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技術 セラミックヒータの製造方法

出願人 日本特殊陶業株式会社
発明者 菅洋平渡邉進道
出願日 2012年10月30日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2012-239144
公開日 2014年5月15日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-089884
状態 特許登録済
技術分野 白熱点火器,タバコ点火器,グロープラグ 抵抗加熱
主要キーワード 成形突起 導電性セラミック製 最小外接円 目標密度 半割部材 導電性セラミック材料 絶縁性セラミック材料 電極リング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年5月15日)のものです。
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図面 (9)

課題

セラミックヒータクラックが生じる可能性を低減できる技術を提供する。

解決手段

成形セラミック材料のうちの、導電性材料から離れた部分であって成形済セラミック材料の表面を含む第1部分の見掛け密度から、導電性材料と成形済セラミック材料との境界を含む第2部分の見掛け密度を引いた差分を、未焼成成形体を焼成することによって得られる焼成済の基体の全体の見掛け密度で除算して得られる割合である密度差割合が、0.2%以上、かつ、1.1%以下となるように、未焼成の成形体を成形する。

概要

背景

従来から、内燃機関始動補助などのために、通電によって発熱するヒータを含むグロープラグが利用されている。ヒータとしては、セラミックヒータが採用され得る。セラミックヒータとしては、例えば、絶縁性セラミック製の基体の中に、導電性セラミック製発熱体埋設したものが、利用されている。セラミックヒータの製造方法としては、例えば、絶縁性セラミック材料粉末を用いて下側の半割絶縁成形体成形し、その半割絶縁成形体を金型の開口にセットし、導電性セラミックで成形された未焼成の発熱体を半割絶縁成形体の上に配置し、上から絶縁性セラミック材料の粉末を充填し、プレス成形によって焼成前のセラミックヒータを成形する方法が提案されている。

概要

セラミックヒータにクラックが生じる可能性を低減できる技術を提供する。成形済セラミック材料のうちの、導電性材料から離れた部分であって成形済セラミック材料の表面を含む第1部分の見掛け密度から、導電性材料と成形済セラミック材料との境界を含む第2部分の見掛け密度を引いた差分を、未焼成の成形体を焼成することによって得られる焼成済の基体の全体の見掛け密度で除算して得られる割合である密度差割合が、0.2%以上、かつ、1.1%以下となるように、未焼成の成形体を成形する。

目的

本発明の主な利点は、セラミックヒータにクラックが生じる可能性を低減できる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

絶縁性セラミックを用いて構成される基体と、前記基体に埋設される発熱体と、を含むセラミックヒータの製造方法であって、前記発熱体の材料である導電性材料を、前記基体の材料であって粉末状の部分を含む絶縁性セラミック材料によって覆う工程と、前記導電性材料を覆う前記絶縁性セラミック材料を、プレス成形することによって、前記導電性材料と、前記導電性材料を覆う成形済の絶縁性セラミック材料である成形済セラミック材料と、を含む未焼成成形体を成形する工程と、を含み、前記未焼成の成形体を成形する工程では、前記成形済セラミック材料のうちの、前記導電性材料から離れた部分であって前記成形済セラミック材料の表面を含む第1部分の見掛け密度から、前記導電性材料と前記成形済セラミック材料との境界を含む第2部分の見掛け密度を引いた差分を、前記未焼成の成形体を焼成することによって得られる焼成済の基体の全体の見掛け密度で除算して得られる割合である密度差割合が、0.2%以上、かつ、1.1%以下となるように、前記未焼成の成形体が成形されることを特徴とする、製造方法。

請求項2

請求項1に記載の製造方法であって、さらに、前記絶縁性セラミック材料の粉末に1つの方向に沿って圧力を加えた場合に、前記絶縁性セラミック材料の粉末の粒子クラックが生じ始める圧力が、0.18MPa以上、かつ、0.36MPa以下であることを特徴とする、製造方法。

技術分野

0001

本発明は、グロープラグ等に利用されるセラミックヒータに関するものである。

背景技術

0002

従来から、内燃機関始動補助などのために、通電によって発熱するヒータを含むグロープラグが利用されている。ヒータとしては、セラミックヒータが採用され得る。セラミックヒータとしては、例えば、絶縁性セラミック製の基体の中に、導電性セラミック製発熱体埋設したものが、利用されている。セラミックヒータの製造方法としては、例えば、絶縁性セラミック材料粉末を用いて下側の半割絶縁成形体成形し、その半割絶縁成形体を金型の開口にセットし、導電性セラミックで成形された未焼成の発熱体を半割絶縁成形体の上に配置し、上から絶縁性セラミック材料の粉末を充填し、プレス成形によって焼成前のセラミックヒータを成形する方法が提案されている。

先行技術

0003

特開2007−226972号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、セラミックには、耐熱性に優れるが割れる可能性があるという特性があり、セラミックヒータも例外ではなく、セラミックヒータにクラックが生じる可能性があった。

0005

本発明の主な利点は、セラミックヒータにクラックが生じる可能性を低減できる技術を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。

0007

[適用例1]
絶縁性セラミックを用いて構成される基体と、前記基体に埋設される発熱体と、を含むセラミックヒータの製造方法であって、
前記発熱体の材料である導電性材料を、前記基体の材料であって粉末状の部分を含む絶縁性セラミック材料によって覆う工程と、
前記導電性材料を覆う前記絶縁性セラミック材料を、プレス成形することによって、前記導電性材料と、前記導電性材料を覆う成形済の絶縁性セラミック材料である成形済セラミック材料と、を含む未焼成の成形体を成形する工程と、
を含み、
前記未焼成の成形体を成形する工程では、
前記成形済セラミック材料のうちの、前記導電性材料から離れた部分であって前記成形済セラミック材料の表面を含む第1部分の見掛け密度から、前記導電性材料と前記成形済セラミック材料との境界を含む第2部分の見掛け密度を引いた差分を、前記未焼成の成形体を焼成することによって得られる焼成済の基体の全体の見掛け密度で除算して得られる割合である密度差割合が、0.2%以上、かつ、1.1%以下となるように、前記未焼成の成形体が成形されることを特徴とする、
製造方法。

0008

この構成によれば、密度差割合が1.1%よりも大きい場合と比べて、成形済セラミック材料の表面を含む第1部分の見掛け密度と、導電性材料と成形済セラミック材料との境界を含む第2部分の見掛け密度と、の差分の割合(密度差割合)が小さくなるので、第2部分の見掛け密度が局所的に小さくなることが抑制される。この結果、基体(特に、第2部分)にクラックが生じる可能性を低減できる。

0009

[適用例2]
適用例1に記載の製造方法であって、さらに、
前記絶縁性セラミック材料の粉末に1つの方向に沿って圧力を加えた場合に、前記絶縁性セラミック材料の粉末の粒子にクラックが生じ始める圧力が、0.18MPa以上、かつ、0.36MPa以下であることを特徴とする、
製造方法。

0010

この構成によれば、0.2%以上、かつ、1.1%以下の範囲内の密度差割合を、容易に、実現できる。

0011

なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、セラミックヒータの製造方法、その製造方法によって製造されたセラミックヒータ、セラミックヒータを含むグロープラグの製造方法、その製造方法によって製造されたグロープラグ、等の態様で実現することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施例としてのグロープラグを示す説明図である。
セラミックヒータ40の製造方法のフローチャートである。
成形済導電性材料220uの斜視図である。
半割部材211uの成形の概略図。
成形体40uの成形の概略図。
焼成の概略図である。
成形体40uの断面図(軸線方向と垂直な断面図)である。
破壊圧力を測定するための金型の断面図である。

実施例

0013

A.実施例:
A−1.グロープラグ(セラミックヒータ)の構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例としてのグロープラグを示す説明図である。グロープラグ10は、図示しない内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)の始動補助等のための熱源として機能する。図1(A)は、グロープラグ10の縦断面図であり、図1(B)は、グロープラグ10の一部分(セラミックヒータ40を含む部分)を示す拡大断面図である。図示されたラインCLは、グロープラグ10の中心軸を示している。以下、中心軸CLのことを「軸線CL」とも呼び、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。図中の第1方向D1は、軸線CLと平行な方向であり、第2方向D2は、第1方向D1と反対の方向である。グロープラグ10が内燃機関に装着された状態では、グロープラグ10の第1方向D1側の端部(より具体的には、セラミックヒータ40の第1方向D1側の端部)は、燃焼室内に挿入される。以下、このような第1方向D1側を「先端側」とも呼び、第2方向D2側を「後端側」とも呼ぶ。また、種々の部材の第1方向D1側の端を「先端」とも呼び、第2方向D2側の端を「後端」とも呼ぶ。

0014

グロープラグ10は、主体金具20と、中軸30と、セラミックヒータ40と、絶縁部材50、60と、外筒70と、かしめ部材80と、を含んでいる。主体金具20は、導電性材料(例えば、炭素鋼等の金属)を筒状に形成した部材である。主体金具20は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔25を有している。また、主体金具20は、第2方向D2側の端部に形成された工具係合部28と、工具係合部28よりも第1方向D1側に設けられた雄ネジ部22と、を含んでいる。工具係合部28は、グロープラグ10の脱着時に、図示しない工具係合する部分である。雄ネジ部22は、図示しない内燃機関の取付孔雌ネジ螺合するためのネジ山を含んでいる。

0015

主体金具20の貫通孔25には、中軸30が収容されている。中軸30は、導電材料(例えば、ニッケル等の金属)を丸棒状に形成した部材である。中軸30の先端31は、貫通孔25の内部に位置し、外径がステップ状に小さくなるように加工されている(以下、先端31(外径が小さい部分)を小径部31とも呼ぶ)。中軸30の後端39は、主体金具20の第2方向D2側の開口OP2から第2方向D2に向かって突出している。中軸30の外面と、主体金具20の貫通孔25の内面と、の間には、リング状の第1絶縁部材50が設けられている。さらに、主体金具20の開口OP2には、リング状の第2絶縁部材60が装着されている。第2絶縁部材60は、筒状部62と、筒状部62の第2方向D2側に設けられたフランジ部68と、を含んでいる。筒状部62は、中軸30の外面と、主体金具20の開口OP2の内面と、の間に挟まれている。主体金具20は、これらの絶縁部材50、60を介して、中軸30を支持している。

0016

絶縁部材60の第2方向D2側には、略円筒状のかしめ部材80が、配置されている。中軸30は、かしめ部材80を貫通している。かしめ部材80は、その先端面が絶縁部材60のフランジ部68に接触した状態で、加締められて、中軸30に固定されている。これにより、第2絶縁部材60が中軸30から抜けることが、防止される。

0017

主体金具20の第1方向D1側の開口OP1には、外筒70が装着されている。外筒70は、導電性材料(例えば、炭素鋼等の金属)を筒状に形成した部材である。外筒70は、薄肉部71と、薄肉部71の第2方向D2側に設けられた厚肉部75と、を含んでいる。厚肉部75の第2方向D2側の端は、外径がステップ状に小さくなるように加工され、主体金具20の開口OP1に挿入されている。

0018

外筒70には、セラミックヒータ40が挿入されている。セラミックヒータ40の中央部分の外周は、外筒70によって保持されている。セラミックヒータ40の先端41は、外筒70の先端よりも第1方向D1側に突出し、セラミックヒータ40の後端49は、外筒70の後端よりも第2方向D2側に突出している。セラミックヒータ40の後端49は、主体金具20の貫通孔25に収容されている。

0019

セラミックヒータ40の後端49には、電極リング90が装着されている。電極リング90は、後端49の外周面を覆っている。中軸30の小径部31と、電極リング90とは、リード線95によって電気的に接続されている。

0020

次に、セラミックヒータ40の詳細について、説明する。図1(B)には、セラミックヒータ40のより詳細な断面図が示されている。セラミックヒータ40は、軸線CLに沿って延びる丸棒状の基体210と、基体210の内部に埋設された、略U字状の発熱素子220(「発熱体220」とも呼ぶ)と、を含んでいる。

0021

基体210は、絶縁性セラミックを用いて形成されている。本実施例では、基体210の材料は、窒化珪素である。ただし、他の絶縁性セラミック(少なくともセラミックヒータ40の焼成後に絶縁性を示すセラミック。例えば、フッ化珪素)を採用可能である。基体210の先端41は、丸く加工されている。

0022

発熱素子220は、導電性セラミックを用いて形成されている。本実施例では、発熱素子220の材料は、主成分としての窒化珪素に、タングステンカーバイトを混合したセラミックである。

0023

発熱素子220は、2本のリード部221、222と、それらのリード部221、222を接続する接続部223と、電極取出部281、282と、を含んでいる。各リード部221、222は、セラミックヒータ40の後端49から先端41の近傍まで軸線CLと平行に延びている。また、各リード部221、222は、中心軸CLを挟んで対向するように、配置されている。以下、中心軸CLと直交する方向のうちの、中心軸CLと2本のリード部221、222とを含む平面と平行な方向を、X方向と呼び、中心軸CLおよびX方向のそれぞれと直交する方向を、Y方向と呼ぶ。

0024

接続部223は、セラミックヒータ40の先端41に埋設され、第1リード部221の先端と第2リード部222の先端とを接続する。接続部223の形状は、セラミックヒータ40の先端41の丸い形状に合わせて湾曲する略U字状である。

0025

接続部223のうちの第1方向D1側の部分223hは、断面積がリード部221、222の断面積と比べて小さくなるように、構成されている。従って、通電時には、接続部223のこの部分223hの温度が、他の部分と比べて、急速に上昇する。このように、接続部223のこの部分223hは、発熱抵抗体として機能する(以下、「発熱部223h」とも呼ぶ)。

0026

第1リード部221の第2方向D2側の部分には、第1電極取出部281が接続されている。第1電極取出部281は、第1リード部221からセラミックヒータ40の外周に向かって延び、セラミックヒータ40の外面に露出する。第1電極取出部281の露出部分は、外筒70の内周面に接触している。これにより、外筒70と第1リード部221とが、電気的に接続される。

0027

第2リード部222の第2方向D2側の部分には、第2電極取出部282が接続されている。第2電極取出部282は、第1電極取出部281よりも、第2方向D2側に配置されている。第2電極取出部282は、第2リード部222からセラミックヒータ40の外周に向かって延び、セラミックヒータ40の外面に露出する。第2電極取出部282の露出部分は、電極リング90の内周面に接触している。これにより、電極リング90と第2リード部222とが、電気的に接続される。

0028

A−2.セラミックヒータの製造方法:
図2は、セラミックヒータ40の製造方法のフローチャートである。最初のステップS110では、発熱素子220の材料(導電性材料)が成形される(以下、成形済の導電性材料を「成形済導電性材料」とも呼ぶ)。具体的には、セラミック材料(例えば、窒化珪素とタングステンカーバイトとの混合物)と焼結助剤と水とを混合してスラリーを生成し、スプレードライによって粉末を生成する。そして、バインダと生成された粉末とを混合し、混合物を射出成形することによって、成形体を生成する。生成された成形体を加熱乾燥することによって、バインダを除去する。以上により、成形済導電性材料が成形される。

0029

図3は、成形済導電性材料220uの斜視図である。図示するように、成形済導電性材料220uは、未焼成のリード部221u、222uと、未焼成の接続部223uと、未焼成の電極取出部281u、282uと、を含んでいる。また、本実施例では、第1リード部221uの後端と第2リード部222uの後端とを接続するサポート部224も、一体成形されている。サポート部224は、成形済導電性材料220uの破損を抑制するために、設けられている。後述するように、サポート部224は、ステップS190で、切断される。なお、サポート部224を省略してもよい。

0030

図2の次のステップS120では、基体210用のセラミック材料粉末が生成される。具体的には、セラミック材料(例えば、窒化珪素)と焼結助剤と水とを混合してスラリーを生成し、スラリーにバインダを添加した後に、スプレードライによって粉末を生成する。

0031

次のステップS130では、未焼成の半割部材が成形される。半割部材は、中心軸CLを通る平面で基体210を2等分して得られる2つの部分のうちの1つに対応する。図4(A)は、半割部材の成形型300を示す斜視図である。図4(B)、図4(C)は、成形過程の一部の状態を示す成形型300の断面図である。図4(D)は、成形された半割部材211uの斜視図である。図4(B)、図4(C)の断面は、半割部材211uの長手方向(軸線方向)と直交する断面(図4(A)のB−B断面)である。

0032

図4(A)に示すように、成形型300は、枠形状の外枠304と、外枠304の下に配置される下型302と、外枠304の上に配置される上型306と、を含んでいる。外枠304は、上方から下方に向かって見た形状が矩形である開口304hを有している。下型302は、開口304hに下から挿入される凸部302pを含んでいる。凸部302pは、半割部材211uの外面を形成するための湾曲した成形面を有している。上方から下方に向かって見た凸部302pの形状は、開口304hとほぼ同じ矩形である。上型306は、開口304hに上から挿入される凸部306pを含んでいる。凸部306pは、半割部材211uの内面(中心軸CLを通る面)を成形するための平らな成形面を有している。また、凸部306pは、成形済導電性材料220uを嵌めるための凹部211r(図4(D))を半割部材211uに形成するための成形突起306x(図4(B)、図4(C))を有している。下方から上方に向かって見た凸部306pの形状は、開口304hとほぼ同じ矩形である。

0033

半割部材211uを成形する場合には、まず、図4(B)に示すように、外枠304の開口304hに、下型302の凸部302pが挿入された状態で、開口304h内に、所定量のセラミック材料粉末CPが充填される。次に、図4(C)に示すように、上型306の凸部306pが開口304hに挿入され、上型306と下型302との少なくとも一方に力を印加することによって、所定圧力(数十MPa)でプレス成形が行われる。プレス方向はY方向と平行である。以上により、図4(D)に示す半割部材211uが成形される。

0034

なお、成形済導電性材料220uの成形(S110)と半割部材211uの成形(S120、S130)との順番は、任意に設定可能である。

0035

図2の次のステップS140では、未焼成の成形体が成形される。この成形体は、成形済導電性材料220uと、成形済導電性材料220uを覆う成形済の絶縁性セラミック材料と、を含む成形体である。図5(A)は、成形体の成形型400を示す斜視図である。図5(B)〜図5(D)は、成形過程の一部の状態を示す成形型400の断面図である。図5(E)は、成形体40uの斜視図である。図5(B)〜図5(D)の断面は、成形体40uの長手方向(軸線方向)と直交する断面(図5(A)のB−B断面)である。

0036

図5(A)に示すように、成形型400は、枠形状の外枠404と、外枠404の下に配置される下型402と、外枠404の上に配置される上型406と、を含んでいる。外枠404は、外枠304(図4(A))の開口304hと同様の形状の開口404hを有している。下型402は、下型302(図4(A))の凸部302pと同様の形状の凸部402pを有している。上型406は、凸部402pを上下反転させた形状を有する凸部406pを有している。

0037

成形体40uを成形する場合には、まず、図5(B)に示すように、外枠404の開口404hに、下型402の凸部402pが挿入される。凸部402pには、半割部材211uが載置される。半割部材211uの凹部211rには、成形済導電性材料220uが嵌められる。

0038

次に、図5(C)に示すように、開口404h内に、所定量のセラミック材料粉末CPが充填される。これにより、成形済導電性材料220uは、半割部材211uと、セラミック材料粉末CPと、によって覆われる。この時点で、成形済導電性材料220uを覆う絶縁性セラミック材料は、半割部材211uと、粉末状の部分212と、を含む。

0039

次に、図5(D)に示すように、上型406の凸部406pを開口404hに挿入し、下型402と上型406との少なくとも一方に力を印加することによって、所定圧力(数十MPa)でプレス成形する。プレス方向は、Y方向と平行である。以上により、図5(E)に示す成形体40uが成形される。このプレス成形によって、粉末状の部分212は、成形される。

0040

図5(D)、図5(E)に示すように、成形済の成形体40uの断面(軸線方向と垂直な断面)は、矩形状の4つの角を丸めて得られる形状(略楕円形状)である。成形体40uの断面のプレス方向(Y方向と平行)の長さは、プレス方向と垂直な方向(X方向と平行)の長さよりも、短い。以下、成形体40uのうちの基体210の材料に対応する部分を、「成形済セラミック材料210u」と呼ぶ。さらに、成形済セラミック材料210uのうちの、半割部材211uの部分を「第1半割部分211u」とも呼び、粉末状の部分212から成形される部分を、「第2半割部分212u」と呼ぶ。

0041

図2の次のステップS150では、成形体40uの脱脂が行われる。本実施例では、窒素ガス雰囲気下の摂氏800度で1時間の仮焼を行う。これにより、成形体40uからバインダが除去される。次のステップS160では、成形体40uの外面に離型剤が塗布される。

0042

次のステップS170では、成形体40uが焼成される。このステップでは、いわゆるホットプレスによる焼成が行われる。本実施例では、非酸化雰囲気下で、摂氏1800度、1時間、ホットプレス圧力30MPaで、成形体40uが加熱・加圧される。図6は、焼成の概略図である。図6(A)は、成形体40uの断面図を示し、図6(B)は、成形体40uを焼成して得られる焼成体40bの断面図を示している(各断面図は、軸線方向と直交する断面図である)。図示するように、プレス方向は、X方向と平行である(成形体40uには、X方向と平行な方向に、圧力が印加される)。このステップS170では、焼成後の焼成体40bの断面形状が略円形状となるように、焼成体40bの外形に準じた形状の凹部を有する成形型が用いられる(図示省略)。

0043

図2の次のステップS180では、焼成体40bが研磨加工される。これにより、焼成体40bの外形が所定の形状に加工される。そして、次のステップS190で、焼成体40bのうちのサポート部224(図3)を含む端部が切断されて、焼成済みのセラミックヒータ40が生成される。なお、サポート部224が省略される場合には、ステップS190を省略可能である。

0044

A−4.見掛け密度の分布について:
次に、基体210中の見掛け密度の分布について説明する。図7は、成形体40uの断面図(軸線方向と垂直な断面図)である。図中には、成形体40uの成形済セラミック材料210uのうちの2つの部分P1、P2が示されている。これらの部分P1、P2は、いずれも、第2半割部分212uの一部である。すなわち、これらの部分P1、P2は、ステップS140(図2)の成形によって、粉末状の部分212(図5(C))が圧縮されて、形成される。

0045

第1部分P1は、成形済導電性材料220uから離れた部分であって成形体40u(成形済セラミック材料210u)の表面を含む部分である。具体的には、第1部分P1は、成形体40uの表面(すなわち、成形済セラミック材料210uの表面)のうちの一部(成形体40uの成形時のプレス方向と平行な特定方向(ここでは、Y方向)側の端部210u1)を含む部分であって、端部210u1からの距離(プレス方向と平行な方向の距離)が、第1距離t1以内である部分である。

0046

第2部分P2は、成形済導電性材料220u(特に、リード部221、222に対応する部分)と成形済セラミック材料210uとの境界Baを含む部分である。具体的には、第2部分P2は、境界Baのうちの一部(境界Baのうちのプレス方向と平行な特定方向(Y方向)側の端部である端境界Ba1、Ba2)を含む部分であって、端境界Ba1、Ba2から見て成形済セラミック材料210uの端部210u1側に配置され、端境界Ba1、Ba2からの距離(プレス方向と平行な方向の距離)が、第2距離t2以内である部分である。第1端境界Ba1は、第1リード部221uとの境界であり、第2端境界Ba2は、第2リード部222uとの境界である。成形体40uの成形時に、第1部分P1は、成形型(上型406(図5(D))と接触する。第2部分P2は、上型406から見て、第1部分P1と比べて、成形済セラミック材料210uの内側に配置されている。

0047

なお、本実施例では、第1リード部221uのY方向の位置が、第2リード部222uのY方向の位置と同じであるので、第2部分P2は、それらのリード部221u、222uの両方と接している(すなわち、第2部分P2は、第1端境界Ba1と第2端境界Ba2との両方を含んでいる)。仮に、第1リード部221uのY方向の位置が、第2リード部222uのY方向の位置と異なると仮定する。この場合には、境界Baのうちの第2部分P2に含まれる端部(第2部分P2の基準となる端部)としては、第1端境界Ba1と第2端境界Ba2とのうちの、成形済セラミック材料210uの端部210u1に最も近い端部が、採用される。

0048

成形体40uの成形時には、第1部分P1には、成形型(図5(D):上型406)から直接的に圧力が印加される。第2部分P2には、第2部分P2よりも成形型(上型406)に近い部分を介して伝達された圧力が、主に印加される。

0049

第1部分P1では、セラミック材料の粉末の粒子に、成形型からの強い圧力が印加されるので、粒子が潰れやすい。そして、粒子間の空隙が、潰れた粒子によって埋められるので、見掛け密度が高くなりやすい。なお、本明細書において、見掛け密度は、試料の質量(g)を試料の見掛け体積(cm3)で除した値を意味している。見掛け体積は、試料の粒子と粒子間の空隙とを含む体積を意味している。

0050

一方、第2部分P2では、セラミック材料の粒子に印加される圧力は、第1部分P1と比べて、小さくなる。この理由は、成形型(例えば、上型406(図5(D))からの圧力の一部が、第2部分P2よりも成形型に近い部分(例えば第1部分P1)での粒子破壊によって、吸収されるからである。従って、第2部分P2では、第1部分P1と比べて、粒子が潰れにくく、そして、粒子間の空隙が維持されやすい。この結果、第2部分P2の見掛け密度は、第1部分P1の見掛け密度よりも、小さくなる傾向にある。

0051

このような見掛け密度の偏りは、成形体40uの焼成時にクラックを引き起こし得る。見掛け密度が低い第2部分P2(以下、「低密度部分P2」とも呼ぶ)は、見掛け密度が高い第1部分P1(以下「高密度部分P1」とも呼ぶ)と比べて、脆い可能性が高い。従って、見掛け密度が均一である場合と比べて、見掛け密度が不均一である場合には、焼成後のセラミックヒータ40にクラックが生じる可能性が高い。焼成方法としてホットプレスによる焼成を適用した場合でも、成形体40uに低密度部分P2が存在すると、焼成後のセラミックヒータ40にクラックが発生する可能性がある。

0052

クラックの可能性を低減するためには、第1部分P1と第2部分P2との間の見掛け密度の差が小さいことが好ましい。そこで、見掛け密度の差の割合の好ましい範囲に関する試験を、複数のサンプルを用いて行った(詳細は後述)。

0053

なお、本実施例では、中心軸CLと直交する複数のプレス方向のそれぞれでプレス成形が行われる(具体的には、Y方向のプレス成形(図5(D))と、X方向のプレス成形(図6))。従って、中心軸CLを中心としておおよそ等方的な外形のセラミックヒータ40を、容易に製造することができる。

0054

A−4.第1試験:
上記実施例に基づいて7種類のサンプル(セラミックヒータ)を生成して、試験を行った。7種類のサンプルの間では、第1部分P1と第2部分P2との間の見掛け密度の差が、異なっている(詳細は後述)。各種サンプルに共通する事項を、以下に説明する。
1)図2のステップS120で生成されるセラミック材料粉末の粒子径は、約100μmである。本実施例では、目開き125μmのを通り抜け、かつ、目開き75μmの篩を通り抜けずにその篩(75μm)の上に残った粉末を、基体210の材料として採用した。
2)未焼成の成形体40uの寸法(図7
2a)プレス方向(Y方向と平行な方向)の外径L1 = 約4mm
2b)プレス方向と垂直な方向(X方向と平行な方向)の外径L2 = 約7mm
2c)軸線方向の長さ = 約45mm
他の事項は、実施例として上述した通りである。

0055

なお、未焼成のリード部221u、222uの断面形状は、輪郭線曲率の大きな部分と曲率の小さな部分とを含む、略円形状であり、断面の輪郭外接する最小外接円の直径は約2mmである(図5図7では、リード部221u、222uの断面形状が、簡略化して円で示されている)。また、焼成後の焼成体40b(図6(B))の外径は、3mm以上3.5mm以下の範囲内であった。以下に示す表1は、7種類のサンプル#1〜#7の試験結果を示す表である。

0056

0057

「密度差割合」は、未焼成の成形体40u(図7)の第1部分P1の見掛け密度から第2部分P2の見掛け密度を引いた差分を、焼成済の基体210の全体の見掛け密度で除算して得られる割合である(単位は、%)。密度差割合を算出する場合、第1部分P1の厚さ(第1距離t1)は、0.2mmであり、第2部分P2の厚さ(第2距離t2)も、0.2mmである。

0058

第1部分P1の見掛け密度と第2部分P2の見掛け密度とは、図2のステップS150で得られた、脱脂済の未焼成の成形体40uを用いて、測定した。第1部分P1の見掛け密度は、成形体40uの質量(第1質量)と、成形体40uから第1部分P1を削り取った後の質量(第2質量)と、を測定し、測定した2つの質量の間の差分を、第1部分P1の見掛け体積で除算することによって、算出した。見掛け体積は、第1部分P1の寸法を測定することによって、算出した。第2部分P2の見掛け密度も、同様に、成形体40uから第2部分P2を削り取る前の質量(第3質量)と、成形体40uから第2部分P2を削り取った後の質量(第4質量)と、の間の差分を、第2部分P2の見掛け体積で除算することによって、算出した。これらの見掛け密度は、図2のステップS190で切断されるべき部分を含む成形体40uを用いて算出されているが、切断されるべき部分と残るべき部分との間では、断面形状(図7)がおおよそ同じであるので、見掛け密度の差は十分に小さい。従って、算出した見掛け密度は、最終的に得られるセラミックヒータ40の基体210の未焼成の状態の見掛け密度と、同等である。

0059

焼成済の基体210の全体の見掛け密度は、図2のステップS190で得られた、完成したセラミックヒータ40を用いて、測定した。具体的には、セラミックヒータ40から発熱体220を除去した残りの部分(基体210)の質量(第5質量)を測定し、測定した質量を、基体210の見掛け体積で除算することによって、基体210の見掛け密度を算出した。基体210の見掛け体積は、セラミックヒータ40の見掛け体積から、発熱体220の見掛け体積を減算することによって算出した。それらの見掛け体積は、測定した寸法を用いて、算出した。

0060

測定された第1部分P1の見掛け密度Daと、第2部分P2の見掛け密度Dbと、密度差割合DRと、の関係は、以下の通りであった。
Da(g/cm3):Db(g/cm3): DR(%)
1.752 : 1.689 : 1.8
1.755 : 1.707 : 1.4
1.752 : 1.714 : 1.1
1.738 : 1.707 : 0.9
1.759 : 1.735 : 0.7
1.745 : 1.738 : 0.2
1.752 : 1.748 : 0.1

0061

表1の「密度差割合」(上記の密度差割合DR)は、同じ条件下で生成された5本のサンプルを、上述の5つの質量のそれぞれを測定するために加工することによって、算出した。後述する「クラック判定」と「隙間判定」とは、同じ条件下で生成された800本のサンプル(セラミックヒータ40)を用いて、行った。生成の条件が同じなので、5本のサンプルと800本のサンプルとのそれぞれの密度差割合は、表1に示す密度差割合と、ほとんど同じと推定できる。

0062

「クラック判定」は、同じ条件下で生成された(密度差割合が同じである)800本の焼成済のサンプル(セラミックヒータ40)のうちの、内部にクラックが生じたサンプルの総数の評価結果を示している。A評価は、クラックを有するサンプル数がゼロであることを示し、B評価は、クラックを有するサンプル数が1以上であることを示している。クラックの有無は、サンプルを切断して内部を観察することによって、確認した。

0063

「隙間判定」は、上記800本のサンプルの基体210の第2部分P2に対応する部分の断面の観察結果顕微鏡を用いた観察結果)を示している。A評価は、粒子間の空隙にセラミック(例えば、潰れた粒子)が詰まっており、粒子間の空隙が残っているサンプルの数がゼロであることを示している。B評価は、粒子間の空隙が残っているサンプルの数が1以上であることを示している。

0064

1番と2番のサンプル(密度差割合は、1.8%、1.4%)に関しては、クラック判定は「B評価」であり、隙間判定は「B評価」であった。

0065

3番から6番までのサンプル(密度差割合は、1.1%、0.9%、0.7%、0.2%)に関しては、クラック判定は「A評価」であり、隙間判定は「A評価」であった。

0066

7番のサンプル(密度差割合は、0.1%)に関しては、クラック判定は「A判定」であるものの、隙間判定は「B判定」であった。基体210と発熱素子220との境界の近傍に、クラックは生じていないが、空隙は残っていた。また、成形体40uの外面の近傍においても、空隙が残っていた。従って、成形体40uの外面に離型剤を塗布する場合に、離型剤が、意図せずに、成形体40uの外面から内部に浸透し得る。離型剤の意図しない浸透は、基体210を脆くし得る。なお、7番のサンプルに関して、成形体40uの外面の近傍においても空隙が残った理由については、後述する。

0067

以上により、密度差割合は、0.2%以上、かつ、1.1%以下であることが好ましい。良好な試験結果が得られた密度差割合は、具体的には、1.1%、0.9%、0.7%、0.2%であり、これらの数値のいずれか2つの間の範囲を採用してもよい。

0068

なお、密度差割合が0.2%以上、かつ、1.1%以下であれば、第1部分P1の見掛け密度Daや第2部分P2の見掛け密度Db、焼成済の基体210の全体の見掛け密度が上記試験のサンプルと異なっていても、クラックが生じる可能性を低減できると推定される。

0069

A−5.第2試験:
次に、密度差割合を調整する方法について説明する。上述の第1試験では、基体210用のセラミック材料粉末の粒子の強度を調整することによって、密度差割合を調整した。粒子の強度を調整するために、バインダの配合を調整した。第2試験では、強度が異なる6種類のセラミック材料粉末のサンプルを生成して、バインダの配合と、強度と、密度差割合と、関係を調べた。セラミック材料粉末の生成方法は、上記実施例(第1試験)の方法と同じである。以下に示す表2は、6種類のサンプル#8〜#13の試験結果を示す表である。

0070

0071

「破壊圧力」は、粒子が破壊される圧力を示している(単位は、MPa)。破壊圧力が高いほど、粒子の強度が高い。図8は、破壊圧力を測定するための金型の断面図である。この金型500は、円筒状の開口504hを有する外枠504と、外枠504の下に配置される下型502と、外枠504の上に配置される上型506と、を含んでいる。下型502は、開口504hに下から挿入される凸部502pを含んでいる。凸部502pの形状は、その外径が開口504hの内径とほぼ同じである円柱形状である。上型506は、開口504hに上から挿入される凸部506pを含んでいる。凸部506pの形状は、その外径が開口504hの内径とほぼ同じである円柱形状である。具体的には、凸部502p、506pの外径は、12mmである(端面の面積は、113mm2)。

0072

破壊圧力を測定する場合には、まず、外枠504の開口504hに、下型502の凸部502pが挿入された状態で、開口504h内に、0.65gのセラミック材料粉末を充填する。次に、上型506の凸部506pが開口504hに挿入され、上型506に下向きの力を印加することによって、粉末がプレスされる。ここで、プレス圧力を少しだけ上昇した後に上型506を取り外して開口504h内の粉末(粒子)の状態を観察する、という一連の処理を繰り返す。顕微鏡で粒子を観察し、粒子の表面にクラックが生じた時点でのプレス圧力を、破壊圧力として記録した。

0073

表2に示すように、8番〜13番のサンプルの破壊圧力は、それぞれ、0.13MPa、0.16MPa、0.18MPa、0.27MPa、0.36MPa、0.38MPaであった。8番のサンプルは、ワックス系バインダを用いて生成されている。9番〜12番のサンプルは、ワックス系バインダの一部を、アクリル系バインダ置換して、生成されている。アクリル系バインダの割合は、サンプルの番号が大きいほど、多い。13番のサンプルは、ワックス系バインダを用いずに、アクリル系バインダを用いて生成されている。表2から分かるように、アクリル系バインダの割合を高めることによって、破壊圧力を高めることができる。このように、ワックス系バインダの使用量と、アクリル系バインダの使用量と、を調整することによって、破壊圧力を調整することができる。

0074

表2の「密度差割合」は、上記の表1で説明した「密度差割合」と同じである。6種類のサンプル(セラミック材料粉末)のそれぞれを用いて、第1試験と同じ手順に従って、密度差割合を測定した。表2に示すように、8番〜13番のサンプルの密度差割合は、それぞれ、1.8%、1.4%、1.1%、0.8%、0.2%、0.1%であった。表2に示すように、破壊圧力が低いほど、密度差割合が大きい。この理由は、以下の通りである。

0075

破壊圧力が低い場合には、図2のステップS140のプレス成形時に、第1部分P1(図7)の粒子が容易に潰れる。従って、第1部分P1の見掛け密度は高くなる。また、上型406からの圧力が第1部分P1で吸収されるので、第2部分P2に印加される圧力が弱くなる。従って、第2部分P2では、粒子の潰れが抑制され、見掛け密度が小さくなる。以上により、密度差割合が大きくなる。

0076

一方、破壊圧力が高い場合には、第1部分P1の粒子が潰れ難い。従って、第1部分P1の見掛け密度が低くなる。また、第1部分P1による圧力の吸収が抑制されるので、第2部分P2に印加される圧力が強くなる。従って、第2部分P2では、粒子の潰れが促進され、見掛け密度が大きくなる。以上により、密度差割合が小さくなる。

0077

表1で説明したように、密度差割合は、0.2%以上、かつ、1.1%以下であることが好ましい。このような好ましい密度差割合を実現するためには、破壊圧力は、0.18MPa以上、かつ、0.36MPa以下であることが好ましい(表2)。良好な密度差割合が得られた破壊圧力は、具体的には、0.18MPa、0.27MPa、0.36MPaであり、これらの数値のいずれか2つの間の範囲を採用してもよい。なお、密度差割合の好ましい範囲として他の範囲を採用する場合には、破壊圧力の好ましい範囲として、好ましい範囲の密度差割合を実現する破壊圧力から任意に選択された2つの圧力の間の範囲を、採用可能である。

0078

なお、表1の7番のサンプルに関して、成形体40u(図7)の外面の近傍においても空隙が存在する理由は、以下の通りである。7番のサンプルの密度差割合が小さいので、7番のサンプルのセラミック材料粉末としては、破壊圧力が高いセラミック材料粉末が用いられている。従って、第1部分P1(図7)において、粒子が潰れにくく、粒子間の空隙が残っている。この結果、離型剤が、意図せずに、成形体40uの外面から内部に浸透し得る。

0079

B.変形例:
(1)上記のセラミックヒータ40の製造方法において、製造に用いられる条件としては、種々の条件を採用可能である。例えば、基体210用の絶縁性セラミック材料の粉末を得るために使用されるバインダの種類としては、ワックス系バインダや、アクリル系バインダに限らず、他の種々のバインダを採用可能である。また、バインダの使用量(複数種類のバインダを使用する場合には、各バインダの使用量)としては、好ましい範囲(例えば、0.18MPa以上、0.36MPa以下)の破壊圧力を実現できるように、実験的に決定可能である。また、基体210用のセラミック材料の粉末の破壊圧力は、0.18MPa未満であってもよく、0.36MPaより大きくてもよい。いずれの場合も、好ましい範囲内(例えば、0.2%以上、かつ、1.1%以下の範囲内)の密度差割合を実現する方法としては、破壊圧力を調整する方法に限らず、他の種々の方法を採用可能である。例えば、成形体40uを成形するための、プレス圧力と、絶縁性セラミックの材料の粉末の充填量と、の組み合わせを調整してもよい。

0080

また、半割部材211uの成形時の、プレス圧力と、絶縁性セラミック材料の粉末の充填量とは、半割部材211uの仕様に合わせて任意に決定可能である。同様に、未焼成の成形体40uの成形時の、プレス圧力と、絶縁性セラミック材料の粉末の充填量とは、成形体40uの仕様に合わせて任意に決定可能である。それぞれのプレス圧力としては、例えば、10〜100MPaの範囲内の圧力を採用可能である。また、絶縁性セラミック材料の粉末の粒子径としては、100μmと比べて、より大きくてもよく、より小さくてもよい。また、脱脂(仮焼)の条件としては、バインダを除去可能な任意の条件を採用可能である。例えば、温度が、摂氏800度と比べて、高くてもよく、低くてもよい。また、仮焼の時間は、1時間と比べて、長くてもよく、短くてもよい。また、ホットプレスの条件としては、セラミックヒータ40の目標密度と形状等の仕様に合わせて任意に決定可能である。例えば、プレス圧力は、30MPaと比べて、より高くてもよく、より低くてもよい。また、焼成温度は、摂氏1800度と比べて、より高くてもよく、より低くてもよい。また焼成時間は、1時間と比べて、より長くてもよく、より短くてもよい。

0081

(2)セラミックヒータ40の基体210と発熱素子220とのそれぞれの形状と寸法としては、上述した形状と寸法とに限らず、種々の形状と寸法とを採用可能である。例えば、接続部223の断面積が、リード部221、222の断面積と同じであってもよい。また、第2電極取出部282(図1(B))が省略されてもよい。この場合、第2リード部222の後端に、リード線95が溶接されてもよい。

0082

(3)発熱素子220の材料としては、導電性セラミック材料に限らず、他の導電性材料を採用可能である(少なくともセラミックヒータ40の焼成後に導電性を示す材料。例えば、高融点金属(例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、レニウム(Re)等の融点が摂氏2000度以上の金属))。また、未焼成の成形体40uに埋設される導電性材料(発熱体の材料)としては、成形された導電性セラミック材料に限らず、種々の形態の導電性材料を採用可能である。一般には、所定形状に形成された導電性材料を採用することが好ましい。導電性材料の形状は、完成したセラミックヒータ40の発熱素子220の形状に合わせて、決定すればよい。

0083

(4)半割部材211uを用いずに、成形体40uを成形してもよい。例えば、発熱体の材料(導電性材料)の周囲の全体を、絶縁性セラミック材料の粉末で覆っても良い。

0084

(5)以上のように、セラミックヒータの構造と製造方法としては、実施例で説明した構造と方法とに限らず、種々の変形が可能である。いずれの場合も、上述の密度差割合が、上述の好ましい範囲内(例えば、0.2%以上、かつ、1.1%以下の範囲内)であれば、焼成済の基体210の全体の見掛け密度を基準とする、未焼成の成形体40u内の密度分布均一性を向上できるので、ホットプレス時において見掛け密度の偏りに起因してクラックが生じる可能性を低減できると推定される。

0085

(6)グロープラグ10の構成としては、図1に示す構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、中軸30の後端39が、図示しないキャップによって覆われていてもよい。また、グロープラグ10の製造方法としては、上述の製造方法で製造されたセラミックヒータ40を、主体金具20に固定する工程を含む種々の方法を採用可能である。セラミックヒータ40を主体金具20に固定する方法としては、外筒70を介在させる方法に限らず、セラミックヒータ40を貫通孔25に圧入する方法等の種々の方法を採用可能である。

0086

以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。

0087

10...グロープラグ、20...主体金具、22...雄ネジ部、25...貫通孔、28...工具係合部、30...中軸、31...先端(小径部)、39...後端、40...セラミックヒータ、41...先端、49...後端、40b...焼成体、40u...成形体、50...第1絶縁部材、60...第2絶縁部材、62...筒状部、68...フランジ部、70...外筒、71...薄肉部、75...厚肉部、80...かしめ部材、90...電極リング、95...リード線、210...基体、210u...成形済セラミック材料、210u1...端部、211r...凹部、211u...半割部材、220...発熱素子(発熱体)、220u...成形済導電性材料、221...第1リード部、221u...未焼成の第1リード部、222...第2リード部、222u...未焼成の第2リード部、223...接続部、223u...未焼成の接続部、223h...発熱部、224...サポート部、281...第1電極取出部、281u...未焼成の第1電極取出部、282...第2電極取出部、282u...未焼成の第2電極取出部、300...成形型、302...下型、302p...凸部、304...外枠、304h...開口、306...上型、306p...凸部、306x...成形突起、400...成形型、402...下型、402p...凸部、404...外枠、404h...開口、406...上型、406p...凸部、500...金型、502...下型、502p...凸部、504...外枠、504h...開口、506...上型、506p...凸部、P1...第1部分(高密度部分)、P2...第2部分(低密度部分)、CL...中心軸(軸線)

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