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課題

発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制し、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができる発泡樹脂成形品の製造方法を提供すること。

解決手段

溶融した発泡樹脂金型射出した後、発泡させることによって、発泡樹脂成形品を製造する方法であって、金型は、第1金型と、第2金型を備えており、(a)第1金型と、第2金型との間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂を射出する工程と、(b)第1金型の温度T1と、第2金型の温度T2に温度差ΔTを設け、第1金型又は第2金型のいずれか一方のうち温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程と、(c)前記発泡樹脂を発泡させるために、前記第1金型及び/又は前記第2金型を駆動させることにより、前記キャビティ内の容積拡張させる工程とを備えたことを特徴とする。

概要

背景

近年、自動車用ドアトリムインストルメントパネル等の基材に使用される自動車用内装部材として、熱可塑性樹脂中に発泡剤が含有された樹脂組成物原料とする発泡樹脂成形品が使用されている。しかしながら、上記樹脂組成物を原料として、射出成形を行った場合、発泡樹脂成形品のR部に緩やかな形状を形成することができないという問題点があった。

このため、熱可塑性樹脂シートまたはフィルムに発泡剤を含有させた未発泡シートまたはフィルムを、予め加熱された少なくとも2つの金型に挟むことにより、上記金型によって上記未発泡シートまたはフィルムの発泡および成形を行うことを特徴とする発泡成形体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1)。この発泡成形体の製造方法は、一つの金型と他の金型の温度を異ならせることにより、低温の金型に接触する面の発泡を抑制して、その面のスキン層を厚くさせ、これによって、表面強度が高く、傷が付きにくい面を得ることができる方法である。なお、本件特許出願人は、上記文公知発明が記載された刊行物として、以下の刊行物を提示する。

概要

発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制し、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができる発泡樹脂成形品の製造方法を提供すること。溶融した発泡樹脂を金型に射出した後、発泡させることによって、発泡樹脂成形品を製造する方法であって、金型は、第1金型と、第2金型を備えており、(a)第1金型と、第2金型との間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂を射出する工程と、(b)第1金型の温度T1と、第2金型の温度T2に温度差ΔTを設け、第1金型又は第2金型のいずれか一方のうち温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程と、(c)前記発泡樹脂を発泡させるために、前記第1金型及び/又は前記第2金型を駆動させることにより、前記キャビティ内の容積拡張させる工程とを備えたことを特徴とする。

目的

本発明は、かかる技術的事情に鑑みてなされたものであって、未発泡樹脂成形品縦壁部の形状等を特に設定することなく、発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制し、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができる発泡樹脂成形品の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

溶融した発泡樹脂金型射出した後、発泡させることによって、発泡樹脂成形品を製造する方法であって、前記金型は、第1金型と、第2金型を備えており、(a)前記第1金型と、前記第2金型との間に画成されるキャビティ内に前記発泡樹脂を射出する工程と、(b)前記第1金型の温度T1と、前記第2金型の温度T2に温度差ΔTを設け、前記第1金型又は前記第2金型のいずれか一方のうち温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程と、(c)前記発泡樹脂を発泡させるために、前記第1金型及び/又は前記第2金型を駆動させることにより、前記キャビティ内の容積拡張させる工程とを備えたことを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。

請求項2

前記第1金型又は前記第2金型のいずれか一方のうち温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程は、前記発泡樹脂の温度が前記凝固点(Tm)に到達するまで、コアバック待ち時間を設ける工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

請求項3

前記発泡樹脂の発泡を行うための温度は、前記第1金型又は第2金型のいずれか一方のうち温度が高い方の金型側にある発泡樹脂の凝固点(Tm)以上の温度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

請求項4

前記温度T1又は前記温度T2のいずれか一方のうち、温度が低い方の金型が発泡樹脂成形品の表面側となり、温度が高い方の金型が発泡樹脂成形品の裏面側となることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

請求項5

前記温度差ΔTが20〜80℃であり、前記発泡樹脂の発泡を行うための時間が0.5〜2.0秒であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

請求項6

前記温度T1又は前記温度T2のいずれか一方のうち、温度が高い方の金型の温度が50〜90℃であり、温度が低い方の金型の温度が10〜40℃であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

請求項7

請求項1〜6いずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の製造方法によって製造された発泡樹脂成形品。

技術分野

0001

本発明は、発泡樹脂成形品の製造方法及び発泡樹脂成形品に関する。更に詳しくは、R部のダレを抑制することができ、R部に所望の形状を付与することができる発泡樹脂成形品の製造方法及び発泡樹脂成形品に関する。

背景技術

0002

近年、自動車用ドアトリムインストルメントパネル等の基材に使用される自動車用内装部材として、熱可塑性樹脂中に発泡剤が含有された樹脂組成物原料とする発泡樹脂成形品が使用されている。しかしながら、上記樹脂組成物を原料として、射出成形を行った場合、発泡樹脂成形品のR部に緩やかな形状を形成することができないという問題点があった。

0003

このため、熱可塑性樹脂シートまたはフィルムに発泡剤を含有させた未発泡シートまたはフィルムを、予め加熱された少なくとも2つの金型に挟むことにより、上記金型によって上記未発泡シートまたはフィルムの発泡および成形を行うことを特徴とする発泡成形体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1)。この発泡成形体の製造方法は、一つの金型と他の金型の温度を異ならせることにより、低温の金型に接触する面の発泡を抑制して、その面のスキン層を厚くさせ、これによって、表面強度が高く、傷が付きにくい面を得ることができる方法である。なお、本件特許出願人は、上記文公知発明が記載された刊行物として、以下の刊行物を提示する。

先行技術

0004

特開2009−107294号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に開示された発泡成形体の製造方法は、雄型金型下降によって発泡成形体が製造されるものであり、いわゆるコアバックの製造工程を備えていない。このため、上記発泡成形体の製造方法は、発泡樹脂射出して成形する時にR部のダレを抑制することができないという不具合を有する。

0006

本発明は、かかる技術的事情に鑑みてなされたものであって、未発泡樹脂成形品縦壁部の形状等を特に設定することなく、発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制し、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができる発泡樹脂成形品の製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本件発明者等は、鋭意検討を行った結果、発泡樹脂が射出される第1金型の温度と、第2金型の温度に差を設け、所定の待ち時間を設け、さらに温度が低い側の型の発泡樹脂にスキン層を形成させた後、第1金型又は第2金型を駆動させて、キャビティ内の容積を増加させることによって、発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制し、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下の技術的事項から構成される。

0008

(1)溶融した発泡樹脂を金型に射出した後、発泡させることによって、発泡樹脂成形品を製造する方法であって、前記金型は、第1金型と、第2金型を備えており、
(a) 前記第1金型と、前記第2金型との間に画成されるキャビティ内に前記発泡樹脂を射出する工程と、
(b) 前記第1金型の温度T1と、前記第2金型の温度T2に温度差ΔTを設け、
前記第1金型又は第2金型のいずれか一方のうち温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程と、
(c) 前記発泡樹脂を発泡させるために、前記第1金型及び/又は前記第2金型を駆動させることにより、前記キャビティ内の容積を拡張させる工程とを備えたことを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。

0009

(2) 前記第1金型又は前記第2金型のいずれか一方のうち温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程は、前記発泡樹脂の温度が前記凝固点(Tm)に到達するまで、コアバック待ち時間を設ける工程を備えたことを特徴とする(1)に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

0010

(3) 前記発泡樹脂の発泡を行うための温度は、前記第1金型又は第2金型のいずれか一方のうち温度が高い方の金型側にある発泡樹脂の凝固点(Tm)以上の温度であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

0011

(4) 前記温度T1又は前記温度T2のいずれか一方のうち、温度が低い方の金型が発泡樹脂成形品の表面側となり、温度が高い方の金型が発泡樹脂成形品の裏面側となることを特徴とする(1)〜(3)いずれか1つに記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

0012

(5) 前記温度差ΔTが20〜80℃であり、
前記発泡樹脂の発泡を行うための時間が0.5〜2.0秒であることを特徴とする(1)〜(4)いずれか1つに記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

0013

(6) 前記温度T1又は前記温度T2のいずれか一方のうち、温度が高い方の金型の温度が50〜90℃であり、温度が低い方の金型の温度が10〜40℃であることを特徴とする(1)〜(5)いずれか1つに記載の発泡樹脂成形品の製造方法。

0014

(7) (1)〜(6)いずれか1つに記載の発泡樹脂成形品の製造方法によって製造された発泡樹脂成形品。

発明の効果

0015

本発明によれば、発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制することができ、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができる発泡樹脂成形品の製造方法が提供される。また、本発明によれば、従来の発泡樹脂成形品の製造方法に比較して、発泡樹脂成形品のR部のダレを大幅に抑制することができる発泡樹脂成形品の製造方法が提供される。さらに、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法は、溶融した発泡樹脂を射出する金型に温度差を設けているので、温度が低い金型側には厚いスキン層が形成されており、かつ温度が高い金型側には発泡樹脂が十分に発泡している発泡樹脂層を有する発泡樹脂成形品を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の発泡樹脂成形品の製造方法の各工程における時間(秒)と発泡樹脂温度(℃)との関係を示したモデル図である。
従来の発泡樹脂成形品の製造方法によって製造された発泡樹脂成形品の断面構造を示したモデル図である。
実施例において製造された発泡樹脂成形品の断面構造を示したモデル図である。
実施例において製造された発泡樹脂成形品のR部(A−A)を示した図である。
実施例において製造された発泡樹脂成形品のR部(A−A)の断面構造を示した断面図である。

0017

<発泡樹脂成形品の製造方法>
本発明の発泡樹脂成形品の製造方法は、(a)第1金型と第2金型との間に画成されるキャビティ内に発泡樹脂を射出する工程と、(b)第1金型の温度T1と第2金型の温度T2に温度差ΔTを設け、温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程と、(c)発泡樹脂の発泡を行わせるために、前記キャビティ内の容積を拡張させる工程を備えていることを特徴とするものである。図1に各工程における時間(秒)と発泡樹脂温度(℃)との関係を示した。以下、発泡樹脂成形品の製造方法の各工程について詳細に説明する。

0018

(発泡樹脂を射出する工程)
本発明の発泡樹脂の製造方法は、溶融した発泡樹脂を金型に射出した後、発泡させる。
上記金型は、第1金型と第2金型を備えており、これらの金型を嵌合することにより、所望の発泡樹脂成形品の形状キャビティを画成する。第1金型及び第2金型は、発泡樹脂の発泡時にキャビティ内の容積を拡張することができればよく、上記いずれか一方の金型が移動型の金型であることが必要である。第1金型と第2金型の双方を移動型の金型としてもよい。

0019

第1金型と第2金型からなる金型に溶融した発泡樹脂を射出する。発泡樹脂成形品の原料となる発泡樹脂は、発泡樹脂の融点以上の温度に加熱されることにより溶融する。その温度は、原料となる発泡樹脂の種類により異なるものとなるが、例えば、発泡樹脂としてポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を使用した場合には、180〜220℃であることが好ましい。溶融した発泡樹脂を金型のキャビティ内に射出する方法としては、最初に金型に発泡樹脂を充填してもよいし、予め発泡樹脂をその融点以上の温度として溶融させた発泡樹脂を射出機射出ノズルによって、上記キャビティ内に射出してもよい。

0020

発泡樹脂成形品の原料となる発泡樹脂は、所定の温度で発泡することができる熱可塑性樹脂であれば、特に制限されるものではないが、熱可塑性樹脂と、発泡剤を含むことが必要である。さらに、発泡樹脂成形品の用途に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲内で、公知の各種充填材顔料帯電防止剤等を添加してもよい。

0021

熱可塑性樹脂としては、特に制限されるものではないが、ポリエチレン系樹脂ポリプロピレン系樹脂ポリスチレン系樹脂ポリエチレンテレフタレート系樹脂ポリビニルアルコール系樹脂塩化ビニル系樹脂ポリアミド系樹脂ポリアセタール系樹脂ポリカーボネート系樹脂アイオノマー系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)等が挙げられ、その汎用性及び取扱いの観点から、特に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。

0022

発泡剤としては、たとえば、炭酸水素ナトリウムアゾジカルボンアミド等の化学発泡剤が挙げられる。なお、発泡剤の配合量は、発泡樹脂成形品の発泡倍率により、適宜決定することができる。例えば、理論上の発泡倍率が成形品の目標発泡倍率の1.5〜3.0倍となる量とすることが好ましい。ここで、発泡倍率は、キャビティ厚さに対するコアバック後の発泡樹脂成形品の総厚さの比を意味する。

0023

発泡樹脂としてポリプロピレン樹脂、発泡剤として炭酸水素ナトリウムを使用し、その発泡倍率を1.5〜3.0倍と設定した場合には、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、発泡剤を3.0〜6.0重量部とすることができる。

0024

(発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程)
次に、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法は、第1金型の温度T1と第2金型の温度T2に温度差ΔTを設け、その後に温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程を備える。すなわち、上記製造方法は、第1金型と第2金型で画成されるキャビティ内において、第1金型の温度T1と第2金型の温度T2を異ならせ、一方で温度が低い方の金型側の発泡樹脂を固化させ、他方で温度が高い方の金型側の発泡樹脂を発泡させるものである。

0025

金型の温度差ΔTは、あらかじめ第1金型の温度T1と第2金型の温度T2を異ならせるように制御することにより、設定することができる。第1金型の温度T1と、第2金型の温度T2をそれぞれ設定し、金型の温度差ΔTを有するキャビティ内に発泡樹脂を射出する。そして、キャビティ内に射出された溶融した発泡樹脂は、冷却されて固化し、発泡樹脂成形体となる。なお、第1金型の温度T1と第2金型の温度T2の温度制御は、それぞれの金型に接続された温度センサー等により、制御することができる。金型の温度差ΔTは、第1金型の温度T1に対して、第2金型の温度T2を低く設定してもよく、第2金型の温度T2に対して、第1金型の温度T1を低く設定してもよい。

0026

金型の温度差ΔTは、発泡樹脂成形品に使用する発泡樹脂の種類にもよるが、20〜80℃であることが好ましい。20℃以上80℃以下であると、一方側では、凝固点以下の温度にてコアバックすることができ、他方側では、凝固点以上でコアバックすることができるため好ましい。

0027

例えば、上記温度T1又は温度T2のいずれか一方のうち、温度が高い方の金型の温度が60〜90℃とし、温度が低い方の金型の温度を10〜40℃とすることができる。温度が高い方の金型の温度が60℃以上90℃以下であると、発泡樹脂成形品の裏側面であるコア側発泡性が良くなるため好ましい。また、温度が低い方の金型の温度が10℃以上40℃以下であると、凝固点以下になり易く、スキン層が固化して厚いものとなるため好ましい。

0028

このように金型の温度差ΔTを設け、その後に温度が低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる。低い方の金型側にある発泡樹脂をその発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させることにより、当該金型側付近にある発泡樹脂は、固化が促進される。発泡樹脂が固化することにより、上記金型側付近に発泡樹脂からなるスキン層がしっかり形成される。

0029

発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達させる工程において、上記スキン層を形成させるための時間を設けることができる。本発明では、かかる時間を「コアバック待ち時間」と定義する。コアバック待ち時間を設けることにより、発泡樹脂スキン層の厚みを所定の厚みとすることができる。低い方の金型側付近に発泡樹脂からなる発泡樹脂スキン層を形成させることにより、R部のダレを抑制することができる。その結果、発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制することができ、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができる。

0030

従来の発泡樹脂成形品の製造方法で得られた発泡樹脂成形品の断面構造を示したモデルを図2(a)、(b)に示した。図2(a)に示すように発泡樹脂成形品1は、発泡樹脂成形品1に形状附形を与えるキャビティ側2とコア側3を備えている。従来の発泡樹脂成形品の製造方法においては、凝固点温度になる前に金型をコアバックするため、発泡樹脂スキン層7が薄く、成形体形状保持が困難であったために、R部のダレが発生する。

0031

さらに、図2(b)に示すように、従来の発泡樹脂成形品の製造方法の発泡樹脂を発泡する工程において、発泡樹脂4の有する気泡5の発泡力によりダレが発生する。そして、発泡樹脂4を発泡させる際に金型を広げる必要があるため、金型をコアバックした際に、R部のダレが発生する。すなわち、従来の発泡樹脂成形品の製造方法においては、金型を広げた瞬間の発泡樹脂成形体の発泡樹脂スキン層7の強度が弱く、発泡樹脂成形体の形状保持が困難であるためR部のダレが発生し、発泡樹脂成形品1のR部のダレを抑制することができない。

0032

一方、図3(a)に示したように、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法は、第1金型と第2金型を備えた金型の温度差ΔTを設け、温度が低い方の金型側にある発泡樹脂4をその発泡樹脂4の凝固点(Tm)に到達させて発泡樹脂スキン層6の形成を促進させている。温度が低い方の金型側付近に形成される発泡樹脂スキン層6の存在により、形状附形時における凸部に発生するダレを有効に抑制することができる。かかる発泡樹脂スキン層6の厚みは、凸部に発生するダレを抑制することができる厚みであれば、特に制限されるものでなく、使用する発泡樹脂4の種類に応じて適宜設定することができる。また、上記発泡樹脂スキン層6の厚みは、温度が低い方の金型の温度及び当該温度の保持時間を変化させることにより、適宜設定することができる。

0033

さらに、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法においては、上記温度T1又は上記温度T2のいずれか一方のうち、温度が低い方の金型が発泡樹脂成形品の表面側となり、温度が高い方の金型が発泡樹脂成形品の裏面側となることが好ましい。すなわち、温度が低い方の金型は、発泡樹脂の凝固点(Tm)に到達し、その金型付近に発泡樹脂スキン層が形成されているからである。発泡樹脂成形品の発泡樹脂スキン層は、そのR部のダレが抑制されているものであり、発泡樹脂成形品のR部に所望の形状を付与することができるという効果を奏する。

0034

(発泡樹脂の発泡を行うための工程)
さらに、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法においては、上記発泡樹脂の発泡を行うための工程を備えている。この工程は、発泡樹脂スキン層が形成されている以外の部分について、発泡樹脂の発泡をさせることによって、発泡樹脂成形品とする工程である。発泡樹脂は、その固化する温度である凝固点以上の温度で発泡するものであるため、発泡樹脂の温度を凝固点(Tm)以上の温度とすることが必要である。

0035

発泡樹脂は、その樹脂温度を凝固点(Tm)以上の温度とすることにより、発泡能力を有することとなり、通常その発泡力によりダレが発生する。しかしながら、本発明においては、その発泡樹脂の温度を凝固点(Tm)以上の温度とすることによって、発泡樹脂成形品の裏側面では、発泡樹脂の温度をアップさせて、発泡樹脂を必要なだけ発泡させ、さらに、発泡樹脂成形品の表側面では、スキン層の形成を促進させて、R部のダレを抑制し、発泡樹脂成形品の形状を保持させることができる。

0036

発泡樹脂の発泡は、その発泡温度と当該温度を保持する時間を適宜設定することにより、調整することができる。発泡温度と当該温度を保持する時間は、発泡樹脂に含まれる発泡剤の量及び所望の発泡倍率を案して調整することができる。

0037

そして、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法においては、金型を駆動させることにより、キャビティ内の容積を拡張させる工程を備えている。この工程においては、第1金型を固定化して、第2金型を駆動させてもよい。また、その逆であってもよく、両方の金型を駆動させてもよい。第1金型及び/又は第2金型の駆動する距離は、発泡樹脂に含まれる発泡剤の量及び所望の発泡倍率を勘案して調整することができる。

0038

<発泡樹脂成形品>
本発明の発泡樹脂成形品の製造方法により製造された発泡樹脂成形品1は、そのR部のダレが抑制され、緩やかな形状等の所望の形状を有しているものである。図3(b)に示すように、発泡樹脂成形品1の表側面に厚いスキン層6を備えており、裏側面に表側面よりも薄いスキン層7を備えている。上記発泡樹脂成形品1は、厚い発泡樹脂スキン層6と裏側面の薄い発泡樹脂スキン層7の間に必要な量だけ発泡させた発泡樹脂4と気泡5からなる発泡樹脂層を備えている。このように、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法により製造された発泡樹脂成形品1は、そのR部のダレが抑制され、所望の形状を有しているので、家電部品、自動車用ドアトリム、インストルメントパネル等のベース基材に好適に使用することができる。

0039

以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0040

<実施例1>
第1金型及び第2金型からなる金型を準備し、第1金型の温度T1を10〜40℃、第2金型の温度T2を60〜90℃とし、これらの金型の温度差ΔTを20〜80℃に設定した。第1金型と第2金型からなるキャビティ内に発泡樹脂を溶融状態(樹脂温度180〜220℃)にて射出した。

0041

その後、第1金型及び第2金型からなる金型のキャビティ内に溶融した発泡樹脂が充填されたことを確認して、発泡樹脂の射出を完了した。

0042

なお、本実施例において、上記第1金型の温度と第2金型の温度の差ΔTは、20〜80℃に設定した。そして、コアバック待ち時間を0.5〜2.0秒に設定し、当該コアバック待ち時間内に第1金型付近に発泡樹脂からなるスキン層を形成し、第2金型付近の発泡樹脂部分を発泡させた。

0043

その後、金型を室温まで冷却して、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法によって製造された発泡樹脂成形品1を金型より取り出した。この発泡樹脂成形品1は、第1金型側に形成されているスキン層6を表側面とするものである。図4に発泡樹脂成形品を示した。図4によれば、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法によって製造された発泡樹脂成形品は、緩やかな形状を有するR部を備えており、ダレが少ないものであることが理解できる。上記発泡樹脂成形品のR部(A−A)を抽出し、これら部材のR値とダレ値を測定した。測定結果を表1に示す。なお、上記発泡樹脂成形品のR部(A−A)は、図5に示すように、その頂角が160°であり、金型R半径が15である。

0044

<比較例1>
第1金型及び第2金型からなる金型の温度に差を設けないで、両方の金型の温度を等しくし、コアバック待ち時間を設けることなく、0秒とした以外は、実施例1と同様にして、発泡樹脂製品を製造した。

0045

表1に実施例1及び比較例1で製造された発泡樹脂成形品のR部におけるR値、ダレの値を示した。

0046

0047

表1によれば、第1金型及び第2金型からなる金型の温度に差を設けて、さらにコアバック待ち時間を設定することにより、発泡樹脂成形品のR値及びダレ値を向上させることが可能であることが判明した。すなわち、本発明の発泡樹脂成形品の製造方法により得られた発泡樹脂成形品は、R部のダレが抑制され、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状が付与されているものであることが理解できる。

実施例

0048

図4に示されるような発泡樹脂成形品は、表1に示されるように、R部のダレが抑制されており、R部に所望の形状が付与されていることから、自動車用ドアトリム等に好適に使用することができる。

0049

本発明の発泡樹脂成形品の製造方法は、発泡樹脂成形品のR部のダレを抑制することができ、発泡樹脂成形品の緩やかな形状が必要とされるR部に所望の形状を付与することができるものであり、家電部品、自動車用ドアトリム、インストルメントパネル等の基材に使用される自動車用内装部材に適用が可能である。

0050

1発泡樹脂成形品
2 第1金型
3 第2金型
4発泡樹脂
5気泡
6 発泡樹脂スキン層(表面側)
7 発泡樹脂スキン層(裏面側)

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