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技術 異常検出前処理装置および方法ならびにプログラム、それを備えた異常検出装置

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 斎藤真由美熊野信太郎
出願日 2012年10月4日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2012-222318
公開日 2014年4月24日 (6年9ヶ月経過) 公開番号 2014-074659
状態 特許登録済
技術分野 機械部品、その他の構造物または装置の試験
主要キーワード 二次元モデル 各折れ線 前処理プログラム 単位空間 補正判定 中心極限定理 非定常的 非線形モデル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年4月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

簡便で、かつ、精度よく、収集データ異常検出すること。

解決手段

正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する判定部1と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、分布データを補正する補正項を算出する補正項算出部2と、補正項で補正した分布データが最も正規分布に従う分布をもたらす仮の非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、異常検出モデルに基づいて算出された補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する選定部3とを具備する。

概要

背景

従来、数値の異常を検出するのにマハラノビス距離という統計的手法が一般に用いられている。マハラノビス距離は、正常データが正規分布に従うことを前提とした手法であり、現実のデータにおいては、正規分布に従わないことが多々あるため、正常データを正規分布に従わせる技術が検討されている(例えば、下記特許文献1)。

概要

簡便で、かつ、精度よく、収集データ異常検出すること。正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する判定部1と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、分布データを補正する補正項を算出する補正項算出部2と、補正項で補正した分布データが最も正規分布に従う分布をもたらす仮の非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、異常検出モデルに基づいて算出された補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する選定部3とを具備する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡便で、かつ、精度よく、収集データの異常検出ができる異常検出前処理装置および方法ならびにプログラム、それを備えた異常検出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関するに関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する判定手段と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、前記分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の前記非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、前記分布データを補正する補正項を算出する補正項算出手段と、前記補正項で補正した前記分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の前記非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、該異常検出モデルに基づいて算出された前記補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する選定手段とを具備する異常検出前処理装置

請求項2

前記補正項算出手段は、仮の前記非線形モデルと、仮の前記非線形モデルの回帰直線との差を前記補正項として算出する請求項1に記載の異常検出前処理装置。

請求項3

前記補正項算出手段は、正規分布に従う分布でないと判定された前記分布データのうち、所定数選定された前記分布データを複数の仮の前記非線形モデルにフィッティングさせる請求項1または請求項2に記載の異常検出前処理装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれかに記載の異常検出前処理装置と、前記異常検出前処理装置の前記選定手段によって選定された前記異常検出補正項に基づいて、正常異常の判定対象となる測定データである判定データを補正した補正判定データを算出し、前記補正判定データをマハラノビス距離に基づいて、異常か否かを判定する異常検出手段とを具備する異常検出装置。

請求項5

正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する第1過程と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、前記分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の前記非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、前記分布データを補正する補正項を算出する第2過程と、前記補正項で補正した前記分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の前記非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、該異常検出モデルに基づいて算出された前記補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する第3過程とを有する異常検出前処理方法

請求項6

正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する第1処理と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、前記分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の前記非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、前記分布データを補正する補正項を算出する第2処理と、前記補正項で補正した前記分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の前記非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、該異常検出モデルに基づいて算出された前記補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する第3処理とをコンピュータに実行させるための異常検出前処理プログラム

技術分野

0001

本発明は、異常検出前処理装置および方法ならびにプログラム、それを備えた異常検出装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、数値の異常を検出するのにマハラノビス距離という統計的手法が一般に用いられている。マハラノビス距離は、正常データが正規分布に従うことを前提とした手法であり、現実のデータにおいては、正規分布に従わないことが多々あるため、正常データを正規分布に従わせる技術が検討されている(例えば、下記特許文献1)。

先行技術

0003

特開2007−248089号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、正常データが仮に正規分布から離れていると判定されても、異常検知の目的に沿ってそのデータを正規分布に近づける方法がなく、マハラノビス距離によって、精度よく異常検出をすることができないという問題があった。
例えば、信号値を足し合わせて平均を取るなどの処理を行えば、データは中心極限定理から正規分布に近づくので、異常検知の目的に沿わせることに拘らなければ、正規分布に近づける方法はある。しかしながらその場合には、判定すべき異常信号までもが正規分布に近づくこととなり、異常信号が有している特徴が変わってしまい、異常検知の目的には沿わず、上記問題を解決できなかった。

0005

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡便で、かつ、精度よく、収集データの異常検出ができる異常検出前処理装置および方法ならびにプログラム、それを備えた異常検出装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する判定手段と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、前記分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の前記非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、前記分布データを補正する補正項を算出する補正項算出手段と、前記補正項で補正した前記分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の前記非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、該異常検出モデルに基づいて算出された前記補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する選定手段とを具備する異常検出前処理装置を提供する。

0007

このような構成によれば、正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定され、正規分布に従う分布でないと判定された分布データが仮の非線形モデルにフィッティングされ、仮の非線形モデルと仮の非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、分布データを補正する補正項が算出される。算出された補正項により補正された分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の非線形モデルが、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定され、該異常検出モデルに基づいて算出された補正項を異常検出に用いる補正項として選定される。
このように、正常データの正規分布性を定量的に評価し、正規分布でないと判定された場合に、それを正規分布に従うように補正することにより、正常時から外れたデータ(つまり、異常データ)を精度よく検出することができる。また、正常時に測定されたデータのみを用いるので、正常データと異常データとを利用する方法と比較して、簡便である。

0008

上記異常検出前処理装置の前記補正項算出手段は、仮の前記非線形モデルと、仮の前記非線形モデルの回帰直線との差を前記補正項として算出することが好ましい。

0009

仮の非線形モデルとその回帰直線との差によって簡便に補正項を算出できる。
また、従来のように、例えば信号値を加算して平均値を求める等の操作をして正規分布に従わせる場合とは異なり、本発明は、非線形モデルを線形モデル回帰させることによって、正規分布に従うか否かを判定するので、元となる分布データの特徴が失われることがない。

0010

上記異常検出前処理装置の補正項算出手段は、正規分布に従う分布でないと判定された前記分布データのうち、所定数選定された前記分布データを複数の仮の前記非線形モデルにフィッティングさせることとしてもよい。
これにより、仮の非線形モデルにフィッティングさせる時間を低減できる。

0011

本発明は、上記の異常検出前処理装置と、前記異常検出前処理装置の前記選定手段によって選定された前記異常検出補正項に基づいて、正常異常の判定対象となる測定データである判定データを補正した補正判定データを算出し、前記補正判定データをマハラノビス距離に基づいて、異常か否かを判定する異常検出手段とを具備する異常検出装置を提供する。

0012

正常時の分布データに基づいて決定された異常検出補正項によって補正された補正判定データに基づいて、測定データが異常か否かを判定する。これにより、異常を精度よく検出することができる。

0013

本発明は、正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する第1過程と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、前記分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の前記非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、前記分布データを補正する補正項を算出する第2過程と、前記補正項で補正した前記分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の前記非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、該異常検出モデルに基づいて算出された前記補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する第3過程とを有する異常検出前処理方法を提供する。

0014

本発明は、正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する第1処理と、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、前記分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の前記非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、前記分布データを補正する補正項を算出する第2処理と、前記補正項で補正した前記分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の前記非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、該異常検出モデルに基づいて算出された前記補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する第3処理とをコンピュータに実行させるための異常検出前処理プログラムを提供する。

発明の効果

0015

本発明は、簡便で、かつ、精度よく、収集データの異常検出ができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態に係る監視ステム概略構成を示した図である。
本発明の一実施形態に係る異常検出装置の概略構成を示した図である。
本発明の一実施形態に係る異常検出装置の機能ブロック図である。
補正項の算出を説明するための図である。
本発明の一実施形態の異常検出前処理装置の動作フローである。
2次元モデルによる分布データの補正の前後を比較した図であり、(a)正常時の分布データの正規分布性を示す図、(b)正常時の分布データを2次元モデルでフィッティングした図、(c)補正項により分布データを補正した図、(d)補正後のデータの正規分布性を示す図である。
三角関数モデルによる分布データの補正の前後を比較した図であり、(a)正常時の分布データの正規分布性を示す図、(b)正常時の分布データを2次元モデルでフィッティングした図、(c)補正項により分布データを補正した図、(d)補正後のデータの正規分布性を示す図である。
本発明の一実施形態係るn次元パターンの場合の補正項の算出について説明する図である。

実施例

0017

以下に、本発明に係る異常検出前処理装置および方法ならびにプログラム、それを備えた異常検出装置の実施形態について図面を参照して説明する。
また、本実施形態では、異常検出前処理装置10を、ガスタービンを監視する監視センターに設け、ガスタービンの異常の検出に用いる場合を想定して説明するが、本発明はこれに限定されない。

0018

図1は、発電所に設けられるガスタービン設備31を監視センター30から監視する監視システム100の概略構成が示されている。監視センター30には、異常検出前処理装置10を備える異常検出装置20が備えられている。ガスタービン設備31と異常検出装置20とは、情報の授受可能にネットワーク32を介して接続されている。例えば、異常検出装置20は、ガスタービン設備31から所定のタイミングで送信されるガスタービンの運転データ(測定データ)、アラーム情報、および問い合わせ情報等を受信する。異常検出装置20は、取得した各種情報を記憶部(詳細は後述する)に記憶させる。本実施形態においては、ガスタービン設備31からネットワークを介した遠隔地の監視センター30に異常検出装置20を設けることとして説明しているが、異常検出装置20の位置はこれに限定されない。

0019

図2は、本実施形態に係る異常検出装置20の概略構成を示したブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る異常検出装置20は、コンピュータシステム計算機システム)であり、CPU(中央演算処理装置)11、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置12、補助記憶装置13、キーボードマウスなどの入力装置14、及びディスプレイプリンタなどの出力装置15、外部の機器通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置16などを備えている。
補助記憶装置13は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク光磁気ディスクCD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置13には、各種プログラム(例えば、異常検出前処理プログラム)が格納されており、CPU11が補助記憶装置13から主記憶装置12にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。

0020

図3は、異常検出装置20が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図3に示されるように、異常検出装置20は、異常検出前処理装置10を備えている。異常検出前処理装置10は、判定部(判定手段)1と、補正項算出部(補正項算出手段)2と、選定部(選定手段)3と、記憶部4とを備えている。

0021

次に、上述した異常検出前処理装置10が備える各部において実行される処理内容について図3を参照して説明する。
記憶部4は、ガスタービン設備31の複数箇所に設けられる計測器から得られた所定期間内の測定データ(運転データ)が記憶されている。測定データには、例えば、ガスタービンの起動時など、正常データが特にバラつく非定常的な状態で測定された所定期間内の運転データと、ガスタービン設備の正常異常の判定対象となる運転データとが含まれる。また、本実施形態においては、ガスタービン設備の複数箇所とは、例えば、燃焼器圧縮機等であり、測定データは、それら複数箇所から得られる温度や圧力値等の情報である。

0022

判定部1は、正常時に測定された所定期間内の2変数以上に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定する。例えば、判定部1は、記憶部4に記憶されているガスタービンの複数箇所から取得された測定データのうち、所定期間内の2箇所から取得された測定データの2変数を抽出した分布を分布データとし、正規確立プロット(例えば、qqプロット)に基づいて正規分布に従った分布か否かを判定する。正規確率プロットでは、測定データが正規分布している場合に、測定データを示す点がほぼ直線上に並ぶ。なお、本実施形態においては、複数箇所から取得された測定データのうち2箇所(2変数)の測定データにより2次元の分布データを生成することとして説明するが、本発明はこれに限定されず、n箇所(n変数)の測定データによりn次元の分布データが生成される場合にも適用される。

0023

補正項算出部2は、正規分布に従う分布でないと判定された場合に、分布データをフィッティングさせる複数の仮の非線形モデルと、それぞれの仮の非線形モデルの回帰分析の結果とに基づいて、分布データを補正する補正項を算出する。なお、補正項算出部2は、正規分布に従う分布でないと判定された分布データの全てを仮の非線形モデルにフィッティングさせてもよいが、好ましくは、全ての分布データのうち、所定数選定された分布データを複数の仮の非線形モデルにフィッティングさせる。これにより、フィッティングさせる対象の分布データが少なくなり、フィッティングにかかる時間が低減できる。
具体的には、補正項算出部2は、仮の非線形モデルと、仮の非線形モデルの回帰直線との差を補正項として算出する。

0024

以下に、仮の非線形モデルを2次関数y=fN(x)とする場合を例に挙げて説明する。
図4は、2次関数y=fN(x)と、この2次関数の回帰直線y=fL(x)=ax+bとを示している。補正項算出部2は2次関数と回帰直線との偏差を下記(1)式により算出する。
Δyi=fN(xi)−(axi+b) (1)
分布データ(xi,yi)を補正する場合には、上記(1)式により決定されたΔyiを補正項とし、以下(2)式のように補正してyi(new)に変換する。
yi(new)=yi−Δyi (2)

0025

このように、非線形モデルと線形モデルの差分を補正項として分布データを補正することにより、非線形に分布していた分布データを線形主軸上に確実に分布させることができ、正規分布により従う分布とすることができる。
選定部3は、補正項で補正した分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定し、異常検出モデルに基づいて算出された補正項を異常検出に用いる異常検出補正項として選定する。換言すると、選定部3は、仮の非線形モデル毎に算出された補正項によって補正した分布データの正規分布性をそれぞれ比較し、最も正規分布性を持つ仮の非線形モデルとその仮の非線形モデルから算出された補正項とを、異常検出に用いる非線形モデルおよび補正項として選定する。

0026

異常検出装置20は、異常検出部(異常検出手段)21を備えている。
異常検出部21は、記憶部4から判定データを読み出し、異常検出前処理装置10の選定部3によって選定された異常検出補正項に基づいて判定データを補正した補正判定データを算出し、補正判定データをマハラノビス距離に基づいて異常か否かを判定する。また、異常検出部21は、マハラノビス距離に閾値を設け、閾値以下であれば正常とし、閾値より大きい場合には異常として判定する。

0027

マハラノビス距離を用いた判定とは、ある集団の特徴量(多変数)を一つのパラメータ(マハラノビス距離)で表し、ある測定データの良・不良を、健全な集団(正常時の測定データ)の基本データからの距離で評価する方法である。ある測定データが不良であれば、健全な集団からの距離は大きくなり、測定データが良であれば健全な集団からの距離は小さくなる。

0028

例えば、k次元のマハラノビス距離MD2は、以下(3)式により求められる。ここで、kは項目数、i,jは1〜k、αijは相関行列逆行列のi,j成分、mi、mj、σi、σjはそれぞれ単位空間における平均値および標準偏差とする。

0029

以下に本実施形態に係る異常検出前処理装置10および異常検出装置20の作用について、図1から図7を用いて説明する。
ガスタービン設備31からガスタービンの運転に関する運転データが所定のタイミングで遠隔地の監視センター30に出力され、監視センター30の異常検出装置20によって運転データが取得される。異常検出装置20は、取得した運転データを記憶部4に記憶させる(図5のステップSA1)。

0030

監視員によって、2変数(例えば、ガスタービン出力(MW)とブレードパス温度(℃))に関する異常検出の開始指示が入力されると、正常時に測定された所定期間内の「ガスタービン出力(MW)」と「ブレードパス温度(℃)」の2変数が選定される、記憶部4から選定された2変数が抽出され、2変数(2次元)に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かが判定される(図5のステップSA2)。正規分布に従った分布になると判定された場合には、正常時のデータの補正はしないので、異常検出前処理装置10の処理を終了し、異常検出装置20によりマハラノビス距離に基づいた正常異常の判定を行う。

0031

分布データが正規分布に従った分布でないと判定された場合には、正規分布に従う分布でないと判定された分布データのうち所定数の分布データが選定され(図5のステップSA3)、選定された分布データを複数の仮の非線形モデルにフィッティングさせ(図5のステップSA4)、それぞれの仮の非線形モデルの回帰直線との差に基づいて、分布データを補正する補正項がそれぞれ算出される(図5のステップSA5)。算出された補正項によって分布データが補正される(図5のステップSA6)。これにより、正規分布に従った分布でないと判定された分布データも、正規分布に従う方向の分布に変換される。

0032

補正後の複数の分布データが正規分布に従う分布であるか判定され、最も正規分布に従う分布をもたらす非線形モデルが異常検出モデルとして選定され、この異常検出モデルから算出された補正項が異常検出補正項として選定され(図5のステップSA7)、異常検出部21に出力され、異常検出前処理装置10の処理を終了する。
異常検出装置20の異常検出部21は、記憶部4から判定データを読み出し、選定部3から取得した異常検出補正項に基づいて判定データを補正した補正判定データが算出される。補正判定データがマハラノビス距離の所定閾値と比較され、閾値以下であれば正常とし、閾値より大きい場合には異常として判定される。

0033

図6には、異常検出前処理装置10によって分布データの補正前と補正後との比較データが一例として示されている。ここでは、非線形モデルとして、二次元モデルが用いられている場合を例としている。
図6(a)に、記憶部4から読み出された正常時の分布データ(図示略)の、正規確率プロットによる正規分布性が示されている。正規分布に従う分布であるか否かの判定により、正規分布に従った分布でないと判定された場合に、記憶部4から読み出された正常時の分布データのうち所定数のデータを、2次元モデルでフィッティングしたのが図6(b)である。

0034

これを回帰分析して求められた補正項により記憶部4から読み出した分布データを補正すると(2次元モデルで補正)、図6(c)が得られた。さらに、図6(c)を正規確率プロットすることにより、図6(d)が得られた。図6(a)と図6(d)の上部に記載の数値は、正規分布性を示す値であり、小さいほど正規分布に従うことを意味している。これにより、分布データ補正前の図6(a)より、2次元モデルで分布データが補正された補正後の図6(d)の方が、正規分布らしさが向上していることがわかる。

0035

同様に、図7(a)から(d)には、非線形モデルとして三角関数モデルが用いられた場合の補正前から補正後の比較データである。
図7(a)は、分布データ補正前の正規確率プロットであり、図7(d)は三角関数モデルで分布データ補正後の正規確率プロットを示している。これにおいても、図7(a)より図7(d)の方が、正規分布らしさが向上していることがわかる。

0036

以上説明してきたように、本実施形態に係る異常検出前処理装置10および方法ならびにプログラム、それを備えた異常検出装置20によれば、正常時に測定された所定期間内の2変数に関する分布データが、正規分布に従った分布になるか否かを判定され、正規分布に従う分布でないと判定された分布データのうち所定数選定された分布データが仮の非線形モデルにフィッティングされ、仮の非線形モデルと回帰直線との差によって、分布データを補正する補正項が算出される。この補正項により補正された分布データが、最も正規分布に従う分布をもたらす仮の非線形モデルを、異常検出で使用する場合の異常検出モデルとして選定され、異常検出モデルに基づいて算出された補正項を異常検出に用いる補正項として選定される。

0037

このように、正常データの正規分布性を定量的に評価し、正常時に測定された分布データに基づいて、異常検出モデルおよび異常検出に用いる補正項を選定するので、正常時に得られる測定データから逸脱したデータ(つまり、異常データ)を精度よく検出することができる。また、正常時に測定されたデータのみを用いるので正常データと異常データとの両方を用いる場合と比較して簡便である。
また、正常データが正規分布から離れていると判定されても、異常データの特徴を変えることなく、正常データを正規分布に従わせるように補正できる。

0038

従来のように信号値を加算して平均値を求める等の操作をして正規分布に従わせる手法とは異なり、本発明は、非線形モデルを線形モデルに回帰させることによって、正規分布に従うか否かが判定できるので、元となる分布データの特徴が失われることがない。
また、異常検出前処理装置10により補正項がひとたび選定されると、異常検出装置20は、その補正項を用いて判定データを変換し、所定の2変数に対する判定データの正常異常を判定することができるので、時間経過に伴うそこからの多少の変化や、判定データの判別そのものには大きな計算負荷がかからず、簡便に処理できる。

0039

また、上記実施形態においては、異常検出装置20は、異常検出部21と異常検出前処理装置10とを1つの装置に含めることとして説明していたが、これに限定されず、異常検出部21と異常検出前処理装置10とが異なる装置(コンピュータシステム)に設けられ、情報の授受可能に接続されることとしてもよい。
また、上記実施形態においては、監視員により選定された2変数に関して正規分布に従うか否かの判定と補正項算出を開始していたが、これに限定されず、記憶部4に記憶されている複数箇所(例えば、200箇所)から収集した測定データを全通りの組み合わせの2次元ペアずつ正規分布性の判定と補正項の算出を行う処理を予め行い、その結果を記憶部4に記憶させ、結果だけを適宜読み出すこととしてもよい。

0040

なお、上記実施形態においては、複数の非線形モデルは、物理的に異なるモデル(例えば、2次関数と三角関数など)を多数用意しておき、その中のパラメータが最適か否かも含めて最も正規分布に従う非線形モデルを選定することとして説明していたが、これに限定されない。例えば、非線形モデルを1つの遺伝子として、モデル同士の交配(合成)や変位(式の一部を変換)などを組み込む、所謂遺伝的アルゴリズム(GE:Genetic Algorithm)による非線形モデルの最適化手法であってもよいこととする。

0041

上記実施形態においては、分布データが、y=f(x)である変数を2変数とした2次元パターンである場合を例に挙げて説明していたが、f(x)=0のn個の変数としたn次元パターンである場合の、補正項の算出方法について、図8を用いて説明する(xはn次元ベクトル)。
a,bはn次元ベクトルとし、tは直線の1次元パラメータとし、回帰直線をx=at+bとする。f(x)=0の中心cN、at+bの中心b(t=0)をデータ群中心近傍に取ることとする。f(x)=0をcNから単位長さのベクトル{df/ds_i}で、折れ線近似する。ここで、sは曲線の1次元パラメータであり、プラス側およびマイナス側に動くものとする。

0042

各折れ線成分について、直線の成分{at_i+b}に移動する変換R_iを算出する。求められたR_iを補正項とし、各正常データについて最も近い折れ線#iを求め、データxをR_ixで変換する。
このように、本発明は、分布データが何次元のパターンであっても、簡便に補正項を求めて正規分布に従う分布とし、マハラノビス距離の判定に馴染みのよい分布が得られる。

0043

1 判定部
2補正項算出部
3選定部
4 記憶部
10異常検出前処理装置
20 異常検出装置
21 異常検出部
100監視システム

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