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技術 グルコン酸クロルヘキシジン製剤、消毒用キット及び滅菌方法

出願人 日本電子照射サービス株式会社
発明者 山口透
出願日 2012年9月20日 (8年2ヶ月経過) 出願番号 2012-207057
公開日 2014年4月10日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2014-062060
状態 特許登録済
技術分野 化合物または医薬の治療活性 医薬品製剤 消毒殺菌装置 農薬・動植物の保存 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 検定線 保証水準 滅菌線量 紫外線吸光光度計 湿熱滅菌 材質劣化 滅菌消毒 pHメーター
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤、このグルコン酸クロルヘキシジン製剤を含む消毒用キット、及び滅菌方法を提供する。

解決手段

グルコン酸クロルヘキシジン、水、並びに、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステルサリチル酸又はその塩、サリチル酸エステルヨウ化カリウム塩化アンモニウムアスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウムリン酸二水素カリウムグルコン酸トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含み、放射線照射により滅菌された、グルコン酸クロルヘキシジン製剤、このグルコン酸クロルヘキシジン製剤を含む消毒用キット、並びに放射線照射する工程を含む滅菌方法。

概要

背景

グルコン酸クロルヘキシジン(以下、「CHX」という場合がある。)は、グラム陽性菌グラム陰性菌広範囲抗菌スペクトルを有し、低濃度でも迅速な殺菌作用を示す殺菌消毒剤である(例えば、特許文献1を参照)。

例えば、グルコン酸クロルヘキシジン及びエタノールを含む製剤(グルコン酸クロルヘキシジン/エタノール製剤)は更に広範囲の殺菌性を有し、グルコン酸クロルヘキシジンの殺菌性に加えてエタノールの即効性速乾性をあわせもつため、広く用いられている。しかしながら、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を加熱するとグルコン酸クロルヘキシジン濃度が低下して殺菌効果が低下するため湿熱滅菌を行うことが困難である。

一方、殺菌消毒剤に、シュードモナスセラチア等の細菌による汚染があることが報告されている。このことは、殺菌消毒剤の手術室での使用、抵抗性の弱い患者乳幼児への使用等には注意が必要であること、殺菌消毒剤そのものを滅菌する必要があることを示している。

概要

放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤、このグルコン酸クロルヘキシジン製剤を含む消毒用キット、及び滅菌方法を提供する。グルコン酸クロルヘキシジン、水、並びに、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステルサリチル酸又はその塩、サリチル酸エステルヨウ化カリウム塩化アンモニウムアスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウムリン酸二水素カリウムグルコン酸トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含み、放射線照射により滅菌された、グルコン酸クロルヘキシジン製剤、このグルコン酸クロルヘキシジン製剤を含む消毒用キット、並びに放射線照射する工程を含む滅菌方法。なし

目的

本発明は、放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

グルコン酸クロルヘキシジン、水、及び、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステルサリチル酸又はその塩、サリチル酸エステルヨウ化カリウム塩化アンモニウムアスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウムリン酸二水素カリウムグルコン酸トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含み、放射線照射により滅菌された、グルコン酸クロルヘキシジン製剤。

請求項2

請求項1に記載のグルコン酸クロルヘキシジン製剤を収容した第1の密封容器と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具とを、第2の密封容器に収容してなる、消毒用キット

請求項3

グルコン酸クロルヘキシジン、水、及び、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸又はその塩、サリチル酸エステル、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、アスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グルコン酸、トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含む、グルコン酸クロルヘキシジン製剤に、放射線照射する工程を含む、グルコン酸クロルヘキシジン製剤の滅菌方法

請求項4

グルコン酸クロルヘキシジン、水、及び、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸又はその塩、サリチル酸エステル、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、アスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グルコン酸、トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含む、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を収容した第1の密封容器と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具と、を収容した第2の密封容器に、放射線を照射する工程を含む、消毒用キットの滅菌方法。

技術分野

0001

本発明は、グルコン酸クロルヘキシジン製剤、消毒用キット及びこれらの滅菌方法に関する。

背景技術

0002

グルコン酸クロルヘキシジン(以下、「CHX」という場合がある。)は、グラム陽性菌グラム陰性菌広範囲抗菌スペクトルを有し、低濃度でも迅速な殺菌作用を示す殺菌消毒剤である(例えば、特許文献1を参照)。

0003

例えば、グルコン酸クロルヘキシジン及びエタノールを含む製剤(グルコン酸クロルヘキシジン/エタノール製剤)は更に広範囲の殺菌性を有し、グルコン酸クロルヘキシジンの殺菌性に加えてエタノールの即効性速乾性をあわせもつため、広く用いられている。しかしながら、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を加熱するとグルコン酸クロルヘキシジン濃度が低下して殺菌効果が低下するため湿熱滅菌を行うことが困難である。

0004

一方、殺菌消毒剤に、シュードモナスセラチア等の細菌による汚染があることが報告されている。このことは、殺菌消毒剤の手術室での使用、抵抗性の弱い患者乳幼児への使用等には注意が必要であること、殺菌消毒剤そのものを滅菌する必要があることを示している。

先行技術

0005

特開平6−230003号公報

発明が解決しようとする課題

0006

湿熱滅菌が困難な場合、放射線照射により滅菌することが考えられる。しかしながら、医薬品に放射線照射すると、有効成分の分解、着色、pHの低下、照射臭の発生等の問題が生じる場合がある。

0007

そこで、本発明は、放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤を提供することを目的とする。本発明はまた、このグルコン酸クロルヘキシジン製剤を含む消毒用キットを提供することを目的とする。本発明は更に、グルコン酸クロルヘキシジン製剤の滅菌方法及び消毒用キットの滅菌方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、グルコン酸クロルヘキシジン、水、並びに、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステルサリチル酸又はその塩、サリチル酸エステルヨウ化カリウム塩化アンモニウムアスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウムリン酸二水素カリウムグルコン酸トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含み、放射線照射により滅菌された、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を提供する。

0009

上記本発明のグルコン酸クロルヘキシジン製剤は、滅菌消毒されているため細菌による汚染がなく安全である。また、放射線照射により滅菌されているにもかかわらず、グルコン酸クロルヘキシジンの分解が抑制されている。

0010

本発明はまた、上記のグルコン酸クロルヘキシジン製剤を収容した第1の密封容器と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具とを、第2の密封容器に収容してなる、消毒用キットを提供する。

0011

上記本発明の消毒用キットによれば、細菌による汚染がなく安全なグルコン酸クロルヘキシジン製剤を簡便に使用して、患者の患部消毒を行うことができる。

0012

本発明はまた、グルコン酸クロルヘキシジン、水、並びに、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸又はその塩、サリチル酸エステル、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、アスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グルコン酸、トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含むグルコン酸クロルヘキシジン製剤に、放射線を照射する工程を含む、グルコン酸クロルヘキシジン製剤の滅菌方法を提供する。

0013

上記本発明の滅菌方法によれば、グルコン酸クロルヘキシジンの分解を抑制しつつ、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を滅菌することができる。また、グルコン酸クロルヘキシジン製剤の容器としてプラスチック製のものを用いることができる。また、滅菌保証を容易に行うことができる。

0014

本発明はさらに、グルコン酸クロルヘキシジン、水、並びに、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸又はその塩、サリチル酸エステル、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、アスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グルコン酸、トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、を含むグルコン酸クロルヘキシジン製剤を収容した第1の密封容器と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具と、を収容した第2の密封容器に、放射線を照射する工程を含む、消毒用キットの滅菌方法を提供する。

0015

上記本発明の消毒用キットの滅菌方法によれば、グルコン酸クロルヘキシジン製剤と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具とを同時に滅菌することができるので消毒用キットの生産効率が高く、グルコン酸クロルヘキシジンの分解も抑制することができる。

図面の簡単な説明

0016

放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤の安定性を検討した結果を示すグラフである。
放射線照射によるグルコン酸クロルヘキシジンの減少におけるエタノールの影響を検討した結果を示すグラフである。
グルコン酸クロルヘキシジン製剤の放射線照射によるp−クロルアニリンの生成を検討したグラフである。

0017

(グルコン酸クロルヘキシジン製剤)
本発明は、グルコン酸クロルヘキシジン、水及び添加剤を含み、放射線照射により滅菌された、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を提供する。

0018

(グルコン酸クロルヘキシジン)
グルコン酸クロルヘキシジン製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの含有量は20(w/v)%以下であることが好ましく、0.01〜5.0(w/v)%であることがより好ましく、0.5〜1.0(w/v)%であることが更に好ましい。

0019

グルコン酸クロルヘキシジン製剤は、エタノールを含有してもよい。グルコン酸クロルヘキシジン製剤中のエタノールの含有量は、製剤が良好な殺菌作用を発揮できることから、60〜90(v/v)%であることが好ましく、70〜85(w/v)%であることがより好ましい。

0020

(添加剤)
グルコン酸クロルヘキシジン製剤は、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸又はその塩、サリチル酸エステル、ヨウ化カリウム、塩化アンモニウム、アスパラギン酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、アルギニン又はその塩、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グルコン酸、トコフェロール酢酸エステル及びフェノキシエタノールからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む。これらの添加剤を2種以上組み合わせて添加してもよい。グルコン酸クロルヘキシジンは、pH8以上の条件下や、塩化ナトリウム界面活性剤、Ca2+、Mg2+、Cl−、CO32−、SO42−、PO43−、I−等のイオンの存在で沈殿を生じる場合があるため、添加剤の配合には注意を要する。しかしながら、上述の添加剤の配合量や添加剤の組み合わせを調整することにより、沈殿を生じることなく、放射線照射によるグルコン酸クロルヘキシジンの分解を抑制することができる。

0021

添加剤が酸である場合は、塩としては、例えばナトリウムカリウム等のアルカリ金属塩カルシウムマグネシウム等のアルカリ土類金属塩;及びアンモニウム塩グアニジントリエチルアミンジシクロヘキシルアミン等の有機塩基による塩が挙げられる。また、添加剤がアルギニンである場合は、塩酸等の無機酸塩が挙げられる。

0022

添加剤の添加量は、一般外用剤として認められた添加最大量以下が好ましい。各添加剤のグルコン酸クロルヘキシジン製剤1g当たりの当該添加最大量(mg)を表1に示す。

0023

0024

pH調整剤
グルコン酸クロルヘキシジン製剤は、更にpH調整剤を含んでいてもよい。後述するように、製剤のpHを適切に調整することにより、放射線照射によるグルコン酸クロルヘキシジンの分解を抑制することができる。pH調整剤としては、水酸化ナトリウムリン酸水素ナトリウムリン酸二水素ナトリウムクエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム等を例示できる。pH調整剤は、2種以上を組み合わせて添加してもよい。グルコン酸クロルヘキシジン製剤のpHは、pHメーターを使用して測定した場合に、3〜8であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。

0025

(消毒用キット)
本発明はまた、放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤を収容した第1の密封容器と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具とを、第2の密封容器に収容してなる、消毒用キットを提供する。

0026

(密封容器)
第1の密封容器には、グルコン酸クロルヘキシジン製剤が収容される。第1の密封容器の材質としては、保形性耐薬品性無菌状態を維持できるバリア性等を備えたものであれば特に限定されず、例えば、ガラスやプラスチックが挙げられる。プラスチックとしては、ポリスチレンポリエチレンポリプロピレンポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。

0027

第2の密封容器には、上記の第1の密封容器に収容されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤とグルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具とが収容される。第2の密封容器の材質としては、無菌状態を維持できるバリア性等を備えたものであれば特に限定されず、例えば、プラスチックが挙げられる。プラスチックとしては、第1の密封容器と同様のものが挙げられる。

0028

(塗布具)
グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための塗布具としては、綿棒パッドガーゼ脱脂綿等が挙げられる。

0029

上記の消毒用キットは、更に、注射器ピンセットメス、はさみ、包帯テープガウン衛生材料等を収容してもよい。これにより、上記の消毒用キットは、手術用キットとして使用することもできる。

0030

(滅菌方法)
上述のグルコン酸クロルヘキシジン製剤及び消毒用キットは、放射線照射により滅菌される。すなわち、グルコン酸クロルヘキシジン製剤の滅菌方法は、上述したグルコン酸クロルヘキシジン製剤に放射線を照射する工程を含む。放射線としては、電子線、γ線等を使用できる。放射線照射装置としては、通常の医薬品の放射線照射で使用されるものを使用することができる。放射線の線量は、5〜50kGyが好ましく、9〜40kGyがより好ましく、9〜30kGyが更に好ましい。グルコン酸クロルヘキシジン製剤は、例えば、上述した第1の密封容器等の容器に収容した状態で放射線照射することが好ましい。

0031

消毒用キットの滅菌方法は、上述した消毒用キットに放射線を照射する工程を含む。消毒用キットは、第1の密封容器に収容され、放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための滅菌済みの塗布具とを、無菌的に第2の密封容器に収容することにより製造してもよいし、第1の密封容器に収容した未滅菌のグルコン酸クロルヘキシジン製剤と、グルコン酸クロルヘキシジン製剤を塗布するための未滅菌の塗布具とを、第2の密封容器に収容した後に、第2の密封容器の内容物全体を放射線照射により滅菌することにより製造してもよい。また、一部が滅菌済みで一部が未滅菌の内容物を第2の密封容器に収容した後、第2の密封容器の内容物全体を放射線照射により滅菌することにより製造してもよい。

0032

以下、本発明の実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。

0033

〔グルコン酸クロルヘキシジン製剤の放射線照射に対する添加剤の影響(実施例1〜14)〕
(グルコン酸クロルヘキシジン製剤の調製)
80(v/v)%エタノール水溶液に、表2に示す各種添加剤を表2に示す量溶解した。続いて、20(w/v)%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液を2.5mL加え、全量を100mLとした。さらに、pH調整のため0.1N水酸化ナトリウム溶液を0.5mL加え、それぞれ実施例1〜14のグルコン酸クロルヘキシジン製剤とした。

0034

(放射線照射)
通常の滅菌保証において材質劣化評価で用いられる最大の線量(最大許容線量)を30kGyと設定して滅菌線量を考慮し、実施例1〜14のグルコン酸クロルヘキシジン製剤に30kGyの電子線を均一に照射した。放射線照射の条件は次の通りであった。
電子加速器ダイナミトロン電子加速器
加速電圧:5MeV
電流:20mA

0035

(グルコン酸クロルヘキシジンの定量)
放射線照射後の実施例1〜14のグルコン酸クロルヘキシジン製剤各1mLにメタノールを加えて正確に50mLにし、サンプル溶液とした。次に、グルコン酸クロルヘキシジン標準品の0.5%水溶液1mLにメタノールを加えて正確に50mLにし、グルコン酸クロルヘキシジンの標準溶液とした。続いて、各サンプル溶液及び標準溶液を10μLずつ高速液体クロマトグラフHPLC)に注入し、クロマトグラムピーク面積を測定した。HPLCの測定条件は次の通りであった。
カラムオクタデシルシリル化シリカゲル粒子径5μm)、内径4.6mm、長さ250mm
カラム温度:50℃
移動相:メタノール:5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液リン酸=800:200:1
流速:2.0mL/分
検出器紫外線吸光光度計測定波長260nm、感度0.04aufs)

0036

各サンプル溶液のピーク面積と標準溶液のピーク面積から、実施例1〜14の製剤のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を定量した。表2に結果を示す。表2において、標準溶液中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量に対する実施例1〜14の製剤中のグルコン酸クロルヘキシジン(CHX)の存在量を百分率(質量%)で示した。

0037

0038

〔グルコン酸クロルヘキシジン製剤の放射線照射に対する添加剤の影響(実施例15、16、比較例1)〕
(グルコン酸クロルヘキシジン製剤の調製)
80(v/v)%エタノール水溶液に、表3に示す各種添加剤を表3に示す量溶解した。続いて、20(w/v)%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液を2.5mL加え、全量を100mLとした。さらに、pH調整のため0.1N水酸化ナトリウム溶液を0.5mL加え、それぞれ実施例15及び16のグルコン酸クロルヘキシジン製剤とした。また、80(v/v)%エタノール水溶液に、20(w/v)%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液を2.5mL加え全量を100mLとし、比較例1のグルコン酸クロルヘキシジン製剤とした。表3に、実施例15、実施例16及び比較例1並びに上述した実施例1及び4のグルコン酸クロルヘキシジン製剤の組成を示す。

0039

0040

(放射線照射及びグルコン酸クロルヘキシジンの定量)
実施例1、4、15、16及び比較例1のグルコン酸クロルヘキシジン製剤に、上述の実施例1〜14と同様の方法により、10、20及び30kGyの電子線を均一に照射した。続いて、上述の実施例1〜14と同様の方法により、HPLCにより各製剤のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を定量した。表4に結果を示す。表4において、放射線を照射していない各製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量に対する放射線照射後の各製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を百分率(質量%)で示した。

0041

0042

〔放射線照射により滅菌されたグルコン酸クロルヘキシジン製剤の安定性〕
上述した実施例15のグルコン酸クロルヘキシジン製剤に30kGyの放射線照射を行った製剤を室温で3ヶ月放置した。この間、経時的に上述の実施例1〜14と同様の方法により、HPLCにより製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を定量し、経時変化を観察した。結果を図1に示す。図1において、放射線を照射していない実施例15の製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量に対する放射線照射後の製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を百分率(質量%)で示した。

0043

〔放射線照射によるグルコン酸クロルヘキシジンの減少におけるpHの影響〕
上述したように、グルコン酸クロルヘキシジン製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンは、放射線照射により分解する。このグルコン酸クロルヘキシジンの分解における製剤のpHの影響を検討した。

0044

(グルコン酸クロルヘキシジン製剤の調製)
上述した実施例15(0.1N水酸化ナトリウム水溶液の添加量0.5mL)のグルコン酸クロルヘキシジン製剤において、0.1N水酸化ナトリウム水溶液の添加量を、それぞれ1.5、3.5及び5.0mLに変更した製剤(それぞれ、実施例17、18及び19)を調製した。

0045

(放射線照射及びグルコン酸クロルヘキシジンの定量)
まず、実施例15、17〜19のグルコン酸クロルヘキシジン製剤のpHを測定した。pHの測定にはpHメーターを使用した。続いて、これらの製剤に、上述の実施例1〜14と同様の方法により、30kGyの電子線を均一に照射した。続いて、上述の実施例1〜14と同様の方法により、HPLCにより各製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を定量した。表5に結果を示す。表5において、放射線を照射していない各製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量に対する放射線照射後の各製剤中のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を百分率(質量%)で示した。製剤のpHが酸性から中性になると、グルコン酸クロルヘキシジンの分解の程度が高くなることが示された。

0046

0047

〔放射線照射によるグルコン酸クロルヘキシジンの減少におけるエタノールの影響〕
グルコン酸クロルヘキシジン/エタノール製剤に放射線を照射すると、グルコン酸クロルヘキシジンの一部はp−クロルアニリン等に変化し、グルコン酸クロルヘキシジンの存在量が減少する。これは、グルコン酸クロルヘキシジン自体が放射線のエネルギーを直接吸収し分解する直接作用と、放射線によって生成したラジカルによる間接的な作用によると考えられる。上述した比較例1(エタノール含有量80(v/v)%)のグルコン酸クロルヘキシジン製剤において、エタノールの含有量を、それぞれ0及び40(v/v)%に変更した製剤(それぞれ、比較例3及び比較例2)を調製した。比較例1〜3のグルコン酸クロルヘキシジン製剤に、上述の実施例1〜14と同様の方法により、10、20及び30kGyの電子線を均一に照射した。続いて、上述の実施例1〜14と同様の方法により、HPLCにより各製剤のグルコン酸クロルヘキシジンの存在量を定量し、放射線照射によるグルコン酸クロルヘキシジンの減少を検討した。結果を図2に示す。エタノール含有量が高いほどグルコン酸クロルヘキシジンの減少量が少ないことが示された。

0048

〔グルコン酸クロルヘキシジン製剤の放射線照射による副生成物の検討〕
グルコン酸クロルヘキシジン製剤の放射線照射によるp−クロルアニリンの生成を検討した。上述した比較例1及び実施例15のグルコン酸クロルヘキシジン製剤に上述の実施例1〜14と同様の方法により、30kGyの電子線を均一に照射した。続いて、放射線照射していない比較例1の製剤、放射線照射後の比較例1の製剤及び放射線照射後の実施例15の製剤について、上述の実施例1〜14と同様の方法により、HPLCにより各製剤中のp−クロルアニリンの存在量を定量した。HPLCのチャートの一部を図3に示す。放射線照射していない比較例1の製剤中のp−クロルアニリンの存在量は0.5質量ppmであった。また、30kGyの放射線照射後の比較例1の製剤中のp−クロルアニリンの存在量は2.6質量ppmであった。これに対し、30kGyの放射線照射後の実施例15の製剤中のp−クロルアニリンの存在量は0.2質量ppmであった。この結果から、実施例15の製剤においては、添加剤(パラオキシ安息香酸メチル及びサリチル酸)の添加により、グルコン酸クロルヘキシジンの放射線照射による分解が抑制された結果、p−クロルアニリンの生成量も少なかったと考えられた。

0049

〔放射線照射による滅菌効果の確認〕
医薬品等放射線滅菌線量の設定は、ISO11137−2:2006に準拠して行う必要がある。ここでは、SAL(滅菌保証水準)=10−6(製品100万個に1個菌が残る可能性があるレベル)が担保されていることを、VDmax15法により検討した。

0050

VDmax15法によると、滅菌線量15kGyにおける平均バイオバーデン0.2個の滅菌対象に対する検定線量は0.9kGyである。ここで、バイオバーデンとは、サンプルに混入している微生物の数を意味する。したがって、滅菌対象のサンプル10個に0.9kGyの放射線を照射して、放射線照射後のサンプルの無菌試験を行い(菌の有無を検査)、陽性サンプル数が1個以下であれば、SAL=10−6を満たす滅菌線量は15kGyであると判断する。

実施例

0051

実施例15のグルコン酸クロルヘキシジン製剤のサンプル10個に、上述の実施例1〜14と同様の方法により、0.9kGyの電子線を均一に照射した。放射線照射後に、各サンプルについて無菌試験を実施した。その結果、全てのサンプルにおいて無菌試験の結果が陰性であった。この結果から、グルコン酸クロルヘキシジン製剤は、滅菌線量15kGyでSAL=10−6が担保されることが示された。

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