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技術 電極リード棒の固定構造及びその固定方法

出願人 岩崎電気株式会社
発明者 折戸日出海伊藤孝志堀井大祐渡邉朋也
出願日 2012年9月26日 (8年2ヶ月経過) 出願番号 2012-211649
公開日 2014年4月17日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2014-067569
状態 特許登録済
技術分野 電子管、放電灯のうつわ、導入線等の製造 放電灯用うつわ・被膜
主要キーワード ガラス菅 ガラス巻き 陰極用電極 陽極用電極 各電極ユニット 電極リード棒 タングステンロッド 陽極側電極
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図面 (10)

課題

電極リード棒の周囲に形成されたガラス巻部を比較的小径ガラス管の端部に溶着する際におけるブリッジの発生を防止する。

解決手段

電極リード棒18の周囲にガラス巻部27が形成され、ガラス巻部27にガラス管26の端部を溶着する電極リード棒の固定構造である。ガラス巻部27にガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28が形成され、フレア部28がガラス管26の端部に溶着される。フレア部28の外径がガラス管26の内径より小さく形成され、ガラス管26の端部に挿入させたフレア部28の外周がガラス管26の内周に溶着される。又はフレア部28の外径がガラス管26の内径より大きくガラス管26の外径より小さく形成され、ガラス管26の端縁にフレア部28の側面が溶着される。

概要

背景

従来、殺菌処理等に用いられるランプとして、高出力、高照度紫外線放射するキセノンフラッシュランプ閃光放電灯)が知られている。例えば図9(b)に示すように、このキセノンフラッシュランプ40は、紫外線透過率の高い石英ガラスによって円筒形成形され希ガスキセノンガス封入されたガラス製発光管41の両端に一対の電極ユニット42,43が対向して配置された構造になっている。各電極ユニット42,43は、発光管41の両端部の内側に対向配置された電極48,49と、それらの電極48,49が先端に接合された金属製電極リード棒44,45とをそれぞれ備える。一対の電極48,49及び電極リード棒44,45はそれぞれタングステンにより形成され、陰極となる電極49の先端には、図示しない電子放出性物質燒結体が固着される。

このようなフラッシュランプ40の電極リード棒44,45の発光管41端部への従来の封止手順は、図9(a)に示すように、タングステンからなる電極リード棒44,45を不活性ガス雰囲気中で高周波又は発熱体で加熱して、その中間部における外周面に先ず封止用ガラス材をガラス巻き加工してガラス巻部46,47を形成する。一方、発光管41にあっては、それを大気中で回転させながら、プロパン酸素又は水素と酸素の混合燃焼ガスで加熱し、発光管41の両端部に軸方向に熱膨張率が変化する段継ぎガラス管51,52を同軸に接合させる。そして、発光管41の端部の段継ぎガラス管51,52の開口部に電極ユニット42,43を電極48,49の側から挿入する。その後、発光管41を大気中で回転させながら、プロパンと酸素又は水素と酸素の混合燃焼ガスで加熱し、段継ぎガラス管51,52の端部を縮径させて電極リード棒44,45の周囲に形成されたガラス巻部46,47と接続している(例えば、特許文献1参照。)。

しかし、石英ガラスから成る発光管41とタングステンから成る電極リード棒44,45ではその熱膨張率が相違することから、その電極リード棒44,45を発光管41の端部に密着封止する際に加えられる熱ストレスが発光管41と電極リード棒44,45との接合部分に残存し、石英ガラス単体から成る発光管41の機械的強度に比較して、その接合部分の機械的強度は低下する。このような接合部分の強度の低下は、その接合箇所に段継ぎガラス管51,52を介装させた場合であっても生じる。このため、作業員がフラッシュランプ40における発光管41の端部を把持すると、その作業員が把持する力が、その接合箇所又はその接合箇所に存在する段継ぎガラス管51,52に直接的に加えられ、その加えられた力により接合箇所が破損するような不具合が生じる。

このような不具合を解消するために、図8に詳しく示すように、段継ぎガラス管52を発光管41の端部に挿入してしまい、段継ぎガラス管52の一端を縮径させて電極リード棒45に形成されたガラス巻部47に溶着し、段継ぎガラス管52の他端を発光管41の端部に溶着することが考えられる。このような構造であれば、機械的強度が小さい電極リード棒45と段継ぎガラス管52との融着固定部及び段継ぎガラス管52そのものを、機械的強度が比較的強い発光管41の端部内側に収めることができる。すると、作業員がその発光管41の端部を把持したとしても、その発光管41の端部内側に存在する電極リード棒45と段継ぎガラス管52との融着固定部及び段継ぎガラス管52自体が直接的に作業員の手によって把持されるようなことはない。このため、作業員が把持することにより生じる外力が直接的に加えられることに起因する電極リード棒45の固定箇所の破損を防止することができると考えられる。

概要

電極リード棒の周囲に形成されたガラス巻部を比較的小径ガラス管の端部に溶着する際におけるブリッジの発生を防止する。電極リード棒18の周囲にガラス巻部27が形成され、ガラス巻部27にガラス管26の端部を溶着する電極リード棒の固定構造である。ガラス巻部27にガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28が形成され、フレア部28がガラス管26の端部に溶着される。フレア部28の外径がガラス管26の内径より小さく形成され、ガラス管26の端部に挿入させたフレア部28の外周がガラス管26の内周に溶着される。又はフレア部28の外径がガラス管26の内径より大きくガラス管26の外径より小さく形成され、ガラス管26の端縁にフレア部28の側面が溶着される。

目的

本発明の目的は、電極リード棒の周囲に形成されたガラス巻部を比較的小径のガラス管の端部に溶着する際に、その端部以外の部分がガラス巻部と接合されることを防止し得る電極リード棒の固定構造及びその固定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

電極リード棒(14,18)の周囲にガラス巻部(22,27)が形成され、前記ガラス巻部(22,27)にガラス管(21,26)の端部を溶着する電極リード棒の固定構造において、前記ガラス巻部(22,27)に前記ガラス巻部(22,27)の外径を拡大するフレア部(23,28)が形成され、前記フレア部(23,28)が前記ガラス管(21,26)の端部に溶着されたことを特徴とする電極リード棒の固定構造。

請求項2

フレア部(23,28)の外径がガラス管(21,26)の内径より小さく形成され、前記ガラス管(21,26)の端部に挿入させた前記フレア部(23,28)の外周が前記ガラス管(21,26)の内周に溶着された請求項1記載の電極リード棒の固定構造。

請求項3

フレア部(23,28)の外径がガラス管(21,26)の内径より大きく前記ガラス管(21,26)の外径より小さく形成され、前記ガラス管(21,26)の端縁に前記フレア部(23,28)の側面が溶着された請求項1記載の電極リード棒の固定構造。

請求項4

電極リード棒(14,18)の周囲にガラス巻部(22,27)を形成し、前記ガラス巻部(22,27)にガラス管(21,26)の端部を溶着する電極リード棒の固定方法において、前記ガラス巻部(22,27)に前記ガラス巻部(22,27)の外径を拡大するフレア部(23,28)を形成し、前記フレア部(23,28)を前記ガラス管(21,26)の端部に溶着することを特徴とする電極リード棒の固定方法。

請求項5

ガラス管(21,26)の内径より小さい外径のフレア部(23,28)を形成し、前記フレア部(23,28)を前記ガラス管(21,26)の端部に挿入させて、前記フレア部(23,28)の外周を前記ガラス管(21,26)の内周に溶着する請求項4記載の電極リード棒の固定方法。

請求項6

ガラス管(21,26)の内径より大きく前記ガラス管(21,26)の外径より小さい外径のフレア部(23,28)を形成し、前記ガラス管(21,26)の端縁に前記フレア部(23,28)の側面を溶着する請求項4記載の電極リード棒の固定方法。

技術分野

0001

本発明は、光パルスによる紫外線殺菌光源として利用されるフラッシュランプ等における電極リード棒固定構造及びその固定方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、殺菌処理等に用いられるランプとして、高出力、高照度紫外線放射するキセノンフラッシュランプ閃光放電灯)が知られている。例えば図9(b)に示すように、このキセノンフラッシュランプ40は、紫外線透過率の高い石英ガラスによって円筒形成形され希ガスキセノンガス封入されたガラス製発光管41の両端に一対の電極ユニット42,43が対向して配置された構造になっている。各電極ユニット42,43は、発光管41の両端部の内側に対向配置された電極48,49と、それらの電極48,49が先端に接合された金属製電極リード棒44,45とをそれぞれ備える。一対の電極48,49及び電極リード棒44,45はそれぞれタングステンにより形成され、陰極となる電極49の先端には、図示しない電子放出性物質燒結体が固着される。

0003

このようなフラッシュランプ40の電極リード棒44,45の発光管41端部への従来の封止手順は、図9(a)に示すように、タングステンからなる電極リード棒44,45を不活性ガス雰囲気中で高周波又は発熱体で加熱して、その中間部における外周面に先ず封止用ガラス材をガラス巻き加工してガラス巻部46,47を形成する。一方、発光管41にあっては、それを大気中で回転させながら、プロパン酸素又は水素と酸素の混合燃焼ガスで加熱し、発光管41の両端部に軸方向に熱膨張率が変化する段継ぎガラス管51,52を同軸に接合させる。そして、発光管41の端部の段継ぎガラス管51,52の開口部に電極ユニット42,43を電極48,49の側から挿入する。その後、発光管41を大気中で回転させながら、プロパンと酸素又は水素と酸素の混合燃焼ガスで加熱し、段継ぎガラス管51,52の端部を縮径させて電極リード棒44,45の周囲に形成されたガラス巻部46,47と接続している(例えば、特許文献1参照。)。

0004

しかし、石英ガラスから成る発光管41とタングステンから成る電極リード棒44,45ではその熱膨張率が相違することから、その電極リード棒44,45を発光管41の端部に密着封止する際に加えられる熱ストレスが発光管41と電極リード棒44,45との接合部分に残存し、石英ガラス単体から成る発光管41の機械的強度に比較して、その接合部分の機械的強度は低下する。このような接合部分の強度の低下は、その接合箇所に段継ぎガラス管51,52を介装させた場合であっても生じる。このため、作業員がフラッシュランプ40における発光管41の端部を把持すると、その作業員が把持する力が、その接合箇所又はその接合箇所に存在する段継ぎガラス管51,52に直接的に加えられ、その加えられた力により接合箇所が破損するような不具合が生じる。

0005

このような不具合を解消するために、図8に詳しく示すように、段継ぎガラス管52を発光管41の端部に挿入してしまい、段継ぎガラス管52の一端を縮径させて電極リード棒45に形成されたガラス巻部47に溶着し、段継ぎガラス管52の他端を発光管41の端部に溶着することが考えられる。このような構造であれば、機械的強度が小さい電極リード棒45と段継ぎガラス管52との融着固定部及び段継ぎガラス管52そのものを、機械的強度が比較的強い発光管41の端部内側に収めることができる。すると、作業員がその発光管41の端部を把持したとしても、その発光管41の端部内側に存在する電極リード棒45と段継ぎガラス管52との融着固定部及び段継ぎガラス管52自体が直接的に作業員の手によって把持されるようなことはない。このため、作業員が把持することにより生じる外力が直接的に加えられることに起因する電極リード棒45の固定箇所の破損を防止することができると考えられる。

先行技術

0006

特許第2723573号公報(第1−3頁、第3図)

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、従来からフラッシュランプ40に用いられている図8に示す発光管41は、その内径Dが8mm程度であり、金属製電極リード棒45はその断面が円形でその外径dは2.4mm程度である。このため、その発光管41に挿入する段継ぎガラス管52の外径Eは、発光管41の内径Dより小さいものであることが必要であり、7mm程度のものが使用される。また、電極リード棒45の外周に形成されるガラス巻部47の外径eはその電極リード棒45の外径dより大きくなり、3.5mm程度程度になる。このため、外径Eの小さな段継ぎガラス管52に金属製電極リード棒45を挿入すると、その電極リード棒45の周囲に形成されたガラス巻部47の外周と段継ぎガラス管52の内周は著しく接近することになる。

0008

このように、ガラス巻部47の外周と段継ぎガラス管52の内周が接近した状態で、段継ぎガラス管52の端部を加熱して縮径させ、電極リード棒45の周囲に形成されたガラス巻部47と段継ぎガラス管52の端部とを接続すると、段継ぎガラス管52の端部以外の部分がガラス巻部47と接合され、ガラス管52の端部から離れてガラス巻部47と接合される、いわゆるブリッジ53と呼ばれる接合部位が形成される不具合があった。

0009

即ち、段継ぎガラス管52の一端をガラス巻部47に溶着するには、図7に詳しく示すように、電極リード棒45の中間部における外周面にガラス巻部47を形成し(図7(a))、その電極リード棒45を段継ぎガラス管52に挿入してガラス管52の端部をガラス巻部47の略中央部分に位置させる(図7(b))。その後、ガラス管52を不活性ガス雰囲気中で回転させながらその端部を加熱し、段継ぎガラス管52の端部を縮径させてガラス巻部47と接続することになる。けれども、段継ぎガラス管52の端部を加熱すると、その加熱により段継ぎガラス管52は、本来的にガラス巻部47と接合される端部以外の部分も軟化及び縮径することになる。このため、図7(c)に示すように、その接合作業時の芯ズレ等によりガラス管52の端部以外の部分がガラス巻部47と接触すると、その段継ぎガラス管52の端部以外の部分もガラス巻部47と接合されてしまう。よって、図7(d)に示すように、その後、ガラス管52と電極リード棒45を同軸に戻したとしても、ガラス巻部47と接合された端部から離れた部位がそのガラス巻部47と接合されるブリッジ53と呼ばれる接合部位が形成されることがある。

0010

比較的小径の段継ぎガラス管52を用いると、ガラス巻部47の外周と段継ぎガラス管52の内周が接近し、ガラス管52の端部以外の部分がガラス巻部47と接触する確率も高まって、ブリッジ53が形成される頻度は増加することになる。そして、このブリッジ53が形成された部位は、ガラス巻部47と接合されたガラス管52の端部から離れているので、高温低温が繰り返されるいわゆる熱衝撃における歪みが集中しやすく、ランプ40の点灯消灯が繰り返される毎にそのブリッジ53に歪みが蓄積され、そのブリッジ53が基点となってクラックが発生し、ランプ不良を生じさせる不具合がある。

0011

本発明の目的は、電極リード棒の周囲に形成されたガラス巻部を比較的小径のガラス管の端部に溶着する際に、その端部以外の部分がガラス巻部と接合されることを防止し得る電極リード棒の固定構造及びその固定方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、電極リード棒の周囲にガラス巻部が形成され、ガラス巻部にガラス管の端部を溶着する電極リード棒の固定構造の改良である。

0013

その特徴ある構成は、ガラス巻部にガラス巻部の外径を拡大するフレア部が形成され、フレア部がガラス管の端部に溶着されたところにある。

0014

この場合、フレア部の外径がガラス管の内径より小さく形成され、ガラス管の端部に挿入させたフレア部の外周がガラス管の内周に溶着されたものであることが好ましく、フレア部の外径がガラス管の内径より大きくガラス管の外径より小さく形成され、ガラス管の端縁にフレア部の側面が溶着されたものであっても良い。

0015

別の本発明は、電極リード棒の周囲にガラス巻部を形成し、ガラス巻部にガラス管の端部を溶着する電極リード棒の固定方法の改良である。

0016

その特徴ある点は、ガラス巻部にガラス巻部の外径を拡大するフレア部を形成し、フレア部をガラス管の端部に溶着するところにある。

0017

この場合、ガラス管の内径より小さい外径のフレア部を形成し、フレア部をガラス管の端部に挿入させて、フレア部の外周をガラス管の内周に溶着することが好ましく、ガラス管の内径より大きくガラス管の外径より小さい外径のフレア部を形成し、ガラス管の端縁にフレア部の側面を溶着することもできる。

発明の効果

0018

本発明の電極リード棒の固定構造及びその固定方法では、ガラス巻部の外径を拡大するフレア部をガラス管の端部に溶着するので、ガラス管を著しく縮径させることなくそのガラス管の端部をフレア部に接合させることができる。このようにガラス管を著しく縮径させる必要がないので、フレア部に接合されるガラス管の端部のみ加熱すれば足りることになる。そして、そのようにフレア部に接合されるガラス管の端部のみ加熱することにより、そのフレア部と接合される端部以外の部分が軟化及び縮径すること、及び電極リード棒の軸芯に対してガラス管の軸芯が偏倚するいわゆる芯ズレを防止することができる。この結果、ガラス管の端部以外の部分が軟化及び縮径することや、いわゆる芯ズレに起因するブリッジの発生を防止することができる。

0019

そして、このガラス管が、フラッシュランプにおける発光管の端部に挿入された段継ぎガラス管であれば、その段継ぎガラス管を介して電極リード棒を発光管の端部に気密封止することができる。すると、機械的強度が小さい電極リード棒と段継ぎガラス管との融着固定部及び段継ぎガラス管それ自体を、機械的強度が比較的強い発光管の端部内側に収めることができる。すると、作業員がフラッシュランプにおける発光管の端部を把持したとしても、その発光管の端部内側に存在する電極リード棒と段継ぎガラス管との融着固定部及びその段継ぎガラス管が直接的に作業員の手によって把持されるようなことはない。このため、作業員が把持することにより生じる外力が、発光管と電極リード棒との接合部分に直接的に加えられることに起因する破損を防止することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明実施形態の電極リード棒の固定構造を有するフラッシュランプの断面図である。
その電極リード棒の固定手順を示す図である。
その固定手順におけるフレア部の形成状態を示す斜視図である。
別の電極リード棒の固定手順を示す図2に対応する図である。
本発明の電極リード棒の固定構造を有する別のフラッシュランプを示す図6のA−A線断面図である。
その別のフラッシュランプを示す斜視図である。
従来の電極リード棒の固定手順を示す図である。
従来の電極リード棒の固定構造を示す断面図である。
従来の別の電極リード棒の固定手順を示す断面図である。

実施例

0021

次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。

0022

図1に、本発明の電極リード棒の固定構造を有するフラッシュランプ10を示す。このフラッシュランプ10は、内部にキセノンガスが封入された石英ガラスから成る真っ直ぐ管型発光管11と、その真っ直ぐな発光管11の両端に対向して配置された一対の電極ユニット12,16を備える。発光管11は、紫外線透過率の高い石英ガラスによって円筒形に成形され、その両端に配置される一対の電極ユニット12,16は、発光管11の両端部の内側に対向配置されたタングステンからなる電極13,17と、その電極13,17の基端面に先端側が同軸状に接合された金属製電極リード棒14,18とをそれぞれ備える。

0023

陽極となる電極13は、断面が円形であって、発光管の内径より僅かに小さな外径を有するバルク状円柱幹部のみから成り、陽極用電極リード棒14は電極13の基部に接合されたタングステンロッドにより形成される。また、陰極となる電極17は、断面が円形であって、発光管11の内径より僅かに小さな外径を有するバルク状の円柱状幹部17aを有し、その幹部17aの陽極側電極13に臨む先端部には、タングステンを主成分とし酸化バリウム酸化カルシウム等を含有させた電子放出性物質からなる焼結体17bが固着される。陰極用電極リード棒18は電極17の幹部17aが先端に接合されたタングステンロッドにより形成される。そして、それらの電極13,17が先端に接合されたそれぞれの電極リード棒14,18は、それらの中間が発光管11の端部に気密封止されて、基端が発光管11の外側にそれぞれ導出される。このように両端が封止された発光管11の内部には、キセノンガスが封入される。

0024

電極リード棒14,18の発光管11の端部への気密封止は発光管11の端部に挿入された段継ぎガラス管21,26を介して行われ、このフラッシュランプ10は、発光管11の両端における段継ぎガラス管21,26が発光管11の端部にそれぞれ挿入されるものとする。これらの段継ぎガラス管21,26は、石英ガラスから成るガラス管21a,26aとタングステンガラスから成るリング21b,26bがそれぞれ端部に設けられ、それらの間に複数のガラスリング21c,21d,21e,26c,26d,26eが設けられたものであって、軸方向に熱膨張率が順次変化するように連接されたものである。

0025

段継ぎガラス管21,26の外径は発光管11に挿入可能な大きさであって、かつ電極リード棒14,18が挿入可能な内径に形成される。具体的に、フラッシュランプ10に用いられている発光管11は、一般的にその内径が8mm程度であり、金属製電極リード棒14,18は、その断面が円形で、一般的にその外径は2.4mm程度である。このため、リード棒14,18が接合される一端側、即ちタングステンガラスから成るリング21b,26bの外径は7mm程度であり、その内径は3.5mm程度であるような段継ぎガラス管21,26が用いられる。

0026

そして、本発明の固定構造は、発光管11の端部に挿入された段継ぎガラス管21,26にそれぞれの電極リード棒14,18を固定するものである。即ち、本発明の固定構造は、電極リード棒14,18の周囲にガラス巻部22,27が形成され、そのガラス巻部22,27にガラス管21,26の端部を溶着する構造である。そして、その特徴ある構成は、ガラス巻部22,27にそのガラス巻部22,27の外径を拡大するフレア部23,28が形成され、そのフレア部23,28がガラス管21,26の端部に溶着されたところにある。

0027

陽極電極ユニット12と陰極電極ユニット16のそれぞれにおける電極リード棒14,18の段継ぎガラス管21,26への固定構造は同一である。このような段継ぎガラス管21,26の端部に電極リード棒14,18を固定する具体的な手順,即ち電極リード棒18の固定方法を、陰極電極ユニット16における電極リード棒18の段継ぎガラス管26への固定手順を代表して図2において説明する。

0028

図2(a)に示すように、先ず、陽極電極リード棒18を不活性ガス雰囲気中で高周波又は図示しない発熱体で加熱して、その表面に熱膨張率がタングステンに近いタングステンガラスを馴染ませたガラス巻部27を形成する。この電極リード棒18周囲へのガラス巻部27の形成は従来から行われている通常の方法により行うことができる。

0029

次に、図2(b)に示すように、そのガラス巻部27にそのガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28を形成する。このフレア部28の形成は、例えば、図3に示すように、タングステンガラスから成るガラス棒29をバーナ30で炙って軟化させ、その軟化したガラス棒29を回転するガラス巻部27の周囲に順次積層してその外径を拡大させることが挙げられる。図2に戻って、このフレア部28は、後に段継ぎガラス管26の一端に接合されることになるけれども、図2ではガラス管26の一端に挿入された後に接合される場合を示す。このため、ガラス巻部27の外周に形成されるフレア部28の外径は、段継ぎガラス管26の内径より僅かに小さな外径になるように形成される。

0030

図2(c)に示すように、段継ぎガラス管26の内径より僅かに小さな外径のフレア部28を形成した後には、そのフレア部28をそのガラス管26の端部に挿入し、その外周をガラス管26の端部に位置させる。そして、その段継ぎガラス管26の端部をバーナ30で炙って軟化させ、図2(d)に示すように、フレア部28の外周をそのガラス管26の端部における内周に溶着する。これにより、ガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28がガラス管26の端部に溶着された電極リード棒18の固定構造が得られる。

0031

このような電極リード棒の固定構造及びその固定方法では、ガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28をガラス管26の端部に溶着するので、ガラス管26を著しく縮径させなくても、そのガラス管26の端部をフレア部28に接合させることができる。このようにガラス管26を著しく縮径させる必要がないので、フレア部28に接合されるガラス管26の端部のみ加熱すれば足りることになる。そして、そのようにフレア部28に接合されるガラス管26の端部のみ加熱することにより、そのフレア部28と接合される端部以外の部分が軟化及び縮径することは防止される。また、段継ぎガラス管26の内径より僅かに小さな外径のフレア部28をそのガラス管26の端部に挿入するので、電極リード棒18の軸芯に対してガラス管26の軸芯が偏倚するいわゆる芯ズレの発生を防止することもできる。この結果、ガラス管26の端部以外の部分が軟化及び縮径すること、及びいわゆる芯ズレの発生に起因して、そのガラス管26の端部以外の部分がガラス巻部27と接合される図8に示すブリッジ53の発生を防止することができる。

0032

このブリッジ53の発生を防止し得る効果は、ガラス巻部22の外径を拡大するフレア部23をガラス管21の端部に溶着することにより成立する。このため、このようなフレア部23の形成等を要件とする本発明では、ガラス巻部27の外径、ガラス管26の内径の大きさにかかわらず、ブリッジ53の発生を防止し得るという効果を奏することができるものとなる。

0033

図1に示すように、このように段継ぎガラス管21,26の一端に電極リード棒14,18が固定された段継ぎガラス管21,26の他端は、発光管11の端部に電極13,17側から挿入された後にその端部に気密封止される。すると、発光管11の内側に配置された陽極及び陰極電極13,17が先端に接合された陽極及び陰極電極リード棒14,18は、その中間が段継ぎガラス管21,26を介して発光管11の端部に気密封止され、その基端が発光管11の外側に導出されることになる。このようにして、発光管11の端部には陽極及び陰極電極ユニット12,16が気密封止されて配置される。

0034

そして、熱膨張係数がタングステンに近い段継ぎガラス管21,26のリング21b,26bが電極リード棒14,18に融着すると共に、そこから隔離した場所で、段継ぎガラス管12,26の、熱膨張係数が石英ガラスと同じガラス菅21a,26aが、発光管11に融着することになる。これにより、発光管11と電極リード棒18の熱膨張率の相違に起因する保存時と使用時の熱変化による破損を防止することができる。

0035

また、段継ぎガラス管21,26のリング21b,26bが電極リード棒14,18に融着された部分に図8に示すようなブリッジ53が形成されることはない。このため、高温と低温が繰り返されるいわゆる熱衝撃にあっても、その接合部位にクラック等の不具合が発生することはなく、その寿命が短くなるようなことはない。

0036

ここで、各電極ユニット12,16におけるそれぞれの電極13,17はいずれも少なくとも円柱状幹部13,17aを有するので、この円柱状幹部13,17aはその外側面が全長に亘って発光管11の壁面に密着するようにシュリンクシールによりその発光管11に固定される。即ち、図1に示すキセノンフラッシュランプ10では、電極ユニット12,16が発光管11の両端部に設けられて、その発光管11の両端部が気密封止された後に、電極13,17を構成する各円柱状幹部13,17aの周囲をそれぞれ加熱する。そして、各円柱状幹部13,17aの周囲における発光管11を溶融軟化させて、内部が減圧状態にあるために、その部分が縮径することを利用して、各円柱状幹部13,17aに溶着させる。このようにすることにより、1回の閃光発光エネルギーが単位発光長当たり15J/cm以上のフラッシュランプ10を得ることができる。

0037

このように構成されたフラッシュランプ10では、発光管11の端部に挿入された段継ぎガラス管21,26を介して陽極及び陰極電極リード棒14,18を発光管11の端部に気密封止するので、機械的強度が小さい陽極及び陰極電極リード棒14,18と段継ぎガラス管21,26との融着固定部及び段継ぎガラス管21,26の接合箇所は、機械的強度が比較的強い発光管11の端部における内側に収められる。このため、作業員がフラッシュランプ10における発光管11の端部を把持したとしても、その発光管11の端部内側に存在する陽極及び陰極電極リード棒14,18と段継ぎガラス管21,26との融着固定部及び段継ぎガラス管21,26自体が直接的に作業員の手によって把持されるようなことはない。よって、本発明の固定構造を用いることにより、作業員が把持することにより生じる外力を機械的強度が比較的強い発光管11により受け止めることができ、その外力が発光管11と電極リード棒14,18との接合部分に直接的に加えられることに起因する破損を防止することができる。

0038

また、電極13,17におけるそれぞれの円柱状幹部13,17aをシュリンクシールにより発光管11に固定しているので、そのシュリンクシールにより電極13,17の外側面は発光管11の内壁に密着することになる。そして、使用条件における1回の閃光の発光エネルギーが単位発光長当たり15J/cm以上であると、このフラッシュランプ10は循環する冷却水により冷却しつつ使用されることになる。すると、このランプ10の動作時に発光管11の外部を流通する冷却水は、その発光管11に密着する電極13,17をも冷却するので、それら電極13,17の酸化及び電極13,17物質蒸発を防止することができる。

0039

なお、上述した実施の形態では、ガラス巻部27の外径を拡大させたフレア部28をガラス管26の一端に挿入した後に接合する場合を説明したけれども、図4に示すように、ガラス管26の内径より大きく、ガラス管26の外径より小さい外径のフレア部28を形成し、そのガラス管26の端縁にフレア部28の側面を溶着するようにしても良い。

0040

即ち、図4(a)に示すように、先ず、電極リード棒18の周囲表面にガラス巻部27を形成する。この電極リード棒18周囲へのガラス巻部27の形成は従来から行われている通常の方法により行うことができる。次に、図4(b)に示すように、そのガラス巻部27にそのガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28を形成する。このとき、フレア部28の外径をガラス管26の内径より大きく、そのガラス管26の外径より小さく形成する。図4(c)に示すように、その後、そのフレア部28の片面における周囲をガラス管26の端縁に接触させる。そして、その接触箇所である段継ぎガラス管26の端縁をバーナ30で炙って軟化させ、図4(d)に示すように、フレア部28の側面における周囲をそのガラス管26の端縁に溶着する。このようにして、ガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28がガラス管26の端部に溶着された電極リード棒18の固定構造を得る。

0041

このような電極リード棒の固定構造及びその固定方法では、ガラス管26の端縁にフレア部28の片面における周囲が既に接触しているので、その部分を溶着することにより、ガラス管26の端部を縮径させることなく電極リード棒18をガラス管26に固定することができる。このようにガラス管26を縮径させないので、フレア部28に接触するガラス管26の端縁のみ加熱すれば足り、そのフレア部28と接合される端縁以外の部分が軟化及び縮径すること、及び電極リード棒18の軸芯に対してガラス管26の軸芯が偏倚するいわゆる芯ズレの発生を防止することにより、図8に示すブリッジ53の発生を防止することができる。

0042

また、上述した実施の形態では、真っ直ぐな管型発光管11を用いたフラッシュランプ10を用いて説明したけれども、発光管は真っ直ぐなものに限らず、例えば、図6に示すように、発光管70は、全体が概略二重円環形状を成すようなものであっても良い。図6に示す発光管70は、内管部71と外管部72と、それらの一端を相互に繋ぐ連絡部73と、それらの他端近傍にそれぞれ垂直上方に立設された端部74,75とから構成されたものである。内管部71と外管部72は、若干の寸法的歪みはあるものの、管の中心が実質的に同一平面上に位置し、ほぼ精確な二重円環を成して形成される。そして、端部74,75に、電極ユニット12,16がそれぞれ備えられてフラッシュランプ80が形成される。

0043

図6では、内管部71に連続する端部74に陽極電極ユニット12が設けられ、外管部72に連続する端部75に陰極電極ユニット16が設けられる場合を示す。各電極ユニット12,16における電極リード棒14,18の端部74,75への気密封止は、端部74,75に挿入された段継ぎガラス管21,26を介して行われ、両者は同一構造を成す。外管部72に連続する端部75に陰極電極ユニット16が設けられる断面を図5に代表して示す。

0044

図5に示すように、段継ぎガラス管26は端部75の端縁に挿入され、電極リード棒18の周囲にはガラス巻部27が形成される。そのガラス巻部27には、そのガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28が形成され、そのフレア部28が段継ぎガラス管26の端部に溶着される。このように段継ぎガラス管26の一端に電極リード棒18が固定された段継ぎガラス管26の他端は、発光管70の端部75に電極17側から挿入された後にその端部75の端縁に気密封止される。

0045

このように、全体が概略二重円環形状を成すような発光管70であっても、ガラス巻部27の外径を拡大するフレア部28をガラス管26の端部に溶着するので、ガラス管26を著しく縮径させることなく電極リード棒18をガラス管26に固定することができる。そして、そのフレア部28と接合される端部以外の部分が軟化及び縮径すること、及び電極リード棒18の軸芯に対してガラス管26の軸芯が偏倚するいわゆる芯ズレの発生は防止される。これにより、図8に示すブリッジ53の発生を防止することができる。

0046

更に、上述した実施の形態では、フレア部28の形成において、図3に示すように、軟化したガラス棒29を回転するガラス巻部27の周囲に順次積層してその外径を拡大させる場合を説明したけれども、このフレア部27の形成は、図3に示すものに限定されるものではなく、他の手段によりフレア部27を形成するようにしても良い。

0047

14,18電極リード棒
21,26段継ぎガラス管(ガラス管)
22,27ガラス巻部
23,28フレア部

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