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技術 デジタルコヒーレント光受信器、その制御方法、及び伝送装置

出願人 富士通株式会社
発明者 野辺地清敏
出願日 2012年10月4日 (8年2ヶ月経過) 出願番号 2012-222458
公開日 2014年4月24日 (6年8ヶ月経過) 公開番号 2014-075710
状態 特許登録済
技術分野 光通信システム
主要キーワード 移動平均回数 波形歪み補償 ドロップスイッチ OADM 伝送スペクトル バランス型 直交偏波成分 偏波分離器
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図面 (16)

課題

開示のデジタルコヒーレント光受信器は、IM方式とPM方式の混在する伝送路又はPM方式のみの伝送路に対して適切な移動平均回数を設定することを目的とする。

解決手段

開示の一実施形態によるデジタルコヒーレント光受信器は、位相変調光信号コヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器において、前記コヒーレント受信信号をサンプリングした受信データに移動平均を実施する移動平均部と、前記移動平均の実施された前記位相データ波長分散値補償する補償器と、前記補償された波長分散値に基づき、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数を決定する制御部と、を有する。

概要

背景

基幹通信ネットワーク長距離化及び大容量化に伴い、光伝送システムの開発が行われている。光伝送システムで用いられる信号変調方式として、伝達すべき信号を強度変調により信号光重畳する強度変調(Intensity Modulation:IM)方式と、位相変調方式(Phase Modulation:PM)方式がある。PM方式は、デジタルコヒーレント受信方式で用いられる(例えば、特許文献1参照)。

概要

開示のデジタルコヒーレント光受信器は、IM方式とPM方式の混在する伝送路又はPM方式のみの伝送路に対して適切な移動平均回数を設定することを目的とする。 開示の一実施形態によるデジタルコヒーレント光受信器は、位相変調光信号コヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器において、前記コヒーレント受信信号をサンプリングした受信データに移動平均を実施する移動平均部と、前記移動平均の実施された前記位相データ波長分散値補償する補償器と、前記補償された波長分散値に基づき、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数を決定する制御部と、を有する。

目的

開示のデジタルコヒーレント光受信器は、IM方式とPM方式の混在する伝送路又はPM方式のみの伝送路に対して適切な移動平均回数を設定することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

位相変調光信号コヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器において、前記コヒーレント受信信号をサンプリングした受信データに移動平均を実施する移動平均部と、前記移動平均の実施された前記位相データ波長分散値補償する補償器と、前記補償された波長分散値に基づき、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数を決定する制御部と、を有するデジタルコヒーレント光受信器。

請求項2

前記制御部は、前記波長分散値が第1の閾値より大きい場合に、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数として第1の移動平均回数を選択し、その他の場合に、前記第1の移動平均回数より小さい第2の移動平均回数を選択する、請求項1に記載のデジタルコヒーレント光受信器。

請求項3

前記制御部は、前記第1の閾値より小さい第2の閾値を更に設け、前記波長分散値が前記第1の閾値以下で且つ前記第2の閾値以上の場合に、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数として前記第1の移動平均回数を選択し、前記波長分散値が前記第1の閾値より大きい場合又は前記第2の閾値より小さい場合に、前記第2の移動平均回数を選択する、請求項2に記載のデジタルコヒーレント光受信器。

請求項4

前記制御部は、前記波長分散値が第1の閾値より大きい場合に、前記位相変調光信号が伝送された伝送路で用いられている変調方式位相変調方式のみであると決定し、その他の場合に、前記変調方式は強度変調方式を含むと決定し、決定した変調方式に従って実施すべき前記移動平均の回数を選択する、請求項1又は2に記載のデジタルコヒーレント光受信器。

請求項5

前記第1の閾値は、前記強度変調方式を用いた場合に許容できる波長分散値の上限である、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のデジタルコヒーレント光受信器。

請求項6

位相変調光信号のコヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器の制御方法であって、前記コヒーレント受信信号をサンプリングした受信データに移動平均を実施するステップと、前記移動平均の実施された前記位相データの波長分散値を補償するステップと、前記補償された波長分散値に基づき、実施すべき前記移動平均の回数を決定するステップと、を有する制御方法。

請求項7

請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデジタルコヒーレント光受信器を有する伝送装置

技術分野

0001

本発明は、デジタルコヒーレント光受信器、その制御方法、及び伝送装置に関する。

背景技術

0002

基幹通信ネットワーク長距離化及び大容量化に伴い、光伝送システムの開発が行われている。光伝送システムで用いられる信号変調方式として、伝達すべき信号を強度変調により信号光重畳する強度変調(Intensity Modulation:IM)方式と、位相変調方式(Phase Modulation:PM)方式がある。PM方式は、デジタルコヒーレント受信方式で用いられる(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2009−212994号公報

発明が解決しようとする課題

0004

光伝送システムの受信器では、光電気変換部により受信光電気信号に変換し、アナログ−デジタル変換器によりアナログ信号デジタル信号に変換する。更に、受信器は、デジタル信号を平滑化するために移動平均部により移動平均を実施し、波形歪補償部により波形歪み補償し、その後に復調部により復調している。この際に実施すべき望ましい移動平均回数は、伝送路内の他の波長で用いられる変調方式によって異なる。したがって、2以上の変調方式の混在する光伝送システムでは、デジタルコヒーレント光受信器は、変調方式に従って移動平均回数として2種類以上の値を切り替えて動作する必要がある。しかし、従来技術では、このような移動平均回数を制御することができなかった。

0005

開示のデジタルコヒーレント光受信器は、IM方式とPM方式の混在する伝送路又はPM方式のみの伝送路に対して適切な移動平均回数を設定することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

開示の一実施形態によるデジタルコヒーレント光受信器は、位相変調光信号コヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器において、前記コヒーレント受信の受信データに移動平均を実施する移動平均部と、前記移動平均の実施された前記位相データ波長分散値を補償する補償器と、前記補償された波長分散値に基づき、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数を決定する制御部と、を有する。

発明の効果

0007

本実施形態によれば、IM方式とPM方式の混在する伝送路又はPM方式のみの伝送路に対して適切な移動平均回数を設定することができる。

図面の簡単な説明

0008

ネットワーク構成の一例を示す。
(A)IM/PM方式の伝送装置及び(B)PM方式の伝送装置の構成例を示す。
PM TRPNのブロック図を示す。
デジタルコヒーレント光受信器のDSP及び制御部のブロック図を示す。
移動平均を説明する図である。
XPMを説明する図である。
変調方式と望ましい移動平均回数の関係を説明する図である。
IM/PM方式の伝送路の構成例を示す。
IM/PM方式の伝送路における波長分散値を示す。
PM方式の伝送路の構成例を示す。
PM方式の伝送路における波長分散値を示す。
1つの閾値を用いる実施形態を説明する図である。
2つの閾値を用いる実施形態を説明する図である。
本発明の一実施形態による制御部のハードウェアブロック図である。
本発明の一実施形態による制御方法のフローチャートである。

実施例

0009

<光伝送システムで用いられる変調方式>
上述のように、光伝送システムで用いられる変調方式には強度変調(IM)方式と位相変調(PM)方式がある。

0010

IM方式は、光強度のオンオフ2値信号割り当てて直接検波する方式である。

0011

PM方式は、光の位相に応じて情報を伝送する。PM方式は、1波長当たりの伝送ビットレートの増大に伴い生じる光信号対雑音比(Optical Signal Noise Ratio:OSNR)耐力の低下や、伝送路の波長分散偏波モード分散又は非線形効果等による波長歪みによる信号劣化の問題を解決するのに有効である。このような特性から、PM方式はIM方式より長距離の伝送に用いられる。

0012

<ネットワーク構成>
本発明が適用されるネットワーク構成を説明する。図1は、ネットワーク構成の一例を示す。図中の○は伝送装置を示し、伝送装置間太線又は細線で示される伝送路で結ばれる。

0013

図1に示すネットワークでは、太線で示すようにある伝送路ではPM方式のみが用いられ、細線で示すように別の伝送路ではIM方式とPM方式の両方が用いられている。太線で示す伝送路では、伝送スペクトル(PM)に示すように、PM方式で変調された伝送スペクトルのみが伝送される。以下では、PM方式のみを用いる伝送路又は伝送装置などを「PM方式」であると表す。また、細線で示す伝送路では、伝送スペクトル(IM/PM)に示すように、IM方式で変調された伝送スペクトルとPM方式で変調された伝送スペクトルの両方が混在して伝送される。以下では、IM方式とPM方式の両方を用いる伝送路又は伝送装置などを「IM/PM方式」であると表す。

0014

IM/PM方式では後述する相互位相変調(Cross Phase Modulation:XPM)による信号品質劣化により、伝送距離は約600km程度に制限される。一方、PM方式ではXPMの影響がないので、IM/PM方式に比べて長距離伝送が可能であり、約3000km程度の伝送距離が実現できる。

0015

図2(A)に、IM/PM方式の伝送装置の構成例を示す。図2(A)に示す伝送装置は、図1の細線の伝送路に接続された伝送装置に対応する。図2(A)は、IM/PM方式のROADM(Reconfigurable Optical Add/drop Multiplexer)210、IM方式のトランスポンダ(IM TRPN)220、PM方式のトランスポンダ(PM TRPN)230を有する。

0016

IM/PM方式のROADM210は、方路D1乃至Dnの各々について、プリアンプ(PreAMP)212a及び212b、ポストアンプ(PostAMP)214、波長分散補償器(Dispersion Compensation Module:DCM)216を有する。これらの構成要素は、簡略化のため方路D1、D2についてのみ示される。IM/PM方式のROADM210は、更にアッドドロップスイッチ218を有する。

0017

IM方式では、IMTRPN220が波長分散機能を有しない。このため、ROADM210内にDCM216を設け、光信号がIM TRPN220に入力される前に波長分散を補償する。

0018

図2(A)に示す例では、方路D1から受信した光信号は、プリアンプ212aにより増幅され、DCM216により波長分散を補償され、プリアンプ212bにより更に増幅され、アッド/ドロップスイッチ218により選択された方路D1乃至Dnのいずれかに出力される。図2(A)に示す例では、方路D2に出力される光信号は、ポストアンプ214により増幅されて伝送路を介して他の伝送装置へ送信される。また、この例では、方路Dk+1乃至Dnに出力される光信号は、一部がIMTRPN220に入力され、別の一部がPM TRPN230に入力されている。

0019

図2(B)に、PM方式の伝送装置の構成例を示す。図2(B)に示す伝送装置は、図1の太線の伝送路に接続された伝送装置に対応する。図2(B)は、PM方式のROADM240、PM TRPN230を有する。

0020

PM方式のROADM240は、方路D1乃至Dnの各々について、プリアンプ(PreAMP)242、ポストアンプ(PostAMP)244を有する。これらの構成要素は、簡略化のため方路D1、D2についてのみ示される。PM方式のROADM240は、更にアッド/ドロップスイッチ248を有する。

0021

PM方式のROADM240は、DCMを有しない点がIM/PM方式のROADM210と異なる。これは、IM方式ではROADM210内のDCM216が波長分散補償機能を提供するのに対し、PM方式では、PM TRPN230内のデジタルコヒーレント光受信器が波長分散補償機能を提供するためである。

0022

図2(B)に示す例では、方路D1から受信した光信号は、プリアンプ242により増幅され、アッド/ドロップスイッチ248により選択された方路D1乃至Dnのいずれかに出力される。図2(B)に示す例では、方路D2に出力される光信号は、ポストアンプ244により増幅されて伝送路を介して他の伝送装置へ送信される。また、この例では、方路Dk+1乃至Dnに出力される光信号は、全てPM方式のトランスポンダ230に入力されている。

0023

<デジタルコヒーレント光受信器>
次に、図3を参照して、図2(B)に示したPM TRPN230の構成を説明する。

0024

図3に示すPM TRPN230は、偏波多重多値(M値)PSK変調の光信号を受信するものであるが、以下ではM=4の場合つまりQPSK変調を例にとって説明する。なお、Mは4以外の8,16,32等であっても良い。また偏波多重しないPSK変調でもよい。

0025

PM TRPN230は、図3に示すようなデジタルコヒーレント光送受信機により実現される。PM TRPN230は、デジタルコヒーレント光受信器310、送信器330、ルータ等の通信装置と接続するためのインタフェース340を有する。

0026

デジタルコヒーレント光受信器310は、図2(A)に示すようなIM/PM方式のROADM210又は図2(B)に示すようなPM方式のROADM240から光信号を受け、インタフェース340を介してルータ等の通信装置に信号を渡す。

0027

デジタルコヒーレント光受信器310は、偏波分離器(Polarization Beam Splitter:PBS)314a、314b、90°ハイブリッド316a、316b及び局発光源(Laser Diode:LD)318を含むオプティカルフロントエンド312、光電気変換部(Photo Diode and TransImpedance Amplifier:PD+TIA)320a乃至320d、アナログデジタル変換器(Analog Digital Convertor:ADC)322a乃至322d、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)324、制御部325、並びにFEC(前方誤り訂正、Forward Error Correction)復号器326を有する。

0028

図3において、IM/PM方式のROADM210又はPM方式のROADM240からの受信光信号は偏波分離器314aで2つの直交偏波成分つまりX偏波成分とY偏波成分に分離し、X偏波成分は90°ハイブリッド316aに供給され、Y偏波成分は90°ハイブリッド316bに供給される。また、局発光源318の出力する局発光は偏波分離器314bで2分岐され、一方は90°ハイブリッド316aに供給され、他方は90°ハイブリッド316bに供給される。

0029

90°ハイブリッド316aはX偏波成分と局発光を互いに同相及び逆相干渉させた1組の出力光と、直交(+90°)と逆直交(−90°)で干渉させた1組の出力光とを得て光電気変換部320a、320bに供給する。

0030

光電気変換部320a、320bはバランス型フォトダイオード及び増幅器を含む。光電気変換部320aは、同相及び逆相の干渉光を差動受信してX偏波成分と局発光の同相干渉成分(I)の電気信号を次段のADC322a、322bの動作範囲内になるよう増幅して出力する。光電気変換部320bは、直交と逆直交の干渉光を差動受信してX偏波成分と局発光の直交干渉成分(Q)の電気信号を次段のADC322a、322bの動作範囲内になるよう増幅して出力する。

0031

90°ハイブリッド316bはY偏波成分と局発光を互いに同相及び逆相で干渉させた1組の出力光と、直交(+90°)と逆直交(−90°)で干渉させた1組の出力光とを得て光電気変換部320c、320dに供給する。

0032

光電気変換部320c、dはバランス型フォトダイオード及び増幅器を含む。光電気変換部320cは、同相及び逆相の干渉光を差動受信してY偏波成分と局発光の同相干渉成分(I)の電気信号を次段のADC322c、322dの動作範囲内になるよう増幅して出力する。光電気変換部320dは、直交と逆直交の干渉光を差動受信してY偏波成分と局発光の直交干渉成分(Q)の電気信号を次段のADC322c、322dの動作範囲内になるよう増幅して出力する。

0033

上記X偏波IQ成分とY偏波のIQ成分は、コヒーレント受信で分離された2つの偏波成分の位相信号である。これらの位相信号は、ADC322a乃至322dに供給され、位相データに変換される。

0034

ADC322a乃至322dによりデジタル化された電気信号は、DSP324で後述する信号処理が行われ、FEC復号器326において復号化された後、IF340を介して別の通信装置へ渡される。

0035

制御部325は、DSP324から通知された波長分散値に基づき伝送路の変調方式を判定し、実施すべき移動平均の回数を選択し、DSP324に通知する。代替として、制御部325は、DSP324内に含まれてもよい。

0036

送信器330は、IF340を介して別の通信装置からの信号を受信し、FEC符号器332において符号化した後、送信部334によりIM/PM方式のROADM210(図2(A))又はPM方式のROADM240(図2(B))へ信号光を送信する。

0037

図4は、デジタルコヒーレント光受信器310に含まれるDSP324及び制御部325のブロック図を示す。

0038

DSP324は、移動平均部410a乃至410d、波形歪補償器420、及び復調器430を有する。

0039

移動平均部410a乃至410dは、それぞれADC322a乃至322dにより出力されたデジタル化された電気信号を受信して、この信号に対して制御部325から指示された回数だけ移動平均を実行し、信号を平滑化する。

0040

波形歪補償器420は、移動平均部410から出力された信号を受け、波長分散値を検出し、波長分散補償を行う。補償した波長分散値は制御部325に渡される。波形歪補償器420は、更に位相ずれ補償、適応等化波形歪み補償、偏波モード分散補償等の種々の補償を行ってもよい。

0041

復調器430は、波形歪みの補償されたデジタル信号を受け、復調処理を行う。復調器430は図3のFEC復号器326を含んでもよい。

0042

制御部325は、判定部440及び選択部450を有する。

0043

判定部440は、DSP324の波形歪補償部420から補償された波長分散値を受け取る。判定部440は、この波長分散値に基づき、後述のように変調方式を判定し、選択部450に通知する。

0044

選択部450は、判定部440から通知された変調方式、つまりIM/PM方式かPM方式かに従って、それぞれの変調方式と関連付けられた移動平均回数を選択する。それぞれの変調方式と関連付けられた複数の移動平均回数は、選択部450に予め設定されているか、又は別のメモリに格納されていてもよい。

0045

選択部450は、選択した移動平均回数をDSP324の移動平均部410a乃至410dに通知する。

0046

代替として、判定部440及び選択部450を統合し、波長分散値と閾値を比較した結果に基づき、例えば波長分散値の範囲と関連付けられた移動平均回数を選択してもよい。この場合、変調方式の判定を省略することができる。

0047

<移動平均回数>
図5を参照して、図4の移動平均部410a乃至410dにおいて行われる移動平均について説明する。図5は、縦軸信号強度を示し、横軸に時間を示す。図5において、破線は移動平均を実行する前の位相データの信号強度、つまりADC322a乃至322dからの入力値であり、実線は、移動平均を実行した後の位相データの信号強度、つまり移動平均部410a乃至410dの出力値である。

0048

図5の例では、移動平均回数は3回であり、移動平均部410a乃至410dの各々は、時間t1、t2、t3において受信したADC322a乃至322dのうち対応する1つからの入力値の平均を求め、次段の波形歪補償器420に出力する。次に、移動平均部410a乃至410dの各々は、時間t2、t3、t4において対応するADC322a乃至322dから受信した入力値の平均を求め、次段の波形歪補償器420に出力する。以下同様に、異なる時間において受信した3つの入力値の平均を求め、次段に出力する。このように、移動平均部410a乃至410dの各々は、対応するADC322a乃至322dから出力されたデジタル信号を平滑化して次段に渡す。ここで、ADC322a乃至322dから出力された1つのサンプルに対して3回の平均の計算が行われるので、移動平均回数の単位は回/サンプルである。

0049

上述のような移動平均は、光増幅器(InLine Amplifier:ILA)等により伝送路を伝搬する光信号に重畳されるランダム雑音成分(例えば、自然放出光(Amplified Spontaneous Emission:ASE))を除去できるため、有効である。

0050

移動平均回数の上限は、変調速度や受信器の信号処理のその他の仕様に依存する。

0051

また、移動平均回数は、伝送路で用いられる変調方式にも依存する。これについて以下に説明する。

0052

<移動平均回数:IM/PM方式の場合>
IM/PM方式の伝送路では、IMによる信号の強度変化が起こる際に、主に光伝送路光ファイバ)内で非線形光学効果により屈折率の変化が発生する。その結果、PM方式の信号に位相シフトを生じさせる相互位相変調(Cross Phase Modulation:XPM)が発生し、伝送品質の著しい劣化をもたらす。XPMについて図6を参照して説明する。

0053

図6はXPMを説明する図である。図6(A)乃至(E)を参照して、IM/PM方式の伝送路における信号強度を説明する。図6(A)に示すように、同一の光伝送路内にIM方式による伝送スペクトルB、C、E、及びPM方式による伝送スペクトルG、Hが存在する場合を考える。図6(B)乃至(E)は、それぞれ伝送スペクトルB、C、E、Gの信号強度の時間経過に伴う変化の例を示す。伝送スペクトルHは伝送スペクトルGと同様なので省略する。

0054

図6(B)に示すように、IM方式による伝送スペクトルBの信号強度は、時間t1〜t2の間に弱から強(若しくはオフからオン)に変化する。また、図6(C)に示すように、IM方式による伝送スペクトルCの信号強度は、時間t5〜t6の間に強から弱(若しくはオンからオフ)に変化する。さらに、図6(D)に示すように、IM方式による伝送スペクトルEの信号強度は、時間t3〜t4の間に弱から強(若しくはオフからオン)に変化する。

0055

一方で、図6(E)に示すように、PM方式による伝送スペクトルGの信号強度は、1シンボル長の間(tA〜tB)、変化せず一定である。この1シンボル長の間(tA〜tB)、伝送スペクトルGは、同一のデータを伝送するために同一の位相を保たなければならない。

0056

上述の図6(B)乃至(D)に示したように、IM方式による伝送スペクトルB、C、Eに強度変化が生じる間(時間t1〜t2、t5〜t6、t3〜t4)、同一の伝送路の屈折率が変化し、伝送スペクトルGの位相を頻繁に変化させてしまう。これらの位相変化の生じる期間(時間t1〜t2、t5〜t6、t3〜t4)は、図6(E)においてハッチングを施すことにより示される。伝送スペクトルGの1シンボル長の期間内にこれらの位相変化が生じる結果、PM方式により本来受信されるべき位相が失われてしまう。PM方式による伝送スペクトルHも同様の影響を受ける。

0057

このようにXPMの影響により位相シフトの生じた信号に対して移動平均を行うと、伝送されるべき情報を伝達する位相とXPMにより生じた位相シフトを判別できなくなってしまうため、伝送品質を更に劣化させてしまう。

0058

よって、IM/PM方式が用いられる伝送路では、原理的には、移動平均回数は1回/サンプルが望ましい。

0059

ただし、実際の伝送システムでは、IM/PM方式の伝送路においてILA等を用いて多段中継が行われ、ASEが挿入される場合がある。この場合には、移動平均の実行による伝送品質の劣化とILA等により挿入されるASEによる伝送品質の劣化とを案し、1回/サンプルを超える移動平均を行うことが望ましい場合もある。

0060

<移動平均回数:PM方式の場合>
これに対し、PM方式の伝送路では、原理的にXPMは発生しない。これを図6(F)及び(G)を参照して説明する。

0061

図6(F)に示すように、同一の光伝送路内にPM方式による伝送スペクトルB、C、E、G、Hが存在する場合を考える。図6(G)は、伝送スペクトルBの強度の時間経過に伴う変化の例を示す。伝送スペクトルC、E、G、Hは伝送スペクトルBと同様なので省略する。

0062

図6(G)に示すように、PM方式による伝送スペクトルBの信号強度は、1シンボル長の間(tA〜tB)、一定であり変化しない。この1シンボル長の間(tA〜tB)、伝送スペクトルBは、同一のデータを伝送するために同一の位相を保たなければならない。PM方式による伝送スペクトルC、E、G、Hについても同様である。

0063

PM方式の場合には、上述のIM方式による伝送スペクトルの強度変化による影響を受けないので、XPMによる伝送品質の劣化も生じないと考えられる。したがって、移動平均回数を決定するときに、XPMによる制限を考慮する必要はない。

0064

一方で、PM方式はIM方式より長距離の伝送に用いられるので、伝送路に挿入されるILAの数も多い。したがって、PM方式では、多段中継により重畳されるASEを除去するために移動平均は極めて有効であり、可能な限り多くの、例えば上述の上限の回数だけ移動平均を行うことが望ましい。

0065

例えば、代表的な100GbpsDPDPSK(Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)方式では、移動平均回数の上限は、10〜20回/サンプル程度である。

0066

<移動平均回数:まとめ>
図7に、変調方式と望ましい移動平均回数の関係を示す。図7は、縦軸に伝送品質の劣化を示す伝送ペナルティを示し、横軸に伝送距離を示す。伝送距離は、中継段数、例えば伝送路中に挿入されるILAの段数も考慮されており、伝送距離が長いほど信号が通過するILAの段数も多いことを示す。

0067

図7中、曲線702、704はIM/PM方式の伝送路の場合に移動平均回数をそれぞれY、X回とした場合を示し、曲線706、708はPM方式の伝送路の場合に移動平均回数をそれぞれX、Y回とした場合を示す。X、Yは自然数でありX<Yである。

0068

同じ伝送距離、例えば600kmで比較すると、IM/PM方式(702、704)は、PM方式(706、708)よりも伝送ペナルティが高い。

0069

また、IM/PM方式の場合(702、704)は、移動平均回数が少ない程、伝送ペナルティが低い。一方、PM方式の場合(706、708)は、移動平均回数が多い程、伝送ペナルティが低い。

0070

図7の例では、IM/PM方式の場合には移動平均回数はX回が望ましく、PM方式の場合には移動平均回数はY回が望ましい。このように、伝送路で用いられる変調方式によって、望ましい移動平均回数が異なるので、デジタルコヒーレント光受信器は移動平均回数として2種類以上の値を切り替えて動作する必要がある。

0071

<伝送路の波長分散>
次に伝送路の波長分散について説明する。図4に示したようなデジタルコヒーレント光受信器のDSP324では、伝送路で発生した波形歪に対して種々の補償を行っている。このような補償には、波長によって光ファイバ中の光の伝搬速度が異なることによって生じる波長分散に起因する信号劣化を補正する波長分散補償が含まれる。波長分散補償により、PM方式を用いるデジタルコヒーレント光受信器は、IM方式と比べて非常に大きな分散トレランスを実現できる。

0072

図4に示したDSP324に含まれる波形歪補償器420は、入力された信号の波長分散値を検出し補償する。このとき、波形歪補償器420は、検出し補償した波長分散値を更なる制御のために出力する。

0073

以下では、IM/PM方式の場合とPM方式の場合のそれぞれの伝送路の波長分散について説明する。

0074

<伝送路の波長分散:IM/PM方式の場合>
図8は、IM/PM方式の伝送路の構成例を示す。図8に示した例示的な伝送路は、伝送装置A乃至Dを有し、各伝送装置図1に示した伝送装置A乃至Dに対応する。各伝送装置間は光ファイバで接続されている。この伝送路では、図1に示したようにIM方式の伝送スペクトルとPM方式の伝送スペクトルが同一の伝送路(光ファイバ)中を伝搬する。

0075

図8の伝送装置A、C、Dは、図2(A)に示したIM/PM方式の伝送装置と同様の構成を有する。図8に示すIM/PM方式のROADM210、IM TRPN220、PM TRPN230の動作は上述の通りであるので、ここでは説明を省略する。

0076

図8の伝送装置Bは、中継装置である光増幅器(InLine Amplifier:ILA)810を有する。ILA810は、信号を増幅するプリアンプ212a、212b、及びポストアンプ214、波長分散を補償するDCM216を有する。ILA810の構成要素の動作は、図2(A)のIM/PM方式のROADM210の構成要素について上述した通りであるので、ここでは説明を省略する。

0077

信号が図8の伝送路を伝搬するとき、伝送装置A乃至Dの各々を通過する度に、各伝送装置のDCM216により波長分散が補償される。したがって、図8のようなIM/PM方式の伝送路における波長分散値は図9のようになる。

0078

図9は、IM/PM方式の伝送路における波長分散値を示す。図9は、縦軸に波長分散値(ps/nm)、横軸に伝送距離(km)を示す。伝送距離LA、LB、LC、LDの地点に、それぞれ図8の伝送装置A、B、C、Dが存在する。

0079

伝送装置Aから送信される信号は、未だ伝送路を伝搬していないので波長分散値はゼロである。または、波長分散値がIM方式の伝送装置の分散許容値TIMの範囲内になるように、伝送装置AのDCM216により分散補償される。伝送装置Aから送信された信号は、伝送路を伝搬するにつれて伝送装置B(伝送距離LB)に到達するまで波長分散値が増大する。伝送装置Bにおいて、再びDCM216により波長分散補償されるので、その波長分散値は分散許容値TIMの範囲内まで再び減少する。同様に、伝送装置C、Dにおいても分波長散補償が行われる。更に多くの伝送装置を通過する場合も同様である。

0080

このように、IM/PM方式の伝送路では各伝送装置のDCM216において分散補償が行われるので、各伝送装置のIM TRPN220及びPM TRPN230が受信する信号が有する波長分散値は、IM方式の光受信器の分散許容値TIMの範囲内である。分散許容値TIMは、一例として各種偏差も考慮すると、代表的な10GbpsのIM方式の光受信器の場合に、−200乃至+1200ps/nm程度である。また、DCMが伝送路における波長分散を100%補償した場合、補償後の信号光の有する波長分散値の絶対値は約0ps/nmである。

0081

<伝送路の波長分散:PM方式の場合>
図10は、PM方式の伝送路の構成例を示す。図10に示した例示的な伝送路は、伝送装置E乃至Hを有し、各伝送装置は図1に示した伝送装置E乃至Hに対応する。各伝送装置間は光ファイバで接続されている。この伝送路では、図1に示したようにPM方式の伝送スペクトルのみが伝送路(光ファイバ)中を伝搬する。

0082

図10の伝送装置E、G、Hは、図2(B)に示したPM方式の伝送装置と同様の構成を有する。図10に示すPM方式のROADM240、PM TRPN230の動作は上述の通りであるので、ここでは説明を省略する。

0083

図10の伝送装置Fは、中継装置である光増幅器(InLine Amplifier:ILA)910を有する。ILA910は、信号を増幅するポストアンプ214を有する。ILA910の構成要素の動作は、図2(A)のIM/PM方式のROADM210の構成要素について上述した通りであるので、ここでは説明を省略する。

0084

図10のILA910は、DCMを有しない点が図8のILA810と異なる。このため、信号が図10の伝送路を伝搬するとき、伝送装置E乃至Hの各々を通過しても波長分散が補償されない。したがって、図10のようなPM方式の伝送路における波長分散値は図11のようになる。

0085

図11は、PM方式の伝送路における波長分散値を示す。図11は、縦軸に波長分散値(ps/nm)、横軸に伝送距離(km)を示す。伝送距離LELF、LG、LHの地点に、それぞれ図11の伝送装置E、F、G、Hが存在する。

0086

伝送装置Eから送信される信号は、未だ伝送路を伝搬していないので、その波長分散値はゼロである。伝送装置Eから送信された信号は、伝送路を伝搬するにつれて波長分散値が増大し、伝送装置F(伝送距離LF)に到達するとき波長分散値DFを有する。しかし、図9の場合と異なり、伝送装置Fにおいて分散補償が行われないので、波長分散値は減少せず、信号が伝送装置Gへと伝搬するにつれてその波長分散値はDGまで更に増大する。同様に、伝送装置GのROADM240においても分散補償が行われず、信号が伝送装置Hへと伝搬するにつれてその波長分散値はDHまで更に増大する。更に多くの伝送装置を通過する場合も同様である。

0087

このように、PM方式の伝送路では各伝送装置において分散補償が行われないので、各伝送装置のPM TRPN230が受信する信号に含まれる波長分散値は、伝送距離に比例して増大する。

0088

ここで、図3、4に関して説明したように、PM TRPN230で用いられるデジタルコヒーレント光受信器310は内部で波長分散補償を行っているので、その分散許容値TPMは、IM方式の光受信器の分散許容値TIMと比べて非常に広い。デジタルコヒーレント光受信器の分散許容値TPMは、一例として代表的な100Gbpsのデジタルコヒーレント光受信器の場合に、−50000乃至+50000ps/nm程度であり、上述のTIMの30倍以上である。

0089

<伝送路で用いられる変調方式の判定>
上述のように伝送路を伝搬する信号が有する波長分散値の伝送距離に対する変化は、IM/PM方式の伝送路かPM方式の伝送路かによって異なる。したがって、デジタルコヒーレント光受信器310において、受信した信号の波長分散値に基づき、伝送路の変調方式を判定することができる。

0090

図12は、1つの閾値を用いる実施形態を説明する図である。図12は、縦軸に波長分散値(ps/nm)、横軸に伝送距離(km)を示す。

0091

線1202はIM/PM方式の場合の波長分散値を示し、図9に関して説明したように、波長分散値は伝送距離が増大してもあまり変化しない。

0092

線1204はPM方式の場合の波長分散値を示し、図11に関して説明したように、波長分散値は伝送距離に比例して増大する。

0093

波長分散値としては、デジタルコヒーレント光受信器310において、上述の波形歪補償器420が検出し補償した波長分散値を用いる。デジタルコヒーレント光受信器310は、この波長分散値を閾値(Th1)1206と比較し、波長分散値がTh1より大きい場合にはPM方式であると判定し、波長分散値がTh1以下の場合にはIM/PM方式であると判定する。

0094

閾値(Th1)1206は、第1の閾値とも称される。

0095

閾値(Th1)1206としては、例えば、IM方式の光受信器の分散許容値TIMの上限を用いてもよい。図9に関して上述した例では、代表的な10GbpsのIM方式の光受信器の場合に、分散許容値TIMの上限は+1200ps/nmである。また、DCMが伝送路における波長分散を100%補償する場合、閾値として0ps/nmを用いてもよい。

0096

代替として、2つの閾値を用いてもよい。図13は、2つの閾値を用いる実施形態を説明する図である。図13は、縦軸に波長分散値(ps/nm)、横軸に伝送距離(km)を示す。図13では、図12に示した正の値の波長分散値に加え、負の値の波長分散値も考慮する。

0097

線1202、1203はIM/PM方式の場合の波長分散値を示し、図9に関して説明したように、波長分散値は伝送距離が増大してもあまり変化しない。

0098

線1204、1205はPM方式の場合の波長分散値を示し、図11に関して説明したように、波長分散値は伝送距離に比例して増大する。

0099

波長分散値としては、図12の例と同様にデジタルコヒーレント光受信器310において、上述の波形歪補償器420が検出し補償した波長分散値を用いる。デジタルコヒーレント光受信器310は、この波長分散値を2つの閾値(Th1及びTh2)1206、1207と比較し、波長分散値がTh1より大きい場合又はTh2より小さい場合にはPM方式であると判定し、波長分散値がTh1以下且つTh2以上である場合にはIM/PM方式であると判定する。

0100

閾値(Th1及びTh2)1206、1207は、それぞれ第1の閾値、第2の閾値とも称される。

0101

閾値(Th1及びTh2)1206、1207としては、例えば、それぞれIM方式の光受信器の分散許容値TIMの上限及び下限を用いてもよい。図9に関して上述した例では、代表的な10GbpsのIM方式の光受信器の場合に、上限は+1200ps/nm、下限は−200ps/nmである。

0102

代替として、閾値(Th1及びTh2)1206、1207として、IM方式の光受信器の分散許容値TIMの上限及び上限の符号を反転した値、又は下限の符号を反転した値及び下限を用いてもよい。上述の例では、+1200ps/nm及び−1200ps/nm、又は+200ps/nm及び−200ps/nmである。

0103

<移動平均回数の選択>
上述の波長分散値に基づく変調方式の判定と同様に、受信した信号の波長分散値に基づき、デジタルコヒーレント光受信器が実施すべき移動平均の回数を選択することができる。

0104

上述のように、伝送路で用いられる変調方式によって、望ましい移動平均回数が異なるので、デジタルコヒーレント光受信器は移動平均回数として2種類以上の値を切り替えて動作する必要がある。

0105

再び図12の例を参照し、1つの閾値を用いる実施形態を説明する。デジタルコヒーレント光受信器310は、波長分散値を閾値(Th1)1206と比較し、波長分散値がTh1より大きい場合には第1の移動平均回数を選択し、波長分散値がTh1以下の場合には第2の移動平均回数を選択する。

0106

第1の移動平均回数は、PM方式の場合に望ましい移動平均回数であり、第2の移動平均回数は、IM/PM方式の場合に望ましい移動平均回数である。第1及び第2の移動平均回数は、予めデジタルコヒーレント光受信器310に設定される。各方式の場合に望ましい移動平均回数は、従来知られている種々の方法又は将来開発される種々の方法のうち、任意の方法を用いて決定することができる。

0107

波長分散値及び閾値(Th1)1206は、変調方式の判定の場合と同様の又は別の値を用いてもよい。

0108

代替として、再び図13の例を参照し、2つの閾値を用いる実施形態を説明する。デジタルコヒーレント光受信器310は、波長分散値を2つの閾値(Th1及びTh2)1206、1207と比較し、波長分散値がTh1より大きい場合又はTh2より小さい場合には第1の移動平均回数を選択し、波長分散値がTh1以下且つTh2以上である場合には第2の移動平均回数を選択する。

0109

例えば、第1の移動平均回数は、PM方式の場合に望ましい移動平均回数であり、第2の移動平均回数は、IM/PM方式の場合に望ましい移動平均回数であってよい。第1及び第2の移動平均回数は、予めデジタルコヒーレント光受信器310に設定される。各方式の場合に望ましい移動平均回数は、従来知られている種々の方法又は将来開発される種々の方法のうち、任意の方法を用いて決定することができる。

0110

波長分散値及び閾値(Th1及びTh2)1206、1207は、変調方式の判定の場合と同様の又は別の値を用いてもよい。

0111

なお、図12、13の例では、伝送距離が短い場合には、実際にはPM方式であっても、閾値との関係でIM/PM方式であると判定される及び/又はIM/PM方式の場合に望ましい移動平均回数が選択されることがある。

0112

しかし、PM方式であって且つ伝送距離が短い場合には、図11乃至図13に示されるようにASEの累積が少ない。したがって、このような場合には、IM/PM方式であると判定され、IM/PM方式の場合に望ましい少ない移動平均回数が選択されても問題は生じない。

0113

<デジタルコヒーレント光受信器のハードウェア構成
図14は、図3及び図4に示した制御部325の機能を実施するための本発明の一実施形態によるハードウェアブロック図1400である。図14は、CPU1402、メモリ1404、インタフェース1406、及びバス1408を有する。

0114

CPU1402は、図4の判定部440及び選択部450の機能を実行する。

0115

メモリ1404は、判定部440で用いられる1又は複数の閾値、及び選択部450で用いられる移動平均回数を格納する。メモリ1404は、CPU1402内に統合されてもよい。

0116

インタフェース1406は、DSP324との通信を可能にするインタフェースである。

0117

バス1408は、各構成要素1402〜1406及び/又は装置内の他の構成要素を接続し、これら構成要素間の通信を実現する。

0118

<デジタルコヒーレント光受信器の制御方法>
図15は、本発明の一実施形態による方法のフローチャート1500である。本制御方法は、図3に示したデジタルコヒーレント光受信器310により実行される。

0119

制御方法は、ステップ1502で開始する。

0120

ステップ1504で、デジタルコヒーレント光受信器310が光信号を受信しているか否かを監視する。ステップ1504は、デジタルコヒーレント光受信器310若しくはオプティカルフロントエンド312が光信号を受信しているか否か、またはDSP324が偏波分離された位相データを受信しているか否かを監視することにより行われてもよい。更なる代替として、ステップ1504は、デジタルコヒーレント光受信器310内の任意の構成要素の入力を監視することにより行われてもよい。光信号が受信されると、制御方法はステップ1506へ進む。

0121

ステップ1506で、移動平均部410は、既定値として設定された回数だけ移動平均を実施する。

0122

ステップ1508で、波長歪補償器420は、移動平均部410の出力に対して波長分散補償を実施する。このとき、波長歪補償器420は、検出し補償した波長分散値を制御部325の判定部440に渡す。

0123

ステップ1510で、判定部440は、波長分散値を閾値(Th1、又はTh1及びTh2)と比較し、伝送路の変調方式がIM/PM方式かPM方式かを判定する。判定部440は、判定した結果を選択部450に渡す。

0124

ステップ1512で、選択部450は、判定された変調方式に基づき、その変調方式と関連付けられた移動平均回数を選択する。

0125

ステップ1514で、選択部450は、選択した移動平均回数を移動平均部410に設定する。

0126

ステップ1516で、制御方法は終了する。

0127

代替として、ステップ1510及び1512を統合し、波長分散値と閾値を比較した結果に基づき、例えば波長分散値の範囲と関連付けられた移動平均回数を選択してもよい。この場合、変調方式の判定を省略することができる。

0128

以上に説明したように、実施すべき移動平均の回数は、波長分散値に基づき判定される。したがって、予め伝送路の変調方式に関する情報を収集する必要がなく、デジタルコヒーレント光受信器は、信号の疎通開始と共に迅速に移動平均回数を選択及び設定して動作することができる。

0129

また、障害発生により冗長経路に切り替えるOUPSR(Optical Unidirectional Path Switched Ring)方式を用いる場合、切り替え前に、切り替え先の冗長経路の変調方式に関する情報を収集して移動平均回数を決定することは困難である。このような場合にも、本発明の実施形態によるデジタルコヒーレント光受信器は、切り替えと共に迅速に移動平均回数を選択及び設定して動作することができるので、切り替え動作の迅速化が実現できる。

0130

さらに、メッシュネットワークにおいて障害が発生した場合には、レストレーションにより探索しながら経路を決定するために、迂回経路事前に明らかにならない場合がある。このような場合に、経路が確定した段階で、その経路の伝送路で用いられる変調方式に関する情報を収集して移動平均回数を決定すると、復旧に非常に時間を要する。このような場合にも、本発明の実施形態によるデジタルコヒーレント光受信器は、経路の確定と共に迅速に移動平均回数を選択及び設定して動作することができるので、復旧処理の迅速化が実現できる。

0131

以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)位相変調光信号のコヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器において、
前記コヒーレント受信信号をサンプリングした受信データに移動平均を実施する移動平均部と、
前記移動平均の実施された前記位相データの波長分散値を補償する補償器と、
前記補償された波長分散値に基づき、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数を決定する制御部と、
を有するデジタルコヒーレント光受信器。
(付記2) 前記制御部は、前記波長分散値が第1の閾値より大きい場合に、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数として第1の移動平均回数を選択し、その他の場合に、前記第1の移動平均回数より小さい第2の移動平均回数を選択する、付記1に記載のデジタルコヒーレント光受信器。
(付記3) 前記制御部は、前記第1の閾値より小さい第2の閾値を更に設け、前記波長分散値が前記第1の閾値以下で且つ前記第2の閾値以上の場合に、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数として前記第1の移動平均回数を選択し、前記波長分散値が前記第1の閾値より大きい場合又は前記第2の閾値より小さい場合に、前記第2の移動平均回数を選択する、付記2に記載のデジタルコヒーレント光受信器。
(付記4) 前記制御部は、前記波長分散値が第1の閾値より大きい場合に、前記位相変調光信号が伝送された伝送路で用いられている変調方式は位相変調方式のみであると決定し、その他の場合に、前記変調方式は強度変調方式を含むと決定し、決定した変調方式に従って実施すべき前記移動平均の回数を選択する、付記1又は2に記載のデジタルコヒーレント光受信器。
(付記5) 前記第1の閾値は、前記強度変調方式を用いた場合に許容できる波長分散値の上限である、付記2乃至4のいずれか一項に記載のデジタルコヒーレント光受信器。
(付記6) 前記第1の閾値は、0ps/nmである、付記2乃至4のいずれか一項に記載のデジタルコヒーレント光受信器。
(付記7) 前記第2の閾値は、前記強度変調方式を用いた場合に許容できる波長分散値の下限である、付記3又は付記3に従属する付記6に記載のデジタルコヒーレント光受信器。
(付記8) 位相変調光信号のコヒーレント受信を行うデジタルコヒーレント光受信器の制御方法であって、
前記コヒーレント受信信号をサンプリングした受信データに移動平均を実施するステップと、
前記移動平均の実施された前記位相データの波長分散値を補償するステップと、
前記補償された波長分散値に基づき、実施すべき前記移動平均の回数を決定するステップと、
を有する制御方法。
(付記9) 前記決定するステップは、前記波長分散値が第1の閾値より大きい場合に、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数として第1の移動平均回数を選択し、その他の場合に、第2の移動平均回数を選択する、付記8に記載の制御方法。
(付記10) 前記決定するステップは、前記第1の閾値より小さい第2の閾値を更に設け、前記波長分散値が前記第1の閾値以下で且つ前記第2の閾値以上の場合に、前記移動平均部が実施すべき前記移動平均の回数として前記第1の移動平均回数を選択し、前記波長分散値が前記第1の閾値より大きい場合又は前記第2の閾値より小さい場合に、前記第2の移動平均回数を選択する、付記9に記載の制御方法。
(付記11) 前記決定するステップは、前記波長分散値が第1の閾値より大きい場合に、前記位相変調光信号が伝送された伝送路で用いられている変調方式は位相変調方式のみであると決定し、その他の場合に、前記変調方式は強度変調方式を含むと決定し、決定した変調方式に従って実施すべき前記移動平均の回数を選択する、付記8又は9に記載の制御方法。
(付記12) 前記第1の閾値は、前記強度変調方式を用いた場合に許容できる波長分散値の上限である、付記9乃至11のいずれか一項に記載の制御方法。
(付記13) 前記第1の閾値は、0ps/nmである、付記10乃至12のいずれか一項に記載の制御方法。
(付記14) 前記第2の閾値は、前記強度変調方式を用いた場合に許容できる波長分散値の下限である、付記11又は付記11に従属する付記12に記載の制御方法。
(付記15) 付記1乃至7のいずれか一項に記載のデジタルコヒーレント光受信器を有する伝送装置。

0132

210IM/PM方式のROADM
240 PM方式のROADM
212プリアンプ
214ポストアンプ
216分散補償器(DCM)
220 IM TRPN
230 PM TRPN
310デジタルコヒーレント光受信器
312オプティカルフロントエンド
314偏波分離器(PBS)
316 90°ハイブリッド
318局発光源(LD)
320光電気変換部(PD+TIA)
322アナログデジタル変換器(ADC)
324デジタル信号プロセッサ(DSP)
325 制御部
326 FEC復号器
330光送信器
332FEC符号器
340インタフェース
410移動平均部
420波形歪補償器
430復調器
440 判定部
450 選択部
810、910光増幅器(ILA)
1402 CPU
1404メモリ
1406 インタフェース
1408 バス

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