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技術 膜状組織の保持部材および、それを用いる保存輸送容器

出願人 テルモ株式会社
発明者 大橋文哉
出願日 2012年10月12日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2012-227129
公開日 2014年5月8日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-079170
状態 特許登録済
技術分野 微生物・酵素関連装置 農薬・動植物の保存
主要キーワード 皿状形状 円環状シール部材 平面輪郭形状 配置姿勢 液通過孔 原形状 移植面 除去器具
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年5月8日)のものです。
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図面 (5)

課題

膜状組織輸送に際する、容器への振動の入力が招く膜状組織の破損を防止しつつ、その後の、容器内部からの膜状組織の取出しに際する膜状組織の破損をも有効に防止することのできる膜状組織の保持部材および、それを用いる保存輸送容器を提供する。

解決手段

本発明の膜状組織の保持部材は、膜状組織100を収容する容器50の内部に固定配置されて、保存液を入れた該容器内部で、前記膜状組織100を保持するための板状の保持部材1であって、前記容器50の内部への配置姿勢で、該容器50の底部51b側を向く裏面2とは逆側を向く表面3の少なくとも一部に、周囲の部分よりも該容器50の底部51b側に向けて窪ませてなる組織配置スペース4を設けるとともに、厚み方向に貫通する複数個液通過孔5を設けたことを特徴とするものである。

概要

背景

近年、病気怪我等により失われた臓器ないしは組織の機能を回復させる再生医療の分野においては、患者筋肉から採取した骨格筋芽細胞等を、たとえば細胞培養センターで培養するとともにシート状に形成して、いわゆる骨格筋芽細胞シートその他の膜状組織を作製し、そのような膜状組織を、患者への移植に供するため、保存液を入れた容器内に収容して保存し、そして、膜状組織を収容したその容器を、病院等の医療機関輸送することがある。

ここで、上述した膜状組織は非常に薄い膜形状で極めて脆弱であり、これを医療機関に輸送するに際しては、容器への振動の入力に起因して保存液の液面が波立つこと等によって、容器内で保存液中の膜状組織が破損するおそれがある。
このような膜状組織の破損を防止するため、特許文献1には、「生体由来細胞からなる膜状組織を保存又は輸送するために使用する膜状組織の保存輸送容器であって、前記膜状組織を原形状の大きさを維持した状態で収容可能な大きさを有する収容部と、前記収容部内に気体層が形成されることがない程度に、前記収容部内に満たされた保存液と、を備え、前記収容部内に満たされた前記保存液中に前記膜状組織が浮遊状態で収容される、ことを特徴とする膜状組織の保存輸送容器」が提案されている。

そして、この特許文献1に記載された膜状組織の保存輸送容器によれば、「収容部内を保存液で満たし、当該保存液中に膜状組織を浮遊させたので、保存輸送容器の輸送中に振動が発生し、収容部が振動しても、その内側の保存液が波打ったり流動したりすることがない。これにより、膜状組織に振動が伝わらず、膜状組織の破損を防止できる。」とされている。

概要

膜状組織の輸送に際する、容器への振動の入力が招く膜状組織の破損を防止しつつ、その後の、容器内部からの膜状組織の取出しに際する膜状組織の破損をも有効に防止することのできる膜状組織の保持部材および、それを用いる保存輸送容器を提供する。本発明の膜状組織の保持部材は、膜状組織100を収容する容器50の内部に固定配置されて、保存液を入れた該容器内部で、前記膜状組織100を保持するための板状の保持部材1であって、前記容器50の内部への配置姿勢で、該容器50の底部51b側を向く裏面2とは逆側を向く表面3の少なくとも一部に、周囲の部分よりも該容器50の底部51b側に向けて窪ませてなる組織配置スペース4を設けるとともに、厚み方向に貫通する複数個液通過孔5を設けたことを特徴とするものである。

目的

本発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題としてなされたものであり、それの目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

生体由来細胞からなる膜状組織を収容する容器の内部に固定配置されて、保存液を入れた該容器内部で、前記膜状組織を保持するための保持部材であって、前記容器の内部への配置姿勢で、該容器の底部側を向く裏面とは逆側を向く表面の少なくとも一部に、周囲の部分よりも該容器の底部側に向けて窪ませてなる組織配置スペースを設けるとともに、前記表面から前記裏面まで貫通する複数個液通過孔を設けたことを特徴とする膜状組織の保持部材。

請求項2

前記表面に設ける前記組織配置スペースを、容器の底部側に向けて窪む曲面で形成してなることを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保持部材。

請求項3

前記組織配置スペースを、前記表面の中央部分に位置させるとともに、該中央部分の周囲の、外周側に拡がって延びる外周側部分平坦形状としたことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保持部材。

請求項4

前記組織配置スペースを、最も容器の底部側に位置する底面領域と、該底面領域の周囲に形成されて、前記外周側部分の平坦表面に平行な平面に対する勾配が前記底面領域に比して相対的に急な側面領域とで構成し、前記液通過孔を、前記底面領域および前記外周側部分だけに設けたことを特徴とする請求項3に記載の膜状組織の保持部材。

請求項5

請求項1に記載の膜状組織の保持部材を容器内部に配置し、開口部を有する容器本体と、前記容器本体に着脱可能で、該容器本体に取り付けられて前記開口部を密閉する蓋部材とを具えてなり、前記膜状組織を、保存液を充満させた容器内部に収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するための膜状組織の保存輸送容器であって、前記保持部材を、前記組織配置スペースを設けた前記表面が、前記蓋部材の内面に対向し、且つ、前記表面とは逆側の前記裏面が、前記容器本体の底部に対向する向きで配置するとともに、前記保持部材の周縁部分の少なくとも一部を、前記容器本体もしくは前記蓋部材に当接させて、該保持部材を容器内部に固定配置したことを特徴とする膜状組織の保存輸送容器。

技術分野

0001

本発明は、生体由来細胞からなる膜状組織を収容する容器の内部に固定配置されて、保存液を入れた該容器内部で、前記膜状組織を保持するための、たとえば板状の保持部材および、それを用いる保存輸送容器に関するものであり、とくには、輸送等の際に容器に加わる振動その他に起因する、脆弱な膜状組織の破損を有効に防止することのできる技術を提案するものである。

背景技術

0002

近年、病気怪我等により失われた臓器ないしは組織の機能を回復させる再生医療の分野においては、患者筋肉から採取した骨格筋芽細胞等を、たとえば細胞培養センターで培養するとともにシート状に形成して、いわゆる骨格筋芽細胞シートその他の膜状組織を作製し、そのような膜状組織を、患者への移植に供するため、保存液を入れた容器内に収容して保存し、そして、膜状組織を収容したその容器を、病院等の医療機関に輸送することがある。

0003

ここで、上述した膜状組織は非常に薄い膜形状で極めて脆弱であり、これを医療機関に輸送するに際しては、容器への振動の入力に起因して保存液の液面が波立つこと等によって、容器内で保存液中の膜状組織が破損するおそれがある。
このような膜状組織の破損を防止するため、特許文献1には、「生体由来の細胞からなる膜状組織を保存又は輸送するために使用する膜状組織の保存輸送容器であって、前記膜状組織を原形状の大きさを維持した状態で収容可能な大きさを有する収容部と、前記収容部内に気体層が形成されることがない程度に、前記収容部内に満たされた保存液と、を備え、前記収容部内に満たされた前記保存液中に前記膜状組織が浮遊状態で収容される、ことを特徴とする膜状組織の保存輸送容器」が提案されている。

0004

そして、この特許文献1に記載された膜状組織の保存輸送容器によれば、「収容部内を保存液で満たし、当該保存液中に膜状組織を浮遊させたので、保存輸送容器の輸送中に振動が発生し、収容部が振動しても、その内側の保存液が波打ったり流動したりすることがない。これにより、膜状組織に振動が伝わらず、膜状組織の破損を防止できる。」とされている。

先行技術

0005

特開2012−130311号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、膜状組織を、上述したようにして医療機関に輸送した後は、当該膜状組織は一般に、たとえば、金属製のヘラ等を用いて保存輸送容器の内部から取り出すとともに、必要に応じて、シャーレ等の他の容器に移し替えられて、膜状組織を多層化する積層操作や膜状組織の洗浄を行った後に、患者への移植に供されることになるも、膜状組織を保存輸送容器の内部から取り出す際や、洗浄液を容器内に注入・排出する際にもまた、薄膜状で脆弱な膜状組織が破損するおそれがあるという問題があった。

0007

本発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題としてなされたものであり、それの目的とするところは、膜状組織の輸送に際する、容器への振動の入力が招く膜状組織の破損を防止しつつ、その後の、容器内部からの膜状組織の取出しに際する膜状組織の破損をも有効に防止することのできる膜状組織の保持部材および、それを用いる保存輸送容器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の膜状組織の保持部材は、生体由来の細胞からなる膜状組織を収容する容器の内部に固定配置されて、保存液を入れた該容器内部で、前記膜状組織を保持するための、たとえば板状の保持部材であって、前記容器の内部への配置姿勢で、該容器の底部側を向く裏面とは逆側を向く表面の少なくとも一部に、周囲の部分よりも該容器の底部側に向けて窪ませてなる、たとえば、膜状組織の全体が入り込む大きさを有する組織配置スペースを設けるとともに、前記表面から前記裏面まで貫通する複数個液通過孔を設けたことを特徴とするものである。
なおここでいう「固定」とは、当該保持部材を容器内部に配置した際に、たとえば、保持部材の一部が容器内面に当接すること等により、容器内部での保持部材の位置ずれが生じないことを意味する。

0009

本発明の膜状組織の保持部材では、前記表面に設ける前記組織配置スペースを、容器の底部側に向けて窪む曲面で形成することが好ましい。

0010

また、本発明の膜状組織の保持部材では、前記組織配置スペースを、前記表面の中央部分に位置させるとともに、該中央部分の周囲の、外周側に拡がって延びる外周側部分平坦形状とすることが好ましい。
そしてこの場合、前記組織配置スペースは、最も容器の底部側に位置する底面領域と、該底面領域の周囲に形成されて、前記外周側部分の平坦表面に平行な平面に対する勾配が前記底面領域に比して相対的に急な側面領域とで構成し、前記液通過孔は、前記底面領域および前記外周側部分だけに設けることが好ましい。

0011

また、本発明の膜状組織の保存輸送容器は、上述した膜状組織の保持部材を容器内部に配置し、開口部を有する容器本体と、前記容器本体に着脱可能で、該容器本体に取り付けられて前記開口部を密閉する蓋部材とを具えてなり、前記膜状組織を、保存液を充満させた容器内部に収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するためのものであって、前記保持部材を、前記組織配置スペースを設けた前記表面が、前記蓋部材の内面に対向し、且つ、前記表面とは逆側の前記裏面が、前記容器本体の底部に対向する向きで配置するとともに、前記保持部材の周縁部分の少なくとも一部を、前記容器本体もしくは前記蓋部材に当接させて、該保持部材を容器内部に固定配置したことを特徴とするものである。

発明の効果

0012

本発明の膜状組織の保持部材によれば、容器の内部への配置姿勢で、その容器の底部側を向く裏面とは逆側を向く表面の少なくとも一部に、周囲の部分よりも該容器の底部側に向けて窪ませてなる組織配置スペースを設けたことにより、容器内部に固定配置した場合には、容器底部側に窪む組織配置スペースが、そこに配置した膜状組織の、たとえば、保存液を充満させた容器内部での移動を規制するべく機能するので、膜状組織の輸送時の破損を有効に防止することができる。
なおここでは、前記表面から前記裏面まで貫通する複数個の液通過孔を設けたことにより、保存液の、容器内部への注入および、容器内部からの除去の際、ならびに、膜状組織の輸送の際に、保存液が、容器内部の、保持部材を隔てて両側に存在する内部領域の相互間で円滑に流動することができる。

0013

そして、膜状組織を容器内部から取り出す場合には、容器内部の保存液を除去した後、保持部材を、組織配置スペースに配置した膜状組織とともに、容器内部から取り出す。そして、保持部材の組織配置スペースが下方を向くように保持部材を裏返すと、湿潤状態の膜状組織が、保持部材に設けた液通過孔での毛細管現象に基いて組織配置スペースに吸着保持される。そして、その裏返した状態で、保持部材の裏面を押圧することで、金属ヘラ等を使用することなしに、移植の際に患者の移植面所期したとおりの位置に、膜状組織を配置したり、あるいは膜状組織を多層化する際に積層操作をしたりすることができる。
従って、本発明の膜状組織の保持部材によれば、たとえば輸送後の、容器内部からの膜状組織の取出しに際する膜状組織の破損をも有効に防止することができる。

0014

また、本発明の膜状組織の保存輸送容器によれば、容器内部に配置した保持部材により、上述したところと同様にして膜状組織の破損を有効に防止することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の膜状組織の保持部材の一の実施形態を示す斜視図である。
図1の保持部材を、それを内部に配置した保存輸送容器とともに示す、容器の深さ方向に沿う断面図である。
図1の保持部材を用いて、膜状組織を容器内部から取り出す各工程を示す斜視図である。
本発明の膜状組織の保持部材の他の実施形態を、それを内部に配置した保存輸送容器とともに示す、容器の深さ方向に沿う断面図である。

実施例

0016

以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1に例示するところにおいて、図中1は、生体由来の細胞からなる膜状組織を収容する後述の容器の内部に固定配置されて、その容器内部での膜状組織の保持を司る、たとえば、平面外輪郭形状円形をなす略円板状の保持部材を示す。

0017

なお、保持部材1に保持される膜状組織は、一定の厚みを有する薄膜状のものであって、心臓角膜網膜、血管、神経、表皮真皮軟骨、歯等の臓器や組織の一部もしくは全体、または複数の臓器の、疾患、疾病欠損に対して再生治療治癒促進を目的として用いられ、あるいは、臓器や組織に対する薬品刺激性感作性、毒性、薬物の効果、組織への反応等を調べるために用いられる生体由来の構造物であり、この膜状組織としては、たとえば、皮膚組織粘膜上皮組織、角膜上皮組織、培養皮膚培養真皮培養表皮培養上皮組織、培養角膜組織軟骨組織網膜組織神経フィラメント人工血管筋芽細胞組織、生体由来の構造物から作製されたシート状細胞培養物、なかでも、骨格筋芽細胞からなるシート状細胞培養物を挙げることができる。膜状組織は、細胞や細胞分泌物のみで構成されるものとすることができ、さらには、支持体などの生体由来しない物質を含むことができる。

0018

ここで、図2に断面図で示すように保存輸送容器50の内部に固定配置されるこの保持部材1は、そのような保存輸送容器50の内部に配置した状態で、保存輸送容器50の底部側(図2では下側)を向く裏面2とは逆側(図2では上側)を向く表面3の少なくとも一部に、周囲の部分よりも保存輸送容器50の底部側に向けて窪ませて形成されて、上述した膜状組織100が配置される組織配置スペース4を設けてなる。
またここでは、保持部材1に、その保持部材1の厚み方向に貫通する複数個の液通過孔5を設ける。

0019

このような保持部材1を容器内部に配置した場合、たとえば、開口部51aを有する容器本体51と蓋部材52とで構成される保存輸送容器50の内部の全体を、保存液で完全に満たした状態で、膜状組織100を輸送するに際し、輸送に伴って保存輸送容器50に振動が加えられた場合であっても、組織配置スペース4に配置された膜状組織100が、組織配置スペース4を形成する表面領域への接触によって、膜状組織100の、容器内部での移動が制限されるので、輸送時に、保存液中に浮遊する膜状組織100が容器内面に衝突すること等に起因する膜状組織100の破損を有効に防止することができる。容器内部に充満させるこの保存液には、たとえば、液体培地生理食塩水等張液緩衝液ハンク平衡塩液等を用いることができる。

0020

なお、図1,2に示すところでは、たとえば樹脂材料で形成することのできる保持部材1の成形を容易なものとするため、保持部材1の厚みを、それの全体にわたって一定とし、保持部材1の裏面2の形状を、組織配置スペース4を形成域で、その表面3の形状に倣って、容器底部側に突出する凸形状とすることで、保持部材1を全体として皿状形状としているも、保持部材1の表面3側に、容器底部側に向けて窪む組織配置スペース4が形成されていれば、保持部材1の裏面形状は図示の形態に限定されるものではない。

0021

ここで、組織配置スペース4に接触する膜状組織100の破損をより確実に防止しつつ、組織配置スペース4による、膜状組織100の移動規制機能を効果的に発揮させるとの観点からは、組織配置スペース4を、たとえば、図2に示す、保持部材1の厚み方向に沿う断面で、一もしくは複数の曲率半径円弧等で形成される曲面とすることが好ましい。

0022

またここで、組織配置スペース4は、図1,2に示すように、たとえば円板状をなす保持部材1の表面3の中央部分に位置させることができ、この場合は、その組織配置スペース4の外周側で、その中央部分から、保持部材1の半径方向(図2では左右方向)に沿って外周側に拡がって延びて前記中央部分の周囲を取り囲む外周側部分6を、たとえば、保持部材1の半径方向に沿う平面に平行な平坦形状とすることができる。
そしてここでは、組織配置スペース4を、表面3の各領域のうち最も容器の底部側に位置して、たとえば、保持部材1によって保持される膜状組織100の大きさより若干小さい底面領域4aと、底面領域4aの周囲に形成されて、前記外周側部分6の平坦表面に平行な、前記半径方向に沿う平面に対する勾配が底面領域4aに比して相対的に急な側面領域4bとで構成することが好ましい。
それにより、膜状組織100を、図2に示すように、底面領域4a上で側面領域4bによって取り囲んだ状態で配置することができるので、膜状組織100のより安定した保持を実現することができる。

0023

またこのように、組織配置スペース4を底面領域4aと側面領域4bとで構成した場合、上述した液通過孔5は、底面領域4aおよび外周側部分6だけに設けることが好ましい。
これは、保存輸送容器50への保存液の注入に際して、側面領域4bに設けた液通過孔5から組織配置スペース4に流入する保存液の水撃による膜状組織100の破損のおそれを確実に取り除くことができるからである。

0024

なおここで、組織配置スペース4は、たとえば、直径5mm〜100mm程度の円形の平面輪郭形状をなす膜状組織100の全体が入り込む程度の大きさを有するものであり、組織配置スペース4の開口径Rは、そのような膜状組織100の直径の、1倍〜5倍とすることができる。
また、液通過孔5は、膜状組織100が入り込まない程度の大きさとすることができ、液通過孔5の直径は、膜状組織100の直径の、0.01倍〜0.5倍とすることができる。

0025

ところで、図2に例示する保存輸送容器50は、一端側(図2では下側)を底部51bで密閉するとともに、他端側(図2では上側)に開口部51aを有する円筒状の容器本体51と、容器本体51の一端側部分に着脱可能で、容器本体51の一端側部分に取り付けられて前記開口部51aを密閉する蓋部材52とで構成する。
そしてこの保存輸送容器50では、蓋部材52の、容器本体51への取付け箇所での液密性を確保するため、容器本体51の開口部51aで蓋部材52と容器本体51との間に、Оリング等の円環状シール部材53を挟み込んで設けるとともに、その円環状シール部材53の挟み込み状態で、蓋部材52と容器本体51とを挟んで固定する一個以上のクリップ部材54を設ける。

0026

ここにおいて、容器本体2の内径よりも僅かに小さい外径とした上記の保持部材1は、保持部材1の周縁部分を全周にわたって、保存輸送容器50の容器本体51の内側面に当接させた状態で、容器内部に固定配置している。それにより、保存輸送容器50に振動が加えられた場合であっても、容器内部での保持部材1の移動が規制されることになる。

0027

なお、上述したように、保持部材1を容器本体51の内側面に当接させて固定配置する場合、保持部材1が、容器本体51に少なくとも一箇所で当接していれば、容器内部での保持部材1の移動を有効に規制することができる。
図2に示すところでは、保持部材1は、保存輸送容器50の容器本体51側に固定配置しているが、図示は省略するが、保存輸送容器50の蓋部材52側に固定することも可能である。

0028

またここでは、容器本体2の側壁に、前記保持部材1の、容器本体2の内面への当接位置よりも底部側の位置で、シリンジコネクタその他の、図示しない保存液注入除去器具の先端が挿入されて、保存液の、容器内部への注入および、容器内部からの除去に寄与する、たとえば栓もしくは弁付きの液体通過部55を設ける。
従って、この保存輸送容器50では、容器内部に配置した保持部材1によって、容器内部が、蓋部材52側と容器底部51b側との二つの内部領域に区画されることになるが、容器本体51に蓋部材52を取り付けた状態で、前記液体通過部55から保存液を注入することにより、容器内部で、容器底部51b側から次第に貯留する保存液が、保持部材1に設けた液通過孔5を介して、容器底部51b側の内部領域から蓋部材52側の内部領域へ流入して、容器内部を保存液で充満させることができる。

0029

以上に述べたような保持部材1を配置した保存輸送容器50から、内部に保存液とともに収容配置した膜状組織100を取り出して、その膜状組織100を移植に用いるに当っては、容器内部に充満させた保存液を、たとえば、上述した液体通過部55により容器外部へ除去するとともに、容器本体51から蓋部材52を取り外した後、図3(a)に示すように、膜状組織100を組織配置スペース4に配置した状態で、保持部材1を膜状組織100とともに容器内部から、たとえばピンセット等を用いて取り出す。

0030

なお、必要に応じて洗浄工程を行っても良い。この場合、シャーレ等の他の容器に、膜状組織100を組織配置スペース4に配置した保持部材1を載置し、洗浄液を容器に加えて膜状組織100を洗浄する。保持部材1は複数個の液通過孔5を設けているため、洗浄液は液通過孔5を介して容器と保持部材1に蓄積する。保持部材1を容器内に充満した洗浄液から引き上げることで洗浄液が液通過孔5を抜けて落下するので、保持部材1には膜状組織100だけを残して洗浄を完了することができる。

0031

次いで、容器内部から取り出した保持部材1を、患者の移植面上で、図3(b)に示すように、組織配置スペース4が前記移植面に対向する向きに裏返す。
このとき、組織配置スペース4に配置された湿潤状態の膜状組織100は、その組織配置スペース4に設けた複数個の液通過孔5での毛細管現象により、移植面上に落下することなしに、組織配置スペース4に吸着保持されることになる。また、前記のように、移植前に膜状組織を積層する積層操作を行う場合もある。

0032

そしてその後、組織配置スペース4を、保持部材1の裏面2側から、押し子150等を用いて押圧して、保持部材1を弾性変形させることにより、膜状組織100の、組織配置スペースへの吸着保持状態解除して、膜状組織100を、移植面の所期したとおりの位置に配置することができる。
膜状組織100の、組織配置スペース4からのこのような離脱を実現するため、保持部材1は、外力が作用しない状態では変形しないが、外力の作用により弾性変形する程度の可撓性を有し、かつ、膜状組織100への固有固着力を有しない材料で形成し、保持部材1の厚みは、その表面3に立てた法線に沿って測って、たとえば、1mm〜10mmとすることが好ましい。また、これもたとえば、保持部材1の硬度は、JIS K6253で、5〜100とすることができる。

0033

図4に示す他の実施形態の保持部材11は、その表面13の略全体にわたって、容器本体51に当接する周囲の部分よりも容器底部51b側に向けて、たとえば、図示の断面で一定の曲率半径を有する曲面により窪ませてなる組織配置スペース14を設けたことを除いて、図1〜3に示す実施形態と実質的に同様の構成を有するものである。
このような組織配置スペース14を設けた保持部材11であっても、たとえば、曲面状をなす表面13に、膜状組織100の周縁部が接触することで、容器内部での膜状組織100の移動が制限されるので、輸送時の膜状組織100の破損を有効に防止することができ、しかも、容器内部からの膜状組織100の取出しに際しては、膜状組織100を、保持部材11とともに取り出すことで、その際の膜状組織100の破損をも有効に防止することができる。

0034

なお、上述したところにおいて、保持部材の材質としては、例えば、天然ゴムイソプレンゴムブタジエンゴムスチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴムクロロプレンゴムブチルゴムアクリルゴムエチレン−プロピレンゴムヒドリンゴムウレタンゴムシリコーンゴムフッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。また、必要に応じて保持部材を滑りにくく、あるいは滑りやすくするように適当な表面処理を施すことができる。好ましくはオートクレーブEOGγ線などの滅菌可能な材質であることが望ましい。

0035

また、容器本体および蓋部材等を形成する材質としては、たとえば、ポリエチレンポリプロピレンエチレン−プロピレン共重合体エチレン酢酸ビニル共重合体EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドポリアミドイミドポリカーボネートポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマーアクリル系樹脂ポリメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリエーテルポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミドポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド変性ポリフェニレンオキシドポリサルフォンポリエーテルサルフォンポリフェニレンサルファイドポリアリレート芳香族ポリエステル液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレンポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種樹脂材料、あるいはこれらのうちの一種以上を含むブレンド体ポリマーアロイ等を挙げることができる。また、その他にも、各種ガラス材セラミックス材料金属材料で構成することも可能である。

0036

そしてまた、円環状シール部材を形成する弾性材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。

0037

1,11膜状組織の保持部材
2,12 裏面
3,13 表面
4,14組織配置スペース
4a 底面領域
4b側面領域
5,15液通過孔
6外周側部分
50 膜状組織の保存輸送容器
51容器本体
51a 開口部
51b 底部
52蓋部材
53円環状シール部材
54クリップ部材
55液体通過部
100 膜状組織
150押し子
R 組織配置スペースの開口径

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