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技術 防錆剤組成物および水性防錆潤滑剤、並びにこれを用いた金属材の加工法

出願人 中部キレスト株式会社キレスト株式会社
発明者 南部信義伊藤康博諸岡祐弥南部忠彦
出願日 2012年8月28日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2012-187759
公開日 2014年3月13日 (6年9ヶ月経過) 公開番号 2014-043625
状態 特許登録済
技術分野 潤滑剤 金属の防食及び鉱皮の抑制
主要キーワード 境界面部分 グルコン酸誘導体 非鉄材料 トリブチルリン酸 漬部分 金属材表面 アルカリ性環境下 ペルセイトール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年3月13日)のものです。
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図面 (1)

課題

本発明の課題は、金属の切断、切削穿孔研磨などの加工時に使用される水性潤滑剤に配合することで優れた防錆性能を発揮する防錆剤組成物を開発し、また、防錆剤潤滑剤に適量配合することで優れた防錆潤滑性能と安定性を兼ね備えた水性防錆潤滑剤を提供することにある。また、該水性防錆潤滑剤を用いた防錆潤滑法、並びに金属加工法を提供することにある。

解決手段

本発明に係る防錆剤組成物では、防錆成分としてグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、および糖類化合物を含有することにより、防錆性能が相乗的に向上し、金属材の加工時、アルミニウム材アルミニウム合金材に対しても卓越した防錆性能を発揮することができる。

概要

背景

金属材に用いられる防錆剤としては、例えば、有機アミン塩複素環化合物などの有機系防錆剤や、リン酸塩リン酸エステルなどのリン系防錆剤が知られている。これらの防錆剤は、鋼材などの鉄鋼材料や、アルミニウムチタンなどの非鉄材料に用いられている。

特許文献1には、金属材に用いられる他の防錆剤として、セリウム化合物ランタン化合物モリブデン酸塩化物グルコン酸誘導体塩類多孔質基材テトラサイクリン類等が記載されている(特許文献1(第1〜2頁))。

また特許文献2には、グルコン酸誘導体塩類を含む金属防錆性塗料が記載されている(特許文献2(第1〜2頁))。

ところで、アルミニウム材アルミニウム合金材は、常温常圧で良好な熱伝導性電気伝導性を持ち、加工性が良く、軽量であるため、工業的にも広く活用されている。アルミニウム材やアルミニウム合金材は、前記のような優れた特徴を有するが、反面、アルミニウムの電位金属種中、卑であることもあって、大気中や水存在下において非常に腐食されやすい。したがって、アルミニウム材およびアルミニウム合金材以外の非鉄材料や鋼材などの鉄鋼材料に使用されることが知られている防錆剤であっても、アルミニウム材およびアルミニウム合金材に使用できるとは限らない。

アルミニウムおよびアルミニウム合金に用いられる防錆剤としては、従来からケイ酸ソーダなどの水溶性アルカリケイ酸塩が知られている。

特許文献3には、特定のシラン系化合物金属腐食防止剤として配合すると、アルミニウム合金などの金属材の腐食を防止できることが記載されている(特許文献3(第1〜2頁))。

特許文献4には、防錆成分として水溶性アルカリ珪酸塩を含み、且つ、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物加水分解反応およびエポキシ開環反応することによって得られるポリシロキサン骨格を有する有機ケイ素化合物を配合すれば、アルミニウム合金などの腐食防止に有効であることが記載されている(特許文献4(第1〜5頁))。

概要

本発明の課題は、金属の切断、切削穿孔研磨などの加工時に使用される水性潤滑剤に配合することで優れた防錆性能を発揮する防錆剤組成物を開発し、また、防錆剤潤滑剤に適量配合することで優れた防錆潤滑性能と安定性を兼ね備えた水性防錆潤滑剤を提供することにある。また、該水性防錆潤滑剤を用いた防錆潤滑法、並びに金属加工法を提供することにある。本発明に係る防錆剤組成物では、防錆成分としてグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、および糖類化合物を含有することにより、防錆性能が相乗的に向上し、金属材の加工時、アルミニウム材やアルミニウム合金材に対しても卓越した防錆性能を発揮することができる。なし

目的

本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、金属の切断、切削、穿孔、研磨などの加工時に使用される水性潤滑剤に配合することで優れた防錆性能を発揮する防錆剤組成物を開発し、更には、該防錆剤潤滑剤に適量配合することで優れた防錆潤滑性能と安定性を兼ね備えた水性防錆潤滑剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

防錆成分としてグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、並びに糖類化合物を含有することを特徴とする防錆剤組成物

請求項2

請求項1に記載の防錆剤組成物および水性潤滑剤を含有することを特徴とする水性防錆潤滑剤

請求項3

前記水性防錆潤滑剤全体を100質量部としたとき、前記防錆剤組成物の含有量が0.01質量部以上20質量部以下である請求項2に記載の水性防錆潤滑剤。

請求項4

請求項2または3に記載の水性防錆潤滑剤を、防錆を兼ねた潤滑剤として使用することを特徴とする金属材の防錆潤滑法

請求項5

金属材を加工するに当たり、請求項2または3に記載された水性防錆潤滑剤の水希釈液を加工面に存在させた状態で加工することを特徴とする金属材の加工法

請求項6

金属材の加工が、切断、切削穿孔または研磨加工である請求項5に記載の金属材の加工法。

請求項7

金属材としてアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用する請求項5または6に記載の金属材の加工法。

技術分野

0001

本発明は、防錆剤組成物とこれを用いた水性防錆潤滑剤、並びに該水性防錆潤滑剤を用いた金属材防錆潤滑法、金属材の加工法に関し、該防錆剤組成物および水性防錆潤滑剤は、アルミニウム材またはアルミニウム合金材に対して優れた防錆性能を有する。

背景技術

0002

金属材に用いられる防錆剤としては、例えば、有機アミン塩複素環化合物などの有機系防錆剤や、リン酸塩リン酸エステルなどのリン系防錆剤が知られている。これらの防錆剤は、鋼材などの鉄鋼材料や、アルミニウムチタンなどの非鉄材料に用いられている。

0003

特許文献1には、金属材に用いられる他の防錆剤として、セリウム化合物ランタン化合物モリブデン酸塩化物グルコン酸誘導体塩類多孔質基材テトラサイクリン類等が記載されている(特許文献1(第1〜2頁))。

0004

また特許文献2には、グルコン酸誘導体塩類を含む金属防錆性塗料が記載されている(特許文献2(第1〜2頁))。

0005

ところで、アルミニウム材やアルミニウム合金材は、常温常圧で良好な熱伝導性電気伝導性を持ち、加工性が良く、軽量であるため、工業的にも広く活用されている。アルミニウム材やアルミニウム合金材は、前記のような優れた特徴を有するが、反面、アルミニウムの電位金属種中、卑であることもあって、大気中や水存在下において非常に腐食されやすい。したがって、アルミニウム材およびアルミニウム合金材以外の非鉄材料や鋼材などの鉄鋼材料に使用されることが知られている防錆剤であっても、アルミニウム材およびアルミニウム合金材に使用できるとは限らない。

0006

アルミニウムおよびアルミニウム合金に用いられる防錆剤としては、従来からケイ酸ソーダなどの水溶性アルカリケイ酸塩が知られている。

0007

特許文献3には、特定のシラン系化合物金属腐食防止剤として配合すると、アルミニウム合金などの金属材の腐食を防止できることが記載されている(特許文献3(第1〜2頁))。

0008

特許文献4には、防錆成分として水溶性アルカリ珪酸塩を含み、且つ、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物加水分解反応およびエポキシ開環反応することによって得られるポリシロキサン骨格を有する有機ケイ素化合物を配合すれば、アルミニウム合金などの腐食防止に有効であることが記載されている(特許文献4(第1〜5頁))。

先行技術

0009

特開2004−203902号公報
特開2001−262069号公報
特許第3267853号公報
特開2006−299357号公報

発明が解決しようとする課題

0010

前記のような防錆剤は水性防錆潤滑剤に含有され、金属材の切断や切削穿孔、または研磨等の加工に用いられることがある。水性防錆潤滑剤は、金属材の加工時、金属材を防錆すると同時に金属材加工面に防錆潤滑皮膜を形成し、加工により生じる熱や摩擦を低減する役割を持つため、高い潤滑性能を持つことが要求される。また、水性防錆潤滑剤の形成する前記防錆潤滑皮膜においては、空気中から酸素が多く取り込まれると同時に、金属が溶出しやすくなるため、過酷な腐食環境となる。また、水性防錆潤滑剤は、金属材の加工に際し、通常、水で10〜30倍程度に希釈して使用されるため、水性防錆潤滑剤に含有される防錆剤としては、少量で強い防錆性能を発揮することが必要とされる。アルミニウム材やアルミニウム合金材の加工時にも使用するためには、特に強い防錆性能を発揮することが必要とされる。
また、水性防錆潤滑剤等の水性潤滑剤では、酸化腐敗等の各種の経時変化により性能が著しく劣化することが周知である。従って、水性防錆潤滑剤に用いられる防錆剤としては、安定性も必要とされる。

0011

特許文献1では、アルミニウムに対して防錆性能を持つものとして、リン酸系防錆剤が例示されているが、リン酸系防錆剤は、長期間(例えば1ヶ月以上)保存すると、細菌やカビによる腐敗劣化が進行するという大きな問題を秘めており、安定性の点で問題がある。

0012

特許文献2では、防錆成分としてグルコン酸誘導体を含有する塗料が記載され、防錆性が確認されている。しかし、特許文献2の防錆性とは、塗料を塗装した鋼板において、カット部からのフクレ幅を見るものであるが、このフクレ幅はある程度までは許容されており、実際には錆が発生している。このような防錆成分では、過酷な腐食環境となる水性防錆潤滑剤に適用した場合、防錆性能の点で問題がある。

0013

また、特許文献3では、防錆成分としてシラン系化合物が記載されている。シラン化合物は、十分な腐食防止効果を得るためには高濃度で配合する必要があるが、水性防錆潤滑剤に使用する場合、少量でも強い防錆性能を発揮することが必要とされるため、防錆性能の点で問題がある。さらに、水性防錆潤滑剤はアルカリ性であることが多いが、シラン系化合物はアルカリ性条件では容易に重合し、ゲル化するため、金属材加工面に防錆皮膜を形成し難く、水性防錆潤滑剤とした時の安定性の点で問題がある。

0014

特許文献4に記載の水性潤滑剤は防錆成分としてアルカリ珪酸塩を含み、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を加水分解反応およびエポキシ開環反応することによって得られるポリシロキサン骨格を有する有機ケイ素化合物をゲル化抑制成分として併用しているが、水性潤滑剤の種類によってはアルカリ珪酸塩の経時的なゲル化が発生し、その結果、水性潤滑剤の防錆性能および安定性の点で問題がある。

0015

本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、金属の切断、切削、穿孔、研磨などの加工時に使用される水性潤滑剤に配合することで優れた防錆性能を発揮する防錆剤組成物を開発し、更には、該防錆剤潤滑剤に適量配合することで優れた防錆潤滑性能と安定性を兼ね備えた水性防錆潤滑剤を提供することにあり、また、該水性防錆潤滑剤を用いた防錆潤滑法、並びに金属加工法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

前記課題を解決することのできた本発明に係る防錆剤組成物とは、防錆成分としてグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、並びに糖類化合物を含有するところに特徴を有している。

0017

また、本発明に係る水性防錆潤滑剤は、前記防錆剤組成物を水性潤滑剤に配合し、好ましくは、該水性防錆潤滑剤全体を100質量部としたとき、前記防錆剤組成物の含有量が0.01〜20質量部となる様に配合する。これにより優れた防錆性能および安定性がより一層確実に発揮される水性防錆潤滑剤となる。

0018

そして、本発明に係る金属材の防錆潤滑法では、前記水性防錆潤滑剤を、防錆を兼ねた潤滑剤として使用する。また、本発明に係る金属材の加工法では、該水性防錆潤滑剤の水希釈液を加工面に存在させた状態で金属材の加工を行う。金属材の加工としては、例えば切断、切削、穿孔または研磨を挙げることができる。加工の対象となる金属材の種類は特に制限されず、鋼材などの鉄鋼材料やアルミニウム、銅、チタンなどの非鉄材料や合金などが含まれるが、中でも本発明による効果が最も有効に発揮されるのはアルミニウムまたはアルミニウム合金である。

発明の効果

0019

本発明によれば、防錆成分として安価で有害性の少ないグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、並びに安価で有害性の少ない糖類化合物を併用することで、防錆性能が相乗的に向上した防錆剤組成物を提供できる。また、該防錆剤組成物は、長期間防錆性能を持続することができ、また腐敗要因となる成分も含まれていないことから保存安定性も良好であり、廉価で高性能の水性防錆潤滑剤を提供できる。さらに、この水性防錆潤滑剤を使用することで、アルミニウム材およびアルミニウム合金材に対しても優れた防錆性能および安定性を兼ね備え、実用に即した防錆潤滑法と金属加工法を提供できる。

図面の簡単な説明

0020

図1は、金属材を半浸漬した際の気相部分、浸漬部分境界面部分を表す図である。

0021

本発明者らは、保存安定性が良好であり、廉価で高性能の防錆剤組成物を得るため鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩は、水性媒体中で金属の表面に化学吸着して防錆皮膜を形成することにより金属の腐食抑制効果を発揮する有用な添加剤である。金属部材が空気中にある場合や、水性媒体中に浸漬されている場合には、腐食環境が穏やかであるため、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の防錆性能は十分に発揮される。しかし、金属材の加工時、水性防錆潤滑剤により形成される防錆潤滑皮膜等の様に、腐食環境が非常に過酷となる場合では、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩のみでは満足のいく安定性や防錆性能が得られない。
本発明者らは、防錆剤組成物において、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、に加えて糖類化合物を配合すれば、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩と該糖類化合物とが防錆性能を相乗的に向上させること、さらに、この相乗効果により、腐食環境が過酷となる場合、さらにアルミニウム材やアルミニウム合金材に用いた場合であっても、極めて安定した防錆性能を発揮し得る防錆剤組成物を提供できることを突き止め、前記本発明に想到したものである。以下、本発明について詳しく説明する。

0022

1.防錆剤組成物
本発明の防錆剤組成物は、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、並びに糖類化合物を防錆成分として含有する。なお、本発明の防錆剤組成物の形態は、後述する水性防錆潤滑剤において、防錆剤組成物の分散性を良好にするため、液状であることが好ましい。

0023

1−1.グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩
本発明に用いられるグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩は、防錆剤組成物において、後述する糖類化合物と共に用いると、互いに相乗的に作用し、卓越した防錆性能を発揮する。前記グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩は、下記一般式(1)で表される。

0024

(Xは、金属イオンアンモニウムイオンまたはアミン化合物を表し、nは6または7の整数を表す。mは1以上の整数を表す。)

0025

上記一般式(1)において、nが6の場合がグルコン酸塩であり、nが7の場合がヘプトグルコン酸塩である。

0026

一般式(1)において、金属イオンとしては、リチウムイオンナトリウムイオンカリウムイオンルビジウムイオンセシウムイオン等のアルカリ金属イオンベリリウムイオンマグネシウムイオンカルシウムイオンストロンチウムイオンバリウムイオン等のアルカリ土類金属イオンが挙げられる。金属イオンとしては、防錆性能および水への溶解性の観点から、アルカリ金属イオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンであることが特に好ましい。

0027

前記一般式(1)において、アミン化合物としては水溶性アミンが好ましい。水溶性アミンとしてはアルキルアミンアルカノールアミンおよびヒドロキシルアミン等があげられる。なお、水溶性とは、25℃の水への溶解度が、水溶液100gあたり0.01g以上である性質をいう。

0028

アルキルアミンとしては、アルキル基炭素数が1〜12のアルキルアミンが含まれ、具体的には、モノメチルアミンモノエチルアミンn−プロピルアミンモノイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノペンチルアミンアミノペンタンアミノメチルブタンヘキシルアミン、アミノメチルペンタン、ヘプチルアミンオクチルアミンノニルアミンデシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン等の第一級アルキルアミン;ジメチルアミンジエチルアミンジプロピルアミンジイソプロピルアミンジブチルアミンジイソブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルイソブチルアミン、メチルアミルアミンメチルイソアミルアミン、エチルプロピルアミンエチルイソプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルイソブチルアミン、エチルイソアミルアミン、プロピルブチルアミン、プロピルイソブチルアミン等の第二級アルキルアミン;トリメチルアミントリエチルアミントリプロピルアミントリブチルアミンジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン等の第三級アルキルアミン等があげられる。

0029

アルカノールアミンとしては、炭素数2〜8のアルカノールアミンが含まれ、具体的には、モノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン等のエタノールアミン類N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン等のアルキルエタノールアミン類;モノイソプロパノールアミンジイソプロパノールアミントリイソプロパノールアミン等のイソプロパノールアミン類;N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N−プロピルイソプロパノールアミン等のアルキルイソプロパノールアミン類等があげられる。

0030

ヒドロキシルアミンとしては、ヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N−エチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミンがあげられる。

0031

アミン化合物としては、安定性および防錆性能の観点から、アルカノールアミンが好ましく、エタノールアミン類およびイソプロパノールアミン類がより好ましく、トリエタノールアミンおよびモノイソプロパノールアミンが特に好ましい。

0032

前記一般式(1)で表されるグルコン酸および/またはヘプトグルコン酸のうち、Xは、安定性および防錆性能の観点から、アルカリ金属、エタノールアミン類、イソプロパノールアミン類であることが好ましく、ナトリウム、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンであることがより好ましく、その中でもナトリウムが特に好ましい。

0033

これらのグルコン酸塩およびヘプトグルコン酸塩は市販のグルコン酸あるいはヘプトグルコン酸の溶液を、適宜中和アルカリ剤で中和し、塩溶液として使用することもでき、すでに中和アルカリ剤で中和された塩として、結晶や溶液の形態で市販されているものを使用することもできる。

0035

本発明の防錆剤組成物におけるグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の含有量は、防錆性能や安定性などを考慮した上で、液状として製剤可能である限り特に制限されないが、防錆剤組成物全体としての量を100質量部としたとき、前記グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の含有量は1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上である。グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の割合が多いほど防錆性能が高くなるが、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の防錆剤組成物における割合が多すぎると、防錆性能が飽和し、さらには防錆剤組成物自体の溶解安定性が低下するため好ましくない。そのため、防錆剤組成物全体としての量を100質量部としたとき、前記グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の含有量は60質量部以下であることが好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。

0036

1−2.糖類化合物
本発明に用いられる糖類化合物は、防錆剤組成物において、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩と共に用いると、互いに相乗的に作用し、卓越した防錆性能を発揮すると共に安定性を向上させる。前記糖類化合物は、本発明においては、炭素数4以上の糖類および糖アルコールである。なお、糖類や糖アルコールにD体およびL体が存在する場合、いずれもが使用可能であり、入手容易性等の観点から適宜選択すればよい。

0037

本発明において、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、および糖類化合物を配合することにより、相乗的な防錆性能が得られる理由は明らかではないが、糖類化合物が存在することにより、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩が防錆剤組成物中で安定的に均一溶解され、対象となる金属材の全体にわたって防錆性能を発揮できるためと考えられる。

0039

前記糖アルコールとしては、エリトリトールトレイトール等の炭素数4の糖アルコール;アラビニトールキシリトールリビトール等の炭素数5の糖アルコール、イジトールガラクチトールソルビトールマンニトール等の炭素数6の糖アルコール、ボレミトール、ペルセイトール等の炭素数7の糖アルコール等が挙げられる。

0040

これらの中でも、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩と共に使用した場合に防錆性能を相乗的に向上させる観点から、糖アルコールであることが好ましく、炭素数6の糖アルコールであることがより好ましく、ソルビトールであることが特に好ましい。

0041

本発明に係る防錆剤組成物における糖類化合物の含有量は、防錆性能や安定性などを考慮した上で、液状として製剤可能である限り特に制限されないが、好ましいのは、防錆剤組成物全体としての量を100質量部としたとき、前記糖類化合物の含有量は1質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上である。糖類化合物の含有量が多いとグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩の防錆性能を相乗的に向上させ、防錆剤組成物の安定性を向上させることができるが、糖類化合物の含有量が多すぎると、逆に防錆剤組成物自体の溶解安定性が低下するため好ましくない。そのため、防錆剤組成物全体としての量を100質量部としたとき、前記糖類化合物の含有量は80質量部以下が好ましく、より好ましくは60質量部以下であり、さらに好ましくは50質量部以下である。

0042

また、本発明の防錆剤組成物において、糖類化合物の含有量は、防錆性能を相乗的に向上させる観点から、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩1質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、0.7質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩に対して、糖類化合物の含有量が過多であると、防錆性能にもたらされる相乗効果が飽和し、糖類化合物の影響が大きくなって逆に防錆性能が低下するため好ましくない。したがって、本発明の防錆剤組成物において、糖類化合物の含有量は、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩1質量部に対して、7質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下がさらに好ましい。

0043

1−3.溶媒
本発明の防錆剤組成物は、前記グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩並びに前記糖類化合物を防錆成分として含有し、さらに溶媒を含有する。溶媒としては水が使用されるが、必要によりアルコール類グリコール類ケトン類エーテル類エステル類などの水溶性溶剤を添加した混合溶媒とすることもできる。

0044

前記アルコール類としては、ヒドロキシル基分子中に有する化合物であれば、1価アルコール、2価アルコール、3価以上のアルコールのいずれであっても良く、特に制限なく使用することができる。例えば炭素数1〜8のメタノールエタノールプロパノールブタノールペンタノールヘキサノールヘプタノールまたはオクタノールの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げることができる。

0045

前記グリコール類としては、例えば炭素数1〜8のエチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールヘキシレングリコールなどのアルキレングリコール、またはポリアルキレングリコールの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げることができる。

0046

前記ケトン類としては、炭素数3〜9のケトン類が好ましく、具体的には、アセトンメチルエチルケトン2−ペンタノン3−ペンタノン、2−ヘキサノンメチルイソブチルケトン2−ヘプタノン3−ヘプタノン4−ヘプタノンジイソブチルケトンメシチルオキシドホロン2−オクタノンシクロヘキサノンメチルシクロヘキサノンイソホロン、2,4−ベンタンジオン、2,5−ヘキサンジオンジアセトンアルコールまたはアセトフェノンの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、アセトン、メチルエチルケトンである。

0047

前記エーテル類としては、炭素数2〜8の鎖状または環状の飽和または不飽和エーテル類が好ましく、ジメチルエーテルジエチルエーテルジプロピルエーテルジイソプロピルエーテルジブチルエーテルエチルビニルエーテルブチルビニルエーテルアニソールフェネトールメチルアニソールジオキサンフランメチルフランまたはテトラヒドロフランの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、ジメチルエーテルである。

0048

前記エステル類としては、炭素数2〜19の鎖状または環状の飽和または不飽和エステル類が好ましく、具体的には、ギ酸メチルギ酸エチルギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル等のギ酸エステル類酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピル酢酸イソプロピル酢酸ブチル酢酸イソブチル酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル酢酸メトキシブチル、酢酸sec−ヘキシル酢酸2−エチルブチル酢酸2−エチルヘキシル酢酸シクロヘキシル酢酸ベンジル等の酢酸エステル類プロピオン酸メチルプロピオン酸エチルプロピオン酸ブチル等のプロピオン酸エステル類;酪酸メチル酪酸エチル酪酸ブチルまたはイソ酪酸イソブチル等の酪酸エステル類等の中から選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、酢酸エステル類である。

0049

本発明に係る防錆剤組成物における溶媒の含有量は、防錆性能や安定性などを考慮した上で、液状として製剤可能である限り特に制限されないが、防錆剤組成物全体としての量を100質量部としたとき、溶媒の含有量は30質量部以上が好ましく、より好ましくは40質量部以上であり、さらに好ましくは50質量部以上である。溶媒の含有量が多いと液状として製剤することが容易になるが、溶媒の含有量が多すぎると、防錆性能や安定性が低下するため好ましくない。そのため、防錆剤組成物全体としての量を100質量部としたとき、前記溶媒の含有量は80質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下であり、さらに好ましくは65質量部以下である。

0050

また、本発明の防錆剤組成物において、溶媒の含有量は、液状として製剤可能とする観点から、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩1質量部に対して1.5質量部以上が好ましく、2.0質量部以上がより好ましく、2.5質量部以上がさらに好ましい。溶媒の含有量が多いほど、液状として製剤することが容易であるが、溶媒の含有量が多すぎると、防錆性能や安定性が低下するため好ましくない。そのため、溶媒の含有量は、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩1質量部に対して9質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、7質量部以下がさらに好ましい。

0051

1−4.防錆剤組成物の製造方法
本発明の防錆剤組成物は、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、糖類化合物、並びに溶媒を従来公知の方法で混合することによって製造することができる。これらの混合物を混合する方法としては、例えば、攪拌溶解法、超音波分散溶解法等各種の方法を用いることができる。
グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、糖類化合物、並びに溶媒は、いずれの順序で添加してもよい。例えば、初めにグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩を混合し、後から溶媒を添加することもでき、或いは溶媒に初めにグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩、もしくは糖類化合物のいずれか一方または両方を添加し、後から他方を添加することもできる。
また、本発明の防錆剤組成物は、液状で保管してそのまま使用することもでき、或いは粉末状で保管して使用時に溶媒に溶解させて用いることもできる。

0052

2.水性防錆潤滑剤
また、本発明の水性防錆潤滑剤は、前記防錆剤組成物および水性潤滑剤を含有しており、防錆性能を有する。また、本発明の水性防錆潤滑剤は、必要により、極圧添加剤界面活性剤、防錆剤、防腐剤消泡剤等を含有してもよい。

0053

2−1.防錆剤組成物
防錆剤組成物としては、前述した本発明の防錆剤組成物を用いる。防錆剤組成物は、水性防錆潤滑剤に防錆性能を付与する。

0054

前記防錆剤組成物の含有量は、水性防錆潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、0.01質量部以上であり、より好ましくは0.15質量部以上、さらに好ましくは0.20質量部以上である。水性防錆潤滑剤において、防錆剤組成物の割合が多いほど防錆性能が高くなり、防錆剤組成物の割合が少なすぎると防錆性能が不足する。しかし、防錆剤組成物の含有量が多すぎると防錆性能が飽和し、水性潤滑剤の潤滑性能に悪影響を与えると同時にコストアップを招くだけであるので、好ましくない。そのため、水性防錆潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、20質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは7質量部以下である。

0055

2−2.水性潤滑剤
水性潤滑剤としては、従来公知の水性潤滑剤を適宜使用することができる。水性潤滑剤により、水性防錆潤滑剤に潤滑性能が付与される。本発明では、水性潤滑剤は、油性剤、アルカノールアミンおよび水を含有することが好ましい。

0056

前記油性剤は、水性潤滑剤に潤滑性能を付与するために用いられる。前記油性剤としては、脂肪族アルコール脂肪酸脂肪酸金属塩などの脂肪酸化合物ポリオールエステルソルビタンエステルグリセライドなどのエステル化合物脂肪族アミンなどのアミン化合物などを使用することができる。これらの油性剤の含有量は、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、10質量部以上が好ましく、より好ましくは20質量部以上である。油性剤の含有量が多いほど潤滑性能は向上するが、油性剤の含有量が多くなりすぎると水性潤滑剤が劣化しやすくなる。そのため、油性剤の含有量は、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、90質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下である。

0057

前記アルカノールアミンは、水性潤滑剤において、腐敗の抑制、pHの維持、或いは乳化の目的で用いられる。水性潤滑剤に用いられるアルカノールアミンとしては、前記各種のアルカノールアミンを使用することができる。アルカノールアミンの含有量は、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、3質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上である。アルカノールアミンの含有量が多いほど潤滑性能が向上するが、アルカノールアミンの含有量が多くなりすぎると水性潤滑剤が劣化しやすくなる。そのため、アルカノールアミンの含有量は、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、30質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下である。

0058

また、前記水性潤滑剤において、水の含有量は、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、40質量部以上が好ましく、より好ましくは60質量部以上である。また、好ましくは87質量部以下であり、より好ましくは80質量部以下である。

0059

前記水性潤滑剤の含有量は、水性防錆潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、80質量部以上が好ましく、より好ましくは90質量部以上、さらに好ましくは93質量部以上である。水性潤滑剤の割合が多いほど潤滑性能は高くなるが、防錆性能を向上するためには防錆剤組成物の割合を増やす必要がある。そのため、水性潤滑剤の含有量は、水性防錆潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、99.90質量部以下が好ましく、より好ましくは99.00質量部以下、さらに好ましくは98.00質量部以下である。

0060

2−3.その他の成分
前記極圧添加剤としては、例えば、塩素系、硫黄系、およびリン酸系等が挙げられる。塩素系極圧添加剤としては、塩素化パラフィン、メチルトリクロロステアレート等が挙げられる。硫黄系極圧添加剤としては、ジベンジルジスルフィド、アルキルポリスルフィドオレフィンポリスルフィド、硫化油脂硫化エステル等が挙げられる。リン系極圧添加剤としては、トリクレジルリン酸塩、ラウリルリン酸塩、トリブチルリン酸塩、ジラウリルリン酸塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛ジアリルジチオリン酸亜鉛、リン酸エステルのアミン塩ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛が挙げられる。作業環境の観点から、前記極圧添加剤としては、硫黄系、リン酸系を使用することが好ましい。水性潤滑剤にこれら極圧添加剤を配合する場合、その含有量は、配合効果および経済性の点から、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、通常0.01質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上10質量部以下である。

0061

前記界面活性剤としては、例えば、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸ナトリウム塩パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。水性潤滑剤にこれら界面活性剤を配合する場合、その含有量は、配合効果および経済性の点から、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、通常0.01質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上10質量部以下である。

0062

前記防腐剤としては、例えば、o−フェニルフェノール、Na−o−フェニルフェノール、2,3,4,6−テトラクロロフェノール等のフェノール系化合物;2−ハイドロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ヘキサハイドロ−1,3,5−トリス(2−ハイドロキシエチル)−(s)−トリアジン等のホルムアルデヒド供与体化合物、その他、トリブロモサリチルアニリドジブロモサリチルアニリドの混合物等を使用することができる。水性潤滑剤にこれら防腐剤を配合する場合、その含有量は、配合効果および経済性の点から、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、通常0.01質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上10質量部以下である。

0063

前記消泡剤としては、例えば、シリコーンオイルアルケニルコハク酸誘導体ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。水性潤滑剤にこれら消泡剤を配合する場合、その含有量は、配合効果および経済性の観点から、水性潤滑剤全体としての量を100質量部としたとき、通常0.01質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上10質量部以下である。

0064

3.金属の防錆潤滑法
前記の様に、本発明の水性防錆潤滑剤は、前記防錆剤組成物と前記水性潤滑剤を含有しており、金属材の加工面に防錆潤滑皮膜を形成して、卓越した防錆性能を発揮する。金属材の加工面に防錆潤滑皮膜を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を制限なく使用することができる。例えば、金属材表面噴射する、あるいは塗布する方法があり、塗布する方法としては、浸漬塗布シャワー塗布、スプレー塗布噴流塗布等の方法を挙げることができる。

0065

4.金属材の加工法
本発明の水性防錆潤滑剤を実用化するに当たっては、10〜30倍の水希釈液として金属の加工(切断、切削、穿孔、研磨など)に使用される。
この時点で水希釈液のpHは8〜11程度になるが、本発明ではグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩および糖類化合物が安定的に均一溶解されるため、防錆成分が析出して加工作業中に防錆性能が低下したり、付着することにより加工製品外観が損なわれたりする恐れはない。

0066

本発明の水性防錆潤滑剤は、グルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩および糖類化合物が共存することにより相乗的な防錆性能が発揮されるため、金属材を加工する際の水性潤滑防錆剤として幅広く有効に使用できる。金属材としては、具体的には、鋼材を始めとする鉄鋼材料やアルミニウム、チタンなどの非鉄材料やその合金材などがあり、全ての金属材に適用可能である。しかし、中でもアルカリ性環境下潤滑用の油性剤成分などによる腐食を受け易いアルミニウムやその合金に本発明の水性防錆潤滑剤を使用すると、その特徴がより効果的に発揮され、卓越した潤滑防錆性能を発揮するので好ましい。

0067

また、本発明の水性防錆潤滑剤は、金属材の加工の種類を問わず使用することができる。特に、切断、切削、穿孔、研磨等の加工であれば、本発明の水性防錆潤滑剤の卓越した潤滑防錆性能が有効に発揮される。

0068

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。

0069

実験
下記表1に示す配合比率で防錆剤組成物の試料液を調製した。そして夫々について、下記の方法で安定性試験および防錆試験を行い、表2、3に示す結果を得た。

0070

実施例1〜8
下記表1に示す配合比率でグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩と糖類化合物を室温で水に溶解し、これを防錆剤組成物の試料液とした。

0071

比較例1〜2
下記表1に示す配合比率でグルコン酸塩および/またはヘプトグルコン酸塩を室温で水に溶解し、澄明水性液を調製した。これを防錆剤組成物の試料液とした。

0072

比較例3〜4
下記表1に示す糖類化合物を室温で水に溶解し、澄明な水性液を調製した。これを防錆剤組成物の試料液とした。

0073

安定性試験
油性剤を10質量部、アルカノールアミンを20質量部および水を70質量部含み、pHが9.3〜9.4である水性潤滑剤を調製した。次に、該水性潤滑剤100質量部に、表1に示す配合で調製した防錆剤組成物の試料液を各3質量部配合して水性防錆潤滑剤を調製し、容量200cm3のガラス瓶に入れて密封した。該水性防錆潤滑剤を封入したガラス瓶を40℃の恒温槽に入れて、同温度に維持しつつ時々加振し、濁り沈殿発生状況目視確認した。

0074

防錆試験
油性剤を10質量部、アルカノールアミンを20質量部および水を70質量部含み、pHが9.3〜9.4である水性潤滑剤を調製した。次に、該水性潤滑剤100質量部に、表1に示す配合で調製した防錆剤組成物の試料液を各3質量部配合し、水性防錆潤滑剤を調製した。そして、該水性防錆潤滑剤の調製直後のもの、および40℃の恒温槽内で1ヶ月間保存したものについて、夫々を水で20倍量に希釈して水希釈液とした。得られた水希釈液のpHは何れも9.3〜9.4であった。この水希釈液を使用し、JIS K 2241、7.9(切削油剤金属腐食試験方法)に準拠してアルミニウム合金板(JIS H 4000 A1050P 幅40mm×高さ60mm×厚み1.5mm)の半浸漬試験(25℃、2日間)を行ない、下記の基準で防錆性能を評価した。
なお、表3に示す浸漬部分、気相部分、境界面部分は、図1に示す通りである。図1に示す様に、境界面部分とは液面から液面上5mmまでを示す。境界面部分においては、空気中から酸素が多く取り込まれると同時に金属が溶出し易い環境にあり、水性防錆潤滑剤を金属材の加工に用いた際、金属材表面に存在する防錆潤滑皮膜と類似した環境にある。
◎:変色なし、○:僅かに変色あり、△:少し変色あり、×:多量に変色あり

0075

0076

0077

0078

表2からは、次のように考察できる。

0079

実施例1〜8、比較例1〜4のいずれの水性防錆潤滑剤においても、40℃で保存した場合、6ヶ月以上濁りおよび沈澱がなく、安定性に優れることがわかる。

0080

表3からは、次のように考察できる。

0081

実施例1〜3、8の水性防錆潤滑剤は、防錆剤組成物として、グルコン酸ナトリウムまたはヘプトグルコン酸ナトリウム、および、糖アルコールを使用したものであるが、腐食環境が過酷な場合であっても、優れた防錆性能を示しており、40℃で1ヶ月保存した後であっても、防錆性能は全く劣化しておらず、安定性が良好であることがわかる。

0082

実施例4、5の水性防錆潤滑剤は、防錆剤組成物として、グルコン酸とアルカノールアミンの塩、および、糖アルコールを使用したものであるが、腐食環境が過酷な場合であっても、優れた防錆性能を示しており、40℃で1ヶ月保存した後であっても、防錆性能はほとんど劣化しておらず十分に実用可能な程度を維持しており、十分な安定性を持つことがわかる。

0083

実施例6、7の水性防錆潤滑剤は、防錆剤組成物として、グルコン酸ナトリウム、および、炭素数6の糖類を使用したものであるが、腐食環境が過酷な場合であっても、十分な防錆性能を示しており、40℃で1ヶ月保存した後であっても、防錆性能は全く劣化しておらず、安定性が良好であることがわかる。

0084

それに対して、比較例1、2の水性防錆潤滑剤では、グルコン酸ナトリウムまたはヘプトグルコン酸ナトリウムを含有するものの、糖類化合物を含有しておらず、腐食環境な穏やかな場合(気相部分や浸漬部分)では良好な防錆性能を示すものの、腐食環境が過酷になると、防錆性能は不十分であり、また40℃で1ヶ月保存した後には、防錆性能は劣化しており、安定性が不良であることがわかる。

実施例

0085

また、比較例3、4の水性防錆潤滑剤では、糖類化合物を含有するものの、グルコン酸ナトリウムまたはヘプトグルコン酸ナトリウムを含有しておらず、腐食環境が特に穏やかな場合(気相部分)においてしか防錆性能が確認されなかった。

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