行った結果、特定範囲叩解した針葉樹機械パルプと嵩高剤を配合した紙料を抄紙して得られる原紙の表面にポリビニルアルコールを所定量塗工することで、比容が高く、耐刷力が高く、インキ着肉性に優れた中質印刷用紙を完成するに至った。すなわちフリーネス100〜400ccに叩解処理をした針葉樹機械パルプを全パルプに対して50〜100質量%配合し、かつ嵩高剤を必須成分としてなる紙料を抄紙して得られる原紙の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール(以下、「PVA」と記載することがある)を片面当たり0.1〜1.0g/m2塗工した用紙において、透気抵抗度が10秒以上、かつ密度が0.40〜0.50g/cm3であることを特徴とする。

0011

本発明では、嵩高剤がポリオキシアルキレンアルキルエーテル又は非イオン性界面活性剤とすることが好ましい。

0012

また、全パルプの絶乾重量に対する嵩高剤の添加率が、固形分で0.2〜1.0質量%であることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明の中質印刷用紙は、比容が高く、耐刷力が高く、印刷濃度が高い特徴を有する。

0014

本発明で使用する針葉樹機械パルプとしては、公知のグランドパルプ、リファイナーグランドウッドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ漂白ケミサーモメカニカルパルプ等がある。

0015

本発明で使用する針葉樹機械パルプは叩解によりフリーネスを80〜400ccとし配合する。後述する透気抵抗度を制御しやすい観点から、100cc〜400cc、例えば、80〜300ccとすることが好ましい。さらに好ましくは100cc〜200cc、120cc〜200ccである。80cc未満では繊維自体細かくなりすぎ、所望する比容に到達しない。400ccを超えると地合が悪くなり印刷の際、透気抵抗度が低下し結果として印刷濃度も低下する。

0016

本発明においては、前述したフリーネスの範囲の針葉樹機械パルプを、全パルプに対して40〜100質量%配合して原紙を抄造する。好ましくは50〜100質量%、さらに70〜100質量%である。更に好ましくは85〜100質量%である。針葉樹機械パルプの配合率を高くするほど用紙の諸強度を維持しながら比容の高い用紙を得られやすくなる。全パルプに対する針葉樹機械パルプの配合率が50質量%未満では所望する比容に到達しない。また、印刷適性を考慮した場合、全パルプに対して40〜95質量%配合してもよい。針葉樹機械パルプ以外には広葉樹晒しクラフトパルプ、針葉樹晒しクラフトパルプ等の化学パルプ、広葉樹のグランドパルプ、リファイナーグランドウッドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、漂白ケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、脱インキパルプ等の木材パルプ及びケナフバガスコットン等の非木材パルプを60質量部未満で混合して使用することが可能である。合成繊維も品質に支障が出ない範囲において使用できる。

0017

本発明の中質印刷用紙においては、填料を含有させてもよい。填料としては、従来公知のものを使用することが可能である。填料として炭酸カルシウムタルクカオリン焼成カオリンチタン合成シリカなどが例示でき、単独または併用して用いられる。比容向上のために炭酸カルシウムが好ましく、炭酸カルシウムのなかでも軽質炭酸カルシウムがより好ましい。中質印刷用紙中の填料率は3〜15質量%が好ましく、5〜12質量%が更に好ましい。3質量%未満ではインキ着肉が悪化し、15質量%を超えると所望する比容に達せず、また耐刷力も劣る。比容を向上させやすいことから、全填料中の70質量部以上を軽質炭酸カルシウムとすることが好ましい。

0018

本発明の中質印刷用紙においては、嵩高剤を含有させる。嵩高剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル又は非イオン性界面活性剤が好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては特に高級アルコールが好ましい。非イオン性界面活性剤としては油脂系非イオン性界面活性剤、糖アルコール系非イオン性界面活性剤、糖系非イオン性界面活性剤多価アルコール型非イオン性界面活性剤等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。その他多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、高級脂肪酸ポリオキシアルキレン化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸アミド、脂肪酸アミドのヒドロキシエチル誘導体、脂肪酸ポリアミドアミンエピクロロヒドリン反応物、脂肪酸ポリアミドアミン等の公知の嵩高剤として使用できる。これらの嵩高剤は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又は非イオン性界面活性剤を使用することで、原紙の水吸収性上がり、結果として原紙に塗布するPVAが適度に原紙内に浸透し印刷時の耐刷力を向上させることができる。

0019

本発明で用紙に含有させる嵩高剤の添加率は全パルプの絶乾重量に対し、固形分で0.2〜1.0質量%とすることが好ましい。用紙の比容と耐刷力のバランスを保ちやすいという観点から、0.2〜0.7質量%とすることがより好ましい。0.2質量%未満では所望する比容に達しないおそれがある。1.0固形分質量%を超えると耐刷力をはじめとする用紙強度が低下しやすく、また抄紙工程の汚れが発生し実質的に用紙を製造することが困難となる場合がある。

0020

また、これら嵩高剤は、パルプ繊維への定着性が比較的乏しいため、その定着率を向上させるために、カチオン性物質を混合して紙料中に添加することが好ましい。特にポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び非イオン性界面活性剤は定着性に乏しいためカチオン性物質を混合して紙料中に添加することが望ましい。カチオン性物質としては、カチオン澱粉硫酸バンドカチオン性歩留り剤アルキル級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、等が好ましい。嵩高剤はその種類によってパルプ繊維への定着性が異なり、カチオン性物質を紙料中に混合しない場合のパルプ繊維への定着率は、例えば脂肪酸アミド系の嵩高剤であれば60%程度となることがある。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び非イオン性界面活性剤であれば30%程度となることがある。パルプ繊維への定着性の高い嵩高剤を用いれば用紙の比容を高めやすいということはないが、個々の嵩高剤の定着率を高めることで、パルプに対する嵩高剤の添加量が比較的少量であっても、嵩高効果が得られやすくなる。

0021

本発明の中質印刷用紙においては、パルプ、填料及び嵩高剤以外に、紙力増強剤サイズ剤歩留り向上剤濾水性向上剤、硫酸バンド、湿潤紙力増強剤着色染料着色顔料蛍光増白剤蛍光色剤ピッチコントロール剤など公知の抄紙用材料を、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で適宜使用することが可能である。前記紙力増強剤としては、従来公知の紙力増強剤を使用することが可能であり、澱粉系紙力増強剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤澱粉グラフト重合ポリアクリルアミド系紙力増強剤などが例示できる。

0022

本発明においては、用紙の少なくとも一方の面にPVAを含むサイズ液を塗布、乾燥する。PVAを塗布することで用紙表面の耐刷力を上げるだけでなく、フィルム状に被膜させ、透気抵抗度をあげることで印刷インキが過剰に用紙に入り込まなくなりインキ濃度が上がり、見映えのする印刷上がりとなる。その他にPVAと共に本発明に支障を与えない程度に澱粉、ポリアクリルアマイド系紙力増強剤、表面サイズ剤導電剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤などを配合しても良い。PVAは用紙表面に片面当たり固形分換算で0.08〜1.5g/m2を塗布する。用紙の比容、透気抵抗度及び耐刷力のバランスを保ちやすいという観点から、0.1〜1.0g/m2、さらに0.2〜0.8g/m2、さらに0.4〜0.7g/m2を塗布することが好ましい。0.08g/m2未満では所望する耐刷力とならず、また所望する透気抵抗度とならないため、結果として印刷濃度が低下する。1.5g/m2を超えると用紙重量が増加することで比容が上がらないだけでなく、PVAを高濃度にする必要があり、その結果サイズ液粘度が急激に上昇し実質塗布することが困難となる。ここで使用するPVAは耐刷力とサイズ液の適正な粘度を得るために分子量は800〜4000、例えば1000〜2000であることが好ましく、部分鹸化PVAではなく完全鹸化PVAが好ましい。

0023

本発明においてサイズ液を塗布する方法はゲートロールコーターロッドメタリング方式サイザー等に代表される転写塗工機で塗布することが好ましい。特にポリオキシアルキレンアルキルエーテル又は非イオン性界面活性剤を使用すると、紙の水吸収性が上がるため、ポンド式サイズプレスや紙に直接アプリケートし掻き落とす方式の場合、サイズ液の吸液が過大となりドライヤー乾燥負荷が上がり、結果として大幅に効率を落とし、実質的に生産することが困難となる場合がある。

0024

本発明における抄紙方法は特に限定されるものではなく、長網抄紙機長網多層抄紙機円網抄紙機円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造される。抄紙方式は、酸性抄紙、中性抄紙をどちらでも選択できる。填料として炭酸カルシウムを高配合する場合は、中性抄紙となる。

0025

本発明の中質印刷用紙の透気抵抗度は10秒以上である。前記パルプの叩解によるフリーネスの制御、抄紙機プレス及び、またはカレンダーなどの線圧制御の組み合わせなどにより、透気抵抗度を制御することができる。加えて、嵩高剤の使用、填料の種類と配合量の組み合わせ等も透気抵抗度に影響を与え得る。針葉樹機械パルプのフリーネスは、100cc〜400ccが好ましく、120cc〜300ccがより好ましい。フリーネスが100cc未満の場合は、所望の比容に達しない。400ccを超える場合は、紙層強度が低下して印刷時に問題が発生する恐れがあり、所望する透気抵抗度に達せず、結果として印刷インキの用紙への浸透が大きくなり印刷濃度が低下する。透気抵抗度は10秒以上とするが、好ましくは15秒以上、更に好ましくは20秒以上である。

0026

本発明の中質印刷用紙の密度は0.40〜0.50g/cm3である。0.40g/cm3未満では繊維間空隙が過剰となることで印刷強度が低下し、また所望する透気性も維持できなくなり、結果として印刷濃度が低下する場合がある。0.50g/cm3を超えると用紙自体がかたくなり、ユーザーが要望する軽量化に応えることが出来ない。

0027

本発明の中質印刷用紙の透気性を制御する目的で、抄紙機のプレス、マシンカレンダースーパーカレンダーソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置によって処理することが好ましい。

0028

以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形分質量部及び固形分質量%を示す。なお、得られた中質印刷用紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。

0029

<透気抵抗度>
JIS P 8117:1998に準拠して測定した。

0030

MA値の測定>
インキ着肉性の指標としてMA値も測定し算出した。本発明の中質印刷用紙のMA値は1.0以下であれことができ、インキ着肉性を良好とする観点から好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下である。測定はPST2600(FIBRO system ab社製)を使用し、0.16mm2以上の非接触部の合計面積の、測定部面積に対する比率をMA値(%)として求めた。また、このときのクランピング圧力条件を3.4MPaとし、クランピング時間を0.02秒で行った。

0031

具体的には、設定クランピング圧力及び設定時間にて紙をクランプし、紙の表面をプリズムに押し当てた状態で斜め上方から光を当てた。反射光を上部CCDカメラにて読み取った。市販パーソナルコンピューターに取り付けた専用画像解析基盤専用プログラムによって、測定画像からプリズム表面と紙表面の接触/非接触エリアの算出を行った。非接触エリアは面積に応じて階級分けされるため、着肉不良による画線部の欠け相関するデータが得られる。面積の大きな非接触部が多いと、印刷インキが定着しにくくなり印画部の欠けの原因となりやすい。以上の原理によって、いわゆるエアリーク法による平滑度測定法よりも直接的な表面状態測定を行うことが可能となる。本発明においては、MA値を次の計算式で求めた。
MA値(%)=0.16mm2以上の非接触部の合計面積(mm2)÷測定部面積(mm2)×100
ここで、測定部面積とは、プリズムの押し当て面のうち、光を当てる実際の測定部分の面積である。

0032

坪量
JIS P8124:1998に準拠して測定した。

0033

<厚さ及び密度>
JIS P8118:1998に準拠して測定した。

0034

<フリーネス>
JIS P8121:1995に準拠し、カナダ標準ろ水度試験方法にて測定した。

0035

印刷機として、リョービ社製「リョービ3302M」を使用、墨インキ(ValuesGDIC社製)にて1色印刷を8500枚/時の印刷速度で印刷し、耐刷力及びインキ着肉性を評価した。

0036

<耐刷力>
◎:ブランケットの汚れがほとんど無く、良好。
○:ブランケットの汚れが多少あるが、画線部の白抜けがほとんど無く、良好。
△:ブランケットの汚れが多く、画線部の白抜けが有り、実用上下限レベル。
×:ブランケットの汚れが酷く、画線部の白抜けも多く、実用上不可レベル。

0037

<印刷濃度>
◎:印刷濃度が高く、インキ着肉ムラも無く、良好。
○:印刷濃度が高いが、インキ着肉ムラが僅かにある。問題ないレベル。
△:印刷濃度がやや高く、ややインキ着肉ムラもある。実用下限レベル。
×:印刷濃度が低く、インキ着肉性ムラも大きく実用上不可レベル。

0038

(実施例1)
フリーネス200ccにまで叩解した針葉樹機械パルプ80質量部とフリーネス400ccにまで叩解した広葉樹漂白化学パルプ(LBKP)20質量部としたパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン化澱粉商品名:ネオタック40T/日本食品加工社製)0.7質量部、填料として炭酸カルシウム(商品名:TP121/奥多摩工業社製)7質量部、嵩高剤(商品名:KB85(高級アルコールのポリオキシアルキレンアルキルエーテル)/花王社製)0.5質量部、歩留向上剤(商品名:HHC503/田工業社製)0.01質量部を添加し、紙料を調製した。この紙料をオントップ型ツインワイヤー式抄紙機で抄紙し、ロッドメタリング方式サイザーにて、PVA(商品名:PVA117/クラレ社製)5%、酸化澱粉(商品名:MS3800/日本食品化工社製)10%の表面サイズ液を片面当たりで固形質量1.5g/m2となるように塗布及び乾燥し、マシンカレンダーを用い線圧40kN/mで平坦化処理調整を行い、坪量70g/m2の中質印刷用紙を得た。尚、PVAの片面当たりの塗布量は固形質量分で0.5g/m2であった。

0039

(実施例2)
針葉樹機械パルプのフリーネスを200ccから100ccに変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0040

(実施例3)
針葉樹機械パルプフリーネスのフリーネスを200ccから400ccに変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0041

(実施例4)
針葉樹機械パルプの配合量を80質量部から50質量部に変更し、広葉樹漂白化学パルプの配合量を20質量部から50質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0042

(実施例5)
針葉樹機械パルプの配合量を80質量部から100質量部に変更し、広葉樹漂白化学パルプの配合量を20質量部から0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0043

(実施例6)
用紙表面に塗布する表面サイズ液を、PVA(商品名:PVA117/クラレ社製)1%、酸化澱粉(商品名:MS3800/日本食品化工社製)10%の表面サイズ液に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。PVAの片面当たりの塗布量は固形質量分で0.1g/m2であった。

0044

(実施例7)
用紙表面に塗布する表面サイズ液を、PVA(商品名:PVA117/クラレ社製)10%、酸化澱粉(商品名:MS3800/日本食品化工社製)1%の表面サイズ液に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。PVAの片面当たりの塗布量は固形質量分で1.0g/m2であった。

0045

(実施例8)
用紙表面に塗布する表面サイズ液を、PVA(商品名:PVA117/クラレ社製)5%、酸化澱粉(商品名:MS3800/日本食品化工社製)0%の表面サイズ液に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。PVAの片面当たりの塗布量は固形質量分で0.5g/m2であった。

0046

(実施例9)
サイズ液の塗布方式をロッドメタリング方式サイザーからゲートロールコーターに変更したこと以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0047

(実施例10)
嵩高剤(商品名:KB85(高級アルコールのポリオキシアルキレンアルキルエーテル)/花王社製)の添加率を0.5質量部から0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0048

(実施例11)
嵩高剤(商品名:KB85(高級アルコールのポリオキシアルキレンアルキルエーテル)/花王社製)の添加率を0.5質量部から1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0049

(実施例12)
嵩高剤(商品名:KB85(高級アルコールのポリオキシアルキレンアルキルエーテル)/花王社製)0.5質量部を、嵩高剤(商品名:PT8107(脂肪酸アミド系樹脂)/星光PMC社製)0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0050

(比較例1)
針葉樹機械パルプを未使用とし、広葉樹漂白化学パルプの配合量を20質量部から100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0051

(比較例2)
針葉樹機械パルプ及び広葉樹漂白化学パルプを未使用とし、代わりに広葉樹機械パルプを100質量部配合した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0052

(比較例3)
針葉樹機械パルプのフリーネスを200ccから50ccに変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0053

(比較例4)
針葉樹機械パルプを叩解処理せずに使用した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。この際の針葉樹機械パルプのフリーネスは550ccであった。

0054

(比較例5)
用紙表面に塗布する表面サイズ液を、PVA(商品名:PVA117/クラレ社製)0%、酸化澱粉(商品名:MS3800/日本食品化工社製)10%の表面サイズ液に変更した以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0055

(比較例6)
マシンカレンダーをバイパスし、平坦化処理調整を行わないこと以外は、実施例1と同様にして中質印刷用紙を得た。

0056

0057

実施例1〜12の結果より、針葉樹機械パルプを所定のフリーネス及び配合とし、かつPVAを所定量塗布することで、所望する密度及び透気抵抗度となり、印刷時の耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙を得ることが出来た。

0058

比較例1,2及び3では所望する密度に達しなかった。比較例4は所望する密度になるものの印刷時の耐刷力と印刷濃度が低く、使用できなかった。比較例5では表面サイズ液にPVAを使用しなかったため耐刷力が大きく低下し、使用できなかった。比較例6は平坦化処理しなかったため表面の平滑性が低下し、印刷濃度が低く、着肉ムラも大きく、使用することが出来なかった。

実施例

0059

表1から明らかなように、針葉樹機械パルプを所定のフリーネス及び配合とし、かつPVAを所定量塗布することで、所望する密度及び透気抵抗度となり、印刷時の耐刷力が高く、印刷濃度が高い中質印刷用紙を得ることが出来た。また、本発明の中質印刷用紙は、所望のMA値を有し、インク着肉性も優れていることがわかった。

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