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技術 熱電発電装置

出願人 中沼忠司
発明者 中沼忠司
出願日 2013年10月31日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2013-226924
公開日 2014年3月20日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2014-053635
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 最高温度付近 石油精製品 熱伝導性流体 直方体容器 頂点領域 温度昇降 温度変化範囲 環境エネルギー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

熱電発電装置が配置される環境中の熱電変換モジュールを挟んだ両側に温度差を生じさせるべく、熱電変換モジュールの一端側を加熱し、他端側を冷却しなくても、安定的に発電することができる熱電発電装置を提供する。

解決手段

環境の温度変化に応じて環境と熱交換し得る導熱体1と、蓄熱体2と、導熱体および蓄熱体間に配置された各1つの熱電変換ユニット3および熱抵抗体6を備える。熱抵抗体と熱電変換ユニットの一端同士3a、6aが接触し、熱抵抗体の他端6aが導熱体に接触し、熱電変換ユニットの他端6bが蓄熱体2に接触するとともに、蓄熱体2の表面が一定の熱絶縁性を有する被覆層4によって覆われる。導熱体と蓄熱体との間に生じる温度差を利用して、熱電変換ユニットから電気エネルギーが取り出される。

概要

背景

近年、エネルギーハーベスティング技術が注目されつつある。エネルギー・ハーベスティング技術は、熱や振動、光、電磁波といった環境エネルギー電力に変換するものである。
そして、このエネルギー・ハーベスティング技術の1つとして、熱電変換モジュールを用い、熱エネルギーから電力を得るようにした熱電発電装置がこれまでに提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。

従来の熱電発電装置によれば、発電を行う際には、熱電変換モジュールの一端側に加熱によって熱を供給する一方、他端側から冷却によって熱を排出し、熱電変換モジュールの両側に一定の大きさの温度差を生じさせる必要があった。すなわち、従来の熱電発電装置においては、近接して存在する加熱源冷却源との間の温度差を利用して発電するので、熱電発電装置の設置場所が制限されていた。

一方、ワイヤレスセンサーやリモートモニター等の消費電力が小さい電子機器においては、メンテナンスの関係上、電源として、商用電源電池ではなく、環境エネルギーを利用することが望ましい。
そのため、熱電発電装置をこれらの電子機器の電源部に組み込むことが考えられるが、上述のように熱電発電装置の設置場所が制限されることから、電子機器を必要な場所に自由に設置することができないという問題があった。

また、環境エネルギーを利用する技術として、太陽光電気に変換する太陽電池があるが、日没後は発電できず、昼間においても、日照天候に左右され、あるいはに遮られる等してその発電量は安定せず、そのため、蓄電装置が必要とされ、または他の電源を補助する形での利用に制限されるという問題があった。

概要

熱電発電装置が配置される環境中の熱電変換モジュールを挟んだ両側に温度差を生じさせるべく、熱電変換モジュールの一端側を加熱し、他端側を冷却しなくても、安定的に発電することができる熱電発電装置を提供する。環境の温度変化に応じて環境と熱交換し得る導熱体1と、蓄熱体2と、導熱体および蓄熱体間に配置された各1つの熱電変換ユニット3および熱抵抗体6を備える。熱抵抗体と熱電変換ユニットの一端同士3a、6aが接触し、熱抵抗体の他端6aが導熱体に接触し、熱電変換ユニットの他端6bが蓄熱体2に接触するとともに、蓄熱体2の表面が一定の熱絶縁性を有する被覆層4によって覆われる。導熱体と蓄熱体との間に生じる温度差を利用して、熱電変換ユニットから電気エネルギーが取り出される。

目的

本発明の課題は、熱電発電装置が配置される環境中の熱電変換モジュールを挟んだ両側に温度差を生じさせるべく、熱電変換モジュールの一端側を加熱し、他端側を冷却しなくても、安定的に発電することができる熱電発電装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

温度昇降を繰り返す環境中に配置され、前記環境の温度変化を利用して発電を行う熱電発電装置であって、前記環境に接触し、前記環境の温度変化に応じて前記環境と熱交換し得る少なくとも1つの導熱体と、少なくとも1つの蓄熱体と、前記導熱体と前記蓄熱体との対、および前記蓄熱体の対からなる組から選択された少なくとも1つの対の間に配置された少なくとも1つの熱電変換ユニットと、前記導熱体と前記蓄熱体との対、および前記蓄熱体の対、および前記導熱体と前記熱電変換ユニットとの対、および前記蓄熱体と前記熱電変換ユニットとの対からなる組から選択された少なくとも1つの対の間に配置されて、前記対の間の熱移動を制御する少なくとも1つの熱流調節ユニットと、一定の熱絶縁性を有し、前記蓄熱体を被覆する被覆層と、を備えたことにより、前記導熱体および前記蓄熱体間、または前記蓄熱体間、またはそれらの両方に生じる温度差を利用して、前記熱電変換ユニットから電気エネルギーを取り出すものであることを特徴とする熱電発電装置。

請求項2

1つの前記導熱体と、1つの前記蓄熱体と、前記導熱体および前記蓄熱体間に配置された少なくとも一対の前記熱電変換ユニットおよび前記熱流調節ユニットと、を備え、前記熱流調節ユニットは熱抵抗体からなり、前記熱抵抗体と対応する前記熱電変換ユニットの一端同士が接触し、前記熱抵抗体の他端または対応する前記熱電変換ユニットの他端が前記導熱体に接触する一方、前記熱電変換ユニットの他端または対応する前記熱抵抗体の他端が前記蓄熱体に接触し、前記熱電変換ユニットまたは前記熱抵抗体との接触領域を除く前記蓄熱体の全体が前記被覆層によって覆われていることにより、前記導熱体と前記蓄熱体との間に生じる温度差を利用して、前記熱電変換ユニットから電気エネルギーを取り出すものであることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項3

前記導熱体が前記被覆層の表面の全体を覆っていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電発電装置。

請求項4

少なくとも1つの前記蓄熱体が、異なる相変化温度を有する複数の潜熱蓄熱材から形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱電発電装置。

技術分野

0001

本発明は、外部環境温度変化を利用し、熱電変換モジュールを用いて熱エネルギー電気エネルギーに変換することで発電を行う熱電発電装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、エネルギーハーベスティング技術が注目されつつある。エネルギー・ハーベスティング技術は、熱や振動、光、電磁波といった環境エネルギー電力に変換するものである。
そして、このエネルギー・ハーベスティング技術の1つとして、熱電変換モジュールを用い、熱エネルギーから電力を得るようにした熱電発電装置がこれまでに提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。

0003

従来の熱電発電装置によれば、発電を行う際には、熱電変換モジュールの一端側に加熱によって熱を供給する一方、他端側から冷却によって熱を排出し、熱電変換モジュールの両側に一定の大きさの温度差を生じさせる必要があった。すなわち、従来の熱電発電装置においては、近接して存在する加熱源冷却源との間の温度差を利用して発電するので、熱電発電装置の設置場所が制限されていた。

0004

一方、ワイヤレスセンサーやリモートモニター等の消費電力が小さい電子機器においては、メンテナンスの関係上、電源として、商用電源電池ではなく、環境エネルギーを利用することが望ましい。
そのため、熱電発電装置をこれらの電子機器の電源部に組み込むことが考えられるが、上述のように熱電発電装置の設置場所が制限されることから、電子機器を必要な場所に自由に設置することができないという問題があった。

0005

また、環境エネルギーを利用する技術として、太陽光電気に変換する太陽電池があるが、日没後は発電できず、昼間においても、日照天候に左右され、あるいはに遮られる等してその発電量は安定せず、そのため、蓄電装置が必要とされ、または他の電源を補助する形での利用に制限されるという問題があった。

先行技術

0006

特開2004−47635号公報
特開2005−347348号公報
特開2010−45881号公報

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、本発明の課題は、熱電発電装置が配置される環境中の熱電変換モジュールを挟んだ両側に温度差を生じさせるべく、熱電変換モジュールの一端側を加熱し、他端側を冷却しなくても、安定的に発電することができる熱電発電装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明によれば、温度昇降を繰り返す環境中に配置され、前記環境の温度変化を利用して発電を行う熱電発電装置であって、前記環境に接触し、前記環境の温度変化に応じて前記環境と熱交換し得る少なくとも1つの導熱体と、少なくとも1つの蓄熱体と、前記導熱体と前記蓄熱体との対、および前記蓄熱体の対からなる組から選択された少なくとも1つの対の間に配置された少なくとも1つの熱電変換ユニットと、前記導熱体と前記蓄熱体との対、および前記蓄熱体の対、および前記導熱体と前記熱電変換ユニットとの対、および前記蓄熱体と前記熱電変換ユニットとの対からなる組から選択された少なくとも1つの対の間に配置されて、前記対の間の熱移動を制御する少なくとも1つの熱流調節ユニットと、一定の熱絶縁性を有し、前記蓄熱体を被覆する被覆層と、を備えたことにより、前記導熱体および前記蓄熱体間、または前記蓄熱体間、またはそれらの両方に生じる温度差を利用して、前記熱電変換ユニットから電気エネルギーを取り出すものであることを特徴とする熱電発電装置が提供される。
ここで、「温度昇降を繰り返す環境」には、昼夜周期的に温度変化する屋外大気中や、屋内に配置され、稼働状態に応じて温度変化する機械設備の近傍および表面上等が含まれる。
また、被覆層は「一定の熱絶縁性」、すなわち一定の熱抵抗を有するが、被覆層の熱抵抗は、導熱体、熱電変換ユニット、熱流調節ユニットおよび蓄熱体から形成される熱経路全体の熱抵抗と比較して十分に(1桁程度)大きければよい。

0009

本発明の好ましい実施例によれば、前記熱電発電装置は、1つの前記導熱体と、1つの前記蓄熱体と、前記導熱体および前記蓄熱体間に配置された少なくとも一対の前記熱電変換ユニットおよび前記熱流調節ユニットと、を備えている。前記熱流調節ユニットは熱抵抗体からなり、前記熱抵抗体と対応する前記熱電変換ユニットの一端同士が接触し、前記熱抵抗体の他端または対応する前記熱電変換ユニットの他端が前記導熱体に接触する一方、前記熱電変換ユニットの他端または対応する前記熱抵抗体の他端が前記蓄熱体に接触する。前記熱電変換ユニットまたは前記熱抵抗体との接触領域を除く前記蓄熱体の全体が前記被覆層によって覆われている。それによって、前記導熱体と前記蓄熱体との間に生じる温度差を利用して、前記熱電変換ユニットから電気エネルギーが取り出される。
この場合、前記熱流調節ユニットとしての前記熱抵抗体が前記熱電変換ユニットに組み込まれていてもよいし、前記熱電変換ユニット自体が前記熱抵抗体の熱抵抗値に相当する熱抵抗値を有していてもよい。

0010

本発明の別の実施例によれば、前記導熱体、前記熱流調節ユニットおよび前記熱電変換ユニットが、熱電発電装置の本体から取り外し可能とされ、それらのパーツが新しいパーツと交換可能になっている。それによって、装置のメンテナンスが容易となり、また将来的な熱電変換ユニットの改良による性能向上にも迅速に適応し得る。
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記導熱体が前記被覆層の表面の全体を覆っている。
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、少なくとも1つの前記蓄熱体が、異なる相変化温度を有する複数の潜熱蓄熱材から形成されている。

発明の効果

0011

本発明によれば、温度変化を繰り返す環境に接触する導熱体が該環境と熱交換するとともに、導熱体と蓄熱体との対、および蓄熱体の対、および導熱体と熱電変換ユニットとの対、および蓄熱体と熱電変換ユニットとの対からなる組から選択された少なくとも1つの対の間に熱流調節ユニットを配置して当該対の間の熱移動を制御することによって、導熱体および蓄熱体間あるいは蓄熱体間に自動的に温度差を生じさせ、この温度差に比例した電圧を熱電変換ユニットから取り出すことができる。

0012

また、各1つの導熱体および蓄熱体と、蓄熱体および導熱体間に配置された各1つの熱電変換ユニットおよび熱流調節ユニットとを備え、熱流調節ユニットが熱抵抗体からなり、熱抵抗体と熱電変換ユニットの一端同士が接触し、熱抵抗体の他端または熱電変換ユニットの他端が導熱体に接触し、熱電変換ユニットの他端または熱抵抗体の他端が蓄熱体に接触し、熱電変換ユニットとの接触領域を除く蓄熱体の全体が被覆層によって覆われる構成とした場合には、導熱体、熱抵抗体(熱流調節ユニット)、熱電変換ユニットおよび蓄熱体によって形成される熱回路全体の熱抵抗と蓄熱体の熱容量とから定まる熱時定数により、蓄熱体の温度を導熱体の最高温度最低温度中間付近の温度に保つことによって、導熱体および蓄熱体間に温度差を自動的に生じさせ、この温度差に比例した電圧を熱電変換ユニットから取り出すことができる。

0013

本発明によれば、温度差を有する導熱体および蓄熱体間、または蓄熱体間、またはそれらの両方に熱電変換ユニットを配置し、当該温度差に基づき熱電変換ユニットを介して熱エネルギーを熱平衡に向かって移動させ、その熱エネルギーの一部を熱電変換ユニットによって電気エネルギーに変換することで発電を行うが、この場合、蓄熱体には、常に、一定量の熱量が蓄積された状態で、発電に必要な温度差が得られる熱量だけが、蓄熱体に蓄積および放出されるようにすることで、より効率的な発電が実現される(いわゆるエクセルギー概念)。

0014

こうして、温度昇降を繰り返す環境中に熱電発電装置を配置するだけで電気エネルギーを取り出すことができ、従来の熱電発電装置のように、熱電発電装置が配置された環境中の熱電変換ユニットを挟んだ両側に温度差を生じさせるべく、熱電変換ユニットの一端側を加熱し、他端側を冷却する必要がない。

図面の簡単な説明

0015

本発明の1実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
図1に示した熱電発電装置を屋外の大気中に配置した場合の、導熱体と蓄熱体の温度変化を例示したグラフである。
本発明の別の実施例による熱電発電装置を示す図1に類似の図である。
図1に示した熱電発電装置を電子機器の電源として使用した場合の該電源の構成例を示す図である。
(A)は図1に示した熱電発電装置の蓄熱体の変形例の縦断面図であり、(B)は(A)の温度変化に伴う蓄熱量放熱量)の変化を示したグラフである。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の主要部を示す拡大縦断面図である。
図6における補助導熱ユニット取付部の拡大図である。
図6における補助導熱ユニットの取付部の拡大図である。
図6に示した熱電発電装置を屋外の大気中に配置した場合の、導熱体と蓄熱体の温度変化の一例を示す図2に類似のグラフである。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置を示す図1に類似の図である。
図10に示した熱電発電装置の熱流スイッチの取付部の拡大図である。
図10に示した熱電発電装置の熱流スイッチの取付部の拡大図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
図13に示した熱電発電装置を屋外の大気中に配置した場合の、導熱体と第1および第2の蓄熱体の温度変化の一例を示す図2に類似のグラフである。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の斜視図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。
本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。

実施例

0016

以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
本発明による熱電発電装置は、温度昇降を繰り返す環境中に配置されるようになっている。ここに、「温度昇降を繰り返す環境」には、昼夜で周期的に温度変化する屋外の大気中や、屋内に配置され、稼働状態に応じて温度変化する機械設備の近傍および表面上等が含まれる。

0017

図1は、本発明の1実施例による熱電発電装置の構成を示す縦断面図である。
図1に示された実施例では、本発明による熱電発電装置は、環境に接触し、環境の温度変化に応じて環境と熱交換し得る1つの導熱体1と、1つの蓄熱体2と、導熱体1および蓄熱体2間に配置された少なくとも一対(この実施例では一対)の熱電変換ユニット3および熱流調節ユニット6を備えている。熱流調節ユニット6は、この実施例では、熱抵抗体からなっている。

0018

そして、熱抵抗体6の一端6aと熱電変換ユニット3の一端3aが接触し、熱抵抗体6の他端6bが導熱体1に接触し、熱電変換ユニット3の他端3bが蓄熱体2に接触している。なお、熱電変換ユニット3と熱抵抗体6との位置関係は、この実施例に限定されず、熱電変換ユニッ3と熱抵抗体6が上下に逆転して配置されていてもよい。
また、熱抵抗体6は、この実施例では、熱電変換ユニット3とは別個の構成要素となっているが、熱抵抗体6が熱電変換ユニット3に組み込まれていてもよいし、熱電変換ユニット3自体が、熱抵抗体6の熱抵抗値に相当する熱抵抗値を有していてもよい(この場合には、熱抵抗体6は不要)。

0019

また、熱電変換ユニット3との接触領域を除く蓄熱体2の表面が、一定の熱絶縁性を有する被覆層4によって覆われている。
ここで、被覆層4は一定の熱絶縁性、すなわち一定の熱抵抗を有するが、被覆層4の熱抵抗は、導熱体1、熱電変換ユニット3、熱抵抗体6および蓄熱体2から形成される熱経路全体の熱抵抗と比較して十分に(1桁程度)大きければよい。
被覆層4は、一定の熱絶縁性を有し、熱電変換ユニット3との接触領域を除く蓄熱体2の表面を被覆するものであればよく、その形成材料や構造に特に制限はない。この実施例では、被覆層4は、熱電変換ユニット3との接触領域を除く蓄熱体2の表面を被覆する公知の適当な断熱材からなっている。

0020

被覆層4に覆われた蓄熱体2は、好ましくは、角がなく全体に丸味を帯び、表面積が出来るだけ小さくなるような形状とされる。
熱電変換ユニット3としては、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し得る任意のものが使用可能であるが、この実施例では、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールが使用される。なお、図1中、5は、熱電変換モジュールの一対の電極である。

0021

導熱体1は、環境との熱交換(熱吸収および放熱)がより高い効率で行えるような構成を有していることが好ましい。そのため、例えば、熱電発電装置の設置環境が、温度変化する大気中である場合は、できるだけ大きな導熱体1の表面積を確保すべく、導熱体1の表面が凹凸を有し、または粗面に形成されていることが好ましく(伝導対流の促進)、また、導熱体1の表面が黒色等の濃い色を有していることが好ましい(放射の促進)。また、例えば、熱電発電装置の設置環境が、稼働状態によって温度変化する機械設備の表面である場合は、導熱体1が機械設備の表面に密着すべく、当該表面に適合する形状を有していることが好ましい(伝導の促進)。

0022

環境が屋外の大気中である場合には、導熱体1または熱電発電装置本体を動かすことができるような構成とし、導熱体1における環境との熱交換面が太陽に向くように調節可能にすれば、季節を通じたまたは1日を通じた日照角度の変化が生じても、日射を効率良く受けることができるので、より好ましい。
別の好ましい実施例によれば、反射板または集光器集光レンズ)が導熱体1の前面に配置され、それらを通じて導熱体1が環境から熱を受けるようになっている。それによって、導熱体1の受ける熱量がより増加する。

0023

蓄熱体2は、水等の液体によって満たされた、防水性を有する容器からなっていてもよく、この場合、容器の壁の少なくとも熱電変換ユニットとの接触領域は、熱伝導性を有している。
容器を満たす液体は、腐敗しにくく、凍結しにくいものであれば、どのような液体からなっていてもよく、例えば、純水、または純水に不凍液を混合したもの、または純水に防腐剤を混合したものを使用することができる。なお、液体にはゲル状のものも含まれる。

0024

蓄熱体2は、固体状の金属または非金属からなっていてもよく、この場合、蓄熱体2として、アルミニウム塊またはプラスチック塊またはコンクリート塊を用いることが好ましい。
蓄熱体2は、また、潜熱蓄熱材からなっていてもよく、この場合、潜熱蓄熱材の相変化相転移物質は、特に限定されない。潜熱蓄熱材は、酢酸ナトリウム水和物硫酸ナトリウム水和物または石油精製品パラフィン等の、相変化温度での融解熱または凝固熱を利用するもので、上述の比熱が一定の液体や固体からなる蓄熱体と比べて、より大きな熱容量の蓄熱体とすることができる。

0025

この場合、蓄熱体は、異なる相変化温度を有する複数の蓄熱材から構成されていることがより好ましい。かかる構成の1例を図5に示した。
図5Aを参照して、この実施例では、蓄熱体2’は、導熱性を有するケーシング47と、ケーシング47内に収容され、蓄熱体2の動作温度範囲内の異なる温度で機能する3つの潜熱蓄熱材48a〜48cとからなっている。この実施例では、潜熱蓄熱材48a〜48cは液体状またはゲル状であり、それぞれ専用の容器内に充填されている。そして、ケーシング47の内部が、導熱性を有する仕切壁によって3つの部屋に仕切られ、部屋毎に異なる潜熱蓄熱材48a〜48cが収容されている。なお、仕切壁は、潜熱蓄熱材48a〜48cの全体が均一に熱交換し得るようにするためのものであり、必要に応じて設けられる。また、潜熱蓄熱材48a〜48cが粒状である場合は、潜熱蓄熱材48a〜48cの混合物がケーシング47内に収容される。

0026

図5Bは、図5Aに示した蓄熱体2’と、比熱が一定の液体または固体からなる通常の蓄熱体の、温度変化に伴う蓄熱量(または放熱量)の変化を比較したグラフである。グラフ中、直線αは通常の蓄熱体を表し、折れ線βは蓄熱体2’を表し、T0〜T1は、蓄熱体の動作温度範囲を表し、T2、T3、T4はそれぞれ第1の潜熱蓄熱材48a、第2の潜熱蓄熱材48bおよび第3の潜熱蓄熱材48cが機能する温度を表している。なお、折れ線βにおいては、各潜熱蓄熱材の熱抵抗および熱容量による影響は考慮されていない。

0027

今、例えば、蓄熱体がT0=5℃からT1=25℃の範囲内(温度差20℃)で動作し、各潜熱蓄熱材48a〜48cの重さが200gであり、融解熱が200kJ/kgであり、顕熱の比熱が2kJ/(kg・K)であるとし、ケーシング47の比熱等は無視すると、蓄熱体2’に関し、
潜熱の熱量=200(kJ/kg)×0.6(kg)=120(kJ)
顕熱の熱量=2(kJ/(kg・K))×0.6(kg)×20(K)=24(kJ)
潜熱と顕熱の合計熱量=120(kJ)+24(kJ)=144(kJ)
となる。
一方、水(自然界では最大の比熱を有する)0.6kgからなる通常の蓄熱体で20℃の温度変化をさせると、
熱量(顕熱のみ)=4.2(kJ/(kg・K))×0.6(kg)×20(K)
=50.4(kJ)
となる。そして、
144(kJ)/50.4(kJ)=2.86
であり、水の2.86倍の比熱をもつ蓄熱体2’が得られたことになる。それによって、よりコンパクトでかつ発電量の大きい熱電発電装置が実現される。

0028

熱抵抗体6は、蓄熱体2の熱容量と、熱電変換ユニット3の発電効率(熱電変換ユニット3による発電に伴う熱移動)を考慮しつつ、蓄熱体2の温度を導熱体1の最高温度と最低温度の中間の温度付近に保つことができる程度の熱抵抗を有しておればよい。
装置設計上、熱抵抗体6の熱抵抗値は、外部環境と導熱体1間の熱抵抗、および導熱体1と熱抵抗体6間の熱抵抗、および熱電変換ユニット3の熱抵抗、および熱抵抗体6と熱電変換ユニット3間の熱抵抗、および熱電変換ユニット3と蓄熱体2間の熱抵抗の総和に、蓄熱体2の熱容量を乗算した値として定まる熱時定数が、熱電発電装置が配置される環境の温度昇降の繰り返し周期(よって、導熱体1の温度昇降の繰り返し周期)と蓄熱体2の温度昇降の繰り返し周期との間に一定程度遅延を生じさせ、それによって、導熱体1および蓄熱体2間に発電に必要な温度差を生じさせる適当な熱時定数となるように、設定される。
熱抵抗体6としては、例えば、金属製の棒体および板体や、金属ファイバー集合体や、化学繊維集合体等が使用可能である。

0029

また、装置設計上、あるいは構造上、例えば、蓄熱体2の全体が被覆層4によって完全に覆われず、蓄熱体2の一部が外部の環境に接していても、前記の「一定の熱絶縁性」が確保され、上記の熱抵抗の総和と蓄熱体2の熱容量を乗算した値により適当な熱時定数が実現されておればよい。

0030

次に、本発明による熱電発電装置の動作を説明する。
今、熱電発電装置を屋外の大気中に配置した場合を考える。日本各地の一日の最高気温最低気温の温度差は、平均すると約10℃であることが知られているので、本発明の熱電発電装置を配置した環境においても、一日の気温差が約10℃であるとする。

0031

なお、この実施例では、北緯30〜45°に位置し海洋に囲まれた日本での気温を前提とするが、地球上のどの地域においても、昼間は太陽の日射による加熱が生じる一方、夜間は放射冷却による冷却が生じ、昼夜の繰り返しが気温変化を生じさせることに変わりはなく、よって、本発明による熱電発電装置は、地域によらず動作することは言うまでもない。

0032

図2は、このような環境中における、本発明の熱電発電装置の導熱体1と蓄熱体2の一日の温度変化を例示したグラフである。図2のグラフ中、縦軸は温度(℃)を、横軸時刻(時)を表し、曲線Xおよび曲線Yはそれぞれ導熱体1の温度変化および蓄熱体2の温度変化を示し、また直線Zは蓄熱体2の平均温度を示している。
図2A〜Cのグラフの曲線Xに示すように、熱電発電装置の導熱体1の温度は、気温変化にほぼ追従して、約10℃の温度範囲内で昇降する。

0033

また、導熱体1と蓄熱体2との間には熱移動が生じ、それによって蓄熱体2の温度も変化するが、この場合、導熱体1、熱抵抗体6、熱電変換ユニット3および蓄熱体2から形成される熱回路全体の熱抵抗に、蓄熱体2の熱容量を乗算した値として定まる熱時定数に応じて、導熱体1の温度変化よりも遅延する(温度変化の位相がずれる)。

0034

さらには、被覆層4の熱抵抗は有限であるから、被覆層4から熱漏洩が生じ、かつ熱電変換ユニット3の発電に伴う熱移動が生じる。
その結果、蓄熱体2の温度は、導熱体1の最高温度と最低温度の中間温度付近で変化し、導熱体1と蓄熱体2の温度差は、導熱体1の最高温度と最低温度の差(約10℃)の半分の約5℃を最大値として、0℃〜約5℃の範囲内で変動する。

0035

図2Bは、発電に必要な導熱体1および蓄熱体2の温度差が得られるように、導熱体1、熱抵抗体6、熱電変換ユニット3および蓄熱体2から形成される熱回路全体の熱抵抗と、蓄熱体2の熱容量が設定された場合のグラフである。
そして、このグラフにおいては、熱時定数は、一日の気温変化(よって、導熱体1の温度変化)のグラフが24時間の周期をもつ正弦波であるとした場合に、蓄熱体2の温度変化の位相が45度(3時間)ずれるように設定されている。
この場合、熱時定数は、次のように決定される。すなわち、
R=導熱体1、熱抵抗体6、熱電変換ユニット3および蓄熱体2からなる熱回路全体の熱抵抗
C=蓄熱体の熱容量
ω=2πf=角周波数(f:周波数
として、45度の位相差が生じているので、熱抵抗Rと蓄熱体2の正弦波交流(変化)に対する熱抵抗(インピーダンス)1/ωCの絶対値は等しい。よって、
R=1/ωC
であるから、
熱時定数t=RC=1/2πf=24/2π=3.82(時間)
[周期=24時間であるから、f=1/24]

0036

このグラフにおいては、発電による熱移動量の増大に伴って蓄熱体2の温度変化量が導熱体1の温度変化量の1/2(約5℃)を超えても、蓄熱体2の温度変化と導熱体1の温度変化の位相差があるために、蓄熱体2と導熱体1との温度差ΔTは、1/2までも低下せず、80%程度に維持されている。
こうして、1日の気温の変化を通じて、実際に発電に使用可能な、導熱体1と蓄熱体2の温度差約5℃が確保され得る。そして、この温度差ΔTに応じて、導熱体1の昇温時と降温時の2回にわたって発電が行われ、その積分値一周期(昼夜1サイクル)の発電電力量となる。

0037

一方、図2Cのグラフに示すように、蓄熱体2がより小さい熱容量を有するように設計され、あるいは、導熱体1および蓄熱体2間の熱抵抗が小さくなるように設計された場合、曲線Yは次第に曲線Xに近づき、その結果、導熱体1と蓄熱体2の温度差は小さくなり、有効な発電はできなくなる。
また、図2Aのグラフに示すように、蓄熱体2がより大きい熱容量を有するように設計され、あるいは、導熱体1および蓄熱体2間の熱抵抗が大きくなるように設計された場合、曲線Yは、曲線Xの最大値と最小値中間値付近において次第にフラットになり平均温度を示す直線Zに近づく。その結果、導熱体1と蓄熱体2の温度差が大きくなる。これは発電条件としては問題ないが、現実的な設計であるとは言えない。

0038

こうして、本発明によれば、一日を通じて有効な発電が実現できるようにするため、熱時定数は、一日の温度変化のグラフが周期24時間の正弦波に一致するとした場合に、当該周期の1/10の2.4時間以上となるように予め設定されている。

0039

次に、図2Bのグラフの場合に、実際にどれくらいの電力量が得られるかを見積もることにする。
例えば、蓄熱体2を1000mLの水で満たされた容器から構成した場合には、容器の熱容量を小さいとして無視すると、上記考察に基づき、蓄熱体2の温度変化を2℃として、蓄熱体2の熱容量は、水の比熱が1cal/gであり、1cal=4.2Jであるから、次のようになる。
熱容量=1×1000×2=2000(cal)
=8400(J)=8400(Ws)=2.33(Wh)
熱量2000calを電気エネルギーの単位であるジュール(1J=1Ws)に変換すると、2.33Whであるが、熱エネルギーを熱電変換ユニット3で電気エネルギーに変換する場合、変換効率には限界がある。
仮に、熱電変換ユニット3の発電効率が5%であるとすると、発電で得られる電力量は116.7mWhとなり、昼夜2回の同量の発電が可能であれば、1日当たり233mWhの電力量を得ることができる。
こうして、一定の熱量の熱エネルギーが、一定の発電効率を有する熱電発電装置の働きによって一定の電力量の電気エネルギーに変換される。

0040

1000mLの水は、一辺が10cmの立方体の容器内に充填可能であるが、使用する水の量を1/10の100mLとして、2.5cm×4cm×10cmの直方体容器内に充填した蓄熱体2の場合、前と同じ発電効率であれば、1日当たり23.3mWhの電力量が得られる。

0041

この電力量は、通常の小電力型の電子機器(消費電力が数μW程度)を作動させるのに十分な大きさである。例えば、50μWの電子機器を1日(24時間)動作させるのに必要な電力量は、50×24=1,200μWh=1.2mWhであり、仮に熱電発電装置の発電効率が5%のさらに数分の1であっても十分に供給可能な量である。

0042

また、蓄熱体2を体積100mLのアルミニウムから構成した場合には、蓄熱体2の温度変化を2℃として、蓄熱体2の熱容量は、アルミニウムの比熱が0.21cal/gで、比重が2.7であるから、次のようになる。
熱容量=0.21×2.7×100×2=113.4(cal)
=476(J)=476(Ws)=0.132(Wh)
そして、熱電変換ユニット3の発電効率が5%であるとすると、発電で得られる電力量は6.6mWhとなり、昼夜2回の同量の発電が可能であれば、1日当たり13.2mWhの電力量(水の場合の約0.57倍の電力量)を得ることができる。
この場合、アルミニウムは、水よりも高価であるが、加工等の取扱いが容易であり、水を使用した場合と比較して蓄熱体2の構造を簡略化することができる。

0043

こうして、本発明の熱電発電装置においては、温度昇降を繰り返す環境に熱的に接触する導熱体1と、被覆層4の作用によって該環境から熱的影響を受けにくい蓄熱体2と、一端が熱抵抗体6を介して導熱体1に熱的に接触し、他端が蓄熱体2に熱的に接触する熱電変換ユニット3とを備え、導熱体1の温度を環境の温度変化に従って昇降させる一方、蓄熱体2の温度を導熱体1の最高温度と最低温度の中間付近の温度に保つようにし、導熱体1および蓄熱体2間に自動的に生じた温度差に比例した電圧を熱電変換ユニット3から取り出すことができる。

0044

すなわち、本発明によれば、熱電発電装置を温度昇降を繰り返す環境中に配置するだけで電気エネルギーを取り出すことができ、従来の熱電発電装置のように、熱電発電装置が配置された環境中の熱電変換ユニットを挟んだ両側に温度差を生じさせるべく、熱電変換ユニットの一端側を加熱し、他端側を冷却する必要がない。
そして、本発明による熱電発電装置をワイヤレスセンサーやリモートモニター等の電子機器の電源として使用した場合には、商用電源から電子機器への電力供給配線や電池の交換作業が不要な独立電源が得られ、これらの電子機器を必要な場所に自由に設置することができる。

0045

また、本発明の熱電発電装置を、導熱体1が直射日光散乱光を受け得る場所に設置するとともに、導熱体1を、日射を受けやすく、しかも夜間には放射冷却されやすいような構造とすることによって、導熱体1の最高温度および最低温度の差をより大きくすれば、発電電力をさらに増大させることができる。

0046

この場合には、導熱体1の表面に凹凸が形成されないようにして、空気との接触面積をできるだけ小さくすることが好ましい。それによって、導熱体1が日射によって空気温度より高温になったときに、空気によって冷却されること、および、導熱体1が放射冷却によって低温になったときに、空気によって暖められることが防止される。
なお、この場合、空気の影響を遮断すべく、ガラス等の透明板を使用し、導熱体1と透明板との間を真空にして断熱してもよい。透明板は、太陽光線赤外線の透過、反射および吸収の特性を適切に考慮し、適切な材質のものを用いることが好ましい。

0047

図3には、本発明の別の実施例による熱電発電装置を示した。なお、図3中、図1に示したものと同じ構成要素には同一番号を付し、以下ではそれらの詳細な説明を省略する。
図3Aを参照して、この実施例では、導熱体1’が被覆層4の表面の全体を覆っている。この構成によれば、熱電発電装置全体の体積はさほど増大させずに、導熱体1’の表面積をかなり増大させることができ、それによって、導熱体1’の環境との熱交換の効率をより高めることができる。さらには、導熱体1’を金属等の硬質の材料から形成した場合には、蓄熱体2、熱抵抗体6、熱電変換ユニット3および被覆層4を導熱体1’によって保護することができる。

0048

また、図3Bを参照して、この実施例では、蓄熱体2が、液体7aで満たされた容器7bから構成されている。この場合、容器7bの内壁面に、複数の熱交換用フィン8を互いに間隔をあけて設ける等の、液体7aの熱伝導や対流を促進する手段を容器7b内に設けることがより好ましい。

0049

図4は、本発明による熱電発電装置を低消費電力の電子機器の電源部に組み込んだ場合の構成の1例を示した図である。なお、図4中、図1に示したものと同じ構成要素には同一番号を付し、以下では、それらの詳細な説明を省略する。
図4を参照して、本発明の熱電発電装置においては、設置環境の温度昇降によって一対の電極5に交流が発生するので、電源部10は、本発明の熱電変換装置のほかに、熱電発電装置の熱電変換ユニット3の一対の電極5に接続された極性電圧変換回路11と、極性・電圧変換回路11の後段に接続されたリチウムイオン電池等の二次電池12とを備えている。

0050

こうして、本発明の熱電発電装置による発電電力を一旦二次電池12に蓄え、二次電池12から電子機器13に供給することによって、電子機器13の動作のために必要とされるときに、安定して電力を供給することができる。
この実施例では、本発明の熱電発電装置は電子機器13に内蔵され、あるいは電子機器13とは独立に設けられるが、電子機器の一部(例えば筐体)が、熱電発電装置の導熱体の全体あるいは一部を構成するようにしてもよい。
また、電子機器13を、本発明の熱電発電装置の蓄熱体内に配置することもできる。この構成によれば、電子機器13の温度を、外部環境の最高温度と最低温度の中間温度付近に保つことができ、それによって、電子機器13を温度ストレスから保護し、安定的に動作させることができる。

0051

図6は、本発明のさらに別の好ましい実施例による熱電発電装置の主要部を示す拡大縦断面図である。図6の実施例は、熱流調節ユニットとして熱抵抗体6を熱電変換ユニット3に直列に配置する代わりに、補助導熱ユニットを被覆層4の内部に組み込んだ点が、図1の実施例と異なるだけである。よって、図6中、図1に示したものと同じ構成要素には同一番号を付し、以下では、それらの詳細な説明を省略する。

0052

図6を参照して、この実施例では、熱流調節ユニットとして補助導熱ユニット14が被覆層4内における導熱体1および蓄熱体2間に組み込まれている。なお、この実施例では、単一の補助導熱ユニット14が組み込まれているが、必要に応じて、複数の補助導熱ユニット14が組み込まれ得る。
補助導熱ユニット14は、被覆層4を貫通して導熱体1および蓄熱体2間にのびる開口9内に取付けられ、熱的に膨張および収縮すること、または熱的に変形することで、導熱体1および蓄熱体2に接触して導熱体1と蓄熱体2の間で熱移動させる第1の位置と、導熱体1および蓄熱体2のうちの少なくとも一方から離間して熱移動を停止させる第2の位置をとる。
そして、補助導熱ユニット14は、導熱体1の温度が最高温度付近にあるときまたは導熱体1の温度が最低温度付近にあるときは第1の位置をとる一方、それ以外のときは第2の位置をとるように動作する。

0053

図7および図8は、図6における補助導熱ユニットの取付部の拡大図であり、補助導熱ユニット14を例示したものである。
図7に示した実施例では、補助導熱ユニット14は、バイメタル14aからなっている。バイメタル14aは、アーチ状に形成され、導熱体1側が凸になる配置で、下端部が蓄熱体2に接触状態で固定されている。そして、バイメタル9aは、導熱体1が最高温度付近にあるとき(導熱体1の高温時)または導熱体1が最低温度付近にあるとき(導熱体1の低温時)に大きく変形して、アーチの頂点領域を導熱体1に接触させ、第1の位置をとる(図7B参照)が、それ以外の期間は、導熱体1に接触しない範囲内で変形し、第2の位置をとる(図7A参照)。

0054

図8に示した実施例では、補助導熱ユニット14は、熱収縮材料14bからなっている。熱収縮材料14bとしては、例えば、熱収縮ゴムに熱伝導性を高める金属粉を配合したものが使用できる。熱収縮材料14bは、上面が導熱体1に接触状態で固定されている。そして、熱収縮材料14bは、導熱体1が最高温度付近にあるとき(導熱体1の高温時)に大きく膨張して、下面を蓄熱体2に接触させ、第1の位置をとる(図8B参照)が、それ以外のときは、蓄熱体2に接触しない範囲で膨張・収縮し、第2の位置をとる(図8A参照)。

0055

図9は、図6に示した熱電発電装置を屋外の大気中に配置した場合の、導熱体1と蓄熱体2の温度変化の一例を示す図2に類似のグラフであり、グラフ中、曲線Xは導熱体1の温度変化を示し、曲線Yは蓄熱体2の温度変化を示している。また、図9のグラフ中、Shは、補助導熱ユニット14が第1の位置をとっている期間を示している。

0056

図9のグラフからわかるように、図6の実施例によれば、導熱体1の高温時には、蓄熱体2の温度が導熱体1の温度付近まで上昇し、それによって、導熱体1および蓄熱体2間の、導熱体1の最高温度と最低温度の差に近い温度差ΔTが得られる。その結果、補助導熱ユニット14を備えていない場合と比べて約2倍の温度差となり、この温度差に比例して、熱電変換ユニット3の出力電圧が約2倍になる。

0057

この場合、負荷抵抗が一定であれば、得られる電力は電圧の2乗に比例するので、電圧が2倍であれば、熱電発電装置によって得られる電力量は4倍となり、蓄熱体の熱容量が同じであっても、より多くの電力量が得られることになる。

0058

図6に示した実施例では、熱流調節ユニットとして、導熱体1の温度変化(外部環境の温度変化)に応じて、膨張・収縮または変形することによって受動的に熱移動を制御する補助導熱ユニットを配置したが、その代わりに、能動的に熱移動を制御する熱流スイッチを配置することもできる。

0059

図10には、熱流調節ユニットとして熱流スイッチを備えた熱電発電装置の構成を示した。なお、図10中、図6に示したものと同じ構成要素には同一番号を付し、以下では、それらの詳細な説明を省略する。
図10に示した実施例では、被覆層4内における導熱体1および蓄熱体2間に、熱流調節ユニットとして、導熱体1および蓄熱体2に接触して導熱体1と蓄熱体2の間で熱移動させるON状態と、導熱体1および蓄熱体2のうちの少なくとも一方から離間して前記熱移動を停止させるOFF状態とをとる熱流スイッチ15が配置される。なお、この実施例では、単一の熱流スイッチ15が配置されるが、必要に応じて、複数の熱流スイッチ15が配置され得る。

0060

また、導熱体1の温度を検出する第1の温度センサー16と、蓄熱体2の温度を検出する第2の温度センサー17が備えられる。第1および第2の温度センサー16、17は、熱流スイッチ15からできるだけ離れた位置であって、それぞれ、導熱体1および蓄熱体2の中心または平均温度を示す位置に配置されることが好ましい。
さらに、熱流スイッチ制御部18が備えられ、第1および第2の温度センサー16、17の検出値に基づいて、熱流スイッチ15のON状態とOFF状態を切り替えるようになっている。

0061

熱流スイッチ15の機能は、基本的に補助導熱ユニットと同様である。
例えば、蓄熱体2の温度を導熱体1の高温側にシフトさせる場合は、熱流スイッチ制御部18が、第1および第2の温度センサー16、17の検出値に基づき、導熱体1の温度が蓄熱体2の温度よりも高く、かつその温度差が予め設定された値以上であると判定したとき、熱流スイッチ15をON状態にする一方、導熱体1の温度が蓄熱体2の温度よりも高いが、その温度差が予め設定された値以下であると判定したとき、または、導熱体1の温度が蓄熱体2の温度よりも低いと判定したときは、熱流スイッチ15をOFF状態とする。
なお、熱流スイッチ15の作動は、熱電発電装置が出力する電力の一部を用いてなされる。

0062

もちろん、熱流スイッチ15によって、蓄熱体2の温度を導熱体1の低温側にシフトさせることもでき、この場合には、熱流スイッチ制御部18が、第1および第2の温度センサー16、17の検出値に基づき、導熱体1の温度が蓄熱体の温度よりも低く、かつその温度差が予め設定された温度以上であると判定したときにのみ、熱流スイッチ15をON状態にする。

0063

図11および図12は、図10における熱流スイッチの取付部の拡大図であり、熱流スイッチを例示したものである。
図11に示した実施例では、熱流スイッチ15は、リニアアクチュエータ29aと、リニアアクチュエータ29aの操作ロッドの先端に接続された可動導熱ブロック29bとから構成される。そして、熱流スイッチ15がOFF状態にあるときは、図11Aに示すように、リニアアクチュエータ29aの操作ロッドは引っ込んだ位置にあって、可動導熱ブロック29bは導熱体1および蓄熱体2から離間しているが、例えば、熱流スイッチ制御部18によって、導熱体1の温度が蓄熱体2の温度よりも高くかつその温度差が予め設定された値以上であると判定されたとき、熱流スイッチ15はON状態になり、図11Bに示すように、リニアアクチュエータ29aの操作ロッドが突き出し、可動導熱ブロック29bが導熱体1および蓄熱体2に接触し、それによって、導熱体1から蓄熱体2に熱が移動し、蓄熱体2が加熱され、蓄熱体2の温度が導熱体1の高温側にシフトする。

0064

図12に示した実施例では、熱流スイッチ15は、回転型アクチュエータ29cと、このアクチュエータ29cによって回転駆動される可動導熱ブロック29dとから構成される。そして、熱流スイッチ15がOFF状態にあるときは、図12Aに示すように、可動導熱ブロック29dは、導熱体1および蓄熱体2から離間した位置にあるが、例えば、熱流スイッチ制御部18によって導熱体1の温度が蓄熱体2の温度よりも高くかつその温度差が予め設定された値以上であると判定されたとき、熱流スイッチ15はON状態になり、図12Bに示すように、可動導熱ブロック29dがアクチュエータ29cによって回転せしめられて導熱体1および蓄熱体2に接触し、それによって、導熱体1から蓄熱体2に熱が移動し、蓄熱体2が加熱され、蓄熱体2の温度が導熱体1の高温側にシフトする。

0065

図示はしないが、上述したアクチュエータは、いずれも、動作時にのみ、ラチェット機構またはウォームギヤまたはブレーキ機構によって電磁気的に駆動され、非動作時は、電気エネルギーを消費しないような構成であることが好ましい。

0066

図11および図12に示した実施例において、熱流スイッチ15の可動導熱ブロック29b、29dは、熱伝導性を向上させるべく、導熱体1および蓄熱体2と間の熱流スイッチ15が接する面が密着しやすい形状を有しかつ弾力性を有していることが好ましく、また、この接触面を除く熱流スイッチ15の表面が、熱漏洩を抑制すべく、断熱材で覆われていることが好ましい。

0067

図示はしないが、本発明の別の実施例によれば、熱電変換ユニット3が熱流スイッチ15としても使用される。すなわち、熱電発電装置から出力される電力の一部が使用され、熱流スイッチ制御部18による制御のもと、ゼーベック効果による熱電変換ユニットに適当な電圧が印加される。それによって、熱電変換ユニットに、ペルチェ効果による発熱(加熱)および吸熱(冷却)作用を生じさせ、熱流スイッチと同等の機能を生じさせることができる。

0068

この場合、熱流スイッチ15のON状態は、熱電変換ユニット3を、ペルチェ効果によって、導熱体1および蓄熱体2のうちの温度の高い方から低い方に熱移動が生じるように動作させることによって、逆に、OFF状態は、ペルチェ効果によって、温度の低いほうから高い方に熱移動を生じるように動作させることによって実現される。

0069

また、図示はしないが、本発明のさらに別の実施例によれば、熱流スイッチ15は、導熱体1と熱電変換ユニット3の一端3aとの間、または蓄熱体2と熱電変換ユニット3の他端3bとの間に配置され、ON状態をとるとき、熱電変換ユニット3を介して導熱体1に接触し、または熱電変換ユニット3を介して蓄熱体2に接触する。

0070

また、図示はしないが、本発明のさらに別の実施例によれば、熱流スイッチ15は、被覆層4内における導熱体1および蓄熱体2間に配置され、熱伝導性を有する一端面が導熱体に接触し、熱伝導性を有する他端面が蓄熱体に接触する容器と、被覆層4内または被覆層の外面に配置された熱伝導性流体供給源と、熱伝導性流体供給源および容器を接続する管路と、管路の途中に配置され、熱伝導性流体供給源から容器内に伝導性流体を供給し、および容器内に充填された熱伝導性流体を熱伝導性流体供給源に回収するためのポンプと、からなっている。この場合、熱流スイッチ15のON状態は、容器内が熱伝導性流体で満たされることによって、OFF状態は、容器内が空にされることによって実現される。

0071

また、図示はしないが、本発明のさらに別の実施例によれば、一定程度の熱時定数を確保できる場合には、蓄熱体における熱電変換ユニットとの接触領域を除く表面が鏡面仕上げされ、蓄熱体の鏡面仕上げされた表面が被覆層を形成する。この場合、蓄熱体表面の鏡面仕上げは、表面を研磨することによって、あるいは表面を金属メッキすることによってなされる。

0072

図13は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。図13に示した実施例では、熱電発電装置は、1つの導熱体1と、第1および第2の蓄熱体2a、2bと、第1および第2の蓄熱体2a、2b間に配置され、一端3aが第1の蓄熱体2aに接触し、他端3bが第2の蓄熱体2bに熱的に接触する少なくとも1つ(この実施例では1つ)の熱電変換ユニット3(一対の電極は図示を省略した)を備えている。

0073

熱電発電装置は、また、第1および第2の蓄熱体2a、2bのそれぞれと導熱体1との間に配置された少なくとも1つ(この実施例では各1つ)の第1および第2の熱流調節ユニット15a、15bを備えている。
第1の熱流調節ユニット15aは、導熱体1および第1の蓄熱体2aに接触して導熱体1と第1の蓄熱体2aの間で熱移動させるON状態と、導熱体1および第1の蓄熱体2aのうちの少なくとも一方から離間して当該熱移動を停止させるOFF状態とをとる第1の熱流スイッチからなっている。また、第2の熱流調節ユニット15bは、導熱体1および第2の蓄熱体2bに接触して導熱体1と第2の蓄熱体2bの間で熱移動させるON状態と、導熱体1および第2の蓄熱体2bのうちの少なくとも一方から離間して当該熱移動を停止させるOFF状態とをとる第2の熱流スイッチからなっている。

0074

また、第1の熱流スイッチ15aおよび熱電変換ユニット3との接触領域を除く第1の蓄熱体2aの表面と、第2の熱流スイッチ15bおよび熱電変換ユニット3との接触領域を除く第2の蓄熱体2bの表面が、一定の熱絶縁性を有する被覆層4によって覆われている。

0075

熱電発電装置は、さらに、導熱体1の温度を検出する第1の温度センサー19と、第1の蓄熱体2aの温度を検出する第2の温度センサー20と、第2の蓄熱体2bの温度を検出する第3の温度センサー21と、第1〜第3の温度センサー19〜21の検出値に基づいて、第1および第2の熱流スイッチ15a、15bのON状態とOFF状態を切り替える熱流スイッチ制御部22を備えている。

0076

この実施例においては、導熱体1が最高温度付近にあるとき、第1の熱流スイッチ15aがON状態になる一方、第2の熱流スイッチ15bはOFF状態となり、それによって、導熱体1および第1の蓄熱体2a間で熱移動が生じて、第1の蓄熱体2aの温度が当該最高温度付近に保たれ、導熱体1が最低温度付近にあるときは、第1の熱流スイッチ15aがOFF状態になる一方、第2の熱流スイッチ15bはON状態となり、導熱体1および第2の蓄熱体2b間で熱移動が生じて、第2の蓄熱体2bの温度が当該最低温度付近に保たれるようになっている。そして、第1および第2の蓄熱体2a、2b間に生じた温度差を利用して、熱電変換ユニット3によって電気エネルギーが取り出される。

0077

こうして、24時間(温度変化の全周期)にわたり最高温度と最低温度の差に近い温度差を維持しつつ、当該温度差を利用して安定して大きな発電電力を得ることができる。この場合には、2つの蓄熱体2a、2bに蓄えられた熱エネルギーによって連続した発電が可能であり、単一の蓄熱体を備えた熱電発電装置においては連続的でかつ安定した電力供給を行うのに必要であった二次電池を省略できる。

0078

図示はしないが、電源供給を受ける負荷装置に対して間欠的に電力供給を行う場合、あるいは軽負荷に対して二次電池を通じて電力供給を行う場合には、熱電変換ユニット3と直列に第3の熱流スイッチを備えることで、発電に伴わない熱電変換ユニットを通じた熱の漏洩を抑制し、蓄えられた熱の有効利用を図ることが好ましい。これは、他の実施例にも当てはまる

0079

図14は、図13に示した熱電発電装置を屋外の大気中に配置した場合の、導熱体1と第1および第2の蓄熱体2a、2bの温度変化の一例を示す図2に類似のグラフである。図14のグラフ中、縦軸は温度(℃)を、横軸は時刻(時)を表し、曲線X、曲線Yおよび曲線Zは、それぞれ、導熱体1、第1の蓄熱体2aおよび第2の蓄熱体2bの温度変化を示している。また、図14のグラフ中、Shは、第1の熱流スイッチ15aがON状態にあり、かつ第2の熱流スイッチ15bがOFF状態にある期間を示し、Siは、第1の熱流スイッチ15aがOFF状態にあり、かつ第2の熱流スイッチ15bがON状態にある期間を示している。

0080

図14のグラフからわかるように、熱電発電装置の導熱体1の温度は、気温変化にほぼ追従して、約10℃の温度範囲内で昇降する。
一方、被覆層4の熱抵抗が無限大で、かつ、熱電変換ユニット3の発電に伴う熱移動がない、理想的な条件下では、第1の蓄熱体2aの温度は、導熱体1の最高温度付近に保たれ、第2の蓄熱体2bの温度は、導熱体1の最低温度付近に保たれる。

0081

しかしながら、現実には、被覆層4の熱抵抗は有限であるから、被覆層4から熱漏洩が生じ、さらには、熱電変換ユニット3の発電に伴う熱移動が生じるので、第1の蓄熱体2aの温度Yは、導熱体1の最高温度よりも低い温度範囲で変化し、第2の蓄熱体2bの温度Zは、導熱体1の最低温度よりも高い温度範囲で変化する。その結果、第1の蓄熱体2aと第2の蓄熱体2bとの温度差ΔTは、導熱体1の最高温度と最低温度の差(約10℃)よりも小さい温度範囲で変動する。

0082

そこで、被覆層4からの熱漏洩、および熱電変換ユニット3の発電に伴う熱移動を考慮し、第1および第2の蓄熱体2a、2bの熱容量を、第1および第2の蓄熱体2a、2bが約2℃の範囲内で温度変化し得る大きさに設定すると、1日の気温変化を通じて実際に発電に使用可能な、第1および第2の蓄熱体2a、2b間の温度差ΔTとして約8℃を連続して確保することができ、この温度差ΔTで発電が行われ、その24時間の積分値が一周期(昼夜1サイクル)の発電電力量となる。

0083

間欠的に発電が行われ、時間とともに発電電圧が変化する単一の蓄熱体を備えた熱電発電装置と比べて、2つの蓄熱体を備えた熱電発電装置は、約2倍の発電電圧を24時間継続的に生じさせることから、約20倍を超える発電電力を発生させることができる。

0084

図13に示した熱電発電装置においては、製造直後や、一定温度下に長期間保管されていた場合には、第1および第2の蓄熱体2a、2b間に温度差がなく、熱電発電装置は停止しており、この停止した熱電発電装置の起動法が問題になる。

0085

かかる場合の起動法の1つとして、第1の熱流スイッチ15aとして、初期状態または制御されない状態では常にON状態にある形式のもの(電気回路におけるb接点)を使用し、第2の熱流スイッチ15bとして、初期状態または制御されない状態では常にOFF状態にある形式のもの(電気回路におけるa接点)を使用する方法が挙げられる。
この方法によれば、熱電発電装置が温度変化する環境中に設置された時点から、第1の蓄熱体2aの温度が導熱体1の温度変化に追従する一方、第2の蓄熱体2bの温度は当初の温度付近にとどまる。そして、環境の温度が最高温度に近づくにつれて、第1および第2の蓄熱体2a、2b間に一定の温度差が生じ、それによって、熱電変換ユニット3が電圧を発生し、この電圧が熱流スイッチ制御部22に供給され、熱流スイッチ制御部22が動作を開始する。

0086

熱流スイッチ制御部22は、導熱体1の温度が最高温度付近にあるとき、または第1の蓄熱体2aの温度よりも高いときは、第1の熱流スイッチ15aをON状態に制御し、導熱体1の温度が最低温度付近にあるとき、または第2の蓄熱体2bの温度よりも低いときは、第2の熱流スイッチ15bをON状態に制御する。その結果、第1の蓄熱体2aの温度は導熱体1の最高温度に近づく一方、第2の蓄熱体2bの温度は導熱体1の最低温度に近づき、熱電発電装置が自動的に動作を開始する(起動する)。

0087

別の起動法として、導熱体1と第1または第2の蓄熱体2a、2bとの間に第3の熱電変換ユニットを配置し、第1および第2の熱流スイッチ15a、15bは、初期状態または制御されない状態でOFF状態にある形式のもの(電気回路におけるa接点)を使用する方法が挙げられる。
この方法によれば、熱電発電装置が温度変化する環境中に配置された時点から、導熱体1の温度は環境の温度変化に追従する一方、第1および第2の蓄熱体2a、2bは、当初の温度付近にとどまる。こうして、時間の経過につれて、導熱体1と第1および第2の蓄熱体2a、2bとの間の温度差が次第に大きくなる。そして、一定の温度差になると、第3の熱電変換ユニットが電圧を発生し、この電圧が熱流スイッチ制御部22に供給され、熱流スイッチ制御部22が動作を開始する。その後は、上述の第1の起動法の場合と同様の動作過程を経て、熱電発電装置が起動する。

0088

本発明のさらに別の実施例によれば、図13に示した構成において、さらに、第1の熱流スイッチ15aおよび第1の蓄熱体2a間に配置され、一端が第1の熱流スイッチ15aに接触し、他端が第1の蓄熱体2aに接触する第1のペルチェ素子と、第2の熱流スイッチ15bおよび第2の蓄熱体2b間に配置され、一端が第2の熱流スイッチ15bに接触し、他端が第2の蓄熱体2bに接触する第2のペルチェ素子が備えられる。

0089

この実施例によれば、第1の熱流スイッチ15aがON状態にあるとき、第1のペルチェ素子が、一端において吸熱して、他端において発熱し、第2の熱流スイッチ15bがON状態にあるとき、第2のペルチェ素子が、一端において発熱して、他端において吸熱する。それによって、導熱体1の最高温度付近の温度を有する第1の蓄熱体2aを加熱してその温度をより上昇させ、導熱体1の最低温度付近の温度を有する第2の蓄熱体2bを冷却してその温度をより下降させて、より大きな温度差ΔTを生じさせることができる。

0090

上述の実施例では、熱電変換ユニットとして、現在市場入手可能なビスマステルル等の半導体を成分とするゼーベック効果を用いた熱電変換モジュールが使用されているが、この種の熱電変換モジュールの発電効率は数%〜十数%にとどまる。そのため、上述の実施例では、熱電変換モジュールの発電効率を約5%と仮定した。これに対し、スピンゼーベック効果ラットリングかご構造)と呼ばれるクラスレート化合物等の新材料のゼーベック効果を用いた熱電変換モジュールでは、大きな熱抵抗をもつ磁性絶縁体化合物が使用されるので、熱漏洩が少なく、発電効率の各段の向上が期待される。
ゼーベック効果を用いた熱電変換モジュールによれば、1mWh〜数十Whの発電能力をもつ熱電発電装置が実現可能であるが、スピンゼーベック効果を用いた熱電変換モジュールによれば、数十mWh未満から数百Wh超の発電能力をもつ熱電発電装置が実現可能である。

0091

図15は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。図15を参照して、この実施例では、熱電発電装置は、1つの導熱体42と、第1および第2の蓄熱体43a、43bを備えている。そして、第2の蓄熱体43bは、熱電発電装置が設置される構造物からなっている。構造物43bとしては、例えば、機械設備または建造物、または海面上や河川および湖沼の水面上に配置されたブイ等の構造物、または年間を通じてほぼ一定の温度を有する地下熱と熱交換する熱交換機の一部が挙げられる。

0092

熱電発電装置は、また、導熱体42および第1の蓄熱体43a間に配置され、一端44aが導熱体42に接触し、他端44bが第1の蓄熱体43aに接触する少なくとも1つ(この実施例では1つ)の熱流調節ユニット44を備えている。
熱流調節ユニット44は、導熱体42および第1の蓄熱体43aに接触して導熱体42と第1の蓄熱体43aの間で熱移動させるON状態と、導熱体42および第1の蓄熱体43aのうちの少なくとも一方から離間して当該熱移動を停止させるOFF状態とをとる熱流スイッチからなっている。

0093

また、第1の蓄熱体43aおよび構造物43b間には、少なくとも1つ(この実施例では1つ)の熱電変換ユニット45が配置され、熱電変換ユニット45は、一端45aが第1の蓄熱体43aに接触し、他端45bが構造物43bに接触している。
そして、熱流スイッチ44および熱電変換ユニット45との接触領域を除く第1の蓄熱体43aの表面が被覆層46によって覆われている。

0094

図示はしないが、熱電発電装置は、さらに、導熱体42の温度を検出する第1の温度センサーと、第1の蓄熱体43aの温度を検出する第2の温度センサーと、構造物43bの温度を検出する第3の温度センサーと、第1〜第3の温度センサーの検出値に基づいて、前記熱流スイッチの前記ON状態と前記OFF状態を切り替える熱流スイッチ制御部を備えている。
こうして、第1の蓄熱体43aおよび構造物43b間に生じる温度差を利用して、熱電変換ユニット45から電気エネルギーが取り出される。

0095

図16は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の斜視図である。この実施例は、図1に示した熱電発電装置を市販の乾電池の形態としている。なお、明瞭にするため、図16中、熱電発電装置の導熱体および蓄熱体以外の構成要素は省略してある。
図16において、23は導熱体であり、24は蓄熱体である。電池の+電極25および−電極26は、熱電変換ユニットの一対の電極(図1参照)であってもよいし、熱電発電装置が二次電池を備えている場合には、二次電池の出力端子であってもよい(図4参照)。−電極26は、導熱体1の一部として構成されていてもよい。+電極25は、絶縁部分27によって導熱体23から電気的に絶縁されている。

0096

図17は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。図17を参照して、この実施例では、熱電発電装置は、図1に示した実施例の構成に加えて、第1の追加の蓄熱体30と、第2の追加の蓄熱体31と、第1および第2の追加の蓄熱体30、31間に配置され、一端32aが第1の追加の蓄熱体30に接触し、他端32bが第2の追加の蓄熱体31に接触する追加の熱電変換ユニット32(一対の電極は図示を省略)と、第1および第2の追加の蓄熱体30、31間に配置され、一端33aが第1の追加の蓄熱体30に接触し、他端33bが第2の追加の蓄熱体31に接触する追加のペルチェ素子33と、一定の熱絶縁性を有し、追加の熱電変換ユニット32との接触領域および追加のペルチェ素子33との接触領域を除く第1および第2の追加の蓄熱体30、31の表面を被覆する追加の被覆層4’とを備えている。

0097

この場合、第1および第2の追加の蓄熱体30、31、追加の熱電変換ユニット32、追加のペルチェ素子33、および追加の被覆層4’は、図17に示すように、熱電発電装置の残りの部分と一体に形成されてもよいし、熱電発電装置の残りの部分とは独立な部分として形成されてもよい。後者の場合には、2つの部分が互いに電線で接続される。

0098

そして、追加の熱電変換ユニット32以外の熱電変換ユニット3が出力する電気エネルギーを、例えば極性・電圧変換回路28を介して、追加のペルチェ素子33に適用し、追加のペルチェ素子33によって第1および第2の追加の蓄熱体30、31の一方を加熱し、他方を冷却する。こうして、第1および第2の追加の蓄熱体30、31間に温度差を生じさせ、この温度差を利用して、追加の熱電変換ユニット32から電気エネルギーを取り出す。

0099

この実施例によれば、蓄熱体2の温度が環境の温度変化の範囲内でしか変化しないのに対し、第1および第2の追加の蓄熱体30、31の温度変化の範囲についてはこの制限がなくなるので、第1および第2の蓄熱体30、31間により大きな温度差を生じさせてより多くの熱エネルギーを蓄え、追加の熱電変換ユニット32から、必要なときに、より大きな電気エネルギーを取り出すことができる。

0100

この実施例において、熱電発電装置から電気の供給を受ける電子機器の動作が間欠的であり、それに対応して、熱電発電装置による電気の出力が間欠的でもよい場合には、追加のペルチェ素子33を省略することができる。
この場合、熱電発電装置から電気を出力するときは、ゼーベック素子からなる追加の熱電変換ユニット32がゼーベック素子として機能し、電気エネルギーが取り出される。一方、熱電発電装置から電気を出力しないときは、追加の熱電変換ユニット32以外の熱電変換ユニット3から出力される電気エネルギーが、例えば極性・電圧変換回路28を介して、追加の熱電変換ユニット32に適用され、追加の熱電変換ユニット32がペルチェ素子として機能し、蓄熱が行われる。
また、間欠的に電気を出力すればよい場合には、熱電変換ユニットと直列に熱流スイッチを配置することによって、蓄熱体からの熱電発電に寄与しない無駄な熱移動を抑制することができる。

0101

図18は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。図18から容易にわかるように、この実施例は、図17に示した実施例において、ペルチェ素子33を取り除き、その代わりに、ヒーター40を、第1の追加の蓄熱体30に接触して配置したものである。
そして、追加の熱電変換ユニット32以外の熱電変換ユニット3が出力する電気エネルギーを、例えば極性・電圧変換回路28を介してヒーター40に適用し、ヒーター40によって第1の追加の蓄熱体30を加熱する。それによって、第1の追加の蓄熱体30は、追加の被覆層4’を介して、熱電発電装置の残りの部分および環境の温度変化範囲の中間付近の温度よりも高い温度となる一方、第2の追加の蓄熱体31は、追加の被覆層4’を介して、環境および熱電発電装置の残りの部分の温度変化範囲の中間付近の温度に安定する。こうして、第1および第2の追加の蓄熱体30、31間に温度差を生じさせ、この温度差を利用して、追加の熱電変換ユニット32から電気エネルギーを取り出す。

0102

図19は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。図19を参照して、この実施例では、熱電発電装置は、図10に示した実施例の構成に加えて(明瞭のために、図19中、図10の第1〜第3の温度センサーおよび熱流スイッチ制御部は省略してある。)、第1の追加の蓄熱体36と、第2の追加の蓄熱体37と、第1および第2の追加の蓄熱体36、37間に配置され、一端38aが第1の追加の蓄熱体36に接触し、他端38bが第2の追加の蓄熱体37に接触する追加の熱電変換ユニット38(一対の電極は図示を省略)と、第1および第2の追加の蓄熱体36、37間に配置され、一端39aが第1の追加の蓄熱体36に接触し、他端39bが第2の追加の蓄熱体37に接触する追加のペルチェ素子39とを備えている。この場合、第2の追加の蓄熱体37は、熱電発電装置が設置される構造物からなっている。

0103

熱電発電装置は、さらに、一定の熱抵抗を有し、追加の熱電変換ユニット38との接触領域および追加のペルチェ素子39との接触領域を除く第1の追加の蓄熱体36の表面を被覆する追加の被覆層4’を備えている。この場合、追加の熱電変換ユニット38の他端38bおよび追加のペルチェ素子39の他端39bを保護するために、必要に応じて、追加の熱電変換ユニット38および追加のペルチェ素子39と、第2の追加の蓄熱体37との間に追加の導熱体が配置される。

0104

そして、追加の熱電変換ユニット38を除く熱電変換ユニット3が出力する電気エネルギーを、例えば極性・電圧変換回路34を介して、追加のペルチェ素子39に適用し、追加のペルチェ素子39によって第1および第2の追加の蓄熱体36、37の一方を加熱し、他方を冷却し、第1および第2の追加の蓄熱体36、37間に温度差を生じさせ、この温度差を利用して、追加の熱電変換ユニット38から電気エネルギーを取り出す。
この実施例によっても、図17の実施例と同様の効果が得られる。

0105

図19に示した実施例において、熱電発電装置から電気の供給を受ける電子機器の動作が間欠的であり、それに対応して、熱電発電装置による電気の出力が間欠的でもよい場合には、追加のペルチェ素子39を省略することができる。
この場合、熱電発電装置から電気を出力するときは、ゼーベック素子からなる追加の熱電変換ユニット38がゼーベック素子として機能し、電気エネルギーが取り出される。一方、熱電発電装置から電気を出力しないときは、追加の熱電変換ユニット38以外の熱電変換ユニット3から出力される電気エネルギーが、例えば極性・電圧変換回路34を介して、追加の熱電変換ユニット38に適用され、追加の熱電変換ユニット38がペルチェ素子として機能し、蓄熱が行われる。

0106

図20は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。図20から容易にわかるように、この実施例は、図18に示した実施例において、ペルチェ素子39を取り除き、その代わりに、ヒーター41を、第1の追加の蓄熱体36に接触して配置したものである。
そして、追加の熱電変換ユニット38以外の熱電変換ユニット3が出力する電気エネルギーを、例えば極性・電圧変換回路34を介してヒーター41に適用し、ヒーター41によって第1の追加の蓄熱体36を加熱する。それによって、第1の追加の蓄熱体36は、追加の被覆層4’を介して、熱電発電装置の残りの部分および環境の温度変化範囲の中間付近の温度よりも高い温度となる一方、第2の追加の蓄熱体37は、熱電発電装置が設置される構造物であって、大きな熱容量を有するから、環境の温度変化範囲の中間付近の温度に安定する。こうして、第1および第2の追加の蓄熱体36、37間に温度差を生じさせ、この温度差を利用して、追加の熱電変換ユニット38から電気エネルギーを取り出す。

0107

本発明のさらに別の実施例によれば、蓄熱体のうちの少なくとも1つが潜熱蓄熱材から形成される。潜熱蓄熱材を使用することで、よりコンパクトに大量の熱を吸収しまたは放出することができ、それによって、よりコンパクトでかつより発電量の大きな熱電発電装置を実現することができる。

0108

図21は、本発明のさらに別の実施例による熱電発電装置の縦断面図である。この熱電発電装置は、屋外の大気中に配置して使用するのに適している。
図21を参照して、熱電発電装置は、第1および第2の導熱体49a、49bと、第1および第2の蓄熱体50a、50bと、第1の導熱体49aおよび第1の蓄熱体50a間に配置された少なくとも1つ(この実施例では1つ)の第1の熱流調節ユニットと、第2の導熱体49bおよび第2の蓄熱体49b間に配置された少なくとも1つ(この実施例では1つ)の第2の熱流調節ユニットを備えている。

0109

第1の熱流調節ユニットは、第1の導熱体49aおよび第1の蓄熱体50aに接触して第1の導熱体49aと第1の蓄熱体50aの間で熱移動させるON状態と、第1の導熱体49aおよび第1の蓄熱体50aのうちの少なくとも一方から離間して前記熱移動を停止させるOFF状態とをとる第1の熱流スイッチ51からなっている。また、第2の熱流調節ユニットは、第2の導熱体49bおよび第2の蓄熱体50bに接触して第2の導熱体49bと第2の蓄熱体50bの間で熱移動させるON状態と、第2の導熱体49bおよび第2の蓄熱体50bのうちの少なくとも一方から離間して前記熱移動を停止させるOFF状態とをとる第2の熱流スイッチ52からなっている。

0110

熱電発電装置は、また、第1および第2の蓄熱体50a、50b間に配置され、一端53aが第1の蓄熱体50aに接触し、他端53bが第2の蓄熱体50bに接触する少なくとも1つ(この実施例では1つ)の熱電変換ユニット53を備えている。そして、第1および第2の熱流スイッチ51、52、および熱電変換ユニット53との接触領域を除く第1および第2の蓄熱体50a、50bの表面が、一定の熱絶縁性を有する被覆層54によって覆われている。

0111

さらに、被覆層54には、一定の熱絶縁性を有し、第1の導熱体49aの周囲を取り囲む壁60が立設されている。壁60の上端面は、第1の導熱体49aよりも突出しており、当該上端面には、太陽光スペクトルは透過させるが遠赤外線を透過させないフィルター56が取り付けられている。そして、第1の導熱体49aの表面の全体が、空気の層55を介してフィルター56によって被覆されている。

0112

被覆層54には、また、一定の熱絶縁性を有し、第2の導熱体49bの周囲を取り囲む日除け59が立設されている。日除け59は、日中、第2の導熱体49bが太陽光の直射を受けないようにするためのものである。そして、日除け59には、遠赤外線は透過させるが太陽光スペクトルを透過させないフィルター58が、第2の導熱体49bの表面から間隔をあけて取り付けられ、第2の導熱体49bの表面の全体が、空気の層57を介してフィルター58によって被覆されている。

0113

さらに、図示はしないが、熱電発電装置は、第1の導熱体49aの温度を検出する第1の温度センサーと、第1の蓄熱体50aの温度を検出する第2の温度センサーと、第2の導熱体49bの温度を検出する第3の温度センサーと、記第2の蓄熱体50bの温度を検出する第4の温度センサーと、第1〜第4の温度センサーの検出値に基づいて、第1および第2の熱流スイッチ51、52のON状態とOFF状態を切り替える熱流スイッチ制御部を備えている。

0114

そして、熱電発電装置は、屋外の大気中において、第1の導熱部49aが太陽光の直射を受ける一方、第2の導熱部49bが太陽光の直射を受けないように配置される。それによって、第1の導熱部49aは、日中は効率的に熱吸収するが、夜間は放射冷却されにくくなることによって一日を通じて高温に保たれる一方、第2の導熱部49bは、日中は熱吸収を抑制されるが、日没後に効率的に放射冷却されることによって一日を通じて低温に保たれる。それに応じて、熱流スイッチ制御部による第1および第2の熱流スイッチ51、52の制御がなされる。

0115

この実施例では、熱電発電装置の運転は次のようになされる。
熱電発電装置が屋外に配置された当初は、第1および第2の蓄熱体49a、49bに一定の熱量が蓄積されて両者の間に所定の温度差が生じるまで、複数日にわたって発電は行われない。そして、第1および第2の蓄熱体49a、49bに前記一定の熱量が蓄積された後、第1および第2の蓄熱体49a、49bに新たに取り込まれた熱量によって両者の間に生じる温度差を利用して、熱電変換ユニット53から電気エネルギーが取り出され、発電が行われる。

0116

本発明の熱電発電装置は、電子機器の通常の電源に適用できるだけでなく、他の用途にも適用可能である。例えば、本発明の熱電発電装置を大型化し、あるいは多数並べて配置することによって、家庭に必要な電力を賄う太陽熱発電装置として使用することが可能である。また、本発明による熱電発電装置を人工衛星に取り付け、熱電発電装置の導熱体を人工衛星の筐体表面に配置し、被覆層によって被覆された蓄熱体を筐体内部に配置すれば、人工衛星の自転運動に伴って、導熱体は周期的に太陽に晒されたり、太陽の陰に入ったりする。そして、蓄熱体の熱時定数を人工衛星の自転周期よりも長く設定することで、蓄熱体の温度は、導熱体の最高温度と最低温度の中間温度付近に保たれ、それによって発電を安定的に行うことができる。

0117

また、本発明の熱電発電装置を、機械設備の故障時に高温になる部分に設置し、機械設備の常動作時は待機状態としておき、機械設備の故障時にのみ発電を行い、故障検知センサーに電力を供給して、故障検知センサーを動作させることもできる。この構成においては、熱電発電装置の発電電力を蓄えておく必要がなく、そのため、二次電池は不要となる。
また、本発明の熱電発電装置を体温計の電源として使用し、長時間にわたり室温で保管しておき、必要時に、導熱体を身体に接触させることで発電し、体温計を動作させることもできる。この構成においても、二次電池は不要となる。

0118

1、1’導熱体
2蓄熱体
3熱電変換ユニット
3a 一端
3b 他端
4被覆層
4’ 追加の被覆層
4a 開口
5電極
6熱流調節ユニット
6a 一端
6b 他端
7a液体状の蓄熱体
7b容器
8熱交換用フィン
9 開口
10電源
11極性・電圧変換回路
12二次電池
13電子機器
14補助導熱ユニット
14aバイメタル
14b熱収縮性材料
15 熱流スイッチ
15a 第1の熱流スイッチ
15b 第2の熱流スイッチ
16 第1の温度センサー
17 第2の温度センサー
18 熱流スイッチ制御部
19 第1の温度センサー
20 第2の温度センサー
21 第3の温度センサー
22 熱流スイッチ制御部
23 導熱体
24 蓄熱体
25 +電極
26 −電極
27絶縁部分
28 極性・電圧変換回路
29aリニアアクチュエータ
29b可動導熱ブロック
29c回転型アクチュエータ
29d 可動導熱ブロック
30 第1の追加の蓄熱体
31 第2の追加の蓄熱体
32 追加の熱電変換ユニット
32a 一端
32b 他端
33 追加のペルチェ素子
33a 一端
33b 他端
34 極性・電圧変換回路
36 第1の追加の蓄熱体
37 第2の追加の蓄熱体
38 追加の熱電変換ユニット
38a 一端
38b 他端
39 追加のペルチェ素子
39a 一端
39b 他端
40、41ヒーター
42 導熱体
43a 第1の蓄熱体
43b 第2の蓄熱体
44 熱流スイッチ
44a 一端
44b 他端
45 熱電変換ユニット
45a 一端
45b 他端
46 被覆層
47 容器
48a〜48c潜熱蓄熱材
49a 第1の導熱体
49b 第2の導熱体
50a 第1の蓄熱体
50b 第2の蓄熱体
51 第1の熱流スイッチ
52 第2の熱流スイッチ
53 熱電変換ユニット
53a 一端
53b 他端
54 被覆層
55 空気の層
56フィルター
57 空気の層
58 フィルター
59日除け
60 壁

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