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技術 突然変異クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)毒素に関する組成物および方法

出願人 ファイザー・インク
発明者 キャサリンウテジャンセンアンナリーサシビルアンダーソンロバートジー.ケイ.ドナルドマイケルジェームズフリントナレンダークマールカリアンジェイソンアーノルドロトヴィンマニンンダーケイ.シドゥージャスティンキースモランマークエドワードラッペンウェイキアングサン
出願日 2013年10月17日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2013-216224
公開日 2014年5月12日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2014-083054
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 工程機 モジュラーシステム 流出液体 OFLO 回復段階 予想範囲 残留ホルムアルデヒド 作業体積
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

クロストリシウム・ディフィシル(シー・ディフィシル(C.difficile))に向けられた免疫原性及び/又は治療的組成物ならびにその方法を提供する。

解決手段

突然変異シー・ディフィシル毒素A及び/又は突然変異シー・ディフィシル毒素Bが含まれる免疫原性組成物に関する。突然変異毒素には、対応する野生型シー・ディフィシル毒素と比較して少なくとも1つの突然変異を有するグルコシルトランスフェラーゼドメイン及び少なくとも1つの突然変異を有するシステインプロテアーゼドメインが含まれ得る。突然変異毒素には、化学的架橋結合されている少なくとも1つのアミノ酸が含まれ得る。別の態様では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシルの培養及びシー・ディフィシル毒素の産生において使用するための方法及び組成物に関する。

概要

背景

クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)(シー・ディフィシル(C.difficile))とは、ヒトにおける胃腸管系の疾患に関連しているグラム陽性嫌気性細菌である。シー・ディフィシル(C.difficile)のコロニー形成は、通常は、抗生物質を用いた処置によって天然腸管内菌叢消失した場合に結腸内で起こる。感染は、シー・ディフィシル(C.difficile)の主な病原性因子であるグルコシル化毒素、毒素Aおよび毒素B(それぞれ308および270kDa)の分泌を介して、抗生物質関連の下痢および場合によっては偽膜性大腸炎をもたらす場合がある。

毒素Aおよび毒素Bは、それぞれ遺伝子tcdAおよびtcdBによって19kb病原性座位(PaLoc)内にコードされている。シー・ディフィシル(C.difficile)の非病原性株は、この座位が別の115個の塩基対の配列によって置き換えられている。

毒素Aおよび毒素Bはどちらも強力な細胞毒素である。これらのタンパク質は、Rho/Rac/Rasファミリーの低分子GTPaseを失活させる相同グルコシルトランスフェラーゼである。その結果生じるシグナル伝達破壊細胞間結合損失アクチン細胞骨格調節不全、および/またはアポトーシスを引き起こし、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)に関連している重度分泌性下痢をもたらす。

この10年間の間で、病院養護施設、および他の長期介護施設におけるシー・ディフィシル(C.difficile)集団発生の数および重症度は劇的に増加している。この増大の主な要因には、超毒性の病原性株の出現、抗生物質の使用の増加、検出方法の改善、および医療施設における空中胞子への曝露の増加が含まれる。

メトロニダゾールおよびバンコマイシンがシー・ディフィシル(C.difficile)関連疾患(CDAD)の抗生物質処置の現在受け入れられている標準治療を代表する。しかし、そのような処置を受けている患者の約20%がCDIの最初の発症後に感染症の再発を経験し、それらの患者のうちの約50%までがさらなる再発を患う。再発の処置は非常に大きな課題を表し、再発の大多数は、通常、先行する発症の一カ月以内に起こる。

概要

クロストリシウム・ディフィシル(シー・ディフィシル(C.difficile))に向けられた免疫原性及び/又は治療的組成物ならびにその方法を提供する。突然変異シー・ディフィシル毒素A及び/又は突然変異シー・ディフィシル毒素Bが含まれる免疫原性組成物に関する。突然変異毒素には、対応する野生型シー・ディフィシル毒素と比較して少なくとも1つの突然変異を有するグルコシルトランスフェラーゼドメイン及び少なくとも1つの突然変異を有するシステインプロテアーゼドメインが含まれ得る。突然変異毒素には、化学的架橋結合されている少なくとも1つのアミノ酸が含まれ得る。別の態様では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシルの培養及びシー・ディフィシル毒素の産生において使用するための方法及び組成物に関する。なし

目的

本発明によって本明細書中に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

ダイズ加水分解物酵母抽出物、およびグルコースを含む培養培地であって、クロストリジウムディフィシル(Clostridiumdifficile)細菌を含む培養培地。

請求項2

ポリエチレングリコール2000をさらに含む、請求項1に記載の培地

請求項3

チアムフェニコールをさらに含む、請求項1に記載の培地。

請求項4

細菌がシー・ディフィシル(C.difficile)VPI11186に由来する、請求項1に記載の培地。

請求項5

細菌が、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素をコードしているポリヌクレオチドを含み、細菌がクロストリジウム・スポロゲネス(Clostridiumsporogenes)フェレドキシン(fdx)プロモーターをさらに含む、請求項1に記載の培地。

請求項6

細菌が、配列番号1〜761のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドをコードしている核酸配列を含む、請求項1に記載の培地。

請求項7

シー・ディフィシル(C.difficile)を培地中で培養することを含む、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)を培養する方法であって、培地がダイズ加水分解物、酵母抽出物、およびグルコースを含み、培地が、VPI11186に由来するクロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)細菌を含み、細菌が、毒素をコードしている内在性ポリヌクレオチドを欠いており、細菌が、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素をコードしているポリヌクレオチドを含み、細菌がクロストリジウム・スポロゲネス(Clostridiumsporogenes)フェレドキシン(fdx)プロモーターをさらに含む方法。

請求項8

シー・ディフィシル(C.difficile)を培地中、毒素を産生させるのに適切な条件下で培養することと、毒素を培地から単離することとを含む、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)毒素を産生させる方法であって、培地がダイズ加水分解物、酵母抽出物、およびグルコースを含み、培地が、VPI11186に由来するクロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)細菌を含み、細菌が、毒素をコードしている内在性ポリヌクレオチドを欠いており、細菌が、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素をコードしているポリヌクレオチドを含み、細菌がクロストリジウム・スポロゲネス(Clostridiumsporogenes)フェレドキシン(fdx)プロモーターをさらに含む方法。

請求項9

配列番号1〜761のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであって、化学修飾されている少なくとも1つのアミノ酸側鎖を含む単離ポリペプチド。

請求項10

1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)(EDC)によって化学修飾された少なくとも1つのアミノ酸側鎖を含む、請求項9に記載のポリペプチド

請求項11

N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)によって化学修飾された少なくとも1つのアミノ酸側鎖を含む、請求項9に記載のポリペプチド。

請求項12

ポリペプチドのアスパラギン酸残基少なくとも1つの側鎖またはポリペプチドのグルタミン酸残基の少なくとも1つの側鎖がグリシンによって化学修飾されている、請求項9に記載のポリペプチド。

請求項13

ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合を含む、請求項9に記載の単離ポリペプチド。

請求項14

ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合を含む、請求項9に記載の単離ポリペプチド。

請求項15

ポリペプチドの少なくとも1つのリシン残基の側鎖と連結されたベータアラニン部分を含む、請求項9に記載の単離ポリペプチド。

請求項16

ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖またはポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と連結されたグリシン部分を含む、請求項9に記載の単離ポリペプチド。

請求項17

少なくとも約100g/mlのEC50を有する、請求項9に記載の単離ポリペプチド。

請求項18

請求項9から17のいずれかに記載の単離ポリペプチドを含む免疫原性組成物

請求項19

請求項9から17のいずれかに記載の第2の単離ポリペプチドをさらに含む、請求項18に記載の組成物

請求項20

配列番号1〜761のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドをコードしている核酸配列を含む、組換え細胞またはその子孫

請求項21

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)細胞に由来する、請求項20に記載の組換え細胞。

請求項22

毒素をコードしている内在性ポリヌクレオチドを欠く、請求項20に記載の組換え細胞。

請求項23

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)1351、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)3232、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)7322、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)5036、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)4811、およびクロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)VPI11186からなる群から選択されるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)細胞に由来する、請求項20に記載の組換え細胞。

請求項24

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)VPI11186細胞である、請求項20に記載の細胞。

請求項25

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)細胞の胞子形成遺伝子失活されている、請求項20に記載の細胞。

請求項26

組換え細胞またはその子孫を、配列番号1〜761のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを発現させるのに適切な条件下で培養することを含む、突然変異クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)毒素を産生させる方法。

請求項27

細胞が、毒素をコードしている内在性ポリヌクレオチドを欠く、請求項26に記載の方法。

請求項28

組換え細胞またはその子孫が、請求項20から25のいずれかに記載の細胞を含む、請求項26に記載の方法。

請求項29

突然変異クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)毒素を単離することをさらに含む、請求項26に記載の方法。

請求項30

単離した突然変異クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)毒素をエチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと接触させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。

請求項31

接触が最大で24時間起こる、請求項30に記載の方法。

請求項32

接触が最大で4時間起こる、請求項30に記載の方法。

請求項33

接触が約25℃で起こる、請求項30に記載の方法。

請求項34

単離した突然変異クロストリジウム・ディフィシル(Clostridiumdifficile)毒素をN−ヒドロキシスクシンイミドと接触させることをさらに含む、請求項30に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により組み込まれている2012年10月21日出願の米国仮特許出願第61/716,605号の利益を主張するものである。

0002

本発明は、突然変異クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)毒素に関する組成物および方法を対象とする。

背景技術

0003

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)(シー・ディフィシル(C.difficile))とは、ヒトにおける胃腸管系の疾患に関連しているグラム陽性嫌気性細菌である。シー・ディフィシル(C.difficile)のコロニー形成は、通常は、抗生物質を用いた処置によって天然腸管内菌叢消失した場合に結腸内で起こる。感染は、シー・ディフィシル(C.difficile)の主な病原性因子であるグルコシル化毒素、毒素Aおよび毒素B(それぞれ308および270kDa)の分泌を介して、抗生物質関連の下痢および場合によっては偽膜性大腸炎をもたらす場合がある。

0004

毒素Aおよび毒素Bは、それぞれ遺伝子tcdAおよびtcdBによって19kb病原性座位(PaLoc)内にコードされている。シー・ディフィシル(C.difficile)の非病原性株は、この座位が別の115個の塩基対の配列によって置き換えられている。

0005

毒素Aおよび毒素Bはどちらも強力な細胞毒素である。これらのタンパク質は、Rho/Rac/Rasファミリーの低分子GTPaseを失活させる相同グルコシルトランスフェラーゼである。その結果生じるシグナル伝達破壊細胞間結合損失アクチン細胞骨格調節不全、および/またはアポトーシスを引き起こし、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)に関連している重度分泌性下痢をもたらす。

0006

この10年間の間で、病院養護施設、および他の長期介護施設におけるシー・ディフィシル(C.difficile)集団発生の数および重症度は劇的に増加している。この増大の主な要因には、超毒性の病原性株の出現、抗生物質の使用の増加、検出方法の改善、および医療施設における空中胞子への曝露の増加が含まれる。

0007

メトロニダゾールおよびバンコマイシンがシー・ディフィシル(C.difficile)関連疾患(CDAD)の抗生物質処置の現在受け入れられている標準治療を代表する。しかし、そのような処置を受けている患者の約20%がCDIの最初の発症後に感染症の再発を経験し、それらの患者のうちの約50%までがさらなる再発を患う。再発の処置は非常に大きな課題を表し、再発の大多数は、通常、先行する発症の一カ月以内に起こる。

0008

2012年10月21日出願の米国仮特許出願第61/716,605号
米国特許出願公開第2010013762号、段落[0201]〜[0230]
Mintonら、WO2007/148091号、題名「DNA Molecules and Methods」、ページ33〜66
米国公開US 20110124109 A1号、段落[00137]〜[0227]
米国特許第5,585,089号(たとえば12〜16段)
GB2220211号
WO1998/040100号
WO2010/067262号
WO00/062800号

先行技術

0009

Kuehneら、Nature.2010 Oct 7;467(7316):711〜3
Buschら、J Biol Chem.1998 Jul 31;273(31):19566〜72
Doernら、J Clin Microbiol.1992 Aug;30(8):2042〜6
Heapら、J Microbiol Methods.2010 Jan;80(1):49〜55
Heapら、J.Microbiol.Methods、2007 Sept;70(3):452〜464
Underwoodら、J Bacteriol.2009 Dec;191(23):7296〜305
Kabat,E.A.ら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、米国保健社会福祉省、NIH出版第91−3242、1991
Chothia,C.ら、J.Mol.Biol.196:901〜917、1987
Wardら、Nature、341:544〜546、1989
Birdら、(1988)、Science、242:423〜426
Hustonら、(1988)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:5879〜5883
KohlerおよびMilstein、1975、Nature、256:495〜497
Braunら、Gene.1996 Nov28;181(1〜2):29〜38
Heapら、J Microbiol Methods.2009 Jul;78(1):79〜85
Lowyら、N Engl J Med.2010 Jan21;362(3):197〜205

発明が解決しようとする課題

0010

したがって、シー・ディフィシル(C.difficile)に向けられた免疫原性および/または治療的組成物ならびにその方法の必要性が存在する。

課題を解決するための手段

0011

これらおよび他の目的を、本発明によって本明細書中に提供する。

0012

一態様では、本発明は、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aに関する。突然変異毒素Aには、野生型毒素Aと比較して残基位置285、287、700、972、および978に突然変異が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素Aには配列番号183が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素Aは対応する野生型毒素Aよりも細胞毒性が低い。一実施形態では、突然変異毒素Aには、少なくとも1つの化学修飾されたアミノ酸残基が含まれる。一態様では、本発明は、配列番号183が含まれる単離ポリペプチドに関する。

0013

別の態様では、本発明は、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bに関する。突然変異毒素Bには、野生型毒素Bと比較して残基286、288、698、970、および976に突然変異が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素Bには配列番号184が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素Bは対応する野生型毒素Bよりも細胞毒性が低い。一実施形態では、突然変異毒素Bには、少なくとも1つの化学修飾されたアミノ酸残基が含まれる。一態様では、本発明は、配列番号184が含まれる単離ポリペプチドに関する。

0014

本発明は、シー・ディフィシル(C.difficile)の培養およびシー・ディフィシル(C.difficile)毒素の産生において使用するための組成物および方法にさらに関する。一態様では、本発明は、植物加水分解物およびシー・ディフィシル(C.difficile)細胞が含まれる培養培地に関する。好ましい実施形態では、加水分解物はダイズ加水分解物である。より好ましくは、ダイズ加水分解物はダイズ加水分解物SE50MKである。

0015

別の態様では、本発明は、窒素源およびシー・ディフィシル(C.difficile)細胞が含まれる培養培地に関する。一実施形態では、窒素源は酵母抽出物である。好ましくは、酵母抽出物はHY YEST412(Kerry Biosciences)である。

0016

さらなる一態様では、本発明は、植物加水分解物、酵母抽出物、およびシー・ディフィシル(C.difficile)細胞が含まれる培養培地に関する。一実施形態では、培地炭素源を含有しない。

0017

好ましい実施形態では、培地には炭素源がさらに含まれる。本発明者らは、少なくとも1つの炭素源が含まれる培養培地中でのシー・ディフィシル(C.difficile)の発酵は、炭素源を用いない発酵と比較して高いOD600値および高い毒素産生収率をもたらしたことを発見した。一実施形態では、炭素源はグルコースマンニトールフルクトース、および/またはマンノースである。

0018

一実施形態では、シー・ディフィシル(C.difficile)細胞は遺伝子改変されていない。別の実施形態では、シー・ディフィシル(C.difficile)細胞は組換えシー・ディフィシル(C.difficile)細胞である。一実施形態では、シー・ディフィシル(C.difficile)細胞は、毒素をコードしている内在性ポリヌクレオチド欠く。別の実施形態では、細胞には構成的プロモーターが含まれる。好ましい実施形態では、プロモーターはクロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)フェレドキシン(fdx)プロモーターである。さらなる実施形態では、細胞にはネイティブ調節性染色体プロモーターが含まれない。

0019

別の態様では、本発明は、シー・ディフィシル(C.difficile)を培養する方法に関する。この方法には、シー・ディフィシル(C.difficile)細胞を培地中で培養することが含まれる。一実施形態では、培地にはダイズ加水分解物および/または酵母抽出物が含まれる。好ましい実施形態では、培地には炭素源がさらに含まれる。好ましくは、炭素源はグルコースである。

0020

一実施形態では、培養ステップ嫌気性条件下で実施する。

0021

一実施形態では、シー・ディフィシル(C.difficile)を種培養として成長させる。一実施形態では、種培養は、培地中で成長させた保存培養からの接種によって開始する。

0022

一実施形態では、シー・ディフィシル(C.difficile)を発酵培養として成長させる。一実施形態では、発酵培養は培地中で成長させた種培養から接種した。代替の一態様では、本発明は、シー・ディフィシル(C.difficile)を培養する方法に関する。この方法には、シー・ディフィシル(C.difficile)細胞をモノクローナル抗体培地中で培養することが含まれる。

0023

一態様では、本発明は、シー・ディフィシル(C.difficile)毒素を産生させる方法に関する。この方法には、シー・ディフィシル(C.difficile)細胞を培地中で培養することが含まれる。この方法には、シー・ディフィシル(C.difficile)毒素を前記培地から単離することがさらに含まれる。

図面の簡単な説明

0024

CLUSTALWアラインメント初期設定パラメータを使用した、株630、VPI10463、R20291、CD196からの野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素A、および配列番号4を有する突然変異毒素Aの配列アラインメントを示す図である。
CLUSTALWアラインメント、初期設定パラメータを使用した、株630、VPI10463、R20291、CD196からの野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素B、および配列番号6を有する突然変異毒素Bの配列アラインメントを示す図である。
野生型毒素陰性のシー・ディフィシル(C.difficile)株の同定を示すグラフである。13個のシー・ディフィシル(C.difficile)株の培養培地をELISAによって毒素Aについて試験した。例示したように、7個の株が毒素Aを発現し、6個の株が発現しなかった(株1351、3232、7322、5036、4811およびVPI11186)。
UDP−14C−グルコースを用いたin vitroグルコシル化アッセイにおいて、三重突然変異体A(配列番号4)、二重突然変異体B(配列番号5)、および三重突然変異体B(配列番号6)はRac1またはRhoAGTPaseをグルコシル化しない一方で、10μg〜1ngの野生型毒素BはRac1をグルコシル化することを例示するSDS−PAGEの結果である。
野生型毒素AおよびB(それぞれ配列番号1および2)の切断断片の観察と比較した、突然変異毒素AおよびB(それぞれ配列番号4および6)におけるシステインプロテアーゼ活性の抑止を示すウエスタンブロットである。実施例13を参照されたい。
三重突然変異毒素AおよびB(それぞれ配列番号4および6)が、IMR−90細胞においてin vitro細胞毒性アッセイによって高濃度(たとえば約100μg/ml)で試験した場合に残留細胞毒性を示すことを示すグラフである。
三重突然変異毒素B(配列番号6)および七重突然変異毒素B(配列番号8)でEC50値が類似していることを示すグラフである。
ATPレベル(RLU)を漸増濃度の三重突然変異体TcdA(配列番号4)(上部パネル)および三重突然変異体TcdB(配列番号6)(下部パネル)に対してプロットした、in vitro細胞毒性試験の結果を表すグラフである。突然変異毒素AおよびBの残留細胞毒性は、突然変異毒素A(上部パネル−pAb AおよびmAb A3−25+A60−22)ならびに突然変異毒素B(下部パネル−pAb B)に特異的な中和抗体を用いた完全に抑止することができる。
処理の72時間後のIMR−90細胞形態の画像を示す図である。パネルAは処理した対照細胞を示す。パネルBは、ホルマリンで失活させた突然変異体TcdB(配列番号6)を用いた処理後の細胞形態を示す。パネルCは、EDCで失活させた突然変異体TcdB(配列番号6)を用いた処理後の細胞形態を示す。パネルDは、野生型毒素B(配列番号2)を用いた処理後の細胞形態を示す。パネルEは、三重突然変異体TcdB(配列番号6)を用いた処理後の細胞形態を示す。TcdAの処理で同様の結果が観察された。
実施例25に記載する、中和抗体の力価を示すグラフである(研究muCdiff2010−06)。
実施例26に記載する、中和抗体の力価を示すグラフである(研究muCdiff2010−07)。
実施例27に記載する、4回の免疫化後のハムスターにおける毒素AおよびBに対する中和抗体応答を示すグラフである(研究 hamC.difficile2010−02)
実施例27に記載する、化学的に失活させた遺伝的突然変異毒素およびList Biologicalトキソイドを用いたワクチン接種後のハムスターにおける中和抗体応答を示すグラフである(研究 hamC.difficile2010−02)。
実施例28に記載する、免疫化していない対照と比較した、3つの免疫化したハムスター群の生存曲線を示す図である(研究 hamC.difficile2010−02、継続中)。
実施例29に記載する、ハムスターにおけるシー・ディフィシル(C.difficile)突然変異毒素の様々な配合に対する相対的中和抗体応答を示すグラフである(研究 hamC.difficile2010−03)。
実施例30に記載する、カニクイザルマカク(cynomolgus macaque)における化学的に失活させた遺伝的突然変異毒素AおよびB(それぞれ配列番号4および6)に対する強力な相対的中和抗体応答を示すグラフである。
A3−25 mAbIgE軽鎖(VL)および重鎖(HL)の可変領域のアミノ酸配列を示す図である。シグナルペプチドハイライトで示し、CDRを斜体および下線で示し、定常領域を太字および下線で示した(完全な配列は示さず)。
ATPレベル(相対光量−RLUによって定量)を細胞生存度指標として使用した、毒素中和アッセイにおける個々の毒素Aモノクローナル抗体の滴定を示すグラフである。毒素(4×EC50)対照と比較して、mAb A80−29、A65−33、A60−22およびA3−25は、濃度に伴って毒素Aに対して増加した中和効果を有していたが、陽性ウサギ抗毒素A対照のレベルと比較しては増加していなかった。mAb A50−10、A56−33、およびA58−46は毒素Aを中和しなかった。細胞のみの対照は1〜1.5×106RLUであった。
BiaCoreによる毒素B mAbの8個のエピトープ群のマッピングを示す図である。
毒素A mAbの組合せの相乗的な中和活性:様々な希釈率の中和抗体A60−22、A65−33、およびA80−29を漸増濃度のA3−25 mAbに加えることで、希釈率にかかわらず毒素Aの中和が相乗的に増加した。図20Bおよび図20Cに示すグラフに示すように、毒素Aのみ(4×EC50)の対照のRLUを例示し(<0.3×106)、細胞のみの対照は2〜2.5×106RLUであった。
毒素B mAbの相乗的な中和活性:mAb B8−26、B60−2およびB59−3による毒素Bの中和を図21Aに例示する。B8−26をB59−3の希釈液と組み合わせた後に、毒素Bの中和は相乗的に増加する(図21B)
Rac1 GTPaseの発現が24〜96時間からの遺伝的突然変異毒素B(配列番号6)の抽出物では低下しているが、野生型毒素B(配列番号2)で処理した抽出物では低下していないことを示すウエスタンブロットである。また、このブロットは、Rac1が毒素Bで処理した抽出物中ではグルコシル化されているが、遺伝的突然変異毒素Bで処理した抽出物中ではされていないことも示す。
ATPレベル(RLU)を、漸増濃度のシー・ディフィシル(C.difficile)培養培地とハムスター血清プール(■)、それぞれの株からの粗毒素(培養収集物)とハムスター血清プール(●)、精製毒素(List Biologicalsから入手した市販の毒素)とハムスター血清プール(▲)、粗毒素(▼)対照、および精製毒素(◆)対照に対してプロットした、in vitro細胞毒性試験の結果を表すグラフである。それぞれの株からの毒素は4×EC50値で細胞に加えた。図23は、たとえば本明細書中に記載の実施例29、表15による突然変異毒素をEDCで失活させた突然変異体TcdA(配列番号4)および突然変異体TcdB(配列番号6)が含まれる免疫原性組成物が、それぞれの毒素のみの対照と比較して、シー・ディフィシル(C.difficile)の少なくとも以下の16個の異なるCDC株からの毒素に対する中和活性を示す中和抗体を誘導したことを示す:2007886(図23A)、2006017(図23B)、2007070(図23C)、2007302(図23D)、2007838(図23E)、2007886(図23F)、2009292(図23G)、2004013(図23H)、2009141(図23I)、2005022(図23J)、2006376(図23K)。
少なくとも3種類の可能な修飾、すなわち、架橋結合グリシン付加物、およびベータアラニン付加物をもたらす、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の例示的なEDC/NHS失活の図解である。パネルAは架橋結合を例示する。三重突然変異毒素のカルボン酸残基がEDCおよびNHSの付加によって活性化される。活性化エステル第一級アミンと反応して安定なアミド結合を形成し、分子内および分子間の架橋結合をもたらす。パネルBは、グリシン付加物の形成を例示する。失活後、残留活性エステルはグリシンの付加によって反応停止されて、安定なアミド結合を形成する。パネルCはベータアラニン付加物の形成を例示する。3モルのNHSが1モルのEDCと反応して、活性化ベータアラニンを形成することができる。その後、これが第一級アミンと反応して安定なアミド結合を形成する。
以下の修飾の種類、すなわち、(A)架橋結合、(B)グリシン付加物、および(C)ベータアラニン付加物のうちの少なくとも1つをもたらす、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の例示的なEDC/NHS失活の図解である。
ATPレベル(RLU)(72時間ATP)を、漸増濃度のList Biologicalsから購入した野生型TcdB(□)、三重突然変異体TcdB(配列番号86)(●)、および五重突然変異体TcdB(配列番号184)(■)に対してプロットした、in vitro細胞毒性アッセイからの結果を表すグラフである。IMR−90細胞(*)を対照として使用した。
IMR−90細胞における、五重突然変異毒素B(配列番号184)による三重突然変異毒素B(配列番号86)媒介性細胞毒性の競合的阻害を示すグラフである(72時間ATPアッセイ)。−●−は五重突然変異毒素B(配列番号184)(「PM−B」)を表し、−▲−は200ng/mLの三重突然変異体(TM)を表す。
灌流発酵(CDF−5126)後の最終ODおよび三重突然変異毒素Bの力価(mg/l)を示すグラフである。−●−はOD600nmを表し、−▲−は灌流速(発酵槽体積/2.0時間)を表し、−■−はグルコース(g/L)を表し、−●−はトキソイドB(三重突然変異体、配列番号86)を表す。
別の灌流培養(CDF−5127)からの最終ODおよび三重突然変異毒素Bの力価(mg/l)の結果を示すグラフである。−●−はOD600nmを表し、−▲−は灌流速(発酵槽体積/2.0時間)を表し、−■−はグルコース(g/L)を表し、−●−はトキソイドB(三重突然変異体、配列番号86)を表す。

0025

配列の簡単な説明
配列番号1は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)630毒素A(TcdA)のアミノ酸配列を示す。
配列番号2は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)630毒素B(TcdB)のアミノ酸配列を示す。
配列番号3は、配列番号1と比較して位置285および287に突然変異を有する突然変異体TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号4は、配列番号1と比較して位置285、287、および700に突然変異を有する突然変異体TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号5は、配列番号2と比較して位置286および288に突然変異を有する突然変異体TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号6は、配列番号2と比較して位置286、288、および698に突然変異を有する突然変異体TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号7は、配列番号1と比較して位置269、272、285、287、460、462、および700に突然変異を有する突然変異体TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号8は、配列番号2と比較して位置270、273、286、288、461、463、および698に突然変異を有する突然変異体TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号9は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)630毒素A(TcdA)をコードしているDNA配列を示す。
配列番号10は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)630毒素B(TcdB)をコードしているDNA配列を示す。
配列番号11は、配列番号3をコードしているDNA配列を示す。
配列番号12は、配列番号4をコードしているDNA配列を示す。
配列番号13は、配列番号5をコードしているDNA配列を示す。
配列番号14は、配列番号6をコードしているDNA配列を示す。
配列番号15は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)R20291 TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号16は、配列番号15をコードしているDNA配列を示す。
配列番号17は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)CD196 TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号18は、配列番号17をコードしているDNA配列を示す。
配列番号19は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)VPI10463 TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号20は、配列番号19をコードしているDNA配列を示す。
配列番号21は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)R20291 TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号22は、配列番号21をコードしているDNA配列を示す。
配列番号23は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)CD196 TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号24は、配列番号23をコードしているDNA配列を示す。
配列番号25は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)VPI10463 TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号26は、配列番号25をコードしているDNA配列を示す。
配列番号27は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)VPI10463の病原性座位のDNA配列を示す。
配列番号28は、配列番号1の残基101〜293のアミノ酸配列を示す。
配列番号29は、配列番号1の残基1〜542のアミノ酸配列を示す。
配列番号30は、配列番号2の残基101〜293のアミノ酸配列を示す。
配列番号31は、配列番号2の残基1〜543のアミノ酸配列を示す。
配列番号32は、配列番号1の残基543〜809のアミノ酸配列を示す。
配列番号33は、配列番号2の残基544〜767のアミノ酸配列を示す。
配列番号34は、残基101、269、272、285、287、460、462、541、542、543、589、655、および700が任意のアミノ酸であり得る、突然変異体TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号35は、102、270、273、286、288、384、461、463、520、543、544、587、600、653、698、および751が任意のアミノ酸であり得る、突然変異体TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号36は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変軽鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号37は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変重鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号38は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変軽鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号39は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変軽鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号40は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変軽鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号41は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変重鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号42は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変重鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号43は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの中和抗体(A3−25 mAb)の可変重鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号44は、配列番号3をコードしているDNA配列を示す。
配列番号45は、配列番号4をコードしているDNA配列を示す。
配列番号46は、配列番号5をコードしているDNA配列を示す。
配列番号47は、配列番号6をコードしているDNA配列を示す。
配列番号48は、免疫賦活オリゴヌクレオチドODN CpG24555のヌクレオチド配列を示す。
配列番号49は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変重鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号50は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変重鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号51は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変重鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号52は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変重鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号53は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変重鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号54は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変重鎖の定常領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号55は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変軽鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号56は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変軽鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号57は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変軽鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号58は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変軽鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号59は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B8−26 mAb)の可変軽鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号60は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変重鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号61は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変重鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号62は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変重鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号63は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変重鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号64は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変重鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号65は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変重鎖の定常領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号66は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変軽鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号67は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変軽鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号68は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変軽鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号69は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変軽鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号70は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B59−3 mAb)の可変軽鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号71は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変重鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号72は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変重鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号73は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変重鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号74は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変重鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号75は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変重鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号76は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変重鎖の定常領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号77は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変軽鎖のアミノ酸配列を示す。
配列番号78は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変軽鎖のシグナルペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号79は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変軽鎖のCDR1のアミノ酸配列を示す。
配列番号80は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変軽鎖のCDR2のアミノ酸配列を示す。
配列番号81は、シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB中和抗体(B9−30 mAb)の可変軽鎖のCDR3のアミノ酸配列を示す。
配列番号82は、位置102、270、273、286、288、384、461、463、520、543、544、587、600、653、698、および751の残基が任意のアミノ酸であり得る、突然変異体TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号83は、位置1のメチオニンが存在しない、配列番号1と比較して位置269、272、285、287、460、462、および700に突然変異を有する突然変異体TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号84は、位置1のメチオニンが存在しない、配列番号1と比較して位置285、287、および700に突然変異を有する突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号85は、位置1のメチオニンが存在しない、配列番号2と比較して位置270、273、286、288、461、463、および698に突然変異を有する突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号86は、位置1のメチオニンが存在しない、配列番号2と比較して位置286、288、および698に突然変異を有する突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号87は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004013TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号88は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004111TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号89は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004118TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号90は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004205TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号91は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004206TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号92は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005022TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号93は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005088TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号94は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005283TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号95は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005325TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号96は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005359TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号97は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2006017TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号98は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007070TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号99は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007217TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号100は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007302TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号101は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007816TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号102は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007838TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号103は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007858TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号104は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007886TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号105は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2008222TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号106は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009078TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号107は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009087TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号108は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009141TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号109は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009292TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号110は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004013TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号111は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004111TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号112は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004118TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号113は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004205TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号114は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2004206TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号115は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005022TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号116は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005088TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号117は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005283TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号118は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005325TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号119は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2005359TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号120は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2006017TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号121は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2006376TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号122は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007070TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号123は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007217TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号124は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007302TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号125は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007816TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号126は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007838TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号127は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007858TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号128は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2007886TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号129は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2008222TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号130は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009078TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号131は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009087TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号132は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009141TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号133は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)2009292TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号134は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)014TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号135は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)015TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号136は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)020TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号137は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)023TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号138は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)027TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号139は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)029TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号140は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)046TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号141は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)014TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号142は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)015TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号143は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)020TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号144は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)023TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号145は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)027TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号146は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)029TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号147は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)046TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号148は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)001TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号149は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)002TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号150は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)003TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号151は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)004TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号152は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)070TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号153は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)075TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号154は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)077TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号155は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)081TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号156は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)117TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号157は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)131TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号158は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)001TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号159は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)002TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号160は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)003TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号161は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)004TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号162は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)070TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号163は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)075TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号164は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)077TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号165は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)081TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号166は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)117TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号167は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)131TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号168は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)053TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号169は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)078TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号170は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)087TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号171は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)095TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号172は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)126TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号173は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)053TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号174は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)078TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号175は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)087TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号176は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)095TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号177は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)126TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号178は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)059TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号179は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)059TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号180は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)106TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号181は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)106TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号182は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)017TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号183は、配列番号1と比較して位置285、287、700、972、および978に突然変異を有する突然変異体TcdAのアミノ酸配列を示す。
配列番号184は、配列番号2と比較して位置286、288、698、970、および976に突然変異を有する突然変異体TcdBのアミノ酸配列を示す。
配列番号185から配列番号195はそれぞれ、例示的な突然変異毒素のアミノ酸配列を示す。
配列番号196から配列番号212はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号213から配列番号222はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号223から配列番号236はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号237から配列番号243はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号244から配列番号245はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号246から配列番号249はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号250から配列番号253はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号254は、例示的な突然変異毒素のアミノ酸配列を示す。
配列番号255から配列番号263はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号264から配列番号269はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号270から配列番号275はそれぞれ、例示的な突然変異毒素のアミノ酸配列を示す。
配列番号276から配列番号323はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号324から配列番号373はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号374から配列番号421はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号422から配列番号471はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号472から配列番号519はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号568から配列番号615はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号520から配列番号567はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号616から配列番号663はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。
配列番号664から配列番号711はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Aのアミノ酸配列を示す。
配列番号712から配列番号761はそれぞれ、例示的な突然変異毒素Bのアミノ酸配列を示す。

0026

本発明者らは、驚くべきことに、とりわけ、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび毒素B、ならびにその方法を発見した。突然変異体は、部分的に、免疫原性であること、およびそれぞれの毒素の野生型と比較して低下した細胞毒性を示すことによって特徴づけられている。また、本発明は、その免疫原性部分、その生物学的均等物、および前述のいずれかをコードしている核酸配列が含まれる単離ポリヌクレオチドにも関する。

0027

本明細書中に記載の免疫原性組成物は、シー・ディフィシル(C.difficile)毒素に対する新規中和抗体を誘発する能力予想外に実証し、これらはシー・ディフィシル(C.difficile)免疫誘発に対する能動的および/または受動的保護を与える能力を有し得る。新規抗体は毒素Aおよび毒素Bの様々なエピトープに向けられている。本発明者らは、中和モノクローナル抗体のうちの少なくとも2つの組合せが、毒素Aおよび毒素Bのそれぞれのin vitro中和において予想外に相乗的な効果を示すことができることをさらに発見した。

0028

本明細書中に記載の本発明の組成物は、哺乳動物において、組成物を投与しなかった哺乳動物と比較してシー・ディフィシル(C.difficile)感染症、シー・ディフィシル(C.difficile)関連疾患(CDAD)、その症候群、状態、症状、および/または合併症を処置する、予防する、その危険性を減少させる、その発生率を減少させる、その重症度を減少させる、および/またはその始まりを遅延させるために使用し得る。

0029

さらに、本発明者らは、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび毒素Bを安定して発現することができる組換え無芽胞シー・ディフィシル(C.difficile)細胞、ならびにそれを産生させる新規方法を発見した。

0030

免疫原性組成物
一態様では、本発明は、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素が含まれる免疫原性組成物に関する。突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素には、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較してグルコシルトランスフェラーゼドメイン中に少なくとも1つの突然変異およびシステインプロテアーゼドメイン中に少なくとも1つの突然変異を有するアミノ酸配列が含まれる。

0031

本明細書中で使用する用語「野生型」とは、自然で見つかる形態をいう。たとえば、野生型ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列とは、天然源から単離することができ、人間の操作によって意図的に改変されていない、生物中に存在する配列である。また、本発明は、前述のいずれかをコードしている核酸配列が含まれる単離ポリヌクレオチドにも関する。さらに、本発明は、組成物を投与しない哺乳動物と比較して、哺乳動物においてシー・ディフィシル(C.difficile)感染症、シー・ディフィシル(C.difficile)関連疾患、その症候群、状態、症状、および/または合併症を処置する、予防する、その危険性を減少させる、その重症度を減少させる、その発生率を減少させる、および/またはその始まりを遅延させるための、前述の組成物のいずれかの使用、ならびに前記組成物を調製する方法に関する。

0032

本明細書中で使用する「免疫原性組成物」または「免疫原」とは、組成物を投与する哺乳動物において免疫応答を誘発する組成物をいう。

0033

「免疫応答」とは、レシピエント患者中のシー・ディフィシル(C.difficile)毒素に向けられた、有益な液性(抗体媒介性)および/または細胞性抗原に特異的なT細胞もしくはその分泌産物によって媒介される)の応答の発生をいう。免疫応答は液性、細胞性、または両方であり得る。

0034

免疫応答は、免疫原性組成物、すなわち免疫原の投与によって誘導された能動的応答であることができる。あるいは、抗体または初回刺激したT細胞の投与によって誘導された受動的応答であることができる。

0035

液性(抗体媒介性)免疫応答の存在は、たとえば、中和抗体アッセイ、ELISAなどの当技術分野で知られている細胞に基づくアッセイによって決定することができる。

0036

細胞性免疫応答は、典型的には、クラスIまたはクラスIIMHC分子会合したポリペプチドエピトープを提示することで抗原に特異的なCD4+Tヘルパー細胞および/またはCD8+細胞毒性T細胞を活性化することによって誘発される。また、応答は単球マクロファージNK細胞好塩基球樹状細胞星細胞ミクログリア細胞好酸球または自然免疫の他の構成要素の活性化も含み得る。細胞媒介性免疫的応答の存在は、当技術分野で知られている増殖アッセイ(CD4+T細胞)またはCTL(細胞毒性Tリンパ球)アッセイによって決定することができる。

0037

一実施形態では、免疫原性組成物はワクチン組成物である。本明細書中で使用する「ワクチン組成物」とは、組成物を投与する哺乳動物において免疫応答を誘発する組成物である。ワクチン組成物は、免疫化した哺乳動物を、続く免疫剤または免疫学的交差反応性薬剤による免疫誘発に対して保護し得る。保護は、同じ条件下のワクチン接種していない哺乳動物と比較した症状または感染症の低下に関して完全または部分的であることができる。

0038

本明細書中に記載の免疫原性組成物は交差反応性であり、これは、組成物が由来する株とは異なる別のシー・ディフィシル(C.difficile)株によって産生された毒素に対する有効な免疫応答(たとえば液性免疫応答)を誘発することができる特徴を有することをいう。たとえば、本明細書中に記載の免疫原性組成物(たとえばシー・ディフィシル(C.difficile)630に由来するもの)は、複数のシー・ディフィシル(C.difficile)株によって産生された毒素(たとえばシー・ディフィシル(C.difficile)R20291およびVPI10463によって産生された毒素)と結合することができる交差反応性抗体を誘発し得る。たとえば実施例37を参照されたい。交差反応性は細菌性免疫原の交差保護潜在性の指標であり、その逆もそうである。

0039

本明細書中で使用する用語「交差保護」とは、同じ属の異なる細菌株または種による感染症を予防または減弱化する、免疫原性組成物によって誘導された免疫応答の能力をいう。たとえば、本明細書中に記載の免疫原性組成物(たとえばシー・ディフィシル(C.difficile)630に由来するもの)は、哺乳動物において有効な免疫応答を誘導して、哺乳動物においてシー・ディフィシル(C.difficile)感染症を減弱化し得るおよび/または630以外の株(たとえばシー・ディフィシル(C.difficile)R20291)によって引き起こされたシー・ディフィシル(C.difficile)疾患を減弱化し得る。

0040

免疫原性組成物または免疫原が免疫応答を誘発する例示的な哺乳動物には、たとえば、マウス、ハムスター、霊長類、およびヒトなどの任意の哺乳動物が含まれる。好ましい実施形態では、免疫原性組成物または免疫原は、組成物を投与するヒトにおいて免疫応答を誘発する。

0041

上述のように、毒素A(TcdA)および毒素B(TcdB)は、Rho/Rac/Rasファミリーの低分子量GTPaseを失活させる相同的グルコシルトランスフェラーゼである。哺乳動物標的細胞に対するTcdAおよびTcdBの作用は、受容体媒介性エンドサイトーシス、膜転位自己タンパク質分解プロセス、およびGTPaseのモノグルコシル化の多工程機構に依存する。これらの機能的活性の多くは毒素の一次配列内の別個の領域に帰されており、毒素はイメージングされてこれらの分子の構造が類似していることが示されている。

0042

TcdAの野生型遺伝子は、約2710個のアミノ酸を有する推定分子量約308kDaのタンパク質をコードしている約8130個のヌクレオチドを有する。本明細書中で使用する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには、任意の野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのシー・ディフィシル(C.difficile)TcdAが含まれる。野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには、プログラムAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号1(完全長)と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAアミノ酸配列が含まれ得る。

0043

好ましい実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには配列番号1に記載のアミノ酸配列が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株630からのTcdAの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号YP_001087137.1および/またはCAJ67494.1中にも開示)。シー・ディフィシル(C.difficile)株630は、PCRリボタイプ012株であるとして当技術分野で知られている。配列番号9はシー・ディフィシル(C.difficile)株630からのTcdAの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号NC_009089.1中にも開示されている。

0044

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの別の例には配列番号15に記載のアミノ酸配列が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdAの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号YP_003217088.1中にも開示)。シー・ディフィシル(C.difficile)株R20291は、超毒性株であり、PCR−リボタイプ027株であるとして当技術分野で知られている。シー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdAのアミノ酸配列は、配列番号1と約98%の同一性を有する。配列番号16はシー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdAの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号NC_013316.1中にも開示されている。

0045

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAのさらなる例には配列番号17に記載のアミノ酸配列が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株CD196からのTcdAの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号CBA61156.1中にも開示)。CD196は最近のカナダでの集団発生からの株であり、PCR−リボタイプ027株であるとして当技術分野で知られている。シー・ディフィシル(C.difficile)株CD196からのTcdAのアミノ酸配列は、配列番号1と約98%の同一性を有し、シー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdAと約100%の同一性を有する。配列番号18はシー・ディフィシル(C.difficile)株CD196からのTcdAの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号FN538970.1中にも開示されている。

0046

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAのアミノ酸配列のさらなる例には配列番号19が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株VPI10463からのTcdAの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号CAA63564.1中にも開示)。シー・ディフィシル(C.difficile)株VPI10463からのTcdAのアミノ酸配列は、配列番号1と約100%(99.8%)の同一性を有する。配列番号20はシー・ディフィシル(C.difficile)株VPI10463からのTcdAの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号X92982.1中にも開示されている。

0047

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAのさらなる例には、疾病予防管理センター(CDC、ジョージア州、Atlanta)から入手可能な野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdAが含まれる。本発明者らは、CDCから入手可能な野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdAのアミノ酸配列には、最適アラインメントした場合に配列番号1のアミノ酸残基1〜821(シー・ディフィシル(C.difficile)630からのTcdA)と少なくとも約99.3%〜100%の同一性が含まれることを発見した。表1を参照されたい。

0048

また、本発明者らは、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdAのアミノ酸配列には、最適アラインメントした場合(たとえば完全長の配列を最適アラインメントした場合)に配列番号1と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%から約100%までの同一性が含まれ得ることも発見した。

0049

表1:CDCから入手した野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株、および最適アラインメントした場合に配列番号1のアミノ酸残基1〜821に対するそれぞれの野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdAのアミノ酸残基1〜821のパーセント同一性。

0050

0051

したがって、一実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAアミノ酸配列には少なくとも約500、600、700、または800個の連続的な残基の配列が含まれ、これは、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号1の残基1〜900の等しい長さの配列と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%、または最も好ましくは約100%の同一性を有する。例には上述の株(たとえば、R20291、CD196など)および表1に記載したものが含まれる。

0052

別の実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAアミノ酸配列には、最適アラインメントした場合に配列番号87〜109から選択された任意の配列と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、好ましくは約97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有する配列が含まれる。表1−aを参照されたい。

0053

0054

0055

TcdBの野生型遺伝子は、約2366個のアミノ酸を有する推定分子量約270kDaのタンパク質をコードしている約7098個のヌクレオチドを有する。本明細書中で使用する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには、任意の野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのシー・ディフィシル(C.difficile)TcdBが含まれる。野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号2と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有する野生型アミノ酸配列が含まれ得る。好ましい実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには配列番号2に記載のアミノ酸配列が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株630からのTcdBの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号YP_001087135.1および/またはCAJ67492中にも開示)。配列番号10はシー・ディフィシル(C.difficile)株630からのTcdBの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号NC_009089.1中にも開示されている。

0056

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBの別の例には配列番号21に記載のアミノ酸配列が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdBの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号YP_003217086.1および/またはCBE02479.1中にも開示)。シー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdBのアミノ酸配列は、配列番号2と約92%の同一性を有する。配列番号22はシー・ディフィシル(C.difficile)株R20291からのTcdBの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号NC_013316.1中にも開示されている。

0057

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBのさらなる例には配列番号23に記載のアミノ酸配列が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株CD196からのTcdBの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号YP_003213639.1および/またはCBA61153.1中にも開示)。配列番号24はシー・ディフィシル(C.difficile)株CD196からのTcdBの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号NC_013315.1中にも開示されている。シー・ディフィシル(C.difficile)株CD196からのTcdBのアミノ酸配列は、配列番号2と約92%の同一性を有する。

0058

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBのアミノ酸配列のさらなる例には配列番号25が含まれ、これはシー・ディフィシル(C.difficile)株VPI10463からのTcdBの野生型アミノ酸配列を説明している(GenBank受託番号P18177および/またはCAA37298中にも開示)。シー・ディフィシル(C.difficile)株VPI10463からのTcdBのアミノ酸配列は、配列番号2と100%の同一性を有する。配列番号26はシー・ディフィシル(C.difficile)株VPI10463からのTcdBの野生型遺伝子を説明しており、これはGenBank受託番号X53138.1中にも開示されている。

0059

野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBのさらなる例には、疾病予防管理センター(CDC、ジョージア州、Atlanta)から入手可能な野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdBが含まれる。本発明者らは、CDCから入手可能な野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdBのアミノ酸配列には、最適アラインメントした場合に配列番号2のアミノ酸残基1〜821(シー・ディフィシル(C.difficile)630からのTcdB)と少なくとも約96%〜100%の同一性が含まれることを発見した。表2を参照されたい。

0060

表2:CDCから入手した野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株、および最適アラインメントした場合に配列番号2のアミノ酸残基1〜821に対するそれぞれの野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株からのTcdBのアミノ酸残基1〜821の%の同一性。

0061

0062

したがって、一実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBアミノ酸配列には少なくとも約500、600、700、または800個の連続的な残基の配列が含まれ、これは、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号2の残基1〜900の等しい長さの配列と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、好ましくは約97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有する。例には上述の株(たとえば、R20291、CD196など)および表2に記載したものが含まれる。

0063

別の実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBアミノ酸配列には、最適アラインメントした場合に配列番号110〜133から選択された任意の配列と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、好ましくは約97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有する配列が含まれる。表2−aを参照されたい。

0064

0065

0066

毒素AおよびBの遺伝子(tcdAおよびtcdB)は、3つの追加の小さなオープンリーディングフレーム(ORF)、tcdD、tcdE、およびtcdCが含まれる19.6kbの遺伝子座位(病原性座位、PaLoc)の一部であり、毒性に有用であるとみなし得る。PaLocは毒素産生性株中で安定かつ保存的であることが知られている。これは、現在までに分析されているすべての毒素産生性株中で同じ染色体組込み部位に存在する。非毒素産生性株では、病原性座位(PaLoc)は存在しない。したがって、本明細書中に記載の野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株の特徴は、病原性座位の存在である。本明細書中に記載の野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株の別の好ましい特徴は、TcdAおよびTcdBの両方の産生である。

0067

一実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株とは、シー・ディフィシル(C.difficile)630またはVPI10463と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%同一である病原性座位を有する株である。シー・ディフィシル(C.difficile)VPI10463の全病原性座位配列はEMBLデータベースに配列受託番号X92982として登録されており、配列番号26中にも示す。PaLocが参照株VPI10463と同一である株は毒素型0と呼ばれる。毒素型I〜VII、IX、XII〜XV、およびXVIII〜XXIVの株は、その毒素遺伝子の変動にもかかわらずTcdAおよびTcdBをどちらも産生する。

0068

毒素のN末端にグルコシルトランスフェラーゼドメインが位置する。毒素のグルコシルトランスフェラーゼ活性は毒素の細胞毒性機能に関連している。機構または理論に束縛されずに、両毒素中のグルコシルトランスフェラーゼ活性は、Rho/Rac/Rasスーパーファミリー内の小さなGTP結合タンパク質のモノグルコシル化を触媒すると考えられている。これらのGTP結合タンパク質のグルコシル化後、細胞生理学は劇的に改変され、毒素によって感染した宿主細胞構造的完全性の損失および重要なシグナル伝達経路の破壊がもたらされる。マンガンウリジン二リン酸(UDP)、およびグルコース結合に関与しているAsp−Xaa−Asp(DXD)モチーフは、グルコシルトランスフェラーゼドメインの典型的な特徴である。機構または理論に束縛されずに、DXDモチーフなどの触媒活性に重要な残基は、630などの既知の「歴史的」株からのTcdBとR20291などの超毒性株からのTcdBとの間で変動しないと考えられている。DXDモチーフは、配列番号1の付番に従って野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの残基285〜287、および配列番号2の付番に従って野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBの残基286〜288に位置している。

0069

グローバルアラインメントアルゴリズム(たとえば配列解析プログラム)は当技術分野で知られており、2つ以上のアミノ酸毒素配列を最適にアラインメントして、毒素に特定のシグネチャモチーフ(たとえば、以下に記載のグルコシルトランスフェラーゼドメイン中のDXD、システインプロテアーゼドメイン中のDHCなど)が含まれるかどうかを決定するために使用し得る。最適にアラインメントされた配列(複数可)をそれぞれの参照配列(たとえば、TcdAには配列番号1またはTcdBには配列番号2)と比較して、シグネチャモチーフの存在を決定する。「最適アラインメント」とは、最も高いパーセント同一性のスコアを与えるアラインメントをいう。そのようなアラインメントは既知の配列解析プログラムを使用して行うことができる。一実施形態では、初期設定パラメータ下のCLUSTALアラインメント(CLUSTALWなど)を使用して、クエリ配列を参照配列に対して比較することによって適切な野生型毒素を同定する。保存的アミノ酸残基の相対的付番は、アラインメントした配列内の小さな挿入または欠失(たとえば5個以下のアミノ酸)を説明するために参照アミノ酸配列の残基の付番に基づいている。

0070

本明細書中で使用する用語「の付番に従って」とは、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチドの配列を参照配列と比較する場合に、参照配列の残基の付番をいう。言い換えれば、所定のポリマー数字または残基位置は、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチドの配列内の残基の実際の数値的位置によってではなく、参照配列に関連して指定する。

0071

たとえば、必要に応じて2つの配列間の残基の一致を最適化するためにギャップを導入することによって、超毒性野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株のものなどの所定のアミノ酸配列を、参照配列(たとえば歴史的野生型シー・ディフィシル(C.difficile)株、たとえば630のものなど)とアラインメントすることができる。これらの場合、ギャップが存在するが、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチドの配列中の残基の付番は、それをアラインメントした参照配列に関連して行う。本明細書中で使用する「参照配列」とは、配列比較基礎として使用する定義された配列をいう。

0072

別段に記述しない限りは、本明細書中におけるTcdAのアミノ酸位置へのすべての言及は、配列番号1の付番をいう。別段に記述しない限りは、本明細書中におけるTcdBのアミノ酸位置へのすべての言及は、配列番号2の付番をいう。

0073

本明細書中で使用するTcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメインは、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdA、たとえば配列番号1の例示的な残基1、101、または102から始まってよく、例示的な残基542、516、または293で終わってよい。DXDモチーフ領域が含まれる限りは、TcdAの残基1から542の間で任意の最小残基位置を最大残基位置と組み合わせて、グルコシルトランスフェラーゼドメインの配列を定義し得る。たとえば、一実施形態では、TcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、配列番号1の残基101〜293と同一である配列番号27が含まれ、これにはDXDモチーフ領域が含まれる。別の実施形態では、TcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、配列番号1の残基1〜542と同一である配列番号28が含まれる。

0074

本明細書中で使用するTcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメインは、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB、たとえば配列番号2の例示的な残基1、101、または102から始まってよく、例示的な残基543、516、または293で終わってよい。DXDモチーフ領域が含まれる限りは、TcdBの残基1から543の間で任意の最小残基位置を最大残基位置と組み合わせて、グルコシルトランスフェラーゼドメインの配列を定義し得る。たとえば、一実施形態では、TcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、配列番号2の残基101〜293と同一である配列番号29が含まれ、これにはDXDモチーフ領域が含まれる。別の実施形態では、TcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、配列番号2の残基1〜543と同一である配列番号30が含まれる。

0075

理論または機構に束縛されずに、TcdAおよび/またはTcdBのN末端が自己タンパク質分解プロセスによって切断されることでグルコシルトランスフェラーゼドメインが転位して宿主細胞サイトゾル内に放出され、ここでこれはRac/Ras/RhoGTPaseと相互作用することができると考えられている。野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAはL542とS543の間で切断されることが示されている。野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBはL543とG544の間で切断されることが示されている。

0076

システインプロテアーゼドメインは毒素の自己触媒的タンパク質分解活性に関連している。システインプロテアーゼドメインはグルコシルトランスフェラーゼドメインの下流に位置しており、触媒的三つ組アスパラギン酸ヒスチジン、およびシステイン(DHC)、たとえば、野生型TcdAのD589、H655、およびC700、ならびに野生型TcdBのD587、H653、およびC698によって特徴づけられ得る。機構または理論に束縛されずに、触媒的三つ組は、630などの「歴史的」株からの毒素とR20291などの超毒性株からのTcdBとの間で保存的であると考えられている。

0077

本明細書中で使用するTcdAのシステインプロテアーゼドメインは、野生型TcdA、たとえば配列番号1の例示的な残基543から始まってよく、例示的な残基809、769、768、または767で終わってよい。触媒的三つ組DHCモチーフ領域が含まれる限りは、野生型TcdAの543から809の間で任意の最小残基位置を最大残基位置と組み合わせて、システインプロテアーゼドメインの配列を定義し得る。たとえば、一実施形態では、TcdAのシステインプロテアーゼドメインには、配列番号1の付番に従ってそれぞれ野生型TcdAのD589、H655、およびC700に対応する配列番号32の残基47、113、および158に位置するDHCモチーフ領域を有する、配列番号32が含まれる。配列番号32は、配列番号1、TcdAの残基543〜809と同一である。

0078

本明細書中で使用するTcdBのシステインプロテアーゼドメインは、野生型TcdB、たとえば配列番号2の例示的な残基544から始まってよく、例示的な残基801、767、755、または700で終わってよい。触媒的三つ組DHCモチーフ領域が含まれる限りは、野生型TcdBの544から801の間で任意の最小残基位置を最大残基位置と組み合わせて、システインプロテアーゼドメインの配列を定義し得る。たとえば、一実施形態では、TcdBのシステインプロテアーゼドメインには、配列番号2の付番に従ってそれぞれ野生型TcdBのD587、H653、およびC698に対応する配列番号33の残基44、110、および115に位置するDHCモチーフ領域が含まれる、配列番号33が含まれる。配列番号33は、配列番号2、TcdBの残基544〜767と同一である。別の実施形態では、TcdBのシステインプロテアーゼドメインには、配列番号2、TcdBの残基544〜801が含まれる。

0079

突然変異毒素
本発明では、免疫原性組成物には突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素が含まれる。本明細書中で使用する用語「突然変異体」とは、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、たとえば、対応する野生型構造と比較して架橋結合を有するおよび/または対応する野生型配列と比較して少なくとも1つの突然変異を有することによって、対応する野生型の構造または配列とは異なる構造または配列を示す分子をいう。本明細書中で使用する用語「突然変異体」には、対応する野生型分子とは異なる機能的特性(たとえば抑止されたグルコシルトランスフェラーゼおよび/または抑止されたシステインプロテアーゼ活性)を示す分子がさらに含まれる。

0080

上述の野生型株のいずれかからのシー・ディフィシル(C.difficile)毒素を、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素を産生させる供給源として使用し得る。好ましくは、シー・ディフィシル(C.difficile)630が突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素を産生させる供給源である。

0081

突然変異は、その位置に通常位置する野生型アミノ酸残基の置換、欠失、切断または修飾を含み得る。好ましくは、突然変異は非保存的アミノ酸置換である。また、本発明は、本明細書中に記載の突然変異毒素のいずれかをコードしている核酸配列が含まれる単離ポリヌクレオチドも企図する。

0082

本明細書中で使用する「非保存的」アミノ酸置換とは、以下の表3に従って、1つのクラスからのアミノ酸を別のクラスからのアミノ酸で交換することをいう。

0083

0084

非保存的アミノ酸置換の例には、アスパラギン酸残基(Asp、D)をアラニン残基(Ala、A)によって置き換える置換が含まれる。他の例には、アスパラギン酸残基(Asp、D)をアスパラギン残基(Asn、N)で置き換えること、アルギニン(Arg、R)、グルタミン酸(Glu、E)、リシン(Lys、K)、および/またはヒスチジン(His、H)残基をアラニン残基(Ala、A)で置き換えることが含まれる。

0085

保存的置換とは、たとえば表3に従って、同じクラスからのアミノ酸間を交換することをいう。

0086

本発明の突然変異毒素は、たとえば部位特異的突然変異誘発突然変異原(たとえばUV光)を使用した突然変異誘発などの、突然変異を調製するための当技術分野で知られている技法によって調製し得る。好ましくは、部位特異的突然変異誘発を使用する。あるいは、目的の配列を有する核酸分子直接合成し得る。そのような化学合成方法は当技術分野で知られている。

0087

本発明では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素には、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較してグルコシルトランスフェラーゼドメイン中に少なくとも1つの突然変異が含まれる。一実施形態では、グルコシルトランスフェラーゼドメインには少なくとも2つの突然変異が含まれる。好ましくは、突然変異は、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素のグルコシルトランスフェラーゼ酵素活性と比較して、毒素のグルコシルトランスフェラーゼ酵素活性を減少させるまたは抑止する。

0088

突然変異を受け得るTcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメイン中の例示的なアミノ酸残基には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、配列番号1の付番に従って、W101、D269、R272、D285、D287、E460、R462、S541、およびL542のうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。突然変異を受け得るさらなる例示的なアミノ酸残基には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、配列番号1の付番に従って、E514、S517、およびW519が含まれる。

0089

TcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメイン中の例示的な突然変異には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、W101A、D269A、R272A、D285A、D287A、E460A、R462A、S541A、およびL542Gのうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。好ましい実施形態では、TcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較してL542G突然変異が含まれる。別の好ましい実施形態では、TcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、D285AおよびD287Aの突然変異が含まれる。

0090

突然変異を受け得るTcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメイン中の例示的なアミノ酸残基には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bと比較して、配列番号2の付番に従って、W102、D270、R273、D286、D288、N384、D461、K463、W520、およびL543のうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。突然変異を受け得るさらなる例示的なアミノ酸残基には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bと比較して、配列番号2の付番に従って、E515、S518、およびW520が含まれる。

0091

TcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメイン中の例示的な突然変異には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、W102A、D270A、D270N、R273A、D286A、D288A、N384A、D461A、D461R、K463A、K463E、W520A、およびL543Aのうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。好ましい実施形態では、TcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較してL543Aが含まれる。別の好ましい実施形態では、TcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメインには、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、D286AおよびD288Aの突然変異が含まれる。

0092

本明細書中で上述した突然変異のいずれかを、システインプロテアーゼドメイン中の突然変異と組み合わせ得る。本発明では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素には、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較してシステインプロテアーゼドメイン中に少なくとも1つの突然変異が含まれる。好ましくは、突然変異は、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素のシステインプロテアーゼ活性と比較して、毒素のシステインプロテアーゼ活性を減少させるまたは抑止する。

0093

突然変異を受け得るTcdAのシステインプロテアーゼドメイン中の例示的なアミノ酸残基には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、配列番号1の付番に従って、S543、D589、H655、およびC700のうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。TcdAのグルコシルトランスフェラーゼドメイン中の例示的な突然変異には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、S543A、D589A、D589N、H655A、C700Aのうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。好ましい実施形態では、TcdAのシステインプロテアーゼドメインには、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較してC700A突然変異が含まれる。

0094

突然変異を受け得るTcdBのシステインプロテアーゼドメイン中の例示的なアミノ酸残基には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、配列番号2の付番に従って、G544、D587、H653、およびC698のうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。TcdBのグルコシルトランスフェラーゼドメイン中の例示的な突然変異には、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、G544A、D587A、D587N、H653A、C698Aのうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。好ましい実施形態では、TcdBのシステインプロテアーゼドメインには、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較してC698A突然変異が含まれる。突然変異を受け得るTcdBのシステインプロテアーゼドメイン中のさらなるアミノ酸残基には、野生型TcdBと比較して、K600および/またはR751が含まれる。例示的な突然変異には、K600Eおよび/またはR751Eが含まれる。

0095

したがって、本発明の突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素には、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して、突然変異を有するグルコシルトランスフェラーゼドメインおよび突然変異を有するシステインプロテアーゼドメインが含まれる。一実施形態では、突然変異毒素には、グルコシルトランスフェラーゼドメイン中の少なくとも1つの突然変異およびシステインプロテアーゼドメイン中の少なくとも1つの突然変異が含まれる。好ましい実施形態では、突然変異毒素Aには、少なくともD285、D287、およびC700の突然変異が含まれる。好ましい実施形態では、突然変異毒素Bには、少なくともD286、D288、およびC698の突然変異が含まれる。突然変異毒素には、本明細書中に記載の任意のさらなる突然変異が、個々にまたは組み合わせて含まれ得る。

0096

例示的な突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aと比較して、位置285および287にアミノ酸置換を有する配列番号29が含まれるグルコシルトランスフェラーゼドメイン、ならびに位置158にアミノ酸置換を有する配列番号32を含むシステインプロテアーゼドメインが含まれる。たとえば、そのような突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには配列番号4に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニンは存在しなくてもよい。別の実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aには配列番号84に記載のアミノ酸配列が含まれる。

0097

突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aのさらなる例には、配列番号1と比較してD269A、R272A、D285A、D287A、E460A、R462A、およびC700Aの突然変異を有する、配列番号7に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニンは存在しなくてもよい。別の実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aには配列番号83に記載のアミノ酸配列が含まれる。

0098

別の例示的な突然変異体TcdAには、位置101、269、272、285、287、460、462、541、542、543、589、655、および700の残基が任意のアミノ酸であり得る配列番号34が含まれる。

0099

一部の実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素は、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して減少したまたは抑止された自己タンパク質分解プロセスを示す。たとえば、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには、以下の残基、すなわち、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、S541、L542および/またはS543のうちの1つでの突然変異、またはその任意の組合せが含まれ得る。好ましくは、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには、以下の突然変異、すなわち、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、S541A、L542G、およびS543Aのうちの少なくとも1つ、またはその任意の組合せが含まれる。

0100

別の例示的な突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAと比較して、S541A、L542、S543およびC700の突然変異が含まれる。

0101

例示的な突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bと比較して、位置286および288にアミノ酸置換を有する配列番号31を含むグルコシルトランスフェラーゼドメイン、ならびに位置155にアミノ酸置換を有する配列番号33を含むシステインプロテアーゼドメインが含まれる。たとえば、そのような突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには配列番号6に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニンは存在しなくてもよい。別の実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bには配列番号86に記載のアミノ酸配列が含まれる。

0102

突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBのさらなる例には、配列番号2と比較してD270A、R273A、D286A、D288A、D461A、K463A、およびC698Aの突然変異を有する、配列番号8に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニンは存在しなくてもよい。別の実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bには配列番号85に記載のアミノ酸配列が含まれる。

0103

別の例示的な突然変異体TcdBには、位置101、269、272、285、287、460、462、541、542、543、589、655、および700の残基が任意のアミノ酸であり得る配列番号35が含まれる。

0104

別の例として、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、位置543および/または544での突然変異が含まれ得る。好ましくは、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、L543および/またはG544の突然変異が含まれる。より好ましくは、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、L543Gおよび/またはG544Aの突然変異が含まれる。

0105

別の例示的な突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBには、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して、L543G、G544AおよびC698の突然変異が含まれる。

0106

一態様では、本発明は、配列番号2の付番に従ってアミノ酸残基1から1500の任意の位置に突然変異を有して、例示的な突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bを定義する単離ポリペプチドに関する。たとえば、一実施形態では、単離ポリペプチドには、配列番号2のアミノ酸残基830から990の間に突然変異が含まれる。突然変異の例示的な位置には、配列番号2の付番に従って位置970および976が含まれる。好ましくは、残基830から990の間の突然変異は置換である。一実施形態では、突然変異は非保存的置換であり、Asp(D)および/またはGlu(E)アミノ酸残基は、酸性化した際に中和されないアミノ酸残基、たとえばリシン(K)、アルギニン(R)、およびヒスチジン(H)などによって置き換えられている。例示的な突然変異には、配列番号2のE970K、E970R、E970H、E976K、E976R、E976Hが含まれて、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bを定義する。

0107

一実施形態では、単離ポリペプチドには、以下の置換、D286A/D288A/C698A/E970K/E976K(配列番号184)が含まれる。E970およびE976は、リボタイプ078およびリボタイプ126株を除いて(表35および表37を参照)観察したすべてのシー・ディフィシル(C.difficile)株からの毒素B中で保存的である(表2−a、配列番号110〜133を参照)。リボタイプ078およびリボタイプ126株からの毒素Bでは、グルタミン酸−970の代わりにグリシン−970(G970)が存在する。したがって、一実施形態では、単離ポリペプチドには、G970およびE976での突然変異、たとえばG970KおよびE976Kなどが含まれる。上述したおよびここに記載の突然変異毒素は、対応する野生型毒素と比較して低下した細胞毒性を示し得る。実施例8および15を参照されたい。

0108

別の態様では、本発明は、配列番号1の付番に従ってアミノ酸残基1から1500の任意の位置に突然変異を有して、例示的な突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aを定義する単離ポリペプチドに関する。たとえば、一実施形態では、単離ポリペプチドには、配列番号1のアミノ酸残基832から992の間に突然変異が含まれる。突然変異の例示的な位置には、配列番号1の付番に従って位置972および978が含まれる。好ましくは、残基832から992の間の突然変異は置換である。一実施形態では、突然変異は非保存的置換であり、Asp(D)および/またはGlu(E)アミノ酸残基は、酸性化した際に中和されないアミノ酸残基、たとえばリシン(K)、アルギニン(R)、およびヒスチジン(H)などによって置き換えられている。例示的な突然変異には、配列番号1のD972K、D972R、D972H、D978K、D978R、D978Hが含まれて、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aを定義する。

0109

一実施形態では、単離ポリペプチドには、以下の置換、D285A/D287A/C700A/D972K/D978K(配列番号183)が含まれる。D972およびD978の残基は、評価したすべてのシー・ディフィシル(C.difficile)株からの毒素A中で保存的である(表1−a、配列番号87〜109を参照)。上述したおよびここに記載の突然変異毒素は、対応する野生型毒素と比較して低下した細胞毒性を示し得る。

0110

以下にさらなる例示的な突然変異毒素を記載する。一実施形態では、突然変異毒素TcdAには、(i)配列番号185、(ii)配列番号185と少なくとも90%、92%、93%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する、配列番号185のポリペプチド、または(iii)配列番号185の少なくとも250、280もしくは300個のアミノ酸の断片が含まれる。別の実施形態では、突然変異毒素TcdBには、(iv)配列番号186、(v)配列番号186と少なくとも80%、85%、90%、92%、93%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する、配列番号186のポリペプチド、または(vi)配列番号186の少なくとも250、280もしくは300個のアミノ酸の断片が含まれる。

0111

一実施形態では、突然変異毒素TcdAは、600、675、650、625、600、575、550、525、500、475、450、425、400、375、350、325、300、275、250、または225個未満のアミノ酸からなる。一実施形態では、突然変異毒素は、800、775、750、725、700、675、650、625、600、575、550、または525個未満のアミノ酸からなる。一実施形態では、突然変異毒素には、配列番号185の少なくとも200、225、250、270、280、300もしくは310個のアミノ酸、または配列番号185と少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有するポリペプチドの少なくとも200、225、250、270、280、300もしくは310個のアミノ酸が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素には、配列番号186の少なくとも400、425、450、475、500、525、550、575、600もしくは610個のアミノ酸、または配列番号186と少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、98%、99%、もしくは100%の同一性を有するポリペプチドの少なくとも400、425、450、475、500、525、550、575、600もしくは610個のアミノ酸が含まれる。

0112

一実施形態では、突然変異毒素には、A)(i)配列番号185、(ii)配列番号185と少なくとも90%、92%、93%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する、配列番号185のポリペプチド、または(iii)配列番号185の少なくとも250、280もしくは300個のアミノ酸の断片と、B)(iv)配列番号186、(v)配列番号186と少なくとも80%、85%、90%、92%、93%、95%、98%、99%もしくは100%の同一性を有する、配列番号186のポリペプチド、または(vi)配列番号186の少なくとも250、280もしくは300個のアミノ酸の断片との融合が含まれる、融合タンパク質が含まれる。さらなる実施形態では、配列番号185のN末端は配列番号186のC末端に隣接している。さらなる実施形態では、配列番号185のN末端は配列番号186のN末端に隣接している。さらなる実施形態では、配列番号185のC末端は配列番号186のC末端に隣接している。突然変異毒素のさらなる例には、以下のアミノ酸配列、すなわち、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、および配列番号195のいずれかを有するポリペプチドが含まれる。

0113

別の実施形態では、突然変異毒素には、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号241、配列番号242、および配列番号243のいずれかから選択されるアミノ酸配列の任意の組合せが含まれる融合および/またはハイブリッドポリペプチドが含まれる。たとえば、一実施形態では、突然変異毒素には、配列番号254、配列番号270、配列番号271、配列番号272、配列番号273、配列番号274、または配列番号275のいずれかに記載のアミノ酸配列が含まれる。

0114

突然変異毒素の別の例には、野生型毒素の断片が含まれる。本明細書中で使用する「断片」突然変異毒素TcdAとは、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素TcdA配列よりも少ない連続したアミノ酸の合計を有するペプチド配列、たとえば、合計2710個未満の連続したアミノ酸が含まれる配列をいう。断片突然変異毒素TcdAには、本明細書中に記載のアミノ酸残基の突然変異がさらに含まれ得る。本明細書中で使用する「断片」突然変異毒素TcdBとは、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素TcdB配列よりも少ない連続したアミノ酸の合計を有するペプチド配列、たとえば、合計2366個未満の連続したアミノ酸が含まれる配列をいう。断片突然変異毒素TcdBには、本明細書中に記載のアミノ酸残基の突然変異がさらに含まれ得る。そのような例示的な突然変異毒素配列には、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素TcdAには、本明細書中に記載の野生型突然変異毒素A、たとえば配列番号1の少なくとも200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000個の連続したアミノ酸が含まれる。別の実施形態では、突然変異毒素には、本明細書中に記載の遺伝的突然変異させた毒素Aの断片が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素TcdBには、本明細書中に記載の野生型突然変異毒素B、たとえば配列番号2の少なくとも200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、または2000個の連続したアミノ酸が含まれる。別の実施形態では、突然変異毒素には、本明細書中に記載の遺伝的突然変異させた毒素Bの断片が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素には、最大で3000、2710、2500、2400、2366、2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、または300個の連続したアミノ酸が含まれる。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて、適切な範囲を定義し得る。別の実施形態では、ハイブリッド分子の生成がもたらされるような様式で、突然変異毒素を少なくとも1つの他のペプチドまたは少なくとも1つの他の突然変異毒素と融合させる。

0115

さらなる例示的な断片突然変異毒素TcdAには、配列番号374から配列番号421のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。さらなる例示的な断片突然変異毒素TcdAには、配列番号472から配列番号519のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。さらなる例示的な突然変異毒素TcdBには、配列番号422から配列番号471のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。さらなる例示的な断片突然変異毒素TcdBには、配列番号568から配列番号615のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。

0116

以下にさらなる例示的な突然変異毒素を記載する。一実施形態では、突然変異毒素には、たとえば配列番号1の付番に従って、W101、D287、E514、D285、S517、W519、およびC700からなる群から選択されるアミノ酸残基での少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5個の突然変異が含まれる、またはそれからなるTcdAが含まれる。さらなる実施形態では、TcdA突然変異体には、W101A、D287A、E514Q、D285A、S517A、W519A、およびC700Aの置換ならびにW101の欠失からなる群から選択される少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5個の突然変異が含まれる、またはそれからなる。

0117

別の例示的な突然変異毒素TcdAには、たとえば配列番号1の付番に従って、アミノ酸置換W101、D287A、およびE514Qが含まれる。さらなる一実施形態は、アミノ酸置換W101A、D287A、E514Q、およびW519Aが含まれる、またはそれからなるTcdAタンパク質を提供する。本発明の別の具体的な実施形態は、アミノ酸置換W101A、D287A、E514Q、W519A、およびC700Aが含まれる、またはそれからなるTcdAタンパク質である。

0118

別の実施形態では、突然変異毒素TcdAには、たとえば配列番号1の付番に従って、突然変異W101A、D287A、E514QおよびD285Aが含まれる。別の実施形態では、突然変異毒素TcdAには、突然変異W101A、D287A、E514QおよびS517Aが含まれる。

0119

別の実施形態では、さらなる突然変異、たとえばC700A突然変異を突然変異体TcdAに加え得る。さらなる実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個までのさらなる突然変異を、本明細書中に記載の突然変異毒素TcdAの実施形態のうちの任意のものに加え得る。

0120

突然変異毒素TcdAのさらなる例には、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、または配列番号211に記載のアミノ酸配列が含まれる。別の実施形態では、突然変異毒素TcdAには、配列番号210のアミノ酸配列が含まれる。さらに別の実施形態では、突然変異毒素TcdAには、位置W101、D287、E514、W519およびC700での突然変異が含まれ、配列番号212に記載のように、W101はトリプトファン以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、D287はアスパラギン酸以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、E514はグルタミン酸以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、W519はトリプトファン以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、C700はシステイン以外の任意のアミノ酸で置き換えられる。

0121

突然変異毒素TcdAのさらなる例には、元の参照配列(たとえば、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211もしくは配列番号212または配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85もしくは配列番号86)と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。

0122

さらなる実施形態では、突然変異毒素TcdAには、たとえば配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211および配列番号212または配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85もしくは配列番号86と比較して、最大で12個のアミノ酸残基、最大で11個のアミノ酸残基、最大で10個のアミノ酸残基、最大で9個のアミノ酸残基、最大で8個のアミノ酸残基、最大で7個のアミノ酸残基、最大で6個のアミノ酸残基、最大で5個のアミノ酸残基、最大で4個のアミノ酸残基、最大で3個のアミノ酸残基、最大で2個のアミノ酸残基、または1個のアミノ酸残基での突然変異が含まれる。

0123

以下にさらなる例示的な突然変異毒素を記載する。一実施形態では、突然変異毒素は、配列番号2の付番に従って、W102、D288、E515、D286、S518、W520、およびC698からなる群から選択されるアミノ酸残基での少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5個の突然変異が含まれる突然変異体TcdBである。別の実施形態では、突然変異毒素TcdBには、W102A、D288A、E515Q、D286A、S518A、W520A、およびC698Aの置換ならびにW102の欠失からなる群から選択される少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5個の突然変異が含まれる。一実施形態では、突然変異毒素TcdBには、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、または配列番号221に記載のアミノ酸配列が含まれる。さらに別の実施形態では、突然変異毒素TcdBには、位置W102、D288、E515、W520およびC698での突然変異が含まれ、配列番号222に記載のように、W102はトリプトファン以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、D288はアスパラギン酸以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、E515はグルタミン酸以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、W520はトリプトファン以外の任意のアミノ酸で置き換えられ、C698はシステイン以外の任意のアミノ酸で置き換えられる。

0124

突然変異毒素TcdBのさらなる例には、元の参照配列、すなわち、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、または配列番号222と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。

0125

さらなる実施形態では、突然変異毒素TcdBには、たとえば配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、および/または配列番号222と比較して、最大で12個のアミノ酸残基、最大で11個のアミノ酸残基、最大で10個のアミノ酸残基、最大で9個のアミノ酸残基、最大で8個のアミノ酸残基、最大で7個のアミノ酸残基、最大で6個のアミノ酸残基、最大で5個のアミノ酸残基、最大で4個のアミノ酸残基、最大で3個のアミノ酸残基、最大で2個のアミノ酸残基、または1個のアミノ酸残基での突然変異が含まれる。

0126

さらなる例示的な突然変異毒素TcdAには、配列番号276から配列番号323のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。さらなる例示的な突然変異毒素TcdBには、配列番号324から配列番号373のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。

0127

以下にさらなる例示的な突然変異毒素を記載する。一実施形態では、突然変異毒素TcdAには、(a)配列番号224または配列番号245と50%以上(たとえば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、または100%)の同一性を有するアミノ酸配列、ならびに/あるいは、(b)配列番号224もしくは配列番号245の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片[ただし、「n」は7以上である(たとえば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、250、300、400、500、540、もしくはそれより大きい)]、または配列番号224もしくは配列番号245と80%以上の同一性を有し、かつ配列番号224および/もしくは配列番号245のエピトープを含むポリペプチドの断片であるアミノ酸配列が含まれる。

0128

一実施形態では、突然変異毒素TcdAには、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、または配列番号236に記載のアミノ酸配列が含まれる。突然変異毒素TcdAのさらなる例示的な実施形態には、配列番号244、配列番号245、配列番号250、配列番号251、配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255、配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259、配列番号260、配列番号261、配列番号262、および/または配列番号263のいずれかに記載のアミノ酸配列が含まれる。

0129

一実施形態では、突然変異毒素TcdBには、(a)配列番号238または配列番号247と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列、および/あるいは(b)配列番号238もしくは配列番号247の少なくとも7個の連続したアミノ酸の断片、または配列番号238もしくは配列番号247と80%以上の同一性を有し、かつ配列番号238もしくは配列番号247のエピトープを含むポリペプチドの断片であるアミノ酸配列が含まれる。

0130

一実施形態では、突然変異毒素TcdBには、(a)配列番号238または配列番号247と50%以上の(たとえば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、またはそれより高い)同一性を有するアミノ酸配列、および/あるいは(b)配列番号238もしくは配列番号247の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片、または配列番号238もしくは配列番号247と50%以上の同一性を有するポリペプチドの断片[ただし、「n」は7以上である(たとえば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、250、300、400、500、540、もしくはそれより大きい)]であるアミノ酸配列が含まれる。

0131

一実施形態では、突然変異毒素TcdBには、配列番号237、配列番号238、配列番号239、配列番号240、配列番号241、配列番号242、または配列番号243に記載のアミノ酸配列が含まれる。突然変異毒素TcdBのさらなる例示的な実施形態には、配列番号246、配列番号247、配列番号248、配列番号249、配列番号264、配列番号265、配列番号266、配列番号267、配列番号268、および/または配列番号269のいずれかに記載のアミノ酸配列が含まれる。

0132

さらなる例示的な突然変異毒素TcdAには、配列番号520から配列番号567のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。さらなる例示的な突然変異毒素TcdBには、配列番号616から配列番号663のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。

0133

以下にさらなる例示的な突然変異毒素を記載する。一実施形態では、突然変異毒素TcdAには、配列番号664から配列番号711のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。さらなる例示的な突然変異毒素TcdBには、配列番号712から配列番号761のアミノ酸配列のいずれか1つを有するポリペプチドが含まれる。

0134

本発明のポリペプチドには、場合によっては宿主細胞媒介性プロセスの結果として、最初のメチオニン残基が含まれ得る。たとえば組換え産生手順で使用する宿主細胞および/または宿主細胞の発酵もしくは成長条件に応じて、翻訳開始コドンによってコードされているN末端メチオニンを細胞内での翻訳後にポリペプチドから除去してもよい、またはN末端メチオニンは単離ポリペプチド中に存在したままでもよいことが当技術分野で知られている。

0135

したがって、一態様では、本発明は、配列番号4に記載のアミノ酸配列が含まれる単離ポリペプチドに関し、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。一実施形態では、配列番号4の最初のメチオニンは存在しない。一態様では、本発明は、最初のメチオニンが存在しないこと以外は配列番号4と同一である、配列番号84に記載のアミノ酸配列が含まれる単離ポリペプチドに関する。

0136

別の態様では、単離ポリペプチドには配列番号6に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。一実施形態では、配列番号6最初のメチオニンは存在しない。一態様では、本発明は、最初のメチオニンが存在しないこと以外は配列番号6と同一である、配列番号86に記載のアミノ酸配列が含まれる単離ポリペプチドに関する。

0137

さらなる一態様では、単離ポリペプチドには配列番号7に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。一実施形態では、本発明は、最初のメチオニンが存在しないこと以外は配列番号7と同一である、配列番号83に記載のアミノ酸配列が含まれる単離ポリペプチドに関する。さらに別の態様では、単離ポリペプチドには配列番号8に記載のアミノ酸配列が含まれ、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。一実施形態では、単離ポリペプチドには、最初のメチオニンが存在しないこと以外は配列番号8と同一である、配列番号85に記載のアミノ酸配列が含まれる。

0138

一態様では、本発明は、配列番号4が含まれる免疫原性組成物に関し、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。別の態様では、本発明は、配列番号6が含まれる免疫原性組成物に関し、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。さらなる一態様では、本発明は、配列番号7が含まれる免疫原性組成物に関し、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。さらに別の態様では、本発明は、配列番号8が含まれる免疫原性組成物に関し、最初のメチオニン(位置1)は存在しなくてもよい。

0139

別の態様では、本発明は、配列番号83が含まれる免疫原性組成物に関する。一態様では、本発明は、配列番号84が含まれる免疫原性組成物に関する。一態様では、本発明は、配列番号85が含まれる免疫原性組成物に関する。別の態様では、本発明は、配列番号86が含まれる免疫原性組成物に関する。

0140

細胞毒性
また、哺乳動物において免疫応答を生じることに加えて、本明細書中に記載の免疫原性組成物は対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して低下した細胞毒性も有する。好ましくは、免疫原性組成物は哺乳動物への投与において安全であり、対応するそれぞれの野生型毒素の細胞毒性と比較して最小限の細胞毒性を有する(たとえば約6〜8log10の低下)〜細胞毒性なしである。

0141

本明細書中で使用する用語、細胞毒性とは、当技術分野において理解される用語であり、アポトーシス細胞死および/または細胞毒性剤が存在しない以外は同一条件下の同一細胞と比較して細胞の1つもしくは複数の通常の生化学的もしくは生物学的機能が異常に損なわれている状態をいう。毒性は、たとえば、細胞もしくは哺乳動物中で50%の細胞死を誘導するために必要な薬剤の量(すなわちそれぞれEC50もしくはED50)で、または当技術分野で知られている他の方法によって定量することができる。

0142

細胞円形化アッセイなどの細胞毒性を示すためのアッセイは当技術分野で知られている(たとえばKuehneら、Nature.2010 Oct 7;467(7316):711〜3を参照)。TcdAおよびTcdBの作用は、細胞が円形化(たとえば形態を失う)して死滅することを引き起こし、そのような現象光学顕微鏡観察によって目で見ることができる。たとえば図9を参照されたい。

0143

当技術分野で知られているさらなる例示的な細胞毒性アッセイには、[14C]グルコースで標識したRasのリン光イメージングのアッセイに関するグルコシル化アッセイ(Buschら、J Biol Chem.1998 Jul 31;273(31):19566〜72に記載)、および好ましくは以下の実施例に記載のin vitro細胞毒性アッセイが含まれ、EC50とは、細胞、好ましくはヒト二倍体線維芽細胞(たとえばIMR90細胞(ATCCCCL−186(商標))において、毒素が存在しない同一条件下の同一細胞と比較して細胞変性効果CPE)の少なくとも約50%を示す免疫原性組成物の濃度をいい得る。また、in vitro細胞毒性アッセイは、細胞、好ましくはヒト二倍体線維芽細胞(たとえばIMR90細胞(ATCC CCL−186(商標))において、毒素が存在しない同一条件下の同一細胞と比較して野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素に誘導される細胞変性効果(CPE)の少なくとも約50%を阻害する組成物の濃度を評価するためにも使用し得る。さらなる例示的な細胞毒性アッセイには、Doernら、J Clin Microbiol.1992 Aug;30(8):2042〜6に記載のものが含まれる。また、細胞毒性は、毒素で処理した細胞中のATPレベルを測定することによっても決定することができる。たとえば、相対光量(RLU)として測定されるルミネセンス放射する、CELLITERGLO(登録商標)(Promega)などのルシフェラーゼに基づく基質を使用し得る。そのようなアッセイでは、細胞生存度は細胞中のATPの量またはRLU値に直接比例し得る。

0144

一実施形態では、免疫原性組成物の細胞毒性は、対応する野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素と比較して、少なくとも約1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、13000倍、14000倍、15000倍、またはそれより多く低減される。たとえば表20を参照されたい。

0145

別の実施形態では、免疫原性組成物の細胞毒性は、同一条件下の対応する野生型毒素と比較して、少なくとも約2log10、より好ましくは約3log10、最も好ましくは約4log10またはそれより多く低下する。たとえば、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBは、標準の細胞変性効果アッセイ(CPE)で測定して、少なくとも約10−12g/mlのEC50値を有し得る例示的な野生型シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBと比較して約10−9g/mlのEC50値を有し得る。たとえば、以下の実施例セクション中の表7A、7B、8Aおよび8Bを参照されたい。

0146

さらに別の実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性は、たとえば本明細書中に記載したものなどのin vitro細胞毒性アッセイによって測定して、少なくとも約50μg/ml、100μg/ml、200μg/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1000μg/mlまたはそれより高いEC50を有する。したがって、好ましい実施形態では、免疫原性組成物および突然変異毒素は、哺乳動物に投与するために生物学的に安全である。

0147

機構または理論に束縛されずに、野生型TcdAと比較してD285およびD287の突然変異を有するTcdA、ならびに野生型TcdBと比較してD286およびD288の突然変異を有するTcdBは、グルコシルトランスフェラーゼ活性に欠損があり、したがって細胞変性効果の誘導に欠損があると予想された。さらに、DHCモチーフ中に突然変異を有する毒素は、自己触媒プロセスに欠損があり、したがって細胞毒性効果をまったく持たないと予想された。

0148

しかし、本発明者らは、驚くべきことに、とりわけ、配列番号4を有する例示的な突然変異体TcdAおよび配列番号6を有する例示的な突然変異体TcdBが、機能不全のグルコシルトランスフェラーゼ活性および機能不全のシステインプロテアーゼ活性を示したにもかかわらず、予想外に細胞毒性を示した(ただし野生型シー・ディフィシル(C.difficile)630毒素からは顕著に低下している)ことを発見した。機構または理論に束縛されずに、突然変異毒素は新規機構によって細胞毒性を達成すると考えられている。それにもかかわらず、配列番号4を有する例示的な突然変異体TcdAおよび配列番号6を有する例示的な突然変異体TcdBは驚くべきことに免疫原性であった。以下の実施例を参照されたい。

0149

架橋結合
野生型毒素の化学的架橋結合は毒素の失活に失敗する潜在性を有するが、本発明者らは、突然変異毒素の少なくとも1つのアミノ酸を化学的に架橋結合させることで、化学的架橋結合を欠く同一の突然変異毒素と比較して、および対応する野生型毒素と比較して、突然変異毒素の細胞毒性がさらに低下したことをさらに発見した。好ましくは、突然変異毒素は、化学的架橋剤と接触させる前に精製する。

0150

さらに、化学的架橋剤が有用なエピトープを変更する潜在性にもかかわらず、本発明者らは、驚くべきことに、少なくとも1つのアミノ酸を化学的に架橋結合させた遺伝子改変した突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素は、複数の中和抗体またはその結合断片を誘発した免疫原性組成物をもたらしたことを発見した。したがって、中和抗体分子と会合したエピトープが化学的架橋結合後に予想外に保たれた。

0151

架橋結合(本明細書中で「化学的失活」または「失活」とも呼ばれる)とは、2つ以上の分子を共有結合によって化学的に一緒にするプロセスである。用語「架橋結合試薬」、「架橋剤」、および「架橋結合剤」とは、ペプチド、ポリペプチド、および/またはタンパク質上の特定の官能基(第一級アミン、スルドリルカルボキシルカルボニルなど)と反応するおよび/または化学的に付着することができる分子をいう。一実施形態では、分子は、ペプチド、ポリペプチド、および/またはタンパク質上の特定の官能基(第一級アミン、スルヒドリル、カルボキシル、カルボニルなど)と反応するおよび/または化学的に付着することができる2つ以上の反応性末端を含有し得る。好ましくは、化学的架橋剤は水溶性である。別の好ましい実施形態では、化学的架橋剤はヘテロ二官能性架橋結合剤である。別の実施形態では、化学的架橋剤は二官能性架橋結合剤ではない。化学的架橋剤は当技術分野で知られている。

0152

好ましい実施形態では、架橋剤は長さゼロの架橋剤である。「長さゼロ」の架橋結合剤とは、2つの分子の官能基間の直接架橋結合を媒介または生成する架橋剤をいう。たとえば、2つのポリペプチドの架橋結合において、長さゼロの架橋結合剤は、外因性物質を組み込まずに、1つのポリペプチドのアミノ酸側鎖からのカルボキシル基と別のポリペプチドのアミノ基との間の橋または架橋結合の形成をもたらす。長さゼロの架橋剤は、たとえば、ヒドロキシル部分とカルボキシル部分との間のエステル結合の形成、および/またはカルボキシル部分と第一級アミノ部分との間のアミド結合の形成を触媒することができる。

0153

例示的な適切な化学的架橋剤には、ホルムアルデヒド、ホルマリン、アセトアルデヒドプロピオンアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミドメトp−トルエンスルホン酸塩(CMC)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、およびその誘導体を含めた水溶性カルボジイミド(RN=C=NR’)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、フェニルグリオキサール、ならびに/またはUDP−ジアルデヒドが含まれる。

0154

好ましくは、架橋剤はEDCである。突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドがEDCによって化学修飾する場合(たとえばポリペプチドをEDCと接触させることによる)、一実施形態では、ポリペプチドには(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(c)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(d)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(e)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(f)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(g)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離ポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、ポリペプチドには(h)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。たとえば図24および図25を参照されたい。

0155

「第2の単離ポリペプチド」とは、EDCとの反応中に存在する任意の単離ポリペプチドをいう。一実施形態では、第2の単離ポリペプチドは、第1の単離ポリペプチドと同一の配列を有する突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドである。別の実施形態では、第2の単離ポリペプチドは、第1の単離ポリペプチドとは異なる配列を有する突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドである。

0156

一実施形態では、ポリペプチドには、(a)〜(d)の修飾から選択される少なくとも2つの修飾が含まれる。例示的な一実施形態では、ポリペプチドには、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、および(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。さらなる実施形態では、ポリペプチドには、(a)〜(d)の修飾から選択される少なくとも3つの修飾が含まれる。さらなる一実施形態では、ポリペプチドには(a)、(b)、(c)、および(d)の修飾が含まれる。

0157

EDCによる化学修飾中に複数の突然変異ポリペプチドが存在する場合、一実施形態では、生じる組成物には、(a)〜(h)の修飾のいずれかの少なくとも1つが含まれる。一実施形態では、組成物には、(a)〜(h)の修飾から選択される少なくとも2つの修飾が含まれる。さらなる実施形態では、組成物には、(a)〜(h)の修飾から選択される少なくとも3つの修飾が含まれる。さらなる一実施形態では、組成物には、(a)〜(h)の修飾から選択される少なくとも4つの修飾が含まれる。別の実施形態では、組成物には、(a)〜(h)の修飾のそれぞれが少なくとも1つずつ含まれる。

0158

例示的な一実施形態では、生じる組成物には、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、および(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。一実施形態では、組成物には、(c)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋結合、および(d)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基とポリペプチドのリシン残基との間の少なくとも1つの架橋結合の側鎖がさらに含まれる。

0159

別の例示的な実施形態では、生じる組成物には、(e)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、(f)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、(g)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離ポリペプチドのN末端のアミノ基との間の少なくとも1つの架橋結合、および(h)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と第2の単離ポリペプチドのリシン残基との間の少なくとも1つの架橋結合の側鎖が含まれる。

0160

さらなる例示的な一実施形態では、生じる組成物には、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、(b)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、(e)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合、および(f)ポリペプチドのグルタミン酸残基の側鎖と第2の単離ポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合が含まれる。

0161

好ましい実施形態では、化学的架橋剤には、ホルムアルデヒド、より好ましくは、リシンの非存在下でホルムアルデヒドが含まれる薬剤が含まれる。グリシンまたは第一級アミンを有する他の適切な化合物を、架橋結合反応において反応停止剤として使用することができる。したがって、別の好ましい実施形態では、化学的薬剤には、ホルムアルデヒド、およびグリシンの使用が含まれる。

0162

さらに別の好ましい実施形態では、化学的架橋剤にはEDCおよびNHSが含まれる。当技術分野で知られているように、NHSをEDCカップリングプロトコルに含め得る。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、対応する野生型毒素と比較して、遺伝的突然変異させた毒素と比較して、かつEDCによって化学的に架橋結合させた遺伝的突然変異させた毒素と比較して、NHSが突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性をさらに減少させることを容易にし得ることを発見した。たとえば実施例22を参照されたい。したがって、機構または理論に束縛されずに、ポリペプチドの少なくとも1つのリシン残基の側鎖と連結されたベータアラニン部分(たとえば、突然変異毒素ポリペプチド、EDC、およびNHSの反応から生じたもの)を有する突然変異毒素ポリペプチドは、たとえばベータアラニン部分が存在しないシー・ディフィシル(C.difficile)毒素(野生型または突然変異体)と比較して、突然変異毒素の細胞毒性をさらに減少させることを容易にし得る。

0163

また、EDCおよび/またはNHSの使用には、反応停止剤としてのグリシンまたは第一級アミンを有する他の適切な化合物の使用も含まれ得る。たとえばグリシンメチルエステルおよびアラニンなどの、第一級アミンを有する任意の化合物を反応停止剤として使用し得る。好ましい実施形態では、反応停止化合物は非ポリマー性の親水性第一級アミンである。非ポリマー性の親水性第一級アミンの例には、たとえば、アミノ糖、アミノアルコール、およびアミノポリオールが含まれる。非ポリマー性の親水性第一級アミンの具体的な例には、グリシン、エタノールアミングルカミンアミン官能化ポリエチレングリコール、およびアミン官能化エチレングリコールオリゴマーが含まれる。

0164

一態様では、本発明は、少なくとも1つのアミノ酸側鎖がEDCおよび非ポリマー性の親水性第一級アミン、好ましくはグリシンによって化学修飾された、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドに関する。生じるグリシン付加物(たとえば、EDC、NHSで処理した三重突然変異毒素の反応、グリシンで反応停止したもの)は、対応する野生型毒素と比較して、突然変異毒素の細胞毒性を減少させることを容易にし得る。

0165

一実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドをEDCおよびグリシンによって化学修飾させる場合、ポリペプチドをEDCによって修飾させる場合の少なくとも1つの修飾がポリペプチドに含まれ(たとえば、上述の(a)〜(h)の修飾のいずれか少なくとも1つ)、かつ以下のうちの少なくとも1つの例示的な修飾が含まれる:(i)ポリペプチドのC末端のカルボキシル基と連結されたグリシン部分、(j)ポリペプチドの少なくとも1つのアスパラギン酸残基の側鎖と連結されたグリシン部分、および(k)ポリペプチドの少なくとも1つのグルタミン酸残基の側鎖と連結されたグリシン部分。たとえば図24および図25を参照されたい。

0166

一実施形態では、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAの少なくとも1つのアミノ酸が化学的に架橋結合されている、および/または突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBの少なくとも1つのアミノ酸が化学的に架橋結合されている。本明細書中に記載の突然変異毒素のいずれかを化学的に架橋結合させ得る。別の実施形態では、配列番号4、配列番号6、配列番号7、および/または配列番号8のうちの少なくとも1つのアミノ酸が化学的に架橋結合されている。一実施形態では、配列番号1から配列番号761のうちの任意のアミノ酸配列を有するポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が架橋結合されている。別の実施形態では、配列番号183から配列番号761のうちの任意のアミノ酸配列を有するポリペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基には、上述の修飾、たとえば、(a)ポリペプチドのアスパラギン酸残基の側鎖とポリペプチドのリシン残基の側鎖との間の少なくとも1つの架橋結合などの、(a)〜(k)の修飾のいずれかが含まれる。

0167

たとえば、少なくとも1つのアミノ酸は、EDCなどのカルボジイミドが含まれる薬剤によって化学的に架橋結合させ得る。カルボジイミドは、遊離カルボキシル(たとえばアスパラギン酸および/またはグルタミン酸の側鎖からのもの)とアミノ基(たとえばリシン残基の側鎖中のもの)との間に共有結合を形成して、安定なアミド結合を形成し得る。

0168

別の例として、少なくとも1つのアミノ酸は、NHSが含まれる薬剤によって化学的に架橋結合させ得る。NHSエステル活性化架橋結合剤は、第一級アミン(たとえば、それぞれのポリペプチド鎖のN末端および/またはリシン残基の側鎖中のもの)と反応して、アミド結合を与え得る。

0169

別の実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸は、EDCおよびNHSが含まれる薬剤によって化学的に架橋結合させ得る。たとえば、一実施形態では、本発明は、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する単離ポリペプチドに関し、位置1のメチオニン残基は存在しなくてもよく、ポリペプチドには、EDCおよびNHSによって化学修飾された少なくとも1つのアミノ酸側鎖が含まれる。別の実施形態では、本発明は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する単離ポリペプチドに関し、位置1のメチオニン残基は存在しなくてもよく、ポリペプチドには、EDCおよびNHSによって化学修飾された少なくとも1つのアミノ酸側鎖が含まれる。さらに別の実施形態では、本発明は、配列番号84、配列番号86、配列番号83、配列番号85、配列番号7、または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する単離ポリペプチドに関する。ポリペプチドは、ポリペプチドをEDCおよびNHSと接触させることによって修飾させる。たとえば図24および図25を参照されたい。

0170

突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドをEDCおよびNHSによって(たとえば接触させることによって)化学修飾させる場合、一実施形態では、ポリペプチドをEDCによって修飾させる場合の少なくとも1つの修飾がポリペプチドに含まれ(たとえば、上述の(a)〜(h)の修飾のうちの任意の少なくとも1つ)、かつ(l)ポリペプチドの少なくとも1つのリシン残基の側鎖と連結されたベータアラニン部分が含まれる。

0171

別の態様では、本発明は、EDC、NHS、および非ポリマー性の親水性第一級アミン、好ましくはグリシンによって化学修飾された少なくとも1つのアミノ酸側鎖が含まれる突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドには、ポリペプチドをEDCによって修飾させる場合の少なくとも1つの修飾(たとえば、上述の(a)〜(h)の修飾のうちの任意の少なくとも1つ)、ポリペプチドをグリシンによって修飾させる場合の少なくとも1つの修飾(たとえば、上述の(i)〜(k)の修飾のうちの任意の少なくとも1つ)、および(l)ポリペプチドの少なくとも1つのリシン残基の側鎖と連結されたベータアラニン部分が含まれる。たとえば図24および図25を参照されたい。

0172

一態様では、本発明は、ポリペプチドの少なくとも1つのリシン残基の側鎖がベータアラニン部分と連結されている突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドの第2のリシン残基の側鎖は、アスパラギン酸残基の側鎖および/またはグルタミン酸残基の側鎖と連結されている。ポリペプチドの「第2の」リシン残基には、ベータアラニン部分と連結されていない、ポリペプチドのリシン残基が含まれる。第2のリシン残基が連結されているアスパラギン酸の側鎖および/またはグルタミン酸の側鎖は、ポリペプチドのものであり分子内架橋結合を形成するか、または第2のポリペプチドのものであり分子間架橋結合を形成し得る。別の実施形態では、ポリペプチドの少なくとも1つのアスパラギン酸残基の側鎖および/または少なくとも1つのグルタミン酸残基の側鎖は、グリシン部分と連結されている。グリシン部分と連結されているアスパラギン酸残基および/またはグルタミン酸残基は、同時にリシン残基とは連結されていない。

0173

別の態様では、本発明は、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の少なくとも1つのアミノ酸側鎖が化学修飾されている突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素に関する。一実施形態では、野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aの少なくとも1つのアミノ酸側鎖および/または野生型シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bの少なくとも1つのアミノ酸側鎖はEDCによって化学修飾されている。たとえば、一実施形態では、TcdA(配列番号1)および/またはTcdB(配列番号2)はEDCによって化学修飾されている。別の実施形態では、野生型毒素はEDCおよびNHSによって化学修飾されている。一実施形態では、突然変異毒素には化学修飾した野生型毒素Aが含まれ、野生型毒素Aは表1−aに記載したものの任意の1つである。別の実施形態では、突然変異毒素には化学修飾した野生型毒素Bが含まれ、野生型毒素Bは表2−aに記載したものの任意の1つである。

0174

化学的に架橋結合させた突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドのさらに別の例として、少なくとも1つのアミノ酸は、ホルムアルデヒドが含まれる薬剤によって化学的に架橋結合させ得る。ホルムアルデヒドは、N末端アミノ酸残基のアミノ基ならびにアルギニン、システイン、ヒスチジン、およびリシンの側鎖と反応し得る。ホルムアルデヒドおよびグリシンはシッフ塩基付加物を形成する場合があり、これは、第一級N末端アミノ基、アルギニン、およびチロシン残基に付着する場合があり、より低い度合アスパラギングルタミン、ヒスチジン、およびトリプトファン残基に付着する場合がある。

0175

化学的架橋剤は、たとえばin vitro細胞毒性アッセイまたは動物毒性によって測定して、処理した毒素が同一条件下の未処理の毒素よりも少ない毒性(たとえば、約100%、99%、95%、90%、80%、75%、60%、50%、25%、または10%少ない毒性)を有する場合に、毒素の細胞毒性を低下させるといわれる。

0176

好ましくは、化学的架橋剤は、化学的架橋剤が存在しない以外は同一条件下の突然変異毒素と比較して、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性を少なくとも約2log10の低下、より好ましくは約3log10の低下、最も好ましくは約4log10またはそれより多く低下させる。野生型毒素と比較して、化学的架橋剤は、好ましくは、突然変異毒素の細胞毒性を少なくとも約5log10の低下、約6log10の低下、約7log10の低下、約8log10の低下またはそれより多く低下させる。

0177

別の好ましい実施形態では、化学的に失活させた突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素は、たとえば本明細書中に記載のものなどのin vitro細胞毒性アッセイによって測定して、約50μg/ml超もしくは少なくとも約50μg/ml、約100μg/ml超もしくは少なくとも約100μg/ml、約200μg/ml超もしくは少なくとも約200μg/ml、約300μg/ml超もしくは少なくとも約300μg/ml、約400μg/ml超もしくは少なくとも約400μg/ml、約500μg/ml超もしくは少なくとも約500μg/ml、約600μg/ml超もしくは少なくとも約600μg/ml、約700μg/ml超もしくは少なくとも約700μg/ml、約800μg/ml超もしくは少なくとも約800μg/ml、約900μg/ml超もしくは少なくとも約900μg/ml、約1000μg/ml超もしくは少なくとも約1000μg/ml、またはそれより高いEC50値を示す。

0178

突然変異毒素を化学的架橋剤と接触させるための反応条件は当業者技術範囲内にあり、条件は使用する薬剤に応じて変動し得る。しかし、本発明者らは、驚くべきことに、機能的エピトープを保持し、対応する野生型毒素と比較して突然変異毒素の細胞毒性を減少させつつ、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素ポリペプチドを化学的架橋剤と接触させるための最適な反応条件を発見した。

0179

好ましくは、突然変異毒素を架橋剤と接触させるための反応条件を選択し、突然変異毒素は、約0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0mg/mlの最小濃度から最大で約3.0、2.5、2.0、1.5、または1.25mg/mlを有する。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて、反応のための突然変異毒素の適切な濃度の範囲を定義し得る。最も好ましくは、突然変異毒素は反応のために約1.0〜1.25mg/mlの濃度を有する。

0180

一実施形態では、反応で使用する薬剤は、約1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、10mM、15mM、20mM、30mM、40mM、または50mMの最小濃度、および約100mM、90mM、80mM、70mM、60mM、または50mMの最大濃度を有する。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて、反応のための化学的薬剤の適切な濃度の範囲を定義し得る。

0181

薬剤にホルムアルデヒドが含まれる好ましい実施形態では、使用する濃度は、好ましくは約2mM〜80mM、最も好ましくは約40mMの任意の濃度である。薬剤にEDCが含まれる別の好ましい実施形態では、使用する濃度は、好ましくは約1.3mM〜約13mM、より好ましくは約2mM〜3mM、最も好ましくは約2.6mMの任意の濃度である。一実施形態では、EDCの濃度は、全反応体積に基づいて最大で5g/L、4g/L、3g/L、2.5g/L、2g/L、1.5g/L、1.0g/L、0.5g/L、好ましくは最大で1g/L、より好ましくは最大で0.5g/Lである。

0182

突然変異毒素を化学的架橋剤と接触させる例示的な反応時間には、最小で約0.5、1、2、3、4、5、6、12、24、36、48、または60時間、および最大で約14日間、12日間、10日間、7日間、5日間、3日間、2日間、1日間、または12時間、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間が含まれる。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて、適切な反応時間の範囲を定義し得る。

0183

好ましい実施形態では、突然変異毒素を化学的架橋剤と接触させるステップは、標準のin vitro細胞毒性アッセイにおいて適切なヒト細胞、たとえばIMR−90細胞中で、架橋剤が存在しない同一の突然変異毒素と比較して突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性を少なくとも約1000μg/mlのEC50値まで低下させるために十分な期間の間起こる。より好ましくは、反応ステップは、適切なヒト細胞中で突然変異毒素の細胞毒性を少なくとも約1000μg/mlのEC50値まで低下させるために十分な期間よりも少なくとも2倍長い、最も好ましくは少なくとも3倍長い、またはそれより長い時間の間実施する。一実施形態では、反応時間は約168時間(すなわち7日間)を超えない。

0184

たとえば、薬剤にホルムアルデヒドが含まれる一実施形態では、好ましくは、標準のin vitro細胞毒性アッセイにおいて適切なヒト細胞、たとえばIMR−90細胞中で、架橋剤が存在しない同一の突然変異毒素と比較して突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素の細胞毒性を少なくとも約1000μg/mlのEC50値まで低下させるために十分な例示的な期間であると示された約12時間の間、突然変異毒素を薬剤と接触させる。より好ましい一実施形態では、十分な反応期間よりも少なくとも約3倍長い約48時間の間、反応を実施する。そのような実施形態では、反応時間は好ましくは約72時間を超えない。

0185

薬剤にEDCが含まれる別の実施形態では、好ましくは、約0.5時間、より好ましくは少なくとも約1時間、または最も好ましくは約2時間の間、突然変異毒素を薬剤と接触させる。一実施形態では、最大で約5時間、好ましくは最大で約3時間、より好ましくは最大で約2時間の間、突然変異毒素をEDCと接触させる。そのような実施形態では、反応時間は好ましくは約6時間を超えない。

0186

突然変異毒素を化学的架橋剤と接触させる例示的なpHには、最小で約pH5.5、6.0、6.5、7.0、または7.5、および最大で約pH8.5、8.0、7.5、7.0、または6.5が含まれる。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて、適切なpHの範囲を定義し得る。好ましくは、反応はpH6.5〜7.5、好ましくはpH7.0で起こる。

0187

突然変異毒素を化学的架橋剤と接触させる例示的な温度には、最小で約2℃、4℃、10℃、20℃、25℃、または37℃、および約40℃、37℃、30℃、27℃、25℃、または20℃の最大温度が含まれる。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて、適切な反応温度の範囲を定義し得る。好ましくは、反応は約20℃〜30℃、最も好ましくは約25℃で起こる。

0188

上述の免疫原性組成物には1つの突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素(AまたはB)が含まれ得る。したがって、免疫原性組成物は、調製物またはキット中で別々のバイアル(たとえば、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aが含まれる組成物のための別個のバイアルおよび突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bが含まれる組成物のための別個のバイアル)を占有することができる。免疫原性組成物は、同時、順次、または別々の使用を意図し得る。

0189

別の実施形態では、上述の免疫原性組成物には、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素(AおよびB)がどちらも含まれ得る。記載した突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Aおよび突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bの任意の組合せを、免疫原性組成物のために組み合わせ得る。したがって、免疫原性組成物を、単一のバイアル(たとえば、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAが含まれる組成物および突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBが含まれる組成物をどちらも含有する単一のバイアル)中で組み合わせることができる。好ましくは、免疫原性組成物には突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAおよび突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBが含まれる。

0190

たとえば、一実施形態では、免疫原性組成物には配列番号4および配列番号6が含まれ、配列番号4および配列番号6のそれぞれの少なくとも1つのアミノ酸が化学的に架橋結合されている。別の実施形態では、免疫原性組成物には、配列番号4または配列番号7が含まれる突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素A、および配列番号6または配列番号8を含む突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素Bが含まれ、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)毒素のそれぞれの少なくとも1つのアミノ酸が化学的に架橋結合されている。

0191

別の実施形態では、免疫原性組成物には、配列番号4、配列番号84、および配列番号83から選択される任意の配列、および配列番号6、配列番号86、および配列番号85から選択される任意の配列が含まれる。別の実施形態では、免疫原性組成物には、配列番号84および配列番号86が含まれる免疫原性組成物が含まれる。別の実施形態では、免疫原性組成物には、配列番号83および配列番号85が含まれる免疫原性組成物が含まれる。別の実施形態では、免疫原性組成物には、配列番号84、配列番号83、配列番号86、および配列番号85が含まれる。

0192

別の実施形態では、免疫原性組成物には、配列番号1〜配列番号761から選択される任意の1つの配列を有するポリペプチド、および配列番号1〜配列番号761から選択される任意の1つの配列を有する第2のポリペプチドが含まれる。

0193

本発明の組成物のいずれか、たとえば突然変異毒素Aおよび/または突然変異毒素Bが含まれる免疫原性組成物は、治療効果のために様々な比または量で組み合わせることができることを理解されたい。たとえば、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAおよび突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBは、0.1:10〜10:0.1のA:Bの範囲の比で免疫原性組成物中に存在することができる。別の実施形態では、たとえば、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBおよび突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAは、0.1:10〜10:0.1のB:Aの範囲の比で免疫原性組成物中に存在することができる。好ましい一実施形態では、比は、組成物中に突然変異体TcdAの総量よりも突然変異体TcdBの総量の方が多く含まれるようなものである。

0194

一態様では、免疫原性組成物は中和抗体またはその結合断片と結合することができる。好ましくは、中和抗体またはその結合断片は、本明細書中以下に記載したものである。例示的な一実施形態では、免疫原性組成物は抗毒素A抗体またはその結合断片と結合することができ、抗毒素A抗体またはその結合断片には、配列番号36のアミノ酸配列を有する可変軽鎖および配列番号37のアミノ酸配列を有する可変重鎖が含まれる。たとえば、免疫原性組成物には、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdA、配列番号4、または配列番号7が含まれ得る。別の例として、免疫原性組成物には配列番号84または配列番号83が含まれ得る。

0195

別の例示的な実施形態では、免疫原性組成物は抗毒素B抗体またはその結合断片と結合することができ、抗毒素B抗体またはその結合断片には、B8−26の可変軽鎖およびB8−26の可変重鎖が含まれる。たとえば、免疫原性組成物には、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdB、配列番号6、または配列番号8が含まれ得る。別の例として、免疫原性組成物には配列番号86または配列番号85が含まれ得る。

0196

組換え細胞
別の態様では、本発明は、組換え細胞またはその子孫に関する。一実施形態では、細胞またはその子孫には、突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdAおよび/または突然変異シー・ディフィシル(C.difficile)TcdBをコードしているポリヌクレオチドが含まれる。

0197

別の実施形態では、組換え細胞またはその子孫には、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号4、配列番号6、配列番号7、または配列番号8のいずれかと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有するポリペプチドをコードしている核酸配列が含まれる。一実施形態では、組換え細胞またはその子孫には、配列番号1から配列番号761のいずれかと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有するポリペプチドをコードしている核酸配列が含まれる。

0198

別の実施形態では、組換え細胞またはその子孫には、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号84、配列番号86、配列番号83、または配列番号85のいずれかと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有するポリペプチドをコードしている核酸配列が含まれる。

0199

さらなる一実施形態では、組換え細胞またはその子孫には、プログラムGAPまたはBESTFITなどによって初期設定のギャップ重みづけを使用して最適アラインメントした場合に、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号44、配列番号45、配列番号46、または配列番号47のいずれかと少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、好ましくは約98%、より好ましくは約99%または最も好ましくは約100%の同一性を有する核酸配列が含まれる。組換え細胞は、本発明のポリペプチドの組換え産生において有用な任意の細胞、たとえば原核生物または真核生物に由来し得る。好ましくは、組換え細胞は、約5000を超える、6000、好ましくは約7000、またはより好ましくは約8000個以上のヌクレオチドの異種核酸配列を発現させるために適した任意の細胞に由来する。原核宿主細胞は任意のグラム陰性またはグラム陽性細菌であり得る。例示的な実施形態では、原核宿主細胞は、毒素および/または胞子をコードしている内在性ポリヌクレオチドを欠く。

0200

グラム陰性細菌には、それだけには限定されないが、カンピロバクター属(Campylobacter)、大腸菌(E.coli)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、イリバクター属(Ilyobacter)、ナイセリア属(Neisseria)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属(Salmonella)、およびウレアプラズマ属(Ureaokasma)が含まれる。たとえば、本明細書に参照により組み込まれている米国特許出願公開第2010013762号、段落[0201]〜[0230]に記載する、組換え細胞は蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)細胞に由来し得る。

0201

グラム陽性細菌には、それだけには限定されないが、バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ゲオバチルス属(Geobacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、オセアノバチルス属(Oceanobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、およびストレプトマイセス属(Streptomyces)が含まれる。好ましくは、細胞はシー・ディフィシル(C.difficile)細胞に由来する。

0202

本発明者らは、シー・ディフィシル(C.difficile)毒素をコードしている内在性ポリヌクレオチドを欠く野生型シー・ディフィシル(C.difficile)の株を同定した。内在性の毒素AおよびBの遺伝子を欠く株には以下の株が含まれ、これらはAmerican Type Culture Collection(ATCC)(バージニア州、Manassas)から入手可能である:シー・ディフィシル(C.difficile)1351(ATCC 43593(商標))、シー・ディフィシル(C.difficile)3232(ATCC BAA−1801(商標))、シー・ディフィシル(C.difficile)7322(ATCC 43601(商標))、シー・ディフィシル(C.difficile)5036(ATCC 43603(商標))、シー・ディフィシル(C.difficile)4811(ATCC 43602(商標))、およびシー・ディフィシル(C.difficile)VPI11186(ATCC 700057(商標))。

0203

したがって、一実施形態では、組換えシー・ディフィシル(C.difficile)細胞は本明細書中に記載の株に由来する。好ましくは、組換えシー・ディフィシル(C.difficile)細胞またはその子孫は、シー・ディフィシル(C.difficile)1351、シー・ディフィシル(C.difficile)5036、およびシー・ディフィシル(C.difficile)VPI11186からなる群に由来する。より好ましくは、組換えシー・ディフィシル(C.difficile)細胞またはその子孫はシー・ディフィシル(C.difficile)VPI11186細胞に由来する。

0204

好ましい実施形態では、組換えシー・ディフィシル(C.difficile)細胞またはその子孫の胞子形成遺伝子は失活している。胞子は、感染性であり、耐性が高く、宿主外の好気性環境中でシー・ディフィシル(C.difficile)の持続を促進する場合がある。また、胞子は、抗微生物治療中に宿主内でのシー・ディフィシル(C.difficile)の生存にも寄与し得る。したがって、胞子形成遺伝子を欠くシー・ディフィシル(C.difficile)細胞が、哺乳動物に投与するために安全な免疫原性組成物を生成するために有用である。さらに、そのような細胞の使用は、製造中の安全性、たとえば、施設、将来の製品、およびスタッフを保護するための安全性を容易にする。

0205

標的失活させる胞子形成遺伝子の例には、とりわけ、spo0A、spoIIE、σE、σG、およびσKが含まれる。好ましくは、spo0A遺伝子が失活されている。

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