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課題
解決手段
概要
背景
従来、外傷による骨折部位の固定には、金属、セラミック等を素材とする骨固定用具が用いられていた。金属やセラミックスは強度的に優れているものの、生体骨に比べて強度が高すぎるために、長期間埋入すると生体骨を傷つけてしまうことがある。また、非吸収性材料であることから取り出すためには再手術が必要になってしまうという問題があった。
そこで、骨折部位が治癒した後に生体内で分解吸収される生体吸収性樹脂を用いた骨接合材料が開発された。生体内分解吸収性樹脂を用いた場合、金属やセラミックスと比較すると強度的には劣るものの、治癒後に材料を取り出すための再手術の必要がなく、患者に苦痛を与えることもない。また、材料がなくなることから生体骨への影響もない。
このような生体内分解吸収性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、トリメチレンカーボネート、ポリジオキサンなどが知られており、これらは、単独重合体あるいは共重合体として広く応用され、例えば縫合糸、骨固定材などに応用されている。また、これら生体内分解吸収性樹脂は単独重合体よりも、それらを共重合体にし、分子量や組成比などを変えることにより、力学的な物性や生体内での分解性を制御できることも報告されている。
しかしながら、このような素材は金属、セラミック等に比べて引張り、曲げ等の強度、あるいは、弾性率が劣る。これらを改善する手段として、押出し、引張り等の延伸技術を用いて、分子配向、結晶化等によって前記の機能の向上を図る方法がある。
延伸技術の例としては、例えば、特許文献1や2に示されているように、熱可塑性樹脂を加熱下で一軸方向に引張延伸することにより、強度を向上させる方法がある。あるいは、特許文献3では、熱可塑性樹脂を静水圧押出し法により、強度を向上させる方法が示されている。また、特許文献4には、熱可塑性樹脂をプレス成型により、強度を向上させる方法が示されている。
さらに、生体内分解吸収性樹脂の強度を向上させることを目的として、セラミックス粒子を樹脂内に分散させる方法も提案されている。例えば、特許文献1や5には熱可塑性樹脂にハイドロキシアパタイト粒子を分散させることにより、強度を向上させる方法が示されている。
特許文献6には、ポリ−L−乳酸樹脂にポリ乳酸ステレオコンプレックス繊維をブレンドしたコンポジットからなる生体内分解吸収性骨固定材が報告されている。この骨固定材は優れた強度、弾性率を示しており、かつ、ポリ乳酸ステレオコンプレックス繊維はポリ−L−乳酸単体と比べて、融点が約50℃高いことから、溶融混練による加工条件が広く、成形加工性が改善されている。しかしながら、ポリ乳酸ステレオコンプレックス繊維は、高価であるため、使用が難しいこと、また臨床での安全性が保証されていないといった問題がある。
上述の方法以外に樹脂材料の高強度化を図る手法としては、樹脂材料に高分子からなる繊維を添加することによる繊維強化という手法が一般的に広く用いられている。近年、この繊維強化樹脂は、大きな進歩・発展をなし、各種容器、機械部品、建築資材、車輌、船舶、航空機、宇宙ロケットなどに使用され、金属では得られない重要な材料特性、例えば耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量性などを発揮し、今後ますますその利用は増大するものと考えられる。繊維強化樹脂用の強化繊維は、プリプレグやフィラメントワインディング、プルトルージョンなどの連続繊維の形態で使用される場合と、射出成形、長繊維射出成形、射出圧縮成型、押出成型、シートモールディングコンパウンド、バルクモールディングコンパウンド、ランダムマットのスタンピング成形など、強化繊維を所定長に切断して使用するケースに分けられる。後者において、短繊維強化樹脂の機械的特性は、繊維と樹脂との界面接着性に大きく影響を受けることが知られており、界面接着性を向上させることは非常に重要である。
一方で、本願発明の目的である医療材料として利用できる生体内分解吸収性の繊維強化複合材料として、ポリ乳酸樹脂にポリ乳酸繊維を添加した複合材料(非特許文献1)、およびポリグリコール酸樹脂にポリグリコール酸繊維を添加した複合材料(非特許文献2)などが報告されている。溶融混練により、樹脂と繊維を複合化しようとすると、樹脂の融点以上、繊維の融点以下で成形加工する必要があるが、上記の場合、同種の高分子であるため、樹脂と繊維の融点が非常に近く、成形加工がしにくいという問題がある。
繊維強化樹脂における繊維と樹脂の界面接着性を高める方法として、特許文献7には物繊維と樹脂の繊維強化樹脂における、シランカップリング剤を用いた界面接着性の向上が報告されている。
概要
生体内分解吸収性材料の強度を上げるために、延伸工程を行うことなく優れた強度を有する生体内分解吸収性材料を提供する。生体内分解吸収性樹脂と、生体内分解吸収性繊維とを混練してマスターバッチを作製した後に、前記マスターバッチに前記生体内分解吸収性樹脂および生体内分解吸収性繊維に対して化学的に反応出来る官能基を有する反応性添加剤を、さらに加えて混練することによって、生体内分解吸収性材料の強度を向上させることができる。 なし
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
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技術分野
背景技術
0002
従来、外傷による骨折部位の固定には、金属、セラミック等を素材とする骨固定用具が用いられていた。金属やセラミックスは強度的に優れているものの、生体骨に比べて強度が高すぎるために、長期間埋入すると生体骨を傷つけてしまうことがある。また、非吸収性材料であることから取り出すためには再手術が必要になってしまうという問題があった。
0003
そこで、骨折部位が治癒した後に生体内で分解吸収される生体吸収性樹脂を用いた骨接合材料が開発された。生体内分解吸収性樹脂を用いた場合、金属やセラミックスと比較すると強度的には劣るものの、治癒後に材料を取り出すための再手術の必要がなく、患者に苦痛を与えることもない。また、材料がなくなることから生体骨への影響もない。
0004
このような生体内分解吸収性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、トリメチレンカーボネート、ポリジオキサンなどが知られており、これらは、単独重合体あるいは共重合体として広く応用され、例えば縫合糸、骨固定材などに応用されている。また、これら生体内分解吸収性樹脂は単独重合体よりも、それらを共重合体にし、分子量や組成比などを変えることにより、力学的な物性や生体内での分解性を制御できることも報告されている。
0005
しかしながら、このような素材は金属、セラミック等に比べて引張り、曲げ等の強度、あるいは、弾性率が劣る。これらを改善する手段として、押出し、引張り等の延伸技術を用いて、分子配向、結晶化等によって前記の機能の向上を図る方法がある。
0006
延伸技術の例としては、例えば、特許文献1や2に示されているように、熱可塑性樹脂を加熱下で一軸方向に引張延伸することにより、強度を向上させる方法がある。あるいは、特許文献3では、熱可塑性樹脂を静水圧押出し法により、強度を向上させる方法が示されている。また、特許文献4には、熱可塑性樹脂をプレス成型により、強度を向上させる方法が示されている。
0007
さらに、生体内分解吸収性樹脂の強度を向上させることを目的として、セラミックス粒子を樹脂内に分散させる方法も提案されている。例えば、特許文献1や5には熱可塑性樹脂にハイドロキシアパタイト粒子を分散させることにより、強度を向上させる方法が示されている。
0008
特許文献6には、ポリ−L−乳酸樹脂にポリ乳酸ステレオコンプレックス繊維をブレンドしたコンポジットからなる生体内分解吸収性骨固定材が報告されている。この骨固定材は優れた強度、弾性率を示しており、かつ、ポリ乳酸ステレオコンプレックス繊維はポリ−L−乳酸単体と比べて、融点が約50℃高いことから、溶融混練による加工条件が広く、成形加工性が改善されている。しかしながら、ポリ乳酸ステレオコンプレックス繊維は、高価であるため、使用が難しいこと、また臨床での安全性が保証されていないといった問題がある。
0009
上述の方法以外に樹脂材料の高強度化を図る手法としては、樹脂材料に高分子からなる繊維を添加することによる繊維強化という手法が一般的に広く用いられている。近年、この繊維強化樹脂は、大きな進歩・発展をなし、各種容器、機械部品、建築資材、車輌、船舶、航空機、宇宙ロケットなどに使用され、金属では得られない重要な材料特性、例えば耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量性などを発揮し、今後ますますその利用は増大するものと考えられる。繊維強化樹脂用の強化繊維は、プリプレグやフィラメントワインディング、プルトルージョンなどの連続繊維の形態で使用される場合と、射出成形、長繊維射出成形、射出圧縮成型、押出成型、シートモールディングコンパウンド、バルクモールディングコンパウンド、ランダムマットのスタンピング成形など、強化繊維を所定長に切断して使用するケースに分けられる。後者において、短繊維強化樹脂の機械的特性は、繊維と樹脂との界面接着性に大きく影響を受けることが知られており、界面接着性を向上させることは非常に重要である。
0010
一方で、本願発明の目的である医療材料として利用できる生体内分解吸収性の繊維強化複合材料として、ポリ乳酸樹脂にポリ乳酸繊維を添加した複合材料(非特許文献1)、およびポリグリコール酸樹脂にポリグリコール酸繊維を添加した複合材料(非特許文献2)などが報告されている。溶融混練により、樹脂と繊維を複合化しようとすると、樹脂の融点以上、繊維の融点以下で成形加工する必要があるが、上記の場合、同種の高分子であるため、樹脂と繊維の融点が非常に近く、成形加工がしにくいという問題がある。
0011
繊維強化樹脂における繊維と樹脂の界面接着性を高める方法として、特許文献7には物繊維と樹脂の繊維強化樹脂における、シランカップリング剤を用いた界面接着性の向上が報告されている。
先行技術
0012
特許公報平3−63901
特表2004−517758号公報
特許第2619760号公報
特開2000−308680号公報
特開平11−226111号公報
特開2007−313263号公報
特開2011−251455号公報
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Vol.49, p.989-995 (1991)
Clinical Materials, Vol.4, P.307-317 (1989)
発明が解決しようとする課題
0013
しかし、上述のような延伸処理は製造にかかる時間やコストの増大に加え、成形品の強度に異方性が発生するといった問題がある。また特許文献5〜7のようなセラミックや添加剤などの第3成分を添加する場合には多量の添加剤を必要とするなどの問題がある。
そこで本発明では、生体内分解吸収性樹脂の強度を上げるために、生体内分解吸収性繊維と少量の添加剤を用いることにより、延伸工程を行うことなく優れた強度を有する生体内分解吸収性繊維強化複合材料を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0014
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決出来ることを見出し、本発明に到達した。本発明は、以下の構成からなる。
0015
すなわち、生体内分解吸収性樹脂95質量部に対して、生体内分解吸収性繊維5質量部、反応性添加剤1〜4質量部を含有する生体内分解吸収性複合材料。
またこの生体内分解吸収性複合材料を熱溶融混練により、混合し製造する方法。
発明の効果
実施例
0017
本発明において生体内分解吸収性樹脂は、生体内において加水分解され生体に吸収される性質を有する各種ポリマーを包含する。たとえばポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、ポリ−D,L−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体、L−乳酸とD,L−乳酸の共重合体、D−乳酸とD,L−乳酸の共重合体、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸をブレンドして成るステレオコンプレックス、ポリグリコール酸、L−乳酸とグリコール酸の共重合体、D−乳酸とグリコール酸の共重合体、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体等を例示出来る。前記生体内分解吸収性樹脂は単独で用いても、あるいは2種類以上を混合して使用することもできる。上記ポリマーの中でも、骨接合材料など強度及び強度保持性が必要とされる分野に用いる場合には、乳酸を主体とするポリマー(乳酸ポリマー)が好ましい。特に、L−乳酸ポリマーすなわちL−乳酸のポリマーを主体とするもの、例えばポリ−L−乳酸、L−乳酸を主体とする共重合体(例えばL−乳酸とD−乳酸、又はD,L−乳酸との共重合体)、が強度及び強度保持性に優れているために好ましい。
0018
上記生体内分解吸収性樹脂の分子量は広い範囲になり得るが、樹脂自身が熱により分解して分子量低下を来す傾向があるため、製造時の分子量低下を考慮すると成型前の樹脂原料の粘度平均分子量が5万以上の樹脂を用いるのが好適である。特に、本発明方法においては、分解性、強度保持性、作業性、コスト等の面から、その粘度平均分子量が150,000〜500,000程度のものが好ましい。
0019
生体内分解吸収性繊維としては、例えば、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、ポリ−D,L−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体、L−乳酸とD,L−乳酸の共重合体、D−乳酸とD,L−乳酸の共重合体、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸をブレンドして成るステレオコンプレックス、ポリグリコール酸、L−乳酸とグリコール酸の共重合体、D−乳酸とグリコール酸の共重合体、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体等を原料として挙げられが、これらは生体内での分解挙動が異なるため、目的と用途に応じて適宜選択して用いることが出来る。このうち、特に好ましいものとしては、優れた強度を有していること、また耐熱性や耐薬品性に優れることから、生体内分解吸収性樹脂との混練時に繊維形状を維持しやすいということから、ポリグリコール酸からなる繊維を例示出来る。
0020
生体内分解吸収性繊維の製造方法については、特に制限されず、従来公知の方法に従って生体内分解吸収性樹脂を繊維形状に加工すればよい。生体内分解吸収繊維の製造方法の好適な例としては、溶融紡糸が挙げられる。
0021
生体内分解吸収性複合材料の強度を向上させるためには、生体内分解吸収性樹脂と生体内分解吸収性繊維の密着度を高める必要がある。そのためには生体内分解吸収性繊維の表面を、反応性添加剤を用いて処理することにより効果を高めることができる。用いる反応性添加剤としては、ポリイソシアネートが挙げられる。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートが挙げられるが、生体適合性の観点からリジンジイソシアネートを用いることが好ましい。
0022
生体内分解吸収性樹脂と生体内分解吸収性繊維を混合させる方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いることが出来る。特に医療材料として用いる場合は、有機溶媒を使用すると有機溶媒の残存による毒性の問題が懸念されることから、生体内分解吸収性樹脂の融点以上の温度で溶融混練による方法が好ましい。好ましくは、生体内分解吸収性樹脂の融点以上であり、かつ、生体内分解吸収性繊維の融点以下であり、120〜260℃の範囲、より好ましくは160〜210℃の範囲で溶融混練を行うことが望ましい。
0023
以下に実施例等を示して本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
0024
(実施例1)ポリ乳酸(PLLA)/ポリグリコール酸(PGA)繊維/リジンジイソシアネート(LDI)複合材料の調製
ポリ乳酸(PLA)/ポリグリコール酸(PGA)繊維/リジンジイソシアネート(LDI)複合材料を以下の方法に従って作製した。
0025
(1)PGA繊維の作製
PGA繊維は溶融紡糸により作製を行った。溶融紡糸時の樹脂溶融温度は250℃とした。溶融紡糸後、約70℃で延伸を行い、繊維径0.02mmの強度の高いPGA繊維を作製した。
0026
(2)混練
PLLA(三井化学株式会社製商品名レイシアH100J重量平均分子量138,000)を真空乾燥機内で60℃、12時間真空乾燥を行った。前記PGA繊維は約500mmの長さに切断した。これらのPLLAと、PGA繊維を一軸溶融混練押出機(株式会社星プラスチック製 CER40)を用いて、樹脂溶融温度190℃、スクリュー回転速度30rpmの条件で溶融混練を行い、PLLA/PGA繊維マスターバッチを作製した。PLLAとPGA繊維の混練比は重量比でPLLA/PGA繊維=95/5とした。得られたPLLA/PGA繊維マスターバッチとLDIをドライブレンド後、二軸押出混練機(株式会社東洋精機製作所ラボプラストミル4C150)を用いて、樹脂溶融温度190℃、スクリュー回転速度60rpmの条件で溶融混練を行い、PLA/PGA繊維/LDI複合材料を作製した。なお、LDIはPLA/PGAマスターバッチに対して、重量比で1、2、4重量%になるように添加した。得られた混練物は、小型粒断機(ハーモ社製、SPCII−400S)を用いてペレット形状に加工した。
0027
(3)フィルム作製
前記(2)で作製した複合材料ペレットを真空熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FA)を用いて、溶融温度190℃、溶融時間10分間、プレス圧力8MPaで溶融圧縮成形を行ったのち、冷却プレス機(井元製作所製、IMC−181B)で急冷した。得られたフィルムは、厚さ150μmであった。
0028
(4)熱処理
前記(3)で作製したフィルムを鉄板で挟み、真空乾燥機中で120℃、2時間熱処理を行い、その後、冷却プレス機(井元製作所製、IMC−181B)で急冷を行い、複合材料フィルムを得た。
0029
(実施例2)二軸溶融混練機を用いたポリ乳酸(PLLA)/ポリグリコール酸(PGA)繊維/リジンジイソシアネート(LDI)複合材料の作製
PGA繊維は約300mmの長さに切断したものを用いた以外は、前記実施例1と同じ方法で複合材料フィルムを得た。
0030
(比較例1)ポリ乳酸(PLLA)フィルムの作製
PLLA/PGA繊維/LDI複合材料と熱履歴を合わせるために、PLLA単体についても、混練を行った。
PLLA(三井化学株式会社製商品名レイシアH100J重量平均分子量138,000)を真空乾燥機内で60℃、12時間真空乾燥を行った。PLLAを一軸溶融混練押出機(株式会社星プラスチック製 CER40)を用いて、樹脂溶融温度190℃、スクリュー回転速度30rpmの条件で溶融混練を行い、PLLA混練物を得た。得られたPLA混練物を二軸押出混練機(株式会社東洋精機製作所ラボプラストミル4C150)を用いて、樹脂溶融温度190℃、スクリュー回転速度60rpmの条件で溶融混練を行った。得られた混練物は、小型粒断機(ハーモ社製、SPCII−400S)を用いてペレット形状に加工した。
その後のフィルム作製、熱処理は、実施例1および2と同様の装置、手順で行った。
0031
(比較例2)ポリ乳酸(PLLA)/ポリグリコール酸(PGA)繊維複合材料の作製
比較として、PLLA/PGA繊維複合材料についても作製した。
PLLA(三井化学株式会社製商品名レイシアH100J重量平均分子量138,000)を真空乾燥機内で60℃、12時間真空乾燥を行った。またPGA繊維は約500mmに切断したものを用いた。これらのPLLAとPGA繊維を一軸溶融混練押出機(株式会社星プラスチック製 CER40)を用いて、樹脂溶融温度190℃、スクリュー回転速度30rpmの条件で溶融混練を行い、PLA/PGA繊維マスターバッチを作製した。PLLAとPGA繊維の混練比は重量比でPLLA/PGA繊維=95/5とした。PLLA/PGA繊維/LDI複合材料と同様の熱履歴とするために、得られたPLLA/PGA繊維マスターバッチを、二軸押出混練機(株式会社東洋精機製作所ラボプラストミル4C150)を用い、実施例1および2とは異なりLDIを添加することなく樹脂溶融温度190℃、スクリュー回転速度60rpmの条件で溶融混練を行った。得られた混練物は、小型粒断機(ハーモ社製、SPCII−400S)を用いてペレット形状に加工した。
その後のフィルム作製、熱処理は、実施例1および2と同様の装置、手順で行った。
0032
(評価)
(1)三点曲げ試験
実施例1、2および比較例1、2の各サンプルについて、三点曲げ試験を行い、最大曲げ強度の評価を行った。各サンプルを6mm×0.4mmの短冊状に切り出し、試験片とした。小型万能力学試験機(井元製作所製)を使用し、試験速度5mm/min、支点間距離14mmとして、測定環境温度を室温(約25℃)、37℃として測定を行った。測定数は3個とした。
測定結果を表1に示す。
0033
実施例で作製したフィルムはいずれも、PLA単独の比較例よりも強度が高くなった。