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技術 核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 山本剛濱本智元瀧花誠司
出願日 2012年9月26日 (9年1ヶ月経過) 出願番号 2012-212198
公開日 2014年4月17日 (7年6ヶ月経過) 公開番号 2014-066612
状態 特許登録済
技術分野 燃料及び物質の取扱い並びに実験設備
主要キーワード 遮へい部材 遮へい板 補修板 自立式 補修層 漏洩位置 移動配置 目視試験
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年4月17日)のものです。
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図面 (8)

課題

核燃料貯蔵プールにおける燃料配置方法において、核燃料貯蔵プールにおける耐久性の向上を可能とする。

解決手段

予め設定された下限値を超える放射線量を有する燃料(燃料集合体)を損傷部Dが補修された補修層41から予め設定された所定距離を越えて離間して配置し、下限値以下の放射線量を有する燃料(燃料集合体)を補修層41の近傍に配置する。

概要

背景

原子力発電プラントに使用される原子炉として、加圧水型原子炉沸騰水型原子炉などがある。このような原子炉では、内部に多数の燃料集合体核燃料)を配置すると共に、軽水原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、核燃料が核分裂することで発生した熱により軽水を加熱し、この加熱された軽水(蒸気)により発電を行っている。

このような原子炉では、新たに使用する未使用の燃料集合体(燃料棒)や既に使用された使用済の燃料集合体(燃料棒)を一時的に貯蔵する燃料プール原子炉建屋に設けられている。この燃料プールは、内部に核燃料貯蔵ラックが設置されており、多数の未使用の燃料集合体や使用済の燃料集合体を立てた状態で支持されている。このような核燃料貯蔵ラックは、一般的に、複数の隔壁格子状に組み合わせることで複数のセルを形成し、この各セル内に燃料集合体を挿入して支持している。そして、燃料プールは、内部で使用済燃料集合体崩壊熱を除去すると共に、放射線遮へいするために水が満たされている。

このような燃料プールは、コンクリートにより形成された貯水槽内面ステンレス鋼板により形成されたライニングが敷設されて構成されている。ところが、このステンレス鋼板製のライニングは、多数の溶接部が存在することから、長期の使用によりこの溶接部に割れが発生するおそれがある。そして、ライニングに割れが発生したときには、漏水を防止するために、その割れを補修する必要がある。燃料プールの補修方法としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。特許文献1に記載された流体収容装置の内面の補修方法は、補修すべき箇所に薄板接着剤により接着するものである。また、特許文献2に記載されたピットの補修方法は、既設ライニング材ライニングパネルにより覆うように取付けるものである。

概要

核燃料貯蔵プールにおける燃料配置方法において、核燃料貯蔵プールにおける耐久性の向上を可能とする。予め設定された下限値を超える放射線量を有する燃料(燃料集合体)を損傷部Dが補修された補修層41から予め設定された所定距離を越えて離間して配置し、下限値以下の放射線量を有する燃料(燃料集合体)を補修層41の近傍に配置する。

目的

本発明は上述した課題を解決するものであり、核燃料貯蔵プールにおける耐久性の向上を可能とする核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内部に貯留される冷却水核燃料を浸漬して貯蔵可能な核燃料貯蔵プールにおいて、予め設定された下限値を超える放射線量を有する前記核燃料を補修部から予め設定された所定距離を越えて配置する、ことを特徴とする核燃料貯蔵プールにおける燃料配置方法

請求項2

前記下限値以下の放射線量を有する前記核燃料を前記補修部から前記所定距離以内に配置することを特徴とする請求項1に記載の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法。

請求項3

使用後から予め設定された所定期間を経過した前記核燃料を前記補修部から前記所定距離以内に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法。

請求項4

前記核燃料貯蔵プール内に複数の核燃料貯蔵ラックが設置され、前記下限値を超える放射線量を有する前記核燃料を前記補修部に隣接しない前記核燃料貯蔵ラックに支持することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法。

請求項5

内部に貯留される冷却水に核燃料を浸漬して貯蔵可能な核燃料貯蔵プールにおいて、前記核燃料貯蔵プールにおける損傷部を検出する工程と、前記損傷部の近傍に位置する前記核燃料を前記損傷部から離間する位置に移動する工程と、前記損傷部を補修する工程と、予め設定された下限値以下の放射線量を有する前記核燃料を前記損傷部が補修された補修部の近傍に移動する工程と、を有することを特徴とする核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法。

請求項6

前記損傷部の近傍に位置する前記核燃料が前記下限値を超える放射線量を有するとき、この核燃料を前記損傷部から予め設定された所定距離を越える位置に移動することを特徴とする請求項5に記載の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法。

請求項7

前記核燃料貯蔵プール内に複数の核燃料貯蔵ラックが設置され、前記損傷部の補修後、前記下限値以下の放射線量を有する前記核燃料を前記補修部に隣接する前記核燃料貯蔵ラックに支持し、前記下限値を超える放射線量を有する前記核燃料を前記補修部に隣接しない前記核燃料貯蔵ラックに支持することを特徴とする請求項5または6に記載の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法。

請求項8

前記損傷部に補修材接着して補修部を形成し、前記補修部と前記核燃料との間に遮へい部材を設けることを特徴とする請求項6に記載の核燃料貯蔵プールの配置方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の核燃料集合体である燃料集合体を一時的に貯蔵する核燃料貯蔵プールにおいて、燃料配置方法に関するものである。

背景技術

0002

原子力発電プラントに使用される原子炉として、加圧水型原子炉沸騰水型原子炉などがある。このような原子炉では、内部に多数の燃料集合体(核燃料)を配置すると共に、軽水原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、核燃料が核分裂することで発生した熱により軽水を加熱し、この加熱された軽水(蒸気)により発電を行っている。

0003

このような原子炉では、新たに使用する未使用の燃料集合体(燃料棒)や既に使用された使用済の燃料集合体(燃料棒)を一時的に貯蔵する燃料プール原子炉建屋に設けられている。この燃料プールは、内部に核燃料貯蔵ラックが設置されており、多数の未使用の燃料集合体や使用済の燃料集合体を立てた状態で支持されている。このような核燃料貯蔵ラックは、一般的に、複数の隔壁格子状に組み合わせることで複数のセルを形成し、この各セル内に燃料集合体を挿入して支持している。そして、燃料プールは、内部で使用済燃料集合体崩壊熱を除去すると共に、放射線遮へいするために水が満たされている。

0004

このような燃料プールは、コンクリートにより形成された貯水槽内面ステンレス鋼板により形成されたライニングが敷設されて構成されている。ところが、このステンレス鋼板製のライニングは、多数の溶接部が存在することから、長期の使用によりこの溶接部に割れが発生するおそれがある。そして、ライニングに割れが発生したときには、漏水を防止するために、その割れを補修する必要がある。燃料プールの補修方法としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。特許文献1に記載された流体収容装置の内面の補修方法は、補修すべき箇所に薄板接着剤により接着するものである。また、特許文献2に記載されたピットの補修方法は、既設ライニング材ライニングパネルにより覆うように取付けるものである。

先行技術

0005

特公平07−040075号公報
特開2004−154838号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述した燃料プールは、上述したように、コンクリート製の貯水槽の内面にステンレス鋼板製のライニングが敷設されて構成されており、このステンレス鋼板製のライニングに割れが発生しやすい。そして、このライニングに発生して割れなどの損傷箇所を補修するが、この補修箇所が燃料から照射される放射線により劣化してしまうおそれがあり、耐久性が不十分となる。

0007

本発明は上述した課題を解決するものであり、核燃料貯蔵プールにおける耐久性の向上を可能とする核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の目的を達成するための本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法は、内部に貯留される冷却水に核燃料を浸漬して貯蔵可能な核燃料貯蔵プールにおいて、予め設定された下限値を超える放射線量を有する前記核燃料を補修部から予め設定された所定距離を越えて配置する、ことを特徴とするものである。

0009

従って、下限値を超える放射線量を有する核燃料を補修部から所定距離を越えて離間して配置することで、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することが抑制され、核燃料貯蔵プールにおける耐久性を向上することができる。

0010

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、前記下限値以下の放射線量を有する前記核燃料を前記補修部から前記所定距離以内に配置することを特徴としている。

0011

従って、下限値以下の放射線量を有する核燃料を補修部に接近して配置することで、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することを抑制することができる。

0012

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、使用後から予め設定された所定期間を経過した前記核燃料を前記補修部から前記所定距離以内に配置することを特徴としている。

0013

従って、所定期間を経過した使用済の核燃料は、放射線量が低いことからこの核燃料を補修部に接近して配置することで、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することを抑制することができると共に、核燃料を効率的に配置して核燃料貯蔵プール内のスペースを有効的に使用することができる。

0014

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、前記核燃料貯蔵プール内に複数の核燃料貯蔵ラックが設置され、前記下限値を超える放射線量を有する前記核燃料を前記補修部に隣接しない前記核燃料貯蔵ラックに支持することを特徴としている。

0015

従って、下限値を超える放射線量を有する核燃料を補修部から離間した核燃料貯蔵ラックに支持することで、核燃料の移動を効率的に行うことができると共に、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することを抑制することができる。

0016

また、本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の移動配置では、内部に貯留される冷却水に核燃料を浸漬して貯蔵可能な核燃料貯蔵プールにおいて、前記核燃料貯蔵プールにおける損傷部を検出する工程と、前記損傷部の近傍に位置する前記核燃料を前記損傷部から離間する位置に移動する工程と、前記損傷部を補修する工程と、予め設定された下限値以下の放射線量を有する前記核燃料を前記損傷部が補修された補修部の近傍に移動する工程と、を有することを特徴とするものである。

0017

従って、核燃料貯蔵プールの損傷部が検出されたら、この損傷部の近傍に位置する核燃料を離間する位置に移動してから損傷部を補修し、補修後に、下限値以下の放射線量を有する核燃料を補修部の近傍に移動することで、下限値を超える放射線量を有する核燃料が補修部の近傍に配置されることはなく、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することが抑制され、核燃料貯蔵プールにおける耐久性を向上することができる。

0018

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、前記損傷部の近傍に位置する前記核燃料が前記下限値を超える放射線量を有するとき、この核燃料を前記損傷部から予め設定された所定距離を越える位置に移動することを特徴としている。

0019

従って、核燃料貯蔵プールの損傷部が検出されたとき、この損傷部の近傍に位置する核燃料が下限値を超える放射線量を有する場合、この核燃料を損傷部から所定距離を越えて離間する位置に移動してから、損傷部を補修するため、補修後における核燃料の移動工程を簡素化することができる。

0020

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、前記核燃料貯蔵プール内に複数の核燃料貯蔵ラックが設置され、前記損傷部の補修後、前記下限値以下の放射線量を有する前記核燃料を前記補修部に隣接する前記核燃料貯蔵ラックに支持し、前記下限値を超える放射線量を有する前記核燃料を前記補修部に隣接しない前記核燃料貯蔵ラックに支持することを特徴としている。

0021

従って、損傷部の補修後、下限値以下の放射線量を有する核燃料を補修部の近くの核燃料貯蔵ラックに支持し、下限値を超える放射線量を有する核燃料を補修部から離間した核燃料貯蔵ラックに支持することで、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することを抑制することができる。

0022

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、前記損傷部に補修材を接着して補修部を形成し、前記補修部と前記核燃料との間に遮へい部材を設けることを特徴としている。

0023

従って、ライニングの損傷部に対して補修材を接着して補修することで、損傷部を短時間で容易に補修することができ、補修部と核燃料との間に遮へい部材を設けることで、核燃料の放射線が補修部に直接照射されることがなく、補修部の耐久性を向上することができる。

発明の効果

0024

本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法によれば、下限値を超える放射線量を有する核燃料を補修部から所定距離を越えて配置するので、核燃料から放射される放射線の影響により補修部が劣化することが抑制され、核燃料貯蔵プールにおける耐久性を向上することができる。

図面の簡単な説明

0025

図1は、本発明の一実施例に係る核燃料貯蔵プールの漏水検出方法を表す概略図である。
図2は、核燃料貯蔵プールの構造を表す断面図である。
図3は、核燃料貯蔵プールの補修方法を表す概略図である。
図4は、核燃料貯蔵プールの補修方法並びに燃料の配置方法を表すフローチャートである。
図5は、使用済核燃料経過期間に対する放射線量を表すグラフである。
図6は、原子炉格納容器を表す概略図である。
図7は、核燃料貯蔵プールを表す概略図である。

0026

以下に添付図面を参照して、本発明に係る核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。

0027

図1は、本発明の一実施例に係る核燃料貯蔵プールの漏水検出方法を表す概略図、図2は、核燃料貯蔵プールの構造を表す断面図、図3は、核燃料貯蔵プールの補修方法を表す概略図、図4は、核燃料貯蔵プールの補修方法並びに燃料の配置方法を表すフローチャート、図5は、使用済核燃料の経過期間に対する放射線量を表すグラフ、図6は、原子炉格納容器を表す概略図、図7は、核燃料貯蔵プールを表す概略図である。

0028

核燃料貯蔵ラックは、原子力発電プラントの原子炉建屋に設けられる燃料プール(核燃料貯蔵プール)に設置されるものである。そして、原子力発電プラントは、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)や沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)の原子炉が設けられている。加圧水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電するものである。一方、沸騰水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気を直接タービン発電機に送って発電するものである。

0029

本実施例では、加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、原子炉建屋に設けられる燃料プールに核燃料貯蔵ラックが設置され、この核燃料貯蔵ラックに使用前または使用済の燃料集合体(燃料棒)が支持されたものについて説明する。なお、原子力発電プラントに限らず、核燃料再処理施設などに設けられた燃料プールに適用することもできる。

0030

加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図6に示すように、原子炉格納容器11は、内部に加圧水型原子炉12、蒸気発生器13、加圧器14などが収容されており、加圧水型原子炉12と蒸気発生器13は冷却水配管を介して連結され、一方の冷却水配管に加圧器14が設けられ、他方の冷却水配管に冷却水ポンプが設けられている。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器14により所定の高圧に維持された状態で冷却水配管を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管を通して加圧水型原子炉12に戻される。

0031

原子炉格納容器11は、隣接して燃料取扱建屋(原子炉建屋)15が設置され、この燃料取扱建屋15内に燃料プール16が設けられており、この燃料プール16の内部に核燃料貯蔵ラック17が設置されている。この核燃料貯蔵ラック17は、加圧水型原子炉12で使用された使用済の燃料(燃料集合体)やこれから使用する使用前の燃料(燃料集合体)を一時的に貯蔵するものであり、この核燃料貯蔵ラック17に貯蔵された燃料は、燃料プール16に充填されて循環する冷却水に浸漬されて冷却可能となっている。

0032

燃料プール16は、図1及び図7に示すように、コンクリートにより形成された所定深さを有する貯水槽21の内面にステンレス鋼板製のライニング22が敷設されており、コンクリートの貯水槽21により遮へい処理がなされ、ステンレス鋼板製のライニング22により止水処理がなされ、その内側に冷却水が貯留されて構成されている。核燃料貯蔵ラック17は、この燃料プール16の床面に載置され、冷却水に浸漬可能となっている。この場合、核燃料貯蔵ラック17は、複数が燃料プール16の壁面から所定距離をあけて載置されると共に、互いに所定隙間をあけて載置されている。

0033

核燃料貯蔵ラック17は、底付の四角筒形状をなし、上方が開口しており、内部に複数の四角管が均等間隔で配置され、溶接により固定されることで、燃料(燃料集合体)18を鉛直方向に沿って上方から挿入可能な複数のセルが形成されている。このセルは、隣接するもの同士が連通するように図示しない連通孔が形成されており、各セル間で冷却水の流通が可能となっている。なお、核燃料貯蔵ラック17は、この構成に限定されるものではなく、枠体の内部に格子状をなす支持壁を設けたものであってもよく、また、自立式に限らず、燃料プール16の壁面に支持するようにしたものでもよい。

0034

このように構成された燃料プール16は、長期間の使用により、ステンレス鋼板製のライニング22に割れが発生することがあり、この割れが発生したときには、冷却水の漏洩が発生するだけでなく、放射線が漏洩するおそれがあることから、割れなどの損傷部を検出して補修する必要がある。

0035

燃料プール16は、図1及び図2に示すように、貯水槽21の内面とライニング22との間、つまり、貯水槽21の内面に格子状をなす複数の溝部31が設けられている。この溝部31は、例えば、ライニング22同士を溶接により連結する連結部(溶接部)22aの両側に設けられるものであり、所定間隔で複数設けられている。そして、貯水槽21は、内面に設けられた複数の金具21aを介してライニング22が敷設されており、貯水槽21の内面とライニング22との間に空間部Sが設けられている。この場合、この格子状の溝部31は、燃料プール16における貯水槽21の底面や各壁面に形成されており、各溝部31は、全てが連通するように形成されている。なお、溝部31を貯水槽21の底面だけで連通させたり、壁面だけで連通させたり、所定の領域だけ連通するように形成してもよい。

0036

各溝部31は、1つの連結配管32の一端部が連結され、この連結配管32は、他端部が分岐して第1分岐配管33が接続され、この第1分岐配管33は、開閉弁34と冷却水検出器35が接続されている。従って、燃料プール16の長期間の使用により、ライニング22やその連結部22aに割れ(損傷部)が発生すると、この割れから冷却水が漏れ、貯水槽21とライニング22との間、つまり、各溝部31に流出する。すると、各溝部31に流出した冷却水は、連結配管32から第1分岐配管33を通して冷却水検出器35に流れることとなり、冷却水検出器35が冷却水を検出することで、ライニング22からの漏水、つまり、ライニング22の損傷を検出することができる。なお、各溝部31に流出した冷却水が連結配管32から第1分岐配管33を通して冷却水検出器35に流れるように、溝部31と連結配管32と第1分岐配管33の勾配を設定しておく。また、通常は、開閉弁34を開放状態としておく。

0037

このように燃料プール16におけるライニング22の損傷部が検出されたとき、本実施例では、貯水槽21の内面とライニング22との間にエア(ガス)を供給し、ライニング22におけるエアの漏洩位置からライニング22の損傷部を特定し、ライニング22の損傷部を補修するようにしている。

0038

即ち、連結配管32は、他端部が分岐して第2分岐配管36が接続され、この第2分岐配管36は、開閉弁37と供給ポンプ38とエアタンク39が接続されている。この場合、供給ポンプ38とエアタンク39に代えて、圧縮エアタンクとしてもよい。即ち、第2分岐配管36にエアを供給することができる構成であればよい。なお、エアに代えて不活性ガスとしてもよい。

0039

従って、冷却水検出器35が冷却水を検出することで、ライニング22からの漏水、ライニング22の損傷を検出したら、開閉弁34を閉止する一方、開閉弁37を開放して供給ポンプ38を作動し、エアタンク39内のエアを第2分岐配管36から連結配管32を通して溝部31、つまり、貯水槽21とライニング22との空間部Sに供給する。すると、ライニング22における損傷部からエア泡が発生することから、冷却水に発生するエア泡の発生位置からライニング22の損傷部を特定する。そして、ライニング22におけるエア泡の発生位置からライニング22の損傷部の領域が特定されたら、非破壊検査により損傷箇所を特定する。

0040

このライニング22における損傷部を補修する補修方法としては、例えば、損傷部に対して補修材を接着して補修する方法がある。

0041

ライニング22における損傷部に対して補修材を接着して補修する方法において、図3に示すように、ライニング22に損傷部Dが検出されると、この損傷部Dの表面にエポキシ樹脂製の接着剤を塗布することで、ライニング22(損傷部D)の表面にエポキシ系の補修層(補修部)41を形成する。そして、このライニング22における補修済の損傷部D、つまり、補修層41と核燃料貯蔵ラック17との間に遮へい板(遮へい部材)42を配置し、吊具43により支持する。従って、ライニング22の損傷部Dがエポキシ系の補修層41により補修されて止水されると共に、この補修層41が遮へい板42により核燃料貯蔵ラック17の燃料から照射される放射線から保護される。

0042

そして、本実施例の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、燃料プール16におけるライニング22の損傷部Dの補修を行うとき、既に燃料プール16の核燃料貯蔵ラック17に支持されている燃料18のうち、予め設定された下限値を超える放射線量を有する燃料18を損傷部D(補修部41)から予め設定された所定距離を越えて移動して配置するようにしている。

0043

また、下限値以下の放射線量を有する燃料18を損傷部D(補修部41)から所定距離以内に配置するようにしている。例えば、使用後から予め設定された所定期間を経過して放射線量が低下した燃料18を損傷部D(補修部41)の近傍に配置し、使用後から所定期間を経過しておらず放射線量が高い燃料18を損傷部D(補修部41)から離間して配置する。この場合、下限値以下の放射線量を有する燃料18を損傷部D(補修部41)に隣接した核燃料貯蔵ラック17に支持し、下限値を超える放射線量を有する燃料18を損傷部D(補修部41)に隣接せずに離れた核燃料貯蔵ラック17に支持する。

0044

ここで、本実施例の核燃料貯蔵プールの補修方法、並びに、燃料の配置方法について、図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。

0045

図1に示すように、燃料プール16にて、複数連通する溝部31は、連結配管32及び第1分岐配管33を介して冷却水検出器35が接続されており、通常、開閉弁34が開放されている。図1及び図4に示すように、ステップS11にて、冷却水検出器35がライニング22からの漏水を検出しており、ライニング22からの漏水がなければ(No)、この状態が維持される。一方、冷却水検出器35がライニング22からの漏水を検出する(Yes)と、ステップS12にて、開閉弁34を閉止する一方、開閉弁37を開放し、供給ポンプ38を作動してエアを第2分岐配管36から連結配管32を通して溝部31、つまり、貯水槽21とライニング22との空間部Sに供給する。ステップS13にて、この空間部Sにエアが供給されると、ライニング22における損傷部Dから冷却水中にエア泡が発生することから、このエア泡の発生位置に基づいてライニング22の損傷部Dの領域を特定する。

0046

ライニング22における損傷部Dの領域が特定されたら、この損傷部Dを補修するために、ステップS14にて、燃料プール16の核燃料貯蔵ラック17に支持されている燃料(燃料集合体)18のうち、損傷部Dの領域近傍に位置する燃料18を別の核燃料貯蔵ラック17に移動すると共に、ステップS15にて、損傷部Dの領域近傍に位置する核燃料貯蔵ラック17を別の位置や別の燃料プール16に移動する。

0047

即ち、損傷部Dの近傍に位置する燃料18が、予め設定された下限値を越える放射線量を有する燃料18であるとき、この燃料18を損傷部Dから予め設定された所定距離を越えて移動して配置する。具体的に、損傷部Dに隣接する核燃料貯蔵ラック17aに支持されている燃料18が、下限値を越える放射線量を有する燃料18であるとき、この燃料18を損傷部Dに隣接していない核燃料貯蔵ラック17b,17cに移動して配置する。この場合、下限値を越える放射線量を有する燃料18を損傷部Dからできるだけ離れた核燃料貯蔵ラック17cに移動することが望ましい。

0048

なお、損傷部Dに隣接する核燃料貯蔵ラック17aに支持されている燃料18を損傷部Dに隣接していない核燃料貯蔵ラック17b,17cに移動して配置するだけでなく、損傷部41に隣接する核燃料貯蔵ラック17aにて、損傷部Dに隣接していないセル17に移動するようにしてもよい。また、損傷部Dに隣接する核燃料貯蔵ラック17aに燃料18が支持されていなければ、燃料18の移動を行う必要はない。また、損傷部Dに隣接する核燃料貯蔵ラック17aを別の位置や別の燃料プール16に移動する場合、損傷部Dを補修するにあたり、補修作業に支障をきたすときだけ核燃料貯蔵ラック17aを移動し、補修作業に支障をきたさないときには核燃料貯蔵ラック17aを移動する必要はない。

0049

そして、ステップS16にて、漏水が検出されたライニング22における損傷部Dの所定領域に対して非破壊検査により損傷箇所を特定する。この非破壊検査としては、目視試験VT:Visual Testing)や渦電流傷試験(ET:Eddy Current Testing)などの手法を用いるのが好ましい。そして、非破壊検査によりライニング22における損傷部Dの箇所が特定されたら、ステップS17にて、前述したように、損傷部Dに対して補修材を接着することで、補修層41を形成する。

0050

損傷部Dが補修層41により補修されたら、ステップS18にて、移動した核燃料貯蔵ラック17を燃料プール16に戻し、ステップS19にて、移動した燃料(燃料集合体)18を核燃料貯蔵ラック17に戻す。このとき、移動した燃料18や核燃料貯蔵ラック17がなければ、この作業を行う必要はない。

0051

移動した燃料18を核燃料貯蔵ラック17に戻すとき、使用後から予め設定された所定期間を経過して放射線量が低下した燃料18を補修部41の近傍に移動し、使用後から所定期間を経過しておらず放射線量が高い燃料18を補修部41から離間した位置に移動する。具体的に、下限値以下の放射線量を有する燃料18を補修部41に隣接した核燃料貯蔵ラック17aに支持し、下限値を超える放射線量を有する燃料18を補修部41に隣接せずに離れた核燃料貯蔵ラック17cに移動する。この場合、未使用の燃料18を補修部41の近傍に移動してもよい。

0052

使用済の燃料18は、放射性物質から構成されるものであることから、時間(半減期)を経過すると、放射線量が減少していく。即ち、図5に示すように、使用済の燃料18は、期間の経過と共に放射線量が減少し、所定期間(例えば、半減期)Tsを過ぎると、放射線量が下限値Rsまで低下して一定値となる。前述した下限値とは、この下限値Rsであり、前述した所定期間とは、この所定期間Tsである。また、前述した所定距離とは、例えば、補修部41に隣接していない核燃料貯蔵ラック17cまでの距離である。

0053

このように本実施例の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法にあっては、予め設定された下限値を超える放射線量を有する燃料(燃料集合体)18を、損傷部Dが補修された補修層41から予め設定された所定距離を越えて離間して配置するようにしている。

0054

従って、下限値を超える放射線量を有する燃料18を補修層41から所定距離を越えて離間して配置することで、燃料18から放射される放射線の影響により補修層41が劣化することが抑制され、燃料プール16における耐久性を向上することができる。

0055

本実施例の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、下限値以下の放射線量を有する燃料18を補修部41から所定距離以内に配置するようにしている。従って、燃料18から放射される放射線の影響により補修部41が劣化することを抑制することができる。

0056

本実施例の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、使用後から予め設定された所定期間を経過した燃料18を補修部41から所定距離以内に配置するようにしている。従って、所定期間を経過した使用済の燃料18は、放射線量が低いことからこの燃料18を補修部41に接近して配置することで、燃料18から放射される放射線の影響により補修部41が劣化することを抑制することができると共に、燃料18を効率的に配置して燃料プール16内のスペースを有効的に使用することができる。

0057

本実施例の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法では、燃料プール16内に複数の核燃料貯蔵ラック17を設置し、下限値を超える放射線量を有する燃料18を補修部41に隣接しない核燃料貯蔵ラック17に支持するようにしている。燃料18の移動を効率的に行うことができると共に、燃料18から放射される放射線の影響により補修部41が劣化することを抑制することができる。

0058

また、本実施例の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法にあっては、燃料プール16における損傷部Dを検出する工程と、損傷部Dの近傍に位置する燃料18を損傷部Dから離間する位置に移動する工程と、損傷部Dを補修する工程と、予め設定された下限値以下の放射線量を有する燃料18を損傷部Dが補修された補修層41の近傍に移動する工程と、を有している。

0059

従って、燃料プール18の損傷部Dが検出されたら、この損傷部Dの近傍に位置する燃料18を離間する位置に移動してから損傷部Dを補修し、補修後に、下限値以下の放射線量を有する燃料18を補修部41の近傍に移動することで、下限値を超える放射線量を有する燃料18が補修部41の近傍に配置されることはなく、燃料18から放射される放射線の影響により補修部41が劣化することが抑制され、燃料プール16における耐久性を向上することができる。

0060

本実施例の核燃料貯蔵プールの補修方法では、ライニング22の損傷部Dに補修材を接着して補修層41を形成し、この補修部41と核燃料貯蔵ラック17との間に遮へい板42を設けている。従って、損傷部Dを短時間で容易に補修することができ、また、補修層41(損傷部D)と核燃料貯蔵ラック17との間に遮へい板42を設けることで、核燃料貯蔵ラック17に支持された燃料の放射線が補修層41(損傷部D)に直接照射されることがなく、補修層41の耐久性を向上することができる。

0061

なお、本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法は、上述した実施例で説明したライニング22における損傷部の検出方法、ライニング22における損傷部の補修方法に限定するものではなく、直接非破壊検査によりライニング22の損傷部を検出してもよく、また、補修板を損傷部に固定してもよい。また、上述した実施例では、燃料プール16ライニング22の壁部に損傷部があった場合について説明したが、底部にあった場合でも同様に補修することができ、この場合、損傷部の上に遮へい板を載置して補修することとしてもよい。

実施例

0062

また、本発明の核燃料貯蔵プールにおける燃料の配置方法は、上述した実施例で説明した燃料プール16や核燃料貯蔵ラック17の構成に限定されるものではなく、核燃料を冷却水に浸漬した状態で冷却、貯蔵することができれば、どのような構成であってもよい。

0063

11原子炉格納容器
12加圧水型原子炉
13蒸気発生器
16燃料プール(核燃料貯蔵プール)
17 核燃料貯蔵ラック
18燃料(燃料集合体)
21貯水槽
22ライニング
31 溝部
32連結配管
33,36分岐配管
34,37開閉弁
35冷却水検出器
38供給ポンプ
39エアタンク
41補修層(補修部)
D 損傷部

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