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技術 放電ランプ用陰極

出願人 河北ライティングソリューションズ株式会社
発明者 布谷裕會田勉横江真徳和田信行吉良健裕
出願日 2012年8月24日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2012-185220
公開日 2014年3月13日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-044811
状態 特許登録済
技術分野 放電灯(電極、封入物、うつわ内の圧力)
主要キーワード 先端部半径 プレス成型加工 先端部温度 焼結加工 高融点金属製 寿命短縮 先端角度 放電部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

易電子放射物質含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極において、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命高安定放電を維持すると伴に、高輝度の放電ランプ用陰極を提供する。

解決手段

一端に尖頭を有する電子放出部焼結体と高融点金属製母材とからなる放電ランプ用陰極であって、前記電子放出部焼結体の前記一端に対向する他端が、前記高融点金属製母材の先端部に埋設あるいは溶接され、前記尖頭の先端は、円錐立体角近似する先端立体角を有している。

概要

背景

ファイバー用光源や、計測機器などの用途に用いられる光源等として従来から放電ランプを利用することが知られている(例えば、特許文献1)。

図1はこのような放電ランプ用陰極配備されている放電ランプの一例を説明する断面図である。

石英ガラスからなるガラスバルブ1内にキセノンクリプトンあるいはアルゴンなどの希ガスや水銀などが封入されている。ガラスバルブ1内のガス封入部には放電ランプ用陰極2(以下、単に「陰極2」と表すことがある)と、陽極3とが対向して設置される。陰極2と陽極3とは、それぞれガラスバルブ1の両端部(図1(a)中、左右両端部)側に配備される外部端子(不図示)に、モリブデン箔4、リードなどを介して電気的に接続される。図1では口金5、ナット6も図示している。

ガラスバルブ1の両端部(図1中、左右両端部)に配備される口金5から陰極2と陽極3との間に電圧印加されると陰極2と陽極3との間にアーク放電が発生し光が発せられる。

図1(b)は、この放電ランプ用陰極2の拡大図で、易電子放射物質含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体7(陰極先端チップ)を、高融点金属製母材である高融点金属棒8の先端に取り付けた構造を示すものである。

前記の易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体7は、多孔質高融点金属(例えば、タングステン)に易電子放射物質(例えば、アルカリ土類金属等)を含浸させて形成するものである。あるいは、前記高融点金属の粉末と、前記易電子放射物質の粉末とをプレス成型加工し、真空中または水素雰囲気中で焼成して作製されているものである。

前記の易電子放射物質としてはBaO、CaO、Al2O3を混合したもの等が知られており、このように易電子放射物質(例えば、アルカリ土類金属等)としてバリウムを用い、これをタングステンのような多孔質の高融点金属に含浸させた電子放出部焼結体からなるバリウム含浸型電極が従来から放電ランプの陰極として知られている。

前述した構造からなる放電ランプ用陰極は、易電子放射物質を含浸させて放電部分を構成しているため、陰極材料から容易に電子熱電子放射される。そこで、電極温度が上がらないので電極材料のタングステンが蒸発しにくく、放電ランプの壁面への付着が起こりにくい。そこで、放電ランプの出力光量の低下、放電ランプの寿命短縮を防ぎ長寿命ランプとなる。

このような優れた利点を有する前述した構造からなる放電ランプ用陰極に関しては、従来から種々の提案が行われている。

例えば、放電ランプの電極摩耗を小さくし、放電を安定させ、輝度を上げる、等々の方法として従来から種々の提案が行われている。特許文献2、3では電極の先端部の立体角を調整する考え方、特許文献4では電極の体積を調整する考え方、特許文献5では、陰極先端部の面積を調整する考え方が提案されている。この他に、封入ガス圧を調整する方法も提案されている。

また、特許文献6には、多孔質の高融点金属に含浸させた電子放出部焼結体からなるバリウム含浸型電極が提案されているが、特許文献6記載の提案では、放電が大きな面積で生じ、先端部全体の温度が一様に分布し、易電子放射物質も一様に分布しているために、放電輝点が大きくなり、輝度が低下するおそれがある。

概要

易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極において、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の放電ランプ用陰極を提供する。一端に尖頭を有する電子放出部焼結体と高融点金属製母材とからなる放電ランプ用陰極であって、前記電子放出部焼結体の前記一端に対向する他端が、前記高融点金属製母材の先端部に埋設あるいは溶接され、前記尖頭の先端は、円錐立体角に近似する先端立体角を有している。

目的

特開2010−205627号公報
特開平11−219682号公報
特開2009−4203号公報
特開2000−149868号公報
特開平3−8255号公報
特表2000−505939号公報






前述したように、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極は、上述した優れた利点を有しているが、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の陰極を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

一端に尖頭を有する電子放出部焼結体高融点金属製母材とからなる放電ランプ用陰極であって、前記電子放出部焼結体の前記一端に対向する他端が、前記高融点金属製母材の先端部に埋設あるいは溶接され、前記尖頭の先端は、円錐立体角近似する先端立体角を有することを特徴とする放電ランプ用陰極。

請求項2

前記尖頭の先端部形状が半円状であり、かつこの半円寸法半径が0.05mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ陰極

請求項3

前記尖頭の先端が有する先端立体角が円錐立体角であることを特徴とする請求項1又は2記載の放電ランプ用陰極。

技術分野

0001

この発明は、ファイバー用光源や、計測機器などの用途に用いられる光源等に利用される放電ランプ陰極に関する。

背景技術

0002

ファイバー用光源や、計測機器などの用途に用いられる光源等として従来から放電ランプを利用することが知られている(例えば、特許文献1)。

0003

図1はこのような放電ランプ用陰極配備されている放電ランプの一例を説明する断面図である。

0004

石英ガラスからなるガラスバルブ1内にキセノンクリプトンあるいはアルゴンなどの希ガスや水銀などが封入されている。ガラスバルブ1内のガス封入部には放電ランプ用陰極2(以下、単に「陰極2」と表すことがある)と、陽極3とが対向して設置される。陰極2と陽極3とは、それぞれガラスバルブ1の両端部(図1(a)中、左右両端部)側に配備される外部端子(不図示)に、モリブデン箔4、リードなどを介して電気的に接続される。図1では口金5、ナット6も図示している。

0005

ガラスバルブ1の両端部(図1中、左右両端部)に配備される口金5から陰極2と陽極3との間に電圧印加されると陰極2と陽極3との間にアーク放電が発生し光が発せられる。

0006

図1(b)は、この放電ランプ用陰極2の拡大図で、易電子放射物質含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体7(陰極先端チップ)を、高融点金属製母材である高融点金属棒8の先端に取り付けた構造を示すものである。

0007

前記の易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体7は、多孔質高融点金属(例えば、タングステン)に易電子放射物質(例えば、アルカリ土類金属等)を含浸させて形成するものである。あるいは、前記高融点金属の粉末と、前記易電子放射物質の粉末とをプレス成型加工し、真空中または水素雰囲気中で焼成して作製されているものである。

0008

前記の易電子放射物質としてはBaO、CaO、Al2O3を混合したもの等が知られており、このように易電子放射物質(例えば、アルカリ土類金属等)としてバリウムを用い、これをタングステンのような多孔質の高融点金属に含浸させた電子放出部焼結体からなるバリウム含浸型電極が従来から放電ランプの陰極として知られている。

0009

前述した構造からなる放電ランプ用陰極は、易電子放射物質を含浸させて放電部分を構成しているため、陰極材料から容易に電子熱電子放射される。そこで、電極温度が上がらないので電極材料のタングステンが蒸発しにくく、放電ランプの壁面への付着が起こりにくい。そこで、放電ランプの出力光量の低下、放電ランプの寿命短縮を防ぎ長寿命ランプとなる。

0010

このような優れた利点を有する前述した構造からなる放電ランプ用陰極に関しては、従来から種々の提案が行われている。

0011

例えば、放電ランプの電極摩耗を小さくし、放電を安定させ、輝度を上げる、等々の方法として従来から種々の提案が行われている。特許文献2、3では電極の先端部の立体角を調整する考え方、特許文献4では電極の体積を調整する考え方、特許文献5では、陰極先端部の面積を調整する考え方が提案されている。この他に、封入ガス圧を調整する方法も提案されている。

0012

また、特許文献6には、多孔質の高融点金属に含浸させた電子放出部焼結体からなるバリウム含浸型電極が提案されているが、特許文献6記載の提案では、放電が大きな面積で生じ、先端部全体の温度が一様に分布し、易電子放射物質も一様に分布しているために、放電輝点が大きくなり、輝度が低下するおそれがある。

先行技術

0013

特開2010−205627号公報
特開平11−219682号公報
特開2009−4203号公報
特開2000−149868号公報
特開平3−8255号公報
特表2000−505939号公報

発明が解決しようとする課題

0014

前述したように、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極は、上述した優れた利点を有しているが、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の陰極を提供する上では改善の余地が残っていた。

0015

そこで、本発明は、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極において、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の放電ランプ用陰極を提供することを目的にしている。

課題を解決するための手段

0016

前記目的を達成するため、本願の請求項1記載の発明は、
一端に尖頭を有する電子放出部焼結体と高融点金属製母材とからなる放電ランプ用陰極であって、
前記電子放出部焼結体の前記一端に対向する他端が、前記高融点金属製母材の先端部に埋設あるいは溶接され、
前記尖頭の先端は、円錐立体角に近似する先端立体角を有する
ことを特徴とする放電ランプ用陰極である。

0017

請求項2記載の発明は、前記尖頭の先端部形状が半円状であり、かつこの半円寸法半径が0.05mm〜0.5mmである
ことを特徴とする請求項1記載の放電ランプ陰極である。

0018

請求項3記載の発明は、
前記尖頭の先端が有する先端立体角が円錐立体角である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の放電ランプ用陰極である。

発明の効果

0019

本発明によれば、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極において、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の放電ランプ用陰極を提供することができる。

0020

すなわち、この発明によれば、含浸型電極を用いた放電ランプで陰極先端部の輝点が従来の放電ランプの輝点より大きくならず、かつ、安定した電子放出を実現できると共に、長寿命で安価な放電ランプ用陰極を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の放電ランプ用陰極が採用される放電灯の一例を説明する図であって、(a)一部を省略して表す断面図、(b)本発明の放電ランプ用陰極の先端側で、高融点金属母材に接続される電子放出部焼結体の一例を説明する図、(c)本発明の放電ランプ用陰極の電子放出部焼結体の尖頭の先端部形状の拡大図。
本発明の放電ランプ用陰極の先端側で、高融点金属母材に接続される電子放出部焼結体の尖頭の先端部半円部半径と光ファイバー出口での照度との関係を表す図。

0022

本発明の放電ランプ用陰極は、一端に尖頭を有する電子放出部焼結体と、高融点金属製母材とからなる。ここで、高融点金属製母材は、高融点金属、例えば、タングステンやモリブデンなどから形成されている。

0023

本発明において、前記電子放出部焼結体の前記一端に対向する他端は、前記高融点金属製母材の先端部に埋設あるいは溶接されている。また、前記電子放出部焼結体の前記尖頭の先端は、円錐立体角に近似する先端立体角を備えている。

0024

本願の発明者等は、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極において、前記電子放出部焼結体の尖頭の先端立体角頂点部分の尖頭形状・寸法を規定することによって、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の放電ランプ用陰極を提供することが可能であることを見出して、本願発明を完成させたものである。

0025

すなわち、放電部分である易電子放射物質を含浸させた陰極先端部の形状寸法を変えて輝度との関係を検討することにより本願発明を完成させたものである。

0026

易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極においては、従来から、放電部分の温度を最適に制御する目的で、電子放出部焼結体7の尖頭9(図1(b))の先端角度10(図1(c))を規定することが試みられてきていた。

0027

すなわち、含侵型陰極の場合、易電子放射物質(例えば、バリウム)が電子放出部焼結体7に含浸されているので電子放電部分の平均温度下がり、かつ放電部分が広くなり、発光部分も大きくなり、これによって輝度が低下することがある。

0028

そこで、放電部分の温度をあげる目的で先端角度10を小さくすると高融点金属が蒸発してこの蒸発物がガラスバルブ1の内面蒸着して光量が低下して短寿命になる。

0029

一方、先端角度10を大きくすると放電部分の温度が下がり、放電が不安定になり、さらに輝度が低下して光出力が低下する問題が発生する。

0030

このように、含浸型陰極において、電子放出部焼結体7の尖頭9の先端角度10を調整することによって、長寿命、高安定の放電を維持することは、非常に重要なことであって、なおかつ困難なことであった。

0031

本願の発明者等は、放電部分である易電子放射物質を含浸させた陰極先端部の形状寸法を変えて輝度との関係を検討し、電子放出部焼結体7の尖頭9の頂点部分の尖頭形状・寸法を規定することによって、陰極からの安定した電子放出を実現し、長寿命で高安定な放電を維持すると伴に、高輝度の放電ランプ用陰極を提供することが可能であることを見出して、本願発明を完成させた。

0032

すなわち、本願の発明者は、本願発明のような含浸型陰極を使用する放電ランプでは陰極先端角度あるいは直径を制御するよりは、先端部の形状半径を制御することにより長寿命、高安定でさらに輝度が低下しないことを見出した。

0033

前述した構造の本発明の放電ランプ用陰極において、前記電子放出部焼結体の前記尖頭の先端部形状を半円状とし、かつこの半円寸法半径R(図1(c))を0.05mm〜0.5mmにすることが望ましい。半円寸法半径Rが0.05mm〜0.5mmになるので、この場合の、本発明の陰極先端形状(すなわち、前記尖頭の先端形状)は、針状にとがっている形状・構造になる。

0034

本願の発明者等が、前述した構造からなる本発明の陰極先端形状の陰極を使用して実際に放電ランプを製作し、楕円鏡を用いて、第一焦点に本願の陰極先端部を配置し、第二焦点部に光ファイバーの入射部を配置して光ファイバー出口の照度を計測して輝度を評価したところ、評価用光学系の光ファイバー出力では3000ルックス以下になる先端形状半径0.5mmを越える範囲では照度不足になり実用的でなかった。

0035

一方、先端形状半径を0.05mmより小さく安定加工することは簡単ではなく、また先端部温度上がり過ぎることによる高融点金属の溶解蒸発が起こり、その結果ガラスバルブ内壁に蒸発物が蒸着し光量の減衰となった。

0036

更に、易電子放射物質の蒸発が発生する結果、放電が不安定になって光出力が不安定になり、実用に供さなくなるおそれがある。

0037

そこで、前記電子放出部焼結体の前記尖頭の先端部形状を半円状とし、かつこの半円寸法半径R(図1(c))を0.05mm〜0.5mmにすることが望ましい。

0038

なお、前述した構造からなる本発明の先端形状を備えた陰極において、前記電子放出部焼結体の前記尖頭の先端が有する先端立体角を円錐立体角とすることが上述した優れた効果を発揮させる上でより望ましい。

0039

発明者等の検討によれば、前述した構造からなる本発明の放電ランプ用陰極は、35W〜750Wの希ガス放電ランプ、あるいは100W〜1000Wのキセノン水銀ランプに適用することができた。すなわち、前述した構造からなる本発明の放電ランプ用陰極は35Wから1000Wまでの含浸型電極を用いた放電ランプに適用できた。

0040

以下、易電子放射物質としてバリウムを用い、これを多孔質の高融点金属に含浸させた電子放出部焼結体からなるバリウム含浸型陰極に本発明を適用した実施例を説明する。

0041

上述したように、本発明の放電ランプ用陰極は35Wから1000Wまでの含浸型電極を用いた放電ランプに適用できるが、この実施例では、250Wのキセノン水銀放電ランプに本発明の放電ランプ用陰極を用いた。

0042

本発明における放電ランプ用陰極は、図1(a)、(b)を用いて説明している、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体からなる放電ランプ用陰極において、前記電子放出部焼結体の尖頭の先端立体角頂点部分の尖頭形状・寸法に特徴を有するものである。

0043

そこで、本発明の放電ランプ用陰極は、本明細書の背景技術の欄において、図1(a)、(b)を用いて説明した構造を含んでいるので、前述した説明と共通している部分には共通する符号を用いてその説明を省略する。

0044

図1(a)〜(c)図示の実施例では、本発明の放電ランプ用陰極が採用されている250Wのキセノン水銀放電ランプは、定格ランプ電力DC250W、定格ランプ電圧22.5Vで、キセノンガスと水銀が発光部であるガラスバルブ1に封入され、陰極2と陽極3の電極間は2mmとした。

0045

本発明の放電ランプ用陰極において、電子放出部焼結体7は、先端側である一端に尖頭9を有している(図1(b))。

0046

図1(c)は図1(b)中の尖頭9の拡大図である。

0047

陰極先端チップを構成する電子放出部焼結体7は、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体を作製するために従来から行なわれている方法を応用して製作される。本実施例では、以下のようにして製作した。

0048

図1(b)、(c)図示の電子放出部焼結体7(陰極先端チップ)の形状に対応する金型の、電子放出部焼結体7に対応する部分に高融点金属(タングステン)の粉末を充填した。次いで、プレス成型焼結加工し、次いで、易電子放射物質(バリウム)を電子放出部焼結体7の表面に塗布し、真空中または水素雰囲気中にて溶融、含浸した。

0049

その後、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体7の尖頭9が存在している一端に対向する他端を、高融点金属棒8の先端部に取り付けた。

0050

なお、本発明において、電子放出部焼結体7の他端(図1(b)中、左端)は、高融点金属製母材である高融点金属棒8の先端部に埋設あるいは溶接によって取り付けられており、その取り付け方法には、電子放出部焼結体7を高融点金属棒の内部に噛合、又は、溶接、若しくは、ろう付けする方法を採用できる。

0051

電子放出部焼結体7の製作は、前述した以外に、電子放出部焼結体7の他端を高融点金属棒8の先端に取り付けてから、易電子放射物質(バリウム)を電子放出部焼結体7の表面に塗布し、含浸させ、真空中または水素雰囲気中にて溶融する方法を採用することもできる。

0052

前記では、電子放出部焼結体7の製作に用いる高融点金属、易電子放射物質として、タングステン、バリウムをそれぞれ例示したが、これら以外に、本発明の技術分野で従来から用いられている高融点金属、易電子放射物質を用いることができる。

0053

易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体を作製する上述した方法により、電子放出部焼結体7の尖頭9の先端(図1(c)中、右端)を、円錐立体角に近似する先端立体角を有する形状にすることができる。また、この際、電子放出部焼結体7の尖頭9の先端部形状を半円状とし、かつこの半円寸法半径を0.05mm〜0.5mmに設定することができる。更に、電子放出部焼結体7の尖頭9の先端が有する先端立体角を円錐立体角にすることもできる。

0054

この実施例では、陰極2を全長26mm、外径5mm、電子放出部焼結体7の先端角度10(図1(c))を95°とし、後述する検討を行うため、先端部半径R(図1(c))が0.027mm〜0.627mmの範囲内のものを複数製作した。

0055

こうして調製した本発明の放電ランプ用陰極が採用されている250Wのキセノン水銀放電ランプを準備し、前述したように、楕円鏡を用いて、第一焦点に本願の陰極先端部を配置し、第二焦点部に光ファイバーの入射部を配置して光ファイバー出口の照度を計測して輝度を評価した。前述したように、陰極として、先端部半径Rを0.027mm〜0.627mmの範囲内で変化させたものを複数製作し、それぞれ評価を行った。

0056

この結果、電子放出部焼結体7の先端部の形状と光ファイバー出口の光照度との間には図2図示のような相関があることが判った。

0057

すなわち、先端形状半径である先端部半径Rが0.5mmを越えると、評価用光学系の光ファイバー出力では3000ルックス以下になり、照度不足で実用的でなくなることが判明した。

0058

また、先端形状半径である先端部半径Rが0.05mmより小さくなると、ガラスバルブ1内壁に蒸発物が蒸着し光量が減衰することがあった。先端部温度が上がり過ぎることによる高融点金属の溶解蒸発が生じたためと思われた。

実施例

0059

このように、本発明によれば、易電子放射物質を含浸させた含浸型電極である電子放出部焼結体7の先端部である尖頭9の先端(図1(c)中、右端)の先端立体角及び、尖頭9の先端部形状と、半円寸法半径を制御することにより高照度、高安定、長寿命の放電ランプ用陰極を供することができた。

0060

1ガラスバルブ
2陰極
3陽極
4モリブデン箔
5口金
6ナット
7電子放出部焼結体
8高融点金属棒
9尖頭
10 尖頭の先端角度(先端立体角)

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