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技術 移動体動作検出装置

出願人 アイシン精機株式会社
発明者 長嶺昇安藤充宏落合博敏
出願日 2012年9月28日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2012-218099
公開日 2014年4月21日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2014-071728
状態 特許登録済
技術分野 交通制御システム
主要キーワード 白色雑音成分 トレンド成分 動作検出装置 軸成分毎 変動傾向 確率的モデル 実測位置 時系列解析
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年4月21日)のものです。
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図面 (19)

課題

動体不定期かつ頻繁に方向を変える場合においても、移動体の移動位置の推移から長期的な傾向を抽出でき、安定して未来軌道予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することができる移動体動作検出装置を提供する。

解決手段

移動体動作検出装置100は、移動体の位置を繰り返し検出する位置検出部11と、当該位置検出部11の検出結果を順次記憶する記憶部12と、当該記憶部12に記憶された検出結果を用いて、移動体の将来の移動傾向を演算する移動傾向演算部13と、移動傾向と移動体の直近の位置とに基づいて、移動体の動作状態を判定する判定部14と、を備える。

概要

背景

歩行者との衝突を低減するための技術として、車両の進行方向に向けて移動しようとする歩行者の検出を行い、衝突の可能性を予測する方法が提案されている。このような技術として以下に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。

特許文献1に記載の歩行者認識装置は、自車両の外に存在する歩行者の状態を検出し、当該検出された歩行者の状態のうち歩行者の脚部の状態に基づいて自車両の進路内に歩行者が進入するか否かを判定する。具体的には、歩行者の脚部の状態として、歩行者の脚部の開度や当該開度の変化に基づいて自車両の進路内に歩行者が進入するか否かが判定される。

特許文献2に記載の歩行者飛び出し予測装置は、対象車両の前方に存在する歩行者の位置の時系列変化及び移動速度の時系列変化を取得し、当該取得された位置の時系列変化及び移動速度の時系列変化と、歩行者が車道に飛び出すときの予め求められた位置の時系列変化及び移動速度の時系列変化のパターンとを比較して、対象車両が走行している車道に歩行者が飛び出すか否かを予測する。

概要

動体不定期かつ頻繁に方向を変える場合においても、移動体の移動位置の推移から長期的な傾向を抽出でき、安定して未来軌道の予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することができる移動体動作検出装置を提供する。移動体動作検出装置100は、移動体の位置を繰り返し検出する位置検出部11と、当該位置検出部11の検出結果を順次記憶する記憶部12と、当該記憶部12に記憶された検出結果を用いて、移動体の将来の移動傾向を演算する移動傾向演算部13と、移動傾向と移動体の直近の位置とに基づいて、移動体の動作状態を判定する判定部14と、を備える。

目的

より具体的な例にあっては、歩行者等の移動体が不定期かつ頻繁に方向を変える場合においても、移動体の移動位置の推移から長期的な傾向を抽出でき、安定して未来の軌道の予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

動体の位置を繰り返し検出する位置検出部と、前記位置検出部の検出結果を順次記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された検出結果を用いて、前記移動体の将来の移動傾向を演算する移動傾向演算部と、前記移動傾向と前記移動体の直近の位置とに基づいて、前記移動体の動作状態を判定する判定部と、を備える移動体動作検出装置

請求項2

前記判定部は、前記動作状態として、突発的な動きがあったか否かを判定する請求項1に記載の移動体動作検出装置。

請求項3

前記移動傾向演算部は、前記記憶部に記憶された所定時間前から現在までの検出結果を用いて、少なくとも現在から所定時間が経過するまでの間の前記移動傾向を演算し、前記判定部は、前記移動傾向に対する前記直近の位置のずれ量を演算し、当該ずれ量が予め設定された判定閾値よりも大きい場合に、前記移動体に突発的な動きがあったと判定する請求項2に記載の移動体動作検出装置。

請求項4

前記判定部は、3次元空間座標系における3つの直交成分毎に前記突発的な動きを判定する請求項2又は3に記載の移動体動作検出装置。

請求項5

前記移動体に突発的な動きがあったと判定された場合に報知を行う報知部が備えられてある請求項2から4のいずれか一項に記載の移動体動作検出装置。

請求項6

前記報知部は、継続して前記突発的な動きがあったと判定された場合に報知する請求項5に記載の移動体動作検出装置。

請求項7

前記移動傾向の変動幅を設定するパラメータが変更可能である請求項1から6のいずれか一項に記載の移動体動作検出装置。

請求項8

前記移動体は人である請求項1から7のいずれか一項に記載の移動体動作検出装置。

技術分野

0001

本発明は、移動体の動作を検出する移動体動作検出装置に関する。

背景技術

0002

歩行者との衝突を低減するための技術として、車両の進行方向に向けて移動しようとする歩行者の検出を行い、衝突の可能性を予測する方法が提案されている。このような技術として以下に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。

0003

特許文献1に記載の歩行者認識装置は、自車両の外に存在する歩行者の状態を検出し、当該検出された歩行者の状態のうち歩行者の脚部の状態に基づいて自車両の進路内に歩行者が進入するか否かを判定する。具体的には、歩行者の脚部の状態として、歩行者の脚部の開度や当該開度の変化に基づいて自車両の進路内に歩行者が進入するか否かが判定される。

0004

特許文献2に記載の歩行者飛び出し予測装置は、対象車両の前方に存在する歩行者の位置の時系列変化及び移動速度の時系列変化を取得し、当該取得された位置の時系列変化及び移動速度の時系列変化と、歩行者が車道に飛び出すときの予め求められた位置の時系列変化及び移動速度の時系列変化のパターンとを比較して、対象車両が走行している車道に歩行者が飛び出すか否かを予測する。

先行技術

0005

特開2007−264778号公報
特開2010−102437号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1及び2に記載の技術は、歩行者がしばらくの間、直進することが前提とされる。しかしながら、道路が狭く、込み入った状態の場合には、歩行者自身が道路上の障害物や他の歩行者を避けるべく、先読みを行い、頻繁に方向を変える傾向がある。このような歩く方向の変更を検出するには、あらゆる方向への変更を想定しなければならないので、特許文献1及び2に記載の技術では、適切に予測することができないことが考えられる。この種の技術においては、例えば歩行者が急に(突発的に)進行方向へ飛び出す場合には、歩行者が車両の目前に迫り危険な状況になってしまう前に、歩行者が飛び出す可能性を事前に予測し、搭乗者にできるだけ早いタイミングで情報提示することが望ましい。

0007

本発明は、移動体の動作状態を適切に判定することを目的とする。より具体的な例にあっては、歩行者等の移動体が不定期かつ頻繁に方向を変える場合においても、移動体の移動位置の推移から長期的な傾向を抽出でき、安定して未来軌道の予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するための本発明に係る移動体動作検出装置の特徴構成は、
移動体の位置を繰り返し検出する位置検出部と、
前記位置検出部の検出結果を順次記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された検出結果を用いて、前記移動体の将来の移動傾向を演算する移動傾向演算部と、
前記移動傾向と前記移動体の直近の位置とに基づいて、前記移動体の動作状態を判定する判定部と、
を備えている点にある。

0009

このような特徴構成とすれば、移動体の動作状態を適切に判定することができる。より具体的には、歩行者等の移動体の移動位置の推移から長期的な傾向である移動傾向を抽出することができる。したがって、歩行者が不定期かつ頻繁に方向を変える場合においても、このような移動傾向に基づき、安定して移動体の将来の軌道の予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することが可能となる。

0010

また、前記判定部は、前記動作状態として、突発的な動きがあったか否かを判定すると好適である。

0011

このような構成とすれば、位置検出部により検出された移動体の位置を用いて簡単な演算を行うだけで、移動体の突発的な動きがあったか否かを判定することができる。したがって、安定して移動体の将来の軌道の予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することが可能となる。

0012

また、前記移動傾向演算部は、前記記憶部に記憶された所定時間前から現在までの検出結果を用いて、少なくとも現在から所定時間が経過するまでの間の前記移動傾向を演算し、前記判定部は、前記移動傾向に対する前記直近の位置のずれ量を演算し、当該ずれ量が予め設定された判定閾値よりも大きい場合に、前記移動体に突発的な動きがあったと判定すると好適である。

0013

このような構成とすれば、記憶部に順次記憶されてきた検出結果により演算された移動傾向から、移動体の動きがずれたか否かにより移動体の動きを容易に判定することが可能となる。したがって、安定して移動体の将来の軌道の予測を行い、移動体の動作状態を適切に判定することができる。

0014

また、前記判定部は、3次元空間座標系における3つの直交成分毎に前記突発的な動きを判定すると好適である。

0015

このような構成とすれば、3つの直交成分毎に移動体の動きを検出することができる。したがって、移動体の微量の動きでも検出し易くなるので、精度良く検出することが可能となる。

0016

また、前記移動体に突発的な動きがあったと判定された場合に報知を行う報知部が備えられてあると好適である。

0017

このような構成とすれば、ユーザに移動体の突発的な動きがあったことを明示することができる。したがって、自らが移動体を回避するよう行うこともできるし、移動体に突発的な動きを行ったことを知らせて回避を促すことも可能となる。

0018

また、前記報知部は、継続して前記突発的な動きがあったと判定された場合に報知すると好適である。

0019

このような構成とすれば、突発的な動きの誤検出を防止できる。したがって、移動体の動きを精度良く検出することが可能となる。

0020

また、前記移動傾向の変動幅を設定するパラメータが変更可能であると好適である。

0021

このような構成とすれば、移動傾向の変動幅に応じて移動体の突発的な動きの検出感度を調整することができる。したがって、移動体を検出する状況に応じて検出感度を変更することが可能となる。

0022

また、前記移動体を人とすることができる。

0023

このような構成とすれば、適切に人の動作状態を判定することができる。したがって、移動体動作検出装置により車両の側に移動する人を適切に検出することが可能となる。

図面の簡単な説明

0024

移動体動作検出装置の構成を模式的に示すブロック図である。
移動傾向及び判定閾値について示す図である。
直交座標系について示す図である。
歩行中の人が向きを変更する場合の例について示す図である。
図4の場合における移動傾向について示す図である。
図4の場合におけるずれ量について示す図である。
図4の場合における誤差成分について示す図である。
駆け足中の人が向きを変更する場合の例について示す図である。
図8の場合における移動傾向について示す図である。
図8の場合におけるずれ量について示す図である。
図8の場合における誤差成分について示す図である。
図4の場合における平滑化事前分布パラメータを変更した場合の移動傾向について示す図である。
図4の場合における平滑化事前分布パラメータを変更した場合のずれ量について示す図である。
図4の場合における平滑化事前分布パラメータを変更した場合の誤差成分について示す図である。
図8の場合における平滑化事前分布パラメータを変更した場合の移動傾向について示す図である。
図8の場合における平滑化事前分布パラメータを変更した場合のずれ量について示す図である。
図8の場合における平滑化事前分布パラメータを変更した場合の誤差成分について示す図である。
移動傾向の設定について示す図である。

実施例

0025

以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。本実施形態に係る移動体動作検出装置100は車両の周囲に存在する移動体の動作を検出する機能を備えている。詳細は以下に示すが、移動体動作検出装置100はカルマンフィルタを利用している。カルマンフィルタについては公知であるので、詳細な説明は省略する。以下、図面を用いて説明する。

0026

図1には、移動体動作検出装置100の構成を模式的に示したブロック図が示される。図1に示されるように、移動体動作検出装置100は、位置検出部11、記憶部12、移動傾向演算部13、判定部14、報知部15の各機能部を備えて構成される。各機能部はCPUを中核部材として、移動体の動作を検出する種々の処理を行うための上述の機能部がハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。本実施形態では、移動体動作検出装置100が車両に備えられている場合の例を挙げて説明する。

0027

位置検出部11は、移動体の位置を繰り返し検出する。移動体とは、車両の周囲に存在する移動物である。このような位置検出部11は、例えばレーザセンサ距離画像センサで構成することが可能である。あるいは、カメラ等で車両の周囲の情景撮影して取得された撮像画像であっても良い。係る場合、画像認識処理により移動体の位置を検出することができる。「繰り返し検出する」とは、移動体が位置検出部11の検出可能な範囲から退出するまで継続して検出することを意味する。このような位置検出部11の検出結果は、当該検出結果が取得された時刻を示すタイムスタンプと関連付けして後述する記憶部12に伝達される。

0028

記憶部12は、位置検出部11の検出結果を順次記憶する。上述のように、位置検出部11の検出結果は、当該検出結果が取得された時刻を示すタイムスタンプと関連付けて伝達される。「順次記憶する」とは、伝達されてくる毎に継続して蓄積(記憶)していくことを意味する。したがって、記憶部12には位置検出部11から伝達される検出結果が、当該検出結果が取得された時刻を示すタイムスタンプと関連付けられて蓄積(記憶)されていく。詳細は後述するが、記憶部12に記憶された検出結果は移動傾向演算部13により演算に用いられる。したがって、記憶部12の記憶された検出結果は、少なくとも将来的に演算に用いる必要がなくなった時点まで記憶しておく構成にすると好適である。記憶部12は、このような検出結果を継続して記憶していく。

0029

移動傾向演算部13は、記憶部12に記憶された検出結果を用いて、移動体の将来の移動傾向を演算する。将来とは、少なくとも現在よりも未来の時点をいい、本実施形態では例えば数分程度将来であれば良い。移動傾向とは、移動体の移動に関するトレンドを示す指標であり、移動体の将来における位置を予測した指標に相当する。このような移動傾向は、株価経済指標のトレンド、更には気温等の変動傾向等を求めるのと同様に演算することができるが、詳細は後述する。移動傾向演算部13は、記憶部12に記憶された検出結果を元に移動体の移動傾向を演算する。

0030

本実施形態では、移動傾向演算部13は、記憶部12に記憶された所定時間前から現在までの検出結果を用いて、少なくとも現在から所定時間経過するまでの間の移動傾向を演算する。記憶部12には、上述のように位置検出部11による検出結果が取得されてから現在まで順次記憶されている。したがって、移動傾向演算部13は、記憶部12に順次記憶されている過去から現在までの検出結果を用いて、現在から将来の所定の時点までの移動傾向を演算する。

0031

図2にはこのような方法を用いて演算した移動体の移動傾向(トレンド成分(長期的変動成分))が示される。この移動傾向は例えば図3におけるX方向の移動成分を抽出したものである。図2は、横軸時間軸とし、縦軸を移動体の相対位置(移動距離)としている。具体的には、各時間に取得された検出結果として、位置検出部11の積算値が示される。図2において、「○」で示されたものは記憶部12に記憶されている位置検出部11の検出結果である。

0032

taの時点において、所定時間前であるtbから現在であるtaまでの検出結果を用いて、現在であるtaから所定時間経過後であるt0までの間の移動傾向を演算する。このような移動傾向に符合Aを付して示す。図2の例では、現在から所定時間経過するまでの間だけでなく、所定時間前から現在までの移動傾向Aも示される。すなわち、taからt0の間だけでなく、tbからtaの間の移動傾向Aも示される。このような移動傾向Aは、後述する判定部14に伝達される。

0033

判定部14は、移動傾向Aと移動体の直近の位置とに基づいて、移動体の動作状態を判定する。移動傾向Aは移動傾向演算部13から伝達される。移動体の直近の位置とは、現在に極めて近い時間帯における位置をいう。具体的には、現在をt0とすると、検出結果の取得タイミングにおける一つ前の時点(図2にあってはtaの時点)から現在までの時間帯をいう。もちろん、更に過去の時点から現在までの時間帯としても良いし、現在の位置として限定することも可能である。このような移動体の直近の位置は、記憶部12に記憶されている検出結果のタイムスタンプを参照することにより取得することができる。

0034

本実施形態では、判定部14は、動作状態として、突発的な動きがあったか否かを判定する。突発的な動きとは、移動傾向Aである予測した指標から著しくずれるような動きをいう。すなわち、移動傾向を基準として設けられる所定の範囲を想定される以上に逸脱する動きをいう。

0035

本実施形態では、判定部14は、移動傾向Aに対する直近の位置のずれ量を演算し、当該ずれ量が予め設定された判定閾値よりも大きい場合に、移動体に突発的な動きがあったと判定する。移動傾向Aに対する直近のずれ量とは、移動傾向Aにより特定される移動体の予想位置と、直近の位置とのずれ幅に相当する。判定閾値は、移動傾向に対して予め一定値で設定される。したがって、移動傾向Aに対して所定の幅を有して設定されることになる。図2においては、符合Bを付して示される。図2に示されるように、判定閾値Bは移動傾向Aを基準として一様な幅を有して設定される。移動傾向Aにより特定される移動体の予想位置と、移動体の直近の位置とのずれ幅が、判定閾値よりも大きくなった場合に、判定部14は移動体に突発的な動きがあったと判定する。すなわち、判定部14は移動体の直近の位置が、同時刻における移動傾向Aに対して設定された判定閾値Bで規定される領域から、「×」で示されたように逸脱した場合に、移動体に突発的な動きがあったと判定する。

0036

ここで、本実施形態では、判定部14は、3次元空間座標系における3つの直交成分毎に上述の突発的な動きがあったか否かを判定する。3次元空間座標系とは、実空間の座標系であり、水平面を構成するX軸及びZ軸と、X軸及びZ軸の双方に直交する鉛直方向のY軸とから構成される座標系である。したがって、3つの直交成分とは、このような座標系を形成するX軸、Y軸、及びZ軸の3軸が相当する。上述の移動傾向A及び移動体の直近の位置は3軸成分毎に演算され、判定部14はこのような3軸成分毎に突発的な動きがあったか否かを判定する。判定部14の判定結果は、後述する報知部15に伝達される。

0037

報知部15は、移動体に突発的な動きがあったと判定された場合に報知を行う。この報知は、車両の乗員に対して行うものであっても、移動体に対して行うものであっても良い。車両の乗員に対して行うものである場合には、報知に基づき車両を停車したり移動体を避けるようステアリングを操作したりすることが可能である。移動体に対して行うものである場合には、移動体自身に突発的な動きを行ったことを自覚させ、当該突発的な動きを中止させることが可能である。

0038

また、報知部15は、継続して突発的な動きがあったと判定された場合に報知すると好適である。上述のように、判定部14は、移動傾向に対する現在の位置のずれ量が予め設定された判定閾値よりも大きい場合に、移動体に突発的な動きがあったと判定する。しかしながら、ノイズ等に起因した誤検知を防止すべく、判定部14が突発的な動きがあったと判定している期間が所定時間に亘って継続していた場合に、判定すると好適である。

0039

このようにして、本移動体動作検出装置100は、移動体の突発的な動きを検出することができる。このため、このような移動体動作検出装置100を車両に搭載すれば、車両の運転者精神的疲労和らげることができる。

0040

次に、移動体動作検出装置100による実際の移動体の動きの検出について例を挙げて説明する。まず、図3に示されるように、移動体が人1であるとする。この人1の位置を検出する位置検出部11の中心を通り、側方に延在する方向にX軸を設定し、水平面においてこのX軸に直交する方向にZ軸を設定する。また、位置検出部11の中心を通り、鉛直方向にY軸を設定する。このように設定された3次元空間座標系において、位置検出部11は人1の位置を繰り返して検出する。

0041

図4は、歩行中に所定の位置で90度右方向に曲がった場合の人1の動きが示される。図5には係る場合の3軸成分毎の移動傾向Aが破線で示され、位置検出部11により検出された人1の実測位置実線で示される。また、図6には、夫々のずれ量が示される。すなわち、図5には「トレンド成分(長期的変動成分)」と「観測データ」とが示され、図6には「周期成分短期的変動成分)」が示される。また、図7には、カルマンフィルタにおける誤差成分が示される。すなわち、図7は「ノイズ成分白色雑音成分)」が示される。図5に示されるように、人1が右に曲がるまでは、時間が経過してもX軸方向の位置が変わらず、Z軸方向の位置が変化している。Y軸方向の変動は人1の歩行に応じて変化する体の鉛直方向の動きがあることが示される。

0042

図6に示されるように、X軸方向に人1が向きを変えて歩き出すまで、すなわちZ軸方向に沿って歩いている段階においては、X軸方向に人1が向きを変えた後のずれ量に比べて小さくなっている。一方、Z軸方向に対しても同様で、Z軸方向に沿って歩いている段階においては、X軸方向に人1が向きを変えた後のずれ量に比べて大きくなっている。このような傾向は、図7の誤差成分からも明らかである。

0043

以上のように、図6の結果より、例えば車両に沿う方向(Z軸方向)に人1が歩いている場合に、急に向きを変えてX軸方向に歩行し始めたことを検出できることが本発明によりわかった。また、このように急に歩く方向を変えた場合には、移動傾向Aに対する検出結果の誤差が大きくなるので、図7の誤差成分からも急に向きを変えてX軸方向に歩行し始めたことを検出できることがわかった。

0044

図8には、駆け足中に所定の位置で90度右方向に曲がった場合の人1の動きが示される。図9には、3軸成分毎の移動傾向Aが破線で示され、位置検出部11により検出された人1の実測位置が実線で示される。すなわち、図9には「トレンド成分(長期的変動成分)」と「観測データ」とが示される。図5の場合と同様に、人1が右に曲がるまでは、時間が経過してもX軸方向の位置が変わらず、Z軸方向の位置が変化している。また、駆け足に応じてY軸方向の変動があることが示される。

0045

図10は、移動傾向Aに対する直近の検出結果のずれ量を示したものである。すなわち、図10は「周期成分(短期的変動成分)」を示したものである。図10に示されるように、X軸方向に向きを変えてから、ずれ量が大きくなっている。一方、Z軸方向については、X軸方向に向きを変えて駆け足を行っていた場合の方が、Z軸方向に沿って駆け足をしている場合よりも、ずれ量が大きくなっている。図11の誤差成分、すなわち「ノイズ成分(白色雑音成分)」では、このような形態が顕著に見られる。このように、駆け足で方向を急に変更した場合でも、人1の動きを検出できることが本発明によりわかった。

0046

ここで、トレンドの滑らかさを事前に決定するパラメータとして、(1)トレンド成分の階差次数k、(2)システムノイズの分散τ2、(3)観測ノイズの分散σ2がある。(1)トレンド成分の階差の次数kは、歩行者の起動にあてはめる多項式の次数に相当する。(2)システムノイズの分散τ2は、歩行者の起動のゆらぎ成分に相当する。(3)観測ノイズの分散σ2は、センサノイズのゆらぎ成分に相当する。トレンドの滑らかさは、上記(1)−(3)のパラメータで決定される。この3つのパラメータは、平滑化事前分布パラメータと称される。

0047

また、観測ノイズ/システムノイズ=λは、トレードオフパラメータと称される。観測ノイズの分散とシステムノイズの分散との間には、トレードオフの関係がある。すなわち、観測ノイズを大きく取れば、データを大きな観測誤差で乱された系列としてみなすことになり、推定されるトレンドは滑らかなものとなる。一方、システムノイズの分散を大きく取ると、トレンドの変化が大きいことを仮定していることになり、相対的に観測誤差は小さいものとみなすことを意味する。すなわち、このトレードオフパラメータλを大きくすると、トラッキング性能よりもトレンドの滑らかさを重視することになり、トレードオフパラメータλを小さくすると、トレンドの滑らかさよりもトラッキング性能を重視することになる。

0048

ここで、図5及び図9に移動傾向では、トレンド成分の階差の次数kを3として演算した。以下では、トレンド成分の階差の次数kを2に変更し、システムノイズの分散τ2を減らした場合の例を挙げて説明する。

0049

図12には、図4のような歩行中の人1が所定の位置で90度右方向に曲がった場合の3軸成分毎の移動傾向Aが破線で示され、位置検出部11により検出された人1の実測位置が実線で示される。図13には、夫々のずれ量が示される。すなわち、図12には「トレンド成分(長期的変動成分)」と「観測データ」とが示され、図13には「周期成分(短期的変動成分)」が示される。また、図14には、カルマンフィルタにおける誤差成分が示される。すなわち、図14は「ノイズ成分(白色雑音成分)」が示される。図13に示されるように、観測ノイズへの追従性能を敢えて下げることによって、滑らかなトレンド成分から逸脱した成分を抽出でき、人1の突発的な動きを検出することが可能であることがわかった。

0050

なお、図12図14には、図4に付されるS,T,Uの各時点のタイミングが示されている。また、特に図13には判定閾値も示されている。なお、図13では判定閾値は1つのみ示しているが、実際にはゼロ点を挟む等しい位置にも設定されている。具体的には、図13のY軸成分の場合には「−50」の位置だけでなく「+50」の位置にも設定されている。このように設定された判定閾値において、最初に判定閾値に達した場合に、突発的な動きがあったと判定するように構成されている。

0051

同様に図15には、図8のような人1が駆け足中に所定の位置で90度右方向に曲がった場合の3軸成分毎の移動傾向Aが破線で示され、位置検出部11により検出された人1の実測位置が実線で示される。図16には、夫々のずれ量が示される。すなわち、図15には「トレンド成分(長期的変動成分)」と「観測データ」とが示され、図16には「周期成分(短期的変動成分)」が示される。また、図17には、カルマンフィルタにおける誤差成分が示される。すなわち、図17は「ノイズ成分(白色雑音成分)」が示される。図16に示されるように、人1が駆け足中の例でも、観測ノイズへの追従性能を敢えて下げることによって、滑らかなトレンド成分から逸脱した成分を抽出でき、人1の突発的な動きを検出することが可能であることがわかった。

0052

以上のように、本発明によれば人1のような移動体の速度にかかわらず、突発的な動きを検出することができる。

0053

以下に、本発明の特徴を総括する。
道路上の移動体としての歩行者の動きは全くランダムではない。歩行者は、突発的な動きを極力さけるために先読みを行いながら、緩やかにまっすぐ進み、且つ、速度をあまり変化させたがらない傾向がある。よって、歩行者が歩くと予想される経路は、極力滑らかな曲線近似する必要がある。これは、単なる直線ではなく、また、ランダムな白色雑音でも近似できるものではない。過去との相関をもった有色雑音を前提とした確率的モデルで近似しなければならないことを意味する。

0054

本発明では、トレンド成分(長期的変動成分)と、その他の周期成分(短期的変動成分)とノイズ成分(白色雑音成分)への分解をオンラインで行う。トレンド成分の事前知識として、平滑化事前分布を用いる。この平滑化事前分布により、柔軟なモデル表現することができる。

0055

なお、「平滑化事前分布」に関連する解説や詳細な内容については、廣田薫、生哲一著「確率過程数理初版書店)、赤池弘治、川源四郎著「時系列解析の実際I」初版(朝倉書店)、赤池弘治、北川源四郎著「時系列解析の実際II」初版(朝倉書店)、廣毅、浪花貞夫著「経済時系列分析」初版(朝倉書店)、北川源四郎著「FORTRAN77 時系列解析プログラミング」初版(岩波書店)、Genshiro Kitagawa & Will Gersch 「A Smoothness Priors-State Space Modeling of Time Series with Trend and Seasonality」(Journal of the American Statistical Association Volume 79, Issue 386, 1984)に記載されている。よって、ここでの説明は省略する。

0056

このような予測(長期予測あるいは1期先予測)した位置に対して、観測値実測値)が大幅に外れた場合、歩行者の突発的な動きとして検出することが可能である。

0057

このような特徴により、本発明は以下の効果を奏することができる。歩行者の突発的な動きに対して、運転者とって自然な注意喚起を行う認知支援システムへ応用することが可能である。また、予測した結果を元に、画面に表示や、音声や、振動等で報知することが可能である。

0058

〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、移動体動作検出装置100が車両に備えられている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。車両以外のものに適用することは当然に可能である。

0059

上記実施形態では、移動体が人1であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。移動体として、人1以外の動物や、自転車バイク自動車等であっても検出することは当然に可能である。なお、上記実施形態においては、例えば、画像処理等によって移動体が人(もしくは歩行者)であることを判別する判別部を有して、他の移動体と人とを区別した上で処理を行っても良い。

0060

上記実施形態では、判定部14は、3次元空間座標系における3つの直交成分毎に突発的な動きを判定するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。直交成分毎にわけずに移動体の突発的な動きを判定するように構成することも当然に可能である。

0061

上記実施形態では、移動体に突発的な動きがあったと判定された場合に報知を行う報知部15が備えられてあるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。報知部15を備えずに構成することも当然に可能である。

0062

上記実施形態では、報知部15は、判定部14により継続して突発的な動きがあったと判定された場合に報知するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。報知部15は、判定部14により一瞬でも突発的な動きがあったと判定された場合に報知するように構成することも当然に可能である。

0063

上記実施形態では、移動傾向Aが検出結果に基づいて演算されるとして説明した。例えば、図2に示されるように、移動傾向Aを検出結果を繋いで求めることも可能であるし、或いは図18に示されるように、検出結果の変動の概略がわかる程度に求めることも当然に可能である。これにより、移動傾向Aの変動幅を変更することができる。このような変動幅を変更することにより、突発的な動きの検出感度を変更することが可能となる。係る場合には、移動傾向Aの変動幅を設定するパラメータを変更可能に構成すると好適である。

0064

上記実施形態では、判定部14は、動作状態として移動体に突発的な動きがあったか否かを判定するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。判定部14は、移動傾向Aからずれたものであれば、突発的な動きでない移動体の動作を検出することも当然に可能である。

0065

本発明は、移動体の動作を検出する移動体動作検出装置に用いることが可能である。

0066

11:位置検出部
12:記憶部
13:移動傾向演算部
14:判定部
15:報知部
100:移動体動作検出装置
A:移動傾向

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