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技術 多層光記録媒体製造用シート、多層光記録媒体および接着剤

出願人 リンテック株式会社
発明者 伊藤雅春山口征太郎小曾根雄一
出願日 2012年9月25日 (7年6ヶ月経過) 出願番号 2012-210661
公開日 2014年4月17日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2014-067464
状態 未査定
技術分野 光学的記録担体およびその製造
主要キーワード 島状部分 RF信号強度 二光子吸収断面積 有機フォトクロミック材料 脂環式エポキシ系化合物 金属系架橋剤 側鎖成分 製造材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年4月17日)のものです。
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図面 (6)

課題

光記録層接着剤層との界面で十分な強度の反射光を検出することができ、かつ接着剤層における散乱光が少なく、ノイズの少ない多層光記録媒体、ならびにその製造に用いることのできる多層光記録媒体製造用シートおよび接着剤を提供する。

解決手段

光記録層11と、接着剤層12とを積層してなる多層光記録媒体10を製造するための多層光記録媒体製造用シート1であって、光記録層11と、接着剤層12とが積層されており、接着剤層12は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、接着剤層12は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、フッ素含有モノマーおよびケイ素含有モノマーの合計含有量は、重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%である多層光記録媒体製造用シート1。

概要

背景

近年、光記録媒体における記録情報高密度化を目的として、多光子吸収性材料を利用した多層光記録媒体が提案されている。この多層光記録媒体におけるクロストークを低減するために、光記録層と光記録層との層間に非光記録層を介在させる構成が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

上記のような構造の多層光記録媒体を製造するには、通常、スピンコート法によって各層を形成し、積層する方法が用いられる。しかしながら、かかる方法では、多層光記録媒体の大面積化が困難であり、材料が制限されるなどの問題があった。

上記の問題を解決するために、感光材料を含む光記録層と接着剤層とが積層されてなる感圧接着性シートを使用して多層光記録媒体を製造する方法が提案されている(特許文献3参照)。この感圧接着性シートを用いる製造方法によれば、多層光記録媒体を簡便にかつ大面積で製造することができる。

概要

光記録層と接着剤層との界面で十分な強度の反射光を検出することができ、かつ接着剤層における散乱光が少なく、ノイズの少ない多層光記録媒体、ならびにその製造に用いることのできる多層光記録媒体製造用シートおよび接着剤を提供する。光記録層11と、接着剤層12とを積層してなる多層光記録媒体10を製造するための多層光記録媒体製造用シート1であって、光記録層11と、接着剤層12とが積層されており、接着剤層12は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、接着剤層12は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、フッ素含有モノマーおよびケイ素含有モノマーの合計含有量は、重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%である多層光記録媒体製造用シート1。

目的

本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、光記録層と接着剤層との界面で十分な強度の反射光を検出することができ、かつ接着剤層における散乱光が少なく、ノイズの少ない多層光記録媒体、ならびにその製造に用いることのできる多層光記録媒体製造用シートおよび接着剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光記録層と、接着剤層とを積層してなる多層光記録媒体を製造するための多層光記録媒体製造用シートであって、光記録層と、接着剤層とが積層されており、前記接着剤層は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、前記接着剤層は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、前記フッ素含有モノマーおよび前記ケイ素含有モノマーの合計含有量は、前記重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%であることを特徴とする多層光記録媒体製造用シート。

請求項2

前記フッ素含有モノマーは、フッ素含有アクリル系モノマーであり、前記ケイ素含有モノマーは、ケイ素含有アクリル系モノマーであることを特徴とする請求項1に記載の多層光記録媒体製造用シート。

請求項3

前記重合体は、構成モノマー成分として、官能基を有するアクリル系モノマーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層光記録媒体製造用シート。

請求項4

前記重合体は、架橋剤によって架橋されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層光記録媒体製造用シート。

請求項5

前記架橋剤は、金属系架橋剤エポキシ系架橋剤およびアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の多層光記録媒体製造用シート。

請求項6

前記接着剤層は、屈折率が1.45以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層光記録媒体製造用シート。

請求項7

前記光記録層は、光子吸収性材料を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層光記録媒体製造用シート。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層光記録媒体製造用シートを用いて得られることを特徴とする多層光記録媒体。

請求項9

光記録層と、接着剤層とを積層してなり、前記接着剤層は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、前記接着剤層は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、前記フッ素含有モノマーおよび前記ケイ素含有モノマーの合計含有量は、前記重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%であることを特徴とする多層光記録媒。

請求項10

構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤であって、前記フッ素含有モノマーおよび前記ケイ素含有モノマーの合計含有量は、前記(メタアクリル酸エステル共重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%であり、前記接着剤は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、前記接着剤を厚さ10μmの接着剤層にしたときの屈折率は、1.45以下であることを特徴とする接着剤。

技術分野

0001

本発明は、光記録層接着剤層とを積層してなる多層光記録媒体、ならびにその製造に用いることのできる多層光記録媒体製造用シートおよび接着剤に関するものである。

背景技術

0002

近年、光記録媒体における記録情報高密度化を目的として、多光子吸収性材料を利用した多層光記録媒体が提案されている。この多層光記録媒体におけるクロストークを低減するために、光記録層と光記録層との層間に非光記録層を介在させる構成が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

0003

上記のような構造の多層光記録媒体を製造するには、通常、スピンコート法によって各層を形成し、積層する方法が用いられる。しかしながら、かかる方法では、多層光記録媒体の大面積化が困難であり、材料が制限されるなどの問題があった。

0004

上記の問題を解決するために、感光材料を含む光記録層と接着剤層とが積層されてなる感圧接着性シートを使用して多層光記録媒体を製造する方法が提案されている(特許文献3参照)。この感圧接着性シートを用いる製造方法によれば、多層光記録媒体を簡便にかつ大面積で製造することができる。

先行技術

0005

特開平11−250496号公報
特開2000−67464号公報
特開2005−209328号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、従来の多層記録媒体においては、スパッタ等により反射層を設けることにより、反射層の界面での反射光を利用して各層の検出を行っている。近年、上記のような多層記録媒体において、光記録層と接着剤層との界面からの反射光を利用して各層の界面を検出することにより、光記録層から情報の読み取りを行うことが検討されている。

0007

このように光記録層と接着剤層との界面からの反射光を利用する場合、反射層を設ける場合に比べて、強度の弱い反射光を検出しなければならない。従来の接着剤層は、屈折率が比較的高く、光記録層との屈折率差が小さいため、検出に必要な強度の反射光を得ることが難しいという問題があった。また、接着剤層の相分離状態によっては、散乱光が多く、その散乱光が反射光を検出する際のノイズとなり、反射光の検出不良が発生することがあった。

0008

本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、光記録層と接着剤層との界面で十分な強度の反射光を検出することができ、かつ接着剤層における散乱光が少なく、ノイズの少ない多層光記録媒体、ならびにその製造に用いることのできる多層光記録媒体製造用シートおよび接着剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、第1に本発明は、光記録層と、接着剤層とを積層してなる多層光記録媒体を製造するための多層光記録媒体製造用シートであって、光記録層と、接着剤層とが積層されており、前記接着剤層は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、前記接着剤層は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、前記フッ素含有モノマーおよび前記ケイ素含有モノマーの合計含有量は、前記重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%であることを特徴とする多層光記録媒体製造用シートを提供する(発明1)。

0010

上記発明(発明1)における接着剤層は、屈折率が低く、光記録層との屈折率差が大きいため、光記録層と接着剤層との界面で、検出に必要な十分な強度の反射光を得ることができる。また、上記発明(発明1)における接着剤層は、散乱光が少ないため、光記録層と接着剤層との界面で反射光を検出する際のノイズが少なく、反射光の検出不良の発生を抑制することができる。

0011

上記発明(発明1)において、前記フッ素含有モノマーは、フッ素含有アクリル系モノマーであり、前記ケイ素含有モノマーは、ケイ素含有アクリル系モノマーであることが好ましい(発明2)。

0012

上記発明(発明1,2)において、前記重合体は、構成モノマー成分として、官能基を有するアクリル系モノマーを含有することが好ましい(発明3)。

0013

上記発明(発明1〜3)において、前記重合体は、架橋剤によって架橋されていることが好ましい(発明4)。

0014

上記発明(発明4)において、前記架橋剤は、金属系架橋剤エポキシ系架橋剤およびアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(発明5)。

0015

上記発明(発明1〜5)において、前記接着剤層は、屈折率が1.45以下であることが好ましい(発明6)。

0016

上記発明(発明1〜6)において、前記光記録層は、光子吸収性材料を含有することが好ましい(発明7)。

0017

第2に本発明は、前記多層光記録媒体製造用シート(発明1〜7)を用いて得られることを特徴とする多層光記録媒体を提供する(発明8)。

0018

第3に本発明は、光記録層と、接着剤層とを積層してなり、前記接着剤層は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、前記接着剤層は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、前記フッ素含有モノマーおよび前記ケイ素含有モノマーの合計含有量は、前記重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%であることを特徴とする多層光記録媒を提供する(発明9)。

0019

第4に本発明は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤であって、前記フッ素含有モノマーおよび前記ケイ素含有モノマーの合計含有量は、前記(メタアクリル酸エステル共重合体における構成モノマー成分としてのモノマー全量を100質量%としたときに、10〜100質量%であり、前記接着剤は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有しており、前記接着剤を厚さ10μmの接着剤層にしたときの屈折率は、1.45以下であることを特徴とする接着剤を提供する(発明10)。

発明の効果

0020

本発明によれば、光記録層と接着剤層との界面で十分な強度の反射光を検出することができ、かつ接着剤層における散乱光が少なく、反射光を検出する際のノイズの少ない多層光記録媒体が得られる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の一実施形態に係る多層光記録媒体製造用シートの断面図である。
本発明の一実施形態に係る多層光記録媒体の断面図である。
実施例3における接着剤層のSPMによるDF位相像写真である。
実施例14における接着剤層のSPMによるDFM位相像の写真である。
比較例4における接着剤層のSPMによるDFM位相像の写真である。

0022

以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態によって提供される多層光記録媒体においては、記録材料光子吸収を利用して記録が行われる。光子吸収とは、化合物光子を吸収して励起される現象である。

0023

光記録媒体製造用シート
図1は本発明の一実施形態に係る多層光記録媒体製造用シートの断面図である。本実施形態に係る多層光記録媒体製造用シート1は、光記録層11と、光記録層11に積層された接着剤層12と、光記録層11の外側表面に積層された剥離シート13と、接着剤層12の外側表面に積層された剥離シート13’とからなる。ただし、剥離シート13,13’は、多層光記録媒体製造用シート1の使用時に剥離されるものである。多層光記録媒体製造用シート1における剥離シート13または剥離シート13’はなくてもよい。

0024

〔光記録層〕
光記録層11を構成する記録材料(光記録材料)としては、光子吸収性材料を含むものであればよく、従来の光記録媒体における光記録層の構成材料として知られている材料の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。光子吸収性材料としては、例えば、一光子吸収性材料や多光子吸収性材料が挙げられる。多光子吸収性材料とは、2つ以上の光子を同時に吸収し、励起状態へと遷移する性質を有する化合物を意味する。多光子吸収性材料は、光子吸収が光強度の強い位置でのみ起こるため、空間分解能が向上し、光記録媒体の内部の一点を狙って記録することが可能となる。その中でも実用に十分な記録感度を得るという観点から、光記録層11は、多光子吸収性材料を含有することが好ましく、中でも、二光子吸収断面積が0.1GM以上の二光子吸収性材料を含むことが好ましく、特に100GM以上の二光子吸収性材料を含むことが好ましい。なお、「GM」は、10−50cm4・s・molecule−1・photon−1を意味する。

0025

上記のような光記録材料としては、例えば光子吸収性材料単独で構成した材料、光子吸収性材料と、励起された光子吸収性材料からのエネルギー移動によって変化を起こす他の反応性化合物とで構成した材料、あるいはこれらを必要に応じてマトリクスに配合した材料などが挙げられる。

0026

上記マトリクスを構成する材料は、無機材料であっても有機材料であってもよいが、多層光記録媒体製造用シート1の製造の簡便さや、材料の選択肢の多さなどの点から、有機系の高分子材料が好ましい。この高分子材料はホモポリマーであってもコポリマーであってもよく、そのモノマーの種類、分子量、重合形態などについては特に制限はない。

0027

上記高分子材料の具体例としては、各種ポリエチレンエチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン/1−ヘキセン共重合体ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体プロピレン/1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、1−ブテン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン/環状オレフィン共重合体環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体またはその金属塩ポリメタクリル酸メチル脂環式アクリル樹脂等のポリ(メタ)アクリレートポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリパーフルオロエチレンパーフルオロアルケニルビニルエーテル重合体等のフッ素系樹脂ポリスチレンポリビニルアルコールポリカーボネートポリフェニレンサルファイドポリエーテルスルホンポリイミドポリフェニレンオキシドオレフィン/N−置換マレイミド共重合体、アリルカーボネート樹脂エポキシアクリレート樹脂ウレタンアクリレート樹脂などが挙げられる。これらの高分子材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味するものである。他の類似用語も同様である。

0028

一方、光子吸収性材料は、上記のマトリクスに対して、主鎖または側鎖成分として化学結合したものであってもよいし、単にマトリクス中に分散または溶解されていてもよい。この光子吸収性材料としては特に制限はなく、様々な化合物を用いることができる。当該光子吸収性材料としては、例えば、シアニン色素スチリル色素ピリリウム色素チアピリリウム色素メロシアニン色素アリーリデン色素、オキソノール色素スクアリウム色素アズレニウム色素、クマリン色素ピラン色素、キノン色素アントラキノン色素チリフェニルメタン色素、ジフェニルメタン色素、キサンテン色素チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、アゾ色素アゾメチン色素フルオレノン色素、ジアリールエテン色素、スピロピラン色素、フルギド色素、ペリレン色素ポリエン色素、ジフェニルアミン色素、キナドリン色素、アズレニウム色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素スチレン系色素、フェニレンビニレン色素、トリフェニルアミン系色素、カルバゾール系色素などが挙げられる。

0029

上記光子吸収性材料の分子量としては特に制限はないが、600以上であることが好ましい。分子量が600以上であると、光子吸収性材料の接着剤層12への移行を抑制することができる。分子量の上限に特に制限はないが、通常、数平均分子量Mnで100,000程度である。このような高分子量の光子吸収性材料は、例えば前述したマトリクスに対して、主鎖または側鎖成分として化学結合させることにより得ることができる。なお、上記数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定されるポリスチレン換算の値である。

0030

上記のような光子吸収性化合物を用いて記録する方式としては、例えば、アゾ基やC=C基、C=N基含有化合物のように光によって異性化する材料や、(メタ)アクリレート化合物のように光によって重合反応を起こす材料、有機フォトクロミック材料のように光によって可逆的な構造変化を起こす材料、光によって電荷分布が起こる有機リフラクティブ材料などを用いて屈折率変調を読み取る方式や、光によって蛍光特性が変化する材料を用いて蛍光を読み取る方式、光によって酸を発生する材料と酸発色性色素の組み合わせや、消色剤消色性色素を組み合わせて、吸収率変調や屈折率変調を読み取る方式などが挙げられる。これらの記録方式において、光子吸収性化合物そのものが、光子吸収により構造変化や反応するものであってもよいし、光子吸収によって励起された光子吸収性化合物から、光子吸収により得た励起エネルギーが他の化合物へ移動することによって、構造変化や反応を起こすものでもよい。

0031

光記録層11の厚さは、特に制限はないが、通常0.04〜50μm程度、好ましくは0.05〜10μmである。

0032

〔接着剤層〕
接着剤層12は、構成モノマー成分として、フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを含む重合体を主成分とする接着剤によって構成され、かつ、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有している。また、上記重合体における構成モノマー成分としてのフッ素含有モノマーおよびケイ素含有モノマーの合計含有量は、モノマー成分全量を100質量%としたときに、10〜100質量%である。なお、上記接着剤は、感圧接着剤であってもよいし、非感圧接着剤であってもよいが、多層光記録媒体製造用シート1の使用の簡便性の観点から、感圧接着剤であることが好ましい。

0033

上記のような材料および構造からなる接着剤層12は、屈折率が低く、光記録層11との屈折率差が大きいため、光記録層11と接着剤層12との界面で、検出に必要な十分な強度の反射光を得ることができる。また、上記のような材料および構造からなる接着剤層12は、散乱光が少ないため、光記録層11と接着剤層12との界面で反射光を検出する際のノイズが少なく、反射光の検出不良の発生を抑制することができる。

0034

ここで、ドメインとは、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のダイナミックフォース・モード(DFM)で位相像を観察したときに見られる、接着剤層中の粒状または島状の樹脂成分をいう。「ドメイン構造を有しない」とは、接着剤層中にドメインが存在せず、全体が一様になっている状態をいう。また、「ドメインの大きさ」とは、接着剤層中に存在するドメイン、すなわち粒状または島状の樹脂成分の大きさをいい、当該粒状部分または島状部分最大長さをいう。具体的には、30個のドメインの最大長さの平均値を「ドメインの大きさ」という。接着剤層12は、ドメイン構造を有しないか、ドメインの大きさが100nm以下のドメイン構造を有していることにより、接着剤層12の内部および界面での散乱光が少ないものとなる。本実施形態に係る接着剤層12におけるドメインの大きさは、光記録層11への記録・再生を行う光の波長に対して、接着剤層12の有するドメインの大きさを十分に小さくし、散乱光を少ないものにするという目的から、100nm以下であり、好ましくは80nm以下であり、特に好ましくは50nm以下である。

0035

フッ素含有モノマーとしては、特に限定されず、分子内に1個以上の重合性不飽和基フッ素原子とを有する化合物が挙げられ、例えば、片末端または両末端に(メタ)アクリロイル基ビニル基エポキシ基等を有する化合物等が挙げられ、中でも片末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。このようなフッ素含有モノマーとしては、例えば、フッ素含有アクリル系モノマー、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンクロロフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルパーフルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられ、中でもフッ素含有アクリル系モノマーが好ましい。

0036

フッ素含有アクリル系モノマーとしては、フッ素原子を1個以上含むアクリル系モノマーであれば限定されず、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのフッ素含有アクリル系モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0037

ケイ素含有モノマーとしては、特に限定されず、分子内に1個以上の重合性不飽和基を有するシロキサン系化合物が挙げられ、例えば、片末端または両末端に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基等を有するものが挙げられる。このようなモノマーとしては、例えば、ケイ素含有アクリル系モノマーが挙げられる。

0038

ケイ素含有アクリル系モノマーとしては、側鎖にケイ素原子含有基を有するとともに、炭素数2〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく使用される。

0039

ケイ素含有アクリル系モノマーとしては、例えば、2−(トリメチルシリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ケイ素含有アクリルモノマーの具体的な製品としては、チッソ社製のサイラプレーンFMシリーズ、TMシリーズ(製品名)(例えば、FM−7711、FM7721、FM7731、FM−0711、FM−0721、FM−0725、TM0701、TM0701T)等が挙げられる。これらのケイ素含有アクリル系モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0040

上記重合体がフッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーを所定量含むことで、接着剤層12の屈折率が低くなり、光記録層11と接着剤層12との界面で、検出に必要な十分な強度の反射光を得ることができる。

0041

重合体は、上記フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマー以外に、構成モノマーとして、架橋構造を形成し得る官能基を有するアクリル系モノマーを含むことが好ましい。当該官能基を有するアクリル系モノマーは、後述する架橋剤と反応して結合し、架橋構造を形成するため、接着剤層の凝集力を高め、接着剤層の染み出しを防止することができる。

0042

重合体中における架橋構造を形成し得る官能基を有するアクリル系モノマーの含有量は、モノマー成分全量を100質量%としたときに、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。

0043

架橋構造を形成し得る官能基としては、用いる架橋剤の種類にもよるが、通常は、カルボキシル基水酸基アミノ基およびアミド基が挙げられる。なかでも、光記録層との接着性に優れるという点から、カルボキシル基が好ましい。

0044

上記官能基を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のモノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸メタクリル酸クロトン酸マレイン酸イタコン酸シトラコン酸コハク酸等のエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。

0045

これらの中でも、官能基を有するアクリル系モノマーとしては、重合均一性という点から、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、コハク酸等のエチレン性不飽和カルボン酸であることが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0046

重合体は、上記フッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマー以外に、構成モノマーとして、所望により架橋構造を形成し得る官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルを含有するものであってもよい。

0047

架橋構造を形成し得る官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソアミルアクリレート、メトキシ−トリエチレングルコルアクリレート、2−エチルヘキシル-ジグルコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングルコールアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0048

重合体は、所望により、例えば、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーブタジエンイソプレンクロロプレン等のジエン系モノマーアクリロニトリルメタクリロニトリル等のニトリル系モノマーアクリルアミドN−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類などの他のモノマーを含んでいてもよく、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0049

上記重合体中における構成モノマー成分としてのフッ素含有モノマーおよびケイ素含有モノマーの合計含有量は、モノマー成分全量を100質量%としたときに、10〜100質量%である。フッ素含有モノマーおよびケイ素含有モノマーの合計含有量が10質量%未満であると、後述するように得られる接着剤層12の屈折率を低くすることが困難となるおそれがある。屈折率を低くする観点からも、フッ素含有モノマーおよびケイ素含有モノマーの合計含有量は、好ましくは55〜99.9質量%であり、より好ましくは60〜99.9質量%であり、特に好ましくは80〜99.9質量%である。

0050

所望により用いられる他のモノマー(架橋構造を形成し得る官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルを含む)を使用する場合、上記重合体中における他のモノマーの含有量は、0.1〜90質量%以下であることが好ましい。当該他のモノマーを使用することで、得られる接着剤が所望の粘着物性を有するように設計し易くなる。

0051

上記重合体の重合形態については、特に制限はなく、ランダムブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)で1万〜200万の範囲が好ましく、特に5万〜100万の範囲がより好ましく、特に10万〜80万の範囲が好ましい。なお、上記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。

0052

上記重合体は、上記のモノマー成分の混合物慣用の方法(例えば、乳化重合法溶液重合法懸濁重合法、塊状重合法水溶液重合法など)により重合して調製することができる。中でも、重合時の安定性および使用時の取り扱い易さの観点から、有機溶媒中で行う溶液重合法で製造するのが好ましい。

0053

例えば、有機溶媒中にモノマー成分の混合物を溶解した後、従来公知のアゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シア吉草酸)等のアゾ系重合開始剤またはベンゾイルパーオキシド等の過酸化物重合開始剤を添加してラジカル重合させることにより、上記重合体を製造することができる。

0054

上記重合開始剤の量は、モノマー成分の混合物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましく、特に0.1〜1質量部の範囲が好ましい。

0055

ラジカル重合は、通常10〜100℃程度、好ましくは、50〜90℃程度で、1〜20時間程度、好ましくは3〜10時間程度加熱することで行うことができ、これによって、上記重合体の有機溶媒溶液が得られる。

0056

上記重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0057

上記重合体は、架橋剤によって架橋されていることが好ましい。これにより、得られる接着剤の凝集力が高まり、多層光記録媒体製造用シート1における接着剤層12として好ましいものとなる。

0058

架橋剤としては、金属系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、イソシアナート系架橋剤等の架橋剤として慣用されているものの中から選択することができるが、中でも、金属系架橋剤、エポキシ系架橋剤およびアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。架橋剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記重合体中におけるフッ素含有モノマー成分およびケイ素含有モノマー成分は極性が低く、上記重合体も極性が低くなりやすいため、一般的には上記重合体と架橋剤との相溶性が悪くなり、得られる接着剤層にてドメイン構造ができ易い傾向にある。しかしながら、上記の好ましい架橋剤を使用すれば、上記重合体と架橋剤との相溶性が高くなり、得られる接着剤層のドメイン構造におけるドメインが小さくなって、光の散乱が少なくなる。

0059

金属系架橋剤としては、金属キレート化合物金属アルコキシド、金属塩物等が挙げられるが、中でも金属キレート化合物が好ましい。金属キレート化合物としては、特に制限はなく、アクリル系粘着剤における金属キレート系化合物として公知の化合物の中から任意のものを適宜選択することができる。この金属キレート系化合物には、金属原子アルミニウムジルコニウムチタニウム亜鉛、鉄、スズ等のキレート化合物があるが、塗工液ポットライフの設定など、反応性コントロールしやすい等の点からアルミニウムキレート化合物が好ましい。

0060

アルミニウムキレート化合物としては、例えば、ジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノ−N−ラウロイル−β−アラネートモノラウリルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(イソブチルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(ドデシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(オレイルアセトアセテート)キレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0061

エポキシ系架橋剤としては、脂環式エポキシ系化合物または脂肪族エポキシ系化合物が好ましい。脂環式エポキシ系化合物・脂肪族エポキシ系化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,3−ビス(N,N'−ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン水素添加ビスフェノールジグリシジルエーテルポリエチレングリコールジグリシジルエーテルポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエステルアジピン酸グリシジルエステル、セバシン酸グリシジルエステル等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0062

アジリジン系架橋剤としては、脂肪族アジリジン系化合物が好ましい。脂肪族アジリジン系化合物としては特に制限はなく、アクリル系粘着剤における脂肪族アジリジン系化合物として公知の化合物の中から任意のものを適宜選択することができる。脂肪族アジリジン系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(2−メチル−1−アジリジンプロピオネート)、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、2,2'−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサメチレンエチレンウレア等が挙げられる。

0063

上記架橋剤の配合量は、接着剤としての性能の観点から、上記重合体100質量部に対し、通常0.01〜5.0質量部、好ましくは0.05〜3.0質量部、特に好ましくは0.1〜1.0質量部の範囲で選定される。

0064

上記接着剤には、本実施形態における効果が損なわれない範囲で、所望により、粘着付与剤酸化防止剤紫外線吸収剤光安定剤軟化剤充填剤難燃剤等を添加することができる。

0065

接着剤層12の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、特に2〜40μmであることが好ましい。接着剤層12の厚さを上記範囲とすることで、光記録層11と接着剤層12との界面からの反射光を利用して各層の界面を検出し、光記録層11から情報の読み取りを行うことができる。

0066

接着剤層12の屈折率は、1.45以下であることが好ましく、1.44以下であることがより好ましく、1.42以下であることが特に好ましく、1.40以下であることがさらに好ましい。接着剤層12の屈折率がかかる範囲にあることで、光記録層11との屈折率差が大きくなり、光記録層11と接着剤層12との界面から検出に十分な反射光が得られる。なお、通常の光記録層11の屈折率は、1.58程度である。本実施形態における接着剤層12は、前述した接着剤を使用することにより、上記の屈折率を達成することができる。なお、本明細書における屈折率は、アッベ屈折率計を使用してJIS K7142(2008)に準じて測定した値である。

0067

接着剤層12のヘイズ値は、1.3%以下であることが好ましく、特に0.7%以下であることが好ましく、さらには0.5%以下であることが好ましい。ヘイズ値が1.3%より大きい場合、光の散乱が多すぎて、多層光記録媒体の接着剤層12として使用することができないおそれがある。なお、本明細書におけるヘイズ値は、ヘイズメーターを使用してJIS K7105に準じて測定した値である。

0068

接着剤層12の保持力は、70,000秒間保持した時にずれがないことが好ましい。接着剤層12の25℃における保持力が上記の範囲にあれば、接着剤層12と他の層(主として光記録層11)との接着力が十分である。なお、本明細書における保持力は、接着剤層(25mm×25mm)の一方の面にポリエチレンテレフタレートフィルム、他方の面にステンレススチール(SUS304)からなる試験板貼付し、1kgのを接着剤層に取り付け、40℃、50%RH環境下にて、JIS Z0237(2009)に基づいて70,000秒後のずれ量(μm)を測定した。

0069

なお、上記接着剤層12を構成する接着剤は、多層光記録媒体の接着剤層以外の用途にも使用することができる。中でも、屈折率を低くしたい場合の接着剤として好ましく使用することができ、特に屈折率が1.45以下の接着剤として好ましく使用することができる。上記接着剤は、例えば、光導波路用樹脂や、光学接着剤フッ素系材料接着用樹脂等として使用することができる。

0070

〔剥離シート〕
剥離シート13,13’としては、本実施形態における接着剤層12が剥離可能なものであればよく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどの樹脂フィルムや、それら樹脂フィルムを従来公知の剥離剤(例えば、シリコーン系剥離剤長鎖アルキル系剥離剤アルキド樹脂系剥離剤等)で剥離処理した剥離シートを使用することができる。

0071

剥離シート13,13’は、それぞれ光記録層11または接着剤層12に平滑性を付与するために、光記録層11または接着剤層12と接触する側の表面粗さ(Ra)が1μm以下、特に0.5μm以下であることが好ましい。剥離シート13,13’の表面粗さ(Ra)が1μmを超えると、光記録層11または接着剤層12の表面粗さが大きくなり、得られる多層光記録媒体の信号特性が低下するおそれがある。剥離シート13,13’の厚さは、通常20〜150μm程度である。

0072

なお、剥離シート13,13’は、剥離力の差が生じるように構成することが好ましい。このうち、先に剥離する方は軽剥離タイプのものとし、後に剥離する方は重剥離タイプのものとするのが好ましい。また、剥離力の差が生じるようにする方法としては、剥離シート13,13’のうち、一方を未処理の樹脂フィルム、他方を剥離シートとしてもよい。

0073

〔多層光記録媒体製造用シートの製造方法〕
上記多層光記録媒体製造用シート1は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。まず、光記録層11を構成する材料と、所望によりさらに溶媒とを含有する光記録層11用の塗布剤を調製するとともに、接着剤層12を構成する材料(接着剤)と、所望によりさらに溶媒とを含有する接着剤層12用の塗布剤とを調製する。

0074

そして、(1)光記録層11用の塗布剤を剥離シート13の剥離性を有する面上に塗布して光記録層11を形成した後、その上に接着剤層12用の塗布剤を塗布して接着剤層12を形成し、その接着剤層12の表面にもう1枚の剥離シート13’の剥離性を有する面を重ねて積層するか、(2)接着剤層12用の塗布剤を剥離シート13’の剥離性を有する面上に塗布して接着剤層12を形成した後、その上に光記録層11用の塗布剤を塗布して光記録層11を形成し、その光記録層11の表面にもう1枚の剥離シート13の剥離性を有する面を重ねて積層するか、(3)光記録層11用の塗布剤を剥離シート13の剥離性を有する面上に塗布して光記録層11を形成し、一方、接着剤層12用の塗布剤を剥離シート13’の剥離性を有する面上に塗布して接着剤層12を形成し、光記録層11と接着剤層12とが重ね合わせられるようにして両者を積層する。塗布剤の塗工には、例えば、キスロールコーターリバースロールコーターナイフコーターロールナイフコーターダイコーター等の塗工機を使用することができる。

0075

上記のようにして得られた多層光記録媒体製造用シート1は、次に説明する多層光記録媒体の製造材料として好適に用いられる。なお、図1の構成の多層光記録媒体製造用シート1は一例であり、接着剤層12および光記録層11は、それぞれ単層であっても複数層であってもよい。

0076

なお、本実施形態に係る多層光記録媒体製造用シート1は、必要に応じて、当該多層光記録媒体製造用シート1を補強するための透明樹脂層や、多層光記録媒体内部に位置情報を設けるために、記録ピットおよび/またはグルーブとして表面に凹凸を有する位置情報付与層、さらには光導波層、反射層、誘電体層などを存在させてもよい。この場合、例えば上記透明樹脂層は、光記録層11と接着剤層12との間、接着剤層12の光記録層11とは反対側の面上、または光記録層11の接着剤層12とは反対側の面上に設けることができる。また、上記位置情報付与層は、それを形成させる利便性の観点から、接着剤層12とは反対側の最外層に設けることが好ましい。

0077

〔多層光記録媒体〕
図2は本発明の一実施形態に係る多層光記録媒体の断面図である。本実施形態に係る多層光記録媒体10は、基板3と、基板3上に設けられた、光記録層11と接着剤層12とが積層された構造体(以下、「多層構造体2」という)と、多層構造体2上に設けられた光透過性保護フィルム5とから構成される。なお、本実施形態に係る多層光記録媒体10は、必要に応じて、光記録層11を補強するための透明樹脂層や、多層光記録媒体内部に位置情報を設けるために、記録ピットおよび/またはグルーブとして表面に凹凸を有する位置情報付与層、さらには光導波層、反射層、誘電体層などを存在させてもよい。この場合、例えば上記透明樹脂層は、光記録層11の接着剤層12とは反対側の面上に設けることができる。

0078

基板3は、光学特性および剛性に優れた材料からなり、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン等の合成樹脂や、ガラス類などからなる。この基板3の厚さは、特に制限はないが、通常0.03〜2mm程度、好ましくは0.05〜1.5mmである。基板3の厚さが0.03mm未満では、積層工程におけるハンドリングが困難になる場合があり、基板3の厚さが2mmを超えると、多層光記録媒体が必要以上に厚くなりすぎることが多い。

0079

多層構造体2は、光記録層11と接着剤層12とが積層された構造体であり、好ましくは前述した多層光記録媒体製造用シート1を用いて形成される。

0080

多層構造体2における光記録層11と接着剤層12のそれぞれの積層数は、特に制限はないが、下限は通常2層以上、好ましくは5層以上である。1層では十分な記録密度が得られない。一方、上限は通常500層以下であり、好ましくは200層以下である。500層を超えると、各層での光の吸収や層間での光の反射などによって、情報の書き込みや読み込みに不具合を生じる可能性がある。

0081

多層構造体2の厚さは、通常10μm〜5mm程度、好ましくは20μm〜2mm、さらに好ましくは50μm〜1.2mmである。

0082

光透過性保護フィルム5としては、通常、光透過性の樹脂フィルムが使用される。かかる樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、従来、光記録媒体の保護フィルムとして慣用されているものの中から適宜選択して用いることができる。この光透過性保護フィルム5の厚さは、特に制限はないが、通常3〜600μm程度、好ましくは5〜150μmである。光透過性保護フィルム5の厚さが600μmを超えると、各層にフォーカスできなくなるおそれがあり、光透過性保護フィルム5の厚さが3μm未満であると、十分な保護ができないおそれがある。

0083

上記多層光記録媒体10の製造方法の一例について説明する。
最初に、基板3を用意し、その上に接着剤層4を形成する。この接着剤層4の材料は、上記接着剤層12を構成している接着剤と同じであっても異なっていてもよい。

0084

そして、多層光記録媒体製造用シート1から剥離シート13を剥がし、露出した光記録層11と、基板3上の接着剤層4とが対面するようにして、両者を接合させる。次いで、この積層体から、剥離シート13’を剥がして接着剤層12を露出させ、この接着剤層12と、別の多層光記録媒体製造用シート1から剥離シート13を剥がして露出した光記録層11とが対面するようにして、両者を接合させる。以下同様の手順で、順次積層を繰り返すことにより、光記録層11および接着剤層12がそれぞれ複数積層されてなる多層構造体2が得られる。

0085

最後に、最上層の剥離シート13’を剥がして露出した接着剤層12に、光透過性保護フィルム5を貼付して、多層光記録媒体10を得る。

0086

多層光記録媒体10の製造方法の他の例としては、基板3を用意し、多層光記録媒体製造用シート1から剥離シート13’を剥がし、露出した接着剤層12と、基板3の表面とが対面するようにして、両者を接合させる。次いで、この積層体から、剥離シート13を剥がして光記録層11を露出させ、この光記録層11と、別の多層光記録媒体製造用シート1から剥離シート13’を剥がして露出した接着剤層12とが対面するようにして、両者を接合させる。以下同様の手順で、順次積層を繰り返すことにより、接着剤層12および光記録層11が複数積層されてなる多層構造体2が得られる。最後に、最上層の剥離シート13を剥がして露出した光記録層11に、接着剤層付きの光透過性保護フィルムを貼付して、多層光記録媒体10を得る。

0087

本実施形態に係る多層光記録媒体10においては、前述した接着剤層12を使用することにより、光記録層11と接着剤層12との界面で、検出に必要な十分な強度の反射光を得ることができる。また、接着剤層12における散乱光が少なく、ノイズが少ないため、反射光の検出不良の発生を抑制することができる。

0088

なお、多層光記録媒体10は、多層光記録媒体製造用シート1を使用することなく製造することもできる。例えば、所定の基材または基板3の上に、接着剤層12用の塗布剤を塗布して接着剤層12を形成し、その接着剤層12の上に光記録層11用の塗布剤を塗布して光記録層11を形成し、さらにその光記録層11の上に接着剤層12用の塗布剤を塗布して接着剤層12を形成し、この工程を繰り返すことで、多層光記録媒体10を製造することができる。あるいは、あらかじめ剥離シート上に光記録層11を形成しておき、所定の基材または基板3の上に、接着剤層12用の塗布剤を塗布して接着剤層12を形成し、その接着剤層12の上に上記光記録層11を積層して剥離シートを剥離し、さらにその光記録層11の上に接着剤層12用の塗布剤を塗布して接着剤層12を形成し、この工程を繰り返すことで、多層光記録媒体10を製造することができる。

0089

以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。

0090

以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。

0091

〔実施例1〜20,比較例1〜4〕
(1)光記録層の形成
光子吸収性材料としての1,1−ビス−[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン(東京化成工業社製)10質量部と、溶剤としてのトルエン90質量部とを混合し、固形分濃度10質量%の第1の溶液を調製した。また、マトリクスとしてのポリスチレン(東ソー社製,F−80)10質量部と、溶剤としてのトルエン90質量部とを混合し、固形分濃度10質量%の第2の溶液を調製した。上記第1の溶液と上記第2の溶液とを、質量比7:3の割合で混合し、これを光記録層用塗工液とした。

0092

厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材にアルキド樹脂系剥離剤で剥離処理した剥離シートの剥離層面に、上記光記録層用塗工液をグラビアコート法にて塗布し、110℃で1分間乾燥させて、厚さ約1μmの光記録層を形成し、剥離シート付き光記録層を得た。

0093

(2)接着剤層の形成
表1に示すフッ素含有モノマーおよび/またはケイ素含有モノマーと、官能基を有するアクリル系モノマーと、(メタ)アクリル酸エステルとを、表1に示す配合比組成)にて配合し、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.25質量部を加えた上で酢酸エチル中で反応させて、アクリル酸エステル共重合体(Mw=200,000)の酢酸エチル溶液(固形分濃度20質量%)を得た。これに、表1に示す架橋剤を添加し、接着剤層用塗工液とした。

0094

厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン剥離剤で剥離処理した剥離シートの剥離層面に、上記接着剤層用塗工液をナイフコーターにて塗布し、90℃で1分間乾燥させて、厚さ10μmの接着剤層を形成し、剥離シート付き接着剤層を得た。

0095

表1に示す記号は以下の通りである。
重合体組成
V−8F:1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(大阪有機工業社製,製品名「V−8F」)
V−4F:2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート(大阪有機工業社製,製品名「V−4F」)
V−13F:3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート(大阪有機工業社製,製品名「V−13F」)
M−3F:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(共栄社化学工業社製,製品名「M−3F」)
TM−0701T:3−[トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル]プロピルメタクリレート(JNC社製,製品名「TM−0701T」)
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
OA−MS(N):2−アクリロイロキシエチル−コハク酸
AAc:アクリル酸
<架橋剤>
M−5A:アルミキレート系架橋剤(総研化学社製,製品名「M−5A」)
BXX5172:アジリジン系系架橋剤(総研化学社製,製品名「BXX5172」)
8515:イソシアネート系架橋剤(東洋インキ社製,製品名「BHS−8515」)
コロネートHL:イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製,製品名「コロネートHL」)
TC−5:エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製,製品名「TC−5」)

0096

(3)多層光記録媒体製造用シートの作製
上記(2)で得られた剥離シート付き接着剤層の接着剤層側の面と、上記(1)で得られた剥離シート付き光記録層の光記録層側の面とを合わせ、室温下にて、2本のゴムロールを通過させて圧着することにより、光記録層と接着剤層とが積層された多層光記録媒体製造用シートを作製した。この多層光記録媒体製造用シートは、剥離シート/光記録層(1μm)/接着剤層(10μm)/剥離シートから構成される。

0097

(4)多層光記録媒体の作製
上記(3)で作製した多層光記録媒体製造用シートにおける接着剤層側の剥離シートを剥がし、露出した接着剤層に、光透過性保護フィルムとしてポリカーボネートシート(厚み75μm)を重ね合わせ、室温下にて、2本のゴムロールを通過させて圧着することにより、接着剤層と光透過性保護フィルムとを積層し、剥離シートを剥がして光記録層を露出させ、積層体Aを得た。

0098

一方、上記(2)で得られた剥離シート付き接着剤層の接着剤層側の面と、鏡面加工した鏡面ポリカーボネート基板(厚み1.1mm)とを重ね合わせ、室温下にて、2本のゴムロールを通過させて圧着することにより、接着剤層と鏡面ポリカーボネート基板とを積層し、剥離シートを剥がして接着剤層を露出させ、積層体Bを得た。

0099

積層体Aの露出した光記録層と、積層体Bの露出した接着剤層とを重ね合わせ、室温下にて、2本のゴムロールを通過させて圧着することにより、多層光記録媒体を作製した。得られた多層光記録媒体の構成は、ポリカーボネートシート(75μm)/接着剤(10μm)/光記録層/接着剤(10μm)/鏡面ポリカーボネート基板(1.1mm)である。

0100

試験例1〕(屈折率の測定)
上記(2)で形成した接着剤層(厚さ10μm)の屈折率を、測定波長589nmで、アッベ屈折率計(アタゴ社製)を使用して、JIS K7142(2008)に準じて測定した。結果を表1に示す。

0101

〔試験例2〕(保持力の測定)
上記(2)で形成した接着剤層(25mm×25mm)の片面を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製,製品名:コスシャインA4100,厚さ:50μm)と貼り合わせ、さらに上記接着剤層の反対面から剥離シートを剥離して、露出した接着剤層をステンレススチール(SUS304)からなる試験板に圧着した。そして、1kgの錘を接着剤層に取り付け、40℃、50%RH環境下にて、JIS Z0237(2009)に基づき、70,000秒後の錘のずれ量(μm)を測定した。結果を表1に示す。なお、70,000秒後に錘が落下しなかった場合を良好とし、70,000秒後に錘が落下した場合を不良とした。

0102

〔試験例3〕(ドメインの大きさの測定)
上記(2)で形成した接着剤層について、走査型プローブ顕微鏡(SPM;エスアイアイナノテクノロジー社製,SPA 300HV)を使用して、ダイナミック・フォース・モード(DFM)にて位相像を観察し、ドメインの大きさ(nm)を測定した。具体的には、観察を行った位相像から、30個のドメインを任意に抽出し、それぞれの最大長さを測定し、その平均値をドメインの大きさとした。結果を表1に示す。

0103

また、実施例3における接着剤層のSPMによるDFM位相像の写真を図3、実施例14における接着剤層のSPMによるDFM位相像の写真を図4、比較例4における接着剤層のSPMによるDFM位相像の写真を図5に示す。

0104

〔試験例4〕(ヘイズ値の測定)
上記(2)で形成した接着剤層の両面に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製,PET50A−4100)を貼付した。この積層体に対して光を入射させ、ヘイズメーター(日本電色工業社製,NDH2000)を使用し、JIS K7105に準じてヘイズ値を測定した。結果を表1に示す。

0105

〔試験例5〕(ノイズレベルの測定)
上記(4)で作製した多層光記録媒体について、ディスクテスターエキスパートマグネティックス社製,BDT−SDX)を使用して、波長405nmで試験を行い、スペクトラムアナライザ(インステック社製,GSP−930)を使用して、RF信号を検出した。その結果、2MHzの信号強度が−77dBm未満であればノイズレベルは◎、−77dBm以上、−74dBm未満であればノイズレベルは○、−74dBm以上であればノイズレベルは×と判断した。結果を表1に示す。

0106

実施例

0107

表1から明らかなように、実施例で得られた接着剤層は、ヘイズが低く、屈折率が1.45以下と低く、かつドメインの大きさが100nm以下であるため、接着剤層と光記録層との界面で反射光の強度が強く、ノイズが少ないものであった。一方、比較例1〜3の接着剤層は、ヘイズは低いものの、屈折率が高すぎたため、接着剤層と光記録層との界面で反射光の強度が弱く、RF信号を検出することができなかった。また、比較例4,5の接着剤層は、ヘイズおよび屈折率は低いものの、ドメインが大きすぎるため、接着剤層12の内部および界面での散乱光が多く、十分なRF信号強度が得られず、ノイズが多くなった。

0108

本発明は、光記録層と接着剤層との界面からの反射光を利用して各層の界面を検出する多層光記録媒体に有用である。

0109

1…多層光記録媒体製造用シート
11…光記録層
12…接着剤層
13,13’…剥離シート
2…多層構造体
3…基板
4…接着剤層
5…光透過性保護フィルム
10…多層光記録媒体

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