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技術 絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 右田翼松村光頼
出願日 2012年11月9日 (8年1ヶ月経過) 出願番号 2012-247472
公開日 2014年5月22日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2014-095628
状態 拒絶査定
技術分野 短絡、断線、漏洩,誤接続の試験
主要キーワード 自己診断用 絶縁抵抗低下 EMG 地絡検出装置 地絡検出 電力回生 ピークホールド回路 カップリングコンデンサ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

電気系統絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路別途設けることなく個体差による誤検出を抑制する。

解決手段

絶縁抵抗低下検出装置は、車両100に搭載された電気系統70の絶縁抵抗の低下を検出する。判定部53は、接続状態が第1の接続状態である場合に検出部43によって検出される第1の波高値がしきい値を下回ったときに、絶縁抵抗が低下していると判定する。自己診断部51は、接続状態が第2の接続状態である場合に検出部43によって検出される第2の波高値に基づいて絶縁抵抗低下検出装置を診断する。設定部52は、第2の波高値が高いほどしきい値が高くなるようにしきい値を設定する。

概要

背景

特開2006−170714号公報(特許文献1)は、高電圧電源地絡を検出する地絡検出装置を開示している。この地絡検出装置は、パルス発生回路と、高電圧電源に接続されるカップリングコンデンサと、カップリングコンデンサおよびパルス発生回路間に接続される抵抗と、カップリングコンデンサおよび抵抗間の電圧を測定する電圧測定手段と、高電圧電源の地絡を検出する地絡検出手段とを備える。

この地絡検出装置においては、地絡検出手段は、電圧測定手段によって検出された電圧がしきい値よりも低いときに高電圧電源の地絡が発生していると判定する(特許文献1参照)。

概要

電気系統絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路別途設けることなく個体差による誤検出を抑制する。絶縁抵抗低下検出装置は、車両100に搭載された電気系統70の絶縁抵抗の低下を検出する。判定部53は、接続状態が第1の接続状態である場合に検出部43によって検出される第1の波高値がしきい値を下回ったときに、絶縁抵抗が低下していると判定する。自己診断部51は、接続状態が第2の接続状態である場合に検出部43によって検出される第2の波高値に基づいて絶縁抵抗低下検出装置を診断する。設定部52は、第2の波高値が高いほどしきい値が高くなるようにしきい値を設定する。

目的

この発明の目的は、電気系統の絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路を別途設けることなく個体差による誤検出を抑制する絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両に搭載された電気系統絶縁抵抗の低下を検出する絶縁抵抗低下検出装置であって、前記絶縁抵抗の低下を判定するための交流信号が与えられる信号線と、前記信号線における前記交流信号の波高値を検出する検出部と、予め定められた抵抗値を有する抵抗と、前記信号線が前記電気系統に電気的に接続される第1の接続状態と、前記信号線と前記電気系統との電気的接続遮断されるとともに前記信号線が前記抵抗に電気的に接続される第2の接続状態との間で前記信号線の接続状態を切替える切替部と、前記絶縁抵抗の低下を判定するための制御装置とを備え、前記制御装置は、前記接続状態が前記第1の接続状態であるときに前記検出部によって検出される波高値を示す第1の波高値がしきい値を下回った場合に、前記絶縁抵抗が低下していると判定する判定部と、前記接続状態が前記第2の接続状態であるときに前記検出部によって検出される波高値を示す第2の波高値に基づいて前記絶縁抵抗低下検出装置を診断する自己診断部と、前記第2の波高値が高いほど前記しきい値が高くなるように前記しきい値を設定する設定部とを含む、絶縁抵抗低下検出装置。

請求項2

前記制御装置は、前記しきい値が前記第2の波高値の大きさに対応して予め記憶される記憶部をさらに含み、前記設定部は、前記第2の波高値の大きさに応じて前記記憶部によって記憶されたしきい値を選択する、請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置。

請求項3

前記自己診断部は、前記車両が起動されたときに前記絶縁抵抗低下検出装置を診断し、前記設定部は、前記自己診断部による診断が実行されるときに前記しきい値を設定する、請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置。

請求項4

前記電気系統は、前記絶縁抵抗の抵抗値が小さいほど前記波高値の前記絶縁抵抗の抵抗値に対する変化率が大きくなる特性を有し、前記しきい値は、前記絶縁抵抗の抵抗値に対応して設定され、前記予め定められた抵抗値は、前記しきい値に対応する前記絶縁抵抗の抵抗値よりも小さい、請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置。

請求項5

前記信号線に前記交流信号を与える信号発生部をさらに備え、前記切替部は、前記信号線と前記電気系統との間に設けられる第1のスイッチと、前記信号線と前記予め定められた抵抗値を有する抵抗との間に設けられる第2のスイッチとを含む、請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置。

請求項6

請求項1に記載の絶縁抵抗低下検出装置を備える車両。

請求項7

車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出する絶縁抵抗低下検出方法であって、前記車両は、前記絶縁抵抗の低下を判定するための交流信号が与えられる信号線と、前記信号線における前記交流信号の波高値を検出する検出部と、予め定められた抵抗値を有する抵抗と、前記信号線が前記電気系統に電気的に接続される第1の接続状態と、前記信号線と前記電気系統との電気的接続が遮断されるとともに前記信号線が前記抵抗に電気的に接続される第2の接続状態との間で前記信号線の接続状態を切替える切替部とを含み、前記絶縁抵抗低下検出方法は、前記接続状態が前記第1の接続状態であるときに前記検出部によって検出される波高値を示す第1の波高値がしきい値を下回った場合に、前記絶縁抵抗が低下していると判定するステップと、前記接続状態が前記第2の接続状態であるときに前記検出部によって検出される波高値を示す第2の波高値に基づいて前記車両を診断するステップと、前記第2の波高値が高いほど前記しきい値が高くなるように前記しきい値を設定するステップとを含む、絶縁抵抗低下検出方法。

技術分野

0001

この発明は、絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法に関し、特に、車両に搭載された電気系統絶縁抵抗の低下を検出するための絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両ならびに絶縁抵抗低下検出方法に関する。

背景技術

0002

特開2006−170714号公報(特許文献1)は、高電圧電源地絡を検出する地絡検出装置を開示している。この地絡検出装置は、パルス発生回路と、高電圧電源に接続されるカップリングコンデンサと、カップリングコンデンサおよびパルス発生回路間に接続される抵抗と、カップリングコンデンサおよび抵抗間の電圧を測定する電圧測定手段と、高電圧電源の地絡を検出する地絡検出手段とを備える。

0003

この地絡検出装置においては、地絡検出手段は、電圧測定手段によって検出された電圧がしきい値よりも低いときに高電圧電源の地絡が発生していると判定する(特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2006−170714号公報
特開2008−273369号公報
特開2007−209158号公報
特開2006−208222号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記のような地絡検出装置は、個体差を有するため、パルス発生回路が出力するパルスや電圧測定手段が測定する電圧が個体差の影響によって変動する場合がある。これにより、地絡検出装置が高電圧電源の地絡を誤検出する可能性がある。

0006

これに対し、地絡検出装置ごとに高電圧電源の地絡を検出するためのしきい値を設定することによって、誤検出を防止することができる。しかしながら、このためには、しきい値を設定するための回路を地絡検出装置に別途設ける必要がある。

0007

それゆえに、この発明の目的は、電気系統の絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路を別途設けることなく個体差による誤検出を抑制する絶縁抵抗低下検出装置およびそれを備える車両を提供することである。

0008

また、この発明の別の目的は、電気系統の絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路を別途設けることなく個体差による誤検出を抑制する絶縁抵抗低下検出方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

この発明によれば、絶縁抵抗低下検出装置は、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出する。絶縁抵抗低下検出装置は、信号線と、検出部と、抵抗と、切替部と、制御装置とを備える。信号線は、絶縁抵抗の低下を判定するための交流信号が与えられる。検出部は、信号線における交流信号の波高値を検出する。上記抵抗は、予め定められた抵抗値を有する。切替部は、信号線が電気系統に電気的に接続される第1の接続状態と、信号線と電気系統との電気的接続遮断されるとともに信号線が上記抵抗に電気的に接続される第2の接続状態との間で信号線の接続状態を切替える。制御装置は、絶縁抵抗の低下を判定する。制御装置は、判定部と、自己診断部と、設定部とを含む。判定部は、接続状態が第1の接続状態であるときに検出部によって検出される波高値を示す第1の波高値がしきい値を下回った場合に、絶縁抵抗が低下していると判定する。自己診断部は、接続状態が第2の接続状態であるときに検出部によって検出される波高値を示す第2の波高値に基づいて絶縁抵抗低下検出装置を診断する。設定部は、第2の波高値が高いほどしきい値が高くなるようにしきい値を設定する。

0010

好ましくは、制御装置は、記憶部をさらに含む。記憶部には、しきい値が第2の波高値の大きさに対応して予め記憶される。設定部は、第2の波高値の大きさに応じて記憶部によって記憶されたしきい値を選択する。

0011

好ましくは、自己診断部は、車両が起動されたときに絶縁抵抗低下検出装置を診断する。設定部は、自己診断部による診断が実行されるときにしきい値を設定する。

0012

好ましくは、電気系統は、絶縁抵抗の抵抗値が小さいほど波高値の絶縁抵抗の抵抗値に対する変化率が大きくなる特性を有する。しきい値は、絶縁抵抗の抵抗値に対応して設定される。予め定められた抵抗値は、しきい値に対応する絶縁抵抗の抵抗値よりも小さい。

0013

好ましくは、絶縁抵抗低下検出装置は、信号発生部をさらに備える。信号発生部は、信号線に交流信号を与える。切替部は、第1のスイッチと、第2のスイッチとを含む。第1のスイッチは、信号線と電気系統との間に設けられる。第2のスイッチは、信号線と予め定められた抵抗値を有する抵抗との間に設けられる。

0014

また、この発明によれば、車両は、上述したいずれかの絶縁抵抗低下検出装置を備える。

0015

また、この発明によれば、絶縁抵抗低下検出方法は、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出する。車両は、信号線と、検出部と、抵抗と、切替部とを含む。信号線は、絶縁抵抗の低下を判定するための交流信号が与えられる。検出部は、信号線における交流信号の波高値を検出する。上記抵抗は、予め定められた抵抗値を有する。切替部は、信号線が電気系統に電気的に接続される第1の接続状態と、信号線と電気系統との電気的接続が遮断されるとともに信号線が上記抵抗に電気的に接続される第2の接続状態との間で信号線の接続状態を切替える。絶縁抵抗低下検出方法は、接続状態が第1の接続状態であるときに検出部によって検出される波高値を示す第1の波高値がしきい値を下回った場合に、絶縁抵抗が低下していると判定するステップと、接続状態が第2の接続状態であるときに検出部によって検出される波高値を示す第2の波高値に基づいて車両を診断するステップと、第2の波高値が高いほどしきい値が高くなるようにしきい値を設定するステップとを含む。

発明の効果

0016

この発明においては、波高値がしきい値を下回ったときに絶縁抵抗が低下していると判定される。自己診断部による診断に用いられる波高値が高いほどしきい値が高くなるようにしきい値が設定される。これにより、自己診断用回路を利用することによって個体差に応じたしきい値を設定することができる。したがって、この発明によれば、電気系統の絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路を別途設けることなく個体差による誤検出を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0017

この発明の実施の形態による絶縁抵抗低下検出装置を備える車両の構成を示す図である。
図1に示す検出器が出力する波高値と電気系統の絶縁抵抗値との関係を示す図である。
自己診断時の波高値としきい値との関係を示す図表である。
図1に示す制御装置の絶縁抵抗低下検出に関する機能ブロック図である。
図1に示す制御装置で実行される絶縁抵抗低下検出に関する処理を説明するフローチャートである。

実施例

0018

以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。

0019

図1は、この発明の実施の形態による絶縁抵抗低下検出装置を備える車両の構成を示す図である。図1を参照して、車両100は、蓄電装置Bと、電気系統70と、検出器40と、制御装置50と、警告ランプ60とを備える。

0020

車両100は、蓄電装置Bに蓄えられた電力によって走行する電動車両である。車両100は、たとえば、ハイブリッド車電気自動車などである。

0021

蓄電装置Bは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素電池リチウムイオン電池等の二次電池、あるいはキャパシタなどによって構成される。蓄電装置Bは、電気系統70へ電力を供給し、また、電力回生時には、電気系統70からの電力によって充電される。

0022

電気系統70は、インバータ(図示せず)を含む。インバータは、蓄電装置Bからの電力をモータ(図示せず)を駆動するための電力に変換する。電気系統70は、制御装置50からの信号によって制御される。電気系統70は、接地ノードGND(車両のシャーシ)に対して電気的に絶縁されている。

0023

検出器40は、電気系統70と接地ノードGNDとの間の絶縁抵抗の低下を検出するために設けられる。検出器40は、電気系統70に接続される。検出器40は、低周波数(たとえば、2.5Hz)の交流信号を電気系統70へ出力し、上記交流信号の波高値Vkを制御装置50へ出力する。波高値Vkは、絶縁抵抗の低下に応じて低下する。

0024

検出器40は、信号発生部41と、抵抗R1,R2と、コンデンサCと、切替部42と、検出部43とを含む。切替部42は、スイッチSW1,SW2を有する。検出部43は、バンドパスフィルタ43aと、ピークホールド回路43bとを有する。

0025

信号発生部41および抵抗R1は、ノードN1と、接地ノードGNDとの間に直列に接続される。コンデンサCおよびスイッチSW1は、ノードN1と電気系統70との間に直列に接続される。抵抗R2およびスイッチSW2は、ノードN1に接続される信号線SLと、接地ノードGNDとの間に直列に接続される。

0026

切替部42は、信号線SLが電気系統70に電気的に接続される第1の接続状態と、信号線SLと電気系統70との電気的接続が遮断されるとともに信号線SLが抵抗R2に電気的に接続される第2の接続状態との間で信号線SLの接続状態を切替えることができる。具体的には、接続状態が第1の接続状態のときは、スイッチSW1が閉成され、スイッチSW2が開放される。接続状態が第2の接続状態のときは、スイッチSW1が開放され、スイッチSW2が閉成される。切替部42は、制御装置50から受ける信号CMDによって接続状態が制御される。

0027

信号発生部41は、上記低周波数の交流信号を出力する。そして、バンドパスフィルタ43aは、ノードN1に接続される信号線SLによって伝達される交流信号を受け、その受けた交流信号から所定周波数(たとえば、2.5Hz)の成分だけを抽出してピークホールド回路43bへ出力する。ピークホールド回路43bは、バンドパスフィルタ43aから受けた交流信号のピークホールドし、そのホールドした波高値Vkを制御装置50へ出力する。

0028

制御装置50は、起動指示IGを受ける。起動指示IGは、車両100の起動時に運転者イグニッションスイッチなどのスタートスイッチをオンすることによってオフ状態からオン状態に切換わる。起動指示IGは、車両100の動作停止時に運転者がイグニッションスイッチをオフすることによってオン状態からオフ状態に切換わる。

0029

制御装置50は、車両100が起動されると、接続状態が第1の接続状態であるときの波高値Vkの大きさに基づいて絶縁抵抗の低下の有無を判定する。電気系統70は、上述のように、接地ノードGNDに対して電気的に絶縁されている。しかしながら、何らかの要因によって、電気系統70および接地ノードGND間の絶縁抵抗が低下すると、ノードN1における電圧が低下する。そこで、制御装置50は、波高値Vkがしきい値を下回ったときに絶縁抵抗が低下していると判定する。

0030

制御装置50は、絶縁抵抗の低下が生じていると判定した場合には、信号EMGを生成して警告ランプ60へ出力する。警告ランプ60は、信号EMGに応じて点灯する。これにより、運転者は、絶縁抵抗の低下が生じていることを知ることができる。

0031

さらに、制御装置50は、接続状態が第2の接続状態であるときの波高値Vkの大きさに基づいて検出器40の異常を検出する(以下、自己診断とも称する。)。制御装置50は、波高値Vkが所定の範囲内であるときに検出器40が正常であると判定する。一方、検出器40の回路において断線またはショートなどが発生すると、波高値Vkが所定の範囲内ではなくなる。したがって、制御装置50は、波高値Vkが所定の範囲内でないときに検出器40が異常であると判定する。

0032

ここで、検出器40は、個体差を有する。たとえば、検出器40の信号発生部41が出力する電圧は、信号発生部41を構成する部品の個体差によって変動する。また、検出器40の検出部43が出力する波高値Vkは、検出部43を構成する部品の個体差によって変動する。これにより、絶縁抵抗の低下の有無を誤判定する可能性がある。

0033

そこで、本実施の形態では、自己診断時に出力される波高値Vkに基づいてしきい値が設定される。これにより、検出器40の個体差によって絶縁抵抗の低下の有無を誤判定することを防止できる。自己診断時に出力される波高値Vkを利用してしきい値を設定するため、しきい値を設定するために別途抵抗を設ける必要がない。

0034

図2は、図1に示す検出器40が出力する波高値Vkと電気系統の絶縁抵抗値との関係を示す図である。図2を参照して、実線LN1〜LN3は、個体差によって検出する波高値が互いに異なる検出器40の特性を示す。たとえば、絶縁抵抗値が同じであっても、実線LN3で表される波高値を出力する検出器40は、実線LN2で表される波高値を出力する検出器40よりも大きい値を出力する。一方、実線LN1で表される波高値を出力する検出器40は、実線LN2で表される波高値を出力する検出器40よりも小さい値を出力する。

0035

なお、抵抗値Y1は、自己診断時の抵抗値(抵抗R2の抵抗値)を示す。抵抗値Y2は、電気系統70の絶縁抵抗が異常であると判定される場合の抵抗値を示す。抵抗値Y3は、電気系統70の絶縁抵抗が正常であると判定される場合の抵抗値を示す。

0036

実線LN1〜LN3においては、絶縁抵抗値が小さいほど波高値Vkが低下する。よって、波高値Vkを検出することによって絶縁抵抗の低下を検出することができる。しかしながら、上述のように検出器40の個体差によって波高値Vkが変動する場合がある。

0037

そこで、本実施の形態では、自己診断時に検出される波高値Vkに基づいてしきい値が設定される。具体的には、実線LN1において、絶縁抵抗値がY1であるとき、検出器40は波高値X1を出力する。また、絶縁抵抗値がY2であるとき、検出器40は波高値A1を出力し、絶縁抵抗値がY3であるとき、検出器40は波高値B1を出力する。

0038

したがって、制御装置50は、自己診断時に検出される波高値VkがX1であるときは、絶縁抵抗が異常であると判定するためのしきい値(以下、異常判定値とも称する。)をA1に設定し、絶縁抵抗が正常であると判定するためのしきい値(以下、正常判定値とも称する。)をB1に設定する。

0039

同様に、実線LN2において、絶縁抵抗値がY1であるとき、検出器40は波高値X2を出力する。また、絶縁抵抗値がY2であるとき、検出器40は波高値A2を出力し、絶縁抵抗値がY3であるとき、検出器40は波高値B2を出力する。したがって、制御装置50は、自己診断時に検出される波高値VkがX2であるときは、異常判定値をA2に設定し、正常判定値をB2に設定する。

0040

さらに同様に、実線LN3において、絶縁抵抗値がY1であるとき、検出器40は波高値X3を出力する。また、絶縁抵抗値がY2であるとき、検出器40は波高値A3を出力し、絶縁抵抗値がY3であるとき、検出器40は波高値B3を出力する。したがって、制御装置50は、自己診断時に検出される波高値VkがX3であるときは、異常判定値をA3に設定し、正常判定値をB3に設定する。

0041

図3は、自己診断時の波高値としきい値との関係を示す図表である。図3を参照して、制御装置50は、自己診断時の波高値X1〜Xnと異常判定値A1〜Anおよび正常判定値B1〜Bnとの関係を表すテーブルを記憶する記憶部を有する。制御装置50は、自己診断時に得られる波高値Vkに基づいて上記テーブルを参照することによって、異常判定値および正常判定値を取得する。そして、制御装置50は、取得された異常判定値および正常判定値によって絶縁抵抗の低下の有無を判定する。

0042

図4は、図1に示す制御装置50の絶縁抵抗低下検出に関する機能ブロック図である。図4を参照して、制御装置50は、自己診断部51と、設定部52と、判定部53とを含む。

0043

自己診断部51は、車両100が起動されると、接続状態が第2の接続状態となるように切替部42を制御する信号CMDを切替部42へ出力する。接続状態が第2の接続状態に切替えられると、自己診断部51は、検出器40から波高値Vkを受ける。自己診断部51は、波高値Vkが所定の範囲内であるときに検出器40が正常であると判定する。一方、自己診断部51は、波高値Vkが所定の範囲内でないときに検出器40が異常であると判定する。なお、所定の範囲は、検出器40の回路において断線またはショートなどが発生していないことを判定するための範囲である。

0044

設定部52は、自己診断が完了すると、自己診断部51から自己診断時に用いられた波高値Vkを受ける。設定部52は、波高値Vkに基づいて記憶部に記憶されたしきい値を選択することによってしきい値を設定する。設定部52は、しきい値を判定部53へ出力する。

0045

判定部53は、接続状態が第1の接続状態となるように切替部42を制御する信号CMDを切替部42へ出力する。接続状態が第1の接続状態に切替えられると、判定部53は、検出器40から波高値Vkを受ける。判定部53は、波高値Vkに基づいて絶縁抵抗の低下の有無を判定する。判定部53は、波高値Vkが異常判定値を下回ったときに、絶縁抵抗が低下したと判定する。一方、判定部53は、波高値Vkが正常判定値を上回ったときに、絶縁抵抗が低下していないと判定する。

0046

図5は、図1に示す制御装置50で実行される絶縁抵抗低下検出に関する処理を説明するフローチャートである。なお、図5に示されるフローチャート中の各ステップについては、制御装置50に予め格納されたプログラムメインルーチンから呼び出されて、所定周期もしくは所定の条件が成立したことに応答して実行されることによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。

0047

図5を参照して、ステップ(以下、ステップをSと略す。)10において、制御装置50は、検出器40の電源がオンされたか否かを判定する。具体的には、車両100が起動することによって検出器40に電力が供給されたときに、制御装置50は、検出器40の電源がオンされたと判定する。検出器40の電源がオンされたと判定されない場合は(S10にてNO)、制御装置50は、以降の処理を行わない。

0048

検出器40の電源がオンされたと判定された場合は(S10にてYES)、制御装置50は、自己診断が完了したか否かを判定する(S20)。自己診断が完了したと判定されない場合は(S20にてNO)、制御装置50は、自己診断を実行する(S30)。

0049

具体的には、制御装置50は、接続状態が第2の接続状態となるように切替部42を制御する信号CMDを切替部42へ出力する。接続状態が第2の接続状態に切替えられると、制御装置50は、検出器40から波高値Vkを受ける。制御装置50は、波高値Vkが所定の範囲内であるときに検出器40が正常であると判定する。一方、制御装置50は、波高値Vkが所定の範囲内でないときに検出器40が異常であると判定する。

0050

自己診断が完了したと判定された場合は(S20にてYES)、制御装置50は、電気系統70の絶縁抵抗の低下を判定するためのしきい値の設定が完了したか否かを判定する(S40)。しきい値の設定が完了したと判定されない場合は(S40にてNO)、制御装置50は、しきい値を設定する(S50)。具体的には、制御装置50は、自己診断時に用いられた波高値Vkに基づいて図3に示すテーブルを参照することによりしきい値を設定する。

0051

しきい値の設定が完了したと判定された場合は(S40にてYES)、制御装置50は、絶縁抵抗の低下を判定する処理を実行する(S60)。具体的には、制御装置50は、接続状態が第1の接続状態となるように切替部42を制御する信号CMDを切替部42へ出力する。接続状態が第1の接続状態に切替えられると、制御装置50は、検出器40から波高値Vkを受ける。制御装置50は、波高値Vkが異常判定値を下回ったときに、絶縁抵抗が低下したと判定する。一方、制御装置50は、波高値Vkが正常判定値を上回ったときに、絶縁抵抗が低下していないと判定する。

0052

以上のように、この実施の形態においては、波高値がしきい値を下回ったときに絶縁抵抗が低下していると判定される。自己診断部51による診断に用いられる波高値が高いほどしきい値が高くなるようにしきい値が設定される。これにより、自己診断用回路を利用することによって個体差に応じたしきい値を設定することができる。したがって、この実施の形態によれば、電気系統70の絶縁抵抗の低下の検出において、しきい値を設定するための回路を別途設けることなく個体差による誤検出を抑制することができる。

0053

また、この実施の形態においては、車両100が起動されたときに自己診断が実行される。自己診断が実行されるとしきい値が設定される。このため、検出器40が経年変化した場合の影響を抑制することができる。

0054

また、この実施の形態においては、電気系統70は、絶縁抵抗の抵抗値が小さいほど波高値の絶縁抵抗の抵抗値に対する変化率が大きくなる特性を有する。しきい値は、絶縁抵抗の抵抗値に対応して設定される。予め定められた抵抗値は、しきい値に対応する絶縁抵抗の抵抗値よりも小さい。よって、波高値の上記抵抗値に対する変化率が高い領域において、自己診断用の波高値を検出することができるため、しきい値を精度よく設定することができる。

0055

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0056

40検出器、41信号発生部、42切替部、43 検出部、43aバンドパスフィルタ、43bピークホールド回路、50制御装置、60警告ランプ、70電気系統、100 車両、B蓄電装置、Cコンデンサ、GND接地ノード、R1,R2抵抗、SL信号線、SW1,SW2 スイッチ。

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