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技術 静電容量型トランスデューサの制御装置、及び静電容量型トランスデューサの制御方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 香取篤史高木誠真島正男長永兼一
出願日 2014年2月6日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2014-020850
公開日 2014年5月15日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2014-090515
状態 特許登録済
技術分野 超音波変換器
主要キーワード 正負電源 送受信トランス バネ成分 出力線数 トランスデューサ面 トランスインピーダンス回路 交流電位 連続波形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

送受信効率の低下が少なく、利用可能な周波数の範囲が異なる複数の送受信特性を持つことができる静電容量型電気機械変換装置制御装置及び制御方法を提供する。

解決手段

空隙104を挟んで対向して設けられた第1及び第2の電極105、102を含むセルを有する静電容量型電気機械変換装置の制御装置は、駆動・検出手段202と外部応力印加手段200を備える。駆動・検出手段は、電極間交流静電引力を発生させて第2の電極を振動させ弾性波を送信する駆動動作と、弾性波を受信して第2の電極102が振動することによる電極間の容量変化を検出する検出動作との少なくとも一方を行う。外部応力印加手段は、第2の電極102に印加される外部応力を変化させる。駆動・検出手段は、外部応力の変化に対応して、送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整する。

概要

背景

音波送受信を行うトランスデューサとして、静電容量型超音波トランスデューサであるCMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が提案されている。CMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いて作製されたものである。また、超音波トランスデューサを用いて、測定対象に超音波を送信し、測定対象で反射した超音波を受信することで、測定対象の情報を得る測定方法がある。この測定方法に用いる送受信トランスデューサに、送受信する超音波の周波数範囲が比較的広い(広帯域)という特徴を持つCMUTを用いる方法が提案されている。

一方、CMUTは、超音波を受けて振動する振動膜の状態がそれぞれ異なるコンベンショナルモードコラプスモードと呼ばれる2つのモードを有することが知られている(特許文献1参照)。コンベンショナルモードでは、送受信の動作中においてたとえ振動膜は凹んだとしても下部電極等に接触しない状態にある。逆にコラプスモードでは、送受信の動作中に振動膜は凹んで下部電極等に接触した状態にある。特許文献1には、コンベンショナルモードとコラプスモード間で振動膜を振動させて振幅の大きな超音波を発信できることが記載されている。

概要

送受信効率の低下が少なく、利用可能な周波数の範囲が異なる複数の送受信特性を持つことができる静電容量型電気機械変換装置制御装置及び制御方法を提供する。空隙104を挟んで対向して設けられた第1及び第2の電極105、102を含むセルを有する静電容量型電気機械変換装置の制御装置は、駆動・検出手段202と外部応力印加手段200を備える。駆動・検出手段は、電極間交流静電引力を発生させて第2の電極を振動させ弾性波を送信する駆動動作と、弾性波を受信して第2の電極102が振動することによる電極間の容量変化を検出する検出動作との少なくとも一方を行う。外部応力印加手段は、第2の電極102に印加される外部応力を変化させる。駆動・検出手段は、外部応力の変化に対応して、送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整する。

目的

本発明で重要な点は、第2の電極ないし振動膜の応答する周波数特性の変化に対応して送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

空隙を挟んで対向して設けられた第1及び第2の電極を含むセルを有する静電容量型電気機械変換装置制御装置であって、前記第1及び第2の電極間交流静電引力を発生させることにより前記第2の電極を振動させ弾性波を送信する駆動動作と、弾性波を受信して前記第2の電極が振動することによる前記第1及び第2の電極間の容量変化を検出する検出動作との少なくとも一方を行うための駆動・検出手段と、前記第2の電極に印加される外部応力を変化させるための外部応力印加手段と、を備え、前記駆動・検出手段は、前記外部応力の変化に対応して、送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整する様に構成されていることを特徴とする静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項2

前記セルは、前記第2の電極が形成された振動膜と、前記振動膜を支持する支持部と、前記空隙を介して前記振動膜に形成された第2の電極と対向する位置に配置された前記第1の電極を有することを特徴とする請求項1に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項3

前記外部応力印加手段は、前記外部応力を変化させて、前記第2の電極又は振動膜が前記第1の電極に接触していない非接触状態と、前記第2の電極又は振動膜が前記第1の電極に接触している接触状態との間で状態を切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項4

前記外部応力印加手段が、前記接触状態を実現する様に外部応力を変化させるとき、前記駆動・検出手段は周波数特性を第1の態様にし、前記外部応力印加手段が、前記非接触状態を実現する様に外部応力を変化させるとき、前記駆動・検出手段は周波数特性を第2の態様にし、前記第1の態様では、前記第2の態様より、利用される周波数領域が全体的に高周波側にあることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項5

前記外部応力印加手段は、前記第1の電極と第2の電極間の電位差により発生する静電引力を変化させて外部応力を変化させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項6

前記駆動・検出手段は、前記検出動作を行うトランスインピーダンス回路を含む電流検出手段を有し、前記トランスインピーダンス回路のフィードバック部分のパラメータを変化させて周波数特性を調整することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項7

前記駆動・検出手段は、周波数特性の異なる複数の駆動・検出部を有し、前記外部応力印加手段による前記外部応力の変化に対応して、前記複数の駆動・検出部間で、動作する駆動・検出部を切り替えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項8

前記外部応力印加手段が前記接触状態と前記非接触状態との間で切り替えるのに対応して、1つの前記駆動・検出手段に接続する前記第1の電極の数を変化させる配線切り替え手段を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の静電容量型電気機械変換装置の制御装置。

請求項9

空隙を挟んで対向して設けられた第1及び第2の電極を含むセルを有する静電容量型電気機械変換装置の制御方法であって、前記第1及び第2の電極間に交流の静電引力を発生させることにより前記第2の電極を振動させ弾性波を送信する駆動動作と、弾性波を受信して前記第2の電極が振動することによる前記第1及び第2の電極間の容量変化を検出する検出動作との少なくとも一方を行うステップと、前記第2の電極に印加される外部応力を変化させることで、前記第2の電極の応答する周波数特性を変化させステップと、前記外部応力の変化に対応して、送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整するステップと、を含むことを特徴とする静電容量型電気機械変換装置の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、超音波などの弾性波送受信(本明細書で送受信と言う場合、送信と受信のうちの少なくとも一方を意味する)を行う超音波プローブなどの電気機械変換装置制御装置、及び電気機械変換装置の制御方法に関する。

背景技術

0002

超音波の送受信を行うトランスデューサとして、静電容量型超音波トランスデューサであるCMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が提案されている。CMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いて作製されたものである。また、超音波トランスデューサを用いて、測定対象に超音波を送信し、測定対象で反射した超音波を受信することで、測定対象の情報を得る測定方法がある。この測定方法に用いる送受信トランスデューサに、送受信する超音波の周波数範囲が比較的広い(広帯域)という特徴を持つCMUTを用いる方法が提案されている。

0003

一方、CMUTは、超音波を受けて振動する振動膜の状態がそれぞれ異なるコンベンショナルモードコラプスモードと呼ばれる2つのモードを有することが知られている(特許文献1参照)。コンベンショナルモードでは、送受信の動作中においてたとえ振動膜は凹んだとしても下部電極等に接触しない状態にある。逆にコラプスモードでは、送受信の動作中に振動膜は凹んで下部電極等に接触した状態にある。特許文献1には、コンベンショナルモードとコラプスモード間で振動膜を振動させて振幅の大きな超音波を発信できることが記載されている。

先行技術

0004

米国特許7,274,623号

発明が解決しようとする課題

0005

超音波を送受信して測定する方法では、測定対象によって必要な周波数の範囲が異なることがある。例えば、代表的な仕様として、5MHz前後(例えば、1MHz〜5MHz程度)を中心とする仕様、10MHz前後(例えば、7MHz〜12MHz程度)を中心とする仕様などを挙げることができる。前者の仕様例としては、光を照射して測定対象で発生した超音波を受信する方法(Photoacoustic Tomography(PAT:光音響トモグラフィー))がある。後者の仕様例としては、超音波を送信して測定対象で反射して帰ってきた超音波を受信する方法がある。この様に、測定対象の大きさ、測定の深さ、測定方法などによって、静電容量型トランスデューサに必要な周波数の範囲が異なることがある。

0006

こうした要求に応じるために、たとえ広帯域が特徴のCMUTを用いても、5MHzと10MHzについて単一のCMUTで送受信を行うことは困難である。また、複数の周波数の超音波を送受信するために、異なる周波数特性を持つ複数のCMUTでトランスデューサを構成すると、CMUT1つあたりにおいて送受信に用いるための面積が狭くなってしまい、トランスデューサの超音波の送受信効率が悪くなる。更に、特許文献1にも、こうした要求に答える方途は示されていない。

課題を解決するための手段

0007

上記課題に鑑みて、本発明の静電容量型電気機械変換装置の制御装置は、次の特徴を有する。すなわち、空隙を挟んで対向して設けられた第1及び第2の電極を含むセルを有する静電容量型電気機械変換装置の制御装置であって、駆動・検出手段と外部応力印加手段を備える。駆動・検出手段は、第1及び第2の電極間交流静電引力を発生させて第2の電極を振動させ弾性波を送信する駆動動作と、弾性波を受信して第2の電極が振動することによる第1及び第2の電極間の容量変化を検出する検出動作との少なくとも一方を行う。外部応力印加手段は、第2の電極に印加される外部応力を変化させる。更に、駆動・検出手段は、外部応力の変化に対応して、送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整する様に構成されている。

0008

また、上記課題に鑑みて、本発明の静電容量型電気機械変換装置の制御方法は、次の特徴を有する。すなわち、空隙を挟んで対向して設けられた第1及び第2の電極を含むセルを有する静電容量型電気機械変換装置の制御方法であって、第1から第3のステップを含む。第1のステップでは、第1及び第2の電極間に交流の静電引力を発生させて第2の電極を振動させ弾性波を送信する駆動動作と、弾性波を受信して第2の電極が振動することによる第1及び第2の電極間の容量変化を検出する検出動作との少なくとも一方を行う。第2のステップでは、第2の電極に印加される外部応力を変化させることで、第2の電極の応答する周波数特性を変化させる。第3のステップでは、外部応力の変化に対応して、送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整する。こうして静電容量型電気機械変換装置の弾性波の送受信時の周波数特性すなわち送受信帯域を変化させる。

発明の効果

0009

本発明の電気機械変換装置の制御装置及び制御方法によれば、第2の電極の応答する周波数特性の変化に対応して送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整する。従って、1つの電気機械変換装置において、例えば、利用可能な低域側と高域側のカットオフ間の周波数の範囲が異なる複数の送受信特性すなわち入力−出力関係の周波数特性を持つことができる。

図面の簡単な説明

0010

第1の実施形態に係る静電容量型電気機械変換装置の制御装置及び制御方法を説明する図である。
第2及び第3の実施形態に係る静電容量型電気機械変換装置の制御装置及び制御方法を説明する図である。
第4の実施形態に係る静電容量型電気機械変換装置の制御装置及び制御方法における電流検出手段を説明する図である。
第5の実施形態に係る静電容量型電気機械変換装置の制御装置及び制御方法における電流検出手段を説明する図である。
第6及び第7の実施形態に係る静電容量型電気機械変換装置の制御装置及び制御方法を説明する図である。

実施例

0011

以下、本発明の実施形態について説明する。本発明で重要な点は、第2の電極ないし振動膜の応答する周波数特性の変化に対応して送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータを変えて周波数特性を調整することである。ここで、第2の電極ないし振動膜に印加される外部応力すなわち外力を変化させて周波数特性が調整される。また、第2の電極ないし振動膜の応答する周波数特性とは、典型的には、単位入力圧あたりの第2の電極ないし振動膜の変位量周波数分布を意味する。送受信動作において利用される周波数領域を規定するパラメータに係る周波数特性とは、送信動作(駆動動作)の場合、典型的には、駆動信号に含まれる主の成分の周波数分布であるパラメータに係る特性を意味する。また、受信動作(検出動作)の場合、典型的には、入力電流に対する出力の変換ゲインの周波数分布であるパラメータに係る特性を意味する。更に、「対応して」とは、典型的には、それぞれの周波数分布における低域側と高域側のカットオフ間の周波数領域がほぼ一致或いは充分に重なる様にすることを意味する。

0012

この考え方に基づき、本発明の静電容量型電気機械変換装置の制御装置及び制御方法の基本的な形態は、課題を解決するための手段のところで述べた様な構成を有する。この基本的な形態を基に、以下に述べる様な実施形態が可能である。例えば、空隙を挟んで対向した2つの電極を含む組から成るセルは、第2の電極が形成された振動膜と、振動膜を支持する支持部と、空隙を介して第2の電極と対向する位置に配置された第1の電極を有する構成にできる(後述する第1の実施形態等を参照)。第2の電極は後述の上部電極であり、第1の電極は後述の下部電極である。また、外部応力印加手段は、外部応力を変化させて、第2の電極又は振動膜が第1の電極に接触していない非接触状態と、第2の電極又は振動膜が第1の電極に接触している接触状態との間で状態を切り替える構成にできる(後述する第1の実施形態等を参照)。また、駆動・検出手段は、外部応力印加手段が接触状態を実現する様に外部応力を変化させるとき、周波数特性を第1の態様にし、外部応力印加手段が非接触状態を実現する様に外部応力を変化させるとき、周波数特性を第2の態様にする構成にできる。ここで、第1の態様では、第2の態様より、利用される周波数領域が全体的に高周波側にある(後述する第1の実施形態等を参照)。

0013

また、駆動・検出手段の持つ第1の態様の周波数特性の低域側と高域側のカットオフ周波数の間のほぼ中心の周波数である中心周波数は、第2の態様の周波数特性の中心周波数の約2倍である様にできる。また、外部応力印加手段は、第1の電極と第2の電極間の電位差により発生する静電引力を変化させて外部応力を変化させる構成にできる(後述する第2の実施形態を参照)。

0014

また、駆動・検出手段は、検出動作を行うトランスインピーダンス回路を含む電流検出手段を有し、トランスインピーダンス回路のフィードバック部分のパラメータを変化させて検出動作の周波数特性を調整する構成にできる(後述する第4の実施形態を参照)。また駆動・検出手段は、周波数特性の異なる複数の駆動・検出部を有し、外部応力印加手段による外部応力の変化に対応して、複数の駆動・検出部間で、動作する駆動・検出部を切り替える構成にもできる(後述する第5の実施形態を参照)。

0015

また、外部応力印加手段が接触状態と非接触状態との間で状態を切り替えるのに対応して、1つの駆動・検出手段に接続する第1の電極の数(すなわちセルの数)を変化させる配線切り替え手段を有する構成にできる。この場合、非接触状態の時の数より、接触状態の時の数の方が少なくなる様に、駆動・検出手段と第2の電極を接続する形態にできる(後述する第6の実施形態を参照)。また、駆動・検出手段を複数備え、配線切り替え手段は、第1の電極(セル)が接続される駆動・検出手段の数を静電容量型電気機械変換装置が有する入出力信号数と同じに維持する形態にできる(後述する第7の実施形態を参照)。こうした配線切り替えを行うことで、素子ピッチを変えることができ、利用したい周波数帯域に対応した配線形態にできる。例えば、周波数が高くなって狭い素子ピッチが必要になる場合、配線形態をそれに対応させることができる。

0016

以下、図面を用いて、本発明による電気機械変換装置の制御装置及び制御方法の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態を示す断面図である図1において、101は振動膜、102は第2の電極である上部電極、103は支持部、104は空隙、105は第1の電極である下部電極、106は基板、200は外部応力印加手段、202は駆動・検出手段である。上部電極102が形成された振動膜101は、基板106上に形成された支持部103により支持されており、上部電極102と共に振動する様になっている。振動膜101上の上部電極102に対して空隙104を介して対向する位置に、下部電極105が基板106上に形成されている。本実施形態では、振動膜101と支持部103は、電気的に絶縁性を持つ材料で構成されている。装置が超音波等の弾性波の送受信動作をするために、上部電極102と下部電極105は駆動・検出手段202に接続されている。外部応力印加手段200と駆動・検出手段202は、基板106上に形成された電気機械変換装置(以下、CMUTとして説明する)の素子部分101〜105を駆動したり素子部分101〜105からの信号を検出したりする制御部を成す。

0017

本実施形態において、セルは、空隙104を挟んで対向する上部電極102と下部電極105とからなる構成を備えている。通常、トランスデューサアレイであるCMUTは、複数(通常100〜3000個程度)のセルを1素子として、200〜4000程度の素子から構成されており、装置自体は数mm〜数cm程度のサイズである。ここでは、超音波を送受信する際に駆動(送信)や検出(受信)を行う最小単位の領域として、1素子と呼んでいる。各素子は、1以上のセルが並列に電気的に接続された構成を有する。各素子におけるセルの数、セルの配列形態、空隙の形態などは、電気機械変換機能を達成できる限り、自由である。素子の配置の仕方や数なども、場合に応じて設計すればよい。また、上部電極が振動膜を兼ねる構成とすることもできる。ただし、この場合、上部電極と下部電極の間には、電気的に絶縁性を持つ材料からなる層が設けられる必要がある。例えば、下部電極上に絶縁層を形成する必要がある。

0018

本実施形態のCMUTは、振動膜101の基準の位置(送信又は受信の動作において作用を受けていない状態)を変化させることで、送受信の周波数帯域を変化させる。具体的には、図1(a)で示す様に振動膜101の下部と下部電極105が接触していない非接触状態と、図1(b)で示す様に振動膜101の下部と下部電極105が接触している接触状態とのどちらかに変化させる。図1(a)の非接触状態は、上述したコンベンショナルモードである。また、図1(b)の接触状態は、上述したコラプスモードである。ここで、振動膜101の応答する周波数領域は、振動膜101の共振周波数と大きく相関を持っている。典型的には、コンベンショナルモードでの振動膜101の共振周波数は、コラプスモードでのそれに対して、倍程度となる。例えば、コンベンショナルモードでの振動膜101の共振周波数が5MHz程度であるとすると、コラプスモードでの振動膜101の共振周波数は10MHz程度となる。そのため、同じ構造の状態をコンベンショナルモードとコラプスモード間で切り替えることで、異なる周波数領域に対して振動膜101を応答させることができる。つまり、周波数特性を変化させることができる。

0019

コンベンショナルモードとコラプスモードの切り替えは、下部電極105側の方向にかかる振動膜101の外部応力を変化させて実施することができる。具体的には、外部応力印加手段200により、振動膜101に対して下部電極105側の方向に外部応力を印加する。静電引力、電磁力、圧力、圧電効果などを用いることで、外部応力印加手段200を構成することができる。静電引力を用いる場合は後述する。電磁力を用いる場合は、例えば、振動膜101上に磁性体を配置し、固定部(支持部103、基板106上など)の適当な箇所に配置したコイルで振動膜101に対して外部応力を印加する。圧力を用いる場合は、例えば、振動膜101の下側の空隙103の内圧圧力調整手段で変化させて、振動膜101の表面にかかる大気圧との差で、振動膜101に加わる外部応力を変化させる。圧電効果を用いる場合は、例えば、振動膜101又は支持部103の辺りに圧電素子を配置し、これに印加する電圧を変えることで、振動膜101に加わる外部応力を変化させる。

0020

振動膜101にかかる外部応力が、振動膜101が持つバネ成分により振動膜101が下部電極105側の方向と逆方向に戻ろうとする力を超えると、振動膜101が変形し下部電極105に接触する。逆に、この外部応力を小さくすることにより、振動膜101が下部電極105から離れた状態となる。これを利用して、振動膜101がコンベンショナルモードとコラプスモードのどちらで動作するかを切り替えることができる。こうした切り替えを可能とするために、例えば、振動膜101は硬すぎない様にする必要がある。例えば、振動膜101を後述する静電引力を用いてコラプスさせるために印加する電圧は、素子の持つ絶縁耐圧より低くなっている必要がある。

0021

本実施形態では、振動膜101に印加される下部電極105側の方向への力をF1かF2に変化させることにより、コンベンショナルモードとコラプスモード間で状態を切り替え、振動膜101の応答する周波数特性(共振周波数)を変化させる。加えて、駆動・検出手段202は、振動膜の応答する周波数領域に対応して、超音波を送信する時のCMUTへの駆動信号の成分の周波数分布と、受信する時のCMUTの容量変化の検出における周波数特性を変更できる構成となっている。外部応力F1とF2の大きさはF1<F2の関係にあり、周波数特性の中心周波数f1とf2はf1<f2の関係にある。また、コンベンショナルモードとコラプスモードの特性に合わせて、駆動・検出手段202の駆動信号の大きさや、検出回路ゲインを調整しても良い。

0022

この様に、CMUTの振動膜101の応答する周波数特性(共振周波数)を変化させ、その変化した周波数特性に対応して、CMUTの送受信に必要な駆動信号や容量変化の検出における周波数特性を変更する。そのため、単一構造のCMUTで、周波数の範囲が異なる送受信特性を実現することができる。単一構造のCMUTで構成することができるため、複数の構造で構成する必要がなく、複数の構造で構成する場合と同じトランスデューサ面積で比較すれば、効率良く素子を配置できる。従って、限られたトランスデューサ面積において、送受信の効率を落とすことなく、高出力な送信や高感度な受信を実現することができる。

0023

また、本実施形態に係るCMUTの制御装置及び方法を用いることで、異なる測定対象を1つのトランスデューサで高感度に測定することができる。また、1つのCMUTを異なる測定方法に用いることができる。例えば、同じ測定対象について、異なる周波数を用いてより詳細に測定することができる。また、同じCMUTで2つの周波数において測定できるため、測定対象に対する位置関係がずれることなく2つの測定結果を正確に得ることができる。

0024

(第2の実施形態)
次に、図2(a)、(b)を用いて第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、下部電極105側への方向の力を振動膜101に印加する手段の具体例に関する。それ以外は、第1の実施形態とほぼ同じである。本実施形態では、外部応力印加手段が振動膜101に印加する下部電極105側への方向の力として、上下電極102、105間の電位差により発生する静電引力を用いる。本実施形態を示す図2(a)、(b)において、201は、外部応力印加手段である直流電位印加手段、203は、駆動手段である交流電位発生手段、204は保護スイッチ、205は、検出手段である電流検出手段である。駆動・検出手段202が、交流電位発生手段202、保護スイッチ204、電流検出手段205を含む。

0025

CMUT内の上部電極102は、全て電気的に接続されており、直流電位印加手段201に接続されている。直流電位印加手段201は、上部電極102に所望の電位を印加して、下部電極105の持つ電位との電位差を上下電極間に発生させ、上部電極102と下部電極105間に静電引力を発生させる。この静電引力は、上下電極102、105の間隔と電位差により決まり、振動膜101に加わる力の大きさを正確に制御することができる。

0026

また、下部電極105には、駆動・検出手段202が接続されている。駆動・検出手段202は、超音波を送受信するために、CMUTを駆動する駆動手段とCMUTの容量変化を検出する検出手段とから構成される。下部電極105は、超音波の送信時以外は、駆動・検出手段202によって或る一定の電位に固定されている。

0027

本実施形態では、コンベンショナルモードとコラプスモードの切り替えは、上下電極102、105間の電位差を変化させて実施する。上下電極間の電位差で発生する静電引力の制御により、振動膜101を引く力が或る一定値を超えると、振動膜101が下部電極105側に一気に引き寄せられる。この現象は、プルインと呼ばれる。これは、振動膜101が下部電極105側に引き寄せられる力(静電引力、空隙104の内圧と大気圧の差圧による力などを合わせた力)と、振動膜101が持つバネ成分で振動膜101が下部電極105側と逆の方向に戻ろうとする力との大小関係に依存する。

0028

本実施形態では、上下電極102、105間に異なる電位差V1とV2を印加することにより、コンベンショナルモード(図2(a)の状態)とコラプスモード(図2(b)の状態)を切り替え、振動膜101の応答する周波数特性を変化させる。こうして、振動膜101に印加される力F1とF2を簡易な手段で発生させられ、また上部電極102への印加電位を変化させるだけで、振動膜101に印加される力の大きさを正確に切り替えられる。そのため、振動膜101の動作モードをより確実に切り替えることができる。

0029

(第3の実施形態)
次に、図2(c)、(d)を用いて第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、CMUTの駆動・検出手段202の具体的な構成に関する。それ以外は、第2の実施形態と同じである。本実施形態の駆動・検出手段202では、振動膜101の動作モードに応じて、超音波を送信する時のCMUTへの駆動信号の成分の周波数分布の中心周波数と、受信する時のCMUTの容量変化の検出における周波数特性の中心周波数を、2倍程度変化させる。ここでは、駆動信号の中心周波数は、駆動信号に含まれる周波数成分のうちで一番振幅の大きい周波数成分の周波数である。検出における周波数特性の中心周波数は、検出周波数特性の低域側と高域側のカットオフ周波数の間のほぼ中心の周波数である。

0030

超音波送信時と受信時の駆動・検出手段202の動作について、順に説明する。超音波の送信時は、下部電極105に接続された交流電位発生手段203により、下部電極105に交流の電位が印加される。これにより、上部電極102と下部電極105間に交流的な電位差が発生し、振動膜101に交流的な静電引力が発生する。この時は、下部電極105に接続された保護スイッチ204がOFFとなることにより、交流電位発生手段203が発生する電位から電流検出手段205の入力部を保護する。こうして発生した静電引力により振動膜101が振動し、CMUTは超音波の送信を行う。

0031

交流電位発生手段203は、振動膜101のコンベンショナルモードとコラプスモードの切り替えに対応して、異なる周波数成分を持つ駆動信号を生成することができる。生成できる駆動信号の中心周波数は、振動膜101のコンベンショナル動作時とコラプス動作時の応答周波数に対応して、2倍程度変化させられる様になっている。例えば、コラプス動作時の駆動信号の中心周波数が、コンベンショナル動作時の駆動信号の中心周波数の2倍になる。交流電位発生手段203は、電圧制御発振器などを用いて構成することができる。この駆動信号は、数周期分の正弦波矩形波連続波形でなく、波形の1周期分が幾つか繰り返されたもの)、単パルス波などにより構成される。

0032

一方、超音波の受信時は、交流電位発生手段203は、ハイインピーダンス状態になり、下部電極105の電位に影響を与えない(図2(d)の状態)。最も簡単には、端子オープン状態にすることでハイ・インピーダンス状態を実現できる。また、実用上は、端子に繋がっているスイッチを全てオフにしてハイ・インピーダンス状態を作り出す。他方、保護スイッチ204はONされて、下部電極105と電流検出手段205の入力部が接続された状態になる。この時、外部より印加された超音波により振動膜101が振動すると、上下電極102、105間の静電容量の変化が起こる。上部電極102は、或る電位(コンベンショナルモードかコラプスモードかによって異なる)に固定されているので、下部電極105に発生する誘導電荷により、下部電極105の配線に微小電流が流れる。電流検出手段205でこの微小な電流の変化を検出することで、容量変化を起こした超音波の大きさを検出できる。この時、下部電極105の電位は、駆動・検出手段202により、或る電位に固定されている。

0033

電流検出手段205は、振動膜101のコンベンショナルモードとコラプスモードの切り替えに対応して、電流検出を行う周波数特性を変化させることができる。コラプス動作時の電流検出手段205の周波数特性は、コンベンショナル動作時の周波数特性に比べ、中心の周波数が高い(倍程度)特性となる様に設定されている。つまり、コンベンショナルモードとコラプスモードが切り替わり、振動膜101が超音波を受けて応答する周波数に関して倍程度変化しても、その周波数に対応して電流検出手段205で電流検出を行える構成になっている。

0034

本実施形態によると、コンベンショナルモードとコラプスモード間において、振動膜101の中心周波数の変化態様と、駆動・検出手段202が有する送受信時の周波数特性の中心周波数の変化態様をほぼ一致させることができる。そのため、時間軸上で切り替えられるコンベンショナルモードとコラプスモードの両モードにおいて、CMUT全体で最適な周波数特性を得ることができる。

0035

(第4の実施形態)
次に、図3を用いて第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は、電流検出手段205の具体的な構成に関する。それ以外は、第1から第3の実施形態の何れかと同じである。本実施形態では、周波数特性を変化させることができる電流検出手段205は、微小電流の変化を電圧に変化する電流-電圧変換回路であるトランスインピーダンス回路で構成される。

0036

本実施形態の電流検出手段205であるトランスインピーダンス回路を示す図3において、301はオペアンプ、302、304、306は抵抗、303、305、307はコンデンサ、308は回路素子切り替え手段である。また、309は可変抵抗、310は可変コンデンサ、311は高速スイッチである。図3では、オペアンプ301は正負電源DD、VSSに接続されている。

0037

まず、振動膜101が図3(a)のコンベンショナルモードで動作している場合を説明する。図3(a)において、オペアンプ301の反転入力端子(−IN)は、保護スイッチ204を介してCMUTの下部電極105に接続されている。また、オペアンプ301の出力端子(OUT)については、並列に接続された抵抗302とコンデンサ303が回路素子切り替え手段308により反転入力端子(−IN)に接続され、その出力信号がフィードバックされる。オペアンプ301の非反転入力端子(+IN)は、並列に接続された抵抗304とコンデンサ305により、グランド端子(GND)に接続されている。グランド端子(GND)の電圧は、正電源VDDと負電源VSS間の中間電位となっている。抵抗302と抵抗304の値、コンデンサ303とコンデンサ305の値は、それぞれ同じ値であり、コンベンショナル動作の振動膜101の周波数特性に合ったパラメータとなっている。

0038

次に、振動膜101が図3(b)のコラプスモードで動作する時は、回路素子切り替え手段308が切り替わり、並列に接続された抵抗306とコンデンサ307によりオペアンプ301のフィードバックが行われる構成に変化する。この抵抗306とコンデンサ307は、コラプス動作の振動膜101の周波数特性に合ったパラメータとなっている。以上の様に、回路素子切り替え手段308を用いることで、トランスインピーダンス回路の電流-電圧変換の周波数特性を切り替えることができる。

0039

周波数特性を変えることができる電流検出手段205の別の回路構成を、図3(c)を用いて説明する。図3(c)では、図3(a)、(b)での回路素子切り替え手段308がなく、抵抗302の代わりに可変抵抗309、コンデンサ303の代わりに可変コンデンサ310が接続されている。これら可変抵抗309と可変コンデンサ310の値を変更することで、モード切り替えに対応して、図3(c)のトランスインピーダンス回路の電流-電圧変換の周波数特性を任意の特性に変化させられる。

0040

更に別の回路構成を図3(d)を用いて説明する。図3(d)では、図3(c)での可変抵抗309と可変コンデンサ310がなく、その代わりに高速スイッチ311とコンデンサ303が挿入されている。高速スイッチ311は、高速にON・OFFすることができ、スイッチがON・OFFするデューティー比によって、オペアンプ301のフィードバック部のパラメータを変えることができる。この様に、高速スイッチ311のデューティー比を変えることで、モード切り替えに対応して、図3(d)のトランスインピーダンス回路の電流-電圧変換の周波数特性を容易に変化させることができる。

0041

本実施形態では、モード切り替えに対応して電流検出手段205の周波数特性を、簡易な回路構成で変化させることができる。尚、図3に示す各例では、オペアンプ301のフィードバック部分の回路素子のみを変更する構成とした。しかし、オペアンプ301のフィードバック部分の回路素子を変更すると同時に、オペアンプ301の非反転入力(+IN)とグランド端子間も同様の素子構成にして、振動膜101のモードに対応して素子定数を切り替える様にしてもよい。

0042

(第5の実施形態)
次に、図4を用いて第5の実施形態を説明する。第5の実施形態は、駆動・検出手段202の電流検出手段の具体例に関する。それ以外は、第1から第3の実施形態の何れかと同じである。本実施形態は、異なる周波数特性を有した複数の電流検出部を有していることを特徴とする。

0043

本実施形態の電流検出手段の構成を示す図4において、401は第1の電流検出部、402は第2の電流検出部、403と404は配線切り替え手段であり、これらにより電流検出手段が構成される。この電流検出手段では、配線切り替え手段403により、第1の電流検出部401又は第2の電流検出部402の入力端子に配線が切り替えられる様になっている。また、配線切り替え手段404により、第1の電流検出部401と第2の電流検出部402の出力のどちらかが、電流検出手段の出力端子に配線が切り替えられる様になっている。配線切り替え手段403が第1の電流検出部401の入力側に配線されている場合は、配線切り替え手段404は第1の電流検出部401の出力側に配線される様になっている(図4(a)の状態)。逆に、第2の電流検出部402に入出力端子のどちらかが接続されている場合は、残りの入出力端子も必ず第2の電流検出部402に配線される構成になっている(図4(b)の状態)。

0044

第1の電流検出部401は第1の周波数特性を有しており、第2の電流検出部402は第2の周波数特性を有している。第1の周波数特性は、コンベンショナルモードで動作する時に振動膜101が感度を有する周波数領域に対応して設定されている。第2の周波数特性は、コラプスモードで動作する時に振動膜101が感度を有する周波数領域に対応して設定されている。また、第1の周波数特性の中心周波数は、第2の周波数特性の中心周波数より低くなっている。従って、振動膜101がコンベンショナルモードで動作する際には、配線切り替え手段403、404は、図4(a)の状態に配線される。これにより、コンベンショナルモード動作時に感度を有する周波数に対応して設定された第1の電流検出部401により、電流変化を検出し、検出結果が電流検出手段から出力される。一方、振動膜101がコラプスモードで動作する際には、配線切り替え手段403、404は、図4(b)の状態に配線される。これにより、コラプスモード動作時に感度を有する周波数に対応して設定された第2の電流検出部402により、電流変化を検出し、検出結果が電流検出手段から出力される。

0045

本実施形態では、複数の電流検出部を有することで、それぞれの動作モードに適した回路等のパラメータを独立して設定でき、それぞれのモードにより合った(適した)電流検出を行うことができる。そのため、より特性の良い電流検出を行うことができ、より優れた受信特性が得られる。尚、本実施形態では、複数の電流検出部を有する電流検出手段の具体的構成を説明したが、こうした動作モードに応じて周波数特性の異なる部分間で切り替える構成は交流電位発生手段203に適用することもできる。すなわち、交流電位発生手段203に、上記と同原理の配線切り替え手段を用いることもできる。

0046

(第6の実施形態)
次に、図5(a)、(b)を用いて第6の実施形態を説明する。第6の実施形態は、1素子のサイズを切り替える具体例に関する。それ以外は、第1から第5の実施形態の何れかと同じである。本実施形態は、コラプスモードとコンベンショナルモードの動作に合わせて、1素子のサイズを切り替えることを特徴とする。

0047

本実施形態のCMUTを説明する図5(a)、(b)において、501は素子、502は素子配線切り替え手段である。ここで、1素子は、複数のセルにより構成されており、同じ素子内のセルの下部電極105は全て電気的に接続されている。素子配線切り替え手段502は、CMUTの動作モードによって、素子501と検出・駆動手段202間の配線を切り替える手段である。コラプスモードの動作時では、各素子501内の下部電極105は、対応する各駆動・検出手段202に接続される(図5(a)の状態)。そのため、素子501の1つのサイズが、コラプスモードでの1素子のサイズとなる。

0048

一方、コンベンショナルモードの動作時は、複数(ここでは4個)の素子501の下部電極105は、1つの駆動・検出手段202に接続される(図5(b)の状態)。そのため、複数(4個)の素子501を合わせたサイズが、コンベンショナルモードでの1素子のサイズとなる。ここでは、利用したい周波数帯域が比較的高いコラプスモードにおいてより細かい素子ピッチとしたが、勿論、コラプスモードとコンベンショナルモード間で、この1素子のサイズの関係を逆にすることも可能である。

0049

発明が解決しようとする課題のところで説明した様に、測定対象や測定方法によって、必要な周波数は異なる。同様に、必要とされる1素子のサイズも異なる場合がある。本実施形態を用いることで、同一構造の1つのCMUTで、異なる周波数及び異なる素子サイズを用いて測定を行うことができることになる。それにより、更に測定対象に適した測定を行うことができるため、より詳細な測定対象の情報を得ることができる。

0050

(第7の実施形態)
次に、図5(c)、(d)を用いて第7の実施形態を説明する。第7の実施形態は、入出力信号の数に係る例に関する。それ以外は、第6の実施形態と同じである。本実施形態では、コラプスモードで動作している時は、トランスデューサの入出力信号数と同数の素子についてのみ、駆動・検出手段202に接続することを特徴とする。

0051

図5(c)、(d)において、CMUT内の素子数をXとし、CMUTのコラプスモード動作時の素子数をZとし(X>Z)、CMUTからの入出力信号数も同数のZ本であるとする。ここでは、X=16、Z=4であるとして説明する。図5(c)のコラプスモードでの動作時は、素子配線切り替え手段502により、CMUT中央部のZ個の素子501内の下部電極105は、それぞれZ個の駆動・検出手段202に接続される。こうして、Z本の信号としてCMUTから入出力される(図5(c)の状態)。一方、(X-Z)個の素子501内の下部電極105は、駆動・検出手段202には接続されず、超音波の送受信には使用されない。

0052

次に、コンベンショナルモードでの動作時は、素子配線切り替え手段502により、複数(ここでは4個)の素子501の下部電極105毎に、1つの駆動・検出手段202に接続される。駆動・検出手段202はZ個あり、Z本の信号として入出力される(図5(d)の状態)。この時は、CMUT内の素子501は全て超音波の送受信に使われている。この様に、コラプスモード時では、一部の素子を送受信に用いないことで、同一の出力線数で、コンベンショナルモードとコラプスモードに対応した信号を処理することができる。ここでも、コラプスモードとコンベンショナルモード間で、上記関係を逆にすることも可能である。また、コラプスモードではそれぞれの配線を隣接する素子に配線を接続したが、コンベンショナルモードでの素子間隔と同じ間隔離れた素子に接続してもよい。これにより、信号を受信する素子の間隔を変えることなく、送受信時の周波数特性だけを変更することができる。

0053

本実施形態によると、コンベンショナルモードとコラプスモードを切り替えて、異なる素子サイズで駆動・検出を行った場合でも、線数が同一な入出力信号を用いることができる。そのため、信号線数が増大しすぎて配線や信号処理部に負荷をかける様なことがなく、必要な情報のみを効率良く取り出すことができる。

0054

101…振動膜、102…上部電極(第1の電極)、104…空隙、105…下部電極(第2の電極)、200…外部応力印加手段、201…直流電位印加手段(外部応力印加手段)、202…駆動・検出手段、203…交流電位発生手段(駆動手段)、205…電流検出手段(検出手段)、502…配線切り替え手段

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