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技術 補修用硬化型セメント系複合材料およびそれを用いた補修工法

出願人 鹿島建設株式会社
発明者 林大介橋本学坂田昇閑田徹志坂井吾郎
出願日 2012年9月25日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2012-210556
公開日 2014年4月17日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-065623
状態 特許登録済
技術分野 既存建築物への作業 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード 耐久型 微細ひび割れ 圧縮弾性係数 補修時間 割裂試験 多孔質複合体 セメント系複合材料 鋼製構造物
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

塗りが可能で、過大な曲げモーメントせん断力を受けても、ひび割れ微細なレベル(通常0.1mm程度)に抑制できるという硬化型セメント系複合材料の利点を生かしながら、補修面が急勾配、鉛直、天井面に対して塗りつける際の施工性(厚塗り、垂れ剥離)と所定の品質を確保できる補修用硬化型セメント系複合材料およびそれを用いた補修工法を提供する。

解決手段

補修面に塗りつける硬化型セメント系複合材料であって、補修面の性状、勾配条件に応じて左官仕上げが可能となる粘性となるように、増粘剤高性能AE減水剤添加量を下記マトリックス表に応じて調整する。

概要

背景

下記特許文献は、自己充填性に優れ、高靭性という本来のひずみ硬化セメント系複合材料の特性を十分に発揮することができるものとして提案されたもので、PVA繊維(Polyvinyl Alcohol 系繊維、通称ビニロン繊維と呼ばれている)を配合した硬化型セメント系複合材料高靭性の繊維補強セメント複合材料FRC材料)の施工性の改善に関するものであり、材令28日の硬化体引張試験において引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の繊維補強セメント複合材料であって、下記〔M1〕の調合マトリックスに、下記〔F1〕のPV短繊維を1超え〜3vol.%の量で配合してなる自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料である。(ECCクリートと称する。)
〔M1〕
普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメント使用で水結合材重量比:25%以上、
単位水量:250〜400Kg/m3、
細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含む)、
細骨材の最大粒径:0.8mm以下、細骨材の平均粒径:0.4mm以下、
膨張材:100Kg/m3未満、
ウェランガム:0.05〜1.0Kg/m3
〔F1〕
繊維径:50μm以下、
繊維長さ:5〜25mm、
繊維引張強度:1500〜2400MPa
特開2003−192421号公報

前記ECCクリート(自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料)は、乾燥収縮が通常のコンクリートと少なくとも同程度であるので、収縮に起因するひび割れ発生の問題が少なく、優れた疲労耐力を有するので疲労寿命を著しく高めることができ、過大な曲げモーメントせん断力を受けても、ひび割れを微細なレベル(通常0.1mm程度)に抑制できるので、水分や化学物質浸透を抑制することができ、部材の耐久性を高めることができ、地震載荷時に曲げせん断力による大きな変形を受けても、曲げ圧縮による材料のかぶり部分は剥落を生じないため、急激な耐力低下が現れない。

また、下記特許文献は、従来の湿式吹付法によるモルタル材料に存在した問題点を解決し、湿式吹付に十分適応するように流動性が高く、ポンプ圧送による材料分離閉塞を起こさない適度な粘度を有する性状を実現できるものとして提案されたもので、材令28日の硬化体の引張試験において引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の短繊維補強セメント複合材料であって、所定の条件を満たすPVA短繊維を、水結合材重量比を25%以上、細骨材と結合材重量比(S/C)が1.5以下、細骨材の最大粒径0.8mm以下、平均粒径0.4mm以下、単位水量を250kg/m3以上450kg/m3以下、練り上がり時の空気量3.5%以上20%以下、高性能AE減水剤量を30kg/m3未満等の条件を満たす調合マトリクスに、1越え3vol.%の配合量で配合したものである。(ECCショットと称する。)
特開2002−193653号公報

ところで、一般にモルタル補修材料で、左官仕上げができるようにするには、混和剤混入により、適度な粘性を付与することになるが、一般に混和剤を添加していくことには限界がある。一般に左官工法に用いるモルタルは、作業上余裕を持った可使時間が確保されている。このため、硬化に時間がかかり、増粘剤樹脂等を配合して接着強度を高めても、施工モルタル層が厚くなるほど、変形、垂れ、剥落等が起こり易くなる。

混和材・剤の使用でモルタルの左官施工性を大きく向上できる可能性はあるものの、施工性を高めるためにその使用量を増し続けると、施工性以外の製造作業性建築用モルタルとして必要な性状の発現性に支障を及ぼす虞があり、混和材・剤による施工性の向上には限界があった。

このような事情を考慮して、下記特許文献はモルタル補修材料の左官仕上げを考慮した改良に関するものである。
特開2007−238358号公報
特開2006−160589号公報
特開2006−182629号公報
特開2007−176740号公報
特開2007−320783号公報
特開2009− 96657号公報
特開2009−120438号公報

前記特許文献3は、十分な強度があり且つ左官作業に適した超軽量発泡モルタル組成物及びそれを用いた超軽量発泡モルタルを提供するものとして骨材に特徴を持たせたもので、セメントと、骨材と、前記セメントを含むセメントペースト中に気泡を発生させる起泡剤と、前記セメントペースト中で前記セメント粒子を分散させて流動性を高める高性能AE減水剤または高性能減水剤と、前記セメントペーストの粘性を高める増粘剤と、を含む超軽量発泡モルタル組成物であって、前記骨材は、球形であって平均粒径0.2〜3mm、嵩容積が前記セメント1kgに対して1.6〜4リットルになる比率に調整された未粉砕有機系発泡粒子を含み、前記有機系発泡粒子は、モルタルにおいて前記骨材中の容積比で半分以上である。

前記特許文献4は、モルタルに混和し、コテ塗り作業性特にコテ伸び、コテ離れ、ダレにくさ、仕上げ美観を改善するために用いる左官モルタル用混和材、それを配合したモルタル組成物、及びこれを用いた施工方法に関するもので、カオリナイトハロイサイトパイロフィライトタルククロライトモンモリロナイト、ムスコバイト、バーミキュライトからなる群から選ばれた1種または2種以上の粘土鉱物を含有するクレーで、平均粒子径が0.3〜30μmであるクレーと、水溶性高分子増粘剤をクレー100重量部に対し0.3〜10重量部配合した左官モルタル用混和材、さらに珪砂石灰石微粉末フライアッシュ高炉スラグ粉末シラスバルーンパーライトからなる群から選ばれた1種または2種以上の無機物質を前記左官モルタル用混和材100重量部に対し300重量部を超えない範囲で配合してなる左官モルタル用混和材である。

前記特許文献5は、ポンプ圧送が可能であって、垂直面吹付けてもダレや剥離が生じることがなく、しかも、鏝(コテ)仕上げ可能な耐火被覆用モルタルで、ギ酸カルシウム有機繊維、骨材、セメント、水および急結剤を含む耐火被覆用モルタルであって、具体的には、上記ギ酸カルシウムの含有量が0.01〜0.2重量部(外掛け)であり、上記急結剤の添加量が3〜15重量部(外掛け)であり、また、上記有機繊維として、融点250℃以下の繊維を使用した耐火被覆用モルタルである。

前記特許文献6は、普通骨材のみを骨材に用いたモルタルとの強度差を著しく少なくすることができる厚付けモルタルであるとして、軽量骨材と普通骨材からなる細骨材又は軽量骨材からなる細骨材、ポルトランドセメントアルカリ土類金属硫酸塩、膨張材、増粘剤及び分散剤を含有してなる厚付けモルタルである。

前記特許文献7は、製造時の作業性も良好で、施工後も建築用モルタルとして実用上必要な特性を備えられるセメント系のモルタルであって、建築物への左官施工性を飛躍的に高めた建築用モルタルを提供するものとして、エチレン酢酸ビニル共重合体炭酸カルシウム多孔質複合体100体積部嵩比重0.05以下の高分子樹脂粒55〜130体積部及び嵩比重0.27以下の無機粒155〜260体積部から構成される細骨材を含有してなる。

前記特許文献8は、製造時に於けるモルタル容積の減少が起き難く、鏝塗り等の左官施工に適したセメント系の軽量モルタルであって、収縮に伴うひび割れが発生し難く、且つ軽量モルタルとしては強度発現性が高い左官用セメントモルタルを提供するものとして、粒径2.1mm以下の無機系軽量骨材(A)100容積部と粒径2mm以上の有機系軽量骨材(B)42〜234容積部を含有し、且つ(C)ポリマーディスパージョン又は再乳化型粉末樹脂、(D)保水剤及び(E)ガラス繊維を含有してなり、且つ単位容積質量が1.1〜1.4Kg/Lである左官用セメントモルタルである。

前記特許文献9は、建築物への左官施工性を飛躍的に高めた建築用モルタルを提供するものとして、エチレン酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウムの多孔質複合体100体積部、嵩比重0.05以下の高分子樹脂粒55〜130体積部及び嵩比重0.27以下の無機粒155〜260体積部から構成される細骨材を含有してなる建築用セメントモルタルである。

概要

塗りが可能で、過大な曲げモーメントやせん断力を受けても、ひび割れを微細なレベル(通常0.1mm程度)に抑制できるという硬化型セメント系複合材料の利点を生かしながら、補修面が急勾配、鉛直、天井面に対して塗りつける際の施工性(厚塗り、垂れ、剥離)と所定の品質を確保できる補修用硬化型セメント系複合材料およびそれを用いた補修工法を提供する。補修面に塗りつける硬化型セメント系複合材料であって、補修面の性状、勾配条件に応じて左官仕上げが可能となる粘性となるように、増粘剤と高性能AE減水剤の添加量を下記マトリックス表に応じて調整する。

目的

特開2007−238358号公報
特開2006−160589号公報
特開2006−182629号公報
特開2007−176740号公報
特開2007−320783号公報
特開2009− 96657号公報
特開2009−120438号公報


前記特許文献3は、十分な強度があり且つ左官作業に適した超軽量発泡モルタル組成物及びそれを用いた超軽量発泡モルタルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

補修面塗りつける硬化型セメント系複合材料であって、下記〔F1〕の条件を満たすPV短繊維を、下記〔M1〕の条件を満たす調合マトリックスに配合し、前記補修面の性状勾配条件に応じて、左官仕上げが可能となる粘性となるように、増粘剤高性能AE減水剤添加量を下記マトリックス表に応じて調整し、材齢28日の圧縮強度が30N/mm2以上、引張降伏強度が2.0N/mm2以上、引張終局ひずみ0.2%以上とすることを特徴とした補修用硬化型セメント系複合材料。〔M1〕普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメント使用で水結合材重量比:25%以上、単位水量:250〜400Kg/m3、細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含む)、細骨材の最大粒径:0.8mm以下、細骨材の平均粒径:0.4mm以下、膨張材:100Kg/m3未満〔F1〕繊維径:50μm以下、繊維長さ:5〜25mm、繊維引張強度:1500〜2Pa、繊維量:1超え〜3vol.%

請求項2

増粘剤は、ウェランガムデュータンガム、混合タンパク質グリコールから選択する請求項2記載の補修用硬化型セメント系複合材料。

請求項3

下記〔F1〕の条件を満たすPVA短繊維を、下記〔M1〕の条件を満たす調合に配合し、前記補修面の性状、勾配条件に応じて、増粘剤と高性能AE減水剤の添加量を下記マトリックス表に応じて調整し、材齢28日の圧縮強度が30N/mm2以上、引張降伏強度が2.0N/mm2以上、引張終局ひずみ0.2%以上、補修面との付着強度を2.0N/mm2以上とする補修用硬化型セメント系複合材料を左官仕上げで補修面に塗りつけするのに、前処理として、前記補修面の素材鋼製の場合には、所定の付着強度を確保するための粗度を形成する外付け手段および下地材としての樹脂組成物を組み合わせ、補修面の素材がコンクリート製の場合には樹脂組成物を下地材とする硬化型セメント系複合材料を用いた補修工法。〔M1〕普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメント使用で水結合材重量比:25%以上、単位水量:250〜400Kg/m3、細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含む)、細骨材の最大粒径:0.8mm以下、細骨材の平均粒径:0.4mm以下、膨張材:100Kg/m3未満〔F1〕繊維径:50μm以下、繊維長さ:5〜25mm、繊維引張強度:1500〜2400MPa、繊維量:1超え〜3vol.%

請求項4

粗度を形成する外付け手段は、ケレンによる請求項3記載の硬化型セメント系複合材料を用いた補修工法。

請求項5

樹脂組成物としては、水張り条件下での200万回疲労試験において強度低下が無く、圧縮強度50MPa以上、圧縮弾性係数1000MPa以上、曲げ強度35MPa以上、引張せん断強度10MPa以上で、JISK6857処理条件Eの暴露条件における残留引張強度が90%以上あるいは母材破壊する、高耐久型エポキシ樹脂接着剤商品名KSボンド鹿道路株式会社)である請求項3記載の硬化型セメント系複合材料を用いた補修工法。

技術分野

0001

本発明は、ハンドミキサ等により現場簡易練り混ぜることができ、左官仕上げに適した粘性を有する性状を実現する補修用硬化型セメント系複合材料およびそれを用いた補修工法に関するものである。

背景技術

0002

下記特許文献は、自己充填性に優れ、高靭性という本来のひずみ硬化セメント系複合材料の特性を十分に発揮することができるものとして提案されたもので、PVA繊維(Polyvinyl Alcohol 系繊維、通称ビニロン繊維と呼ばれている)を配合した硬化型セメント系複合材料高靭性の繊維補強セメント複合材料FRC材料)の施工性の改善に関するものであり、材令28日の硬化体引張試験において引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の繊維補強セメント複合材料であって、下記〔M1〕の調合マトリックスに、下記〔F1〕のPV短繊維を1超え〜3vol.%の量で配合してなる自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料である。(ECCクリートと称する。)
〔M1〕
普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメント使用で水結合材重量比:25%以上、
単位水量:250〜400Kg/m3、
細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含む)、
細骨材の最大粒径:0.8mm以下、細骨材の平均粒径:0.4mm以下、
膨張材:100Kg/m3未満、
ウェランガム:0.05〜1.0Kg/m3
〔F1〕
繊維径:50μm以下、
繊維長さ:5〜25mm、
繊維引張強度:1500〜2400MPa
特開2003−192421号公報

0003

前記ECCクリート(自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料)は、乾燥収縮が通常のコンクリートと少なくとも同程度であるので、収縮に起因するひび割れ発生の問題が少なく、優れた疲労耐力を有するので疲労寿命を著しく高めることができ、過大な曲げモーメントせん断力を受けても、ひび割れを微細なレベル(通常0.1mm程度)に抑制できるので、水分や化学物質浸透を抑制することができ、部材の耐久性を高めることができ、地震載荷時に曲げせん断力による大きな変形を受けても、曲げ圧縮による材料のかぶり部分は剥落を生じないため、急激な耐力低下が現れない。

0004

また、下記特許文献は、従来の湿式吹付法によるモルタル材料に存在した問題点を解決し、湿式吹付に十分適応するように流動性が高く、ポンプ圧送による材料分離閉塞を起こさない適度な粘度を有する性状を実現できるものとして提案されたもので、材令28日の硬化体の引張試験において引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の短繊維補強セメント複合材料であって、所定の条件を満たすPVA短繊維を、水結合材重量比を25%以上、細骨材と結合材重量比(S/C)が1.5以下、細骨材の最大粒径0.8mm以下、平均粒径0.4mm以下、単位水量を250kg/m3以上450kg/m3以下、練り上がり時の空気量3.5%以上20%以下、高性能AE減水剤量を30kg/m3未満等の条件を満たす調合マトリクスに、1越え3vol.%の配合量で配合したものである。(ECCショットと称する。)
特開2002−193653号公報

0005

ところで、一般にモルタル補修材料で、左官仕上げができるようにするには、混和剤混入により、適度な粘性を付与することになるが、一般に混和剤を添加していくことには限界がある。一般に左官工法に用いるモルタルは、作業上余裕を持った可使時間が確保されている。このため、硬化に時間がかかり、増粘剤樹脂等を配合して接着強度を高めても、施工モルタル層が厚くなるほど、変形、垂れ、剥落等が起こり易くなる。

0006

混和材・剤の使用でモルタルの左官施工性を大きく向上できる可能性はあるものの、施工性を高めるためにその使用量を増し続けると、施工性以外の製造作業性建築用モルタルとして必要な性状の発現性に支障を及ぼす虞があり、混和材・剤による施工性の向上には限界があった。

0007

このような事情を考慮して、下記特許文献はモルタル補修材料の左官仕上げを考慮した改良に関するものである。
特開2007−238358号公報
特開2006−160589号公報
特開2006−182629号公報
特開2007−176740号公報
特開2007−320783号公報
特開2009− 96657号公報
特開2009−120438号公報

0008

前記特許文献3は、十分な強度があり且つ左官作業に適した超軽量発泡モルタル組成物及びそれを用いた超軽量発泡モルタルを提供するものとして骨材に特徴を持たせたもので、セメントと、骨材と、前記セメントを含むセメントペースト中に気泡を発生させる起泡剤と、前記セメントペースト中で前記セメント粒子を分散させて流動性を高める高性能AE減水剤または高性能減水剤と、前記セメントペーストの粘性を高める増粘剤と、を含む超軽量発泡モルタル組成物であって、前記骨材は、球形であって平均粒径0.2〜3mm、嵩容積が前記セメント1kgに対して1.6〜4リットルになる比率に調整された未粉砕有機系発泡粒子を含み、前記有機系発泡粒子は、モルタルにおいて前記骨材中の容積比で半分以上である。

0009

前記特許文献4は、モルタルに混和し、コテ塗り作業性特にコテ伸び、コテ離れ、ダレにくさ、仕上げ美観を改善するために用いる左官モルタル用混和材、それを配合したモルタル組成物、及びこれを用いた施工方法に関するもので、カオリナイトハロイサイトパイロフィライトタルククロライトモンモリロナイト、ムスコバイト、バーミキュライトからなる群から選ばれた1種または2種以上の粘土鉱物を含有するクレーで、平均粒子径が0.3〜30μmであるクレーと、水溶性高分子増粘剤をクレー100重量部に対し0.3〜10重量部配合した左官モルタル用混和材、さらに珪砂石灰石微粉末フライアッシュ高炉スラグ粉末シラスバルーンパーライトからなる群から選ばれた1種または2種以上の無機物質を前記左官モルタル用混和材100重量部に対し300重量部を超えない範囲で配合してなる左官モルタル用混和材である。

0010

前記特許文献5は、ポンプ圧送が可能であって、垂直面吹付けてもダレや剥離が生じることがなく、しかも、鏝(コテ)仕上げ可能な耐火被覆用モルタルで、ギ酸カルシウム有機繊維、骨材、セメント、水および急結剤を含む耐火被覆用モルタルであって、具体的には、上記ギ酸カルシウムの含有量が0.01〜0.2重量部(外掛け)であり、上記急結剤の添加量が3〜15重量部(外掛け)であり、また、上記有機繊維として、融点250℃以下の繊維を使用した耐火被覆用モルタルである。

0011

前記特許文献6は、普通骨材のみを骨材に用いたモルタルとの強度差を著しく少なくすることができる厚付けモルタルであるとして、軽量骨材と普通骨材からなる細骨材又は軽量骨材からなる細骨材、ポルトランドセメントアルカリ土類金属硫酸塩、膨張材、増粘剤及び分散剤を含有してなる厚付けモルタルである。

0012

前記特許文献7は、製造時の作業性も良好で、施工後も建築用モルタルとして実用上必要な特性を備えられるセメント系のモルタルであって、建築物への左官施工性を飛躍的に高めた建築用モルタルを提供するものとして、エチレン酢酸ビニル共重合体炭酸カルシウム多孔質複合体100体積部嵩比重0.05以下の高分子樹脂粒55〜130体積部及び嵩比重0.27以下の無機粒155〜260体積部から構成される細骨材を含有してなる。

0013

前記特許文献8は、製造時に於けるモルタル容積の減少が起き難く、鏝塗り等の左官施工に適したセメント系の軽量モルタルであって、収縮に伴うひび割れが発生し難く、且つ軽量モルタルとしては強度発現性が高い左官用セメントモルタルを提供するものとして、粒径2.1mm以下の無機系軽量骨材(A)100容積部と粒径2mm以上の有機系軽量骨材(B)42〜234容積部を含有し、且つ(C)ポリマーディスパージョン又は再乳化型粉末樹脂、(D)保水剤及び(E)ガラス繊維を含有してなり、且つ単位容積質量が1.1〜1.4Kg/Lである左官用セメントモルタルである。

0014

前記特許文献9は、建築物への左官施工性を飛躍的に高めた建築用モルタルを提供するものとして、エチレン酢酸ビニル共重合体と炭酸カルシウムの多孔質複合体100体積部、嵩比重0.05以下の高分子樹脂粒55〜130体積部及び嵩比重0.27以下の無機粒155〜260体積部から構成される細骨材を含有してなる建築用セメントモルタルである。

発明が解決しようとする課題

0015

前記特許文献1、特許文献2での材料「ECCクリート」、「ECCショット」の材料では以下の課題がある。
[ECCクリート]
・鉛直壁面に対して、左官仕上げによる施工ができない(ダレが生じる)。
型枠による施工の場合、早期脱型ができない。
・現場で施工する際に、大型の機材(ミキサ)が必要となる。
[ECCショット]
・現場で施工する際に、大型の機材(ミキサ、吹付け機一式)が必要となる。

0016

前記特許文献3〜特許文献9はそれぞれ工夫を凝らしたものであるが、特許文献1、特許文献2での材料「ECCクリート」、「ECCショット」を左官仕上げに適した粘性を有する性状を実現するモルタル補修材料に改良する技術に関する点見出すことはできない。

0017

本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、耐久性が高く、少ない施工日数で、簡易に補修できるという自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料の特質を生かし、さらに、現場でハンドミキサを用いて簡単に練混ぜが可能となり、付着性が良く(ダレ等が生じない)など左官仕上げに適した粘性を有する性状のものとすることができるなど、従来難しかった、補修面の条件に応じた施工が可能な補修用硬化型セメント系複合材料およびそれを用いた補修工法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、補修面に塗りつける硬化型セメント系複合材料であって、下記〔F1〕の条件を満たすPVA短繊維を、下記〔M1〕の条件を満たす調合マトリックスに配合し、前記補修面の性状、勾配条件に応じて、左官仕上げが可能となる粘性となるように、増粘剤と高性能AE減水剤の添加量を下記マトリックス表に応じて調整し、材齢28日の圧縮強度が30N/mm2以上、引張降伏強度が2.0N/mm2以上、引張終局ひずみ0.2%以上とすることを要旨とするものである。
〔M1〕
普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメント使用で水結合材重量比:25%以上、単位水量:250〜400Kg/m3、細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含む)、細骨材の最大粒径:0.8mm以下、細骨材の平均粒径:0.4mm以下、膨張材:100Kg/m3未満
〔F1〕
繊維径:50μm以下、繊維長さ:5〜25mm、繊維引張強度:1500〜2400MPa、繊維量:1超え〜3vol.%

0019

請求項1記載の本発明によれば、急硬性の高靭性FRC材料(ECC)特有微細ひび割れに折出物充填されることにより被補修物との隙間が小さくなり、単なるモルタル被覆と比べ、非常に高い遮水性を実現でき、急硬性の高靭性FRC材料(ECC)のライフサイクルは、樹脂などの塗装のライフサイクル5〜10年に対して、40年程度と長いという自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料の特質を生かすことができる。

0020

また、従来難しかった、補修面の条件に応じた左官用ECCの開発において、増粘剤と高性能AE減水剤の配合量を調整工夫することにより、マテリアルの配合を調整しなおすことがなく、しかも左官用の施工とECC特有の補修材料としての優れた性能を両立させることが可能となった。

0021

さらに、補修面の角度に応じて、増粘剤と高性能AE減水剤の所要の量を組み合わせて練るだけなので、現場での左官用ECCの調整と施工が容易である。

0022

急硬性の高靭性FRC材料(ECC)のこて塗り(左官)により、脱型枠時間を5時間程度とし、補修時間を8時間以内に収めることが可能となる。補修材料(急硬性の高靭性FRC材料(ECC))の塗りつけ施工時においてダレを生じない。

0023

さらに、補修面の条件に応じて、混和剤量を調整できるので、左官用ECCの材料コストを低減できる。

0024

請求項3〜請求項5記載の本発明は、下記〔F1〕の条件を満たすPVA短繊維を、下記〔M1〕の条件を満たす調合に配合し、前記補修面の性状、勾配条件に応じて、増粘剤と高性能AE減水剤の添加量を下記マトリックス表に応じて調整し、材齢28日の圧縮強度が30N/mm2以上、引張降伏強度が2.0N/mm2以上、引張終局ひずみ0.2%以上、補修面との付着強度を2.0N/mm2以上とする補修用硬化型セメント系複合材料を左官仕上げで補修面に塗りつけするのに、前処理として、前記補修面の素材鋼製の場合には、所定の付着強度を確保するための粗度を形成する外付け手段および下地材としての樹脂組成物を組み合わせ、補修面の素材がコンクリート製の場合には樹脂組成物を下地材とすること、および、粗度を形成する外付け手段は、ケレンによること、さらに、樹脂組成物としては、水張り条件下での200万回疲労試験において強度低下が無く、圧縮強度50MPa以上、圧縮弾性係数1000MPa以上、曲げ強度35MPa以上、引張せん断強度10MPa以上で、JISK6857処理条件Eの暴露条件における残留引張強度が90%以上あるいは母材破壊する、高耐久型エポキシ樹脂接着剤商品名KSボンド鹿道路株式会社)であることを要旨とするものである。
〔M1〕
普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトランドセメント使用で水結合材重量比:25%以上、単位水量:250〜400Kg/m3、細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含む)、細骨材の最大粒径:0.8mm以下、細骨材の平均粒径:0.4mm以下、膨張材:100Kg/m3未満
〔F1〕
繊維径:50μm以下、繊維長さ:5〜25mm、繊維引張強度:1500〜2400MPa、繊維量:1超え〜3vol.%

0025

請求項3〜請求項5記載の本発明によれば、前記請求項3〜請求項5記載の本発明の作用に加えて、樹脂組成物である接着剤により補修面の塗布を確実なものとし、該接着剤を介して急硬性の高靭性FRC材料(ECC)と被補修体との間に所定の付着強度を確保できる。

0026

特に、補修面の素材に応じて、所定の前処理(特定の樹脂組成物、KSボンド)を選択することによって、コンクリート構造物だけでなく、鋼製構造物表面においても所定の性能を維持したECCの左官が可能である。

発明の効果

0027

以上述べたように本発明の補修用硬化型セメント系複合材料およびそれを用いた補修工法は、耐久性が高く、少ない施工日数で、簡易に補修できるという硬化型セメント系複合材料の特質を生かし、さらに、現場でハンドミキサを用いて簡単に練混ぜが可能となり、鉛直壁面に左官仕上げによる施工に対して、付着性が良く(ダレ等が生じない)など左官仕上げに適した粘性を有する性状のものとすることができるなど、従来難しかった、補修面の条件に応じた施工が可能となるものである。

発明を実施するための最良の形態

0028

以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。先に、本発明で使用する硬化型セメント系複合材料について説明する。

0029

材齢28日の硬化体の引張試験において引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の短繊維補強セメント複合材料で、圧縮強度が30N/mm2以上、引張降伏強度が2.0N/mm2以上、引張終局ひずみ0.2%以上、補修面との付着強度を2.0N/mm2以上としたものである。

0030

前記補強用短繊維は、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(poly vinyl alcohol)短繊維で、下記〔M1〕の条件を満たす調合マトリクスに、1越え3vol.%の配合量で配合している。
調合マトリクスの条件〔M1〕
・水結合材重量比(W/C)を25%以上
・細骨材と結合材の重量非(S/C)が1.5以下(0を含む)
・細骨材の最大粒径0.8mm以下、平均粒径0.4mm以下
・単位水量を250kg/m3以上450kg/m3以下
・練り上がり時の空気量を3.5%以上20%以下
・膨張材:100Kg/m3未満

0031

PVA(poly vinyl alcohol)短繊維としての条件〔F1〕
・繊維径を0.05mm以下
・繊維長を5〜20mm
・繊維引張強度を1500MPa以上〜2400MPa以下

0032

前記膨張材には市販のカルシウムサルフォアルミネット系膨張材(電気化学工業株式会社製の商品名デンカCSA#20)を使用できる。これに代えて生石灰系のものや石灰エトリンガイト複合系のものも使用可能である。

0033

〔M1〕の調合において、マトリックスの水結合材比が25%未満では〔F1〕の繊維にとってはマトリックスの弾性係数破壊靭性が高くなってマルチクラックが発生せず、1%以上の引張ひずみが発生し難い。なお、水/結合材比は、詳しくは水/(セメント+混和材)を意味している。

0034

また、砂結合材比が1.5を超えるとPVA繊維にとってはマトリックスの弾性係数と破壊靭性が高くなってマルチクラックが発生せず、1%以上の引張ひずみが発生し難くなる。したがって、〔F1〕の繊維を用いる場合のマトリックスは水結合材比が25%以上、好ましくは30%以上とし、砂結合材比は1.5以下とする。しかし、この調合のマトリクスであっても、〔F1〕繊維の配合量が1vol.%以下ではマルチクラックが発生し難いので1vol.%より多くする必要がある。しかし、あまり多く配合しても効果は飽和するので3vol.%以下とする。

0035

また、この繊維配合量であっても、繊維の長さが5mm未満であると、マルチクラックが発生しないので、5mm以上の長さのものを使用する必要がある。しかし、25mmより長いものを使用しても、前記の配合量ではマルチクラックが発生しなくなる。したがって〔F1〕の繊維の長さは5〜25mmとする必要があり、好ましくは6〜20mm、さらに好ましくは8〜15mmである。

0036

また好ましくは、適度な粒度粉体量を確保するため、骨材は最大粒径0.8mm以下、平均粒径0.4mm以下を使用する。必要に応じてセメントの一部をフライアッシュや高炉スラグ等の混和材で代替する。場合によっては、ウレタン樹脂を主成分とする保水剤を20kg/m3 以下の範囲で添加することにより、テーブルフロー値を増加させ、かつ材料分離をより確実に防止することができる。

0037

これに加えて、水結合材重量比(W/C)を25%以上とすると、モルタル吹付けの作業性を向上するために、有効である。

0038

本発明は前記〔M1〕の調合マトリクスの条件〔M1〕において、図1に示すように、補修面の性状、勾配条件に応じて、左官仕上げが可能となる粘性となるように、増粘剤と高性能AE減水剤の添加量を下記表1のマトリックスに応じて調整して混合する。

0039

高性能AE減水剤は、ポリカルボン酸エーテル系化合物を主成分とするものである。

0040

増粘剤は、水溶性ポリサッカライドとして、ウェランガム、デュータンガム微生物菌体として、混合タンパク質、および、グリコールから選択するが、ウェランガムが好適である。

0041

ウェランガムは菌体番号 Alcaligenes ATTC31961の菌種によって産出される微生物発酵多糖類である。各例とも三晶株式会社から販売されている粉末状のウェランガムを表示の量で添加する。HECはヒロドキシエチルセルロースを表しており、住友精化株式会社製の商品名フジケミHECAV-15Fを使用する。

0042

前記表1のマトリックスで、θ=90度(鉛直施工)の方がθ=180度(天井用)よりも、増粘剤量は同じ量(3〜5kg/m3)で、適正な高性能AE減水剤量が大きいのは、180度(天井用)が条件として最も厳しくなるからであり、増粘剤の量に対して、高性能AE減水剤量を90度の鉛直用よりも、少なくしなければダレが生じるからである。

0043

本発明の実施例として鋼製橋脚基礎部の補修工法の例を説明する。図2は鋼製橋脚基礎部の補修工法の説明図で、橋梁の鋼製橋脚基礎部1が根巻きコンクリート2に根巻きされている構造物を示す。

0044

補修材料(ECC)6の配合例を下記表2に示す。



プレミックス材=硬化型セメント系複合材料(ECC)
液体混和材A=高性能AE減水剤(ポリカルボン酸エーテル系化合物を主成分とする。)
液体混和剤B=収縮低減剤ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とする。)
液体混和剤C=空気調整剤(ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とする。)

0045

図3に工程を示すと、接着材料の塗布と補修材料の被覆施工からなり、補修高は15cm〜20cm程度であり、前処理として、前記補修面の素材が鋼製の場合には、所定の付着強度を確保するための粗度を形成する外付け手段および下地材としての樹脂組成物を組み合わせる。

0046

所定の付着強度を確保するための粗度を形成する外付け手段として、接着材料5を鋼製の補修面に塗布する前に、鋼製橋脚基礎部1および根巻きコンクリート2の面を予めケレンしておく。

0047

次いで、橋梁の鋼製橋脚基礎部1の補修個所に、高耐久製エポキシ樹脂接着剤に骨材として珪砂を混ぜ合わせた接着材料5を塗布する。

0048

高耐久製エポキシ樹脂接着剤としては、水張り条件下での200万回疲労試験において強度低下が無く、圧縮強度50MPa以上、圧縮弾性係数1000MPa以上、曲げ強度35MPa以上、引張せん断強度10MPa以上で、JISK6857処理条件Eの暴露条件における残留引張強度が90%以上あるいは母材破壊する、高耐久型エポキシ樹脂接着剤(商品名KSボンド鹿島道路株式会社)を使用する。

0049

高耐久型エポキシ樹脂接着剤の化学的組成としては、主剤ビスフェノール系エポキシ樹脂硬化剤変性脂肪族ポリアミンからなるものが望ましいが、その他の化学的組成からなるものであっても良い。

0050

骨材としての珪砂にはJIS標準砂を使用し、高耐久製エポキシ樹脂接着剤(KSボンド)1500gに対して珪砂1000gを混合する。
下記表3、4に標準砂品質例を示す。



備考) 1)分析方法:セメント協会標準試験方法I-12-1981(けい酸質原料の科学分析方法)
2)分析値乾燥ベースの値。乾燥条件は105℃、1時間。

0051

高耐久型エポキシ樹脂接着剤と珪砂とはプレミックスとして施工した方が品質のばらつきが少なくなるが、高耐久型エポキシ樹脂接着剤を塗布した上に珪砂を散布することも可能である。

0052

この接着材料5を塗布した上に、水、硬化型セメント系複合材料、高性能AE減水剤、収縮低減剤、空気調整剤を配合してなる高靱性セメント複合材料(ECC:Engineered Cementitious Composite)の補修材料6を補修面に左官で塗りつけることで所定の厚さを確保して被覆施工する。

0053

補修材料(ECC)6はハンドミキサを用いて練り混ぜ、補修面に左官で塗りつける、ないしは、型枠を設置し流し込むことで所定の厚さを確保して被覆施工するが、短い時間(3時間程度)で仕上げるには、型枠の設置および撤去を伴わない左官施工が好適である。

0054

補修材料(ECC)6は、所定厚さを6mm、望ましくは10mm以上とする。これ以上薄いと性能が悪くなる。

0055

また、被覆施工において天端部仕上げを漏水しない面取り仕上げ8とする。

0056

補修材料(ECC)6を被覆施工後、初期乾燥防止のために被覆養生剤RIS211E、デンカ社製)を散布した。

0057

次に本発明の効果を確認するための実験結果を説明する。まず、補修材料(ECC)6の左官施工の是非については、図4に示すように鋼製のパネルに接着材料5を塗布し、その上から左官仕上げの要領で補修材料(ECC)6を10mm程度で施工したが、材料のダレ等を生じることはなく、左官施工で十分施工できることが確認された。

0058

補修材料(ECC)6の遮水性評価については、微細ひび割れを発生させた補修材料(ECC)6の透水試験を実施した。実験方法は、φ100mm×高さ15mmの供試体を、割裂試験によって、供試体にひび割れを導入した後、15kPaの圧力を作用させて透水試験を行った。割裂試験の際、π型ゲージを取り付け、ひずみが1000μに達するまで載荷を行った。

0059

前記透水試験ではアウトプット法を採用し、試験時間を24時間以上として、時間当り透水量が安定するまで試験を実施し、その透水量によって遮水性を評価した。

0060

[実験結果]
補修材料(ECC)6の供試体及びモルタル供試体の時間当たりの透水量と経過時間の関係を、それぞれ図5に示す。これらの図より、モルタルに比べて補修材料6の透水量は、微量であった。これは、補修材料6のひび割れ幅が微細な範囲に制御されたためと考えられる。
図6に、ひずみを導入した補修材料(ECC)6の供試体における試験終了後のひび割れ拡大状況を写真として示す。同写真に示すように、補修材料(ECC)6の場合、ひび割れが白色の析出物充てんされている状態であったことより、ECCショット供試体では、微細なひび割れが析出物で充てんされたことにより、透水量が経時に伴って減少したものと考えられる。以上の試験結果より、補修材料(ECC)6は非常に高い遮水性を有することが確認された。

0061

本発明は、接着材料5は珪砂を混ぜ合わせて用いることによって、補修材料6と鋼板の付着性を確保するものであり、この方法による補修材料(ECC)6の付着性を評価した。

0062

実験方法は、1m×1mの鋼板に、予め珪砂を混ぜ合わせた接着材料5を塗布し、10mmの厚さで補修材料6を打ち込む。その後、28日間の封かん養生を行い、建研式の引張試験器7(図7)による付着試験を行った。

0063

[実験結果]
下記表5に引張試験結果一覧を示す。8個のデータで最大値及び最小値を抜いたデータの平均値を示す。剥がれた箇所は、補修材料(ECC)6の部から全て剥がれる結果となり、付着強度が2.0N/mm2以上であることから、接着材料5の付着が十分に確保されていることが確認された。

0064

鋼板と補修材料(ECC)6の付着界面からの水の浸入が懸念されるため、界面の遮水性を評価した。実験方法としては、界面の遮水性を確認するために、透水試験を実施する。透水試験はアウトプット法とし、供試体は、図8に示すようにφ100mm×h100mmの寸法として、鋼板を挟み込むように補修材料(ECC)6を打ち込んだものとした。鋼板と補修材料(ECC)6の界面には、予め珪砂を混ぜ合わせた接着材料5を塗布する。補修材料(ECC)6の打込み後の供試体の養生方法は28日間の標準養生とした。透水試験用の圧力容器内に、供試体を設置し、エポキシ樹脂及びコーキング材を用いて隙間をシールした。圧力容器に蓋を取り付け密閉した後、圧力容器内に注水し、コンプレッサーを用いて圧力を加えた。なお、載荷圧力は0.05MPaとし、載荷時間を24時間とした。

0065

[透水試験結果]
0.05MPa、載荷時間24時間後の透水量は3つの供試体全てにおいて、透水量が0mlであったことから、界面の遮水性が十分に確保されていることが確認された。

0066

試験施工として、事前に、減厚調査を行うために、根巻コンクリートはつり作業及びケレン作業(3種ケレン程度)を行い、錆及び汚れ等を落とした。ケレン作業箇所は、根巻コンクリート天端から100mm程度行なった。
次に、接着材料5として、高耐久型エポキシ樹脂接着剤[商品名 KSボンド(鹿島道路社製、2液混合タイプ)]を用い、予め珪砂を混ぜ合わせたものを、刷毛等を使用して塗布した。
補修材料(ECC)6の製造には、ミキサを使用し、32L×2バッチの練混ぜを行った。磁石付き仕上げ定規を鋼製橋脚に取り付け、金ゴテによる施工を行った。
天端部の仕上げについては、滞水しない形状とした。この仕上げには、面取り用ゴテを用いて面取り仕上げ8とする。補修材料(ECC)6の打設完了後、初期乾燥防止のため打設箇所被膜養生剤(RIS211E、デンカ社製)を散布した。

0067

試験施工の品質管理として、前記室内及び試験施工における補修材料6の品質規格を下記表6に示す。室内試験では空気量を確認し、試験施工では引張及び圧縮強度の確認を行った。



(1)フレッシュ性状試験結果
フレッシュ性状試験結果を下記表7に示す。全ての項目において目標値を満足する結果であった。



(2)圧縮強度試験結果
材齢28日における圧縮強度試験結果を下記表8に示す。試験結果より、目標値30N/mm2以上を満足する結果であった。



(3)引張強度試験結果
引張強度試験では、図9に示す島津製作所社製のオートグラフ試験機最大荷重50kN)を用いて実施した。また、引張試験結果を下記表9および図10に示す。引張降伏強度、引張終局ひずみともに目標値を満足する結果であった。

図面の簡単な説明

0068

補修面の角度と混和剤との添加量の関係を示す説明図である。
本発明を鋼製橋脚基礎部の補修に適用する場合の説明図である。
本発明の工程を示すフローチャートである。
施工性確認試験の概要を示す斜視図である。
補修材料(ECC)の経過時間と透水量の関係を示すグラフである。
補修材料(ECC)の供試体における試験終了後のひび割れ拡大状況を示す説明図である。
引張試験器の説明図である。
供試体の概要を示す斜視図である。
オートグラフ試験機の説明図である。
直接—軸引張試験における応力とひずみの関係を示すグラフである。

0069

1…鋼製橋脚基礎部 2…根巻きコンクリート
5…接着材料6…補修材料
7…引張試験器 8…面取り仕上げ

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