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技術 定着装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 早瀬徹
出願日 2012年9月28日 (7年9ヶ月経過) 出願番号 2012-216502
公開日 2014年4月21日 (6年2ヶ月経過) 公開番号 2014-071234
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における定着 電子写真における制御・管理・保安
主要キーワード 高温箇所 フッ素系コーティング 左側部材 最高温度位置 右側部材 マグネシューム ラック歯車 概説図
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年4月21日)のものです。
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図面 (17)

課題

定着回転体34と加圧ローラ35とのニップ部に用紙Pを通過させることにより未転写トナー像を用紙Pに溶融定着させる定着装置において、定着回転体34の非通紙領域温度上昇温度ムラを抑制する。

解決手段

送風ファン41から送風を定着回転体34に吹き付けて非通紙領域を冷却する際、非通紙領域の全体に送風を吹き付けて冷却する全体冷却モードと、高温箇所を含む局所領域に送風を吹き付けて冷却する局所冷却モードとを所定時間毎に交互に実施する。

概要

背景

電子写真方式画像形成装置では、帯電装置によって一様に帯電させた感光体表面に、原稿電子データなどに対応した光を照射して静電潜像を形成し、この感光体の静電潜像にトナーを付着させ現像してトナー画像を作る。そして、このトナー画像を用紙に転写した後、トナー画像を加熱・加圧して用紙に溶融定着させる。

トナー画像を加熱・加圧する定着装置としては、定着回転体加圧回転体とのニップ部に、未定着のトナー画像が形成された用紙を通過させてトナー画像を溶融定着させる装置が広く使用されている。このような構成の定着装置では、定着回転体の、用紙が通過する通紙領域に比べて、用紙が通過しない非通紙領域で温度が過度に上がる傾向がある。このような過昇温が生じると、定着回転体を構成する弾性層寿命が短くなる問題が生じる。また、小サイズの用紙から大サイズの用紙に切り替えた場合に、定着回転体の回転軸方向の温度ムラに起因してトナー画像に光沢ムラが生じることもある。

そこで、例えば特許文献1では、定着ニップ部に向けて風を送るための送風口を、移動可能な遮蔽板で部分的に遮蔽し、非通紙領域で最も高い温度を示した位置で遮蔽板の移動速度を最も遅くして冷却を強化し温度ムラを抑制する技術が開示されている。

概要

定着回転体34と加圧ローラ35とのニップ部に用紙Pを通過させることにより未転写トナー像を用紙Pに溶融定着させる定着装置において、定着回転体34の非通紙領域の温度上昇と温度ムラを抑制する。送風ファン41から送風を定着回転体34に吹き付けて非通紙領域を冷却する際、非通紙領域の全体に送風を吹き付けて冷却する全体冷却モードと、高温箇所を含む局所領域に送風を吹き付けて冷却する局所冷却モードとを所定時間毎に交互に実施する。

目的

本発明の目的は、定着回転体の非通紙領域における温度上昇と温度ムラを抑制できる定着装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

発熱部材を有する定着回転体と、この定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体とを有し、前記ニップ部に用紙を通過させることにより未転写トナー像を用紙に溶融定着させる定着装置において、用紙の搬送方向に対して垂直方向の長さを検知するサイズ検知手段と、前記定着回転体の温度を検知する、回転軸方向に複数設けられた温度検知手段と、前記定着回転体を送風により冷却する冷却手段と、前記冷却手段による冷却域可変する冷却域可変手段と、前記冷却可変手段による冷却域及び冷却時間を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記冷却手段で前記定着回転体を冷却する際、前記冷却域可変手段による、非通紙領域全体を冷却する全体冷却モードと、前記温度検出手段で検出した非通紙領域の高温箇所を含む領域を冷却する局所冷却モードとを所定時間毎に交互に繰り返し実施することを特徴とする定着装置。

請求項2

前記制御手段は、前記冷却手段による前記定着回転体の冷却開始後、非通紙領域において、前記複数の温度検知手段による最高検知温度最低検知温度との差が所定値以上で、且つ、最高検知温度が局所冷却領域内で検知された場合には、局所冷却モードの冷却時間比率を高くし、最高検知温度が局所冷却領域外で検知された場合には、全体冷却モードの冷却時間比率を高くする請求項1又は2記載の定着装置。

請求項3

前記制御手段は、前記冷却手段による前記定着回転体の冷却開始後、非通紙領域において、前記複数の温度検知手段による最高検知温度と最低検知温度との差が所定値以上で、且つ、最高検知温度が局所冷却領域内で検知された場合には、局所冷却モードの冷却領域を狭くし、最高検知温度が局所冷却領域外で検知された場合には、局所冷却モードの冷却領域を広くする請求項1又は2記載の定着装置。

請求項4

前記冷却域可変手段は、前記冷却手段からの送風が吹き出す送風口に、回転軸方向に移動可能に設けられた一対の遮蔽板であって、この一対の遮蔽板を移動させることによって送風の吹き出し位置及び開度を調整する請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。

技術分野

0001

本発明は複写機プリンタファクシミリ、複写機などの電子写真方式画像形成装置に用いられる定着装置に関するものである。

背景技術

0002

電子写真方式の画像形成装置では、帯電装置によって一様に帯電させた感光体表面に、原稿電子データなどに対応した光を照射して静電潜像を形成し、この感光体の静電潜像にトナーを付着させ現像してトナー画像を作る。そして、このトナー画像を用紙に転写した後、トナー画像を加熱・加圧して用紙に溶融定着させる。

0003

トナー画像を加熱・加圧する定着装置としては、定着回転体加圧回転体とのニップ部に、未定着のトナー画像が形成された用紙を通過させてトナー画像を溶融定着させる装置が広く使用されている。このような構成の定着装置では、定着回転体の、用紙が通過する通紙領域に比べて、用紙が通過しない非通紙領域で温度が過度に上がる傾向がある。このような過昇温が生じると、定着回転体を構成する弾性層寿命が短くなる問題が生じる。また、小サイズの用紙から大サイズの用紙に切り替えた場合に、定着回転体の回転軸方向の温度ムラに起因してトナー画像に光沢ムラが生じることもある。

0004

そこで、例えば特許文献1では、定着ニップ部に向けて風を送るための送風口を、移動可能な遮蔽板で部分的に遮蔽し、非通紙領域で最も高い温度を示した位置で遮蔽板の移動速度を最も遅くして冷却を強化し温度ムラを抑制する技術が開示されている。

先行技術

0005

特開2009-237203号公報

発明が解決しようとする課題

0006

図16に定着回転体の温度分布例示す。通常、定着回転体の表面温度は、非通紙領域のほぼ中央部の位置K3で最高温度となる(図16実線)。したがって、特許文献1に開示の技術では、遮蔽板の移動速度は非通紙領域の位置K3を通過するときに最も遅い速度となる。ところが、このとき、送風口が全開となる遮蔽板の位置Kと位置K3との間は風が当たらないので、その後、位置K3よりも回転軸方向内方側の位置K4において最高温度となる(図16破線)。そして、位置K4を通過するときに遮蔽板の移動速度が最も遅い速度となる。すると、今度は、位置K3が最高温度となり、再び遮蔽板の移動速度は位置K3を通過するときに最も遅い速度となる。このような動作が繰り返され、温度ムラは抑制されない。

0007

本発明の目的は、定着回転体の非通紙領域における温度上昇と温度ムラを抑制できる定着装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明によれば、発熱部材を有する定着回転体と、この定着回転体に圧接してニップ部を形成する加圧回転体とを有し、前記ニップ部に用紙を通過させることにより未転写トナー像を用紙に溶融定着させる定着装置であって、用紙の搬送方向に対して垂直方向の長さを検知するサイズ検知手段と、前記定着回転体の温度を検知する、回転軸方向に複数設けられた温度検知手段と、前記定着回転体を送風により冷却する冷却手段と、前記冷却手段による冷却域可変する冷却域可変手段と、前記冷却可変手段による冷却域及び冷却時間を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記冷却手段で前記定着回転体を冷却する際、前記冷却域可変手段による、非通紙領域全体を冷却する全体冷却モードと、前記温度検出手段で検出した非通紙領域の高温箇所を含む領域を冷却する局所冷却モードとを所定時間毎に交互に繰り返し実施することを特徴とする定着装置が提供される。

0009

記制御手段は、前記冷却手段による前記定着回転体の冷却開始後、非通紙領域において、前記複数の温度検知手段による最高検知温度最低検知温度との差が所定値以上で、且つ、最高検知温度が局所冷却領域内で検知された場合には、局所冷却モードの冷却時間比率を高くし、最高検知温度が局所冷却領域外で検知された場合には、全体冷却モードの冷却時間比率を高くするようにしてもよい。

0010

あるいは、前記制御手段は、前記冷却手段による前記定着回転体の冷却開始後、非通紙領域において、前記複数の温度検知手段による最高検知温度と最低検知温度との差が所定値以上で、且つ、最高検知温度が局所冷却領域内で検知された場合には、局所冷却モードの冷却領域を狭くし、最高検知温度が局所冷却領域外で検知された場合には、局所冷却モードの冷却領域を広くするようにしてもよい。

0011

前記冷却域可変手段として、前記冷却手段からの送風が吹き出す送風口に、回転軸方向に移動可能に設けられた一対の遮蔽板を用い、この一対の遮蔽板を移動させることによって送風の吹き出し位置及び開度を調整するようにしてもよい。

発明の効果

0012

本発明の定着装置では、全体冷却モードの場合と局所冷却モードとを所定時間毎に交互に繰り返し定着回転体の非通紙領域を冷却するので、非通紙領域における温度上昇と温度ムラを効果的に抑制できる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の定着装置を搭載した画像形成装置の一例を示す概説図
本発明の定着装置の一例を示す概略斜視図。
本発明の定着装置の一例を示す概略断面図。
発熱ベルト積層構造を示す部分断面図。
定着回転体の冷却構成例を示す概説図。
図5で示す定着装置において送風口が全開のときの図。
図5で示す定着装置において送風口が一部閉鎖されたときの図。
図5で示す定着装置において送風口が全閉のときの図。
サイズの小さい用紙を定着処理する場合の、全体冷却モードのときの非通紙領域と送風口の関係を説明する図。
サイズの小さい用紙を定着処理する場合の、局所冷却モードのときの非通紙領域と送風口の関係を説明する図。
サイズの大きい用紙を定着処理する場合の、全体冷却モードのときの非通紙領域と送風口の関係を説明する図。
サイズの大きい用紙を定着処理する場合の、局所冷却モードのときの非通紙領域と送風口の関係を説明する図。
本発明の定着装置の動作制御例を示すフローチャート
本発明の定着装置の他の動作制御例を示すフローチャート。
本発明の定着装置における定着回転体の温度分布図
従来の定着装置における定着回転体の温度分布図。

実施例

0014

以下、本発明の定着装置について図に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。

0015

図1は、本発明の定着装置を搭載した画像形成装置Dの一例を示す概説図である。画像形成装置Dは、所謂タンデム方式カラープリンターである。画像形成装置Dには、ローラ22と23とに掛架された無端状の中間転写ベルト21がほぼ中央部に設けられている。ローラ22は不図示のモータによって反時計回りに回転し、これによって中間転写ベルト21とこれに接するローラ23は従動回転する。ローラ22に支持されているベルト部分の外側には、2次転写ローラ24が圧接している。2次転写ローラ24と中間転写ベルト22とのニップ部(2次転写領域N2)において中間転写ベルト21上に形成されたトナー画像が、搬送されてきた用紙Pに2次転写される。

0016

また、ローラ23に支持されているベルト部分の外側には、中間転写ベルト21の表面をクリーニングするベルトクリーニング部25が設けられている。ベルトクリーニング部25は、中間転写ベルト21上の未転写トナーを除去・回収する。

0017

中間転写ベルト21の下方には、中間転写ベルト21の回転方向上流側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの作像ユニット10Y,10M,10C,10K(以下、「作像ユニット10」と総称する)が、装置本体に対して着脱自在に配置されている。これらの作像ユニット10では、異なる色のトナー画像が作成される。

0018

作像ユニット10には、円筒状の感光体20を中心としてその周囲に、回転方向時計回り方向)に、帯電装置、露光装置現像装置、1次転写ローラ、およびクリーニング装置が配置されている。1次転写ローラは中間転写ベルト21を挟んで感光体に圧接し、ニップ部(1次転写領域)N1を形成している。この構成は、作像ユニット10に関係なく同じであるので、図1では作像ユニット10Yの1次転写領域にのみ符号N1を付した。

0019

図1に示すように、作像ユニット10の下部には、給紙装置として給紙カセット71が着脱可能に配置されている。給紙カセット71内に積載収容された用紙Pは、給紙カセット71の近傍に配置された給紙ローラ72の回転によって最上紙から順に1枚ずつ搬送路送り出される。給紙カセット71から送り出された用紙Pは、レジストローラ対73に搬送され、ここで所定のタイミングで前述の2次転写領域N2に送り出される。

0020

カラー画像作像動作について簡単に説明する。まず、各作像ユニット10において、所定の周速度で回転駆動される感光体20の外周面が帯電装置により一様に帯電される。次に、帯電された感光体の表面に、画像情報に応じた光が露光装置から投射されて静電潜像が形成される。続いて、この静電潜像は、現像装置から供給される現像剤としてのトナーにより可視像化される。このようにして感光体の表面に形成された各色のトナー画像は、感光体の回転によって1次転写領域に達すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体から中間転写ベルト21上へ転写(1次転写)されて重ねられる。

0021

中間転写ベルト21に転写されることなく感光体上に残った残留トナーは、クリーニング装置で掻き取られ、感光体20の外周面から除去される。

0022

重ね合わされた4色のトナー画像は、中間転写ベルト21によって2次転写領域N2に搬送される。一方、そのタイミングに合わせて、レジストローラ対73から2次転写領域N2に用紙Pが搬送される。そして、4色のトナー画像が、2次転写領域N2において中間転写ベルト21から用紙Pに転写(2次転写)され、その後、定着装置3へ搬送される。定着装置3において、用紙Pは、後述する発熱ベルトと加圧ローラとのニップ部N3を通過する。この間に加熱・加圧され、用紙P上のトナー画像は溶融定着する。トナー画像が定着した用紙Pは排出ローラ対74によって装置の上面に形成された排紙トレイ75へ排出される。

0023

定着装置3を図2から図4を用いて説明する。この定着装置3は、省エネルギー応答性の観点から加熱部の熱容量の低減を図ったもので、定着回転体34と加圧ローラ(加圧回転体)35とを備える。定着回転体34は、無端ベルト状の発熱ベルト(発熱部材)31と、発熱ベルト31の内側に配置され、発熱ベルトを挟んで加圧ローラ35と圧接する弾性体ローラ32とを備える。加圧ローラ35は、芯金の外周に、不図示の弾性層及び離型層が積層されてなり、不図示の付勢部材によって定着回転体34に圧接され、ニップ部N3が形成されている。発熱ベルト31の内径は弾性体ローラ32の外径よりも大きくされている。これにより、発熱ベルト31と弾性体ローラ32との接触部が小さくなり、発熱ベルト31から弾性体ローラ32への熱移動量が少なくなる。

0024

図3に、定着回転体34を空冷する冷却手段4の概説図を示す。冷却手段4は、送風ファン41とダクト42とを有し、定着回転体34の回転軸方向両端部に風を送って定着回転体34を冷却する。ダクト42の途中には、冷却域可変手段5が設けられている。冷却域可変手段5については後述する。送風ファン41から送られた空気は、定着回転体34から熱を奪った後、排出口43から排気される。

0025

図4に示すように、発熱ベルト31は、内側から順に、発熱層311と、補強層312と、弾性層313と、離型層314とを有し、ベルト幅方向両端部には電極315L,315R(以下、電極315と称す場合がある)が設けられている。そして、図2に示すように、電極315が、給電部材38L,38R(以下、給電部材38と称す場合がある)と接触して発熱層311に電気が流れて発熱層311が発熱する。そして、発熱ベルト31の表面温度は、2つの温度検知手段61L,61R(以下、温度検知手段61と称す場合がある)によって、回転軸方向の中央部から端部までの複数点で検知される。温度検知手段61としては、例えば、サーミスタサーモパイルマルチアレイサーモパイルなどが使用できるが、複数箇所の温度を測定できるマルチアレイサーモパイルが好適である。

0026

発熱層311は、樹脂導電フィラーを分散させることにより所定の電気抵抗率に調整する。樹脂はPI、PPS、PEEK等の耐熱樹脂を用いることが出来るが、PIが耐熱性の点から好ましい。導電フィラーとしては、銀、銅、アルミマグネシュームニッケルなどの金属粉末や、グラファイトカーボンブラックカーボンナノファイバーカーボンナノチューブなどの炭素化合物粉末が望ましく、各々複数種類混合分散させてもよい。その形状は少ない含有量フィラー同士の接触確率を高くしパーコレーションしやすくするため繊維状が望ましい。耐熱樹脂中に分散させる導電フィラーは炭素化合物であれば40〜50ボリューム%であることが好ましく、分散させるフィラー量が多いと抵抗が低くなって給電側電源許容範囲を超える恐れがあり、フィラー量が少ないと抵抗が高くなって所望の電力を供給出来なくなるので、望ましい抵抗値を得るフィラー量を選択する。発熱層311の厚さは任意であるが30〜150μm程度が望ましい。

0027

電気抵抗率は、発熱層311の厚さや発熱ベルト31の径と軸方向長さで変わり、給電側の条件も考慮して金属合金金属間化合物などの導電性粒子を適当に配合してもよい。又、機械的な強度の点からガラスファイバーウィスカー酸化チタンチタン酸カリウムなどを入れても構わないし、熱伝導率の点から窒化アルミアルミナなどを入れてもよい。更に、製造上の安定性からイミド化剤カップリング剤界面活性剤消泡剤を入れても構わない。発熱層311は、芳香族テトラカルボン酸二無水物芳香族ジアミンとを有機溶媒中で重合して得られるポリイミドワニスに導電フィラーを均一分散させてから金型に塗布しイミド転化させて製造する。

0028

補強層312は、導電フィラー分散による発熱層311の強度が低下することを補強する役割を果たすもので、発熱層311の強度が十分な場合は絶縁層は設けなくてもよい。絶縁層の材料として、発熱層311との接触性を確保するために同種の樹脂でもよいし、発熱層311とは別母材のPI、PPS、PEEK等の耐熱樹脂を用いてもよい。厚さは5〜100μm程度が好ましい。

0029

弾性層313は、カラー画像の光沢ムラを防止するために設ける。材料はシリコンゴムフッ素ゴム等の体熱性の高いゴム材料が用いられる。厚さは100μm〜300μm程度が好ましい。

0030

離型層314は、PFAPTFE、ETFEなどのフッ素系チューブ及びフッ素系コーティング等の離型性を付与した構成が望ましく、導電性の場合もある。厚さは任意であるが、5〜100μm程度が望ましい。フッ素系チューブの例としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)製PFA350−J、451HP−J、951HPプラス等がある。水との接触角は90度以上であり、望ましくは110度以上である。表面粗さRaは0.01μm〜50μm程度が望ましい。

0031

電極315は、例えば銅、アルミ、ニッケル、ステンレス真鍮リン青銅などの金属を用いることができるが、電気抵抗率が低く耐熱性と耐酸化性に優れたニッケル、ステンレス、アルミ等の使用が望ましい。電極層の厚さは20μm〜80μmが望ましい。

0032

電極315への給電は、銅黒鉛質炭素黒鉛質等のカーボンブラシ等の給電部材38から行われる。給電部材38は所定の力で電極315へ押圧されており、電極315の発熱ベルト31軸方向の長さは給電部材38の軸方向長さ以上であり、周方向の長さは接触面積がカーボンブラシの許容電流密度を超えない範囲で任意に設定する。接触面の形状はベルトの曲面に沿った形状にすると接触面積が広く電流密度が低下して好ましい。この給電部材38へはハーネスを経由して電力が供給される。

0033

次に加圧ローラ35について説明する。加圧ローラ35の外径は20mm〜100mmが望ましい。加圧ローラ35の離型層はPFA、PTFEといったフッ素系チューブ及びフッ素系コーティング等の離型性を付与した構成が望ましく、導電性の場合もあり、厚さは5μm〜100μmである。弾性層は、シリコンゴム、フッ素系ゴム等の耐熱性の高い材料が望ましく、厚さは1mm〜20mmである。芯金はアルミ、鉄等の金属が望ましくパイプ形状で厚さが0.1mm〜10mmの場合や中実や断面形状が三ツ矢形状等の異形の場合もある。

0034

本発明の定着装置における冷却制御について、図5から図8を用いて以下に説明する。図5に、定着回転体34と加圧ローラ35とのニップ部によって用紙Pが挟持・搬送されている状態図を示す。なお、図中、左右対称に配置されている部材については、符号の後に左側部材には「L」、右側部材には「R」を付けて区別している。以下の説明において、「L」や「R」を省略して部材の説明をする場合がある。

0035

送風ファン41L,41Rの駆動によって空気はダクト42L,42Rを通って送風口44L,44Rから定着回転体34の両端部に吹き付けられる。このとき、定着回転体34の温度は、温度検知手段61L,61Rによって測定されている。この温度検知手段61L,61Rは、非通紙領域だけでなく通紙領域の温度も測定する。なお、この実施形態では、2つの送風ファン41L,41Rを用いているが、1つの送風ファンを用い、ダクトを途中で分岐させて2つ送風口44L,44Rから吹き出すようにしてもよい。

0036

用紙Pのサイズは、サイズ検知手段62L,62Rによって検知され、検知結果は制御装置64に送られる。ここで定着回転体34における非通紙領域が算出される。なお、用紙Pのサイズは、使用者による入力や、給紙カセット71に収納されたときの検知データによって認識してもよい。あるいは、用紙Pが通過した範囲は発熱ベルト31の温度が低下するので、その範囲を温度検知手段61で測定し用紙サイズを検知するようにしてもよい。

0037

図6から図8に、冷却域可変手段5を構成する遮蔽板52と遮蔽板55、及びその移動機構を示す。図6から図8は、定着回転体34から冷却域可変手段5の方向を見た図である。以下の説明では、左右を意味する「L」及び「R」を略して説明する。

0038

基板51の軸方向両端部に送風口44が形成されている。送風口44にはそれぞれ遮蔽板52と遮蔽板55とが軸方向に移動可能に設けられている。遮蔽板52は、ラック歯車53Gが形成された支持杆53で保持されている。そして、2つの支持杆53は所定距離隔てて略平行に配置され、2つの支持杆53のラック歯車53Gはそれぞれ、支持杆53の間に配置されたピニオン歯車54と?み合っている。ピニオン歯車54が、図6において反時計回りに回転すると、遮蔽板52は中央側から送風口44を閉鎖する方向に移動する。一方、遮蔽板55は、ラック歯車56Gが形成された支持杆56で保持されている。そして、2つの支持杆56は所定距離隔てて略平行に配置され、2つの支持杆56のラック歯車56Gはそれぞれ、支持杆56の間に配置されたピニオン歯車57と?み合っている。ピニオン歯車57が、図6において時計回りに回転すると、遮蔽板56は端部側から送風口44を閉鎖する方向に移動する。ピニオン歯車54及びピニオン歯車57はモータ58、59(図5に図示)によってそれぞれ独立して駆動可能とされている。

0039

図6は、遮蔽板52と遮蔽板55とが送風口44を塞いでいない全開状態である。図7は、ピニオン歯車54が反時計回りに、ピニオン歯車57が時計回り方向に少し回転し、送風口44が左右から少し閉じられた状態である。図8は、ピニオン歯車54とピニオン歯車57とがされに回転し、送風口44が全て閉鎖された状態である。なお、図6から図8では、ピニオン歯車54とピニオン歯車57とが同時に回転する場合を示したが、ピニオン歯車54及びピニオン歯車57は個別に回転可能であり、例えば、いずれか一方のピニオン歯車を回転させて、遮蔽板52及び遮蔽板55の一方を移動させ、送風口44の一部を塞ぐこともできる。

0040

定着回転体34の温度や、用紙Pのサイズの情報に基づく非通紙領域の情報は制御装置64(図5に図示)へ送られる。また、送風ファン41やモータ58,59の駆動は制御装置64によって行われる。さらに、発熱ベルト31の発熱層311への電力供給は温度検知手段61の信号に基づいて、定着最適温度になるよう制御装置64によって行われる。

0041

図9から図12に、用紙サイズ、定着回転体34の非通紙領域、送風ファンによる冷却域を説明する図を示す。図9及び図10は、サイズの小さい用紙(用紙幅:W1)の定着処理を行う場合である。非通紙領域は、用紙の両端から定着回転体34の電極315まで間(X1)である。図9に示す定着装置では、送風口44の横幅Y1と非通紙領域X1とは等しく、全体冷却モードのとき、送風口44は全開とされ非通紙領域X1の全体が冷却される。一方、局所冷却モードのときは、図10に示すように、遮蔽板52,55が移動して非通紙領域X1の、高温箇所を含む一部領域が集中的に冷却される。

0042

図11及び図12は、サイズの大きい用紙(用紙幅:W2)の定着処理を行う場合である。非通紙領域は、用紙の両端から定着回転体34の電極315まで間(X2)であり、全体冷却モードのときは、遮蔽板52が移動して送風口44は、非通紙領域X2と等しい横幅Z1とされる。一方、局所冷却モードのときは、図12に示すように、遮蔽板52,55が移動して送風口44は横幅Z2まで狭くされ、非通紙領域X2の、高温箇所を含む一部領域が集中的に冷却される。このように、冷却域可変手段5は、非通紙領域の広さや高温が発生した位置に応じて送風口44の横幅やその位置を適宜変えることができる。

0043

全体冷却モードにおける送風口44の開度は、サイズ検知手段62L,62Rで検知された用紙Pのサイズから、制御装置64によって定着回転体34における非通紙領域が算出され制御される。送風口44の開度は遮蔽板52,55の移動によって調整される。このとき、通紙領域の温度低下を防止する観点から、遮蔽板52の外側端の位置は、非通紙領域と通紙領域との境界より0〜10mm程度外側に位置させるのが好ましい。

0044

一方、局所冷却モードにおける送風口44の開口位置は、まず冷却域の中心を定める。冷却域の中心は、非通紙領域の幅などから算出し定めることも可能であるが、温度検知手段61によって検知された最高温度位置とするのが好ましい。そして、局所冷却域の幅(送風口の開度)は、用紙Pのサイズによって予め設定した幅とすればよい。表1に、用紙サイズに対する局所冷却域の幅の一例を示す。表1から理解されるように、サイズの小さい用紙ほど定着回転体34の非通紙領域が広くなるので、局所冷却域の幅も広く設定される。

0045

0046

非通紙領域の部分的な温度上昇をより効率的に抑える観点から、冷却途中において、局所冷却モードでの冷却をより狭い領域で行うようにしても構わない。表2に、用紙サイズに対する、より狭い局所冷却域の幅の例を示す。

0047

0048

非通紙領域の冷却は、全体冷却モードと局所冷却モードとが交互に繰り返すことにより行われる。全体冷却モードによる冷却時間としては5秒〜10秒の範囲が好ましく、局所冷却モードによる冷却時間としては3秒〜7秒の範囲が好ましい。全体冷却モードと局所冷却モードの冷却時間の比率は、非通紙領域の検知温度から所定温度以上の高温域が生じないように適宜変化させてもよい。

0049

図13に、非通紙領域の冷却制御例を示すフローチャートを示す。プリント動作が始まると、サイズ検知手段62によって用紙Pのサイズが検知され、非通紙領域が定められる(ステップS1)。次いで、非通紙領域の軸方向複数箇所の温度が検出される(ステップS2)。そして、検出した最高温度が許容温度(例えば200℃)を超えている場合は(ステップS3)、最高温度を検出した位置が局所冷却モードの冷却域中心と定められるとともに(ステップS4)、用紙Pのサイズから局所冷却域の幅が定められる。

0050

次いで、送風ファン41が駆動し(ステップS5)、局所冷却モードでの冷却が開始される(ステップS6)。そして、所定時間経過後(ステップS7)、局所冷却モードに替わって全体冷却モードでの冷却が開始される(ステップS8)。所定時間経過後(ステップS9)、非通紙領域の軸方向複数箇所の温度が検出され(ステップS10)、検出した最高温度が許容温度(例えば200℃)を超えている場合は(ステップS11)、さらに、検出した最高温度と最低温度との差(温度ムラ)が許容温度(例えば10℃)を超えているかどうかが判断される(ステップS12)。そして、温度ムラが許容温度を超えている場合は、最高温度を示している位置が局所冷却域内であるかどうかが判断される(ステップS13)。最高温度を示している位置が局所冷却域内である場合は、局所冷却モードの時間比率が高くされ(ステップS14)、最高温度を示している位置が局所冷却域内でない場合は、全体冷却モードの時間比率が高くされた後(ステップS15)、ステップS6に戻り、局所冷却モード及び全体冷却モードでの冷却が交互に繰り返される。

0051

一方、検出した最高温度が許容温度を超えていない場合は(ステップS11)、送風ファン41が停止される(ステップS16)。そして、プリント動作が終了していない場合はステップS10に戻り、非通紙領域の軸方向複数箇所の温度が検出される。また、温度ムラが許容温度を超えていない場合は(ステップS12)、ステップS6に戻り、局所冷却モード及び全体冷却モードでの冷却が交互に繰り返される。

0052

図14に、全体冷却モード及び局所冷却モードの冷却条件を変更する場合の他の例を示す。なお、この図に示すフローチャートは、ステップS18とステップS19以外は図13のフローチャートと同じであるので、同じ部分の説明は省略し異なる部分のみ以下説明する。ステップS13において最高温度を示した位置が局所冷却域内である場合は、局所冷却域をより狭くして、一層集中的に冷却を行う(ステップS18)。例えば、局所冷却域を表1に示す領域から表2に示す領域に変更する。一方、最高温度を検出した位置が局所冷却域外である場合は、局所冷却域を広くする(ステップS19)。これにより、局所冷却域と最高温度検出位置との距離を短くし、最高温度検出位置から局所冷却域への伝熱を高めて局所冷却域外の温度を下げる。

0053

このように本発明の定着装置では、非通紙領域の全体を冷却する全体冷却モードと、最高温度を示した位置を中心とした所定範囲を冷却する局所冷却モードを交互に繰返すことにより、非通紙領域における部分的な高温部及び温度ムラの発生を防止する。図15に、定着回転体34における温度分布の測定結果を示す。この図から理解されるように、本発明の定着装置では、非通紙領域の全体T1を冷却する全体冷却モードと、その中の一部T2を冷却する局所冷却モードとが繰り返された結果、非通紙領域はほぼ同じ温度に抑えられた。

0054

本発明の定着装置では、非通紙領域における温度上昇と温度ムラを効果的に抑制でき有用である。

0055

3定着装置
4 冷却手段
5冷却域可変手段
P 用紙
31発熱ベルト(発熱部材)
32弾性体ローラ
34定着回転体
35加圧ローラ(加圧回転体)
44送風口
52遮蔽板
55 遮蔽板
58,59モータ
61温度検知手段
62サイズ検知手段
64 制御装置

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