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課題

浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に最適な制御を行い、利用者に違和感を与えることなく浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる睡眠環境温度制御装置を提供する。

解決手段

睡眠深度判定部7は、利用者の生体信号強度分散値所定値以下である状態が所定時間継続した場合に浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定する。温度制御部8は、睡眠深度判定部7によって判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度になるように温熱シート9を制御するとともに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移するまでの継続時間における途中で、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも低く且つ深いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも高い誘導温度となるように温熱シート9を制御する。

概要

背景

睡眠は健康のバロメータであるといわれ、快適な睡眠をして気分のよい目覚めができれば、目覚めた際に颯爽とした気分となり健康を実感することは、日常において多く経験する。一方、不眠症不眠傾向にある場合や、深夜労働等のために昼夜の生活が逆転した睡眠を強いられる場合等においては、その目覚めの後の気分は芳しくないことが多い。すなわち、意識的であるか無意識的であるかにかかわらず、睡眠の状態がその後の覚醒時の気分や行動に影響を及ぼし、ひいては覚醒後の昼間の活動の質を定めることになる。

このように、睡眠は、人間の身体活動及び心的活動に重要な影響を及ぼす要素であり、良好な睡眠をとることができれば身体的及び心的に健康的な日常活動が保証されるといってよい。従来から、快適な睡眠を確保することを目的として、睡眠時の環境温度を制御することが試みられている。このような試みを具現化した技術としては、例えば特許文献1乃至特許文献3に記載されているように、生体信号に基づいて睡眠深度睡眠状態を判定し、判定した睡眠深度や睡眠状態に応じて睡眠環境温度を制御するものが提案されている。

ここで、いわゆる睡眠ポリソムノグラフ(PSG)による国際睡眠深度判定基準では、脳波眼球運動筋電図等に基づいて、睡眠深度を、覚醒段階レム睡眠段階、浅いノンレム睡眠段階、及び、深いノンレム睡眠段階にわけており、浅いノンレム睡眠段階及び深いノンレム睡眠段階は、それぞれ、さらに2段階にわけられる。なお、浅いノンレム睡眠段階である第1のノンレム睡眠段階及び第2のノンレム睡眠段階は、いわゆる浅い睡眠状態を指し、深いノンレム睡眠段階である第3のノンレム睡眠段階及び第4のノンレム睡眠段階は、いわゆる深い睡眠状態を指す。健康成人の安定した睡眠においては、覚醒段階が1〜3%、第1のノンレム睡眠段階が数%、第2のノンレム睡眠段階が50%、第3及び第4のノンレム睡眠段階が20〜30%、レム睡眠段階が20〜30%の比率であり、レム睡眠が約90分周期で現れることが目安として知られている。

上述した特許文献1乃至特許文献3に記載された技術は、いずれも生体信号に基づいて睡眠深度を判定するものであるが、例えば特許文献4乃至特許文献6に記載されているように、国際睡眠深度判定基準における6段階の睡眠深度を考慮して睡眠環境温度を制御する技術も提案されている。

一般に、睡眠深度が深くなると深部体温が低下し、体表面からの熱放散が多くなることから、寝床内温度が上昇する。そのため、いずれの技術においても、深い睡眠状態では熱放散による温度上昇に応じて睡眠環境温度を低下させるような制御を行うのが通常である。

概要

浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に最適な制御を行い、利用者に違和感を与えることなく浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる睡眠環境温度制御装置を提供する。睡眠深度判定部7は、利用者の生体信号強度分散値所定値以下である状態が所定時間継続した場合に浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定する。温度制御部8は、睡眠深度判定部7によって判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度になるように温熱シート9を制御するとともに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移するまでの継続時間における途中で、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも低く且つ深いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも高い誘導温度となるように温熱シート9を制御する。

目的

本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に最適な制御を行い、利用者に違和感を与えることなく浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる睡眠環境温度制御装置及び睡眠環境温度制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

温度調節機能を有する寝具を利用している利用者寝床内温度及び/又は前記寝具が配置された部屋の室温を含む睡眠環境温度を制御する睡眠環境温度制御装置において、前記利用者の生体信号無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出手段と、前記生体信号検出手段によって検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号の強度を算出する生体信号強度算出手段と、前記生体信号強度算出手段によって算出された生体信号強度のデータについて、所定時間のデータのばらつきを示す分散値を算出する分散値算出手段と、前記分散値算出手段によって求められた前記生体信号強度の分散値の時系列データに基づいて、前記利用者の睡眠深度を判定する睡眠深度判定手段と、前記睡眠深度判定手段によって判定された睡眠深度に基づいて、前記部屋に配置された空調装置及び/又は前記寝具を制御して睡眠環境温度を制御する温度制御手段とを備え、前記睡眠深度判定手段は、少なくとも、深いノンレム睡眠段階と、それ以外の睡眠深度である覚醒段階レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階とを区別して判定可能であり、前記分散値が所定値以下である状態が所定時間継続した場合に浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定し、前記温度制御手段は、前記睡眠深度判定手段によって判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度になるように前記空調装置を制御する、及び/又は、前記睡眠深度判定手段によって判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度に対応する目標投入熱量になるように前記寝具を制御するとともに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移するまでの継続時間における途中で、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも低く且つ深いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも高い誘導温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御する一方で、前記睡眠深度判定手段によって深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定された場合には、前記誘導温度での制御を行わずに即座に浅いノンレム睡眠段階に対応する目標設定温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御することを特徴とする睡眠環境温度制御装置。

請求項2

前記利用者の寝床内温度を測定する寝床内温度測定手段を備え、前記温度制御手段は、前記睡眠深度判定手段によって判定された睡眠深度と、前記寝床内温度測定手段によって測定された温度とに基づいて、前記寝具を制御して睡眠環境温度を制御することを特徴とする請求項1記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項3

前記寝具が配置された部屋の室温を測定する室温測定手段を備え、前記室温測定手段によって測定された室温の変化に応じて目標設定温度を変更することを特徴とする請求項2記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項4

前記部屋の室温を測定する室温測定手段を備え、前記温度制御手段は、前記睡眠深度判定手段によって判定された睡眠深度と、前記室温測定手段によって測定された室温とに基づいて、前記部屋に配置された空調装置及び/又は前記寝具を制御して睡眠環境温度を制御することを特徴とする請求項1記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項5

前記室温測定手段によって測定された室温の変化に応じて目標設定温度を変更することを特徴とする請求項4記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項6

前記温度制御手段は、覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階についての設定温度>誘導温度>深いノンレム睡眠段階についての設定温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御することを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちいずれか1項記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項7

前記温度制御手段は、目覚めの際には睡眠環境温度を上昇させるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御することを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちいずれか1項記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項8

前記温度制御手段は、設定された入床時刻に基づいて入床前に所定温度まで睡眠環境温度を上昇させることを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちいずれか1項記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項9

前記寝具は、電気加熱方式のものであることを特徴とする請求項1記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項10

前記寝具は、温度調節された流体を収容する温度調節マットであることを特徴とする請求項1記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項11

前記寝具は、温度調節された空気を寝床内に供給する空気供給手段を備えることを特徴とする請求項1記載の睡眠環境温度制御装置。

請求項12

温度調節機能を有する寝具を利用している利用者の寝床内温度及び/又は前記寝具が配置された部屋の室温を含む睡眠環境温度を制御する睡眠環境温度制御方法において、所定の生体信号検出手段によって前記利用者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出工程と、信号処理を行うプロセッサが、前記生体信号検出工程にて検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号の強度を算出する生体信号強度算出工程と、前記プロセッサが、前記生体信号強度算出工程にて算出された生体信号強度のデータについて、所定時間のデータのばらつきを示す分散値を算出する分散値算出工程と、前記プロセッサが、前記分散値算出工程にて求められた前記生体信号強度の分散値の時系列データに基づいて、前記利用者の睡眠深度を判定する睡眠深度判定工程と、前記睡眠深度判定工程にて判定された睡眠深度に基づいて、前記部屋に配置された空調装置及び/又は前記寝具を制御して睡眠環境温度を制御する温度制御工程とを備え、前記睡眠深度判定工程では、少なくとも、深いノンレム睡眠段階と、それ以外の睡眠深度である覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階とを区別して判定可能であり、前記分散値が所定値以下である状態が所定時間継続した場合に浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定し、前記温度制御工程では、前記睡眠深度判定工程にて判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度になるように前記空調装置を制御する、及び/又は、前記睡眠深度判定工程にて判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度に対応する目標投入熱量になるように前記寝具を制御するとともに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移するまでの継続時間における途中で、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも低く且つ深いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも高い誘導温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御する一方で、前記睡眠深度判定工程にて深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定された場合には、前記誘導温度での制御を行わずに即座に浅いノンレム睡眠段階に対応する目標設定温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御することを特徴とする睡眠環境温度制御方法。

技術分野

0001

本発明は、快適な睡眠を実現できるように睡眠環境温度を最適な温度に制御する睡眠環境温度制御装置及び睡眠環境温度制御方法に関する。

背景技術

0002

睡眠は健康のバロメータであるといわれ、快適な睡眠をして気分のよい目覚めができれば、目覚めた際に颯爽とした気分となり健康を実感することは、日常において多く経験する。一方、不眠症不眠傾向にある場合や、深夜労働等のために昼夜の生活が逆転した睡眠を強いられる場合等においては、その目覚めの後の気分は芳しくないことが多い。すなわち、意識的であるか無意識的であるかにかかわらず、睡眠の状態がその後の覚醒時の気分や行動に影響を及ぼし、ひいては覚醒後の昼間の活動の質を定めることになる。

0003

このように、睡眠は、人間の身体活動及び心的活動に重要な影響を及ぼす要素であり、良好な睡眠をとることができれば身体的及び心的に健康的な日常活動が保証されるといってよい。従来から、快適な睡眠を確保することを目的として、睡眠時の環境温度を制御することが試みられている。このような試みを具現化した技術としては、例えば特許文献1乃至特許文献3に記載されているように、生体信号に基づいて睡眠深度睡眠状態を判定し、判定した睡眠深度や睡眠状態に応じて睡眠環境温度を制御するものが提案されている。

0004

ここで、いわゆる睡眠ポリソムノグラフ(PSG)による国際睡眠深度判定基準では、脳波眼球運動筋電図等に基づいて、睡眠深度を、覚醒段階レム睡眠段階、浅いノンレム睡眠段階、及び、深いノンレム睡眠段階にわけており、浅いノンレム睡眠段階及び深いノンレム睡眠段階は、それぞれ、さらに2段階にわけられる。なお、浅いノンレム睡眠段階である第1のノンレム睡眠段階及び第2のノンレム睡眠段階は、いわゆる浅い睡眠状態を指し、深いノンレム睡眠段階である第3のノンレム睡眠段階及び第4のノンレム睡眠段階は、いわゆる深い睡眠状態を指す。健康成人の安定した睡眠においては、覚醒段階が1〜3%、第1のノンレム睡眠段階が数%、第2のノンレム睡眠段階が50%、第3及び第4のノンレム睡眠段階が20〜30%、レム睡眠段階が20〜30%の比率であり、レム睡眠が約90分周期で現れることが目安として知られている。

0005

上述した特許文献1乃至特許文献3に記載された技術は、いずれも生体信号に基づいて睡眠深度を判定するものであるが、例えば特許文献4乃至特許文献6に記載されているように、国際睡眠深度判定基準における6段階の睡眠深度を考慮して睡眠環境温度を制御する技術も提案されている。

0006

一般に、睡眠深度が深くなると深部体温が低下し、体表面からの熱放散が多くなることから、寝床内温度が上昇する。そのため、いずれの技術においても、深い睡眠状態では熱放散による温度上昇に応じて睡眠環境温度を低下させるような制御を行うのが通常である。

先行技術

0007

特開2008−119454号公報
特開2009−247846号公報
特開2006−198023号公報
特開2003−339674号公報
特開2005−152310号公報
特開2005−152537号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、本願発明者の鋭意研究により、浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際には所定のタイムラグがあることがわかった。上述した特許文献1乃至特許文献6をはじめとする従来の技術においては、この点を一切考慮していない。例えば特許文献4乃至特許文献6に記載された技術においては、レム睡眠状態と途中覚醒状態とを区別可能としているが、浅い睡眠から深い睡眠への遷移については何ら言及していない。そのため、従来の技術においては、浅い睡眠条件が終了した旨を示す生体信号の挙動に基づいて制御を行うことにより、未だ深い睡眠段階に到達していないにもかかわらず深い睡眠の温度設定としてしまい、利用者に寒い等の違和感を与えてしまうという問題があった。

0009

本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に最適な制御を行い、利用者に違和感を与えることなく浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる睡眠環境温度制御装置及び睡眠環境温度制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本願発明者は、各睡眠深度における生体信号の挙動について鋭意研究を行った結果、最適に睡眠環境温度を制御する手法を見出し、本発明を完成させるに至った。

0011

すなわち、上述した目的を達成する本発明にかかる睡眠環境温度制御装置は、温度調節機能を有する寝具を利用している利用者の寝床内温度及び/又は前記寝具が配置された部屋の室温を含む睡眠環境温度を制御する睡眠環境温度制御装置において、前記利用者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出手段と、前記生体信号検出手段によって検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号の強度を算出する生体信号強度算出手段と、前記生体信号強度算出手段によって算出された生体信号強度のデータについて、所定時間のデータのばらつきを示す分散値を算出する分散値算出手段と、前記分散値算出手段によって求められた前記生体信号強度の分散値の時系列データに基づいて、前記利用者の睡眠深度を判定する睡眠深度判定手段と、前記睡眠深度判定手段によって判定された睡眠深度に基づいて、前記部屋に配置された空調装置及び/又は前記寝具を制御して睡眠環境温度を制御する温度制御手段とを備える。

0012

ここで、前記睡眠深度判定手段は、少なくとも、深いノンレム睡眠段階と、それ以外の睡眠深度である覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階とを区別して判定可能であり、前記分散値が所定値以下である状態が所定時間継続した場合に浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定する。そして、前記温度制御手段は、前記睡眠深度判定手段によって判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度になるように前記空調装置を制御する、及び/又は、前記睡眠深度判定手段によって判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度に対応する目標投入熱量になるように前記寝具を制御するとともに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移するまでの継続時間における途中で、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも低く且つ深いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも高い誘導温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御する一方で、前記睡眠深度判定手段によって深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定された場合には、前記誘導温度での制御を行わずに即座に浅いノンレム睡眠段階に対応する目標設定温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御することを特徴としている。

0013

また、上述した目的を達成する本発明にかかる睡眠環境温度制御方法は、温度調節機能を有する寝具を利用している利用者の寝床内温度及び/又は前記寝具が配置された部屋の室温を含む睡眠環境温度を制御する睡眠環境温度制御方法において、所定の生体信号検出手段によって前記利用者の生体信号を無侵襲且つ無拘束で検出する生体信号検出工程と、信号処理を行うプロセッサが、前記生体信号検出工程にて検出された生体信号に対して利得制御を行うことによってピーク値を一定に制御し、そのときの利得の値を用いて生体信号の強度を算出する生体信号強度算出工程と、前記プロセッサが、前記生体信号強度算出工程にて算出された生体信号強度のデータについて、所定時間のデータのばらつきを示す分散値を算出する分散値算出工程と、前記プロセッサが、前記分散値算出工程にて求められた前記生体信号強度の分散値の時系列データに基づいて、前記利用者の睡眠深度を判定する睡眠深度判定工程と、前記睡眠深度判定工程にて判定された睡眠深度に基づいて、前記部屋に配置された空調装置及び/又は前記寝具を制御して睡眠環境温度を制御する温度制御工程とを備える。

0014

ここで、前記睡眠深度判定工程では、少なくとも、深いノンレム睡眠段階と、それ以外の睡眠深度である覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階とを区別して判定可能であり、前記分散値が所定値以下である状態が所定時間継続した場合に浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定する。そして、前記温度制御工程では、前記睡眠深度判定工程にて判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度になるように前記空調装置を制御する、及び/又は、前記睡眠深度判定工程にて判定された各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の目標設定温度に対応する目標投入熱量になるように前記寝具を制御するとともに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移するまでの継続時間における途中で、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも低く且つ深いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも高い誘導温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御する一方で、前記睡眠深度判定工程にて深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移したものと判定された場合には、前記誘導温度での制御を行わずに即座に浅いノンレム睡眠段階に対応する目標設定温度となるように前記空調装置及び/又は前記寝具を制御することを特徴としている。

0015

このような本発明にかかる睡眠環境温度制御装置及び睡眠環境温度制御方法は、無侵襲且つ無拘束で検出した生体信号に基づいて求めた生体信号強度の分散値を用いて睡眠深度を自動的に判定し、判定した睡眠深度に応じて睡眠環境温度を制御する。このとき、本発明にかかる睡眠環境温度制御装置及び睡眠環境温度制御方法は、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階への遷移の際に拙速に深いノンレム睡眠段階の温度設定とせずに、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと誘導する誘導温度となるように空調装置や寝具を制御する。一方、本発明にかかる睡眠環境温度制御装置及び睡眠環境温度制御方法は、深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移した場合には、誘導温度での制御を行わずに即座に浅いノンレム睡眠段階に対応する目標設定温度となるように空調装置や寝具を制御する。

発明の効果

0016

本発明においては、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移する際に誘導温度を設定し、この誘導温度に基づく室温や寝床内温度を含む睡眠環境温度の制御を行うことから、浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に利用者に違和感を与えることなく、適切に浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の第1の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置の構成を示す図である。
本発明の第1の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置の構成を示す図であり、図1において矢視方向からみたときの一部断面図である。
本発明の第1の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置において、睡眠環境温度を制御する際の一連の手順を示すフローチャートである。
目標設定温度等の設定用ダイアログの具体例を示す図である。
心拍強度の時系列データの具体例を示す図である。
心拍強度の分散値の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態における具体例としての睡眠深度の判定結果の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態における具体例としての目標設定温度の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態における具体例としての室温の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第1の実施の形態における具体例としての温度制御した寝床内温度の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置の構成を示す図である。
本発明の第2の実施の形態における具体例としての睡眠深度の判定結果の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態における具体例としての目標設定温度の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態における具体例としての睡眠深度の判定結果の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態における具体例としての目標投入熱量の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態における具体例としての室温の時系列データの具体例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態における具体例としての温度制御した寝床内温度の時系列データの具体例を示す図である。
他の生体信号検出部の構成を示す図である。

実施例

0018

以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

0019

この実施の形態は、睡眠環境温度を制御する睡眠環境温度制御装置である。特に、この睡眠環境温度制御装置は、利用者の生体信号に基づいて睡眠環境温度を最適に制御するものである。

0020

まず、本発明の第1の実施の形態として、測定した寝床内温度に基づくフィードバック制御を行う睡眠環境温度制御装置について説明する。

0021

図1に、本発明の第1の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置の処理をブロックとして表した構成を示し、図2に、図1において矢視方向からみたときの一部断面図を示している。すなわち、睡眠環境温度制御装置は、寝台21上に横臥している利用者の生体信号を検出する生体信号検出部1と、この生体信号検出部1によって検出された生体信号を増幅する信号増幅部2と、この信号増幅部2によって増幅された生体信号に対してフィルタリング処理を施すフィルタ部3と、このフィルタ部3を通過した心拍信号及び/又は呼吸信号に対して自動的に利得制御を行う自動利得制御部4と、心拍信号及び/又は呼吸信号の強度を算出する信号強度算出部5と、この信号強度算出部5によって算出された心拍強度及び/又は呼吸強度の分散値を算出する分散値算出部6と、信号強度算出部5によって算出された心拍強度及び/又は呼吸強度、及び/又は、分散値算出部6によって算出された心拍強度及び/又は呼吸強度の分散値に基づいて、睡眠深度を判定する睡眠深度判定部7と、この睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度及び温度センサ10によって測定された温度に基づいて寝台21に敷設された温熱シート9まわりの寝床内温度(睡眠環境温度)を制御する温度制御部8とを備える。なお、これら各部のうち、少なくとも、信号強度算出部5、分散値算出部6、睡眠深度判定部7、及び、温度制御部8は、例えば、信号処理を行うコンピュータにおけるCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェアを用いて実行可能なプログラムとして実装したり、コンピュータに装着可能な拡張ボードに搭載されたDSP(Digital Processing Unit)等の専用プロセッサを用いて実装したりすることができる。

0022

生体信号検出部1は、利用者の微細な生体信号を検出する無侵襲且つ無拘束センサである。具体的には、生体信号検出部1は、圧力検出チューブ1aと、この圧力検出チューブ1aの内部に収容されている空気の微小圧力変動を検出するセンサである微差圧センサ1bとから構成され、無侵襲且つ無拘束な生体信号の検出手段を構成している。

0023

圧力検出チューブ1aとしては、生体信号の圧力変動範囲に対応して内部の圧力が変動するように適度な弾力を有するものを使用する。また、圧力検出チューブ1aとしては、圧力変化を適切な応答速度で微差圧センサ1bに伝達するために、チューブ中空部容積を適切に選択する必要がある。圧力検出チューブ1aが適度な弾性中空部容積とを同時に満足できない場合には、圧力検出チューブ1aの中空部に適切な太さの芯線チューブ長さ全体にわたって装填し、中空部の容積を適切にとることができる。

0024

このような圧力検出チューブ1aは、寝台21上に敷設された硬質シート22上に配置される。睡眠環境温度制御装置においては、硬質シート22上に弾性を有するクッションシート23が敷設されており、圧力検出チューブ1aの上に利用者が横臥することになる。なお、圧力検出チューブ1aは、クッションシート23等に組み込んだ構成とすることにより、圧力検出チューブ1aの位置を安定させる構造としてもよい。

0025

微差圧センサ1bは、微小な圧力の変動を検出するセンサである。本実施の形態においては、微差圧センサ1bとして、低周波用コンデンサマイクロフォンタイプのものを使用するが、これに限定されるものではなく、適切な分解能ダイナミックレンジとを有するものであればよい。本実施の形態において使用した低周波用のコンデンサマイクロフォンは、一般の音響用マイクロフォン低周波領域に対して配慮されていないのに引き替え、受圧面の後方チャンバーを設けることによって低周波領域の特性を大幅に向上させたものであり、圧力検出チューブ1a内の微小圧力変動を検出するのに好適なものである。また、このコンデンサマイクロフォンは、微小な差圧計測するのに優れており、0.2Paの分解能と約50Paのダイナミックレンジとを有し、通常使用されるセラミックを利用した微差圧センサと比較して数倍の性能を持つものであり、生体信号が体表面に通して圧力検出チューブ1aに加えた微小な圧力を検出するのに好適なものである。また、周波数特性は、0.1Hz〜20Hzの間で略平坦出力値を示し、心拍及び呼吸等の微小な生体信号を検出するのに適している。

0026

本実施の形態においては、一方が利用者の胸部の部位の生体信号を検出し、他方が利用者の臀部の部位を検出するように、2組の圧力検出チューブ1aが設けられており、利用者の就寝姿勢にかかわらず生体信号を検出するように構成されている。なお、睡眠環境温度制御装置においては、胸部の部位又は臀部の部位の一方のみに圧力検出チューブ1aを配置する構成としてもよい。このような生体信号検出部1によって検出された生体信号は、信号増幅部2に供給される。睡眠環境温度制御装置は、このような無侵襲且つ無拘束で生体信号を検出する構成とすることにより、日常生活において容易に使用することができ、特に高齢者の使用に極めて好適である。

0027

信号増幅部2は、後の処理工程で処理できるように生体信号検出部1によって検出された信号を増幅し、さらに、明らかに異常なレベルの信号を除去する等して適切な信号整形処理を行う。この信号増幅部2によって増幅された生体信号は、フィルタ部3に供給される。

0028

フィルタ部3は、信号増幅部2によって増幅された生体信号から不要な信号をバンドパスフィルタ等によって除去することにより、心拍信号及び呼吸信号を抽出する。すなわち、生体信号検出部1によって検出された生体信号は、人体から発する様々な振動が混ざり合った信号であり、その中に心拍信号や呼吸信号をはじめとして寝返りを示す体動信号等の様々な信号が含まれている。このうち、心拍信号は、心臓ポンプ機能に基づく圧力の変化(すなわち血圧)が振動となって生体信号に含まれるものである。また、呼吸信号は、動きに基づく体動の変化が振動となって生体信号に含まれるものである。睡眠環境温度制御装置においては、これをフィルタ部3によって抽出することにより、心拍信号及び呼吸信号として認識する。このフィルタ部3を通過した心拍信号及び呼吸信号は、それぞれ、自動利得制御部4に供給される。なお、心拍信号及び呼吸信号のサンプル周期は、20ミリ秒としている。

0029

自動利得制御部4は、フィルタ部3の出力が所定の信号レベルの範囲内に入るように自動的に利得制御を行ういわゆるAGC回路である。この自動利得制御部4による利得制御は、例えば信号のピーク値が所定の上限閾値を超えた場合に出力信号振幅が小さくなるように利得を設定するとともに、ピーク値が所定の下限閾値を下回った場合に振幅が大きくなるように利得を設定している。自動利得制御部4は、このような利得制御を行った際の利得の値(係数)を信号強度算出部5に供給する。

0030

信号強度算出部5は、自動利得制御部4において心拍信号及び/又は呼吸信号に対して施した利得制御の係数に基づいて、心拍信号及び/又は呼吸信号の強度を算出する。なお、本願明細書においては、この利得制御の係数に基づく値を「強度」と称し、信号波形の振幅とは明確に区別している。具体的には、上述した自動利得制御部4から得られる利得の値は、信号の大きさが大きいときには小さく、また、信号の大きさが小さいときは大きく設定されることから、利得の値とは反比例の関係で信号強度が表されることになる。具体的には、後述する図5において、心拍信号波形の振幅とともに心拍信号の強度の1秒ピッチの時系列データを示しているが、利得の値は、波形振幅包絡線と反比例したものに近似することができ、その結果、心拍強度は、波形振幅の包絡線に近似したものとなる。信号強度算出部5は、算出した心拍信号及び/又は呼吸信号の強度について個人差をなくして一般化するために、正規化して百分率表現値とした上で、分散値算出部6に供給する。

0031

分散値算出部6は、信号強度算出部5によって算出された信号強度のデータについて、所定時間のデータのばらつきを示す分散値HIDを算出する。なお、本実施の形態においては、ある時点において、その時点までの一定時間内にサンプリングしたデータのばらつきを示す指標を分散値と称するものとすると、そのデータの標準偏差を分散値として採用している。具体的には、分散値算出部6は、信号強度のデータが1秒毎に測定されているものとすると、一連の信号強度のデータのうち、例えば50秒間のデータの分散値を算出する。この場合、ある時点から遡及して50秒間のデータの分散値を算出し、その後、次の1秒後から遡及して50秒間のデータの分散値を算出する、といった処理を繰り返し行う。この結果、分散値算出部6は、信号強度のばらつき(分散値)についての1秒間隔の時系列データを得ることができる。分散値算出部6は、このようにして得られた時系列データを睡眠深度判定部7に供給する。

0032

睡眠深度判定部7は、分散値算出部6によって算出された心拍強度及び/又は呼吸強度の分散値に基づいて、利用者の睡眠深度、すなわち、覚醒段階、レム睡眠段階、第1のノンレム睡眠段階及び第2のノンレム睡眠段階(浅いノンレム睡眠段階)、並びに、第3のノンレム睡眠段階及び第4のノンレム睡眠段階(深いノンレム睡眠段階)の6段階の種別を判定する。なお、体動がある場合には、信号が大きく振れ且つその信号強度の分散値HIDも大きくなる。そこで、睡眠深度判定部7は、このような異常値の影響を除去するため、所定値を超える信号強度の分散値HIDをその所定値で置換する等の異常値処理を行う。そして、睡眠深度判定部7は、心拍強度及び/又は呼吸強度の時系列データや分散値HIDの時系列データ等を出力し、図示しない表示装置に表示させたり、印刷装置によって印刷させたり、記憶装置にデータとして記憶させたりするとともに、判定した睡眠深度情報を温度制御部8に供給する。

0033

温度制御部8は、睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度と、温度センサ10によって測定された温度とに基づいて、寝台21に敷設された温熱シート9の図示しない電源オンオフ制御することにより、寝床内温度を制御する。なお、温熱シート9は、一般には、温熱敷布団電気毛布等を具体例とする温度調節機能を有する寝具であるが、換言すれば、睡眠環境温度制御装置は、温度調節機能を有する寝具であればシート状部材に限らず任意のものを適用することができ、温熱敷布団や電気毛布等の電気加熱方式のものの他、温度調節された流体を収容する温度調節マットや、温度調節された空気を寝床内に供給する空気供給手段を備えるもの等であってもよい。また、温度センサ10は、温熱シート9まわりの寝床内温度、特に利用者の膝下における寝床内温度を測定するセンサと、温熱シート9を含む寝台21が配置された部屋の室温を測定するセンサとから構成されている。すなわち、温度制御部8は、睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度と、温度センサ10によって測定された寝床内温度及び室温とに基づいて、睡眠環境温度を制御する。

0034

このような睡眠環境温度制御装置は、図3に示すような一連の手順にしたがって、寝床内の温度測定を行い、睡眠深度に応じた睡眠環境温度制御を行う。なお、以下では、生体信号のうち心拍信号に基づいて処理を行うものとして説明する。

0035

まず、睡眠環境温度制御装置においては、図3に示すように、ステップS1において、利用者の操作のもとに、入床時における温熱シート9の睡眠環境温度を任意に設定する。この工程は、利用者自身が、入床時における覚醒時点で入のために快適と考える温度又は投入熱量の設定ボリューム値を調整すればよい。入床時における覚醒時の寝床内快適温度は、各自個人によって異なるため、各自個人が設定するものとする。また、睡眠環境温度制御装置においては、入床時刻や、この入床時刻に基づいて入床前に快適な寝床前温度まで上昇させるための設定時間、入床後に快適な寝床前温度を保持する時間等を設定可能としてもよい。なお、睡眠環境温度制御装置は、これらのパラメータを自動的に設定して制御を開始するか手動設定によって制御を開始するかの選択ボタン等を設けてもよい。

0036

続いて、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS2において、利用者の操作のもとに、覚醒段階、レム睡眠段階、浅いノンレム睡眠段階(第1のノンレム睡眠段階及び第2のノンレム睡眠段階)、及び、深いノンレム睡眠段階(第3のノンレム睡眠段階及び第4のノンレム睡眠段階)のそれぞれについての寝床内温度の目標設定温度を任意に設定する。また、このステップS2では、後述する誘導温度としての目標設定温度も設定する。この工程は、例えば図4に示すような設定用ダイアログを用いて所望値を入力する等、利用者自身が各段階で快適と考える温度に設定すればよい。なお、睡眠深度が深くなると体表面からの熱放散が多くなることから、ステップS2において設定される温度は、ステップS1において設定された温度よりも低い値となる。

0037

睡眠環境温度制御装置においては、以上の準備が終了して利用者が入床すると、ステップS3において、心拍強度信号を取り込む。すなわち、睡眠環境温度制御装置においては、生体信号検出部1によって検出された生体信号を信号増幅部2によって増幅し、フィルタ部3によって不要な信号をバンドパスフィルタ等によって除去して心拍信号と体動信号とを検出する。なお、体動信号は心拍信号と比較して大きい信号であることから、心拍信号は体動信号に内包された信号となる。体動信号は覚醒及び浅い睡眠時に発生し、特に覚醒時は頻発する場合が多いことから、睡眠環境温度制御装置においては、このような現象をも利用して睡眠深度の判定を行う。

0038

そして、睡眠環境温度制御装置においては、体動信号を含む心拍信号に対して自動利得制御部4によって利得制御を行うことによってピーク値を制御し、信号強度(振幅)を所定の範囲に制限する。これにより、睡眠環境温度制御装置においては、心拍信号に含まれる体動信号が異常に大きな値として検出・排除されることになり、データの信頼性が向上する効果がある。そして、睡眠環境温度制御装置においては、信号強度算出部5により、自動利得制御部4によって心拍信号に適用された利得の値を用いて信号強度を算出する。このとき、心拍強度信号のデータは、例えば1秒毎にサンプリングされ、図5に示すような心拍強度の時系列データが得られる。ここでは、利得の逆数と比例する関数を設定し、信号強度としている。なお、図5の心拍強度は、所定強度によって正規化したものである。

0039

続いて、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS4において、分散値算出部6によって心拍強度の分散値HIDを算出する。具体的には、分散値算出部6は、各時点から遡及して例えば30秒間のデータの分散値(標準偏差)を算出する。これにより、図6に示すような心拍強度の分散値HIDの時系列データが得られる。なお、図6に示す心拍強度の分散値HIDは、100秒間のデータの分散値であり、その単位は、想定される最大の心拍強度の分散値を基準とする百分率であり、最大スケールを45%としている。

0040

そして、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS5において、睡眠深度判定部7による睡眠深度の判定を行う。ここで、深いノンレム睡眠段階への遷移は、浅いノンレム睡眠段階から突然生じるのではなく、必ず浅いノンレム睡眠段階を所定時間経過してから生じるということが本願発明者の研究によって判明した。具体的には、浅いノンレム睡眠段階時に心拍強度の分散値HIDが3.3%以下となり、その状態が約600秒程度継続した場合に、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移する。そのため、睡眠環境温度制御装置は、深い睡眠状態では熱放散による温度上昇に応じて睡眠環境温度を低下させるが、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階への遷移時における温度も適切に制御し、浅いノンレム睡眠から深いノンレム睡眠へと誘導することを特徴としている。

0041

すなわち、睡眠深度判定部7は、ステップS4にて得られた心拍強度の分散値HIDの時系列データに基づいて睡眠深度を判定する。例えば、睡眠深度判定部7は、心拍強度の分散値HIDの値とその保持時間(ある値が所定条件を時間的に連続して満たす場合の時間)とに基づいて各睡眠深度を判定する。なお、睡眠深度判定部7は、心拍強度の分散値HIDを用いて睡眠深度を適切に判定できる手法であれば任意の手法を採用することができる。

0042

そして、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS6において、睡眠深度が覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階のいずれかであるかを判定する。ここで、睡眠環境温度制御装置においては、覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階のいずれかであると判定した場合には、ステップS7において、寝床内温度がステップS2にて各睡眠深度について設定した目標設定温度となるように、温度制御部8によって温熱シート9の温度を制御し、ステップS3からの処理を繰り返す。なお、睡眠環境温度制御装置においては、覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階を個別に判定し、目標設定温度も個別に設定するのではなく、深いノンレム睡眠段階ではない睡眠深度としてまとめて判定し、目標設定温度を一律に設定してもよい。

0043

一方、睡眠環境温度制御装置においては、覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階のいずれでもないと判定した場合には、ステップS8へと処理を移行し、分散値HIDが所定値以下である状態が所定時間継続しているか否かを判定する。具体的には、分散値HIDが3.3%以下である状態が600秒継続した場合に深いノンレム睡眠段階へと遷移することから、睡眠深度判定部7は、600秒の継続時間における途中の所定時間(例えば200秒)だけ分散値HIDが3.3%以下である状態が継続しているか否かを判定する。

0044

ここで、睡眠環境温度制御装置においては、分散値HIDが3.3%以下である状態が200秒継続するまで待機し、200秒継続すると、ステップS9において、寝床内温度が浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも若干低い温度(以下、誘導温度という。)となるように、温度制御部8によって温熱シート9の温度を制御する。睡眠環境温度制御装置においては、このような浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと誘導する誘導温度を設けることにより、拙速に深いノンレム睡眠段階の温度設定とすることによる違和感をなくすことが可能となる。

0045

そして、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS10において、深いノンレム睡眠段階に完全に遷移したか否かを判定する。すなわち、睡眠深度判定部7は、分散値HIDが3.3%以下である状態が600秒継続したか否かを判定する。睡眠環境温度制御装置においては、深いノンレム睡眠段階に遷移したと判定すると、ステップS11において、寝床内温度が深いノンレム睡眠段階についての目標設定温度となるように、温度制御部8によって温熱シート9の温度を制御し、ステップS3からの処理を繰り返す。なお、ここでの目標設定温度は、誘導温度よりも低い値となる。すなわち、各段階での設定温度の関係は、ステップS1にて設定した入床時における設定温度>ステップS2にて設定した覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階のそれぞれについての目標設定温度>誘導温度>深いノンレム睡眠段階についての目標設定温度となる。

0046

睡眠環境温度制御装置においては、このような一連の手順にしたがって、各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の制御を適切に行うことができる。

0047

なお、睡眠環境温度制御装置においては、深いノンレム睡眠段階から寝返り等が発生した場合等、深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移する場合には、短時間で遷移することから、即座に浅いノンレム睡眠段階についての睡眠環境温度となるように制御を行えばよく、レム睡眠段階や覚醒段階へと遷移する際にも、即座に対応する目標設定温度となるように制御を行えばよい。

0048

また、起床時には快適な目覚めを促すことが重要であり、そのために深部体温を上げることによって覚醒させる温度制御を行うのが望ましい。そのため、睡眠環境温度制御装置においては、起床予定時刻を設定可能とし、起床予定時刻前30分といったような起床予定時刻が近づいた時点で徐々に寝床内温度を上昇させるように目標設定温度を設定してもよい。睡眠環境温度制御装置においては、このような制御を行うことにより、利用者の深部体温が徐々に上昇し、その睡眠深度が浅くなるために、室内の照明外光あるいは音(目覚まし時計)等の刺激により、容易に且つ快適に目覚めさせることができる。

0049

さらに、睡眠環境温度制御装置においては、温度センサ10によって測定される室温の変化を加味した制御を行ってもよく、具体的には、室温が1℃低下する度に、目標設定温度を通常の目標設定温度よりも0.5℃上昇させる。睡眠環境温度制御装置においては、室温の変化に応じて目標設定温度を変更することにより、快適な寝床内温度を得ることができる。

0050

以下では、実際の制御例について説明する。

0051

まず、目標設定温度条件及び睡眠深度判定条件は以下のとおりである。

0052

すなわち、深いノンレム睡眠段階における目標設定温度T0Dを38℃(室温が10℃の場合)とした。この目標設定温度T0Dに設定するための深いノンレム睡眠段階の判定は、上述したように、100秒間の分散値HIDが所定値S3(3.3%)以下である状態が所定時間tm2(600秒)継続した場合に行うものとした。ただし、分散値HID≦S3である状態が断続的に発生する場合であっても、連続した同じ睡眠深度であると判定してもよい蓋然性が高いことから、分散値HID≦S3である状態の合間に、分散値HID≧S3となる状態が所定の短時間ts≦S0(約40秒)発生した場合であっても、全体として分散値HID≦S3である状態が所定時間tm2(600秒)継続した場合には、連続した深いノンレム睡眠段階であると判定した。

0053

また、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと誘導する目標設定温度T0Mを40℃(室温が10℃の場合)とした。この目標設定温度T0Mに設定するための判定は、100秒間の分散値HIDが所定値S3(3.3%)以下である状態が所定時間tm1(200秒)継続した場合に行うものとした。なお、上述したように、分散値HID≦S3である状態が断続的に発生する場合であっても、全体として分散値HID≦S3である状態が所定時間tm1(200秒)継続した場合には、目標設定温度T0Mに設定した。

0054

さらに、覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度T0Lを一律に42℃(室温が10℃の場合)とした。この目標設定温度T0Lに設定するための判定は、深いノンレム睡眠段階から、100秒間の分散値HIDが所定値S2(4%)を上回る状態が所定時間tm3(40秒程度)継続した場合に行うものとした。すなわち、体動等が発生した場合には、所定時間tm3経過後に、即座に目標設定温度T0Lに設定することにした。

0055

さらにまた、室温に対応した制御として、温度センサ10によって測定された室温が1℃低下する度に、目標設定温度を通常の目標設定温度よりも0.5℃上昇させるものとした。

0056

また、温熱シート9の制御内容は以下のとおりである。

0057

電源のオン/オフ制御が可能な温熱シート9を用いて寝床内温度を制御した。具体的には、温度制御部8が温熱シート9の電源をオン/オフ制御し、所定時間t1だけ経過した後の温度T1を温度センサ10によって測定し、この温度T1に基づくフィードバック制御を行った。より具体的には、目標設定温度をT0とすると、温度差A=(T1−T0)を算出し、この温度差Aが目標範囲に入るまで同様のオン/オフ制御を繰り返した。電源をオン/オフ制御する目標範囲は、以下のとおりである。
温度差AがA1以上且つA2未満(A1=1℃、A2=2℃)の場合には、電源オフ
温度差AがA2以上の場合には、電源オフ
温度差Aが−A1以下且つ−A2未満の場合には、電源オフ
温度差Aが−A2以下の場合には、電源オン

0058

このような条件及び制御内容で、実際に利用者が就寝している状態で寝床内温度の制御を行った。図7に示すような睡眠深度の判定結果が得られたところ、目標設定温度は、図8に示すようになった。そして、図9に示すような室温変化が存在した環境下で寝床内温度を制御した結果、図10に示すように、室温変化を反映した温度制御を実現することができた。

0059

以上説明したように、本発明の第1の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置においては、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移する際に誘導温度を設定し、この誘導温度に基づく寝床内温度の制御を行うことにより、利用者に寒い等の違和感を与えることなく、適切に深いノンレム睡眠段階へと誘導することができる。したがって、睡眠環境温度制御装置においては、深いノンレム睡眠段階を長くすることができ、利用者に安眠を提供することができ、早期対応型の睡眠深度に応じた睡眠環境温度制御を実現することができる。また、睡眠環境温度制御装置においては、心拍強度の分散値HIDの他、上述した所定時間tm1、tm2、tm3、ts等の時間的パラメータ、さらには、目標設定温度を任意に設定可能であることから、睡眠深度の判定処理を利用者が容易に変更することができるという利点も奏する。

0060

つぎに、本発明の第2の実施の形態として、寝床内温度を測定することなく、睡眠深度と室温とに基づくフィードフォワード制御を行う睡眠環境温度制御装置について説明する。

0061

図11に、本発明の第2の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置の処理をブロックとして表した構成を示している。なお、図11において矢視方向からみたときの一部断面図は図2と同様である。すなわち、睡眠環境温度制御装置は、第1の実施の形態として示した生体信号検出部1、信号増幅部2、フィルタ部3、自動利得制御部4、信号強度算出部5、分散値算出部6、及び、睡眠深度判定部7の他に、睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度及び温度センサ16によって測定された温度に基づいて寝台21に敷設された温熱シート9まわりの寝床内温度及び/又は空調装置17によって制御される室温(これら寝床内温度及び室温を睡眠環境温度とする)を制御する温度制御部15とを備える。なお、これら各部のうち、少なくとも、信号強度算出部5、分散値算出部6、睡眠深度判定部7、及び、温度制御部15は、上述したように、CPUやメモリ等のハードウェアを用いて実行可能なプログラムとして実装したり、コンピュータに装着可能な拡張ボードに搭載されたDSP等の専用プロセッサを用いて実装したりすることができる。

0062

温度制御部15は、睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度と、温度センサ16によって測定された温度とに基づいて、寝台21に敷設された温熱シート9の図示しない電源をオン/オフ制御することにより、寝床内温度を制御する。また、温度制御部15は、睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度と、温度センサ16によって測定された温度とに基づいて、空調装置17を制御して室温を制御することもできる。なお、温度センサ16は、寝台21が配置された部屋の室温を測定するセンサから構成されている。すなわち、温度制御部15は、睡眠深度判定部7によって判定された睡眠深度と、温度センサ16によって測定された室温とに基づいて、睡眠環境温度をフィードフォワード制御を行うものであり、寝床内温度測定をせずに、寝床内温度を制御する。即ち寝床内温度を測定することによるフィードバック制御は行わない。

0063

このような睡眠環境温度制御装置は、第1の実施の形態と同様に、先に図3に示したような一連の手順にしたがって、睡眠深度に応じた睡眠環境温度制御を行う。なお、以下では、生体信号のうち心拍信号に基づいて処理を行うものとして説明する。

0064

まず、睡眠環境温度制御装置においては、図3に示したように、ステップS1において、利用者の操作のもとに、入床時における温熱シート9の温度(寝床内温度)と室温とを含む睡眠環境温度を任意に設定する。この工程は、利用者自身が、入床時における覚醒時点で入眠のために快適と考える室温や温熱シート9への投入熱量の設定ボリューム値を調整すればよい。入床時における覚醒時の睡眠環境快適温度は、各自個人によって異なるため、各自個人が設定するものとする。また、睡眠環境温度制御装置においては、入床時刻や、この入床時刻に基づいて入床前に快適な寝床前睡眠環境温度まで上昇させるための設定時間、入床後に快適な寝床前睡眠環境温度を保持する時間等を設定可能としてもよい。なお、睡眠環境温度制御装置は、これらのパラメータを自動的に設定して制御を開始するか手動設定によって制御を開始するかの選択ボタン等を設けてもよい。

0065

続いて、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS2において、利用者の操作のもとに、覚醒段階、レム睡眠段階、浅いノンレム睡眠段階(第1のノンレム睡眠段階及び第2のノンレム睡眠段階)、及び、深いノンレム睡眠段階(第3のノンレム睡眠段階及び第4のノンレム睡眠段階)のそれぞれについての室温の目標設定温度や温熱シート9の目標設定温度(目標投入熱量に対応)を任意に設定する。また、このステップS2では、後述する誘導温度としての目標設定温度や、この誘導温度に対応する目標投入熱量も設定する。この工程は、先に図4に示したような設定用ダイアログを用いて所望値を入力する等、利用者自身が各段階で快適と考える温度に設定すればよい。なお、睡眠深度が深くなると体表面からの熱放散が多くなることから、ステップS2において設定される温度や投入熱量は、ステップS1において設定された温度や投入熱量よりも低い値となる。

0066

睡眠環境温度制御装置においては、以上の準備が終了して利用者が入床すると、ステップS3において、心拍強度信号を取り込む。すなわち、睡眠環境温度制御装置においては、生体信号検出部1によって検出された生体信号を信号増幅部2によって増幅し、フィルタ部3によって不要な信号をバンドパスフィルタ等によって除去して心拍信号と体動信号とを検出する。なお、体動信号は心拍信号と比較して大きい信号であることから、心拍信号は体動信号に内包された信号となる。体動信号は覚醒及び浅い睡眠時に発生し、特に覚醒時は頻発する場合が多いことから、睡眠環境温度制御装置においては、このような現象をも利用して睡眠深度の判定を行う。

0067

そして、睡眠環境温度制御装置においては、体動信号を含む心拍信号に対して自動利得制御部4によって利得制御を行うことによってピーク値を制御し、信号強度(振幅)を所定の範囲に制限する。これにより、睡眠環境温度制御装置においては、心拍信号に含まれる体動信号が異常に大きな値として検出・排除されることになり、データの信頼性が向上する効果がある。そして、睡眠環境温度制御装置においては、信号強度算出部5により、自動利得制御部4によって心拍信号に適用された利得の値を用いて信号強度を算出する。このとき、心拍強度信号のデータは、例えば1秒毎にサンプリングされ、先に図5に示したような心拍強度の時系列データが得られる。

0068

続いて、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS4において、分散値算出部6によって心拍強度の分散値HIDを算出する。具体的には、分散値算出部6は、各時点から遡及して例えば30秒間のデータの分散値(標準偏差)を算出する。これにより、先に図6に示したような心拍強度の分散値HIDの時系列データが得られる。

0069

そして、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS5において、睡眠深度判定部7による睡眠深度の判定を行う。ここで、深いノンレム睡眠段階への遷移は、浅いノンレム睡眠段階から突然生じるのではなく、必ず浅いノンレム睡眠段階を所定時間経過してから生じるということが本願発明者の研究によって判明した。具体的には、浅いノンレム睡眠段階時に心拍強度の分散値HIDが3.3%以下となり、その状態が約600秒程度継続した場合に、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと遷移する。そのため、睡眠環境温度制御装置は、深い睡眠状態では熱放散による温度上昇に応じて睡眠環境温度を低下させるが、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階への遷移時における温度も適切に制御し、浅いノンレム睡眠から深いノンレム睡眠へと誘導することを特徴としている。

0070

すなわち、睡眠深度判定部7は、ステップS4にて得られた心拍強度の分散値HIDの時系列データに基づいて睡眠深度を判定する。例えば、睡眠深度判定部7は、心拍強度の分散値HIDの値とその保持時間(ある値が所定条件を時間的に連続して満たす場合の時間)とに基づいて各睡眠深度を判定する。なお、睡眠深度判定部7は、心拍強度の分散値HIDを用いて睡眠深度を適切に判定できる手法であれば任意の手法を採用することができる。

0071

そして、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS6において、睡眠深度が覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階のいずれかであるかを判定する。ここで、睡眠環境温度制御装置においては、覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階のいずれかであると判定した場合には、ステップS7において、室温や寝床内温度を含む睡眠環境温度がステップS2にて各睡眠深度について設定した目標設定温度や目標投入熱量となるように、温度制御部15により、空調装置17の温度を制御したり、温熱シート9への投入熱量を制御したりし、ステップS3からの処理を繰り返す。なお、睡眠環境温度制御装置においては、覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階を個別に判定し、目標設定温度も個別に設定するのではなく、深いノンレム睡眠段階ではない睡眠深度としてまとめて判定し、目標設定温度を一律に設定してもよい。

0072

一方、睡眠環境温度制御装置においては、覚醒段階、レム睡眠段階、又は、浅いノンレム睡眠段階のいずれでもないと判定した場合には、ステップS8へと処理を移行し、分散値HIDが所定値以下である状態が所定時間継続しているか否かを判定する。具体的には、分散値HIDが3.3%以下である状態が600秒継続した場合に深いノンレム睡眠段階へと遷移することから、睡眠深度判定部7は、600秒の継続時間における途中の所定時間(例えば200秒)だけ分散値HIDが3.3%以下である状態が継続しているか否かを判定する。

0073

ここで、睡眠環境温度制御装置においては、分散値HIDが3.3%以下である状態が200秒継続するまで待機し、200秒継続すると、ステップS9において、室温や寝床内温度を含む睡眠環境温度が浅いノンレム睡眠段階における目標設定温度よりも若干低い温度(以下、誘導温度という。)となるように、温度制御部15により、空調装置17の温度を制御したり、温熱シート9への投入熱量を制御したりする。睡眠環境温度制御装置においては、このような浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと誘導する誘導温度を設けることにより、拙速に深いノンレム睡眠段階の温度設定とすることによる違和感をなくすことが可能となる。

0074

そして、睡眠環境温度制御装置においては、ステップS10において、深いノンレム睡眠段階に完全に遷移したか否かを判定する。すなわち、睡眠深度判定部7は、分散値HIDが3.3%以下である状態が600秒継続したか否かを判定する。睡眠環境温度制御装置においては、深いノンレム睡眠段階に遷移したと判定すると、ステップS11において、室温や寝床内温度を含む睡眠環境温度が深いノンレム睡眠段階についての目標設定温度や目標投入熱量となるように、温度制御部15により、空調装置17の温度を制御したり、温熱シート9への投入熱量を制御したりし、ステップS3からの処理を繰り返す。なお、ここでの目標設定温度は、誘導温度よりも低い値となる。すなわち、各段階での設定温度の関係は、ステップS1にて設定した入床時における設定温度>ステップS2にて設定した覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階のそれぞれについての目標設定温度(目標投入熱量)>誘導温度(それに対応する投入熱量)>深いノンレム睡眠段階についての目標設定温度(目標投入熱量)となる。

0075

睡眠環境温度制御装置においては、このような一連の手順にしたがって、各睡眠深度に応じた睡眠環境温度の制御を適切に行うことができる。

0076

なお、この第2の実施の形態においても、深いノンレム睡眠段階から寝返り等が発生した場合等、深いノンレム睡眠段階から浅いノンレム睡眠段階へと遷移する場合には、短時間で遷移することから、即座に浅いノンレム睡眠段階についての睡眠環境温度となるように制御を行えばよく、レム睡眠段階や覚醒段階へと遷移する際にも、即座に対応する目標設定温度となるように制御を行えばよい。

0077

また、この第2の実施の形態においても、起床予定時刻を設定可能とし、起床予定時刻前30分といったような起床予定時刻が近づいた時点で徐々に寝床内温度を上昇させるように目標設定温度を設定してもよい。

0078

さらに、睡眠環境温度制御装置においては、温度センサ16によって測定される室温の変化を加味した温熱シート9への投入熱量制御を行ってもよく、具体的には、室温が1℃低下する度に、寝床内温度の目標設定温度を通常の目標設定温度よりも0.5℃上昇させるような温熱シート9への投入熱量の制御を行う。睡眠環境温度制御装置においては、室温の変化に応じて温熱シート9への投入熱量を変更することにより、快適な睡眠環境温度を得ることができる。

0079

以下では、実際の制御例について説明する。

0080

まず、夏季における空調装置17の制御例について説明する。空調装置17による睡眠環境温度の制御は、入床時における覚醒時点で利用者が適温と考える温度設定をしておき、そこから睡眠深度に応じて室温を下げていくという制御内容となる。

0081

目標設定温度条件及び睡眠深度判定条件は以下のとおりである。

0082

すなわち、覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階における室温としての目標設定温度TLを一律に28℃とした。深いノンレム睡眠段階からこれらの段階へと移行する際の目標設定温度TLに設定するための判定は、深いノンレム睡眠段階から、100秒間の分散値HIDが所定値S2(4%)を上回る状態が所定時間tm3(40秒程度)継続した場合に行うものとした。すなわち、体動等が発生した場合には、所定時間tm3経過後に、即座に目標設定温度TLに設定することにした。

0083

また、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと誘導する室温としての目標設定温度TMを27℃とした。この目標設定温度TMに設定するための判定は、100秒間の分散値HIDが所定値S3(3.3%)以下である状態が所定時間tm1(200秒)継続した場合に行うものとした。なお、上述したように、分散値HID≦S3である状態が断続的に発生する場合であっても、全体として分散値HID≦S3である状態が所定時間tm1(200秒)継続した場合には、目標設定温度TMに設定した。

0084

さらに、深いノンレム睡眠段階における室温としての目標設定温度TDを26℃とした。この目標設定温度TDに設定するための深いノンレム睡眠段階の判定は、上述したように、100秒間の分散値HIDが所定値S3(3.3%)以下である状態が所定時間tm2(600秒)継続した場合に行うものとした。ただし、分散値HID≦S3である状態が断続的に発生する場合であっても、連続した同じ睡眠深度であると判定してもよい蓋然性が高いことから、分散値HID≦S3である状態の合間に、分散値HID≧S3となる状態が所定の短時間ts≦S0(約40秒)発生した場合であっても、全体として分散値HID≦S3である状態が所定時間tm2(600秒)継続した場合には、連続した深いノンレム睡眠段階であると判定した。

0085

さらにまた、起床時には、その予定時刻の30分前から室温を29℃まで上昇させるように室温としての目標設定温度TRを設定した。

0086

このような条件で、実際に利用者が就寝している状態で温度制御部15によって空調装置17の制御を行った。図12に示すような睡眠深度の判定結果が得られたところ、図13に示すような室温制御を実現することができた。

0087

つぎに、冬季における温熱シート9の制御例について説明する。温熱シート9による睡眠環境温度の制御は、入床時における覚醒時点で利用者が適温と考える温度設定をしておき、そこから睡眠深度に応じて投入熱量を少なくしていくという制御内容となる。

0088

温熱シート9の制御内容は以下のとおりである。

0089

電源のオン/オフ制御が可能な温熱シート9を用いて寝床内温度を制御した。具体的には、予め決められたパターンにしたがって温度制御部15が温熱シート9の電源をオン/オフ制御し、投入熱量を制御した。このとき、寝床内温度は一切測定していない。

0090

なお、温熱シート9への投入熱量のパターンは、以下のように、決められた所定時間T=Ton+Toff(ここでは100秒)内で、電源をオンする時間Tonと電源をオフする時間Toffとの比率として、予め設定した。
E00パターン:Ton=0%、Toff=100%(初期投入熱量の0%)
E10パターン:Ton=10%、Toff=90%(初期投入熱量の10%)
E20パターン:Ton=20%、Toff=80%(初期投入熱量の20%)
E30パターン:Ton=30%、Toff=70%(初期投入熱量の30%)
E40パターン:Ton=40%、Toff=60%(初期投入熱量の40%)
E50パターン:Ton=50%、Toff=50%(初期投入熱量の50%)
E60パターン:Ton=60%、Toff=40%(初期投入熱量の60%)
E70パターン:Ton=70%、Toff=30%(初期投入熱量の70%)
E80パターン:Ton=80%、Toff=20%(初期投入熱量の80%)
E90パターン:Ton=90%、Toff=10%(初期投入熱量の90%)
E100パターン:Ton=100%、Toff=0%(初期投入熱量の100%)

0091

また、目標投入熱量及び睡眠深度判定条件は以下のとおりである。

0092

すなわち、覚醒段階、レム睡眠段階、及び、浅いノンレム睡眠段階における目標投入熱量をE60パターン(室温が15℃の場合)とした。これらの段階へと移行する際の目標投入熱量に設定するための判定は、深いノンレム睡眠段階から、100秒間の分散値HIDが所定値S2(4%)を上回る状態が所定時間tm3(40秒程度)継続した場合に行うものとした。すなわち、体動等が発生した場合には、所定時間tm3経過後に、即座に目標投入熱量をE60パターンに設定することにした。

0093

また、浅いノンレム睡眠段階から深いノンレム睡眠段階へと誘導する目標投入熱量をE40パターンとした。この目標投入熱量に設定するための判定は、100秒間の分散値HIDが所定値S3(3.3%)以下である状態が所定時間tm1(200秒)継続した場合に行うものとした。なお、上述したように、分散値HID≦S3である状態が断続的に発生する場合であっても、全体として分散値HID≦S3である状態が所定時間tm1(200秒)継続した場合には、E40パターンの目標投入熱量に設定した。

0094

さらに、深いノンレム睡眠段階における目標投入熱量をE20パターンとした。この目標投入熱量に設定するための深いノンレム睡眠段階の判定は、上述したように、100秒間の分散値HIDが所定値S3(3.3%)以下である状態が所定時間tm2(600秒)継続した場合に行うものとした。ただし、分散値HID≦S3である状態が断続的に発生する場合であっても、連続した同じ睡眠深度であると判定してもよい蓋然性が高いことから、分散値HID≦S3である状態の合間に、分散値HID≧S3となる状態が所定の短時間ts≦S0(約40秒)発生した場合であっても、全体として分散値HID≦S3である状態が所定時間tm2(600秒)継続した場合には、連続した深いノンレム睡眠段階であると判定した。

0095

さらにまた、起床時には、その予定時刻の30分前から寝床内温度を上昇させるように目標投入熱量をE70パターンに設定した。

0096

また、室温に対応した制御として、温度センサ16によって測定された室温が1℃低下する度に、目標投入熱量を通常の目標投入熱量よりも5%上昇させるものとした。

0097

このような条件及び制御内容で、実際に利用者が就寝している状態で温熱シート9への投入熱量の制御を行った。図14に示すような睡眠深度の判定結果が得られたところ、目標投入熱量は、図15に示すようになった。そして、図16に示すような室温変化が存在した環境下で投入熱量を制御しながら寝床内温度を測定した結果、図17に示すように、室温変化を反映した寝床内温度制御を実現することができた。

0098

以上説明したように、本発明の第2の実施の形態として示す睡眠環境温度制御装置においては、フィードフォワード制御を行うことから、フィードバック制御に必要となる煩雑な寝床内温度測定を行うことなく、極めて簡便な構成でありながら、寝床内温度を含む睡眠環境温度の制御を実現することができる。

0099

なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。

0100

例えば、上述した実施の形態では、心拍信号を検出する方法として、利用者の身体の下に敷設した無拘束の生体信号検出部1によって得られた生体信号から心拍信号を抽出する方法を示したが、本発明は、継続的に心拍信号又は心拍信号と同等の信号が得られる検出手段であれば適用可能である。例えば、本発明は、手首上腕部等の身体に装着するタイプの心拍計脈拍計であってデータを連続的に記録することが可能なものであれば生体信号検出部1として適用可能である。

0101

また、生体信号検出部1としては、上述した中空チューブを用いる代わりに、図18に示すようなエアマット式の検出手段を用いてもよい。すなわち、図18に示す生体信号検出部30は、内部に空気を封入したエアマット30aの一端にエアチューブ30bが接続され、さらに、このエアチューブ30bに微差圧センサ30cが接続されて構成される。なお、微差圧センサ30cは、中空チューブを用いた生体信号検出部1の場合において説明したものと同様のものを用いることができる。

0102

さらに、上述した実施の形態では、心拍信号に基づく処理を中心に説明したが、本発明は、呼吸信号に基づいて呼吸強度やその分散値を求め、睡眠深度判定に用いるようにしてもよく、心拍信号による判定と呼吸信号による判定との論理積によって最終的な睡眠深度判定を行うようにしてもよい。

0103

さらにまた、上述した実施の形態では、心拍強度のばらつきを示す分散値として標準偏差を採用したが、本発明は、例えば、分散、偏差平方和所定範囲等の統計量を採用してもよい。

0104

このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。

0105

1,30生体信号検出部
1a圧力検出チューブ
1b,30c微差圧センサ
2信号増幅部
3フィルタ部
4自動利得制御部
5信号強度算出部
6分散値算出部
7睡眠深度判定部
8,15温度制御部
9温熱シート
10,16温度センサ
17空調装置
21寝台
22硬質シート
23クッションシート
30aエアマット
30b エアチューブ

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