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技術 1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法

出願人 日本酢ビ・ポバール株式会社
発明者 河本史昭新田大輔
出願日 2012年11月28日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2012-259634
公開日 2014年6月9日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2014-105189
状態 未査定
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 転化割合 回分蒸留 反応混合ガス 有機溶剤中毒 trans体 操作圧 気体時空間速度 活性助剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

工業的な方法で高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを製造する方法を提供すること。

解決手段

酢酸ビニル酢酸及び酸素を反応させる1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法であって、a)パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上に、b)酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含み、酢酸ビニル以外の不飽和結合を有する化合物を含有しない反応混合ガスを導入することにより、エチレングリコールジアセテートを含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得ることを特徴とする1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法。

概要

背景

気相中、パラジウムを含有する触媒を用いてエチレン酢酸及び酸素の反応により酢酸ビニルを製造する方法において、1,2−ジアセトキシエチレンがエチレングリコールジアセテート等の高沸物とともに副生することは知られている(特許文献1,2)。

但し、酢酸ビニル製造プロセスで副生する1,2−ジアセトキシエチレンの量は、一般に反応合成液中で数百ppm程度と極めて少量である上に1,2−ジアセトキシエチレンとほとんど沸点が同一であるエチレングリコールジアセテートが1,2−ジアセトキシエチレンの量以上に副生する(特許文献2)。

これとは別に、塩化パラジウムの存在下、1,2−ジクロルエチレンと酢酸ナトリウムを反応させて1,2−ジアセトキシエチレンを得る方法が報告されている(非特許文献1,2)。

しかしながら、これらの従来技術のうち、酢酸ビニル製造時の副生物から1,2−ジアセトキシエチレンを単離しようとすると該物質の酢酸ビニル合成液中での濃度が低濃度であることに加え、酢酸ビニル合成液中に1,2−ジアセトキシエチレンと同程度以上の濃度で含まれるエチレングリコールジアセテートとの沸点差がほとんどないことから極めて困難である。

また、非特許文献1及び2の方法においては、塩化パラジウムの3倍当量の1,2−ジクロルエチレンと6倍当量の酢酸ナトリウムを反応させて塩化パラジウムの当量をわずかに上回る程度の1,2−ジアセトキシエチレンしか得られていない。高価なパラジウム触媒を多量に使用すること、及び反応の原料である1,2−ジクロルエチレンは有機溶剤中毒予防規則では第1種有機溶剤に指定されており、安全かつ大量に扱うには制約が多い化学物質であることからこの方法は工業的な方法とはなり得ない。

概要

工業的な方法で高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを製造する方法を提供すること。酢酸ビニル、酢酸及び酸素を反応させる1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法であって、a)パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上に、b)酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含み、酢酸ビニル以外の不飽和結合を有する化合物を含有しない反応混合ガスを導入することにより、エチレングリコールジアセテートを含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得ることを特徴とする1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法。なし

目的

本発明の課題は工業的な方法で高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酢酸ビニル酢酸及び酸素を反応させる1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法であって、a)パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上に、b)酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含み、酢酸ビニル以外の不飽和結合を有する化合物を含有しない反応混合ガスを導入し、エチレングリコールジアセテートを含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得ることを特徴とする1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法。

請求項2

酢酸ビニル以外の不飽和化合物が、エチレンであることを特徴とする請求項1記載の1,2-ジアセトキシエチレンの製造方法。

請求項3

反応混合ガスを導入工程に続いて、c)触媒を通過した後のガス凝縮させる工程、d)得られた凝縮液蒸留する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法。

技術分野

0001

1,2−ジアセトキシエチレンは、分子内に二重結合を有することから重合性モノマーとして使用されることが期待される。本発明はこのような1,2−ジアセトキシエチレンを、酢酸ビニル酢酸及び酸素から製造する方法に関するものである。詳しくは、パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上で酢酸ビニルと酢酸及び酸素を含む混合ガスを反応させることにより1,2−ジアセトキシエチレンを製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

気相中、パラジウムを含有する触媒を用いてエチレンと酢酸及び酸素の反応により酢酸ビニルを製造する方法において、1,2−ジアセトキシエチレンがエチレングリコールジアセテート等の高沸物とともに副生することは知られている(特許文献1,2)。

0003

但し、酢酸ビニル製造プロセスで副生する1,2−ジアセトキシエチレンの量は、一般に反応合成液中で数百ppm程度と極めて少量である上に1,2−ジアセトキシエチレンとほとんど沸点が同一であるエチレングリコールジアセテートが1,2−ジアセトキシエチレンの量以上に副生する(特許文献2)。

0004

これとは別に、塩化パラジウムの存在下、1,2−ジクロルエチレンと酢酸ナトリウムを反応させて1,2−ジアセトキシエチレンを得る方法が報告されている(非特許文献1,2)。

0005

しかしながら、これらの従来技術のうち、酢酸ビニル製造時の副生物から1,2−ジアセトキシエチレンを単離しようとすると該物質の酢酸ビニル合成液中での濃度が低濃度であることに加え、酢酸ビニル合成液中に1,2−ジアセトキシエチレンと同程度以上の濃度で含まれるエチレングリコールジアセテートとの沸点差がほとんどないことから極めて困難である。

0006

また、非特許文献1及び2の方法においては、塩化パラジウムの3倍当量の1,2−ジクロルエチレンと6倍当量の酢酸ナトリウムを反応させて塩化パラジウムの当量をわずかに上回る程度の1,2−ジアセトキシエチレンしか得られていない。高価なパラジウム触媒を多量に使用すること、及び反応の原料である1,2−ジクロルエチレンは有機溶剤中毒予防規則では第1種有機溶剤に指定されており、安全かつ大量に扱うには制約が多い化学物質であることからこの方法は工業的な方法とはなり得ない。

0007

特開50−80219号公報
米国特許出願公開第2012/0149939号明細書

先行技術

0008

Bulletin of the Chemical Society of Japan 43 2659(1970)
Bulletin of the Chemical Society of Japan 46 90-93(1973)

発明が解決しようとする課題

0009

したがって、本発明の課題は工業的な方法で高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニル、酢酸及び酸素を反応させる1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法において、a)パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上に、b)酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含み、酢酸ビニル以外の不飽和結合を有する化合物を含有しない反応混合ガスを導入することによって、エチレングリコールジアセテートを含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得られることを見い出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。

0011

すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]酢酸ビニル、酢酸及び酸素を反応させる1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法であって、a)パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上に、b)酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含み、酢酸ビニル以外の不飽和結合を有する化合物を含有しない反応混合ガスを導入し、エチレングリコールジアセテートを含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得ることを特徴とする1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法。
[2]酢酸ビニル以外の不飽和化合物が、エチレンであることを特徴とする前記[1]記載の1,2-ジアセトキシエチレンの製造方法。
[3]反応混合ガスを導入工程に続いて、c)触媒を通過した後のガス凝縮させる工程、及びd)得られた凝縮液蒸留する工程を有することを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の1,2−ジアセトキシエチレンの製造方法。

発明の効果

0012

本発明の製造方法を用いることにより、工業的な方法で高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを製造することができる。

0013

本発明の1,2−ジアセトキシエチレン(CH3COO−CH=CH−OCOCH3)の製造方法は、気相中、パラジウム又はパラジウム化合部を含む触媒上で酢酸ビニル、酢酸及び酸素を反応させてエチレングリコールジアセテートの副生を抑制した状態で1,2−ジアセトキシエチレンを製造する方法であって、a)パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒上に、b)酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含み、酢酸ビニル以外の不飽和結合を有する化合物を含有しない反応混合ガスを導入し、エチレングリコールジアセテート(CH3COO−CH2−CH2−OCOCH3)を含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得ることを特徴とする。

0014

本発明で使用される触媒は、パラジウム又はパラジウム化合物を含有し、必要に応じてパラジウム以外の活性助剤金属、及び活性促進剤担体担持させてなるものである。パラジウム化合物としては、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、硝酸パラジウム酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酸化パラジウムジニトロジアンミンパラジウムテトラアンミンパラジウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。パラジウム以外の活性助剤金属としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、金又は公知の金化合物等が挙げられる。金化合物としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、塩化金(III)、四塩化金酸、四塩化金酸の塩(ナトリウム塩カリウム塩)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。活性促進剤としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、酢酸カリウムプロピオン酸ナトリウム等のカルボン酸アルカリ塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。

0015

触媒中のパラジウム又はパラジウム化合物の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、触媒全体に対して通常0.1〜5.0重量%であり、好ましくは0.5〜2.0重量%である。触媒中の活性助剤金属の含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、触媒全体に対して通常0.1〜5.0重量%であり、好ましくは0.3〜1.5重量%である。触媒中の活性促進剤の含有量は、触媒全体に対して通常0.1〜10.0重量%であり、好ましくは1.0〜5.0重量%である。

0016

また、触媒成分を担持する担体は、特に限定されないが、例えば、シリカシリカアルミナアルミナジルコニア活性炭ケイソウ土ゼオライト等が好適である。気相でエチレンと酢酸、酸素を反応させて酢酸ビニルを合成するのに使用されている、パラジウムを触媒活性種とする一般的な固体触媒を本発明に転用することもできる。

0017

本発明の触媒の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を使用でき、例えば、前記担体に、パラジウム又はパラジウム化合物、必要に応じて活性助剤金属及び活性促進剤を担持させる方法が挙げられる。

0018

本発明において触媒に導入する反応混合ガスは、酢酸ビニル、酢酸及び酸素を含む。これらの成分以外については、窒素アルゴン等の不活性ガスメタンエタン等の飽和炭化水素二酸化炭素等の触媒に対して反応不活性ガスは反応混合ガス中に含まれていても差し支えない。前記の不活性ガス、飽和炭化水素及び触媒に対して反応不活性ガスは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。しかしながら、エチレン、プロピレン等の不飽和結合を有する有機化合物が含まれてはいけない。これらの不飽和結合を有する化合物が反応混合ガス中に存在すると、これらの不飽和化合物に由来する化合物が副生し、1,2−ジアセトキシエチレンの生成及び分離精製が阻害される。例えば、エチレンが反応混合ガス中に含まれると、反応ガスの凝縮液中に1,2−ジアセトキシエチレンとともに、1,2−ジアセトキシエチレンとほとんど同じ沸点、196−198℃のエチレングリコールジアセテートが副生し、そのため、1,2−ジアセトキシエチレンのみを蒸留で単離することは極めて困難となる。これに対し、反応混合ガス中にエチレンが含まれない場合は、エチレングリコールジアセテートは生成せず、1,2−ジアセトキシエチレンは蒸留により容易に高純度で単離することが可能になる。

0019

本発明において触媒に導入される反応混合ガスのうち酢酸ビニルの濃度は、特に限定されないが、通常0.1〜15mol%であり、好ましくは1〜10mol%である。前記反応混合ガスのうち酢酸の濃度は、特に限定されないが、通常0.1〜15mol%であり、好ましくは1〜10mol%である。酸素の濃度は通常0.1〜15mol%であり、好ましくは0.5〜10mol%である。酢酸の混合比率は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、通常、酢酸ビニル:酢酸=0.5〜1.0:3.0程度であり、酢酸ビニル:酢酸=0.8〜1.0:2.0程度が好ましい。

0020

本発明の反応混合ガスにおいて、酢酸ビニル、酢酸及び酸素以外は、窒素、アルゴン等の不活性ガス;メタン、エタン等の飽和炭化水素;二酸化炭素等の触媒に対して反応不活性のガスが占め、酢酸ビニル以外に、エチレン、プロピレン等の不飽和結合を有する有機化合物は含まない。

0021

本発明における1,2−ジアセトキシエチレン合成反応の方法は、特に制限は無く、触媒を充填した公知の流通管型反応器に反応混合ガスを流通させることにより実施される。反応温度は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、通常100〜200℃であり、より高純度の1,2−ジアセトキシエチレンが得られる点から、好ましくは120〜170℃である。反応圧力は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、通常、常圧以上であり、好ましくは0.5〜1.5MPaである。反応温度及び反応圧力を過度に高めることは、安全性の面から好ましくない。GHSV(gas hourly space velocity;気体時空間速度)としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、通常1000〜6000hr−1であり、より高純度の1,2−ジアセトキシエチレンが得られる点から、好ましくは2000〜5000hr−1である。

0022

触媒を通過した後のガスは凝縮工程、及び凝縮液を蒸留する蒸留工程に付される。凝縮工程において、反応器を出た反応生成ガスは、凝縮器を用いる方法で例示される公知の方法で反応生成液とガスに分離される。反応生成液は未反応の酢酸ビニル、酢酸及び反応生成物である1,2−ジアセトキシエチレン(cis体及びtrans体)の他、エチリデンジアセテート無水酢酸等の副生物を含むが1,2−ジアセトキシエチレンの蒸留分離に際して、沸点がほぼ同じであることから1,2−ジアセトキシエチレンの単離を著しく阻害し、実質的に不可能にするエチレングリコールジアセテートは全く含まない。酢酸ビニルのエチリデンジアセテートへの転化割合は、触媒中の金属量、触媒の調製方法、反応ガスの組成、反応ガスのGHSV、反応温度、反応圧力によって変わり得る。

0023

得られた反応生成液は、通常用いられる公知の蒸留操作により分離精製されて1,2−ジアセトキシエチレンを得ることができる。蒸留操作は、複数の蒸留塔を用い連続的に行ってもよいし、単独の蒸留塔で回分式に行ってもよい。蒸留の操作圧は、任意の圧力で行い得るが、蒸留塔リボイラーの温度を下げて蒸留中の液の変質を防ぐために、減圧で行うのが有効な方法である。

0024

本発明の製造方法によって得られる1,2−ジアセトキシエチレンは、エチレングリコールジアセテートを含まず、その純度は、通常95重量%以上であり、好ましくは98重量%である。

0025

次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。

0026

[実施例1]
直径5mmの球状シリカ担体に、パラジウムを1.04重量%、金を0.43重量%、酢酸カリウムを2.6重量%担持させて調製した触媒を内径15mm、長さ2200mmの反応管に500ml充填し、酢酸ビニル8.33mol%、酢酸8.33mol%、酸素2.78mol%及び窒素80.56mol%からなる反応ガスを供給し、反応温度138℃、反応圧力0.8MPaG、GHSV(gas hourly space velocity;気体時空間速度)4320hr−1の条件で反応を行った。

0027

この凝縮液の分析を下記ガスクロマトグラフにて以下の条件のガスクロマトグラフィー法を用いて行った。
使用ガスクロマトグラフ島津製作所製GC-17A;
使用カラム:ジーエルサイエンス株式会社製 DB-5(内径:0.32mm、膜厚:0.25μm、長さ:60m);
キャリヤーガスヘリウム全流量:107ml/min、カラム流量:1.7ml/min);
検出器:FID;
温度条件試料気化室、検出器温度は250℃、カラムは55℃で6分間保持の後、20℃/分で昇温、130℃で温度保持

0028

得られた反応凝縮液の分析から、cis−1,2−ジアセトキシエチレン及びtrans−1,2−ジアセトキシエチレンはそれぞれ2.1重量%、1.1重量%、併せて3.2重量%であった。エチレングリコールジアセテートは検出されなかった。

0029

このようにして得た凝縮液10kgを以下のようにして蒸留した。

0030

(第1段の蒸留凝縮液の濃縮及び粗製品の取得)
マントルヒーターによる加熱が可能な内容積リットルガラス三つ口フラスコ、10mmのステンレス製クマホンパッキンを充填した内径25mm長さ400mmのガラス製蒸留カラム、及び還流量留出量コック操作にて可変できるガラス製蒸留ヘッドからなる蒸留塔(推定理論段2〜3段)に10kgの凝縮液のうち1.5kgを仕込み塔頂圧300torrで蒸留を開始した。
凝縮液中の未反応の酢酸ビニル及び酢酸が留出し始めたら塔頂から凝縮液の供給を開始し、凝縮液中の酢酸ビニル及び酢酸を除き凝縮液を濃縮する操作を行う。留出液中に1,2−ジアセトキシエチレンが含まれることの無いよう操作圧及び還流比を適宜変更しながら凝縮液の濃縮を続ける。凝縮液を全量供給し終わり、かつフラスコ内に酢酸ビニルがほぼ無くなるまで濃縮を行った後、塔頂圧50〜6torr、塔頂温度50〜90℃の留分を粗製品として取得した。取得した粗製品690gのうち、cis−1,2−ジアセトキシエチレンは30重量%、trans−1,2−ジアセトキシエチレンは14重量%であった。その他の成分は未反応の酢酸、副生した無水酢酸、エチリデンジアセテートその他の混合物であった。

0031

(第2段の蒸留粗製品の精留による1,2-ジアセトキシエチレンの取得)
第1段の蒸留により得られた粗製品をマントルヒーターによる加熱が可能な内容積2リットルのガラス製三つ口フラスコ、No.4のステンレス製ヘリパックを充填した内径25mm長さ400mmのガラス製蒸留カラム、及び還流量と留出量をコック操作にて可変出来るガラス製蒸留ヘッドからなる蒸留塔(推定理論段6〜7段)に仕込み、回分蒸留を行った。操作圧50torr、塔頂温度50℃から蒸留を開始して、操作圧及び還流比を適宜変更しながらcis−1,2−ジアセトキシエチレンを68重量%及びtrans−1,2−ジアセトキシエチレンを31重量%含む混合物295gを得た。その時の塔頂圧は4〜5torr、塔頂温度は80℃であった。1,2-ジアセトキシエチレン全体としての純度は99重量%であった。

0032

(1,2−ジアセトキシエチレンの同定)
得られた1,2−ジアセトキシエチレンのNMRDMSO-d6溶媒、BRUKER社AV-400M使用)を測定し、その構造を確認した。
cis−1,2−ジアセトキシエチレン2.19ppm(s,6H)、6.82ppm(s,2H)
trans−1,2−ジアセトキシエチレン2.15ppm(s,6H)、7.39ppm(s,2H)

0033

[比較例1]
実施例において、反応管に供給する反応ガスを酢酸ビニル8.33mol%、酢酸8.33mol%、酸素2.78mol%及び窒素40.28mol%、エチレン40.28mol%とした以外は同一にして反応を行った。実施例と同様にして得た反応凝縮液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、cis−1,2−ジアセトキシエチレン及びtrans−1,2−ジアセトキシエチレンはそれぞれ0.4重量%、0.2重量%、併せて0.6重量%であった。エチレングリコールジアセテートは0.8重量%検出された。

0034

このようにして得た凝縮液10kgを実施例と同様に以下のようにして蒸留した。

0035

(第1段の蒸留凝縮液の濃縮及び粗製品の取得)
実施例の第1段の蒸留に使用したものと同じ蒸留塔に10kgの凝縮液のうち1.5kgを仕込み、塔頂圧300torrで蒸留を開始した。

0036

凝縮液中の未反応の酢酸ビニル及び酢酸が留出し始めたら塔頂から凝縮液の供給を開始し、凝縮液中の酢酸ビニル及び酢酸を除き凝縮液を濃縮する操作を行う。留出液中に1,2−ジアセトキシエチレンが含まれることの無いよう操作圧及び還流比を適宜変更しながら凝縮液の濃縮を続ける。凝縮液を全量供給し終わり、かつフラスコ内に酢酸ビニルがほぼ無くなるまで濃縮を行った後、塔頂圧50〜6torr、塔頂温度50〜90℃の留分を粗製品として取得した。取得した粗製品355gのうち、cis−1,2−ジアセトキシエチレンは11重量%、trans−1,2−ジアセトキシエチレンは5重量%、エチレングリコールジアセテートは22重量%であった。その他の成分は未反応の酢酸、副生した無水酢酸、エチリデンジアセテートその他の混合物であった。

0037

(第2段の蒸留粗製品の精留による1,2-ジアセトキシエチレンの取得)
第1段の蒸留により得られた粗製品を実施例の第2段の蒸留において使用したのと同じ蒸留塔に仕込み、回分蒸留を行った。操作圧50torr、塔頂温度50℃から蒸留を開始して、操作圧及び還流比を適宜変更しながらcis−1,2−ジアセトキシエチレンを29重量%及びtrans−1,2−ジアセトキシエチレンを13重量%及びエチレングリコールジアセテート58重量%から成る混合物129gを得た。
その時の塔頂圧は4〜5torr、塔頂温度は80℃であった。1,2−ジアセトキシエチレン全体としての純度は42重量%であった。エチレングリコールジアセテートとcis並びにtrans−1,2−ジアセトキシエチレンの沸点差がほとんど無いことから混合物中の1,2−ジアセトキシエチレン含有量をこれ以上高めることはできなかった。

実施例

0038

上記結果から、本発明の製造方法は、エチレングリコールジアセテートを含まない高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを得られることが確認できた。

0039

本発明の製造方法は、工業的な方法で高純度の1,2−ジアセトキシエチレンを製造するのに有用である。

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