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技術 故障個所推定装置

出願人 三菱電機株式会社三菱電機ビルテクノサービス株式会社
発明者 阿部芳春佐々木茂雄福永寛
出願日 2012年11月28日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2012-259836
公開日 2014年6月9日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2014-105075
状態 特許登録済
技術分野 エレベーターの表示装置及び信号装置 エレベーターの保守安全及び検査装置
主要キーワード 音源強度 検査対象機器 移動平均演算 シフト間隔 荷重係数 時間周波数分析 対象標本 集音器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年6月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

かご走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合でも、異常が発生した個所を正確に推定する。

解決手段

動体に設けられ、移動体及び移動体の移動範囲周辺に位置する機器から発生する作動音を収集する集音器1と、収集された正常な作動音を分析し、基準標本系列104を求める基準標本系列分析手段(波形取得部2、時間周波数分析部3、標本化部4)、収集された診断対象の作動音を分析し、対象標本系列105を求める対象標本系列分析手段(波形取得部2、時間周波数分析部3、標本化部4)と、基準標本系列104及び対象標本系列105間の変異系列を求め、変異曲線106を生成する変異曲線生成部6と、変異曲線106の形状特徴107を抽出する形状特徴抽出部7と、形状特徴107をテンプレートと照合し、移動体及び移動体の移動範囲周辺に位置する機器に起こる故障個所を判定する照合判定部9とを備えた。

概要

背景

音に異常が起きた際の故障個所推定に関し、特許文献1に示すような装置が知られている。特許文献1に開示されたエレベータ昇降路内機器異常検出装置では、エレベータのかごに設置された音センサにより捉えられた音のピーク値が連続的に徐々に大きくまたは小さくなるとき昇降路内機器に異常が発生したと判定している。また、捉えられた音のピーク値の単調性または単調性が変わった際の最大値に基づいて異常が発生した個所を判定している。

概要

かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合でも、異常が発生した個所を正確に推定する。移動体に設けられ、移動体及び移動体の移動範囲周辺に位置する機器から発生する作動音を収集する集音器1と、収集された正常な作動音を分析し、基準標本系列104を求める基準標本系列分析手段(波形取得部2、時間周波数分析部3、標本化部4)、収集された診断対象の作動音を分析し、対象標本系列105を求める対象標本系列分析手段(波形取得部2、時間周波数分析部3、標本化部4)と、基準標本系列104及び対象標本系列105間の変異系列を求め、変異曲線106を生成する変異曲線生成部6と、変異曲線106の形状特徴107を抽出する形状特徴抽出部7と、形状特徴107をテンプレートと照合し、移動体及び移動体の移動範囲周辺に位置する機器に起こる故障個所を判定する照合判定部9とを備えた。

目的

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合でも、異常が発生した個所を正確に推定することができる故障個所推定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
0件

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請求項1

動体に設けられ、当該移動体及び当該移動体の移動範囲周辺に位置する機器から発生する作動音収集する集音手段と、上記集音手段により収集された正常な作動音を分析し、基準となる第1の標本系列を求める基準標本系列分析手段と、上記集音手段により収集された診断対象の作動音を分析し、診断対象となる第2の標本系列を求める対象標本系列分析手段と、上記基準標本系列分析手段及び上記対象標本系列分析手段により求められた第1,2の標本系列間の変異系列を求め、当該変異系列から変異曲線を生成する変異曲線生成手段と、上記変異曲線生成手段により生成された変異曲線の形状特徴を抽出する形状特徴抽出手段と、上記形状特徴抽出手段により抽出された変異曲線の形状特徴を所定のテンプレートと照合することで、上記移動体及び当該移動体の移動範囲の周辺に位置する機器に起こる故障個所を判定する照合判定手段とを備えた故障個所推定装置

請求項2

上記変異曲線生成手段は、上記第1,2の標本系列間の差系列を生成する差系列生成手段と、上記差系列生成手段により生成された差系列に応じた荷重係数を生成する荷重系列生成手段と、上記第2の標本系列に対し、上記荷重系列生成手段により生成された荷重系列を乗算することで、上記変異系列を生成する変異系列生成手段と、上記変異系列生成手段により生成された変異系列を平滑化して上記変異曲線を生成する整形手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の故障個所推定装置。

請求項3

上記変異曲線の形状特徴は、上記変異曲線のピーク位置、及び当該ピーク位置における変異の集中度からなり、上記照合判定手段は、上記ピーク位置から上記移動体の移動方向における故障個所を判定し、上記ピーク位置における変異の集中度から上記移動体の故障であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の故障個所推定装置。

請求項4

上記移動体の走行動作模擬して模擬異常音データを生成する模擬異常音生成手段と、上記模擬異常音生成手段により生成された模擬異常音データを用いて、上記基準標本系列分析手段により求められた第1の標本系列との変異曲線を求め、当該変異曲線から上記テンプレートを作成するテンプレート作成手段とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の故障個所推定装置。

技術分野

0001

この発明は、移動体に設けられた集音器収集された、当該移動体及び当該移動体の移動範囲周辺に位置する機器から発生する作動音に異常が検出された場合に、異常が発生している個所推定する故障個所推定装置に関するものである。

背景技術

0002

音に異常が起きた際の故障個所の推定に関し、特許文献1に示すような装置が知られている。特許文献1に開示されたエレベータ昇降路内機器異常検出装置では、エレベータのかごに設置された音センサにより捉えられた音のピーク値が連続的に徐々に大きくまたは小さくなるとき昇降路内機器に異常が発生したと判定している。また、捉えられた音のピーク値の単調性または単調性が変わった際の最大値に基づいて異常が発生した個所を判定している。

先行技術

0003

特開平9−208149号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特許文献1に開示されるような従来の装置では、かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化するため、異常が発生した個所を必ずしも正確に推定することができないという課題があった。

0005

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合でも、異常が発生した個所を正確に推定することができる故障個所推定装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

この発明に係る故障個所推定装置は、移動体に設けられ、当該移動体及び当該移動体の移動範囲の周辺に位置する機器から発生する作動音を収集する集音手段と、集音手段により収集された正常な作動音を分析し、基準となる第1の標本系列を求める基準標本系列分析手段と、集音手段により収集された診断対象の作動音を分析し、診断対象となる第2の標本系列を求める対象標本系列分析手段と、基準標本系列分析手段及び対象標本系列分析手段により求められた第1,2の標本系列間の変異系列を求め、当該変異系列から変異曲線を生成する変異曲線生成手段と、変異曲線生成手段により生成された変異曲線の形状特徴を抽出する形状特徴抽出手段と、形状特徴抽出手段により抽出された変異曲線の形状特徴を所定のテンプレートと照合することで、移動体及び当該移動体の移動範囲の周辺に位置する機器に起こる故障個所を判定する照合判定手段とを備えたものである。

発明の効果

0007

この発明によれば、上記のように構成したので、かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合でも、異常が発生した個所を正確に推定することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0008

この発明の実施の形態1における故障個所推定装置を示すブロック構成図である。
この発明の実施の形態1における故障個所推定装置の処理を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1における故障個所推定装置の学習処理を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1における故障個所推定装置の診断処理を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1における変異曲線と形状特徴を示す模式図である。
この発明の実施の形態1における形状特徴テンプレート記憶部の構成を示す模式図である。
この発明の実施の形態2における故障個所推定装置を示すブロック構成図である。
この発明の実施の形態2における変異曲線生成部により生成された変異曲線を示す模式図である。
この発明の実施の形態3における故障個所推定装置の故障個所判定処理を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態3において、故障個所がピットであるときの変異曲線と面積比、故障個所がかごであるときの変異曲線と面積比を示す模式図である。
この発明の実施の形態4における故障個所推定装置を示すブロック構成図である。
この発明の実施の形態4におけるテンプレートの作成を示す模式図である。

実施例

0009

以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
本実施の形態は、検査対象機器の発する異常な音を診断する装置として、パーソナルコンピュータ(以下PCと称す)上のソフトウェアとして実装され、正常時の波形取込む学習モードと診断(試験)時の波形を取込む診断モードを有する。測定者マイク、音響センサ加速度センサ等の集音器(集音手段)1を検査対象機器に設置し、集音器1をPCのUSB(Universal Serial Bus)インタフェース入力端子に接続して、学習モード時と診断モード時の操作を行う。以下では、検査対象機器としてエレベータを想定し、エレベータのかご(移動体)及び昇降路に設置された機器(移動体の移動範囲の周辺に位置する機器)から発生する作動音を集音器1で収集する場合について説明する。

0010

図1は、この発明の実施の形態1における故障個所推定装置を示すブロック構成図である。
図1において、1は、マイクや音響センサ、加速度センサ等の集音器である。2は、集音器1からの測定信号サンプリングし、デジタル信号に変換した波形データ101を出力する波形取得部である。3は、波形データ101に時間窓掛け、時間窓を時間方向にずらしながら高速フーリエ変換(以下FFTと称す)演算により、波形データ101を時間周波数分析し、時間と周波数に対する強度を示すスペクトル値からなる時間周波数分布102を出力する時間周波数分析部である。4は、時間周波数分布102から所定の各周波数の強度を示すスペクトル値を各時間でサンプリングして得られる時系列である各周波数の標本系列103を出力する標本化部である。標本系列103は、所定の各周波数についての各時間の標本値からなる時系列である。
なお、以下の説明では、時間周波数分析部3が出力する時間周波数分布102を音データとする場合について説明する。音データとしては波形データや、波形データを解析して得られるその他の特徴量であってもよい。

0011

また、5は、学習モード時に取得される音データから得られる標本系列103を記憶するデータ記憶部である。104は、学習モード時に記憶部8に記憶され、後述の変異曲線106を計算する際の基準となる各周波数の標本系列103からなる基準標本系列(第1の標本系列)である。105は、診断モード時に取得された音データから得られ、後述の変異曲線106を計算する際の診断対象となる各周波数の標本系列103からなる対象標本系列(第2の標本系列)である。
なお、波形取得部2、時間周波数分析部3及び標本化部4は、本発明の「上記集音手段により収集された正常な作動音を分析し、基準となる第1の標本系列を求める基準標本系列分析手段」及び「上記集音手段により収集された診断対象の作動音を分析し、診断対象となる第2の標本系列を求める対象標本系列分析手段」に相当する。

0012

6は、基準標本系列104及び対象標本系列105を参照し、変異曲線106を生成する変異曲線生成部(変異曲線生成手段)である。7は、変異曲線106から形状特徴107を抽出する形状特徴抽出部(形状特徴抽出手段)である。

0013

8は、所定の形状特徴からなるテンプレートを記憶した形状特徴テンプレート記憶部である。9は、形状特徴107と形状特徴テンプレート記憶部8内のテンプレートを照合し、故障個所を判定して判定結果108として出力する照合判定部(照合判定手段)である。

0014

以下、図1及び図2図4に示すフローを参照し、故障箇所推定装置の動作を説明する。
図2に示すように、まず、学習モードまたは診断モードにおいて、波形取得部2は、集音器1から出力された測定信号を取得して増幅AD変換することによりサンプリングし、サンプリング周波数48kHzの16ビットリニアPCM(pulse code modulation)のデジタル信号の波形データ101に変換する(ステップST201)。

0015

次いで、時間周波数分析部3は、波形取得部2から出力された波形データ101に対して、1024点の時間窓を16ミリ秒の間隔で時間方向にずらしながらフレームを切出し、各フレームに対してFFT演算により周波数スペクトルの系列y(t,f)を求め、時間周波数分布102として出力する(ステップST202)。ここで、tは時間窓をずらすシフト間隔に対応する時刻インデックス、fはFFT演算の結果の周波数を示すインデックスである。なお、時間tおよび周波数fは、それぞれ、0≦t≦T,0≦f≦Fなる関係を満たす。ここで、Tは時間周波数分布102の時間方向のフレーム数、Fは波形データ101のサンプリング周波数fsの1/2であるナイキスト周波数である(F=fs/2)。

0016

次いで、標本化部4は、時間周波数分析部3から出力された時間周波数分布102において、所定の5つの周波数帯域(0.5kHz,1kHz,2kHz,4kHz,8kHzを中心周波数とした、それぞれ1オクターブ幅の帯域)に含まれる周波数成分から、8フレーム(256ms)を1単位としたスペクトル値の総和を求め、当該8フレームを単位とする所定の各時間の標本値を取得し、標本系列103として出力する(ステップST203)。いま、各周波数、各時間の標本系列103における標本値をY(n,b)とすると、Y(n,b)は式(1)で計算される。

ここで、nは標本化された系列の時間のインデックスで、1〜Nの範囲の自然数(ただしNは時間範囲の上限、N=T/8で余り切り捨て)、bは周波数のインデックスで1〜Bの範囲の自然数である。また、Ω(n,b)は、時間周波数分布y(t,f)において、標本化のために総和をとる対象となる時間と周波数の組(t,f)の集合を表す。

0017

標本化部4により標本系列103が取得されると、故障個所推定装置は学習モードであるかまたは診断モードであるかを判断する(ステップST204)。このステップST204において、学習モードであると判断した場合には図3に示す学習処理へ移行し、診断モードであると判断した場合には図4に示す診断処理へ移行する。

0018

次に、学習モード時の学習処理について動作を説明する。
故障箇所推定装置が学習モードである場合、すなわち、集音器1により正常な作動音が収集された場合には、図3に示すように、各周波数について(ステップST301)、記憶部8は、標本系列103を基準標本系列104として記憶する(ステップST302)。
そして、全周波数に対して、ステップST302の処理を実施した後(ステップST303‘YES’)、学習処理を終了する。

0019

次に、診断モード時の診断処理について動作を説明する。
故障箇所推定装置が診断モードである場合、すなわち、集音器1により診断対象の作動音が収集された場合には、図4に示すように、特定の周波数について(ステップST401)、標本系列103を対象標本系列105とする(ステップST402)。

0020

次いで、変異曲線生成部6は、記憶部5に記憶された基準標本系列104とステップST402における対象標本系列105から、上記特定の周波数についての変異曲線106を生成する(ステップST403)。詳細には、特定の周波数bの各時間nの変異量を、次の手順《A1−1》,《A1−2》で算出する。
《A1−1》まず、周波数bの対象標本系列Y1(n,b)と周波数bの基準標本系列Y0(n,b)の差の標本系列D(n,b)を求める。(式(2))
《A1−2》次いで、差の標本系列D(n,b)の添え字nに関する移動平均を求め、変異量H1(n,b)として出力する。(式(3))



なお、式(3)中の“smooth(x(n))”は系列x(n)のnに関する移動平均を求める演算を表す。

0021

次いで、形状特徴抽出部7は、変異曲線生成部6から出力された変異曲線106から、変異曲線106のピーク位置およびピーク幅を形状特徴107として抽出する(ステップST404)。
図5は、変異曲線106と形状特徴107を示す模式図である。図5において、(a)は特定の周波数の基準標本系列104と対象標本系列105を示す図である。また、(b)は式(2),(3)により求められる変異曲線106と、その形状特徴107であるピーク位置とピーク幅を示す図である。ピーク位置は変異曲線106のピークのx軸の値である。ピーク幅はx軸方向のピークの広がり(例えば、ピーク値より3dB低下する幅を広がりとする)である。

0022

次いで、照合判定部9は、形状特徴抽出部7から出力された形状特徴107と形状特徴テンプレート記憶部8に記憶されたテンプレートを照合して、故障個所ごとの類似度を求め、類似度の最も大きいテンプレートの故障個所属性値を故障個所として判定する(ステップST405)。
図6は、形状特徴テンプレート記憶部8の構成を示す模式図である。テンプレートは故障個所(エレベータのピット、頂部、カウンタ、かご)に対応するクラスに対して、例えば、特徴量f1「ピーク位置」、f2「ピーク広がり」からなる表として、格納される。
いま、形状特徴107の「ピーク位置」特徴量をf1、「ピーク広がり」特徴量をf2とし、テンプレート中のクラスcの「ピーク位置」特徴量をf1(c)、「ピーク広がり」特徴量をf2(c)とすると、形状特徴107のテンプレートのクラスcに対する類似度は、例えば、式(4)のユークリッド距離計算式符号反転した式を用いて計算される。



ここで、S(c)はテンプレートのクラスcに対する類似度である。
最後に、照合判定部9は、上記の類似度S(c)が最大となるクラスc*を求め、クラスc*の「故障個所」属性値を判定結果108とする。詳細には式(5)の決定則によりクラスを決定する。

0023

以上のように、この実施の形態1によれば、集音器1により収集された正常時の作動音を分析して基準標本系列104を求め、集音器1により収集された診断対象の作動音を分析して対象標本系列105を求め、この基準標本系列104と対象標本系列105から抽出した変異曲線106を基に故障個所を判定するように構成したので、かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合でも、異常が発生した個所を正確に推定することができるという効果がある。

0024

なお、上記の説明では、特定の周波数について、変異曲線106を求め、故障個所を判定する場合について示した。しかしながら、これに限るものではなく、各周波数について求めた変異曲線106に対して、それぞれ故障個所を判定し、類似度の最も高い周波数の判定結果を最終的な判定結果108として出力するようにしてもよい。詳細には式(6),(7)の決定則によりクラスを決定する。



ここで、S(c,b)はある周波数bの変異曲線106から求めるクラスcに対する類似度、c*は類似度の最も高い周波数の判定結果108である。

0025

また、式(8)に示すように、各周波数の変異曲線106を平均した変異曲線106を求めた後、この平均した変異曲線106を用いて故障個所を判定するようにしてもよい。

ここで、H2(n)は平均変異曲線、“mean_b”は周波数bに関する平均演算を示す。

0026

また、平均の代わりに、各周波数の変異曲線106を比較して、変異の大きい変異曲線106を選択して、故障個所の判定に用いてもよい。

0027

実施の形態2.
実施の形態2は、対象標本系列105から直接変異のある部分を抽出し、変異曲線106を求めるものである。
実施の形態1との相違点だけを説明する。相違点は、変異曲線生成部6の構成である。以下、その動作を図7及び図2図4を用いて説明する。

0028

図7において、61は、基準標本系列104と対象標本系列105間の差系列を求める差系列生成部である。62は、差系列に応じた荷重系列を生成する荷重系列生成部である。63は、荷重系列を用いて対象標本系列105から抽出系列(変異系列)を生成する抽出系列生成部である。64は、抽出系列を整形して変異曲線106を生成する整形部である。これらは、変異曲線生成部6を構成する。
以下に、変異曲線生成部6の各構成部の具体的な動作について説明する。

0029

まず、差系列生成部61は、式(9)を用いて、対象標本系列105と基準標本系列104間の差系列を生成する。

ここで、D(n,b)は差系列である。

0030

荷重系列生成部62は、式(10)に示す非線形関数を用いて、差系列D(n,b)を0〜1の間の値に変換した荷重系列を生成する。

ここで、w(n,b)は荷重系列、sgm(x;α,β)はシグモイド関数を表す。また、αとβは、シグモイド関数の形状を特徴づけるパラメータであり、例えば、α=1、β=3と置くことができる。

0031

抽出系列生成部63は、式(11)を用いて、対象標本系列105に対して、荷重w(n、b)を乗算することにより、荷重に応じた抽出系列を生成する。

ここで、E(n,b)は抽出系列である。

0032

整形部64は、式(12)を用いて、抽出系列E(n,b)をnに関する平滑化により整形して変異曲線106を生成する。

ここで、H3(n,b)は変異曲線106、smooth_n(x(n))は系列x(n)のnに関する平滑化演算を示し、例えば、移動平均演算により実現される。

0033

図8は、(c)に示す実施の形態2の変異曲線生成部6により生成される変異曲線106を、(b)に示す実施の形態1の変異曲線106と比較した模式図である。この模式図では、(a)に示すように、基準標本系列104の中央にくぼみがあり、かつ、異常音成分(点線)が時間軸の前半に大きい場合を示す。この場合、(b)に示すように、実施の形態1による変異曲線106はピークが時間軸の中央に移動し、異常音成分の形状と大きく異なることがわかる。一方、(c)に示すように、実施の形態2による変異曲線106は異常音成分とよく似た形状となっており、この変異曲線106に基づいて故障個所を判定すれば、より正確な故障個所が得られると期待される。

0034

以上のように、この実施の形態2によれば、基準標本系列104の形により変異曲線106の形が変形することを防ぐため、対象標本系列105から直接、変異曲線106を求めるように構成したので、かごが走行するとき、かごの位置とともに作動音の大きさが変化する場合で、かつ、基準標本系列104の形状が例えば時間軸の中央にくぼみがある場合でも、異常が発生した個所を正確に推定することができるという効果がある。

0035

実施の形態3.
実施の形態3は、変異曲線106の形状特徴107として、変異曲線106のピーク位置と、ピーク位置における変異の集中度とを用いることにより、ピーク位置から移動体の移動方向における故障個所(「頂部」、「ピット」、「カウンタ」)を判定するとともに、ピーク位置における変異の集中度から、故障個所が「かご」か「かご」以外であるかを判定するようにしたものである。
実施の形態1との相違点だけを説明する。相違点は、形状特徴抽出部7及び照合判定部9の動作である。図9は故障個所判定処理を示すフローである。

0036

図9に示すように、形状特徴抽出部7は、まず、変異曲線106から、変異曲線106のピーク位置を形状特徴107として抽出する(ステップST901)。次いで、照合判定部9は、ピーク位置による仮判定を行う(ステップST902)。仮判定では、実施の形態1と同様の手法により、「かご」を除く、「ピット」、「カウンタ」、「頂部」のいずれに類似するかを判定し、仮候補xとして出力する(ステップST903)。ここで、xは「ピット」、「カウンタ」、「頂部」のいずれかである。

0037

次いで、照合判定部9は、式(13)を用いて、仮候補xに対して、テンプレートのピーク位置を中心とする所定幅に入る変異曲線106の面積と全体の面積の比(面積比)を求める(ステップST904)。

ここで、R^xは面積比、S^xは仮候補xに対して、テンプレートのピーク位置を中心とする所定幅に入る変異曲線106の面積、S^allは全体の面積である。
なお、面積比は、ピーク位置における変異の集中度を表す。

0038

次いで、照合判定部9は、面積比と所定の閾値を比較して、面積比が所定の閾値より小さいかを判定する(ステップST905)。このステップST905において、面積比が所定の閾値より小さいときは、故障個所が「かご」であると判定する。

0039

一方、ステップST905において、面積比が所定の閾値以上であるときは、ピーク位置とテンプレートのピーク位置とのずれが所定のずれ許容値を超えたかを判定する(ステップST906)。このステップST906において、ピーク位置ずれがずれ許容値を超えるときは、故障個所が「かご」であると判定する。

0040

一方、ステップST906において、ピーク位置ずれが、ずれ許容値内に収まるときは、仮候補xが故障個所であると判定する。

0041

図10に、(a)故障個所が「ピット」であるときの変異曲線106と面積比、(b)故障個所が「かご」であるときの変異曲線106と面積比をそれぞれ模式的に示す。なお、図中のS^pitはピットに対応する面積である。ここで、(a)の場合には、面積比が大きいため、ピットを仮候補として設定する。そして、ピーク位置ずれも小さいため、ピットが故障個所であると判定する。一方、(b)の場合には、ピーク位置ずれは小さいが、面積比が小さい。そのため、故障個所がピットである可能性は小さいと判断し、かごが故障個所であると判定する。

0042

以上のように、この実施の形態3によれば、変異曲線106のピーク位置と、ピーク位置における変異の集中度とを用い、ピーク位置からかごの移動方向の故障個所(「頂部」、「ピット」、「カウンタ」)を判定するとともに、ピーク位置における変異の集中度から故障個所が「かご」か「かご」以外であるかを判定するように構成したので、故障個所の誤判定が減少するという効果がある。

0043

実施の形態4.
実施の形態4は、形状特徴テンプレート記憶部8に記憶されているテンプレートを模擬異常音データから作成するものである。
実施の形態1との相違点だけを説明する。相違点は、故障個所推定装置に模擬異常音生成部(模擬異常音作成手段)10及びテンプレート作成部(テンプレート作成手段)11を追加した点である。以下、その動作を図11,12を用いて説明する。

0044

図11において、模擬異常音生成部10は、集音器1が設置された移動体の走行動作を模擬して模擬異常音データを生成するものである。テンプレート作成部11は、模擬異常音生成部10により生成された模擬異常音データを用いて、記憶部5に記憶された基準標本系列104との変異曲線を求め、当該変異曲線から形状特徴を抽出してテンプレートを作成するものである。作成したテンプレートは、形状特徴テンプレート記憶部8に記憶される。

0045

エレベータの故障個所推定において所定の形状特徴のテンプレートを作成する際、従来では、エレベータの昇降路内の部品配置に基づいて、故障部品・集音器間の接近位置から作成していた。しかしながら、故障部品の音源強度が、かご走行速度に応じて時間的に変化する多くの場合、実際の変異曲線のピーク位置と、故障部品・集音器間の接近位置とは必ずしも一致しないため、ずれが生じる。この傾向は、特に、かごの走行速度が加減速するピットと頂部で顕著である。
そこで、本実施の形態では、模擬異常音データを用いて、テンプレートを作成する。これによって、作成されるテンプレートは、故障部品の音源強度の時間変化による位置のずれを内包するものとなるため、そのピーク位置は、実際の変異曲線のピーク位置に近くなると期待される。図12に、従来法と本実施の形態によるテンプレート及びそのピーク位置の違いを示す。

0046

以上のように、この実施の形態4によれば、模擬異常音データを用いてテンプレートを作成するよう構成したので、テンプレートのピーク位置を、従来法に対して実際の変異曲線のピーク位置に近づけることができるという効果がある。

0047

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0048

1集音器、2波形取得部、3時間周波数分析部、4標本化部、5データ記憶部、6変異曲線生成部、7形状特徴抽出部、8 形状特徴テンプレート記憶部、9照合判定部、10模擬異常音生成部、11テンプレート作成部、61 差系列生成部、62荷重系列生成部、63 抽出系列生成部、64 整形部、101 波形データ、102時間周波数分布、103標本系列、104基準標本系列、105対象標本系列、106 変異曲線、107 形状特徴、108 判定結果。

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